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1. (WO2018185985) インクジェット塗布装置及び電池製造用装置
Document

明 細 書

発明の名称 インクジェット塗布装置及び電池製造用装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

発明の効果

0053  

図面の簡単な説明

0054  

発明を実施するための形態

0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104  

実施例 1

0105   0106   0107   0108  

符号の説明

0109  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26  

明 細 書

発明の名称 : インクジェット塗布装置及び電池製造用装置

技術分野

[0001]
 本発明は、粒子が分散された液状材料をインクジェットヘッドを用いて塗布するインクジェット塗布装置、及び、このインクジェット塗布装置を使用して活物質層や固体電解質層を形成するようにした電池製造用装置に関する。

背景技術

[0002]
 周知のように、近年におけるポータブル電子機器類やそれらの関連機器類の急速な普及に伴って、それら機器類の電源となる電池について種々のものが開発され或いは実用化が図られている。そして、それら電池の中でも、充放電可能な二次電池として、リチウム電池の開発が進められている。現在の主流は、液体の電解質を用いたリチウム電池であるが、その後、高安全性で小型軽量化が可能な固体の電解質を用いた全固体リチウム電池の開発が推進されるに至っている。
[0003]
 液系リチウム電池は、基本的に、正極の集電体層及び正極の活物質層からなる電極シートと、負極の集電体層及び負極の活物質層からなる電極シートとを用い、その間に液体の電解質液を挟む構造を備えている。また、全固体リチウム電池は、基本的に、正極の集電体層と、正極の活物質層と、固体電解質層と、負極の活物質層と、負極の集電体層とが、この順に配列された積層構造を備えている(例えば、特許文献1参照)。なお、液系リチウム電池及び全固体リチウム電池は何れも、正極活物質層と固体電解質層との間及び負極活物質層と固体電解質層との間の何れか一方または双方に、正極と負極間での短絡防止を目的とするセパレータを用いる構造のものもある。
[0004]
 この種のリチウム電池を製造する手法としては、正極或いは負極の活物質層を形成する液状材料や、固体電解質層を形成する液状材料を、インクジェット方式を採用して塗布し、その後に乾燥などにより固化させる手法が公知となっている。
[0005]
 この場合、上記の活物質層を形成する液状材料中には、活物質原料の粒子が分散しており、上記の固体電解質層を形成する液状材料中には、無機固体電解質原料の粒子が分散している。
[0006]
 なお、今後、インクジェット方式を採用しての塗布の可能性がある種々の液状材料のうち、例えば、積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの分野で使用可能なチタン酸バリウムやニッケル超微粉を含有したものや、半導体パッケージやプリント配線板などの分野で使用可能なシリカなどを含有した接着剤においても、粒子が液状材料中に分散している。
[0007]
 一方、インクジェット方式を採用して液状材料を塗布するインクジェット塗布装置は、例えば特許文献2に開示されているように、ポンプによって圧送される液状材料を供給タンクに供給する第一流路と、供給タンク内の液状材料をインクジェットヘッドに供給する第二流路とを備えてなる液状材料の流通経路を有している。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2001-250583号公報
特許文献2 : 特開2016-10786号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 ところで、上記例示に係る従来のインクジェット塗布装置によれば、液状材料をポンプによって圧送する際に気泡が発生し、この気泡が混入された液状材料は、第一流路を通じて供給タンクに供給された後、供給タンクから第二流路を通じてインクジェットヘッドに流入しようとする。
[0010]
 この場合、上記例示のように液状材料中に粒子が分散していると、第一流路を通じて供給タンクに供給される液状材料中に、粒子と気泡とが混在した状態となる。このような状態が放置されたならば、粒子が分散された液状材料をインクジェットヘッドにより適切に塗布することが困難になる。
[0011]
 以上の観点から、本発明は、インクジェット塗布装置の供給タンクに供給される液状材料が、気泡と粒子とを混在した状態でインクジェットヘッドに流入することを阻止して、粒子が分散された液状材料をインクジェットヘッドにより適切に塗布できるようにすることを技術的課題とする。

