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1. (WO2018186116) ガス発生器
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明 細 書

発明の名称 ガス発生器

技術分野

0001   0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : ガス発生器

技術分野

[0001]
 本発明は、自動車に搭載されるエアバッグ装置用として使用できるガス発生器に関する。
[0002]
背景技術
 自動車の側面衝突用のエアバッグ装置では、取り付け部分の制約から、細長い形状のガス発生器が使用されている。このような細長い形状のガス発生器の場合は、一端側で着火して、他端側からガスを排出する構造のものが多いが、そのようなガス排出形態の場合には、ガス発生剤の燃焼とガスの排出が円滑に実施できることが重要になる。
[0003]
 JPH05-92747Aには、一端側にイグナイタ(点火器)7があり、容器(ハウジング)1の周壁部にガス流出孔(ガス排出口)2が形成されたエアバッグ用インフレータが開示されている。
[0004]
 ハウジング1の内部(燃焼室3)には、複数のガス発生剤成形体5が軸方向に並べられており、ガス発生剤成形体5は中央部分が貫通した形状である。このため複数のガス発生剤成形体5が軸方向に整列した状態で、ハウジングの一端側から他端側に貫通孔が形成された状態になっている。燃焼室3に並列して燃焼性物質ペレット6が充填された部分があり、この部分と燃焼室3とがシール14によって区画されている。燃焼室3と外フィルタ10の間には周壁部にガス出口4が形成された筒状部材が形成されている。
[0005]
 JP2003-002153Aには、両端が閉塞された筒状ハウジング1の一端側に点火器23があり、他端側の周壁部にガス放出孔8が形成されている。
[0006]
 作動時、点火器23が作動して第1伝火剤22が燃焼し、さらに伝火手段3内の第2伝火剤18が燃焼して、伝火ノズル28から中空空間17内に火炎などが放出される。中空空間17内に放出された火炎などが、内筒材5のガス通過孔15から内部に入り、ガス発生剤4を着火燃焼させて高温ガスを発生させる。高温ガスは、ガス通過孔15から中空空間17内に入り、バーストプレート14を破壊したあと、フィルター室12内に入り、フィルター材10を通過した後、ガス放出孔8から放出される。
[0007]
発明の開示
 本発明は、筒状ハウジングの第1端部側に点火器を備えた点火室を有し、前記筒状ハウジングの軸方向反対側の第2端部側にガス排出口を備えたディフューザ部を有し、前記点火室と前記ディフューザ部の間にガス発生剤成形体が収容された燃焼室を有しており、前記点火室と前記燃焼室の間が部分的に開裂可能な閉塞部材で仕切られているガス発生器であって、
 前記点火室内には伝火薬成形体が収容されており、前記点火室内の圧力上昇により前記部分的に開裂可能な閉塞部材が開裂されるものであり、
 前記燃焼室と前記ディフューザ部が連通されており、
 前記燃焼室内には前記筒状ハウジングの第1端部の側から前記第2端部へ向けて延びるインナーチューブが配置され、前記インナーチューブの周囲の空間内に前記ガス発生剤成形体が収容されているものであり、
 前記インナーチューブが、
 前記点火室側の第1端部が開口され、軸方向反対側の第2端部が閉塞され、周壁部に複数の貫通孔を有する中空のものであり、
 前記第1端部の開口部が前記閉塞部材の開裂可能部分に当接され、前記閉塞された第2端部が前記ディフューザ部方向に伸ばされており、
 前記インナーチューブの最小内径(Dmin)が、前記伝火薬成形体の最大長さ(Lmax)よりも大きくなっているものであり、
 前記中空部が、前記閉塞部材が開裂したときに前記伝火薬成形体が前記第2端部まで移動する空間となるものである、ガス発生器を提供する。
