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1. (WO2018193844) 多層基板、多層基板アレイ、及び送受信モジュール
Document

明 細 書

発明の名称 多層基板、多層基板アレイ、及び送受信モジュール

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074  

符号の説明

0075  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 多層基板、多層基板アレイ、及び送受信モジュール

技術分野

[0001]
 本発明は、内層に配線が設けられた多層基板に関する。また、このような多層基板を備えた多層基板アレイ及び送受信モジュールに関する。

背景技術

[0002]
 従来、ミリ波帯無線用途又はマイクロ波帯無線用途の送受信モジュールとして、内層に配線が設けられた多層基板を備えたものが知られている。当該送受信モジュールにおいては、多層基板の外部から多層基板の外周を透過して、多層基板の内部に侵入するノイズのレベルをできるだけ抑制することが望まれている。
[0003]
 このノイズのレベルを抑制するための技術の1つとして、多層基板の外周にグランドパターンを形成した技術が特許文献1に開示されている。具体的に、特許文献1には、基板側面を覆う側面グランドパターンを有した伝送線路基板(多層基板)が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国公開特許公報「特開2008-263360号公報」(2008年10月30日公開)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に開示されている伝送線路基板においては、積層構造を持つ基板に対して金属(例えば銅)メッキを施すことによって、側面グランドパターンを形成している。
[0006]
 しかしながら、積層構造を持つ基板に対して金属メッキを施す工程は、当該基板に電子部品又はIC(Integrated Circuit:集積回路)を実装する前に行われる必要がある。このため、特許文献1に開示されている技術においては、伝送線路基板の製造工程順に制約が生じる。換言すれば、特許文献1に開示されている伝送線路基板は、その製造方法における自由度が低いという問題を有する。
[0007]
 本発明の一態様は、製造方法における自由度が高い多層基板、及び多層基板アレイを実現することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る多層基板は、内層に配線が設けられた多層基板において、当該多層基板の外周の少なくとも一部が波形(なみがた)に加工されている、ことを特徴としている。

