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1. (WO2018189998) 蛍光成形体、固体光源及びこれを用いた電子機器
Document

明 細 書

発明の名称 蛍光成形体、固体光源及びこれを用いた電子機器

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020   0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114  

符号の説明

0115  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 蛍光成形体、固体光源及びこれを用いた電子機器

技術分野

[0001]
 本技術は、蛍光成形体、固体光源及びこれを用いた電子機器に関する。

背景技術

[0002]
 錐台構造におけるエバネッセント光の結合現象を利用した発光ダイオードが提案されている(例えば特許文献1参照。)この発光ダイオードは、GaAsなどの半導体の錐台の内部に発光ダイオードとなる活性層が埋め込まれた構成を有する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-219343号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上述の発光ダイオードにおいては、輝度が低く、また、発光ダイオードとなる活性層が錐台内部に埋め込まれる構成のため、多くの工程数を経て製造する必要があり、微細構造の製造の難度が高い。また、発光ダイオード動作時に錐台内部に電流を流すため、加熱による劣化を防止するために低温駆動する必要があり、使用用途が限定される。
[0005]
 本技術の目的は、錐台に電流を流す必要がない、指向性の高い高輝度の発光が得られる蛍光成形体、固体光源及びこれを用いた電子機器を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 本技術の一実施形態に係る蛍光成形体は、第1の面と、第2の面と、側面とを備える。
 上記第1の面には、レーザ光源から出力された励起光が入射される。
 上記第2の面は、上記第1の面に対向配置される。
 上記側面は、上記第1の面と上記第2の面と接し、上記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する。
 上記蛍光成形体は、上記励起光により励起されて発光し、上記発光の発光波長をλとしたときに、上記第1の傾斜面と上記第2の面とが接する位置と上記第2の傾斜面と上記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である。
[0007]
 本形態のこのような構成によれば、励起光が蛍光成形体に照射され、蛍光成形体の内部で発光した光が蛍光体と外部の界面にて全反射されることにより第1の傾斜面及び第2の傾斜面にエバネッセント波が生成される。生成されたエバネッセント波は、傾斜面に沿って第2の面まで移動する。そして、第1の傾斜面と第2の面とが接する位置と第2の傾斜面と第2の面とが接する位置との距離を2λ未満とすることにより、傾斜面に沿って移動したエバネッセント波は消滅せずに第1の面側で結合して伝播光に変換される。これにより、蛍光成形体から指向性の高い、高輝度の発光を得ることができる。
[0008]
 上記蛍光成形体の内部で前記励起光により励起されて発せられる発光が全反射されることにより上記第1の傾斜面及び上記第2の傾斜面にエバネッセント波が生成される。
[0009]
 上記第1の傾斜面と上記第2の面とのなす角度と、上記第2の傾斜面と上記第2の面とのなす角度とは等しくともよい。
[0010]
 このような構成によれば、第1の傾斜面に沿って移動するエバネッセント波と第2の傾斜面に沿って移動するエバネッセント波が、第1の傾斜面と第2の面とが接する位置と第2の傾斜面と第2の面とが接する位置との中心付近に同じタイミングで到達し結合することになり、強い発光を得ることができる。
[0011]
 上記第1の面と上記第2の面とは平行に配置されていてもよい。
[0012]
 上記第2の面は平坦面であってもよい。
 また、上記第1の面は平坦面であってもよく、第1の面及び第2の面のいずれもが平坦面であってもよい。
 上記蛍光成形体は錐台形状を有してもよい。
[0013]
 上記蛍光成形体はバルク蛍光体からなってもよい。
 このように蛍光成形体として、励起効率が高いバルク蛍光体を用いることにより、レーザ光の強度が弱くても十分な発光を得ることができる。また、バルク結晶からなる蛍光体バルク板を加工することにより蛍光成形体を容易に成形することができる。
[0014]
 上記蛍光成形体は、透明高屈折率体と、上記透明高屈折率体の内部に配置された上記励起光により励起されて発光する蛍光体微粒子を含む蛍光体層とを有してもよい。
[0015]
 本技術の一形態に係る固体光源は、レーザ光源と蛍光成形体とを具備する。
 上記レーザ光源は、励起光を出力する。
 上記蛍光成形体は、上記励起光が入射される第1の面と、上記第1の面に対向配置された第2の面と、上記第1の面と上記第2の面と接し、上記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、上記励起光により励起されて発光し、上記発光の発光波長をλとしたときに、上記第1の傾斜面と上記第2の面とが接する位置と上記第2の傾斜面と上記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である。
[0016]
 本形態によれば、励起光が蛍光成形体に照射されて傾斜面にエバネッセント波が生成される。エバネッセント波は、傾斜面に沿って第2の面まで移動する。そして、第1の傾斜面と第2の面とが接する位置と第2の傾斜面と第2の面とが接する位置との距離を2λ未満とすることにより、傾斜面に沿って移動したエバネッセント波は消滅せずに第2の面側で結合して伝播光に変換される。これにより、光学モジュールから指向性の高い、高輝度の発光を得ることができる。
[0017]
 本技術の一形態に係る電子機器は、レーザ光源と蛍光成形体とを具備する。
 上記レーザ光源は、励起光を出力する。
 上記蛍光成形体は、上記励起光が入射される第1の面と、上記第1の面に対向配置された第2の面と、上記第1の面と上記第2の面と接し、上記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、上記励起光により励起されて発光し、上記発光の発光波長をλとしたときに、上記第1の傾斜面と上記第2の面とが接する位置と上記第2の傾斜面と上記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である。
[0018]
 本形態によれば、レーザ光源と蛍光成形体からなる固体光源を、プロジェクタ、光学機器といった電子機器に搭載することができる。
[0019]
 上記蛍光成形体が複数配置され、上記励起光を透過する回転基板を更に具備してもよい。
 このように、蛍光成形体を回転可能な回転基板に複数配置することにより、レーザ光源からの励起光の照射位置を相対的に移動させながら蛍光成形体に励起光を照射することができ、励起光による局所的加熱による劣化を防止することができる。

