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1. (WO2018193492) 処置具
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明 細 書

発明の名称 処置具

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : 処置具

技術分野

[0001]
 本発明は、エネルギーによって生体組織を処置する処置具に関する。

背景技術

[0002]
 日本の特開2013-34568号(特許文献1)には、一般的な治療用処置装置が開示されている。この治療用処置装置では、発熱チップの抵抗値に基づいて発熱チップの温度を算出する。これによって、シートヒータの温度を求めなくとも、発熱チップに投入された電力値に基づいてシートヒータの温度を制御することができる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-34568号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ヒータのような発熱体を処置具に用いる場合に、発熱体中に温度ムラを生じる場合がある。温度ムラを生じている箇所では、安定した処置成果を得られない場合があり、温度ムラを是正した処置具が望まれていた。一方で、ロッド状の発熱体の基端側の一部によって生体組織を切除したり、発熱体の先端側の一部を用いて切除したりすることがある。しかしながら、発熱体の一部で生体組織の切除を行うようにすると、生体組織に接していない発熱体の他の部分で空出力となり、当該部分に過加熱を生じる可能性ある。当該過加熱により、処置具の劣化を早める可能性がある。このため、過加熱を防止した処置具も望まれていた。したがって、処置対象に応じて処置部における熱の分布を自在にコントロールすることが可能な処置具が望まれていた。
[0005]
 本発明の目的は、熱の分布を自在にコントロールできる処置具を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る処置具は、生体組織と接触するブレード部と、ヒータと、前記ブレード部と前記ヒータとの間でこれらに接するように設けられ、前記ブレード部の長手方向に熱伝導率が高く、前記長手方向と交差する幅方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある熱伝導部材と、を備える。

発明の効果

[0007]
 上記の構成によれば、熱の分布を自在にコントロールできる処置具を提供できる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、第1実施形態の処置具の全体構成を示した模式図である。
[図2] 図2は、図1に示すF2-F2線に沿った断面図である。
[図3] 図3は、図2に示す熱伝導部材を示す斜視図である。
[図4] 図4は、第2実施形態の処置具を処置部の長手方向と交差する面で切断して示す断面図である。
[図5] 図5は、図4に示す第2熱伝導部材を示す斜視図である。
[図6] 図6は、第2実施形態の変形例に係る処置具を長手方向と交差する面で切断して示す断面図である。
[図7] 図7は、図6に示す第2熱伝導部材を製造する工程を模式的に示す模式図である。
[図8] 図8は、第3実施形態の処置具の長手方向と交差する面で切断して示した断面図である。
[図9] 図9は、図8に示す処置具のF9-F9線に沿った断面図である。
[図10] 図10は、第3実施形態の処置具のブレード部の先端部、基端部、中央部における時間経過に対する温度上昇を示したグラフである。
[図11] 図11は、第3実施形態の第1変形例の処置具をヒータ側から示した平面図である。
[図12] 図12は、第3実施形態の第2変形例の処置具を側方から示した側面図である。
[図13] 図13は、図12に示す熱伝導部材およびブレード部を示す斜視図である。
[図14] 図14は、第4実施形態の処置具を幅方向と交差する面で切断して示した断面図である。
[図15] 図15は、第4実施形態の第1変形例の処置具をヒータ側から示した平面図である。
[図16] 図16は、第4実施形態の第2変形例の処置具を側方から示した側面図である。
[図17] 図17は、図16に示す熱伝導部材およびブレード部を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 [第1実施形態]
 第1実施形態にかかる処置具について、図1乃至図3を参照して説明する。
[0010]
 図1に示すように、処置具11(医療機器、熱処置具)は、ハンドピース12と、電源ユニット13と、ハンドピース12と電源ユニット13とを接続するケーブル14と、電源ユニット13に接続されてエネルギー出力のオンオフを切り替えるためのフットスイッチ15(スイッチ)を備える。
[0011]
 図1から図3に示すように、ハンドピース12は、外殻を構成するケース16と、ケース16に対して固定的に設けられた固定ハンドル17と、ケース16に対して回動できる可動ハンドル18と、ケース16に対して回転可能に取り付けられた筒状部21(外シース)と、筒状部21の先端側に設けられたロッド状の処置部22と、処置部22に対して係合したり処置部22から分離したり可能に筒状部21の先端側に取り付けられたロッド状の第2処置部23と、筒状部21の内部に設けられ第2処置部23を回動させる際に進退される第2筒状部24(内シース)と、を備える。本実施形態では、ブレード部25の長手方向Lに平行な2方向の一方を先端方向L1とし、先端方向とは反対方向を基端方向L2としている。また、筒状部21の中心軸をCとしている。ブレード部25の長手方向Lは、筒状部21の中心軸Cに沿う方向でもある。さらに、ブレード部25の長手方向Lに交差する方向をブレード部25の幅方向Wとし、ブレード部25、熱伝導部材26、ヒータ27を貫く方向をブレード部25の厚さ方向Tとして以下説明を進める。
[0012]
 フットスイッチ15は、術者がこれを操作することで、処置対象の生体組織に対するエネルギー(熱エネルギーおよび高周波電流エネルギー)投入のオンオフを切り替えることができる。フットスイッチ15は、第1スイッチ15Aと、第2スイッチ15Bとを含んでいてもよい。例えば、第1スイッチ15Aは、いわゆる凝固モードに対応しており、例えば生体組織の凝固および血管のシールに適した高周波エネルギーのみの出力を行う。例えば、第2スイッチ15Bは、いわゆる凝固・切開モードに対応しており、例えば生体組織の凝固および切開または血管のシールおよび切開に適した熱エネルギーおよび高周波エネルギーの出力を行う。
[0013]
 図1、図2に示すように、第2処置部23は、例えば金属材料等によって略くちばし状に形成された第2処置部本体28と、第2処置部本体28に取り付けられた電極支持部31と、電極支持部31の一部に設けられた当接部32と、当接部32を間に挟んだ両側に設けられる一対の電極33と、を有する。第2処置部本体28は、第2処置部23の外殻を構成するとともに、第2処置部23の処置部22と対向する側とは反対側を覆っている。電極支持部31および当接部32は、耐熱性および滑り性の有する合成樹脂材料(例えば、PTFE等)によって形成される。当接部32は、ブレード部25に向けて突出している。当接部32は、断面アーチ形に形成され、ブレード部25の頂部25Aに当接することができる。電極33のそれぞれは、銅等の一般的な金属材料で形成される。電極33のそれぞれは、生体組織に高周波電流を流すためのバイポーラ電極の一方として機能できる。電極33のそれぞれは、第2筒状部24の内側に通された電線(第1電線の一方)を介して電源ユニット13の後述する高周波電流供給回路41と電気的に接続される。
[0014]
 第2処置部23(ジョー)は、筒状部21の先端に固定された第1ピン34に回動可能に支持され、第1ピン34を中心に処置部22に係合したり処置部22から分離したりできる。第2処置部23は、第2筒状部24の先端側に連結された第2ピン35を有する。ユーザが可動ハンドル18を握って可動ハンドル18を固定ハンドル17側に回動させると、筒状部21に対して第2筒状部24が進退する。第2筒状部24が進退する力が第2ピン35を介して第2処置部23に伝達され、処置部22に対して第2処置部23が開閉される。
[0015]
