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1. (WO2018189855) 剛性可変装置と内視鏡
Document

明 細 書

発明の名称 剛性可変装置と内視鏡

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

0003   0004   0005   0006  

図面の簡単な説明

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1A   1B   2A   2B   2C   2D   3   4A   4B   4C   4D  

明 細 書

発明の名称 : 剛性可変装置と内視鏡

技術分野

[0001]
 本発明は、可撓性部材に異なる剛性を提供する剛性可変装置と剛性可変装置を有する内視鏡とに関する。

背景技術

[0002]
 例えば、国際公開第2016/174741号は、可撓性部材の硬度を変更するための硬度可変アクチュエータを開示している。硬度可変アクチュエータは、可撓性部材に装着され、可撓性部材に異なる硬度を提供し、シンプルで耐久性を有する。硬度可変アクチュエータは、電流を供給する複数の配線部と、配線部から供給された電流を受けて熱を発生する複数の誘起部材と、誘起部材から熱を伝えられる形状記憶部材とを有する。配線部は誘起部材それぞれに接続され、誘起部材同士は離れて配置される。形状記憶部材の相は、誘起部材から供給される熱によって、第1の相から第2の相に移り変わり得る。形状記憶部材の相が第1の相にあるときは形状記憶部材は低剛性状態を取り、形状記憶部材の相が第2の相にあるときは形状記憶部材は低剛性状態よりも高い剛性を有する高剛性状態を取る。硬度可変アクチュエータは、低剛性状態の形状記憶部材によって低い剛性を可撓性部材に提供し、高剛性状態の形状記憶部材によって高い剛性を可撓性部材に提供する。互いに離れて配置される誘起部材それぞれは、形状記憶部材の全長における形状記憶部材の一部に熱を伝える。このため、硬度可変アクチュエータは、可撓性部材における所望するエリアの剛性を変更する、つまり可撓性部材の剛性を部分的に変更する。

発明の概要

[0003]
 国際公開第2016/174741号に開示される硬度可変アクチュエータでは、形状記憶部材が高剛性状態から低剛性状態に戻るためには、熱せられた形状記憶部材を冷却する必要がある。しかしながら、冷却には時間がかかることがある。したがって、可撓性部材における所望するエリアの剛性の切り替えに対する応答性が低下してしまうことがある。
[0004]
 本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、剛性の切り替えに対する応答性を向上できる剛性可変装置を提供することを目的とする。
[0005]
 前記の目的を達成するために、本発明の剛性可変装置の一態様は、可撓性部材に装着され、前記可撓性部材に異なる剛性を提供し、第1の長手部材と、前記第1の長手部材に沿って配置される第2の長手部材と、誘起部材と、前記第1の長手部材に対して前記第2の長手部材を移動させる移動機構とを有し、前記第1の長手部材は、複数の高曲げ剛性部と、前記高曲げ剛性部の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性を有する複数の低曲げ剛性部とを有し、前記高曲げ剛性部と前記低曲げ剛性部とは、前記第1の長手部材の長手軸方向において、交互に配置され、前記第2の長手部材は、第1の相と第2の相との間で相が移り変わり得る複数の形状記憶部材と、複数の軟質部材とを有し、前記形状記憶部材と前記軟質部材とは、前記第2の長手部材の長手軸方向において、交互に配置され、前記形状記憶部材の前記相が前記第1の相にあるときは前記形状記憶部材は低剛性状態を取り、前記形状記憶部材の前記相が前記第2の相にあるときは前記形状記憶部材は前記低剛性状態よりも高い剛性を有する高剛性状態を取り、前記誘起部材は、前記移動機構によって前記低曲げ剛性部の周辺に配置される前記形状記憶部材に対して、前記第1の相と前記第2の相との間で前記形状記憶部材の前記相の移り変わりを引き起こさせて前記形状記憶部材の剛性状態を変更し、前記誘起部材が前記低曲げ剛性部の周辺に配置される前記形状記憶部材の剛性を変更する際に、剛性が変更される前記形状記憶部材の隣に配置される前記形状記憶部材は前記高曲げ剛性部の周辺に配置される。
[0006]
 前記の目的を達成するために、本発明の内視鏡の一態様は、可撓性部材と、前記可撓性部材に装着され、前記可撓性部材に異なる剛性を提供する上記に記載の剛性可変装置と、を有する。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1A] 図1Aは、本発明の一実施形態の剛性可変システムの概略図である。
[図1B] 図1Bは、剛性可変システムの剛性可変装置が組み込まれた内視鏡の斜視図である。
[図2A] 図2Aは、剛性可変装置が初期状態にあることを示す図である。
[図2B] 図2Bは、図2Aに示す剛性可変装置が低剛性状態から高剛性状態に切り替わったことを示す図である。
[図2C] 図2Cは、図2Bに示す剛性可変装置が高剛性状態から低剛性状態に切り替わったことを示す図である。
[図2D] 図2Dは、図2Cに示す剛性可変装置が低剛性状態から高剛性状態に切り替わったことを示す図である。
[図3] 図3は、低曲げ剛性部が誘起部材を備える構成の一例を示す図である。
[図4A] 図4Aは、第2の長手部材の変形例1を示す図である。
[図4B] 図4Bは、第2の長手部材の変形例2を示す図である。
[図4C] 図4Cは、第2の長手部材の変形例3を示す図である。
[図4D] 図4Dは、第2の長手部材の変形例4を示す図である。

