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1. (WO2018189876) ハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法
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明 細 書

発明の名称 ハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

符号の説明

0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22  

明 細 書

発明の名称 : ハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ハニカムコアを有するハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、高解像度な衛星画像への需要の高まりに伴い、従来よりも高分解能な望遠鏡を搭載した観測衛星の開発が求められている。このような衛星においては、望遠鏡の分解能の向上には大型の鏡を搭載する必要があるため、大型の鏡を保持する望遠鏡構造体が必要となる。望遠鏡構造体には、観測衛星全体の重量制限があることから軽量性が要求されると共に、打ち上げ時にも大型の鏡を保持できるよう、高い剛性及び強度が要求される。また、地上において吸湿変形が小さい構造であることが求められる。地上にて吸湿した状態で望遠鏡構造体を打ち上げると、宇宙空間において吸湿した水分を排湿することで望遠鏡構造体が変形してしまうためである。なお、このような望遠鏡構造体の変形が生じることで、観測衛星で撮像する画像における画質が低下する。
[0003]
 軽量で剛性が高い構造体として、ハニカムコアと、ハニカムコアの両端面に接着された二枚の表皮とを有するハニカムサンドイッチ構造体がある(例えば、特許文献1、参照。)。ハニカムサンドイッチ構造体を望遠鏡構造体として用いるためには、強度及び剛性をさらに高める必要がある。従って、このようなハニカムサンドイッチ構造体を構成する表皮及びハニカムコアの材料としては、特許文献1に記載の炭素繊維強化炭素複合材ではなく、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を用いることが望ましい。
[0004]
 また、CFRPに関して吸湿変形を抑制する技術としては、CFRPの繊維含有率及び繊維方向を調整することで吸湿係数を小さくする技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
[0005]
 部材表面からの吸湿を防止する一般的な手法として、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の遮水膜を部材の表面に形成するものがある。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2008-68437
特許文献2 : 特開平4-53733

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献2では、吸湿係数を小さくできるもののCFRPの表面から吸湿を行ってしまい、吸湿変形を十分に抑制することはできないという問題があった。また、DLC膜等の遮水膜を部材の表面に形成する技術については、この技術をCFRPに適用する際の問題点については考慮されていなかった。
[0008]
 本発明は、上記のような事情を鑑みてなされたものであり、吸湿変形を十分に抑制できるハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法を得ることを目的としている。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明に係るハニカムサンドイッチ構造体は、互いに異なる2以上の繊維方向を有する第1の炭素繊維織物を含んで構成され、第1の炭素繊維織物の目の部分に第1の窪み部を有するハニカムコアと、互いに異なる2以上の繊維方向を有する第2の炭素繊維織物を含んで構成され、ハニカムコアに接着されることでハニカムコアを挟む一対の表皮と、第1の窪み部の一部を充填する第1の樹脂層と、第1の樹脂層とハニカムコアとから構成される部分の表面露出領域を覆う第1の遮水膜とを備え、第1の窪み部には、前記第1の樹脂層よりも前記第1の窪み部の開口側の部分であって、かつ前記第1の樹脂層により充填されていない部分である非充填部分が設けられる。
[0010]
 本発明に係る請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法は、ハニカムコアの第1の窪み部の一部を第1の樹脂層により充填する第1の工程と、第1の樹脂層とハニカムコアとから構成される部分の表面露出領域を覆うように第1の遮水膜を形成する第2の工程と、加圧下で加熱することで、一対の表皮をハニカムコアに接着する第3の工程とを備える。

発明の効果

[0011]
 本発明に係るハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法にあっては、吸湿変形が十分に抑制できるという効果を有する。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 本発明の実施の形態1におけるハニカムサンドイッチ構造体の構成を示す斜視図である。
[図2] 図1のハニカムコアの材料であるハニカムコア用プリプレグシートを第1の治具に敷設している状態を示す斜視図である。
[図3] 図2の状態から、複数の中子を介しながら、ハニカムコア用プリプレグシートを第1の治具にさらに重ねていくことで形成される積層体に、第2の治具を重ねたときの状態を、Z軸方向からみたときの正面断面図である。
[図4] 図1に示すハニカムサンドイッチ構造体の表皮表面を示す拡大図である。
[図5] 表皮表面を構成する面(X-Y平面)に直交するように切断した場合における図4に示すA-A位置の断面図である。
[図6] プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によるDLC膜の成膜方法を説明する図である。
[図7] ハニカムコアの表面の拡大図である。
[図8] ハニカムコアの表面を構成する面(Z-X平面)に直交するように切断した場合における図7のB-B位置の断面図を示すものである。
[図9] ハニカムコアの表面におけるDLC膜を形成する方法を説明する図である。
[図10] DLC膜の膜厚tに対する非充填部分の深さDの割合と、吸湿ひずみεとの関係を示すプロット図である。
[図11] 表皮又はハニカムコアの表面での窪み部周辺の断面図の一例である。
[図12] 図11に示した表皮(ハニカムコア)の断面写真である。
[図13] 表皮又はハニカムコアの表面での窪み部周辺の断面図の一例である。
[図14] 図13に示した表皮(ハニカムコア)の断面写真である。
[図15] 窪み部の側面に成膜されない領域が発生する原理を説明する説明図である。
[図16] 本発明の実施の形態1におけるハニカムサンドイッチ構造体の吸湿ひずみεを測定するための測定系の構成を示す断面図である。
[図17] 図16の平面ミラー及び平面ハーフミラー付近の拡大図である。
[図18] 図16の平面ミラー及び平面ハーフミラー付近の拡大図である。
[図19] 本実施の形態2に係るハニカムコアを構成する六角形のセルを1つだけ抜き出した図である。
[図20] 高さH及びセル幅Wをそれぞれ変化させることで、ハニカムサンドイッチ構造体1の吸湿ひずみεを測定し、測定結果を図中の対応する位置にプロットした図である。
[図21] 図19におけるC-C位置における断面図である。
[図22] 成膜された遮水膜の複数の特性値の積と、遮水膜が形成されることによるハニカムコアの熱膨張率の変化Δαとの関係を示す測定図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明によるハニカムサンドイッチ構造体及びその製造方法を、図1~図22を用いて説明する。なお、各図の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、本発明によるハニカムサンドイッチ構造体の用途としては、例えば、航空宇宙用が挙げられる。
[0014]
実施の形態1.