[0008]
 さらに本発明は、上記のガス発生器の燃焼室に収容されているガス発生剤成形体の着火方法であって、
 前記点火器を作動させて点火室内の伝火薬を着火燃焼させることで、前記点火室内の圧力を上昇させる段階1、
 前記点火室内の圧力の上昇によって前記閉塞部材の開裂可能部分を開裂させることで、前記点火室と前記インナーチューブを連通させる段階2、
 前記点火室内の燃焼状態の伝火薬成形体を前記インナーチューブ内に噴出させ、閉塞された第2端部側に移動させる段階3、
 前記インナーチューブ内で燃焼を継続する伝火薬成形体から放出される燃焼生成物を前記貫通孔から噴出させ、前記燃焼室内のガス発生剤成形体を着火燃焼させる段階4を有している、ガス発生器の燃焼室に収容されているガス発生剤成形体の着火方法を提供する。

図面の簡単な説明

[0009]
 本発明は、以下の詳細な説明と添付された図面により、さらに完全に理解されるものであるが、これらはただ説明のため付されるものであり、本発明を制限するものではない。
[0010]
[図1] 図1は、本発明のガス発生器の軸X方向の断面図である。
[図2] 図2は、図1の部分拡大図である。
[図3] 図3は、図1の閉塞部材の平面図である。
[図4] 図4は、図1とは別実施形態の部分拡大断面図である。
[図5] 図5は、さらに図1とは別実施形態の部分拡大断面図である。
[0011]
発明の詳細な説明
 本発明は、細長い筒状ハウジング内にガス発生剤成形体が収容されたガス発生器であっても、燃焼ガスの排出時間を短くして、エアバッグの膨張開始時間を短くできるガス発生器を提供する。
[0012]
 筒状ハウジングは、鉄、ステンレスなどの金属製からなり、断面が円形のものである。断面は円形に限定されない。
[0013]
 筒状ハウジングは第1端部と第2端部が開口されたもので、第1端部側は点火器が取り付けられることで閉塞されており、第2端部側はディフューザ部が取り付けられることで閉塞されている。
[0014]
 筒状ハウジングは、例えば深絞り工法によりいずれか一端部の開口部が閉塞されたもの使用することができ、前記閉塞端部側にはガス排出口を形成してディフューザ部にすることができる。
[0015]
 点火室は、公知の電気式点火器と伝火薬成形体を備えている。
[0016]
 点火器は、筒状ハウジングの第1端部の開口部側に取り付けられている。伝火薬成形体は、公知の伝火薬成形体のほか、伝火薬として機能するガス発生剤成形体を使用することもできる。
[0017]
 点火室と燃焼室を仕切る部分的に開裂可能な閉塞部材は、鉄、ステンレスからなる板状のもの、または底面と側面を有する箱状のものである。
[0018]
 部分的に開裂可能な閉塞部材は、点火室内の圧力上昇により部分的に開裂されるものである。部分的に開裂可能な閉塞部材は、開裂させようとする部分に+形状などのノッチ、円形薄肉部などの脆弱部が形成されているものを使用することができる。閉塞部材のうち開裂可能な部分は、後に述べるインナーチューブの内側空間、すなわちインナーチューブの第1端部の開口部に面する部分である。
[0019]
 燃焼室内のインナーチューブを除いた筒状空間内にガス発生剤成形体が収容されている。燃焼室内に収容されているガス発生剤成形体は、公知のガス発生器で使用しているエアバッグを膨張させるためのガス発生剤と同じものを使用することができる。
[0020]
 ディフューザ部は、ガス排出口を有しており、筒状ハウジングと同じ材質からなるものが好ましい。
[0021]
 ディフューザ部は、ガス排出口と、燃焼室とディフューザ部の内部空間を連通するガス通過口を有していれば形状および構造は特に制限されるものではない。例えば、周壁部にガス排出口を有し、開口部がガス通過口となる一つのカップ部材からなるもの、周壁部にガス通過口とガス排出口を有する複数のカップ部材の組み合わせからなるものを使用することができる。
