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1. (WO2018186357) 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置
Document

明 細 書

発明の名称 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

符号の説明

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置

技術分野

[0001]
 本発明の実施形態は、2つのシリンダ室を有する密閉型圧縮機および、この密閉型圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、密閉容器内に、回転軸を介して連結する電動機部と圧縮機構部を収容し、圧縮機構部が中間仕切り板を介して2つのシリンダ室を備えた密閉型圧縮機が多用される。そして、それぞれのシリンダ室でローラが偏心移動して作動流体であるガス冷媒を圧縮し、シリンダに取り付けた軸受マフラを介して密閉容器内に圧縮されたガス冷媒が吐出されるようになっている。
[0003]
 特許文献1では、2つのシリンダ間に介在する中間仕切り板が軸方向に沿って2分割され、2つの中間仕切り板が密閉容器内に連通する仕切り板空間を形成している。また、特許文献1では、シリンダ室で圧縮されたガス冷媒を、軸受マフラ室および2分割した中間仕切り板の仕切り板空間に吐出して、大容量化に対応可能な技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許2013-83245号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、2分割した中間仕切り板の仕切り板空間に吐出されたガス冷媒を密閉容器内に導くためには、仕切り板空間と密閉容器内とを繋ぐ吐出流路を確保しなければならない。特許文献1の技術では、仕切り板吐出空間と軸受マフラ室とから吐出ガス冷媒を、1本の吐出流路に合流させて軸受マフラに導くようにしている。
[0006]
 圧縮機の圧縮性能を向上するためには、仕切り板吐出空間からガス冷媒を吐出させる吐出流路の流路面積を大きくすることが求められる。しかしながら、仕切り板吐出空間からのガス冷媒の吐出流路面積を大きくすると、部分的に仕切板の肉厚が薄くなる。そうすると、仕切り板の剛性が低下して、圧縮機としての信頼性が損なわれる虞がある。
[0007]
 また、仕切り板の剛性低下を防ぐために仕切り板の厚さを拡大すると、主軸受と副軸受との距離が大きくなる。そうすると、回転軸が撓み易くなり、結局のところ圧縮機としての信頼性が損なわれる虞がある。
[0008]
 そこで、本発明は、仕切り板吐出空間からガス冷媒を吐出させる吐出流路の流路面積を十分に確保する一方で仕切り板の剛性低下を抑制し、圧縮性能および信頼性の向上を得られる密閉型圧縮機と、この密閉型圧縮機を備えた冷凍サイクル装置を提供する。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を達成するために、本実施形態の密閉型圧縮機は、密閉容器と、前記密閉容器内に収容されて、回転軸を介して連結される電動機部および圧縮機構部と、を備え、前記圧縮機構部は、前記回転軸に沿って順に設けられた第1のマフラ室を形成する第1のマフラ、主軸受、第1のシリンダ室を有する第1のシリンダ、第1の仕切り板、前記第1の仕切り板とで仕切り板空間を形成する第2の仕切り板、第2のシリンダ室を有する第2のシリンダ、副軸受、および第2のマフラ室を形成する第2のマフラを備え、前記圧縮機構部は、前記主軸受に設けられて、前記第1のシリンダ室で圧縮された作動流体を、前記第1のマフラ室に吐出する第1の軸受吐出弁機構と、前記第1の仕切り板に設けられて、前記第1のシリンダ室で圧縮された作動流体を前記仕切り板空間に吐出する第1の仕切り板吐出弁機構と、前記副軸受に設けられて、前記第2のシリンダ室で圧縮された作動流体を、前記第2のマフラ室に吐出する第2の軸受吐出弁機構を前記副軸受と、前記第2の仕切り板に設けられて、前記第2のシリンダ室で圧縮された作動流体を前記仕切り板空間に吐出する第2の仕切り板吐出弁機構と、前記第2のマフラ室の作動流体と前記仕切り板空間の作動流体とを合流させて前記第1のマフラ室へ導く合流通路と、を備え、前記仕切り板空間の前記合流通路に繋がる接続流路の前記回転軸の軸と直交する方向の寸法は、接続流路の前記回転軸の軸方向に沿う寸法よりも大きい。
