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1. (WO2018190299) 光検出器
Document

明 細 書

発明の名称 光検出器 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

図面の簡単な説明

0028  

発明を実施するための形態

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 光検出器

関連出願の相互参照

[0001]
 本国際出願は、2017年4月12日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2017-79163号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017-79163号の全内容を参照により本国際出願に援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は、アバランシェ効果を利用した光検出器に関する。

背景技術

[0003]
 従来、アバランシェ効果を利用した光検出器として、アバランシェフォトダイオード(以下、APD)をガイガーモードで動作させて光検出を行う光検出器が知られている。
 ガイガーモードで動作するAPDは、SPADと呼ばれ、逆バイアス電圧としてブレイクダウン電圧よりも高い電圧を印加することにより動作する。なお、SPADは、Single Photon Avalanche Diode の略である。
[0004]
 SPADはフォトンの入射によりブレイクダウンするため、この種の光検出器は、通常、SPADがブレイクダウンしたときの電圧変化を検出して、所定パルス幅のデジタルパルス(以下、パルス信号)を出力するよう構成される。
[0005]
 ところで、このパルス信号の単位時間当たりの出力数であるパルスレートは、周囲の光量に応じて変化することから、光検出器に非常に強い外乱光等が入射した場合には、パルスレートが増大する。そして、パルスレートが増大すると、後段の処理回路に負担がかかり、場合によっては、処理回路の処理能力を超えて、処理回路が飽和状態になることがある。
[0006]
 従って、この種の光検出器を車両に搭載して測距装置に利用する場合には、パルスレートの増大に伴い、測距精度が低下し、場合によっては、測距できなくなることがある。
 このため、この種の光検出器においては、パルスレートが増大する環境下では、SPADを含む受光部の感度を調整して、パルスレートを低下させることが必要であり、そのための装置として、特許文献1に記載の技術が提案されている。
[0007]
 つまり、特許文献1に記載の測距装置では、次回の測距点の光量を、参照受光素子を用いて事前に測定し、その測定した光量に応じて、SPADに印加する逆バイアス電圧等を変化させることで、受光部の感度を調整するように構成されている。
[0008]
 この提案の装置では、測定した光量に応じて受光部の感度を調整することから、次回の測距点で強い外乱光が入射する場合に、受光部の感度を低下させて、受光部から出力されるパルス信号のパルスレートを抑制することができる。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2014-81254号公報

