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1. (WO2018190231) ガスタービン複合サイクルプラント、及びガスタービン複合サイクルプラントの制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 ガスタービン複合サイクルプラント、及びガスタービン複合サイクルプラントの制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045  

符号の説明

0046  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : ガスタービン複合サイクルプラント、及びガスタービン複合サイクルプラントの制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ガスタービンに供給される燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱器を備えたガスタービン複合サイクルプラント、及びガスタービン複合サイクルプラントの制御方法に関する。
 本願は、2017年4月10日に日本に出願された特願2017-077722号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 従来、ガスタービンの燃焼器に供給される燃料ガスを予め加熱する燃料ガス加熱器を備えたガスタービン複合サイクルプラントが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の燃料ガス加熱器は、燃焼器の上流側に設けられており、排熱回収ボイラの中間出口(中圧エコノマイザの出口)と接続された伝熱管を有する。これにより、燃料ガス加熱器を通過する燃料ガスは、排熱回収ボイラの中間出口から流出した加熱水から熱を奪って昇温するため、ガスタービンにおける熱効率が向上する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2001-329806号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 また、燃料ガス加熱器には、該燃料ガス加熱器を通過した加熱水を排熱回収ボイラに戻す加熱水戻りラインと、この加熱水戻りラインから分岐して上記加熱水を復水器に戻す復水ラインとが設けられている。加熱水戻りラインには、ガスタービンの通常運転中に、燃料加熱に必要な加熱水流量を制御する返送弁が設けられ、復水ラインには、ガスタービンの起動もしくは停止動作時に、燃料加熱に必要な加熱水流量を制御するダンプ弁が設けられている。
[0005]
 ところで、ガスタービンに急激な負荷変動が発生し、いわゆるインターロック状態になったりすると、燃焼器に対する燃料ガスの供給量を急激に減少させる必要が生じる。燃料ガス加熱器を通過する燃料ガスの流量が減少した場合、ダンプ弁は全閉から流量制御に切り替わり、返送弁は流量制御から全閉に切り替えることにより、高温の加熱水が排熱回収ボイラに戻されることを防止できる。
[0006]
 しかし、燃料ガスの供給量が減少した場合、燃料ガスの熱容量は小さくなるため、燃料ガス加熱器を通過する加熱水により、燃料ガスの温度が急激に上昇するおそれがある。返送弁と共にダンプ弁を全閉することで加熱水の流量を低減することは可能であるが、加熱水の供給圧力が上昇するため、余剰の加熱水を復水器に戻す必要がある。
[0007]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排熱回収ボイラで加熱された加熱水を燃料ガス加熱部の熱源とした場合に、ガスタービンの負荷変動時に発生するトラブルを簡易に解消できるガスタービン複合サイクルプラントを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るガスタービン複合サイクルプラントは、ガスタービンと、ガスタービンの排熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで加熱された加熱水を熱源として、ガスタービンの燃焼器に供給される燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱部と、燃料ガス加熱部を通過した加熱水を排熱回収ボイラに戻す加熱水戻りラインに設けられた返送弁と、返送弁と排熱回収ボイラとの間で加熱水戻りラインから分岐して加熱水を復水器に戻す復水ラインに設けられたダンプ弁と、返送弁及びダンプ弁の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、ガスタービンの負荷が所定下限値以下となった場合に、返送弁を閉じると共に、所定時間の間、ダンプ弁の弁開度を、燃料ガス加熱部を流れる加熱水の流量を絞るべく定められた規定開度に保持することを特徴とする。
[0009]
 この構成によれば、ガスタービンの負荷が所定下限値以下となることに伴い、燃料ガス加熱部を流れる燃料ガス流量が減少した場合、返送弁を閉じると共に、所定時間の間、ダンプ弁の弁開度を規定開度に保持することにより、燃料ガス加熱部に供給される加熱水の流量を抑えることができ、燃料ガスの温度が急激に上昇することを防止できる。従って、ガスタービンの負荷変動時に発生するトラブルを簡易に解消することができる。
[0010]
 この場合、所定時間の経過後、制御部は、ダンプ弁の弁開度を、規定開度からガスタービンの負荷に応じて算出された加熱水の目標流量に対応する目標開度まで、段階的に大きくすることが好ましい。この構成によれば、ダンプ弁の弁開度が規定開度から目標開度まで段階的に大きくなるため、加熱水の流量増加に伴う燃料ガス温度の急激な上昇を防止できる。
[0011]
 また、制御部は、燃料ガス加熱部の出口における異なる燃料ガス出口温度ごとに、単位時間あたりの加熱水の増加流量を示す増加レートの上限値を規定したテーブルを記憶しており、制御部は、測定された燃料ガス出口温度に対応する増加レートの上限値以下の範囲で、ダンプ弁の弁開度を制御してもよい。この構成によれば、燃料ガス出口温度に対応する増加レートの上限値以下の範囲でダンプ弁の弁開度を制御するため、燃料ガス温度を精度良く調整することができる。
[0012]
 また、制御部は、所定時間が経過する前にガスタービンの負荷が所定下限値を上回った場合、所定時間の経過を待たずに、ダンプ弁の弁開度を規定開度から目標開度まで段階的に大きくしてもよい。この構成によれば、ガスタービンの負荷に対する追従性を向上できる。
[0013]
 また、排熱回収ボイラで発生した蒸気により駆動される蒸気タービンを備えた構成としてもよい。この構成によれば、排熱回収ボイラで発生した蒸気を蒸気タービンで有効に利用することができる。
[0014]
 また、本発明は、ガスタービンと、ガスタービンの排熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで加熱された加熱水を熱源として、ガスタービンの燃焼器に供給される燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱部と、燃料ガス加熱部を通過した加熱水を排熱回収ボイラに戻す加熱水戻りラインに設けられた返送弁と、返送弁と排熱回収ボイラとの間で加熱水戻りラインから分岐して加熱水を復水器に戻す復水ラインに設けられたダンプ弁と、を備えたガスタービン複合サイクルプラントの制御方法であって、ガスタービンの負荷が所定下限値以下となったか否かを判別するステップと、該負荷が所定下限値以下となった場合に、返送弁を閉じると共に、所定時間の間、ダンプ弁の弁開度を、燃料ガス加熱部を流れる加熱水の流量を絞るべく定められた規定開度に保持するステップと、を備えることを特徴とする。この構成によれば、燃料ガス加熱部に供給される加熱水の流量を抑えることができ、燃料ガスの温度が急激に上昇することを防止できる。従って、ガスタービンの負荷変動時に発生するトラブルを簡易に解消することができる。

発明の効果

[0015]
 本発明によれば、ガスタービンの負荷が所定下限値以下となることに伴い、燃料ガス加熱部を流れる燃料ガス流量が減少した場合、返送弁を閉じると共に、所定時間の間、ダンプ弁の弁開度を規定開度に保持することにより、燃料ガス加熱部に供給される加熱水の流量を抑えることができ、燃料ガスの温度が急激に上昇することを防止でき、ガスタービンの負荷変動時に発生するトラブルを簡易に解消することができる。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 図1は、本実施形態に係る複合サイクルプラントを示す系統図である。