課題を解決するための手段

[0012]
 上記課題を解決するために創案された本発明は、粒子が分散された液状材料をインクジェットヘッドを用いて塗布するインクジェット塗布装置であって、ポンプによって圧送される液状材料を供給タンクに供給する第一流路と、前記供給タンク内の液状材料をインクジェットヘッドに供給する第二流路とを備えてなる液状材料の流通経路を有すると共に、前記供給タンク内に、前記ポンプによる圧送によって発生する液状材料中の気泡を通過させず且つ液状材料中の前記粒子を通過させるフィルタを配備したことに特徴づけられる。
[0013]
 このような構成によれば、第一流路を通じて粒子と気泡とが混在した液状材料が供給タンク内に供給されても、供給タンク内に配備されたフィルタによって粒子のみの通過が許容される。従って、供給タンクから第二流路には気泡が流出しなくなるため、粒子が分散された液状材料がインクジェットヘッドにより適切に塗布される。
[0014]
 この場合、前記第二流路を通じてインクジェットヘッドに供給された液状材料を帰還タンクに帰還させる第三流路と、前記帰還タンクから前記ポンプに液状材料を供給する第四流路とをさらに備えることで、液状材料の循環経路が構成されると共に、前記帰還タンクに負圧を作用させる負圧発生手段を備えるようにしてもよい。
[0015]
 このようにすれば、供給タンクから第二流路を通じてインクジェットヘッドに供給された液状材料は、第三流路を通じて帰還タンクに戻され、この戻された液状材料は、第四流路を通じてポンプに供給されるため、ポンプから第一流路を通じて再び液状材料が供給タンクに供給される。これにより、液状材料はインクジェットヘッド内を通過しながら循環することになる。従って、インクジェットヘッドから液状材料を吐出していない場合でも、液状材料が循環するため、液状材料は常に流動することになる。そのため、液状材料の流動が停止した場合に生じ得る粒子の沈降及び凝集を阻止することができる。しかも、粒子が沈降して凝集した場合には、インクジェットヘッドのノズルから均一に粒子を分散させた状態で液状材料を吐出することが困難になり、吐出異常が発生するが、このインクジェット塗布装置では、粒子の沈降及び凝集を阻止できるため、吐出異常が生じ難くなる。加えて、帰還タンクには、負圧発生手段からの負圧が作用しているため、液状材料がインクジェットヘッド内を通過する際には、上記の負圧によってノズルの背圧の大きさを適切にすることができ、これにより、ノズルのメニスカスの形状を良好に維持することが可能となる。
[0016]
 以上の構成において、前記第一流路を構成する配管が前記供給タンクの内部空間の上下方向途中まで挿通され、前記供給タンクは、内径よりも内部空間の上下方向長さの方が長尺であると共に、前記配管の内径をd1とし且つ前記供給タンクの内径をd2とした場合に、d2/d1が、2~6となるように設定されていてもよい。
[0017]
 このようにすれば、供給タンクは、上下方向に長尺な細長形状になるため、粒子が分散された液状材料の供給タンク内での流通速度が速くなり、流れの停滞が生じ難くなる。しかも、配管の内径d1と供給タンクの内径d2との比率を示すd2/d1が2~6であるため、配管に対して供給タンクが従来よりも細くなり、これによっても、粒子が分散された液状材料の流れの停滞が生じ難くなる。前記の効果を有する上下方向に長尺な細長形状な供給タンクは、更には、少液量での対応が可能で且つ回転翼などによる撹拌機構なしのシンプル構造で対応可能であるという利点がある。ここで、上記のd2/d1が2未満であると、配管の流路面積に対して供給タンクの流路面積が小さくなり過ぎて、供給タンクに液状材料を適切に貯留することが困難になる。一方、上記のd2/d1が6を超えると、配管の流路面積に対して供給タンクの流路面積が大きくなり過ぎて、粒子が分散された液状材料の流れに淀みが生じ易くなる。従って、上記のd2/d1が2~6であれば、このような不具合が回避され得る。このような観点から、上記のd2/d1は、3.5~4.5であることがより好ましい。
[0018]
 以上の構成において、前記供給タンクの内径をd2とし且つ前記供給タンクの内部空間の上下方向長さをL1とした場合に、L1/d2が、4~12になるように設定されていてもよい。
[0019]
 このようにすれば、L1/d2が4未満であると、供給タンクが十分に細長形状とならないため、粒子が分散した液状材料の流れに停滞が生じ易くなり、L1/d2が12を超えると、供給タンクが細くなり過ぎて、液状材料を貯留する役割を十分に果たせなくなる。従って、上記のL1/d2が、4~12であれば、このような不具合が生じ難くなる。このような観点から、上記のL1/d2は、6.5~10.5であることがより好ましい。
[0020]
 以上の構成において、前記供給タンクの内径をd2とし且つ前記供給タンクの内部空間における液状材料の液面高さをL2とした場合に、L2/d2が、1.5~9になるように設定されていてもよい。
[0021]
 このようにすれば、L2/d2が1.5未満であると、供給タンク内における液状材料の貯留体積が相対的に小さくなり過ぎて、タンクとしての役割を十分に果たせなくなり、L2/d2が9を超えると、供給タンク内における液状材料の貯留体積が相対的に大きくなり過ぎて、粒子が分散された液状材料の流れに淀みが生じ易くなる。従って、上記のL2/d2が1.5~9であれば、このような不具合が生じ難くなる。このような観点から、上記のL2/d2は、3~5であることがより好ましい。なお、前記供給タンクの内部空間の上下方向長さをL1とした場合に、L2/L1が、0.3~0.6になるように設定されていることが好ましい。
[0022]
 以上の構成において、前記フィルタは、前記供給タンクの内部空間に収容されると共に、前記第一流路を通じて前記供給タンクに供給される前記液状材料がその内部に流入する円筒状のメッシュフィルタであって、前記液状材料中の気泡が前記円筒状のメッシュフィルタの内部から流出せず且つ前記液状材料中の前記粒子が前記円筒状のメッシュフィルタの内部から流出するように構成されていてもよい。
[0023]
 このようにすれば、供給タンク内における液状材料中の気泡の捕捉及び粒子の通過の許容が確実化され、粒子が分散された液状材料をより一層適切にインクジェットヘッドにより塗布することが可能となる。
[0024]
 以上の構成において、前記第一流路における前記ポンプと前記供給タンクとの間に下流端が接続された第五流路をさらに有し、該第五流路の上流端が、前記供給タンク及び帰還タンクよりも大容量の液状材料を貯留する元タンクに通じており、前記元タンクに、前記液状材料を攪拌する攪拌手段が設けられるように構成してもよい。
[0025]
 このようにすれば、第一流路の途中に、元タンクから第五流路を通じて液状材料を補充供給してポンプによって供給タンク側に圧送することができる。しかも、元タンクには、液状材料を攪拌する攪拌手段が設けられているため、液状材料中の粒子の分散状態を均一化することが可能となる。
[0026]
 この場合、前記攪拌手段は、前記元タンクに接触しないように液状材料中に配置され且つ支持棒を介して吊り下げ支持された羽根部材を有し、前記羽根部材は、マグネットの磁力によって液状材料を攪拌するように構成されていてもよい。この構成においては、前記元タンクの下方部には、前記羽根部材を回転させるマグネットスターラーが設置され、最適な回転数に調整することにより十分な液状材料の撹拌が行われる。
[0027]
 このようにすれば、羽根部材は、元タンクの周壁や底壁に対して非接触の状態で、マグネットの磁力によって攪拌作用を行うことになるため、羽根部材と元タンクとの接触に伴う異物の発生及び当該異物の液状材料中への混入が阻止され、粒子が分散された液状材料の清浄性が維持される。また、元タンク中の液量が無くなりタンクを交換する際に、元タンクのみの交換で直ぐに撹拌できるという利点がある。
[0028]
 以上の構成において、前記インクジェットヘッドのノズル面に撥水処理が施されていてもよい。
[0029]
 このようにすれば、インクジェットヘッドのノズル穴から、粒子が分散された液状材料がノズル面に伝わることが阻止されるため、上述の負圧の作用と相俟って、ノズルのメニスカスの形状を適切なものに維持することができる。
[0030]
 以上の構成において、前記粒子は、負極活物質層と正極活物質層とのうちの負極または正極の集電体上に形成される一方の活物質層、または該活物質層上に形成される固体電解質層、もしくは該固体電解質層上に形成される負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層における層の原料に含まれる粒子であってもよい。
[0031]
 このようにすれば、電池もしくは電池の製造途中で得られる電極シートを構成する活物質層や固体電解質層を効率良く且つ高品位に製造することが可能となる。なお、この場合の電池は、負極活物質層と固体電解質層との間、及び正極活物質層と固体電解質層との間の何れか一方または双方に、負極と正極間での短絡防止を目的とする無機系材料などからなるセパレータを介在したものであってもよい。
[0032]
 この場合におけるインクジェット塗布装置(以下、層形成用インクジェット塗布装置ともいう)を使用して、負極活物質層と正極活物質層とのうちの負極または正極の集電体上に形成される一方の活物質層、または該活物質層上に形成される固体電解質層、もしくは該固体電解質層上に形成される負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層を製作するための電池製造用装置を提供することができる。
[0033]
 このようにすれば、電池もしくは電池の製造途中で得られる電極シートを構成する活物質層や固体電解質層を効率良く且つ高品位に製造することが可能な電池製造用装置が実現する。
[0034]
 さらに、長尺フィルム上に負極または正極の集電体の層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって前記集電体上に前記液状材料を塗布して乾燥させることで、負極活物質層または正極活物質層を形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物である電極シートをロール状に巻き取るように構成した電池製造用装置を提供することができる。なお、上記の「横方向」に搬送しているとは、水平方向に搬送している場合に限らず、水平方向に対して、例えば10°以内の角度で下降傾斜または上昇傾斜して搬送している場合を含む(以下、同様)。
[0035]
 この電池製造用装置によれば、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りを一回行う間に、基材ロールを構成する長尺基材は、長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成されたものであって、且つ、その長尺基材が横方向に搬送されている途中で、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、一方の活物質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体及び一方の活物質層を含む積層部が形成されて電極シートとなる。
[0036]
 また、長尺フィルム上に集電体が形成されると共に該集電体上に負極活物質層または正極活物質層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって前記活物質層上に前記液状材料を塗布して乾燥させることで、固体電解質層を形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記活物質層と前記固体電解質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成した電池製造用装置を提供することができる。
[0037]
 この電池製造用装置によれば、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りを一回行う間に、基材ロールを構成する長尺基材は、長尺フィルム上における負極または正極の集電体の上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、一方の活物質層が形成されたものであって、且つ、その長尺基材が横方向に搬送されている途中で、一方の活物質層上に、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、固体電解質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層及び固体電解質層を含む積層部が形成される。なお、この場合の積層部は、一方の活物質層と固体電解質層との間に、負極と正極間での短絡防止を目的とする無機系材料などからなるセパレータを介在したものであってもよい(以下の積層部についても同様)。
[0038]
 さらに、長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成されると共に該集電体上に負極活物質層と正極活物質層とのうちの一方の活物質層が形成され且つ該活物質層上に固体電解質層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって前記固体電解質層上に前記液状材料を塗布して乾燥させることで、負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層を形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成した電池製造用装置を提供することができる。
[0039]
 この電池製造用装置によれば、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りを一回行う間に、基材ロールを構成する長尺基材は、長尺フィルム上における負極または正極の集電体の上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、一方の活物質層及び固体電解質層が形成されたものであって、且つ、その長尺基材が横方向に搬送されている途中で、固体電解質上に、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、他方の活物質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層、固体電解質層及び他方の活物質層を含む積層部が形成される。なお、この場合の積層部は、負極活物質層と固体電解質層との間、及び正極活物質層と固体電解質層との間の何れか一方または双方に、負極と正極間での短絡防止を目的とする無機系材料などからなるセパレータを介在したものであってもよい(以下の積層部についても同様)。
[0040]
 また、長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、前記集電体上に存する負極または正極の活物質層と、その活物質層上に存する固体電解質層とを形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記活物質層と前記固体電解質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成すると共に、前記活物質層と前記固体電解質層とのうちの少なくとも一つの層が、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって前記液状材料を塗布して乾燥させることで形成される電池製造用装置を提供することができる。
[0041]
 この電池製造用装置によれば、次に示す二種類の態様で長尺フィルム上に積層部が形成される。
[0042]
 この場合の第一の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りが一回行われるまでの間に、負極または正極の集電体上に、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、活物質層が形成され、その後、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、固体電解質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、活物質層及び固体電解質層を含む積層部が形成される。
[0043]
 この場合の第二の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りが一回行われるまでの間に、負極または正極の集電体上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、活物質層が形成され、その後、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、固体電解質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、活物質層及び固体電解質層を含む積層部が形成される。
[0044]
 さらに、長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、前記集電体上に存する負極活物質層と正極活物質層とのうちの一方の活物質層と、その活物質層上に存する固体電解質層と、その固体電解質層上に存する負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層とを形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成すると共に、前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とのうちの少なくとも一つの層が、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって前記液状材料を塗布して乾燥させることで形成される電池製造用装置を提供することができる。
[0045]
 この電池製造用装置によれば、次に示す3種類の態様で長尺フィルム上に積層部が形成される。
[0046]
 この場合の第一の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りが一回行われるまでの間に、負極または正極の集電体上に、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、一方の活物質層が形成され、その後、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、固体電解質層と他方の活物質層とが形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層、固体電解質層及び他方の活物質層を含む積層部が形成される。
[0047]
 この場合の第二の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りが一回行われるまでの間に、負極または正極の集電体上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、一方の活物質層が形成され、その後、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、固体電解質層が形成され、然る後、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、他方の活物質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層、固体電解質層及び他方の活物質層を含む積層部が形成される。
[0048]
 この場合の第三の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りが一回行われるまでの間に、負極または正極の集電体上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、一方の活物質層と固体電解質層とが形成され、その後、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、他方の活物質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層、固体電解質層及び他方の活物質層を含む積層部が形成される。
[0049]
 また、長尺フィルム上に集電体が形成されると共に該集電体上に負極活物質層または正極活物質層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、前記活物質層上に存する固体電解質層と、その固体電解質層上に存する負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層とを形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成すると共に、前記固体電解質層と前記他方の活物質層とうちの少なくとも一つの層が、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって前記液状材料を塗布して乾燥させることで形成される電池製造用装置を提供することができる。
[0050]
 この電池製造用装置によれば、次に示す二種類の態様で長尺フィルム上に積層部が形成される。
[0051]
 この場合の第一の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りを一回行う間に、基材ロールを構成する長尺基材は、長尺フィルム上における負極または正極の集電体の上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、一方の活物質層が形成された電極シートであって、且つ、その長尺基材である電極シートが横方向に搬送されている途中で、一方の活物質層上に、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、固体電解質層が形成され、その後、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、他方の活物質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層、固体電解質層及び他方の活物質層を含む積層部が形成される。
[0052]
 この場合の第二の態様は、ロールツーロール方式を採用して巻き解きから巻き取りを一回行う間に、基材ロールを構成する長尺基材は、長尺フィルム上における負極または正極の集電体の上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、一方の活物質層が形成された電極シートであって、且つ、その長尺基材である電極シートが横方向に搬送されている途中で、一方の活物質層上に、スクリーン印刷やグラビア印刷によるかまたは上述の層形成用インクジェット塗布装置によるかもしくはそれ以外のインクジェット塗布装置によるか等によって、固体電解質層が形成され、その後、上述の層形成用インクジェット塗布装置によって、他方の活物質層が形成されることで、長尺フィルム上に、集電体、一方の活物質層、固体電解質層及び他方の活物質層を含む積層部が形成される。

