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1. (WO2018194123) 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法
Document

明 細 書

発明の名称 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178  

実施例

0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230  

産業上の利用可能性

0231  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法

技術分野

[0001]
 本発明は、感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法に関する。

背景技術

[0002]
 半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンのさらなる微細化が要求されており、そのため、種々の感放射線性樹脂組成物が検討されている。このような感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光等の遠紫外線、極端紫外線(EUV)、電子線(EB)などの露光光の照射により露光部に酸を生成させ、この酸の触媒作用により露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させる。
[0003]
 かかる感放射線性樹脂組成物には、解像性に優れるだけでなく、ホールパターン形成におけるCDU(Critical Dimension Uniformity)性能及びラインアンドスペースパターン形成におけるLWR(Line Width Roughness)性能に優れると共に、焦点深度(DOF(Depth Of Focus)にも優れ、高精度なパターンを高い歩留まりで得られることが求められる。この要求に対して、感放射線性樹脂組成物に含有される成分が種々検討されている。(例として、特開平11-212265号公報、特開2003-5375号公報及び特開2008-83370号公報参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平11-212265号公報
特許文献2 : 特開2003-5375号公報
特許文献3 : 特開2008-83370号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、CDU性能、LWR性能、解像性及び焦点深度に優れる感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記課題を解決するためになされた発明は、酸解離性基(以下、「酸解離性基(a)」ともいう)を含む構造単位を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)と、上記酸解離性基(a)を110℃、1分の条件で解離させる第1酸を放射線の照射により発生する第1化合物(以下、「[B]化合物」ともいう)と、上記酸解離性基(a)を110℃、1分の条件で実質的に解離させない第2酸を放射線の照射により発生する第2化合物(以下、「[C]化合物」ともいう)とを含有し、上記[B]化合物の含有量が全固形分(組成物中の溶媒以外の全成分)中10質量%以上であり、上記[B]化合物のモル数をB 、上記[C]化合物のモル数をC とした場合に、B /C が1.7以上である感放射線性樹脂組成物である。
[0007]
 上記課題を解決するためになされた別の発明は、基板の少なくとも一方の面側に、当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程と、上記塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法である。

発明の効果

[0008]
 本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、広い焦点深度を発揮して、CDU及びLWRが小さく、解像度が高いレジストパターンを形成することができる。従って、これらは、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスの加工プロセス等に好適に用いることができる。

発明を実施するための形態

[0009]
<感放射線性樹脂組成物>
 当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]化合物及び[C]化合物を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、フッ素原子若しくはケイ素原子又はこれら両方を含み、フッ素原子の質量含有率及びケイ素原子の質量含有率の和が、[A]重合体中のフッ素原子の質量含有率及びケイ素原子の質量含有率の和よりも大きい第2重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)及び/又は[E]溶媒を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
[0010]
 当該感放射線性樹脂組成物としては例えばKrF又はArF露光用の感放射線性樹脂組成物(I)、EUV又はEB露光用の感放射線性樹脂組成物(II)等が挙げられる。感放射線性樹脂組成物(I)は、特にArF露光用として好適である。
[0011]
 感放射線性樹脂組成物(I)に含まれる重合体は後述するフェノール性水酸基を含む構造単位(IV)をはじめ、芳香環を通常有していない。感放射線性樹脂組成物(II)において、[A]重合体はフェノール性水酸基を含む構造単位(IV)を有している。なお、本明細書において「フェノール性水酸基」とはベンゼン環に直結したものに限らず、芳香環に直結したヒドロキシ基全般を指す。
[0012]
 当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]化合物及び[C]化合物を含有し、[B]化合物の含有量を上記値以上とし、[B]化合物のモル数(B )の[C]化合物のモル数(C )に対する比(B /C )を上記値以上とすることで、CDU性能、LWR性能、解像性及び焦点深度(以下、「CDU性能等」ともいう)に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を備えることで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば[B]化合物の含有量を上記一定値以上とすることにより感度を高める一方、[C]化合物の[B]化合物に対するモル比を一定値以下にすることで、形成されるレジスト膜の露光光の吸収量を一定値以下に維持することにより、レジスト膜中の露光強度の分布をより適切にすることができ、CDU性能等を向上させることができると考えられる。以下、各成分について説明する。
[0013]
<[A]重合体>
 [A]重合体は、酸解離性基(a)を含む構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体である。[A]重合体は、構造単位(I)以外に、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位(II)、アルコール性水酸基を含む構造単位(III)及び/又はフェノール性水酸基を含む構造単位(IV)を有することが好ましく、上記構造単位(I)~(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体は、各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[0014]
[構造単位(I)]
 構造単位(I)は、酸解離性基(a)を含む構造単位である。ここで、「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基等の酸性基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。[A]重合体が構造単位(I)を有することで、露光部における酸解離性基(a)が[B]化合物から発生した酸等の作用により解離して極性が変化し、現像液に対して易溶又は難溶となることによりレジストパターンを形成することができる。
[0015]
 酸解離性基(a)としては、例えばカルボキシ基又はスルホ基に由来するオキシ酸素原子に結合する下記式(PG1)で表される基(以下、「基(I-1)」ともいう)、カルボキシ基、スルホ基又はヒドロキシ基に由来するオキシ酸素原子に結合する下記式(PG2)で表される基(以下、「基(I-2)」ともいう)等が挙げられる。
[0016]
[化1]


