このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2018193938) 熱処理装置およびそのメンテナンス方法
Document

明 細 書

発明の名称 熱処理装置およびそのメンテナンス方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

実施例

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

符号の説明

0082  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 熱処理装置およびそのメンテナンス方法

技術分野

[0001]
 本発明は、半導体基板、液晶表示用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板に対して熱処理を行う熱処理装置およびそのメンテナンス方法に関する。

背景技術

[0002]
 熱処理装置は、チャンバと熱処理プレートとを備えている。熱処理プレートは、チャンバの内部に設けられている。熱処理プレートは、水平姿勢で載置された基板に対して熱処理を行うが、この熱処理において、次のような問題がある。すなわち、基板上には、塗布液が塗布されている。熱処理プレートによって基板が加熱されると、塗布液から昇華物が発生する。そして、昇華物が冷却されると、昇華物が結晶化し、チャンバの内壁に付着および堆積する。この問題に対して、熱処理装置は、チャンバ内の気体を排気し、トラップ部によって昇華物を除去するように構成されている(例えば、特許文献1~3参照)。
[0003]
 なお、特許文献2,3には、熱処理プレートに対して昇降する蓋状のチャンバを備えた熱処理装置が開示されている。蓋状のチャンバが上昇すると、熱処理プレートの側方が全周で開放される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平06-084782号公報
特許文献2 : 特許第4467266号公報
特許文献3 : 特許第4290579号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上述の特許文献2,3の熱処理装置は、基板を取り出す際に、蓋状のチャンバが上昇して熱処理プレートの側方が全周で開放されるように構成されている。しかしながら、内部圧力やガス濃度を調節するために密閉性能が求められる場合には、熱処理プレートに対して一方向から基板を出入りさせる基板出入口を設けた構成を採用したい。しかしながら、基板出入口と別にチャンバのメンテナンス用の開口部が必要となるが、極力、開口部の個数は少なくしたい。
[0006]
 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、開口部の個数を増やさずに、基板出入口とは別に設けられたチャンバの開口部によって、チャンバ内のメンテナンスができる熱処理装置およびそのメンテナンス方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る熱処理装置は、基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内の下部に設けられ、基板を熱処理する熱処理プレートと、前記チャンバの側壁に設けられた基板出入口と、前記基板出入口とは別に前記チャンバの側壁に設けられた排気口と、前記排気口に接続されて前記チャンバ内の気体を排気する排気ダクト部と、前記チャンバから前記排気ダクト部を取り外し、および前記チャンバに前記排気ダクト部を取り付けるための着脱部と、を備えていることを特徴とするものである。
[0008]
 本発明に係る熱処理装置によれば、基板出入口とは別にチャンバの側壁には、排気口が設けられており、その排気口には、チャンバ内の気体を排気する排気ダクト部が接続されている。排気ダクト部は、着脱部によって、チャンバから取り外され、また、チャンバに取り付けられるようになっている。排気ダクト部をチャンバから取り外すと、排気口が開かれる。この排気口がメンテナンス用の開口部となる。これにより、開口部の個数を増やさずに、基板出入口とは別に設けられたチャンバの開口部によって、チャンバ内のメンテナンスができる。
[0009]
 また、上述の熱処理装置において、前記着脱部は留め具であり、前記留め具は、前記チャンバおよび前記排気ダクト部のうち一方に設けられた受け部材と、前記チャンバおよび前記排気ダクト部のうち他方に設けられ、前記受け部材に引っ掛けるフックおよび、前記フックを操作するレバーを有するフック可動部とを備え、前記レバー操作により、前記受け部材に前記フックを引っ掛けながら、前記排気ダクト部を前記チャンバに押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持し、また、前記レバー操作により、保持された前記引っ掛けおよび押し付け状態を解放することが好ましい。
[0010]
 チャンバ内の密閉は重要である。そのため、排気口を塞ぐために、排気口が設けられたチャンバと排気ダクト部との接合面の密閉を保つことが求められる。しかしながら、高温で熱処理すると、チャンバと排気ダクト部との接合面で焼付きが生じる。また、ボルトによってチャンバに排気ダクト部を取り付けていると、ボルトのネジ部分でも焼付きが生じる。これにより、ボルトが外れにくくなり作業効率が低下する。また、ボルトを外すときの力でボルトの頭部がちぎれてしまう可能性がある。ボルトの頭部がちぎれてしまうと、その後の対応が困難となる。本発明の留め具によれば、熱処理による焼付きが生じた場合であっても、レバー操作により、チャンバから排気ダクト部を取り外すことができる。そのため、排気ダクト部の取り外しが容易である。また、レバー操作により、排気ダクト部の取り付けおよび取り外しができるので、工具を必要としない。このことによっても、排気ダクト部の取り付けおよび取り外しが容易となる。
[0011]
 また、上述の熱処理装置において、前記熱処理プレートは、基板を水平姿勢で載置した状態で熱処理し、前記排気口は、水平方向に扁平であって、前記熱処理プレート上の基板を前記排気口が設けられた前記チャンバの側壁に水平投影させた場合の水平方向の投影長さ以上の開口幅を有することが好ましい。これにより、メンテナンス用の開口部として用いられる排気口を通じて、基板の出し入れができる。
[0012]
 また、本発明に係る熱処理装置のメンテナンス方法は、基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内の下部に設けられ、基板を熱処理する熱処理プレートと、前記チャンバの側壁に設けられた基板出入口とを備えた熱処理装置のメンテナンス方法において、着脱部によって、前記基板出入口とは別に前記チャンバの側壁に設けられた排気口に接続されて前記チャンバ内の気体を排気する排気ダクト部を前記チャンバから取り外す工程と、前記着脱部によって、前記チャンバに前記排気ダクト部を取り付ける工程と、を備えていることを特徴とするものである。
[0013]
 本発明に係る熱処理装置のメンテナンス方法によれば、基板出入口とは別にチャンバの側壁には、排気口が設けられており、その排気口には、チャンバ内の気体を排気する排気ダクト部が接続されている。排気ダクト部は、着脱部によって、チャンバから取り外され、また、チャンバに取り付けられるようになっている。排気ダクト部をチャンバから取り外すと、排気口が開かれる。この排気口がメンテナンス用の開口部となる。これにより、開口部の個数を増やさずに、基板出入口とは別に設けられたチャンバの開口部によって、チャンバ内のメンテナンスができる。
[0014]
 また、上述の熱処理装置のメンテナンス方法において、前記チャンバから前記排気ダクト部を取り外した後、前記チャンバ外まで延ばすための信号線が接続された温度センサを有する温度測定用基板を、前記排気口を通じて前記チャンバに搬入する工程と、前記温度測定用基板の搬入後、前記温度測定用基板を用いて温度を測定する工程と、を更に備えていることが好ましい。
[0015]
 無線の温度測定用基板は、熱処理プレートによる加熱で無線回路が壊れてしまう場合がある。そのため、有線の温度測定用基板が用いられるが、基板搬送ロボットにより基板出入口を通じて有線の温度測定用基板を送ることは難しい。そのため、チャンバから排気ダクト部を取り外した後、有線の温度測定用基板を、排気口を通じて熱処理プレートに容易に搬送することができる。
[0016]
 また、上述の熱処理装置のメンテナンス方法において、前記温度測定用基板の搬入後、前記排気ダクト部と異なる蓋部に設けられた通路を通じて、前記温度センサから延びる前記信号線をチャンバ外に引き出しながら、前記排気口を塞ぐように前記チャンバに前記蓋部を取り付ける工程と、を更に備えていることが好ましい。排気ダクト部に代えて蓋部をチャンバに取り付けると、排気口は蓋部によって塞がれる。そのため、排気口を通じて気体が出入りすることを抑制でき、外乱の影響を抑えながら温度測定できる。
[0017]
 また、上述の熱処理装置のメンテナンス方法において、前記蓋部を取り付ける工程は、前記チャンバおよび前記蓋部のうち一方に設けられた受け部材と、前記チャンバおよび前記蓋部のうち他方に設けられ、前記受け部材に引っ掛けるフックおよび、前記フックを操作するレバーとを有するフック可動部とを備えた留め具によって、前記レバー操作により、前記受け部材に前記フックを引っ掛けながら、前記蓋部を前記チャンバに押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持することで、前記排気口を塞ぐように前記チャンバに前記蓋部を取り付けることを特徴とするが好ましい。このような留め具により、受け部材にフックを引っ掛けながら、蓋部をチャンバに押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態が保持されるので、排気口が設けられたチャンバと蓋部とを密着させることができる。そのため、さらに、排気口を通じて気体が出入りすることを抑制できる。

