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1. (WO2018194132) 被膜の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 被膜の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

0004   0005  

図面の簡単な説明

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101  

実施例

0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112  

符号の説明

0113  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 被膜の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、静電スプレー法による被膜の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 静電スプレーによって繊維を含む被膜を形成する方法が種々知られている。例えば、特許文献1のように、携帯式電気紡糸装置を使用する方法が記載されているが、液化重合体を射出するための溶媒については具体的な記載がない。特許文献2には、静電スプレーにより皮膚上に不連続フィルムを形成する方法が記載されているが、得られる不連続フィルムは粒子を含有する液膜であり繊維を含む被膜ではない。特許文献3には、ヒトに直接静電スプレーして繊維を形成する方法が記載されている。具体例としてポリビニルアルコールを水-エタノール溶液に溶解する組成物が記載されているが、ポリビニルアルコールは水溶性であるため、皮膚に直接噴霧する場合は、組成物を乾燥させるため高温の環境で噴霧させる等の条件が必要となり、液滴としてスプレーすることになり、繊維状の膜を形成することは困難である。さらに、水溶性繊維の場合、得られた被膜は汗により溶解する虞がある。
[0003]
  (特許文献1)特表2004-525272号公報
  (特許文献2)特開2006-95332号公報
  (特許文献3)特開2007-32534号公報

発明の概要

[0004]
 本発明は、人の皮膚又は爪に組成物Aを直接に静電スプレーすることを特徴とする皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を製造する方法であって、
組成物Aが、以下の成分(a)、(b)及び(c):
(a)アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水  0.2質量%以上25質量%以下
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である、被膜の製造方法に関するものである。
[0005]
 また、本発明は、人の手で把持可能な静電スプレー装置又は人の手で把持可能なスプレーノズルを備える操作部を有する静電スプレー装置により、人の皮膚又は爪に組成物を直接静電スプレーして皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を製造するために使用される組成物であって、次の成分(a)、(b)及び(c):
(a)エタノールを含有する揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下、
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である組成物に関するものである。

図面の簡単な説明

[0006]
[図1] 本発明で好適に用いられる静電スプレー装置の構成を示す概略図である。
[図2] 本発明で好適に用いられる静電スプレー装置の別の実施形態の構成を示す概略図である。
[図3] 図2に示す静電スプレー装置に備えられたカートリッジ部及び本体部の構造を示す概略図である。
[図4] 図2に示す静電スプレー装置に備えられたカートリッジ部及び本体部の別の実施形態を示す概略図である。
[図5] 本発明で用いられる静電スプレー装置の更に別の実施形態の構成を示す概略図である。
[図6] 図5に示す静電スプレー装置に備えられたカートリッジ部の構造を示す模式図である。
[図7] 静電スプレー装置を用いて静電スプレー法を行う様子を示す模式図である。

