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1. (WO2018193980) 表示装置
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明 細 書

発明の名称 表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030  

図面の簡単な説明

0031  

発明を実施するための形態

0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074  

符号の説明

0075  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、フィールドシーケンシャル方式により画像を表示する表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 例えば特許文献1は、フィールドシーケンシャル画像表示装置を開示し、そのフィールドシーケンシャル画像表示装置は、照明装置と、照明光学系と、表示素子と、投射光学系と、スクリーンと、平面ミラーと、凹面ミラーと、表示光が外部へ射出する窓部を有するハウジングと、を備える。また、特許文献1のフィールドシーケンシャル画像表示装置は、制御部、照明制御部及び表示制御部によって制御される。特許文献1のフィールドシーケンシャル画像表示装置では、表示素子による表示画像を表示する周期であるフレームは、表示素子の個々のミラーが通常駆動する表示期間と、非表示期間駆動する非表示期間と、を備える。
[0003]
 特許文献1のフィールドシーケンシャル画像表示装置では、複数のミラーで構成される表示素子の温度が閾値を超える時に、フレーム期間内に占める非表示期間(表示素子がスクリーンでの表示画像を表示不可能な期間)の割合を増加させるとともに、フレーム期間内に占める表示期間(表示素子がスクリーンでの表示画像を表示可能な期間)の割合を減少させる。これにより、表示素子の故障(ON状態又はOFF状態に固着された欠陥画素の存在)を防止又は抑制することができる。
[0004]
 なお、非表示期間において、特許文献1のフィールドシーケンシャル画像表示装置は、光源を全て消灯させ、表示制御部は、個々のミラーをオン/オフ駆動させることにより、フレーム内における個々のミラーがオン駆動した割合であるフレーム内オン駆動割合が例えば50[%]になるように制御する。つまり、フレーム内における個々のミラーがオフ駆動した割合であるフレーム内オフ駆動割合も例えば50[%]になるように制御する。これにより、個々のミラーが持つヒンジ(ミラーの支点)にかかる負担をオン駆動側とオフ駆動側とで均等にし、ミラーがオン/オフどちらかの状態で固着されるのを抑制できる。
[0005]
 例えば特許文献2は、表示装置を開示し、その表示装置は、照明装置と、光強度検出部と、照明光学系と、表示素子と、投射光学系と、スクリーンと、平面ミラーと、凹面ミラー、筐体と、透光部と、を備える。また、特許文献2の表示装置は、制御部、照明制御部及び表示制御部によって制御される。特許文献2の表示装置の制御部は、光強度検出部から光強度データを取得し、スクリーンに表示される表示画像に要求される輝度と実際の照明装置の発光輝度とのずれを適宜の手法で補正することができる。具体的には、特許文献2の表示装置では、照明装置の光源部の駆動方法として例えば2つの駆動方式を採用し、PWM駆動方式に必要な制御値(例えばDuty比)とPAM駆動方式に必要な制御値(例えば電流値)との組み合わせを変更することで、照明装置の輝度を変更することができる。
[0006]
 なお、特許文献2の表示装置では、フレーム期間内に占める表示期間(表示素子がスクリーンでの表示画像を表示可能な期間)の割合は、一定(例えば50[%])であってもよく、或いは、表示画像に要求される輝度に応じて決定(例えば50[%]又は70[%])されてもよい。また、特許文献2の表示装置では、フレーム期間内に占める非表示期間において、特許文献2の照明制御部は、光源を全て消灯させ、表示制御部は、個々のミラーをオン/オフ駆動させることにより、フレーム内における個々のミラーがオン駆動した割合であるフレーム内オン駆動割合が例えば50[%]になるように制御する。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2012-212095号公報
特許文献2 : 特開2014-066920号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 特許文献1及び特許文献2では、表示素子を構成する画素(具体的には、ミラー)の状態が固着されることを抑制することができる。しかしながら、表示装置が高温環境下で動作する時に、表示素子の温度が高温になるだけでなく、照明部を構成する光源部(具体的には、発光素子)の温度も高温になること、即ち発光素子の発光特性によっては高温時に出力強度(輝度)が低下することを本発明者らは認識した。
[0009]
 特に、光源部として発光素子を備え、車両に搭載される車両用表示装置(例えばヘッドアップディスプレイ)において、発光素子の出力強度が低下する状況では、運転者が低下した輝度を有する表示画像の虚像を視認し難くなってしまう。また、高温時に特定の発光素子だけの出力強度が急激に低下する時に、表示装置のホワイトバランスが崩れてしまうことを本発明者らは認識した。
[0010]
 本発明の1つの目的は、発光素子の出力強度の低下に起因する表示画像の品質の低下を防止可能な表示装置を提供することである。本発明のもう1つの目的は、ホワイトバランスの崩れに起因する表示画像の品質の低下を防止可能な表示装置を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