[0010]
 本実施形態の密閉型圧縮機の前記接続流路の断面形状は四角形状であることが好ましい。
[0011]
 本実施形態の密閉型圧縮機は、前記仕切り板空間に吐出された作動流体を、前記第1のマフラ室に導く独立した仕切り板流体通路を備え、前記仕切り板流体通路は、前記合流通路よりも前記第1の仕切り板吐出弁機構の吐出ポートに近い位置に設けられることが好ましい。
[0012]
 また、本実施形態の密閉型圧縮機は、前記第2のマフラ室に吐出された作動流体を前記第1のマフラ室に導く独立したマフラ室流体通路を備えることが好ましい。
[0013]
 本実施形態の密閉型圧縮機において、前記第1のシリンダ室と前記第2のシリンダ室とから前記仕切り板空間へ吐出される作動流体の合計吐出流量は、前記第2のシリンダ室から前記第2のマフラ室へ吐出される吐出流量よりも大きいことが好ましい。
[0014]
 また、本実施形態の密閉型圧縮機において、前記接続流路の流路面積は、前記合流通路の前記第2マフラ室側の流路面積よりも大きい。
[0015]
 上記課題を達成するために、本実施形態の冷凍サイクル装置は、前記密閉型圧縮機と、前記密閉型圧縮機に接続される放熱器と、前記放熱器に接続される膨張装置と、前記膨張装置と前記密閉型圧縮機の間に接続される吸熱器と、を備えている。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 第1の実施形態による密閉型圧縮機の縦断面図および冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。
[図2] (A)は同実施形態による第1の仕切り板の平面図、(B)は圧縮機構部の冷媒の流れを示す説明図。
[図3] 同実施形態による仕切り板の接続通路の断面を示す図。
[図4] (A)は第2の実施形態による第1の仕切り板の平面図、(B)は第2の仕切り板の平面図、(C)は圧縮機構部の冷媒の流れを示す説明図。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
[0018]
 (第1の実施形態)
 本実施形態について、図面を参照して説明する。
[0019]
 図1は、第1の実施形態の密閉型圧縮機1の縦断面図および、たとえば空気調和機である冷凍サイクル装置Rの冷凍サイクル構成図である。
 図1に示すように、密閉型圧縮機1(以下、単に「圧縮機1」と呼ぶ)は冷凍サイクル装置Rに接続されている。
[0020]
 圧縮機1には冷媒管Pが接続されている。冷媒管Pには放熱器である凝縮器2と、膨張弁(膨張装置)3と、吸熱器である蒸発器4と、アキュームレータ5と、が順次に接続されている。さらに、冷媒管Pはアキュームレータ5から2本に分岐して圧縮機1の側部に接続されている。これら圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4、アキュームレータ5、および冷媒管Pで冷凍サイクル装置Rの冷凍サイクルが構成されている。
[0021]
 つぎに、圧縮機1について説明する。
[0022]
 圧縮機1は、密閉容器10を備えている。密閉容器10内の上部側には電動機部11が収容され、下部側には圧縮機構部12が収容されている。これら電動機部11と圧縮機構部12とは回転軸13を介して連結されている。密閉容器10の内底部には潤滑油が貯留されている。密閉容器10の内部空間の残りの部分(他の部分)は圧縮機構部12で圧縮された作動流体である高圧ガス冷媒で満たされる。
[0023]
 密閉容器10の上面部には、吐出管1aが設けられている。この吐出管1aには凝縮器2に連通する冷媒管Pが接続される。さらに、密閉容器10の下部周壁には2本の吸込み管1b、1bが設けられている。この吸込み管1b、1bはアキュームレータ5に連通されている。
[0024]
 電動機部11は、回転軸13に嵌めることによって固定される回転子(ロータ)15と、この回転子15の外周面と狭小の間隙を介して対向する内周面を有し、密閉容器10の内周壁に嵌めることによって固定される固定子(ステータ)16と、を備えている。