発明の概要

[0010]
 しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、上記提案の装置では、受光部の感度調整のために、参照受光素子を設けて次回の測距点の光量を測定する必要があるため、装置構成が複雑になる。
[0011]
 また、感度調整を行うには、参照受光素子を用いて測定した光量に応じて逆バイアス電圧等の制御値を設定する必要があることから、制御値設定のために、光量-制御値変換データが必要になる。このため、感度調整用の制御部を設計する際には、光量-制御値変換データを実測等で予め求めておく必要があり、制御部の設計に手間がかかるという問題もある。
[0012]
 また、受光部の特性がばらつくと、光量-制御値変換データから得られる制御値が最適値から外れることから、上記提案の装置で受光部の感度を調整した際には、受光部の特性のバラツキを吸収できないという問題もある。
[0013]
 また、上記提案の装置では、受光部に強い外乱光が入射する場合に、受光部の感度を低下させることはできるものの、パルスレートを後段の処理回路の能力に応じた所望の値に制御することはできない。このため、後段の処理回路の負荷が増加して、測距精度が低下するのを、確実に防止することはできない、という問題もある。
[0014]
 本開示の一局面は、SPADを利用して光検出を行う光検出器において、光量測定用の別の検出器を利用することなく受光部の感度を調整でき、しかも、その感度調整を後段の処理回路の能力に応じて適正に実施できるようにすることが望ましい。
[0015]
 本開示の一局面の光検出器は、フォトンの入射に応答するよう構成されたSPADを備え、SPADが応答するとパルス信号を出力するよう構成された受光部と、パルスレート制御回路と、を備える。
[0016]
 パルスレート制御回路は、受光部からのパルス信号の単位時間当たりの出力数であるパルスレートが、予め設定された設定値若しくはその設定値を含む設定範囲内、或いは、その設定値以上又は設定値以下となるように、受光部の感度を制御する。
[0017]
 従って、受光部から出力されるパルス信号のパルスレートが太陽光等の外光によって変化しても、そのパルスレートが設定値若しくは設定範囲内、或いは、設定値以上又は設定値以下となるように、受光部の感度がフィードバック制御されることになる。
[0018]
 よって、本開示の光検出器によれば、受光部を所望のパルスレートで動作させることができ、パルスレートの増加によって後段の処理回路の負荷が増加するとか、後段の処理回路への入力が飽和して処理回路が正常動作しなくなる、という問題を抑制できる。
[0019]
 また、本開示の光検出器によれば、受光部が出力するパルス信号のパルスレートが異常に上昇するのを抑制できることから、受光部に強い光が入射することにより、受光部自身が飽和状態になるのを抑制することもできる。
[0020]
 また、本開示の光検出器によれば、光量を事前に測定して受光部の感度調整を行う必要がないので、光量測定用の参照受光素子を設ける必要がなく、装置構成を簡単にすることができる。
[0021]
 また、受光部から実際に出力されるパルス信号のパルスレートに基づき、受光部の感度調整を行うことから、受光部の特性のバラツキに影響されることなく、受光部の感度調整を適正に行うことができる。
[0022]
 このため、受光部の特性のバラツキによって、受光部の感度の過剰制御或いは制御不足が発生することはない。また、SPAD等の受光部の特性のバラツキ、性能劣化、温度変化に伴う特性変化、等についても自動で吸収できることになる。
[0023]
 次に、本開示の他の局面の光検出器は、複数の受光部と、複数の受光部から出力されるパルス信号の数が閾値に達すると、検出信号を出力するよう構成された閾値判定回路と、パルスレート制御回路とを備える。
[0024]
 そして、パルスレート制御回路は、閾値判定回路からの検出信号の単位時間当たりの出力数であるパルスレートが、予め設定された設定値若しくはその設定値を含む設定範囲内、或いは、その設定値以上又は設定値以下となるように、複数の受光部の感度及び閾値判定回路の閾値の少なくとも一方を制御する。
[0025]
 よって、この光検出器によれば、閾値判定回路から出力される検出信号のパルスレートを、後段の処理回路が正常に動作し得るパルスレートとなるように制御することができるようになる。
[0026]
 このため、上述した一局面の光検出器と同様、パルスレートの増加によって後段の処理回路の負荷が増加するとか、後段の処理回路への入力が飽和して処理回路が正常動作しなくなる、という問題を抑制できる。
[0027]
 なお、請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。

図面の簡単な説明

[0028]
[図1] 第1実施形態の光検出器の構成を表す説明図である。
[図2] 第1実施形態のパルスレート制御回路の動作を表すフローチャートである。
[図3] 第2実施形態のパルスレート制御回路の内部構成を表すブロック図である。
[図4] 第3実施形態の光検出器の構成を表す説明図である。
[図5] 第3実施形態のパルスレート制御回路の内部構成を表すブロック図である。
[図6] 第4実施形態の可変閾値判定回路及びパルスレート制御回路の構成を表すブロック図である。
[図7] 第1変形例の個別出力スイッチを表す説明図である。
[図8] 第2変形例の性能モニタ回路の構成を表す説明図である。
[図9] 第3変形例のパルスレート制御回路の動作を表すフローチャートである。
[図10] 第4変形例の光検出器の構成を表す説明図である。