[0011]
 以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
[0012]
 第1の態様において、表示装置は、
 発光可能な光源部を有する照明部と、
 前記光源部の温度を検出する第1の検出部と、
 前記照明部を制御する照明制御部と、
 複数の画素を有する表示素子であって、前記複数の画素の状態に応じて前記照明部からの照明光を第1の方向に反射させて、スクリーンに向かう前記照明光であるON照明光によって表示画像を形成可能な表示素子と、
 前記複数の画素の前記状態を制御する表示制御部と、
 映像信号に基づき前記照明制御部及び前記表示制御部を制御する制御部と、
 を備え、
 前記光源部は、第1の発光素子及び第2の発光素子を有し、
 前記制御部は、前記表示画像のフレームを構成する複数のサブフレームのうちの対応する1つのサブフレーム毎に、前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子を含む複数の発光素子のうちの対応する1つの発光素子を駆動し、
 前記フレームは、前記表示素子による前記表示画像を表示する周期であり、
 第1の閾値未満である前記光源部の温度が前記第1の閾値を超える時に、前記制御部は、前記フレーム内における前記第1の発光素子が点灯駆動した割合である第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させる。
[0013]
 第1の態様では、光源部の温度が高温になる時に、第1の発光素子の出力強度が低下してしまうので、フレーム内における第1の発光素子が点灯駆動した割合(第1のフレーム内点灯割合)を増加させることによって、表示画像の品質の低下を防止することができる。具体的には、第1の発光素子の出力強度の低下を補うように、言い換えれば、例えば運転者によって視認される虚像の輝度を維持するように、第1の発光素子が点灯駆動する期間は、増加する。
[0014]
 第1の態様に従属する第2の態様において、
 前記光源部は、第3の発光素子を更に有してもよく、
 前記第1の発光素子、前記第2の発光素子及び前記第3の発光素子は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光を発する発光ダイオードであってもよく、
 前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超えて前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させる時に、前記制御部は、前記フレーム内における前記第2の発光素子が点灯駆動した割合である第2のフレーム内点灯駆動割合、及び/又は、前記フレーム内における前記第3の発光素子が点灯駆動した割合である第3のフレーム内点灯駆動割合を減少させてもよい。
[0015]
 第1の態様において、フレーム内における第1の発光素子が点灯駆動した割合(第1のフレーム内点灯割合)だけを単に増加させることができない時に、言い換えれば、表示画像の階調数を最大化するために第1のフレーム内点灯割合、第2のフレーム内点灯割合及び第3のフレーム内点灯割合が効率化される時に、第2の態様では、例えば第2のフレーム内点灯割合を減少させてその減少分だけ第1のフレーム内点灯割合を増加させることができる。代替的に、第2の態様では、例えば第3のフレーム内点灯割合を減少させてその減少分だけ第1のフレーム内点灯割合を増加させてもよい。或いは、例えば第2及び第3のフレーム内点灯割合を減少させてそれらの減少分だけ第1のフレーム内点灯割合を増加させてもよい。
[0016]
 また、第2の態様では、第1の発光素子は、赤色光を発する発光ダイオードであり、一般に、赤色光を発する発光ダイオードは、最も又は他の色(青色及び緑色)と比べて、出力強度(輝度)が低下し易い傾向にある。言い換えれば、赤色光を発する発光ダイオードは、高温に対する耐性が低く、表示画像を構成する赤色の輝度は、高温時に低下するので、その低下を補うために、第1のフレーム内点灯割合を増加させることができる。他方、青色光及び緑色光を発行する発行ダイオードは、高温に対する耐性が高く、表示画像を構成する青色及び緑色の輝度は、高温時に低下し難いので、第2及び/又は第3のフレーム内点灯割合を減少させることができる。
[0017]
 第2の態様に従属する第3の態様において、
 前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超えて前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させる時に、前記制御部は、前記フレーム内における前記第2の発光素子の総光量を維持するように、前記第2の発光素子の駆動に必要な制御値を増加させて、前記第2のフレーム内点灯駆動割合を減少させてもよい。
[0018]
 第2の態様において、第1のフレーム内点灯割合を増加させるために例えば第2のフレーム内点灯駆動割合を減少させることができ、この状態で、フレーム内における第2の発光素子の総光量(緑色光の明るさ)は、低下することもある。第3の態様では、フレーム内における第2の発光素子の総光量を維持するように、第2の発光素子の駆動に必要な制御値(例えば電流値)を増加させた状態で第2のフレーム内点灯駆動割合を減少させることができる。
[0019]
 第1~第3の態様の何れか1つの態様に従属する第4の態様において、
 前記第1の閾値を超えた前記光源部の前記温度が徐々に上昇する時に、前記制御部は、前記第1のフレーム内点灯駆動割合を徐々に増加させてもよい。
[0020]
 第4の態様では、光源部の温度が高温側に移動する時に、第1のフレーム内点灯駆動割合を徐々に増加させることができ、これにより、第1のフレーム内点灯駆動割合の変化に起因する階調数の変化又は色度の変化を緩やかに実行することができる。言い換えれば、第4の態様では、第1のフレーム内点灯駆動割合が変化する時に、表示画像の表示手法の変化を例えば運転者に認識させ難くすることができる。
[0021]
 第1~第4の態様の何れか1つの態様に従属する第5の態様において、表示装置は、
 前記光源部の出力強度を検出する第2の検出部を
 更に備えてもよく、
 前記第1の閾値を超えた前記光源部の前記温度が変化する時に、前記制御部は、前記第2の検出部によって検出される前記出力強度に基づき、前記第1のフレーム内点灯駆動割合を決定してもよい。
[0022]
 第5の態様では、光源部の出力強度(輝度)を考慮しながら、第1のフレーム内点灯駆動割合を決定することができる。言い換えれば、第5の態様では、検出された光源部の出力強度をフィードバック信号として用いて第1のフレーム内点灯駆動割合を決定することができる。
[0023]
 第1~第5の態様の何れか1つの態様に従属する第6の態様において、
 前記フレームは、前記表示素子が前記スクリーンでの前記表示画像を表示可能な期間である表示期間と、前記表示素子が前記スクリーンでの前記表示画像を表示不可能な期間である非表示期間と、を含んでもよく、
 車両の外部の外光照度が所定値以上であり、且つ前記第1の閾値未満である前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超える時に、前記制御部は、フレーム期間内に占める前記表示期間の割合を減少させ、且つ前記表示期間内における前記第1の発光素子が点灯駆動した前記割合である前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加さてもよい。
[0024]
 第6の態様では、光源部の温度が高温になる時に、表示期間の割合を減少させた状態で、第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させることができる。従って、第6の態様では、高温時に表示素子を構成する画素(具体的には、ミラー)の状態が固着されることを抑制しながら、第1の発光素子の出力強度の低下を補うことができる。
[0025]
 加えて、第6の態様では、車両の外部の外光照度が所定値未満である時に、言い換えれば、要求輝度又は発光輝度が低い時に、表示素子は、高温にならないので、表示期間の割合を減少させないで、第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させることができる。表示期間の割合が減少しないので、表示期間の割合の減少に起因する表示画像の品質の低下を防止することができる。
[0026]
 第1~第6の態様の何れか1つの態様に従属する第7の態様において、
 現在のフレームにおいて、前記第1の閾値未満である前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超える時に、前記制御部は、前記現在のフレームで前記第1のフレーム内点灯駆動割合を維持し、前記現在のフレームに後続する次のフレームで前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させてもよい。
[0027]
 第7の態様では、フレーム単位で第1のフレーム内点灯駆動割合を変化させることができる。従って、第7の態様では、第1のフレーム内点灯駆動割合の変化に起因する表示画像の品質の低下を防止することができる。
[0028]
 第1~第7の態様の何れか1つの態様に従属する第8の態様において、
 前記第1の閾値未満である前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超えて前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させた後に、前記制御部は、前記第1の閾値を減少させてもよく、
 減少させた前記第1の閾値以上である前記光源部の前記温度が減少させた前記第1の閾値を下回る時に、前記制御部は、増加させた前記第1のフレーム内点灯駆動割合を元に戻してもよい。
[0029]
 第8の態様では、第1の閾値にヒステリシスを持たせて、光源部の温度が第1の閾値付近で変動する時に、第1のフレーム内点灯駆動割合の頻繁な切り替えを防止することができる。
[0030]
 当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。