[0022]
 ディフューザ部と燃焼室を連通させる連通口(ガス通過口)は、筒状ハウジングの軸方向に点火室と対向する位置、または筒状ハウジングの軸方向と直交する方向で、筒状ハウジングの内周壁面と間隔をおいて対向する位置に形成することができる。
[0023]
 インナーチューブは、鉄、ステンレスなどの金属からなり、周壁部に火炎や高温ガスなどの燃焼生成物を通過させる貫通孔を有する中空のものである。
[0024]
 インナーチューブは、内径と外径が均一であるもの、内径と外径がそれぞれ一定ではなく径の大きさが異なる部分があるもの(例えば、第1端部の開口部とその近傍の内径が大きいもの)、内径と外径が第1端部から第2端部にかけて段階的に減少されているもの、または内径と外径が第1端部から第2端部にかけて連続的に減少されているものなどにすることができる。
[0025]
 インナーチューブの貫通孔は、第1端部から第2端部までの間に分散して多数が形成されていることが好ましい。
[0026]
 インナーチューブの第2端部の位置は、閉塞部材からディフューザ部の間の長さ(L)の中間位置(0.5L)よりもディフューザ部側、すなわちディフューザー部に近い位置であることが好ましく、閉塞部材から0.7Lよりもディフューザ部側であることがより好ましく、0.8Lよりもディフューザ部側であることがさらに好ましい。
[0027]
 インナーチューブの第1端部側は、開口部が前記閉塞部材の開裂可能部分に当接された状態で固定されていることが好ましく、第1端部の開口部が前記閉塞部材の開裂可能部分を包囲していることがより好ましい。
[0028]
 インナーチューブの固定方法は特に制限されず、第1端部が閉塞部材に当接され、第2端部がディフューザ部に当接された状態で固定されている形態、第1端部が筒状ハウジング内に嵌め込まれた環状の固定部材で包囲されて固定されている形態、破裂部材が有する凸部(凸部先端が開裂可能部分)に第1端部の開口部が嵌め込まれて固定されている形態、ディフューザ部に形成された凸部にインナーチューブの第2端部の開口部が嵌め込まれて閉塞されている形態などを使用することができる。
[0029]
 インナーチューブの最小内径(Dmin)は、伝火薬成形体の最大長さ(Lmax)よりも大きくなっている。インナーチューブの最小内径(Dmin)は、インナーチューブの内径が均一でない場合の最小内径であり、インナーチューブの内径が均一である場合は前記均一内径である。
[0030]
 伝火薬成形体の最大長さ(Lmax)は、伝火薬成形体が球のときは直径、楕円球のときは長軸長さ、円柱のときは長さ、ディスク形状のときは直径になり、不定形(部分的に変形した球形など)のときは最も長い部分の長さである。つまり伝火薬成形体1粒あたりの直径や長軸長さ、および一辺の長さのうち、最大長となる部分を指す。
[0031]
 インナーチューブの第1端部側の開口部は閉塞部材の開裂可能部分に当接されているため、作動時、点火室内の圧力上昇により閉塞部材の開裂可能部分が開裂して開口されたとき、点火室とインナーチューブが連通されるようになっている。閉塞部材のうち開裂可能部分以外は開裂しない。
[0032]
 このように点火室内の圧力が十分に上昇した時点で閉塞部材が開裂して連通されたとき、上記したDmin>Lmaxの関係を満たしているため、点火室内にて燃焼状態の伝火薬成形体はインナーチューブの第1端部の開口部から内部に噴出されて、中空部を通ってインナーチューブの第2端部側に移動する。このとき、移動した燃焼状態の伝火薬成形体の分散密度は、インナーチューブの第1端部から第2端部の間では、第2端部側の分散密度が大きくなり、第1端部側の分散密度が小さくなる。
[0033]