[図2] 図2は、ダンプ弁の弁開度を制御するロジックを説明した図である。
[図3] 図3は、ダンプ弁の弁開度を制御する手順を示すフローチャートである。
[図4] 図4は、負荷変動があった際のダンプ弁の弁開度、燃料ガス温度の応答を示す図である。
[図5] 図5は、別の実施形態に係るダンプ弁の弁開度を制御するロジックを説明した図である。
[図6] 図6は、ダンプ弁の弁開度を制御する手順を示すフローチャートである。
[図7] 図7は、負荷変動があった際のダンプ弁の弁開度、燃料ガス温度の応答を示す図である。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[0018]
 図1は、本実施形態に係る複合サイクルプラントを示す系統図である。図1に示すように、複合サイクルプラント(ガスタービン複合サイクルプラント)10は、主として、ガスタービン11、排熱回収ボイラ12、蒸気タービン13及び複合サイクルプラント10の動作を制御する制御部50を備えて構成される。複合サイクルプラント10は、ガスタービン11及び蒸気タービン13の複合サイクルによって電力又は、電力及び熱エネルギを供給するプラント設備をいう。ガスタービン11は、圧縮機21で昇圧させると共に燃焼器22で燃焼させた作動流体をタービン23で膨張させて発電機24を駆動する。ガスタービン11のタービン23から排出される排気ガスは、排熱回収ボイラ12に導入され、蒸気を発生するための熱源として利用される。
[0019]
 排熱回収ボイラ12は、ガスタービン11の排気ガスと熱交換することにより、蒸気(水蒸気)を発生させ、この蒸気を蒸気タービン13に供給する。蒸気タービン13は、供給された蒸気を利用することにより不図示のタービンが駆動して発電を行う。
[0020]
 また、複合サイクルプラント10には、図1に示すように、ガスタービン11の燃焼器22における熱効率を向上させるため、燃焼器22に燃料ガスを供給する燃料ガス供給ライン25に燃料ガス加熱部30が設けられている。燃料ガス加熱部30は、加熱水供給ライン26を介して排熱回収ボイラ12の中間出口(不図示の中圧エコノマイザの出口)と接続されている。燃料ガス加熱部30では、燃料ガス供給ライン25を通じて導入される燃料ガスと、加熱水供給ライン26を通じて導入される高温(例えば約240℃)の加熱水とが熱交換することにより、燃料ガスが昇温して燃焼器22に導かれる。燃料ガス供給ライン25における燃料ガス加熱部30の出口側には、燃料ガスの出口温度を検知する燃料ガス温度センサ27が設けられている。また、加熱水供給ライン26には燃料ガス加熱部30に供給される加熱水の流量(体積流量[t/h])を検知する加熱水流量センサ28が設けられている。
[0021]
 燃料ガス加熱部30の出口側には、加熱水戻りライン31の一端が接続され、この加熱水戻りライン31の他端は排熱回収ボイラ12の給水入口に接続されている。燃料ガス加熱部30と排熱回収ボイラ12との間の加熱水戻りライン31には、返送弁32が設けられ、この返送弁32が開くことにより、燃料ガス加熱部30にて降温した加熱水が排熱回収ボイラ12に返送される。また加熱水戻りライン31は、燃料ガス加熱部30と返送弁32との間に分岐部33を有し、この分岐部33には復水ライン34の一端が接続され、この復水ライン34の他端は蒸気タービン13の復水器35に接続されている。また、復水ライン34にはダンプ弁36が設けられており、このダンプ弁36が開くことにより、燃料ガス加熱部30にて降温した加熱水が復水器35に戻される。
[0022]
 このように構成された複合サイクルプラント10では、返送弁32及びダンプ弁36は、ガスタービン11の負荷(例えば発電機24の発電量[MW])、加熱水の流量(体積流量[t/h])などに基づき、制御部50にて開閉動作が制御される。
[0023]