発明の効果

[0009]
 本発明の一態様によれば、製造方法における自由度が高い多層基板、及び多層基板アレイを実現することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の一態様に係る多層基板を備えた送受信モジュールの構成例を示す断面図である。
[図2] (a)は、本発明の第1の実施形態に係る多層基板を備えた送受信モジュールの構成を示す平面図である。(b)は、(a)に示した送受信モジュールの構成を示す断面図である。
[図3] 本発明の第2の実施形態に係る多層基板を備えた送受信モジュールの構成を示す平面図である。
[図4] 本発明の第3の実施形態に係る多層基板を備えた送受信モジュールの構成を示す平面図である。
[図5] 図4に示した多層基板の製造工程に含まれる一工程における多層基板の構成を示す平面図である。
[図6] 本発明の第4の実施形態に係る、多層基板アレイを備えた送受信モジュールアレイの構成を示す平面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 (多層基板を備えた送受信モジュールの断面)
 本発明の一態様に係る多層基板を備えた送受信モジュールについて説明する前に、多層基板を備えた送受信モジュールの断面構造の一例について、図1を参照して説明する。図1は、多層基板600を備えた送受信モジュール610の構成例を示す断面図である。
[0012]
 送受信モジュール610は、ミリ波帯無線用途又はマイクロ波帯無線用途のものであり、多層基板600、IC501、電子部品502、及びパッシベーション膜503A,503Bを備えている。多層基板600は、基材601A,601B、基材接着層602、並びに配線層群603を有している。なお、ここでは説明を簡潔にするために、図1の天地方向に従って、多層基板600に対してIC501及び電子部品502側を上、多層基板600に対してIC501及び電子部品502と反対側を下としている。
[0013]
 基材601Aは、基材接着層602によって、基材601Bと接着されている。当該接着によって、基材601A,601B、並びに基材接着層602が積層されたものが、積層構造を持つ基板に相当する。基材601A,601Bの各々の材質としては、セラミック、シリコンの他、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラスエポキシ、又はポリイミドなどが挙げられる。つまり、多層基板600は、リジッド基板であってもよいし、フレキシブル基板であってもよい。
[0014]
 IC501は、機能素子として設けられており、主にアンテナ(後述)による電波の送受信の制御を行うものである。IC501は、ベースバンドIC、又はRF(Radio Frequency)IC(トランシーバ)とも呼ばれるICである。
[0015]
 本実施形態において、配線層群603は、配線層603A~603Dにより構成されている。配線層603A~603Dの各々は、それぞれ、基材601Aの上面及び下面、並びに、基材601Bの上面及び下面に設けられている。したがって、配線層603A,603Dは、多層基板600における外側に設けられた配線層、すなわち外層配線層を形成し、配線層603B,603Cは、多層基板600における内側に形成された配線、すなわち内層配線を形成する。内側配線を形成する配線層603B,603Cは、特許請求の範囲に記載の配線(内層に設けられた配線)の一例である。基板601A,601Bの各面に、どのような形状で、どの程度の面積の配線層群603を設けるかについては、配線層群603の引き回しに応じて適宜設定可能である。また、これらの面の少なくとも1つに配線層群603が設けられていなくてもよいが、配線層群603は少なくとも、基材601Aの下面や基材601Bの上面といった、多層基板600の内層に設けられている必要がある。換言すれば、多層基板600には、配線層群603として少なくとも内側配線層、すなわち配線層603B,603Cが設けられている。
[0016]
 また、配線層群603は、その機能ごとに、少なくとも、グランド、信号ライン、電源ライン、及びアンテナに大別される。グランドは、電子部品502が接地されるものである。信号ラインは、IC501及び/又は電子部品502と接続されており、各種の信号を通ずるものである。電源ラインは、IC501と接続されており、IC501に対して電源電圧を供給する経路である。アンテナは、IC501による制御の下で、送受信モジュール610の外部の機器と、電波の送受信を行うものである。
[0017]
 電子部品502は、送受信モジュール610に搭載される電子回路を構成するための電子部品である。電子部品502の例としては、コンデンサや、抵抗や、コイルや、振動子などが挙げられる。
[0018]
 パッシベーション膜503Aは、基材601Aの上面を保護するための保護膜である。パッシベーション膜503Bは、基材601Bの下面を保護するための保護膜である。IC501と配線層群603との電気的接続を妨げないように、IC501の周辺にはパッシベーション膜503Aが設けられていない。同様に、電子部品502と配線層群603との電気的接続を妨げないように、電子部品502の周辺にもパッシベーション膜503Aが設けられていない。
[0019]
 〔第1の実施形態〕
 本発明の第1の実施形態に係る多層基板100を備えた送受信モジュール110について、図2を参照して説明する。図2の(a)は、送受信モジュール110の構成を示す平面図である。図2の(b)は、送受信モジュール110の構成を示す断面図である。図2の(b)は、図2の(a)に示した直線AA’に沿った断面における送受信モジュール110の断面図である。
[0020]
 送受信モジュール110は、図2の(a)及び(b)に示すように、多層基板100、IC1、電子部品21~27及びパッシベーション膜PL1,PL2を備えている。なお、図示を簡潔にするために、図2の(a)においては、送受信モジュール110が備えているパッシベーション膜の図示を省略している。
[0021]
 多層基板100は、基材101Aと、基材101Bと、基材接着層102と、配線層群103とを備えている。また、配線層群103は、配線層103A~103Dにより構成されている。基材101A、基材101B、基材接着層102、及び配線層群103の各々は、それぞれ、図1に示した多層基板600の基材601A、基材601B、基材接着層602、及び配線層群603に対応する。したがって、多層基板600に対応する多層基板100の構成については、ここではその説明を省略する。