発明を実施するための形態

[0029]
 以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
 図1に示すように本実施形態の光検出器は、フォトンの入射に応答するSPAD4を備えた複数の受光部2を備える。複数の受光部2は、縦及び横方向に格子状に配置されることにより、光検出用の一つの画素を構成する受光部アレイ10を構成している。
[0030]
 また、図1に示すように、各受光部2は、SPAD4と、クエンチ抵抗6と、パルス出力部8とを備えている。
 SPAD4は、上述したようにガイガーモードで動作可能なAPDであり、クエンチ抵抗6は、SPAD4への通電経路に直列接続されている。
[0031]
 クエンチ抵抗6は、SPAD4に逆バイアス電圧VBを印加すると共に、SPAD4にフォトンが入射してSPAD4がブレイクダウンしたときに、SPAD4に流れる電流により電圧降下を発生して、SPAD4のガイガー放電を停止させるものである。
[0032]
 なお、クエンチ抵抗6は、所定の抵抗値を有する抵抗素子、或いは、ゲート電圧にてオン抵抗を設定することのできるMOSFET、等にて構成される。
 また、パルス出力部8は、SPAD4とクエンチ抵抗6との接続点に接続されている。そして、パルス出力部8は、SPAD4がブレイクダウンして、クエンチ抵抗6に電流が流れ、クエンチ抵抗6の両端間に閾値電圧以上の電圧が発生したときに、上述したパルス信号として、値1となるデジタルパルスを出力する。
[0033]
 このように構成された受光部2からは、周囲の光量に応じた頻度でパルス信号が出力される。このため、受光部2に太陽光等の強い光が入射したときには、受光部2から単位時間当たりに出力されるパルス信号の数、つまり、パルスレート、が著しく増加する。
[0034]
 そして、パルスレートが増加すると、後段の処理回路での負荷が増加し、場合によっては処理回路が飽和状態となるため、例えば、受光部アレイ10を、車両に搭載された測距装置で利用するような場合には、測距動作を正常に実施できなくなることが考えられる。
[0035]
 そこで、本実施形態の光検出器には、受光部アレイ10を構成する各受光部2から出力されるパルス信号を取り込み、そのパルスレートが所望のパルスレートになるように、各受光部2の感度を制御するパルスレート制御回路20が備えられている。
[0036]
 パルスレート制御回路20は、図2に示す手順で受光部2の感度を制御する。なお、パルスレート制御回路20は、論理回路によって構成される。
 すなわち、パルスレート制御回路20は、S100にて、受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートを測定し、続くS200にて、その測定結果と、パルスレートの目標値となる設定値と比較する。そして、続くS300では、測定したパルスレートと設定値との差が零若しくは所定値以下となるように、受光部2の感度を制御する。
[0037]
 なお、受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートは、設定値若しくは設定値を中心とする所定範囲内に制御するのではなく、その設定値を含む設定範囲内、或いは、設定値以上又は設定値以下となる設定範囲内、に制御するようにしてもよい。
[0038]
 つまり、受光部2から出力されるパルスレートは、上記設定値を用いることで、後段の処理回路の能力に応じて、その処理回路が適正に処理可能なパルスレートに制御できればよい。
[0039]
 また、受光部2の感度は、例えば、SPAD4に印加される逆バイアス電圧VBを、SPAD4のブレイクダウン電圧からSPAD4の耐圧の許す上限電圧までの間で変化させることにより制御できる。このため、パルスレート制御回路20から受光部アレイ10には、各受光部2の逆バイアス電圧VBを各々調整するための制御信号が出力される。
[0040]
 このように構成された本実施形態の光検出器によれば、受信部アレイ10を構成する各受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートは、上述した設定値若しくは設定範囲内に制御されることになる。
[0041]
 このため、各受信部2から出力されるパルス信号のパルスレートの増加によって、後段の処理回路の負荷が増加して、後段の処理回路が飽和状態になるのを抑制できる。よって、受光部アレイ10を測距装置で利用する場合には、受光部アレイ10へ強い光が入射しても測距動作を正常に実施できるようになる。
[0042]
 また、本実施形態の光検出器によれば、各受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートが異常に上昇するのを抑制できることから、受光部2に強い光が入射することにより、受光部2自身が飽和状態になるのを抑制することもできる。
[0043]