発明の効果

[0020]
 以上のように、本技術によれば、エバネッセント光の結合現象を利用した指向性の高い高輝度の発光を得ることができる。
[0021]
 なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 第1~第3の実施形態に係る固体光源の模式図である。
[図2] 図1の固体光源におけるエバネッセント光の結合現象を説明するための図である。
[図3] 第1~第3の実施形態に係る固体光源に用いられる蛍光成形体の斜視図である。
[図4] 各実施形態に係る固体光源に用いられる蛍光成形体の寸法及び第1の実施形態に係る固体光源に用いられる蛍光成形体の寸法を説明するための蛍光成形体の断面図である。
[図5] 第4の実施形態に係る固体光源の模式的な斜視図である。
[図6] 図5に示す固体光源が搭載されたプロジェクタの構成を示す模式図である。
[図7] 第5の実施形態に係る蛍光成形体の平面図である。
[図8] 第6及び第7の実施形態に係る固体光源の構成を示す模式図である。
[図9] 第8及び第9の実施形態に係る蛍光成形体の模式的な側面図である。
[図10] 第10の実施形態に係る固体光源の模式図である。
[図11] 第11の実施形態に係る固体光源の模式図である。
[図12] 第12の実施形態に係る固体光源の模式的な部分拡大図である。

発明を実施するための形態

[0023]
 以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
 図1は第1の実施形態に係る固体光源の模式図であり、図2は図1の固体光源におけるエバネッセント光の結合現象を説明するための図である。図3(A)は、図1の固体光源の一部を構成する蛍光成形体の斜視図である。
[0024]
 固体光源1は、励起光源であるレーザ光源11と、蛍光成形体12を有する。固体光源1は、1つのレーザ光源11に対し1つの蛍光成形体12が設けられて構成されてもよいし、1つのレーザ光源11に対して複数の蛍光成形体12が設けられて構成されてもよい。
[0025]
 レーザ光源11は、蛍光成形体12に対して励起光であるレーザ光20を出力する。蛍光成形体12は、レーザ光により励起されて発光する。本実施形態において、レーザ光源11には、例えばInGaN青紫色レーザが用いられる。蛍光成形体12には、例えば青色蛍光体であるBaMgAl 1017:Eu 2+(BAM)やSr MgSi :Eu 2+(SMS)等のバルク結晶からなるバルク蛍光体を用いることができる。尚、ここで蛍光体の組成においてコロン(:)は、「賦活された」という意味であり、コロンの後に記載される元素により賦活されたことを示す。
[0026]
 レーザ光と蛍光成形体の組み合わせは、固体光源から発光される色をどのような色とするかで適宜設定することができる。レーザ光源11には、励起対象の蛍光体である蛍光成形体12を発光させるための励起光を出力することができるものを用いることができる。レーザ光源11には、蛍光成形体12の発光ピークのある波長範囲よりも高いエネルギーを有する波長範囲の光を出力するものを用いることができる。本実施形態においては、固体光源1からは青色光が発光される。
[0027]
 蛍光成形体12は、第1の平坦面16と、第2の平坦面18と、側面17とを有する正四角錐台形状を有する。
[0028]
 第1の平坦面16にはレーザ光源11から出力されるレーザ光20が入射される。
 第1の平坦面16と第2の平坦面18とは平行に配置される。第2の平坦面18は、第1の平坦面16よりも面積が小さく、第1の平坦面16の形状と第2の平坦面18の形状は相似関係にある。また、第2の平坦面18を第1の平坦面16に投影したときに、第2の平坦面18は第1の平坦面16内に位置する。
[0029]
 側面17は、第1の平坦面16と第2の平坦面18と接する錐体面である。側面17は、第2の平坦面18に対して鈍角に傾斜する、対向配置された一対の第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bを有する。本実施形態においては、第2の平坦面18と第1の傾斜面17aとのなす角度と第2の平坦面18と第2の傾斜面17bとのなす角度とは等しい。本実施形態において、蛍光成形体12は正四角錐台形状を有するので、対向配置された第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bが2組存在する。
 蛍光成形体12は、バルク結晶からなる蛍光体バルク板を所望の形状に表面加工して形成される。
[0030]
 蛍光成形体12にレーザ光20が入射され、蛍光成形体12の内部でレーザ光20により励起されて発せられる発光が全反射されて、蛍光成形体12の第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bの表面にエバネッセント波14が生成される。エバネッセント波14は、全反射条件下において低屈折率媒質側に染み出る特殊な光である。
[0031]
 蛍光成形体12は、第1の平坦面16を2分割して線対称とする対称軸を通る第1の平坦面16に垂直な面である対称面を有する。第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bは、この対称面を境にして対称の位置関係にある。この第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bは側面17に含まれる。
[0032]
 エバネッセント波14は、一対の第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bにそれぞれ染み出て、第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bに沿って第2の平坦面18に向かって移動し、第2の平坦面18上に到達すると結合し伝播光15に変換される。この伝播光15は指向性のある強い光であり、固体光源1から発光される。一対の第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bそれぞれの面を延在したときに互いの延在面が接する位置側に、第2の平坦面18は位置する。
[0033]
 第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bそれぞれの傾斜面上を移動するエバネッセント波同士が強い結合となるように、光が傾斜面で全反射を開始する位置から第2の平坦面18までの距離を、第1の傾斜面17a側と第2の傾斜面17b側とでほぼ同じくなるように蛍光成形体12を成形するのが望ましい。
[0034]