[0025]
 回転軸13には、回転軸13の外周側(軸中心に直交する方向)に向けて張り出した二つの円柱状の偏心部a、bが設けられている。これら偏心部a、bは、回転軸13の軸方向に沿って所定寸法離間し、かつ回転軸13の回転方向に沿って180゜変位した位置に設けられている。これら偏心部a、bは、回転軸13の軸中心に対して偏心して設けられる。回転軸13における偏心部a、bの間の部分を、中間軸部cと呼ぶ。
[0026]
 圧縮機構部12は、回転軸13の軸方向に沿って順に設けられた主軸受17と、第1のシリンダ18と、中間仕切り板20と、第2のシリンダ22と、副軸受23と、を備えている。主軸受17と副軸受23とのそれぞれは、回転軸13を回転自在に軸支するボス部を有している。
[0027]
 主軸受17のフランジ部には、この周囲を囲む中空のケースである第1のマフラ25が取り付けられている。第1のマフラ25の内部には第1のマフラ室25aが形成されている。さらに、第1のマフラ25には、マフラ室25a内と密閉容器10内の空間とを連通する複数の連通孔が設けられている。
[0028]
 副軸受23のフランジ部には、この周囲を囲む中空のケースである第2のマフラ26が取り付けられている。第2のマフラ26の内部には第2のマフラ室26aが形成されている。
[0029]
 中間仕切り板20は、第1のシリンダ18と第2のシリンダ22との間に介在されている。中間仕切り板20は、回転軸23の2つの偏心部a、bの間に形成される中間軸部cの周囲を囲む。そして、中間仕切り板20は回転軸13の軸方向に沿って、第1の仕切り板20aと第2の仕切り板20bとに2分割されている。
[0030]
 第1のシリンダ18の内径孔の上端部は主軸受17により閉じられ、第1のシリンダ18の内径孔の下端側は中間仕切り板20の第1の仕切り板20aにより閉じられている。主軸受17および第1の仕切り板20aで閉じられた第1のシリンダ18の内径孔によって、第1のシリンダ室18Aが形成される。
 第2のシリンダ22の内径孔の上端側は中間仕切り板20の第2の仕切り板20bに閉じられ、第2のシリンダ22の内径孔の下端側は副軸受23に閉じられている。第2の仕切り板20bおよび副軸受23で閉じられた第2のシリンダ22の内径孔によって、第2のシリンダ室22Aが形成される。
[0031]
 第1のシリンダ室18Aおよび第2のシリンダ室22Aには回転軸13が挿通されている。回転軸13に形成される一方の偏心部aが第1のシリンダ室18A内に位置し、回転軸13に形成される他方の偏心部bが第2のシリンダ室22A内に位置する。
[0032]
 一方の偏心部aにはローラ27が嵌合され、他方の偏心部bにはローラ28が嵌合される。ローラ27は、回転軸13の回転にともない外周壁の一部を第1のシリンダ室18Aの内周壁に接しながら転動する。ローラ28は、回転軸13の回転にともない外周壁の一部を第2のシリンダ室22Aの内周壁に接しながら転動する。
[0033]
 第1のシリンダ室18Aおよび第2のシリンダ室22Aそれぞれには、図示しないブレードがそれぞれスライド自在に設けられている。それぞれのブレードの先端部は、スプリング等の弾性体から作用する力によりそれぞれのローラ27、28の外周壁に接する。
[0034]
 第1のシリンダ室18Aの内周壁の一部にローラ27の外周壁の一部が接し、ローラ27の外周壁にブレードの先端部が弾性的に接することにより、第1のシリンダ室18A内はローラ27の転動にともなって容積が変動する二つの空間に仕切られる。第2のシリンダ室22Aの内周壁の一部にローラ28の外周壁の一部が接し、ローラ28の外周壁にブレードの先端部が弾性的に接することにより、第2のシリンダ室22A内はローラ28の転動にともなって容積が変動する二つの空間に仕切られる。
[0035]
 第1のシリンダ18には、低圧のガス冷媒を第1のシリンダ室18A内に吸い込むための吸込み管1bが接続されている。第2のシリンダ22には、低圧のガス冷媒を第2のシリンダ室22A内に吸い込むための吸込み管1bが接続されている。
[0036]
 図2Aは第1の仕切り板20aの平面図であり、図2Bは圧縮機構部12の冷媒の流れを示す説明図である。