[0017]
 上記式(PG1)中、R PG1は、炭素数1~20の1価の炭化水素基である。R PG2及びR PG3は、それぞれ独立して炭素数1~20の1価の直鎖状若しくは分岐鎖状の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の脂環構造の一部である。*は、カルボキシ基又はスルホ基に由来するオキシ酸素原子に結合する部位を示す。
[0018]
 上記式(PG2)中、R PG4及びR PG5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の1価の直鎖状若しくは分岐鎖状の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基であり、R PG6は、炭素数1~20の1価の直鎖状若しくは分岐鎖状の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基であるか、R PG4及びR PG5が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の脂環構造の一部であるか、又はR PG4及びR PG6が互いに合わせられR PG4が結合する炭素原子及びR PG6が結合する酸素原子と共に構成される環員数5~20の脂肪族複素環構造の一部である。**は、カルボキシ基、スルホ基又はヒドロキシ基に由来するオキシ酸素原子に結合する部位を示す。
[0019]
 「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐鎖状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。「環員数」とは、脂環構造、芳香環構造、脂肪族複素環構造及び芳香族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
[0020]
 R PG1で表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
[0021]
 R PG1~R PG6で表される炭素数1~20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基等の直鎖状炭化水素基;
 i-プロピル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、t-ブチル基等の分岐鎖状炭化水素基などが挙げられる。
[0022]
 R PG1~R PG6で表される炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の脂環式飽和炭化水素基;
 シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
[0023]
 R PG2及びR PG3並びにR PG4及びR PG5が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の脂環構造としては、例えばシクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等が挙げられる。
[0024]
 R PG4及びR PG6が互いに合わせられR PG4が結合する炭素原子及びR PG6が結合する酸素原子と共に構成される環員数5~20の脂肪族複素環構造としては、例えばオキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造、オキサシクロヘプタン構造、オキサシクロオクタン構造、オキサノルボルナン構造等が挙げられる。
[0025]
 R PG6は、基(I-2)が結合する酸性基の酸素原子より主鎖側の部分と互いに合わせられこれらが結合する原子鎖と共に環員数5~20の環構造を表してもよい。このような構造として、例えば環状アセタール構造を有する基が挙げられる。
[0026]
 上記R PG1で表される炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
 フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
 ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
[0027]
 構造単位(I)としては、例えば酸解離性基(a)を含む(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位、酸解離性基(a)を含むメチレン基含有ラクトンに由来する構造単位、酸解離性基(a)を含むスチレンに由来する構造単位等が挙げられる。レジストパターン形成方法における露光工程で照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、EB等を用いる場合には、構造単位(I)として酸解離性基(a)を含むスチレンに由来する構造単位を有することで、感度をより高めることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。
[0028]
 構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度を適度なものとすることができ、その結果、CDU性能等をより向上させることができる。
[0029]
[構造単位(II)]
 構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(II)を有することで現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。また、レジストパターンと基板との密着性をより向上させることができる。
[0030]
 構造単位(II)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
[0031]
[化2]


[0032]
[化3]


[0033]
[化4]


[0034]
[化5]


[0035]
 上記式中、R L1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
[0036]
 構造単位(II)としては、ラクトン構造を含む構造単位が好ましい。
[0037]
 [A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体における全構造単位に対して、10モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましく、25モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、55モル%が特に好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は現像液への溶解性をさらに適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をさらに向上させることができる。また、レジストパターンと基板との密着性をさらに向上させることができる。
[0038]
[構造単位(III)]
 構造単位(III)は、アルコール性水酸基を含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(III)を有することで現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。また、レジストパターンと基板との密着性をより向上させることができる。
[0039]
 構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
[0040]
[化6]


[0041]
 上記式中、R L2は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
[0042]
 [A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体における全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、30モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は現像液への溶解性をさらに適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をさらに向上させることができる。また、レジストパターンと基板との密着性をさらに向上させることができる。
[0043]
[構造単位(IV)]
 構造単位(IV)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。レジストパターン形成方法における露光工程で照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、EB等を用いる場合には、[A]重合体が構造単位(IV)を有することで、感度をより高めることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。
[0044]
 構造単位(IV)としては、例えば下記式(1)で表される構造単位等が挙げられる。
[0045]
[化7]


[0046]
 上記式(1)中、R は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Yは、置換若しくは非置換の炭素数1~20の2価の炭化水素基、-CO-、-SO -、-O-、-NH-若しくはこれらを組み合わせた基、又は単結合である。R は、ハロゲン原子又は炭素数1~20の1価の有機基である。pは、0~2の整数である。aは、0~8の整数である。bは、1~9の整数である。但し、a+bは、9以下である。aが2以上の場合、複数のR は互いに同一又は異なる。
[0047]
 R としては、構造単位(IV)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましい。
[0048]
 Yで表される炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、例えば上記式(PG1)のR PG1として例示した1価の炭化水素基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。上記2価の炭化水素基の置換基としては、例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
[0049]
 Yとしては、単結合、-O-、-COO-又は-CONH-が好ましく、単結合又は-COO-がより好ましい。
[0050]
 「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。R で表される炭素数1~20の1価の有機基としては、例えば炭素数1~20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素-炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む1価の基(g)、上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部をヘテロ原子含有基で置換した1価の基等が挙げられる。
[0051]
 R としては、1価の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
[0052]
 pとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。aとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。bとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
[0053]
 [A]重合体が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、[A]重合体における全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、60モル%がより好ましい。構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は感度をより向上させることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をさらに向上させることができる。
[0054]
[その他の構造単位]
 その他の構造単位としては、例えば非酸解離性の炭化水素基を含む構造単位(V)等が挙げられる(但し、非酸解離性基の炭化水素基を含む構造単位であっても、別途酸解離性基を有するものは本明細書中では構造単位(I)に分類される)。非酸解離性の炭化水素基としては、例えば-COO-のオキシ基に結合するメチル基、1級又は2級の鎖状炭化水素基、2級の脂環式炭化水素基、アダマンタン-1-イル基等が挙げられる。[A]重合体がその他の構造単位を有する場合、その他の構造単位の含有割合の下限としては、例えば1モル%である。上記含有割合の上限としては、30モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。
[0055]
 [A]重合体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分を100質量%とした場合において、40質量%が好ましく、45質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、80質量%が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の「全固形分」とは、[E]溶媒以外の全成分をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体を1種又は2種以上含有することができる。
[0056]
 [A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、公知の方法で重合することにより合成することができる。
[0057]
 [A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、3,000がより好ましく、5,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗工性を向上させることができ、その結果、CDU性能等をより向上させることができる。
[0058]
 [A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましく、1.5が特に好ましい。上記比の下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。
[0059]
 本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
 GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
 カラム温度:40℃
 溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
 流速:1.0mL/分
 試料濃度:1.0質量%
 試料注入量:100μL
 検出器:示差屈折計
 標準物質:単分散ポリスチレン
[0060]
<[B]化合物>
 [B]化合物は、上記酸解離性基(a)を110℃、1分の条件で解離させる第1酸(以下、「酸(B)」ともいう)を放射線の照射により発生する化合物である。
[0061]
 酸(B)としては、例えば
 感放射線性樹脂組成物(I)の場合、フッ素原子を含むスルホン酸(以下、「酸(B1-1)」ともいう)、フッ素原子を含むジスルホニルイミド酸(以下、「酸(B1-2)」ともいう)、スルホマロン酸エステル(以下、「酸(B1-3)」ともいう)等が、
 感放射線性樹脂組成物(II)の場合、スルホン酸(以下、「酸(B2-1)」ともいう)、ジスルホニルイミド酸(以下、「酸(B2-2)」ともいう)等が挙げられる。
[0062]
 酸(B1-1)としては、例えば下記式(2-1)で表される化合物等が挙げられる。
[0063]
[化8]


