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1. (WO2018190221) 顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法
Document

明 細 書

発明の名称 顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

産業上の利用可能性

0038  

符号の説明

0039  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法

技術分野

[0001]
 本発明は、観察対象となる試料をそのままの状態(平面又は立体の状態)で観察可能な顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、顕微鏡(光学顕微鏡)を用いた試料の観察は、スライドガラスに貼り付けられカバーガラスで封じられた試料(即ち、プレパラート)を、ステージ上に配置して行っている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2007-17806号公報
特許文献2 : 特許第5437436号公報
特許文献3 : WO2006/001158号公報
特許文献4 : 特許第6203989号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1においては、試料はスライドガラスとカバーガラスで挟まれた状態で観察されるため、試料が平面状となり、試料をそのままの状態(本来の状態)で観察することはできなかった。なお、試料の3次元像を観察する顕微鏡として、共焦点レーザ走査型顕微鏡や多光子励起レーザ走査型顕微鏡等もあるが、この場合、顕微鏡の装置構成が複雑となり、高額となって不経済であり、操作性にも問題があった。
 更に、プレパラートを用いて試料を観察するに際しては、焦点調整の際に、対物レンズがプレパラートに衝突して、対物レンズが損傷するおそれもあった。
 なお、特許文献2~4には、立体画像の表示装置並びにその製造方法が提案されているが、試料の画像を拡大するものではない。
[0005]
 本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な装置構成で、1)例えば、透明又は半透明の試料をそのままの状態で、対物レンズを損傷させることなく、希望する任意の深さ位置で観察可能な、2)場合によっては不透明な試料であっても、対物レンズに試料やプレパラートを接触させるおそれなく、試料を拡大して観察できる顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 前記目的に沿う第1の発明に係る顕微鏡装置は、観察しようとする試料を保持する支持手段と、前記試料に特定方向から光を当てる照明手段と、拡大して観察しようとする対象物に向けて配置された顕微鏡とを有する顕微鏡装置において、
 前記試料と、前記顕微鏡の対物レンズとの間に立体像結像手段を配置し、前記立体像結像手段の一側に前記試料を配置し、前記立体像結像手段によって該立体像結像手段の他側に前記試料の実画像を形成し、該実画像を前記顕微鏡の前記対象物とする。
[0007]
 第1の発明に係る顕微鏡装置において、前記立体像結像手段は、平行に並んで配置された帯状の多数の光反射部をそれぞれ有する第1、第2の光制御パネルを、平面視して前記光反射部が交差(好ましくは、直交)した状態で重ねて配置して形成されている(例えば、特許文献2、4参照)が好ましいが、前記立体像結像手段として、特許文献3に記載のようにマイクロレンズアレイを結像手段として選択することもできる。
[0008]
 第1の発明に係る顕微鏡装置において、前記支持手段は光透過性を有する液体が充填された容器を有し、該容器の液体内に透明又は半透明の前記試料が配置され、前記顕微鏡の焦点調整によって、前記試料の拡大断面を観察可能であることが好ましい。
 ここで、前記実画像を、光学的に直列に配置された2つの前記立体像結像手段を介して形成することもできる。
[0009]
 第1の発明に係る顕微鏡装置において、前記支持手段が光透過性を有するプラスチック体であって、該プラスチック体内に前記試料を装入又は封止することもできる。
[0010]
 前記目的に沿う第2の発明に係る顕微鏡装置を用いた試料観察方法は、支持手段で保持されて、立体像結像手段の一側に配置した観察しようとする試料に、照明手段によって特定方向から光を当て、前記立体像結像手段の他側に、前記試料の実画像を形成し、該実画像を顕微鏡で観察する。
[0011]
 第2の発明に係る顕微鏡装置を用いた試料観察方法において、前記立体像結像手段は、平行に並んで配置された帯状の多数の光反射部をそれぞれ有する第1、第2の光制御パネルを、平面視して前記光反射部が交差(好ましくは、直交)した状態で重ねて配置して形成され、前記第1の光制御パネルの光反射部で反射した前記試料からの光を、前記第2の光制御パネルの光反射部で再反射して前記試料の実画像を形成することが好ましい。
[0012]
 第2の発明に係る顕微鏡装置を用いた試料観察方法において、前記支持手段は光透過性を有する液体が充填された容器を有し、前記試料は前記容器の液体内に配置されていることが好ましい。
[0013]
 第2の発明に係る顕微鏡装置を用いた試料観察方法において、前記試料は透明又は半透明であって、前記顕微鏡の焦点調整によって、前記試料の拡大断面が観察できることが好ましい。

