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1. (WO2018185961) ロケット燃料用ポンプ
Document

明 細 書

発明の名称 ロケット燃料用ポンプ

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

産業上の利用可能性

0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2A   2B   2C  

明 細 書

発明の名称 : ロケット燃料用ポンプ

技術分野

[0001]
 本開示は、ロケット燃料用ポンプに関する。
 本願は、2017年4月3日に日本に出願された特願2017-73690号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 下記特許文献1には、ロケットエンジンが開示されている。このロケットエンジンは、タービンによって駆動される第1ポンプ及び第2ポンプ(ロケット燃料用ポンプ)で燃料(液体推進薬)を燃焼室に圧送する。上記燃料は、例えば液化メタン、液化天然ガス、液体酸素、液体水素などの極低温推進薬である。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特開2014-159769号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、上記ロケット燃料用ポンプでは、機械的な軸受を用いて回転軸をケーシングに回転自在に支持させる構造を備えるので、回転軸とケーシングとの間に燃料(流体)の漏洩経路が形成される。このロケット燃料用ポンプでは、回転軸とケーシングとの間にシール機構を設けることにより燃料(流体)の漏洩量を低減することは可能であるが、燃料(流体)の漏洩量をゼロにすることはできず、漏洩燃料を廃棄せざるを得ない。
[0005]
 使い捨てタイプのロケットエンジンでは、漏洩燃料を廃棄することに大きな問題はない。しかしながら、軌道上で長期間に亘って使用されるタイプのロケットエンジンでは、漏洩燃料の廃棄はエンジンの寿命に直接関わってくるので大きな問題となる。
[0006]
 本開示は、上述した事情に鑑みてなされ、ロケット燃料用ポンプの回転軸を介したロケット燃料の漏洩を防止することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本開示の第1の態様は、回転軸に装着された回転体を備え、駆動源によって回転体が回転駆動されることによってロケット燃料を圧送するロケット燃料用ポンプであって、回転軸と駆動源の駆動軸とを磁気的に連結する磁気継手を備える。