発明の詳細な説明

[0007]
 水不溶性ポリマーを静電スプレーにより皮膚上に直接被膜を形成した場合、被膜ができても繊維による被膜を形成できず柔軟性に欠けたり、又は繊維を含む被膜が得られたとしてもその被膜は、皮膚に対する密着性が低い課題があった。
 従って、本発明は、皮膚に直接静電スプレーすることにより、密着性が良好で、繊維を含む被膜を良好に形成する方法に関する。
[0008]
 本発明者は、静電スプレーする組成物の組成について種々検討した結果、被膜形成性ポリマーとして水不溶性ポリマーを用い、アルコール、ケトン等の揮発性物質以外に、一定量の水を含有させれば、当該組成物を皮膚や爪の表面に直接静電スプレーしたときに、繊維を含む被膜であって、かつ皮膚等への密着性の良好な被膜が安定して形成できることを見出し、本発明を完成した。
[0009]
 本発明の被膜の製造方法によれば、静電スプレーにより、水不溶性ポリマーの繊維による被膜を形成可能としつつ、水の存在により導電性を向上し、しかも繊維と水分を同時にスプレーすることが可能となり、繊維の皮膚への密着性を向上することができる。
[0010]
 本発明において、人の皮膚又は爪に直接静電スプレーして皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を形成するための組成物A(以下、噴霧用組成物Aともいう)は、次の成分(a)、(b)及び(c)を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である。
(a)アルコール及びケトンから選ばれる1種以上の揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下
[0011]
 成分(a)の揮発性物質は、液体の状態において揮発性を有する物質である。噴霧用組成物において成分(a)は、電界内に置かれた該噴霧用組成物Aを十分に帯電させた後、ノズル先端から皮膚に向かって吐出され、成分(a)が蒸発していくと、噴霧用組成物Aの電荷密度が過剰となり、クーロン反発によって更に微細化しながら成分(a)が更に蒸発していき、最終的に乾いた繊維を含む被膜を形成させる目的で配合される。この目的のために、揮発性物質はその蒸気圧が20℃において0.01kPa以上、106.66kPa以下であることが好ましく、0.13kPa以上、66.66kPa以下であることがより好ましく、0.67kPa以上、40.00kPa以下であることが更に好ましく、1.33kPa以上、40.00kPa以下であることがより一層好ましい。
[0012]
 成分(a)の揮発性物質のうち、アルコールとしては例えば一価の鎖式脂肪族アルコール、一価の環式脂肪族アルコール、一価の芳香族アルコールが好適に用いられる。一価の鎖式脂肪族アルコールとしてはC 1-C 6アルコール、一価の環式アルコールとしてはC 4-C 6環式アルコール、一価の芳香族アルコールとしてはベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等がそれぞれ挙げられる。それらの具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、n-プロパノール、n-ペンタノールなどが挙げられる。これらのアルコールは、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
[0013]
 成分(a)の揮発性物質のうち、ケトンとしてはジC 1-C 4アルキルケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのケトンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0014]
 成分(a)の揮発性物質は、より好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはエタノール及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種であり、形成される繊維の感触の観点から更に好ましくはエタノールを含有する揮発性物質である。
[0015]
 噴霧用組成物Aにおける成分(a)の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、65質量%以上であることが一層好ましい。また95質量%以下であることが好ましく、94質量%以下であることがより好ましく、93質量%以下であることが更に好ましく、92質量%以下であることが一層好ましい。噴霧用組成物Aにおける成分(a)の含有量は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上94質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上93質量%以下であることが更に好ましく、65質量%以上92質量%以下であることが一層好ましく、60質量%以上92質量%以下であることが一層好ましい。この割合で噴霧用組成物A中に成分(a)を含有させることで、静電スプレー法を行うときに噴霧用組成物Aを十分に揮発させることができ、皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を形成することができる。
 また、エタノールは、揮発性の高さと形成される繊維の感触の観点から、成分(a)の揮発性物質の全量に対して、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが一層好ましい。また100質量%以下であることが好ましい。エタノールは成分(a)の揮発性物質の全量に対して、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、65質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが一層好ましい。
[0016]
 成分(b)である繊維形成用水不溶性ポリマーは、成分(a)の揮発性物質に溶解することが可能な物質である。ここで、溶解するとは20℃において分散状態にあり、その分散状態が目視で均一な状態、好ましくは目視で透明又は半透明な状態であることをいう。
[0017]
 繊維形成用水不溶性ポリマーとしては、成分(a)の揮発性物質の性質に応じて適切なものが用いられる。具体的には、成分(a)に可溶で、水に対して不溶なポリマーである。本明細書において「水溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が水に溶解する性質を有するものをいう。一方、本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が溶解しない性質を有するもの、言い換えれば溶解量が0.5g未満の性質を有するものをいう。
[0018]
 水不溶性である繊維形成能を有するポリマーとしては、例えば被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水不溶性ポリマーのうち、被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリ乳酸(PLA)、ツエインから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
 これらの水不溶性ポリマーのうち、アルコール溶媒への分散性、繊維の感触の観点等から、部分鹸化ポリビニルアルコール、完全鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂がより好ましく、部分鹸化ポリビニルアルコール、完全鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂がさらに好ましく、皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を安定して効率的に形成することができる点、被膜の耐久性、被膜の形成性、皮膚への追随性と耐久性との両立の点からポリビニルブチラール樹脂が殊更に好ましい。
[0019]
 噴霧用組成物A中の成分(b)の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが一層好ましく、7質量%以上であることがより一層好ましい。また30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましく、17質量%以下であることがより一層好ましい。噴霧用組成物中Aの成分(b)の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上20質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以上20質量%以下が一層好ましく、7質量%以上17質量%以下がより一層好ましい。この割合で噴霧用組成物A中に成分(b)を含有させることで、繊維状の被膜を安定して効率的に形成することができる。
[0020]
 成分(c)は、水である。水は、エタノール等の電離しない溶媒に比べて電離し荷電するため、噴霧用組成物Aに導電性を付与することができる。そのため、静電スプレーにより皮膚や爪の表面上に繊維状の被膜が安定して形成される。また、水は、静電スプレーにより形成される被膜の皮膚や爪への密着性の向上、耐久性の向上、外観に寄与する。これらの作用効果を得る点から、成分(c)は、噴霧用組成物A中に0.2質量%以上25質量%以下含有する。噴霧用組成物A中の成分(c)の含有量は、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.35質量%以上であり、さらに好ましくは0.4質量%以上である。また、噴霧用組成物A中の成分(c)の含有量は、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは19質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下であり、夏場や湿度の高い環境においても繊維状の被膜の形成性を確保する観点からは10質量%以下であることが好ましい。噴霧用組成物A中の水の含有量は0.2質量%以上25質量%以下であり、0.3質量%以上20質量%以下が好ましく、0.35質量%以上19質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上18質量%以下がさらに好ましく、湿度の高い環境においても繊維状の被膜の形成性の観点から0.4質量%以上10質量%以下がよりさらに好ましい。
[0021]
 また、皮膚又は爪の表面への繊維状の被膜を形成し、かつ被膜の皮膚等への密着性の向上、耐久性の向上の点から、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)は、0.4以上50以下である。前記質量比(b/c)は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましい。また前記質量比(b/c)は45以下が好ましく、40以下がより好ましい。前記質量比(b/c)の範囲は、0.4以上50以下であり、0.5以上45以下が好ましく、0.55以上40以下がより好ましく、0.6以上40以下がさらに好ましい。
[0022]
 また、噴霧用組成物Aの直接静電スプレーにより安定して繊維状の被膜を得る点、得られた被膜の密着性の向上、耐久性の向上等の点から、成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)は、3以上300以下であるのが好ましい。前記質量比(a/c)は3.5以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。前記質量比(a/c)は250以下がより好ましく、210以下がさらに好ましい。前記質量比(a/c)の範囲は、3.5以上250以下がより好ましく、4以上210以下がさらに好ましい。
 なお、成分(a)がエタノールである場合の成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)についても同様に、3以上300以下であるのが好ましく、3.5以上250以下であるのがより好ましく、4以上210以下であるのがさらに好ましい。
 また、噴霧用組成物Aにおける成分(b)とエタノール(a)との含有量の比率(b/a)は、静電スプレー法を行うときにエタノール等の成分(a)を十分に揮発させ、繊維状の被膜を安定して形成させる点から、0.02以上0.6以下が好ましく、0.025以上0.4以下が好ましく、0.04以上0.3以下がより好ましく、0.07以上0.3以下がさらに好ましく、0.08以上0.25以下がよりさらに好ましい。なお、成分(a)がエタノールを含む場合にも、同様の質量比(b/a)は、0.02以上0.6以下が好ましく、0.025以上0.4以下がより好ましく、0.04以上0.3以下がさらに好ましく、0.07以上0.3以下がよりさらに好ましく、0.08以上0.25以下が殊更に好ましい。
[0023]
 噴霧用組成物A中には、上述した成分(a)~(c)のみが含まれていてもよく、あるいは成分(a)~(c)に加えて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、例えばポリオール、液状油、成分(b)のポリマーの可塑剤、噴霧用組成物Aの導電率制御剤、水溶性ポリマー、着色顔料、体質顔料等の粉体、染料、香料、忌避剤、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、各種ビタミン等が挙げられる。噴霧用組成物中に他の成分が含まれる場合、当該他の成分の含有割合は、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