発明の効果

[0014]
 本発明に係る顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法は、試料と、顕微鏡の対物レンズとの間に立体像結像手段を配置し、この立体像結像手段の一側に試料を配置するので、立体像結像手段によってその他側に試料の実画像を形成して、この実画像を、顕微鏡により拡大して観察できる。これにより、簡単な装置構成で、例えば、透明又は半透明の試料をそのままの状態で、空間に結像させ、この空間に結像された像を対物レンズで見るので、対物レンズを損傷させることなく、対象物の任意の深さ位置で観察できる。また、場合によっては不透明な試料であっても、対物レンズに試料やプレパラートを接触させるおそれなく、試料を拡大して観察できる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 本発明の一実施例に係る顕微鏡装置の説明図である。
[図2] 同顕微鏡装置の立体像結像手段による試料の実画像の形成状況を示す説明図である。
[図3] (A)、(B)はそれぞれ同顕微鏡装置の立体像結像手段の正断面図及び側断面図である。
[図4] (A)~(C)はそれぞれ同顕微鏡装置に用いられる試料の容器の説明図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供する。
 図1、図2に示すように、本発明の一実施例に係る顕微鏡装置10は、試料11を保持するステージ(支持手段の一例)11aと、立体像結像手段12と、顕微鏡13とを有し、立体像結像手段12によって形成される試料11の実画像(対象物の一例)14を、実画像14に向けて配置された顕微鏡13によって拡大し観察することで、試料11を平面状にすることなくそのままの状態(立体の状態)で観察可能な装置である。以下、詳しく説明する。
[0017]
 顕微鏡13は従来公知の光学顕微鏡であり、例えば、倒立顕微鏡、測定顕微鏡、解剖顕微鏡、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、偏光顕微鏡、蛍光顕微鏡等がある。
 この顕微鏡13は、対物レンズ15と接眼レンズ16を有し、対物レンズ15を介して実画像14の像(倒立実像、中間像、又は、一次拡大像ともいう)を形成すると共に、この像を接眼レンズ16に案内して正立虚像を形成する。なお、顕微鏡13は、対物レンズ15と接眼レンズ16を有する複式顕微鏡であるが、対物レンズで拡大された倒立実像を直接観察する単式顕微鏡、例えば、CCDカメラ等で倒立実像を直接に撮像するテレビ観察可能な顕微鏡でもよい(即ち、接眼レンズを有しない顕微鏡)。
[0018]
 顕微鏡装置10には照明手段17が設けられ、図1に示すように、試料11に向けて水平方向左側(特定方向)から光を当てる構成となっている。この照明手段17には、例えば、LEDランプやハロゲンランプ等の光源を使用できる。なお、図1中の符号18は顕微鏡13に設けられた光の反射鏡であるが、なくてもよい。
 この顕微鏡装置10で観察しようとする試料11は、光学顕微鏡で観察可能な、外部から内部を視認できる、例えば、透明又は半透明のものである。具体的には、ゾウリムシやミジンコ等の微生物、人の細胞、大腸菌等の菌類等がある。なお、試料は、場合によっては不透明でもよい。
[0019]
 上記した顕微鏡13の対物レンズ15と試料11との間には、立体像結像手段12が配置されている。
 立体像結像手段12は、図3(A)、(B)に示すように、平行に並んで配置(立設)された帯状の多数の垂直光反射面(光反射部の一例)19をそれぞれ有する第1の光制御パネル(平行光反射パネル)20と第2の光制御パネル(平行光反射パネル)20aを、第1の光制御パネル20の垂直光反射面19と第2の光制御パネル20aの垂直光反射面19とが平面視して直交(交差の一例であり、例えば、88~92度の範囲で交差させてもよい)した状態で重ねて配置したものである(例えば、特許文献4、PCT/JP2017/12622参照)。なお、第1、第2の光制御パネル20、20aは同一の構成を有しているので、その構成要素には同一の番号を付与する。