発明の効果

[0053]
 以上のように本発明によれば、インクジェット塗布装置の供給タンクに供給される液状材料が、気泡と粒子とを混在した状態でインクジェットヘッドに流入することを阻止して、粒子が分散された液状材料をインクジェットヘッドにより適切に塗布することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0054]
[図1] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置の全体構成を示す概略正面図である。
[図2] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置の構成要素である供給タンクの詳細構造を示す拡大縦断正面図である。
[図3] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置の構成要素である帰還タンクの詳細構造を示す拡大縦断正面図である。
[図4] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置の構成要素であるインクジェットヘッドの第一の例を示す下面図である。
[図5] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して製作される電池の第一の例を示す斜視図である。
[図6] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置の構成要素であるインクジェットヘッドのノズル周辺構造の第一の例を示す概略正面図である。
[図7] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例を示す概略側面図である。
[図8] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略平面図である。
[図9] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図10] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略平面図である。
[図11] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図12] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略平面図である。
[図13] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図14] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図15] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図16] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図17] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図18] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図19] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第一の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図20] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第二の例を示す概略側面図である。
[図21] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第二の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図22] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第二の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図23] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第二の例によって電池が製造されている過程を示す概略側面図である。
[図24] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第三の例を示す概略平面図である。
[図25] 本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置を使用して構成される電池製造用装置の第三の例の一部構成要素を示す概略側面図である。
[図26] 本発明の第二実施形態に係るインクジェット塗布装置の全体構成を示す概略正面図である。