 エバネッセント波14を生成するには、蛍光成形体12に入射されたレーザ光20が蛍光成形体12の内部で全反射することが必要である。このため、蛍光成形体12の内部にある発光点13から発光される光の、蛍光成形体12と大気との境界に入射する入射角が全反射の臨界角よりも大きくなるように蛍光成形体12は設計される。ここで、発光点13とは、レーザ光源11の焦点であり、例えば図示しない集光光学系によりレーザ光源11からのレーザ光20が発光点13で集光される。蛍光成形体12にレーザ光20が照射されることにより蛍光成形体12は励起されて発光する。
[0035]
 図4(A)及び(B)は、第1の平坦面16を2分割して線対称とする対称軸を通る第1の平坦面16に垂直な対称面に対して垂直な断面で蛍光成形体12を切断したときの断面図である。この断面は等脚台形の形状を有する。
[0036]
 蛍光成形体1の断面形状の台形における角度と寸法は、エバネッセント波の強い結合が得られるよう、発光波長、蛍光成形体を構成するバルク蛍光体の材料物性に応じて、適宜、設計される。
[0037]
 上述の通り、エバネッセント波を生成するためには、励起された光が蛍光成形体12の内部で全反射する必要がある。またエバネッセント波は波長λ程度の伝播距離で消滅する。尚、λは、レーザ光20が入射されて蛍光成形体12が励起されて、蛍光成形体12から大気中へ放射される発光の発光波長を示す。
[0038]
 これらを考慮し、エバネッセント波14を生成し、結合させて伝播光15に変換させるために、図4(A)に示すように、蛍光成形体12は発光点13を通る第2の平坦面18と平行する面と、第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bそれぞれがなす角度θを40~60°とすることが望ましい。また、台形の上底に相当する第2の平坦面18の横幅W2を2λ未満とすることが望ましい。W2の値は、例えば2μm未満とすることができる。また、レーザの焦点の深さ位置、すなわち発光点13と第2の平坦面18との距離Hを、1μm以下とすることが望ましい。
[0039]
 上述の横幅W2は、第1の傾斜面17aと第2の平坦面18とが接する位置と第2の傾斜面17bと第2の平坦面18とが接する位置との距離に相当する。
[0040]
 発光点13と第2の平坦面18との距離Hは1μm以下とすることが望ましい。1μmよりも深くなると、生じたエバネッセント波が傾斜面を走る距離が長くなりすき、蛍光成形体12の内部に反射光として戻ってしまい、第2の平坦面18まで到達しない。一方、距離Hの値が小さすぎると、全反射光を効率よく用いることができない。
[0041]
 発光点13から第2の平坦面18におろした垂線と第2の平坦面18とが交差する点が第2の平坦面18の中心にある場合、距離Hの下限値H minは、(W/2)/tanθで求めることができる。例えば距離Hは0.25~1μmに設定される。図4において、符号13´は、下限値H minをとるときの発光点の位置を示す。
[0042]
 発光点13は、発光点13を第2の平坦面18に投影したときに第2の平坦面18内に位置することが望ましく、更に、第2の平坦面18の中心に位置することが望ましい。これにより、発光される光の指向性が向上する。例えば、発光点13が第2の平坦面18の中心からずれると発光される光の指向性が低下してしまう。
[0043]
 また、蛍光成形体12へのレーザ光20の入射は、反射による光の損失を抑制するために第1の平坦面16に対して垂直に行われることが望ましい。
[0044]
 図4(B)に本実施形態における蛍光成形体12の具体的な寸法を示す。
 図4(B)に示すように、第2の平坦面18と平行する発光点13を通る面と、第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bそれぞれの面とがなす角度θを45°、第1の平坦面16と平行な発光点13を通る面における横幅W1を2.5μm、第2の平坦面18の横幅W2を0.5μm、第1の平坦面16と平行な発光点13を通る面と第2の平坦面18との距離Hを1μmとした。
[0045]
 横幅W1は、正四角錐台の蛍光成形体12の対称面及び第1の平坦面16に対して垂直な面と、第1の平坦面16と平行する発光点13を通る面とが交差する線の長さに相当する。
 横幅W2は、正四角錐台の蛍光成形体12の対称面及び第2の平坦面18に対して垂直な面と、第2の平坦面18とが交差する線の長さに相当する。
[0046]
 以上のように、本実施形態においては、エバネッセント光の結合現象を利用することにより、光取り出し効率が高く高輝度の、また、指向性の高い発光を得ることができる。また、蛍光成形体に電流を流す必要がない構成であるので、電流を流すことによる過熱による蛍光成形体の劣化の発生を防止することができ、室温での動作が可能となり、使用用途が広い。
[0047]
 また、蛍光成形体12は、バルク結晶からなる蛍光体バルク板を加工することにより形成するので、複数の製造工程を経て発光ダイオードが内部に配置される錐台を形成する必要がなく、容易に製造することができる。また、発光ダイオードではなくレーザ光からの励起光を用いて、蛍光体を発光させるので高輝度の発光を得ることができる。
[0048]
 また、バルク蛍光体は励起効率が高いので、発光効率が高く、レーザ光の強度が弱くても、十分な発光を得ることができる。また、バルク蛍光体の体積を大きく取ることができるため、表面加工欠陥による量子効率低下の影響がない。
[0049]
 固体光源1は、例えば蛍光成形体12とレーザ光源11を1ユニットとして、複数のユニットを2次元マトリクス状に配置して用いられる。
[0050]
 本実施形態では、蛍光成形体の形状が四角錐台形状を有しているが、この形状に限定されない。例えば以下に説明する第2の実施形態に示すような円錐台形状や第3の実施形態に示すような一方向に線状に延在する形状であってもよい。
[0051]
 少なくとも、蛍光成形体が、互いに対向する第1の面及び第2の面と、側面とを有し、側面が、第2の面に対し鈍角に傾斜する、対向配置された第1の傾斜面と第2の傾斜面とを有する形状であればよい。言い換えると、蛍光成形体を第1の面を下にして第2の面と直交するある面で切断したときに、その断面が、第2の面に相当する上の辺と、傾斜面に相当する左右それぞれの辺とのなす角度がそれぞれ鈍角となる略四角形状を有していればよく、発光点からの発光が蛍光成形体の内部で全反射する形状であればよい。これにより、エバネッセント波が傾斜面に生成される。
[0052]
 そして、傾斜面に染み出たエバネッセント波が第2の面まで到達できるように発光点と第2の面との距離を設定し、エバネッセント波が結合し伝播光に変換されるように、第1の傾斜面と第2の面とが接する位置と第2の傾斜面と第2の面とが接する位置との距離に相当する横幅W2を2λ未満とすればよい。