[0024]
 更に、噴霧用組成物A中にグリコールを含有することができる。グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。静電スプレー法を行うときに成分(a)を十分に揮発させる観点、繊維形成性の観点、形成される繊維の感触の観点から、噴霧用組成物A中に10質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が好ましく、実質含まないことが好ましい。
[0025]
 噴霧用組成物A中には、着色顔料、体質顔料等の粉体を含有してもよいが、20℃で粒径が0.1μm以上の粉体の含有量は、均一な被膜の形成性、被膜の耐久性や密着性の観点から、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下であり、不可避的に混入する場合を除き含有していないことが好ましい。
[0026]
 噴霧用組成物Aの粘度は、繊維状の被膜を安定して形成する点、静電スプレー時の紡糸性の観点、被膜の耐久性を向上する観点と、被膜の感触を向上する観点から、25℃で2~3000mPa・sが好ましい。当該粘度は、10mPa・s以上が好ましく、15mPa・s以上がより好ましく、20mPa・s以上がさらに好ましく、30mPa・s以上がよりさらに好ましい。また、当該粘度は1500mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましく、800mPa・s以下がさらに好ましい。粘度の範囲は2mPa・s以上3000mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以上1500mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましく、15mPa・s以上800mPa・s以下がよりさらに好ましい。噴霧用組成物Aの粘度は、E型粘度計を用いて25℃で測定される。E型粘度計としては例えば東京計器株式会社製のE型粘度計(VISCONIC EMD)を用いることができる。その場合の測定条件は、25℃、コーンプレートのローターNo.43、回転数は粘度に応じた適切な回転数が選択され、500mPa・S以上の粘度は5rpm、150mPa・S以上500mPa・S未満の粘度は10rpm、150mPa・S未満の粘度は20rpmとする。
[0027]
 前記噴霧用組成物Aのうち、次の成分(a)、(b)及び(c):
(a)エタノールを含有する揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下、
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である組成物が、繊維状の被膜を安定して形成する観点、静電スプレー時の紡糸性の観点、被膜の耐久性の点からより好ましい。
[0028]
 ここで、成分(b)の繊維形成用水不溶性ポリマーとしては、前述のとおり、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリメタクリル酸樹脂から選ばれる1種又は2種以上の水不溶性ポリマーが好ましく、より好ましくはポリビニルブチラール樹脂及びポリウレタン樹脂から選ばれる水不溶性ポリマーであり、さらに好ましくはポリビニルブチラール樹脂であり、さらに好ましくは少なくともポリビニルブチラール樹脂を含む水不溶性樹脂である。
[0029]
 本発明においては、前記噴霧用組成物Aを、人の皮膚又は爪に直接静電スプレーして皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を形成する。より具体的には、前記噴霧用組成物Aを、静電スプレー装置、好ましくは人の手で把持可能な静電スプレー装置、あるいは、人の手で把持可能なスプレーノズルを備える操作部を有する静電スプレー装置を用いて、人の皮膚又は爪の表面に繊維で形成された被膜を形成する方法である。
[0030]
 本発明の静電スプレー対象は、人の皮膚又は爪である。
[0031]
 噴霧用組成物Aは静電スプレー法によって、人の皮膚又は爪の被膜を形成しようとする部位に直接噴霧される。静電スプレー法は、静電スプレー装置を用い、皮膚に噴霧用組成物を静電スプレーする工程を含む。静電スプレー装置は、基本的に、前記組成物を収容する容器と、前記組成物を吐出するノズルと、前記容器中に収容されている前記組成物を前記ノズルに供給する供給装置と、前記ノズルに電圧を印加する電源とを有する。
[0032]
 図1には、本発明で好適に用いられる静電スプレー装置の構成を表す概略図が示されている。同図に示す静電スプレー装置10は、低電圧電源11を備えている。低電圧電源11は、数Vから十数Vの電圧を発生させ得るものである。静電スプレー装置10の可搬性を高める目的で、低電圧電源11は1個又は2個以上の電池からなることが好ましい。また、低電圧電源11として電池を用いることで、必要に応じ取り替えを容易に行えるという利点もある。電池に代えて、ACアダプタ等を低電圧電源11として用いることもできる。
[0033]
 静電スプレー装置10は、高電圧電源12も備えている。高電圧電源12は、低電圧電源11と接続されており、低電圧電源11で発生した電圧を高電圧に昇圧する電気回路(図示せず)を備えている。昇圧電気回路は一般にトランス、キャパシタ及び半導体素子等から構成されている。
[0034]
 静電スプレー装置10は、補助的電気回路13を更に備えている。補助的電気回路13は、上述した低電圧電源11と高電圧電源12との間に介在し、低電圧電源11の電圧を調整して高電圧電源12を安定的に動作させる機能を有する。更に補助的電気回路13は、後述するマイクロギヤポンプ15Aに備えられているモータの回転数を制御する機能を有する。モータの回転数を制御することで、後述する噴霧用組成物の容器15からマイクロギヤポンプ15Aへの噴霧用組成物の供給量が制御される。補助的電気回路13と低電圧電源11との間にはスイッチSWが取り付けられており、スイッチSWの入り切りによって、静電スプレー装置10を運転/停止できるようになっている。
[0035]
 静電スプレー装置10は、ノズル15を更に備えている。ノズル15は、金属を初めとする各種の導電体や、導電体の周囲に備えるプラスチック、ゴム、セラミックなどの非導電体からなり、その先端から噴霧用組成物の吐出が可能な形状をしている。ノズル15内には噴霧用組成物が流通する微小空間が、該ノズル15の長手方向に沿って形成されている。この微小空間の横断面の大きさは、直径で表して100μm以上2000μm以下であることが好ましく、300μm以上1400μm以下であることがより好ましい。また同様の観点から、ノズル15の流路長さは、2mm以上25mm以下であることが好ましく、4mm以上15mm以下であることが更に好ましい。
 ノズル15は、管路15Bを介してマイクロギヤポンプ15Aと連通している。管路15Bは導電体でもよく、あるいは非導電体でもよい。また、ノズル15は、高電圧電源12と電気的に接続されている。これによって、ノズル15に高電圧を印加することが可能になっている。この場合、ノズル15に人体が直接触れた場合に過大な電流が流れることを防止するために、ノズル15と高電圧電源12とは、電流制限抵抗19を介して電気的に接続されている。ノズル15と高電圧電源12とは、電極等の導電体(図示せず)を介して電気的に接続されていてもよい。
[0036]
 管路15Bを介してノズル15と連通しているマイクロギヤポンプ15Aは、容器14中に収容されている噴霧用組成物をノズル15に供給する供給装置として機能する。マイクロギヤポンプ15Aは、低電圧電源11から電源の供給を受けて動作する。また、マイクロギヤポンプ15Aは、補助的電気回路13による制御を受けて所定量の噴霧用組成物をノズル15に供給するように構成されている。
[0037]
 マイクロギヤポンプ15Aには、フレキシブル管路15Cを介して容器14が接続されている。容器14中には噴霧用組成物が収容されている。容器14は、カートリッジ式の交換可能な形態をしていることが好ましい。このカートリッジは、詰替え用カートリッジであることがより好ましい。このカートリッジは、好ましくは詰替え用カートリッジに、前記噴霧用組成物Aが充填される。
[0038]
 静電スプレー装置10のハンドリング性と、噴霧用組成物の良好な吐出とを両立させる観点から、収容部15の容積は、1mL以上が好ましく、1.5mL以上がより好ましく、3mL以上が更に好ましく、また、25mL以下が好ましく、20mL以下がより好ましく、15mL以下が更に好ましい。具体的には、収容部15の容積は、1mL以上25mL以下が好ましく、1.5mL以上20mL以下がより好ましく、3mL以上15mL以下が更に好ましい。容器15(収容部15ともいもいう)の容積がこのような範囲となっていることによって、該容器15がカートリッジ式の交換可能な形態となっている場合に、小型でより簡便に交換可能であるという利点もある。
[0039]
 次に、本発明で用いられる静電スプレー装置の別の実施形態を図2ないし図6を参照しながら説明する。図2ないし図6に示す静電スプレー装置10は、カートリッジ部と本体部とを備えている点で図1に示す静電スプレー装置と異なる。図2ないし図6に示す実施形態に関して、特に説明しない点については、図1に示す実施形態についての説明が適宜適用される。また図2ないし図6において、図1と同じ部材には同じ符号を付した。
[0040]
 図2及び図3に示す実施形態の静電スプレー装置10は、大別してカートリッジ部10Aと本体部10Bとを備えている。カートリッジ部10Aは、収容部14、ガスケット141、プランジャ142及びノズル15を備えている。本体部10Bは、低電圧電源11、高電圧電源12、補助的電気回路13、直流モータ160及びモータ減速機161を備えた動力源16、及びネジシャフト171及び送りネジ172を備えた動力伝達部17を備えている。
[0041]
 カートリッジ部10Aは、本体部10Bから着脱可能になっている。このことに起因して、本実施形態の静電スプレー装置10によれば、噴霧用組成物の詰め替えを容易に行うことができ、且つノズル15の清潔さを保つことができる。カートリッジ部10Aが本体部10Bから着脱可能な形態としては、例えばプランジャ142及び送りネジ172に嵌合部を形成し嵌合させる方法や、プランジャ142及び送りネジ172に螺条を形成し螺合させる方法が挙げられるが、これらの方法に限られない。
[0042]
 図3に示すとおり、カートリッジ部10Aは、噴霧用組成物を収容可能な筒状の収容部14を備えている。収容部14の一端は開口部を形成している。収容部14の他端にはノズル15が設けられている。収容部14の内部にはガスケット141が配されている。ガスケット141は収容部14の横断面の形状と同一の輪郭を有する形状となっている。それによってガスケット141は収容部14の内面と液密に接触しつつ、収容部14の内部を摺動可能になっている。ガスケット141はプランジャ142の前端と結合している。プランジャ142は収容部14の開口部を越えて収容部14の外部へ延出している。プランジャ142の後端は送りネジ172と係合している。収容部14は導電体でもよく、あるいは非導電体でもよい。
[0043]
 本実施形態におけるノズル15は、収容部14と連通している。ノズル15は、高電圧電源12と電気的に接続されている。これによって、ノズル15に高電圧を印加することが可能になっている。この場合、ノズル15に人体が直接触れた場合に過大な電流が流れることを防止するために、ノズル15と高電圧電源12とは、電流制限抵抗器19を介して電気的に接続されている。ノズル15と高電圧電源12とは、電極等の導電体(図示せず)を介して電気的に接続されていてもよい。
[0044]
 以上は、本実施形態の静電スプレー装置10におけるカートリッジ部10Aの説明であったところ、本実施形態の本体部10Bについては以下に述べるとおりである。
 本体部10Bは、低電圧電源11を備えている。低電圧電源11は、数Vから十数Vの電圧を発生させ得るものである。静電スプレー装置10の可搬性を高める目的で、低電圧電源11は1個又は2個以上の電池からなることが好ましい。また、低電圧電源11として電池を用いることで、必要に応じ取り替えを容易に行えるという利点もある。電池に代えて、ACアダプタ等を低電圧電源11として用いることもできる。
[0045]
 本体部10Bは、高電圧電源12を更に備えている。高電圧電源12は、低電圧電源11と接続されており、低電圧電源11で発生した電圧を高電圧に昇圧する電気回路(図示せず)を備えている。昇圧電気回路は一般にトランス、キャパシタ及び半導体素子等から構成されている。
[0046]
 本体部10Bは、補助的電気回路13を更に備えている。補助的電気回路13は、上述した低電圧電源11と高電圧電源12との間に介在し、低電圧電源11の電圧を調整して高電圧電源12を安定的に動作させる機能を有する。更に補助的電気回路13は、後述する動力源16に備えられているモータの回転数を制御する機能を有する。モータの回転数を制御することで、噴霧用組成物が収容されている収容部14から噴霧用組成物を吐出するノズル15への噴霧用組成物の供給量が制御される。補助的電気回路13と低電圧電源11との間にはスイッチSWが取り付けられており、スイッチSWの入り切りによって、静電スプレー装置10を運転/停止できるようになっている。