[0037]
 図2Aに示す、丸内に交差ハッチングを加えた印はボルト孔dであって、第1のシリンダ18、2分割された中間仕切り板20、第2のシリンダ22、および副軸受23を主軸受17に共止めするボルトが挿し通される。
[0038]
 図1に加えて図2Aおよび図2Bに概略的に示すように、主軸受17のフランジ部には、ローラ27の偏心運動によって圧縮されたガス冷媒を第1のシリンダ室18Aから吐出する吐出ポート30aと、この吐出ポート30aを所定の圧力で開閉するリード弁30bと、このリード弁30bの最大開度を規制する弁押さえ板30cと、を備える第1の軸受吐出弁機構30が設けられている。
[0039]
 第1の軸受吐出弁機構30のリード弁30bが開き、吐出ポート30aが解放されることで、第1のシリンダ室18Aと、主軸受17に取り付けられる第1のマフラ25内の第1のマフラ室25aとが連通するようになっている。
[0040]
 副軸受23のフランジ部には、ローラ28の偏心運動によって圧縮されたガス冷媒を第2のシリンダ室22Aから吐出する吐出ポート31aと、この吐出ポート31aを所定の圧力で開閉するリード弁31bと、このリード弁31bの最大開度を規制する弁押さえ板31cと、を備える第2の軸受吐出弁機構31が設けられている。
[0041]
 第2の軸受吐出弁機構31のリード弁31bが開き、吐出ポート31aが開閉されることで、第2のシリンダ室22Aと、副軸受23に取り付けられる第2の軸受マフラ26内のマフラ室26aとが連通するようになっている。
[0042]
 第2のマフラ室26aに吐出されたガス冷媒は、後述する合流通路Sを介して第1のマフラ室25aに導かれる。
[0043]
 第1の仕切り板20aには、ローラ27の偏心運動によって圧縮されたガス冷媒を第1のシリンダ室18Aから吐出する吐出ポート33aと、この吐出ポート33aを所定の圧力で開閉するリード弁33bと、このリード弁33bの最大開度を規制する弁押さえ板33cと、を備える第1の仕切り板吐出弁機構33が設けられている。
[0044]
 第2の仕切り板20bには、ローラ28の偏心運動によって圧縮されたガス冷媒を第2のシリンダ室22Aから吐出する吐出ポート34aと、この吐出ポート34aを所定の圧力で開閉するリード弁34bと、このリード弁34bの最大開度を規制する弁押さえ板34cと、を備える第2の仕切り板吐出弁機構34が設けられている。
[0045]
 第1の仕切り板吐出弁機構33及び第2の仕切り板吐出弁機構34から吐出されるガス冷媒の合計吐出流量が、第2の軸受吐出弁機構31から吐出されるガス冷媒の吐出流量よりも大きくなるように、各吐出ポート30a、31a、33a及び34aの内径の大きさが設定され、かつ各リード弁30b、31b、33b及び34bのばね定数が設定されている。
[0046]
 第1の仕切り板吐出弁機構33と、第2の仕切り板吐出弁機構34から吐出される圧縮されたガス冷媒は、図2(A)、(B)で示す後述する流路に沿って導かれるようになっている。
[0047]
 第1の仕切り板20aと第2の仕切り板20bとは、第1の仕切り板吐出弁機構33および第2の仕切り板吐出弁機構34から吐出される圧縮されたガス冷媒を受け入れる仕切り板空間35を区画している。仕切り板空間35は、仕切り板吐出空間35aと、接続流路35bと、を有している。仕切り板吐出空間35aには、第1の仕切り板吐出弁機構33及び第2の仕切り板吐出弁機構34が設けられている。接続流路35bは、仕切り板吐出空間35aから仕切り板20の平面に沿って連続して延びる長い空間である。また、仕切り板吐出空間35aの高さは、接続流路35bの高さよりも大きい。
[0048]
 図3は、図2のA-A断面であり、中間仕切り板20に形成される接続流路35bの回転軸13の軸方向に沿う拡大断面図である。
[0049]
 例えば、第1の仕切り板20a、および第2の仕切り板20bは、それぞれ厚さが10mmである。つまり、第1の仕切り板20a、および第2の仕切り板20bは、厚さ20mmの中間仕切り板20を形成している。接続流路35bは、第1の仕切り板20a、および第2の仕切り板20bに設けられた深さ5mm、幅12mmの溝により形成されている。つまり、接続流路35bは、回転軸13の軸方向の長さ(高さ)tが10mm、回転軸13の軸方向と直交する方向の長さ(幅)hが12mmの四角形状である。接続流路35bの幅h寸法が高さt寸法よりも大きく形成される。