[0053]
 具体的には、例えば第1の面と第2の面とが平行である場合は、第2の面を2分割して線対称とする対称軸を通る第2の面に垂直な対称面と第2の平坦面の両方に垂直な断面で切断した蛍光成形体の台形状の断面において、図4(A)に示すように、発光点13を通る第2の面と平行する面と傾斜面とがなす角度θを40~60°とし、第2の面における横幅W2を2λ未満とすればよい。更に、生じたエバネッセント波が第2の面まで到達できるように第2の面と発光点との距離を0.25μm以上1μm以下とすればよい。
[0054]
 尚、本実施形態においては、蛍光成形体の断面が等脚台形状を有する場合を説明したが、これに限定されない。台形形状の断面において、第2の平坦面に相当する上底の両端にある2つの内角がいずれも鈍角であればよく、これら内角が同じ角度でなくても、傾斜面にエバネッセント波が生成される。
[0055]
 しかしながら、第2の平坦面と第1の傾斜面とがなす角度と、第2の平坦面と第2の傾斜面とがなす角度が等しくなることが望ましい。これにより、第1の傾斜面に沿って移動するエバネッセント波と第2の傾斜面に沿って移動するエバネッセント波が、第1の傾斜面と第2の面とが接する位置と第2の傾斜面と第2の面とが接する位置との中心付近に同じタイミングで到達し結合することになり、強い発光と指向性を得ることができる。
[0056]
 以下に第2の実施形態及び第3の実施形態について説明するが、第1の実施形態と比較して蛍光成形体の形状のみが異なる。上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
[0057]
(第2の実施形態)
 図1は第1の実施形態に係る固体光源の模式図であり、図2は図1の固体光源におけるエバネッセント光の結合現象を説明するための図である。図3(B)は、図1の固体光源101の一部を構成する蛍光成形体112の斜視図である。
 固体光源101は、励起光源であるレーザ光源11と、円錐台形状の蛍光成形体112を有する。
[0058]
 蛍光成形体112は、第1の平坦面116と、第2の平坦面118と、側面117とを有する円錐台形状を有する。
[0059]
 第1の平坦面116にはレーザ光源11から出力される励起光であるレーザ光20が入射される。
 第1の平坦面116と第2の平坦面118とは平行に配置される。第2の平坦面118は、第1の平坦面116よりも面積が小さく、第1の平坦面116の形状と第2の平坦面118の形状は相似関係にある。また、第2の平坦面18を第1の平坦面16に投影したときに、第2の平坦面18は第1の平坦面16内に位置する。
[0060]
 側面117は、第1の平坦面116と第2の平坦面118に接する錐体面である。側面117は、第2の平坦面118に対して鈍角に傾斜する、対向配置された第1の傾斜面117a及び第2の傾斜面117bを有する。本実施形態においては、蛍光成形体112は円錐台形状を有するので、対向配置される一対の第1の傾斜面117a及び第2の傾斜面117bは、全周にわたって存在する。
[0061]
 蛍光成形体112は、第2の平坦面118を2分割して線対称とする対称軸を通る第2の平坦面118に垂直な面である対称面を有する。第1の傾斜面117a及び第2の傾斜面117bは、この対称面を境にして対称の位置関係にある。
[0062]
 本実施形態においても第1の実施形態と同様に、エバネッセント波14は、一対の第1の傾斜面117a及び第2の傾斜面117bにそれぞれ染み出て第2の平坦面118で結合し伝播光15となり、固体光源101から発光される。
[0063]
(第3の実施形態)、
 図1は第1の実施形態に係る固体光源の模式図であり、図2は図1の固体光源におけるエバネッセント光の結合現象を説明するための図である。図3(C)は、図1の固体光源201の一部を構成する蛍光成形体212の部分斜視図である。
[0064]
 固体光源201は、励起光源であるレーザ光源11と、一方向に延在する断面が等脚台形状の蛍光成形体212を有する。このように、第1の実施形態の蛍光成形体12や第2の実施形態の蛍光成形体112を複数一方向に配設する代わりに、線状の蛍光成形体212としてもよく、加工成形が容易となる。
[0065]
 蛍光成形体212は、第1の平坦面216と、第2の平坦面218と、側面217とを有する一方向に長い六面体形状を有する。
[0066]
 第1の平坦面216にはレーザ光源11から出力される励起光であるレーザ光20が入射される。第1の平坦面216と第2の平坦面218とは平行に配置される。第1の平坦面16に垂直で、かつ蛍光成形体212の長手方向と直交する面で蛍光成形体212を切断したときの断面は等脚台形形状を有する。
[0067]
 側面217は、第1の平坦面216と第2の平坦面218と接する。側面217は、第2の平坦面218に対して鈍角に傾斜する、対向配置された一対の第1の傾斜面217a及び第2の傾斜面217bを有する。本実施形態においては、対向配置される第1の傾斜面17a及び第2の傾斜面17bが1組存在する。
[0068]
 蛍光成形体212は、第2の平坦面218を2分割して線対称とする対称軸を通る第2の平坦面218に垂直な面である対称面を有する。第1の傾斜面217a及び第2の傾斜面217bは、この対称面を境にして対称の位置関係にある。本実施形態においては、第2の平坦面218を2分割して線対称とする対称軸は、蛍光成形体212の長手方向と平行である。
[0069]
 エバネッセント波14は、一対の第1の傾斜面217a及び第2の傾斜面217bにそれぞれ染み出て第2の平坦面218で結合し伝播光15となり、固体光源201から発光される。
[0070]
(第4の実施形態)
 本技術に係る固体光源は、プロジェクタの光源、車載ヘッドランプ、光学機器の光源、液晶パネルのバックライト等に適用することができる。本実施形態では、固体光源を電子機器としてのプロジェクタに搭載した例をあげて説明する。上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付す。
[0071]
 図5は、プロジェクタに搭載される固体光源301の模式図である。図6は、図5に示す固体光源301を搭載したプロジェクタ1000の構成を示す概略図である。
[0072]
 図6に示すようにプロジェクタ1000は、光源装置300と光学エンジン50とを有する。光学エンジン50は、光源装置300から出射される光を利用する。プロジェクタい1000では、光学エンジン50に含まれる後述する投射光学系580により合成された光がスクリーンに照射される。
[0073]
