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1. (WO2018189884) 処置具
Document

明 細 書

発明の名称 処置具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

0004   0005  

図面の簡単な説明

0006  

発明を実施するための形態

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2A   2B   2C   3A   3B   3C   3D   3E   3F   4A   4B   5A   5B  

明 細 書

発明の名称 : 処置具

技術分野

[0001]
 この発明は、処置具に関する。

背景技術

[0002]
 例えばUS 2016/0310207 A1には、生体組織に高周波電流を流すとともに、発熱体による電極への伝熱により生体組織を処置する処置具が開示されている。また、この処置具には、1対の処置片のうちの一方の処置片の電極と、他方の処置片の電極との当接を回避する構造が開示されている。
[0003]
 生体組織の処置対象に高周波電流を通電して凝固させる場合、適切な凝固性能を得るためには、処置の初期から終期まで、凝固させる位置に適宜の圧力を加え続けることが必要であることがわかってきている。例えば血管に通電してシール部を形成する場合、適切なシール性能を得るためには、処置の初期から終期まで、シールする位置に適宜の圧力を加え続けることが必要であることがわかってきている。

発明の概要

[0004]
 この発明は、処置の初期から終期まで処置対象に対して処置面間で適宜の把持圧力を加え続けることが可能な処置具を提供することを目的とする。
[0005]
 この発明の一態様に係る処置具は、導電性を有する第1電極を有する第1処置片と、導電性を有する第2電極を有する第2処置片と、前記第1電極により形成される電極面と、電気絶縁性を有する第1絶縁面とを有し、前記第1処置片において前記第2処置片に対向する第1処置面と、前記第2電極により形成される電極面と、電気絶縁性を有する第2絶縁面とを有し、前記第2処置片において前記第1処置面に対向するとともに前記第1処置面に対して相対的に当接可能な第2処置面と、前記第1処置片及び前記第2処置片の少なくとも一方に設けられ、電力の供給により発熱する発熱体とを有し、前記第1処置面に前記第2処置面を当接させたとき、前記第1電極及び前記第2電極は離間した位置にあり、前記第1絶縁面は前記第2電極の前記電極面に面状に当接する第1当接面を有し、前記第2絶縁面は前記第1電極の前記電極面に当接される第2当接面を有し、前記発熱体は、前記第1電極と前記第2電極との間を通電したときの前記第1電極の前記電極面の温度に対して、前記第1電極の前記電極面の温度、及び/又は、前記第1電極と前記第2電極との間を通電したときの前記第2電極の前記電極面の温度に対して、前記第2電極の前記電極面の温度を上昇させることが可能である。