[0022]
 基材101Aの上面上に設けられた配線層103Aは、配線31~39,3gと、コネクタ4とにより構成されている。また、コネクタ4は、端子41~49,4aにより構成されている。なお、以下においては、配線31~39,3aのことを配線31~3aとも記載し、端子41~49,4aのことを端子41~4aとも記載する。
[0023]
 上述したように、配線層103Aは、図1に示した多層基板600の配線層603A(図1参照)に対応する。配線層103Bは、図2の(b)に示されている配線61~63を含む。配線層103Bは、多層基板600の配線層603Bに対応する。配線層103Cは、図2の(b)に示されている配線71~73を含む。配線層103Cは、多層基板600の配線層603Cに対応する。配線層103Dは、図2の(b)に示されている配線81により構成されている。配線層103Dは、多層基板600の配線層603Dに対応する。
[0024]
 また、IC1及び電子部品21~27は、それぞれ、図1に図示した送受信モジュール610が備えているIC501及び電子部品502(図1参照)に対応する。また、送受信モジュール110の表面上に形成された上記パッシベーション膜PL1,PL2は、図1に図示した送受信モジュール610が備えているパッシベーション膜503A,503Bに対応する。
[0025]
 コネクタ4の端子41~49,4aは、それぞれ、配線31~39,3aと接続されている。配線31~3aは、コネクタ4の端子41~4aの対応するいずれかとIC1とを接続する信号ライン、IC1に対する電源ライン、配線3b~3fの対応するいずれかに接続されるグランドラインあるいはグランドパターン、及びIC1に対して動作クロックを供給するためのクロックラインを含んでいる。以下において、グランドライン及びグランドパターンのことをまとめて、単にグランドとも記載する。配線3b~3fは、グランドとして機能している。配線3gは、アンテナとして機能している。図2においては、配線31,32はいずれも、IC1と接続されている。配線34,37,39の各々は、それぞれ、電子部品23,24,25の各々と接続されていると共に、いずれもIC1と接続されている。電子部品21~27は、それぞれ、配線3b,3c,3d,3d,3f,3f,3fと接続されている。IC1は、配線3gと接続されている。また、IC1と配線3gとを接続する配線は、IC1から配線3gに対して供給する送信波を伝送し、且つ、配線3gからIC1に対して供給する受信波を伝送する信号ラインである。この信号ラインは、その一部が配線72(後述)と同様に多層基板の内層に設けられていてもよい。
[0026]
 配線61~63、配線71,73、及び配線81は、何れもグランドとして機能する(図2の(b)参照)。配線35及び配線72は、何れも、端子45とIC1とを接続する信号ラインである(図2の(b)参照)。配線35と配線72との間、及び、配線72とIC1の一端子が接続されている電極パッドとの間は、何れも、ビアにより接続されている。このように、配線72は、多層基板100の内層に設けられた信号ラインの一例である。
[0027]
 (多層基板100の効果)
 ここで、多層基板100の外周51は、その少なくとも一部が波形に加工されている。本実施形態においては、図2に示すように、積層構造を持つ基板の外周自体が、波形に加工されている。また、本実施形態においては、多層基板100の外周51は、その全周に亘って波形に加工されている。
[0028]
 本実施形態の多層基板100においては、多層基板100の外部から多層基板100の外周51に入射しようとするノイズは、輪郭が波形に加工された領域である波形領域に入射する。波形領域に入射したノイズは、波形領域と大気との界面において散乱及び/又は反射する。その結果、波形領域の様々な箇所を透過して多層基板の内部に侵入するノイズの各々には、侵入する経路が異なることに起因して位相差が生じる。したがって、多層基板100は、マクロに見た場合に、波形領域が設けられていない多層基板と比較して、多層基板の内層に設けられた配線(すなわち、内層配線である配線層103B,103C)に侵入するノイズ同士を干渉させることによってノイズの総和を減衰させることができる。すなわち、マクロに見た場合に、ノイズのレベルを抑制することができる。
[0029]
 多層基板100においては、積層構造を持つ基板の側面に対して金属メッキを施すことなく、上記ノイズのレベルを抑制することができる。さらに、多層基板100の製造工程において、波形領域を形成する工程は、当該基板に電子部品21~27及び/又はIC1を実装する工程の後に、当該基板を加工することによって実施することも可能である。以上のように、基板の側面に金属メッキを施した構成と比較して、多層基板100は、製造工程順に対する制約が緩い。したがって、多層基板100は、製造方法における自由度を高めることができる。
[0030]
 また、多層基板100においては、外周51の全周に入射するノイズのレベルを抑制することができるため、より大きなノイズのレベルの減衰効果を得ることができる。但し、外周51が全周に亘って波形に加工されている構成自体は、多層基板100において必須でない。
[0031]
 なお、外周51に設けられた波形領域は、ノイズを完全に遮蔽する機能を有していなくてもよい。外周51に設けられた波形領域は、送受信モジュール110における信号の読み取りに支障のないレベルまで、ノイズのレベルを抑制できるように構成されている。
[0032]
 外周51の波形は、サインカーブの輪郭、略矩形の輪郭、及びU字型の輪郭などの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、これらの輪郭は、連続的に設けられていても離散的に設けられていてもよいし、周期的に設けられていても非周期的に設けられていてもよい。
[0033]
 但し、多層基板100において、外周51の波形は、多層基板100を平面視したときに滑らかな曲線により構成されていることが好ましい。換言すれば、当該波形形状を表す関数は、微分可能であり、且つ、微分の結果得られた導関数が連続であることが好ましい。
[0034]