発明の効果

[0018]
 本発明に係る熱処理装置およびそのメンテナンス方法によれば、排気ダクト部をチャンバから取り外すと、排気口が開かれる。この排気口がメンテナンス用の開口部となる。これにより、開口部の個数を増やさずに、基板出入口とは別に設けられたチャンバの開口部によって、チャンバ内のメンテナンスができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 実施例に係る熱処理装置の概略構成図である。
[図2] (a)は、チャンバ等の平面図であり、(b)は、チャンバを正面から見たときの排気口およびチャンバのフランジを示す図である。
[図3] 気体回収部およびトラップ部を示す斜視図である。
[図4] 気体回収部およびトラップ部を示す概略構成図である。
[図5] (a)は、チャンバと気体回収部の連結部分を拡大した縦断面図であり、(b)は、チャンバから気体回収部を取り外した状態を示す縦断面図である。
[図6] (a)は、L字部材によりチャンバに対して気体回収部を引っ掛けた状態を示す縦断面図であり、(b)は、チャンバから気体回収部を取り外した状態を示す縦断面図である。
[図7] (a)は、気体回収部をチャンバおよびトラップ下部に取り付けた状態を示す図であり、(b)は、気体回収部をチャンバおよびトラップ下部から取り外した状態を示す図であり、(c)は、温度測定用基板をチャンバ内に搬入した状態を示す図であり、(d)は、温度測定用蓋部をチャンバに取り付けた状態を示す図である。
[図8] 搬送治具を説明するための図である。
[図9] (a)は、留め具の変形例を示す平面図であり、(b)は、(a)の留め具等を右側から見た右側面図である。
[図10] 留め具の変形例を示す図である。
[図11] 留め具の変形例を示す図である。