[0047]
 本体部10Bは、動力源16及び動力伝達部17を更に備えている。動力源16は、収容部14中に収容されている噴霧用組成物をノズル15から吐出させる動力を発生させるものである。動力源16は、低電圧電源11から電源の供給を受け、補助的電気回路13による制御を受けて動作する。動力源16から発生した動力は、動力伝達部17によってカートリッジ部10Aに伝達され、所定量の噴霧用組成物を収容部14からノズル15に供給できるように構成されている。
[0048]
 本体部10Bは、直流モータ160及びモータ減速機161を備えた動力源16と、ネジシャフト171及び送りネジ172を備えた動力伝達部17とを備えている。
[0049]
 直流モータ160は、直流モータ160の回転動力を減じて出力するモータ減速機161に連結されている。モータ減速機161は、回転可能なネジシャフト171に連結されており、直流モータ160から発生した回転動力がモータ減速機161を介してネジシャフト171へ伝達され、ネジシャフト171が回転する構造となっている。ネジシャフト171に伝達された回転動力は、ネジシャフト171に連結された送りネジ172によって、送りネジ172の位置を長手方向Xに沿って移動させる直線的な動力に変換される。直線運動する送りネジ172はプランジャ142及びガスケット141を収容部14へ押し込み、それによって、収容部14内に収容されている噴霧用組成物をノズル15を通じて外部へ向けて噴射できるようにする。
[0050]
 図3では、送りネジ172とプランジャ142とが分離し、プランジャ142とガスケット141とが一体となった構造となっているが、送りねじ172とプランジャ142とが一体となっており、プランジャ142とガスケット141とが分離した構造となっていてもよく、送りネジ172とガスケット141とが直接接触し、ガスケット141に直線的な動力を伝達する構造となっていてもよい。
[0051]
 本発明に用いられる噴霧用組成物が導電性であることに起因して、ノズル15に印加された高電圧が収容部14内に収容されている噴霧用組成物や動力伝達部17を介して動力源16に印加されてしまい、静電スプレー装置10がダメージを受けたり、電荷が漏えいしてスプレーされないことがある。そこで、静電スプレー装置10の使用時における絶縁性を担保し、静電スプレー装置10がダメージを受けないようにする観点、及び噴霧用組成物を介した電流の漏えいを防いで紡糸の安定性を担保する観点から、動力伝達部17は動力源16とカートリッジ部10Aとを電気的に絶縁していることが好ましい。これによって、ノズル15に印加された高電圧が意図せず動力源16に印加されることを効果的に防止できる。動力源16とカートリッジ部10Aとを電気的に絶縁する方法としては、例えばプラスチックやセラミックなどの非導電体からなるネジシャフト171や送りネジ172を動力伝達部17として使用する方法が挙げられる。動力伝達部17が動力源16とカートリッジ部10Aとを電気的に絶縁していれば、ガスケット141やプランジャ142は導電体でもよく、あるいは非導電体でもよい。
[0052]
 図4には、本発明で好適に用いられる静電スプレー装置10の別の実施形態が示されている。図4に示す実施形態に関し、特に説明しない点については、図2及び図3に示す実施形態に関する説明が適宜適用される。また、図4において、図2及び図3と同じ部材には同じ符号が付してある。
[0053]
 図4に示すとおり、カートリッジ部10Aは収容部14、ガスケット141及びノズル15を備えている。一方、本体部10Bは、リニアステップモータ162を備えた動力源16と、ネジシャフト171を備えた動力伝達部17とを備えている。これらの構成を有することによって、収容部14からノズル15への噴霧用組成物の供給量を精密に制御できるとともに、本体部10Bの小型化に起因して静電スプレー装置10の可搬性をより高めることができる。
[0054]
 リニアステップモータ162は、その内部にメネジを有するロータ(図示せず)を有する。ロータのメネジにはオネジとなっているネジシャフト171が螺合している。リニアステップモータ162は本体部10Bのフレーム(図示せず)に固定されている。リニアステップモータ162内のロータが回転することによって、ロータのメネジに螺合されているネジシャフト171が長手方向Xに沿って直線的に移動する。直線移動するネジシャフト171は、ネジシャフト171の一端と接触しているガスケット141を収容部14内に押し込み、それによって、収容部14内に収容されている噴霧用組成物をノズル15を通じて外部へ向けて噴射できるようにする。
[0055]
 図5には、静電スプレー装置の更に別の実施形態が示されている。同図に示す静電スプレー装置10は、大別してカートリッジ部10Aと本体部10Bとを備えている。カートリッジ部10Aは、収容部14、ノズル15及びポンプ部15Pを備えている。本体部10Bは、低電圧電源11、高電圧電源12、補助的電気回路13、動力源16及び動力伝達部17を備えている。
[0056]
 カートリッジ部10Aは、本体部10Bから着脱可能になっている。このことに起因して、本実施形態の静電スプレー装置10によれば、噴霧用組成物の詰め替えを容易に行うことができ、且つノズル15の清潔さを保つことができる。カートリッジ部10Aが本体部10Bから着脱可能な形態としては、例えば後述する動力伝達部17に嵌合部を形成し、ポンプ部15Pと動力源16とを動力伝達部17を介して嵌合させる方法が挙げられるが、これらの方法に限られない。
[0057]
 収容部14は噴霧用組成物を収容可能なものであり、カートリッジ部10Aから着脱可能になっている。このことに起因して、本実施形態の静電スプレー装置10によれば、噴霧用組成物の詰め替えをより容易に行うことができる。収容部14がカートリッジ部10Aから着脱可能な形態としては、例えば収容部14及びポンプ部15Pに嵌合部を形成し嵌合させる方法が挙げられるが、これらの方法に限られない。
[0058]
 図6には、本実施形態におけるカートリッジ部10Aが示されている。カートリッジ部10Aは、袋状の収容部14を備えている。収容部14はポリエチレン等の液不透過性且つ可撓性の材料からなる2枚のシートを重ね合わせ、それらの外縁を液密に接合することによって平坦な袋状に形成されている。これによって、収容部14は変形可能な構造を有し、且つ収容部14の内部に噴霧用組成物を収容することができる。収容部14はその外縁の一部に、ポンプ部15Pへ噴霧用組成物を供給するために、ポンプ部15Pと連通可能な開口部14aを有している。収容部14は導電体でもよく、あるいは非導電体でもよい。
[0059]
 本実施形態におけるノズル15はポンプ部15Pと連通している。また、ノズル15は、高電圧電源12と電気的に接続されている。これによって、ノズル15に高電圧を印加することが可能になっている。この場合、ノズル15に人体が直接触れた場合に過大な電流が流れることを防止するために、ノズル15と高電圧電源12とは、電流制限抵抗器19を介して電気的に接続されている。ノズル15と高電圧電源12とは、電極等の導電体(図示せず)を介して電気的に接続されていてもよい。ノズル15は、ポンプ部15Pとの間を連通する管路を更に有していてもよい。管路は導電体でもよく、あるいは非導電体でもよい。
[0060]
 カートリッジ部10Aは、ポンプ部15Pを備えている。ポンプ部15Pは、収容部14とノズル15との間に介在し、それぞれと連通している。ポンプ部15Pは、収容部14の開口部14aとの接続部15aを有している。これによって、収容部14とポンプ部15Pとの間の流路の液密性を保ちつつ、収容部14中に収容されている噴霧用組成物をノズル15に供給することができる。ポンプ部15Pは、後述する動力源16の動力が動力伝達部17を介して伝達されることによって駆動する。図6に示すポンプ部15Pは、動力源16の動力を動力伝達部17を介してポンプ部15P内のギヤ等の内部機構(図示せず)に伝達するための回転可能な動力伝達凹部15bが更に設けられている。ポンプ部15Pとしては、噴霧用組成物の吐出定量性向上の観点、及び静電スプレー装置10の可搬性向上の観点から、ギヤポンプ等が用いられる。ギヤポンプとしては、例えば図1に示す実施形態において説明したマイクロギヤポンプ等を用いることができる。
[0061]
 収容部14とポンプ部15Pとの間の流路の液密性が保たれていることに起因して、ポンプ部15Pの動作により収容部14からノズル15へ噴霧用組成物を吐出すると、収容部14内の噴霧用組成物はノズル15への供給に伴って減少し、収容部14内の内圧が低下する。これによって、可撓性を有し変形可能な材料からなる収容部14は、内圧に応じてしぼむように変形する。
[0062]
 以上は、本実施形態の静電スプレー装置10におけるカートリッジ部10Aの説明であったところ、本実施形態の本体部10Bについては以下に述べるとおりである。
 本体部10Bは、低電圧電源11を備えている。低電圧電源11は、数Vから十数Vの電圧を発生させ得るものである。静電スプレー装置10の可搬性を高める目的で、低電圧電源11は1個又は2個以上の電池からなることが好ましい。また、低電圧電源11として電池を用いることで、必要に応じ取り替えを容易に行えるという利点もある。電池に代えて、ACアダプタ等を低電圧電源11として用いることもできる。
[0063]
 本体部10Bは、高電圧電源12を備えている。高電圧電源12は、低電圧電源11と接続されており、低電圧電源11で発生した電圧を高電圧に昇圧する電気回路(図示せず)を備えている。昇圧電気回路は一般にトランス、キャパシタ及び半導体素子等から構成されている。
[0064]
 本体部10Bは、補助的電気回路13を備えている。補助的電気回路13は、上述した低電圧電源11と高電圧電源12との間に介在し、低電圧電源11の電圧を調整して高電圧電源12を安定的に動作させる機能を有する。更に補助的電気回路13は、後述する動力源16に備えられているモータの回転数を制御する機能を有する。モータの回転数を制御することで、噴霧用組成物が収容されている収容部14からポンプ部15Pを介して噴霧用組成物を吐出するノズル15への噴霧用組成物の供給量が制御される。補助的電気回路13と低電圧電源11との間にはスイッチSWが取り付けられており、スイッチSWの入り切りによって、静電スプレー装置10を運転/停止できるようになっている。
[0065]
 本体部10Bは、動力源16及び動力伝達部17を更に備えている。本実施形態の動力源17は、収容部14中に収容されている噴霧用組成物を、ポンプ部15Pを介してノズル15から吐出させる動力を発生させるものである。本発明における動力源16にはモータ等が設けられており、低電圧電源11から電源の供給を受け、補助的電気回路13による制御を受けて動作し、動力を発生させる。動力源16から発生した動力は、該動力をポンプ部15Pに伝達する動力伝達部17によって、所定量の噴霧用組成物を収容部14からポンプ部15Pを介してノズル15に供給できるように構成されている。
[0066]
 本体部10Bに備えられた動力伝達部17は、モータ等の動力源16から発生した動力をポンプ部15Pに伝達するものである。これによって、収容部14中に収容されている噴霧用組成物をポンプ部15Pを介してノズル15に供給することができる。動力源16からの動力をポンプ部15Pに伝達する方法は特に制限はないが、例えばシャフトからなる動力伝達部17の先端に凸部構造(図示せず)を形成し、該凸部構造と、ポンプ部15Pに設けられた動力伝達凹部15bとを嵌合させることによって、動力源16内のモータの回転動力をポンプ部15Pに伝達させることができる。
[0067]
 本発明に用いられる噴霧用組成物が導電性であることに起因して、ノズル15に印加された高電圧がポンプ部15Pや動力伝達部17を介して動力源16に印加されてしまい、静電スプレー装置10がダメージを受けたり、電荷が漏えいしてスプレーされないことがある。そこで、静電スプレー装置10の使用時における絶縁性を担保し、静電スプレー装置10がダメージを受けないようにする観点、及び噴霧用組成物を介した電流の漏えいを防いで紡糸の安定性を担保する観点から、動力伝達部17は動力源16とカートリッジ部10Aとを電気的に絶縁していることが好ましい。これによって、ノズル15に印加された高電圧が意図せず動力源16に印加されることを効果的に防止できる。動力源16とカートリッジ部10Aとを電気的に絶縁する方法としては、例えばプラスチックやセラミックなどの非導電体からなる部材を動力伝達部17として使用する方法が挙げられる。動力伝達部17が動力源16とカートリッジ部10Aとを電気的に絶縁していれば、他の構成材料は導電体であってもよく、非導電体であってもよい。
[0068]
 以上の構成を有することによって、収容部14からノズル15への噴霧用組成物の供給量を精密に制御できるとともに、本体部10Bの小型化に起因して静電スプレー装置10の可搬性をより高めることができる。
[0069]