[0064]
 上記式(2-1)中、R は、炭素数1~30の1価の有機基である。R D1及びR D2は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1~20の1価の炭化水素基又は炭素数1~20の1価のフッ素化炭化水素基である。nは、1又は2である。nが2の場合、2のR D1は互いに同一又は異なり、2のR D2は互いに同一又は異なる。但し、R D1及びR D2のうちの少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化炭化水素基である。
[0065]
 酸(B1-2)としては、例えば下記式(2-2)で表される化合物等が挙げられる。
[0066]
[化9]


[0067]
 上記式(2-2)中、R E1及びR E2は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価のフッ素化炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられ式(2-2)中の硫黄原子及び窒素原子と共に構成される環員数6~12の環構造の一部である。
[0068]
 酸(B1-3)としては、例えば下記式(2-3)で表される化合物等が挙げられる。
[0069]
[化10]


[0070]
 上記式(2-3)中、R F1及びR F2は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられ式(2-3)中の-O-CO-CH-CO-O-と共に構成される環員数7~12の環構造の一部である。
[0071]
 酸(B2-1)としては、例えば下記式(3-1)で表される化合物等が挙げられる。
[0072]
[化11]


[0073]
 上記式(3-1)中、R は、炭素数1~30の1価の有機基である。
[0074]
 酸(B2-2)としては、例えば下記式(3-2)で表される化合物等が挙げられる。
[0075]
[化12]


[0076]
 上記式(3-2)中、R H1及びR H2は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられ式(3-2)中の硫黄原子及び窒素原子と共に構成される環員数6~12の環構造の一部である。
[0077]
 上記R 、R F1、R F2、R 、R H1及びR H2で表される1価の有機基としては、例えば上記式(1)のR の有機基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
[0078]
 上記R D1及びR D2で表される1価の炭化水素基としては、例えば上記式(PG1)のR PG1の炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。これらの中で、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
[0079]
 上記R D1、R D2、R E1及びR E2で表される1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば上記式(PG1)のR PG1として例示した炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。これらの中で、パーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
[0080]
 酸(B)は、環員数5~20の環構造を有することが好ましい。酸(B)がこのような環構造を有することで、酸(B)のレジスト膜中での拡散長をより適度に短くすることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。このような環構造としては、例えばノルボルナン構造、アダマンタン構造等の脂環構造;ベンゼン構造、フルオレン構造等の芳香環構造などが挙げられる。
[0081]
 [B]化合物は、通常、感放射線性カチオンと、酸(B)の酸基からプロトンを除いたアニオン(以下、「アニオン(B)」ともいう)との塩である。露光部において、[B]化合物は、放射線の作用による感放射線性アニオンの分解によって生じるプロトンとアニオン(B)とから酸(B)を与える。この酸(B)によれば、[A]重合体の酸解離性基(a)を110℃、1分の条件で解離させることができる。すなわち、[B]化合物は露光部における[A]重合体の酸解離性基を解離させ、現像液への溶解性を変化させる酸発生剤として機能する。
[0082]
 アニオン(B)としては、例えば
 感放射線性樹脂組成物(I)の場合、酸(B1-1)を与えるフッ素原子を含むスルホネートアニオン、酸(B1-2)を与えるフッ素原子を含むジスルホニルイミドアニオン、酸(B1-3)を与えるマロン酸エステル基のメチレン炭素原子に結合するスルホネート基を有するアニオン等が、
 感放射線性樹脂組成物(II)の場合、酸(B2-1)を与えるスルホネートアニオン、酸(B2-2)を与えるジスルホニルイミドアニオン等が挙げられる。
[0083]
 感放射線性カチオンは、露光光及び/又は電子線の照射により分解するカチオンである。スルホネートアニオンと感放射線性オニウムカチオンからなる酸発生剤を例にとると、露光部では、この感放射線性オニウムカチオンの分解により生成されるプロトンと、上記スルホネートアニオンとからスルホン酸が生成される。
[0084]
 1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば下記式(r-a)で表されるカチオン(以下、「カチオン(r-a)」ともいう。)、下記式(r-b)で表されるカチオン(以下、「カチオン(r-b)」ともいう。)、下記式(r-c)で表されるカチオン(以下、「カチオン(r-c)」ともいう。)等が挙げられる。
[0085]
[化13]


[0086]
 上記式(r-a)中、R B3及びR B4は、それぞれ独立して、炭素数1~20の1価の有機基である。b3は、0~11の整数である。b3が1の場合、R B5は、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。b3が2以上の場合、複数のR B5は互いに同一又は異なり、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環員数4~20の環構造の一部である。n bbは、0~3の整数である。
[0087]
 上記R B3、R B4及びR B5で表される炭素数1~20の1価の有機基としては、例えば上記式(1)のR として例示した有機基と同様の基等が挙げられる。
[0088]
 R B3及びR B4としては、炭素数1~20の1価の非置換の炭化水素基又はそれらの基が有する水素原子が置換基により置換された炭化水素基が好ましく、炭素数6~18の1価の非置換の芳香族炭化水素基又はそれらの基が有する水素原子が置換基により置換された芳香族炭化水素基がより好ましく、置換又は非置換のフェニル基がさらに好ましい。
[0089]
 上記R B3及びR B4として表される炭素数1~20の1価の炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OSO -R 、-SO -R 、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 、-R kk-CO-R 又は-S-R が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0090]
 R B5としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OSO -R 、-SO -R 、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 、-R kk-CO-R 又は-S-R が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0091]
 上記式(r-b)中、b4は、0~9の整数である。b4が1の場合、R B6は、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。b4が2以上の場合、複数のR B6は互いに同一又は異なり、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環員数4~20の環構造の一部である。b5は、0~10の整数である。b5が1の場合、R B7は、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。b5が2以上の場合、複数のR B7は互いに同一又は異なり、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子若しくは炭素鎖と共に構成される環員数3~20の環構造の一部である。n b2は、0~3の整数である。R B8は、単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。n b1は、0~2の整数である。
[0092]
 上記R B6及びR B7としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 又は-R kk-CO-R が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0093]
 上記R B8としては、例えば上記式(1)のR として例示した炭素数1~20の1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
[0094]
 上記式(r-c)中、b6は、0~5の整数である。b6が1の場合、R B9は、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。b6が2以上の場合、複数のR B9は互いに同一又は異なり、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環員数4~20の環構造の一部である。b7は、0~5の整数である。b7が1の場合、R B10は、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。b7が2以上の場合、複数のR B10は互いに同一又は異なり、炭素数1~20の1価の有機基、ヒドロキシ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に構成される環員数4~20の環構造の一部である。
[0095]
 上記R B9及びR B10としては、置換若しくは非置換の炭素数1~20の1価の炭化水素基、-OSO -R 、-SO -R 、-OR 、-COOR 、-O-CO-R 、-O-R kk-COOR 、-R kk-CO-R 、-S-R 又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造が好ましい。R は、炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R kkは、単結合又は炭素数1~10の2価の炭化水素基である。
[0096]
 R B5、R B6、R B7、R B9及びR B10で表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(PG1)のR PG1の炭化水素基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
[0097]
 R B8で表される2価の有機基としては、例えば上記式(1)のR として例示した炭素数1~20の1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
[0098]
 上記R B5、R B6、R B7、R B9及びR B10で表される炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
[0099]
 R B5、R B6、R B7、R B9及びR B10としては、非置換の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、-OSO -R 又は-SO -R が好ましく、フッ素化アルキル基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。
[0100]
 式(r-a)におけるb3としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。n bbとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。式(r-b)におけるb4としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。b5としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。n b2としては、2又は3が好ましく、2がより好ましい。n b1としては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。式(r-c)におけるb6及びb7としては、0~2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
[0101]
 上記1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、これらの中で、カチオン(r-a)又はカチオン(r-b)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン又は1-[2-(4-シクロヘキシルフェニルカルボニル)プロパン-2-イル]テトラヒドロチオフェニウムカチオンがより好ましい。
[0102]
 [B]化合物としては、例えば下記式(i-1)~(i-6)で表される化合物(以下、「化合物(i-1)~(i-6)」ともいう)等が挙げられる。
[0103]
[化14]