 上記の構成によれば、外周51内の波形領域における平坦な部分の面積を小さくすることができる。これにより、波形領域に入射したノイズのうち位相差が生じないノイズの割合を減らすことができる。結果として、多層基板の内部に侵入するノイズ同士の干渉によるノイズの減衰を強めることができる。したがって、本多層基板は、ノイズのレベルを更に抑制することができる。
[0035]
 また、多層基板100は、外周51のうち、少なくとも内層配線である配線61~63及び配線71~73が延伸されている方向に沿う部分が波形に加工されていることが好ましい。
[0036]
 特に、多層基板100は、外周51のうち、内層配線である配線61~63及び配線71~73において信号ラインである配線72に沿う部分が波形に加工されていることが好ましい。つまり、当該信号ラインは多層基板100の長手方向に延伸されているのに対し、外周51は、多層基板100の短手方向両端において、多層基板100の長手方向に沿って形成された波形となっていることが好ましい。
[0037]
 外周51のうち、配線72が延伸されている方向(すなわち長手方向)に沿う部分から入射するノイズと、配線72が延伸されている方向に交わる部分から入射するノイズとを比較した場合、配線72が延伸されている方向に沿う部分から入射するノイズの方が配線72によって伝送される信号に与える影響が大きい。上記の構成によれば、外周51のうち配線72が延伸されている方向に交わる部分(すなわち多層基板100を平面視した場合の形状を略長方形と見做した場合の短辺に相当する部分)が波形に加工されている場合と比較して、効果的にノイズのレベルを抑制することができる。
[0038]
 隣接する波形のピッチPは、減衰対象のノイズの周波数に応じて適宜設定可能である。一例を挙げると、周波数60GHzのノイズの減衰を図る場合、ピッチPは5mm程度とすることが好ましい。別の例を挙げると、周波数3GHzのノイズの減衰を図る場合、ピッチPは100mm程度とすることが好ましい。
[0039]
 〔第2の実施形態〕
 以下、説明の便宜上、先に説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
[0040]
 本発明の第2の実施形態に係る、多層基板200を備えた送受信モジュール210について、図3を参照して説明する。図3は、送受信モジュール210の構成を示す平面図である。
[0041]
 送受信モジュール210の多層基板200は、送受信モジュール110の多層基板100(図2参照)の構成に、誘電体層6を加えたものである。
[0042]
 誘電体層6は、多層基板200の端面に設けられており、図3においては外周51の全周を覆っている。誘電体層6を構成する誘電体の一例として、エポキシ、ポリイミド、ゴム、ウレタン、又はポリスチロールなどの樹脂材が挙げられる。また、誘電体層6を構成する誘電体の他の例として、当該樹脂材にカーボン粉を混合したものが挙げられる。
[0043]
 誘電体層6にて反射されたノイズは、その位相が大きく変化する。これにより、当該ノイズが他の電磁波と干渉して減衰されることを促進することができるため、より大きなノイズのレベルの減衰効果を得ることができる。
[0044]
 また、誘電体層6は、硬化した状態で可撓性を有する樹脂により構成されていることが好ましい。これにより、多層基板200において誘電体層6の剥がれが生じにくい。従って、破損し難い多層基板200を実現することができる。
[0045]
 多層基板200の製造方法としては、外周51の全周に対して誘電体を塗布(ディスペンス、又はスプレー塗布など)することが挙げられる。
[0046]
 誘電体層6の材料として、コネクタ4に対するアンダーフィル用の樹脂を用い、コネクタ4に対するアンダーフィルと誘電体層6の形成とを同時に行ってもよい。
[0047]
 〔第3の実施形態〕
 本発明の第3の実施形態に係る、多層基板300を備えた送受信モジュール310について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、送受信モジュール310の構成を示す平面図である。図5は、図4に示した多層基板300の製造工程に含まれる一工程における多層基板300の構成を示す平面図である。
[0048]
 送受信モジュール310の多層基板300の構成と、送受信モジュール110の多層基板100(図2参照)の構成との相違点は、以下のとおりである。
[0049]
 多層基板300の外周52は、その少なくとも一部が(本実施形態においては全周に亘って)波形に加工されている。但し、図4において、積層構造を持つ多層基板300は、平面視において矩形であり、その外周自体は波形に加工されていない。一方、当該基板の外周は、誘電体層71によって覆われており、この誘電体層71の外周が波形に加工されている。誘電体層71を構成する誘電体の一例として、誘電体層6(図3参照)を構成する誘電体と同じ材料が挙げられる。
[0050]
 多層基板300の製造方法として、例えば以下の方法が挙げられる。まず、図5に示すように、多層基板300の外周に、複数の誘電体材料72を塗布する。なお、誘電体材料72を塗布する方法の一例としては、ディスペンスが挙げられる。そして、当該複数の誘電体材料72を塗り広げた後、硬化させる。多層基板300の外周に誘電体材料72が濡れ広がりつつ硬化することによって、外周52に形成された、波形である誘電体層71が得られる。
[0051]
 送受信モジュール310の多層基板300においても、送受信モジュール210の多層基板200(図3参照)と同様の作用効果を得ることができる。
[0052]
 複数の誘電体材料72として、コネクタ4に対するアンダーフィル用の樹脂を用い、コネクタ4に対するアンダーフィルと誘電体層71の形成とを同時に行ってもよい。
[0053]
 〔第4の実施形態〕
 本発明の第4の実施形態に係る、多層基板アレイ400を備えた送受信モジュールアレイ410について、図6を参照して説明する。図6は、送受信モジュールアレイ410の構成を示す平面図である。
[0054]
 送受信モジュールアレイ410は、複数の送受信モジュール110が同一平面に沿って並べられてなるものである。換言すれば、多層基板アレイ400は、複数の多層基板100が同一平面に沿って並べられてなるものである。これにより、多層基板アレイ400において、多層基板100と同様の効果を得ることができる。
[0055]