 図1ないし図6に示す実施形態に示す構成を有する静電スプレー装置10は、例えば図7に示すように使用することができる。図7には、片手で把持可能な寸法を有するハンディタイプの静電スプレー装置10が示されている。同図に示す静電スプレー装置10は、図1、図2又は図5に示す構成図の部材のすべてが円筒形の筐体20内に収容されている。なお、図7に示す筐体20は円筒形であるが、片手で把持可能な寸法を有しており、且つ図1に示す構成部材のすべてが収容されていれば筐体20の形状は特に制限されず、楕円筒型や正多角筒形等の筒形であってもよい。「片手で把持可能な寸法」とは、静電スプレー装置10が収容された筐体20の重量が2kg以下であることが好ましく、筐体20の長手方向における最大長は40cm以下であることが好ましく、筐体20の体積は3000cm 以下であることが好ましい。筐体20の長手方向の一端10aには、ノズル(図示せず)が配置されている。ノズルは、その噴霧用組成物の吹き出し方向を、筐体20の縦方向と一致させて、肌側に向かい凸状になるように該筐体20に配置されている。ノズル先端が筐体20の縦方向においてに肌に向かい凸状になるように配置されていることによって、筐体に噴霧用組成物が付着しにくくなり、安定的に被膜を形成することができる。
[0070]
 次に皮膚又は爪の表面に被膜を形成する場合について説明する。
 静電スプレー装置10を動作させるときには、使用者、すなわち静電スプレーによって皮膚又は爪の被膜を形成しようとする部位上に被膜を形成する者が該装置10を手で把持し、ノズル(図示せず)が配置されている該装置10の一端10aを、静電スプレーを行う適用部位に向ける。図7では、使用者の前腕部内側に静電スプレー装置10の一端10aを向けている状態が示されている。この状態下に、装置10のスイッチをオンにして静電スプレー法を行う。装置10に電源が入ることで、ノズルと皮膚との間には電界が生じる。図7に示す実施形態では、ノズルに正の高電圧が印加され、皮膚が負極となる。ノズルと皮膚との間に電界が生じると、ノズル先端部の噴霧用組成物は、静電誘導によって分極して先端部分がコーン状になり、コーン先端から帯電した噴霧用組成物の液滴が電界に沿って、皮膚に向かって空中(大気中)に吐出される。空間(大気中)に吐出され且つ帯電した噴霧用組成物から溶媒である成分(a)が蒸発していくと、噴霧用組成物表面の電荷密度が過剰となり、クーロン反発力によって微細化を繰り返しながら空間に広がり、皮膚に到達する。この場合、噴霧用組成物の粘度を適切に調整することで、噴霧された該組成物を液滴の状態で適用部位に到達させることができる。また、空間に吐出されている間に、溶媒である揮発性物質を液滴から揮発させ、溶質である被膜形成能を有するポリマーを固化させつつ、電位差によって伸長変形させながら繊維を形成し、その繊維を適用部位に堆積させることができる。例えば、噴霧用組成物の粘度を高めると、該組成物を繊維の形態で適用部位に堆積させやすい。これによって、繊維の堆積物からなる多孔性被膜が適用部位の表面に形成される。このような繊維の堆積物からなる多孔性被膜は、ノズルと皮膚との間の距離や、ノズルに印加する電圧を調整することでも形成することが可能である。
[0071]
 静電スプレー法を行っている間は、ノズルと皮膚との間に高い電位差が生じている。しかし、インピーダンスが非常に大きいので、人体を流れる電流は極めて微小である。例えば通常の生活下において生じる静電気によって人体に流れる電流よりも、静電スプレー法を行っている間に人体に流れる電流の方が数桁小さいことを、本発明者は確認している。
[0072]
 静電スプレー法によって繊維の堆積物を形成する場合、該繊維の太さは、円相当直径で表した場合、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることが更に好ましい。また3000nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることが更に好ましい。繊維の太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、繊維を10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(繊維の塊、繊維の交差部分、液滴)を除き、繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引き、繊維径を直接読み取ることで測定することができる。
[0073]
 静電スプレー法によって形成された繊維の堆積物である被膜は、構成する繊維の表面側に、水分が存在する被膜を有している。繊維の表面側とは、表面あるいは、表面の一部、繊維間を意味する。噴霧用組成物における水分の含有量が、概ね0.2質量%以上であり、繊維形成能を有するポリマー(b)と水(c)との質量比(b/c)が0.4以上であれば、構成する繊維の表面や繊維の間に水が担持された被膜が形成されやすく、繊維の透明性や密着性を向上することができる。一方、噴霧用組成物における水の含有量が0.2質量%未満であり、繊維形成能を有するポリマー(b)と水(c)との質量比(b/c)が0.4未満であれば、構成する繊維の表面に水分担持被膜が形成されにくく、被膜の耐久性や密着性に影響する。このように被膜を構成する繊維に水分担持被膜が形成されると、皮膚との密着性が高まり、被膜が透明化する傾向にあり、自然な見た目に近づく。更に、密着性が高まることから皮膚の保湿性、或いは皮膚の状態改善に効果的である。なお、これらの密着性の効果は、後述する静電スプレーの前又は後の液剤塗布によりさらに増強される。
[0074]
 汗や皮脂などを含む皮膚の場合、繊維中に水分や油分が複合されることで、繊維が膨潤しあるいは可塑化しやすくなる。例えば、同じ組成物を、水分や油分を含まない金属表面と、水分や油分を含む肌表面、例えば手のひらに対して5秒間静電スプレーして薄膜を作製した場合、繊維径の変化を経時観察すると、肌表面に静電スプレーされた繊維は、金属表面に静電スプレーされた繊維よりも、膨潤により経時で大径化する。このように、静電スプレーにより形成された、繊維を含む被膜が、皮膚中の油分や水分で可塑化して一層柔らかくなることで、繊維そのものの皮膚のキメへの追従性が向上し、また繊維から水分がブリードアウトして、繊維表面や繊維と繊維の間に存在することで、繊維を含む被膜が半透明または透明化し、見た目の自然さが付与される。被膜形成対象物が汗や皮脂などを含む皮膚の場合、膨潤による繊維径は以下の(1)式を満たす。
 (皮膚に対して紡糸し、30秒後の繊維径)>(金属板に対して紡糸し、30秒後の繊維径)・・・(1)
[0075]
 噴霧用組成物Aである成分(a)、成分(b)及び成分(c)の含有量は以下のようにして測定する。揮発性物質である成分(a)は形成された被膜に存在せず、又は存在しても揮発するため、形成された被膜には成分(b)及び成分(c)のみが含有される状態で測定し、その含有量は以下のようにして測定する。
[0076]
 <噴霧用組成物の成分(b)及び成分(c)の含有量の測定法>
 溶液状態にて液体クロマトグラフ(HPLC)による分離同定や、赤外分光光度計(IR)にて同定する方法がある。液体クロマトグラフでは、分子量の大きい成分から溶出するため、分子量の予測や、成分の溶出位置によって組成を同定することもできる。IR分析では個々の吸収体より官能基を帰属し同定することも可能であり、一般的には市販添加剤の標準チャートと成分のIRチャートを比較することで同定することが可能である。
[0077]
 <形成された被膜における成分(b)及び成分(c)の含有量の測定法>
 被膜を溶解可能な溶媒の探索を行い、溶媒に被膜を溶解後、液体クロマトグラフ(HPLC)による分離同定や、赤外分光光度計(IR)にて同定する。
[0078]
 被膜を形成する前記繊維は、製造の原理上は無限長の連続繊維となるが、少なくとも繊維の太さの100倍以上の長さを有することが好ましい。本明細書においては、繊維の太さの100倍以上の長さを有する繊維のことを「連続繊維」と定義する。そして、静電スプレー法によって製造される被膜は、連続繊維の堆積物からなる多孔性の不連続被膜であることが好ましい。このような形態の被膜は、集合体として1枚のシートとして扱えるだけでなく、非常に柔らかい特徴を持っており、それに剪断力が加わってもばらばらになりにくく、身体の動きへの追従性に優れるという利点がある。また、被膜の完全除去が容易であるという利点もある。これに対して、細孔を有さない連続被膜は剥離が容易でなく、また汗の放散性が低いので、皮膚に蒸れが生じる虞がある。また、粒子の集合体からなる多孔性の不連続被膜は、被膜を完全に除去するために、被膜全体に摩擦をかける等の動作が必要となるなど、皮膚へのダメージなく完全除去することは困難である。
[0079]
 静電スプレー装置10を用いた静電スプレー工程において、静電スプレーされ繊維状となった噴霧用組成物は、成分(a)が蒸発しながら、成分(b)及び成分(c)が帯電した状態で皮膚に直接到達する。先に述べたとおり皮膚も帯電しているので、繊維は静電力によって一枚の膜の形態で皮膚に密着する。皮膚の表面には肌理等の微細な凹凸が形成されているので、その凹凸によるアンカー効果と相まって繊維は一枚の膜の形態で皮膚の表面に一層密着する。このようにして静電スプレーが完了したら、静電スプレー装置10の電源を切る。これによってノズルと皮膚との間の電界が消失し、皮膚の表面は電荷が固定化される。その結果、一枚の膜の形態の被膜の密着性が一層発現し、着用中に被膜の際からの剥離がし難く、使用中の耐久性が向上する。また、被膜を構成する繊維が水分を含有しているので、被膜に違和感がなく、優れた保湿効果や、被膜の柔軟化効果が得られ、皮膚に被膜を十分に密着させることができる。この理由としては、水分が繊維の表面や繊維の間に存在することで、可塑効果により繊維自体が柔らかくなり微細な凹凸面への追従性が高まることや、水分が繊維表面にブリードアウトすることで繊維と皮膚との間を液体架橋するためと考えられる。更に、被膜を構成する繊維の繊維間又は繊維の表面に水分が存在する水分担持被膜を有しているので、被膜を構成する繊維が光を反射し難く、被膜の見た目が透明となり易く、見た目が自然な状態で皮膚を被覆できる。これらの効果は、後述の液剤塗布により、さらに増強される。
[0080]
 ノズルと皮膚との間の距離は、ノズルに印加する電圧にも依存するが、被膜を首尾よく形成するうえで、10mm以上、160mm以下であることが好ましく、20mm以上、150mm以下であることがより好ましく、40mm以上、150mm以下であることがさらに好ましい。ノズルと皮膚との間の距離は、一般的に用いられる非接触式センサ等で測定することができる。
[0081]
 静電スプレー法によって形成された被膜が繊維を含むものであるか否かを問わず、被膜の坪量は、0.1g/m 2以上であることが好ましく、1g/m 2以上であることが更に好ましい。また50g/m 2以下であることが好ましく、40g/m 2以下であることが更に好ましい。例えば被膜の坪量は、0.1g/m 2以上50g/m 2以下であることが好ましく、1g/m 2以上40g/m 2以下であることが更に好ましい。被膜の坪量をこのように設定することで、被膜の密着性を向上させることができる。
[0082]
 なお、皮膚又は爪に組成物を直接に静電スプレーして被膜を形成する静電スプレー工程とは、皮膚又は爪に静電スプレーして、被膜を形成する工程を意味する。組成物を皮膚又は爪以外の場所に静電スプレーして繊維からなるシートを作製し、そのシートを皮膚又は爪に塗布する工程は、前記静電スプレー工程とは異なる。
[0083]
 本発明においては、上述した静電スプレーによって皮膚又は爪上に被膜を形成する静電スプレー工程の前又は後に、20℃で液体のポリオール及び20℃で液体の油から選ばれる1種以上を含有し、噴霧用組成物以外の液剤を例えば静電スプレー以外の手段で皮膚に塗布する工程を行ってもよい。液剤塗布工程を行うことで、静電スプレー工程で形成される被膜が、適用部位になじみやすくなり、該被膜が皮膚に高密着化することが可能となり、極めて透明にすることもできる。例えば、被膜の端部と皮膚との間に段差が生じにくくなり、それによって被膜と皮膚との密着性が向上する。その結果、被膜の剥離や破れ等が生じにくくなる。より好ましい態様である、被膜が繊維の堆積物からなる多孔性被膜である場合、高い空隙率であるにもかかわらず皮膚との密着性が高く、また大きな毛管力が発生しやすい。更に、繊維が微細である場合には多孔性被膜を高比表面積化することが容易となる。
[0084]
 特に、静電スプレー工程において繊維の堆積物からなる多孔性被膜を形成した後に、液剤塗布工程を行うことにより、該多孔性被膜を形成する繊維間、及び/又は繊維表面に該液剤が存在する被膜が形成される。これによって、被膜の密着性が向上し、目視における被膜の透明性が維持又は向上する。特に被膜が無色透明あるいは有色透明である場合には、より被膜を視認しにくくなることによって、自然な皮膚のように見せることができる。また、被膜が有色透明である場合には、被膜に透明感が出るため、皮膚の一部のように見せることができる。
[0085]
 20℃において液体の油としては、例えば流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;モノアルコール脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;高級アルコールなどが挙げられる。これらのうち、塗布時の滑らかさなどの使用感の点から、炭化水素油、エステル油が好ましい。また、炭化水素油、エステル油を複数種類含有するオリーブ油やホホバ油等の植物油、液状ラノリン等の動物油を含有することも可能であり、又は前述の20℃において液体の油から選ばれる液体油を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0086]