 ガスタービン11の通常負荷運転時には、制御部50は、ダンプ弁36を閉じると共に、返送弁32の弁開度を調整する制御をする。具体的には、制御部50は、返送弁32の弁特性を考慮して、ガスタービン11の負荷に応じたフィードフォワード制御を行う。この場合、制御部50には、ガスタービン11の負荷に応じた加熱水の目標流量が予め設定されており、この目標流量となるように、返送弁32の弁開度をフィードフォワード制御する。一方、ダンプ弁36は、主として、ガスタービン11の起動もしくは停止時に弁開度が調整制御される。具体的には、制御部50は、加熱水戻りライン31を流れる加熱水の流量と、ガスタービン11の負荷に応じた加熱水の目標流量との差分に基づいて、ダンプ弁36の弁開度をフィードバック制御する。この場合、返送弁32は閉じられる。
[0024]
 ところで、例えば、発電機24と圧縮機21及びタービン23との連結が遮断された場合など、ガスタービン11の負荷が急激に減少した場合には、負荷の減少に合わせて燃焼器22に供給される燃料ガスの供給量を減少させる必要が生じる。この場合、制御部50は、返送弁32の開度を流量制御から全閉に切り替えることにより、高温の加熱水が排熱回収ボイラ12に戻されることを防止できる。
[0025]
 しかし、燃料ガスの供給量が減少した場合、燃料ガスの熱容量は小さくなる。このため、ダンプ弁36の弁開度を、加熱水の実際の流量と目標流量との差分に基づいて、単純に制御すると、加熱水により燃料ガスが過剰に加熱されて、燃料ガスの温度が急激に上昇することが懸念される。
[0026]
 このため、本実施形態では、燃料ガスの温度の急激な上昇を抑制するように、ダンプ弁36の弁開度を制御する点に特徴を有する。次に、ダンプ弁36の弁開度制御について説明する。図2は、ダンプ弁の弁開度を制御するロジックを説明した図である。図3は、ダンプ弁の弁開度を制御する手順を示すフローチャートである。また、図4は、負荷変動があった際のダンプ弁の弁開度、燃料ガス温度の応答を示す図である。
[0027]
 図2において、GTMWは、発電機24の発電量[MW](ガスタービン11の負荷)であり、この発電量[MW]が流量算出部51に伝達される。流量算出部51は、発電量[MW](負荷)の大きさに基づいて、燃料ガス加熱部30で燃料ガスを加熱するために必要な加熱水の目標流量(体積流量[t/h])を算出する。算出された目標流量は、加熱水流量センサ28(図1)で計測された加熱水流量と比較され、これらの差分値がPI制御部52に入力されてダンプ弁36の弁開度が設定される。
[0028]
 更に、本実施形態では、発電量[MW]が所定の下限値(例えば0[MW])以下の場合、無負荷信号を出力する構成となっており、制御部50は、無負荷信号を受信すると、予め決まった所定時間(例えば10分)が経過するまでの間、ダンプ弁36の弁開度を所定の規定開度(例えば10%)に調整するようになっている。
[0029]
 次に、制御手順について説明する。図3に示すように、制御部50は、無負荷信号がON、すなわち無負荷信号を受信しているか否かを判別する(ステップSa1)。この判別において、無負荷信号がONでなければ(ステップSa1;No)、処理をステップSa5に移行する。これに対して、無負荷信号がONであれば(ステップSa1;Yes)、制御部50は、無負荷信号を受信した時刻を基準として所定時間T1(例えば10分)の計測を開始する。さらに、制御部50は、ダンプ弁36の弁開度を所定の規定開度(例えば10%)に調整する(ステップSa2)。
[0030]
 これら所定時間T1(例えば10分)および規定開度(例えば10%)の値は、燃料ガス加熱部30における加熱水の必要流量を確保しつつ、燃料ガス温度の上昇が基準値を超えないように、例えば、シミュレーションや実機試験等により決定されている。すなわち、規定開度は、燃料ガス加熱部30を流れる加熱水の流量を絞って燃料ガス温度の上昇を抑えるための開度であり、所定時間T1は、燃料ガス温度の急激な上昇を抑えるに十分な時間に設定されている。
[0031]
 本実施形態では、図4に示すように、無負荷信号がONすると、返送弁32は閉じられ、ダンプ弁36の弁開度が所定の規定開度(例えば10%)に調整されるため、燃料ガス加熱部30を流れる加熱水の流量を抑制することができる。このため、上記した所定時間T1における無負荷信号がONした直後の燃料ガス温度の急激な上昇を防止することができる。