[0104]
 上記式(i-1)~(i-6)中、T は、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[0105]
 [B]化合物としては、化合物(i-1)~(i-6)が好ましい。
[0106]
 [B]化合物の含有量の下限としては、全固形分(組成物中の[E]溶媒以外の全成分)中、10質量%であり、11質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、14質量%がさらに好ましい。[B]化合物の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度をより適度に高めることができ、その結果、CDU性能等をより向上させることができる。当該感放射線性樹脂組成物は、[B]化合物を1種又は2種以上含有することができる。
[0107]
<[C]化合物>
 [C]化合物は、上記酸解離性基(a)を110℃、1分の条件で実質的に解離させない第2酸(以下、「酸(C)」ともいう)を放射線の照射により発生する化合物である。なお、「酸解離性基を実質的に解離させない」とは、上記条件における酸解離性基の解離率が5モル%以下であることをいう。
[0108]
 酸(C)としては、例えば
 感放射線性樹脂組成物(I)の場合、例えばフッ素原子を含まないスルホン酸(スルホマロン酸エステルを除く)(以下、「酸(C1-1)」ともいう)、カルボン酸(以下、「酸(C1-2)」ともいう)、スルホンアミド酸(以下、「酸(C1-3)」ともいう)等が挙げられる。
 感放射線性樹脂組成物(II)の場合、カルボン酸(以下、「酸(C2-1)」ともいう)、スルホンアミド酸(以下、「酸(C2-2)」ともいう)等が挙げられる。
[0109]
 酸(C1-1)としては、例えば下記式(4-1)で表される化合物等が挙げられる。
[0110]
[化15]


[0111]
 上記式(4-1)中、R S1、R S2及びR S3は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子を含まない炭素数1~30の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3~20の環構造の一部である。但し、R S1、R S2及びR S3のうちの2つ以上がR’-O-CO-(R’は炭素数1~29の1価の有機基である)である場合はない。
[0112]
 酸(C1-2)及び酸(C2-1)としては、例えば下記式(4-2)で表される化合物等が挙げられる。
[0113]
[化16]


[0114]
 上記式(4-2)中、R は、炭素数1~30の1価の有機基である。
[0115]
 酸(C1-3)及び酸(C2-2)としては、例えば下記式(4-3)で表される化合物等が挙げられる。
[0116]
[化17]


[0117]
 上記式(4-3)中、R は、炭素数1~20の1価のフッ素化炭化水素基である。R は、炭素数1~20の1価の有機基である。
[0118]
 上記R S1、R S2及びR S3で表されるフッ素原子を含まない1価の有機基としては、例えば上記式(1)のR の有機基として例示した基のうちフッ素原子を含まないもの等が挙げられる。
[0119]
 上記R S1、R S2及びR S3のうちの2つ以上が構成する環員数3~20の環構造としては、例えばノルボルナン構造、アダマンタン構造等の脂環構造;ベンゼン構造、フルオレン構造等の芳香環構造などが挙げられる。
[0120]
 上記R で及びR で表される1価の有機基としては、例えば上記式(1)のR の有機基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
[0121]
 上記R で表される1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば上記式(PG1)のR PG1として例示した炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。これらの中で、パーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
[0122]
 酸(C)は、環員数5~20の環構造を有することが好ましい。酸(C)がこのような環構造を有することで、酸(C)のレジスト膜中での拡散をより抑制することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。このような環構造としては、例えばノルボルナン構造、アダマンタン構造等の脂環構造;ベンゼン構造、フルオレン構造等の芳香環構造などが挙げられる。
[0123]
 [C]化合物は、通常、感放射線性カチオンと、酸(C)の酸基からプロトンを除いたアニオン(以下、「アニオン(C)」ともいう)との塩である。[C]化合物は、感放射線性カチオンが有する炭化水素基等にカルボキシレート基等のアニオン(C)に由来する基が結合したベタイン構造を有するものであってもよい。
[0124]
 露光部において、[C]化合物は、放射線の作用による感放射線性アニオンの分解によって生じるプロトンとアニオン(C)とから酸(C)を与える。この酸(C)は、上記酸解離性基(a)を110℃、1分の条件で実質的に解離させないものである。従って、[C]化合物は、レジスト膜中において、酸拡散制御剤としての機能を発揮する。
[0125]
 アニオン(C)としては、例えば
 感放射線性樹脂組成物(I)の場合、酸(C1-1)を与えるフッ素原子を含まないスルホネートアニオン(スルホマロン酸エステルに由来するアニオンを除く)、酸(C1-2)を与えるカルボキシレートアニオン、酸(C1-3)を与えるスルホンアミド酸アニオン等が、
 感放射線性樹脂組成物(II)の場合、酸(C2-1)を与えるカルボキシレートアニオン、酸(C2-2)を与えるスルホンアミド酸アニオン等が挙げられる。
[0126]
 [C]化合物の感放射線性カチオンとしては、例えば上記[B]化合物の感放射線性カチオンとして例示したものと同様のカチオン等が挙げられる。
[0127]
 [C]化合物としては、例えば下記式(ii-1)~(ii-8)で表される化合物(以下、「化合物(ii-1)~(ii-8)」ともいう)等が挙げられる。
[0128]
[化18]