 前記炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、n-オクタン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン等が挙げられ、使用感の観点から流動パラフィン、スクワランが好ましい。また、静電噴霧された被膜を皮膚に密着させる観点から、炭化水素油の30℃における粘度は、好ましくは10mPa・s以上であり、より好ましくは30mPa・s以上である。かかる観点から、30℃において粘度が10mPa・s未満である、イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテンの液剤中の合計の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下であり、より更に好ましくは0.5質量%以下であり、含有しなくてもよい。
 同様に、静電噴霧された被膜を皮膚に密着させる観点から、エステル油及びシリコーン油の30℃における粘度は、好ましくは10mPa・s以上であり、より好ましくは30mPa・s以上である。
 ここでの粘度は、30℃においてBM型粘度計(トキメック社製、測定条件:ローターNo.1、60rpm、1分間)により測定される。
 なお、同様の観点から、セチル-1,3-ジメチルブチルエーテル、ジカプリルエーテル、ジラウリルエーテル、ジイソステアリルエーテル等のエーテル油の液剤中の合計の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。
[0087]
 前記エステル油としては、直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と、直鎖又は分岐鎖のアルコール又は多価アルコールからなるエステルが挙げられる。具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、ナフタレンジカルボン酸ジエチルヘキシル、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリラウリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、トリヤシ油脂肪酸グリセリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール等が挙げられる。
[0088]
 これらの中では、静電噴霧された被膜を皮膚に密着させる観点及び皮膚に塗布した際の感覚に優れる点から、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、セテアリルイソノナノエート、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリンから選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
[0089]
 トリグリセライドとしては、脂肪酸トリグリセライドが好ましく、例えばオリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油、アボカド油、キャノーラ油、キョウニン油、米胚芽油、米糠油などに含まれる。
[0090]
 高級アルコールとしては、炭素数12~20の液状の高級アルコールが挙げられ、具体的にはイソステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
[0091]
 防腐剤としてはフェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラアミノ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、エチルヘキサンジオール等が挙げられる。
[0092]
 シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
 25℃におけるシリコーン油の動粘度は、静電噴霧された被膜を皮膚に密着させる観点から、3mm 2/sが好ましく、4mm 2/sがより好ましく、5mm 2/s以上が更に好ましく、30mm 2/s以下が好ましく、20mm 2/s以下がより好ましく、10mm 2/s以下が更に好ましい。
 これらの中でも、静電噴霧された被膜を皮膚に密着させる観点から、ジメチルポリシロキサンを含むことが好ましい。
[0093]
 前記液剤中の液体油の含有量は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。また、好ましくは100質量%以下である。液剤中における液体油の含有量は、好ましくは0.1質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上100質量%以下である。
 なお、ここで液体の油のHLB値は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは6以下である。なお、HLB値は、親水性-親油性のバランス(Hydrophile ipophile Balance)を示す指標であり、本発明においては、小田及び寺村らによる次式により算出した値を用いている。
   HLB=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10
[0094]
 液剤に用いられる20℃で液体のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、重量平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類等が挙げられる。これらのうち、塗布時の滑らかさなどの使用感の点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、重量平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが好ましく、更にプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンがより好ましく、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールが一層好ましい。
[0095]
 液剤は、25℃において5000mPa・s以下の粘性(粘度)を有することが、静電スプレー法によって形成された被膜と適用部位との密着性の向上の点から好ましい。液体の粘度の測定方法は、上述したとおりである。
[0096]
 当該液剤を皮膚に塗布するには種々の方法を用いることができる。例えば、滴下や振りかけ等の方法によって液剤を皮膚に施し、該液剤を塗り広げる工程を備えることにより、皮膚又は被膜になじませることが可能となり、該液剤の薄層を形成することができる。液剤を塗り広げる工程は、例えば使用者本人の指や、アプリケータ等の道具を用いた擦過などの方法を採用することができる。液剤を単に滴下したり振りかけたりしただけでもよいが、塗り広げる工程を備えることにより、皮膚又は被膜になじませることが可能となり、被膜の密着性を十分に向上させることができる。別法として、液剤を皮膚に噴霧して該液剤の薄層を形成することもできる。この場合には、別途の塗り広げは格別必要ないが、噴霧後に塗り広げの操作を行うことは妨げられない。なお、被膜の形成後に液剤を施す場合には、十分な液剤を皮膚に適用し、余分の液剤はシート材を液剤の施した範囲に接触させる工程により、余剰の液剤を除去することができる。
[0097]
 液剤を皮膚に塗布する量は、皮膚と被膜との密着性が向上するのに必要十分な量とすればよい。液剤中に液体油が含まれている場合には、皮膚と被膜との密着性を確実にする観点から、液剤を皮膚に施す量は、液体油の坪量が好ましくは0.1g/m 2以上であり、より好ましくは0.2g/m 2以上となるような量とし、好ましくは40g/m 2以下であり、より好ましくは35g/m 2以下となるような量とする。例えば、液剤を皮膚に施す量は、液体油の坪量が好ましくは0.1g/m 2以上40g/m 2以下、より好ましくは0.2g/m 2以上35g/m 2以下となるような量とする。
 また、液剤を皮膚に、又は被膜に施す量は、皮膚と被膜の密着性を向上させる観点、透明性を向上させる観点から、好ましくは5g/m 2以上であり、より好ましくは10g/m 2以上であり、更に好ましくは15g/m 2以上であり、好ましくは50g/m 2以下であり、より好ましくは45g/m 2以下である。
[0098]
 以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、自己の皮膚に被膜を形成させたい者が静電スプレー装置10を把持し、該装置10の導電性ノズルとその者の皮膚との間に電界を生じさせたが、両者間に電界が生じる限り、自己の皮膚に被膜を形成させたい者が静電スプレー装置10を把持する必要はない。
[0099]
 上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の方法を開示する。
[0100]
<1>人の皮膚又は爪に組成物Aを直接静電スプレーすることを特徴とする皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を製造する方法であって、組成物Aが、以下の成分(a)、(b)及び(c):
(a)アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である、被膜の製造方法。
<2>組成物Aにおける成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)が、3以上300以下である<1>記載の被膜の製造方法。
<3>人の皮膚又は爪の表面に湿潤した繊維の被膜を形成する<1>又は<2>記載の被膜の製造方法。
<4>前記静電スプレーが、人の手で把持可能な静電スプレー装置又は人の手で把持可能なスプレーノズルを備える操作部を有する静電スプレー装置である<1>~<3>のいずれかに記載の被膜の製造方法。
<5>成分(a)の揮発性物質はその蒸気圧が20℃において0.01kPa以上、106.66kPa以下であることが好ましく、0.13kPa以上、66.66kPa以下であることがより好ましく、0.67kPa以上、40.00kPa以下であることが更に好ましく、1.33kPa以上、40.00kPa以下であることがより一層好ましい前記<1>~<4>のいずれかに記載の製造方法。
<6>成分(a)の揮発性物質は好ましくはアルコールであり、より好ましくは一価の鎖式脂肪族アルコール、一価の環式脂肪族アルコール、及び一価の芳香族アルコールから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、プロパノール、及びペンタノールから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>~<5>のいずれかに記載の製造方法。
<7>成分(a)の揮発性物質は、好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはエタノール、及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種であり、更に好ましくはエタノールを含有する揮発性物質である前記<1>~<6>のいずれかに記載の製造方法。
<8>成分(a)はエタノールを含む揮発性物質であることが好ましく、成分(a)中のエタノールの含有量が80質量%以上であることがより好ましい前記<1>~<7>のいずれか1に記載の製造方法。
<9>前記組成物Aにおける成分(a)の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、65質量%以上であることが一層好ましく、また95質量%以下であることが好ましく、94質量%以下であることがより好ましく、93質量%以下であることが更に好ましく、92質量%以下であることが一層好ましく、前記組成物における成分(a)の含有量は、50質量%以上95質量%以下が好ましく、55質量%以上94質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上93質量%以下であることが更に好ましく、65質量%以上92質量%以下であることが一層好ましい前記<1>~<8>のいずれかに記載の製造方法。
<10>前記組成物Aにおける成分(a)の含有量は、好ましくは60質量%以上92質量%以下で前記<1>~<9>のいずれか1に記載の製造方法。
<11>成分(b)の繊維形成性水不溶性ポリマーは、成分(a)の揮発性物質に溶解することが可能な物質であり、水不溶性ポリマーである前記<1>~<10>のいずれかに記載の製造方法。
<12>成分(b)が、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、オキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂から選ばれる1種又は2種以上の水不溶性ポリマーであり、より好ましくは、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体、ポリ乳酸、ツエインから選ばれる1種又は2種以上の水不溶性ポリマーであり、より好ましくはポリビニルブチラール樹脂及びポリウレタン樹脂から選ばれる水不溶性ポリマーであり、さらに好ましくはポリビニルブチラール樹脂であり、よりさらに好ましくは少なくともポリビニルブチラール樹脂を含む水不溶性樹脂である前記<1>~<11>のいずれかに記載の製造方法。
<13>成分(b)が、ポリビニルブチラール樹脂を含む水不溶性樹脂である前記<1>~<12>のいずれか1に記載の製造方法。