 図1は本発明の実施の形態1におけるハニカムサンドイッチ構造体1の構成を示す斜視図である。図1において、ハニカムサンドイッチ構造体1は、ハニカムコア3と、このハニカムコア3の高さ方向の両端面にそれぞれ接着される一対の表皮2を有する。表皮2及びハニカムコア3の材料としては、異なる2以上の繊維方向を有する炭素繊維織物を含むCFRP(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)である。ハニカムコア3は、六角形の同一の立体図形(セル)を隙間なく並べた構造体である。
[0015]
 以下では、ハニカムサンドイッチ構造体1の面外方向をZ軸方向とする。なお、X軸方向及びY軸方向は互いに直交し、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向と直交する。表皮2及びハニカムコア3のそれぞれに含まれる炭素繊維の繊維方向の方向を示すために、表皮2では、0度方向をX軸方向とし、90度方向をY軸方向とし、ハニカムコア3では、0度方向をZ軸方向とし、90度方向を-X軸方向とする。ハニカムコア3のリボン方向はX軸方向、ハニカムコア3のセル幅方向はY軸方向に対応する。
[0016]
 一対の表皮2におけるそれぞれの表面に、熱硬化性のシート状接着剤4を敷設し、シート状接着剤4が敷設された一対の表皮2の一方の表面上にハニカムコア3を設置する。続いて、ハニカムコア3の上に、シート状接着剤4が敷設された一対の表皮2の他方を被せる。その後、加圧下で加熱することでシート状接着剤4を硬化させて、ハニカムサンドイッチ構造体1を作製する。すなわち、一対の表皮2はハニカムコア3に接着されることでハニカムコア3を挟むように構成される。なお、本実施の形態では表皮2及びハニカムコア3には、詳細は後述するが、吸湿変形を防止するために、遮水膜及び樹脂層が設けられる。
[0017]
 ここで、ハニカムサンドイッチ構造体1の表皮2の製造方法の一例について説明する。まず、例えば、高弾性炭素繊維M60J(東レ製)の複数の束について、2方向の繊維方向を有するように配置する。続いて、一方の繊維方向と他方の繊維方向とが互いに例えば直交するように編み込むことで、2方向の繊維方向を有する炭素繊維織物5a(図4に図示)を作製する。続いて、この炭素繊維織物にシアネート樹脂EX1515(TENCATE製)を含浸させて、表皮用プリプレグシートを作製する。複数枚の表皮用プリプレグシートを順次積み重ねることで、表皮用プリプレグシートの積層体を作製する。続いて、この表皮用プリプレグシートの積層体を例えば3気圧程度の加圧環境下において例えば120℃から180℃程度で加熱する。加熱することで、表皮用プリプレグシートの積層体に含まれる樹脂が硬化して表皮2が作製される。
[0018]
 表皮用プリプレグシートの積層体を作製する方法の一例を説明する。表皮2は、表皮表面と平行な全ての方向について、熱膨張係数、引張弾性率等の等の性質をほぼ等しくする(擬似等方性を有する)ことが望ましい。そこで、表皮2が擬似等方性を有するように、表皮用プリプレグシートをその配置方向を変えて複数枚積層させる。具体的には、最初の一枚を置いたプリプレグシートの一方の繊維方向を基準としてこれを0度とし、0度、60度、-60度、-60度、60度、0度の順で6枚重ねる。なお、0度、45度、-45度、90度、90度、-45度、45度、0度の順で8枚重ねてもよい。このように表皮用プリプレグシートを重ねることで形成される積層体を硬化させることで作製されたCFRPからなる表皮2は、上述した擬似等方性を有する。なお、表皮用プリプレグシートの積層枚数及び積層方法は上述の例に限るものではない。
[0019]
 なお、表皮2を構成する高弾性炭素繊維M60Jの集合体に含浸されたシアネート樹脂EX1515が接着剤として機能する場合、シート状接着剤4を用いずに、一対の表皮2の一方、ハニカムコア3、一対の表皮2の他方の順に重ねて、加圧下で加熱することで、ハニカムサンドイッチ構造体1を作製してもよい。また、表皮2の材料は、上述した2つの繊維方向を有する炭素繊維織物によるプリプレグシートに限るものではない。すなわち、炭素繊維織物は2つの繊維方向のなす角が90度以外の角度となるように構成されたものであってもよい。また、3つの繊維方向を有する炭素繊維織物を用いてもよい。ここで、プリプレグシートは、3つの繊維方向のなす角が互いに60度となるように構成するのが望ましい。さらに、3方向以上の繊維方向を有する炭素繊維織物を含むプリプレグシートを用いてもよいことは言うまでもない。