 また、本実施形態の光検出器によれば、特許文献1に記載のように、光量を測定して受光部2の感度調整を行う必要がないので、光量測定用の参照受光素子を設ける必要がなく、装置構成を簡単にすることができる。
[0044]
 また、本実施形態では、受光部2から実際に出力されるパルス信号のパルスレートに基づき、受光部2の感度調整を行うことから、受光部2の特性のバラツキに影響されることなく、感度調整を適正に行うことができる。
[0045]
 また、この感度調整により、受光部2の性能劣化、或いは、温度変化に伴う特性変化の影響を吸収して、受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートを設定値若しくは設定範囲内に制御できる。
[0046]
 なお、上記説明では、受光部アレイ10を構成する全ての受光部2に対し感度調整を行うものとしたが、例えば、強い光が入射し易い領域に配置されている、一部の受光部2に対してだけ、感度調整を行うようにしてもよい。
[第2実施形態]
 第1実施形態では、パルスレート制御回路20は、受光部アレイ10を構成する受光部2毎にパルスレートを測定して、そのパルスレートが設定値若しくは設定範囲内になるように、対応する受光部2の感度を調整するものとして説明した。
[0047]
 これに対し、本実施形態では、パルスレート制御回路20を、図3に示すように、加算回路22と制御回路24とで構成することで、受光部アレイ10全体の感度を調整する。
 つまり、図3に示す加算回路22は、受光部アレイ10の全受光部2から所定の測定時間内に出力されたパルス信号の数を加算することで、受光部アレイ10の各受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートを平均化した値を求める。
[0048]
 そして、制御回路24は、加算回路22で得られるパルスレートの平均値が、設定値若しくは設定範囲内になるように、受光部アレイ10に制御信号を出力することで、受光部アレイ10の感度を調整する。
[0049]
 パルスレート制御回路20を、このように構成すれば、受光部アレイ10から出力されるパルス信号のパルスレートを測定して、その受光部アレイ10の感度を調整できることになり、受光部2毎に感度調整を行う必要がないので、構成を簡単にすることができる。
[0050]
 また、パルスレート制御回路20をこのように構成しても、受光部アレイ10を構成する各受光部2から出力されるパルス信号のパルスレートの平均を所望のパルスレートに制御できる。このため、後段の処理回路に入力されるパルス信号のパルスレートが著しく増加して、処理回路の負荷が増加し、処理回路が飽和状態となるのを、抑制できる。
[0051]
 なお、図3に示すパルスレート制御回路20において、制御回路24では、加算回路22において加算された値の全ビットデータを利用して、加算値と設定値とを比較するようにしてもよい。また、加算値の最上位ビットなど、上位のビットデータを利用して、加算値と設定値とを比較するようにしてもよい。
[0052]
 また、パルスレート制御回路20は、受光部アレイ10全体の感度を調整できればよいので、受光部アレイ10に出力する制御信号にて各受光部2を構成する全てのSPAD4に印加される逆バイアス電圧VBを一括して調整するようにすればよい。また、逆バイアス電圧VBとは異なるパラメータを調整して、受光部アレイ10の感度を調整するようにしてもよい。
[0053]
 また、パルスレート制御回路20は、図3に示すように、内部の制御回路24に対し、設定値を外部信号により入力できるように構成してもよい。このようにすれば、各受光部2若しくは受光部アレイ10から出力されるパルス信号のパルスレートを、外部から任意に設定できるようになる。
[第3実施形態]
 上記受光部アレイ10を測距装置で利用する場合、受光部アレイ10の各受光部2からのパルス信号は、図4に示すように、閾値判定回路30に入力されるように構成するとよい。
[0054]
 ここで、閾値判定回路30は、受光部アレイ10を構成する複数の受光部2から略同時に出力されるパルス信号の数をカウントするものである。そして、閾値判定回路30は、そのカウント値が閾値以上であるとき、受光部アレイ10に所定レベル以上の光が入射したと判断して、光が入射したことを表す検出信号を出力する。
[0055]
 そこで、本実施形態では、図4に示すように、閾値判定回路30から出力される検出信号をパルスレート制御回路20に入力し、パルスレート制御回路20が、その検出信号の数に基づき、パルスレートを測定するようにする。
[0056]
 具体的には、本実施形態のパルスレート制御回路20は、図5に示すように、カウンタ26と、制御回路28とを備える。
 カウンタ26は、閾値判定回路30から出力される検出信号の数をカウントするものであり、制御回路28は、カウンタ26にて所定の測定時間内にカウントされたカウント値を、閾値判定回路30から出力される検出信号のパルスレートとして測定する。
[0057]