実施例

[0020]
 以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例に係る熱処理装置の概略構成図である。
[0021]
 <熱処理装置1の構成>
 熱処理装置1は、基板Wを熱処理するものである。熱処理装置1は、チャンバ2、熱処理プレート3、支持ピン昇降部4、ガス供給バッファ部5、不活性ガス供給部7、シャッター部9、排気ダクト部11、制御部13および設定部15を備えている。
[0022]
 なお、本実施例の熱処理装置1は、特許文献2,3のように、熱処理プレートに対して蓋状のチャンバが昇降する構成となっていない。すなわち、本実施例の熱処理装置1は、内部圧力やガス濃度を調節するために密閉性能を得られるように構成されている。
[0023]
 チャンバ2は、基板Wを収容するものである。チャンバ2は、基板出入口21、排気口23および上部開口部25を備えている。基板出入口21は、チャンバ2の側壁に設けられ、チャンバ2内に基板Wを搬出および搬入するための開口である。排気口23は、チャンバ2内の気体を排気するための開口である。なお、排気口23等は後述する。
[0024]
 熱処理プレート3は、基板Wを水平姿勢で載置した状態で熱処理するものである。熱処理プレート3は、チャンバ2内の下部に設けられている。熱処理プレート3は、ベース板27に取り付けられており、チャンバ2の底部に設けられたもう1つの開口に挿入されることで配置される。ベース板27は、OリングRGを介在させてチャンバ2に取り付けられている。なお、OリングRGの劣化を防止するために、OリングRGの近傍に、冷却水が循環する冷却管28が設けられている。
[0025]
 熱処理プレート3は、ヒータ29を備えている。ヒータ29は、熱処理プレート3を温調し、例えば、300℃~400℃の範囲で調節する。また、熱処理プレート3には、図示しないプロキシミティボールが埋設されている。これにより、基板Wの下面と熱処理プレート3の表面との間に所定の隙間が形成される(例えば0.1mm)。
[0026]
 支持ピン昇降部4は、3本の支持ピン31(図1では図示の関係上、2本のみ示す)、昇降部材33、およびアクチュエータ35を備えている。3本の支持ピン31は、平面視で略正三角形状に配置されている。支持ピン31は、熱処理プレート3を貫通するように、設けられている。支持ピン31は、昇降部材33で支持されており、アクチュエータ35は、昇降部材33を介在させて支持ピン31を昇降させる。
[0027]
 ガス供給バッファ部5は、上部開口部25に蓋をするように、OリングRGを介在させてチャンバ2に取り付けられている。ガス供給バッファ部5は、チャンバ2に対して着脱可能に構成されている。チャンバ2からガス供給バッファ部5を取り外した場合、上部開口部25は、チャンバ2内をメンテナンスするための開口となる。ガス供給バッファ部5は、例えばパンチングメタルで構成された拡散板37を備えている。拡散板37は、不活性ガス供給部7により供給された窒素(N )ガスを、拡散板37の貫通口37Aを通じて熱処理空間HSに拡散させる。なお、熱処理空間HSは、略直方体に形成されている。
[0028]
 不活性ガス供給部7は、不活性ガスとして窒素ガスをチャンバ2(ガス供給バッファ部5)に供給する。不活性ガス供給部7は、例えば2個の流体調整弁などを備え、窒素ガスの流量を二段階に切り替え可能に構成されている。
[0029]
 シャッター部9は、基板出入口21の前面に設けられている。シャッター部9は、シャッター本体39とアクチュエータ41とを備えている。アクチュエータ41は、シャッター本体39を上下方向に移動させる。これにより、シャッター本体39を実線または破線の位置に移動させて、基板出入口21を開閉する。また、シャッター本体39には、OリングRGが設けられており、シャッター本体39で基板出入口21を閉じた際に、OリングRGは、シャッター本体39とチャンバ2との間に配置される。
[0030]
 制御部13は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、タイマを備えている。制御部13は、熱処理プレート3、支持ピン昇降部4、不活性ガス供給部7、シャッター部9、排気ダクト部11などの熱処理装置1の各構成を制御する。メモリには、熱処理の手順を規定した複数個のレシピやその他熱処理装置1に必要な動作プログラムが記憶されている。設定部15は、オペレータによって操作されるものであり、複数個のレシピの一つを選択したり、レシピを編集したり、処理の開始を指示したり、警報発生時の操作を指示したりする。なお、設定部15は、液晶モニタなどの表示部並びに、マウス、キーボード、各種スイッチなどの入力部を備えている。
[0031]
 <チャンバ2の排気口23等および排気ダクト部11の構成>
 次に、チャンバ2の排気口23等および排気ダクト部11を説明する。図2(a)は、チャンバ2等の平面図であり、図2(b)は、チャンバ2を正面から見たとき(AA視)の排気口23およびチャンバ2のフランジ2Bを示す図である。
[0032]
 排気口23は、基板出入口21とは別にチャンバ2の側壁に設けられている。本実施例では、排気口23は、基板出入口21と対向するチャンバ2の側壁に設けられている。なお、必要により、排気口23は、基板出入口21と対向して配置されていなくてもよい。排気口23は、水平方向に扁平である。排気口23は、基板出入口21と略同じ大きさの開口を有している。具体的に、排気口23は、チャンバ2の内部の幅HA2と略同じ開口幅HA1を有する。すなわち、排気口23の開口幅HA1は、チャンバ2の左内側壁2Lと右内側壁2Rとの間の幅HA2と略同じである。このため、排気口23に排気ダクト部11が接続されていない場合、排気口23からも基板Wを出し入れできる。
[0033]
 なお、排気口23は、図2(b)、後述する図5(a)のように、チャンバ2の内部の高さTA2と略同じ開口高さTA1を有している。すなわち、図5(a)のように、排気口23の開口高さTA1は、チャンバ2の内部の天井2Uと基板載置面3Aとの間の高さTA2と略同じである。
[0034]
 なお、図2(a)において、符号2Aは、基板出入口21が形成されたフランジであり、符号2Cは、上部開口部25が形成されたフランジである。また、上部開口部25は、基板Wの直径よりも大きい直径の開口を有している。