[0020]
 次に、図2及び図3を用いて、ハニカムサンドイッチ構造体1のハニカムコア3を製造する方法の一例を説明する。図2は、図1のハニカムコア3の材料であるハニカムコア用プリプレグシート9を第1の治具10に敷設している状態を示す斜視図である。なお、図中、治具座標系も併せて図示しており、この座標系では第1の治具10の突起11の短手方向及び長手方向が、それぞれX軸方向及びZ軸方向に相当する。なお、治具座標系におけるX軸方向及びZ軸方向は、図1におけるX軸方向及びZ軸方向と一致する。図3は、図2の状態から、複数の中子12を介しながら、ハニカムコア用プリプレグシート9を第1の治具10にさらに重ねていくことで形成される積層体に、第2の治具13を重ねたときの状態を、Z軸方向からみたときの正面断面図である。
[0021]
 まず、例えば、高弾性炭素繊維YS80A(日本グラファイトファイバー製)を用いて、上述の表皮用プリプレグシートと同様に、2つの繊維方向を有する繊維織物を作成する。その後、2つの繊維方向を有する繊維織物を、シアネート樹脂NM-31(JX日鉱日石エネルギー製)に含浸させて、互いに直交する二つの繊維方向を有するハニカムコア用プリプレグシート9(以降では、単に「プリプレグシート9」と記載する場合あり。)を作製する。
[0022]
 続いて、第1の治具10、複数の中子12及び第2の治具13を用いて、プリプレグシート9を、ハニカムコア3の形状に成形する。第1の治具10は、互いに平行に並んで形成された半六角柱形状の複数の突起11を有する定盤である。複数の中子12のそれぞれは、六角柱形状となっている。第2の治具13は、第1の治具10と同様に、互いに平行に並んで形成された半六角柱形状の複数の突起14を有する。
[0023]
 具体的には、図2に示すように、プリプレグシート9を第1の治具10の形状に合わせて敷設し、その後、複数の中子12を1つずつ、隣り合う突起11の間の溝の位置に重ねる。続いて、複数の中子12が重ねられた第1の治具10の形状に合わせてプリプレグシート9を敷設し、その後、複数の中子12を1つずつ、突起11の位置に重ねる。このように、プリプレグシート9と複数の中子12とを重ねる工程を複数回繰り返した後、第1の治具10と対をなす第2の治具13を、複数の中子12が重ねられた第1の治具10の形状に合わせて重ねると、図3に示す状態となる。
[0024]
 続いて、図3に示す状態において、加圧環境下で加熱することで積層体を硬化させた後、複数の中子12を抜き取ることで、ハニカムコア3が作製される。
ハニカムコア用プリプレグシートの積層体を作製する方法の一例を説明する。ハニカムコア用プリプレグシートを2枚用いて、その積層体を作製する。ハニカムコア3は、表皮2と同様に、その表面を構成する面において、擬似等方性を有することが望ましい。そこで、0度方向をZ軸方向として90度方向をX軸方向とした場合、2枚のハニカムコア用プリプレグシートを以下のとおり配置することが望ましい。1枚目については、炭素繊維織物が有する2つの繊維方向がそれぞれ22.5度及び112.5度の方向(以下、「(22.5度/112.5度)」等と表記する場合あり。)となるように配置する。2枚目ついては、(67.5度/-22.5度)となる位置にそれぞれ配置する。なお、ハニカムコア用プリプレグシートの積層枚数及び積層方法は上述の例に限るものではない。
[0025]
 図4及び図5を用いて表皮2における表面加工を説明する。図4はハニカムサンドイッチ構造体1における表皮2の表面を示す拡大図である。図5は、表皮表面を構成する面(X-Y平面)に直交するように切断した場合における図4に示すA-A位置の断面図である。
[0026]
 図4に図示した炭素繊維織物5aでは、図5に示すとおり、炭素繊維が存在する部分が表皮2の平滑部分となり、炭素繊維が存在しない部分すなわち目の部分が表皮2の窪み部6aとなる。換言すると、窪み部6aは、互いに異なる2つの繊維方向を有する炭素繊維織物5aにおける目の部分に設けられ、表皮2の平滑部分に対して凹形状に形成された部分である。
[0027]
 図5に示すように樹脂層8aを窪み部6aの下部に設けることで、窪み部6aの下部には樹脂層8aにより充填された部分である充填部分60aが設けられる。さらに、窪み部6aには、樹脂層8aにより充填されない部分である非充填部分61aが、充填部分60aよりも上方に設けられる。