図面の簡単な説明

[0031]
[図1] 本発明に従う表示装置の1つの用途の説明図である。
[図2] 図1のヘッドアップディスプレイ装置の表示機構の説明図である。
[図3] 本発明に従う表示装置の構成例を示す。
[図4] 図2の表示画像を表示する周期であるフレームの説明図である。
[図5] 図3の表示素子30及び発光部10の駆動方法の説明図である。
[図6] 図3の表示装置の概略動作例を表すフローチャートを示す。
[図7] 光源部の高温時におけるRGB-Dutyの変更及びDMD-Dutyの変更の説明図である。
[図8] 図8(A)は、照明部の発光輝度の説明図であり、図8(B)及び図8(C)の各々は、RGB-Dutyの設定及びDMD-Dutyの設定の説明図である。
[図9] 図9(A)は、照明部の発光輝度の他の説明図であり、図9(B)、図9(C)及び図9(D)の各々は、RGB-Dutyの設定及びDMD-Dutyの設定の他の説明図である。
[図10] 光源部を構成する3つの発光素子の駆動電流の説明図(従来例)である。
[図11] 光源部を構成する3つの発光素子の駆動電流の説明図(第1の実施例)である。
[図12] 光源部を構成する3つの発光素子の駆動電流の他の説明図(第2の実施例)である。