[0035]
 熱処理装置1は、一般的に、複数の処理ユニットを備えた基板処理装置に搭載される。そのため、基板出入口21側には、基板Wを搬送する基板搬送機構TR(図1参照)が配置されている。すなわち、基板出入口21は、基板処理装置の内側を向いて配置される。また、図2(a)における左右方向および紙面と直交する方向には、他の処理ユニットが配置される。そして、排気口23側には、基板処理装置のカバーが配置される。すなわち、排気口23は基板処理装置の外側を向いている。このため、基板処理装置のカバーを外せば、排気口23が外側に向いて現れるように構成されている。
[0036]
 図1に戻る。排気ダクト部11は、チャンバ2内の気体を排気するための機構である。排気ダクト部11は、気体回収部51、トラップ部53、排気管55、開閉弁57,アスピレータ(aspirator)59、および空気供給部61を備えている。アスピレータ59は、ポンプとして機能し、気体回収部51等を通じてチャンバ2の内部の気体を排気するための吸引力を生成する。空気供給部61は、アスピレータ59を動作させるための空気を供給する。空気供給部61は、空気配管61A、2個の開閉弁61B、61C、および2個の流量調整弁61D,61Eを備えている。図1のように、空気供給部61は、空気の流量を二段階に切り替え可能に構成されている。
[0037]
 図3は、気体回収部51およびトラップ部53を示す斜視図である。図4は、それらの概略構成図である。
[0038]
 図2(a)、図3、図4等に示す気体回収部51は、排気を行うために、チャンバ2内の気体を回収するものである。気体回収部51は、図2(a)、図2(b)に示す排気口23と略同じの大きさ(幅HA1および高さTA1)の開口部51Aを有する。そして、気体回収部51は、その一端の開口部51Aを排気口23に接続させてチャンバ2に取り付けられる。すなわち、開口部51Aと排気口23との位置が一致するように、気体回収部51がチャンバ2に取り付けられる。
[0039]
 トラップ部53は、図4のように、気体回収部51の他端の開口部51Bに接続されている。トラップ部53は、気体回収部51で回収された気体中の昇華物を結晶化して、結晶化した昇華物を除去するものである。昇華物は、上述のように、基板W上の塗布液から発生する。図4のように、トラップ部53は、トラップ流路53A、流入口53B、流出口側流路53D、流出口53E、気体冷却部である冷却管53F、および昇華物収集部53Gを備えている。
[0040]
 トラップ流路53Aは、管状(中空円筒状)の部材の内部に形成され、下端53Hが閉ざされて構成されている。トラップ流路53Aは、気体回収部51で回収された気体を通すためのものである。流入口53Bは、図4のように、気体回収部51の他端の開口部51Bに接続されている。流入口53Bを通って流入した気体は、トラップ流路53A、流出口側流路53Dを順番に通った後、流出口53Eから流出する。流出口側流路53Dは、トラップ流路53Aと流出口53Eとの間を繋ぐ流路である。
[0041]
 冷却管53Fは、トラップ流路53Aの流入口53Bと流出口側流路53Dとの間のトラップ流路53Aの外周に設けられている。冷却管53Fは、冷却水が循環するようになっており、気体中の昇華物を結晶化(固化)させる。流出口側流路53Dは、トラップ流路53Aの下端53Hよりも高い位置でトラップ流路53Aに接続されている。これにより、流出口側流路53Dと下端53Hとの間には、冷却管53Fで結晶化された昇華物を収集する昇華物収集部53Gが形成される。そのため、結晶化された昇華物を昇華物収集部53Gに収集させることができ、また、昇華物除去後の気体を、流出口側流路53D、流出口53Eを順番に通じてトラップ部53の下流の排気管55等に送ることができる。
[0042]
 図5(a)は、チャンバ2と気体回収部51の連結部分を拡大した縦断面図である。図5(b)は、チャンバ2から気体回収部51を取り外した状態を示す縦断面図である。
[0043]
 気体回収部51は、チャンバ2に対して着脱可能に構成されている。すなわち、熱処理装置1は、チャンバ2から気体回収部51を取り外し、およびチャンバ2に気体回収部51を取り付けるためのパッチン錠63を備えている。チャンバ2および気体回収部51は、例えばステンレス鋼で構成されている。なお、パッチン錠63は、本発明の着脱部および留め具に相当する。
[0044]
 パッチン錠63は、受け部材64とフック可動部65とを備えている。受け部材64は、チャンバ2のフランジ2Bに設けられている。一方、フック可動部65(後述する基台65F)は、気体回収部51のフランジ51Cに設けられている。また、フック可動部65は、フック65A、レバー65B、アーム65C、第1軸65D、第2軸65E、および基台65Fを備えている。フック65Aは受け部材64に引っ掛けるものである。レバー65Bは、フック65Aを操作するものである。レバー65Bは、基台65Fに対して第1軸65D周りに回転可能に連結されている。アーム65Cの一端には、フック65Aが設けられており、アーム65Cの他端には、第2軸65Eが設けられている。アーム65Cは、レバー65Bに対して第2軸65E周りに回転可能に連結されている。
[0045]
 パッチン錠63は、レバー65Bの操作によって、受け部材64にフック65Aを引っ掛けながら、気体回収部51をチャンバ2に押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持する。また、パッチン錠63は、レバー65Bの操作によって、フック65Aを操作することで、保持された上述の引っ掛けおよび押し付け状態を解放する。なお、パッチン錠63は、てこの原理を用いた構成となっており、第1軸65Dが支点、第2軸65Eが作用点、第2軸65Eを挟んで第1軸65Dの反対側のレバー65Bの位置(例えば矢印周辺)が力点となる。
[0046]
 図3のように、パッチン錠63は4箇所に設けられている。また、気体回収部51のフランジ51Cの上面には、2個のL字部材66が設けられている。L字部材66は、チャンバ2に引っ掛けて用いられる。L字部材66は、重量のある気体回収部51をチャンバ2に移動可能に仮取り付け(仮固定)するものである。そのため、パッチン錠63のフック65Aが受け部材64から外れていても、気体回収部51は、取り付けられていた位置に保持される。図6(a)は、L字部材66によりチャンバ2に対して気体回収部51を引っ掛けた状態を示す縦断面図である。図6(b)は、チャンバ2から気体回収部51を取り外した状態を示す縦断面図である。