[0028]
 なお、炭素繊維織物5aを図5と異なる向きに配置してもよい。この場合、非充填部分61aは、樹脂層8aよりも窪み部6aの開口側の部分であって、かつ樹脂層8aにより充填されていない部分に設けられていればよく、換言すると窪み部6aでの凹形状の向きにおいて樹脂層8a(充填部分60a)よりも表皮2の平滑部分に近い位置に設けられていればよい。ここで、窪み部6aでの凹形状の向きは、表皮2の面外方向であって表皮2の内部に向かう向きであり、図4及び図5の場合を例に挙げると(-Z軸)方向である。
[0029]
 さらに、樹脂層8a及び表皮2を外側から覆うように、水分を透過及び吸収しない遮水膜7aが形成される。換言すると、遮水膜7aは、樹脂層8aとハニカムコア3とから構成される部分の表面露出領域を覆う。ここで、表面露出領域とは、表皮2の平滑部分の表面と、樹脂層8aの表面と、表皮2の非充填部分61aの側面とから構成される領域である。
[0030]
 なお、窪み部6aの断面形状が長方形である場合を例示しているが、その断面形状は四角形、三角形等でもよく、また任意の形状であってもよい。
[0031]
 遮水膜7aは、例えば、DLC(Diamond-Like Carbon)膜である。DLC膜は炭化水素あるいは炭素の同素体からなる非晶質の硬質膜である。なお、以下では遮水膜7aはDLC膜であるとして説明するが、遮水膜7aは遮水性を有する膜であればいずれの部材から構成されていてもよい。樹脂層8aは、例えば、シアネート樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂により構成される。
[0032]
 ここで、表皮2の表面加工を行う工程を説明する。まず、表皮用プリプレグシートを加熱することで得られた表皮2を準備する。次に、この表皮2の窪み部6aの一部を樹脂層8aにより充填する。最後に、樹脂層8a及び窪み部6aの非充填部分61aを覆うようにDLC膜7aを形成する。
[0033]
 窪み部6aの一部を樹脂層8aにより充填する方法をより詳細に説明する。まず、表皮2の表面に液状の樹脂を塗布して加圧する。半硬化した樹脂フィルムを積層して加熱しながら加圧することで樹脂を表皮2の表面に塗布してもよい。次に、6気圧程度の加圧環境及び真空環境下で、不織布等のブリーダーを用いて、窪み部6aにおける非充填部分61aの深さDを例えばDLC膜7の膜厚tの0倍より大きく10倍以下となるように、余分な樹脂を取り除く。最後に、樹脂を加熱させることで、窪み部6aに樹脂層8aが設けられる。
[0034]
 図6を用いて、DLC膜7aを形成する方法を詳細に説明する。図6は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によるDLC膜7aの成膜方法を説明する図である。図6に示すとおり、窪み部6aの一部を樹脂層8aにより充填した後、チャンバー内で炭化水素(DLC膜原料)15をプラズマ化して表皮2へ蒸着させる。このように蒸着を行うことで、表皮2の窪み部6aの非充填部分61aと表皮2の表面とにDLC膜7aが形成される。なお、プラズマCVD法の代わりに、PVD(Physical Vapor Deposition)法を用いてもよい。PVD法は、真空中でイオンビーム、アーク放電等に曝すことによって黒鉛等の膜原料を飛散させることで、表面に成膜させる方法である。
[0035]
 本実施の形態では、DLC膜7aが成膜されにくい領域である窪み部6aの充填部分60aの領域を樹脂層8aにより埋め、表皮2及び非充填部分61aの側面にDLC膜7aを形成させることで、DLC膜7aが形成されない領域を低減することができる。
[0036]
 図7、図8、及び図9を用いてハニカムコア3の表面加工を説明する。図7は、ハニカムコア3の表面の拡大図である。図8はハニカムコア3の表面を構成する面(Z-X平面)に直交するように切断した場合における図7のB-B位置の断面図である。ハニカムコア3を構成するCFRPに含まれる炭素繊維織物5bの目の部分には、表皮2の表面と同様に、窪み部6bが設けられる。
[0037]
 図8に示すとおり窪み部6bの下部を樹脂層8bにより充填することで、窪み部6bの下部には樹脂層8bにより充填された部分である充填部分60bが設けられる。さらに、窪み部6bには、樹脂層8bにより充填されない部分である非充填部分61bが、充填部分60bよりも上方に設けられる。