 そして、制御回路28は、その測定したパルスレートが、事前に、或いは外部信号により設定された設定値若しくはその設定値に対応した設定範囲内となるように、受光部アレイ10を構成する各受光部2の感度、若しくは、閾値判定回路30の閾値を調整する。
[0058]
 なお、設定範囲内としては、上記実施形態と同様、設定値を中心とする所定範囲内であってもよく、設定値以上となる設定範囲内であってもよく、或いは、設定値以下となる設定範囲内であってもよい。
[0059]
 つまり、閾値判定回路30から出力される検出信号のパルスレートは、受光部アレイ10を構成する各受光部2の感度を調整しても制御でき、閾値判定回路30が判定に用いる閾値を調整しても制御できる。
[0060]
 そこで、本実施形態では、制御回路28において、受光部アレイ10を構成する各受光部2の感度、及び、閾値判定回路30の閾値の少なくとも一方を調整することで、閾値判定回路30から出力される検出信号のパルスレートを制御するのである。
[0061]
 この結果、本実施形態によれば、閾値判定回路30から後段の処理回路に出力される検出信号のパルスレートが増加して、後段の処理回路の負荷が増加し、後段の処理回路が飽和状態となるのを抑制できる。よって、本実施形態の光検出器においても、第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0062]
 また、本実施形態の光検出器において、パルスレート制御回路20は、閾値判定回路30から1系統の信号線を介して出力される検出信号のパルスレートを測定すればよいので、第1、第2実施形態に比べ、パルスレート制御回路20の構成を簡単にすることができる。
[第4実施形態]
 次に、上記第3実施形態では、閾値判定回路30から出力される検出信号のパルスレートを設定値若しくは設定範囲内に制御することで、後段の処理回路の負荷が増加して、後段の処理回路が飽和状態になるのを抑制するようにしている。
[0063]
 しかし、後段の処理回路の負荷が増加するのを抑制するには、後段の処理回路へ入力される検出信号のパルスレートを制御できればよく、必ずしも、一つの閾値判定回路30から出力される検出信号のパルスレートを制御する必要はない。
[0064]
 そこで、本実施形態では、図6に示すように、閾値Σが異なる値TH1,TH2,TH3に設定された3つの閾値判定回路30A,30B,30Cを備えた可変閾値判定回路32を用いる。
[0065]
 そして、後段の処理回路には、可変閾値判定回路32に備えられた選択回路34を介して、3つの閾値判定回路30A,30B,30Cのうちの何れかから出力された検出信号を選択して、出力する。
[0066]
 また、本実施形態では、パルスレート制御回路20に、可変閾値判定回路32の3つの閾値判定回路30A,30B,30Cから出力される検出信号をそれぞれカウントする、3つのカウンタ26A,26B,26Cが備えられる。
[0067]
 そして、パルスレート制御回路20に設けられた制御回路29は、各カウンタ26A,26B,26Cで所定の測定時間内にカウントされたカウント値を、各閾値判定回路30A,30B,30Cから出力される検出信号のパルスレートとして測定する。
[0068]
 また、制御回路29は、その測定したパルスレートを用いて、3つの閾値判定回路30A,30B,30Cの中から、設定値に最も近いパルスレートで検出信号を出力している閾値判定回路を特定する。そして、その特定した閾値判定回路からの検出信号が後段の処理回路に出力されるように、選択回路34を切り替える。
[0069]
 また、制御回路29は、選択回路34に選択させた閾値判定回路から出力される検出信号のパルスレートが、設定値若しくは設定範囲内になるよう、受光部アレイ10に制御信号を出力する。
[0070]
 従って、図4に示した第3実施形態の光検出器に、本実施形態の可変閾値判定回路32及びパルスレート制御回路20を設けるようにしても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0071]
 また、選択回路34にて選択されている閾値判定回路から出力される検出信号のパルスレートが設定値から大きくずれた場合に、選択回路34に選択される閾値判定回路を切り替えることで、後段の処理回路に出力される検出信号のパルスレートを設定値に近づけることができる。
[0072]
 また、制御回路29は、可変閾値判定回路32を構成する複数の閾値判定回路30A,30B,30Cから出力される検出信号のパルスレートを把握できるので、選択回路34に選択される閾値判定回路を切り替えた後のパルスレートを、事前に確認できる。
[0073]
 このため、後段の処理回路に出力される検出信号のパルスレートを、短時間で設定値若しくは設定範囲内に制御できるようになり、制御精度を向上できる。
 なお、可変閾値判定回路32に設ける閾値判定回路30の数は、複数であればよく、2つでも、4つ以上であってもよい。
[0074]
 以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