 処置部22は、例えば金属材料によって形成された処置部本体36と、生体組織に接触する部分を構成するブレード部25と、ブレード部25を加熱するためのヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間でこれらに接するように設けられた熱伝導部材26と、を有する。処置部本体36は、処置部22の外殻を構成するとともに、処置部22のブレード部25側とは反対側に位置する背面37を構成する。
[0016]
 ブレード部25は、熱によって生体組織を凝固・切開する部分を構成するととともに、高周波電流を生体組織に流すための電極(バイポーラ電極の他方)を兼ねている。ブレード部25は、銅やアルミ等、熱伝導性および導電性の良好な金属材料によって形成される。ブレード部25は、処置部22の長さと略同じ長さの細長い板状に形成される。処置部本体36は、筒状部21と一体的に形成されてもよい。ブレード部25は、第2筒状部24の内側に通された電線(第1電線の他方)を介して電源ユニット13の後述する高周波電流供給回路41と電気的に接続される。
[0017]
 ヒータ27は、いわゆる抵抗(電熱線)で構成され、例えば基材となるポリイミドのフィルム上に所定のパターン(直線と曲線を組み合わせたパターン)で形成された金属箔で構成されている。金属箔は、例えば、銅やステンレス鋼等で構成されることが好ましい。ヒータ27は、ポリイミドとともにシート状をなしたシートヒータで構成される。ヒータ27の一対の端子は、第2筒状部24の内側に通された一対の電線(第2電線)を介して電源ユニット13の後述するヒータ駆動回路42と電気的に接続される。
[0018]
 熱伝導部材26は、処置部22(ブレード部25)の長手方向Lの長さと略同じ長さを有する。言い換えると、熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、長手方向Lに沿う方向に細長く延びたブロック状に形成される。熱伝導部材26は、ブレード部25の長手方向Lに熱伝導率が高く、長手方向Lと交差する幅方向Wに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性を有する。さらに熱伝導部材26は、幅方向Wと交差する面の面方向に熱伝導率が高く、長手方向Lと交差する幅方向Wに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある。
[0019]
 図3に示すように、熱伝導部材26は、炭素を主成分とする材料で形成されたシート43を積層してブロック状に形成されている。シート43のそれぞれは、ブレード部25の幅方向Wと交差する面の面方向に延びる。シート43は、グラファイトで形成されることが好ましいが、それ以外の炭素を主成分とする材料、例えばカーボンファイバー、カーボンナノチューブ等で構成したシート等であってもよい。熱伝導部材26は、複数のシート43を接着するか或いは互いに突き合わされた状態で焼成することでブロック状に形成(一体化)できる。グラファイトで構成される場合の一枚のシート43の厚さは、例えば、数μmから数百μmである。シート43がグラファイトで構成される場合に、シート43の面方向の熱伝導率は、例えば1500W/mK程度である。この数値は、例えば熱伝導性が良好といわれるアルミニウムの熱伝導率200W/mK程度と比べても著しく高い熱伝導率を有する。シート43がグラファイトで構成される場合に、シート43の面と交差(直交)する方向の熱伝導率は、例えば、5~10W/mK程度であり、合成樹脂等と同等程度の熱伝導率を有する。
[0020]
 図1に示すように、電源ユニット13は、制御部44を有している。制御部44は、プリント配線板と、プリント配線板に実装されたCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリと、を含んで実現される。機能的には、制御部44は、ヒータ駆動回路42と、高周波電流供給回路41と、これらを制御する主制御部45と、を有している。主制御部45は、ヒータ駆動回路42からのヒータ27への電流の供給と、高周波電流供給回路41からの高周波電流の供給と、を制御することができる。術者によってフットスイッチ15の第1スイッチ15Aが操作されると、制御部44は、高周波電流供給回路41を制御してブレード部25-電極33間に高周波電流を供給する。術者によってフットスイッチ15の第2スイッチ15Bが操作されると、制御部44は、ヒータ駆動回路42を制御してヒータ27に電流を供給するとともに、高周波電流供給回路41を制御してブレード部25-電極33間に高周波電流を供給する。制御部44のヒータ駆動回路42は、ヒータ27の温度が均一になっている前提でヒータ27の温度が一定となるように制御する。
[0021]
 本実施形態の処置具11の作用について説明する。本実施形態の処置具11を用いて処置対象の生体組織に処置をするに先立ち、術者は、患者の皮膚等を貫くことが可能なカニューラ等の円筒形のガイドを用いて、処置対象にアクセスするための経路(ポート)を確保する。
[0022]
 術者は、処置対象部位において、処置部22(ブレード部25)と第2処置部23(当接部32)との間に処置対象の生体組織を挟むことができる。さらに術者は、凝固モードに対応する第1スイッチ15Aを操作することで、ブレード部25と電極33との間に挟んでいる生体組織に対して高周波電流エネルギーを投入できる。これによって、生体組織の凝固および血管のシールを行うことができる。術者は、凝固・切開モードに対応する第2スイッチ15Bを操作することで、熱エネルギーおよび高周波電流エネルギーを生体組織に投入できる。このとき、ヒータ27は、例えば、200℃以上の高い温度にまで上昇する。
[0023]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25と略同じ長さに形成されている。そして、熱伝導部材26を構成するそれぞれのシート43は、その面方向である長手方向Lおよび厚み方向Tについて高い熱伝導率を有する。このため、ヒータ27の熱は、熱伝導部材26によって長手方向Lに広がり、熱伝導部材26内において長手方向Lに関して温度が均一化した熱平衡状態となる。このように長手方向Lに均一に広がった熱は、厚さ方向Tに関しても高い熱伝導率を有する熱伝導部材26によってそのままブレード部25にも伝達される。これによって、ブレード部25に対して均一に熱が伝導され、結果的にブレード部25において温度が均一になる。また、熱伝導部材26に熱を伝導しているヒータ27の温度も熱伝導部材26の作用によって温度が均一に維持される。
[0024]
 例えば、ヒータ27に温度ムラを生じている場合に、例えば制御部44が温度の低い部位を基準に温度を上げるように制御を行うと、ヒータ27の温度が高い部位において過加熱を生じてしまう可能性がある。この場合には、ヒータ27の破損につながる。本実施形態では、ヒータ27の温度が均一に維持されるために、ヒータ27の過加熱による破損を防止することができ、処置具11の信頼性を向上することができる。
[0025]
 本実施形態では、主として高周波電流エネルギーによって生体組織および血管の凝固を行いつつ、主として上記のようにブレード部25に伝えられた熱エネルギーによって生体組織および血管の切開を行うことができる。このように凝固切開モードでは、熱エネルギーおよび高周波電流エネルギーの2種類のエネルギーが投入されることで、これらが挟んでいる生体組織に対して効率よく凝固・切開の処置を行うことができる。
[0026]
 第1実施形態によれば、処置具11は、生体組織と接触するブレード部25と、ヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間でこれらに接するように設けられ、ブレード部25の長手方向Lに熱伝導率が高く、長手方向Lと交差する幅方向Wに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある熱伝導部材26と、を備える。
[0027]
 この構成によれば、熱伝導部材26によってブレード部25の長手方向Lに熱を効率的に伝導することができるとともに、幅方向Wに関して熱が無駄に拡散してしまうことを防止できる。これによって、ブレード部25の長手方向Lに関して温度を均一にすることができ、ブレード部25の先端側L1や基端側L2といった部位ごとに凝固・切開性能がばらついてしまう等の不具合を防止できる。これによって、ブレード部25上で熱の分布を自在にコントロールできる処置具11を提供できる。また、熱伝導部材26の作用によってヒータ27の温度も均一にすることができ、過加熱によるヒータ27の破損を防止して、信頼性の高い処置具11を実現できる。
