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1. (WO2018194006) 温熱具
Document

明 細 書

発明の名称 温熱具

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

0003  

図面の簡単な説明

0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173  

実施例

0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191  

符号の説明

0192  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

明 細 書

発明の名称 : 温熱具

技術分野

[0001]
 本発明は、温熱具に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、シート状の温熱具が記載されている。この温熱具は、抄造により成形されたシート状のものであり、全面が発熱するように構成されており、片面側に凸の複数の突起部を有している。
先行技術文献
 特許文献1 特開2005-111180号公報

発明の概要

[0003]
 本発明は、一方の面側に凸の突起部を有するシートと、
 前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、
 を備え、
 前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、
 前記不織布シートは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在する温熱具に関する。

図面の簡単な説明

[0004]
[図1] 第1実施形態に係る温熱具の斜視図である。
[図2] 第1実施形態に係る温熱具の平面図である。
[図3] 第1実施形態に係る温熱具の断面図(図2のA-A線に沿った断面図)である。
[図4] 第1実施形態に係る温熱具の拡大断面図である。
[図5] 図5(a)及び図5(b)は第1実施形態に係る温熱具を構成するシートに突起部を形成する一連の工程を示す断面図である。
[図6] 第1実施形態に係る温熱具を生体に貼り付けた状態を示す模式図である。
[図7] 図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)、図7(e)、図7(f)、図7(g)、図7(h)、図7(i)、図7(j)及び図7(k)は、第1実施形態に係る温熱具の突起部の配置又は形状の変形例を説明するための図である。
[図8] 第2実施形態に係る温熱具の拡大断面図である。
[図9] 図9(a)及び図9(b)は第2実施形態に係る温熱具を構成するシートに突起部を形成する一連の工程を示す断面図である。
[図10] 第3実施形態に係る温熱具の断面図である。
[図11] 図11(a)は第4実施形態に係る温熱具の本体部を示す斜視図であり、図11(b)は第4実施形態に係る温熱具の装着具を示す斜視図である。
[図12] 図12(a)及び図12(b)は第4実施形態に係る温熱具の使用状態を示す図であり、このうち図12(a)は斜視図、図12(b)は手の平を突起部で押圧する様子を示す図であって手の平のみを断面で示している。
[図13] 図13(a)、図13(b)及び図13(c)は実施例1及び実施例2を説明するための図であり、このうち図13(a)は温度の経時変化の測定に供された突起部の位置を説明するための図、図13(b)は実施例1の測定結果を示すグラフ、図13(b)は実施例2の測定結果を示すグラフである。
[図14] 実施例1及び実施例2の測定に用いた測定装置の模式図である。
[図15] 実施例3及び実施例4の吸熱ピークの測定に用いたサンプルのサンプリング箇所を説明するための斜視図である。
[図16] 実施例3及び実施例4の測定値を示す図である。
[図17] 実施例3及び実施例4の測定結果を示すグラフである。
[図18] 図18(a)及び図18(b)は実施例5の突起部の撮像結果を示す図であり、図18(c)及び図18(d)は実施例6の突起部の撮像結果を示す図である。
[図19] 図19(a)及び図19(b)は実施例7の突起部の撮像結果を示す図であり、図19(c)及び図19(d)は実施例8の突起部の撮像結果を示す図である。
[図20] 図20(a)は第6実施形態に係る温熱具の本体部の第1の例を示す斜視図、図20(b)は第6実施形態に係る温熱具の本体部の第2の例を示す斜視図である。
[図21] 図21(a)は第6実施形態に係る温熱具の斜視図、図21(b)は第6実施形態に係る温熱具の側面図、図21(c)は図21(b)のC-C線に沿った断面図である。