[第1変形例]
 第2実施形態~第4実施形態の光検出器において、受光部アレイ10にて構成される画素の感度調整を行う際には、SPAD4に印加する逆バイアス電圧若しくは受光部2の他のパラメータを変化させることにより行うものとして説明した。
[0075]
 これに対し、図7に示すように、受光部アレイ10の各受光部2から閾値判定回路30にパルス信号を出力する信号経路に、受光部2毎に信号経路を導通又は遮断させる個別出力スイッチ40を設けるようにしてもよい。
[0076]
 このようにすれば、パルスレート制御回路20は、この個別出力スイッチ40を介して、受光部アレイ10から出力されるパルス信号の数、或いは、閾値判定回路30に入力されるパルス信号の数を増減することにより、パルスレートを制御できるようになる。
[0077]
 なお、パルスレート制御回路20が個別出力スイッチ40を介して遮断する信号経路は、予め設定しておいてもよいし、任意の経路を遮断するようにしてもよい。
[第2変形例]
 上記各実施形態においてパルスレート制御回路20により制御される、受光部アレイ10若しくは各受光部2の感度、或いは、閾値判定回路30の閾値は、周囲の光量等、使用環境によっても変化するが、受光部アレイ10や周辺回路の特性劣化によっても変化する。
[0078]
 このため、図8に示すように、パルスレート制御回路20から出力される制御信号や閾値等の制御値を監視し、定期的にメモリ52に記憶する性能モニタ回路50を設けるようにしてもよい。
[0079]
 このようにすれば、使用者は、メモリ52に記憶された制御値の時系列変化から、光検出器の性能の劣化状態を把握できるようになり、性能モニタ回路50を、光検出器やこれを利用する測距装置等の保守管理に有効に利用することが可能となる。
[第3変形例]
 上記各実施形態では、パルスレート制御回路20は、測定したパルスレートが設定値若しくは設定範囲となるように、受光部アレイ10若しくは受光部アレイ10を構成する各受光部2の感度、若しくは、閾値判定回路30を調整する。
[0080]
 そして、このパルスレート制御によって、パルスレートを制御できないときには、光検出器自身に異常が生じていると判断できる。
 このため、パルスレート制御回路20は、起動時等に診断モードで動作しているときに、図9に示す手順で動作するようにするとよい。
[0081]
 つまり、診断モードでは、図2に示したパルスレート制御と同様、S100~S300の処理で、パルスレートが設定値若しくは設定範囲内になるように感度調整した後、S400に移行する。S400では、パルスレートが変化したか否かを判断する、若しくは、少なくともパルスが出力されるかを検知することで、パルスレートを制御可能であるか否かを判定する。
[0082]
 そして、S400にて、パルスレートを制御できないと判断すると、光検出器が正常動作していないので、S500に移行して、光検出器に異常が生じている旨を使用者や外部装置に報知するようにする。
[0083]
 このようにすれば、パルスレートの制御結果から光検出器の故障判定を行い、故障しているときには、測距装置等の外部装置が光検出器を利用した制御を実施するのを禁止することができる。また、使用者に対しては、光検出器が故障したことを通知し、修理等の対策を速やかに実施させることができる。
[第4変形例]
 上述したように、パルスレート制御回路20を、制御回路24,28,29に対して設定値を外部から入力できるように構成した場合、図10に例示するように、閾値判定回路30からの検出信号を処理する処理回路を含む後段処理部60から、設定値を入力するようにしてもよい。
[0084]
 つまり、後段処理部60としては、例えば、測距装置で測距用の光を出射してから光検出部で反射光が受光される迄の時間を計測する時間測定部等を挙げることができるが、後段処理部60では、外的要因により、要求されるパルスレートが変化することがある。
[0085]
 例えば、後段処理部60は、環境温度の上昇時に、自身の発熱を抑えるために、処理負荷を軽減する必要があるとか、光検出器からの信号処理とは別の要因で、処理負荷を軽減する必要がある、ということがある。
[0086]
 このような場合、後段処理部60からパルスレート制御回路20に設定値を指定できるようになっていれば、光検出器から後段処理部60に出力される検出信号のパルスレートを一時的に低下させて、その信号処理のための処理負荷を軽減させることができる。
[0087]
 そこで、第4変形例では、後段処理部60からの指令によって、パルスレート制御回路20が制御するパルスレートの設定値を変更できるようにすることで、後段処理部60が要求するパルスレートで検出信号を出力できるようにするのである。そして、このようにすれば、光検出器の使い勝手を向上でき、その用途を拡大できる。
[0088]
 上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