発明を実施するための形態

[0055]
 以下、本発明の実施形態に係るインクジェット塗布装置及び電池製造用装置について図面を参照しつつ説明する。
[0056]
 <第一実施形態>
 図1は、本発明の第一実施形態に係るインクジェット塗布装置(以下、単に「塗布装置」という)の全体構成を示す概略正面図である。同図に示すように、塗布装置1は、ポンプ2によって圧送される液状材料を供給タンク3に供給する第一流路4と、供給タンク3内の液状材料をインクジェットヘッド5に供給する第二流路6と、インクジェットヘッド5に供給された液状材料を帰還タンク7に帰還させる第三流路8と、帰還タンク7からポンプ2に液状材料を供給する第四流路9とを備えている。従って、この塗布装置1における液状材料の流通経路は、インクジェットヘッド5を経由する循環経路を構成している。
[0057]
 第二流路6には、供給タンク3からインクジェットヘッド5に対する液状材料の供給と停止とを切り換える供給弁10が設置されると共に、第三流路8には、インクジェットヘッド5から帰還タンク7に対する液状材料の帰還と停止とを切り換える帰還弁11が設置されている。供給弁10および帰還弁11は、主にインクジェットヘッド5の交換時に閉じられ、配管からの液状材料の液垂れを防止する役目をする。さらに、第三流路8には、インクジェットヘッド5から帰還タンク7に流れる液状材料の温度調節(主として冷却)を行うペルチェユニット12が設置されている。
[0058]
 供給タンク3における液状材料の液面31の上部空間は、大気開放流路13を介して大気に通じており、この大気開放流路13には、大気への連通と遮断とを切り換える大気切換弁14が設置されている。また、帰還タンク7における液状材料の液面15の上部空間は、負圧流路16を介して負圧発生手段17に通じており、この負圧流路16には、負圧の流通と遮断とを切り換える負圧切換弁18が設置されている。
[0059]
 さらに、この塗布装置1は、第一流路4におけるポンプ2と供給タンク3との間に下流端が接続された第五流路19を有し、この第五流路19の上流端が、元タンク20に通じている。この第五流路19には、元タンク20内の液状材料を第一流路4の途中から供給タンク3に圧送して補充する補助ポンプ21と、この補助ポンプ21による液状材料の補充と停止と切り換える補充切換弁22とが設置されている。なお、この元タンク20は、供給タンク3及び帰還タンク7よりも大容量の液状材料を貯留するものである。
[0060]
 元タンク20には、貯留されている液状材料を攪拌する攪拌手段23が設けられている。この攪拌手段23は、元タンク20に接触しないように液状材料中に配置され且つ支持棒24を介して吊り下げ支持された羽根部材25を有する。なお、支持棒24は、元タンク20の上部を覆う蓋体26(又はその上方の固定部材)にベアリングを介して回転可能に支持されている。また、羽部材25は、元タンク20の内部液量が低下した場合にも撹拌が十分に行えるように、元タンク20の底面から約3~8mm付近の位置に取り付けられていることが好ましい。そして、羽根部材25は、元タンク20の外側下部に配置されたマグネット27の磁力28によって適切な回転数で回転することで、元タンク20に貯留されている液状材料を攪拌するように構成されている。
[0061]
 図2は、供給タンク3の構成を詳細に示す縦断正面図である。同図に示すように、供給タンク3は、内部空間が円柱状をなすと共に、上部が蓋体29によって密閉状に覆われ、第一流路4を構成する第一配管30の下流側部分が、蓋体29を貫通して供給タンク3内に至っている。そして、図例のように、第一配管30の下端は、供給タンク3の液状材料の液面31の僅か下方に位置していることが好ましい。理由としては、第一配管30の下端から放出された液状材料が、供給タンク3の内部空間で空気と混ざって泡を必然的に発生させることを防ぐためである。また、供給タンク3の内部空間は、下端部が円錐状になるように下方に移行するに連れて徐々に細くなっており、この細くなっている部分32の下端に、第二流路6を構成する第二配管33が接続されている。なお、供給タンク3は、上端にフランジ部34を有し、このフランジ部34に蓋体29がシールされて固定されている。また、このフランジ部34には、供給タンク3の内部空間に通じる流通孔35が形成され、この流通孔35に、大気開放流路13を構成する大気開放用配管36が接続されている。
[0062]
 供給タンク3と第一配管30との関係は、第一配管30の内径をd1とし且つ供給タンク3の内径をd2とした場合に、d2/d1が、2~6となるように設定されている。そして、供給タンク3は、内径d2よりも内部空間の上下方向長さL1の方が長尺である。詳細には、供給タンクの内径をd2とし且つ供給タンク3の内部空間の上下方向長さをL1とした場合に、L1/d2が、4~12になるように設定されている。さらに、供給タンク3の内径をd2とし且つ供給タンク3内における液状材料の液面31の高さをL2とした場合に、L2/d2が、1.5~9になるように設定されている。
[0063]
 加えて、この供給タンク3の内部空間には、有底円筒状をなすメッシュフィルタ40が配備されている。このメッシュフィルタ40は、上端が供給タンク3の上端に固定されると共に、下端が供給タンク3の下端よりも僅か上方に且つ供給タンク3と非接触で位置している。そして、このメッシュフィルタ40は、供給タンク3と同芯上に配置されると共に、メッシュフィルタ40の内径をd3とし且つ供給タンク3の内径をd2とした場合に、d2/d3が、1.5~3になるように設定されている。このメッシュフィルタ40の円筒状胴部40aは、供給タンク3内に存する第一配管30の外周部を完全に覆っており、その底部40bは円錐状をなしている。さらに、このメッシュフィルタ40は、ステンレス(SUS)製であって、メッシュ数が300~800メッシュであり、線径が0.03~0.09mmである。
[0064]
 より具体的には、第一配管30の内径d1は、3~6mm、第一配管30の供給タンク3内での長さL3は、50~100mm、供給タンク3の内径d2は、10~30mm、供給タンク3の内部空間の上下方向長さL1は、100~200mm、メッシュフィルタ40の内径d3は、7~15mm、メッシュフィルタ40の上下方向の長さL4は、90~190mmである。
[0065]
 図3は、帰還タンク7の構成を詳細に示す縦断正面図である。この帰還タンク7が、上述の供給タンク3と相違するところは、メッシュフィルタ40が設けられていない点と、上方に第三流路8を構成する第三配管41を有すると共に下方に第四流路9を構成する第四配管42を有し且つ上端側方に負圧流路16を構成する負圧用配管43を有する点と、第三配管41が曲げられてその下端が帰還タンク7の内周面に接触している点とである。その他の構成は、上述の供給タンク3と同一であるので、両者3、7に共通する構成要件(各種の寸法の符号及びその数値も含む)については、同一符号を付してその説明を省略する。
[0066]
 図4は、本実施形態で使用されるインクジェットヘッド5を下端部に有するインクジェットヘッドユニット45を下方より視た概略下面図である。このユニット45は、複数(図例では3個)のインクジェットヘッド5が千鳥状に配列され、これらのインクジェットヘッド5のノズル面(下面)46には、複数のノズル穴47が図例では二列に千鳥状に配設されている。この場合、第二流路6及び第三流路8は、インクジェットヘッドユニット45の内部を通過して複数のインクジェットヘッド5に通じている。そして、複数のインクジェットヘッド5のそれぞれのノズル面46には、撥水処理が施されている。
[0067]
 図5は、以上の構成を備えた塗布装置1を用いてなる電池製造用装置(後述する)によって製造される電池(全固体リチウム電池)の基本的な構成を示す概略斜視図である。同図に示すように、この電池は、負極集電体50と、その負極集電体50に接合する負極活物質層51とで負極52Aが構成されると共に、正極集電体53と、その正極集電体53に接合する正極活物質層54とで正極52Bが構成されている。そして、負極活物質層51と正極活物質層54との間に固体電解質層55が介在している。なお、負極活物質層51と固体電解質層55との間、及び正極活物質層54と固体電解質層55との間の何れか一方または双方には、正極と負極間での短絡防止を目的とする無機系材料などからなるセパレータが介在される場合がある。
[0068]
 ここで、負極集電体50及び正極集電体53としては、金属箔(例えば、銅箔、アルミ箔、またはSUS箔等)を用いることができる。
[0069]
 また、負極活物質層51及び正極活物質層54の形成材料(液状材料)は、粒子が分散されており、詳しくは次の通りである。すなわち、負極及び正極の活物質粒子を溶剤(分散媒)中に分散させることにより、両者51、54の形成材料として使用することができる。具体的には、これらの形成材料は、インクジェット方式で安定的に吐出させるために、25℃における粘度が6~20mPa・sで、且つ、25℃における表面張力が25~45mN・mの範囲になるようにインク物性を調整した液状材料である。また、含有する活物質粒子の径は、最大粒径が5μm以下のものを採用した。なお、これらの形成材料に関しては、インクジェット方式で吐出できる粒子分散インクであれば特に限定されない。例えば、負極活物質粒子としては、天然黒鉛、人造黒鉛などの炭素系材料を使用することができる。また、正極活物質粒子としては、Li-Mn系酸化物、Li-Ni系酸化物、Li-Co系酸化物などを使用することができる。そして、粒子分散液は、静置した場合に、20分以内に完全沈降・再凝集しないインクであることが望ましい。なお、粒子・溶剤のみで沈降や凝集が抑制できない場合は分散剤との併用をすることで、安定した分散液を作ることができる。さらに、これらの形成材料には、バインダーなどの密着性を向上させる為の添加剤を添加することが望ましい。また、負極及び正極の活物質層51、54におけるイオン伝導性を向上させる為に、カーボンブラックなどの導電助剤を添加することが望ましい。
[0070]