[0028]
 熱伝導部材26は、幅方向Wと交差する面の面方向に熱伝導率が高く、長手方向Lと交差する幅方向Wに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある。この構成によれば、ブレード部25の長手方向Lと、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tと、の両方向に関して熱伝導率を高くすることができる。これによって、長手方向Lだけでなく、ブレード部25の厚さ方向Tについても熱伝導率を高くして、ヒータ27からブレード部25への熱伝導を効率よく行うことができる。
[0029]
 熱伝導部材26は、幅方向Wと交差する面の面方向に延びる複数のシート43を積層して形成される。この構成によれば、幅方向Wと交差する面の面方向に熱伝導率が高い熱伝導部材26を簡単な構造によって実現できる。
[0030]
 複数のシート43のそれぞれは、炭素を主成分とする材料で構成される。この構成によれば、熱伝導率の良好な炭素を含む材料によって熱伝導部材26のシート43を構成できるために、ヒータ27の熱を長手方向Lおよび厚さ方向Tに効率的に伝導させることができる。これによって、ブレード部25の温度を均一化して、ブレード部25の部位ごとに処置性能に差が出てしまうことを防止できる。
[0031]
 複数のシート43のそれぞれは、グラファイトで形成される。この構成によれば、熱伝導率が極めて良好で、コスト的にも割安なグラファイトによって熱伝導部材26のシート43を構成できる。これによって、処置性能が良好で製造コストも比較的に低価格に維持された処置具11を実現できる。
[0032]
 [第2実施形態] 
 第2実施形態にかかる処置具11について、図4、図5を参照して説明する。第2実施形態の処置具11では、処置部22に第2熱伝導部材51が設けられる点で第1実施形態とは異なっているが他の部分は第1実施形態と共通している。以下では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0033]
 処置部22は、例えば金属材料によって形成された処置部本体36(図1参照)と、生体組織に接触する部分を構成するブレード部25と、ブレード部25を加熱するためのヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間に設けられた熱伝導部材26と、ヒータ27の熱伝導部材26と対向する側とは反対側にヒータ27と接するように設けられた第2熱伝導部材51と、を有する。
[0034]
 第2熱伝導部材51は、処置部22(ブレード部25)の長手方向Lの長さと略同じ長さを有する。言い換えると、第2熱伝導部材51は、長手方向Lに関してブレード部25の全長に亘って設けられている。第2熱伝導部材51は、長手方向Lに沿う方向に細長く延びたブロック状に形成される。第2熱伝導部材51は、ブレード部25の長手方向Lに熱伝導率が高く、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tに熱伝導率が低くなるように、熱伝導率に異方性を有する。さらに、第2熱伝導部材51は、厚さ方向Tと交差する面の面方向に熱伝導率が高く、厚さ方向Tに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある。
[0035]
 図5に示すように、第2熱伝導部材51は、炭素を主成分とする材料で形成された第2シート52を積層してブロック状に形成されている。第2シート52のそれぞれは、厚さ方向Tと交差する面の面方向に延びる。第2シート52は、グラファイトで形成されることが好ましいが、それ以外の炭素を主成分とする材料、例えばカーボンファイバー、カーボンナノチューブ等で構成したシート等であってもよい。グラファイトで構成される場合の一枚の第2シート52の厚さは、例えば、数μmから数百μmである。第2シート52がグラファイトで構成される場合に、第2シート52の面方向の熱伝導率は、例えば1500W/mK程度である。この数値は、例えば熱伝導性が良好といわれるアルミニウムの熱伝導率200W/mK程度と比べても著しく高い熱伝導率を有する。第2シート52がグラファイトで構成される場合に、第2シート52の面と交差(直交)する方向の熱伝導率は、例えば、5~10W/mK程度であり、合成樹脂等と同等程度の熱伝導率を有する。第2熱伝導部材51は、上記した熱伝導部材26の製造方法と同様の方法で製造できる。
[0036]
 本実施形態の処置具11の作用について説明する。第1実施形態と同様に、凝固・切開モードにおいて、熱伝導部材26は、ヒータ27からの熱をブレード部25に対して均一に伝導し、長手方向Lに関してブレード部25において温度を均一にできる。また、熱伝導部材26に熱を伝導しているヒータ27の温度も熱伝導部材26の作用によって長手方向Lに関して温度が均一に維持される。
[0037]
 ヒータ27で発生した熱は、ブレード部25とは反対側にある処置部本体36側に伝えられる。本実施形態では、ブレード部25とは反対側に接着された第2熱伝導部材51によって、ヒータ27から発生した熱を処置部22の長手方向Lおよび幅方向Wに伝導することができる。このように処置部22の長手方向Lおよび幅方向Wに拡散された熱は、再びヒータ27側に戻されて熱伝導部材26を介してブレード部25に伝導される。このとき、厚さ方向Tに関しては、第2熱伝導部材51の第2シート52の配列方向によって、熱伝導率が低く維持されるために、ヒータ27の熱をブレード部25とは反対側にある処置部本体36側(背面37側)に積極的に導いてしまうことがない。このため、処置部本体36側(背面37側)で温度が上昇してしまうことが防止される。
[0038]
 第2実施形態によれば、処置具11は、ヒータ27の熱伝導部材26と対向する側とは反対側にヒータ27と接するように設けられ、長手方向Lに熱伝導率が高く、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある第2熱伝導部材51を備える。
[0039]
 この構成によれば、長手方向Lに関して広い範囲に熱を伝導することができ、当該広い範囲に伝導された熱を再びヒータ27側に戻して活用することができる。これによってヒータ27で発生した熱を効率よく使用することができ省エネルギー化した処置具11を実現できる。また、長手方向Lに関して熱を均一に拡散させることができ、熱の分布を自在にコントロールできる処置具11を提供できる。また、第2熱伝導部材51では、厚さ方向Wに熱伝導率が低くなるようになっているために、第2熱伝導部材51側に伝わった熱をさらに背面37側に積極的に導いてしまうことがない。これによって、ブレード部25とは反対に位置する背面37側の温度が上昇してしまうことを防止して、処置対象部位の周囲にある組織に対する熱的な侵襲の少ない処置具11を実現できる。
[0040]
 第2熱伝導部材51は、厚さ方向Wと交差する面の面方向に熱伝導率が高く、厚さ方向Wに熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある。
[0041]
 この構成によれば、ブレード部25の長手方向Lと、ブレード部25の幅方向Wと、の両方向に関して第2熱伝導部材51の熱伝導率を高くすることができる。これによって、ブレード部25の幅方向Wにも熱を拡散させることができ、当該熱を再びヒータ27側に戻すことができる。これによって、第2熱伝導部材51によって幅方向Wに熱をある程度拡散した状態でヒータ27および熱伝導部材26を経由してブレード部25に熱を伝導させることができ、幅方向Wにもある程度均一に熱を拡散してブレード部25に熱を伝導させることができる。さらに、上記構成によれば、第2熱伝導部材51では、厚さ方向Tに熱伝導率が低くなるようになっているために、ブレード部25とは反対に位置する背面37側の温度が上昇してしまうことを防止できる。
[0042]