 その後、燃焼状態の伝火薬成形体から放出される高温ガスがインナーチューブの貫通孔から燃焼室内に流入することで、ガス発生剤成形体が着火燃焼される。このとき、燃焼状態の伝火薬成形体の分散密度が高い、ディフューザ部に近いインナーチューブの第2端部側に接しているガス発生剤成形体が燃焼し易くなることから、点火器の作動からガス排出口を通っての燃焼ガスの排出にかかる時間が早くなる。このため、細長い形状の筒状ハウジングを使用しているにも拘わらず、点火器の作動からガス発生剤成形体の燃焼によるガスの排出開始(ガス排出口からのガスの排出開始)までの時間を短くすることができる。
[0034]
 本発明のガス発生器の好ましい態様は、前記点火室内に収容された伝火薬成形体が粒状成形体である。また、伝火薬成形体、この場合には粒状成形体の最大長さ(Lmax)と前記インナーチューブの最小内径(Dmin)の比(Lmax/Dmin)が好ましくは0.1~0.6の範囲のものである。
[0035]
 Lmax/Dmin=0.1~0.6であると、作動時において、燃焼状態の伝火薬成形体がインナーチューブ内を第2端部側に移動し易くなり、点火器の作動からガスの排出開始までの時間を短くできるので好ましい。
[0036]
 本発明のガス発生器の好ましい態様は、前記インナーチューブの周壁部に形成された複数の貫通孔が、前記第1端部から前記第2端部側に向かうにつれて、単位面積当たりの貫通孔の開口面積が大きくなっているものであり、
 前記燃焼室内に収容されているガス発生剤成形体の最小長さ部分よりも前記貫通孔の開口径が小さくなっているものである。
 最小長さ部分とは、ガス発生剤1つあたりの直径や長軸長さ、および一辺の長さのうち、最小長となる部分を指す。
[0037]
 複数の貫通孔が、前記第1端部から前記第2端部側に向かうにつれて、単位面積当たりの貫通孔の開口面積が大きくなっている形態としては、
 貫通孔の開口径が全て同じであるとき、単位面積当たりの貫通孔の数が多くなっている形態、
 貫通孔の開口径が異なり、かつ貫通孔の数が第1端部から第2端部にかけて同じ密度であるとき、第1端部から前記第2端部側にかけて貫通孔の開口径が段階的にまたは連続的に大きくなっている形態などである。
[0038]
 複数の貫通孔が、前記第1端部から前記第2端部側に向かうにつれて、単位面積当たりの貫通孔の開口面積が大きくなっていると、ディフューザ部に近いインナーチューブの第2端部側に接しているガス発生剤成形体が燃焼し易くなることから、ガス排出口からの燃焼ガスの排出にかかる時間が早くなるため、点火器の作動からガスの排出開始までの時間を短くすることができるので好ましい。
[0039]
 本発明のガス発生器の好ましい態様は、前記筒状ハウジングの内径(D)に対する前記インナーチューブの最大外径(Dmax)の比(Dmax/D)が0.15~0.50のものである。
[0040]
 Dmax/D=0.15~0.50であると、燃焼室の容積を確保できると共に、インナーチューブ内の燃焼状態の伝火薬成形体の移動が容易になる。
[0041]
 本発明のガス発生器の好ましい態様は、前記ディフューザ部が、第1底面部、複数のガス排出口が形成された第1周壁部および第1開口部を有する第1カップ部材と、第2底面部、複数のガス通過口が形成された第2周壁部および第2開口部を有する第2カップ部材の組み合わせからなるものであり、
 前記第1カップ部材と前記第2カップ部材が、前記第1カップ部材の第1開口部内に前記第2カップ部材の第2開口部側が嵌め込まれ、第1周壁部の内側面と第2周壁部の外側面が当接されることで組み合わされているものであり、
 前記ディフューザ部の第1カップ部材が、前記ガス排出口が形成されていない前記第1開口部側の第1周壁部を前記筒状ハウジングの第2端部の開口部近傍の内周壁面に当接させて嵌め込まれており、
 前記第2カップ部材の第2底面部が前記点火室に対向され、前記第2カップ部材の第2周壁部が前記筒状ハウジングの内周壁面との間に環状間隙が形成されるように配置されているものであり、
 前記インナーチューブの第2端部が前記第2カップ部材の第2底面部により閉塞されているものである。
[0042]