発明の効果

[0008]
 本開示によれば、回転軸と駆動源の駆動軸とを磁気的に連結する磁気継手を備えるので、回転軸を介したロケット燃料の漏洩を防止することが可能である。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本開示の一実施形態に係るロケット燃料用ポンプの全体構成を示す断面図である。
[図2A] 図1におけるA線断面図である。
[図2B] 図1におけるB線断面図である。
[図2C] 図1におけるC線断面図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。
 図1において、符号Pはポンプ、符号Tはタービン、また符号Rは磁気継手である。本実施形態に係るロケット燃料用ポンプは、ポンプP及び磁気継手Rから構成されており、駆動源であるタービンTによって回転駆動される。
[0011]
 ポンプPは、ロケット燃料を圧送する回転機械であり、図1に示すようにポンプ軸受ケーシング1、ポンプケーシング2、回転軸3、ポンプインペラ4及び2つのポンプ軸受5A,5Bを備えている。ポンプ軸受ケーシング1は、例えば鋳造物であり、内部に回転軸3及び2つのポンプ軸受5A,5Bを収容するための収容空間Sjが形成されている。この収容空間Sjは、中心軸を有する略円筒状の空間(円筒状空間)である。
[0012]
 ポンプケーシング2は、ポンプ軸受ケーシング1の一端(図1における左端。以下、「左端」と略称する)に固定されており、内部にポンプインペラ4を収容するための収容空間Siが形成されている。すなわち、このポンプケーシング2は、円筒状収容空間Sjの中心軸方向の一方側(図1における左側。以下、「左側」と略称する)に設けられている。上記収容空間Siは、収容空間Sjの一端(左端)に連通する空間であり、一方側(左側)の中心部にロケット燃料を吸い込む吸込口2aが形成されている。また、この収容空間Siには、中心軸に直交する方向に吐出口2bが形成されている。この吐出口2bは、ロケット燃料を吐出する開口であり、スクロール流路2cを介して収容空間Siに連通している。
[0013]
 回転軸3は、2つのポンプ軸受5A,5Bを介してポンプ軸受ケーシング1に支持されている。すなわち、この回転軸3は、回転中心軸Lpが収容空間Siの中心軸と同軸となるように2つのポンプ軸受5A,5Bを介して収容空間Sjに収容された所定長さの棒状部材である。この回転軸3は、2つのポンプ軸受5A,5Bを介してポンプ軸受ケーシング1に支持されているので、回転中心軸Lp周りに回転自在である。
[0014]
 この回転軸3には、図1に示すように空洞3aが形成されている。この空洞3aは、回転軸3の中心に回転中心軸Lpに沿って形成された所定長さの円筒状の孔であり、他端(図1における右端。以下、「右端」と略称する)が収容空間Sjに開口し、一端がポンプインペラ4の内側近傍において、後述する連絡孔3bを除き閉塞している。また、回転軸3には、上記空洞3aの一端に連通する連絡孔3bが形成されている。この連絡孔3bは、空洞3aと回転軸3の表面に形成された空間Srとを連通させる円筒状の孔であり、放射状に複数設けられている。また、上記空間Srは、回転軸3の表面と、回転軸3の一端(左端)に挿入されたポンプインペラ4の内面とによって囲まれた円環状の空間である。
[0015]
 ポンプインペラ4は、このような回転軸3の一端(左端)に固定された翼車(回転体)である。すなわち、ポンプインペラ4は、回転中心に形成された締結孔に回転軸3の一端が挿入されることにより回転軸3に固定されている。このポンプインペラ4は、回転軸3と共に回転中心軸Lp周りに回転することによって、吸込口2aから収容空間Siに流入したロケット燃料をスクロール流路2cに送り出す。
[0016]
 このポンプインペラ4には、連絡孔4aが形成されている。この連絡孔4aは、収容空間Siと空間Srとを連通させる円筒状の孔であり、上述した回転軸3の連絡孔3bと同様に放射状に複数設けられている。
[0017]
 2つのポンプ軸受5A,5Bは、回転軸3の回転中心軸Lpの延在方向に所定の距離を隔てて設けられており、固定系であるポンプ軸受ケーシング1に対して回転軸3を回転自在に支持する。このようなポンプ軸受5A,5Bは、例えばボールベアリングである。
[0018]
 磁気継手Rは、回転軸3とタービンT(駆動源)の駆動軸10とを磁気的に連結する連結機であり、従動継手部6及び駆動継手部7を備えている。従動継手部6は、従動側保持部材6a及び複数(8個)の従動側磁石6bを備える。従動側保持部材6aは、回転軸3の他端(右端)つまり回転軸3におけるポンプインペラ4の反対側に、回転中心軸Lpに直交する姿勢で固定された円板である。すなわち、この従動側保持部材6aは、回転軸3の回転中心軸Lpを中心とし、回転中心軸Lpの延在方向に所定の厚さを有する円板である。
[0019]
 この従動側保持部材6aには、図2Bに示すように、放射状に並ぶ各従動側磁石6bの間に冷却孔6cがそれぞれ形成されている。すなわち、従動側保持部材6aには、中心(回転中心軸Lp)周りに所定の角度ピッチ(45°ピッチ)で冷却孔6cが複数(8個)形成されている。
[0020]