図面の簡単な説明

[0006]
[図1] 図1は、第1から第3実施形態に係るバイポーラ処置システムを示す概略図である。
[図2A] 図2Aは、図1中のシステムの第1実施形態に係る処置具の処置部の2A-2A線に沿う概略的な断面図である。
[図2B] 図2Bは、図2Aに示す処置部の第1処置片の第1処置面と第2処置片の第2処置面とを当接させた状態を示す概略図である。
[図2C] 図2Cは、図2B中の符号2Cで示す位置の拡大図である。
[図3A] 図3Aは、図1中の処置部の第1処置片の第1処置面を示す概略図である。
[図3B] 図3Bは、図1中の処置部の第2処置片の第2処置面を示す概略図である。
[図3C] 図3Cは、図1中の処置部の第1処置片の第1処置面の第1変形例を示す概略図である。
[図3D] 図3Dは、図1中の処置部の第2処置片の第2処置面の第1変形例を示す概略図である。
[図3E] 図3Eは、図1中の処置部の第1処置片の第1処置面の第2変形例を示す概略図である。
[図3F] 図3Fは、図1中の処置部の第2処置片の第2処置面の第2変形例を示す概略図である。
[図4A] 図4Aは、図1中のシステムの第2実施形態に係る処置具の処置部の2A-2A線に沿う概略的な断面図である。
[図4B] 図4Bは、図4Aに示す処置部の第1処置片の第1処置面と第2処置片の第2処置面とを当接させた状態を示す概略図である。
[図5A] 図5Aは、図1中のシステムの第3実施形態に係る処置具の処置部の2A-2A線に沿う概略的な断面図である。
[図5B] 図5Bは、図5Aに示す処置部の第1処置片の第1処置面と第2処置片の第2処置面とを当接させた状態を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0007]
 以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
[0008]
 (第1実施形態)
 第1実施形態について、図1から図3Bを用いて説明する。
[0009]
 図1に示すように、処置システム1は、処置具2と、電源3とを有する。
[0010]
 処置具2は、本体4と、処置部5とを有する。本体4と処置部5との間には、シャフト6が配設されていることが好ましい。本体4は電源3にケーブル7を介して接続される。電源3は、高周波電源(HF電源)3aと、後述するヒータ(発熱体)25を発熱させるヒータ電源3bとを有する。電源3は、本体4を介して処置部5に電気的に接続されている。
[0011]
 本体4は、本体4に一体化された固定ハンドル4aと、固定ハンドル4aに対して近接及び離隔する可動ハンドル4bとを有する。
[0012]
 本体4には、第1スイッチ8a及び第2スイッチ8bが設けられている。公知の技術により、本体4に設けられた第1スイッチ8aを押圧すると、例えば高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、生体組織の凝固又は血管のシールを行う。ここでは、第2スイッチ8bを押圧すると、例えば高周波電源3aから電極24,34に電力を供給するとともにヒータ電源3bからヒータ25に電力を供給する。ヒータ電源3bからヒータ25に電力を供給して発熱させることで、高周波出力による生体組織の凝固又は血管のシールを補助する。ヒータ25は、第1電極24と第2電極34(電極片42,44)との間を通電したときの第1電極24の電極面24aの温度に対して電極面24aの温度を上昇させ、生体組織又は血管の温度を上昇させることができる。
[0013]
 なお、一般に、電極24,34に電力を供給して生体組織の凝固又は血管のシールを行う場合、生体組織又は血管の温度は100℃程度までの間に抑えられる。ヒータ25に電力を供給して生体組織の切開又は血管の切開を行う場合、生体組織又は血管の温度は、数百℃程度まで上昇させることができる。このように、生体組織の切開又は血管の切開を行う温度は、生体組織の凝固又は血管のシールを行う温度に比べて高い。
[0014]
 電源3は、ユーザがスイッチ8aの押圧を解除する操作を行うことにより、処置部5の第1電極24及び第2電極34への電力の供給を停止する。また、電源3は、ユーザがスイッチ8bの押圧を解除する操作を行うことにより、処置部5の第1電極24及び第2電極34への電力の供給、及び、ヒータ25への電力の供給を停止する。
[0015]
 ここでは第1スイッチ8a及び第2スイッチ8bが本体4に設けられ、ユーザの指で操作される構造としている例について説明するが、電源3に接続されるフットスイッチとしてユーザの足で操作される構造とすることも好適である。
[0016]
 処置部5は、第1処置片12と、第2処置片14とを有する。
[0017]
 本体4及び処置部5は、適宜の長手軸L上に配設されている。処置部5は、長手軸Lに沿う方向(長手方向)が、長手軸Lに直交する方向として規定される幅方向Wに比べて長く形成されていることが好ましい。なお、幅方向Wは、図2A中、符号W1で示す方向を第1方向とし、符号W2で示す方向を第2方向とする。第1処置片12及び第2処置片14は、処置部5の基端部において、長手軸Lに直交し、幅方向Wに平行であることが好適な回動軸16により相対的に回動可能に支持されている。
[0018]
 本体4と処置部5の第2処置片14との間には、本体4に対する処置部5の延出方向である長手軸Lに沿って移動する駆動軸18が配設されている。駆動軸18は、可動ハンドル4bの動作に連動して長手軸Lに沿って動く。公知の機構により、可動ハンドル4bを本体の固定ハンドル4aに対して近づける操作により、駆動軸18が移動して、駆動軸18の先端18aに連結された第2処置片14が第1処置片12に対して相対的に近接する。可動ハンドル4bを固定ハンドル4aに対して遠ざける操作により、駆動軸18が移動して、第2処置片14が第1処置片12に対して相対的に離隔する。
[0019]
 処置部5は、第1処置片12が本体4に対して固定されている。例えば本体4の可動ハンドル4bの操作により、第2処置片14が第1処置片12に対して可動する。具体的には、第1処置片12の第1ジョー22は、第2処置片14の第2ジョー32に対して近接及び離隔可能である。また、処置部5は、例えば本体4での操作により、第1処置片12及び第2処置片14の両者が本体4に対して移動する構造であっても良い。ここでは、処置部5が前者の構造である場合を例にして説明する。前者の構造及び後者の構造のいずれであっても、第1ジョー22に対して第2ジョー32が相対的に近接及び離隔可能である。
[0020]
 図1から図3Bに示すように、処置部5の第1処置片12は第1処置面(把持部)12aを有し、第2処置片14は第2処置面(把持部)14aを有する。第1処置面12aは、第1処置片12において第2処置片14に対向する。第2処置面14aは、第2処置片14において第1処置片12に対向する。第1処置面12a及び第2処置面14aは対向し、第1処置片12に対して第2処置片14が回動軸16の軸周りに回動することで近接及び離隔する。第1処置面12a及び第2処置面14aは、近接したときに生体組織を把持可能である。第1処置面12a及び第2処置面14aは、間に生体組織が存在しない状態で近接したときに当接可能である。このため、本実施形態に係る処置具2の処置部5は、第1処置面及び第2処置面が近接したときに間にスペーサが配設され、第1処置面及び第2処置面同士が当接しない構造の処置具の処置部に比べて、血管等の薄い処置対象に対する把持圧力を高めることができる。第1処置面12a及び第2処置面14aは、離隔したときに生体組織を離す。
[0021]
 図2Aには、図1中の2A-2A線に沿う断面を示す。このため、図2Aは、処置部5のうち、長手軸Lに直交し、かつ、幅方向Wに略平行な断面を示している。
[0022]
 第1処置片12は、第2処置面14aに近接又は当接及び離隔する第1処置面12aを有する。第1処置片12は、第1ジョー22と、第1電極24とを有する。第1処置片12には、電力の供給により発熱するヒータ(発熱体)25が設けられている。ヒータ25は、本実施形態では、第1電極24の裏面に配設されている。ヒータ25は、長手軸Lに直交する幅方向Wの中央近傍で、第1電極24のうち、電極面24aとは反対側の位置に取り付けられている。ヒータ25は、耐熱性を有するとともに電気絶縁性を有するとともに、熱伝導性が良好な素材で覆われている。このため、ヒータ25を発熱させると、第1電極24を通して後述する第1電極面24aに伝熱可能である。第1処置面12aは、平面として形成されることが好ましい。第2処置片14は、第2ジョー32と、第2電極34とを有する。第2処置片14は、第1処置面12aに近接又は当接及び離隔する第2処置面14aを有する。第2処置面14aは、平面として形成されることが好ましい。
[0023]
 なお、図3A中の第1処置面12aの先端側には、先端面12bが形成されている。先端面12bは、電気絶縁性を有することが好ましい。第1処置面12a及び先端面12bは同一平面であっても良く、同一平面でなくても良い。同様に、図3B中の第2処置面14aの先端側には、先端面14bが形成されている。先端面14bは、電気絶縁性を有することが好ましい。第2処置面14a及び先端面14bは同一平面であっても良く、同一平面でなくても良い。
[0024]
 第1ジョー22及び第2ジョー32は、長手軸Lに沿って延設されている。第1ジョー22及び第2ジョー32が導電性を有する金属材で形成されている場合、第1ジョー22及び第2ジョー32が電気絶縁性を有する素材で被覆されていることが好ましい。第1ジョー22及び第2ジョー32自体が適宜の剛性を有する電気絶縁性を有する素材で形成されていても良い。また、第1ジョー22及び第2ジョー32は適宜の耐熱性を有することが好ましい。第1電極24及び第2電極34は、導電性を有する素材で形成されている。第1電極24及び第2電極34は異なる極として用いられる。上述した電気絶縁性により、第1電極24から第1ジョー22に向かって意図せず電流が流れることが防止されている。同様に、第2電極34から第2ジョー32に向かって意図せず電流が流れることが防止されている。
[0025]
 第1処置面12aは、長手軸Lに沿って延設されている。第1処置面12aは、第1電極24により形成される第1電極面(把持圧力を付与する面)24aと、電気絶縁性を有する面状部(第1絶縁面)26,28とを有する。第1面状部26は、第1電極面24aに対して第1方向W1側に配設される。第2面状部28は、第1電極面24aに対して第2方向W2側に配設される。第1面状部26及び第2面状部28は、本実施形態では第1ジョー22に一体化されている例について説明するが、別体として形成されていても良い。
[0026]
 面状部(把持圧力を付与する面)26,28には、処置対象の例えば血管や生体組織に対して高周波電流に起因する熱を加えたときに、面状部26,28に貼り付くのを防止する素材が用いられる。面状部26,28に用いられる素材は、例えば数百度程度の耐熱性を有することが好適である。このような素材として、第1処置面12aにおいて、面状部26,28は、電気絶縁性を有する例えばフッ素樹脂により形成されていることが好ましい。
[0027]
 図3Aに示すように、ここでは、第1電極24は、第1処置面12aにおいて、幅方向Wの中央の長手軸Lに沿って延出されている。面状部26,28は、第1処置面12aにおいて、幅方向Wの中央の長手軸Lに沿った位置から外れた位置で、長手軸Lに平行に延出されている。このため、第1処置面12aは、幅方向Wの中央に電極24があり、幅方向Wの外側に面状部26,28がある。
[0028]
 第2処置面14aは長手軸Lに沿って延設されている。第2処置面14aは、電気絶縁性を有する面状部(第2絶縁面)36,37,38と、第2電極34が複数に分離された電極片42,44により形成される電極面(把持圧力を付与する面)42a,44aとを有する。