 さらに、固体電解質層55の形成材料(液状材料)も、粒子が分散されており、詳しくは次の通りである。すなわち、無機固体電解質粒子を溶剤(分散媒)中に分散させることにより、使用することができる。具体的には、これらの形成材料は、インクジェット方式で安定的に吐出させるために、25℃における粘度が6~20mPa・sで、且つ、25℃における表面張力が25~45mN・mの範囲になるようにインク物性を調整した液状材料である。また、含有する無機固体電解質の粒子径は、最大粒径が5μm以下のものを用いる事ができる。なお、これらの形成材料に関しては、インクジェット方式で吐出できる粒子分散インクであれば特に限定されない。例えば、LGPS等の硫化物系電解質系や、LiPON等の酸化物系電解質系の粒子などを使用することができる。そして、粒子分散液は、静置した場合に、20分以内に完全沈降・再凝集しないインクであることが望ましい。なお、粒子・溶剤のみで沈降や凝集が抑制できない場合は分散剤との併用をすることで、安定した分散液を作ることができる。さらに、これらの形成材料には、バインダーなどの密着性を向上させる為の添加剤を添加することが望ましい。
[0071]
 この第一実施形態では、以上のような粒子が分散された液状材料が、塗布装置1によって塗布されるように構成されている。この粒子は、最大粒径が1~10μmであって、より好ましい最大粒径の下限値が3μm、より好ましい最大粒径の上限値が7μmである。
[0072]
 次に、以上の構成を備えた第一実施形態に係る塗布装置1の作用効果を説明する。
[0073]
 図1に示す循環式の流通経路においては、ポンプ2によって圧送された液状材料が第一流路4を通じて供給タンク3に供給されていく。この時点においては、供給弁10及び帰還弁11が開かれていることで、インクジェットヘッド5に対して液状材料が流通している状態にある。また、大気切換弁14が開かれて、供給タンク3に対して大気開放の状態ではあるが、ポンプ2は常時駆動しているため、負圧切換弁18が開かれることで、帰還タンク7に対して負圧が作用している状態にある。さらに、補充切換弁22が閉じられ且つ補助ポンプ21が非駆動状態にあることで、元タンク20から第一流路4に対する液状材料の補充が停止している状態にある。
[0074]
 このような状態の下で、ポンプ2によって圧送された液状材料は、第一流路4、供給タンク3、第二流路6、インクジェットヘッド5、第三流路8、帰還タンク7、及び第四流路9を経て、ポンプ2に戻るという動作が実行される。このような動作が実行されている際には、第一流路4を通じて供給タンク3に供給される液状材料中に、ポンプ2の圧送によって発生した気泡が混入している。しかも、この液状材料には、上述の粒子が分散されている。従って、供給タンク3に供給される液状材料には、気泡と粒子とが混在している。
[0075]
 このように気泡と粒子とが混在した状態にある液状材料は、図2に示す第一配管30を通じて供給タンク3の液状材料の液面31の下方に流入する。この場合、供給タンク3の内部空間には、メッシュ数が300~800メッシュ、線径が0.03~0.09mmで、且つ、底部を有する有底円筒状のメッシュフィルタ40が配備されている。この場合、メッシュフィルタ40は、供給タンク3内における第一配管30を全長に亘って袋状に覆っているため、第一配管30を通じて供給される液状材料は、その全量が、このメッシュフィルタ40の内部に流入する。そして、このメッシュフィルタ40によって、実質的に液状材料中の気泡の全てが捕捉されると共に、実質的に粒子の全てが通過する。その結果、供給タンク3内におけるメッシュフィルタ40の外周側空間に、粒子が存在し且つ実質的に気泡が存在しない液状材料が流出することになる。なお、このメッシュフィルタ40が気泡を適切に捕捉し且つ粒子を適切に通過させる機能については、後述する[実施例1]で詳細に説明する。
[0076]
 さらに、供給タンク3内に供給された液状材料は、次に示すような利点を得ることができる。すなわち、第一配管30の内径d1と供給タンク3の内径d2との関係を示すd2/d1が、2~6であって、供給タンク3の内径d2よりも供給タンク3の内部空間の上下方向長さL1の方が長尺である。これより、供給タンク3が上下方向に長尺な細長形状になると共に、第一配管30に対して供給タンク3が従来よりも細くなるため、粒子が分散された液状材料の供給タンク3内での流通速度が速くなり、流れの停滞が生じ難くなる。このような利点を得るためには、上記のd2/d1は、3.5~4.5であることがより好ましい。また、供給タンク3の内径d2と供給タンク3の内部空間の上下方向長さL1との関係を示すL1/d2は、4~12である。これにより、供給タンク3を上下方向に長尺な細長形状としたことによる液状材料の高流速化や停滞の阻止がより一層向上する。このような利点を得るためには、上記のL1/d2は、5~10であることが好ましい。さらに、供給タンク3の内径d2と供給タンク3内における液状材料の液面31の高さL2との関係を示すL2/d2は、1.5~9である。これにより、粒子が分散された液状材料の流量が適切になり、淀みなどが生じ難くなる。このような利点を得るためには、上記のL2/d2は、3~5であることがより好ましい。メッシュフィルタ40の内径d3と供給タンク3の内径d2との関係を示すd2/d3は、1.5~3である。これにより、メッシュフィルタ40による気泡を捕捉する機能と粒子を通過させる機能とが十分に得られることになる。このような利点を得るためには、上記のd2/d3は、1.8~2.5であることがより好ましい。
[0077]
 加えて、この塗布装置1は、図1に示す構成を備えていることによって、次に示すような利点をも得ることができる。すなわち、この塗布装置1は、液状材料が循環する循環形式を採用し、インクジェットヘッド5から液状材料を吐出していない場合でも、液状材料が循環しているため、液状材料は常に流動することになる。そのため、液状材料の流動が停止した場合に生じ得る粒子の沈降及び凝集を阻止することができる。しかも、既述のように、この液状材料中の粒子の最大粒径は1~10μmであって、好ましくはその下限値が3μm、好ましくはその上限値が7μmであるのに対して、インクジェットヘッド5のノズル穴47の径は、20~60μmである。そのため、粒子が沈降して凝集した場合には、ノズル穴47から均一に粒子を分散させた状態で液状材料を吐出することが困難になり、吐出異常が発生するが、この塗布装置1では、粒子の沈降及び凝集を阻止できるため、吐出異常が生じ難くなる。また、インクジェットヘッド5から液状材料が帰還する第三流路8には、ペルチェユニット12が配設されているため、インクジェットヘッド5内で液状材料の温度が上がった場合は、ペルチェユニット12によって冷却され、液状材料を常に適切な温度に維持することができる。さらに、帰還タンク7内には負圧が作用しているため、図6に符号A1で示すように、ノズル穴47には適切なメニスカス60が生成される。しかも、同図に示すインクジェットヘッド5のノズル面46には、撥水処理が施されているため、適切なメニスカス60の生成が阻害されることもなくなる。
[0078]
 以上のような構成及び作用効果を有する塗布装置1は、次に示すような電池製造用装置に使用される。
[0079]
 図7は、そのような電池製造用装置を示す概略側面図である。同図に示すように、この電池製造用装置70は、ロールツーロール方式を採用したものであって、主たる構成要素として、ロールツーロールにおける巻き解き装置71及び巻き取り装置72と、上述の塗布装置1と、熱乾燥装置73とを備える。
[0080]
 この電池製造用装置70では、被塗布物としての長尺基材74は、樹脂等からなる長尺フィルム49の上(外周側)に負極集電体50または正極集電体53が形成されたもの、またはその上に負極活物質層51が形成されたもの、もしくはその上に固体電解質層55が形成されたものである。そして、この長尺基材74をロール状に巻回した基材ロール75から、長尺基材74を巻き解いて横方向に搬送している途中で、その長尺基材74上に、負極活物質層51と固体電解質層55と正極活物質層54とのうちの何れか一つの層が形成される。さらに、長尺フィルム49上にこの一つの層を含む積層部を有する積層部形成物76が、巻き取りロール77としてロール状に巻き取られるように構成されている。
[0081]
 この場合、基材ロール75からの長尺基材74の巻き解きは、巻き解き装置71によって行われると共に、積層部形成物76の巻き取りロール77としての巻き取りは、巻き取り装置72によって行われる。さらに、横方向に搬送されている長尺基材74上への一つの層の形成は、塗布装置1と、熱乾燥装置73とによって行われる。
[0082]
 熱乾燥装置73は、長尺基材74上に一つの層の形成材料である液状材料がインクジェットヘッド5によって塗布された長尺基材74の塗布後部分74aの上側空間及び下側空間にそれぞれ、複数の熱風吹き出し口78と、遠赤外線ランプまたは近赤外線ランプを収容した複数のランプハウス79とを搬送方向に交互に配設して構成されている。なお、ここでの熱乾燥装置73は、熱風吹き出し口78とランプハウス79との何れか一方のみであってもよい。また、熱風吹き出し口78もしくはランプハウス79は、上述の上側空間と下側空間の何れか一方のみに配設してもよい。さらに、ランプハウス79は、遠赤外線ランプなどのランプによる構成でなくても、ヒーターを用いたセラミック溶射などによる遠赤外線照射ユニットであってもよい。これらは、前記液状材料で形成される膜品質、乾燥時間などを考慮して最適な条件が選択される。
[0083]
 この電池製造用装置70によれば、基材ロール75から巻き解かれて横方向(矢印Aで示す方向)に搬送されている長尺基材74は、塗布装置1を通過する際に、インクジェットヘッド5の多数のノズル穴47から、一つの層の形成材料である液状材料(粒子が分散された液状材料)の塗布を受ける。
[0084]
 この場合、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50が長手方向に間欠的に形成されている場合には、図8に示すように、負極集電体50上に塗布装置1及び熱乾燥装置73によって形成される負極活物質層51も長手方向に間欠的に形成されるため、インクジェットヘッド5によって負極集電体50上に塗布される液状材料の塗布領域も、同図に平行斜線で示すように長手方向に間欠的な矩形の領域となる。そして、これらの矩形の領域が順々に熱乾燥装置73によって乾燥されていくことで、図9に示すように、負極集電体50上に負極活物質層51が順々に形成されていく。従って、この場合には、長尺フィルム49上に、負極集電体50と負極活物質層51とを有する積層部が、長手方向に間欠的に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。そして、この積層部形成物76がロール状に巻き取られることで、巻き取りロール77が得られる。
[0085]