[0047]
 なお、図5(a)において、フック可動部65と受け部材64は、逆に設けられてもよい。すなわち、フック可動部65がチャンバ2に設けられ、受け部材64が気体回収部51に設けられていてもよい。受け部材64は、チャンバ2および気体回収部51のうち一方に設けられ、フック可動部65は、チャンバ2および気体回収部51のうち他方に設けられている。また、図3において、パッチン錠63の個数は4個に限定されず、L字部材66は2個に限定されない。図6(a)の破線BLのように、L字部材66は、気体回収部51を載せるように、チャンバ2のフランジ2Bの下面に設けられてもよい。
[0048]
 また、チャンバ2のフランジ2Bには、OリングRG1が設けられる。OリングRG1は、フランジ2Bと気体回収部51のフランジ51Cとの間に配置される。また、フランジ2Bには、OリングRG1の近くに冷却水が循環する冷却流路28Aが設けられている。冷却流路28Aの冷却により、OリングRG1の劣化を防止できる。
[0049]
 <熱処理装置1の動作>
 次に、熱処理装置1の動作について説明する。図1を参照する。シャッター部9のアクチュエータ41は、シャッター本体39を下降させて、基板出入口21を開く。また、支持ピン昇降部4のアクチュエータ35は、支持ピン31を上昇させる。基板搬送機構TRは、チャンバ2内の支持ピン31上に基板Wを搬送する。基板搬送機構TRがチャンバ2外に後退した後、シャッター本体39を上昇して、基板出入口21を閉じる。支持ピン31は上昇したままである。
[0050]
 その後、チャンバ2内の気体を置換する。すなわち、不活性ガス供給部7は、チャンバ2に窒素ガスを供給する。この際、排気ダクト部11は、空気供給部61によりアスピレータ59に空気を供給し、開閉弁57を開く。これにより、排気ダクト部11は、排気口23を通じて、チャンバ2内の気体を排気する。なお、チャンバ2への窒素ガスの供給、およびチャンバ2内の気体の排気は、予め設定されたレシピに従って調整される。
[0051]
 その後、レシピに基づき、酸素濃度が所定値以下になると、支持ピン31を下降して、基板Wを熱処理プレート3上に載置する。これにより熱処理を開始する。熱処理が終了すると、支持ピン31を上昇し、基板Wを冷却する。冷却後、窒素ガスの供給および排気を停止する(開閉弁57等を閉じる)。そして、基板出入口21が開いた後、基板搬送機構TRは、熱処理後の基板Wを搬送する。
[0052]
 次に、気体回収部51およびトラップ部53の動作を説明する。基板W上には、DSA(Directed Self-Assembly)プロセスにおけるブロック共重合体(block copolymer)を含む塗布液、あるいは、反射防止膜を形成するための塗布液が塗布されている。なお、塗布液は、これらの液に限定されない。基板Wが熱処理プレート3に載置されて基板Wが高温になると、塗布液から昇華物が発生する。詳しくは、塗布液の溶剤に溶剤以外の成分が溶け出して、溶け出した溶剤以外の成分が溶剤と共に蒸発する。これにより、昇華物が発生する。発生した昇華物は、チャンバ2内の気体に含まれる(混入する)。
[0053]
 昇華物を含む気体は、排気口23を通じて排気される。排気口23は、図2(a)のように、チャンバ2の内部の幅HA2と略同じ幅HA1を有している。また、気体回収部51は、排気口23と略同じ大きさの開口部51Aを一端に有し、その一端の開口部51Aを排気口23に接続させてチャンバ2に取り付けられている。そのため、図2(a)の符号YSで示す四隅で気体を滞留させることなく、チャンバ2内から気体を回収することができる。気体回収部51で回収した気体は、他端の開口部51Bを通じて、トラップ部53に送られる。トラップ部53において、冷却管53Fは、送られた気体を冷却し、気体中の昇華物を結晶化する。結晶化した昇華物は、昇華物収集部53Gに収集され、昇華物除去後の気体は、排気管55に送られて排気される。
[0054]
 <熱処理装置1のメンテナンス方法>
 次に、熱処理装置1のメンテナンス方法について説明する。なお、本実施例において、熱処理プレート3に温度測定用基板81を載置して温度測定をする作業を一例にメンテナンス方法について説明する。
[0055]
 〔ステップS01〕気体回収部51の取り外し
 図7(a)において、レバー65Bの操作により、パッチン錠63のロックを解除し、チャンバ2から気体回収部51を取り外す。すなわち、チャンバ2に気体回収部51が取り付けられている場合、パッチン錠63は、受け部材64にフック65Aを引っ掛けながら、チャンバ2に対して気体回収部51が押し付けた状態が保持されている。レバー65B操作により、この保持された引っ掛けおよび押し付け状態を解除する。これにより、チャンバ2から気体回収部51が取り外される。なお、図6に示すL字部材66により、気体回収部51は、チャンバ2に引っ掛かっており、仮取り付けの状態になっている。
[0056]
 気体回収部51は、チャンバ2に対して着脱可能であるだけでなく、トラップ部53(トラップ下部68)に対しても着脱可能である。図7(a)において、連結部材69を取り外して、気体回収部51およびトラップ上部67が一体となったものと、冷却管53Fを含むトラップ下部68とを分離する。これにより、フレーム71からトラップ下部68を取り外したり、冷却管53Fと接続される配管などを取り外したりしなくてもよい。そのため、気体回収部51を容易に取り外すことができる。L字部材66による引っ掛けた状態も解除し、気体回収部51等を取り外した後の状態を図7(b)に示す。
[0057]
 〔ステップS02〕基板の手動搬入
 図7(b)において、排気口23を通じて温度測定用基板81を搬入する。温度測定用基板81は、図7(c)のように、有線タイプである。無線タイプの場合、測定温度が高いため無線回路が壊れてしまう場合がある。温度測定用基板81は、基板面内を17箇所で温度測定するため、17個の温度センサ83を備えている。温度センサ83は、熱電対、測温抵抗体またはサーミスタなどで構成される。温度センサ83には各々、チャンバ2外まで延ばすための信号線(配線)84が接続されている。信号線84は、図示しない温度計本体に温度情報等を送る。図7(c)において、図示の便宜上、温度測定用基板81は、1つの温度センサ83を備えている。