 これら冷却孔6cは、図1及び図2A~図2Cに示すように、従動側保持部材6aにおいて対向する一対の円形面を連通する貫通孔であり、ロケット燃料の流通が自在である。すなわち、これら冷却孔6cは、ロケット燃料の流通によって隣接配置された各従動側磁石6bを強制冷却する磁石冷却流路である。
[0021]
 複数(8個)の従動側磁石6bは、このような従動側保持部材6aに設けられており、回転軸3の回転中心軸Lp、つまり従動側保持部材6aの中心周りに、図2Bに示すように所定の角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に設けられている。これら従動側磁石6bは、S極とN極とを有する永久磁石であり、円板状の従動側保持部材6aを介して回転軸3に固定されている。
[0022]
 また、これら従動側磁石6bは、S極の中心とN極の中心とを結ぶ仮想線分が、従動側保持部材6aの中心(回転中心軸Lp)から従動側保持部材6aの円形をなす周縁に向け上記角度ピッチ(45°ピッチ)で放射状に延びる仮想線分と重なる姿勢で、従動側保持部材6aに固定されている。なお、図2Bに示す従動側磁石6bでは、斜線を施した部位がN極であり、また白抜きの部位がS極である。
[0023]
 また、各従動側磁石6bは、図2Bに示すように、その軸方向に沿った両端の外径が中央部の外径よりも大きな変形円柱状であり、上記従動側保持部材6aに所定の角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に形成された複数(8個)の埋込孔にそれぞれ嵌入されている。すなわち、これら埋込孔は、従動側磁石6bの形状と略同一形状に形成されており、従動側磁石6bを固定状態に保持する。なお、このような従動側磁石6bを保持する従動側保持部材6aは、磁気抵抗が極力小さい材料、つまり従動側磁石6bが発する磁力線を透過し易い材料によって形成されている。
[0024]
 このように構成された従動継手部6は、図1に示すように、回転軸3及び2つのポンプ軸受5A,5Bと同様に収容空間Sjに収容されている。すなわち、磁気継手Rを構成する従動継手部6及び駆動継手部7のうち、従動継手部6は、ポンプ軸受ケーシング1の内部に収容されている。
[0025]
 一方、駆動継手部7は、駆動側保持部材7a、複数の主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dを備える。駆動側保持部材7aは、駆動軸10の一端(左端)つまり駆動軸10においてタービンディスク11の反対側に設けられた有底円筒状部材である。すなわち、この駆動側保持部材7aは、駆動軸10の一端(左端)に固定される底部7eと、底部7eに一端が連接する筒部7fを備える。上記底部7eは、駆動軸10の回転中心軸Ltを中心とする円板状の部位であり、上記筒部7fは、駆動軸10の回転中心軸Ltの延在方向に所定の長さを有する円筒状の部位である。
[0026]
 主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dは、このような駆動側保持部材7aに設けられた駆動側磁石であり、図2A~図2Cに示すように、駆動軸10の回転中心軸Lt周りに所定の角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に設けられている。これら主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dは、S極とN極とを有する永久磁石であり、駆動側保持部材7aを介して駆動軸10に固定されている。
[0027]
 これら主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dは、S極の中心とN極の中心とを結ぶ仮想線分が、駆動側保持部材7aの中心(回転中心軸Lt)から駆動側保持部材7aの円形をなす周縁に向け上記角度ピッチ(45°ピッチ)で放射状に延びる仮想線分と重なる姿勢で、駆動側保持部材7aの筒部7fに固定されている。なお、図2A~図2Cでは、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dのN極を斜線を施した部位として示し、S極を白抜きの部位として示している。
[0028]
 また、これら主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dは、図2A~図2Cに示すように、上述した従動側磁石6bと同様に、その軸方向に沿った両端の外径が中央部の外径よりも大きな変形円柱状であり、駆動側保持部材7aに所定の角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に形成された複数(8個)の埋込孔にそれぞれ嵌入されている。すなわち、これら埋込孔は、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dの形状と略同一形状に形成されており、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dを固定状態に保持する。
[0029]