 上記態様のディフューザ部は、互いの開口部同士で組み合わされた第1カップ部材と第2カップ部材からなるものである。
[0043]
 第1カップ部材の第1周壁部に複数のガス排出口が形成されているため、複数のガス排出口は、筒状ハウジングの軸方向に直交する方向に形成されている。第2カップ部材の第2周壁部に複数のガス通過口が形成されているため、複数のガス通過口は、筒状ハウジングの軸方向に直交する方向で、かつ筒状ハウジングの内周壁面と間隔をおいて対向する位置に形成されている。
[0044]
 インナーチューブの第2端部(第2端部の開口部)は第2カップ部材の第2底面部により閉塞されているが、第2端部の開口部が第2底面部に当接されている形態のほか、第2底面部に形成された凸部に第2端部の開口部が嵌め込まれて閉塞された形態、第2底面部に形成された円形溝に第2端部の開口部が嵌め込まれている形態にすることもできる。
[0045]
 本発明の着火方法では、段階1と段階2のとおり、点火室とインナーチューブの間が閉塞部材で仕切られていることから、点火室の圧力が十分に高まった時点で閉塞部材が開裂して点火室とインナーチューブ内部とを連通することができる。
[0046]
 その後、段階3のとおり、点火室内の燃焼状態の伝火薬成形体は勢いよくインナーチューブ内に流入して、インナーチューブの閉塞された第2端部側に移動する量が多くなる。このため、ディフューザ部に近いインナーチューブの第2端部に接しているガス発生剤成形体が燃焼し易くなるため、作動の早期に燃焼ガスが発生して、ガス排出口から排出されるため、点火器の作動からガスの排出開始までの時間が短くなる。
[0047]
 本発明のガス発生器は、自動車に搭載するエアバッグ装置用のガス発生器として利用することができ、特に乗員と車体との間隔が短い側面衝突用のエアバッグ装置のガス発生器として利用することができる。
[0048]
 本発明のガス発生器は、細長い形状の筒状ハウジングを使用しているが、点火器の作動からガスの排出開始までの時間を短くすることができるため、エアバッグの膨張開始時間を早めることができる。
[0049]
発明の実施の形態
 <ガス発生器>
 (1)図1、図2のガス発生器
 ガス発生器1は、筒状ハウジング10の第1端部10aの開口部側に点火室20を有しており、筒状ハウジング10の軸方向反対側の第2端部10bの開口部側にディフューザ部40を有している。さらにガス発生器1は、筒状ハウジング10の点火室20とディフューザ部40の間に燃焼室30を有している。
[0050]
 筒状ハウジング10の第1端部10aの開口部には点火器21が取り付けられ、前記開口部は点火器21により閉塞されている。点火器21は、着火部22を含む点火器本体と金属製の点火器カラー23が図示していない樹脂を介して一体化されたものである。
[0051]
 筒状ハウジング10の内周壁面11と点火器カラー23の間にはOリング24が配置されており、着火部22の周囲には、作動時に生じる火炎などを閉塞部材29方向に向けるためのガイド部材25が配置されている。
[0052]
 点火室20内には、粒状の伝火薬成形体26が収容されている。伝火薬成形体26は、球またはそれに類似する形状のものであるが、円筒形状でもよい。
[0053]
 点火室20と燃焼室30の間は、底面部29aと側面部29bを有する閉塞部材29で仕切られている。閉塞部材29は、筒状ハウジング10内に圧入されると共に、点火室20内に収容された伝火薬成形体26で支持されている。
[0054]
 筒状ハウジング10の第2端部10bの開口部側には、第1カップ部材41と第2カップ部材51からなるディフューザ部40が取り付けられている。
[0055]
 第1カップ部材41は、第1底面部42、ガス排出口43が形成された第1周壁部44および第1開口部45を有している。第1開口部45側には第1フランジ部46と第1フランジ部46から垂直方向に伸ばされた第1環状壁部47を有している。第2カップ部材51は、第2底面部52、ガス通過口53が形成された第2周壁部54および第2開口部55を有している。第2開口部55側には短い第2フランジ部56を有している。