実施形態

[0008]
 以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、一部の図面では図示の明瞭化のために部材の一部の図示を省略する。
[0009]
 図1Aと図1Bとに示すように、剛性可変システム10は、例えば可撓性部材101に装着される剛性可変装置20と、剛性可変装置20を制御する制御装置80とを有する。
[0010]
 剛性可変装置20は、可撓性部材101に異なる剛性を提供する。剛性可変装置20は、第1の長手部材30と、第1の長手部材30に沿って配置される第2の長手部材40とを有する。第2の長手部材40は、第1の長手部材30に隣接する。なお第2の長手部材40は、第1の長手部材30と隣り合ってもよい。例えば、第1の長手部材30は外筒であり、第2の長手部材40は第1の長手部材30の内部に配置される芯部である。例えば、外筒の長手軸に垂直な外筒の断面形状は環形状であり、芯部の長手軸に垂直な芯部の断面の外周は環形状である。この場合、剛性可変装置20は、どの方向の曲がりに対しても安定した剛性を提供する。外筒及び芯部それぞれの断面形状は、必ずしも環形状である必要はなく、他の形状、例えばC字形状であってもよい。第1の長手部材30と第2の長手部材40とは、剛性可変装置20の全長に渡って配置される。本実施形態では、例えば、第1の長手部材30は可撓性部材101に対して相対的に位置決め固定され、第2の長手部材40は第1の長手部材30と可撓性部材101とに対して移動可能である。
[0011]
 第1の長手部材30は、相対的に曲げ剛性が高い複数の高曲げ剛性部31と、相対的に曲げ剛性が低い複数の低曲げ剛性部33とを有する。本実施形態では、例えば、第1の長手部材30は、3つの高曲げ剛性部31と2つの低曲げ剛性部33とを有するものとする。第1の長手部材30は、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33とを支持する1つの外側支持部材35をさらに有する。外側支持部材35は例えば筒状であり、第2の長手部材40は外側支持部材35に挿入され外側支持部材35の内部に配置される。
[0012]
 外側支持部材35は、中空部材であり、例えば円筒状である。外側支持部材35は、例えば、密着巻きコイルといったコイル部材を有する。外側支持部材35のコイル部材は、疎巻きコイルでもよい。外側支持部材35は、柔らかいチューブや、複数の金属素線が互いに対して撚り合わされた筒部材でもよい。外側支持部材35は高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33との内側に配置され、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33とは外側支持部材35の外周に配置される。
[0013]
 高曲げ剛性部31は、中空部材であり、筒状、例えば円筒状である。高曲げ剛性部31は、例えば、金属製のパイプといった筒部材を有する。金属は、例えば、SUSである。高曲げ剛性部31は、筒部材によって覆われる外側支持部材35の一部位をさらに有してもよい。一部位とは、外側支持部材35の全長における一部分である。つまり、高曲げ剛性部31は、筒部材と、筒部材の周辺における外側支持部材35の一部位とを有してもよい。1つの高曲げ剛性部31の長さは、1つの低曲げ剛性部33の長さと異なっており、例えば1つの低曲げ剛性部33の長さよりも長い。
[0014]
 低曲げ剛性部33は、中空部材であり、筒状、例えば円筒状である。低曲げ剛性部33は、例えば、密着巻きコイルといった螺旋状のコイル部材を有する。低曲げ剛性部33のコイル部材は、疎巻きコイルでもよい。低曲げ剛性部33は、コイル部材によって覆われる外側支持部材35の一部位をさらに有してもよい。一部位とは、外側支持部材35の全長における一部分である。つまり、低曲げ剛性部33は、コイル部材と、コイル部材の周辺における外側支持部材35の一部位とを有してもよい。
[0015]
 高曲げ剛性部31の筒部材と低曲げ剛性部33のコイル部材と外側支持部材35のコイル部材とは、互いに対して別体である。低曲げ剛性部33と外側支持部材35とは、例えば、金属製のワイヤ状且つ螺旋状の部材を有してもよい。
[0016]
 高曲げ剛性部31の曲げ剛性は高く、低曲げ剛性部33の曲げ剛性は高曲げ剛性部31の曲げ剛性よりも低くなっている。例えば、外側支持部材35の曲げ剛性は、高曲げ剛性部31の曲げ剛性よりも低くなっている。例えば、外側支持部材35の曲げ剛性は、低曲げ剛性部33の曲げ剛性と略同一であってもよいし異なってもよい。このため、第1の長手部材30は、低曲げ剛性部33では比較的曲がりやすく、高曲げ剛性部31では比較的曲がりにくい。高曲げ剛性部31は高い曲げ剛性を有する筒状の硬質部であり、低曲げ剛性部33と外側支持部材35とは低い曲げ剛性を有する筒状の軟質部である。
[0017]
 外側支持部材35の外周面は、高曲げ剛性部31の内周面に、例えば接着または溶接などによって固定される。そして高曲げ剛性部31は、高曲げ剛性部31が外側支持部材35を囲うように、外側支持部材35に位置決めされる。高曲げ剛性部31同士は、第1の長手部材30の長手軸方向において、互いに対して機械的に直接接触しておらず、互いに対して所望する間隔離れて配置される。言い換えると、高曲げ剛性部31は、外側支持部材35の全長において、外側支持部材35を部分的に囲う。つまり、1つの高曲げ剛性部31が外側支持部材35を外側支持部材35の全長に渡って囲うのではなく、1つの高曲げ剛性部31が外側支持部材35の全長における外側支持部材35の一部位を囲う。したがって、第1の長手部材30の長手軸方向において、高曲げ剛性部31同士の間には、スペースが配置される。本実施形態では、2つのスペースが配置されるものとする。高曲げ剛性部31同士は、熱的に直接接触していない。なお第1の長手部材30の長手軸方向は、図1Aの左右方向である。
[0018]
 低曲げ剛性部33は、第1の長手部材30の長手軸方向における高曲げ剛性部31同士の間の各スペースに配置される。したがって、複数の高曲げ剛性部31と複数の低曲げ剛性部33とは、第1の長手部材30の長手軸方向において、外側支持部材35の外周面にて、交互に配置される。高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33とは、第1の長手部材30の長手軸方向に沿って配置される。低曲げ剛性部33同士は、互いに対して機械的に直接接触しておらず、互いに対して所望する間隔離れて配置される。低曲げ剛性部33同士は、熱的に直接接触していない。低曲げ剛性部33の端部は、端部に隣り合う高曲げ剛性部31の端部に、例えば接着または溶接などによって固定されてもよい。低曲げ剛性部33の端部は、端部に隣り合う高曲げ剛性部31の端部から離れて配置されてもよい。低曲げ剛性部33は、高曲げ剛性部31同士の間のスペースにおいて、外側支持部材35を巻回している。本実施形態では、1つの低曲げ剛性部33が外側支持部材35を外側支持部材35の全長に渡って巻回するのではなく、1つの低曲げ剛性部33が外側支持部材35の全長における外側支持部材35の一部位を巻回する。このように低曲げ剛性部33は、外側支持部材35を部分的に巻回する。低曲げ剛性部33は、低曲げ剛性部33が外側支持部材35の全長における外側支持部材35の一部位を巻回するように、高曲げ剛性部31によって外側支持部材35に位置決めされる。低曲げ剛性部33の巻きの外径は、高曲げ剛性部31の外径と略同一である。低曲げ剛性部33の巻きは、第1の長手部材30の長手軸に直交する方向において、高曲げ剛性部31に対して突出していないことが好ましい。低曲げ剛性部33の内周面は、外側支持部材35の外周面に接触しており、外側支持部材35の外周面に固定されてもよい。なお低曲げ剛性部33の内周面は、外側支持部材35の外周面から離れてもよい。
[0019]
 第1の長手部材30は可撓性部材101に対して相対的に位置決め固定されるため、低曲げ剛性部33は可撓性部材101の所望するエリアに対して相対的に位置決め固定されることとなる。
[0020]
 例えば、外側支持部材35は、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33とに対する芯材として機能する。図2Cに示すように、外側支持部材35は、第2の長手部材40の全長に渡って、第2の長手部材40を覆うことが可能である。例えば、外側支持部材35の長さは、第2の長手部材40の長さと略同一である。外側支持部材35の長さは、第2の長手部材40の長さよりも長くてもよい。外側支持部材35は、第1の長手部材30の径方向において、高曲げ剛性部31及び低曲げ剛性部33と、第2の長手部材40との間に介在する。このように外側支持部材35は、高曲げ剛性部31及び低曲げ剛性部33との内周側に配置される。
[0021]
 外側支持部材35は、低曲げ剛性部33と高曲げ剛性部31との位置決めと、高曲げ剛性部31及び低曲げ剛性部33それぞれの長さの規定とを実施するために、配置される。外側支持部材35は、第1の長手部材30の組立のために配置される。外側支持部材35は、第1の長手部材30の機械的な強度を向上するために配置される。なお、低曲げ剛性部33が高曲げ剛性部31に対して容易に位置決めされるのであれば、外側支持部材35は省略されてもよい。
[0022]
 第1の長手部材30の両端部それぞれには、高曲げ剛性部31が配置されるが、配置はこれに限定される必要はない。両端部それぞれに低曲げ剛性部33が配置されてもよいし、一端部に高曲げ剛性部31が配置され、他端部に低曲げ剛性部33が配置されてもよい。また、両端部それぞれに配置される部材が例えば接着または溶接などによって外側支持部材35に固定されるのであれば、両端部の間に配置される部材は外側支持部材35に固定されていなくてもよい。
[0023]
 第2の長手部材40は、第1の相と第2の相との間で相が移り変わり得る複数の形状記憶部材41と、形状記憶部材41よりも軟質な複数の軟質部材43とを有する。本実施形態では、例えば、第2の長手部材40は、5つの形状記憶部材41と6つの軟質部材43とを有するものとする。第2の長手部材40は、形状記憶部材41と軟質部材43とを支持する1つの内側支持部材45をさらに有する。内側支持部材45は、例えば筒状である。
[0024]
 形状記憶部材41の相が第1の相にあるときは、形状記憶部材41は、外力に従って容易に変形し得る低剛性状態を取り、低い弾性係数を示す。したがって、形状記憶部材41の相が第1の相にあるときは、剛性可変装置20は形状記憶部材41によって可撓性部材101に比較的低い剛性を提供する。低い剛性とは、例えば、可撓性部材101が撓みやすいような剛性である。第1の相において、第1の長手部材30と第2の長手部材40と可撓性部材101とは、例えば、外力によって容易に撓むことが可能となる。
[0025]
 また、形状記憶部材41の相が第2の相にあるときは、形状記憶部材41は、低剛性状態よりも高い剛性を有する高剛性状態を取り、高い弾性係数を示す。したがって、形状記憶部材41の相が第2の相にあるときは、剛性可変装置20は形状記憶部材41によって可撓性部材101に比較的高い剛性を提供する。高剛性状態では、形状記憶部材41は、外力に抗してあらかじめ記憶している記憶形状を取る傾向を示す。記憶形状は、例えば略直線状であってよい。高い剛性とは、例えば、可撓性部材101が撓みにくいような剛性、または外力に対抗して可撓性部材101が略直線状態を維持する剛性である。第2の相において、第1の長手部材30と第2の長手部材40と可撓性部材101とは、例えば、略直線状態を維持可能となる、または外力が印加されても第1の相における状態に比べて緩やかに撓むことが可能となる。
[0026]
 ここにおいて、外力とは、形状記憶部材41を変形させ得る力を意味しており、重力も外力の一部と考える。
[0027]
 例えば、形状記憶部材41の曲げ剛性は、形状記憶部材41の相が第1の相のとき、高曲げ剛性部31の曲げ剛性よりも低く、低曲げ剛性部33の曲げ剛性と略同一または低い。形状記憶部材41の曲げ剛性は、形状記憶部材41の相が第2の相のとき、高曲げ剛性部31の曲げ剛性と略同一または低く、低曲げ剛性部33の曲げ剛性よりも高い。形状記憶部材41の相が第2の相のとき、形状記憶部材41の曲げ剛性は、高曲げ剛性部31の曲げ剛性よりも高くてもよい。形状記憶部材41の曲げ剛性は、形状記憶部材41の相が第1の相であっても第2の相であっても、軟質部材43及び内側支持部材45それぞれの曲げ剛性よりも高くてもよいし低くてもよい。
[0028]
 形状記憶部材41は、温度によって相が変態し、変態による剛性変化が大きい部材を有する。このような部材は、例えば、NiTi系の形状記憶合金ワイヤを有する。なおこのような部材は、例えば、形状記憶合金を有してもよい。形状記憶合金は、例えば、NiTiCuを含む合金であってよい。また、形状記憶部材41は、温度によって相が変態し、変態によって剛性が変わる材料から構成されればよい。したがって、形状記憶部材41は、形状記憶合金に限らず、形状記憶ポリマー、形状記憶ゲル、形状記憶セラミックなど、他の材料から構成されていてもよい。