<14>前記組成物Aにおける成分(b)の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることが更に好ましく、3質量%以上であることが一層好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、また30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが更に好ましく、20質量%以下であることが一層好ましく、前記組成物Aにおける成分(b)の含有量は、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることが更に好ましく、3質量%以上20質量%以下であることが一層好ましく、5質量%以上20質量%以下が更に好ましい前記<1>~<13>のいずれか1に記載の製造方法。
<15>前記組成物Aにおける成分(b)の含有量は、好ましくは5質量%以上20質量%以下である前記<1>~<14>のいずれか1に記載の製造方法。
<16>前記組成物Aにおける成分(b)の含有量は、好ましくは7質量%以上17質量%以下である前記<1>~<14>のいずれか1に記載の製造方法。
<17>成分(c)の水の前記組成物A中の含有量が、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.35質量%以上であり、さらに好ましくは0.4質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは19質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下であり、また、0.3質量%以上20質量%以下が好ましく、0.35質量%以上19質量%以下がより好ましく、0.4質量%以上18質量%以下がさらに好ましい<1>~<16>のいずれか1に記載の製造方法。
<18>成分(c)の水の前記組成物A中の含有量が、好ましくは0.4以上18以下である<1>~<17>のいずれか1に記載の製造方法。
<19>前記組成物A中の成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)は0.5以上が好ましく、0.55以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましく、またb/cは45以下が好ましく、40以下がより好ましく、b/cの範囲は、0.5以上45以下が好ましく、0.55以上40以下がより好ましく、0.6以上40以下がさらに好ましい<1>~<18>のいずれか1に記載の製造方法。
<20>前記組成物A中の成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)は、好ましくは0.6以上40以下である<1>~<18>のいずれか1に記載の製造方法。
<21>前記組成物Aの成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)は、3以上300以下であるのが好ましく、a/cは3以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、a/cは300以下が好ましく、250以下がより好ましく、210以下がさらに好ましく、a/cの範囲は3以上300以下が好ましく、3.5以上250以下がより好ましく、4以上210以下がさらに好ましい<1>~<20>のいずれか1に記載の製造方法。
<22>前記組成物Aの成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)は、好ましくは4以上210以下である<1>~<20>のいずれか1に記載の製造方法。
<23>前記組成物Aの成分(b)と成分(a)の質量比(b/a)が、0.02以上が好ましく、0.025以上がより好ましく、0.04以上がさらに好ましく、0.07以上がさらに好ましく、0.08以上がよりさらに好ましく、0.6以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましく、0.25以下がよりさらに好ましい<1>~<22>のいずれかに記載の製造方法。
<24>前記組成物Aの成分(b)と成分(a)の質量比(b/a)が、0.08以上0.25以下である<1>~<22>いずれか1記載の製造方法。
<25>前記組成物Aには、さらに導電率制御剤、水溶性ポリマー、成分(b)の可塑剤、着色顔料、体質顔料、染料、香料、忌避剤、酸化防止剤、安定剤、防腐剤及び各種ビタミン等から選ばれる他の成分が含まれ、当該他の成分の含有量は、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい<1>~<24>のいずれかに記載の製造方法。
<26>前記組成物Aの粘度は、25℃で2~3000mPa・sが好ましく、また、10mPa・s以上が好ましく、20mPa・s以上がより好ましく、30mPa・s以上がさらに好ましく、また、当該粘度は1500mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましく、800mPa・s以下がさらに好ましく、また、2mPa・s以上3000mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以上1500mPa・s以下がより好ましく、20mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましく、30mPa・s以上800mPa・s以下がさらに好ましい<1>~<25>のいずれか1に記載の製造方法。
<27>前記組成物Aの粘度は、25℃で15mPa・s以上800mPa・s以下である<1>~<25>のいずれか1に記載の製造方法。
<28>前記静電スプレーが、前記組成物Aを収容する容器と、前記組成物Aを吐出するノズルと、前記容器中に収容されている前記組成物Aを前記ノズルに供給する供給装置と、前記ノズルに電圧を印加する電源とを有する静電スプレー装置を用いて行なわれる<1>~<27>のいずれか1に記載の製造方法。
<29>静電スプレー法を静電スプレー装置を用いて行い、
 前記静電スプレー装置はノズルを備えており、
 前記ノズルは、導電体、及び導電体の周囲の非導電体からなり、その先端から前記組成物Aの吐出が可能な形状をしている前記<1>ないし<28>のいずれかに記載の製造方法。
<30>静電スプレー法を静電スプレー装置を用いて行い、
 前記静電スプレー装置はノズル及び筐体を備えており、
 前記筐体の長手方向の一端に、前記ノズルが配置されており、
 前記ノズルは、前記組成物Aの吹き出し方向を、前記筐体の縦方向と一致させて、肌側に向かい凸状になるように該筐体に配置されている前記<1>~<29>のいずれかに記載の製造方法。
<31>噴霧された該組成物を、溶媒である揮発性物質を液滴から揮発させ、溶質である被膜形成能を有するポリマーを固化させつつ、電位差によって伸長変形させながら繊維を形成する前記<1>~<30>のいずれかに記載の製造方法。
[0101]
<32>静電スプレー法を静電スプレー装置を用いて行い、
 前記静電スプレー装置はノズルを備えており、
 前記ノズルと皮膚との間の距離を、好ましくは10mm以上、160mm以下、より好ましくは20mm以上、150mm以下、さらに好ましくは40mm以上150mm以下にする前記<1>ないし<31>のいずれかに記載の製造方法。
<33>静電スプレー法によって形成された被膜の坪量は、0.1g/m 2以上であることが好ましく、1g/m 2以上であることが更に好ましく、50g/m 2以下であることが好ましく、40g/m 2以下であることが更に好ましく、被膜の坪量は、0.1g/m 2以上50g/m 2以下であることが好ましく、1g/m 2以上30g/m 2以下であることが更に好ましい前記<1>~<32>のいずれかに記載の製造方法。
<34>前記組成物中のグリコールの含有量が10質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、よりさらに好ましくは1質量%以下であり、あるいは実質的にグリコールが含まれない<1>~<33>のいずれかに記載の被膜の製造方法。
<35>成分(a)が、少なくともエタノールを含む揮発性物質であり、成分(b)が、ポリビニルブチラール樹脂である<1>~<34>のいずれかに記載の被膜の製造方法。
<36>成分(a)が、少なくともエタノールを含む揮発性物質であり、さらにグリコールの含有量が10質量%以下である<1>~<35>のいずれかに記載の被膜の製造方法。
<37>成分(a)が、少なくともエタノールを含む揮発性物質であり、揮発性物質中のエタノールの含有量が50質量%以上100質量%であり、グリコールの含有量が質量%以下である<1>~<36>のいずれかに記載の被膜の製造方法。
<38>人の手で把持可能な静電スプレー装置又は人の手で把持可能なスプレーノズルを備える操作部を有する静電スプレー装置により、人の皮膚又は爪に組成物を直接静電スプレーして皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を製造するために使用される噴霧用組成物であって、次の成分(a)、(b)及び(c):
(a)エタノールを含有する揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下、
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である噴霧用組成物。
<39>前記成分(b)は、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリメタクリル酸樹脂から選ばれる1種又は2種以上の水不溶性ポリマーである<38>記載の噴霧用組成物。
<40>前記成分(b)は、ポリビニルブチラール樹脂である<38>記載の噴霧用組成物。
<41>前記静電スプレー装置が収容部を有する詰替え用カートリッジを備え、前記噴霧用組成物が詰替え用カートリッジの前記収容部に充填されてなる詰替えカートリッジ入りの<38>~<40>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<42>前記静電スプレー装置に着脱可能に用いられる詰替え用カートリッジであって、該詰替え用カートリッジが収容部を備え、前記噴霧用組成物が前記収容部に収容されてなる<38>~<41>のいずれかに記載の詰替えカートリッジ入り噴霧用組成物。
<43>前記詰替え用カートリッジがさらにノズルを備えている<41>又は<42>に記載の噴霧用組成物又はカートリッジ入り噴霧用組成物。
<44>前記詰替え用カートリッジのノズルは、電極を備えている<43>に記載の噴霧用組成物又はカートリッジ入り噴霧用組成物。
<45>前記詰替えカートリッジの収容部の容積は、好ましくは1mL以上25mL以下であり、より好ましくは1.5mL以上20mL以下であり、さらに好ましくは2mL以上15mL以下である<41>~<44>のいずれかに記載のカートリッジ入り噴霧用組成物。
<46>前記噴霧用組成物における成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)が、3以上300以下である<38>~<45>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<47>前記噴霧用組成物における成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)が、4以上210以下である<38>~<45>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<48>前記噴霧用組成物の25℃における粘度が、2mPa・s以上3000mPa・s以下である<38>~<47>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<49>前記噴霧用組成物の25℃における粘度が15mPa・s以上1000mPa・s以下である<38>~<47>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<50>前記噴霧用組成物における成分(a)の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、成分(b)の含有量が1質量%以上30質量%以下であり、成分(c)の含有量が0.3質量%以上20質量%以下である<38>~<49>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<51>前記噴霧用組成物における成分(a)の含有量が60質量%以上93質量%以下であり、成分(b)の含有量が5質量%以上20質量%以下であり、成分(c)の含有量が0.4質量%以上18質量%以下である<38>~<49>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<52>前記噴霧用組成物における成分(b)と成分(a)の質量比(b/a)が、0.07以上0.3以下である<38>~<50>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<53>前記噴霧用組成物における成分(b)と成分(a)の質量比(b/a)が、0.08以上0.25以下である<38>~<50>のいずれかに記載の噴霧用組成物。
<54>前記噴霧用組成物における成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が、0.6以上40以下である<38>~<51>のいずれかに記載の噴霧用組成物。