[0129]
 上記式(ii-1)~(ii-7)中、T は、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[0130]
 [C]化合物としては、化合物(ii-1)~(ii-6)が好ましい。
[0131]
 [C]化合物が窒素原子を含むものであると、酸拡散制御能が向上する一方、露光部において[B]化合物から発生した酸の一部を捕捉するため、未露光部との酸濃度の差が小さくなり、露光部と未露光部との間の現像液への溶解性の差(溶解コントラスト)が小さくなる。溶解コントラストを大きくしたい場合には、[C]化合物としては、窒素原子を含まない化合物が好ましい。
[0132]
 [C]化合物の含有量の下限としては、全固形分(組成物中の[E]溶媒以外の全成分)中、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、1.5質量%がさらに好ましく、2質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、10質量%が好ましく、8質量%がより好ましく、7.5質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。[C]化合物の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。
[0133]
 [C]化合物の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、1.5質量部がさらに好ましく、2質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、12質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、9質量部がさらに好ましく、8質量部が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]化合物を1種又は2種以上含有することができる。
[0134]
 [B]化合物のモル数をB 、[C]化合物のモル数をC とした場合に、B /C (B のC に対する比)の下限としては、1.7であり、2.0が好ましく、2.6がより好ましく、3.0がさらに好ましく、3.2が特に好ましい。上記B /C の上限としては、10が好ましく、5がより好ましく、4がさらに好ましく、3.5が特に好ましい。上記B /C を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。
[0135]
 [B]化合物と[C]化合物との合計含有量の下限としては、全固形分(組成物中の[E]溶媒以外の全成分)中、10.1質量%が好ましく、12質量%がより好ましく、14質量%がさらに好ましい。上記合計含有量の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、18質量%がさらに好ましい。[B]化合物と[C]化合物との合計含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のCDU性能等をより向上させることができる。
[0136]
<[D]重合体>
 [D]重合体は、フッ素原子若しくはケイ素原子又はこれら両方を含み、フッ素原子の質量含有率及びケイ素原子の質量含有率の和(以下、「フッ素原子及びケイ素原子の合計質量含有率」ともいう)が、[A]重合体中のフッ素原子及びケイ素原子の合計質量含有率よりも大きい重合体である。
[0137]
 ベース重合体となる重合体より疎水性が高い重合体は、レジスト膜表層に偏在化する傾向があり、[D]重合体は[A]重合体よりもフッ素原子及びケイ素原子の合計質量含有率が大きいため、この疎水性に起因する特性により、レジスト膜表層に偏在化する傾向がある。その結果、当該感放射線性樹脂組成物によれば、液浸露光時における酸発生剤、酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物によれば、この[D]重合体の疎水性に起因する特性により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、当該感放射線性樹脂組成物によれば、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が大きくなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。当該感放射線性樹脂組成物は、このように[D]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物は、[D]重合体を含有することにより、欠陥の発生が抑制されたレジストパターンを形成することができる。
[0138]
 [D]重合体のフッ素原子及びケイ素原子の合計質量含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。上記質量含有率の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましい。フッ素原子及びケイ素原子の合計質量含有率を上記範囲とすることで、[D]重合体のレジスト膜における偏在化をより適度に調整することができる。なお、重合体のフッ素原子及びケイ素原子の合計質量含有率は、 13C-NMRスペクトル測定により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[0139]
 [D]重合体がフッ素原子を含む重合体の場合、[D]重合体におけるフッ素原子の含有形態は特に限定されず、主鎖、側鎖及び末端のいずれに結合するものでもよいが、フッ素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(F)」ともいう)を有することが好ましい。
[0140]
[構造単位(F)]
 構造単位(F)としては、例えば下記式(f-1)等が挙げられる。
[0141]
[化19]