 光学エンジン50は、ダイクロイックミラー510、520、ミラー530、540及び550、リレーレンズ560及び570、フィールドレンズ590R、590G及び590B、液晶ライトバルブ595R、595G及び595B、ダイクロイックプリズム500及び投射光学系580を備える。
[0074]
 光源装置300は、固体光源301、集光レンズ303、コリメート光学系304、インテグレータ素子320、偏光変換素子305、重畳レンズ306等を備える。光源装置300は、白色光を出射するプロジェクタ用の光源装置である。
[0075]
 固体光源301は、レーザ光源11と、蛍光体ホイール1312を有する。図5及び図6に示すように、蛍光体ホイール1312は、レーザ光源11から出力されるレーザ光20を透過させる円盤形状の回転基板308と、当該回転基板308上に設けられた蛍光体層312を有する。蛍光体層312は、上述の第1実施形態で示した蛍光成形体12が複数、二次元マトリクス状に配列された蛍光体群である。尚、蛍光成形体の形状は四角錐台形状に限定されない。
[0076]
 本実施形態においては、レーザ光源11として、例えば405nmの紫色レーザが用いられる。蛍光体層312を構成する蛍光成形体には、青色バルク蛍光体からなる青色蛍光成形体と黄色バルク蛍光体からなる黄色蛍光成形体の2種類が用いられる。青色バルク蛍光体としては、例えば(SrBa) 10(PO Cl :Eu等の405nmの励起光により青色を発光する蛍光体を用いることができる。黄色バルク蛍光体としては、例えばCa-α-SiAlON:Eu等の405nmの励起光により黄色を発光する蛍光体を用いることができる。これら青色と黄色により疑似白色が生成され、固体光源301からは白色光が出射される。青色バルク蛍光体からなる青色蛍光成形体と黄色バルク蛍光体からなる黄色蛍光成形体とは、例えば回転基板308上に市松状に二次元マトリクス状に配列されて蛍光体層312を構成する。
[0077]
 蛍光体ホイール1312は、回転基板308の2つの主面のうち、蛍光体層312が設けられていない側の主面を集光レンズ303側に向けるようにして配置される。回転基板308の中心には蛍光体ホイール1312を駆動するモータ307が接続される。蛍光体ホイール1312は、回転基板308の中心を通る法線に回転軸309を有し、モータ307の駆動により回転軸309を中心として回転可能に設けられている。また、蛍光体ホイール1312は、集光レンズ303により集光されるレーザ光20の焦点位置21が蛍光体層312の位置に一致するように配置される。
[0078]
 モータ307によって回転基板308が回転することにより、レーザ光源11は、蛍光体層312上の照射位置を相対的に移動させながら、蛍光体層312に励起光であるレーザ光20を照射する。したがって、蛍光体ホイール1312では、同一の位置に長時間レーザ光が照射されて局所的に加熱されることによる劣化を避けつつ、白色光が得られる。
[0079]
 また、本実施形態においては、蛍光成形体の位置を可変可能にしたが、蛍光成形体の位置を固定しレーザ光源から発せられるレーザ光をスキャンさせて、局所的加熱を防ぐ構成としてもよい。また、蛍光体ホイール1312に配置される蛍光成形体を、断面が台形状で外形がリング状の蛍光成形体を複数同心円状に配列して構成してもよい。
[0080]
(第5の実施形態)
 図7は、第5の実施形態における固体光源の蛍光成形体412の平面形状を説明する図である。本実施形態の蛍光成形体412は、レーザ光源からの励起光であるレーザ光により赤色を発光する赤色蛍光成形体と、緑色を発光する緑色蛍光成形体と、青色を発光する青色蛍光成形体を有し、これら各色の蛍光成形体から発せられる赤色、緑色、青色により白色を得ることができる。
[0081]
 図7に示すように、蛍光成形体412は、赤色バルク蛍光体からなる赤色蛍光成形体412Rと、緑色バルク蛍光体からなる緑色蛍光成形体412Gと、青色バルク蛍光体からなる青色蛍光成形体412Bが二次元マトリクス状に配列されて構成される。
[0082]
 蛍光成形体412を構成する赤色蛍光成形体412R、緑色蛍光成形体412G、青色蛍光成形体412Bは、例えば上述の第1実施形態で示した蛍光成形体12のような四角錐台形状を有する。尚、蛍光成形体の形状は四角錐台形状に限定されない。
[0083]
 レーザ光源としては、赤色蛍光成形体412R、緑色蛍光成形体412G、青色蛍光成形体412Bを励起する励起光が出力されるレーザが用いられる。例えば、レーザ光源として405nmの紫色レーザを使用することができる。赤色蛍光成形体412Rとして例えばCa-α-SiAlSiN :Eu、緑色蛍光成形体412Gとして例えばβ-SiAlON:Eu、青色蛍光成形体412Bとして例えば(SrBa) 10(PO Cl :Eu等を用いることができ、これら蛍光成形体はそれぞれ405nmの励起光により赤色、緑色、青色に発光する。
[0084]
 レーザ光源は、蛍光成形体毎に設けてもよいし、1つのレーザ光で複数の蛍光成形体を一括して照射する構成としてもよい。
[0085]
 このように、発光する光の波長特性が異なる蛍光成形体を複数用いて、これら蛍光成形体から得られる発光色を混合して、任意の色及び色度の光を得ることができる。また、固体光源から発光される色を所望の色とするために、各色の蛍光成形体の配置数を調整することもできる。例えば、赤の色味が強い白色光を得るために、赤色蛍光成形体の配置数を他色の蛍光成形体よりも多く配置するなどすることができる。
[0086]
(第6の実施形態)
 上述の実施形態においては、主に、1つの蛍光成形体12に対して1つのレーザ光が配置される構成を説明したが、これに限定されない。
[0087]
 図8(A)は、第6の実施形態における固体光源501の模式図である。図8(A)に示すように、1つのレーザ光源11で、複数の蛍光成形体12に一括して励起光を照射してもよい。また、レーザ光源11の位置を可変可能とし、レーザ光源11をスキャンしながら、複数の蛍光成形体12に励起光を照射してもよい。
[0088]
 複数の蛍光成形体12は、各蛍光成形体12の第1の平坦面16が面一となるように二次元マトリクス状に配置され、複数の蛍光成形体12が第1の平坦面16側で連結して蛍光成形体板512を構成する。このような蛍光成形体板512はバルク結晶からなる蛍光体バルク板の表面を加工することにより形成することができる。また、各蛍光成形体12が連結せず、個々に成形されて二次元マトリクス状に配列されてもよい。
[0089]
 尚、ここで四角錐台形状の蛍光成形体12を例にあげて説明したが、蛍光成形体12の形状はこれに限定されない。例えば、上述の蛍光成形体112のように円錐台形状としたり、蛍光成形体212のように一方向に延在した線状の成形体としてもよい。
[0090]