[0050]
 また、第2のシリンダ室22Aから第2のマフラ26内の第2のマフラ室26aに吐出されたガス冷媒を、第1のマフラ25内の第1のマフラ室25aに導く通路Sが、副軸受23、第2のシリンダ22、第2の仕切り板20b、第1の仕切り板20a、第1のシリンダ18、および主軸受17のフランジ部のそれぞれ部材に設けられている。この通路Sは第2の仕切り板20b、および第1の仕切り板20aにおいて、接続流路35bと連通した合流通路Sである。第2のシリンダ室22Aから吐出されるガス冷媒の吐出流量について、第2のシリンダ室22Aから仕切り板空間35に吐出されるガス冷媒の吐出流量の方が第2のシリンダ室22Aから第2のマフラ室26aに吐出されるガス冷媒の吐出流量よりも多い。そこで、中間仕切り板20に設けられた接続流路35bの流路面積は、合流通路Sの第2のマフラ室26a側の流路面積よりも大きく設定されている。そのため、仕切り板空間35内のガス冷媒が合流通路Sに流入し易い。
[0051]
 このような構成において、電動機部11に通電すると回転軸13が回転し、圧縮機構部12が駆動される。そうすると、ブレードで仕切られた第1のシリンダ室18A内の一方の空間である吸込み室と第2のシリンダ室22A内の一方の空間である吸込み室とが負圧化され、作動流体であるガス冷媒がそれぞれの吸込み室に流入する。
[0052]
 180゜の位相差で設けられたローラ27、28が回転軸13の回転にともなって転動する。第1のシリンダ室18A内に流入したガス冷媒と第2のシリンダ室22A内に流入したガス冷媒とは、ブレードで仕切られた他方の空間である吐出室の容積が徐々に小さくなることで圧縮される。
[0053]
 所定圧にまで圧縮されると第1の軸受吐出弁機構30のリード弁30bが開き、吐出ポート30aが解放される。圧縮されたガス冷媒は、第1のシリンダ室18Aから第1のマフラ25の第1のマフラ室25aに吐出される。
[0054]
 同時に、第1の仕切り板吐出弁機構33のリード弁33bが開き、吐出ポート33aが解放される。圧縮されたガス冷媒は第1のシリンダ室18Aから仕切り板空間35に吐出される。
[0055]
 180゜の位相差をもって第2の軸受吐出弁機構31のリード弁31bが開き、吐出ポート31aが解放される。圧縮されたガス冷媒は第2のシリンダ室22Aから第2のマフラ26の第2のマフラ室26aに吐出される
[0056]
 第2のマフラ室26a内のガス冷媒は、合流通路Sを介して副軸受23と、第2のシリンダ22を通る。このガス冷媒は、中間仕切り板20を構成する第2の仕切り板20bおよび、第1の仕切り板20aを通過する際に、仕切り板空間35の接続流路35bを通って流入するガス冷媒と合流して、第1のシリンダ18および主軸受17に連続して設けられる合流通路Sを介して第1のマフラ25内のマフラ室に25aに導かれる。
[0057]
 同時に、第2の仕切り板吐出弁機構34のリード弁34bが開き、吐出ポート34aが解放される。圧縮されたガス冷媒は仕切り板空間35に吐出される。
[0058]
 第1の仕切り板吐出弁機構33と第2の仕切り板吐出弁機構34から仕切り板空間35に吐出されたガス冷媒は、接続流路35bを通って、第1のシリンダ18および主軸受17のフランジ部に連続して設けられる合流通路Sを介して第1のマフラ25の第1のマフラ室25aに導かれる。
[0059]
 結局、第1のシリンダ室18Aで圧縮されたガス冷媒と第2のシリンダ室22Aで圧縮されたガス冷媒とが、第1のマフラ25の第1のマフラ室25aで合流して、密閉容器10内に放出される。
[0060]
 密閉容器10内には高温高圧のガス冷媒が充満し、吐出管1aに接続する冷媒管Pに流通して凝縮器2に導かれる。冷媒は、凝縮器2で凝縮液化して膨張弁3で減圧され、蒸発器4で蒸発する。この冷媒の蒸発によって周囲空気が冷却され、冷凍サイクル装置Rは冷凍(冷却)能力を発揮する。
[0061]
 蒸発器4を出た冷媒は、アキュームレータ5で気液分離され、圧縮機1の吸込み管1b、1bを経て、第1のシリンダ室18Aと第2のシリンダ室22Aに導かれて圧縮される。そして、上述のように再び圧縮されて、上述の経路を循環する。