 また、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50が長手方向に連続的に形成されている場合には、図10に示すように、負極集電体50上に塗布装置1及び熱乾燥装置73によって形成される負極活物質層51は長手方向に間欠的に形成されることが好ましく、この場合には、インクジェットヘッド5によって負極集電体50上に塗布された液状材料の塗布領域も、同図に平行斜線で示すように長手方向に間欠的な矩形の領域となる。そして、これらの矩形の領域が順々に熱乾燥装置73によって乾燥されていくことで、図11に示すように、連続して形成されている負極集電体50上に負極活物質層51が順々に形成されていく。従って、この場合には、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と間欠的な負極活物質層51とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。そして、この積層部形成物76がロール状に巻き取られることで、巻き取りロール77が得られる。
[0086]
 なお、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50が長手方向に連続的に形成されている場合には、図12に示すように、負極集電体50上に塗布装置1及び熱乾燥装置73によって形成される負極活物質層51は長手方向に連続して形成されるようにしてもよく、この場合には、インクジェットヘッド5によって負極集電体50上に塗布された液状材料の塗布領域も、同図に平行斜線で示すように長手方向に連続する領域となる。そして、この連続する領域が熱乾燥装置73によって乾燥されていくことで、図13に示すように、連続して形成されている負極集電体50上に負極活物質層51が順々に形成されていく。従って、この場合には、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と連続する負極活物質層51とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76からなる電極シートを得ることになる。そして、この積層部形成物76がロール状に巻き取られることで、巻き取りロール77が得られる。
[0087]
 上記の長尺基材74は、長尺フィルム49上に負極集電体50が形成されたものであったが、これ以外に、次に示すような長尺基材74であってもよい。すなわち、図14は、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50と負極活物質層51との何れもが長手方向に間欠的に形成されたものである。従って、この場合には同図に示すように、長尺フィルム49上に、負極集電体50と負極活物質層51と固体電解質層55とを有する積層部が、長手方向に間欠的に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。また、図15は、長尺基材74が、長尺フィルム49上に、長手方向に連続する負極集電体50と、長手方向に間欠的な負極活物質層51とが形成されたものである。従って、この場合には同図に示すように、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と間欠的な負極活物質層51と間欠的な固体電解質層55とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。さらに、図16は、長尺基材74が、長尺フィルム49上に、長手方向に連続する負極集電体50と、長手方向に連続する負極活物質層51とが形成されたものである。従って、この場合には同図に示すように、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と連続する負極活物質層51と連続する固体電解質層55とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることもできる。また、図17は、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50と負極活物質層51と固体電解質層55との何れもが長手方向に間欠的に形成されたものである。従って、この場合には同図に示すように、長尺フィルム49上に、負極集電体50と負極活物質層51と固体電解質層55と正極活物質層54とを有する積層部が、長手方向に間欠的に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。さらに、図18は、長尺基材74が、長尺フィルム49上に、長手方向に連続する負極集電体50と、長手方向に間欠的な負極活物質層51と、長手方向に間欠的な固体電解質層55とが形成されたものである。従って、この場合には同図に示すように、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と間欠的な負極活物質層51と間欠的な固体電解質層55と間欠的な正極活物質層54とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。また、図19は、長尺基材74が、長尺フィルム49上に、長手方向に連続する負極集電体50と、長手方向に連続する負極活物質層51と、長手方向に連続する固体電解質層55とが形成されたものである。従って、この場合には同図に示すように、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と連続する負極活物質層51と連続する固体電解質層55と連続する正極活物質層54とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。
[0088]
 ここで、負極集電体50及び正極集電体53の厚みは、5~20μmであることが好ましい。また、負極活物質層51及び正極活物質層54の厚みは、5~20μmであることが好ましい。さらに、固体電解質層55の厚みは、5~15μmであることが好ましい。なお、長尺フィルム49の厚みは、50~200μmであることが好ましい。
[0089]
 なお、図10及び図12に示すように、負極集電体50の幅方向(長尺方向と直交する方向)の寸法は、負極活物質層51及び固体電解質層55の幅方向の寸法よりも長くされることで、負極集電体50の幅方向の両端が、負極活物質層51及び固体電解質層55の幅方向の両端からはみ出している。また、長尺フィルム49の巻き解き開始側の所定長さ領域には、負極集電体50、負極活物質層51及び固体電解質層55が形成されておらず、且つ、長尺フィルム49の巻き解き終了側の所定長さ領域にも、これらの層50、51、55が形成されていない。
[0090]
 以上説明した長尺基材74においては、負極活物質層51と固体電解質層55の少なくとも一つの層は、塗布装置1及び熱乾燥装置73によって形成されたものである必要はなく、スクリーン印刷やグラビア印刷等あるいは他の構成を備えたインクジェット塗布装置と乾燥装置によって形成されたものであってもよい。そして、長尺基材74が、上述の何れのものであっても、長尺フィルム49上には、負極活物質層51と固体電解質層55と正極活物質層54とが形成され、その後に、ロールツーロール方式を採用するなどして、正極活物質層54上に正極集電体53が形成され、然る後、その得られた長尺物を所定長さ毎に切断することで、最終的に図5に示すような全固体リチウム電池を得る。
[0091]
 なお、以上の説明において、負極集電体50及び負極活物質層51が、正極集電体53及び正極活物質層54であってもよく、且つ、正極集電体53及び正極活物質層54が、負極集電体50及び負極活物質層51であってもよい。
[0092]
 図20は、他の電池製造用装置を示す概略側面図である。同図に示すように、この電池製造用装置80が、上述の電池製造用装置70と相違しているところは、ロールツーロールにおける巻き解き装置71と巻き取り装置72との間に、塗布装置1及び熱乾燥装置73を、搬送方向に沿う三箇所に備えている点である。そして、これらの塗布装置1及び熱乾燥装置73の構成は、上述の電池製造用装置70における塗布装置1及び熱乾燥装置73の構成と同一であるので、両者70、80に共通する構成要件については同一符号を付してその説明を省略する。
[0093]
 この図20に示す電池製造用装置80によれば、基材ロール75から巻き解かれる長尺基材74は、長尺フィルム49上に負極集電体50が形成されたものである。そして、この長尺基材74は、横方向に搬送されている途中で、塗布装置1による液状材料の塗布と、その液状材料に対する熱乾燥装置73による乾燥作用とを、三回に亘って受ける。従って、搬送方向後方側(同図左側)の一番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、長尺基材74の負極集電体50上に負極活物質層51が形成され、二番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、負極活物質層51上に固体電解質層55が形成され、三番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、固体電解質層55上に正極活物質層54が形成される。
[0094]
 この場合、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50が長手方向に間欠的に形成されている場合には、図21に符号X1で示すように、第一番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、負極集電体50上に負極活物質層51が順々に形成され、その後、同図に符号X2で示すように、第二番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、負極活物質層51上に固体電解質層55が形成され、然る後、同図に符号X3で示すように、第三番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、固体電解質層55上に正極活物質層54が形成される。従って、この場合には、長尺フィルム49上に、各層50、51、55、54を有する積層部が、長手方向に間欠的に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。そして、この積層部形成物76がロール状に巻き取られることで、巻き取りロール77が得られる。