請求の範囲

[請求項1]
 フォトンの入射に応答するよう構成されたSPAD(4)を備え、SPADが応答するとパルス信号を出力するよう構成された受光部(2)と、
 前記受光部からの前記パルス信号の単位時間当たりの出力数であるパルスレートが、予め設定された設定値、該設定値を含む設定範囲内、該設定値以上、又は、該設定値以下となるように、前記受光部の感度を制御するよう構成されたパルスレート制御回路(20)と、
 を備えた、光検出器。
[請求項2]
 前記パルスレート制御回路は、前記受光部からの前記パルス信号の出力をカウントすることで前記パルスレートを測定するよう構成されている、請求項1に記載の光検出器。
[請求項3]
 複数の前記受光部を備え、
 前記パルスレート制御回路は、前記複数の受光部から出力される前記パルス信号のパルスレートの平均が、前記設定値、前記設定範囲内、前記設定値以上、又は、前記設定値以下となるように、前記複数の受光部の感度を制御するよう構成されている、請求項1又は請求項2に記載の光検出器。
[請求項4]
 前記複数の受光部の中から、パルス信号を出力する受光部を選択するよう構成された個別出力スイッチ(40)を備え、
 前記パルスレート制御回路は、前記個別出力スイッチを介して、前記パルス信号を出力する前記受光部の数を変化させることにより、前記複数の受光部の感度を制御するよう構成されている、請求項3に記載の光検出器。
[請求項5]
 フォトンの入射に応答するよう構成されたSPAD(4)を備え、SPADが応答するとパルス信号を出力するよう構成された複数の受光部(2)と、
 前記複数の受光部から出力されるパルス信号の数が閾値に達すると、検出信号を出力するよう構成された閾値判定回路(30)と、
 前記閾値判定回路からの前記検出信号の単位時間当たりの出力数であるパルスレートが、予め設定された設定値、該設定値を含む設定範囲内、該設定値以上、又は、該設定値以下となるように、前記複数の受光部の感度及び前記閾値判定回路の閾値の少なくとも一方を制御するよう構成されたパルスレート制御回路(20)と、
 を備えている、光検出器。
[請求項6]
 前記閾値が異なる値に設定された複数の前記閾値判定回路を備え、該複数の閾値判定回路から出力される検出信号の1つを選択して出力するよう構成された可変閾値判定回路(32)、
 を備え、前記パルスレート制御回路は、前記可変閾値判定回路に設けられた複数の前記閾値判定回路から出力される検出信号をそれぞれカウントすることで前記パルスレートを測定すると共に、該測定結果に基づき前記可変閾値判定回路が選択する前記閾値判定回路を設定するよう構成されている、請求項5に記載の光検出器。
[請求項7]
 前記パルスレート制御回路は、前記SPADに印加する逆バイアス電圧を変化させることにより、前記受光部の感度を制御するよう構成されている、請求項1~請求項3、請求項5、及び、請求項6の何れか1項に記載の光検出器。
[請求項8]
 前記複数の受光部の中から、前記閾値判定回路にパルス信号を出力する受光部を選択するよう構成された個別出力スイッチ(40)を備え、
 前記パルスレート制御回路は、前記個別出力スイッチを介して、前記閾値判定回路にパルス信号を出力する前記受光部の数を変化させることにより、前記受光部の感度を制御するよう構成されている、請求項5又は請求項6に記載の光検出器。
[請求項9]
 前記パルスレート制御回路は、前記設定値を外部信号により設定可能に構成されている、請求項1~請求項8の何れか1項に記載の光検出器。
[請求項10]
 前記パルスレート制御回路にて前記パルスレートの制御のために設定される制御値を、当該光検出器の性能を表すデータとして記憶するよう構成された性能モニタ回路(50)、
 を備えている、請求項1~請求項9の何れか1項に記載の光検出器。
[請求項11]
 前記パルスレート制御回路は、前記パルスレートの制御結果に基づき、当該光検出器の故障判定を行うように構成されている、請求項1~請求項10の何れか1項に記載の光検出器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]