[0029]
 面状部(把持圧力を付与する面)36,37,38には、処置対象の例えば血管や生体組織に対して高周波電流に起因する熱を加えたときに、面状部36,37,38に貼り付くのを防止する素材が用いられる。面状部36,37,38に用いられる素材は、例えば数百度程度の耐熱性を有することが好適である。このような素材として、第2処置面14aにおいて、面状部36,37,38は、電気絶縁性を有する例えばフッ素樹脂により形成されていることが好ましい。
[0030]
 図3Bに示すように、ここでは、面状部(第2絶縁面)36は、第2処置面14aにおいて、幅方向Wの中央の長手軸Lに沿って延出されている。電極面42a,44aは、第2処置面14aにおいて、幅方向Wの中央の長手軸Lに沿った位置から外れた位置で、長手軸Lに平行に延出されている。このため、第2処置面14aは、幅方向Wの中央に面状部36があり、幅方向Wの外側に電極面42a,44aがある。
[0031]
 第1電極片42は、面状部36に対して第1方向W1側に配設されている。第2電極片44は、面状部36に対して第2方向W2側に配設されている。第2電極34の電極片42,44は同極で同電位である。
[0032]
 面状部37は、第1電極片42に対して第1方向W1側に配設されている。面状部38は、第2電極片44に対して第2方向W2側に配設されている。このため、第2処置面14aは、幅方向Wの中央に面状部36があり、幅方向Wの外側に電極片42,44の電極面42a,44aがあり、電極片42,44の幅方向Wの外側に面状部37,38がある。
[0033]
 第1処置面12aの電極面24aは、第2処置面14aの面状部36に対向している。第1処置面12aの面状部26は、第2処置面14aの電極面42aに対向している。第1処置面12aの面状部28は、第2処置面14aの電極面44aに対向している。
[0034]
 図2Cに示すように、第1面状部26は、第1電極面42aに当接する第1当接面(電極当接面)26aと、第1当接面26aに連続し、面状部36に当接する第2当接面(絶縁当接面)26bとを有する。第1当接面26a及び第2当接面26bは連続している。第2面状部28は、第2電極面44aに当接する第3当接面(電極当接面)28aと、第3当接面28aに連続し、面状部36に当接する第4当接面(絶縁当接面)28bとを有する。第3当接面28a及び第4当接面28bは連続している。
[0035]
 第2処置面14aの面状部36は、電極面24aに当接する第1当接面(電極当接面)36aと、第1当接面36aに連続し第1面状部26に当接する第2当接面(絶縁当接面)36bと、第2当接面36aに連続し第2面状部28に当接する第3当接面(絶縁当接面)36cとを有する。
[0036]
 電極面24aと面状部26の第2当接面26bとの間の境界、及び、電極面24aと面状部28の第4当接面28bとの間の境界はそれぞれ面一に形成されていることが好ましい。また、電極面42aと面状部36の第2当接面36bとの間の境界、及び、電極面44aと面状部36の第3当接面36cとの間の境界はそれぞれ面一に形成されていることが好ましい。
[0037]
 図示しないが、電極面24aと面状部26の第2当接面26bとの間、及び、電極面24aと面状部28の第4当接面28bとの間はそれぞれ空間が形成されていても良い。また、電極面42aと面状部36の第2当接面36bとの間、及び、電極面44aと面状部36の第3当接面36cとの間はそれぞれ空間が形成されていても良い。
[0038]
 第1面状部26は、第1当接面26a及び第2当接面26bに加えて、第3当接面(絶縁当接面)26cを有する。第1当接面26a、第2当接面26b及び第3当接面26cは連続している。第3当接面26cは、面状部37に面状に当接する。このため、第1処置面12aと第2処置面14aとを当接させた状態で、第3当接面26cと面状部37との間には隙間がない。このため、第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、第1処置面12a及び第2処置面14aは、幅方向Wに沿って中央に対して外側の第1方向W1側の領域に当接面26c,37を有する。
[0039]
 第2面状部28は、第1当接面28a及び第2当接面28bに加えて、第3当接面(絶縁当接面)28cを有する。第1当接面28a、第2当接面28b及び第3当接面28cは連続している。第3当接面28cは、面状部38に面状に当接する。このため、第1処置面12aと第2処置面14aとを当接させた状態で、第3当接面28cと面状部38との間には隙間がない。このため、第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、第1処置面12a及び第2処置面14aは、幅方向Wに沿って中央に対して外側の第2方向W2側の領域に当接面28c,38を有する。
[0040]
 本実施形態では、説明の簡略化のため、第1処置面12a及び第2処置面14aの幅方向Wの幅が同一であるものとする。第1処置面12a及び第2処置面14aを当接させた状態で、第1処置面12aの電極面24aの幅方向の寸法D1は、第2処置面14aの面状部36の幅方向の寸法D2よりも小さい。第1処置面12a及び第2処置面14aを当接させた状態で、第1処置面12aの面状部26の幅方向の寸法D3は、第2処置面14aの電極面42aの幅方向の寸法D4よりも大きい。同様に、第1処置面12a及び第2処置面14aを当接させた状態で、第1処置面12aの面状部28の幅方向の寸法D5は、第2処置面14aの電極面44aの幅方向の寸法D6よりも大きい。面状部37の幅D7に第2電極34の電極片42の幅D4を加えた幅は、面状部26の幅D3よりも小さい。面状部38の幅D8に第2電極34の電極片44の幅D6を加えた幅は、面状部28の幅D5よりも小さい。したがって、第1処置面12aの面状部26,28の幅方向Wに沿う長さは、第2電極34の幅方向Wに沿う長さよりも長い。また、第2処置面14aの面状部36の幅方向Wに沿う長さは、第1電極24の幅方向Wに沿う長さよりも長い。
[0041]
 次に、本実施形態に係る処置具2の作用について説明する。
[0042]
 処置具2のユーザは本体4の可動ハンドル4bを固定ハンドル4aに対して近接させ、第1処置面12aに第2処置面14aを当接させる。
[0043]
 第1処置面12aの第1面状部26の第1当接面26aは、第2処置面14aの電極片42の電極面42aに面状に当接される。このとき、第1処置面12aの第1面状部26の第1当接面26aは、長手軸Lに沿う方向、及び、長手軸Lに直交する幅方向Wのいずれにおいても、第2処置面14aの電極片42の電極面42aに当接する。
[0044]
 第1処置面12aの第2面状部28の第3当接面28aは、第2処置面14aの電極片44の電極面44aに面状に当接される。このとき、第1処置面12aの第2面状部28の第3当接面28aは、長手軸Lに沿う方向、及び、長手軸Lに直交する幅方向Wのいずれにおいても、第2処置面14aの電極片44の電極面44aに当接する。
[0045]
 したがって、面状部(第1領域)26,28は第2電極34の電極片42,44に当接面26a,28aでそれぞれ面状に当接される。
[0046]
 第2処置面14aの面状部(第2領域)36の第1当接面36aは、第1処置面12aの電極面24aに面状に当接される。このとき、第2処置面14aの面状部36の第1当接面36aは、長手軸Lに沿う方向、及び、長手軸Lに直交する幅方向Wのいずれにおいても、第1処置面12aの電極面24aに当接する。
[0047]
 そして、第1処置面12aの面状部26のうち、幅方向Wの中央側の第2当接面26bは、第2処置面14aの面状部36のうち、幅方向Wの第1方向W1側の第2当接面36bに当接する。第1処置面12aの面状部28のうち、幅方向Wの中央側の第4当接面28bは、第2処置面14aの面状部36のうち、幅方向Wの第2方向W2側の第3当接面36cに当接する。なお、第1処置片12に対する第2処置片14のガタツキ等を考慮して、第2当接面26bと第2当接面36bとの間の幅すなわち当接面積、及び、第4当接面28bと第3当接面36cとの間の幅すなわち当接面積は、適宜に設定される。
[0048]
 このため、第1処置面12aは第2電極34すなわち電極面42a,44aに面状に当接される当接面26a,28aを含む面状部(把持圧力を付与する面)26,28を有する。また、第2処置面14aは第1電極24すなわち電極面24aに面状に当接される当接面36aを含み、面状部26,28に当接する面状部(把持圧力を付与する面)36を有する。
[0049]
 したがって、第1処置面12aと第2処置面14aとが当接した状態にあっても、第1電極24及び第2電極34は離間した位置にある。詳細には、第1電極24及び第2電極34は、長手軸Lに沿う方向、及び長手軸Lに直交する幅方向Wの少なくともいずれかにおいて、離間している。このため、仮に、第1スイッチ8aを押圧して第1電極24及び第2電極34間に高周波電流を流しても、第1電極24及び第2電極34間の短絡が防止されている。
[0050]
 このように、本実施形態に係る処置具2の処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aの間を当接させた状態において、第1処置面12a及び第2処置面14aの、長手軸Lに直交し、かつ、幅方向Wに直交する開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない。このため、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持圧力が組織に伝えられる。
[0051]
 また、第1処置面12aと第2処置面14aとの間にスペーサも存在しない。このため、処置対象である生体組織において、第1処置面12aと第2処置面14aとの間での把持圧力が幅方向Wに沿って大きく変化することが、抑制されている。また、処置対象の生体組織を、第1処置面12aと第2処置面14aとの間において、より大きな面積で生体組織を把持し易い。
[0052]
 次に、本実施形態に係る処置具2の処置部5を用いて、血管(図示せず)に高周波電流を通電してシール部を形成する処置(通電処置)を行う例について説明する。
[0053]
 第1処置面12aと第2処置面14aとの間に処置対象の血管を把持する。血管は、第1処置面12aと第2処置面14aとの両者に接触した状態で把持される。このとき、血管は、例えば幅方向Wに沿って処置部5の外側に延びている。
[0054]
 血管は、電極面24aと面状部36との間、当接面26aと電極面42aとの間、当接面28aと電極面44aとの間で把持されている。このため、血管は、第1処置面12aの電極24と、第2処置面14aの電極34(電極片42,44)との両方に、把持圧力が加えられた状態で接触している。そして、第1電極24と第2電極34の電極片42との間、及び、第1電極24と第2電極34の電極片44との間の血管を通したそれぞれの経路は短く形成されている。
[0055]
 ユーザが第1スイッチ8aを押圧すると、電源3から処置具2の本体4を通して第1電極24及び第2電極34に電力が供給され、第1電極24及び第2電極34の間に電圧が印加される。これにより、第1電極24及び第2電極34の間に把持された血管を通して高周波電流が流れる。すなわち、高周波電流が、処置対象の血管のシール部を形成したい部位に付与される。このとき、高周波電流に起因する熱は、電極面24aと電極片42,44の電極面42a,44aとの間のうち、電極片42,44の電極面42a,44aに近接する位置だけでなく、電極片42,44の電極面42a,44a間の血管にも付与される。このため、血管のうち、少なくとも電極面24aの幅方向Wの幅D1の長さ分は、高周波電流に起因する熱の影響を受け得る。そして、第1電極24と第2電極34(電極片42,44)との間の血管が通電処置により次第に脱水されて乾燥していき、薄肉になっていく。このとき、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の距離(開閉方向距離)は、血管が薄肉になっていくにつれて近接する。