[0029]
 形状記憶部材41を構成する形状記憶合金は、例えば、マルテンサイト相とオーステナイト相との間で形状記憶合金の相が移り変わる部材であってもよい。この形状記憶合金は、マルテンサイト相時には、外力に対して容易に塑性変形する。つまり、その形状記憶合金は、マルテンサイト相時には低い弾性係数を示す。一方、形状記憶合金は、オーステナイト相時には、外力に抵抗して容易には変形しない。ここで、形状記憶合金がさらに大きな外力によって変形したとする。変形した形状記憶合金に対して大きな外力が打ち消された際、形状記憶合金は、超弾性を示して、記憶している形状に戻る。つまり、形状記憶合金は、オーステナイト相時には高い弾性係数を示す。
[0030]
 軟質部材43は、例えば、湾曲可能となっている。軟質部材43は、例えば、ばね材またはゴム材である。例えば、軟質部材43は、形状記憶部材41よりも柔らかく撓みやすい。また軟質部材43の熱伝導率は、形状記憶部材41の熱伝導率よりも低い。
[0031]
 形状記憶部材41と軟質部材43とは、内側支持部材45に挿入され、内側支持部材45の内部に配置される。形状記憶部材41と軟質部材43とのそれぞれは、それぞれの外周を全周に渡って内側支持部材45によって覆われる。
[0032]
 形状記憶部材41同士は、第2の長手部材40の長手軸方向において、互いに対して機械的に直接接触しておらず、互いに対して所望する間隔離れて配置される。したがって、第2の長手部材40の長手軸方向において、形状記憶部材41同士の間には、スペースが配置される。本実施形態では、4つのスペースが配置されるものとする。形状記憶部材41同士は、熱的に直接接触していない。なお第2の長手部材40の長手軸方向は、図1Aの左右方向であり、第1の長手部材30の長手軸方向と同じ方向である。
[0033]
 軟質部材43は、第2の長手部材40の長手軸方向における形状記憶部材41同士の間の各スペースに配置される。したがって、複数の形状記憶部材41と複数の軟質部材43とは、第2の長手部材40の長手軸方向において、内側支持部材45の内部にて、交互に配置される。形状記憶部材41と軟質部材43とは、第2の長手部材40の長手軸方向に沿って配置される。軟質部材43同士は、互いに対して機械的に直接接触しておらず、互いに対して所望する間隔離れて配置される。軟質部材43同士は、熱的に直接接触していない。形状記憶部材41同士の間に配置される軟質部材43は、形状記憶部材41の位置決めのために配置される。軟質部材43の端部は、端部に隣り合う形状記憶部材41の端部に、接触する。軟質部材43の端部は、端部に隣り合う形状記憶部材41の端部に、例えば接着または溶接などによって固定されてもよい。
[0034]
 本実施形態では、例えば、第2の長手部材40の両端部には、軟質部材43が配置される。両端部に配置される軟質部材43の外周面は、内側支持部材45の内周面に、例えば接着または溶接などによって固定される。これにより、両端部に配置される以外の軟質部材43と形状記憶部材41とは、内側支持部材45に固定されずに、内側支持部材45に位置決めされることとなる。もちろん、形状記憶部材41及び軟質部材43それぞれの外周面が内側支持部材45の内周面に例えば接着または溶接などによって固定され、形状記憶部材41及び軟質部材43それぞれが位置決めされてもよい。なお形状記憶部材41が例えば接着または溶接などによって内側支持部材45に固定されるのであれば、軟質部材43は省略されてもよい。
[0035]
 第2の長手部材40の両端部それぞれには、軟質部材43が配置されるが、配置はこれに限定される必要はない。両端部それぞれに形状記憶部材41が配置されてもよいし、一端部に軟質部材43が配置され、他端部に形状記憶部材41が配置されてもよい。また、両端部それぞれに配置される部材が例えば接着または溶接などによって内側支持部材45に固定されるのであれば、両端部の間に配置される部材は内側支持部材45に固定されていなくてもよい。
[0036]
 内側支持部材45は、中空部材であり、筒状、例えば円筒状である。内側支持部材45は、形状記憶部材41と軟質部材43との外周側に配置される。内側支持部材45は、例えば、密着巻きコイルといったコイル部材を有する。内側支持部材45のコイル部材は、疎巻きコイルでもよい。内側支持部材45は、柔らかいチューブや、複数の金属素線が互いに対して撚り合わされた筒部材でもよい。内側支持部材45は、例えば、金属製のワイヤ状且つ螺旋状の部材を有してもよい。例えば、内側支持部材45の曲げ剛性は、軟質部材43の曲げ剛性と略同一である。
[0037]
 内側支持部材45の外周面は外側支持部材35の内周面とは接触しており、内側支持部材45は後述する移動機構60によって外側支持部材35を摺動する。形状記憶部材41と軟質部材43とは、内側支持部材45に固定されるため、内側支持部材45の移動に伴い、内側支持部材45と共に移動する。内側支持部材45が外側支持部材35に対して移動できれば、内側支持部材45の外周面は外側支持部材35の内周面とは接触しておらず、スペースが内側支持部材45の外周面と外側支持部材35の内周面との間に形成されてもよい。
[0038]
 外側支持部材35に挿入される内側支持部材45は、内側支持部材45の全長に渡って、外側支持部材35に覆われることが可能である。例えば、内側支持部材45の長さは、外側支持部材35の長さと略同一である。内側支持部材45の長さは、外側支持部材35の長さよりも短くてもよい。内側支持部材45には形状記憶部材41と軟質部材43とが挿入され、内側支持部材45は形状記憶部材41と軟質部材43との外側に配置される。内側支持部材45は、形状記憶部材41及び軟質部材43それぞれの外周面を外側支持部材35の内周面に対して保護する保護部材として機能する。内側支持部材45は、外側支持部材35と形状記憶部材41及び軟質部材43との間に介在し、外側支持部材35が形状記憶部材41及び軟質部材43と直接接触することを防止する介在部材である。
[0039]
 内側支持部材45は、形状記憶部材41と軟質部材43との位置決めと、形状記憶部材41及び軟質部材43それぞれの長さの規定とを実施するために、配置される。内側支持部材45は、第2の長手部材40の組立のために配置される。内側支持部材45は、第2の長手部材40の機械的な強度を向上するために配置される。
[0040]
 1つの高曲げ剛性部31の長さは、1つの形状記憶部材41の長さよりも長く、1つの軟質部材43の長さよりも長い。したがって、高曲げ剛性部31は、外側支持部材35と内側支持部材45とを介して、1つの形状記憶部材41の全長と1つの軟質部材43の全長とを巻回する。1つの低曲げ剛性部33の長さは、1つの形状記憶部材41の長さよりも短く、1つの軟質部材43の長さよりも長い。したがって低曲げ剛性部33は、外側支持部材35と内側支持部材45とを介して、1つの形状記憶部材41の全長において1つの形状記憶部材41の大部分を巻回する。1つの形状記憶部材41の長さは、1つの軟質部材43の長さよりも長い。1つの高曲げ剛性部31の長さと1つの低曲げ剛性部33の長さとの和は、1つの形状記憶部材41の長さの2倍よりも長い。
[0041]
 本実施形態では、第1の長手部材30が第2の長手部材40に挿入される状態において、形状記憶部材41は高曲げ剛性部31または低曲げ剛性部33にオーバラップし、軟質部材43は高曲げ剛性部31にオーバラップする。
[0042]
 高曲げ剛性部31に対するオーバラップとは、例えば、図1Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41が高曲げ剛性部31の周辺に配置され、図1Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41が外側支持部材35と内側支持部材45とを介して高曲げ剛性部31に隣り合うことを示す。このとき、例えば、図1Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41の全長が外側支持部材35と内側支持部材45とを介して高曲げ剛性部31に覆われ、図1Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41の全長が外側支持部材35と内側支持部材45とを介して高曲げ剛性部31の内部に配置され、高曲げ剛性部31に収容される。図1Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41を用いて説明したが、軟質部材43に対しても同様である。
[0043]
 また、低曲げ剛性部33に対するオーバラップとは、例えば、図1Aに示す左から3,5番目の形状記憶部材41が低曲げ剛性部33の周辺に配置され、図1Aに示す左から3,5番目の形状記憶部材41が外側支持部材35と内側支持部材45とを介して低曲げ剛性部33に隣り合うことを示す。このとき、例えば、図1Aに示す左から3,5番目の形状記憶部材41の全長の大部分が外側支持部材35と内側支持部材45とを介して低曲げ剛性部33に覆われ、図1Aに示す左から3,5番目の形状記憶部材41の全長の大部分が外側支持部材35と内側支持部材45とを介して低曲げ剛性部33の内部に配置され、低曲げ剛性部33に収容される。
[0044]
 このように、低曲げ剛性部33の周辺に配置される形状記憶部材41(図1Aに示す左から3,5番目の形状記憶部材41を参照)の隣に配置される形状記憶部材41(図1Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41を参照)は、高曲げ剛性部31の周辺に配置されることとなる。
[0045]
 剛性可変装置20は、誘起部材50と、第1の長手部材30に対して第2の長手部材40を移動させる移動機構60とを有する。
[0046]
 誘起部材50は、制御装置80から電流の供給を受けて熱を発する性能を有する。誘起部材50は、この熱を、誘起部材50の周辺に配置される形状記憶部材41に伝える。そして、誘起部材50は、この形状記憶部材41において、第1の相と第2の相との間で形状記憶部材41の相の移り変わりを引き起こさせる。1つの誘起部材50は、形状記憶部材41によって、第2の長手部材40の長手軸方向における第2の長手部材40の一部位の剛性を変更させる。誘起部材50は、形状記憶部材41の相の移り変わりを引き起こすことが可能な位置に配置されればよい。
[0047]
 本実施形態は、低曲げ剛性部33が誘起部材50を備える構成の一例であり、この一例として低曲げ剛性部33は誘起部材50を兼ねる。例えば低曲げ剛性部33が誘起部材50を兼ねる場合、剛性可変装置20の構成を簡素にできる。
[0048]
 低曲げ剛性部33が誘起部材50を兼ねる場合、低曲げ剛性部33は、導電性材料を有する。低曲げ剛性部33は、例えば、電熱線、つまり電気抵抗の大きい導電性部材で構成されてよい。低曲げ剛性部33は、コイル状である。例えば、低曲げ剛性部33の周囲には、図示しない第1絶縁膜が配置される。第1絶縁膜は、低曲げ剛性部33と外側支持部材35との間の短絡と、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33との短絡とを防止する。
[0049]
 また例えば、外側支持部材35の周囲には、図示しない第2絶縁膜が配置される。第2絶縁膜は、低曲げ剛性部33と外側支持部材35との間の短絡と、高曲げ剛性部31と外側支持部材35との間の短絡と、外側支持部材35と内側支持部材45との間の短絡とを防止する。
[0050]
 ここで、熱による形状記憶部材41の相の移り変わりについて説明する。
[0051]
 制御装置80は、各低曲げ剛性部33をそれぞれ独立に駆動する駆動部81を有する。駆動部81は、1つの電源と1つのスイッチとを有する。駆動部81は、配線部83を介して低曲げ剛性部33に電気的に接続される。配線部83は、例えば、金属のワイヤ状の部材である。配線部83は、低曲げ剛性部33に電気的に接続されていればよく、低曲げ剛性部33と一体であってもよいし別体であってもよい。駆動部81は、それぞれ、スイッチのON動作に応じて、配線部83を介して低曲げ剛性部33に電流を供給し、また、スイッチのOFF動作に応じて、低曲げ剛性部33に対する電流の供給を停止する。
[0052]
 低曲げ剛性部33は、制御装置80から電流の供給を受けて熱を発する性能を有する。低曲げ剛性部33の発熱量は、電流の供給量に応じる。低曲げ剛性部33は、熱によって形状記憶部材41に第1の相と第2の相の間の相の移り変わりを引き起こさせる誘起部材50として機能する。詳細には、低曲げ剛性部33は、外側支持部材35と内側支持部材45とを介して形状記憶部材41を加熱する加熱部であるコイルヒータとして機能する。形状記憶部材41は、誘起部材50として機能する低曲げ剛性部33から発生した熱によって、第1の相から第2の相に形状記憶部材41の相が移り変わる性質を有する。詳細には、誘起部材50として機能する低曲げ剛性部33は、移動機構60によって低曲げ剛性部33の周辺に配置される1つの形状記憶部材41に対して、第1の相と第2の相との間で形状記憶部材41の相の移り変わりを引き起こさせる。そして、低曲げ剛性部33は、形状記憶部材41の剛性状態を変更し、第2の長手部材40の長手軸方向における第2の長手部材40の一部位の剛性を変更する。