 なお、多層基板アレイ400(送受信モジュールアレイ410)においては、多層基板100(送受信モジュール110)が、多層基板200(送受信モジュール210)または多層基板300(送受信モジュール310)に置き換えられてもよい。
[0056]
 (まとめ)
 本発明の一態様に係る多層基板(100、200、300)は、内層に配線(61~63及び71~73)が設けられた多層基板(100、200、300)において、当該多層基板(100、200、300)の外周(51、52)の少なくとも一部が波形(なみがた)に加工されている、ことを特徴としている。
[0057]
 上記の構成によれば、多層基板の外部から多層基板の外周に入射しようとするノイズの一部は、波形に加工された部分(以下、波形領域とも言う)に入射する。波形領域に入射したノイズは、波形領域と大気との界面において散乱及び/又は反射する。その結果、波形領域の様々な箇所を透過して多層基板の内部に侵入するノイズの各々には、侵入する経路が異なることに起因して位相差が生じる。したがって、本多層基板は、マクロに見た場合に、波形領域が設けられていない多層基板と比較して、多層基板の内部に侵入するノイズ同士を干渉させることによってノイズの総和を減衰させることができる。すなわち、マクロに見た場合に、ノイズのレベルを抑制することができる。
[0058]
 本多層基板は、積層構造を持つ基板の側面に対して金属メッキを施すことなく、ノイズのレベルを抑制することができる。さらに、本多層基板の製造工程において、波形領域を形成する工程は、当該基板に電子部品及び/又はICを実装する工程の後に、当該基板を加工することによって実施することも可能である。以上のように、基板の側面に金属メッキを施した構成と比較して、本多層基板は、製造工程順に対する制約が緩い。したがって、本多層基板は、製造方法における自由度を高めることができる。
[0059]
 また、本発明の一態様に係る多層基板(100、200、300)において、前記波形は、前記多層基板(100、200、300)を平面視したときに滑らかな曲線により構成されている、ことが好ましい。
[0060]
 上記の構成によれば、波形領域における平坦な部分の面積を小さくすることができる。これにより、波形領域に入射したノイズのうち位相差が生じないノイズの割合を減らすことができる。結果として、多層基板の内部に侵入するノイズ同士の干渉によるノイズの減衰を強めることができる。したがって、本多層基板は、ノイズのレベルを更に抑制することができる。
[0061]
 また、本発明の一態様に係る多層基板(100、200、300)は、前記外周(51、52)のうち、前記配線(61~63及び71~73)が延伸されている方向に沿う部分が波形に加工されている、ことが好ましい。
[0062]
 多層基板の外周のうち、配線が延伸されている方向に沿う部分から入射するノイズと、配線が延伸されている方向に交わる部分から入射するノイズとを比較した場合、配線が延伸されている方向に沿う部分から入射するノイズの方が配線によって伝送される信号に与える影響が大きい。上記の構成によれば、外周のうち配線が延伸されている方向に交わる部分が波形に加工されている場合と比較して、効果的にノイズのレベルを抑制することができる。
[0063]
 また、本発明の一態様に係る多層基板(100、200、300)は、コネクタ(4)とIC(1)とを更に備え、前記配線は、前記コネクタ(4)と前記IC(1)とを接続する信号ラインの一部(72)である、ことが好ましい。
[0064]
 上記の構成によれば、コネクタとICとの間において信号を伝送する信号ラインに直接的に影響を与え得るノイズのレベルを抑制することができる。したがって、本多層基板は、より効果的にノイズのレベルを抑制することができる。
[0065]
 また、本発明の一態様に係る多層基板(100、200、300)において、前記外周(51、52)は、全周に亘って波形に加工されている、ことが好ましい。
[0066]
 上記の構成によれば、多層基板の外周の全周に対して波形領域が設けられているため、より確実にノイズのレベルを抑制することができる。
[0067]
 また、本発明の一態様に係る多層基板(200、300)において、前記多層基板(200、300)の前記波形に加工された部分は、誘電体層(6、71)により構成されている、ことが好ましい。
[0068]
 多層基板と誘電体層との界面において散乱及び/又は反射されたノイズ同士には、より大きな位相差が生じる傾向がある。したがって、このように位相差が大きなノイズ同士が干渉した場合、位相差が小さなノイズ同士が干渉した場合より、マクロに見た場合のノイズをより強く抑制することができる。したがって、本多層基板は、誘電体層により構成された波形領域を備えていない場合と比較して、より効果的にノイズのレベルを抑制することができる。
[0069]
 また、本発明の一態様に係る多層基板(200、300)において、前記誘電体層(6、71)は、硬化した状態で可撓性を有する樹脂により構成されている、ことが好ましい。
[0070]
 上記の構成によれば、多層基板に対して何らかの外力(例えば振動など)が作用した場合であっても、多層基板と誘電体層との剥がれが生じにくい。多層基板と誘電体層との剥がれが生じた場合、その剥がれた部分から入射したノイズ同士には位相差が生じにくいため、ノイズのレベルを抑制する効果は減少する。本多層基板は、このような剥がれを生じにくくすることができる。したがって、本多層基板は、何らかの外力が作用し得る環境においても、長い間に亘ってノイズのレベルを抑制することができる。
[0071]
 また、本発明の一態様に係る多層基板アレイ(400)は、本発明の一態様に係る多層基板(100、200、300)を複数備え、前記複数の多層基板(100、200、300)が同一平面に沿って並べられている。
[0072]
 また、本発明の一態様に係る送受信モジュールは、本発明の一態様に係る多層基板と、ICと、前記ICに接続されたアンテナと、を備え、前記配線は、前記ICと前記アンテナとを接続する信号ラインの一部である。
[0073]
 上述のように構成された多層基板アレイ及び送受信モジュールも本発明の範疇に含まれる。これらの多層基板アレイ及び送受信モジュールは、本発明の一態様に係る多層基板と同様の効果を得ることができる。
[0074]
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