[0038]
 なお、炭素繊維織物5bを図7及び図8と異なる向きに配置してもよい。この場合、非充填部分61bは、樹脂層8bよりも窪み部6bの開口側の部分であって、かつ樹脂層8bにより充填されていない部分に設けられていればよく、換言すると窪み部6bでの凹形状の向きにおいて樹脂層8b(充填部分60b)よりもハニカムコア3の平滑部分に近い位置に設けられていればよい。ここで、窪み部6bでの凹形状の向きは、表皮2の窪み部6aと同様に、ハニカムコア3の面外方向であってハニカムコア3の内部に向かう向きである。窪み部6bでの凹形状の向きは、例えば図7及び図8においては(+Y)軸方向である。
[0039]
 さらに、樹脂層8b及びハニカムコア3を外側から覆うように、水分を透過及び吸収しない遮水膜7bが形成される。換言すると、遮水膜7bは、遮水膜7aと同様に、樹脂層8bとハニカムコア3とから構成される部分の表面露出領域を覆う。ここで、表面露出領域とは、ハニカムコア3の平滑部分の表面と、樹脂層8bの表面と、ハニカムコア3の非充填部分61bの側面とから構成される領域である。遮水膜7bは、DLC膜であるとして説明するが、これ以外の部材で構成されていてもよい。ハニカムコア3に上述の表面加工を行う方法は、上述の表皮2の場合と同様であるので、その説明は繰り返さない。
[0040]
 なお、ハニカムコア3の窪み部6b、ハニカムコア3に形成される遮水膜7b、及びハニカムコア3に形成される樹脂層8bは、それぞれ第1の窪み部、第1の遮水膜、及び第1の樹脂層に対応する。
[0041]
 また、表皮2の窪み部6a、表皮2に形成される遮水膜7a、及び表皮2に形成される樹脂層8aは、それぞれ第2の窪み部、第2の遮水膜、及び第2の樹脂層に対応する。
[0042]
 表皮2及びハニカムコア3のいずれに関係する構成であるかを区別するために、上述の説明における窪み部、DLC膜、及び樹脂層については、それぞれの符号を変えて表記していた(例えば、「窪み部6a」、「窪み部6b」等)。しかし、両構成を区別する必要がない場合は、単に「窪み部6」、「DLC膜7」、及び「樹脂層8」と表記する場合がある。また、充填部分60a(60b)及び非充填部分61a(61b)についても上述の構成と同様に、「充填部分60」及び「非充填部分61」と表記する場合がある。
[0043]
 図9は、ハニカムコア3の表面におけるDLC膜7bを形成する方法を説明する図であり、ハニカムコア3を構成する六角形のセルを1つだけ抜き出した図である。図中、ハニカムコア3のZ方向の高さをHとし、Y方向における六角形の長さをセル幅Wとする。図6に示した表皮2と同様に、例えばプラズマCVD法を用いて、DLC膜原料15をハニカムコア3表面に蒸着させることで、ハニカムコア3の表面にDLC膜7bを形成する。なお、プラズマCVD法の代わりに、PVD法を用いてもよい。
[0044]
 図10から図15を用いて、本発明の実施の形態の効果を説明する。図10は、DLC膜7の膜厚tに対する非充填部分61の深さDの割合と、吸湿変形の大きさを示す吸湿ひずみεとの関係を示すプロット図である。図中、縦軸は割合D/tを示し、横軸は、ハニカムサンドイッチ構造体1の面外方向における吸湿ひずみεを示す。すなわち、図10はDLC膜7の膜厚t及び窪み6の深さDをそれぞれ変化させることで、ハニカムサンドイッチ構造体1の吸湿ひずみεを測定し、各測定結果を図中の対応する位置にプロットした図である。なお、吸湿ひずみεは、図16~図18にて後述する測定系を用いて測定される。吸湿ひずみεは、吸湿後のハニカムサンドイッチ構造体1の高さと、吸湿前のハニカムサンドイッチ構造体1の高さとの差を、吸湿前のハニカムサンドイッチ構造体1の高さで除した値である。
[0045]
 図10を説明するにあたり、以下に測定に使用したハニカムサンドイッチ構造体1の寸法についてまとめて説明する。表皮2は、その厚さが0.20mmであり、シート状接着剤4は、その厚さが0.06mmである。また、ハニカムコア3は、X-Y平面の断面における厚さThが0.20mmである。さらに、セル幅Wが3/8インチ、高さHが250mmである。
[0046]