 第2熱伝導部材51は、幅方向Wと交差する面の面方向に延びる複数の第2シート52を積層して形成される。この構成によれば、幅方向Wと交差する面の面方向に熱伝導率が高い熱伝導部材26を簡単な構造によって実現できる。
[0043]
 複数の第2シート52のそれぞれは、炭素を主成分とする材料で構成される。この構成によれば、熱伝導率の良好な炭素を含む材料によって熱伝導部材26の第2シートを構成できるために、ヒータ27の熱を長手方向Lおよび厚さ方向Wに効率的に伝導させることができる。これによって、ブレード部25の温度を均一化して、ブレード部25の部位ごとに処置性能に差が出てしまうことを防止できる。
[0044]
 なお、第2熱伝導部材51を構成する第2シート52が延びる方向は、厚さ方向Tと交差する面の面方向に限られるものではない。第2熱伝導部材51を構成する第2シート52が延びる方向は、例えば、熱伝導部材26のシート43の延びる方向と同様に、ブレード部25の幅方向Wと交差する面の面方向に延びていても当然によい。
[0045]
 (第2実施形態の変形例) 
 第2実施形態の変形例にかかる処置具について、図6、図7を参照して説明する。第3実施形態の処置具11では、第2熱伝導部材51の構成が上記第2実施形態とは異なっているが他の部分は第2実施形態と共通している。以下では、主として第2実施形態と異なる部分について説明し、第2実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0046]
 処置部22は、例えば金属材料によって形成された処置部本体36(図1参照)と、生体組織に接触する部分を構成するブレード部25と、ブレード部25を加熱するためのヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間に設けられた熱伝導部材26と、ヒータ27の熱伝導部材26と対向する側とは反対側にヒータ27に接するように設けられた第2熱伝導部材51と、を有する。
[0047]
 第2熱伝導部材51は、ブレード部25の長手方向Lの長さと略同じ長さを有する。言い換えると、第2熱伝導部材51は、長手方向Lに関してブレード部25の全長に亘って設けられている。第2熱伝導部材51は、長手方向Lに沿う方向に細長く延びたブロック状に形成される。第2熱伝導部材51は、(1)ブレード部25の長手方向Lに熱伝導率が高く、(2)ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tに関して、ヒータ27に向かう方向には熱伝導率が高く、ヒータ27から遠ざかる方向には熱伝導率が低くなるように、熱伝導率に異方性を有する。
[0048]
 図6に示すように、第2熱伝導部材51は、炭素を主成分とする材料で形成された第2シート52を積層してブロック状に形成されている。第2シート52のそれぞれは、ヒータ27から遠ざかる方向に凸になったU字形に延びる。このため、本変形例では、第2シート52は、ヒータ27から遠ざかる方向に凸になったU字形の凹面に沿って熱伝導率が高い。一方、第2シート52は、U字形の凹面を貫通する方向には熱伝導率が低い。このため、第2熱伝導部材51は、このような熱伝導率の異方性を有する。
[0049]
 第2シート52は、グラファイトで形成されることが好ましいが、それ以外の炭素を主成分とする材料、例えばカーボンファイバー、カーボンナノチューブ等で構成したシート等であってもよい。グラファイトで構成される場合の一枚の第2シート52の厚さは、例えば、数μmから数百μmである。第2シート52がグラファイトで構成される場合に、第2シート52の面方向の熱伝導率は、例えば1500W/mK程度である。第2シート52がグラファイトで構成される場合に、第2シート52の面と交差(直交)する方向の熱伝導率は、例えば、5~10W/mK程度であり、合成樹脂等と同等程度である。
[0050]
 本変形例の第2熱伝導部材51は、例えば、図7に示すように、複数の第2シート52(グラファイト)を厚み方向に重ねてこれをU字形に湾曲させ、この状態で第2シート52同士を接着ないし焼成で一体化することで、図6に示すようなブロック状に形成できる。
[0051]
 本変形例の処置具11の作用について説明する。第1実施形態と同様に、凝固・切開モードにおいて、熱伝導部材26は、ヒータ27からの熱をブレード部25に対して均一に伝導し、長手方向Lに関してブレード部25において温度を均一にできる。また、熱伝導部材26に熱を伝導しているヒータ27の温度も熱伝導部材26の作用によって長手方向Lに関して温度が均一に維持される。
[0052]
 ヒータ27で発生した熱は、ブレード部25とは反対側にある処置部本体36側(背面37側)にも伝えられる。本実施形態では、ブレード部25とは反対側に接着された第2熱伝導部材51によって、ヒータ27から発生した熱をブレード部25の長手方向Lに伝導することができる。このようにブレード部25の長手方向Lに拡散された熱は、再びヒータ27側に戻されて熱伝導部材26を介してブレード部25に伝導される。一方、ヒータ27から出て長手方向Lではなく背面37側に向かう熱は、第2熱伝導部材51の熱伝導率の異方性によって、図6に二点鎖線の矢印で示すように一旦背面37側に向かった後に、U字形を描いて再びヒータ27に戻される。このような経路でヒータ27に戻された熱は、熱伝導部材26を介してブレード部25に伝達される。このため、ヒータ27から出て背面37側に向かう熱がそのまま背面37側に伝導されてしまうことはない。したがって、ヒータ27から遠ざかる方向に関しては結果的に熱伝導率が低く維持される。
[0053]
 このように本変形例では、厚さ方向Tに関しては、第2熱伝導部材51の第2シート52がU字形をなして重ねられ、ヒータ27から遠ざかる方向には熱伝導率が低くなるように設計されるために、ヒータ27の熱をブレード部25とは反対側にある処置部本体36側(背面37側)に積極的に導いてしまうことがない。このため、処置部本体36側(背面37側)で温度が上昇してしまうことが防止される。
[0054]
 本変形例によれば、処置具11は、ヒータ27の熱伝導部材26と対向する側とは反対側にヒータ27と接するように設けられ、(1)長手方向Lに熱伝導率が高く、(2)ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向に関して、ヒータ27に向かう方向には熱伝導率が高く、ヒータ27から遠ざかる方向には熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある第2熱伝導部材51を備える。この構成によれば、長手方向Lに関して熱を広い範囲に伝導することができ、当該広い範囲に伝導された熱を再びヒータ27側に戻して活用することができる。これによってヒータ27で発生した熱を効率よく使用することができ省エネルギー化した処置具11を実現できる。また、第2熱伝導部材51では、厚さ方向Tに関して、ヒータ27に向かう方向には熱伝導率が高くヒータ27から遠ざかる方向には熱伝導率が低くなるようになっているために、第2熱伝導部材51側に伝わった熱をヒータ27側に戻すようにすることができ、当該熱をさらに背面37側に積極的に導いてしまうことがない。これによって、ブレード部25とは反対に位置する背面37側の温度が上昇してしまうことを防止して、処置対象部位の周囲にある組織に対する熱的な侵襲の少ない処置具11を実現できる。
[0055]
 第2熱伝導部材51は、ヒータ27から遠ざかる方向に凸になったU字形の凹面に沿って熱伝導率が高く、前記U字形の凹面を貫通する方向には熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある。この構成によれば、ブレード部25の長手方向Lと、ヒータ27から遠ざかる方向に凸になったU字形の凹面に沿う方向と、の両方向に関して第2熱伝導部材51の熱伝導率を高くすることができる。これによって、ブレード部25の長手方向Lに熱を拡散させるだけでなく、ブレード部25とは反対の背面37側でヒータ27から遠ざかる方向に向かう熱を再びヒータ27側に戻すことができる。これによって、長手方向Lに関してブレード部25およびヒータ27の温度を均一にできるとともに、背面37側に向かう熱をヒータ27に再び戻すことで当該熱を有効に利用することができる。熱の利用効率を向上することで省エネルギー化した処置具11を実現できる。さらに、上記構成によれば、第2熱伝導部材51では、U字形の凹面を貫通する方向には熱伝導率が低くなるようになっているために、ブレード部25とは反対に位置する背面37側の温度が上昇してしまうことを防止できる。