発明の詳細な説明

[0005]
 突起部を有する温熱具によって、人体等の生体の皮膚をより十分に押圧できるようにすることについて、ニーズがある。しかしながら、特許文献1の温熱具では、そのような要求を実現する上で、なお改善の余地がある。
[0006]
 本発明は、突起部によって人体等の生体の皮膚をより十分に押圧することが可能な構造の温熱具に関する。
[0007]
 以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
[0008]
 〔第1実施形態〕
 図1から図4のいずれかに示すように、本実施形態に係る温熱具100は、一方の面10a(図3、図4)側に凸の突起部12を有するシート10と、シート10の他方の面10b(図3、図4)側に配置されている発熱材30(図3、図4)と、を備えている。
 シート10は、不織布シート15(図4)を含んで構成されている。
 不織布シート15は、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは第1吸熱ピークよりも高温側に存在する。
 このため、不織布シート15が、第1吸熱ピークと第2吸熱ピークとの中間の成形温度で成形されて突起部12が形成されていることによって、突起部12の剛性を十分に確保することができ、突起部12により人体等の皮膚を十分に押圧することが可能である。
 なお、不織布シート15の第2吸熱ピークは、第1吸熱ピークの温度よりも高い限りにおいて、180℃以下であってもよい。
[0009]
 本実施形態では、好ましくは、後述するように、通気性のある網目構造を維持しつつ不織布シートを成形することにより、立体的な突起部12を形成する。
 その手法としては、(1)成形加工に追従するような柔軟性のある網目構造を目的の形状に変形させて、その状態(形状)を維持させる手法と、(2)網目構造を弾性的に伸び縮みさせつつ変形させ、その状態を維持させる手法と、が挙げられる。
[0010]
 (1)の手法では、突起部12の目的形状までの変形を許容できるような柔軟性のある不織布を成形し、その状態で、部分的に繊維(後述する第1樹脂材料の繊維)どうしを結着(後述する第2樹脂材料の結着部により結着)させて、形状を維持させる。そのために、二つ以上の樹脂を含む不織布を用い、低融点側の1つ以上の樹脂が他の樹脂と結着できるような温度以上で成形する。
 この成形の際には、高融点側の樹脂繊維(第1樹脂材料の繊維)は融解せず構造を維持しながら変形し、成形温度よりも低い融点を持つ樹脂が繊維どうしを結着し、変形後の形状を維持させる。
 (1)の手法での成形加工に供される不織布シート(混綿、芯鞘など)は、変形可能な構造を持ち、各樹脂の融点である二つ以上の吸熱ピークを持っている。(1)の手法では、これら吸熱ピークのうち温度軸において両端のピークの間の温度で成形することにより、突起部12を形成することができる。
[0011]
 (2)の手法では、熱可塑性樹脂で構成された不織布繊維が融けることなく変形可能な温度状態で、当該不織布繊維を変形させ、冷却することで、その変形後の形状を維持させることができる。すなわち、(2)の手法では、不織布の構造が破壊されずに(フィルム化されたりせずに)不織布が変形可能な温度領域で成形することが好ましい。
[0012]
 より詳細には、本実施形態の場合、不織布シート15は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。
 このように、シート10は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含む不織布シート15を有していることから、シート10の剛性、ひいてはシート10の突起部12の剛性を十分に確保することができる。よって、突起部12により人体等の生体の皮膚を十分に押圧することが可能である。
 本実施形態の場合、第1吸熱ピークは、第2樹脂材料の融点である。また、不織布シート15の第2吸熱ピークは、第1樹脂材料の融点である。
 なお、シート10及び不織布シート15は、第1樹脂材料よりも低融点且つ第2樹脂材料よりも高融点の融点を持つ少なくとも1つ以上の樹脂材料により構成されていて、当該樹脂材料よりも高融点の樹脂材料(突起部12の成形を伴う不織布の加工時に融解しない樹脂群(少なくとも第1樹脂材料を含む))の繊維どうしを結着している第2結着部を更に含んでいてもよい。
[0013]
 突起部12が皮膚に圧接される状態で温熱具100を人体などの生体に装着することにより、突起部12によって生体の皮膚を圧しながら、発熱材30の熱により生体の表層を温めることができる。
 これにより、例えば、皮膚の下層の筋膜にまで突起部12による押圧と発熱材30の温熱による刺激を与えることで、鍼灸のように、経絡や経穴を押圧と温熱により刺激することができる。
[0014]
 なお、温熱具100は、使用前の状態では、図示しない包装材内に密閉収容されている。包装材が開封されて、温熱具100が包装材から取り出されると、外気に含まれる酸素が発熱材30に供給されることで該発熱材30が発熱するようになっている。
[0015]
 シート10は、例えば、平坦なシート状の基部11と、基部11を基準としてシート10の一方の面10a側に凸に湾曲していて他方の面10b側が空洞13となっている突起部12と、を備えている。
[0016]
 本実施形態の場合、発熱材30は、例えば、シート10の突起部12の空洞13に充填されている。
 ただし、本発明は、この例に限らず、発熱材30は、空洞13には充填されていなくてもよい。
[0017]
 温熱具100は、生体の皮膚において温熱を付与したい部位にあてがわれる本体部50を備えている。
 本体部50は、例えば、シート10と、シート10の突起部12の空洞13内に充填されている発熱材30と、シート10に対して他方の面10b側に積層されている第2シート20(図3)と、第2シート20と基部11との間に積層されている吸水シート40(図3)と、を備えて構成されている。なお、発熱材30の組成等に応じて、温熱具100は吸水シート40を備えていなくてもよい。
[0018]
 以下の説明では、本体部50において突起部12の突出方向(図3における下方)を前面側と称し、突起部12の突出方向とは反対方向(図3における上方)を後面側と称することがある。
[0019]
 本体部50の平面形状は、特に限定されないが、例えば、図2に示すように、4つの角部がそれぞれ面取り形状とされた矩形状(例えば正方形状)とすることができる。ただし、本体部50の平面形状は、矩形以外の多角形状、円形、楕円形など、その他の形状であってもよい。
[0020]
 シート10は、本体部50の前面側の外表面を構成している。例えば、シート10(特に突起部12)が生体の皮膚に直に接触した状態で温熱具100が用いられる。
 本実施形態の場合、シート10は、1層の不織布シート15(図4)により構成されている。
 また、第2シート20は、本体部50の後面側の外表面を構成している。
 シート10と第2シート20とは、例えば互いに同一の平面形状に形成されているとともに、互いの外形線が一致する状態に重ね合わされて、互いの周縁部どうしが接合されている。
 これにより、シート10の基部11と第2シート20との間に吸水シート40が保持されている。
 本実施形態の場合、シート10の突起部12の内周面と吸水シート40との間に発熱材30が保持されている。
[0021]
 発熱材30は、例えば、被酸化性金属と、保水剤と、水とを含んで構成されている。発熱材30中の被酸化性金属に酸素が供給されることにより、発熱材30が発熱する。
[0022]
 また、発熱材30は、鉄と炭素成分とを含有するものであってもよい。
 ここでいう鉄は、上記の被酸化性金属の少なくとも一部分であってもよいし、上記の被酸化性金属とは別であってもよい。ここでいう鉄は、被酸化性鉄である。
 また、ここでいう炭素成分は、上記の保水剤の少なくとも一部分であってもよいし、発熱材30は上記の保水剤とは別に炭素成分を含んでいてもよい。
[0023]
 本体部50において、シート10の突起部12と対応する部位に発熱材30が充填されている他、基部11と対応する部位にもシート10と第2シート20との間に発熱材30が充填されていても良い。ただし、この場合でも、シート10の突起部12と対応する部位における発熱材30の厚みの方が、基部11と対応する部位における発熱材30の厚みよりも大きいことが好ましく、このようにすることによって、生体の皮膚において突起部12と対応する部位を局所的に十分に温めることができる。
 より好ましくは、シート10の突起部12と対応する部位に局所的に発熱材30が充填されていて、基部11と対応する部位の少なくとも一部においては発熱材30が存在しない。
 本実施形態の場合、シート10において突起部12と対応する部位には発熱材30が充填されているのに対し、基部11と対応する部位には実質的に発熱材30が存在していない。
[0024]
 発熱材30は、空洞13内において、少なくとも突起部12の先端部と対応する部位に充填されていることが好ましい。これにより、突起部12の先端部により生体の皮膚を温めることができる。
 例えば、空洞13の高さ方向において、図4における下端側から50%以上の領域(図4に高さ寸法H2で示される範囲の下半分と対応する領域)に発熱材30が充填されていることが好ましい。
[0025]
 より詳細には、本実施形態の場合、発熱材30は、例えば、空洞13の高さ方向における70%以上の領域に充填されている。すなわち、図4に示すように、空洞13の高さ寸法H2に対し、空洞13内において発熱材30が充填されている領域の高さ寸法が、0.7H2以上となっている。
 これにより、突起部12をより十分に加熱し、突起部12によって生体の皮膚を十分に温めることができる。
 発熱材30は、例えば、空洞13の高さ方向における90%以上の領域に充填されていることが更に好ましい。すなわち、空洞13内において発熱材30が充填されている領域の高さ寸法が、0.9H2以上となっていることが更に好ましい。
 このように、空洞13の高さ方向における発熱材30の充填率は、70%以上であることが好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
 本実施形態の場合、例えば、シート10の基部11の後面(図4における上面)と発熱材30の後面(図4における上面)とが互いに面一となっている。
[0026]
 ここで、空洞13の高さ方向における発熱材30の充填率の測定方法について説明する。
 測定器としては、高低差を測定可能なレーザー顕微鏡又はレーザー変位計を用いる。レーザー変位計としては1次元のスポットタイプ、2次元レーザー変位計、3次元レーザー変位計などを用いることができる。突起部12の形状及び高さ寸法に応じ、要求される測定距離及びレーザー光のスポット距離に基づき、適切なレーザー変位計を選択する。例えば、キーエンス社製のセンサーヘッド;IL-300(測定距離160mm~450mm、スポット径φ500μm)を用いることができる。
[0027]
 測定するには、発熱材30が発熱しないように、窒素雰囲気中で、温熱具100から本体部50を取り出し、シート10から第2シート20と吸水シート40とを取り除き、空洞13内の発熱材30における突起部12の基端側の面(図4における発熱材30の上面)を露出させる。
 測定器による測定は、シート10に対して垂直にレーザー光が照射されるようにして行う。この測定では、発熱材30における突起部12の基端側の面(図4における発熱材30の上面)と、シート10の他方の面10bとの高低差を測定する。このとき、レーザー光が発熱材30における突起部12の基端側の面の中心を通過するように、レーザー光を当該面の直径方向(突起部12の直径方向とも一致する)に走査させ、高低差の最大値を求める。このとき、走査距離は、突起部12の直径よりも長い距離に設定する。
 発熱材30の高さ寸法は、図4に示す高さ寸法H2から、測定により求めた高低差の最大値を差し引くことにより得られる値とする。
[0028]
 ここで、突起部12の内周面の形状と突起部12の外周面の形状(空洞13の外周面の形状)とが実質的に等しい場合は、高さ寸法H2として、便宜的に、図4に示す高さ寸法H1を用いることができる。
 つまり、発熱材30の高さ寸法は、高さ寸法H1から、測定により求めた高低差の最大値を差し引くことにより得られる値とする。
 このため、高さ寸法H1を以下のようにして測定する。すなわち、上記高低差の測定の際とはシート10の表裏を反転させて配置し、突起部12の頂点を通過するようにして、レーザー光を走査させたときの高低差の最大値を求める。このとき、レーザー光を突起部12の直径方向に走査させ、走査距離は、突起部12の直径よりも長い距離に設定する。
[0029]
 一方、突起部12の内周面の形状と突起部12の外周面の形状(空洞13の外周面の形状)とが異なる場合、例えば、空洞13の外周面が錐台状の場合は、窒素雰囲気中で、空洞13の中に入っている発熱材30を取り除く。この時、刷毛などを使い、空洞13の形状が変化しないように注意しながら発熱材30を取り除く。そして、上記高低差の最大値の測定と同様に、レーザー光を走査させることにより、空洞13の高さ寸法(高さ寸法H2)を測定する。
[0030]
 突起部12の形状は特に限定されないが、例えば、先端側に向けて先細りの形状となっている。ただし、突起部12の先端部は、丸みを帯びた形状となっていることが好ましい。
 突起部12の形状は、例えば、円錐状、楕円錐状又は長円錐状などの錐状、或いは、円錐台状、楕円錐台状又は長円錐台状などの錐台状とすることができる。
 本実施形態の場合、突起部12の形状は、円錐状に形成されている。
[0031]
 突起部12の形状は特に限定されないが、例えば、先端側に向けて先細りの形状となっている。ただし、突起部12の先端部は、丸みを帯びた形状となっていることが好ましい。
 突起部12の形状は、例えば、円錐状、楕円錐状又は長円錐状などの錐状、或いは、円錐台状、楕円錐台状又は長円錐台状などの錐台状とすることができる。
 本実施形態の場合、突起部12の形状は、円錐状に形成されている。
 突起部12の高さ寸法H1(図4)は、特に限定されないが、例えば、2mm以上15mm以下であることが好ましく、3mm以上10mm以下であることがより好ましく、5mm以上8mm以下であることが更に好ましい。
 突起部12の高さ寸法H1が2mm以上15mm以下であることにより、突起部12によって生体の皮膚を十分に且つ適度に圧することができる。
 突起部12の直径は、特に限定されないが、例えば、2mm以上38mm以下であることが好ましく、5mm以上20mm以下であることがより好ましい。突起部12の直径が2mm以上38mm以下であることにより、突起部12によって生体の皮膚を十分に且つ適度に圧することができる。
 突起部12の傾斜角度α(図4)は、特に限定されないが、例えば、30度以上であることが好ましく、45度以上であることがより好ましい。突起部12の傾斜角度αが30度以上であることにより、突起部12によって生体の皮膚を十分に圧することができる。
 また、突起部12の傾斜角度αは、80度以下であることが好ましく、70度以下であることが更に好ましく、65度以下であることが一層好ましい。突起部12の傾斜角度αが80度以下であることにより、生体の皮膚に対する突起部12の食い込み具合を適度の範囲にすることができる。
 なお、上述のように、突起部12の先端部は、丸みを帯びた形状であることが好ましい。そして、突起部12の先端部の曲率半径は、0.5mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以上1.5mm以下であることが更に好ましい。
[0032]
 ここで、筋膜は、例えば、人体の肩の部分であれば、皮膚の表面から約6mmの深さに位置しており、その深さに押圧作用と加温作用が及ぶように、突起部12の形状と発熱材30の発熱性能とが設定されていることが好ましい。また、発熱材30の発熱性能については、例えば、皮膚の表面の温度が37℃以上44℃以下となるように設定されていることが好ましく、38℃以上42℃以下となるように設定されていることが更に好ましい。
[0033]
 複数の突起部12の配置は、特に限定されないが、例えば、千鳥格子状、正方格子状などの配置とすることができる。
 本実施形態の場合、例えば、図2に示すように、シート10は、千鳥格子状に配置された5つの突起部12を有している。より詳細には、シート10の中央部に1つの突起部12が配置され、当該突起部12の周囲に残りの4つの突起部12が配置されている。これらの4つの突起部12は、シート10の4つの隅部にそれぞれ配置されている。
 隣り合う突起部12の中心間距離L(図2)は、特に限定されないが、突起部12の高さ寸法H1(図4)以上であることが好ましく、高さ寸法H1の1.5倍以上であることが更に好ましい。このようにすることにより、個々の突起部12によって生体の皮膚を十分に圧することができる。
[0034]
 ここで、突起部12内に発熱材30が充填されていないシート10の状態において、シート10の面直方向に突起部12を押圧したときに、1個の突起部12あたり、1Nの力では突起部12が実質的に塑性変形せずに弾性変形の範囲での突起部12の変形が生じ、25Nの力では突起部12が塑性変形するように、突起部12の耐荷重性が設定されていることが好ましく、1個の突起部12あたり、5Nの力では突起部12が実質的に塑性変形せずに弾性変形の範囲での突起部12の変形が生じ、18Nの力では突起部12が塑性変形するように、突起部12の耐荷重性が設定されていることが更に好ましい。
 このようにすることによって、突起部12によって生体の皮膚を十分に圧することができるとともに、生体の皮膚に対する突起部12の食い込み具合を適度の範囲にすることができる。
 ここで、シート10の面直方向とは、シート10の法線方向(シート10の一方の面10aに対して直交する方向)である。
[0035]
 また、突起部12内に発熱材30が充填された本体部50の突起部12を、シート10の面直方向に押圧したときに、1個の突起部12あたり、3Nの力では突起部12が実質的に塑性変形せずに弾性変形の範囲での突起部12の変形が生じるように、本体部50において突起部12と対応する部位の耐荷重性が設定されていることが好ましく、5Nの力でも突起部12が実質的に塑性変形せずに弾性変形の範囲での突起部12の変形が生じるように、本体部50において突起部12と対応する部位の耐荷重性が設定されていることが更に好ましい。
 このようにすることによって、突起部12によって生体の皮膚を十分に圧することができるとともに、生体の皮膚に対する突起部12の食い込み具合を適度の範囲にすることができる。
[0036]
 本体部50の前後の外表面を構成するシート10と第2シート20とのうち、少なくとも一方は、通気性を有している。これにより、シート10又は第2シート20の少なくとも一方を通して発熱材30に酸素を供給し、該発熱材30を発熱させることができるようになっている。
[0037]
 本実施形態の場合、例えば、シート10が通気性を有している。