 なお、図10に示すとおり、割合D/tが0より大きく10以下の範囲では、ハニカムサンドイッチ構造体1での吸湿前後における変形量の大きさを示す吸湿ひずみεは、0.90ppm(parts per million:百万分の1)を維持できていることがわかる。これは、窪み部6における非充填部分61の深さDをDLC膜7の膜厚tの0倍より大きく10倍以下にすることで、DLC膜原料15が窪み部6の側面に成膜されない領域の発生を抑制する効果があることを示している。図10に示すとおり、割合D/tが10を超えると、吸湿ひずみεが増加し始める。これは、DLC膜7が成膜されない部分が窪み6の側面にて発生するためである。D/tが約12になると、DLC膜7が成膜されない部分の面積が大きくなり、吸湿ひずみεが8ppmまで増加する。
[0047]
 また、鋭意検討の結果、2以上の繊維方向を有する炭素繊維織物を含むCFRPに対して、窪み部の深さによっては、窪み部の側面に遮水膜が形成されない部分が生じ、結果的に吸湿変形が増加してしまうという問題が生じることを突き止めた。
図11は、表皮2又はハニカムコア3の表面での窪み部6周辺の断面図の一例を示し、特に割合D/tが0.01である場合の例を示す。図12は、図11に示した表皮2(ハニカムコア3)の断面写真である。図11及び図12に示す通り、DLC膜7が形成されていない領域が、表皮2(ハニカムコア3)において発生していない。
[0048]
 ここで、窪み部6を樹脂層8により充填しない比較例について、窪み部6周辺を説明する。図13は、表皮2又はハニカムコア3の表面での窪み部6周辺の断面図の一例を示すものであり、窪み部6を樹脂層8により充填しない場合の比較例を示す。図14は、図13に示した表皮2(ハニカムコア3)の断面写真である。図14に示すとおり、窪み部6にはDLC膜7が形成されていない領域が大きく形成される。
[0049]
 図15は、窪み部6の側面に成膜されない領域が発生する原理を説明する説明図である。すなわち、プラズマCVD法などでDLC膜7を形成する場合に、本実施の形態とは異なり、窪み部6を樹脂層8により充填しない場合を考える。この場合、窪み部6の深さが必要以上に深くなることで、窪み部6の下部では、DLC膜原料15が衝突しにくくなる。これにより、DLC膜7が形成されない領域が増大する。
[0050]
 一方、本実施の形態では、CFRP製の表皮2及びハニカムコア3に形成された窪み部6の一部に樹脂層8を設けることで、表皮2及びハニカムコア3の窪み部6において、DLC膜7が形成されやすい構造とすることができる。これにより、吸湿変形を抑制する効果を得ることができる。
[0051]
 図16~図18を用いて、図10に示す測定データを測定した測定系を説明する。図16は、本発明の実施の形態1におけるハニカムサンドイッチ構造体1の吸湿ひずみεを測定するための測定系の構成を示す断面図である。吸湿ひずみ測定系16は、恒温恒湿槽17とレーザ干渉計18と、試験片支持構造19とから構成される。
[0052]
 試験片支持構造19は、試験片20と、吸湿ひずみを生じない基準材料21を平面ミラー22と固定用平面ミラー23で挟み込んだ構成になっており、平面ミラー22とレーザ干渉計18との間には平面ハーフミラー24がある。平面ハーフミラー24は、レーザ干渉計18からの入射光25を透過及び反射し、平面ミラー22と平面ハーフミラー24は、スプリング26を介して接続されている。試験片支持構造19は、除震台27の上に固定されている。なお、本実施の形態では、測定する対象としての試験片20はハニカムサンドイッチ構造体1となるが、以下では単に試験片20として説明する。ハニカムサンドイッチ構造体1の吸湿ひずみεを測定する代わりに、ハニカムサンドイッチ構造体1の構成部材(表皮2、ハニカムコア3、及びシート状接着剤4等)それぞれの吸湿ひずみεを測定し、構成部材それぞれの測定結果に基づいて、ハニカムサンドイッチ構造体1の吸湿ひずみεを算出してもよい。
[0053]
 図17及び図18は、図16の平面ミラー22及び平面ハーフミラー24付近の拡大図である。図17は、試験片20が吸湿によって変形する前(吸湿変形前)の図であり、図18は、試験片20が吸湿によって変形した後(吸湿変形後)の図である。恒温恒湿槽17の湿度を変化させることで、試験片20が吸湿する際の変形量を測定する。詳細には、吸湿によって試験片20が膨張することで、その長さが変化し、基準材料21の長さとの差が生じる。この試験片20と基準材料21の長さの差が生じると、平面ハーフミラー24に対する平面ミラー22の傾斜角が変化する。
[0054]