[0056]
 血管を通電処置してシール部を形成する際に、処置具2を用いて良好なシール性能を得るためには、血管の状態に依存することはもちろんであるが、血管に対する把持圧力にも依存することがわかってきている。
[0057]
 血管のシール性能は、例えば数百mmHgなど、適宜の血圧に耐えることが求められる。シール性能にはバラつきが生じる可能性があるため、例えば1000mmHgなどの高血圧に耐えるように処置具2のシール性能を設定しておくことが好ましい。
[0058]
 本実施形態に係る処置具2の処置部5の第1処置面12aと第2処置面14aとの間は、当接する状態に形成されている。このため、血管をシールする処置が進み、血管が次第に薄くなるにつれて、血管に対する把持圧力を上昇させる。そして、血管をシールする処置(通電処置)を終えようとするときに、最も大きな把持圧力が加えられる。このため、血管に対して、処置の初期から終期まで、連続して適切な把持圧力が加え続けられる。したがって、第1処置面12a及び第2処置面14a間が当接する、スペーサレス、かつ、ギャップレスの処置具2を用いることで、血管が良好な状態にシール処置される。すなわち、血管に適切にシール部が形成される。
[0059]
 面状部37は電極片42の電極面42aに対して幅方向Wの第1方向W1の外側に配設されている。面状部38は電極片44の電極面44aに対して幅方向Wの第2方向W2の外側に配設されている。第3当接面26cは、面状部37に面状に当接する。第3当接面28cは、面状部38に面状に当接する。このため、当接面26cと、面状部37との間に把持される血管、及び、当接面28cと、面状部38との間に把持される血管には、適宜の把持圧力を加えることができる。当接面26cと面状部37との間に把持される血管、及び、当接面28cと面状部38との間に把持される血管には、電極片42,44からエネルギは加えられない。このため、当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間の血管には、直接的には、熱が発生しない。したがって、処置部5での処置により発生した熱が、当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間の血管を通して、処置部5の外側に逃げるのが防止されている。なお、血管には、処置面12a,14aの幅方向の外縁近傍で把持圧力が加えられた状態にある。このため、当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間の血管に対する把持圧力によっても、熱の流路を狭めるため、熱が幅方向Wの外側、すなわち、処置部5の外側に逃げるのが防止されている。したがって、高周波電流を通電したときに発生した熱が血管を通して外側に逃げて、処置部5の外側の生体組織に熱侵襲を発生させるのを極力防止する。
[0060]
 血管にシール部を形成するような熱が加えられると、幅方向Wの中央側に向かって血管が縮むシュリンクが発生することがある。この場合、血管のシュリンクにしたがって、処置面12a,14aを相対的に開くように、力が加えられる。この場合であっても、血管には、処置面12a,14aの幅方向Wの外縁近傍の当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間で把持圧力が加えられた状態にある。第1処置面12a及び第2処置面14a間の把持圧力は、処置対象への通電処置が進むにつれて大きくすることができる。このため、幅方向Wの中央側に向かって血管が縮むシュリンクが極力防止される。したがって、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の血管に把持圧力を加えた状態が、処置の初期から終期まで維持される。したがって、処置が進むにつれて処置対象である生体組織が縮もうとすること、すなわち、幅方向Wの中央に向かって生体組織が集まってくることを、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の把持圧力により防止する。
[0061]
 ここでは、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、血管にシール部を形成する処置を行う例について説明した。生体組織の処置対象を凝固させる場合も、同様に処置を行う。
[0062]
 なお、血管を処置する際に第2スイッチ8bを押圧すると、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、ヒータ電源3bからヒータ25に電力を供給する。この場合、処置対象が血管であれば、血管にシール部を形成するとともに、ヒータ25による熱が電極24の電極面24aに伝熱される。このため、ヒータ25は、第1電極24と第2電極34(電極片42,44)との間を通電したときの第1電極24の電極面24aの温度に対して上昇させる。血管が薄くなっていても、第1処置面12aと第2処置面14aとの間に適宜の把持圧力が加えられている。電極面24aから血管にヒータ25からの熱が加えられ、高周波出力による血管のシールを補助する。なお、例えばヒータ25の発熱温度を適宜に設定することで、血管のうち高周波出力によりシールした部位が電極面24aからの伝熱により切開され得る。
[0063]
 電極24の電極面24aを介してヒータ25からの熱を伝えると、幅方向Wの中央側に向かって血管が縮むシュリンクが発生することがある。この場合であっても、血管には、処置面12a,14aの幅方向Wの外縁近傍の当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間で把持圧力が加えられた状態にある。このため、幅方向Wの中央側に向かって血管が縮むシュリンクが極力防止される。したがって、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の血管に把持圧力を加えた状態が、処置の初期から終期まで続けられる。
[0064]
 以上説明したように、本実施形態に係る処置具2によれば、以下のことが言える。
[0065]
 第1処置面12aと第2処置面14aとの間に生体組織が存在しない場合、第1処置面12aと第2処置面14aとの間に隙間が存在しない。このため、第1処置面12aと第2処置面14aとの間に生体組織を把持している場合、薄肉の生体組織であっても、通電処置により薄肉になった生体組織であっても、1対の処置面12a,14aで常に処置対象に把持圧力を加えることになる。したがって、生体組織を強く圧縮した状態で、第1電極24と第2電極34との間に通電できる。
[0066]
 このとき、第1処置面12aと第2処置面14aとの間に隙間が存在しないため、薄肉の生体組織、又は、処置により薄肉になった生体組織に対し、第1処置面12a及び第2処置面14aの、より広い面積で生体組織を把持することができる。このため、生体組織の1か所に力が集中し難く、処置の際に意図せず切開に至ることを抑制できる。
[0067]
 例えば血管にシール部を形成する場合、第1処置面12aと第2処置面14aとの間のより大きな面積で血管を把持する。そして、血管が薄肉であっても、又は、処置が進むにつれて血管が次第に薄くなっても、通電処置の初期から終期まで連続して適切な把持圧力を血管に対して加え続けることができる。したがって、血管のシール部のシール状態を安定化することができる。また、シール部により血管の耐血圧(血管中での血液が流れ難さ)を向上させることができる。
[0068]
 したがって、本実施形態に係る処置具2によれば、通電による処置が進むにつれて薄くなる血管や生体組織などの処置対象に対して処置面12a,14a間で適宜の把持圧力を加え続けることができる。このため、本実施形態に係る処置具2の処置部5は、第1処置面及び第2処置面が近接したときに間にスペーサが配設され、第1処置面及び第2処置面同士が当接しない構造の処置具の処置部に比べて、血管等の薄い処置対象に対する把持圧力を高めることができる。
[0069]
 本実施形態に係る処置具2の処置部5の幅方向Wの中央に対して第1方向W1における外縁近傍は、絶縁性を有する面26c,37同士が面状に当接し、中央に対して第2方向W2における外縁近傍は、絶縁性を有する面28c,38同士が面状に当接する。このため、処置部5に電源3から電力が供給されても、当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間の血管や生体組織には、直接的には、熱が発生しない。したがって、処置部5での処置により発生した熱が、当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間の血管を通して、処置部5の外側に逃げるのを防止することができるとともに、処置部5の外部の生体組織が侵襲されるのを極力防止することができる。
[0070]
 また、面26c,37同士の間、及び、面28c,38同士の間は、処置が進むにつれて把持圧力を大きくする。このため、第1処置面12aと第2処置面14a間の生体組織が幅方向Wに沿って縮もうとしても、面26c,37同士の間、及び、面28c,38同士の間の把持圧力により、生体組織が幅方向Wの中央に向かって集まろうとするのを極力防止することができる。すなわち、処置により幅方向Wの中央に向かって生体組織が集まってくるのを、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の把持圧力により極力防止することができる。
[0071]
 本実施形態では、第1処置面12aが1つの電極面24aと2つの面状部(絶縁面)26,28とを有し、第2処置面14aが2つの電極面42a,44aと1つの面状部(絶縁面)36とを有する例について説明した。第1処置面12aが2つの電極面と1つの絶縁面とを有し、第2処置面14aが1つの電極面と2つの絶縁面とを有することが好適であることはもちろんである。このため、第1処置面12a及び第2処置面14aの電極片は、それぞれ単数であっても、複数であっても良い。
[0072]
 図3Aに示す例では、第1処置面12aの先端側に電気絶縁性を有する先端面12bが形成されている。このため、電極面24aの先端が、第1処置片12の先端よりも基端側の位置にある。図3Bに示す例では、第2処置面14aの先端側に先端面14bが形成されている。このため、電極面24aに対向する面状部36の先端が第2処置片14の先端よりも基端側の位置にある。
[0073]
 図3Cには、第1処置片12の第1処置面12a側の第1変形例を示す。図3Dには、第2処置片14の第2処置面14a側の第1変形例を示す。
[0074]
 図3Cに示すように、第1処置面12aの先端側には電気絶縁性を有する先端面12b(図3A参照)が形成されておらず、第1処置片12の先端に電極面24aの先端が一致する。第1処置片12の処置面12aが図3Cに示す状態の場合、図3Dに示すように、第2処置面14aの先端側に電気絶縁性を有する先端面14b(図3B参照)が形成されていない。そして、電極面24aに対向する面状部36は、図3Cに示す電極面24aに当接されるように、第2処置片14の先端を含む部位にある。この場合、電極面42a,44aの先端は、第2処置片14の先端を含む部位にある。