[0095]
 また、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50が長手方向に連続して形成されている場合には、図22に符号Y1で示すように、第一番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、連続する負極集電体50上に各負極活物質層51が順々に間欠的に形成されることが好ましい。その後、同図に符号Y2で示すように、第二番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、各負極活物質層51上に各固体電解質層55が形成され、然る後、同図に符号Y3で示すように、第三番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、各固体電解質層55上に各正極活物質層54が形成される。従って、この場合には、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と間欠的な各層51、55、54とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。
[0096]
 なお、長尺基材74が、長尺フィルム49上に負極集電体50が長手方向に連続的に形成されている場合には、図23に符号Z1で示すように、第一番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、連続する負極集電体50上に連続する負極活物質層51が形成されるようにしてもよい。その後、同図に符号Z2で示すように、第二番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、連続する負極活物質層51上に連続する固体電解質層55が形成され、然る後、同図に符号Z3で示すように、第三番目の塗布装置1及び熱乾燥装置73によって、連続する固体電解質層55上に連続する正極活物質層54が形成される。従って、この場合には、長尺フィルム49上に、連続する負極集電体50と連続する各層51、55、54とを有する積層部が、長手方向に形成されてなる積層部形成物76を得ることになる。
[0097]
 以上説明した電池製造用装置80は、搬送方向の三箇所で、塗布装置1及び熱乾燥装置73を使用したものであるが、搬送方向の一箇所または二箇所においては、スクリーン印刷やグラビア印刷等を行う装置あるいは他の構成を備えたインクジェット塗布装置と乾燥装置を使用してもよい。そして、この電池製造用装置80によって、長尺基材74上に、負極活物質層51と固体電解質層55と正極活物質層54とが形成された積層部形成物をロール状に巻き取った後は、さらにロールツーロール方式を採用するなどして、正極活物質層54上に正極集電体53を形成し、然る後、その得られた長尺物を所定長さ毎に切断することで、最終的に図5に示すような全固体リチウム電池を得る。
[0098]
 なお、以上の説明においても、負極集電体50及び負極活物質層51が、正極集電体53及び正極活物質層54であってもよく、且つ、正極集電体53及び正極活物質層54が、負極集電体50及び負極活物質層51であってもよい。
[0099]
 また、これ以外にも、次に示すような手法を採用することができる。すなわち、三箇所のうちの二箇所のみの塗布装置1及び熱乾燥装置73を使用するか又は二箇所のみに塗布装置1及び熱乾燥装置73を設置する。そして、長尺基材74を、長尺フィルム49上に負極集電体50と負極活物質層51とを形成した電極シートとしておき、この長尺基材74である電極シートが横方向に搬送されている途中で、二箇所の塗布装置1及び熱乾燥装置73を使用して、固体電解質層55と正極活物質層54とを形成し、巻き取りロール77を製作する。なお、この場合も、二箇所のうちの一箇所については、スクリーン印刷やグラビア印刷等を行う装置あるいは他の構成を備えたインクジェット塗布装置と乾燥装置を使用してもよい。
[0100]
 図24は、枚葉式(一枚ずつ処理する方式)を採用した電池製造用装置90の概略平面図である。同図に示すように、この電池製造用装置90は、ロボットハンド91を有するロボット92を備えている。そして、このロボット92の周囲には、積み重ねられた処理前のシート(基板)93を一枚ずつ取り出すための取り出し部94と、取り出されたシート93の負極集電体50上に負極活物質層51や固体電解質層55の形成材料である液状材料を塗布するインクジェット塗布部95と、シート93上の当該液状材料を乾燥させる熱乾燥部96と、これらの処理を終えたシート93を積み重ねて収納する収納部97とを有する。ロボットハンド91は、回転動、上下動、及び屈曲伸張動などが可能であって、その先端部には、図25に示すように、シート93を吸着保持するための複数個(図例では4個)の吸着パッド98が装着されている。従って、図24に示すように、ロボットハンド91は、取り出し部94と、インクジェット塗布部95と、熱乾燥部96と、収納部97とに対して、シート93を水平姿勢で吸着保持して搬出・搬入することが可能である。そして、ロボットハンド91の吸着パッド98は、負極集電体50やその上の層51、55と干渉しないようにしてシート93を吸着保持するようになっている。
[0101]
 インクジェット塗布部95は、シート93を載せて同図左右方向にスライド可能なテーブル99と、このテーブル99の移動経路の途中上方に定置設置された複数個(図例では二個)のインクジェットヘッド5とを有する。なお、このインクジェット塗布部95には、図示しないが既述の塗布装置1が配備されている、そして、このインクジェット塗布部95では、取り出し部94からロボットハンド91によって取り出されたシート93は、テーブル99上に載せられ、テーブル99が同図左側から右方向にスライドしていく途中で、シート93上の負極集電体50の上に、負極活物質層51や固体電解質層55さらには正極活物質層54の形成材料である液状材料を塗布する。この液状材料の塗布後においては、テーブル99が同図左方向にスライドし、ロボットハンド91がそのテーブル99上のシート93を吸着保持して熱乾燥部96の熱乾燥処理室100内に搬入する。なお、熱乾燥処理室100内には、図示しないが既述の熱乾燥装置73が配備されている。そして、熱乾燥処理室100で上記塗布された液状材料が乾燥することで、負極活物質層51や固体電解質層55さらには正極活物質層54が形成される。この後は、ロボットハンド91がシート93を吸着保持して熱乾燥処理室100から搬出した後、収納部97に積み重ねる。以上のような動作が繰り返し実行されることで、収納部97には、処理済みのシート93が多数枚積み重ねられた状態で収納される。なお、この場合においても、負極集電体50及び負極活物質層51は、正極集電体53及び正極活物質層54であってもよい。また、この電池製造用装置90では、熱乾燥部96で液状材料を乾燥させるようにしたが、これに代えてまたはこれと共に、減圧乾燥を行う減圧乾燥部を備えるようにしてもよい。さらに、この電池製造用装置90では、ロボットハンド81を使用しているが、他の方式の基板移載機を使用するようにしてもよい。
[0102]
 <第二実施形態>
 図26は、本発明の第二実施形態に係るインクジェット塗布装置(以下、単に「塗布装置」という)の全体構成を示す概略正面図である。この第二実施形態に係る塗布装置101が、上述の第一実施形態に係る塗布装置1と相違しているところは、帰還タンクを備えていないために液状材料の流通経路が非循環式となっている点である。従って、ポンプ21(第一実施形態では補助ポンプ21)によって圧送される液状材料を供給タンク3に供給する第一流路4は、元タンク20に直接通じており、且つ、供給タンク3からインクジェットヘッド5に液状材料を供給する第二流路6は、途中で二本に分岐してインクジェットヘッド5に至っている。なお、供給タンク3や元タンク20の詳細な構成並びに液状材料は、上述の第一実施形態と同一である。また、この塗布装置101は、既述の電池製造用装置70、80,90に対して、第一実施形態の場合と同様にして適用可能である。従って、この塗布装置101については、上述の第一実施形態に係る塗布装置1と共通する構成要件について同一符号を付してその説明を省略する。
[0103]
 なお、以上の実施形態では、負極活物質層51上に直接固体電解質層55を形成したが、負極活物質層51上に既述のセパレータを形成しておくことで、負極活物質層51上にセパレータを介して固体電解質層55を形成するようにしてもよい。また、以上の実施形態では、正極活物質層54上に直接固体電解質層55を形成したが、正極活物質層54上に既述のセパレータを形成しておくことで、正極活物質層54上にセパレータを介して固体電解質層55を形成するようにしてもよい。
[0104]
 また、以上の実施形態では、粒子が分散された液状材料として、電池の構成要素である正極活物質層54、固体電解質層55、負極活物質層51を形成するための液状材料としたが、これ以外に、例えば、積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの分野で使用可能なチタン酸バリウムやニッケル超微粉を含有したものや、半導体パッケージやプリント配線板などの分野で使用可能なシリカなどを含有した接着剤などであってもよい。そして、この場合の液状材料中の粒子の最大粒径も、既に述べた場合の液状材料中の粒子と同様に、1~10μmであることが好ましく、より好ましくはその下限値が3μm、より好ましくはその上限値が7μmである。
実施例 1
[0105]
 本発明の実施例は、供給タンク3に配備されているメッシュフィルタ40の性能を試験したものである。従って、本発明において、既述のメッシュフィルタ40を採用したのは、ここでの試験結果に由来している。
[0106]
 具体的には、上述の図1に示す塗布装置1の流通経路に、最大粒径が5μm程度である無機系粒子が分散された液状材料を、循環流量が60~100cc/minになるように供給して、その液状材料の循環状態と気泡を除去する効果とを試験した。その場合に、メッシュフィルタ40のメッシュ数を種々のものに変更した。なお、メッシュフィルタ40の線径は、0.03~0.09mmである。その試験結果を、下記の表1に示す。この表1中、符号「○」は極めて良好、符号「○△」は良好、符号「△」は略良好、符号「△×」は稍悪い、符号「×」は極めて悪い、ことを意味している。
[0107]
[表1]