[0053]
 詳細には、本実施形態では、1つの低曲げ剛性部33は、外側支持部材35の全長における外側支持部材35の一部位を巻回している。したがって、1つの低曲げ剛性部33は、外側支持部材35を全長に渡って加熱するのではなく、外側支持部材35の全長における外側支持部材35の一部位を加熱する、言い換えると外側支持部材35を部分的に加熱する。低曲げ剛性部33は、外側支持部材35の一部位を含む一部位の周辺を加熱してもよい。この熱は、外側支持部材35の一部位から、外側支持部材35の一部位によって巻回される、内側支持部材45の全長における内側支持部材45の一部位に伝わる。そして、熱は、内側支持部材45の一部位から、内側支持部材45の一部位によって巻回される1つの形状記憶部材41に伝わる。そして、この形状記憶部材41は、形状記憶部材41の略全長に渡って加熱される。つまり、1つの低曲げ剛性部33は、外側支持部材35及び内側支持部材45を介して、低曲げ剛性部33にオーバラップする1つの形状記憶部材41を略全長に渡って加熱する。言い換えると、熱を発生した低曲げ剛性部33は、熱を発生した低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41のみを加熱する。
[0054]
 低曲げ剛性部33は、全ての形状記憶部材41のなかから選択された形状記憶部材41の剛性、言い換えると第2の長手部材40における所望するエリアを加熱する。このように低曲げ剛性部33は、第2の長手部材40を部分的に加熱する。
[0055]
 形状記憶部材41が熱せられておらずまたは形状記憶部材41が冷却され、形状記憶部材41の相が第1の相にあるときは、形状記憶部材41は低剛性状態にあり軟質部である。形状記憶部材41が熱せられて、形状記憶部材41の相が第2の相にあるときは、形状記憶部材41は高剛性状態にあり硬質部である。
[0056]
 形状記憶部材41における熱の伝達範囲は、例えば、熱の温度と、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33と外側支持部材35と内側支持部材45とのそれぞれの長さと厚みと、高曲げ剛性部31と外側支持部材35と形状記憶部材41と内側支持部材45とのそれぞれの熱伝導率と、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33と外側支持部材35と形状記憶部材41と内側支持部材45とのそれぞれの材質とによって調整される。なお形状記憶部材41における熱の伝達範囲の長さは、第2の長手部材40の長手軸方向における長さを示す。
[0057]
 形状記憶部材41は、細長い外観形状を有する。低曲げ剛性部33は、ワイヤ状の部材を有しており、形状記憶部材41の外周に配置される内側支持部材45及び外側支持部材35の外周に配置される。低曲げ剛性部33同士は、図1Aの左右方向である剛性可変装置20の長手軸方向に沿って互いに対して所望する間隔を離れて配置される。低曲げ剛性部33は、外側支持部材35の外周を螺旋状に延びている。このような構成のおかげで、低曲げ剛性部33から発生する熱は、外側支持部材35及び内側支持部材45を介して、この低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41のみに効率良く伝達される。
[0058]
 また軟質部材43の熱伝導率は、形状記憶部材41の熱伝導率よりも低い。したがって、熱せられた形状記憶部材41から軟質部材43を通じて他の熱せられていない形状記憶部材41への、熱の伝達は抑制される。
[0059]
 低曲げ剛性部33から高曲げ剛性部31への熱の伝達と、高曲げ剛性部31から外側支持部材35を介して内側支持部材45への熱の伝達とは、例えば高曲げ剛性部31と外側支持部材35と内側支持部材45とのそれぞれの熱伝導率によって、抑制される。したがって、例えば、この抑制によって、図1Aに示す左から1番目の低曲げ剛性部33から高曲げ剛性部31と外側支持部材35と内側支持部材45とを介して例えば図1Aに示す左から1番目の低曲げ剛性部33にオーバラップする図1Aに示す左から3番目の形状記憶部材41以外の形状記憶部材41(例えば図1Aに示す左から1,2,4,5番目の形状記憶部材41を参照)への、熱の伝達は抑制される。
[0060]
 図示はしないが、第1の長手部材30は、第1の長手部材30の長手軸方向において高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33との間に配置される断熱部材を有してもよい。断熱部材は、例えば、高曲げ剛性部31の端部に固定され、リング状である。第1の長手部材30の長手軸方向において、低曲げ剛性部33は2つの断熱部材に挟まれる。断熱部材は、低曲げ剛性部33の端部に固定され、低曲げ剛性部33に熱的に接続される。断熱部材は、低曲げ剛性部33から発生した熱が高曲げ剛性部31に伝達されることを防止する。断熱部材は、例えば、樹脂などの、低い熱伝導率を有する部材である。
[0061]
 また外側支持部材35と内側支持部材45と軟質部材43とのそれぞれの熱伝導率によって、例えば図1Aに示す左から1番目の低曲げ剛性部33から外側支持部材35と内側支持部材45と軟質部材43とを介して図1Aに示す左から1番目の低曲げ剛性部33にオーバラップする図1Aに示す左から3番目の形状記憶部材41以外の形状記憶部材41(例えば図1Aに示す左から1,2,4,5番目の形状記憶部材41を参照)への熱の伝達は抑制される。
[0062]
 このように、熱を発生したある1つの低曲げ剛性部33がこの低曲げ剛性部33にオーバラップする1つの形状記憶部材41以外の形状記憶部材41を加熱することは、防止される。
[0063]
 複数の低曲げ剛性部33は、同一構造体であってよい。しかし、これに限定されることなく、複数の低曲げ剛性部33は、複数の異なる構造体を含んでいてもよい。異なる構造体は、例えば、異なる長さや異なる太さや異なるピッチを有していてもよく、また、異なる材料で作られていてもよい。つまり、複数の低曲げ剛性部33は、すべてまたはいくつかが、同じ特性を有していてもよいし、異なる特性を有していてもよい。
[0064]
 移動機構60は、例えば、第2の長手部材40を、第1の長手部材30に対して移動させる。本実施形態では、第2の長手部材40は、移動機構60によって、第1の長手部材30に沿って移動可能となっている。内側支持部材45の外周面は、外側支持部材35の内周面を摺動する。例えば、移動機構60は、第2の長手部材40の牽引または押圧によって、第2の長手部材40を移動させる。例えば、内側支持部材45が牽引または押圧される。第2の長手部材40の移動に従って、形状記憶部材41と軟質部材43とも移動する。移動機構60は、制御装置80に電気的に接続されており、制御装置80によって移動を制御される。
[0065]
 移動機構60は、例えば、図示しないモータと、第2の長手部材40の一端部に接続され、モータの回転力によって第2の長手部材40を移動させる図示しない移動部材とを有する。モータは、可撓性部材101として機能する後述する挿入部の基端部に連結される操作部103(図1B参照)に配置されてもよい。モータは、操作部103におけるスイッチのONまたはOFFといった操作によって、駆動してもよい。移動部材は、例えば、内側支持部材45の一端部に直接接続され、回転力によって第2の長手部材40を牽引または押圧する。移動部材は、モータの配置位置から内側支持部材45の一端部にまで配置される。例えば、移動部材は、操作部103と可撓性部材101との内部に配置される。移動部材は、例えば、ワイヤ状の部材である。
[0066]
 制御装置80は、例えば、ASICなどを含むハードウエア回路によって構成される。制御装置80は、プロセッサによって構成されても良い。制御装置80がプロセッサで構成される場合、プロセッサの内部メモリまたはプロセッサがアクセス可能に配置された図示しない外部メモリに、プロセッサが実行することで当該プロセッサを制御装置80として機能させるためのプログラムコードを記憶しておく。制御装置80は、例えば、操作部103に配置されてもよい。制御装置80は、スイッチの操作に連動して、移動機構60の牽引と押圧と停止とを制御する。
[0067]
 ここで、剛性可変装置20と可撓性部材101との関係について説明する。
[0068]
 剛性可変装置20は、第2の長手部材40と移動部材とが何ら拘束されることなく、可撓性部材101に装着される。例えば、第1の長手部材30と第2の長手部材40と移動部材とは、可撓性部材101の限られた空間内に少ないスペースをもって配置される。限られた空間とは、第1の長手部材30と第2の長手部材40と移動部材とをちょうど収容し得る空間を意味している。したがって、第1の長手部材30及び第2の長手部材40と、可撓性部材101との一方の変形は、わずかであっても、他方に接触して外力を与え得る。なお可撓性部材101は、第1の長手部材30と第2の長手部材40と移動部材とよりもわずかに大きい空間を有してさえいればよい。
[0069]
 例えば、可撓性部材101は、剛性可変装置20の外径、特に高曲げ剛性部31の外径よりもわずかに大きい内径を有し、外力が付加されることで撓むことが可能なチューブである。第1の長手部材30と第2の長手部材40と移動部材とは、このチューブの内部に配置されてよい。第1の長手部材30は可撓性部材101に対して相対的に位置決め固定され、第2の長手部材40は第1の長手部材30と可撓性部材101とに対して相対的に移動可能である。可撓性部材101は、例えば、内視鏡100の挿入部であってよい。内視鏡100は、医療用でもよいし、工業用でもよい。したがって、図1Bに示すように、内視鏡100は、可撓性部材101と、可撓性部材101に装着され、可撓性部材101に異なる剛性を提供する剛性可変装置20とを有する。なお可撓性部材101は、剛性可変装置20が搭載される小型な精密機器の一例である。この小型な精密機器は、挿入部の他に、例えば、マニピュレータ、カテーテルなどの細長い部材などが挙げられる。移動機構60のモータ及び制御装置80は、内視鏡100に配置されてもよいし、内視鏡100に接続される内視鏡100の制御装置(図示せず)に配置されてもよい。したがって、剛性可変システム10は、内視鏡100に配置される、または内視鏡100と内視鏡100の制御装置とを有する内視鏡システムに配置される。
[0070]
 以下に、本実施形態における、可撓性部材101における所望するエリアの剛性の変更について説明する。
[0071]
 以下の説明では、説明の便宜上、熱せられていない形状記憶部材41であり、相が第1の相であり、低剛性状態にある形状記憶部材41を、低形状記憶部材と称する。また説明の便宜上、熱せられた形状記憶部材41であり、相が第2の相であり、高剛性状態の形状記憶部材41を、高形状記憶部材と称する。高形状記憶部材は、低形状記憶部材の隣に配置される。図2A,2B,2C,2Dでは、低形状記憶部材と高形状記憶部材とを区別するために、低形状記憶部材は図1Aと同じハッチを付し、高形状記憶部材を黒塗りで表す。
[0072]
 まず図2Aに示すように、剛性可変システム10は初期状態にあるとする。初期状態では、操作部103におけるスイッチがOFFされ、移動機構60は停止している。移動機構60とは逆側の第2の長手部材40の端部は、第1の長手部材30の端部から外部に向かって突出している。この突出に伴い、図2Aに示す左側から1番目の形状記憶部材41と図2Aに示す左から1番目の軟質部材43とこれらを覆う内側支持部材45の端部は、外部に配置される。図2Aに示す左から2,3,4,5,6番目の軟質部材43と、図2Aに示す左から2,4番目の形状記憶部材41とは高曲げ剛性部31にオーバラップする。図2Aに示す左から3,5番目の形状記憶部材41は低曲げ剛性部33にオーバラップする。
[0073]
 なお、図示はしないが、初期状態では、ある1つの低曲げ剛性部33がある1つの形状記憶部材41の全長において形状記憶部材41の大部分を巻回していれば、第2の長手部材40は第2の長手部材40の全長に渡って第1の長手部材30に収容されていてもよい。
[0074]
 初期状態では、駆動部81は低曲げ剛性部33に電流を供給しておらず、低曲げ剛性部33は熱を発生しておらず、形状記憶部材41はいずれも熱せられておらず、形状記憶部材41の相は第1の相である。したがって、形状記憶部材41はいずれも低形状記憶部材であり、第1の長手部材30と第2の長手部材40と形状記憶部材41と可撓性部材101とは、全長に渡って低剛性状態にある。
[0075]