 すなわち、上記のようにシート10が不織布シートを含んで構成されていることから当該シート10の剛性、ひいては突起部12の剛性を十分に確保することができるだけでなく、シート10が通気性を有している。
 このため、シート10を介して発熱材30に酸素を供給することができるとともに、例えば、シート10を介して水蒸気を放出させることができる。
[0038]
 より詳細には、シート10は、突起部12においても通気性を有しており、突起部12を介して発熱材30に酸素を供給することができるとともに、突起部12を介して水蒸気を放出させることができる。
[0039]
 本実施形態の場合、例えば、シート10の通気性が第2シート20の通気性よりも高い。
 すなわち、温熱具100は、シート10に対して他方の面10b側に積層されている第2シート20を備え、第2シート20の通気性よりもシート10の通気性が高い。
 より詳細には、本実施形態の場合、第2シート20は、例えば、実質的に空気を通さない非通気性のシートである。
[0040]
 ここで、シート10の通気度は、好ましくは1秒/100ml以上であり、より好ましくは3秒/100ml以上である。また、好ましくは20000秒/100ml以下であり、より好ましくは10000秒/100ml以下である。
 また、不織布シート15の通気度は、好ましくは1秒/100ml以上であり、より好ましくは3秒/100ml以上である。また、好ましくは20000秒/100ml以下であり、より好ましくは10000秒/100ml以下である。
 また、第2シート20の通気度は、好ましくは1000秒/100ml以上であり、より好ましくは8000秒/100ml以上である。
 通気度は、JIS P8117によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.45cm の面積を通過する時間で定義される。通気度は、王研式通気度計もしくはそれに準じた測定機で測定することができる。
[0041]
 本明細書において、通気性を有するとは、通気度が190000秒/100ml以下であることとし、好ましくは通気度が100000秒/100ml以下であることとする。また、非通気性であるとは、通気度が190000秒/100mlを超えることとする。
[0042]
 本実施形態の場合、不織布シート15における第1樹脂材料の含有量が、不織布シート15における第2樹脂材料の含有量よりも多い。
 これにより、シート10の剛性を(硬すぎない)適度な範囲にすることができる。また、シート10の通気性を容易に確保することができる。
[0043]
 上記の吸水シート40は、基部11に対してシート10の他方の面10b側に積層されている。
 すなわち、温熱具100は、シート10の基部11に対して他方の面10b側に積層されている吸水シート40(図3)を備えている。
 温熱具100が吸水シート40を備えることにより、発熱材30中の余剰の水を吸水シート40によって吸水することができる。よって、温熱具100を包装材から取り出すと速やかに発熱材30が発熱するようにできる。
[0044]
 吸水シート40としては、例えば、吸水性ポリマー、レーヨン不織布、セルロース不織布または紙等により構成されたシートを用いることができる。
 なかでも、吸水シート40は、吸水性ポリマーを含んで構成されていることが好ましく、このような吸水シート40は、吸水性ポリマーをシート状に成形することにより得られたものであってもよい。
 吸水シート40は、少なくとも、各突起部12の後面側を覆っていることが好ましい。この場合、吸水シート40は、各突起部12内に充填された発熱材30の充填領域の後面側を覆っている。よって、各突起部12内に充填された発熱材30中の水分を吸水シート40によって好適に吸水することができる。
 なお、本実施形態において、温熱具100は、吸水シート40の代わりに、不連続に配置(シート状ではない形状に配置)された吸水性ポリマーを有していてもよい。
[0045]
 なお、本実施形態の場合、発熱材30は吸水性ポリマーを実質的に含有していないことが好ましく、このようにすることによって、発熱材30中における被酸化性金属の含有割合を十分に確保できるため、発熱材30の発熱量及び発熱の持続時間を十分に確保することができる。
[0046]
 温熱具100は、突起部12が皮膚に圧接される状態で温熱具100を生体に装着するための装着部60を備えている。
 装着部60は、例えば、それぞれ一方向(図2における左右方向)にやや長尺な帯状に形成されている一対の装着バンド部61を備えて構成されている。
 上述のように、本実施形態の場合、本体部50の平面形状は矩形状である。例えば、本体部50の互いに対向する一対の縁辺の各々に沿って、各装着バンド部61の長手方向における一端部である基端部66が固定されている。
[0047]
 装着バンド部61は、シート状の装着部構成シート63と、装着部構成シート63の先端側の部分における一方の面に形成された粘着層64と、を備えて構成されている。
 粘着層64は、装着部構成シート63において温熱具100を生体に装着する際に皮膚側となる面に形成されている。
 このように、装着部60は、皮膚に粘着固定される粘着シート部(例えば、装着部構成シート63において粘着層64が形成されている部分)を含んで構成されている。
 このため、装着部60に張力が付与される状態で粘着シート部を皮膚に粘着固定することによって、図6に示すように、突起部12を皮膚91に対して圧接させて、温熱具100を生体に装着することができる。
[0048]
 生体において温熱具100が装着される部位は、特に限定されない。例えば、肩や背中などの胴体部、手首などの腕部、足裏などの脚部、目周りなどの頭部に温熱具100を装着することができる。
[0049]
 なお、温熱具100の使用前の状態では、各装着バンド部61には、粘着層64を覆う剥離紙65が貼り付けられている。
 温熱具100の使用時には、各装着バンド部61から剥離紙65を剥がして、各装着バンド部61の粘着層64を皮膚91に貼り付けることにより、温熱具100を生体に装着することができる。
[0050]
 ここで、本実施形態の場合、装着部構成シート63は、当該装着部構成シート63の長手方向に伸縮可能な材料により構成されている。つまり、各装着部構成シート63は、図2における矢印B方向に伸縮可能である。
 このように、装着部60は、伸縮性の伸縮シート部を含んで構成されている。本実施形態の場合、例えば、装着部構成シート63の全体が伸縮シート部となっている。
[0051]
 装着バンド部61を当該装着バンド部61の長手方向に引き伸ばした状態で、装着バンド部61の先端部の粘着層64を皮膚91に貼り付けることによって、より十分な圧接力で突起部12を皮膚91に対して圧接させることができる。
[0052]
 以下、温熱具100の各部の材料及び特性の例について、より詳細に説明する。
[0053]
 発熱材30中の被酸化性金属としては、この種の発熱材の材料として通常用いられている被酸化性金属を用いることができる。この被酸化性金属としては、取り扱い性、成形性等の観点から、粉体又は繊維状の形態のものを用いることが好ましい。
[0054]
 粉体の形態を有する被酸化性金属としては、例えば、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マンガン粉、マグネシウム粉、カルシウム粉等が挙げられ、これらの中でも取り扱い性及び製造コストなどの点から鉄粉が好ましく用いられる。
 粉体の形態を有する被酸化性金属としては、反応のコントロールが良好なことから粒径(以下、粒径というときには、粉体の形態における最大長さ、又は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される平均粒径をいう。) が0.1μm以上300μm以下のものを用いることが好ましく、粒径が0.1μm以上150μm以下のものを50質量%以上含有するものを用いることがより好ましい。
[0055]
 また、繊維状の形態を有する被酸化性金属としては、スチール繊維、アルミ繊維、マグネシウム繊維等が挙げられる。これらのなかでも取り扱い性及び製造コストなどの点からスチール繊維、アルミ繊維等が好ましく用いられる。繊維状の形態を有する被酸化性金属は、発熱性能などの点から繊維長0.1mm以上50mm以下、太さ1μm以上1000μm以下のものを用いることが好ましい。
[0056]
 発熱材30中の被酸化性金属の含有量は、30質量%以上80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
 この含有量を30質量%以上とすることにより、発熱材30が充填された突起部12の発熱温度を、人が指先等で触って熱く感じる程度以上に十分に上昇させることができるので好ましい。
 この含有量を80質量%以下とすることにより、発熱材30の通気性が十分なものとなり、その結果、発熱材30の中心部まで十分に反応が起こり、発熱材30の発熱温度を十分に上昇させることができる。また、発熱材30の発熱時間を十分な長さにできるほか、保水剤による水分供給も十分なものとすることができる。
 ここで、発熱材30中の被酸化性金属の含有量は、JIS P8128に準じる灰分試験で測定したり、被酸化性金属が鉄の場合は外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により測定したりすることができる。
[0057]
 発熱材30中の保水剤としては、この種の発熱材の材料として通常用いられている保水剤を用いることができる。この保水剤は、水分保持剤として働く。また、この保水剤は、被酸化性金属に供給される酸素を保持して該酸素を被酸化性金属に供給する供給剤としての機能も有していてもよい。
 この保水剤としては、例えば、無機材料のものが好ましく用いられる。
 この保水剤としては、例えば、多孔質材が好ましく用いられる。
 保水剤としては、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ、カンクリナイト、フローライト等が挙げられ、これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。
 この保水剤としては、被酸化性金属との有効な接触状態を形成できる点から粒径が0.1μm以上500μm以下の粉体状のものを用いることが好ましく、粒径が0.1μm以上200μmの粉体状のものを50質量%以上含有することがより好ましい。
 この保水剤としては、上述のような粉体状以外の形態のものを用いることもでき、例えば、活性炭繊維等の繊維状の形態のものを用いることもできる。
[0058]
 発熱材30中の保水剤の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、2質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
 この含有量を1質量%以上とすることにより、被酸化性金属が酸化反応により人体温度以上に温度上昇する程度に反応を持続させるために必要な水分を発熱材30中に十分に蓄積できる。また、発熱材30の通気性が十分に確保されるため、発熱材30への酸素供給を十分に行うことができ、発熱材30の発熱効率を良好にすることができる。
 この含有量を50質量%以下とすることにより、得られる発熱量に対する発熱材30の熱容量を抑制できることから、発熱温度上昇が大きくなり、人が温かいと体感できる温度上昇が得られる。
[0059]
 発熱材30は、電解質を含有していても良い。
 この電解質としては、この種の発熱材の材料として通常用いられている電解質を用いることができる。
 この電解質としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属若しくは重金属の塩化物又は水酸化物等が挙げられる。そしてこれらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄(第1、第2) 等の各種塩化物が好ましく用いられる。これらの電解質は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
 発熱材30中の電解質の含有量は、発熱材30中の水質量比で0.5質量%以上24質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
 この含有量を0.5質量%以上とすることにより、発熱材30の酸化反応を十分に進行させることができ、発熱機能に必要な電解質を確保するために、発熱材30の水分の比率も抑制することができ、その結果、発熱温度上昇を十分に確保することができる。
 この含有量を24質量%以下とすることにより、発熱材30の通気性を良好にでき、また、発熱機能に必要な電解質を確保するために、発熱材30中の水分比率をある程度の大きさに保つことができ、十分な水が被酸化性金属等に供給され、発熱性能に優れ、発熱材30に均一に電解質を配合することができるので好ましい。
[0060]
 また、発熱材30には、増粘剤や凝集剤、更にはその他の添加物が添加されていてもよい。
 微細な突起部12の空洞13内に発熱材30を均一に充填するため、当該発熱材30を、流動性を持つスラリーの状態で空洞13内に充填することが好ましく、この場合、発熱材30は増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤としては、主として、水分を吸収して稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質、例えば、水溶性の高分子材料を用いることができる。
[0061]
 温熱具100の突起部12は、発熱到達温度が35℃以上98℃以下であることが好ましく、38℃以上70℃以下であることがより好ましく、42℃以上60℃以下であることが一層好ましい。
 温熱具100の発熱到達温度の測定は、JIS S4100と同等の方法で行うことができる。
[0062]
 突起部12に発熱材30が充填されたシート10は、発熱材30の単位重量(1g)あたり、10分間に発生する水蒸気量が、20mg/g以上250mg/g以下であることが好ましく、70mg/g以上180mg/g以下であることがより好ましい。
 ここで、この水蒸気量(水蒸気発生量)は、例えば以下のように測定される。
 測定に用いられる装置は、アルミニウム製の測定室(容積4.2L)と、測定室の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路と、測定室の上部から空気を流出させる流出路と、を備えている。流入路には、入口温湿度計と入口流量計とが取り付けられている。一方、流出路には、出口温湿度計と出口流量計とが取り付けられている。測定室内には温度計(サーミスタ)が取り付けられている。温度計としては、温度分解能が0.1℃程度のものを使用する。
 測定環境温度30℃(30±1℃)において温熱具100を包装袋から取り出し、シート10の一方の面10a側を上にして測定室に載置し、金属球(質量4.5g)をつけた温度計をその上に載せる。この状態で測定室の下部から除湿空気を流し、入口温湿度計と出口温湿度計で計測される温度及び湿度に基づいて、測定室に空気が流入する前後の絶対湿度の差を求める。さらに入口流量計と出口流量計で計測される流量に基づいて、温熱具100が放出した水蒸気量を算出する。測定開始から10分間が経過するまでの水蒸気発生量を計測する。
[0063]
 不織布シート15の材料としては、合成繊維、天然繊維又はこれらの複合繊維が挙げられ、製法としてはスパンボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、エアレイド法、エアースルー法等が挙げられる。
[0064]
 本実施形態の場合、不織布シート15は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。
 不織布シート15を構成する第1樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、レーヨン、ポリスチレン、アクリル、ビニロン、セルロース、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンナフタレート又はポリエチレンテレフタレートであることが挙げられ、なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)であることが好ましい。
 不織布シート15を構成する第2樹脂材料は、特に限定されないが、不織布シート15を構成する第1樹脂材料よりも低融点の材料であることが好ましい。不織布シート15を構成する第2樹脂材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル樹脂、又は低融点PET(共重合ポリエステル)であることが挙げられ、なかでもポリエチレン、又は、低融点のPETであることが好ましい。
 なお、不織布シート15を構成する繊維は、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
[0065]
 不織布シート15における第1樹脂材料の含有量は、不織布シート15における第2樹脂材料の含有量よりも多い。
 好ましくは、不織布シート15における第1樹脂材料の含有量は、60質量%以上95質量%以下である。また、不織布シート15における第2樹脂材料の含有量は、5質量%以上40質量%以下である。
 不織布シート15における第1樹脂材料及び第2樹脂材料の含有量をこのように設定することにより、不織布シート15の通気性を十分に確保しつつも、不織布シート15の剛性を十分に確保することができる。
[0066]
 不織布シート15の坪量は、15g/m 以上500g/m 以下、特に30g/m 以上350g/m 以下であることが好ましい。不織布シート15の坪量が15g/m 以上であることにより、シート10の十分な強度を確保できるほか、発熱材30の温度が適度に緩和されて皮膚に伝わるようにできる。不織布シート15の坪量が500g/m 以下であることにより、シート10を介して発熱材30の温度を効率的に皮膚に伝達することができる。
[0067]
 シート10の基部11の厚みは、0.03mm以上2.6mm以下、特に0.08mm以上1.25mm以下であることが好ましい。基部11の厚みが0.03mm以上であることにより、シート10の形態保持性(特に突起部12の形態保持性)、ひいては本体部50の形態保持性が良好となる。基部11の厚みが2.6mm以下であることにより、シート10の伝熱性が良好となる。
 シート10の透湿度は、例えば、1000g/(m ・24h)以上17000g/(m ・24h)以下であることが好ましく、2000g/(m ・24h)以上12000g/(m ・24h)以下であることがより好ましい。
[0068]
 本実施形態の場合、第2シート20の透湿度は、シート10の透湿度よりも低い。
 第2シート20の透湿度は、例えば、2000g/(m ・24h)以下、特に1000g/(m ・24h)以下であることが好ましい。