(第7の実施形態)
 図8(B)は、第7の実施形態における固体光源601の模式図である。本実施形態は、構成上、第6の実施形態と比較して光ファイバの有無のみが異なる。第6の実施形態と同様の構成については同様の符号を付す。
[0091]
 図8(B)に示すように、レーザ光源11から出力される励起光であるレーザ光20が光ファイバ602を介して蛍光成形体板512に照射されるように構成してもよい。これにより、レーザ光20のビーム径を変調するなどして照射範囲を調整することができる。また、照射面積、照射効率、加熱防止等を考慮し、レーザ光20のビーム形状を円形、矩形等に適宜調整してもよい。
[0092]
 また、電子機器などに固体光源を搭載する際、設計上、レーザ光源から出力されるレーザ光を蛍光成形体に入射させるのが困難な場合であっても、光ファイバ602を設けることによりレーザ光源11の配置の自由度が増し、電子機器の設計範囲を広げることができる。
[0093]
(第8の実施形態)
 図9(A)は、第8の実施形態における固体光源の蛍光成形体の模式図である。図9(A)に示すように、レーザ光源からの励起光であるレーザ光が入射される蛍光成形体712の第1の面716側をモスアイ形状に加工してもよい。或いは、蛍光成形体12の第1の平坦面16にモスアイ形状のシートを配置してもよい。
[0094]
 蛍光成形体712は、第1の面716と、第2の平坦面718と、側面717とを有する略正四角錐台形状を有する。第1の面716にはレーザ光源11から出力されるレーザ光20が入射される。モスアイ形状を有する第1の面716には、微小な形状の等しい突起が複数、面内均一に配置される。この複数の突起の高さ方向における中心は、第2の平坦面718に平行な同一の面上に位置し、第1の面716と第2の平坦面718とは平行に配置されるとみなす。
[0095]
 側面717は、第1の面716と第2の平坦面718と接する錐体面である。側面717は、第2の面718に対して鈍角に傾斜する、対向配置された一対の第1の傾斜面717a及び第2の傾斜面717bを有する。
[0096]
 このように、第1の面716を反射防止構造とすることができ、斜めから入射したレーザ光20が第1の面716で反射して光が損失するのを抑制することができ、レーザ光(励起光)取り込み効率が向上する。
[0097]
(第9の実施形態)
 図9(B)は、第9の実施形態における固体光源の蛍光成形体の模式図である。図9(B)に示すように、蛍光成形物体812は、蛍光成形体12と、蛍光成形体12の第1の平坦面16上に順に積層された第1の光学膜813及び第2の光学膜814を有する。
[0098]
 蛍光成形体12の屈折率をn1、第1の光学膜813の屈折率をn2、第2の光学膜814の屈折率をn3、大気の屈折率をn4としたときに、n1>n2>n3>n4の関係となるよう構成することにより、反射防止構造とすることができる。このように、屈折率が大気から蛍光成形体まで段階的に増加する多層膜構造にして反射防止構造とする他、蛍光成形体の第1の平坦面16上に屈折率が連続的に変化する光学膜を設けて反射防止構造としてもよい。これにより、斜めから入射したレーザ光20が第1の面で反射して光が損失するのを抑制することができ、レーザ光(励起光)取り込み効率が向上する。
[0099]
(第10の実施形態)
 上述の各実施形態においては、蛍光成形体にバルク蛍光体を用いた例をあげたが、これに限定されない。蛍光成形体として、透明の錐台形状の高屈折率体の内部に、蛍光体微粒子コンパウンドを配置してもよい。以下、図10を用いて説明する。上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付す。
[0100]
 図10は第10の実施形態に係る固体光源901の模式図である。
 固体光源901は、励起光源であるレーザ光源11と、蛍光成形体912を有する。蛍光成形体912は四角錐台形状を有する。蛍光成形体912は、透明高屈折率体914の内部に、蛍光体層としての蛍光体微粒子コンパウンド913が配置されて構成される。透明高屈折率体914は、GaAs等の透明の高屈折材料から形成される。透明高屈折率体914は、例えば第1の実施形態の蛍光成形体12と同様の形状を有し、蛍光成形体912では、蛍光成形体12の発光点13の位置に蛍光体微粒子コンパウンド913が配置される構成となっている。
[0101]
 蛍光体微粒子コンパウンド913は、有機樹脂に蛍光体微粒子を含有させた蛍光体層である。例えば、蛍光体微粒子コンパウンド913は、有機樹脂溶液としてジメチルシリコーン樹脂溶液に、蛍光体微粒子であるBaMgAl 1017:Eu 2+(BAM)の微粒子を含有させて形成することができる。また、レーザ光源11には、例えばBaMgAl 1017:Eu 2+(BAM)を励起させるInGaN青紫色レーザを用いることができる。これにより、固体光源901から青色が発光される。
[0102]
 蛍光成形体912は、レーザ光源11から出力されたレーザ光20が入射される第1の平坦面916と、該第1の平坦面916に平行な第2の平坦面918と、第1の平坦面916と第2の平坦面918と接する側面917を有する四角錐台形状を有する。側面917は、第2の平坦面918に対して鈍角に傾斜する、対向配置された一対の第1の傾斜面917a及び第2の傾斜面917bを有する。
[0103]
 蛍光成形体912において、上述のバルク蛍光体からなる蛍光成形体と同様に、エバネッセント波14は、一対の第1の傾斜面917a及び第2の傾斜面917bにそれぞれ染み出る。エバネッセント波14は、第1の傾斜面917a及び第2の傾斜面917bに沿って第2の平坦面918に向かって移動し、第2の平坦面918上に到達すると結合し伝播光15に変換され、固体光源901から発光され、光取り出し効率が良い。
[0104]
 本実施形態のGaAs等の透明の高屈折材料からなる透明高屈折率体914の内部に蛍光体微粒子コンパウンド913が配置されて構成される蛍光成形体912においても、第1の実施形態で説明したエバネッセント波の結合現象を利用するための条件を満たすことにより、指向性の高い発光を得ることができる。
[0105]
(第11の実施形態)
 上述の各実施形態においては、蛍光成形体として第1の面と第2の面とが平行である場合を例にあげたが、非平行であってもよく、上述の各実施形態と同様にエバネッセント光の結合現象を利用した指向性の高い高輝度の発光を得ることができる。
 以下、図11を用いて説明する。上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付す。
[0106]
 図11は第11の実施形態に係る固体光源1001の模式図である。