[0032]
 続いて、制御部50は、無負荷信号がONしてから所定時間T1(例えば10分)が経過したか否かを判別する(ステップSa3)。この判別において、所定時間T1(例えば10分)が経過している(ステップSa3;Yes)場合には、制御部50は、ガスタービン11の負荷(発電量[MW])に応じて算出された目標流量と加熱水の実際の流量との差分値に基づきダンプ弁36の弁開度をPI制御によって設定する(ステップSa5)。これによれば、ダンプ弁36の弁開度が調整されることにより、図4に示すように、加熱水流量及び燃料ガス温度が上昇するため、無負荷信号がOFF、すなわちガスタービン11の運転が開始された際の立ち上がりを早めることができる。
[0033]
 一方、上記判別において、所定時間T1(例えば10分)が経過していない(ステップSa3;No)場合には、制御部50は、無負荷信号がONのままであるか否かを判別する(ステップSa4)。この判別において、無負荷信号がONのまま継続している(ステップSa4;Yes)場合には、処理をステップSa3に戻す。また、無負荷信号がONのまま継続していない(ステップSa4;No)には、制御部50は、ガスタービン11の負荷(発電量[MW])に応じて算出された目標流量と加熱水の実際の流量との差分値に基づきダンプ弁36の弁開度をPI制御によって設定する(ステップSa5)。この構成によれば、例えば、所定時間T1(例えば10分)が経過する前に、無負荷信号がOFF、すなわちガスタービン11の運転が開始された場合には、所定時間T1の経過を待たずにダンプ弁36の弁開度を制御するため、ガスタービン11の負荷に対するダンプ弁36の弁開度制御の追従性を向上することができる。
[0034]
 次に別の実施形態について説明する。上記した実施形態では、ガスタービン11の負荷が急激に減少(例えば負荷遮断)直後の燃料ガス温度の上昇を防ぐ構成を説明したが、ダンプ弁36の弁開度をPI制御に戻す際に、加熱水流量が急激に増加すると燃料ガス温度が急激に上昇するおそれがある。この別の実施形態では、ダンプ弁36の弁開度をPI制御に移行する際の弁開度制御に関するものである。図5は、別の実施形態に係るダンプ弁の弁開度を制御するロジックを説明した図である。図6は、ダンプ弁の弁開度を制御する手順を示すフローチャートである。また、図7は、負荷変動があった際のダンプ弁の弁開度、燃料ガス温度の応答を示す図である。この別の実施形態において、上記した実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
[0035]
 本実施形態の制御部50Aでは、図5に示すように、流量算出部51で算出された目標流量は、増加レート設定部53に出力される。増加レート設定部53は、例えば、無負荷信号がOFFとなり、ダンプ弁36の弁開度をPI制御に移行する際に、算出された目標流量までの加熱水の流量の増加レートを設定する。増加レートとは、単位時間あたりの加熱水の増加流量を示す値であり、例えば、増加レートが10[(t/h)/min]と設定された場合には、加熱水は、1分ごとに10[t/h]流量が増えるようになっている。これにより、増加レート設定部53は、所定の増加レートにて、算出された目標流量まで段階的に増えていく流量(目標流量)を出力する。
[0036]
 本実施形態では、増加レート設定部53は、燃料ガス加熱部30の出口における複数の異なる燃料ガス出口温度に対応した増加レートの上限値を規定したテーブル(不図示)を備えており、燃料ガス温度センサ27(図1)が計測した燃料ガス出口温度に基づいて、増加レートの上限値が設定される。この増加レートの上限値は、燃料ガス温度の上昇が基準値を超えないように、例えば,シミュレーションや実機試験等により決定することもできる。
[0037]
 増加レート設定部53から段階的に増加して出力される目標流量は、加熱水流量センサ28(図1)で計測された加熱水流量と比較され、これらの差分値がPI制御部52に入力されてダンプ弁36の弁開度が設定される。
[0038]
 次に、制御手順について説明する。この図6では、ダンプ弁36の弁開度をPI制御に戻す際の制御手順を説明する。図6に示すように、無負荷信号がOFF、又は、無負荷信号がONしてから所定時間T1(例えば10分)が経過する(ステップSb1)と、制御部50Aは、燃料ガス温度センサ27により燃料ガス出口温度を計測し、計測した燃料ガス出口温度を取得する(ステップSb2)。