[0058]
 なお、温度センサ83は、17個に限定されない。例えば、温度センサ83は、1個、5個、9個またはその他の個数でもよい。すなわち、温度測定用基板81は、少なくとも1個の温度センサ83を備えている。
[0059]
 温度測定用基板81の搬入は、図8の搬送治具86を用いて行う。図8において、搬送治具86は、取手部87、干渉回避溝88および基板載置部89を備えている。取手部87は、メンテナンス者が持つため部分である。干渉回避溝88は、熱処理装置1の支持ピン31と干渉しないように設けられている。基板載置部89は、温度測定用基板81などの基板Wを載置する部分である。
[0060]
 図7(b)において、アクチュエータ35(図1参照)は、昇降部材33を介して支持ピン31を上昇させる。上昇後、メンテナンス者は、搬送治具86に温度測定用基板81を載置する。その後、メンテナンス者は、排気口23を通じて、支持ピン31を干渉回避溝88に通しつつ、搬送治具86をチャンバ2内に侵入させる。そして、メンテナンス者は、チャンバ2内の支持ピン31上に温度測定用基板81を載置する。載置後、メンテナンス者は、搬送治具86をチャンバ2外に後退させる。図7(c)は、温度測定用基板81を搬入した状態を示す図である。
[0061]
 〔ステップS03〕温度測定用蓋部の取り付け
 図7(c)において、温度測定用基板81の搬入後、排気口23を塞ぐようにチャンバ2に温度測定用蓋部90を取り付ける。まず、図7(d)に示す温度測定用蓋部90をチャンバ2に仮取り付けする。温度測定用蓋部90には、図7(d)のように、2個のL字部材66、切り欠き部91、および4個のパッチン錠63が設けられている。チャンバ2のフランジ2B(図6(a)参照)に温度測定用蓋部90に設けられたL字部材66を引っ掛けて仮取り付けする。これにより、排気口23を塞ぐようにチャンバ2に温度測定用蓋部90を取り付ける。この際、図7(d)のように、17個の温度センサ83の各々から延びる信号線84を温度測定用蓋部90に設けられた切り欠き部91を通じてチャンバ2外に引き出す。
[0062]
 温度測定用蓋部90をチャンバ2に仮取り付けした後、パッチン錠63によって、温度測定用蓋部90をチャンバ2に取り付ける(本取り付け)。パッチン錠63は、上述のように、レバー65B操作により、受け部材64にフック65Aを引っ掛けながらチャンバ2に温度測定用蓋部90を押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持するように構成されている。また、パッチン錠63は、レバー65B操作により、保持された引っ掛けおよび押し付け状態を解放するように構成されている。
[0063]
 パッチン錠63は、受け部材64にフック65Aを引っ掛けながら、温度測定用蓋部90をチャンバ2に押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持する。これにより、排気口23が設けられたチャンバ2と温度測定用蓋部90とを密着させることができる。また、L字部材66によって温度測定用蓋部90をチャンバ2に仮取り付けするよりも、排気口23を通じて気体が出入りすることを抑制できる。
[0064]
 なお、温度測定用蓋部90は、本発明の蓋部に相当する。切り欠き部91は、本発明の通路に相当する。本発明の通路は、管状通路であってもよい。必要により、温度測定用蓋部90をチャンバ2に取り付けるためのパッチン錠63およびL字部材66のいずれか一方を設けないようにしてもよい。
[0065]
 〔ステップS04〕温度測定
 その後、支持ピン31を下降して、温度測定用基板81を熱処理プレート3上に載置する。温度測定用基板81を用いて温度を測定する。温度測定の際、チャンバ2内が大気圧の状態で行われる。
[0066]
 本実施例のメンテナンス方法において、チャンバ2に対して気体回収部51を取り外した後、温度センサ83を有する温度測定用基板81を、排気口23を通じてチャンバ2内に搬入している。無線の温度測定用基板は、熱処理プレート3による加熱で無線回路が壊れてしまう場合がある。そのため、有線(信号線84)の温度測定用基板81が用いられるが、基板搬送機構TR(ロボット)により基板出入口21を通じて有線の温度測定用基板81を送ることは難しい。そのため、チャンバ2に対して気体回収部51を取り外した後、有線の温度測定用基板81を、排気口23を通じてチャンバ2内に容易に搬入ことができる。
[0067]
 また、本実施例のメンテナンス方法において、温度測定用基板81の搬入後、気体回収部51と異なる温度測定用蓋部90に設けられた切り欠き部91を通じて、温度センサ83から延びる信号線84をチャンバ2外に引き出しながら、排気口23を塞ぐようにチャンバ2に温度測定用蓋部90を取り付け(仮取り付け)している。気体回収部51に代えてチャンバ2に取り付けると、排気口23は温度測定用蓋部90によって塞がれる。そのため、排気口23を通じて気体が出入りすることを抑制でき、外乱の影響を抑えながら温度測定できる。
[0068]
 〔ステップS05〕温度測定用蓋部の取り外し
 温度測定の終了後、支持ピン31を上昇させて温度測定用基板81を熱処理プレート3から離す。チャンバ2に対して温度測定用蓋部90を取り外す。すなわち、パッチン錠63によって、保持された引っ掛けおよび押し付け状態を解放する(ロック解除)。この際、L字部材66により、温度測定用蓋部90は、チャンバ2に対して仮取り付けされている。このL字部材66による引っ掛け状態を解除して、チャンバ2に対して温度測定用蓋部90を完全に取り外す。これにより、図7(c)のように、排気口23が現れる。
[0069]
 〔ステップS06〕基板の手動搬出
 図7(c)において、メンテナンス者は、排気口23を通じて、支持ピン31を干渉回避溝88に通しつつ、搬送治具86をチャンバ2内に侵入させる。その後、支持ピン31上の温度測定用基板81を搬送治具86に載置する。そして、搬送治具86を後退させて、温度測定用基板81をチャンバ2外に搬出する。