[0056]
 第2熱伝導部材51は、ヒータ27から遠ざかる方向に凸になったU字形に延びる複数の第2シート52を積層して形成される。この構成によれば、ヒータ27から遠ざかる方向に凸になったU字形の凹面に沿って熱伝導率が高い熱伝導部材26を簡単な構造によって実現できる。
[0057]
 [第3実施形態] 
 第3実施形態にかかる処置具11について、図8から図10を参照して説明する。第2実施形態の処置具11では、処置部22の熱伝導部材26の構成が第1実施形態とは異なっているが他の部分は第1実施形態と共通している。以下では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0058]
 処置部22は、例えば金属材料によって形成された処置部本体36と、生体組織に接触する部分を構成するブレード部25と、ブレード部25を加熱するためのヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間に設けられた熱伝導部材26と、を有する。ブレード部25は、熱によって生体組織を凝固・切開する部分を構成するととともに、高周波電流を生体組織に流すための電極(バイポーラ電極の他方)を兼ねている。
[0059]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の略全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、熱伝導性および絶縁性のある両面接着シートで構成される。両面接着シートである熱伝導部材26の基材部分は、合成樹脂材料等で構成される。熱伝導部材26は、両面に接着面を有しブレード部25とヒータ27とを接着することができる。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1に設けられ先端側L1に行くにつれて厚さ方向Tに関する寸法が大きくなった(第1厚さ寸法を有する)第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に設けられ基端側L2に行くにつれて厚さ方向Tに関する寸法が小さくなった(第2厚さ寸法を有する)第2部分26Bと、を有する。また、平行平面板の熱伝導の計算に関し、フーリエの法則から熱流束qは、
q=λ・Δθ/D … 式(1)
であることが知られている。これは、毎秒1m の板を通って流れる熱量が熱伝導率λおよび両面の温度差Δθに比例し、板の厚さDに反比例することを示している。このため、本実施形態の熱伝導部材26を通る熱量は、厚さが大きい長手方向Lの先端側L1において小さく、厚さが小さい長手方向Lの基端側L2において大きくなる。
[0060]
 本実施形態の処置具11の作用について説明する。第1実施形態と同様に、凝固・切開モードにおいて、ヒータ27からの熱が熱伝導部材26を介してブレード部25に伝達される。このとき、図10に示すように、長手方向Lに関し、単位時間あたりに伝導される熱量が大きいブレード部25の基端部(第2部分26B)は、短い時間で素早く目標値である200℃前後にまで到達する。一方、長手方向Lに関し、単位時間あたりに伝導される熱量が小さいブレード部25の先端部(第1部分26A)は、基端部で目標値に到達する時間よりも長い時間をかけて遅れて目標値である200℃前後にまで到達する。長手方向Lに関してブレード部25の中間部は、基端部が目標値に到達する時間と先端部が目標値に到達する時間との中間の時間で、目標値である200℃前後にまで到達する。
[0061]
 この結果、第2処置部23の当接部32と処置部22のブレード部25との間に生体組織を挟んでこれを凝固または切開する際に、ブレード部25の基端側から先に生体組織を切開することができる。一方、ブレード部25の先端側では、ブレード部25の基端側での切開開始よりも時間的に遅れたタイミングで生体組織が切開される。ブレード部25の中間部では、ブレード部25の基端側での切開開始のタイミングと、ブレード部25の先端側での切開開始のタイミングと、の中間のタイミングで切開が開始される。以上より、本実施形態の処置具11で生体組織を切開したときの操作感は、はさみで物を切断するときの操作感に類似したものとなる。
[0062]
 本実施形態によれば、処置具11は、生体組織と接触するブレード部25と、ヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間でこれらに接するように設けられた熱伝導部材26であって、ブレード部25の長手方向Lの先端側L1に設けられヒータ27からブレード部25に向けて単位時間あたり所定の熱量で熱伝導する第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に設けられヒータ27からブレード部25に向けて単位時間あたり前記所定の熱量とは異なる熱量で熱伝導する第2部分26Bと、を有する熱伝導部材26と、を備える。
[0063]
 この構成によれば、長手方向Lの先端側L1の第1部分26Aと基端側L2の第2部分26Bとの間で単位時間当たりに伝導される熱量に差を持たせることができる。これによって、処置対象の生体組織(臓器、筋肉)の種類や処置の状況に応じて、第1部分26Aおよび第2部分26Bのそれぞれに供給する熱量を自在にコントロールすることができる。これによって、処置対象の生体組織や処置状況に応じて熱の分布を自在にコントロールでき、理想的な凝固・切開性能を得ることができるユーザフレンドリーな処置具11を実現できる。
[0064]
 この場合、第1部分26Aは、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tに関して第1厚さ寸法を有し、第2部分26Bは、厚さ方向Tに関して前記第1厚さ寸法よりも小さい第2厚さ寸法を有する。この構成によれば、単位時間あたりに第1部分26Aを通過する熱量を小さくし、単位時間あたりに第2部分26Bを通過する熱量を大きくする構成を極めて簡単な構造で実現できる。これによって、処置状況に応じて理想的な凝固・切開性能を得ることができる処置具を実現できる。
[0065]
 (第3実施形態の第1変形例) 
 第3実施形態の第1変形例にかかる処置具について、図11を参照して説明する。第1変形例の処置具11では、熱伝導部材26の構成が上記第3実施形態とは異なっているが他の部分は第3実施形態と共通している。以下では、主として第3実施形態と異なる部分について説明し、第3実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0066]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の略全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、熱伝導性および絶縁性のある両面接着シートで構成される。熱伝導部材26は、第3実施形態とは異なり、全体を通して略一定の厚みを有する。両面接着シートである熱伝導部材26の基材部分は、合成樹脂材料等で構成される。熱伝導部材26は、両面に接着面を有しブレード部25とヒータ27とを接着することができる。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1に設けられ先端側L1に行くにつれて幅方向Wに関する寸法が大きくなった(第1幅寸法を有する)第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に設けられ基端側L2に行くにつれて幅方向Wに関する寸法が小さくなった(第2幅寸法を有する)第2部分26Bと、を有する。
[0067]
 本変形例の処置具11の作用について説明する。熱伝導部材26は、長手方向Lの基端側L2において断面積が小さくなっている。そして、熱伝導部材26は、基端側L2において幅狭となっているためにブレード部25の中心軸Dに熱が集中する。このため、基端側のブレード部25によって繰り返し生体組織を凝固または切開する場合であっても、基端側のブレード部25の温度を低下しにくくできる。一方、熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1において断面積が大きく(熱負荷が大きく)なっている。このため、ブレード部25の先端側において、熱伝導部材26の第2部分26Bが常に熱負荷として存在する。したがって、制御部44によって、ブレード部25(ヒータ27)の基端側を基準に温度を一定に維持する制御を行った場合でも、ブレード部25の先端側において過加熱を生じてヒータ27が破損してしまうことを防止できる。