[0062]
 このようにして、第1のシリンダ室18Aで圧縮され、第1の仕切り板吐出弁機構33から仕切り板空間35に吐出されるガス冷媒と、第2のシリンダ室22Aで圧縮され、第2の仕切り板吐出弁機構34から仕切り板空間35に吐出されたガス冷媒とは、共通流路Sを介して第1のマフラ25のマフラ室25aに導かれる。
[0063]
 仕切り板空間35の接続流路35bの断面を四角形状にし、その幅h寸法を高さt寸法よりも大きくすることで、中間仕切り板20を厚くすることなしに接続流路35bの流路面積を大きく確保することができる。そのため、主軸受17と副軸受23の間の距離が大きくなることが防止され、圧縮機としての信頼性が高まる。
[0064]
 また、接続流路39aの流路抵抗を低減し、圧力損失が改善される。
[0065]
 さらに、吐出ポート30a、31a、33a及び34aの内径の大きさと、リード弁30b、31b、33b及び34cのばね定数等と、を調整することで、仕切り板空間35に吐出されるガス冷媒の吐出流量を、第2のマフラ室26aに吐出されるガス冷媒の吐出流量よりも大きくなるようにした。そのため、中間仕切り板20の遮音効果により、騒音が低減される。
[0066]
(第2の実施形態)
 第2の実施形態について図4に基づいて説明する。第1の実施形態と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[0067]
 図4(A)は、第2の実施形態に係る第1仕切り板20aの平面図である。図4(B)は第2の仕切り板20bの平面図である。図4(C)は圧縮機構部12の冷媒の流れを示す図である。
[0068]
 第2の実施形態の圧縮機1Aは、合流通路Sに加えて、合流通路Sと異なる位置に、仕切り板流体通路36と、マフラ室流体通路38と、を備えている。
[0069]
 仕切り板流体通路36は、第1のシリンダ室18Aおよび第2のシリンダ室22Aから仕切り板空間35に吐出されるガス冷媒を、第1のシリンダ18および主軸受17のフランジ部を介して第1のマフラ25のマフラ室25aに導く。仕切り板流体通路36は、第1のシリンダ18および主軸受17のそれぞれの部材に設けられている。
[0070]
 マフラ室流体通路38は、第2のシリンダ室22Aから第2のマフラ26の第2のマフラ室26aに吐出されるガス冷媒を、副軸受23、第2のシリンダ22、第2の仕切り板20b、第1の仕切り板20a、第1のシリンダ18、および主軸受17のフランジ部を介して第1のマフラ25の第1のマフラ室25aに導く。マフラ室流体通路38は、副軸受23、第2のシリンダ22、第2の仕切り板20b、第1の仕切り板20a、第1のシリンダ18、および主軸受17のそれぞれの部材に設けられる。
[0071]
 このように、仕切り板流体通路36とマフラ室流体通路38を形成したことにより、第1シリンダ室18Aおよび第2シリンダ室22Aで圧縮されたガス冷媒を吐出する吐出流路面積が拡大される。そのため、圧力損失が低減し、圧縮効率が向上する。
[0072]
 図4(A)で示すように、仕切り板流体通路36は、合流通路Sよりも第1の仕切り板吐出弁機構33の吐出ポート33aに近い位置に設けられている。
[0073]
 このことにより、仕切り板流体通路36から吐出されるガス冷媒の圧力損失や、不要な熱交換が低減され、高効率の圧縮機1を提供できることとなる。
[0074]
 以上説明した少なくとも一つの実施形態の密閉型圧縮機1によれば、幅h寸法を高さt寸法よりも大きくすることで接続流路35bの流路抵抗が低減され、接続流路35bの流路面積が中間仕切り板20を厚くすることなしに大きく確保され、高効率でかつ信頼性の高い圧縮機を提供できる。
[0075]
 上述した仕切り板空間35は、仕切り板吐出空間35aと接続流路35bとからなり、それぞれの空間の高さが異なる。それぞれの空間の高さは同じ高さであってもよいが、接続流路35bの高さを小さくすることで、仕切り板空間35へ吐出されるガス冷媒の吐出量を減少させることなく、仕切り板の剛性を高めることができる。
[0076]