[0108]
 上記の表1を参酌することで、メッシュ数(もしくはメッシュサイズ)が300メッシュから800メッシュが好ましく、300メッシュから600メッシュがより好ましいことを知見した。この知見に基づいて、本発明では、そのようなメッシュフィルタ40を採用することにした。なお、無機系粒子としては、最大粒径が3~7μmの範囲内にあれば、上記と略同一の結果が得られ、最大粒径が1~10μmの範囲内にあれば、上記と概ね同一の結果が得られた。

符号の説明

[0109]
1 インクジェット塗布装置
2 ポンプ
3 供給タンク
4 第一流路
5 インクジェットヘッド
6 第二流路
7 帰還タンク
8 第三流路
9 第四流路
15 帰還タンクの液面
17 負圧発生手段
19 第五流路
20 元タンク
23 攪拌手段
24 支持棒
25 羽根部材
27 マグネット
28 磁力
30 第一配管
31 供給タンクの液面
40 フィルタ(メッシュフィルタ)
40b メッシュフィルタの底部
46 ノズル面
47 ノズル穴
49 長尺フィルム
50 負極集電体
51 負極活物質層
53 正極集電体
54 正極活物質層
55 固体電解質層
60 メニスカス
70 電池製造用装置
73 熱乾燥装置
74 長尺基材
74a 塗布後部分
75 基材ロール
76 積層部形成物
80 電池製造用装置
90 電池製造用装置
101 インクジェット塗布装置

請求の範囲

[請求項1]
 粒子が分散された液状材料をインクジェットヘッドを用いて塗布するインクジェット塗布装置であって、
 ポンプによって圧送される液状材料を供給タンクに供給する第一流路と、前記供給タンク内の液状材料をインクジェットヘッドに供給する第二流路とを備えてなる液状材料の流通経路を有すると共に、
 前記供給タンク内に、前記ポンプによる圧送によって発生する液状材料中の気泡を通過させず且つ液状材料中の前記粒子を通過させるフィルタを配備したことを特徴とするインクジェット塗布装置。
[請求項2]
 前記第二流路を通じてインクジェットヘッドに供給された液状材料を帰還タンクに帰還させる第三流路と、前記帰還タンクから前記ポンプに液状材料を供給する第四流路とをさらに備えることで、液状材料の循環経路が構成されると共に、前記帰還タンクに負圧を作用させる負圧発生手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗布装置。
[請求項3]
 前記第一流路を構成する配管が前記供給タンクの内部空間の上下方向途中まで挿通され、前記供給タンクは、内径よりも内部空間の上下方向長さの方が長尺であると共に、前記配管の内径をd1とし且つ前記供給タンクの内径をd2とした場合に、d2/d1が、2~6となるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット塗布装置。
[請求項4]
 前記供給タンクの内径をd2とし且つ前記供給タンクの内部空間の上下方向長さをL1とした場合に、L1/d2が、4~12になるように設定されていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のインクジェット塗布装置。
[請求項5]
 前記供給タンクの内径をd2とし且つ前記供給タンクの内部空間における液状材料の液面高さをL2とした場合に、L2/d2が、1.5~9になるように設定されていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載のインクジェット塗布装置。
[請求項6]
 前記フィルタは、前記供給タンクの内部空間に収容されると共に、前記第一流路を通じて前記供給タンクに供給される前記液状材料がその内部に流入する円筒状のメッシュフィルタであって、
 前記液状材料中の気泡が前記円筒状のメッシュフィルタの内部から流出せず且つ前記液状材料中の前記粒子が前記円筒状のメッシュフィルタの内部から流出するように構成されていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のインクジェット塗布装置。
[請求項7]
 前記第一流路における前記ポンプと前記供給タンクとの間に下流端が接続された第五流路をさらに有し、該第五流路の上流端が、前記供給タンク及び帰還タンクよりも大容量の液状材料を貯留する元タンクに通じており、前記元タンクに、前記液状材料を攪拌する攪拌手段が設けられていることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のインクジェット塗布装置。
[請求項8]
 前記攪拌手段は、前記元タンクに接触しないように液状材料中に配置され且つ支持棒を介して吊り下げ支持された羽根部材を有し、前記羽根部材は、マグネットの磁力によって液状材料を攪拌するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット塗布装置。
[請求項9]
 前記インクジェットヘッドのノズル面に撥水処理が施されていることを特徴とする請求項1~8の何れかに記載のインクジェット塗布装置。
[請求項10]
 前記粒子は、負極活物質層と正極活物質層とのうちの負極または正極の集電体上に形成される一方の活物質層、または該活物質層上に形成される固体電解質層、もしくは該固体電解質層上に形成される負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層における層の原料に含まれる粒子であることを特徴とする請求項1~9の何れかに記載のインクジェット塗布装置。
[請求項11]
 請求項10に記載のインクジェット塗布装置を使用して、負極活物質層と正極活物質層とのうちの負極または正極の集電体上に形成される一方の活物質層、または該活物質層上に形成される固体電解質層、もしくは該固体電解質層上に形成される負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層を製作することを特徴とする電池製造用装置。
[請求項12]
 長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、請求項10に記載のインクジェット塗布装置によって前記集電体上に前記液状材料を塗布して乾燥させることで、負極活物質層または正極活物質層を形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物である電極シートをロール状に巻き取るように構成したことを特徴とする電池製造用装置。
[請求項13]
 長尺フィルム上に集電体が形成されると共に該集電体上に負極活物質層または正極活物質層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、請求項10に記載のインクジェット塗布装置によって前記活物質層上に前記液状材料を塗布して乾燥させることで、固体電解質層を形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記活物質層と前記固体電解質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成したことを特徴とする電池製造用装置。
[請求項14]
 長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成されると共に該集電体上に負極活物質層と正極活物質層とのうちの一方の活物質層が形成され且つ該活物質層上に固体電解質層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、請求項10に記載のインクジェット塗布装置によって前記固体電解質層上に前記液状材料を塗布して乾燥させることで、負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層を形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成したことを特徴とする電池製造用装置。
[請求項15]
 長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、前記集電体上に存する負極または正極の活物質層と、その活物質層上に存する固体電解質層とを形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記活物質層と前記固体電解質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成すると共に、前記活物質層と前記固体電解質層とのうちの少なくとも一つの層が、請求項10に記載のインクジェット塗布装置によって前記液状材料を塗布して乾燥させることで形成されることを特徴とする電池製造用装置。
[請求項16]
 長尺フィルム上に負極または正極の集電体が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、前記集電体上に存する負極活物質層と正極活物質層とのうちの一方の活物質層と、その活物質層上に存する固体電解質層と、その固体電解質層上に存する負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層とを形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成すると共に、前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とのうちの少なくとも一つの層が、請求項10に記載のインクジェット塗布装置によって前記液状材料を塗布して乾燥させることで形成されることを特徴とする電池製造用装置。
[請求項17]
 長尺フィルム上に集電体が形成されると共に該集電体上に負極活物質層または正極活物質層が形成された可撓性を有する長尺基材をロール状に巻回した基材ロールから、前記長尺基材を巻き解いて横方向に搬送している途中で、前記活物質層上に存する固体電解質層と、その固体電解質層上に存する負極活物質層と正極活物質層とのうちの他方の活物質層とを形成し、前記長尺フィルム上に前記集電体と前記一方の活物質層と前記固体電解質層と前記他方の活物質層とを有する積層部が形成された積層部形成物をロール状に巻き取るように構成すると共に、前記固体電解質層と前記他方の活物質層とうちの少なくとも一つの層が、請求項10に記載のインクジェット塗布装置によって前記液状材料を塗布して乾燥させることで形成されることを特徴とする電池製造用装置。

図面

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