 つまり、低形状記憶部材は、高曲げ剛性部31または低曲げ剛性部33にオーバラップする。言い換えると、低形状記憶部材は、高曲げ剛性部31または低曲げ剛性部33に覆われ、高曲げ剛性部31または低曲げ剛性部33に収容される。ここで低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41に着目すると、この形状記憶部材41は、低形状記憶部材であり、軟質部である。したがって、低曲げ剛性部33は曲がる状態となる。
[0076]
 低曲げ剛性部33は、可撓性部材101の所望するエリアに対して相対的に位置決め固定される。したがって、低曲げ剛性部33に対する図2Aに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)のオーバラップによって、低曲げ剛性部33が固定される所望するエリアは比較的低い剛性を提供され、所望するエリアの剛性が下がる。つまり剛性可変装置20は、可撓性部材101の全長における可撓性部材101の一部位のみに低い剛性を提供する。低剛性状態にある可撓性部材101の一部位は、可撓性部材101に作用する外力に従って容易に変形する。可撓性部材101は、外力によって容易に撓むことが可能となる。剛性可変装置20及び可撓性部材101は、曲がり易くなる。
[0077]
 なお高曲げ剛性部31は硬質部であるため、高曲げ剛性部31は、略直線状態を維持可能である。したがって、高曲げ剛性部31が配置される可撓性部材101の一部位は、略直線状態を維持する。なお高曲げ剛性部31は、外力によって低曲げ剛性部33に比べて緩やかに撓んでもよい。したがって、可撓性部材101の一部は、外力によって所望するエリアに比べて緩やかに撓んでもよい。
[0078]
 次に、操作部103におけるスイッチがOFFされたままであり、移動機構60は停止したままであり、第2の長手部材40は図2Aに示す初期状態に対して移動していない状況下で、図2Bに示すように駆動部81におけるスイッチがONされる。これにより、駆動部81は、配線部83を介して低曲げ剛性部33に電流を供給する。低曲げ剛性部33は、電流の供給に応じて熱を発生する。熱は、低曲げ剛性部33から、低曲げ剛性部33が巻回する外側支持部材35の全長における外側支持部材35の一部位と、外側支持部材35の一部位が巻回する内側支持部材45の全長における内側支持部材45の一部位とを介して、図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(図2Aにおいて低形状記憶部材)に間接的に伝達される。つまり、熱は、低曲げ剛性部33から図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41に間接的に伝達される。熱は、低曲げ剛性部33から図2Bに示す左側から3,5番目の低形状記憶部材に直接伝達されるのではない。
[0079]
 熱の伝達によって、図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(図2Aにおいて低形状記憶部材)は熱せられ、形状記憶部材41の温度は上がる。図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41の相は加熱によって第1の相から第2の相に切り替わり、形状記憶部材41の剛性は加熱によって上がる。すると、図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41は低剛性状態から高剛性状態に切り替わり、図2Aに示す低形状記憶部材が図2Bでは高形状記憶部材に変化する。低曲げ剛性部33は、低曲げ剛性部33にオーバラップする図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(図2Aにおいて低形状記憶部材)の相を第1の相から第2の相に移り変わらせる。そして低曲げ剛性部33は、低曲げ剛性部33にオーバラップする図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41の剛性を低剛性状態から高剛性状態に変更する。
[0080]
 ここで低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41に着目すると、この形状記憶部材41は、高形状記憶部材であり、硬質部である。したがって、低曲げ剛性部33は曲がり難い状態となる。
[0081]
 なお低曲げ剛性部33から高曲げ剛性部31への熱の伝達と、高曲げ剛性部31から外側支持部材35を介して内側支持部材45への熱の伝達とは、例えば高曲げ剛性部31と外側支持部材35と内側支持部材45とのそれぞれの熱伝導率によって、抑制される。したがって、例えば、この抑制によって、低曲げ剛性部33から高曲げ剛性部31と外側支持部材35と内側支持部材45とを介して図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41以外の他の形状記憶部材41(図2Bに示す左側から1,2,4番目の低形状記憶部材を参照)への熱の伝達は抑制される。
[0082]
 軟質部材43の熱伝導率は、形状記憶部材41の熱伝導率よりも低い。したがって、熱せられた図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)から軟質部材43を通じて他の熱せられていない図2Bに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)への、熱の伝達は抑制される。
[0083]
 このように誘起部材50を兼ねる低曲げ剛性部33が低曲げ剛性部33の周辺に配置される図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(図2Aでは低形状記憶部材)の剛性を変更する際に、剛性がこれから変更される図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(図2Aでは低形状記憶部材)の隣に配置される図2Bに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)は高曲げ剛性部31の周辺に配置される。また図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41が低曲げ剛性部33の周辺に配置されて低剛性状態から高剛性状態に変更される際、低剛性状態から高剛性状態に変更される図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41の隣に配置される図2Bに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)は高曲げ剛性部31の周辺に配置されて低剛性状態にある。詳細には、高形状記憶部材は低曲げ剛性部33の内部に配置され、低形状記憶部材は高曲げ剛性部31の内部に配置される。
[0084]
 低曲げ剛性部33は、可撓性部材101の所望するエリアに対して相対的に位置決め固定される。したがって、低曲げ剛性部33に対する図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)のオーバラップによって、低曲げ剛性部33が固定される所望するエリアは比較的高い剛性を提供され、所望するエリアの剛性が上がる。つまり図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)がオーバラップする低曲げ剛性部33が配置されている可撓性部材101の一部位の剛性は、上がる。言い換えると、剛性可変装置20は、可撓性部材101の全長における可撓性部材101の一部位のみに高い剛性を提供する。したがって、可撓性部材101は、可撓性部材101の全長に渡って低剛性状態から高剛性状態に切り替わるのではなく、部分的に低剛性状態から高剛性状態に切り替わる。言い換えると、可撓性部材101の全長における一部位が、低剛性状態から高剛性状態に切り替わる。このように剛性可変装置20は低曲げ剛性部33の周辺における剛性可変装置20の剛性状態を変化させ、剛性可変装置20の剛性は剛性可変装置20の長手軸方向において部分的に上がる。そして、剛性可変装置20は、この変化によって可撓性部材101における所望するエリアの剛性を上げる。
[0085]
 高剛性状態にある可撓性部材101の一部位は、可撓性部材101に作用する外力すなわち熱せられた形状記憶部材41(高形状記憶部材)を変形させ得る力に対抗する。したがって、高剛性状態にある可撓性部材101の一部位は、略直線状態を維持する。なお可撓性部材101の一部位は、外力によって初期状態に比べて緩やかに撓んでもよい。
[0086]
 なお高曲げ剛性部31にオーバラップする図2Bに示す左側2,4番目の形状記憶部材41は、熱が伝達されず低形状記憶部材のままであり、軟質部である。しかしながら高曲げ剛性部31は硬質部であるため、図2Aに示す状態と同様に、高曲げ剛性部31は、略直線状態を維持可能である。したがって、高曲げ剛性部31が配置される可撓性部材101の一部位は、略直線状態を維持する。なお高曲げ剛性部31は、外力によって低曲げ剛性部33に比べて緩やかに撓んでもよい。したがって、可撓性部材101の一部は、外力によって所望するエリアに比べて緩やかに撓んでもよい。
[0087]
 本実施形態では、例えば、図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41が熱せられる。したがって、可撓性部材101の全長における2つの部位が低剛性状態から高剛性状態に切り替わる。しかしながら熱せられる形状記憶部材41は、1つでもよい。
[0088]
 また図2Bに示す左側から3番目の形状記憶部材41が可撓性部材101における所望する第1のエリアに固定され、図2Bに示す左側から5番目の形状記憶部材41が可撓性部材101における所望する第2のエリアに固定されるとする。低曲げ剛性部33それぞれに供給される電流が制御装置80によって制御され、図2Bに示す左側から3番目の熱せられる形状記憶部材41の温度は、例えば、図2Bに示す左側から5番目の熱せられる形状記憶部材41の温度と異なってもよい。このため図2Bに示す左側から3番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)の剛性は、図2Bに示す左側から5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)の剛性と異なってもよい。したがって、可撓性部材101における所望する第1,2のエリアそれぞれが低剛性状態から高剛性状態に切り替わる際、可撓性部材101における所望する第1のエリアの剛性は、可撓性部材101における所望する第2のエリアの剛性と異なる。このように、可撓性部材101の剛性は、部分的に変更されてもよい。
[0089]
 本実施形態では、2つの低曲げ剛性部33が配置される。したがって、一部位の数とエリアの数とは2つである。一部位の数とエリアの数とは、低曲げ剛性部33に対応する。
[0090]
 なお剛性可変装置20の長手軸方向において硬質部である高曲げ剛性部31と図2Bに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)とが連続して交互に配置される。これにより剛性可変装置20は、全長に渡って高剛性状態となり、可撓性部材101全長に渡って高い剛性を提供してもよい。そして可撓性部材101は、全長に渡って、略直線状態を維持してもよい。なお可撓性部材101は、全長に渡って、外力によって初期状態に比べて緩やかに撓んでもよい。
[0091]
 次に図2Cに示すように、駆動部81におけるスイッチがOFFされると、駆動部81は低曲げ剛性部33への電流の供給を停止する。また操作部103におけるスイッチがONされると、制御装置80は移動機構60を制御し、図2Cに示すように移動機構60は第1の長手部材30に対して第2の長手部材40を移動させる。これにより、第2の長手部材40は、第2の長手部材40の全長に渡って第1の長手部材30に収容される。
[0092]
 このとき、図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)は、形状記憶部材41の全長に渡って高曲げ剛性部31にオーバラップする。つまり、高形状記憶部材は、高曲げ剛性部31に覆われ、高曲げ剛性部31に収容される。また図2Cに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)は、全長の大部分に渡って低曲げ剛性部33にオーバラップする。つまり低形状記憶部材は、低曲げ剛性部33に覆われ、低曲げ剛性部33に収容される。このように、高形状記憶部材の位置は低曲げ剛性部33から高曲げ剛性部31にずれ、低形状記憶部材の位置は高曲げ剛性部31から低曲げ剛性部33にずれる。このずれである移動は、同時に実施される。
[0093]
 なお図2Cに示す左側から1番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)と全ての軟質部材43とは、高曲げ剛性部31にオーバラップしているが、必ずしもこれに限定される必要はない。