[0075]
 図3Eには、第1処置片12の第1処置面12a側の第2変形例を示す。図3Fには、第2処置片14の第2処置面14a側の第2変形例を示す。
[0076]
 図3Eに示すように、第1処置面12aの先端側には電気絶縁性を有する先端面12b(図3A参照)が形成されておらず、第1処置片12の先端よりも基端の位置に電極面24aの先端がある。第1処置片12の処置面12aが図3Eに示す状態の場合、図3Fに示すように、第2処置面14aの面状部36の先端部は、第1処置面12aの電極面24aの先端よりも、距離α(>0)だけ突出している。また、電極面42a,44aを含む電極34の電極面34aは、面状部36の先端と電気絶縁性を有する先端部14bとの間の部位で連続している。このため、電極34の電極面34aは、第2処置面14aにおいて、略U字状に形成されている。なお、図3Fの面状部36の先端近傍の破線は、第1処置面12a及び第2処置面14aを相対的に閉じたときに、第1処置面12aの電極面24aの先端に最も近接する位置を示す。このため、第1処置面12a及び第2処置面14aを相対的に閉じたとき、電極面24aの先端は、電気絶縁性を有する面状部36に当接又は近接する。そして、電極面34a(電極面42a,44a)の先端の先端側には、電気絶縁性を有する先端面14bが形成されている。電極面34a(電極面42a,44a)の先端は、図3Fの面状部36の先端近傍の破線に対して距離β(>α>0)だけ突出している。このため、第2処置片14の先端は、電気絶縁性を有する。
[0077]
 第1処置片12の第1処置面12a側の先端部近傍及び第2処置片14の第2処置面14a側の先端部近傍の構造によって、処置性能が変化し得る。
[0078]
 図3C及び図3Dに示す第1変形例では、処置部5は、第1処置面12a及び第2処置面14aの長手軸Lに沿って略全長にわたって生体組織を切開できる。例えば第1処置面12a及び第2処置面14aの長手軸Lに沿って先端近傍で生体組織を把持する場合、生体組織を短い長さで、少しずつ切り進めることができる。このため、第1変形例の処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aは、細かい作業が要求される薄膜などを切開するのに有用である。
[0079]
 図3E及び図3Fに示す第2変形例では、処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aの先端近傍で生体組織を把持しても、生体組織を切開できない。一方、例えば第1処置面12a及び第2処置面14aの長手軸Lに沿って先端と基端との間の適宜の部位でしっかりと生体組織を把持して、ざっくりと生体組織を切断することができる。また、処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aの先端近傍は、生体組織をシールする部位として機能する。このため、第2変形例の処置部5は、例えば血管を半分ほど把持した場合、出血を確実に防止しながら、血管を切開することができる。
[0080]
 このように、第1処置片12の第1処置面12a側の先端部近傍及び第2処置片14の第2処置面14a側の先端部近傍は、図3A及び図3Bに示す構造に限られない。第1処置面12a側の先端部近傍及び第2処置面14a側の先端部近傍は、例えば第1変形例として図3C及び図3Dに示す構造、第2変形例として図3E及び図3Fに示す構造のように形成されていても良い。第1処置片12の第1処置面12a側の先端部近傍及び第2処置片14の第2処置面14a側の先端部近傍は、その他の種々の形状が許容される。
[0081]
 上述した第1実施形態では、第1処置面12a及び第2処置面14aが平面であるものとして説明した。第1処置面12a及び第2処置面14aが平面ではなく、曲面であっても良い。
[0082]
 (第2実施形態)
 次に、第2実施形態について図4A及び図4Bを用いて説明する。この実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。これは後述する第3実施形態においても、同様である。そして、第1実施形態から後述する第3実施形態の構造は、適宜に組み合わせることができる。
[0083]
 第1実施形態では、第1処置面12aの電極面24aに対して第2処置面14aの平面状の面状部36の当接面36aとの間が面状に当接する例について説明した。本実施形態では、面状部36が平面ではない突出部36d及び斜面36e,36fを有する例について説明する。
[0084]
 図4A及び図4Bに示すように、本実施形態では、第1処置面12a及び第2処置面14aは、それぞれ、凹凸を有する状態に形成されている。
[0085]
 第1処置面12aの面状部(第1絶縁面)26及び面状部(第1絶縁面)28は、幅方向Wの中央側に隣接する電極24の電極面24aに対して第2処置面14aに向かって突出している。
[0086]
 具体的には、面状部26の当接面(電極当接面)26aが、電極24の電極面24aに対して第2処置面14aに向かって突出している。そして、面状部26は、当接面26aと電極面24aとの間に当接面26aに連続する斜面26dを有する。斜面26dにより、面状部26の当接面26aを電極面24aに対して第2処置面14aに向かって突出している。同様に、面状部28の当接面(電極当接面)28aが、電極24の電極面24aに対して第2処置面14aに向かって突出している。そして、面状部28は、当接面28aと電極面24aとの間に当接面28aに連続する斜面28dを有する。斜面28dにより、面状部28の当接面28aを電極面24aに対して第2処置面14aに向かって突出している。このため、本実施形態では、第1処置面12aは、非平面として形成されている。
[0087]
 第2処置面14aの面状部(第2絶縁面)36は、幅方向Wの第1方向W1に隣接する電極面42a及び幅方向Wの第2方向W2に隣接する電極面44aに対して第1処置面12aに向かって突出している。
[0088]
 面状部36は、幅方向Wの外側から中央に向かって第1処置面12aの電極面24aに向かって突出している。このため、本実施形態では、第2処置面14aは、非平面として形成されている。面状部36のうち、第1処置面12aに向かって最も突出した符号36dで示す突出部(頂部)は、幅方向Wの中央にあることが好ましい。面状部36のうち、突出部36dと電極片42の電極面42aとの間は、斜面36eとして形成されている。突出部36dと電極片44の電極面44aとの間は、斜面36fとして形成されている。斜面36e,36fにより、面状部36の突出部36dは第1処置面12aの電極面24aに向かって突出している。このため、面状部36は、断面が略V字状に形成されている。突出部36dは、長手軸Lに沿って第2処置面14aの先端近傍から基端近傍に向かって連続的に延びていることが好ましい。そして、突出部36dは、第1処置面12aの電極面24aに当接し得る。
[0089]
 なお、突出部36dが第1処置面12aの電極面24aに当接しているとき、面状部26の当接面26aと、電極片42の電極面42aとが当接し、面状部28の当接面28aと、電極片44の電極面44aとが当接している。
[0090]
 第1処置面12aの幅方向Wの第1方向W1の縁部近傍の当接面26cは、少なくとも一部が第1方向W1に対して傾斜している。第1処置面12aの幅方向Wの第2方向W2の縁部近傍の当接面28cは、少なくとも一部が第2方向W2に対して傾斜している。第2処置面14aの幅方向Wの第1方向W1の縁部近傍の面状部37は、少なくとも一部が第1方向W1に対して傾斜している。第2処置面14aの幅方向Wの第2方向W2の縁部近傍の面状部38は、少なくとも一部が第2方向W2に対して傾斜している。
[0091]
 第1処置面12aの当接面26cと第2処置面14aの面状部37とは、面状に当接する。第1処置面12aの当接面28cと第2処置面14aの面状部38とは、面状に当接する。
[0092]
 図4A及び図4Bに示すように、電極面24aと電極面42aとの間、及び、電極面24aと電極面44aとの間は、本実施形態では、第1処置面12a及び第2処置面14aの開閉方向(長手軸L及び幅方向Wの両方に直交する方向)に沿って対向していない。電極面24aと電極面42aとの間、及び、電極面24aと電極面44aとの間は、第1処置面12a及び第2処置面14aの開閉方向に沿って対向していても良い。
[0093]
 次に、本実施形態に係る処置具2の作用について説明する。
[0094]
 本実施形態では、第1実施形態で説明したのと同様に、第1スイッチ8aを押圧すると、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、生体組織を凝固し、又は、血管をシールする通電処置を行う。また、第2スイッチ8bを押圧すると、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給するとともにヒータ電源3bからヒータ25に電力を供給する。このため、第2スイッチ8bを押圧すると、本実施形態では、ヒータ電源3bからヒータ25に電力を供給してヒータ25を発熱させることで、例えば生体組織に凝固部が形成された直後にその凝固部を切開し、又は、血管にシール部が形成された直後にそのシール部を切開する例について説明する。
[0095]
 第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、電極面24aと突出部36dとが当接し、当接面26aと電極面42aとが面状に当接し、当接面28aと電極面44aとが面状に当接し、当接面26cと面状部37とが面状に当接し、当接面28cと面状部38とが面状に当接する。また、第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、斜面26dと斜面36e及び電極面42aとの間、斜面28dと斜面36f及び電極面44aとの間には、隙間が形成される。
[0096]
 このため、仮に、第1スイッチ8a又は第2スイッチ8bを押圧して第1電極24及び第2電極34間に高周波電流を流しても、第1電極24及び第2電極34間の短絡が防止されている。なお、電極面42aのうち、幅方向Wの中央側の部位は、開閉方向に沿って斜面26dに対向している。電極面44aのうち、幅方向Wの中央側の部位は、開閉方向に沿って斜面28dに対向している。そして、電極面24aと電極面42aとの間、及び、電極面24aと電極面44aとの間はそれぞれ近接している。
[0097]
 第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、幅方向Wの中央の電極面24aと突出部36dとが当接し、中央に対して第1方向W1側の当接面26aと電極面42aとが面状に当接し、中央に対して第2方向W2側の当接面28aと電極面44aとが面状に当接する。特に、当接面26aと電極面42aとの間、及び、当接面28aと電極面44aとの間が面状に当接する。このため、本実施形態に係る処置具2の処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aには、当接面26aと電極面42aとの間、及び、当接面28aと電極面44aとの間において、面状に当接することにより、開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない。したがって、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持圧力が組織に伝えられる。
[0098]