[0068]
 本変形例によれば、第1部分26Aは、長手方向Lと交差する幅方向Wに関して第1幅寸法を有し、第2部分26Bは、幅方向Wに関して前記第1幅寸法よりも小さい第2幅寸法を有する。この構成によれば、幅広の先端側L1でブレード部25の広い範囲に熱を拡散させ、幅狭の基端側L2でブレード部25の中心軸Dに熱が集中する構造を簡単に実現できる。これによって、処置対象の生体組織や処置状況に応じて熱の分布を自在にコントロールでき、処置状況に応じて理想的な凝固・切開性能を得ることができる処置具11を実現できる。
[0069]
 (第3実施形態の第2変形例) 
 第3実施形態の第2変形例にかかる処置具11について、図12、図13を参照して説明する。第2変形例の処置具11では、熱伝導部材26の構成が上記第3実施形態とは異なっているが他の部分は第3実施形態と共通している。以下では、主として第3実施形態と異なる部分について説明し、第3実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0070]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の略全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、長手方向Lに沿う方向に細長く延びたブロック状に形成される。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1に位置する第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に位置する第2部分26Bと、これらの間に位置する第3部分26Cと、を有する。熱伝導部材26の第1~第3部分26A~26Cは、炭素を主成分とする材料で形成されたシート43を積層してブロック状に形成されている。第1部分26Aのシート43のそれぞれは、例えばブレード部25の厚さ方向Tと交差する面の面方向に延びる。第2部分26Bのシート43のそれぞれは、例えばブレード部25の幅方向Wと交差する面の面方向に延びる。第3部分26Cは、例えば第1部分26Aと同様のシート43の延びる方向をとる部分と、第2部分26Bと同様のシート43の延びる方向をとる部分と、を組み合わせて形成される。熱伝導部材26の第1~第3部分26A~26Cは、第1実施形態の熱伝導部材26と同じ方法で製造できる。
[0071]
 第1~第3部分26A~26Cに含まれるシート43は、グラファイトで形成されることが好ましいが、それ以外の炭素を主成分とする材料、例えばカーボンファイバー、カーボンナノチューブ等で構成したシート等であってもよい。
[0072]
 第1~第3部分26A~26Cは、シート43の面方向に熱伝導率が高く、シート43を貫く方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性を有する。このため、第1部分26Aは、厚さ方向Tに関して熱伝導率が低くなっている。一方、第2部分26Bは、厚さ方向Tに関して熱伝導率が高くなっている。第3部分26Cは、第1部分26Aと第2部分26Bの中間の性質を有する。
[0073]
 本実施形態の処置具11の作用について説明する。第1実施形態と同様に、凝固・切開モードにおいて、ヒータ27からの熱が熱伝導部材26を介してブレード部25に伝達される。このとき、熱伝導部材26の第1部分26Aでは、その熱伝導率に比例して単位時間当たりの熱伝導量が小さくなる。一方、熱伝導部材26の第2部分26Bでは、その熱伝導率に比例して単位時間当たりの熱伝導量が第1部分26Aよりも大きくなる。また、熱伝導部材26の第2部分26Bでは、ブレード部25の幅方向Wに熱が無駄に広がることがない。熱伝導部材26の第3部分26Cでは、熱伝導量は、第1部分26Aの熱伝導量と第2部分26Bの熱伝導量との中間的な値となる。
[0074]
 この結果、長手方向Lにおける基端側において、第2処置部23の当接部32と処置部22のブレード部25との間に生体組織を挟んで、繰り返し生体組織を凝固または切開する場合であっても、基端側のブレード部25の温度を低下しにくくできる。これによって、基端側のブレード部25によって、頻繁に凝固または切開を行う処置が可能となる。一方、長手方向Lの先端側で、ブレード部25の温度上昇は、基端側よりも遅くなり、熱伝導部材26の第1部分26Aが常に熱負荷として存在することを意味する。この構造によって、生体組織が存在しない状態でヒータ27の温度が上昇し続けるという空出力(過加熱)が防止される。このため、制御部44によって、ブレード部25(ヒータ27)の基端側を基準に温度を一定に維持する制御を行った場合でも、ブレード部25の先端側において過加熱を生じてヒータ27が破損してしまうことを防止できる。
[0075]
 本変形例によれば、第1部分26Aは、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tに対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成され、第2部分26Bは、長手方向Lと交差する幅方向Wに対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成される。この構成によれば、単位時間あたりに第1部分26Aを通過する熱量を小さくし、単位時間あたりに第2部分26Bを通過する熱量を大きくする構成を極めて簡単な構造で実現できる。これによって、処置状況に応じて理想的な凝固・切開性能を得ることができる処置具を実現できる。
[0076]
 [第4実施形態] 
 第4実施形態にかかる処置具について、図14を参照して説明する。第4実施形態の処置具では、熱伝導部材26の構成が第1実施形態とは異なっているが他の部分は第1実施形態と共通している。以下では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0077]
 処置部22は、例えば金属材料によって形成された処置部本体36と、生体組織に接触する部分を構成するブレード部25と、ブレード部25を加熱するためのヒータ27と、ブレード部25とヒータ27との間に設けられた熱伝導部材26と、を有する。ブレード部25は、熱によって生体組織を凝固・切開する部分を構成するととともに、高周波電流を生体組織に流すための電極(バイポーラ電極の他方)を兼ねている。
[0078]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の略全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、熱伝導 性および絶縁性のある両面接着シートで構成される。両面接着シートである熱伝導部材26の基材部分は、合成樹脂材料等で構成される。熱伝導部材26は、両面に接着面を有しブレード部25とヒータ27とを接着することができる。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1に設けられ先端側L1に行くにつれて厚さ方向Tに関する寸法が小さくなった(第1厚さ寸法を有する)第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に設けられ基端側L2に行くにつれて厚さ方向Tに関する寸法が大きくなった(第2厚さ寸法を有する)第2部分26Bと、を有する。このため、本実施形態の熱伝導部材26を通る単位時間当たりの熱量は、上記式(1)から、厚さが小さい長手方向Lの先端側L1において大きく、厚さが大きい長手方向Lの基端側L2において小さくなる。
[0079]