[0039]
 続いて、制御部50Aは、計測した燃料ガス出口温度に対応する加熱水の増加レートの上限値を読み出す(ステップSb3)。増加レートの上限値は、増加レート設定部53に設けられたテーブルから読み出され、このテーブルには、燃料ガス出口温度と増加レートの上限値との関係が、燃料ガス出口温度ごとに規定されている。これにより、簡単な構成で、実際の燃料ガス出口温度に対応する加熱水の増加レートの上限値を設定できる。なお、燃料ガス出口温度を定期的(例えば30秒ごと)に計測し、その都度、対応する増加レートの上限値を読み出してもよい。この構成では、燃料ガス出口温度の変化に伴い、加熱水の増加レートの上限値を正確に設定できる。
[0040]
 次に、制御部50Aは、加熱水の増加レートの上限値以下の範囲で、ダンプ弁36の弁開度を制御する(ステップSb4)。具体的には、加熱水の増加レートの上限値により設定される加熱水の目標流量と、実際の加熱水の流量との差分値に基づき、ダンプ弁36の弁開度をPI制御によって設定する。この構成によれば、ダンプ弁36の弁開度は、規定開度から目標開度まで段階的に大きくなるため、図7に示すように、所定時間T1(例えば10分)が経過後における加熱水の流量増加に伴う燃料ガス温度の急激な上昇を防止できる。さらに、ダンプ弁36の弁開度は、測定された燃料ガス出口温度に対応する増加レートの上限値以下の範囲で制御されるため、増加レートの上限値を超えて、加熱水の流量が増加することが防止され、燃料ガス温度を精度良く調整することができる。
[0041]
 以上、説明したように、本実施形態に係る複合サイクルプラント10は、ガスタービン11と、ガスタービン11の排熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラ12と、排熱回収ボイラ12で加熱された加熱水を熱源として、ガスタービン11の燃焼器22に供給される燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱部30と、燃料ガス加熱部30を通過した加熱水を排熱回収ボイラ12に戻す加熱水戻りライン31に設けられた返送弁32と、返送弁32と排熱回収ボイラ12との間で加熱水戻りライン31から分岐して加熱水を復水器35に戻す復水ライン34に設けられたダンプ弁36と、返送弁32及びダンプ弁36の動作を制御する制御部50(50A)と、を備え、制御部50(50A)は、ガスタービン11の無負荷信号がONとなった場合に、返送弁32を閉じると共に、所定時間の間、ダンプ弁36の弁開度を、燃料ガス加熱部30を流れる加熱水の流量を絞るべく定められた規定開度に保持するため、燃料ガス加熱部30を流れる加熱水の流量を抑制することができる。このため、上記した所定時間におけるガスタービン11の無負荷信号がONした直後の燃料ガス温度の急激な上昇を防止することができる。
[0042]
 また、所定時間の経過後、制御部50Aは、ダンプ弁36の弁開度を、規定開度からガスタービン11の負荷に応じて算出された加熱水の目標流量に対応する目標開度まで、段階的に大きくするため、所定時間が経過後における加熱水の流量増加に伴う燃料ガス温度の急激な上昇を防止できる。
[0043]
 さらに、制御部50Aは、燃料ガス加熱部30の出口における異なる燃料ガス出口温度ごとに、加熱水の増加レートの上限値を規定したテーブルを記憶しており、制御部50Aは、測定された燃料ガス出口温度に対応する増加レートの上限値以下の範囲で、ダンプ弁36の弁開度を制御するため、増加レートの上限値を超えて、加熱水の流量が増加することが防止され、燃料ガス温度を精度良く調整することができる。
[0044]
 また、制御部50Aは、所定時間が経過する前にガスタービン11の負荷が所定下限値を上回った場合、所定時間の経過を待たずに、ダンプ弁36の弁開度を規定開度から目標開度まで段階的に大きくするため、ガスタービン11が負荷運転に戻った際に、該負荷に対する追従性を向上できる。
[0045]
 以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