 第2シート20の透湿度がこのような範囲に設定されていることにより、発熱材30の発熱に伴う水蒸気の発生方向を第2シート20によって規制することができる。例えば、発熱材30に対する酸素の供給がシート10側から行われ、第2シート20からの水蒸気の発生は抑えることができ、主としてシート10側から水蒸気が発生するようにできる。
[0069]
 第2シート20は、坪量が10g/m 以上200g/m 以下、20g/m 以上100g/m 以下であることが好ましい。第2シート20の坪量がこのような範囲に設定されていることにより、発熱に伴う水蒸気の発生方向を第2シート20によって規制することができる。
[0070]
 第2シート20としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体等の樹脂により構成された樹脂フィルムを含むシートが挙げられ、特に、上記樹脂中に酸化チタン等の無機フィラーを配合したシートを用いることにより、第2シート20による発熱材30の隠蔽性が良好となる。第2シート20は、複数枚を重ねて用いることもできる。
 より詳細には、第2シート20としては、例えば、紙と上記樹脂フィルムとの積層シートや、不織布と上記樹脂フィルムとの積層シートが挙げられる。この場合、樹脂フィルムが第2シート20の内面側(吸水シート40側)となり、第2シート20を構成する紙や不織布が第2シート20の外面側(後面側)に配置される。更には、背面側への放熱を抑制するために、第2シート20の後面側に不織布が積層されていてもよい。
[0071]
 吸水シート40が吸水性ポリマーシートである場合、当該吸水性ポリマーシートを構成する吸水性ポリマーは、吸水性を有する重合体粒子である。
 吸水性ポリマーの形状は、特に限定されず、球状、塊状、ブドウ状、不定形状、多孔状、粉末状または繊維状であり得る。この吸水性ポリマーの平均粒子径は、本体部50からの吸水性ポリマーの脱落や吸水性ポリマーの移動の抑制のために、100μm以上1000μm以下とすることができ、好ましくは150μm以上650μm以下とすることができ、より好ましくは200μm以上500μm以下とすることができる。
 一例として、吸水性ポリマーを得るには、以下のモノマーから選ばれる1種類以上のモノマーを重合し、また、必要に応じて架橋する。ここでの重合方法は、特に限定されるものではなく、逆相懸濁重合法や水溶液重合法などの一般的に知られた吸水性ポリマーの種々の重合方法を採用することができる。そして、重合により得られた重合体に対して必要に応じて粉砕、分級などの処理を行って、重合体を所望の平均粒子径に調整し、必要に応じて無機微粒子処理することにより、吸水性ポリマーが得られる。
 吸水性ポリマーを製造する際に用いられるモノマーとしては、水溶性で、重合性の不飽和基を有するモノマーを用いることができる。このモノマーとしては、より詳細には、オレフィン系不飽和カルボン酸またはその塩、オレフィン系不飽和カルボン酸エステル、オレフィン系不飽和スルホン酸またはその塩、オレフィン系不飽和リン酸またはその塩、オレフィン系不飽和リン酸エステル、オレフィン系不飽和アミン、オレフィン系不飽和アンモニウム塩、オレフィン系不飽和アミドなどの重合性不飽和基を有するビニルモノマーが例示される。
[0072]
 吸水シート40の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.05mm以上2mm以下とすることができ、0.1mm以上1mm以下とすることが好ましい。
 吸水シート40の厚みが0.05mm以上であることにより、吸水シート40によって十分に吸水を行うことができる。また、吸水シート40の厚みが2mm以下であることにより、本体部50を十分に薄型に構成することができる。
 吸水シート40の厚みの測定は、例えば、ピーコックゲージ測定法により行うことができる。
[0073]
 吸水シート40としては、水分の吸収保持が可能であり、柔軟性を有するシート材料が用いられる。そのようなシート材料としては、例えば繊維を原料とする紙、不織布、織物、編み物等の繊維シートや、スポンジ等の多孔体などが挙げられる。吸水シート40の材料となる繊維としては、例えば植物繊維や動物繊維などの天然繊維を主成分とするものや化学繊維を主成分とするもの挙げられる。植物繊維としては、例えばコットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わらから選択される1種又は2種以上が挙げられる。動物繊維としては、例えば羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルパカ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維から選択される1種又は2種以上が挙げられる。化学繊維としては、例えばレーヨン、アセテート、セルロースから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
[0074]
 なかでも吸水シート40としては、前述した繊維で構成される繊維材料と、吸水性ポリマーとを含むものが好ましい。
 吸水シート40が、成分(a)繊維材料、及び、成分(b)吸水性ポリマーを含むとすると、吸水シート40の形態としては、(i)成分(a)及び成分(b)が均一に混合された状態で1枚シートとしたもの、(ii)成分(a)を含む同一の又は互いに異なるシート間に成分(b)が配置されたもの、(iii)成分(b)を散布してシート状としたもの、の3つの形態を例示することができる。
 このうち好ましいものは、(ii)の形態のものである。なお、(ii)の形態の吸水シート40は、例えば、成分(a)を含むシート上に成分(b)の吸水性ポリマーを均一に散布し、その上から200g/m の量の水を噴霧した後、更にその上に成分(a)を含む同一の又は互いに異なるシートを積層し、100±0.5℃、5kg/cm の圧力にてプレス乾燥して含水率が5質量%以下になるまで乾燥して製造することが可能である。
[0075]
 吸水性ポリマーとして、自重の20倍以上の液体を吸収及び保持でき且つゲル化し得るヒドロゲル材料を用いることで、吸水シート40の十分な吸水性能を確保することができる。吸水性ポリマーの粒子の形状としては、球状、塊状、ブドウ房状、繊維状等が挙げられる。吸水性ポリマーの粒子の粒径は、1μm以上であることが好ましく、さらには10μm以上であることが好ましい。また、吸水性ポリマーの粒子の粒径は、1000μm以下であることが好ましく、さらには500μm以下であることが好ましい。なお、吸水性ポリマー粒子の粒径は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
[0076]
 吸水性ポリマーの具体例としては、デンプン、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体から選択される1種又は2種以上が挙げられる。中でも、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を用いることが、吸水シート40の吸水性能を高めるため好ましい。
[0077]
 吸水シート40に占める成分(b)吸水性ポリマーの粒子の割合は、乾燥状態で10質量%以上であることが好ましく、さらには、20質量%以上であることが好ましい。また、吸水シート40に占める成分(b)吸水性ポリマーの粒子の割合は、乾燥状態で70質量%以下であることが好ましく、さらには、65質量%以下であることが好ましい。
[0078]
 吸水シート40は、乾燥状態でその坪量が20g/m 以上250g/m 以下であることが好ましく、更に40g/m 以上220g/m 以下であることが好ましく、更に好ましくは60g/m 以上180g/m 以下である。吸水シート40に含まれる成分(b)の坪量は、乾燥状態で5g/m 以上200g/m 以下であることが好ましく、更に10g/m 以上170g/m 以下であることが好ましく、更に好ましくは30g/m 以上130g/m 以下である。
[0079]
 本実施形態の場合、吸水シート40としては、木材パルプ製の紙(坪量20g/m )と吸水性ポリマー(球状、平均粒子径300μm、坪量90g/m )と木材パルプ製の紙(坪量30g/m )とを積層して一体化した吸水性ポリマーシートを用いることができる。
[0080]
 装着部構成シート63の材料は、特に限定されないが、例えば、伸縮性を有する不織布とすることができる。この不織布の材料としては、合成繊維、天然繊維又はこれらの複合繊維が挙げられる。
 ただし、装着部構成シート63は、不織布に限らず、例えば、ゴム繊維入りの織布などであってもよい。
[0081]
 粘着層64の材料は、特に限定されないが、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、エマルション系、ホットメルト系、水ゲル系などの粘着材料を用いることができる。
[0082]
 次に、本実施形態に係る温熱具の製造方法について説明する。
 本実施形態に係る温熱具の製造方法は、不織布シート18(図5(a))を準備する工程と、不織布シート18を含むシート(例えば不織布シート18)を準備する工程と、を備える。ここで、不織布シート18は、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは第1吸熱ピークよりも高温側に存在する。
 更に、この製造方法は、このシートを第1吸熱ピークと第2吸熱ピークとの中間の温度で熱プレスして、このシートに一方の面側に凸の突起部12を形成する工程と、シートの他方の面側に発熱材30を配置する工程と、を備える。
[0083]
 より詳細には、本実施形態の場合、不織布シート18は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料と、を含んで構成されている。
 突起部12を形成する工程では、上記シートを第1樹脂材料の融点と第2樹脂材料の融点との中間の温度で熱プレスして、このシートに一方の面側に凸の突起部12を形成する。
 本実施形態の場合、第1樹脂材料の融点が第1吸熱ピークであり、第2樹脂材料の融点が第2吸熱ピークである。
[0084]
 先ず、不織布シート15の元となる不織布シート18を準備する。
[0085]
 ここで、不織布シート18は、例えば、第1樹脂材料により構成されている第1繊維と、第2樹脂材料により構成されていて第2繊維と、を含んで構成されている(第1繊維と第2繊維との混綿の場合)。ただし、不織布シート18を構成する繊維は、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
[0086]
 次に、不織布シート18に対して熱プレスを行うことによって、突起部12が形成されたシート10を成形する。
[0087]
 ここで、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点と第2樹脂材料の融点との中間の温度に設定する。すなわち、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点未満の温度であって、且つ、第2樹脂材料の融点以上の温度とする。
 これにより、第2樹脂材料が溶融する一方で、第1樹脂材料は溶融しないようにできるため、溶融した第2樹脂材料を介して、第1樹脂材料により構成された繊維(当該繊維は、芯鞘構造の芯の部分であってもよい)どうしが結着される。すなわち、溶融した第2樹脂材料が、第1樹脂材料により構成された繊維どうしを結着する結着部を構成する。
 その結果、シート10の通気性を確保しつつも、シート10の剛性を十分に確保することができる。すなわち、基部11の通気性及び剛性を十分に確保することができるとともに、突起部12についても、当該突起部12の基端から先端に亘り、通気性を確保しつつも、全体を十分な剛性にすることができる。
[0088]
 ここで、熱プレスの温度は、第2樹脂材料が十分に溶融できる範囲内で、なるべく低温(例えば、第2樹脂材料の融点+30℃以下の温度、好ましくは第2樹脂材料の融点+20℃以下の温度)に設定することが好ましい。このようにすることによって、熱プレス後の不織布シート15が不織布の風合いを有するようにできて、本体部50の肌触りが良好になる。
[0089]
 ここで、例えば、図5(a)に示すように、互いに対向して配置された第1金型70及び第2金型80を用いて、シート10に突起部12を形成することができる。
 第1金型70は、第2金型80と対向する平坦面71と、平坦面71から第2金型80側に突出した複数の突起部72と、を備えている。
 第2金型80は、第1金型70と対向する平坦面81と、平坦面81において各突起部72と対向する部位にそれぞれ形成されている複数の凹部82と、を備えている。
 図5(b)に示すように、第1金型70と第2金型80とを互いに近接させてシート10を厚み方向に加圧するとともに、第1金型70及び第2金型80によってシート10を加熱することにより、シート10に複数の突起部12を形成する。シート10において、第1金型70及び第2金型80の平坦面71、81と対応する部位は基部11となり、第1金型70及び第2金型80の突起部72及び凹部82と対応する部位は突起部12となる。
[0090]
 こうしてシート10に突起部12を形成した後、突起部12に発熱材30を充填する。
 このためには、被酸化性金属、保水剤及び水を含む、発熱材30の原料組成物(スラリー)を調製し、該原料組成物を各突起部12に流し込む。
 これにより、突起部12の内周面の形状に沿わせて発熱材30を充填することができる。よって、発熱材30の形状は、例えば、突起部12の形状と同様の錐状又は錐台状の形状とすることができる。
[0091]
 シート10の各突起部12に発熱材30を充填した後で、シート10の基部11上に吸水シート40を積層する。
 更に、吸水シート40上に第2シート20を積層して、第2シート20の周縁部とシート10の周縁部とを相互に接合する。
 第2シート20とシート10との接合は、接着剤を用いて行っても良いし、ヒートシールにより行っても良い。
 こうして、本体部50を作製することができる。
[0092]
 次に、本体部50に対して一対の装着バンド部61の基端部66をそれぞれ接合する。
 本体部50に対する装着バンド部61の接合は、接着剤を用いて行っても良いし、ヒートシールにより行っても良い。
 こうして、温熱具100が製造される。
[0093]
 以上のような第1実施形態によれば、温熱具100は、一方の面10a側に凸の突起部12を有するシート10と、シート10の他方の面10b側に配置されている発熱材30と、を備え、シート10は、不織布シート15を含んで構成されており、不織布シート15は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。
 シート10は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含む不織布シート15を有していることから、シート10の剛性、ひいてはシート10の突起部12の剛性を十分に確保することができる。よって、突起部12により人体等の生体の皮膚を十分に押圧することが可能である。
[0094]
 特に、本実施形態の場合、シート10が不織布シート15を含んで構成されていることから当該シート10の剛性、ひいては突起部12の剛性を十分に確保できているだけでなく、シート10が通気性を有している。
 これにより、突起部12による生体の皮膚の十分な押圧作用と、シート10を介した水蒸気の放出作用と、を両立させることができる。
[0095]
 また、上記のように温熱具100が突起部12を備えているとともに、発熱材30は、被酸化性金属と、保水剤と、水と、を含んで構成されているので、鍼や火を使わずに、突起部12によって生体を局所的に押圧しつつ加温することができる。
[0096]
 また、温熱具100は、突起部12が皮膚に圧接される状態で当該温熱具100を生体に装着するための装着部60を備えているので、容易に温熱具100を生体に装着することができるとともに、例えばテレビを見たり家事を行ったりするなど他の事を行いながら、生体の局部的な押圧と加温とを行うことができる。
[0097]
 次に、図7(a)から図7(k)を用いて、シート10の平面形状、突起部12の配置及び突起部12の形状の変形例について説明する。
[0098]
 <変形例1>
 図7(a)及び図7(b)は、シート10の平面形状及び突起部12の配置の変形例1を説明するための図であり、このうち図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)のA-A線に沿った断面図である。
 本変形例の場合、上記実施形態と同様の形状の突起部12が、千鳥格子状に配置されており、シート10に例えば横3列、合計10個の突起部12が形成されている。
 シート10の平面形状は、例えば、六角形状に形成されている。なお、本変形例の場合の本体部50の平面形状は、シート10の平面形状と同様である。
[0099]
 <変形例2>
 図7(c)及び図7(d)は、シート10の平面形状、突起部12の配置及び突起部12の形状の変形例2を説明するための図であり、このうち図7(c)は平面図、図7(d)は図7(c)のA-A線に沿った断面図である。
 本変形例の場合、突起部12が円錐台状に形成されている。つまり、突起部12の頂部が平坦に形成されている。
 本変形例の場合、突起部12の配置及びシート10(及び本体部50)の平面形状については、変形例1と同様である。
[0100]
 <変形例3>
 図7(e)及び図7(f)は、シート10の平面形状、突起部12の配置及び突起部12の形状の変形例3を説明するための図であり、このうち図7(e)は平面図、図7(f)は図7(e)のA-A線に沿った断面図である。
 本変形例の場合、シート10は、互いに形状が異なる複数種類の突起部12を有している。
 また、本変形例の場合、シート10は、互いに寸法が異なる複数種類の突起部12を有している。
[0101]
 より詳細には、本変形例の場合、シート10の中央部に1つの突起部12(以下、第1突起部12a)が配置され、第1突起部12aの周囲に複数(例えば8つの)の突起部12(以下、第2突起部12b)が円周上に等間隔で並んで配置されている。
 また、第1突起部12aの直径が、第2突起部12bの直径よりも大きい。つまり、第1突起部12aの寸法と第2突起部12bの寸法とが互いに異なっており、例えば、シート10の面直方向に視たときに、第1突起部12aの外形寸法の方が第2突起部12bの外形寸法よりも大きい。
 なお、第1突起部12aの高さ寸法は、例えば、第2突起部12bの高さ寸法と等しい。このため、第1突起部12aの傾斜角度は、第2突起部12bの傾斜角度よりも緩やかになっている。つまり、第1突起部12aと第2突起部12bとでは互いに形状が異なっている。
 また、本変形例の場合、シート10及び本体部50の平面形状が、例えば円形となっている。