[0142]
 上記式(f-1)中、R は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、-COO-、-SO NH-、-CONH-又は-OCONH-である。R は、炭素数1~6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4~20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
[0143]
 上記R としては、構造単位(f-1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
[0144]
 上記Gとしては、-COO-、-SO NH-、-CONH-又は-OCONH-が好ましく、-COO-がより好ましい。
[0145]
 上記R で表される炭素数1~6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
[0146]
 上記R で表される炭素数4~20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された炭素数4~20の単環又は多環の炭化水素基が挙げられる。
[0147]
 R としては、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、2,2,2-トリフルオロエチル基又は1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピル基がより好ましく、2,2,2-トリフルオロエチル基がさらに好ましい。
[0148]
 [D]重合体が構造単位(F)を有する場合、構造単位(F)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、100モル%が好ましく、90モル%がより好ましい。構造単位(F)の含有割合を上記範囲とすることで、[D]重合体のフッ素原子の質量含有率をさらに適度に調整することができる。
[0149]
 [D]重合体としては、脂環構造を有するものが好ましい。脂環構造を含む構造単位(A)としては、例えば非酸解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位(A1)等が挙げられる。上記非酸解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位(A1)としては、例えば上記[A]重合体の構造単位(V)として例示した非酸解離性の炭化水素基を含む構造単位のうち、炭化水素基が2級の脂環式炭化水素基又はアダマンタン-1-イル基であるもの等が挙げられる。[D]重合体が構造単位(A)を有する場合、構造単位(A)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましい。
[0150]
 [D]重合体は、酸解離性基を含む構造単位(B)を有することができる。構造単位(B)としては、例えば[A]重合体における構造単位(I)等が挙げられる。[D]重合体が構造単位(B)を有する場合、構造単位(B)の含有割合の上限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、80モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、16モル%がさらに好ましい。上記含有割合としては、0モル%超が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、[D]重合体は、構造単位(B)を有さないことも好ましい。
[0151]
 [D]重合体は、非酸解離性の鎖状炭化水素基を含む構造単位(C)を有することができる。上記非酸解離性の鎖状炭化水素基を含む構造単位(C)としては、例えば上記[A]重合体の構造単位(V)として例示した非酸解離性の炭化水素基を含む構造単位のうち、炭化水素基がメチル基、1級又は2級の鎖状炭化水素基であるもの等が挙げられる。1級の鎖状炭化水素基としては、例えばn-ブチル基、n-ドデシル基等のアルキル基などが挙げられる。[D]重合体が構造単位(C)を有する場合、構造単位(C)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、50モル%が好ましく、40モル%がより好ましい。
[0152]
 当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有する場合、[D]重合体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、2質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は[D]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
[0153]
 [D]重合体は、上述した[A]重合体と同様の方法で合成することができる。
[0154]
 [D]重合体のMwの下限としては、1,000が好ましく、3,000がより好ましく、4,000がさらに好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、20,000がより好ましく、8,000がさらに好ましい。
[0155]
 [D]重合体のGPCによるMnに対するMwの比(Mw/Mn)の比の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましく、1.5が特に好ましい。上記比の下限としては、通常1であり、1.2が好ましい。
[0156]
<[E]溶媒>
 当該感放射線性樹脂組成物は、通常[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]化合物及び[C]化合物並びに必要に応じて含有される[D]重合体、[F]窒素含有化合物等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[0157]
 [E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[0158]
 アルコール系溶媒としては、例えば
 4-メチル-2-ペンタノール、n-ヘキサノール等の炭素数1~18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
 シクロヘキサノール等の炭素数3~18の脂環式モノアルコール系溶媒;
 プロピレングリコール等の炭素数2~18の多価アルコール系溶媒;
 プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3~19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
[0159]
 エーテル系溶媒としては、例えば
 ジエチルエーテル等の炭素数4~14のジアルキルエーテル系溶媒;
 テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
 ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
[0160]
 ケトン系溶媒としては、例えば
 アセトン、メチルエチルケトン、メチル-iso-ブチルケトン、2-ヘプタノン等の炭素数3~12の鎖状ケトン系溶媒:
 シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
 2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
[0161]
 アミド系溶媒としては、例えば
 N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
 N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
[0162]
 エステル系溶媒としては、例えば
 酢酸n-ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル系溶媒、プロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル系溶媒などのモノカルボン酸エステル系溶媒;
 エチルラクテート、グリコール酸n-ブチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒;
 プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
 シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
 γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
 ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
[0163]
 炭化水素系溶媒としては、例えば
 n-ペンタン、n-ヘキサン等の炭素数5~12の脂肪族炭化水素系溶媒;
 トルエン、キシレン等の炭素数6~16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[0164]
 [E]溶媒としては、エステル系溶媒及び/又はケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、ラクトン系溶媒、ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は環状ケトン系溶媒がより好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
[0165]
<その他の任意成分>
 当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分として、例えば界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等を含有していてもよい。
[0166]
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
 当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]化合物、[C]化合物及び必要に応じて含有される任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合液を、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することで調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。
[0167]
<レジストパターン形成方法>
 当該レジストパターン形成方法は、基板の少なくとも一方の面側に当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により形成されるレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える。
[0168]
 当該レジストパターン形成方法によれば、上述した当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、広い焦点深度で、CDU及びLWRが小さく、解像度が高いレジストパターンを形成することができる。
[0169]
[塗工工程]
 本工程では基板の少なくとも一方の面側に当該感放射線性樹脂組成物を塗工する。上記レジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆したウェハ等が挙げられる。この基板上に当該感放射線性樹脂組成物を塗工することによりレジスト膜が形成される。当該感放射線性樹脂組成物の塗工方法としては、特に限定されないが、例えばスピンコート法等の公知の方法等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物を塗工する際には、形成されるレジスト膜が所望の厚みとなるように、塗工する当該感放射線性樹脂組成物の量を調整する。なお当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗工した後、溶媒を揮発させるためにプレベーク(以下、「PAB」ともいう)を行ってもよい。PABの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。PABの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。レジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましく、50nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、200nmがより好ましく、150nmがさらに好ましい。
[0170]
[露光工程]
 本工程では、上記塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する。この露光は、場合によっては、水等の液浸露光液を介し、所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射することにより行う。
[0171]
 液浸露光液としては、通常、空気より屈折率の大きい液体を使用する。具体的には、例えば純水、長鎖又は環状の脂肪族化合物等が挙げられる。この液浸露光液を介した状態、すなわち、レンズとレジスト膜との間に液浸露光液を満たした状態で、露光装置から放射線を照射し、所定のパターンを有するマスクを介してレジスト膜を露光する。
[0172]
 上記放射線としては、使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)等の遠紫外線、極端紫外線(Extreme Ultraviolet(EUV)、13.5nm)、X線等の電磁波、電子線(Electron Beam(EB))、α線等の荷電粒子線等から適宜選定されて使用されるが、これらの中でも、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、EUV、X線又はEBが好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV又はEBがより好ましい。なお、露光量等の露光条件は、当該感放射線性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定することができる。
[0173]
 露光後のレジスト膜に対し、加熱処理(以下、「露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク、PEB)」ともいう)を行うことが好ましい。このPEBにより、[A]重合体等の酸解離性基の解離反応を円滑に進行させることができる。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜調整されるが、PEBの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましく、70℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。PEBの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[0174]
 また、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6-12452号公報、特開昭59-93448号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特開平5-188598号公報等に開示されているように、レジスト膜上に保護膜を設けることもできる。
[0175]
[現像工程]
 本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。この現像に用いる現像液としては、例えばアルカリ水溶液(アルカリ現像液)、有機溶媒を含有する液(有機溶媒現像液)等が挙げられる。これにより、所定のレジストパターンが形成される。
[0176]
 アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
[0177]
 有機溶媒現像液としては、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する液が挙げられる。有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として例示した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸アミル及び酢酸n-ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2-ヘプタノンがより好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコーンオイル等が挙げられる。
[0178]
 これらの現像液は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、現像後は、水やアルコール系溶媒等で洗浄し、乾燥することが一般的である。
実施例
[0179]
 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[0180]
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)の測定]
 東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
[0181]
H-NMR分析及び 13C-NMR分析]
 日本電子社の「JNM-Delta400」を用いて測定した。
[0182]
<重合体の合成>
 各実施例及び比較例における各重合体の合成で用いた単量体を以下に示す。なお以下の合成例においては特に断りのない限り、質量部は使用した単量体の合計質量を100質量部とした場合の値を意味し、モル%は使用した単量体の合計モル数を100モル%とした場合の値を意味する。
[0183]
[化20]