発明を実施するための形態

[0032]
 以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
[0033]
 図1は、本発明に従う表示装置の1つの用途の説明図である。図1の例において、表示装置として、例えばヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100が示され、ヘッドアップディスプレイ装置100は、例えば自動車である車両に適している。ヘッドアップディスプレイ装置100は、車両のダッシュボード内に設けられ、表示画像を表す表示光Lをウインドシールド200で反射させることにより、運転者250等の乗員は、例えば車両情報(具体的には、車速(実際の速度)、法定速度、道路上の白線、進行方向(広義には、ナビゲーション情報))を表す表示画像の虚像Vを視認することができる。
[0034]
 図2は、図1のヘッドアップディスプレイ装置100の表示機構の説明図である。図2の例において、ヘッドアップディスプレイ装置100は、例えば、照明部10と、照明光学系20と、表示素子30と、検出部DT1と、投射光学系50と、スクリーン60と、平面ミラー70と、凹面ミラー75と、表示画像Mが出射する窓部81を有するハウジング80と、を備えている。好ましくは、ヘッドアップディスプレイ装置100は、検出部DT2,DT3を更に備えることができる。なお、本発明は、図2の例に限定されるものではなく、例えばヘッドアップディスプレイ装置100である表示装置は、本発明の目的及び精神に従って必要な構成要素だけを備えていればよい。
[0035]
 図2の照明部10は、発光可能な光源部11(図3参照)を有し、例えば、光源部11を実装する回路基板(図示せず)と、反射透過光学部(図示せず)と、輝度ムラ低減光学部(図示せず)と、を更に有することができる。光源部11は、例えば赤色光を発する発光ダイオード11r(広義には、第1の発光素子)と、例えば緑色光を発する発光ダイオード11g(広義には、第2の発光素子)と、例えば青色光を発する発光ダイオード11b(広義には、第3の発光素子)と、を備えている(図3参照)。
[0036]
 図2の照明光学系20は、例えば凹状のレンズ等で構成され、照明部10から出射された照明光Cを表示素子30の大きさに調整することができる。図2の表示素子30は、例えば、可動式の複数のマイクロミラーを備えたDMD(Digital Micro-mirror Device)であり、複数のマイクロミラーの各々は、個別に制御される。マイクロミラーがONである時に、マイクロミラーは、ヒンジ(図示せず)を支点に例えば+12度傾斜し、照明光学系20から出射された照明光Cを投射光学系50方向(第1の方向)に反射することができる。マイクロミラーがOFFである時に、マイクロミラーは、ヒンジを支点に例えば-12度傾斜し、照明光Cを投射光学系50方向(第1の方向)に反射することができない。
[0037]
 図2の検出部DT1は、光源部11の温度を検出することができる光源温度検出部である。なお、検出部DT1は、光源部11を構成する少なくとも赤色光を発する発光ダイオード11r(広義には、第1の発光素子)の温度を検出し、好ましくは、第1~第3の発光素子の温度を検出することができる。
[0038]
 図2の検出部DT2は、照明部10の光源部11の出力強度を検出することができる光強度検出部である。検出部DT3は、車両の外部の外光照度を検出することができる外光照度検出部である。制御部90は、スクリーン60に表示される表示画像Mに要求される輝度(要求輝度)と実際の照明部10の発光輝度(出力強度)とのずれを適宜の手法で補正することができる。しかしながら、ヘッドアップディスプレイ装置100は、検出部DT2,DT3を備えなくてもよく、言い換えれば、要求輝度及び出力強度が厳密に管理されなくてもよい。図2の投射光学系50は、例えば凹レンズ又は凸レンズ等で構成され、表示素子30から投影された表示画像Mの表示光Lをスクリーン60に効率よく照射することができる。図2のスクリーン60は、例えば拡散板、ホログラフィックディフューザ、マイクロレンズアレイ等で構成され、投射光学系50からの表示光Lをスクリーン60の下面で受光し、スクリーン60の上面に表示画像Mを表示することができる。
[0039]
 図2の平面ミラー70は、スクリーン60に表示された表示画像Mを凹面ミラー75に向かって反射させることができる。図2の凹面ミラー75は、例えば凹面鏡等であり、平面ミラー70からの表示光Lを凹面で反射させ、反射光は、窓部81に向かって出射する。このような表示機構を介して表示光Lは、図1の運転者250に到達し、運転者250によって認識される虚像Vは、スクリーン60に表示された表示画像Mが拡大された大きさを有する。
[0040]
 図2のハウジング80の材料は、例えば硬質樹脂等であり、ハウジング80の上方に所定の大きさの窓部81が設けられている。図2の窓部81の材料は、例えばアクリル等の透光性樹脂であり、窓部81の形状は、例えば湾曲形状である。窓部81は、凹面ミラー75からの表示光Lを透過させることができる。
[0041]
 図3は、本発明に従う表示装置の構成例を示す。図1において、表示装置は、ヘッドアップディスプレイ装置100として示され、ヘッドアップディスプレイ装置100は、例えば図3の制御部90、照明制御部91及び表示制御部92によって制御される。図3の例において、ECU(Electronic Control Unit)は、映像信号300を生成し、制御部90は、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式の通信で映像信号300を入力することができる。制御部90は、典型的には、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されるが、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロコンピュータ等で構成されてもよい。また、制御部90、照明制御部91及び表示制御部92は、例えば統合ICで構成されてもよい。代替的に、制御部90の一部の機能は、照明制御部91及び/又は表示制御部92によって実行さえてもよい。
[0042]
 図3の制御部90は、映像信号300の要求する光の輝度と発光タイミングで照明部10を制御するための照明制御データD1を照明制御部91に出力するとともに、映像信号300の要求する表示画像Mを表示素子30で形成するための表示制御データD2を表示制御部92に出力することができる。表示画像Mを表示する周期であるフレームFは、複数の時間に分割されたサブフレームSFにより構成され(図5参照)、図3の照明制御部91は、サブフレームSF毎に異なる色の発光ダイオード11r、11g、11b(LED)を照明制御データD1の要求する光強度とタイミングで高速に順次切替えさせるフィールドシーケンシャル駆動方式により照明部10を制御することができる。
[0043]
 図3の表示制御部92は、表示制御データD2に基づき、表示素子30の個々のマイクロミラーを例えばPWM方式により、ON/OFF制御し、照明部10の出射する照明光Cをスクリーン60の方向へ反射させる時に、発光ダイオード11r、11g、11bを基本色として利用し、加法混合方式による混色又はフルカラーで表示画像Mを表現することができる。図3の検出部DT1、DT2及びDT3の各々は、例えば、センサと、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器と、を含む。
[0044]
 検出部DT1は、発光部11の温度データを制御部90に出力し、検出部DT1のセンサは、典型的には、3つの発光ダイオード11r、11g、11bに対応する3つの温度検出センサで構成される。なお、発光部11の温度データは、例えば発光ダイオード又はLEDチップの周囲温度であり、制御部90は、その周囲温度と、LEDチップから周辺雰囲気までの熱抵抗と、投入電力と、に基づき、ジャンクション温度を算出してもよい。