 固体光源1001は、励起光源であるレーザ光源11と、蛍光成形体1012を有する。蛍光成形体1012は六面体形状を有する。蛍光成形体1012は、第1の平坦面1016と、第2の平坦面1018と、側面1017とを有する。
[0107]
 第1の平坦面1016にはレーザ光源11から出力されるレーザ光20が入射される。
 第1の平坦面1016と第2の平坦面1018とは対向配置される。第2の平坦面1018は、第1の平坦面1016よりも面積が小さい。
[0108]
 側面1017は、第1の平坦面1016と第2の平坦面1018と接する。側面1017は、第2の平坦面1018に対して鈍角に傾斜する、対向配置された一対の第1の傾斜面1017a及び第2の傾斜面1017bを有する。本実施形態においては、蛍光成形体1012は六面体形状を有するので、対向配置された第1の傾斜面1017a及び第2の傾斜面1017bが2組存在する。また、第1の傾斜面1017aと第2の平坦面1018とのなす角度及び第2の傾斜面1017bと第2の平坦面1018とのなす角度はいずれも鈍角であり、角度が等しくなるように構成される。
[0109]
 本実施形態においては、第1の平坦面1016と第2の平坦面1018とは非平行である。この場合、レーザ光が第1の面1016に対し垂直に入射され、発光点13に到達するようにレーザ光源11が配置されればよい。尚、発光点13は、第2の面1018の中心を通る第2の面に垂直な線上に設けられる。
[0110]
 このように第1の平坦面1016と第2の平坦面1018とを非平行に配置することにより、レーザ光源11の設計範囲を広げることができる。すなわち、第2の平坦面1018に対する第1の平坦面1016の配置角度を調整することにより、レーザ光源11を斜めに配置する等、レーザ光源11の配置位置を任意に調整することができ、設計の自由度が増す。
[0111]
(第12の実施形態)
 上述の第1~第7、第10及び第11の各実施形態においては、蛍光成形体の励起光であるレーザ光が照射される側の第1の面が平坦面である場合を例にあげた。第1の面は平坦であることが望ましいが、必ずしも平坦でなくてもよい。例えば図12に示すように、第1の面2016が複数の斜面を有するような面であっても、上述の各実施形態と同様にエバネッセント光の結合現象を利用した指向性の高い高輝度の発光を得ることができる。このように第1の面2016が平坦面でない場合、第1の面2016に対し垂直にレーザ光20が入射されて発光点13に到達するようにレーザ光源11を配置すればよい。
[0112]
 以上、本技術の各実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[0113]
 例えば、上述の実施形態においては、1つのレーザ光に対して1つ又は複数の蛍光成形体を設けたが、1つの蛍光成形体に複数のレーザからの励起光が集光する構成としてもよく、レーザ光強度を高めることができる。また、複数の異なるレーザ光源を用い、発光色の異なる蛍光成形体毎に、その蛍光成形体に適した励起光が出力されるレーザ光源を設けてもよい。
[0114]
 なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
 (1)レーザ光源から出力された励起光が入射される第1の面と、
 前記第1の面に対向配置された第2の面と、
 前記第1の面と前記第2の面と接し、前記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、
 前記励起光により励起されて発光し、前記発光の発光波長をλとしたときに、前記第1の傾斜面と前記第2の面とが接する位置と前記第2の傾斜面と前記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である
 蛍光成形体。
 (2)上記(1)記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体の内部で前記励起光により励起されて発せられる発光が全反射されることにより前記第1の傾斜面及び前記第2の傾斜面にエバネッセント波が生成される
 蛍光成形体。
 (3)上記(1)又は(2)記載の蛍光成形体であって、
 前記第1の傾斜面と前記第2の面とのなす角度と、前記第2の傾斜面と前記第2の面とのなす角度とは等しい
 蛍光成形体。
 (4)上記(1)から(3)いずれかに記載の蛍光成形体であって、
 前記第2の面は平坦面である
 蛍光成形体。
 (5)上記(4)に記載の蛍光成形体であって、
 前記第1の面は平坦面である
 蛍光成形体。
 (6)上記(1)から(5)いずれかに記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体は錐台形状を有する
 蛍光成形体。
 (7)上記(1)から(6)いずれかに記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体はバルク蛍光体からなる
 蛍光成形体。
 (8)上記(1)から(6)いずれかに記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体は、透明高屈折率体と、前記透明高屈折率体の内部に配置された前記励起光により励起されて発光する蛍光体微粒子を含む蛍光体層とを有する
 蛍光成形体。
 (9)励起光を出力するレーザ光源と、
 前記励起光が入射される第1の面と、前記第1の面に対向配置された第2の面と、前記第1の面と前記第2の面と接し、前記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、前記励起光により励起されて発光し、前記発光の発光波長をλとしたときに、前記第1の傾斜面と前記第2の面とが接する位置と前記第2の傾斜面と前記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である蛍光成形体と
 を具備する固体光源。
 (10)励起光を出力するレーザ光源と、
 前記励起光が入射される第1の面と、前記第1の面に対向配置された第2の面と、前記第1の面と前記第2の面と接し、前記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、前記励起光により励起されて発光し、前記発光の発光波長をλとしたときに、前記第1の傾斜面と前記第2の面とが接する位置と前記第2の傾斜面と前記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である蛍光成形体と
 を具備する電子機器。
 (11)上記(10)記載の電子機器であって、
 前記蛍光成形体が複数配置され、前記励起光を透過する回転基板を
 更に具備する電子機器。