[0056]
 ガス排出口43とガス通過口53のいずれか一方は、図示していないシールテープが内側から貼り付けられている。
[0057]
 第1カップ部材41と第2カップ部材51は、第1カップ部材41の第1開口部45内に第2カップ部材51の第2開口部55側が嵌め込まれ、第1環状壁部47の内側面と第2フランジ部56が当接されることで組み合わされている。
[0058]
 第1カップ部材41は、第1フランジ部46と第1環状壁部47が筒状ハウジング10の第2端部10bの開口部近傍の内周壁面11に当接されて嵌め込まれた状態で溶接されている。さらに第2カップ部材51の第2底面部52が燃焼室30内に面し、第2カップ部材51の第2周壁部54が筒状ハウジング10の内周壁面11との間に環状間隙57が形成されるように配置されている。
[0059]
 燃焼室30内には、中空のインナーチューブ31が配置されており、インナーチューブ31の周囲の空間内にガス発生剤成形体33が収容されている。インナーチューブ31の内径と外径は均一である。
[0060]
 筒状ハウジング10の内径(D)とインナーチューブ31の外径(Dmax)の比(Dmax/D)は約0.35であり、所要量のガス発生剤成形体33を収容するための空間とインナーチューブ31を配置するための空間が確保されている。
[0061]
 燃焼室30とディフューザ部40は、第2カップ部材51のガス通過口53により直接連通されている。
[0062]
 インナーチューブ31は、点火室20側の第1端部31aの開口部は閉塞部材29に当接され、軸方向反対側の第2端部31bの開口部は、第2カップ部材51の第2底面部52に形成された突起部52aに嵌め込まれることで閉塞されている。
[0063]
 インナーチューブ31の第1端部31aは、閉塞部材29に当接配置された環状部材28の孔内に嵌め込まれることで固定されている。
[0064]
 環状部材28は、外周面が筒状ハウジング10の内周壁面11に当接されることで半径方向から支持されており、筒状ハウジング10の内周壁面11に形成された複数の内側突起部12と閉塞部材29に当接されることで軸X方向の両側から支持されている。
[0065]
 インナーチューブ31の第1端部31aの開口部は、閉塞部材29の+状のノッチ29dが形成された円形の開裂可能部分29c(図3)を包囲するように当接されている。
[0066]
 インナーチューブ31は、周壁部には全て同じ開口径の多数の貫通孔32が、軸方向に間隔をおいて、かつ周方向に均等間隔で形成されている。インナーチューブ31の多数の貫通孔32は、第1端部31aから第2端部31b側に向かうにつれて数が増加することで、単位面積当たりの貫通孔32の開口面積が段階的に大きくなっている。
[0067]
 貫通孔32の開口径は、燃焼室30内に収容されているガス発生剤成形体33の最小長さ部分よりも小さくなっているため、ガス発生剤成形体33が貫通孔32に嵌まり込むことはない。
[0068]
 インナーチューブ31の内径(Dmin)は、伝火薬成形体26の最大長さ(Lmax)よりも大きくなっており、伝火薬成形体の最大長さ(Lmax)とインナーチューブ31の内径(Dmin)の比(Lmax/Dmin)は約0.45である。
[0069]
 図1のガス発生器1をエアバッグ装置に使用したときのガス発生剤成形体33の着火燃焼方法を含む動作を説明する。
[0070]
 点火器21が作動すると着火部22から火炎などの燃焼生成物が発生して、点火室20内の伝火薬成形体26を着火燃焼させる(段階1)。
[0071]
 点火室20内の圧力が上昇すると閉塞部材29の開裂可能部分29c(図3)が開裂して、点火室20とインナーチューブ31の内側の領域が連通する(段階2)。
[0072]