 図17のように、レーザ干渉計18から発振された入射光25は、平面ハーフミラー24で透過光と反射光28に分割され、透過光は平面ミラー22で反射光29となる。反射光28及び29は、レーザ干渉計18に入り、レーザ干渉計18内部で干渉縞を形成する。
[0055]
 図18のように、吸湿によって試験片20の長さが長く(又は短く)なると、平面ミラー22と平面ハーフミラー24とのなす角が大きく(又は小さく)なる。その結果、平面ミラー22での反射光29と平面ハーフミラー24での反射光28との光路差が、試験片20の吸湿変形前と比べて長く(又は短く)なることで、レーザ干渉計18での干渉縞に変化が生じる。これにより、予め取得した干渉縞の変化量と試験片20の変位量とに基づき、試験片20の吸湿による変位量を算出することができる。
[0056]
 また、本実施の形態では、表皮2に含まれる炭素繊維と樹脂の組合せとして、引張弾性率が約588GPaの高弾性炭素繊維M60Jとシアネート樹脂EX15を用いた場合を例に挙げて説明したが、上述した構成以外の組合せによって、表皮2を構成してもよい。また、ハニカムコア3に含まれる炭素繊維と樹脂の組合せとして、引張弾性率が約785GPaの高弾性炭素繊維YS80Aとシアネート樹脂NM-31を用いた場合を例に挙げて説明したが、上述した構成以外の組合せによってハニカムコア3を構成してもよい。
[0057]
 本実施の形態では、樹脂層により充填された充填部分と樹脂層により充填されない非充填部分を窪み部に設けることで、DLC膜が形成されない領域を低減できるため、吸湿変形が抑制できる。さらに、割合D/tが0より大きく10以下となるようにDLC膜等の遮水膜及び樹脂層を構成することで、遮水膜が形成されない領域がなくなるため、吸湿変形を一層低減することができる。さらに、本実施の形態では表皮及びハニカムコアの両方での窪み部の一部を樹脂層により充填したが、両構成のいずれか一方を樹脂層により充填する構成であってもよい。
[0058]
 本実施の形態との比較例として、CFRPの窪み部及び表面全体を覆うように樹脂層を充填した上で、この樹脂層上から遮水膜を形成する構成が考えられる。この比較例を用いた場合、遮水膜が表面に形成されるため、吸湿変形が抑制できる。しかしながら、窪み部及び表面全体を覆う樹脂層を設けているため、炭素繊維に対する樹脂の割合が増加することで、熱膨張率が大きくなるという問題がある。一方、本実施の形態では、窪み部6に、樹脂層により充填された充填部分、及び樹脂層により充填されない非充填部分を設けることで、ハニカムサンドイッチ構造体における熱膨張率の増大を抑制でき、熱的な寸法安定性を高くすることができる。
[0059]
 上述の構成により、本実施の形態に係るハニカムサンドイッチ構造体は、遮水膜が形成されやすい構造を有することにより吸湿変形が抑制できるという効果がある。
[0060]
 実施の形態2.
 図19、図20、及び図21を用いて、本発明の実施の形態2に係るハニカムサンドイッチ構造体を説明する。図19は、本実施の形態2に係るハニカムコアを構成する六角形のセルを1つだけ抜き出した図である。
[0061]
 図20は、ハニカムサンドイッチ構造体に係る、ハニカムコアの寸法と吸湿ひずみεとの関係を示すプロット図である。図中、縦軸はハニカムコア3の高さHとセル幅Wとの割合H/Wを示す。横軸は吸湿ひずみεを示す。すなわち、図20は高さH及びセル幅Wをそれぞれ変化させることで、ハニカムサンドイッチ構造体1の吸湿ひずみεを測定し、測定結果を図中の対応する位置にプロットした図である。図21は、図19におけるC-C位置における断面図を示す図であり、ハニカムコア3の側壁の一部分にてDLC膜7が形成されない例を示している。
[0062]
 図20に示すとおり、高さHとセル幅Wとの割合H/Wが20以下の値であれば、吸湿ひずみεは0.90ppmで一定である。一方、H/Wが20より大きくなると、図21に示すとおり、ハニカムコア3の高さ方向の中央部分にDLC膜7が成膜されない領域が発生し始める。結果として、吸湿ひずみεが急激に増加し始める。H/Wが約21になると、吸湿ひずみεは8ppmまで増加する。
[0063]
 なお、ハニカムコア3のセル幅Wを3/8インチから1/4インチに変化させても、図20に示したプロット図と同様の測定結果が得られた。
[0064]
 上述の構成により、本実施の形態に係るハニカムサンドイッチ構造体は、実施の形態1の効果に加え、ハニカムコアの側壁において遮水膜が形成されない箇所の発生を一層抑制するという効果を有する。
[0065]
実施の形態3.