 これら主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dのうち、主駆動側磁石7bは、図1に示すように従動側磁石6bと対峙するように、また図2Bに示すように従動側磁石6bと同様な角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に設けられている。
[0030]
 これに対して、副駆動側磁石7c,7dは、図1に示すように、回転中心軸Ltの延在方向において主駆動側磁石7bを挟むように設けられており、また図1及び図2A~図2Cに示すように主駆動側磁石7bとは逆の極性に姿勢設定されている。すなわち、副駆動側磁石7c,7dは、従動側磁石6bと同一極性となるように設けられている。
[0031]
 なお、このような主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dを保持する駆動側保持部材7aは、上述した従動側保持部材6aと同様に磁気抵抗が極力小さい材料によって形成されている。すなわち、駆動側保持部材7aは、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dが発する磁力線を透過し易い材料によって形成されている。
[0032]
 ところで、タービンTは、図1に示すように、タービン軸受ケーシング8、タービンケーシング9、駆動軸10、タービンディスク11及び2つのタービン軸受12A,12B等を備えている。タービン軸受ケーシング8は、ポンプ軸受ケーシング1と同様に例えば鋳造物であり、内部に駆動軸10及び2つのタービン軸受12A,12Bを収容するための収容空間Skが形成されている。この収容空間Skは、中心軸を有する略円筒状の空間(円筒状空間)である。
[0033]
 タービンケーシング9は、タービン軸受ケーシング8の他端に固定されており、内部にタービンディスク11を収容するための収容空間Stが形成されている。すなわち、このタービンケーシング9は、収容空間Stの中心軸方向の他方側(図1における右側)に設けられている。上記収容空間Stは、収容空間Skの右端に連通する空間である。この収容空間Stには、中心軸に直交する方向に供給口9aが形成されている。この供給口9aは、スクロール流路9bを介して収容空間Stに連通しており、高圧の駆動流体が供給される開口である。なお、図示しないが、タービンケーシング9の右中心部には、上記駆動流体を排気する排気口が形成されている。
[0034]
 駆動軸10は、2つのタービン軸受12A,12Bを介してタービン軸受ケーシング8に支持されている。すなわち、この駆動軸10は、回転中心軸Ltが収容空間Skの中心軸と同軸となるように2つのタービン軸受12A,12Bを介して収容空間Skに収容された所定長さの棒状部材である。この駆動軸10は、2つのタービン軸受12A,12Bを介してタービン軸受ケーシング8に支持されているので、回転中心軸Lt周りに回転自在である。
[0035]
 タービンディスク11は、このような駆動軸10の他端(右端)に装着された翼車である。すなわち、このタービンディスク11は、駆動軸10に支持されており、駆動軸10の回転中心軸Lt周りに回転する。このタービンディスク11は、スクロール流路9bから流入する駆動流体が噴き付けられることにより回転動力を発生する。
[0036]
 2つのタービン軸受12A,12Bは、駆動軸10の回転中心軸Ltの延在方向に所定の距離を隔てて設けられており、固定系であるタービン軸受12A,12Bに対して駆動軸10を回転自在に支持する。このようなタービン軸受12A,12Bは、例えばボールベアリングである。
[0037]
 次に、本実施形態に係るロケット燃料用ポンプの動作について詳しく説明する。
 ポンプPは、磁気継手Rを介することによってタービンT(駆動源)に磁気的に接続されている。すなわち、タービンTの回転動力は、磁気継手RによってポンプPの回転軸3に伝達され、回転軸3が上記回転動力によって駆動されることによりポンプインペラ4が回転する。
[0038]
 この結果、ロケット燃料は、吸込口2aから収容空間Siに流入し、ポンプインペラ4の表面からスクロール流路2cに送り出される。そして、ロケット燃料は、スクロール流路2cを経由して吐出口2bから燃焼室に供給される。 
[0039]
 ここで、磁気継手Rにおける動力伝達動作についてさらに詳しく説明すると、磁気継手Rでは、従動継手部6の従動側保持部材6aに所定の角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に設けられた複数(8個)の従動側磁石6bと、駆動継手部7の駆動側保持部材7aに同一の角度ピッチ(45°ピッチ)で円環状に設けられた複数(8個)の主駆動側磁石7bとが図2Bに示すように互いに異なる極性で各々対峙することにより、各々の駆動側保持部材7aと主駆動側磁石7bとの間に磁気的な引力が作用する。
[0040]
 この結果として、従動側保持部材6a(回転軸3)は、駆動軸10の回転つまり駆動側保持部材7aの回転に伴って、連動(従動)して回転する。すなわち、ポンプPでは、回転軸3がタービンTの駆動軸10に対して同期回転することによってポンプインペラ4が回転し、以ってロケット燃料を燃焼室に向けて吐出する。
[0041]