 その後、燃焼状態の伝火薬成形体26はインナーチューブ31内に流入し、第2端部31b方向に移動して、第1端部31a側よりも第2端部31b側に多く存在するようになると共に、第2端部31b側の貫通孔32の密度が高くなっているため、第2端部31b側の貫通孔32からより多量の火炎、高温ガスなどの燃焼生成物が噴出される(段階3、4)。
[0073]
 このため、燃焼室30内のガス発生剤成形体33は、ディフューザ部40に近い位置にあるものから燃焼が開始されて燃焼ガスが発生される。燃焼ガスは、ガス通過口53を通ってディフューザ部40内に入った後、ガス排出口43から排出され、エアバッグを膨張させる。
[0074]
 その後、インナーチューブ31の貫通孔32から噴出された燃焼生成物により燃焼室30内に残っているガス発生剤成形体33は燃焼して燃焼ガスを発生させ、ガス通過口53を通り、ガス排出口43から排出されてエアバッグを膨張させる。
[0075]
 なお、閉塞部材29が開裂するのは開裂可能部分だけであり、他の部分は開裂されないため、点火室20内の燃焼状態の伝火薬成形体26は全量がインナーチューブ31内に入る。
[0076]
 このように図1に示すガス発生器1を使用すれば、ディフューザ部40近くに収容されているガス発生剤成形体33の着火燃焼が容易になり、燃焼ガスの発生時間が短くなるため、点火器の作動からガスの排出開始までの時間を短くすることができ、エアバッグの膨張開始時間をより短縮することができる。
[0077]
 (2)図4のガス発生器
 図4のガス発生器1Aは、図1のガス発生器1とはインナーチューブの形状が異なるほかは同じものである。
[0078]
 インナーチューブ131は、第1端部131a(閉塞部材29)側に漏斗状に拡がった環状傾斜壁部132を有していることのみが図1のインナーチューブ31と異なっている。図4のガス発生器1Aも図1のガス発生器1と同様に動作するが、インナーチューブ131の第1端部131aが漏斗状に拡がった環状傾斜壁部132を有しているため、燃焼状態の伝火薬成形体26がよりインナーチューブ131内に流入し易くなる。
[0079]
 インナーチューブ131を使用するときは、閉塞部材29の開裂可能部分29cの大きさも漏斗状に拡がった環状傾斜壁部132の開口部分の大きさに対応させて大きくすることができる。
[0080]
 (3)図5のガス発生器
 図5のガス発生器1Bは、図1のガス発生器1とは閉塞部材129の形状が異なるほかは同じものである。
[0081]
 閉塞部材129は、底面部129a、底面部129aから点火器21側に伸ばされた側面部129b、底面部129aの中心部分から側面部129bと反対側に突き出された円柱突出部129cを有している。円柱突出部129cの頂面が開裂可能部分129d(図3の29cに相当する部分)になっている。
[0082]
 このように作動前の状態において、閉塞部材129の開裂可能部分129dがインナーチューブ31内に存在しているため、伝火薬成形体26の量を増やせるとともに、作動時には燃焼状態の伝火薬成形体26の移動がより円滑に実施される。
[0083]
 図5のガス発生器1Bにおける閉塞部材129と図4のガス発生器1Aにおけるインナーチューブ131を組み合わせた実施形態にすることもできる。
[0084]
本発明を以上のように記載した。当然、本発明は様々な形の変形をその範囲に含み、これら変形は本発明の範囲からの逸脱ではない。また当該技術分野における通常の知識を有する者が明らかに本発明の変形とみなすであろうすべては、以下に記載する請求項の範囲にある。

請求の範囲

[請求項1]
 筒状ハウジングの第1端部側に点火器を備えた点火室を有し、前記筒状ハウジングの軸方向反対側の第2端部側にガス排出口を備えたディフューザ部を有し、前記点火室と前記ディフューザ部の間にガス発生剤成形体が収容された燃焼室を有しており、前記点火室と前記燃焼室の間が部分的に開裂可能な閉塞部材で仕切られているガス発生器であって、