 ハニカムサンドイッチ構造体1には、吸湿による変形を抑える効果に加えて、熱的な寸法安定性も要求されるため、遮水膜を形成しても熱膨張率が変化しないことが望ましい。そのため、DLC膜等の遮水膜7bを形成しても、遮水膜7bを形成する前と比較して、ハニカムコア3の熱膨張率の変化Δαを小さくする必要がある。
[0066]
 そこで、本実施の形態では、図22を用いて、実施の形態1にて使用したハニカムコア3について、熱膨張率の変化Δαを小さくするための遮水膜7bの特性を導出する。図22は、成膜された遮水膜7bの複数の特性値の積と、遮水膜7bが形成されることによるハニカムコア3の熱膨張率の変化Δαとの関係を示す測定図である。縦軸は、熱膨張率の変化Δα(ppm/K)であり、横軸は引張弾性率Em、熱膨張率αm、及び膜厚tmの積である。
[0067]
 なお、図中(A)は成膜していない場合の測定値である。(B)~(E)は、測定に使用した遮水膜それぞれにおける測定値を示している。
[0068]
 図22において、測定対象としてのハニカムコア3は、その引張弾性率Eが138GPaであり、その熱膨張率αが-0.71(ppm/K)であり、ハニカムコア3の厚みThが0.20mmである。
[0069]
 熱膨張率の変化Δαは、-0.1(ppm/K)以上、+0.1(ppm/K)以下の範囲内の値(以下、「±0.1(ppm/K)の範囲」と表記する場合あり。)であることが望ましい。測定対象のハニカムコア3において、熱膨張率の変化Δαを±0.1(ppm/K)の範囲内とするためには、図22より(Em・αm・tm)が2.8(Pa・m/K)以下であればよいことがわかる。換言すると、上述の関係式を満たすような遮水膜を用いればDLC膜以外にも、熱膨張率Δαを±0.1(ppm/K)の範囲とすることができる。また、図22に示した遮水膜とは別の遮水膜ついても、引張弾性率Em、熱膨張率αm、及び膜厚tmの値が得られれば、熱膨張率Δαを±0.1(ppm/K)の範囲となるか否かを容易に判断できる。これにより、複数の遮水膜の中から適切な遮水膜を選択する際に必要となる作業数が低減できる。
[0070]
 なお、図22における熱膨張率の変化Δαを算出するには、図16~図18にて説明した測定原理と同様の測定原理が用いられる。すなわち、本実施の形態では、恒温恒湿槽17において、温度を変化させることでハニカムコア3の熱膨張率の変化を測定した。
[0071]
 上述の構成により、本実施の形態に係るハニカムサンドイッチ構造体は、本実施の形態1の効果に加え、熱膨張率の変化が小さい遮水膜を容易に選択できるという効果を有する。

符号の説明

[0072]
1 ハニカムサンドイッチ構造体
2 表皮
3 ハニカムコア
6a 窪み部(第2の窪み部)
6b 窪み部(第1の窪み部)
60 充填部分
61 非充填部分
7a DLC膜(第2の遮水膜)
7b DLC膜(第1の遮水膜)
8a 樹脂層(第2の樹脂層)
8b 樹脂層(第1の樹脂層)

請求の範囲

[請求項1]
 互いに異なる2以上の繊維方向を有する第1の炭素繊維織物を含んで構成され、前記第1の炭素繊維織物の目の部分に第1の窪み部を有するハニカムコアと、
 互いに異なる2以上の繊維方向を有する第2の炭素繊維織物を含んで構成され、前記ハニカムコアに接着されることで前記ハニカムコアを挟む一対の表皮と、
 前記第1の窪み部の一部を充填する第1の樹脂層と、
 前記第1の樹脂層と前記ハニカムコアとから構成される部分の表面露出領域を覆う第1の遮水膜と
 を備え、
 前記第1の窪み部には、前記第1の樹脂層よりも前記第1の窪み部の開口側の部分であって、かつ前記第1の樹脂層により充填されていない部分である第1の非充填部分が設けられる
 ハニカムサンドイッチ構造体。
[請求項2]
 前記一対の表皮のそれぞれに設けられると共に、前記第2の炭素繊維織物の目の部分に設けられた第2の窪み部の一部を充填する第2の樹脂層と、
 前記一対の表皮のそれぞれに設けられ、前記第2の樹脂層及び前記表皮とから構成される部分の表面露出領域を覆う第2の遮水膜と
 を備え、
 前記第2の窪み部には、前記第2の樹脂層よりも前記第2の窪み部の開口側の部分であって、かつ前記第2の樹脂層により充填されていない部分である第2の非充填部分が設けられる
 請求項1に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[請求項3]
 前記第1の非充填部分の深さをD1とし、
 前記第1の遮水膜の膜厚をt1とした場合、
 D1/t1が0より大きく10以下である
 請求項1又は請求項2に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[請求項4]
 前記第2の非充填部分の深さをD2とし、
 前記第2の遮水膜の膜厚をt2とした場合、
 D2/t2が0より大きく10以下である
 請求項2に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[請求項5]
 前記ハニカムコアのセル幅をWとし、
 前記ハニカムコアの高さをHとした場合、
 H/Wが0より大きく20以下である
 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[請求項6]
 前記第1の遮水膜の引張弾性率、前記第1の遮水膜の熱膨張率、及び前記第1の遮水膜の膜厚を、それぞれEm、αm、及びtmとした場合、
 (Em・αm・tm)が2.8(Pa・m/K)以下である
 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のハニカムサンドイッチ構造体。
[請求項7]
 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のハニカムサンドイッチ構造体の製造方法であって、
 前記ハニカムコアの前記第1の窪み部の一部を前記第1の樹脂層により充填する第1の工程と、
 前記第1の樹脂層と前記ハニカムコアとから構成される部分の表面露出領域を覆うように前記第1の遮水膜を形成する第2の工程と、
 加圧下で加熱することで、前記一対の表皮を前記ハニカムコアに接着する第3の工程と
 を備えるハニカムサンドイッチ構造体の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]