[0020]
 第1の光制御パネル20(第2の光制御パネル20aも同様)は、透明平板21の片側に(第1の光制御パネル20では上部に、第2の光制御パネル20aでは下部に)、垂直面22及び傾斜面23を有する断面三角形の溝24と、この溝24間に形成される断面三角形の凸条25を備えている。第1、第2の光制御パネル20の溝24及び凸条25はそれぞれ一定のピッチで平行に多数設けられている。
 溝24の垂直面22には、鏡面処理がなされて、即ち、金属反射膜(金属被膜)22aが形成されており、金属反射膜22aの片面が垂直光反射面(鏡面)19となっている。
 一方、傾斜面23は、非光反射面であって光透過面とするのが好ましい。
[0021]
 溝24の内部には、透明樹脂26が充填され、充填面27はそれぞれ第1、第2の光制御パネル20、20a(例えば透明平板21)の表面28と平行となっている。
 この第1、第2の光制御パネル20、20aは、それぞれの垂直光反射面19を平面視して直交させた状態で、当接、又は、近接させて重ねて配置されている。また、第1、第2の光制御パネル20、20aは、例えば、透明な接着剤(樹脂)を介して接合され、一体化されていてもよい。
[0022]
 第1、第2の光制御パネル20、20aの形状(透明平板21及び凸条25)を構成する透明樹脂と、溝24に充填する透明樹脂26とは、同一の樹脂であることが好ましいが、異なる種類の透明樹脂であってもよい。なお、異なる種類の透明樹脂を使用する場合は、屈折率が同一又は近似しているのが好ましい。即ち、第1、第2の光制御パネル20、20aの形状を構成する透明樹脂の屈折率(η)と同一又は略等しい屈折率(例えば±20%の範囲、即ち(0.8~1.2)ηの範囲)のものを、溝24に充填する透明樹脂26として使用する。
[0023]
 これにより、図3(A)、(B)において、立体像結像手段12の一側(左下側)から斜めに入光した試料11からの光L1、L2は、下側の第1の光制御パネル20の垂直光反射面19のP1、P2で反射し、更に上側の第2の光制御パネル20aの垂直光反射面19のQ1、Q2で再反射して、立体像結像手段12の他側(右上側)に実画像14(立体像)を形成できる。
 なお、ここでは、鏡面処理によって垂直面22に形成された金属反射膜22aの裏側(図3では左側)を第1、第2の光制御パネル20、20aの垂直光反射面19として使用したが、金属反射膜22aの表側(図3では右側)を垂直光反射面19として使用することもできる。
[0024]
 第1の光制御パネル20(第2の光制御パネル20aも同様)は、透明板材21の片側に、垂直面22と傾斜面23とを有する断面三角形の溝24、及び、隣り合う溝24によって形成される断面三角形の凸条25がそれぞれ平行配置された透明樹脂からなる成型母材を製造した後、凸条25(溝24)の垂直面22に、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等からなる金属反射膜22aを形成することで、製造できる。
[0025]
 上記した成型母材は、プレス成型、インジェクション成型、又は、ロール成型で製造できる。
 また、金属反射膜22aは、凸条25の垂直面22に、スパッターリング、金属蒸着、又は、金属微小粒子の吹き付けを行うことで形成できる。
 そして、金属反射膜22a(垂直光反射面19)のピッチは、特に限定されるものではないが、試料11の寸法等を考慮すれば、例えば、1~20μm(より好ましくは、5~10μm)であることが好ましい。
[0026]
 なお、立体像結像手段は、試料の実画像を形成できれば、上記した構成に限定されるものではない。