[0070]
 〔ステップS07〕気体回収部51の取り付け
 図7(b)において、支持ピン31を下降する。その後、気体回収部51のL字部材66により、図6のように、チャンバ2に対して気体回収部51を仮取り付けする。その後、連結部材69により、気体回収部51およびトラップ上部67が一体となったものと、冷却管53Fを含むトラップ下部68とを連結する。その後、パッチン錠63のレバー65Bの操作により、受け部材64にフック65Aを引っ掛けながらチャンバ2に気体回収部51を押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持する(ロック)。これにより、チャンバ2に気体回収部51が取り付けられる。図7(a)に示す状態に戻る。
[0071]
 本実施例によれば、基板出入口21とは別にチャンバ2の側壁には、排気口23が設けられており、その排気口23には、チャンバ2内の気体を排気する気体回収部51が接続されている。気体回収部51は、パッチン錠63によって、チャンバ2から取り外され、また、チャンバ2に取り付けられるようになっている。気体回収部51をチャンバ2から取り外すと、排気口23が開かれる。この排気口23がメンテナンス用の開口部となる。これにより、開口部の個数を増やさずに、基板出入口21とは別に設けられたチャンバ2の開口部によって、チャンバ2内のメンテナンスができる。
[0072]
 また、パッチン錠63は、チャンバ2に設けられた受け部材64と、気体回収部51に設けられ、受け部材64に引っ掛けるフック65Aおよび、フック65Aを操作するレバー65Bを有するフック可動部65とを備えている。パッチン錠63は、レバー65B操作により、受け部材64にフック65Aを引っ掛けながら、気体回収部51をチャンバ2に押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持する。また、パッチン錠63は、レバー65B操作により、保持された上述の引っ掛けおよび押し付け状態を解放する。
[0073]
 チャンバ2内の密閉は重要である。そのため、排気口23を塞ぐために、排気口23が設けられたチャンバ2と気体回収部51との接合面の密閉を保つことが求められる。しかしながら、高温で熱処理すると、チャンバ2と気体回収部51との接合面で焼付きが生じる。また、ボルトによってチャンバ2に気体回収部51を取り付けていると、ボルトのネジ部分でも焼付きが生じる。これにより、ボルトが外れにくくなり作業効率が低下する。また、ボルトを外すときの力でボルトの頭部がちぎれてしまう可能性がある。ボルトの頭部がちぎれてしまうと、その後の対応が困難となる。本発明の留め具によれば、熱処理による焼付きが生じた場合であっても、レバー65B操作により、チャンバ2から気体回収部51を取り外すことができるので、気体回収部51の取り外しが容易である。また、レバー65B操作により、気体回収部51の取り付けおよび取り外しができるので、工具を必要としない。このことによっても、気体回収部51の取り付けおよび取り外しが容易となる。
[0074]
 本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
[0075]
 (1)上述した実施例では、チャンバ2に対する気体回収部51の取り付けは、パッチン錠63により行っていた。チャンバ2に対する気体回収部51の取り付けは、図9のような留め具93であってもよい。留め具93は、受け部材94とフック可動部95とを備えている。受け部材94は、フランジ2Bに固定されている。受け部材94は、傾斜部94Aと保持部94Bとを備えている。傾斜部94Aは、チャンバ2に対して気体回収部51を段階的に押し付けるものである。傾斜部94Aと保持部94Bとの間には段差がある。この段差により、保持部94Bでフック95Aが保持される。
[0076]
 一方、フック可動部95は、フック95A、レバー95B、回転軸95Dおよび基台95Fを備えている。基台95Fは、気体回収部51のフランジ51Cに設けられている。レバー95Bは、基台95Fに対して回転軸95D周りに回転可能である。レバー95Bの一端には回転軸95Dが設けられ、レバー95Bの他端にはフック95Aが設けられている。
[0077]
 すなわち、留め具93は、レバー95B操作により、受け部材94にフック95Aを引っ掛けながらチャンバ2に気体回収部51を押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持し、また、レバー95B操作により、保持された引っ掛けおよび押し付け状態を解除するように構成されている。
[0078]
 (2)上述した実施例では、チャンバ2に対する気体回収部51の取り付けは、パッチン錠63により行っていた。また、図5(a)では、チャンバ2のフランジ2Bには、別部材として、受け部材64が設けられていた。この点、図10のように、受け部材64は、フランジ2Bに一体形成されていてもよい。
[0079]
 (3)上述した実施例では、チャンバ2に対する気体回収部51の取り付けは、片側2個のパッチン錠63の協働により行っていた。すなわち、図5(a)において、上下2個のパッチン錠63により行っていた。しかしながら、上下2個のパッチン錠63のいずれか一方を、図11のような2つの部材で構成される接触部97に置き換えてもよい。
[0080]
 (4)上述した実施例および各変形例では、仮取り付けのためにL字部材66が設けられていたが、必要によりL字部材66を設けなくてもよい。また、仮取り付けできる仮取り付け部材であれば、L字形状でなくてもよい。
[0081]
 (5)上述した実施例および各変形例では、排気口23は、チャンバの内部の幅HA2と略同じ開口幅HA1を有していた。この点、図2(a)、図2(b)のように、排気口23の開口幅HA1は、チャンバ2の内部の幅HA2未満であってもよい。すなわち、排気口23は、熱処理プレート3上の基板Wを排気口23が設けられたチャンバ2の側壁に水平投影させた場合の水平方向の投影長さHA3以上の開口幅HA1を有してもよい。これにより、少なくとも基板Wの上方における昇華物を含む気体の滞留を抑制しつつ排気口23を通じて回収できる。なお、熱処理プレート3の基板載置面3A、および基板Wは円形であったが、矩形でもよい。