 また、当接面26cと面状部37とが面状に当接し、当接面28cと面状部38とが面状に当接する。このため、当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間が面状に当接することにより、開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない。したがって、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持力が組織に伝えられる。
[0099]
 当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間にスペーサも存在しない。このため、当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間において、幅方向Wに沿って処置対象の生体組織が把持される把持圧力が大きく変化することが抑制されている。また、処置対象の生体組織を、当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間において、より大きな面積で生体組織を把持し易い。
[0100]
 このように、本実施形態に係る処置具2の処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aの間を当接させた状態において、第1処置面12a及び第2処置面14aの、長手軸Lに直交し、かつ、幅方向Wに直交する開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない領域がある。このため、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持圧力が組織に確実に伝えられる。
[0101]
 次に、本実施形態に係る処置具2の処置部5を用いて、血管(図示せず)に高周波電流を通電してシール部を形成する処置(通電処置)を行う例について説明する。
[0102]
 第1実施形態で説明したのと同様に、第1処置面12aと第2処置面14aとの間に処置対象の血管を把持する。血管は、第1処置面12aと第2処置面14aとの両者に接触した状態で把持される。
[0103]
 斜面26dと斜面36e及び電極面42aとの間、斜面28dと斜面36f及び電極面44aとの間には、隙間が形成される。血管は、電極面24aと突出部36dとの間、当接面26aと電極面42aとの間、当接面28aと電極面44aとの間で把持されている。このため、第1処置面12aの電極24と、第2処置面14aの電極34との両方に、把持圧力が加えられた状態で接触している。
[0104]
 ユーザが第1スイッチ8aを押圧すると、電源3から処置具2の本体4を通して第1電極24及び第2電極34に電力が供給される。第1電極24と第2電極34の電極片42との間、及び、第1電極24と第2電極34の電極片44との間の血管を通したそれぞれの経路は短く形成されている。このため、第1電極24及び第2電極34の間に把持された血管を通して高周波電流が流れる。すなわち、高周波電流が、処置対象の血管のシール部を形成したい部位に付与される。このとき、高周波電流に起因する熱は、電極面24aと電極片42,44の電極面42a,44aとの間のうち、電極片42,44の電極面42a,44aに近接する位置だけでなく、電極片42,44の電極面42a,44a間の血管にも付与される。このため、血管のうち、少なくとも電極面24aの幅方向Wの幅D1の長さ分は、高周波電流に起因する熱の影響を受け得る。そして、第1電極24及び第2電極34の間の血管が次第に脱水されて乾燥していき、薄肉になっていく。このとき、電極面24aと突出部36dとの間が近接し、当接面26aと電極面42aとの間が面状に近接し、当接面28aと電極面44aとの間が面状に近接する。このため、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の距離は、血管が薄肉になっていくにつれて近接する。
[0105]
 したがって、本実施形態に係る処置具2の処置部5は、血管をシールする処置を終えようとするときに、最も大きな把持圧力が加えられる。このため、血管に対して、処置の初期から終期まで、連続して適切な把持圧力が加え続けられる。したがって、第1処置面12a及び第2処置面14a間が面状に当接する、スペーサレス、かつ、ギャップレスの処置具2を用いることで、血管が良好な状態にシール処置される。すなわち、血管に適切にシール部が形成される。
[0106]
 一方、当接面26cと面状部37との間、及び、当接面28cと面状部38との間にも処置の初期から終期まで、連続して適切な把持圧力が加え続けられる。特に、本実施形態に係る処置具2の処置部5は、当接面26cの幅方向Wに沿う領域、及び、面状部37の幅方向Wに沿う領域が単純な平面ではなく、複数の面が組み合わせられて形成されている。同様に、当接面28cの幅方向Wに沿う領域、及び、面状部38の幅方向Wに沿う領域が単純な平面ではなく、複数の面が組み合わせられて形成されている。このため、高周波電流を通電したときに発生した熱が血管を通して外側に逃げる経路を複雑化して熱が外側に逃げにくくし、処置部5の外側の生体組織に熱侵襲を発生させるのを極力防止する。
[0107]
 ここでは、第1スイッチ8aを押圧し、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、血管にシール部を形成する処置を行う例について説明した。生体組織の処置対象を凝固させる場合も、同様に処置を行うことができる。
[0108]
 次に、本実施形態に係る処置具2を用いて血管にシール部を形成するとともに、形成したシール部を切開する例について説明する。
[0109]
 血管を通電処置してシール部を形成するとともに、通電処置して形成したシール部を切開する際に、処置具2を用いて良好な切開性能を得るためには、血管の状態、血管に対する把持圧力に加えて、血管に加える温度にも依存することがわかってきている。血管を切開する場合、ヒータ25を発熱させて、電極面24aを通して例えば100℃を超える温度(例えば200℃程度)の熱を、適宜の把持圧力とともに血管に加えることが好ましい。
[0110]
 ここで、図4A及び図4Bに示す例では、第1処置面12aの電極24の電極面24aと、第2処置面14aの面状部36の突出部36dとの接触面積が幅方向Wに適宜に小さいものであるとする。この場合、第2処置面14aの面状部36は、突出部36dが鋭くなる鋭形状になればなるほど、単位面積あたりに生体組織に加えることができる圧力が大きくなる。このため、第2処置面14aの面状部36は、突出部36dが鋭形状になればなるほど、生体組織を切開し易い形状となる、と言える。一方、血管にシール部が形成されていない状態で血管に切開がなされると、流血が発生するおそれがあるため、突出部36dの形状は、鈍形状など、適宜に設定される。
[0111]
 本実施形態に係る処置具2の処置部5は、突出部36dで電極面24aに血管のシール部を押し付ける圧力を加える。処置部5は、幅方向Wの中央において、血管が次第に薄くなっていっても、電極面24aと突出部36dの間に適宜の把持圧力が加え続けられている。この状態で、ヒータ25の発熱を電極24の電極面24aに伝熱させる。このため、血管のシール部に対して適宜の圧力を加えながら、100℃を超える温度に昇温させる。したがって、血管のうち、通電処置により形成されたシール部が切開される。
[0112]
 したがって、例えば第1スイッチ8aを押圧して血管にシール部を形成する場合、第1処置面12aの電極面24aと第2処置面14aの電極面42a,44aとの間の通電処置の初期から終期まで、連続して適切な把持圧力を加え続ける。このため、血管に適切にシール部が形成される。
[0113]
 また、第2スイッチ8bを押圧して血管にシール部を形成するとともにシール部を切開する場合、第1スイッチ8aを押圧したときと同様に、血管に適切にシール部が形成される。そして、ヒータ25を発熱させ、電極24の電極面24aを通して血管のシール部に熱を伝熱して、シール部が切開される。
[0114]
 なお、図4A及び図4Bに示す例では、第1処置面12aの電極24の電極面24aと、第2処置面14aの面状部36の突出部36dとの接触面積が幅方向Wに小さいものであるとして説明した。第1処置面12aの電極24の電極面24aと、第2処置面14aの面状部36の突出部36dとの接触面積を幅方向Wに、大きくしても良い。この場合、第2処置面14aの面状部36は、鈍形状になればなるほど、単位面積あたりに生体組織に加えることができる圧力が小さくなる。このため、第2処置面14aの面状部36は、突出部36dが鈍形状になればなるほど、生体組織を切開し難い形状となる、と言える。
[0115]
 したがって、第2処置面14aの面状部36の突出部36dの形状を適宜に設定することで、生体組織の凝固性能又はシール性能と、切開性能とを調整することができる。なお、生体組織の凝固性能又はシール性能と、切開性能とは、生体組織自体の影響、電極24,34に付与する電力や、ヒータ25の発熱温度、電極24の熱伝導性等、種々の影響を受けることはもちろんである。
[0116]
 (第3実施形態)
 次に、第3実施形態について図5A及び図5Bを用いて説明する。
[0117]
 第1実施形態及び第2実施形態では、第1処置面12aの電極面24aが平面である例について説明した。本実施形態では、電極24の電極面が平面ではない突出部24b及び斜面24c,24dを有する例について説明する。また、本実施形態では、第1処置片12にヒータ25を配設するとともに、第2処置片14にヒータ52,54を配設している。
[0118]
 第1処置面12aは、面状部26,28と、面状部26,28間に配設された電極24とを有する。
[0119]
 電極24は、幅方向Wの外側から中央に向かって第2処置面14aの面状部36に向かって突出している。このため、本実施形態では、第1処置面12aは、非平面として形成されている。電極24の電極面24aのうち、第2処置面14aに向かって最も突出した符号24bで示す突出部(頂部)は、幅方向Wの中央にあることが好ましい。電極24のうち、突出部24bと面状部26との間は、斜面24cとして形成されている。突出部24bと面状部28との間は、斜面24dとして形成されている。斜面24c,24dにより、電極24の突出部24bを第2処置面14aの面状部36に向かって突出させている。このため、電極面24aは、略V字状に形成されている。突出部24bは、長手軸Lに沿って第1処置面12aの先端近傍から基端近傍に向かって連続的に延びていることが好ましい。そして、突出部24bは、第2処置面12aの面状部36に当接し得る。
[0120]
 なお、第1処置面12aの面状部26は、当接面26aと電極24の斜面24cとの間に斜面26dを有する。第1処置面12aの面状部28は、当接面28aと電極24の斜面24dとの間に斜面28dを有する。斜面26dにより、面状部26の当接面26aを電極面24aのうち、斜面24cと斜面26dとの間の境界位置に対して第2処置面14aに向かって突出させている。斜面28dにより、面状部28の当接面28aを電極面24aのうち、斜面24dと斜面28dとの間の境界位置に対して第2処置面14aに向かって突出させている。このため、本実施形態では、第1処置面12aは、非平面として形成されている。
[0121]
 第2処置面14aは、面状部(第2絶縁面)36,37,38と、第2電極34が複数に分離されて形成された電極面42a,44aとを有する。ここでは、面状部36は、パッド56により形成されている。パッド56は第2処置面14aにおいて、長手軸Lに沿って延設されている。パッド56は電気絶縁性を有する。パッド56は耐熱性を有する。パッド56は、ジョー32に比べて軟質素材で形成されていることが好ましい。