 光反射部を形成する垂直面は、前記のように断面三角形の凸条に形成されている場合の他、例えば、特許第4865088号公報に記載のように、光反射部を積層される断面矩形の透明板の片面にそれぞれ形成してもよい。
 また、立体像結像手段12は、第1、第2の光制御パネル20、20aを別々に製造して、これらを重ね合わせて形成したものであるが、透明平板の表裏面に溝及び凸条を形成して、第1、第2の光制御パネルを一体成型したものでもよい。
[0027]
 顕微鏡装置10による試料11の観察は、図1に示すように、顕微鏡装置10に設けられた平面状のステージ(支持手段の一例)11a上に試料11を配置して保持し、試料11と対物レンズ15の間に立体像結像手段12を配置して、立体像結像手段12の一側(図1では左下側)に試料11を配置し、この試料11に照明手段17で水平方向から光を当てることにより行う。これにより、試料11は透明又は半透明であるため、立体像結像手段12によって、立体像結像手段12を中心にして(挟んで)試料11とは対称位置(立体像結像手段12の他側(図1では右上側))に試料11の実画像14が形成され、この実画像14が、拡大して観察しようとする顕微鏡13の対象物となる。
[0028]
 ここで、試料11の観察は、試料11を、光透過性を有するプラスチック体の一例であるシャーレ(平皿)内に配置した(装入された)状態で行うことができるが、このシャーレの代わりに、試料11が封止された光透過性を有する(透明な)プラスチック体を、ステージ11a上に配置して行うこともできる(この場合、プラスチック体とステージ11aが支持手段となる)。
 なお、試料11をプラスチック体に封止する方法としては、試料11を溶融状態の樹脂に埋めて(樹脂埋めして)固化させる方法(樹脂の種類によって、熱や紫外線を用いて固化させる方法)等がある。
[0029]
 また、試料11の観察は、図4(A)~(C)に示すように、試料11を保持する支持手段として、試料11を装入可能な容器31~33を用いて行ってもよい。この容器31~33は、透明であることが好ましく、光透過性を有するプラスチック体で構成されているが、ガラス等の光透過性を有する他の材質で構成することもできる。
 上記した各容器31~33内には、光透過性を有する液体34が充填されている。この液体34としては、試料11の種類に応じて、例えば、水や生理食塩水、また、培養液等を使用できる(シャーレを使用する場合も同様)。なお、液体34は試料11が存在する状態で凍結させて(固体状態にして)、試料11の位置決めを行ってもよい。
[0030]
 図4(A)に示す容器31は、上部に水平状態の開口部35が形成されたものである。この容器31の上部には立体像結像手段12が、容器31の開口部35を開口させた状態で斜めに取付け固定されている。このとき、顕微鏡13は、実画像14に向けて、観察方向が横方向(水平方向)となるように配置する。
 これにより、容器31に充填された液体34中の(容器31内に装入された)試料11の実画像14を、立体像結像手段12を挟んで試料11とは対称位置に、従って、平面視して容器31の側方に形成できる。
[0031]
 図4(B)に示す容器32は、上部に傾斜状態の開口部36が形成されたものである。この容器32の上端部には立体像結像手段12が、開口部36を塞ぐように取付け固定されている。このとき、顕微鏡13は、実画像14に向けて、観察方向が横方向(水平方向)となるように配置する。
 これにより、立体像結像手段12で閉塞された容器32内に液体34を充填することで、容器32内から空気を排除できるため、液体34と空気層との屈折を考慮することなく、液体34中の試料11の実画像14を、立体像結像手段12を挟んで試料11とは対称位置に、従って、平面視して容器32の側方に形成できる。
[0032]
 図4(C)に示す容器33には、2つの立体像結像手段12が設けられている。この2つの立体像結像手段12は、光学的に直列に配置されており、その頂部を当接させた状態で山型状に配置され、一方の傾斜した立体像結像手段12が容器33の底部を構成している。このため、山型状に配置された2つの立体像結像手段12の間には、液体34が浸入しない構成となっている。