 本実施形態の処置具11の作用について説明する。第1実施形態と同様に、凝固・切開モードにおいて、ヒータ27からの熱が熱伝導部材26を介してブレード部25に伝達される。このとき、長手方向Lに関し、単位時間あたりに伝導される熱量が大きいブレード部25の先端部(第1部分26A)は、短い時間で素早く目標値である200℃前後にまで到達する。一方、長手方向Lに関し、単位時間あたりに伝導される熱量が小さいブレード部25の基端部(第2部分26B)は、先端部で目標値に到達する時間よりも長い時間をかけて遅れて目標値である200℃前後にまで到達する。言い換えると、ヒータ27に接続される熱負荷としての熱伝導部材26は、基端部において容積が大きくなる。長手方向Lに関してブレード部25の中間部は、基端部が目標値に到達する時間と先端部が目標値に到達する時間との中間の時間で、目標値である200℃前後にまで到達する。
[0080]
 この結果、長手方向Lにおける先端側において、第2処置部23の当接部32と処置部22のブレード部25との間に生体組織を挟んで、繰り返し生体組織を凝固または切開する場合であっても、先端側のブレード部25の温度を低下しにくくできる。これによって、先端側のブレード部25によって、頻繁に凝固または切開を行う処置が可能となる。一方、長手方向Lの基端側で、ブレード部25の温度上昇は、先端側よりも遅くなる。これはすなわち、ブレード部25の基端側において、熱伝導部材26の第2部分26Bが常に熱負荷として存在することを意味する。この構造によって、生体組織が存在しない状態でヒータ27の温度が上昇し続けるという空出力(過加熱)が防止される。このため、制御部44によって、ブレード部25(ヒータ27)の先端側を基準に温度を一定に維持する制御を行った場合でも、ブレード部25の基端側において過加熱を生じてヒータ27が破損してしまうことを防止できる。
[0081]
 本実施形態によれば、第1部分26Aは、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向Tに関して第1厚さ寸法を有し、第2部分26Bは、厚さ方向Tに関して前記第1厚さ寸法よりも大きい第2厚さ寸法を有する。この構成によれば、単位時間あたりに第1部分26Aを通過する熱量を大きくして、ブレード部25の先端での繰り返しの切開・凝固の処置を可能とすること、および、ヒータ27の基端側で熱負荷を大きくしてこの部分が過加熱で破損することを防止すること、を極めて簡単な構造で実現できる。これによって、処置状況に応じて熱の分布を自在にコントロールでき、理想的な凝固・切開性能を得ることができる処置具11を実現できる。また、ヒータ27を構成する材料の選択肢を広げることができ、その結果コストダウンを実現できる。
[0082]
 (第4実施形態の第1変形例) 
 第4実施形態の第1変形例にかかる処置具について、図15を参照して説明する。第1変形例の処置具11では、熱伝導部材26の構成が上記第4実施形態とは異なっているが他の部分は第4実施形態と共通している。以下では、主として第4実施形態と異なる部分について説明し、第4実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0083]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の略全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、熱伝導性および絶縁性のある両面接着シートで構成される。熱伝導部材26は、第4実施形態とは異なり、全体を通して略一定の厚みを有する。このため、熱伝導部材26の加工性やヒータ27とブレード部25との接着も容易となり、製造コストの低減が図られる。
[0084]
 両面接着シートである熱伝導部材26の基材部分は、合成樹脂材料等で構成される。熱伝導部材26は、両面に接着面を有しブレード部25とヒータ27とを接着することができる。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1に設けられ先端側L1に行くにつれて幅方向Wに関する寸法が小さい第1幅寸法(熱負荷が小さい)を有した第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に設けられ基端側L2に行くにつれて幅方向Wに関する寸法が大きい(熱負荷が大きい)第2幅寸法を有した第2部分26Bと、を有する。
[0085]
 本変形例の処置具11の作用について説明する。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1において断面積が小さくなっている。そして、熱伝導部材26は、先端側L1において幅狭となっているためにブレード部25の中心軸Dに熱が集中する。このため、先端側のブレード部25によって繰り返し生体組織を凝固または切開する場合であっても、先端側のブレード部25の温度を低下しにくくできる。一方、熱伝導部材26は、長手方向Lの基端側L2において断面積が大きくなっており、ブレード部25の基端側において、熱伝導部材26の第2部分26Bが常に熱負荷として存在する。このため、制御部44によって、ブレード部25(ヒータ27)の先端側を基準に温度を一定に維持する制御を行った場合でも、ブレード部25の基端側において過加熱を生じてヒータ27が破損してしまうことを防止できる。以上より、上記第4実施形態と同様の作用を発揮できる。
[0086]
 本変形例によれば、第1部分26Aは、長手方向Lと交差する幅方向Wに関して第1幅寸法を有し、第2部分26Bは、幅方向Wに関して前記第1幅寸法よりも大きい第2幅寸法を有する。この構成によれば、幅広の先端側L1でブレード部25の中心軸Dに熱を集中させブレード部25の先端での繰り返しの切開・凝固の処置を可能とすること、およびヒータ27の基端側で熱負荷を大きくしてこの部分が過加熱で破損することを防止すること、を簡単な構造で実現できる。これによって、処置対象の生体組織や処置状況に応じて熱の分布を自在にコントロールでき、処置状況に応じて理想的な凝固・切開性能を得ることができる処置具11を実現できる。
[0087]
 (第4実施形態の第2変形例) 
 第4実施形態の第2変形例にかかる処置具について、図16、図17を参照して説明する。第2変形例の処置具11では、熱伝導部材26の構成が上記第4実施形態とは異なっているが他の部分は第4実施形態と共通している。以下では、主として第4実施形態と異なる部分について説明し、第4実施形態と共通する部分については図示或いは説明を省略する。
[0088]
 熱伝導部材26は、長手方向Lに関してブレード部25の略全長に亘って設けられている。熱伝導部材26は、長手方向Lに沿う方向に細長く延びたブロック状に形成される。熱伝導部材26は、長手方向Lの先端側L1に位置する第1部分26Aと、長手方向Lの基端側L2に位置する第2部分26Bと、これらの間に位置する第3部分26Cと、を有する。熱伝導部材26の第1~第3部分26A~26Cは、炭素を主成分とする材料で形成されたシート43を積層してブロック状に形成されている。第1部分26Aのシート43のそれぞれは、例えばブレード部25の幅方向Wと交差する面の面方向に延びる。第2部分26Bのシート43のそれぞれは、例えばブレード部25の厚さ方向Tと交差する面の面方向に延びる。第3部分26Cは、例えば第1部分26Aと同様のシート43の延びる方向をとる部分と、第2部分26Bと同様のシート43の延びる方向をとる部分と、を組み合わせて形成される。熱伝導部材26の第1~第3部分26A~26Cは、第1実施形態の熱伝導部材26と同じ方法で製造できる。
[0089]
 第1~第3部分26A~26Cに含まれるシート43は、グラファイトで形成されることが好ましいが、それ以外の炭素を主成分とする材料、例えばカーボンファイバー、カーボンナノチューブ等で構成したシート等であってもよい。熱伝導部材26の第1~第3部分26A~26Cは、複数のシート43を接着するか或いは互いに突き合わされた状態で焼成することでブロック状に形成できる。
[0090]
 第1~第3部分26A~26Cは、シート43の面方向に熱伝導率が高く、シート43を貫く方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性を有する。このため、第1部分26Aは、厚さ方向Tに関して熱伝導率が高くなっている。一方、第2部分26Bは、厚さ方向Tに関して熱伝導率が低くなっている。第3部分26Cは、第1部分26Aと第2部分26Bの中間の性質を有する。
[0091]