 このようなロケット燃料用ポンプによれば、回転軸3を駆動軸10に磁気的に連結することによってタービンT(駆動源)の回転動力を回転軸3に非接触で伝達する磁気継手Rを備えるので、回転軸3を介したロケット燃料(流体)の漏洩を確実に防止することが可能である。
[0042]
 また、磁気継手Rには、回転中心軸Lp,Ltの延在方向において主駆動側磁石7bの一方側に隣接するように副駆動側磁石7cが設けられ、また主駆動側磁石7bの他方側に隣接するように副駆動側磁石7dが設けられている。このように主駆動側磁石7bを挟むように設けられた副駆動側磁石7c,7dは、主駆動側磁石7bとは逆の極性、つまり従動継手部6の従動側磁石6bと同一極性となるように設けられているので、従動側磁石6bと副駆動側磁石7cとの間及び従動側磁石6bと副駆動側磁石7dとの間には磁気的な斥力が作用する。 
[0043]
 この斥力によって、回転軸3の、回転中心軸Lpの延在方向における変位が規制される。すなわち、従動側磁石6bと副駆動側磁石7c、7dとは、回転軸3に作用するスラスト力に抗して回転軸3の変位を抑制するスラスト軸受として機能する。したがって、本実施形態に係るロケット燃料用ポンプによれば、このような磁気的な斥力を利用したスラスト軸受を備えるので、回転軸3に作用するスラスト力に対して回転軸3(ポンプインペラ4)を安定して回転させることができる。
[0044]
 また、吸込口2aから収容空間Siに流入したロケット燃料は、ポンプインペラ4の回転によってポンプインペラ4の表面からスクロール流路2cに送り出されるが、その一部は、ポンプインペラ4の背面に存在する隙間を経由して収容空間Sjに流れ込み、さらに収容空間Sjから空洞3a、連絡孔3b、空間Sr及び連絡孔4aを経由してポンプインペラ4の表面、つまり収容空間Siに戻る。
[0045]
 すなわち、本実施形態におけるポンプPは、ロケット燃料がポンプ軸受5A,5Bを経由して流れる軸受冷却流路を備える。したがって、このようなポンプPによれば、回転軸3の回転に伴って発熱するポンプ軸受5A,5Bをロケット燃料によって効果的に冷却することが可能である。また、これによって、回転軸3(ポンプインペラ4)を安定して回転させることができる。
[0046]
 さらに、従動側磁石6bは主に主駆動側磁石7bとの磁気的な相互作用によって発熱するが、従動継手部6の従動側保持部材6aには、複数の冷却孔6c(磁石冷却流路)が形成されている。この冷却孔6cにロケット燃料が流通することによって、冷却孔6cの近傍に設けられた従動側磁石6bが冷却される。したがって、本実施形態に係るロケット燃料用ポンプによれば、従動継手部6を効果的に冷却することが可能である。
[0047]
 なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、所定の角度ピッチ(45°)で合計8個の従動側磁石6b、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dを設けたが、本開示はこれに限定されない。従動側磁石6b、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dの個数(極数)は、例えば2個(角度ピッチ=180°)以上であれば幾つでもよい。
[0048]
(2)また、上記実施形態では、従動側磁石6bの個数(極数)と駆動側磁石(主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7d)の個数(極数)とを同一としたが、本開示はこれに限定されない。例えば駆動側磁石の個数(極数)を従動側磁石6bの個数(極数)よりも多くしても良い。
[0049]
(3)上記実施形態では、従動側磁石6b及び駆動側磁石(主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7d)を、両端の外径が中央部の外径よりも大きな変形円柱状としたが、本開示はこれに限定されない。従動側磁石6b及び駆動側磁石(主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7d)には回転に伴う遠心力が回転軸3の半径方向及び駆動軸10の半径方向に作用するが、上記変形円柱状は、遠心力が作用する従動側磁石6b及び駆動側磁石(主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7d)を埋込孔でより確実に保持させるための工夫であり、別の形状であっても良い。例えば、回転中心軸Lp,Ltに近い側の外径が回転中心軸Lp,Ltに遠い側の外径よりも大きい変形円錐状あるいは変形円柱であっても良い。
[0050]
(4)上記実施形態では、回転軸3(従動側磁石6b)に対してスラスト軸受として機能する副駆動側磁石7c、7dを設けたが、本開示はこれに限定されない。必要に応じて副駆動側磁石7c、7dを削除しても良い。
[0051]
(5)上記実施形態では、駆動源をタービンTとしたが、本開示はこれに限定されない。タービンTに代えて他の動力源、例えば電動機を用いても良い。 
[0052]
(6)上記実施形態では、従動側磁石6b、主駆動側磁石7b及び副駆動側磁石7c,7dを永久磁石としたが、本開示はこれに限定されない。永久磁石に代えて電磁石を採用し、スリップリング等を用いてあるいは非接触給電によって駆動電流を通電しても良い。