[0045]
 検出部DT2は、検出部DT2に到達した照明光Cの出力強度データを制御部90に出力することができる。検出部DT2は、典型的には、発光ダイオード11r、11g、11b毎に設けられる3つの光強度検出センサで構成される。
[0046]
 検出部DT3は、検出部DT3に到達した外光の照度データを制御部90に出力することができる。なお、検出部DT3は、ヘッドアップディスプレイ装置100に設けられていなくてもよく、言い換えれば、検出部DT3は、車両側に設けられて、車両の前方照度等の外光の照度を検出し、ECUがその照度データを制御部90に出力してもよい。
[0047]
 図4は、図2の表示画像Mを表示する周期であるフレームFの説明図である。フレームFは、表示素子30の個々のマイクロミラーが通常駆動する表示期間Faと、非表示期間駆動する非表示期間Fbと、を備える。フレームF内に占める表示期間Faの割合は、例えば50[%]であるが、これに限定されず、例えば70[%]又は100[%]に設定されてもよい。フレームF内に占める表示期間Faの割合は、一定でもよく、要求輝度に応じて決定されてもよい。表示期間Faは、照明部10からの照明光Cをスクリーン60に向けて表示画像Mとして投影する期間である。非表示期間Fbは、照明部10が消灯する(例えば3つの発光ダイオード11r,11g,11bのすべてが消灯する)期間である(図5(D)~図5(F)参照)。
[0048]
 図5(A)~図5(C)の表示期間内オン駆動期間Fapは、表示期間Fa内でマイクロミラーがONする期間であり、表示期間内オフ駆動期間Faqは、表示期間Fa内でマイクロミラーがOFFする期間である。非表示期間内オン駆動期間Fbpは、非表示期間Fb内でマイクロミラーがONする期間であり、非表示期間内オフ駆動期間Fbqは、非表示期間Fb内でマイクロミラーがOFFする期間である。マイクロミラーを駆動する時に、マイクロミラーの固着を防止するために、好ましくは、表示期間内オン駆動期間Fapと非表示期間内オン駆動期間Fbpとの和(総オン駆動期間Fp)と、表示期間内オフ駆動期間Faqと非表示期間内オフ駆動期間Fbqとの和(総オフ駆動期間Fq)とが略均等になるように、制御部90は、非表示期間内オン駆動期間Fbpと非表示期間内オフ駆動期間Fbqとを調整する。
[0049]
 図5は、図3の表示素子30及び発光部10の駆動方法の説明図である。図5(A)~図5(C)に示すように、フレームFにおいて、表示素子30は、例えば緑色を単色で表示する単色ミラーEa、赤色と緑色の混色を表示する混色ミラーEb、何も表示しない消灯ミラーEcを含むことができる。単色ミラーEaは、図5(A)に示すように、表示制御データD2に基づき、表示期間Faにおいては発光ダイオード11gの点灯タイミング(図5(E)参照)でONされ、非表示期間FbにおいてはフレームF内のONする期間の和である総オン駆動期間Fpが、フレームFの略半分になるように、制御部90が非表示期間Fbにおける非表示期間内オン駆動期間Fbpと非表示期間内オフ駆動期間Fbqとを調整することができる。
[0050]
 制御部90は、図5(B)に示す混色ミラーEbのように、非表示期間Fb内におけるONとOFFとを、非表示期間内オン駆動期間Fbpと非表示期間内オフ駆動期間Fbqとに即した周期で繰り返すことで、総オン駆動期間Fpと総オフ駆動期間Fqとが略均等になるように、調整することができる。また、図5(C)に示すように、消灯ミラーEcは、表示期間Faに渡ってオフ駆動であるため、非表示期間駆動は、非表示期間Fbに渡ってONすることができる。
[0051]
 図6は、図3の表示装置の概略動作例を表すフローチャートを示す制御部90は、外光照度を取得し、外光照度が閾値(所定値)以上であるか否かを判定する(ステップS1)。外光照度が所定値以上である時に、制御部90は、高温時に出力強度が急激に低下する赤色光を発する発光ダイオード11rの温度(LED温度)が閾値(第1の閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS1において外光照度が所定値未満であった場合、制御部90は、ステップS1を繰り返す。なお、制御部90は、ステップS1を実行しないで、ステップS1を省略してもよい。
[0052]
 LED温度(現在値)が閾値以上であって、且つLED温度(前回値)よりも増加している時に、制御部90は、LED温度が上昇中であることを判定し、R-Dutyを増加させる一方、G-Dutyを減少させる(ステップS3,S4)。ステップS3,S4が繰り返される時に、R-Dutyは徐々に増加し、G-Dutyは徐々に減少する。なお、ステップS4において、制御部90は、例えば所定のルックアップテーブル等のテーブルデータ、又は、所定の演算式等の数式データに基づきR-Duty/G-Dutyを増加/減少させてもよい。代替的に、制御部90は、赤色光を発する発光ダイオード11r(広義には、光源部11の出力強度)をフィードバック信号として用いてR-Dutyを決定してもよい。
[0053]
 LED温度(現在値)が閾値未満である時に、制御部90は、R-Duty(現在値)/G-Duty(現在値)を変化させないで、R-Duty(前回値)/G-Duty(前回値)を維持する(ステップS7)。また、LED温度(現在値)が閾値以上であり、且つLED温度(現在値)が上昇中ではないことが判定される時に、制御部90は、LED温度が下降中であるか否かを判定する(ステップS5)。LED温度が下降中である時に、制御部90は、R-Dutyを減少させる一方、G-Dutyを増加させる(ステップS5,S6)。ステップS5,S6が繰り返される時に、R-Dutyは徐々に減少し、G-Dutyは徐々に増加する。なお、LED温度が下降中でないことが判定される時に、R-Duty(前回値)/G-Duty(前回値)を維持する(ステップS5,S7)。
[0054]
 図7は、光源部11の高温時におけるRGB-Dutyの変更及びDMD-Dutyの変更の説明図である。図7(A)及び図7(B)は、それぞれ、赤色及び白色を表示するDMDミラーの駆動タイミング(ON/OFF)の一例を示し、図7(C)~図7(E)は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光を発する発光ダイオード11r、11g及び11rの駆動タイミング(点灯/消灯)及び設定駆動電流値(広義には、電力、より広義には制御値)の一例を示している。
[0055]
 図7の例において、第一フレームには、DMD-Dutyが60-40(第一フレーム内に占める表示期間Faの割合は、例えば60[%]である。)に設定され、RGB-Dutyが35:45:20(表示期間Fa内における発光ダイオード11rが点灯駆動した割合(第1(赤色光)のフレーム(表示期間Fa)内点灯駆動割合)は、例えば35[%]である。)に設定されている。ここで、表示期間Fa内における発光ダイオード11g/11bが点灯駆動した割合(第2(緑色光/青色光)のフレーム(表示期間Fa)内点灯駆動割合)は、例えば45[%]及び20[%]である。
[0056]
 図7の例において、第二フレームには、DMD-Dutyが50-50(第二フレーム内に占める表示期間Faの割合は、例えば50[%]である。)に設定され、RGB-Dutyが45:35:20(表示期間Fa内における発光ダイオード11rが点灯駆動した割合(第1(赤色光)のフレーム(表示期間Fa)内点灯駆動割合)は、例えば45[%]である。)に設定されている。
[0057]