符号の説明

[0082]
 1    … 熱処理装置
 2    … チャンバ
 3    … 熱処理プレート
 7    … 不活性ガス供給部
 11   … 排気ダクト部
 21   … 基板出入口
 23   … 排気口
 28A  … 冷却流路
 2B   … フランジ
 51   … 気体回収部
 53   … トラップ部
 51A  … 開口部
 51B  … 開口部
 51C  … フランジ
 53A  … トラップ流路
 63   … パッチン錠
 64,94 … 受け部材
 64,95   … フック可動部
 65A,95A … フック
 65B,95B … レバー
 81   … 温度測定用基板
 83   … 温度センサ
 84   … 信号線
 93   … 留め具
 HA1  … 幅
 HA3  … 投影長さ

請求の範囲

[請求項1]
 基板を収容するチャンバと、
 前記チャンバ内の下部に設けられ、基板を熱処理する熱処理プレートと、
 前記チャンバの側壁に設けられた基板出入口と、
 前記基板出入口とは別に前記チャンバの側壁に設けられた排気口と、
 前記排気口に接続されて前記チャンバ内の気体を排気する排気ダクト部と、
 前記チャンバから前記排気ダクト部を取り外し、および前記チャンバに前記排気ダクト部を取り付けるための着脱部と、
 を備えていることを特徴とする熱処理装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の熱処理装置において、
 前記着脱部は留め具であり、前記留め具は、
 前記チャンバおよび前記排気ダクト部のうち一方に設けられた受け部材と、
 前記チャンバおよび前記排気ダクト部のうち他方に設けられ、前記受け部材に引っ掛けるフックおよび、前記フックを操作するレバーを有するフック可動部とを備え、
 前記レバー操作により、前記受け部材に前記フックを引っ掛けながら、前記排気ダクト部を前記チャンバに押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持し、
 また、前記レバー操作により、保持された前記引っ掛けおよび押し付け状態を解放することを特徴とする熱処理装置。
[請求項3]
 請求項1または2に記載の熱処理装置において、
 前記熱処理プレートは、基板を水平姿勢で載置した状態で熱処理し、
 前記排気口は、水平方向に扁平であって、前記熱処理プレート上の基板を前記排気口が設けられた前記チャンバの側壁に水平投影させた場合の水平方向の投影長さ以上の開口幅を有することを特徴とする熱処理装置。
[請求項4]
 基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内の下部に設けられ、基板を熱処理する熱処理プレートと、前記チャンバの側壁に設けられた基板出入口とを備えた熱処理装置のメンテナンス方法において、
 着脱部によって、前記基板出入口とは別に前記チャンバの側壁に設けられた排気口に接続されて前記チャンバ内の気体を排気する排気ダクト部を前記チャンバから取り外す工程と、
 前記着脱部によって、前記チャンバに前記排気ダクト部を取り付ける工程と、
を備えていることを特徴とする熱処理装置のメンテナンス方法。
[請求項5]
 請求項4の熱処理装置のメンテナンス方法において、
 前記チャンバから前記排気ダクト部を取り外した後、前記チャンバ外まで延ばすための信号線が接続された温度センサを有する温度測定用基板を、前記排気口を通じて前記チャンバに搬入する工程と、
 前記温度測定用基板の搬入後、前記温度測定用基板を用いて温度を測定する工程と、
 を更に備えていることを特徴とする熱処理装置のメンテナンス方法。
[請求項6]
 請求項5の熱処理装置のメンテナンス方法において、
 前記温度測定用基板の搬入後、前記排気ダクト部と異なる蓋部に設けられた通路を通じて、前記温度センサから延びる前記信号線をチャンバ外に引き出しながら、前記排気口を塞ぐように前記チャンバに前記蓋部を取り付ける工程と、
 を更に備えていることを特徴とする熱処理装置のメンテナンス方法。
[請求項7]
 請求項6の熱処理装置のメンテナンス方法において、
 前記蓋部を取り付ける工程は、
 前記チャンバおよび前記蓋部のうち一方に設けられた受け部材と、
 前記チャンバおよび前記蓋部のうち他方に設けられ、
 前記受け部材に引っ掛けるフックおよび、前記フックを操作するレバーとを有するフック可動部とを備えた留め具によって、前記レバー操作により、前記受け部材に前記フックを引っ掛けながら、前記蓋部を前記チャンバに押し付けて、この引っ掛けおよび押し付け状態を保持することで、前記排気口を塞ぐように前記チャンバに前記蓋部を取り付けることを特徴とする熱処理装置のメンテナンス方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]