符号の説明

[0115]
 1、101、201、301、501、601、901、1001…固体光源
 11…レーザ光源
 12、112、212、412、712、912、1012…蛍光成形体
 14…エバネッセント波
 16、116、216、1016…第1の平坦面(第1の面)
 17、117、217、717、917、1017…側面
 17a、117a、217a、717a、917a、1017a…第1の傾斜面
 17b、117b、217b、717b、917b、1017b…第2の傾斜面
 18、118、218、1018…第2の平坦面(第2の面)
 20…レーザ光(励起光)
 308…回転基板
 716…第1の面
 913…蛍光体微粒子コンパウンド(蛍光体層)
 914…透明高屈折率体
 1000…プロジェクタ(電子機器)
 2016…第1の面

請求の範囲

[請求項1]
 レーザ光源から出力された励起光が入射される第1の面と、
 前記第1の面に対向配置された第2の面と、
 前記第1の面と前記第2の面と接し、前記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、
 前記励起光により励起されて発光し、前記発光の発光波長をλとしたときに、前記第1の傾斜面と前記第2の面とが接する位置と前記第2の傾斜面と前記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である
 蛍光成形体。
[請求項2]
 請求項1記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体の内部で前記励起光により励起されて発せられる発光が全反射されることにより前記第1の傾斜面及び前記第2の傾斜面にエバネッセント波が生成される
 蛍光成形体。
[請求項3]
 請求項2記載の蛍光成形体であって、
 前記第1の傾斜面と前記第2の面とのなす角度と、前記第2の傾斜面と前記第2の面とのなす角度とは等しい
 蛍光成形体。
[請求項4]
 請求項3記載の蛍光成形体であって、
 前記第2の面は平坦面である
 蛍光成形体。
[請求項5]
 請求項4記載の蛍光成形体であって、
 前記第1の面は平坦面である
 蛍光成形体。
[請求項6]
 請求項5記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体は錐台形状を有する
 蛍光成形体。
[請求項7]
 請求項4記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体はバルク蛍光体からなる
 蛍光成形体。
[請求項8]
 請求項4記載の蛍光成形体であって、
 前記蛍光成形体は、透明高屈折率体と、前記透明高屈折率体の内部に配置された前記励起光により励起されて発光する蛍光体微粒子を含む蛍光体層とを有する
 蛍光成形体。
[請求項9]
 励起光を出力するレーザ光源と、
 前記励起光が入射される第1の面と、前記第1の面に対向配置された第2の面と、前記第1の面と前記第2の面と接し、前記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、前記励起光により励起されて発光し、前記発光の発光波長をλとしたときに、前記第1の傾斜面と前記第2の面とが接する位置と前記第2の傾斜面と前記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である蛍光成形体と
 を具備する固体光源。
[請求項10]
 励起光を出力するレーザ光源と、
 前記励起光が入射される第1の面と、前記第1の面に対向配置された第2の面と、前記第1の面と前記第2の面と接し、前記第2の面に対して鈍角に傾斜する対向配置された第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する側面とを備え、前記励起光により励起されて発光し、前記発光の発光波長をλとしたときに、前記第1の傾斜面と前記第2の面とが接する位置と前記第2の傾斜面と前記第2の面とが接する位置との距離が2λ未満である蛍光成形体と
 を具備する電子機器。
[請求項11]
 請求項10記載の電子機器であって、
 前記蛍光成形体が複数配置され、前記励起光を透過する回転基板を
 更に具備する電子機器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]