 本実施形態の処置具11の作用について説明する。第1実施形態と同様に、凝固・切開モードにおいて、ヒータ27からの熱が熱伝導部材26を介してブレード部25に伝達される。このとき、熱伝導部材26の第1部分26Aでは、その熱伝導率に比例して単位時間当たりの熱伝導量が大きくなる。また、熱伝導部材26の第1部分26Aでは、ブレード部25の幅方向Wに熱が無駄に広がることがない。一方、熱伝導部材26の第2部分26Bでは、その熱伝導率に比例して単位時間当たりの熱伝導量が第1部分よりも小さくなる。熱伝導部材26の第3部分26Cでは、熱伝導量は、第1部分26Aの熱伝導量と第2部分26Bの熱伝導量との中間的な熱伝導量となる。
[0092]
 この結果、長手方向Lにおける先端側において、第2処置部23の当接部32と処置部22のブレード部25との間に生体組織を挟んで、繰り返し生体組織を凝固または切開する場合であっても、先端側のブレード部25の温度を低下しにくくできる。これによって、先端側のブレード部25によって、頻繁に凝固または切開を行う処置が可能となる。一方、長手方向Lの基端側で、ブレード部25の温度上昇は、先端側よりも遅くなり、熱伝導部材26の第2部分26Bが常に熱負荷として存在することを意味する。この構造によって、生体組織が存在しない状態でヒータ27の温度が上昇し続けるという空出力(過加熱)が防止される。このため、制御部44によって、ブレード部25(ヒータ27)の先端側を基準に温度を一定に維持する制御を行った場合でも、ブレード部25の基端側において過加熱を生じてヒータ27が破損してしまうことを防止できる。
[0093]
 本変形例によれば、第1部分26Aは、長手方向Lと交差する幅方向に対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成され、第2部分26Bは、ブレード部25、熱伝導部材26、およびヒータ27を貫く厚さ方向に対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成される。この構成によれば、単位時間あたりに第1部分26Aを通過する熱量を大きくし、単位時間あたりに第2部分26Bを通過する熱量を小さくする構成を極めて簡単な構造で実現できる。これによって、ブレード部25の先端での繰り返しの切開・凝固の処置を可能とすること、およびヒータ27の基端側で熱負荷を大きくしてこの部分が過加熱で破損することを防止すること、を構造を簡単に実現できる。これによって、処置状況に応じて理想的な凝固・切開性能を得ることができる処置具11を実現できる。
[0094]
 本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形実施することができる。さらに、上記各実施形態および各変形例の処置具を組み合わせて一つの処置具を構成することも当然に可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 生体組織と接触するブレード部と、
 ヒータと、
 前記ブレード部と前記ヒータとの間でこれらに接するように設けられ、前記ブレード部の長手方向に熱伝導率が高く、前記長手方向と交差する幅方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある熱伝導部材と、
 を備える処置具。
[請求項2]
 前記熱伝導部材は、前記幅方向と交差する面の面方向に熱伝導率が高く、前記幅方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある請求項1に記載の処置具。
[請求項3]
 前記熱伝導部材は、前記幅方向と交差する面の面方向に延びる複数のシートを積層して形成される請求項2に記載の処置具。
[請求項4]
 前記複数のシートのそれぞれは、炭素を主成分とする材料で構成される請求項3に記載の処置具。
[請求項5]
 前記複数のシートのそれぞれは、グラファイトで形成される請求項4に記載の処置具。
[請求項6]
 前記ヒータの前記熱伝導部材と対向する側とは反対側に前記ヒータと接するように設けられ、前記長手方向に熱伝導率が高く、前記ブレード部、前記熱伝導部材、および前記ヒータを貫く厚さ方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある第2熱伝導部材を備える請求項1に記載の処置具。
[請求項7]
 前記第2熱伝導部材は、前記厚さ方向と交差する面の面方向に熱伝導率が高く、前記厚さ方向に熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある請求項6に記載の処置具。
[請求項8]
 前記第2熱伝導部材は、前記幅方向と交差する面の面方向に延びる複数の第2シートを積層して形成される請求項7に記載の処置具。
[請求項9]
 前記複数の第2シートのそれぞれは、炭素を主成分とする材料で構成される請求項8に記載の処置具。
[請求項10]
 前記ヒータの前記熱伝導部材と対向する側とは反対側に前記ヒータと接するように設けられ、前記長手方向に熱伝導率が高く、前記ブレード部、前記熱伝導部材、および前記ヒータを貫く厚さ方向に関して、前記ヒータに向かう方向には熱伝導率が高く、前記ヒータから遠ざかる方向には熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある第2熱伝導部材を備える請求項1に記載の処置具。
[請求項11]
 前記第2熱伝導部材は、前記ヒータから遠ざかる方向に凸になったU字形の凹面に沿って熱伝導率が高く、前記U字形の凹面を貫通する方向には熱伝導率が低くなるように熱伝導率に異方性がある請求項10に記載の処置具。
[請求項12]
 前記第2熱伝導部材は、前記ヒータから遠ざかる方向に凸になったU字形に延びる複数の第2シートを積層して形成される請求項11に記載の処置具。
[請求項13]
 前記複数の第2シートは、炭素を主成分とする材料で構成される請求項12に記載の処置具。
[請求項14]
 生体組織と接触するブレード部と、
 ヒータと、
 前記ブレード部と前記ヒータとの間でこれらに接するように設けられた熱伝導部材であって、前記ブレード部の長手方向の先端側に設けられ前記ヒータから前記ブレード部に向けて単位時間あたり所定の熱量で熱伝導する第1部分と、前記長手方向の基端側に設けられ前記ヒータから前記ブレード部に向けて単位時間あたり前記所定の熱量とは異なる熱量で熱伝導する第2部分と、を有する熱伝導部材と、
 を備える処置具。
[請求項15]
 前記第1部分は、前記ブレード部、前記熱伝導部材、および前記ヒータを貫く厚さ方向に関して第1厚さ寸法を有し、
 前記第2部分は、前記厚さ方向に関して前記第1厚さ寸法よりも小さい第2厚さ寸法を有する請求項14に記載の処置具。
[請求項16]
 前記第1部分は、前記長手方向と交差する幅方向に関して第1幅寸法を有し、
 前記第2部分は、前記幅方向に関して前記第1幅寸法よりも大きい第2幅寸法を有する請求項14に記載の処置具。
[請求項17]
 前記第1部分は、前記ブレード部、前記熱伝導部材、および前記ヒータを貫く厚さ方向に対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成され、
 前記第2部分は、前記長手方向と交差する幅方向に対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成される請求項14に記載の処置具。
[請求項18]
 前記第1部分は、前記ブレード部、前記熱伝導部材、および前記ヒータを貫く厚さ方向に関して第1厚さ寸法を有し、
 前記第2部分は、前記厚さ方向に関して前記第1厚さ寸法よりも大きい第2厚さ寸法を有する請求項14に記載の処置具。
[請求項19]
 前記第1部分は、前記長手方向と交差する幅方向に関して第1幅寸法を有し、
 前記第2部分は、前記幅方向に関して前記第1幅寸法よりも小さい第2幅寸法を有する請求項14に記載の処置具。
[請求項20]
 前記第1部分は、前記長手方向と交差する幅方向に対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成され、
 前記第2部分は、前記ブレード部、前記熱伝導部材、および前記ヒータを貫く厚さ方向に対して交差する面の面方向に延びる複数のグラファイトシートを積層して形成される請求項14に記載の処置具。
[請求項21]
 前記ブレード部と対向し、前記ブレード部との間で前記生体組織を挟むように当接する当接部を備える請求項14に記載の処置具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]