[0122]
 第2処置面14aの面状部36は、幅方向Wの第1方向W1に隣接する電極面42a及び幅方向Wの第2方向W2に隣接する電極面44aに対して第1処置面12aに向かって突出している。このため、本実施形態では、第2処置面14aは、非平面として形成されている。
[0123]
 面状部36の電極面42a,44aに対する突出量は、幅方向Wの外側から中央の位置のいずれにおいても略一定である。そして、面状部36は、第1処置面12aの電極面24aの突出部24bに当接し得る。なお、電極24の突出部24bが第2処置面12aの面状部36に当接しているとき、面状部26の当接面26aと、電極片42の電極面42aとが当接し、面状部28の当接面28aと、電極片44の電極面44aとが当接している。
[0124]
 第1処置面12aの当接面26cと第2処置面14aの面状部37とは、面状に当接する。第1処置面12aの当接面28cと第2処置面14aの面状部38とは、面状に当接する。
[0125]
 図5A及び図5Bに示すように、斜面26dと電極面42aとの間、及び、斜面28dと電極面44aとの間は、第1処置面12a及び第2処置面14aの開閉方向(長手軸L及び幅方向Wの両方に直交する方向)に沿って対向していることが好ましい。一方、電極面24aの斜面24cと電極面42aとの間、及び、電極面24aの斜面24dと電極面44aとの間は、第1処置面12a及び第2処置面14aの開閉方向に沿って対向していないことが好ましい。
[0126]
 なお、第2電極34の電極片42の裏面にはヒータ52が配設され、電極片44の裏面にはヒータ54が配設されている。ヒータ52は、長手軸Lに直交する幅方向Wの中央から第1方向W1にずれた位置で、第2電極34の電極片42の電極面42aとは反対側の位置に取り付けられている。ヒータ54は、長手軸Lに直交する幅方向Wの中央から第2方向W2にずれた位置で、第2電極34の電極片44の電極面44aとは反対側の位置に取り付けられている。ヒータ52,54にはヒータ25に電力が付与される際に同時に電力が付与される。そして、ヒータ52を発熱させると、電極面42aにヒータ52からの熱が伝熱される。ヒータ54を発熱させると、電極面44aにヒータ54からの熱が伝熱される。
[0127]
 次に、本実施形態に係る処置具2の作用について説明する。
[0128]
 本実施形態では、第1実施形態で説明したのと同様に、第1スイッチ8aを押圧すると、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、生体組織を凝固し、又は、血管をシールする通電処置を行う。また、第2スイッチ8bを押圧すると、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給するとともにヒータ電源3bからヒータ25,52,54に電力を供給する。このため、第2スイッチ8bを押圧すると、本実施形態では、ヒータ電源3bからヒータ25,52,54に電力を供給してヒータ25,52,54を発熱させることで、凝固部が形成された直後にその凝固部を切開し、又は、シール部が形成された直後にそのシール部を切開する例について説明する。
[0129]
 ヒータ電源3bからヒータ25,52,54に電力を供給して発熱させることで、高周波出力による生体組織の凝固又は血管のシールを補助する。ヒータ25は、第1電極24と第2電極34(電極片42,44)との間を通電したときの第1電極24の電極面24aの温度に対して上昇させることができる。ヒータ52,54は、第1電極24と第2電極34(電極片42,44)との間を通電したときの第2電極34の電極面42a,44aの温度に対して上昇させることができる。
[0130]
 第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、電極面24aの突出部24bと面状部36とが当接し、当接面26aと電極面42aとが面状に当接し、当接面28aと電極面44aとが面状に当接し、当接面26cと面状部37とが面状に当接し、当接面28cと面状部38とが面状に当接する。また、第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、斜面24c,26dと面状部36及び電極面42aとの間、斜面24d,28dと面状部36及び電極面44aとの間には、隙間が形成される。
[0131]
 このため、仮に、第1スイッチ8a又は第2スイッチ8bを押圧して第1電極24及び第2電極34間に高周波電流を流しても、第1電極24及び第2電極34間の短絡が防止されている。なお、電極面42aのうち、幅方向Wの中央側の部位は、開閉方向に沿って斜面26dに対向している。電極面44aのうち、幅方向Wの中央側の部位は、開閉方向に沿って斜面28dに対向している。そして、電極面24aの斜面24cと電極面42aとの間、及び、電極面24aの斜面24dと電極面44aとの間はそれぞれ近接している。
[0132]
 第1処置面12aに第2処置面14aを当接させたとき、幅方向Wの中央の電極面24aの突出部24bと面状部36とが当接し、中央に対して第1方向W1側の当接面26aと電極面42aとが面状に当接し、中央に対して第2方向W2側の当接面28aと電極面44aとが面状に当接する。特に、当接面26aと電極面42aとの間、及び、当接面28aと電極面44aとの間が面状に当接する。このため、本実施形態に係る処置具2の処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aには、当接面26aと電極面42aとの間、及び、当接面28aと電極面44aとの間において、面状に当接することにより、開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない。したがって、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持力が組織に伝えられる。
[0133]
 また、当接面26cと面状部37とが面状に当接し、当接面28cと面状部38とが面状に当接する。このため、当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間において、面状に当接することにより、開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない。したがって、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持力が組織に伝えられる。
[0134]
 当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間にスペーサが存在しない。このため、当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間において、幅方向Wに沿って処置対象の生体組織が把持される把持圧力が大きく変化することが抑制されている。また、処置対象の生体組織を、当接面26a,26cと電極面42a及び面状部37との間、及び、当接面28a,28cと電極面44a及び面状部38との間において、より大きな面積で生体組織を把持し易い。
[0135]
 このように、本実施形態に係る処置具2の処置部5の第1処置面12a及び第2処置面14aの間を当接させた状態において、第1処置面12a及び第2処置面14aの、長手軸Lに直交し、かつ、幅方向Wに直交する開閉方向に隙間、すなわちギャップが存在しない領域がある。このため、第1処置面12a及び第2処置面14aの間に把持された組織が薄い組織であっても、把持力が組織に確実に伝えられる。
[0136]
 次に、本実施形態に係る処置具2の処置部5を用いて、血管(図示せず)に高周波電流を通電してシール部を形成する処置(通電処置)を行う例について説明する。
[0137]
 第1実施形態で説明したのと同様に、第1処置面12aと第2処置面14aとの間に処置対象の血管を把持する。血管は、第1処置面12aと第2処置面14aとの両者に接触した状態で把持される。
[0138]
 斜面24c,26dと面状部36及び電極面42aとの間、斜面24d,28dと面状部36及び電極面44aとの間には、隙間が形成される。血管は、電極面24aの突出部24bと面状部36との間、当接面26aと電極面42aとの間、当接面28aと電極面44aとの間で把持されている。このため、第1処置面12aの電極24と、第2処置面14aの電極34との両方に、把持圧力が加えられた状態で接触している。
[0139]
 このため、ユーザが第1スイッチ8aを押圧すると、第1電極24及び第2電極34の間の血管が次第に脱水されて乾燥していき、薄肉になっていく。このため、第1処置面12aと第2処置面14aとの間の距離は、血管が薄肉になっていくにつれて近接する。
[0140]
 したがって、本実施形態に係る処置具2の処置部5は、血管をシールする処置を終えようとするときに、最も大きな把持圧力が加えられる。このため、血管に適切にシール部が形成される。
[0141]
 ここでは、第1スイッチ8aを押圧し、高周波電源3aから電極24,34に電力を供給し、血管にシール部を形成する処置を行う例について説明した。生体組織の処置対象を凝固させる場合も、同様に処置を行うことができる。
[0142]
 次に、本実施形態に係る処置具2を用いてシール部を形成した血管を、シール部で切開する例について説明する。
[0143]
 血管を切開する場合、ヒータ25,52,54を発熱させて、電極面24a,42a,44aを通して例えば100℃を超える温度(例えば200℃程度)の熱を、適宜の把持圧力とともに血管に加えることが好ましい。
[0144]
 本実施形態に係る処置具2の処置部5は、突出部24bで面状部36に血管のシール部を押し付ける把持圧力を加える。処置部5は、幅方向Wの中央において、血管が次第に薄くなっていっても、突出部24bと面状部36との間に適宜の把持圧力が加え続けられている。この状態で、ヒータ25,52,54の発熱を電極面24a,42a,44aに伝熱させる。このため、血管のシール部に対して適宜の圧力を加えながら、100℃を超える温度に昇温させる。したがって、血管のうち、通電処置したシール部が切開される。
[0145]
 したがって、例えば第1スイッチ8aを押圧して血管にシール部を形成する場合、第1処置面12aの電極面24aと第2処置面14aの電極面42a,44aとの間の通電処置の初期から終期まで、連続して適切な把持圧力を加え続ける。このため、血管に適切にシール部が形成される。
[0146]
 また、第2スイッチ8bを押圧して血管にシール部を形成するともにシール部を切開する場合、第1スイッチ8aを押圧したときと同様に、血管に適切にシール部が形成される。そして、ヒータ25,52,54を発熱させ、電極24の電極面24a及び電極34の電極面42a,44aを通して血管のシール部に熱を伝熱して、シール部が切開される。
[0147]
 したがって、第2実施形態及び第3実施形態に係る処置具2は、第1実施形態で説明した処置具2と同様に、処置の初期から終期まで処置対象に対して処置面間で適宜の把持圧力を加え続けることが可能である。
[0148]
 なお、第1実施形態及び第2実施形態では、第1処置片12に1つのヒータ(発熱体)25を配設した例について説明した。第3実施形態では、第2処置片14に2つのヒータ(発熱体)52,54を配設した例について説明した。図示しないが、第2処置片14の電極面42a,44aに伝熱可能なヒータが配設されていれば、第1処置片12にヒータが配設されていなくても良い。
[0149]
 これまで、幾つかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。