[0094]
 ここで低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41に着目すると、この形状記憶部材41は、低形状記憶部材であり、軟質部である。したがって、低曲げ剛性部33は曲がる状態となる。
[0095]
 低曲げ剛性部33は、可撓性部材101の所望するエリアに対して相対的に位置決め固定される。したがって、低曲げ剛性部33に対する図2Cに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)のオーバラップによって、低曲げ剛性部33が固定される所望するエリアは比較的低い剛性を提供され、所望するエリアの剛性が下がる。つまり図2Cに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)がオーバラップする低曲げ剛性部33が配置されている可撓性部材101の一部位の剛性は、下がる。そして、剛性可変装置20と可撓性部材101とは、初期状態に戻り、全長に渡って低剛性状態に戻る。このように剛性可変装置20は、低曲げ剛性部33の周辺における剛性可変装置20の剛性状態を変化させ、剛性可変装置20の剛性は剛性可変装置20の長手軸方向において部分的に下がる。そして、剛性可変装置20は、この変化によって可撓性部材101における所望するエリアの剛性を下げ、可撓性部材101を初期状態に戻し、可撓性部材101を全長に渡って低剛性状態に戻す。
[0096]
 低剛性状態にある可撓性部材101は、可撓性部材101に作用する外力に従って容易に変形する。したがって、可撓性部材101は、外力によって容易に撓むことが可能となる。つまり、剛性可変装置20及び可撓性部材101は、曲がり易くなる。
[0097]
 図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)が高曲げ剛性部31にオーバラップしても、可撓性部材101に対する高曲げ剛性部31の作用は図2Aに示す状態における作用と図2Bにおける状態における作用と略同一である。つまり、高曲げ剛性部31は硬質部であるため、高曲げ剛性部31は、略直線状態を維持可能である。したがって、高曲げ剛性部31が配置される可撓性部材101の一部位は、略直線状態を維持する。図2Cにて高曲げ剛性部31にオーバラップする図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)の曲げ剛性は、図2A,2Bにて高曲げ剛性部31にオーバラップする形状記憶部材41(低形状記憶部材)の曲げ剛性に比べて高い。したがって、高曲げ剛性部31が配置される可撓性部材101の一部位は、図2A,2Bに示す状態に比べて略直線状態を確実に維持する。そして高曲げ剛性部31が配置される可撓性部材101の一部位は、図2A,2Bに示す状態に比べて略直線状態を確実に維持する。なお高曲げ剛性部31は、外力によって低曲げ剛性部33に比べて緩やかに撓んでもよい。したがって、可撓性部材101の一部は、外力によって所望するエリアに比べて緩やかに撓んでもよい。
[0098]
 図2Cにて、低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41(低形状記憶部材)は、図2Dに示すように、低高剛性状態から高剛性状態への切り替えのために低曲げ剛性部33にて待機する。図2Cと図2Dとに示すように低曲げ剛性部33の周辺に配置される低剛性状態の形状記憶部材41が高剛性状態に変更される際に、図2Cに示すように高剛性状態の形状記憶部材41が高曲げ剛性部31の周辺に配置される。詳細には、移動機構60によって低曲げ剛性部33の周辺に移動された図2Cに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)を図2Dに示すように誘起部材50が低剛性状態から高剛性状態に変更する際に、既に高剛性状態に変更された図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)は図2Cでは移動機構60によって高曲げ剛性部31の周辺に配置される。
[0099]
 ここでは、低剛性状態から高剛性状態に変更される形状記憶部材41は、低曲げ剛性部33の内部に配置される。詳細には、低剛性状態から高剛性状態にこれから変更される低形状記憶部材は、移動機構60によって低曲げ剛性部33の内部に配置される。また高剛性状態の形状記憶部材41は、高曲げ剛性部31の内部に配置される。詳細には低剛性状態から高剛性状態に既に変更された高形状記憶部材は、移動機構60によって高曲げ剛性部31の内部に配置される。
[0100]
 図2Cでは、第2の長手部材40が第1の長手部材30に対して移動し、低曲げ剛性部33への電流の供給が停止され、剛性可変装置20と可撓性部材101とは初期状態に戻り全長に渡って低剛性状態に戻るが、これに限定される必要はない。例えば、可撓性部材101の全長における一部位が、高剛性状態から低剛性状態に切り替わってもよい。
[0101]
 例えば、図2Bに示す状態から第2の長手部材40が第1の長手部材30に対して移動せず、低曲げ剛性部33への電流の供給が停止されるのではなく、電流が制御装置80によって制御され、図2Bに示す状態に対して電流が少なくなるとする。すると、図2Bに示す左側から3,5番目の熱せられる形状記憶部材41の温度は、図2Bにおける温度に比べて下がる。剛性可変装置20は低曲げ剛性部33の周辺における剛性可変装置20の剛性状態を変化させ、剛性可変装置20の剛性は剛性可変装置20の長手軸方向において部分的に下がる。そして、可撓性部材101は、部分的に高剛性状態から低剛性状態に切り替わる。言い換えると、可撓性部材101の全長における一部位が、高剛性状態から低剛性状態に切り替わる。
[0102]
 電流が少なくなる際、低曲げ剛性部33それぞれへの供給量が異なってもよい。したがって、可撓性部材101における所望する第1,2のエリアそれぞれが高剛性状態から低剛性状態に切り替わる際、可撓性部材101における所望する第1のエリアの剛性は、可撓性部材101における所望する第2のエリアの剛性と異なってもよい。このように、可撓性部材101の剛性は、部分的に変更されてもよい。
[0103]
 次に図2Dに示すように、駆動部81におけるスイッチがONされると、駆動部81は配線部83を介して低曲げ剛性部33に電流を供給する。低曲げ剛性部33は、電流の供給に応じて熱を発生する。すると図2Bを用いた説明と同様に、熱は、低曲げ剛性部33から低曲げ剛性部33にオーバラップされる図2Dに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(図2Cにおいて低形状記憶部材)に伝達される。なおこのとき、移動機構60は停止したままであり、第2の長手部材40は図2Cに示す状態に対して移動していない。
[0104]
 図2Bを用いた説明と同様に、熱の伝達によって、図2Dに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(図2において低形状記憶部材)は熱せられ、形状記憶部材41の温度は上がる。形状記憶部材41の相は加熱によって第1の相から第2の相に切り替わり、形状記憶部材41の剛性は加熱によって上がる。すると、形状記憶部材41は低剛性状態から高剛性状態に切り替わり、図2Cに示す低形状記憶部材が図2Dでは高形状記憶部材に変化する。
[0105]
 ここで低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41に着目すると、この形状記憶部材41は、高形状記憶部材であり、硬質部である。したがって、低曲げ剛性部33は曲がり難い状態となる。
[0106]
 図2Bを用いた説明と同様に、低曲げ剛性部33に対する図2Dに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)のオーバラップによって、低曲げ剛性部33が固定される所望するエリアは比較的高い剛性を提供され、所望するエリアの剛性が上がる。このように剛性可変装置20は低曲げ剛性部33の周辺における剛性可変装置20の剛性状態を変化させ、剛性可変装置20の剛性は剛性可変装置20の長手軸方向において部分的に上がる。そして、剛性可変装置20は、この変化によって可撓性部材101における所望するエリアの剛性を上げる。
[0107]
 また図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)は、高曲げ剛性部31にオーバラップしている。図2Cから図2Dに剛性可変装置の剛性変化が進行する過程において、図2Dに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41は高曲げ剛性部31において自然冷却される。詳細には、図2Dに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41は形状記憶部材41の外部に熱を放出し、熱は例えば形状記憶部材41から内側支持部材45と外側支持部材35とを介して高曲げ剛性部31に進行する。つまり、高曲げ剛性部31は、熱によって高剛性状態に変更され且つ高曲げ剛性部31の周辺に配置される形状記憶部材41から放出された熱を伝達される。そして高曲げ剛性部31は、熱を剛性可変装置20の外部に放出する。もちろん、内側支持部材45と外側支持部材35とは、熱を剛性可変装置20の外部に放出してもよい。このように、内側支持部材45と外側支持部材35と高曲げ剛性部31とは、熱を外部に伝達する伝達経路及び熱を外部に放出する放出部材として利用される。形状記憶部材41の温度は自然冷却によって下がり、形状記憶部材41の相は第2の相から第1の相に切り替わる。したがって、形状記憶部材41の剛性は下がり、形状記憶部材41は高剛性状態から低剛性状態に切り替わる。そして高曲げ剛性部31にオーバラップされる形状記憶部材41は、剛性が低く曲がりやすい軟質部とみなせる。つまり、図2Cにて、高曲げ剛性部31にオーバラップする形状記憶部材41(高形状記憶部材)は、図2Dに示すように、高剛性状態から低剛性状態への切り替えのために高曲げ剛性部31にて待機する。
[0108]
 なおこの自然冷却は、図2Dに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41に対する加熱と同時に実施される。
[0109]
 このように図2C,2Dに示すように、図2C,Dに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)が低曲げ剛性部33の周辺に配置されて低剛性状態から高剛性状態に変更される際、低剛性状態から高剛性状態に変更される図2Cに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)の隣には、図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)が配置される。この図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)は、高曲げ剛性部31の周辺に配置される。そして、図2Dに示すように、左側から3,5番目の形状記憶部材41は、高曲げ剛性部31において、熱を放出して冷却され、高剛性状態から低剛性状態に変更される。低剛性状態から高剛性状態に変更される図2Cに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41(低形状記憶部材)は、低曲げ剛性部33の内部に配置される。熱の放出によって高剛性状態から低剛性状態に変更される図2Cに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41(高形状記憶部材)は、高曲げ剛性部の内部に配置される。
[0110]
 本実施形態では、低曲げ剛性部33によって覆われる形状記憶部材41の相が第1の相と第2の相との間で切り替えられることによって、可撓性部材101における所望するエリアの剛性が切り替えられる。
[0111]
 本実施形態では、高剛性状態の形状記憶部材41が移動機構60によって低曲げ剛性部33から高曲げ剛性部31に移動し、低剛性状態の形状記憶部材41が移動機構60によって高曲げ剛性部31から低曲げ剛性部33に移動する。つまり、高剛性状態の形状記憶部材41が自然冷却されるよりも早く、言い換えると、高剛性状態の形状記憶部材41の温度が下がるのを待たずに、低曲げ剛性部33に対する形状記憶部材41を高剛性状態から低剛性状態に短時間に切り替えることができる。したがって、可撓性部材101における所望するエリアの剛性の切り替えに対する応答性を向上でき、剛性の可変を精密に制御できる。本実施形態では、互いに離れて配置される低曲げ剛性部33それぞれの周辺に配置され、互いに離れて配置される形状記憶部材41それぞれの剛性を、誘起部材50それぞれによって変更する。本実施形態では、形状記憶部材41それぞれの剛性の変更によって、可撓性部材101における所望するエリアの剛性を変更できる。また本実施形態では、第1の長手部材30と第2の長手部材40との組み合わせと、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33と形状記憶部材41と軟質部材43との配置とによって、剛性可変装置20の構成をシンプル且つ細くでき、可撓性部材101を細くできる。