実施例

[0102]
 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
[0103]
 〔実施例1〕
(1)噴霧用組成物の調製
 噴霧用組成物の成分(a)としてエタノール(和光純薬工業(株)社製:商品名エタノール(99.5%))を用いた。噴霧用組成物の成分(b)として後述するポリビニルブチラール又は部分鹸化ポリビニルアルコールを用いた。噴霧用組成物の成分(c)としてイオン交換水を用いた。成分(a)、成分(b)、成分(c)及び他の成分(d)グリセリンを表1に示す量となるようにガラス容器に測り取り、マグネチックスターラーを用いて常温にて12時間程度撹拌し、均一透明な溶液を得た。これを噴霧用組成物の実施例1~13、比較例1~2とした。
[0104]
(2)静電スプレー工程
 図1に示す構成を有し、図7に示す外観を有する静電スプレー装置10を用い、50mm×50mmに切り出した皮膚モデル(人工皮革、プロテインレザー PBZ13001BK、出光テクノファイン社製)に向けて静電スプレー法を60秒間行った。静電スプレー法の条件は以下に示すとおりとした。
・印加電圧:30kV
・ノズルと皮膚との距離:130mm
・噴霧用組成物の吐出量:4mL/h
・環境:25℃、30%RH
 この静電スプレーによって、皮膚モデルの表面に繊維の堆積物からなる一枚の膜の形成を行った。
[0105]
 実施例、比較例に用いたポリビニルブチラールは以下の通りである。
PVB-1:ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)社製:商品名S-LEC BM-1)
PVB-2:ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)社製:商品名S-LEC KS-1)
PVB-3:ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)社製:商品名S-LEC BH-3)
PVA  :部分鹸化ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株)社製:商品名JMR-150L)
[0106]
 〔評価〕
 実施例及び比較例で形成された被膜について、被膜の形成性、密着性、耐久性を、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。なお、被膜の密着性、耐久性は被膜を形成してから30分以内に行った。
[0107]
<被膜の形成性>
 静電スプレー工程における吐出状態と形成した被膜の外観を目視で、以下の基準で被膜の形成性を評価した。
A:1分間安定して繊維状の静電紡糸用組成物が吐出され、円形の均一な被膜が形成される
B:1分間安定して粒子状の静電紡糸用組成物が吐出され、円形の均一な被膜が形成される
C:1分間安定して繊維状又は粒子状の静電紡糸用組成物が吐出され、円形の被膜が形成され、被膜にややむらがある(被膜中の液滴状の欠陥がφ5mm以下)。
D:1分間以内に電紡糸用組成物が吐出されない状態となる、あるいは繊維状又は粒子状の静電紡糸用組成物が安定に吐出されず被膜が不均一である。
[0108]
 <被膜の密着性>
 被膜を形成した皮膚モデルの屈曲試験により密着性を評価した。被膜を外側にし、180度の屈曲を5回繰り返し、被膜と皮膚モデルの付着状態から、以下の基準で密着性を評価した。
A:皮膚モデルと膜の間に浮き、膜剥がれが全くない
B:屈曲部から周囲10mm以内でのみ膜の浮きが発生するが、膜剥がれはない
C:屈曲部から周囲10mm超に渡り膜の浮きが発生するが、膜剥がれはない
D:膜が完全に剥離する
[0109]
 <皮膚上での耐久性>
 被膜の擦過試験により耐久性を評価した。皮膚モデルを固定し、被膜を上面から人差し指で約50gfの荷重をかけながら、2cmの距離を1方向に5回擦過した。その後の被膜と皮膚モデルの付着状態と人差し指への付着性から、以下の基準で耐久性を評価した。
A:膜の剥離、破れ、人差し指への付着が全くない
B:被膜表面の破れはあるが、人差し指への付着はない
C:被膜表面の破れがあり、人差し指への付着もある
D:膜が破れ、完全に剥離する
[0110]
[表1]


[0111]
 表1から明らかなように、成分(c)の含有量が30質量%以下であり、成分(b)と成分(c)との質量比が0.4以上である実施例1-13は、成分(c)の含有量が35質量%であり、成分(b)と成分(c)との質量比が0.3である比較例1、2に比べて、いずれも被膜形成性を発現することが分かる。さらに、成分(c)の水と成分(b)とのバランスから実施例1~8は、より高い被膜形成性と被膜の耐久性があることがわかる。また、粘度が10mP・s以上1000mP・s以下である実施例において、被膜の形成性、密着性、耐久性がより優れることが分かる。
[0112]
 なお、図1に示す構成を有し、図7に示す外観を有する静電スプレー装置10と同様の条件で、図2に示す構成を有する静電スプレー装置10、又は図5に示す構成を有する静電スプレー装置10を用いても、表1又は表2に示す実施例と比較例について同様に被膜を形成することができた。

符号の説明

[0113]
10  静電スプレー装置
11  低電圧電源
12  高電圧電源
13  補助的電気回路
15A マイクロギヤポンプ
14  容器
15  ノズル
15B 管路
15C フレキシブル管路
19  電流制限抵抗
20  筐体

請求の範囲

[請求項1]
 人の皮膚又は爪に組成物Aを直接静電スプレーすることを特徴とする皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を製造する方法であって、組成物Aが、以下の成分(a)、(b)及び(c):
(a)アルコール及びケトンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である、被膜の製造方法。
[請求項2]
 組成物Aにおける成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)が、3以上300以下である請求項1記載の被膜の製造方法。
[請求項3]
 組成物Aの25℃における粘度が、2mPa・s以上3000mPa・s以下であり、好ましくは20mPa・s以上1000mPa・s以下である請求項1又は2記載の被膜の製造方法。
[請求項4]
 人の皮膚又は爪の表面に湿潤した繊維の被膜を形成する請求項1~3のいずれか1項記載の被膜の製造方法。
[請求項5]
 前記静電スプレーが、人の手で把持可能な静電スプレー装置又は人の手で把持可能なスプレーノズルを備える操作部を有する静電スプレー装置である請求項1~4のいずれか1項記載の被膜の製造方法。
[請求項6]
 組成物Aにおける成分(a)がエタノールを含有する揮発性物質であり、成分(b)がポリビニルブチラール樹脂である請求項1~5のいずれか1項記載の被膜の製造方法。
[請求項7]
 組成物Aにおける成分(a)の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、成分(b)の含有量が1質量%以上30質量%以下であり、成分(c)の含有量が0.3質量%以上18質量%以下である請求項1~6のいずれか1項記載の被膜の製造方法。
[請求項8]
 前記静電スプレー装置が詰替え用カートリッジを備え、当該詰替え用カートリッジに組成物Aが充填されている請求項5~8のいずれか1項記載の被膜の製造方法。
[請求項9]
 人の手で把持可能な静電スプレー装置又は人の手で把持可能なスプレーノズルを備える操作部を有する静電スプレー装置により、人の皮膚又は爪に組成物を直接静電スプレーして皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を製造するために使用される噴霧用組成物であって、次の成分(a)、(b)及び(c):
(a)エタノールを含有する揮発性物質、
(b)繊維形成用水不溶性ポリマー、
(c)水 0.2質量%以上25質量%以下、
を含有し、成分(b)と成分(c)の質量比(b/c)が0.4以上50以下である噴霧用組成物。
[請求項10]
 前記静電スプレーが収容部を有する詰替え用カートリッジを備え、前記噴霧用組成物が詰替え用カートリッジの収容部に充填されてなる詰替え用カートリッジ入りの請求項9記載の噴霧用組成物。
[請求項11]
 前記静電スプレー装置に着脱可能に用いられる詰替え用カートリッジであって、前記詰替え用カートリッジが収容部を備え、前記噴霧用組成物が前記収容部に収容されてなる詰替え用カートリッジ入りの請求項9記載の噴霧用組成物。
[請求項12]
 前記詰替え用カートリッジがさらにノズルを備えている請求項10又は請求項11に記載の噴霧用組成物。
[請求項13]
 前記噴霧用組成物における成分(a)と成分(c)の質量比(a/c)が、3以上300以下である請求項9~12のいずれか1項記載の噴霧用組成物。
[請求項14]
 前記噴霧用組成物の25℃における粘度が、10mPa・s以上1500mPa・s以下である請求項9~13のいずれか1項記載の噴霧用組成物。
[請求項15]
 前記噴霧用組成物における成分(a)の含有量が50質量%以上95質量%以下であり、成分(b)の含有量が1質量%以上30質量%以下であり、成分(c)の含有量が0.3質量%以上20質量%以下である請求項9~14のいずれか1項記載の噴霧用組成物。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]