 RGB-Dutyの切替えは、好ましくは、第一フレームと第二フレームの切り替わり点である。即ち、第一フレームの途中でLED温度(現在値)が閾値以上である又はそれを超えて上昇する時に、制御部90は、第一フレームの非表示期間Fbの直後に、或いは、第二フレームの表示期間Faの直前に、RGB-Dutyを35:45:20から45:35:20に変更することができる。仮に、第一フレームの表示期間Fa内でRGB-Dutyの切替えが実行される場合、切替え時に、表示のちらつきが発生し、また色度の変化が発生してしまい、これにより、表示画像の品質が低下してしまう。これに防止するために、言い換えれば、より確実に防止するために、RGB-Dutyの切替えは、好ましくは、フレーム単位で実行される。
[0058]
 図7(D)の例において、第一フレーム内における発光ダイオード11rの総光量(明るさ:1フレーム期間での発光輝度(出力強度)の積分値)を維持するように、言い換えれば、第二フレーム内における発光ダイオード11rの総光量が第一フレーム内における発光ダイオード11rの総光量と例えば一致するように、或いは、第二フレームにおける発光ダイオード11rの設定駆動電流値(広義には、駆動に必要な制御値)は、第二フレームにおける発光ダイオード11rの設定駆動電流値と比較して増加している。即ち、表示期間Fa内における発光ダイオード11gが点灯駆動した割合(第2(緑色光)のフレーム(表示期間Fa)内点灯駆動割合)の45[%]から35[%]への減少に起因する第二フレーム内における発光ダイオード11rの総光量の低減を抑制又は維持するように、制御部90は、第二フレーム内の第二フレームにおける発光ダイオード11rの設定駆動電流値を増加させることができる。
[0059]
 但し、表示期間Fa内における発光ダイオード11gが点灯駆動した割合(第2(緑色光)のフレーム(表示期間Fa)内点灯駆動割合)が45[%]から35[%]に減少する時に、緑色の階調数の質(再現又は確保)は、低下することがある。
[0060]
 なお、図7の例において、DMD-Dutyの60-40(第一フレーム)から50-50(第二フレーム)への変更は、必須ではなく、DMD-Dutyは、変更されないで維持されてもよい。言い換えれば、DMDのディレーティング特性に応じて、DMD-Dutyは、変更してもよく、或いは変更しなくてもよい。
[0061]
 図8(A)は、照明部10の発光輝度の説明図であり、図8(B)及び図8(C)の各々は、RGB-Dutyの設定及びDMD-Dutyの設定の説明図である。図8(A)は、LED温度とHUD輝度との関係を示し、ここで、実線は、本発明に従う実施例である一方、破線は、本発明に従わない比較例である。
[0062]
 図8(A)の破線(比較例)を参照すると、LED温度が閾値THa(第1の閾値)未満である時に、HUD輝度(典型的には、発光輝度)は、最大Lmax(例えば100[%])の出力を示している。他方、LED温度が閾値THa(第1の閾値)に到達する時に、HUD輝度は、Y(<LMax)となる。なぜならば、具体的には、LED温度が閾値THaを超える時に、DMD-Dutyが例えば60-40(60[%])から例えば50-50(50[%])に変更されて、全ての発光素子の点灯期間(表示期間Fa)が減少するためである(例えば図8(B)の点P1参照)。HUD輝度が最大Lmaxである時に、発光ダイオード11rの設定駆動電流値が定格電流に設定されて、定格電流を超えないと仮定する場合、表示期間Faの減少に伴いフレーム内における発光ダイオード11rの総光量が減少するため、ホワイトバランスを維持するにはフレーム内における発光ダイオード11gの総光量も低くする必要がある。結果としてHUD輝度(上限輝度)は、最大Lmax(例えば100[%])からYに低減する。LED温度が閾値THa以上閾値THb未満である時に、HUD輝度は、閾値THaにおける輝度Yと閾値THbにおける輝度Zとを結ぶ直線で表される特性に基づき制御される。これによりLED温度の変化に伴うHUD輝度の上限輝度の変化は、一様に又は線形に制御することができる。LED温度が閾値THb以上である時に、LEDは、その動作温度限界に達し、その出力はOFFされる。
[0063]
 図8(A)の実線(実施例)を参照すると、LED温度が閾値THa(第1の閾値)未満である時に、比較例と同様に、HUD輝度は、最大Lmax(例えば100[%])の出力を示している。図8(A)の実施例では、LED温度が閾値THaである時に、HUD輝度(上限輝度)は、例えば100[%](最大Lmax)を維持することができる。これは、DMD-Dutyが例えば60-40(=60[%])から例えば50-50(=50[%])に変更されて(例えば図8(B)の点P1参照)、全ての発光素子の点灯期間(表示期間Fa)が減少するが、R-Dutyを例えば35[%]から例えば45[%]に上げることで、フレーム内における発光ダイオード11rが点灯駆動した割合(第1のフレーム内点灯駆動割合)を上げることができるからである(例えば図7(C)の第二フレーム参照)。その結果、フレーム内における発光ダイオード11rの総光量を閾値THa未満の時の総光量に維持することができる。
[0064]
 図8(A)の実施例では、G-Dutyは例えば45[%]から例えば35[%]に下に変更されるが、発光ダイオード11gの電力(典型的には、設定駆動電流値)を上げることで(例えば図7(D)の第二フレーム参照)、ホワイトバランスを維持するために必要な発光ダイオード11gの総光量を得ることができ、結果としてHUD輝度(上限輝度)は、例えば100[%](最大Lmax)を維持することができる。LED温度が閾値THa以上である時に、HUD輝度(上限輝度)は、徐々に減少させて、LED温度が閾値THbに以上である時に、LEDは、比較例と同様に、その動作温度限界に達し、その出力はOFFされる。
[0065]
 LED温度(具体的には、ジャンクション温度)とDMD温度との両者が、上限値(上限駆動温度)を超えないように、発光ダイオード11r、11g、11bの制御手法、即ちLED温度が閾値THa以上である時のHUD輝度の特性曲線(LEDのディレーティング特性及びDMDのディレーティング特性に基づくHUDの輝度特性)が決定される(図8(A)の実線参照)。なお、DMD温度の元であるDMDの発熱は、基本的には、(1)DMDの自己発熱、(2)LEDからDMDへの光の照射によるDMD側での熱吸収、及び(3)HUD内のLEDからDMDへのLEDの発熱の伝達によるDMD側での熱吸収に起因する((1)~(3)の総和)。そのため、HUDが搭載される例えば車室(典型的には、ダッシュボード)の温度が高温である時に、特に注意が必要である。以上より、図8(A)の実線(実施例)では、LED温度が閾値THa以上である場合であっても、HUD輝度(上限輝度)の低下を抑制することができる。
[0066]
 図8(B)及び図8(C)の各々は、発光ダイオード11r、11g、11bの具体的な制御手法(RGB-Dutyの設定及びDMD-Dutyの設定)の説明図である。図8(B)の制御例において、LED温度が閾値THa以上である時に、言い換えれば、LED温度とは無関係に、外光照度が所定値未満である時に、即ち、外光照度又は要求輝度に基づくHUD輝度(発光輝度)が閾値THz未満である時に、DMD-Dutyは、例えば50-50(=50[%])に固定されている。また、DMD-Dutyが50-50(=50[%])に固定される時に、RGB-Dutyが35:45:20に固定されている(図8(B)参照)。これにより、LED温度が閾値THa以上であっても、HUD輝度が閾値THz未満である低輝度領域におけるRGB-Dutyの変更(図8(B)参照)を制限することができる。図8(C)の制御例によれば、特に、G-Dutyが例えば45[%]から例えば35[%]に減少する時に、緑色の階調数が減少して、表示画像の品質が低下することがある一方、図8(D)の制御例によれば、このような表示画像の品質の低下を制限することができる。
[0067]