符号の説明

[0046]
 10 複合サイクルプラント(ガスタービン複合サイクルプラント)
 11 ガスタービン
 12 排熱回収ボイラ
 13 蒸気タービン
 22 燃焼器
 24 発電機
 25 燃料ガス供給ライン
 26 加熱水供給ライン
 27 燃料ガス温度センサ
 28 加熱水流量センサ
 30 燃料ガス加熱部
 31 加熱水戻りライン
 32 返送弁
 34 復水ライン
 35 復水器
 36 ダンプ弁
 50、50A 制御部
 51 流量算出部
 52 PI制御部
 53 増加レート設定部

請求の範囲

[請求項1]
 ガスタービンと、
 前記ガスタービンの排熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、
 前記排熱回収ボイラで加熱された加熱水を熱源として、前記ガスタービンの燃焼器に供給される燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱部と、
 前記燃料ガス加熱部を通過した加熱水を前記排熱回収ボイラに戻す加熱水戻りラインに設けられた返送弁と、
 前記返送弁と前記排熱回収ボイラとの間で前記加熱水戻りラインから分岐して前記加熱水を復水器に戻す復水ラインに設けられたダンプ弁と、
 前記返送弁及び前記ダンプ弁の動作を制御する制御部と、を備え、
 前記制御部は、前記ガスタービンの負荷が所定下限値以下となった場合に、
 前記返送弁を閉じると共に、所定時間の間、前記ダンプ弁の弁開度を、前記燃料ガス加熱部を流れる前記加熱水の流量を絞るべく定められた規定開度に保持することを特徴とするガスタービン複合サイクルプラント。
[請求項2]
 前記所定時間の経過後、前記制御部は、前記ダンプ弁の弁開度を、前記規定開度から前記ガスタービンの負荷に応じて算出された前記加熱水の目標流量に対応する目標開度まで、段階的に大きくすることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン複合サイクルプラント。
[請求項3]
 前記制御部は、前記燃料ガス加熱部の出口における異なる燃料ガス出口温度ごとに、単位時間あたりの前記加熱水の増加流量を示す増加レートの上限値を規定したテーブルを記憶しており、前記制御部は、測定された燃料ガス出口温度に対応する前記増加レートの上限値以下の範囲で、前記ダンプ弁の弁開度を制御することを特徴とする請求項2に記載のガスタービン複合サイクルプラント。
[請求項4]
 前記制御部は、前記所定時間が経過する前に前記ガスタービンの負荷が所定下限値を上回った場合、前記所定時間の経過を待たずに、前記ダンプ弁の弁開度を前記規定開度から前記目標開度まで段階的に大きくすることを特徴とする請求項2または3に記載のガスタービン複合サイクルプラント。
[請求項5]
 前記排熱回収ボイラで発生した蒸気により駆動される蒸気タービンを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のガスタービン複合サイクルプラント。
[請求項6]
 ガスタービンと、前記ガスタービンの排熱を回収して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラで加熱された加熱水を熱源として、前記ガスタービンの燃焼器に供給される燃料ガスを加熱する燃料ガス加熱部と、前記燃料ガス加熱部を通過した加熱水を前記排熱回収ボイラに戻す加熱水戻りラインに設けられた返送弁と、前記返送弁と前記排熱回収ボイラとの間で前記加熱水戻りラインから分岐して前記加熱水を復水器に戻す復水ラインに設けられたダンプ弁と、を備えたガスタービン複合サイクルプラントの制御方法であって、
 前記ガスタービンの負荷が所定下限値以下となったか否かを判別するステップと、
 該負荷が所定下限値以下となった場合に、前記返送弁を閉じると共に、所定時間の間、前記ダンプ弁の弁開度を、前記燃料ガス加熱部を流れる前記加熱水の流量を絞るべく定められた規定開度に保持するステップと、
 を備えることを特徴とするガスタービン複合サイクルプラントの制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]