産業上の利用可能性

[0053]
 本開示によれば、ロケット燃料用ポンプの回転軸を介したロケット燃料の漏洩を防止することができる。

符号の説明

[0054]
 P ポンプ
 T タービン
 R 磁気継手
 1 ポンプ軸受ケーシング
 2 ポンプケーシング
 2a 吸込口
 2b 吐出口
 3 回転軸
 3a 空洞
 3b 連絡孔
 4 ポンプインペラ
 4a 連絡孔
 5A,5B ポンプ軸受
 6 従動継手部
 6a 従動側保持部材
 6b 従動側磁石
 6c 冷却孔
 7 駆動継手部
 7a 駆動側保持部材
 7b 主駆動側磁石(駆動側磁石)
 7c,7d 副駆動側磁石(駆動側磁石)
 7e 底部
 7f 筒部
 8 タービン軸受ケーシング
 9 タービンケーシング
 10 駆動軸
 11 タービンディスク
 12A,12B タービン軸受

請求の範囲

[請求項1]
 回転軸に装着された回転体を備え、駆動源によって前記回転体が回転駆動されることによってロケット燃料を圧送するロケット燃料用ポンプであって、
 前記回転軸と前記駆動源の駆動軸とを磁気的に連結する磁気継手を備えるロケット燃料用ポンプ。
[請求項2]
 前記磁気継手が、前記回転軸に設けられた従動側磁石と、前記駆動源の駆動軸に設けられた駆動側磁石とを備え、
 前記従動側磁石及び前記駆動側磁石が永久磁石である請求項1に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項3]
 前記従動側磁石が、前記回転軸の回転中心軸周りに所定の角度ピッチで円環状に設けられ、
 前記駆動側磁石が、前記従動側磁石と対峙するように、かつ、前記従動側磁石と同様な角度ピッチで円環状に設けられる請求項2に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項4]
 前記駆動側磁石が、前記回転軸の半径方向において前記従動側磁石に対向する主駆動側磁石と、前記回転軸の延在方向において前記主駆動側磁石を挟むように配置され、前記従動側磁石と同一極性の副駆動側磁石とを備える請求項2に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項5]
 前記駆動側磁石が、前記回転軸の半径方向において前記従動側磁石に対向する主駆動側磁石と、前記回転軸の延在方向において前記主駆動側磁石を挟むように配置され、前記従動側磁石と同一極性の副駆動側磁石とを備える請求項3に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項6]
 前記従動側磁石を前記ロケット燃料によって強制冷却する磁石冷却流路を備える請求項2に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項7]
 前記従動側磁石を前記ロケット燃料によって強制冷却する磁石冷却流路を備える請求項3に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項8]
 前記従動側磁石を前記ロケット燃料によって強制冷却する磁石冷却流路を備える請求項4に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項9]
 前記従動側磁石を前記ロケット燃料によって強制冷却する磁石冷却流路を備える請求項5に記載のロケット燃料用ポンプ。
[請求項10]
 前記ロケット燃料が前記回転軸を支持する軸受を経由して流れる軸受冷却流路を備える請求項1~9のいずれか一項に記載のロケット燃料用ポンプ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]