 なお、ここでは、2つの立体像結像手段12の上端部が当接した状態となっているが、離れた状態で2つの立体像結像手段12を配置してもよい。
[0033]
 これにより、一方の立体像結像手段12で、この立体像結像手段12を中心にして液体34中の試料11とは対称位置に形成される試料11の実画像14aが、更に、他方の立体像結像手段12により、この立体像結像手段12を中心にして実画像14aとは対称位置に、実画像(対象物の一例)37として形成される。このとき、顕微鏡13は、実画像37に向けて、観察方向が縦方向(垂直方向)となるように配置する。
 従って、観察する試料11の実画像37は、光学的に直列に配置された2つの立体像結像手段12を介して形成された像であるため、凹凸が正常状態(試料11と同じ状態)となる。
[0034]
 次に、本発明の一実施例に係る顕微鏡装置10を用いた試料観察方法について、図1、図2を参照しながら説明する。
 まず、図1に示すように、顕微鏡装置10のステージ11a上で立体像結像手段12の一側に観察対象物である試料11を配置する。なお、立体像結像手段12はステージ11aに配置され、試料11は前記したようにシャーレ内に配置されているが、シャーレの代わりに、図4(A)~(C)に示す容器31~33を用いてもよい。そして、照明手段17によって特定方向から試料11に光を当てる。
 これにより、立体像結像手段12の他側に、図2に示す試料11の実画像14(又は図4(C)に示す実画像37)が形成される。
[0035]
 形成された試料11の実画像14の断面像は、対物レンズ15によって拡大されて断面拡大像がつくられ、その断面拡大像が接眼レンズ16によって拡大されて更なる断面拡大像がつくられることにより、肉眼で観察される。
 具体的には、試料11の実画像14の断面像をmnとすると、対物レンズ15によって倒立実像の1次像(断面拡大像)m´n´がつくられる。また、接眼レンズ16をその前側焦点よりも接眼レンズ16側に1次像m´n´が配置されるようにすることにより、更に拡大された正立虚像MNがつくられ、眼(瞳)によって拡大像を観察できる。
[0036]
 このとき、対物レンズ15を、実画像14に近づける又は遠ざける(顕微鏡13の焦点調整を行う)ことで、実画像14の各々の位置での断面の拡大像(拡大断面)を観察できるが、観察しようとする実画像14の位置によっては、対物レンズ15が実画像14内に侵入する場合もある。しかし、実画像14は、試料11そのものではなく、試料11の像であるため、対物レンズ15が損傷するおそれもない。
 従って、本発明の顕微鏡装置10及びこれを用いた試料観察方法により、簡単な装置構成で、透明又は半透明の試料をそのままの状態で、対物レンズを損傷させることなく、任意の深さ位置で観察できる。また、場合によっては不透明な試料であっても、対物レンズに試料やプレパラートを接触させるおそれなく、試料を拡大して観察できる。
[0037]
 以上、本発明を、実施例を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施例に記載の構成に限定されるものではなく、請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施例や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施例や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
 例えば、本発明の顕微鏡装置が有する顕微鏡は、立体像結像手段を配置することを前提とした構成となっているが、従来使用されている顕微鏡装置(立体像結像手段を配置することを前提としていなかった顕微鏡装置)に立体像結像手段を設けた場合も、本発明の権利範囲に含まれる。