 前記点火室内には伝火薬成形体が収容されており、前記点火室内の圧力上昇により前記部分的に開裂可能な閉塞部材が開裂されるものであり、
 前記燃焼室と前記ディフューザ部が連通されており、
 前記燃焼室内には前記筒状ハウジングの第1端部の側から前記第2端部へ向けて延びるインナーチューブが配置され、前記インナーチューブの周囲の空間内に前記ガス発生剤成形体が収容されているものであり、
 前記インナーチューブが、
 前記点火室側の第1端部が開口され、軸方向反対側の第2端部が閉塞され、周壁部に複数の貫通孔を有する中空のものであり、
 前記第1端部の開口部が前記閉塞部材の開裂可能部分に当接され、前記閉塞された第2端部が前記ディフューザ部方向に伸ばされており、
 前記インナーチューブの最小内径(Dmin)が、前記伝火薬成形体の最大長さ(Lmax)よりも大きくなっているものであり、
 前記中空部が、前記閉塞部材が開裂したときに前記伝火薬成形体が前記第2端部まで移動する空間となるものである、ガス発生器。
[請求項2]
 前記点火室内に収容された伝火薬成形体が粒状成形体であり、前記粒状成形体の最大長さ(Lmax)と前記インナーチューブの最小内径(Dmin)の比(Lmax/Dmin)が0.1~0.6の範囲のものである、請求項1記載のガス発生器。
[請求項3]
 前記インナーチューブの周壁部に形成された複数の貫通孔が、前記第1端部から前記第2端部側に向かうにつれて、単位面積当たりの貫通孔の開口面積が大きくなっているものであり、
 前記燃焼室内に収容されているガス発生剤成形体の最小長さ部分よりも前記貫通孔の開口径が小さくなっている、請求項1または2記載のガス発生器。
[請求項4]
 前記筒状ハウジングの内径(D)に対する前記インナーチューブの最大外径(Dmax)の比(Dmax/D)が0.15~0.50である、請求項1~3のいずれか1項記載のガス発生器。
[請求項5]
 前記ディフューザ部が、第1底面部、複数のガス排出口が形成された第1周壁部および第1開口部を有する第1カップ部材と、第2底面部、複数のガス通過口が形成された第2周壁部および第2開口部を有する第2カップ部材の組み合わせからなるものであり、
 前記第1カップ部材と前記第2カップ部材が、前記第1カップ部材の第1開口部内に前記第2カップ部材の第2開口部側が嵌め込まれ、第1周壁部の内側面と第2周壁部の外側面が当接されることで組み合わされているものであり、
 前記ディフューザ部の第1カップ部材が、前記ガス排出口が形成されていない前記第1開口部側の第1周壁部を前記筒状ハウジングの第2端部の開口部近傍の内周壁面に当接させて嵌め込まれており、
 前記第2カップ部材の第2底面部が前記点火室に対向され、前記第2カップ部材の第2周壁部が前記筒状ハウジングの内周壁面との間に環状間隙が形成されるように配置されているものであり、
 前記インナーチューブの第2端部が前記第2カップ部材の第2底面部により閉塞されているものである、請求項1~4のいずれか1項記載のガス発生器。
[請求項6]
 請求項1記載のガス発生器の燃焼室に収容されているガス発生剤成形体の着火方法であって、
 前記点火器を作動させて点火室内の伝火薬を着火燃焼させることで、前記点火室内の圧力を上昇させる段階1、
 前記点火室内の圧力の上昇によって前記閉塞部材の開裂可能部分を開裂させることで、前記点火室と前記インナーチューブを連通させる段階2、
 前記点火室内の燃焼状態の伝火薬成形体を前記インナーチューブ内に噴出させ、閉塞された第2端部側に移動させる段階3、
 前記インナーチューブ内で燃焼を継続する伝火薬成形体から放出される燃焼生成物を前記貫通孔から噴出させ、前記燃焼室内のガス発生剤成形体を着火燃焼させる段階4を有している、ガス発生器の燃焼室に収容されているガス発生剤成形体の着火方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]