[0102]
 ただし、第1突起部12aの高さ寸法が第2突起部12bの高さ寸法よりも大きくても良く、このようにすることによって、中央の第1突起部12aによってより十分に生体の皮膚を圧することができる。
 また、第2突起部12bの高さ寸法が第1突起部12aの高さ寸法よりも大きくても良く、このようにすることによって、周囲の第2突起部12bによってより十分に生体の皮膚を圧することができる。
[0103]
 <変形例4>
 図7(g)及び図7(h)は、シート10の平面形状及び突起部12の配置の変形例4を説明するための図であり、このうち図7(g)は平面図、図7(h)は図7(g)のA-A線に沿った断面図である。
 本変形例の場合、複数(例えば9つ)の突起部12が正方格子状に配置されている。また、シート10及び本体部50の平面形状が、角丸の正方形状となっている。
[0104]
 <変形例5>
 図7(i)及び図7(j)は、シート10の平面形状、突起部12の配置及び突起部12の形状の変形例5を説明するための図であり、このうち図7(i)は平面図、図7(j)は図7(i)のA-A線に沿った断面図である。
 本変形例の場合、シート10は、互いに形状が異なる複数種類の突起部12を有している。
 また、本変形例の場合、シート10は、互いに寸法が異なる複数種類の突起部12を有している。
[0105]
 より詳細には、本変形例の場合、シート10及び本体部50の平面形状は、例えば、変形例1及び2と同様である。そして、シート10の中央部に横長の長円形の1つの突起部12(以下、第1突起部12a)が配置されており、第1突起部12aの周囲に複数(例えば8つ)の突起部12(以下、第2突起部12b)が配置されている。
 第1突起部12aの頂部は、横長の稜線を有している(図7(j)参照)。
 本変形例のシート10における第1突起部12aの配置領域は、変形例1及び2のシート10における中央部の2つの突起部12の配置領域に相当している。つまり、第1突起部12aの寸法と第2突起部12bの寸法とが互いに異なっており、例えば、シート10の面直方向に視たときに、第1突起部12aの外形寸法の方が第2突起部12bの外形寸法よりも大きい。
 第1突起部12aの平面形状は、例えば、長円形となっている。一方、第2突起部12bの平面形状は、例えば、円形となっている。つまり、第1突起部12aと第2突起部12bとでは互いに形状が異なっている。
[0106]
 <変形例6>
 図7(k)は、シート10の平面形状及び突起部12の配置の変形例6を説明するための図である。本変形例の場合、複数(例えば4つ)の突起部12が直線状に並んで配置されている。
[0107]
 〔第2実施形態〕
 次に、図8から図9(b)を用いて第2実施形態を説明する。
 本実施形態に係る温熱具100は、シート10の構成が上記の第1実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
[0108]
 上記の第1実施形態では、シート10が1枚の不織布シート15により構成されている例を説明した。
 これに対し、本実施形態では、シート10は、当該シート10における一方の最外層を構成する不織布シート15(第1の不織布シート)と、当該シート10における他方の最外層を構成する不織布シート17(第2の不織布シート)と、第1の不織布シートと第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シート16と、を含んで構成されている。
 より詳細には、本実施形態の場合、シート10は、例えば、図8に示すように、不織布シート15、通気シート16及び不織布シート17の3層構造となっている。
 ただし、本発明は、この例に限らず、シート10は、不織布シート15、通気シート16及び不織布シート17の3層の他の層を含んで構成されていてもよい。一例として、シート10は、不織布シート15と不織布シート17との間に2層の通気シート16を備え、更に、これら2層の通気シート16どうしの間に第3の不織布シートを備えていて、合計5層の層構造なっていてもよい。
[0109]
 上記の第1実施形態で説明したように、不織布シート15は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。また、不織布シート17も、不織布シート15と同様に、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。
 すなわち、第1の不織布シート及び第2の不織布シートの各々は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている。
 ただし、不織布シート15を構成する第1樹脂材料と、不織布シート17を構成する第1樹脂材料とは、互いに同じ材料であってもよいし、互いに異なる材料であってもよい。
 また、不織布シート15を構成する第2樹脂材料と、不織布シート17を構成する第2樹脂材料とは、互いに同じ材料であってもよいし、互いに異なる材料であってもよい。
 本実施形態の場合、例えば、不織布シート15と不織布シート17とは互いに同じ材料により構成されており、不織布シート15を構成する第1樹脂材料と、不織布シート17を構成する第1樹脂材料とが互いに同じ材料であるとともに、不織布シート15を構成する第2樹脂材料と不織布シート17を構成する第2樹脂材料とが互いに同じ材料である。
 また、不織布シート17の坪量については、不織布シート15の坪量と同様に、適宜設定することができる。
 なお、本実施形態の場合も、不織布シート15を構成する繊維は、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
 また、不織布シート17を構成する繊維についても、同様に、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
 不織布シート17の通気度は、不織布シート15の通気度と同様であり、好ましくは1秒/100ml以上であり、より好ましくは3秒/100ml以上である。また、好ましくは20000秒/100ml以下であり、より好ましくは10000秒/100ml以下である。
[0110]
 通気シート16は、第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されている。
[0111]
 通気シート16の通気性は、特に限定されないが、例えば、通気シート16の透湿度が100g/(m ・24h)以上13000g/(m ・24h)以下、特に200g/(m ・24h)以上8000g/(m ・24h)以下であることが好ましい。通気シート16の透湿度がこのような範囲に設定されていることにより、温熱具100を包装材から取り出すと速やかにシート10を通して酸素が発熱材30に供給され、該発熱材30から熱と水蒸気がすばやく発生するようにできるとともに、発熱の持続時間を十分に長くすることができる。通気シート16の透湿度の測定は、例えば、JIS(Z0208) CaCl 法で行うことができ、測定条件は、40℃、90%RHMとすることができる。
 通気シート16は、その全面に亘り通気性を有していてもよく、部分的に通気性を有していてもよい。
 通気シート16は、坪量が10g/m 以上200g/m 以下、特に20g/m 以上100g/m 以下であることが好ましい。通気シート16の坪量がこのような範囲に設定されていることにより、温熱具100を包装材から取り出すと熱と水蒸気がすばやく発生するようにできるとともに、発熱の持続時間を十分に長くすることができる。
[0112]
 通気シート16としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体等の樹脂により構成されたシートに機械的に通気孔を形成したもの、これら樹脂と無機フィラーとの混合シートを延伸により界面剥離させ微細な通気孔を設けたもの、また、その結晶構造の界面剥離を利用し、微細な通気孔を形成したもの、発泡成形による連続気泡を利用し微細な通気孔を連通させたものなどが挙げられる。また、通気シート16としては、ポリオレフィン等の合成パルプ、木材パルプ、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維等から形成された不織布、織布、合成紙、紙等も挙げられる。通気シート16は、複数枚を重ねて用いることもできる。
[0113]
 より詳細には、通気シート16としては、ポリプロピレンと炭酸カルシウムとの混合シートを延伸により界面剥離させることで、該混合シートに微細な通気孔を形成したものを好適に用いることができる。
 本実施形態では、ポリプロピレンと炭酸カルシウムとの混合シートを延伸することにより通気シート16が構成されているものとして、以下の説明を行う。
[0114]
 次に、本実施形態に係る温熱具の製造方法について説明する。
 本実施形態に係る温熱具の製造方法も、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料と、を含む不織布シート(例えば、図9(a)に示す不織布シート18、19)を準備する工程と、不織布シートを含むシート(例えば、図9(a)に示す不織布シート18、通気シート16及び不織布シート19の積層体)を準備する工程と、このシートを第1樹脂材料の融点と第2樹脂材料の融点との中間の温度で熱プレスして、このシートに一方の面側に凸の突起部12を形成する工程と、シートの他方の面側に発熱材30を配置する工程と、を備える。
[0115]
 先ず、不織布シート15の元となる不織布シート18、通気シート16、及び、不織布シート17の元となる不織布シート19を準備して、不織布シート18、通気シート16及び不織布シート19の順に重なるようにこれら3つのシートを積層する。
[0116]
 上述のように、不織布シート18は、例えば、第1樹脂材料により構成されている第1繊維と、第2樹脂材料により構成されていて第2繊維と、を含んで構成されている。ただし、不織布シート18を構成する繊維は、第1樹脂材料により構成された芯と、第2樹脂材料により構成された鞘と、を含む芯鞘構造となっていてもよい。
 不織布シート19も、例えば、不織布シート18と同様のものである。
[0117]
 次に、これら3つのシート(不織布シート18、通気シート16及び不織布シート19)の積層体に対して熱プレスを行うことによって、突起部12が形成されたシート10を成形する(図9(a)、図9(b)参照)。
[0118]
 本実施形態でも、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点と第2樹脂材料の融点との中間の温度に設定する。すなわち、熱プレスの温度は、第1樹脂材料の融点未満の温度であって、且つ、第2樹脂材料の融点以上の温度とする。
 これにより、第2樹脂材料が溶融する一方で、第1樹脂材料は溶融しないようにできるため、溶融した第2樹脂材料を介して、第1樹脂材料により構成された繊維(当該繊維は、芯鞘構造の芯の部分であってもよい)どうしが結着される。すなわち、溶融した第2樹脂材料が、第1樹脂材料により構成された繊維どうしを結着する結着部を構成する。
 よって、不織布シート15及び不織布シート17の通気性を確保しつつも、不織布シート15及び不織布シート17の剛性を十分に確保することができるため、シート10の通気性及び剛性を十分に確保することができる。すなわち、基部11の通気性及び剛性を十分に確保することができるとともに、突起部12についても、当該突起部12の基端から先端に亘り、通気性を確保しつつも、全体を十分な剛性にすることができる。
[0119]
 本実施形態の場合も、熱プレスの温度は、第2樹脂材料が十分に溶融できる範囲内で、なるべく低温(例えば、第2樹脂材料の融点+30℃以下の温度、好ましくは第2樹脂材料の融点+10℃以下の温度)に設定することが好ましい。このようにすることによって、熱プレス後の不織布シート15及び不織布シート17が不織布の風合いを有するようにできる。特に、本体部50の外表面側に位置する不織布シート17が不織布の風合いを有することによって、本体部50の肌触りが良好になる。
[0120]
 本実施形態の場合、熱プレスの温度は、通気シート16が含む第3樹脂材料の融点よりも低い温度であって、通気シート16の延伸温度よりも低い温度に設定することが好ましい。これにより、熱プレス後においても通気シート16の通気孔を維持させ、該通気シート16の通気性を確保することができる。
[0121]
 このように、本実施形態に係る温熱具の製造方法では、シートは、当該シートにおける一方の最外層を構成する不織布シート18(第1の不織布シート)と、当該シートにおける他方の最外層を構成する不織布シート19(第2の不織布シート)と、第1の不織布シートと第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シート16と、を含んで構成されており、通気シート16は、第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されている。
 そして、シートに一方の面側に凸の突起部12を形成する工程では、第2樹脂材料の融点と第3樹脂材料の融点との中間の温度でシートを熱プレスする。
[0122]
 このように、本実施形態では、第3樹脂材料を含んで構成された通気シート16の両面にそれぞれ不織布シート18と不織布シート19とを重ねた状態で、これら3層のシート(不織布シート18、通気シート16及び不織布シート19)を熱プレスすることによって、突起部12を形成する。
 これにより、熱プレスの際に、通気シート16の両面をそれぞれ不織布シート18、19によって保護することができる。このため、熱プレスに供されるシート10が備える通気シート16が、例えばポリプロピレンなどのような高い結晶性を有する第3樹脂材料を含む場合であっても、通気シート16の破断を抑制しつつ、シート10に突起部12を形成することができる。よって、シート10が全面に亘り均一な通気性を有するようにできる。
 また、熱プレス後のシート10は、通気シート16の両面にそれぞれ不織布シート15、17が配置された積層構造となる。このため、シート10の剛性をより容易に確保することができ、特に突起部12についても剛性を良好に確保することができる。
[0123]
 なお、熱プレス後のシート10において、不織布シート15の第2樹脂材料、及び、不織布シート17の第2樹脂材料は、通気シート16に対して結着していても良いし、結着していなくても良い。
 本実施形態の場合、不織布シート15の第2樹脂材料、及び、不織布シート17の第2樹脂材料は、通気シート16に対して結着しておらず、これにより、通気シート16の通気性を良好に維持させることができる。
[0124]
 シート10に突起部12を形成した後の製造工程は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
 こうして、本実施形態に係る温熱具100が製造される。
[0125]
 第2実施形態によれば、シート10は、当該シート10における一方の最外層を構成する不織布シート15(第1の不織布シート)と、当該シート10における他方の最外層を構成する不織布シート17(第2の不織布シート)と、第1の不織布シートと第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シート16と、を含んで構成されている。これにより、シート10の剛性をより容易に確保することができ、特に突起部12についても剛性を良好に確保することができ、突起部12によって生体の皮膚をより十分に押圧することができる。
 また、通気シート16は、第3樹脂材料を含んで構成されており、第3樹脂材料の融点が、不織布シート15、17を構成する第2樹脂材料の融点よりも高いので、通気シート16の通気性が良好に維持された構造の温熱具100を容易に得ることができる。
[0126]
 なお、第2実施形態では、通気シート16として、ポリプロピレンと炭酸カルシウムとの混合シートを延伸することにより構成されたものを用いる例について主に説明したが、本発明は、この例に限らない。例えば、通気シート16は、第3樹脂材料により構成された樹脂シートに複数の細孔を形成することにより作製されたものであってもよい。すなわち、通気シート16は、例えば、第3樹脂材料により構成された樹脂シートであって、当該通気シート16の表裏を貫通する複数の細孔を有している。
 なお、上述した熱プレスの際に通気シート16の両面に不織布シート18と不織布シート19とを重ねる前に、予め、通気シート16に不織布を貼り合わせて、通気シート16を補強しておくことも好ましい。
[0127]
 〔第3実施形態〕
 次に、図10を用いて第3実施形態を説明する。
 本実施形態に係る温熱具100は、本体部50の構造が、上記の第1実施形態又は第2実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態又は第2実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
[0128]
 図10に示すように、本実施形態の場合、本体部50は、シート状に形成された本体シート120と、本体シート120の内部の収容空間124に収容されている発熱体130と、本体シート120の一方の面に貼り付けられているシート10と、を備えている。突起部12の突出方向は、本体シート120側とは反対側である。また、発熱体130が、発熱材を含んで構成されている。
 すなわち、温熱具100は、発熱材を有するシート状本体部(本体シート120)を備え、シート状本体部は、シート10の他方の面側に配置されている。
[0129]
 本体シート120は、本体部50が使用者に装着された状態で使用者の皮膚側に位置する第1シート121と、本体部50が使用者に装着された状態で使用者の皮膚側とは反対側に位置する第2シート122と、を備えて構成されている。第1シート121と第2シート122とは、相互に重ね合わされている。
 第1シート121と第2シート122とは、例えば、それらの周縁部に位置する環状の接合部123において相互に接合されている。第1シート121と第2シート122とは、粘着又は接着により接合されていてもよいし、ヒートシールにより接合されていてもよい。
 収容空間124は、第1シート121と第2シート122との間隙である。
 第1シート121及び第2シート122の各々は、単層のシートにより構成されていてもよいし、複数のシートの積層体であってもよい。
 本体シート120を構成するシート材(第1シート121、第2シート122)の材料としては、例えば、不織布、織布、その他の編み物、ポリエチレンやウレタン等の樹脂フィルム、多孔質体、それらの任意の2種以上の組み合わせ等が挙げられる。
 本実施形態の場合、一対の装着バンド部61の基端部66は、第2シート122の外面に固定されている。
[0130]