[0184]
[[A]重合体の合成]
[合成例1](重合体(A-1)の合成)
 単量体としての化合物(M-2)、化合物(M-3)、化合物(M-6)及び化合物(M-7)を、モル比率が25/20/45/10となるよう2-ブタノン(200質量部)に溶解した。ここに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(全単量体に対して2モル%)を添加し、単量体溶液を調製した。反応容器に2-ブタノン(100質量部)を入れ、30分窒素パージした。反応容器内を80℃とし、攪拌しながら、上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。冷却した重合溶液をメタノール(2,000質量部)中に投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をメタノール(400質量部)で2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A-1)を良好な収率で得た。
[0185]
[合成例2](重合体(A-2)の合成)
 下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用い、開始剤量を適宜選択し、合成例1と同様の操作を行うことによって、重合体(A-2)を合成した。
[0186]
[合成例3](重合体(A-3)の合成)
 単量体としての化合物(M-1)及び化合物(M-10)を、モル比率が43/57となるよう、プロピレングリコールモノメチルエーテル(100質量部)に溶解した。ここに開始剤としてAIBN(全単量体に対して6モル%)を、連鎖移動剤としてt-ドデシルメルカプタン(開始剤100質量部に対して38質量部)を加えて単量体溶液を調製した。この単量体溶液を窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間共重合させた。重合反応終了後、重合溶液をn-ヘキサン(1,000質量部)中に滴下して、重合体を凝固精製した。上記重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル(150質量部)を加えた。更に、メタノール(150質量部)、トリエチルアミン(化合物(M-10)の使用量に対し1.5モル当量)及び水(化合物(M-10)の使用量に対し1.5モル当量)を加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン(150質量部)に溶解した。これを水(2,000質量部)中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ別した。50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A-3)を良好な収率で得た。
[0187]
 下記表1に、重合体(A-1)~(A-3)の各構造単位の含有割合、Mw及びMw/Mnについて合わせて示す。表1における「M-10*」は、構造単位の含有割合の値が(M-10)に由来するヒドロキシスチレン単位についての値であることを示す。
[0188]
[表1]


[0189]
[[D]重合体の合成]
[合成例4](重合体(D-1)の合成)
 単量体としての化合物(M-4)及び化合物(M-9)をモル比率が70/30となるよう、2-ブタノン(200質量部)に溶解した。ここに開始剤としてAIBN(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に2-ブタノン(100質量部)を入れ、30分窒素パージした。反応容器内を80℃とし、攪拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。溶媒をアセトニトリル(400質量部)に置換した後、ヘキサン(100質量部)を加えて撹拌しアセトニトリル層を回収する操作を3回繰り返した。溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、重合体(D-1)の溶液を良好な収率で得た。
[0190]
[合成例5~7](重合体(D-2)~(D-4)の合成)
 下記表2に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例4と同様の操作を行うことによって、重合体(D-2)~(D-4)を合成した。
[0191]
 下記表2に、重合体(D-1)~(D-4)の各構造単位の含有割合、Mw及びMw/Mnについて合わせて示す。
[0192]
[表2]


[0193]
<[B]化合物の合成>
[合成例8](化合物(B-2)の合成)
 特開2014-224984の実施例18を参考に、トリフェニルスルホニウムクロライドの代わりにトリス(4-メチルフェニル)スルホニウムクロライドを使用することで化合物(B-2)を合成した。
[0194]
[合成例9](化合物(B-5)の合成)
 特願2016-125021の合成例10を参考に化合物(B-5)を合成した。
[0195]
<感放射線性樹脂組成物の調製>
 感放射線性樹脂組成物を構成する[B]化合物、[C]化合物及び[E]溶媒について以下に示す。
[0196]
[[B]化合物]
 B-1~B-6:下記式(B-1)~(B-6)で表される化合物
[0197]
[化21]


[0198]
[[C]化合物]
 C-1~C-7:下記式(C-1)~(C-7)で表される化合物
[0199]
[化22]


[0200]
[[E]溶媒]
 E-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
 E-2:シクロヘキサノン
 E-3:γ-ブチロラクトン
 E-4:エチルラクテート
[0201]
[ArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例1]
 [A]重合体としての(A-1)100質量部、[B]化合物としての(B-1)14.0質量部、[C]化合物としての(C-2)2.3質量部、[D]重合体としての(D-1)7質量部、並びに[E]溶媒としての(E-1)2,240質量部、(E-2)960質量部及び(E-3)30質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-1)を調製した。
[0202]
[実施例2~15及び比較例1~6]
 下記表3に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-2)~(J-15)及び(CJ-1)~(CJ-6)を調製した。
[0203]
[表3]


[0204]
<レジストパターンの形成(1)>(ArF露光、有機溶媒現像)
 12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗工した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して各感放射線性樹脂組成物を塗工し、120℃で50秒間PABを行った。その後23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT-1900i」)を用い、NA=1.35、Annular(σ=0.8/0.6)の光学条件にて、44nmスペース、102nmピッチのレジストパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で50秒間PEBを行った。その後、酢酸n-ブチルを用い、23℃で10秒間パドル現像を行い、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、45nmスペースのレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、幅45nmスペースのパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop1)とした。
[0205]
<評価>
 形成したレジストパターンについて下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物の評価を行った。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG-5000」)を用いた。
[0206]
[CDU性能]
 上記で求めたEop1の露光量を照射して45nmホール、110nmピッチのパターンを形成するようにマスクサイズを調整して、レジストパターンを形成した。形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。500nmの範囲でホール径を16点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能(nm)とした。CDU性能は、その値が小さいほど、長周期でのホール径のばらつきが小さく良好である。CDU性能は、6.0nm以下の場合は「良好」と、6.0nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[0207]
[焦点深度(DOF性能)]
 上記で求めたEop1の露光量を照射して45nmホール、800nmピッチのパターンを形成するようにマスクサイズを調整して、レジストパターンを形成した。形成したレジストパターンについて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。この際、ブリッジや残渣がないままパターン寸法が基準の90%~110%に入る深さ方向の余裕度(nm)を測定し、測定した余裕度を焦点深度(nm)とした。焦点深度は、その値が大きいほど、プロセスマージンがあり良好である。DOF性能は、40nm以上の場合は「良好」と、40nmを下回る場合は「不良」と評価できる。
[0208]
[LWR性能]
 上記で求めたEop1の露光量を照射して45nmスペース、800nmピッチのパターンを形成するようにマスクサイズを調整して、レジストパターンを形成した。形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、500nmの範囲でホール径を16点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好である。LWR性能は、5.8nm以下の場合は「良好」と、5.8nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[0209]
 上記CDU性能、焦点深度及びLWR性能の評価結果を以下に示す。
[0210]
[表4]


[0211]
 上記表4の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物では、CDU性能、LWR性能及び焦点深度が良好であった。
[0212]
[電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例16]
 [A]重合体としての(A-3)100質量部、[B]化合物としての(B-1)14.0質量部、[C]化合物としての(C-2)2.3質量部、並びに[E]溶媒としての(E-1)4,280質量部及び(E-4)1,830質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-16)を調製した。
[0213]
[実施例17及び18並びに比較例7]
 下記表5に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例16と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-17)及び(J-18)並びに(CJ-7)を調製した。
[0214]
[表5]