[0112]
 例えば、図2C,2Dに示す左側から3,5番目の形状記憶部材41に対する自然冷却は、図2C,2Dに示す左側から2,4番目の形状記憶部材41に対する加熱と同時に実施できる。したがって、所望するエリアの剛性を効率よく切り替えでき、所望するエリアの剛性を短時間のうちに切り替える際に、素早い応答性を得ることができる。
[0113]
 本実施形態では、誘起部材50が熱を発生し、形状記憶部材41の相は熱によって移り替わる。したがって、本実施形態では、シンプルな構成で、所望するエリアの剛性を変更できる。
[0114]
 また本実施形態では、熱せられた高剛性状態の形状記憶部材41の温度を自然冷却によって下げて、形状記憶部材41を高剛性状態から低剛性状態に戻す際、高剛性状態の形状記憶部材41は高曲げ剛性部31の周辺に配置される。本実施形態では、高曲げ剛性部31を、形状記憶部材41の熱を外部に放出する放出部材として利用でき、自然冷却を促進できる。そして、冷却のための専用の部材または機構を省略でき、剛性可変装置20の部品点数を削減できる。そもそも高曲げ剛性部31は、硬質部として可撓性部材101に対して比較的高い剛性を提供する部材である。つまり高曲げ剛性部31は、高剛性状態の形状記憶部材41を収容と、熱の放出と、剛性の提供とを実施できる。したがって、本実施形態では、高曲げ剛性部31を有効に利用できる。低曲げ剛性部33のみが誘起部材50として機能し、高曲げ剛性部31は誘起部材50として機能しない。このため、高剛性状態の形状記憶部材41が高曲げ剛性部31に移動しても、高剛性状態の形状記憶部材41を確実に冷却できる。また本実施形態では、専用の冷却機構を用いずとも高剛性状態の形状記憶部材41の温度を自然冷却によって下げることができる。
[0115]
 本実施形態では、内側支持部材45によって、形状記憶部材41と軟質部材43とを容易に位置決めでき、形状記憶部材41及び軟質部材43それぞれの長さを容易に規定できる。本実施形態では、内側支持部材45によって、第2の長手部材40の組立性を向上できる。本実施形態では、内側支持部材45によって、第2の長手部材40の機械的な強度を向上できる。
[0116]
 本実施形態とは異なり、内側支持部材45が配置されていない第2の長手部材40が移動して、形状記憶部材41及び軟質部材43それぞれの外周面が外側支持部材35の内周面を摺動したとする。内周面と外周面とは摺動によって摩耗する虞が生じる。しかしながら本実施形態では、内側支持部材45によって、移動によって生じる、摩耗を防止できる。
[0117]
 本実施形態では、外側支持部材35によって、低曲げ剛性部33と高曲げ剛性部31とを容易に位置決めでき、高曲げ剛性部31及び低曲げ剛性部33それぞれの長さを容易に規定できる。本実施形態では、外側支持部材35によって、第1の長手部材30の組立性を向上できる。本実施形態では、外側支持部材35によって、第1の長手部材30の機械的な強度を向上できる。
[0118]
 本実施形態とは異なり、外側支持部材35が配置されていない状態で第2の長手部材40が移動して、内側支持部材45の外周面が高曲げ剛性部31及び低曲げ剛性部33それぞれの内周面を摺動したとする。外周面と内周面とは摺動によって摩耗する虞が生じる。しかしながら本実施形態では、外側支持部材35によって、移動によって生じる、摩耗を防止できる。
[0119]
 本実施形態では、1つの高曲げ剛性部31の長さは、1つの低曲げ剛性部33の長さよりも長い。したがって、本実施形態では、高曲げ剛性部31は、低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41(例えば低形状記憶部材)の隣に配置される形状記憶部材41(例えば高形状記憶部材)を収容できる。そして本実施形態では、低形状記憶部材を高形状記憶部材に隣り合って配置でき、2つの高形状記憶部材が第2の長手部材40の長手軸方向において連続して配置されることを防止できる。これにより、所望するエリアの剛性の切り替えに対する応答性を確実に向上できる。
[0120]
 本実施形態では、1つの高曲げ剛性部31の長さは、1つの形状記憶部材41の長さよりも長い。したがって、本実施形態では、高曲げ剛性部31は、形状記憶部材41(低形状記憶部材)を全長に渡って確実に収容できる。
[0121]
 本実施形態では、1つの高曲げ剛性部31の長さと1つの低曲げ剛性部33の長さとの和は、1つの形状記憶部材41の長さの2倍よりも長い。したがって本実施形態では、高曲げ剛性部31は、低曲げ剛性部33にオーバラップする形状記憶部材41(例えば低形状記憶部材)の隣に配置される形状記憶部材41(例えば高形状記憶部材)を収容できる。そして本実施形態では、低形状記憶部材を高形状記憶部材に隣り合って配置でき、2つの高形状記憶部材が第2の長手部材40の長手軸方向において連続して配置されることを防止できる。これにより、所望するエリアの剛性の切り替えに対する応答性を確実に向上できる。
[0122]
 本実施形態では、軟質部材43の熱伝導率は、形状記憶部材41の熱伝導率よりも低い。したがって、熱せられた形状記憶部材41(高形状記憶部材)から軟質部材43を通じて他の熱せられていない形状記憶部材41(低形状記憶部材)への、熱の伝達を抑制できる。そして、所望するエリアの剛性の切り替えに対する応答性を確実に向上できる。
[0123]
 本実施形態では、低曲げ剛性部33が誘起部材50を兼ねる。したがって、形状記憶部材41を加熱する専用の部材を省略でき、剛性可変装置20の部品点数を削減でき、剛性可変装置20の構成を簡素にできる。
[0124]
 本実施形態では、例えば、可撓性部材101の内部且つ第1の長手部材30の外部には、図示しない様々な部材が配置されることがある。部材とは、例えば、光ファイバ等の図示しない導光部材である。この導光部材は、例えば照明光を可撓性部材101の先端部から内視鏡100の外部に向かって出射するために、可撓性部材101の先端部に照明光を導光する。本実施形態では、第2の長手部材40が移動し、第1の長手部材30は第2の長手部材40と図示しない導光部材との間に配置される。したがって、第1の長手部材30は、第2の長手部材40の移動によって生じる、第2の長手部材40及び導光部材それぞれの摩耗を防止できる。
[0125]
 本実施形態では、第1の長手部材30が可撓性部材101に対して相対的に位置決め固定され、第2の長手部材40は移動機構60によって移動するが、これに限定される必要はない。第1の長手部材30と第2の長手部材40との一方が移動機構60によって移動すればよい。
[0126]
 本実施形態では、高曲げ剛性部31と低曲げ剛性部33とが交互に配置されていれば、高曲げ剛性部31の数と低曲げ剛性部33の数とは特に限定されない。本実施形態では、形状記憶部材41と軟質部材43とが交互に配置されていれば、形状記憶部材41の数と軟質部材43の数とは特に限定されない。
[0127]
 本実施形態では、剛性の切り替えに加えて、可撓性部材101に重力以外の外力が作用している状況下においては、剛性可変装置20は、可撓性部材101の形状を切り替える双方向アクチュエータとしても機能する。また、可撓性部材101に重力以外の外力が作用しておらず、剛性可変装置20が第2状態にある状況下においては、可撓性部材101の形状を元に戻す単一方向アクチュエータとしても機能する。
[0128]
 低曲げ剛性部33が誘起部材50を備える構成の一例として、図3に示すように、誘起部材50は、低曲げ剛性部33とは別体でもよい。誘起部材50それぞれは、低曲げ剛性部33それぞれの周辺に配置される。
[0129]
 誘起部材50は、例えば、密着巻きコイルといったコイル部材を有する。誘起部材50のコイル部材は、疎巻きコイルでもよい。誘起部材50は、例えば、金属製のワイヤ状且つ螺旋状の部材を有してもよい。誘起部材50は、例えば、低曲げ剛性部33の外周を巻回する。誘起部材50は、パイプといった軟質の筒部材を有してもよい。誘起部材50は、低い曲げ剛性を有する筒状の軟質部である。誘起部材50の曲げ剛性は、例えば、低曲げ剛性部33の曲げ剛性と同一であってもよいし、低曲げ剛性部33の曲げ剛性と異なってもよい。誘起部材50は、低曲げ剛性部33の外周を全周に渡って囲ってもよい。
[0130]
 誘起部材50の内周面は、低曲げ剛性部33の外周面から離れる。誘起部材50の内周面は、低曲げ剛性部33の外周面に密着してもよい。誘起部材50の両端は、高曲げ剛性部31の端部の外周面を囲ってもよい。誘起部材50の両端における内周面は、高曲げ剛性部31の端部における外周面に密着することが可能である。つまり、誘起部材50の両端における内周面は、高曲げ剛性部31の端部における外周面に密着しなくてもよい。
[0131]
 誘起部材50は、配線部83に電気的に接続される。駆動部81は、それぞれ、スイッチのON動作に応じて、配線部83を介して誘起部材50に電流を供給し、また、スイッチのOFF動作に応じて、誘起部材50に対する電流の供給を停止する。誘起部材50は、熱を低曲げ剛性部33と外側支持部材35と内側支持部材45とを介して形状記憶部材41に伝える。誘起部材50は、低曲げ剛性部33と外側支持部材35と内側支持部材45とを介して形状記憶部材41を加熱する加熱部であるコイルヒータとして機能する。誘起部材50は、低曲げ剛性部33と外側支持部材35と内側支持部材45とを介して形状記憶部材41を加熱できれば、低曲げ剛性部33に機械的に直接接触してもよいし、低曲げ剛性部33に機械的に直接接触していなくてもよい。
[0132]
 [変形例]
 以下に、本実施形態の第2の長手部材40の変形例について説明する。
[0133]
 図4Aに示す変形例1として、形状記憶部材41は、筒形状、例えば円筒形状を有する。形状記憶部材41同士は、第2の長手部材40の長手軸方向において、互いに対して機械的に直接接触しておらず、互いに対して所望する間隔離れて配置される。したがって、第2の長手部材40の長手軸方向において、形状記憶部材41同士の間には、スペースが配置される。軟質部材43は、各形状記憶部材41を挿通する1本のワイヤを有する。ワイヤは、例えば、金属である。ワイヤの外周面は、形状記憶部材41の内周面に固定される。したがって、形状記憶部材41と、形状記憶部材41から露出するワイヤの外周面とは、交互に配置される。このような第2の長手部材40は、容易に組み立てることができる。本変形例の第2の長手部材40では、内側支持部材45が省略されてもよい。
[0134]
 図4Bに示す変形例2として、軟質部材43は、形状記憶部材41それぞれの間に配置され、形状記憶部材41同士を連結するワイヤを有してもよい。この場合、連結ワイヤの端部は、端部に隣り合う高曲げ剛性部31の端部に、例えば接着または溶接などによって固定される。本変形例の第2の長手部材40では、内側支持部材45が省略されてもよい。
[0135]
 図4Cに示す変形例3として、第2の長手部材40は、線状の線状部材47から構成されてもよい。線状部材47は、形状記憶部材41と同様に、温度によって相が変態し、変態による剛性変化が大きい部材を有する。つまり、このような部材は、例えば、NiTi系の形状記憶合金ワイヤ、形状記憶合金を有する。線状部材47が加工された被加工部分は軟質部材43として機能し、線状部材47が加工されていない部分は形状記憶部材41として機能する。被加工部分に対する加工は、線状部材47の径を低減する切削であってもよく、全周にわたって延びる隣接して形成された多数の溝の形成であってもよい。さらに、線状部材47に形成される溝や切削部分は、必ずしも、線材の全周にわたって形成される必要はなく、例えば、周方向の一部分に形成されてもよい。軟質部材43は、軟質部材43よりも太い形状記憶部材41と一体である。このような構成の第2の長手部材40では、形状記憶部材41と軟質部材43との組み立てを不要にできる。本変形例の第2の長手部材40では、内側支持部材45が省略されてもよい。
[0136]
 図4Dに示す変形例4として、軟質部材43は、柔らかい樹脂材を有してもよい。樹脂材の熱伝導率は、形状記憶部材41の熱伝導率よりも低い。樹脂材は、柱形状(例えば円柱形状)でもよいし、筒形状(例えば円筒形状)でもよい。軟質部材43の太さは、形状記憶部材41の太さと略同一である。これにより、熱せられた形状記憶部材41(高形状記憶部材)から軟質部材43を通じて他の熱せられていない形状記憶部材41(低形状記憶部材)への、熱の伝達を確実に抑制できる。したがって、所望するエリアの剛性の切り替えに対する応答性を確実に向上できる。
[0137]
 なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。