符号の説明

[0075]
100,200,300,600 多層基板
103,603 配線層群
103A~103D,603A~603D 配線層
72,31~3g 配線
4 コネクタ
51,52 多層基板の外周
6,71 誘電体層
400 多層基板アレイ
110,210,310,410,610 送受信モジュール

請求の範囲

[請求項1]
 内層に配線が設けられた多層基板において、当該多層基板の外周の少なくとも一部が波形に加工されている、
ことを特徴とする多層基板。
[請求項2]
 前記波形は、前記多層基板を平面視したときに滑らかな曲線により構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の多層基板。
[請求項3]
 前記外周のうち、前記配線が延伸されている方向に沿う部分が波形に加工されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層基板。
[請求項4]
 コネクタとICとを更に備え、
 前記配線は、前記コネクタと前記ICとを接続する信号ラインの一部である、
ことを特徴とする請求項3に記載の多層基板。
[請求項5]
 前記外周は、全周に亘って波形に加工されている、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の多層基板。
[請求項6]
 前記多層基板の前記波形に加工された部分は、誘電体層により構成されている、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の多層基板。
[請求項7]
 前記誘電体層は、硬化した状態で可撓性を有する樹脂により構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の多層基板。
[請求項8]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の多層基板を複数備え、
 前記複数の多層基板が同一平面に沿って並べられている、
ことを特徴とする多層基板アレイ。
[請求項9]
 請求項1~3のいずれか1項に記載の多層基板と、
 ICと、前記ICに接続されたアンテナと、を備え、
 前記配線は、前記ICと前記アンテナとを接続する信号ラインの一部である、
ことを特徴とする送受信モジュール。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]