 図9(A)は、照明部10の発光輝度の他の説明図であり、図9(B)、図9(C)及び図9(D)の各々は、RGB-Dutyの設定及びDMD-Dutyの設定の他の説明図である。図9(A)の破線(比較例)を参照すると、LED温度が閾値THr(第1の閾値)に到達する時点で、HUD輝度は、最大Lmaxを維持することができる。なぜならば、具体的には、LED温度が閾値THrを超える時に、DMD-Dutyが例えば60-40(60[%])に維持されて、全ての発光素子の点灯期間(表示期間Fa)が減少しないためである(例えば図9(B)参照)。HUD輝度が最大Lmaxである時に、発光ダイオード11rの設定駆動電流値が定格電流に設定さて、定格電流を超えないと仮定する場合、発光ダイオード11rの設定駆動電流値の減少に伴いフレーム内における発光ダイオード11rの総光量が減少するため、ホワイトバランスを維持するにはフレーム内における発光ダイオード11gの総光量も低くする必要がある。結果としてHUD輝度(上限輝度)は、LED温度が閾値THrから閾値Tha(第2の閾値>第1の閾値)に変化する時に、最大Lmax(例えば100[%])から例えばY’に低減する。LED温度が閾値THa以上閾値THb未満である時に、HUD輝度は、閾値THaにおける輝度Y’と閾値THb(第4の閾値>第3の閾値(Thc)>第2の閾値)における輝度Z’とを結ぶ直線で表される特性に基づき制御される。
[0068]
 図9(A)の実線(実施例)を参照すると、LED温度が閾値THr(第1の閾値)未満である時に、比較例と同様に、HUD輝度は、最大Lmax(例えば100[%])の出力を示している。図9(A)の実施例では、LED温度が閾値THc(第3の閾値)未満である時に、HUD輝度(上限輝度)は、例えば100[%](最大Lmax)を維持することができる。これは、DMD-Dutyが例えば60-40(=60[%])に維持されて(例えば図9(B)参照)、全ての発光素子の点灯期間(表示期間Fa)が減少しないが、R-Dutyを例えば35[%]から例えば45[%]に上げることで、フレーム内における発光ダイオード11rが点灯駆動した割合(第1のフレーム内点灯駆動割合)を上げることができるからである。その結果、フレーム内における発光ダイオード11rの総光量を閾値THc未満の時の総光量に維持することができる。
[0069]
 図9(B)、図9(C)及び図9(D)の各々は、発光ダイオード11r、11g、11bの具体的な制御手法(RGB-Dutyの設定及びDMD-Dutyの設定)の他の説明図である。図9(B)の制御例のDMD-Dutyは、例えば60-40(=60[%])から例えば50-50(=50[%])に変更されていない一方、図9(C)の制御例のDMD-Dutyは、例えば60-40(=60[%])から例えば50-50(=50[%])に変更されている。また、図9(D)の制御例において、LED温度が閾値THr以上である時に、言い換えれば、LED温度とは無関係に、外光照度が所定値未満である時に、即ち、外光照度又は要求輝度に基づくHUD輝度(発光輝度)が閾値THz未満である時に、DMD-Dutyは、例えば50-50(=50[%])に固定されている。また、DMD-Dutyが50-50(=50[%])に固定される時に、RGB-Dutyが35:45:20に固定されている(図9(D)参照)。これにより、LED温度が閾値THr以上であっても、HUD輝度が閾値THz未満である低輝度領域におけるRGB-Dutyの変更(図9(B)及び図9(C)参照)を制限することができる。図9(B)及び図9(C)の制御例によれば、特に、G-Dutyが例えば45[%]から例えば35[%]に減少する時に、緑色の階調数が減少して、表示画像の品質が低下することがある一方、図9(D)の制御例によれば、このような表示画像の品質の低下を制限することができる。
[0070]
 図10は、従来例である一方、図11及び図12は、LEDを構成する3つの発光ダイオード11r、11g、11bの駆動電流の説明図(第1の実施例)及び他の説明図(第2の実施例)である。図10の従来例において、LED温度が閾値THr未満である時に、HUD輝度は、最大Lmaxを維持することができる(図10(A)参照)。同様に、図11の第1の実施例及び図12の第2の実施例において、LED温度が閾値THr未満である時に、HUD輝度は、最大Lmaxを維持することができる(図11(A)及び図11(B)参照)。
[0071]
 図10の従来例では、R-Duty、G-Duty及びB-Dutyがそれぞれ基準値DRref、DGref及びDBrefに固定されており(図10(B)~図10(D)参照)、LED温度が閾値THr(第1の閾値)以上である時に、赤色光を発する発光ダイオード11rの出力(発光輝度又は発光効率)が低下してしまう(図10(B)参照)。具体的には、LED温度が閾値THr(第1の閾値)以上閾値THa(第2の閾値>第1の閾値)である時に、発光ダイオード11rの設定駆動電流値を定格電流IRmaxに維持する状態で、発光ダイオード11rの出力が低下してしまう。加えて、LED温度が閾値THa以上である時に、LEDのディレーティング特性に応じて、設定駆動電流値を定格電流IRmaxから下げる必要があり、これにより、発光ダイオード11rの出力がより一層低下してしまう。LED温度が閾値THr(第1の閾値)以上である時に、緑色光及び青色光を発する発光ダイオード11g及び11bの出力の低下は、発光ダイオード11rの出力の低下と比べて少ないが、ホワイトバランスを維持するには、発光ダイオード11g及び11bの設定駆動電流値は、発光ダイオード11rの設定駆動電流値の低下に伴い、低下させる(図10(B)~図10(D)参照)。
[0072]
 図11の第1の実施例では、LED温度が閾値THr以上である時に、言い換えれば、DMDのディレーティング特性に応じて、R-DutyがDRrefからDRref+ΔDmaxに増加する一方、G-DutyがGRrefからGRref-ΔDmaxに減少する(図11(B)及び図11(C)参照)。なお、LED温度が閾値THr以上閾値THc未満である時に、発光ダイオード11rの設定駆動電流値は、定格電流IRmaxからΔDmaxの増加に応じて下げられた値から、徐々に、増加させることができる(図11(B)参照)。言い換えれば、LED温度が閾値THr以上閾値THc未満である時に、フレーム内における発光ダイオード11rの総光量を維持するように、発光ダイオード11rの設定駆動電流値は、徐々に、増加させることができる。しかしながら、LED温度が閾値THc以上である時に、LEDのディレーティング特性(図11(B)の二点鎖線参照)に応じて、発光ダイオード11rの設定駆動電流値は、減少することになる。
[0073]
 図12の第2の実施例では、LED温度が閾値THr以上閾値THa未満である時に、言い換えれば、DMDのディレーティング特性に影響されないで、R-Dutyは、定格電流IRmaxを維持する状態で、DRrefから徐々に増加させる(図12(B)参照)。LED温度が閾値THa以上閾値THc未満である時に、R-Dutyは、定格電流IRmaxを減少させる状態で、DRref+ΔDmaxに向かって徐々に増加させる(図12(B)参照)。LED温度が閾値THc以上閾値THb未満である時に、R-Dutyは、DRref+ΔDmaxに維持される。言い換えれば、図12の第2の実施例では、LED温度が閾値THa以上閾値THb未満である時に、LEDのディレーティング特性(図12(B)の二点鎖線参照)に応じて、発光ダイオード11rの設定駆動電流値は、例えば線形に制御されている。発光ダイオード11g及び11bの設定駆動電流値は、ホワイトバランスを維持するように、制御されている(図12(C)及び図12(D)参照)。
[0074]
 本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。