[0215]
<レジストパターンの形成(2)>(電子線露光、アルカリ現像)
 8インチのシリコンウェハ表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、各感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PABを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm )を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥して90nmホール180nmピッチのレジストパターンを形成した。この90nmホール180nmピッチのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop2)とした。
[0216]
<評価>
 感放射線性樹脂組成物について、下記方法に従い、CDU性能及び解像性のリソグラフィー性能を評価した。レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社の「S-9380」)を用いた。
[0217]
[CDU性能]
 CDU性能は、上述のレジストパターンの形成(1)で説明した方法と同様にして測定した。CDU性能は、その値が小さいほど、長周期でのホール径のばらつきが小さく良好である。CDU性能は、1.1nm以下の場合は「良好」と、1.1nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[0218]
[解像性]
 上記で求めたEop2の露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。マスクサイズを1nm刻みで小さくしていった際に、形成される最小ホール径を解像性(nm)とした。解像性は、その値が小さいほど、解像度限界が小さく、微細パターンを形成可能であり良好である。解像性は、70nm以下の場合は「良好」と、70nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[0219]
 上記CDU性能及び解像性の評価結果を下記表6に示す。
[0220]
[表6]


[0221]
 表6の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物では、いずれもCDU性能及び解像性が良好であった。本実施例においては、レジスト膜の露光に電子線を使用したが、EUV等の短波長放射線を使用した場合でも、基本的なレジスト特性は類似していることが知られており、それらの間に相関性があることも知られている。従って、本実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においても、CDU性能及び解像性が優れていると推測される。
[0222]
[EUV露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例19~21並びに比較例8及び9]
 下記表7に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例16と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-19)~(J-21)並びに(CJ-8)及び(CJ-9)を調製した。
[0223]
[表7]


[0224]
<レジストパターンの形成(3)>(EUV露光、アルカリ現像)
 感放射線性樹脂組成物をケイ素含有スピンオンハードマスク「SHB-A940」(ケイ素の含有量が43質量%)を平均厚み20nmで形成したSi基板上にスピンコートし、ホットプレートを用いて105℃で60秒間PABを行い、平均厚み60nmのレジスト膜を形成した。これに、EUVスキャナー(ASML社の「NXE3300」(NA0.33、σ0.9/0.6、クアドルポール照明、ウェハ上寸法がピッチ46nm、+20%バイアスのホールパターンのマスク))を用いて露光し、ホットプレート上で120℃で60秒間PEBを行い、2.38質量%TMAH水溶液で30秒間現像を行って、23nmホール46nmピッチのレジストパターンを形成した。この23nmホール46nmピッチのレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop3)とした。
[0225]
<評価>
 感放射線性樹脂組成物について、下記方法に従い、CDU性能及び解像性のリソグラフィー性能を評価した。レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG-5000」)を用いた。
[0226]
[CDU性能]
 CDU性能は、上述のレジストパターンの形成(1)で説明した方法と同様にして測定した。CDU性能は、その値が小さいほど、長周期でのホール径のばらつきが小さく良好である。CDU性能は、3.5nm以下の場合は「良好」と、3.5nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[0227]
[解像性]
 解像性は、上述のレジストパターンの形成(2)で説明した方法と同様にして測定した。解像性は、その値が小さいほど、解像度限界が小さく、微細パターンを形成可能であり良好である。解像性は、20nm以下の場合は「良好」と、20nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[0228]
 上記CDU性能及び解像性の評価結果を下記表8に示す。
[0229]
[表8]


[0230]
 表8の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物では、EUV露光において、いずれもCDU性能及び解像性が良好であった。

産業上の利用可能性

[0231]
 本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、広い焦点深度を発揮して、CDU及びLWRが小さく、解像度が高いレジストパターンを形成することができる。従って、これらは、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスの加工プロセス等に好適に用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 酸解離性基を含む構造単位を有する第1重合体と、
 上記酸解離性基を110℃、1分の条件で解離させる第1酸を放射線の照射により発生する第1化合物と、
 上記酸解離性基を110℃、1分の条件で実質的に解離させない第2酸を放射線の照射により発生する第2化合物と
を含有し、
 上記第1化合物の含有量が全固形分(組成物中の溶媒以外の全成分)中10質量%以上であり、
 上記第1化合物のモル数をB 、上記第2化合物のモル数をC とした場合に、B /C が1.7以上である感放射線性樹脂組成物。
[請求項2]
 上記第1化合物が、感放射線性カチオンと、上記第1酸の酸基からプロトンを除いたアニオンとの塩である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項3]
 上記第2化合物が、感放射線性カチオンと、上記第2酸の酸基からプロトンを除いたアニオンとの塩である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項4]
 フッ素原子若しくはケイ素原子又はこれら両方を含む第2重合体をさらに含有し、第2重合体中のフッ素原子の質量含有率及びケイ素原子の質量含有率の和が、上記第1重合体中のフッ素原子の質量含有率及びケイ素原子の質量含有率の和よりも大きい請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項5]
 上記第2重合体が脂環構造を有する請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項6]
 上記第2重合体が酸解離性基を含む構造単位を有し、この構造単位の含有割合が0モル%を超え20モル%以下である請求項4又は請求項5に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項7]
 上記第2重合体が酸解離性基を含む構造単位を有さない請求項4又は請求項5に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項8]
 上記第2酸が、カルボン酸、スルホンアミド酸若しくはフッ素原子を含まないスルホン酸(スルホマロン酸エステルを除く)又はこれらの組み合わせである請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項9]
 上記第1酸が、スルホマロン酸エステル、フッ素原子を含むスルホン酸若しくはフッ素原子を含むジスルホニルイミド酸又はこれらの組み合わせである請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項10]
 ArF露光用である請求項8又は請求項9に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項11]
 上記B /C が2.6以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項12]
 上記第2酸が、カルボン酸、スルホンアミド酸又はこれらの組み合わせである請求項11に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項13]
 上記第1酸が、スルホン酸、ジスルホニルイミド酸又はこれらの組み合わせである請求項11又は請求項12に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項14]
 極端紫外線(EUV)又は電子線(EB)露光用である請求項12又は請求項13に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項15]
 上記第2化合物が窒素原子を含まない請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項16]
 有機溶媒現像用である請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
[請求項17]
 基板の少なくとも一方の面側に、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を塗工する工程と、
 上記塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する工程と、
 上記露光されたレジスト膜を現像する工程と
 を備えるレジストパターン形成方法。
[請求項18]
 上記現像工程は有機溶媒を含む現像液により行われる請求項17に記載のレジストパターン形成方法。