請求の範囲

[請求項1]
 導電性を有する第1電極を有する第1処置片と、
 導電性を有する第2電極を有する第2処置片と、
 前記第1電極により形成される電極面と、電気絶縁性を有する第1絶縁面とを有し、前記第1処置片において前記第2処置片に対向する第1処置面と、
 前記第2電極により形成される電極面と、電気絶縁性を有する第2絶縁面とを有し、前記第2処置片において前記第1処置面に対向するとともに前記第1処置面に対して相対的に当接可能な第2処置面と、
 前記第1処置片及び前記第2処置片の少なくとも一方に設けられ、電力の供給により発熱する発熱体と
 を具備し、
 前記第1処置面に前記第2処置面を当接させたとき、前記第1電極及び前記第2電極は離間した位置にあり、前記第1絶縁面は前記第2電極の前記電極面に面状に当接する第1当接面を有し、前記第2絶縁面は前記第1電極の前記電極面に当接される第2当接面を有し、前記発熱体は、前記第1電極と前記第2電極との間を通電したときの前記第1電極の前記電極面の温度に対して、前記第1電極の前記電極面の温度、及び/又は、前記第1電極と前記第2電極との間を通電したときの前記第2電極の前記電極面の温度に対して、前記第2電極の前記電極面の温度を上昇させることが可能である、処置具。
[請求項2]
 前記第1処置面及び前記第2処置面はそれぞれ長手軸に沿って延設され、
 前記第1処置面に前記第2処置面を当接させたとき、前記第1処置面及び前記第2処置面は、前記長手軸に直交する幅方向に沿って中央に対して外側の領域において、電気絶縁性を有する当接面をそれぞれ有する、請求項1に記載の処置具。
[請求項3]
 前記第1処置面は、前記第1絶縁面が前記第1電極の前記電極面よりも前記第2処置面に向かって突出し、
 前記第2処置面は、前記第2絶縁面が前記第2電極の前記電極面よりも前記第1処置面に向かって突出している、請求項1に記載の処置具。
[請求項4]
 前記第1処置面は長手軸に沿って延設され、
 前記発熱体は、前記長手軸に直交する幅方向の中央近傍で、前記第1電極のうち、前記電極面とは反対側の位置に設けられ、
 前記第1処置面の前記第1絶縁面は、前記第1電極の前記電極面よりも前記第2処置面に向かって突出し、又は、前記第2処置面の第2絶縁面は、前記第2電極の前記電極面よりも前記第1処置面に向かって突出している、請求項1に記載の処置具。
[請求項5]
 前記第1処置面における前記第1絶縁面は、平面として形成され、
 前記第2処置面における前記第2電極の前記電極面は、平面として形成され、
 前記第1処置面における前記第1絶縁面及び前記第2処置面における前記第2電極の前記電極面は、面状に当接可能である、請求項1に記載の処置具。
[請求項6]
 前記第1処置面は長手軸に沿って延設され、
 前記第1処置面は、前記長手軸に直交する幅方向に沿って中央から第1方向及び第2方向の外縁に向かうにつれて、それぞれ電気絶縁性を有する1対の第1面状部を有し、
 前記第2処置面は、前記幅方向に沿って中央から前記第1方向及び前記第2方向の外縁に向かうにつれて、それぞれ電気絶縁性を有する1対の第2面状部を有し、
 前記第1処置面に前記第2処置面を当接させたときに、前記第1面状部及び前記第2面状部は、それぞれ面状に当接可能である、請求項1に記載の処置具。
[請求項7]
 前記第1面状部及び前記第2面状部は、前記第1方向に対して傾斜し、かつ、前記第2方向に対して傾斜している、請求項6に記載の処置具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 3D]

[ 図 3E]

[ 図 3F]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5A]

[ 図 5B]