 発熱体130は、例えば、第1被覆シート131と、第2被覆シート132と、第1被覆シート131と第2被覆シート132との間に保持されているシート状の発熱部133と、を備えて構成されている。第1被覆シート131と第2被覆シート132とは、相互に重ね合わされている。これにより、第1被覆シート131と第2被覆シート132とによって、発熱部133を内部に収容する収容体が構成されている。
 第1被覆シート131と第2被覆シート132とは、例えば、それらの周縁部において相互に接合されている。
 第1被覆シート131と第2被覆シート132とは、粘着又は接着により接合されていてもよいし、ヒートシールにより接合されていてもよい。
 第1被覆シート131と第2被覆シート132とのうち、第1被覆シート131は、第1シート121側、すなわち本体部50が装着された状態で使用者の皮膚側となる方に配置されており、第2被覆シート132は、第2シート122側、すなわち本体部50が装着された状態で使用者の皮膚側とは反対側となる方に配置されている。
 なお、本発明は、この例に限らず、発熱体130は第1被覆シート131及び第2被覆シート132を有していなくてもよい。この場合、発熱部133を内部に収容する収容体は、例えば、第1シート121及び第2シート122により構成される。更にこの場合、第1シート121は第1被覆シート131の機能(第1被覆シート131の通気性等)を有し、第2シート122は第2被覆シート132の機能(第2被覆シート132の通気性等)を有する。
 発熱部133は、上記の発熱材30を含んで構成されている。
 発熱体130の外面の少なくとも一部分は、接合部134において、本体シート120の内面に対して接合されている。
[0131]
 発熱部133の形態は、特に限定されないが、例えば、塗布型、粉体タイプ、及び、抄紙(抄造)タイプの3タイプを挙げることができる。
 このうち塗布型の発熱部133は、クレープ紙、又は紙の積層体に塗工可能な発熱組成物(鉄粉、活性炭、水などを含有する発熱組成物)を塗布し、その上にポリマーシートを積層することにより構成されている。ポリマーシートの代わりに、吸水性ポリマー、紙やレーヨン不織布などの吸水層を用いても良い。
 粉体タイプの発熱部133は、鉄、活性炭、水、SAP(Super Absorbent Polymer)、無機粉体等を混合した粉体をシート状に押し固め、これを第1被覆シート131と第2被覆シート132との間に封入することにより構成されている。
 抄紙タイプの発熱部133は、鉄粉、活性炭及びパルプを含んで構成される発熱材料に食塩水を含ませ、これを第1被覆シート131と第2被覆シート132との間に封入することにより構成されている。
[0132]
 ここで、第1被覆シート131と第2被覆シート132とのうちの少なくとも一方は通気性を有する材料により構成されている。本実施形態の場合、第1被覆シート131は第2被覆シート132と比べてより通気性が高い。なお、第2被覆シート132は通気性を有していてもよいし、通気性を実質的に有していなくてもよい。
 また、第1被覆シート131は透湿性シートである。一方、第2被覆シート132は、透湿性シートであるか、又は非透湿性シートである。第2被覆シート132が透湿性シートである場合、該第2被覆シート132の通気性は、第1被覆シート131の通気性と同じであってもよいし、第1被覆シート131の通気性よりも低くなっていてもよいし、第1被覆シート131の通気性よりも高くなっていてもよい。
 また、第1シート121の通気性は第1被覆シート131の通気性より高いことが好ましく、第2シート122の通気性は第2被覆シート132の通気性より高いことが好ましい。第2シート122が非通気性である場合、第2被覆シート132も非通気性であっても良いし、第2被覆シート132は非通気性でなくても良い。
 なお、第2被覆シート132の通気性を第1被覆シート131の通気性よりも低くする方が、より肌側に蒸気を放出させやすくなる。
[0133]
 また、第1シート121は通気性及び透湿性を有する材料により構成されている。第2シート122は、通気性を有していてもよいし、通気性を実質的に有していなくてもよい。また、第2シート122は透湿性を有していてもよいし、透湿性を実質的に有していなくてもよい。
[0134]
 本実施形態の場合、シート10は、第1シート121の外面に貼り付けられている。
 また、シート10の突起部12の空洞13内には発熱材30が充填されておらず、突起部12の内部は中空となっている。
[0135]
 本実施形態の場合も、シート10が通気性を有している。より詳細には、シート10は、突起部12においても通気性を有している。このため、シート10、第1シート121及び第1被覆シート131を介して発熱体130の発熱部133の発熱材30に酸素を供給することができる。
 温熱具100が使用時に包装材から取り出されることによって、発熱体130の発熱部133の発熱材30が空気中の酸素と接触し、発熱部133が発熱するとともに水蒸気(蒸気温熱)を発生し、この水蒸気が第1被覆シート131、第1シート121及びシート10を介して外部に放出される。
[0136]
 このため、本実施形態のように突起部12の空洞13に発熱材30が充填されていない構造であっても、発熱体130の熱を水蒸気の潜熱により生体の皮膚に速やかに伝達することができる。
 特に、突起部12も通気性を有していることによって、突起部12から放出される水蒸気によって皮膚に熱を伝達することができるため、突起部12で皮膚を加温しつつ、突起部12により皮膚を押圧することができる。
[0137]
 〔第4実施形態〕
 次に、図11(a)から図12(b)を用いて第4実施形態を説明する。
 本実施形態に係る温熱具100は、以下に説明する点で、上記の第3実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
[0138]
 本実施形態の場合、温熱具100は、上述した装着部60の代わりに、以下に説明する装着具114(装着部)(図11(b))を備えている。
 図11(b)に示すように、装着具114は、例えば、弾性変形可能な樹脂材料により一体成形されていることが挙げられるが、一体成形されている構成には限定されない。装着具114は、互いに対向して配置された一対の対向部115と、これら対向部115どうしを相互に連結している連結部116と、を備えている。一対の対向部115の各々は板状に形成されている。また、例えば、連結部116も板状に形成されている。このため、装着具114は、総体として、一方向に長尺な板をU字状に湾曲させたような形状となっている。
 装着具114は、一対の対向部115の対向間隔が広がる方向に弾性変形可能である。一対の対向部115の対向間隔が広げられた状態では、装着具114が当初の形態に弾性復帰(弾性復元)しようとすることによって、装着具114は、一対の対向部115の対向間隔が狭まる方向への付勢力を持つ。
[0139]
 一対の対向部115の各々の先端には、例えば、湾曲部117が形成されている。一方の対向部115の先端の湾曲部117は、他方の対向部115から遠ざかる向きに湾曲している。同様に、他方の対向部115の湾曲部117は、一方の対向部115から遠ざかる向きに湾曲している。
 ただし、装着具114は、湾曲部117を備えていなくてもよい。
[0140]
 例えば、一対の対向部115において、互いに対向する面には、複数のリブ118が形成されている。これら複数のリブ118は、例えば、互いに平行に延在している。
 ただし、装着具114は、リブ118を備えていなくてもよい。
[0141]
 本実施形態の場合、本体部50は、図11(a)に示すように、一方向に長尺に形成されている。例えば、複数の突起部12が一列に並んで配置されている。
[0142]
 本実施形態の場合、本体部50において、突起部12が形成されている側とは反対側の面には、当該本体部50を装着具114に貼り付けるための粘着層112が形成されている(図12(b)参照)。なお、温熱具100の使用前の状態では、粘着層112には剥離紙が貼り付けられている。
[0143]
 温熱具100の使用時には、粘着層112から剥離紙を剥がして、粘着層112を装着具114の内面に貼り付けることによって、本体部50が装着具114に取り付けられる。
 この状態で、突起部12は、対向部115と対応する位置に配置される一方で、連結部116と対応する位置には配置されないことが好ましい(図12(b)参照)。
 本体部50を装着具114に取り付けた状態で、一対の対向部115の対向間隔を広げ、更に、その状態で、一対の対向部115の対向間隔に手の平113などを差し込み、一対の対向部115の対向間隔を広げる力を解除する。
 これにより、装着具114が弾性復帰するため、例えば図12(a)及び図12(b)に示すように、手の平113において親指と人差し指との間の部分の皮膚に対して突起部12を圧接させて、この部分に位置するツボなどを突起部12によって押圧することが可能となる。
[0144]
 このように、本実施形態の場合、装着部は、突起部12を介して生体の一部分(手の平113など)を弾性復元力により挟持することによって突起部12を皮膚に圧接させる装着具114である。
[0145]
 なお、装着具114は、温熱具100とは別に提供されて、温熱具100と組み合わせて用いられるものであってもよい。この場合、例えば、本体部50自体が温熱具100となる。
 すなわち、本実施形態に係る装着具114は、突起部12を有する温熱具100を生体に装着するための装着具114であって、突起部12を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって、突起部12を皮膚に圧接させる。
 本実施形態に係る装着具114によれば、突起部12を有する温熱具100を生体に装着することができるとともに、装着具114の弾性復元力により突起部12を生体の皮膚に圧接させることができる。よって、簡易な構成の装着具114によって、突起部12を持続的に皮膚に圧接させることが可能である。
[0146]
 また、この装着具は、上記のように、互いに対向して配置された一対の対向部115と、これら対向部115どうしを相互に連結している連結部116とを備え、一対の対向部115の対向間隔が広がる方向に弾性変形可能である。
[0147]
 ここで、装着具114は複数のリブ118を備えているので、装着具114に対して本体部50をより安定的に取り付けることができ、装着具114に対する本体部50の位置ずれを抑制することができる。
 また、装着具114が湾曲部117を備えているので、装着具114を手の平113などから取り外すために一対の対向部115の対向間隔を広げようとする際に、指を湾曲部117に引っ掛けて容易に一対の対向部115の対向間隔を広げることができる。
[0148]
 なお、本実施形態では、本体部50が粘着層112により装着具114に貼り付けられる例を説明したが、単に装着具114の弾性復元力によって装着具114と皮膚との間に本体部50を挟み込んでもよい。
[0149]
 〔第5実施形態〕
 次に、第5実施形態を説明する。
 本実施形態に係る温熱具100は、以下に説明する点で、上記の各実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では上記の各実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
[0150]
 上記の第1実施形態では、不織布シート15は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている例を説明した。
 また、上記の第2実施形態では、不織布シート15及び不織布シート17の各々が、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている例を説明した。
[0151]
 これに対し、本実施形態の場合、不織布シート15は、アモルファスPETの繊維で構成されている。或いは、不織布シート15と不織布シート17との少なくとも一方又は両方が、アモルファスPETの繊維で構成されている。
 ここで、不織布シート15を構成する繊維には、アモルファスPET以外の材料により形成された繊維が含まれていてもよい。同様に、不織布シート17を構成する繊維には、アモルファスPET以外の材料により形成された繊維が含まれていてもよい。また、アモルファスPETの繊維は、アモルファスPET以外の材料を含有していてもよい。
[0152]
 このアモルファスPETは、相転移を伴う吸熱ピークを60℃以上165℃以下の温度範囲内に持ち、この吸熱ピークの温度は、このアモルファスPETの軟化点よりも低温であることが好ましい。ただし、この吸熱ピークの温度は、アモルファスPETの軟化点と等しくてもよい。
 この吸熱ピークにおいて、シート10の単位重量あたりの吸熱量(J/g)は、0.1以上2.0以下であることが好ましく、0.2以上1.7以下であることが更に好ましく、0.5以上1.4以下とすることも好ましい。
 本実施形態の場合、不織布シート15の上記軟化点は、アモルファスPETの軟化点である。
[0153]
 より詳細には、このアモルファスPETは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークの温度は、ガラス転移温度(TG)であって60℃以上180℃以下の温度範囲内である。また、アモルファスPETの第2吸熱ピークの温度は、第1吸熱ピークよりも高温である。
[0154]
 本実施形態に係る温熱具の製造方法は、不織布シート15、或いは、不織布シート15と不織布シート17との少なくとも一方又は両方が、アモルファスPETの繊維で構成されている点の他は、上記の第1実施形態で説明した製造方法と同様である。
[0155]
 本実施形態によっても、上記の各実施形態と同様の効果が得られる。
[0156]
 また、本発明者の検討によれば、シート10が、アモルファスPETの繊維で構成された不織布シート15(又は不織布シート17)を含んで構成されていることにより、突起部12をより所望の形状に精密に加工することが可能となる。
[0157]
 〔第6実施形態〕
 次に、図20(a)から図21(c)を用いて第6実施形態を説明する。
 本実施形態に係る温熱具100は、以下に説明する点で、上記の第4実施形態に係る温熱具100と相違しており、その他の点では、上記の第4実施形態に係る温熱具100と同様に構成されている。
[0158]
 本実施形態の場合、本体部50が有する突起部12の数は、例えば図20(a)又は図20(b)に示すように、2つ(図20(a))又は1つ(図20(b))となっている。本体部50は、シート状の部分と、このシート状の部分から一方に突出している突起部12とを有する。
 このシート状の部分の平面形状は、特に限定されないが、例えば、矩形状(好ましくは角丸の矩形状)に形成されている。
[0159]
 本実施形態の場合、装着具114の一対の対向部115のうち、一方の対向部115(以下、対向部115a)には、本体部50を挿抜可能な保持溝181が形成されている。
 保持溝181は、例えば、対向部115aの幅方向における両端にそれぞれ配置されている一対の側方溝部181aと、一対の側方溝部181aどうしを連結している連結溝部181bと、を含んで構成されている。対向部115aの幅方向は、図21(c)における左右方向であり、図21(b)における紙面の奥側方向及び手前側方向である。一対の側方溝部181aの各々は、例えば、連結部116側から対向部115の先端側に向けて直線状に延在している。連結溝部181bは、一対の側方溝部181aにおける連結部116側の端部どうしの間に配置されていて、これら端部どうしを相互に繋いでいる。連結溝部181bは、対向部115aの幅方向に延在している。
 一対の側方溝部181aの各々は、互いの方向に向けて開放している。連結溝部181bは、対向部115aの先端側に向けて開放している。
[0160]
 対向部115aは、平板状の板状部182と、この板状部182を基準として他方の対向部115(以下、対向部115b)側に配置されている保持爪部183と、を備えて構成されている。
 保持爪部183と板状部182との間の空間(間隙)が、保持溝181を構成している。
[0161]
 保持爪部183は、対向部115aの幅方向における両端にそれぞれ配置されている一対の側方爪部183aと、一対の側方爪部183aどうしを連結している連結爪部183bと、を含んで構成されている。一対の側方爪部183aの各々は、例えば、対向部115aにおける連結部116側の部分から対向部115の先端側に向けて直線状に延在している。連結爪部183bは、一対の側方爪部183aにおける連結部116側の端部どうしの間に配置されていて、これら端部どうしを相互に繋いでいる。
 対向部115aの先基端方向に対して直交する断面において、側方爪部183aの形状はL字状となっている(図21(c)参照)。
 対向部115aの幅方向に対して直交する断面において、連結爪部183bの形状はL字状となっている(図示略)。
 保持爪部183は、他方の対向部115bと対向する位置に、U字状の切欠形状部を有する。
[0162]
 板状部182の厚み方向における保持溝181の寸法は、本体部50におけるシート状の部分の厚み寸法と同等であるか、又は、当該シート状の部分の厚み寸法よりも若干大きい程度に設定されている。
 本実施形態の場合、本体部50は、粘着層112は有していない。
[0163]
 本実施形態の場合、以下に説明するようにして本体部50を対向部115aに装着することができる。
 先ず、本体部50のシート状の部分を、対向部115aの先端側から図21(b)における矢印A方向へと、対向部115aに対して相対的に移動させる。これにより、当該シート状の部分の互いに対向する一対の縁辺部53(図20(a)、図20(b)参照)をそれぞれ一対の側方溝部181aに挿入し、これら縁辺部53の一端どうしを繋いでいる他の縁辺部を連結溝部181bに挿入する。この際、一対の縁辺部53が一対の側方溝部181aに対してスライドする。
 こうして、図21(a)から図21(c)に示すように、本体部50が対向部115aに装着された状態にすることができる。この状態で、本体部50の突起部12は、保持爪部183のU字状の切欠形状部を介して、他方の対向部115b側に向けて突出している。
[0164]
 また、対向部115aに装着された本体部50を図21(b)における矢印B方向へと、対向部115aに対して相対的に移動させることにより、本体部50を対向部115aから抜き取ることができる。この際にも、一対の縁辺部53が一対の側方溝部181aに対してスライドする。
[0165]
 例えば、他方の対向部115bにおいて、一方の対向部115aと対向する面には、対向部115a側に向けて突出している突起部185が形成されている。
 また、一方の対向部115aにおいて、他方の対向部115b側とは反対側の面1151には、例えば、突起部186が設けられている。
 ただし、本発明は、この例に限らず、対向部115bには突起部185が形成されていなくてもよい。また、対向部115aには突起部186が設けられていなくてもよい。
[0166]