請求の範囲

[請求項1]
 可撓性部材に装着され、前記可撓性部材に異なる剛性を提供する剛性可変装置であって、
 第1の長手部材と、
 前記第1の長手部材に沿って配置される第2の長手部材と、
 誘起部材と、
 前記第1の長手部材に対して前記第2の長手部材を移動させる移動機構と、
 を具備し、
 前記第1の長手部材は、複数の高曲げ剛性部と、前記高曲げ剛性部の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性を有する複数の低曲げ剛性部とを有し、
 前記高曲げ剛性部と前記低曲げ剛性部とは、前記第1の長手部材の長手軸方向において、交互に配置され、
 前記第2の長手部材は、第1の相と第2の相との間で相が移り変わり得る複数の形状記憶部材と、複数の軟質部材とを有し、
 前記形状記憶部材と前記軟質部材とは、前記第2の長手部材の長手軸方向において、交互に配置され、
 前記形状記憶部材の前記相が前記第1の相にあるときは前記形状記憶部材は低剛性状態を取り、前記形状記憶部材の前記相が前記第2の相にあるときは前記形状記憶部材は前記低剛性状態よりも高い剛性を有する高剛性状態を取り、
 前記誘起部材は、前記移動機構によって前記低曲げ剛性部の周辺に配置される前記形状記憶部材に対して、前記第1の相と前記第2の相との間で前記形状記憶部材の前記相の移り変わりを引き起こさせて前記形状記憶部材の剛性状態を変更し、
 前記誘起部材が前記低曲げ剛性部の周辺に配置される前記形状記憶部材の剛性を変更する際に、剛性が変更される前記形状記憶部材の隣に配置される前記形状記憶部材は前記高曲げ剛性部の周辺に配置される、剛性可変装置。
[請求項2]
 前記低曲げ剛性部の周辺に配置される前記低剛性状態の前記形状記憶部材が前記高剛性状態に変更される際に、前記高剛性状態の前記形状記憶部材が前記高曲げ剛性部の周辺に配置される、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項3]
 前記高曲げ剛性部は、筒状であり、
 前記高剛性状態の前記形状記憶部材は、前記高曲げ剛性部の内部に配置される、請求項2に記載の剛性可変装置。
[請求項4]
 前記低曲げ剛性部は、筒状であり、
 前記低剛性状態から前記高剛性状態に変更される前記形状記憶部材は前記低曲げ剛性部の内部に配置される、請求項3に記載の剛性可変装置。
[請求項5]
 前記高剛性状態の前記形状記憶部材は、冷却され、前記高剛性状態から前記低剛性状態に変更される、請求項4に記載の剛性可変装置。
[請求項6]
 前記誘起部材は、熱を発する性能を有し、
 前記形状記憶部材は、前記誘起部材から発生した前記熱によって、前記第1の相から前記第2の相に前記形状記憶部材の前記相が移り変わる性質を有する請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項7]
 前記高曲げ剛性部は、前記熱によって前記高剛性状態に変更され且つ前記高曲げ剛性部の周辺に配置される前記形状記憶部材から放出された前記熱を伝達され、前記熱を前記剛性可変装置の外部に放出する、請求項6に記載の剛性可変装置。
[請求項8]
 前記第2の長手部材は、前記形状記憶部材と前記軟質部材との外周側に配置され、前記形状記憶部材と前記軟質部材とを支持する内側支持部材を有する、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項9]
 前記第1の長手部材は、前記高曲げ剛性部と前記低曲げ剛性部との内側に配置され、前記高曲げ剛性部と前記低曲げ剛性部とを支持する外側支持部材を有する、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項10]
 1つの前記高曲げ剛性部の長さは、1つの前記低曲げ剛性部の長さよりも長い、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項11]
 1つの前記高曲げ剛性部の長さは、1つの前記形状記憶部材の長さよりも長い、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項12]
 1つの前記高曲げ剛性部の長さと1つの前記低曲げ剛性部の長さとの和は、1つの前記形状記憶部材の長さの2倍よりも長い、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項13]
 前記軟質部材の熱伝導率は、前記形状記憶部材の熱伝導率よりも低い、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項14]
 前記低曲げ剛性部は、前記誘起部材を備える、請求項1に記載の剛性可変装置。
[請求項15]
 前記低曲げ剛性部は、前記誘起部材を兼ねる、請求項14に記載の剛性可変装置。
[請求項16]
 前記低曲げ剛性部は、前記誘起部材とは別体である、請求項15に記載の剛性可変装置。
[請求項17]
 可撓性部材と、
 前記可撓性部材に装着され、前記可撓性部材に異なる剛性を提供する請求項1に記載の剛性可変装置と、
 を具備する内視鏡。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 2D]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 4D]