産業上の利用可能性

[0038]
 本発明に係る顕微鏡装置及びこれを用いた試料観察方法は、簡単な装置構成で、試料をそのままの状態で空間に結像させ、この空間に結像された像(実画像)を対物レンズで拡大して見ることができる。これによって、対象物を任意の深さ位置で観察できるため、例えば、生物(動物、植物、菌類、細菌)の研究、医学の発展、薬剤の開発等に寄与できる。

符号の説明

[0039]
10:顕微鏡装置、11:試料、11a:ステージ(支持手段)、12:立体像結像手段、13:顕微鏡、14:実画像(対象物)、14a:実画像、15:対物レンズ、16:接眼レンズ、17:照明手段、18:反射鏡、19:垂直光反射面(光反射部)、20:第1の光制御パネル、20a:第2の光制御パネル、21:透明平板、22:垂直面、22a:金属反射膜、23:傾斜面、24:溝、25:凸条、26:透明樹脂、27:充填面、28:表面、31~33:容器、34:液体、35、36:開口部、37:実画像(対象物)

請求の範囲

[請求項1]
 観察しようとする試料を保持する支持手段と、前記試料に特定方向から光を当てる照明手段と、拡大して観察しようとする対象物に向けて配置された顕微鏡とを有する顕微鏡装置において、
 前記試料と、前記顕微鏡の対物レンズとの間に立体像結像手段を配置し、前記立体像結像手段の一側に前記試料を配置し、前記立体像結像手段によって該立体像結像手段の他側に前記試料の実画像を形成し、該実画像を前記顕微鏡の前記対象物とすることを特徴とする顕微鏡装置。
[請求項2]
 請求項1記載の顕微鏡装置において、前記立体像結像手段は、平行に並んで配置された帯状の多数の光反射部をそれぞれ有する第1、第2の光制御パネルを、平面視して前記光反射部が交差した状態で重ねて配置して形成されていることを特徴とする顕微鏡装置。
[請求項3]
 請求項1又は2記載の顕微鏡装置において、前記支持手段は光透過性を有する液体が充填された容器を有し、該容器の液体内に透明又は半透明の前記試料が配置され、前記顕微鏡の焦点調整によって、前記試料の拡大断面を観察可能であることを特徴とする顕微鏡装置。
[請求項4]
 請求項3記載の顕微鏡装置において、前記実画像が、光学的に直列に配置された2つの前記立体像結像手段を介して、形成されることを特徴とする顕微鏡装置。
[請求項5]
 請求項1又は2記載の顕微鏡装置において、前記支持手段が光透過性を有するプラスチック体であって、該プラスチック体内に前記試料が装入又は封止されていることを特徴とする顕微鏡装置。
[請求項6]
 支持手段で保持されて、立体像結像手段の一側に配置した観察しようとする試料に、照明手段によって特定方向から光を当て、前記立体像結像手段の他側に、前記試料の実画像を形成し、該実画像を顕微鏡で観察することを特徴とする顕微鏡装置を用いた試料観察方法。
[請求項7]
 請求項6記載の顕微鏡装置を用いた試料観察方法において、前記立体像結像手段は、平行に並んで配置された帯状の多数の光反射部をそれぞれ有する第1、第2の光制御パネルを、平面視して前記光反射部が交差した状態で重ねて配置して形成され、前記第1の光制御パネルの光反射部で反射した前記試料からの光を、前記第2の光制御パネルの光反射部で再反射して前記試料の実画像を形成することを特徴とする顕微鏡装置を用いた試料観察方法。
[請求項8]
 請求項6又は7記載の顕微鏡装置を用いた試料観察方法において、前記支持手段は光透過性を有する液体が充填された容器を有し、前記試料は前記容器の液体内に配置されていることを特徴とする顕微鏡装置を用いた試料観察方法。
[請求項9]
 請求項6~8のいずれか1項に記載の顕微鏡装置を用いた試料観察方法において、前記試料は透明又は半透明であって、前記顕微鏡の焦点調整によって、前記試料の拡大断面が観察できることを特徴とする顕微鏡装置を用いた試料観察方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]