 ここでは、一対の対向部115のうち一方の対向部115aが、本体部50を保持するための構造(保持溝181及び保持爪部183)を有する例を説明したが、一対の対向部115の双方が保持溝181及び保持爪部183を有していても良い。
 本実施形態の場合も、第4実施形態と同様に、装着具114は、温熱具100とは別に提供されて、温熱具100と組み合わせて用いられるものであってもよく、この場合、例えば、本体部50自体が温熱具100となる。
[0167]
 このように、一対の対向部115の少なくとも一方は、温熱具100を保持する保持部(例えば保持溝181及び保持爪部183により構成される)を有する。
 また、保持部は、シート状の温熱具100の互いに対向する一対の縁辺部53をそれぞれ着脱可能に保持する。
 また、保持部は、温熱具100の一対の縁辺部53をそれぞれスライドさせることで挿抜可能な一対の溝部(一対の側方溝部181a)を有する。
[0168]
 本発明は上記の各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
[0169]
 例えば、発熱材30は、被酸化性金属と、保水剤と、水と、吸水性ポリマーと、を含んで構成されていてもよい。
 発熱材30が吸水性ポリマーを含んで構成されていることにより、発熱材30中の余剰の水を吸水性ポリマーによって吸水することができる。よって、温熱具100を包装材から取り出すと速やかに発熱材30が発熱するようにできる。
 発熱材30が吸水性ポリマーを含んで構成されている場合、温熱具100は、上述の吸水シート40(図3)を備えていなくてもよい。
 発熱材30中の吸水性ポリマーの含有量は、1質量%以上12質量%以下であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。発熱材30中の吸水性ポリマーの含有量を1質量%以上とすることにより、吸水性ポリマーによって十分に吸水を行うことができる。また、発熱材30中の吸水性ポリマーの含有量を12質量%以下とすることにより、発熱に寄与する被酸化性金属の発熱材30中の含有量を十分に確保することができる。
[0170]
 また、上記の実施形態では、装着部60が粘着性の一対の装着バンド部61を備えて構成されている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、例えば、包袋等の帯状体を用いて本体部50を脚や腕などに巻き付けて、突起部12を皮膚に圧接させてもよい。
 また、装着部60は、使用者の耳に掛けられる一対の耳掛け部を備えるアイマスクのような形態であってもよい。すなわち、装着部60は、一対の装着バンド部61の代わりに一対の耳掛け部を備えていてもよい。
[0171]
 上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
 <1>一方の面側に凸の突起部を有するシートと、
 前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、
 を備え、
 前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、
 前記不織布シートは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在する温熱具。
 <2>前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて前記繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている<1>に記載の温熱具。
 <3>前記不織布シートにおける前記第1樹脂材料の含有量が、前記不織布シートにおける前記第2樹脂材料の含有量よりも多い<2>に記載の温熱具。
 <4>前記シートは、当該シートにおける一方の最外層を構成する第1の前記不織布シートと、当該シートにおける他方の最外層を構成する第2の前記不織布シートと、前記第1の不織布シートと前記第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シートと、を含んで構成されており、
 前記通気シートは、前記第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されている<2>又は<3>に記載の温熱具。
 <5>前記不織布シートは、アモルファスPETの繊維で構成されている<1>に記載の温熱具。
 <6>当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、
 前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されている<1>から<5>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <7>前記突起部の内部が中空となっている<1>から<6>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <8>前記シートが通気性を有している<1>から<7>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <9>前記突起部が通気性を有している<8>に記載の温熱具。
 <10>当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、
 前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されており、
 前記突起部の内部が中空となっており、
 前記シートが通気性を有しており、
 前記突起部が通気性を有している<1>に記載の温熱具。
 <11>当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている第2シートを備え、
 前記第2シートの通気性よりも前記シートの通気性が高い<8>から<10>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <12>前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水とを含んで構成されており、
 当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている吸水シートを備える<1>から<11>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <13>前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水と、吸水性ポリマーと、を含んで構成されている<1>から<12>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <14>前記突起部が皮膚に圧接される状態で当該温熱具を生体に装着するための装着部を備える<1>から<13>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <15>前記装着部は、皮膚に粘着固定される粘着シート部を含んでいる<14>に記載の温熱具。
 <16>前記装着部は、伸縮性の伸縮シート部を含んで構成されている<14>又は<15>に記載の温熱具。
 <17>前記装着部は、前記突起部を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって前記突起部を皮膚に圧接させる装着具である<14>に記載の温熱具。
 <18>前記発熱材は、鉄と炭素成分とを含有する<1>から<17>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <19>前記鉄が被酸化性鉄である<18>に記載の温熱具。
 <20>不織布シートを準備する工程であって、前記不織布シートとして、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在する不織布シートを準備する工程と、
 前記不織布シートを含むシートを準備する工程と、
 前記シートを前記第1吸熱ピークと前記第2吸熱ピークとの中間の温度で熱プレスして前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する工程と、
 前記シートの他方の面側に発熱材を配置する工程と、
 を備える温熱具の製造方法。
 <21>前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料と、を含んで構成されており、
 前記突起部を形成する工程では、前記シートを前記第1樹脂材料の融点と前記第2樹脂材料の融点との中間の温度で熱プレスして前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する<20>に記載の温熱具の製造方法。
 <22>前記シートは、当該シートにおける一方の最外層を構成する第1の不織布シートと、当該シートにおける他方の最外層を構成する第2の不織布シートと、前記第1の不織布シートと前記第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シートと、を含んで構成されており、
 前記通気シートは、前記第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されており、
 前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する工程では、前記第2樹脂材料の融点と前記第3樹脂材料の融点との中間の温度で前記シートを熱プレスする<21>に記載の温熱具の製造方法。
 <23>前記不織布シートは、アモルファスPETの繊維で構成されている<20>に記載の温熱具の製造方法。
 <24>一方の面側に凸の突起部を有するシートと、
 前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、
 を備え、
 前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、
 前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて前記繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている温熱具。
 <25>第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料と、を含む不織布シートを準備する工程と、
 前記不織布シートを含むシートを準備する工程と、
 前記シートを前記第1樹脂材料の融点と前記第2樹脂材料の融点との中間の温度で熱プレスして前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する工程と、
 前記シートの他方の面側に発熱材を配置する工程と、
 を備える温熱具の製造方法。
[0172]
 更に、上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
 <26>一方の面側に凸の突起部を有するシートと、前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、を備え、前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、前記不織布シートは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在し、前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて前記繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されており、前記不織布シートにおける前記第1樹脂材料の含有量が、前記不織布シートにおける前記第2樹脂材料の含有量よりも多く、当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されており、前記シートが通気性を有しており、前記突起部が通気性を有しており、当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている第2シートを備え、前記第2シートの通気性よりも前記シートの通気性が高く、前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水とを含んで構成されており、当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている吸水シートを備え、前記発熱材は、鉄と炭素成分とを含有する温熱具。
 <27>前記突起部が皮膚に圧接される状態で当該温熱具を生体に装着するための装着部を備える<26>に記載の温熱具。
 <28>前記装着部は、皮膚に粘着固定される粘着シート部と、伸縮性の伸縮シート部と、を含んで構成されている<27>に記載の温熱具。
 <29>前記装着部は、前記突起部を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって前記突起部を皮膚に圧接させる装着具である<27>に記載の温熱具。
 <30>一方の面側に凸の突起部を有するシートと、 前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、を備え、前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、前記不織布シートは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在し、前記不織布シートは、アモルファスPETの繊維で構成されており、当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されており、前記シートが通気性を有しており、前記突起部が通気性を有しており、当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている第2シートを備え、前記第2シートの通気性よりも前記シートの通気性が高く、前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水とを含んで構成されており、当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている吸水シートを備え、前記発熱材は、鉄と炭素成分とを含有する温熱具。
 <31>前記突起部が皮膚に圧接される状態で当該温熱具を生体に装着するための装着部を備える<30>に記載の温熱具。
 <32>前記装着部は、皮膚に粘着固定される粘着シート部と、伸縮性の伸縮シート部と、を含んで構成されている<31>に記載の温熱具。
 <33>前記装着部は、前記突起部を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって前記突起部を皮膚に圧接させる装着具である<31>に記載の温熱具。
 <34>一方の面側に凸の突起部を有するシートと、前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、を備え、前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、前記不織布シートは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在し、前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて前記繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されており、前記不織布シートにおける前記第1樹脂材料の含有量が、前記不織布シートにおける前記第2樹脂材料の含有量よりも多く、前記シートは、当該シートにおける一方の最外層を構成する第1の前記不織布シートと、当該シートにおける他方の最外層を構成する第2の前記不織布シートと、前記第1の不織布シートと前記第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シートと、を含んで構成されており、前記通気シートは、前記第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されており、当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されており、前記突起部の内部が中空となっており、前記シートが通気性を有しており、 前記突起部が通気性を有しており、前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水と、吸水性ポリマーと、を含んで構成されており、前記発熱材は、鉄と炭素成分とを含有する温熱具。
 <35>前記突起部が皮膚に圧接される状態で当該温熱具を生体に装着するための装着部を備える<34>に記載の温熱具。
 <36>前記装着部は、皮膚に粘着固定される粘着シート部と、伸縮性の伸縮シート部と、を含んで構成されている<35>に記載の温熱具。
 <37>前記装着部は、前記突起部を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって前記突起部を皮膚に圧接させる装着具である<35>に記載の温熱具。
 <38>前記突起部の高さ寸法は、2mm以上15mm以下であることが好ましく、3mm以上10mm以下であることがより好ましく、5mm以上8mm以下であることが更に好ましい<1>から<19>、<24>又は<26>から<37>のいずれか一項に記載の温熱具。
 <39>前記突起部の直径は、2mm以上38mm以下であることが好ましく、5mm以上20mm以下であることがより好ましい<1>から<19>、<24>又は<26>から<38>のいずれか一項に記載の温熱具。
[0173]
 更に、上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
 〔1〕突起部を有する温熱具を生体に装着するための装着具であって、
 前記突起部を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって、前記突起部を皮膚に圧接させる装着具。
 〔2〕当該装着具は、互いに対向して配置された一対の対向部と、これら対向部どうしを相互に連結している連結部と、を備え、前記一対の対向部の対向間隔が広がる方向に弾性変形可能である〔1〕に記載の装着具。
 〔3〕前記一対の対向部の少なくとも一方は、前記温熱具を保持する保持部を有する〔2〕に記載の装着具。
 〔4〕前記保持部は、シート状の前記温熱具の互いに対向する一対の縁辺部をそれぞれ着脱可能に保持する〔3〕に記載の装着具。
 〔5〕前記保持部は、前記温熱具の前記一対の縁辺部をそれぞれスライドさせることで挿抜可能な一対の溝部を有する〔4〕に記載の装着具。