符号の説明

[0075]
 10・・・照明部、11・・・発光部、11r,11g,11b・・・発光ダイオード、20・・・照明光学系、30・・・表示素子、41・・・光吸収部材、50・・・投射光学系、60・・・スクリーン、70・・・平面ミラー、75・・・凹面ミラー、80・・・ハウジング、81・・・窓部、90・・・制御部、91・・・照明制御部、92・・・表示制御部、100・・・ヘッドアップディスプレイ装置(広義には、表示装置)、200・・・ウインドシールド、250・・・運転者、300・・・映像信号、D1・・・照明制御データ、D2・・・表示制御データ、DT1,DT2,DT3・・・検出部(典型的には、温度検出部、光強度検出部及び外光照度検出部)、F・・・フレーム、L・・・表示光、M・・・表示画像、SF・・・サブフレーム、V・・・虚像。

請求の範囲

[請求項1]
 発光可能な光源部を有する照明部と、
 前記光源部の温度を検出する第1の検出部と、
 前記照明部を制御する照明制御部と、
 複数の画素を有する表示素子であって、前記複数の画素の状態に応じて前記照明部からの照明光を第1の方向に反射させて、スクリーンに向かう前記照明光であるON照明光によって表示画像を形成可能な表示素子と、
 前記複数の画素の前記状態を制御する表示制御部と、
 映像信号に基づき前記照明制御部及び前記表示制御部を制御する制御部と、
 を備え、
 前記光源部は、第1の発光素子及び第2の発光素子を有し、
 前記照明制御部は、前記表示画像のフレームを構成する複数のサブフレームのうちの対応する1つのサブフレーム毎に、前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子を含む複数の発光素子のうちの対応する1つの発光素子を駆動し、
 前記フレームは、前記表示素子による前記表示画像を表示する周期であり、
 第1の閾値未満である前記光源部の温度が前記第1の閾値を超える時に、前記制御部は、前記フレーム内における前記第1の発光素子が点灯駆動した割合である第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させることを特徴とする表示装置。
[請求項2]
 前記光源部は、第3の発光素子を更に有し、
 前記第1の発光素子、前記第2の発光素子及び前記第3の発光素子は、それぞれ、赤色光、緑色光及び青色光を発する発光ダイオードであり、
 前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超えて前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させる時に、前記制御部は、前記フレーム内における前記第2の発光素子が点灯駆動した割合である第2のフレーム内点灯駆動割合、及び/又は、前記フレーム内における前記第3の発光素子が点灯駆動した割合である第3のフレーム内点灯駆動割合を減少させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
[請求項3]
 前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超えて前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させる時に、前記制御部は、前記フレーム内における前記第2の発光素子の総光量を維持するように、前記第2の発光素子の駆動に必要な制御値を増加させて、前記第2のフレーム内点灯駆動割合を減少させることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
[請求項4]
 前記第1の閾値を超えた前記光源部の前記温度が徐々に上昇する時に、前記制御部は、前記第1のフレーム内点灯駆動割合を徐々に増加させることを特徴とする請求項請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示装置。
[請求項5]
 前記光源部の出力強度を検出する第2の検出部を
 更に備え、
 前記第1の閾値を超えた前記光源部の前記温度が変化する時に、前記制御部は、前記第2の検出部によって検出される前記出力強度に基づき、前記第1のフレーム内点灯駆動割合を決定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示装置。
[請求項6]
 前記フレームは、前記表示素子が前記スクリーンでの前記表示画像を表示可能な期間である表示期間と、前記表示素子が前記スクリーンでの前記表示画像を表示不可能な期間である非表示期間と、を含み、
 車両の外部の外光照度が所定値以上であり、且つ前記第1の閾値未満である前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超える時に、前記制御部は、フレーム期間内に占める前記表示期間の割合を減少させ、且つ前記表示期間内における前記第1の発光素子が点灯駆動した前記割合である前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
[請求項7]
 現在のフレームにおいて、前記第1の閾値未満である前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超える時に、前記制御部は、前記現在のフレームで前記第1のフレーム内点灯駆動割合を維持し、前記現在のフレームに後続する次のフレームで前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示装置。
[請求項8]
 前記第1の閾値未満である前記光源部の前記温度が前記第1の閾値を超えて前記第1のフレーム内点灯駆動割合を増加させた後に、前記制御部は、前記第1の閾値を減少させ、 減少させた前記第1の閾値以上である前記光源部の前記温度が減少させた前記第1の閾値を下回る時に、前記制御部は、増加させた前記第1のフレーム内点灯駆動割合を元に戻すことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]