 また、仕切り板吐出空間35aと接続流路35bとの間に、仕切り板吐出空間35aおよび接続流路35bに対して中間高さの空間が設けられていても良い。この場合、仕切り板流体通路36は、空間の高さが最も小さい接続流路35bに連通していても良いし、中間高さの空間に連通していても良い。これにより、仕切り板空間35へ吐出されるガス冷媒の吐出量を増やすことができる。
[0077]
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

符号の説明

[0078]
 1…密閉型圧縮機(圧縮機)、2…凝縮器(放熱器)、3…膨張弁(膨張装置)、4…蒸発器(吸熱器)、10…密閉容器、13…回転軸、11…電動機部、12…圧縮機構部、17…主軸受、18A…第1のシリンダ室、18…第1のシリンダ、20a…第1の仕切り板、20b…第2の仕切り板、22A…第2のシリンダ室、22…第2のシリンダ、23…副軸受、25…第1のマフラ、25a…第1のマフラ室、26…第2のマフラ、26a…第2のマフラ室、30…第1の吐出弁機構、31…第2の吐出弁機構、33…第1の仕切り板吐出弁機構、33a…(第1の仕切り板吐出弁機構の)吐出ポート、34…第2の仕切り板吐出弁機構、35…仕切り板空間、35b…接続流路、36…仕切り板流体通路、38…マフラ室流体通路、S…合流通路、h…接続流路幅、t…接続流路の高さ、R…冷凍サイクル

請求の範囲

[請求項1]
 密閉容器と、
 前記密閉容器内に収容されて、回転軸を介して連結される電動機部および圧縮機構部と、を備え、
 前記圧縮機構部は、前記回転軸に沿って順に設けられた第1のマフラ室を形成する第1のマフラ、主軸受、第1のシリンダ室を有する第1のシリンダ、第1の仕切り板、前記第1の仕切り板とで仕切り板空間を形成する第2の仕切り板、第2のシリンダ室を有する第2のシリンダ、副軸受、および第2のマフラ室を形成する第2のマフラを備え、
 前記圧縮機構部は、
  前記主軸受に設けられて、前記第1のシリンダ室で圧縮された作動流体を、前記第1のマフラ室に吐出する第1の軸受吐出弁機構と、
  前記第1の仕切り板に設けられて、前記第1のシリンダ室で圧縮された作動流体を前記仕切り板空間に吐出する第1の仕切り板吐出弁機構と、
  前記副軸受に設けられて、前記第2のシリンダ室で圧縮された作動流体を、前記第2のマフラ室に吐出する第2の軸受吐出弁機構を前記副軸受と、
  前記第2の仕切り板に設けられて、前記第2のシリンダ室で圧縮された作動流体を前記仕切り板空間に吐出する第2の仕切り板吐出弁機構と、
  前記第2のマフラ室の作動流体と前記仕切り板空間の作動流体とを合流させて前記第1のマフラ室へ導く合流通路と、を備え、
 前記仕切り板空間の前記合流通路に繋がる接続流路の前記回転軸の軸と直交する方向の寸法は、接続流路の前記回転軸の軸方向に沿う寸法よりも大きい密閉型圧縮機。
[請求項2]
 前記接続流路の断面形状は四角形状である請求項1に記載の密閉型圧縮機。
[請求項3]
 前記仕切り板空間に吐出された作動流体を、前記第1のマフラ室に導く独立した仕切り板流体通路を備え、
 前記仕切り板流体通路は、前記合流通路よりも前記第1の仕切り板吐出弁機構の吐出ポートに近い位置に設けられる請求項1または請求項2に記載の密閉型圧縮機。
[請求項4]
 前記第2のマフラ室に吐出された作動流体を前記第1のマフラ室に導く独立したマフラ室流体通路を備えた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
[請求項5]
 前記第1のシリンダ室と前記第2のシリンダ室とから前記仕切り板空間へ吐出される作動流体の合計吐出流量は、前記第2のシリンダ室から前記第2のマフラ室へ吐出される吐出流量よりも大きい請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
[請求項6]
 前記接続流路の流路面積は、前記合流通路の前記第2マフラ室側の流路面積よりも大きい請求項5に記載の密閉型圧縮機。
[請求項7]
 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機と、
 前記密閉型圧縮機に接続される放熱器と、
 前記放熱器に接続される膨張装置と、
 前記膨張装置と前記密閉型圧縮機の間に接続される吸熱器と、を備える冷凍サイクル装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]