実施例

[0174]
 以下、実施例を説明する。
[0175]
 先ず、図13(a)から図14を用いて実施例1及び実施例2を説明する。
 実施例1及び実施例2では、第1実施形態で説明した構造の本体部50(図1から図3参照)を試料155(図13(a))として用いて、突起部12の昇温特性を調べた。
 より詳細には、実施例1では、突起部12を有するシート10が通気性を有している構造とした一方で、実施例2では、突起部12を有するシート10が非通気性の構造とした。
 実施例1のシート10は、通気度が1秒/100ml以上3秒/100ml以下であった。実施例2のシート10は、通気度は測定上限値の∞であった。
[0176]
 ここで、図13(a)に示すように、本体部50が有する5つの突起部12のうち、対角線上に並ぶ3つの突起部12に、第1突起部141、第2突起部142、第3突起部143の名称を付す。
 図13(b)は、実施例1について、第1突起部141の頂部P1、第2突起部142の頂部P2、第3突起部143の頂部P3の各々の昇温特性のプロファイルを示すグラフである。
 図13(c)は、実施例2について、第1突起部141の頂部P1、第2突起部142の頂部P2、第3突起部143の頂部P3の各々の昇温特性のプロファイルを示すグラフである。
 図13(b)及び図13(c)の各々において、横軸は時間(分)、縦軸は温度(℃)である。
[0177]
 図14は、実施例1及び実施例2の測定に用いた測定装置の構成を示す模式図である。この測定装置は、JIS S4100に準拠したものである。
 この測定装置は、恒温水槽151と、恒温水槽151の天面上に配置されている板材152と、板材152上に配置されていて試料155が載置される下敷材153と、下敷材153上に配置されている温度センサー154と、試料155の上に被せて配置される被覆材156と、被覆材156の上におもりとして配置される分銅157と、を備えている。
 恒温水槽151は、SUS304で形成されており、恒温水槽151は周囲を断熱材161で被覆されている。
 恒温水槽151は、循環水が導入される導入口151aと、循環水を導出する導出口151bとを有する。
 板材152は、ポリプロピレン製の厚さ7mmの板である。
 下敷材153は、日本薬局方で規定するタイプIのガーゼを2枚重ねとしたものである。
 被覆材156は、綿100%のテックス番手5.905の双糸のネルを8枚重ねとしたものである。
[0178]
 更に、この測定装置は、循環水を一定の温度に維持しつつ循環させる循環式恒温水槽158と、循環式恒温水槽158から恒温水槽151の導入口151aに循環水を供給するための供給配管159と、恒温水槽151の導出口151bから循環式恒温水槽158に循環水を戻すための戻り配管160と、を備えている。
 更に、この測定装置は、温度センサー154による検出結果を記憶するロガー(不図示)と、ロガーからこの検出結果を取得して収集し、解析を行うパーソナルコンピュータ(不図示)と、を備えている。
[0179]
 測定条件は、周囲温度は20℃±1℃、周囲湿度は55%~70%、風速は無風状態(0.5m/秒以下)とした。
 試料155を包装材から取り出し、突起部12の突出方向を下向きにして試料155を下敷材153上に配置し、試料155の上に被覆材156を配置し、更に、被覆材156の上に分銅157を配置した。
 試料155を包装材から取り出したタイミングを図13(b)及び図13(c)における測定開始時間(横軸が0分)とした。また、試料155を包装材から取り出してから、被覆材156の上に分銅157を配置するまでを速やかに(30秒以内に)行った。
[0180]
 図13(a)と図13(b)との比較から、実施例1では、実施例2と比べて、突起部12の最高到達温度が高いことが分かった。また、実施例1では、実施例2と比べて、突起部12が最高温度に到達するまでの時間が短いことが分かった。 
 一方、実施例2では、実施例1と比べて、突起部12の温度が最高到達温度付近に維持される時間(持続時間)が長いことが分かった。
[0181]
 次に、図15から図17を用いて実施例3及び実施例4を説明する。
 実施例3及び実施例4では、上記の第5実施形態の構造のシート10、すなわち、アモルファスPETの繊維で構成されている不織布シートを含むシート10からサンプルを採取し、サンプルの吸熱ピークを測定した。
 シート10としては、成形温度(突起部12の成形温度)を100℃としたもの(実施例3)と、成形温度を120℃としたもの(実施例4)との2種類を準備した。
 また、実施例3及び実施例4のシート10の各々の3箇所からサンプルを採取した。すなわち、図15に示すように、実施例3及び実施例4の各々について、突起部12の頂部171(図16に示すサンプル名の「突起部頂部」に対応)、突起部12の側面部172(図16に示すサンプル名の「突起部側面部」に対応)、及び、シート10において突起部12が形成されていない部分である平面部173(図16に示すサンプル名の「平面部」に対応)の3箇所から採取した。
[0182]
 図16には、各サンプルの名称(サンプル名)、成形温度(℃)、サンプルの重量(mg)及び最初に現れた吸熱ピークでの単位重量あたりの吸熱量(J/g)を示す。
 また、図17は、各サンプルのDSCチャートを示す。
 なお、図16及び図17に示す「成形前」は、成形前のシート10を意味する。成形前のシート10は平坦であり、当該シート10の一部分をサンプルとして採取した。
[0183]
 図16に示す吸熱量の測定結果、及び、図17に示すDSCチャートは、以下のようにして測定した結果である。
 測定装置としては、株式会社リガク社製 Thermo Plus EVO2 DSC8231 示差走査熱量計;DSCを用いた。
 測定環境は、窒素雰囲気とした。
[0184]
 図17に示すように、実施例3(100℃で成形)及び実施例4(120℃で成形)の各々について、「突起部頂部」、「突起部側面部」及び「平面部」のいずれにおいても、70℃付近で最初の吸熱ピークが現れた。この最初の吸熱ピークの温度は、アモルファスPETのガラス転移温度(TG)である。
 また、実施例3及び実施例4の各々について、「突起部頂部」、「突起部側面部」及び「平面部」のいずれにおいても、2つ目の吸熱ピークが250℃付近に現れた。この2つ目の吸熱ピークの温度は、アモルファスPETの融点であり、アモルファスPETの軟化点を超えた温度である。
 なお、図16に示すように、実施例3及び実施例4の各々について、「突起部頂部」では、最初に現れた吸熱ピークでの単位重量あたりの吸熱量が、「突起部側面部」及び「平面部」が小さい。
[0185]
 一方、「成形前」では、80℃付近で最初の吸熱ピークが現れた。この最初の吸熱ピークの温度は、アモルファスPETのガラス転移温度(TG)である。また、「成形前」でも、2つ目の吸熱ピークが250℃付近に現れた。この2つ目の吸熱ピークの温度は、アモルファスPETの融点であり、アモルファスPETの軟化点を超えた温度である。
 なお、実施例3及び実施例4では、「成形前」と比べて、ガラス転移温度が低温側にシフトしている。この理由は、明らかではないが、実施例3及び実施例4においては、シート10が成形温度から室温に冷却される熱履歴を受けていることから、エンタルピー緩和による非晶構造の変化が生じたことに起因すると考えられる。
[0186]
 次に、図18(a)から図19(d)を用いて実施例5から実施例8を説明する。
 図18(a)及び図18(b)は、実施例5で作製された突起部12を撮像した結果を示しており、このうち図18(b)は図18(a)の拡大写真である。
 図18(c)及び図18(d)は、実施例6で作製された突起部12を撮像した結果を示しており、このうち図18(d)は図18(c)の拡大写真である。
 図19(a)及び図19(b)は、実施例7で作製された突起部12を撮像した結果を示しており、このうち図19(b)は図19(a)の拡大写真である。
 図19(c)及び図19(d)は、実施例8で作製された突起部12を撮像した結果を示しており、このうち図19(d)は図19(c)の拡大写真である。
[0187]
 実施例5及び実施例6では、シート10の成形に共通の金型を用い、また、成形温度は互いに同一とした。
 実施例7及び実施例8では、シート10の成形に共通の金型を用い、また、成形温度は互いに同一とした。
 実施例5及び実施例6に用いた金型と、実施例7及び実施例8に用いた金型とでは、互いに形状が異なる。
[0188]
 実施例5及び実施例7においては、シート10の材料は、第1実施形態で説明した材料である。すなわち、実施例5と実施例7で用いたシート10は、第1樹脂材料により構成されている繊維と、第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成された不織布シートを含んで構成されている。より詳細には、第1樹脂材料はPETであり、第2樹脂材料は低融点PETである。
[0189]
 実施例6及び実施例8においては、シート10の材料は、第5実施形態で説明した材料である。すなわち、実施例6と実施例8で用いたシート10は、アモルファスPETの繊維で構成されている不織布シートを含んで構成されている。
[0190]
 実施例5(図18(a)及び図18(b))と実施例6(図18(c)及び図18(d))との比較から、シート10がアモルファスPETの繊維で構成されている不織布シートを含んで構成されている場合は、突起部12をより所望の形状に精密に加工できることが分かる。
 同様に、実施例7(図19(a)及び図19(b))と実施例8(図19(c)及び図19(d))との比較からも、シート10がアモルファスPETの繊維で構成されている不織布シートを含んで構成されている場合は、突起部12をより所望の形状に精密に加工できることが分かる。
[0191]
 この出願は、2017年4月20日に出願された日本出願特願2017-84050号及び2018年3月27日に出願された日本出願特願2018-60659号を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。

符号の説明

[0192]
10 シート
10a 一方の面
10b 他方の面
11 基部
12 突起部
12a 第1突起部
12b 第2突起部
13 空洞
15 不織布シート
16 通気シート
17 不織布シート
18、19 不織布シート
20 第2シート
30 発熱材
40 吸水シート
50 本体部
51 接合部
53 縁辺部
60 装着部
61 装着バンド部
63 装着部構成シート
64 粘着層
65 剥離紙
66 基端部
70 第1金型
71 平坦面
72 突起部
80 第2金型
81 平坦面
82 凹部
91 皮膚
100 温熱具
112 粘着層
113 手の平
114 装着具(装着部)
115、115a、115b 対向部
116 連結部
117 湾曲部
118 リブ
120 本体シート
121 第1シート
122 第2シート
123 接合部
124 収容空間
130 発熱体
131 第1被覆シート
132 第2被覆シート
133 発熱部
134 接合部
141 第1突起部
142 第2突起部
143 第3突起部
151 恒温水槽
151a 導入口
151b 導出口
152 板材
153 下敷材
154 温度センサー
155 試料
156 被覆材
157 分銅
158 循環式恒温水槽
159 供給配管
160 戻り配管
161 断熱材
171 頂部
172 側面部
173 平面部
181 保持溝
181a 側方溝部
181b 連結溝部
182 板状部
183 保持爪部
183a 側方爪部
183b 連結爪部
185 突起部
186 突起部
P1、P2、P3 頂部

請求の範囲

[請求項1]
 一方の面側に凸の突起部を有するシートと、
 前記シートの他方の面側に配置されている発熱材と、
 を備え、
 前記シートは、不織布シートを含んで構成されており、
 前記不織布シートは、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在する温熱具。
[請求項2]
 前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料により構成されていて前記繊維どうしを結着している結着部と、を含んで構成されている請求項1に記載の温熱具。
[請求項3]
 前記不織布シートにおける前記第1樹脂材料の含有量が、前記不織布シートにおける前記第2樹脂材料の含有量よりも多い請求項2に記載の温熱具。
[請求項4]
 前記シートは、当該シートにおける一方の最外層を構成する第1の前記不織布シートと、当該シートにおける他方の最外層を構成する第2の前記不織布シートと、前記第1の不織布シートと前記第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シートと、を含んで構成されており、
 前記通気シートは、前記第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されている請求項2又は3に記載の温熱具。
[請求項5]
 前記不織布シートは、アモルファスPETの繊維で構成されている請求項1に記載の温熱具。
[請求項6]
 当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、
 前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項7]
 前記突起部の内部が中空となっている請求項1から6のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項8]
 前記シートが通気性を有している請求項1から7のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項9]
 前記突起部が通気性を有している請求項8に記載の温熱具。
[請求項10]
 当該温熱具は、前記発熱材を有するシート状本体部を備え、
 前記シート状本体部は、前記シートの他方の面側に配置されており、
 前記突起部の内部が中空となっており、
 前記シートが通気性を有しており、
 前記突起部が通気性を有している請求項1に記載の温熱具。
[請求項11]
 当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている第2シートを備え、
 前記第2シートの通気性よりも前記シートの通気性が高い請求項8から10のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項12]
 前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水とを含んで構成されており、
 当該温熱具は、前記シートに対して前記他方の面側に積層されている吸水シートを備える請求項1から11のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項13]
 前記発熱材は、被酸化性金属と、保水剤と、水と、吸水性ポリマーと、を含んで構成されている請求項1から12のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項14]
 前記突起部が皮膚に圧接される状態で当該温熱具を生体に装着するための装着部を備える請求項1から13のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項15]
 前記装着部は、皮膚に粘着固定される粘着シート部を含んでいる請求項14に記載の温熱具。
[請求項16]
 前記装着部は、伸縮性の伸縮シート部を含んで構成されている請求項14又は15に記載の温熱具。
[請求項17]
 前記装着部は、前記突起部を介して生体の一部分を弾性復元力により挟持することによって前記突起部を皮膚に圧接させる装着具である請求項14に記載の温熱具。
[請求項18]
 前記発熱材は、鉄と炭素成分とを含有する請求項1から17のいずれか一項に記載の温熱具。
[請求項19]
 前記鉄が被酸化性鉄である請求項18に記載の温熱具。
[請求項20]
 不織布シートを準備する工程であって、前記不織布シートとして、それぞれ相転移を伴う吸熱ピークを少なくとも2つ有し、このうち第1吸熱ピークは60℃以上180℃以下の温度範囲内に存在し、第2吸熱ピークは前記第1吸熱ピークよりも高温側に存在する不織布シートを準備する工程と、
 前記不織布シートを含むシートを準備する工程と、
 前記シートを前記第1吸熱ピークと前記第2吸熱ピークとの中間の温度で熱プレスして前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する工程と、
 前記シートの他方の面側に発熱材を配置する工程と、
 を備える温熱具の製造方法。
[請求項21]
 前記不織布シートは、第1樹脂材料により構成されている繊維と、前記第1樹脂材料よりも低融点の第2樹脂材料と、を含んで構成されており、
 前記突起部を形成する工程では、前記シートを前記第1樹脂材料の融点と前記第2樹脂材料の融点との中間の温度で熱プレスして前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する請求項20に記載の温熱具の製造方法。
[請求項22]
 前記シートは、当該シートにおける一方の最外層を構成する第1の不織布シートと、当該シートにおける他方の最外層を構成する第2の不織布シートと、前記第1の不織布シートと前記第2の不織布シートとの間に位置する中間層を構成する通気シートと、を含んで構成されており、
 前記通気シートは、前記第2樹脂材料よりも高融点の第3樹脂材料を含んで構成されており、
 前記シートに一方の面側に凸の突起部を形成する工程では、前記第2樹脂材料の融点と前記第3樹脂材料の融点との中間の温度で前記シートを熱プレスする請求項21に記載の温熱具の製造方法。
[請求項23]
 前記不織布シートは、アモルファスPETの繊維で構成されている請求項20に記載の温熱具の製造方法。

図面

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[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

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[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]