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1. (WO2018185832) 情報処理装置
Document

明 細 書

発明の名称 情報処理装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078  

符号の説明

0079  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 情報処理装置

技術分野

[0001]
 本発明は、プラズマ発生装置の複数の電極に供給される電流の指標値を監視する情報処理装置に関する。

背景技術

[0002]
 プラズマ発生装置では、反応室に処理ガスが供給され、反応室に配設された複数の電極に電力が供給される。これにより、反応室において、放電が生じ、処理ガスがプラズマ化される。このため、プラズマ発生装置の複数の電極に供給される電流の指標値を監視することで、プラズマ発生装置によるプラズマ処理を適切に実行することが可能となる。下記特許文献には、そのようなプラズマ発生装置の一例が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2003-173973号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 プラズマ発生装置の複数の電極に供給される電流の指標値を監視することで、プラズマ発生装置によるプラズマ処理を適切に実行することが可能となる。このため、プラズマ発生装置の複数の電極に供給される電流の指標値を適切に監視することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 上記課題を解決するために、本明細書は、複数の電極間での放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置の前記複数の電極に供給される電流を指標する指標値を継時的に取得する取得部と、前記取得部により取得された前記指標値が設定条件を満たすか否かを判断する判断部と、前記判断部により前記指標値が前記設定条件を満たさないと判断された回数に基づいて、所定の情報を報知する報知部とを有する制御装置を備える情報処理装置を開示する。

発明の効果

[0006]
 本開示によれば、電流の指標値が設定条件を満たさないと判断された回数に基づいて、所定の情報が報知される。これにより、電極への供給電流の指標値を適切に監視することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 大気圧プラズマ発生装置を示す斜視図である。
[図2] 大気圧プラズマ発生装置の下端部を示す斜視図である。
[図3] 大気圧プラズマ発生装置の要部を示す断面図である。
[図4] 第1実施例の制御装置を示すブロック図である。
[図5] 正常時の電極への供給電流の波形を示す概略図である。
[図6] プラズマ処理能力低下時の電極への供給電流の波形を示す概略図である。
[図7] プラズマ処理能力低下時の電極への供給電流の波形を示す概略図である。
[図8] プラズマ照射により色が変化するインジケータへのプラズマ照射条件と、色差との関係を示す図である。
[図9] 第2実施例の制御装置を示すブロック図である。
[図10] プラズマ処理能力低下時の電極への供給電流の波形を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
[0009]
 (A)第1実施例
 (a)大気圧プラズマ発生装置の構成
 図1乃至図3に、大気圧プラズマ発生装置10を示す。大気圧プラズマ発生装置10は、大気圧下でプラズマを発生させるための装置であり、プラズマガス噴出装置12と加熱ガス噴出装置14と制御装置(図4参照)16とを備えている。なお、図1は、斜め上方からの視点における大気圧プラズマ発生装置10全体の斜視図である。図2は、斜め下方からの視点における大気圧プラズマ発生装置10の下端部の斜視図である。図3は、大気圧プラズマ発生装置10の要部の断面図である。また、大気圧プラズマ発生装置10の幅方向をX方向と、大気圧プラズマ発生装置10の奥行方向をY方向と、X方向とY方向とに直行する方向、つまり、上下方向をZ方向と称する。
[0010]
 プラズマガス噴出装置12は、ハウジング20、カバー22、1対の電極24,26によって構成されている。ハウジング20は、メインハウジング30、放熱板31、アース板32、下部ハウジング34、ノズルブロック36を含む。メインハウジング30は、概してブロック状をなし、メインハウジング30の内部には、反応室38が形成されている。また、メインハウジング30には、上下方向に延びるように、複数の第1ガス流路(図3では1本の第1ガス流路のみが記されている)50が形成されており、複数の第1ガス流路50は、X方向に所定の間隔をおいて並んでいる。各第1ガス流路50の上端部は、反応室38に開口し、下端部は、メインハウジング30の底面に開口している。
[0011]
 放熱板31は、メインハウジング30のY方向における一方側の側面に配設されている。放熱板31は、複数のフィン(図示省略)を有しており、メインハウジング30の熱を放熱する。また、アース板32は、避雷針として機能するものであり、メインハウジング30の下面に固定されている。アース板32には、複数の第1ガス流路50に対応して、上下方向に貫通する複数の貫通穴56が形成されており、各貫通穴56は、対応する第1ガス流路50に連結されている。
[0012]
 下部ハウジング34は、ブロック状をなし、アース板32の下面に固定されている。下部ハウジング34には、複数の貫通穴56に対応して、複数の第2ガス流路62が上下方向に延びるように形成されている。各第2ガス流路62の上端部は、対応する貫通穴56に連結され、下端部は、下部ハウジング34の底面に開口している。
[0013]
 ノズルブロック36は、下部ハウジング34の下面に固定されており、下部ハウジング34の複数の第2ガス流路62に対応して、複数の第3ガス流路66が、上下方向に延びるように形成されている。各第3ガス流路66の上端部は、対応する第2ガス流路62に連結され、下端部は、ノズルブロック36の底面に開口している。
[0014]
 カバー22は、概して枡形をなし、下部ハウジング34およびノズルブロック36を覆うように、アース板32の下面に配設されている。カバー22の下面には、貫通穴70が形成されている。その貫通穴70は、ノズルブロック36の下面より大きく、ノズルブロック36の下面が、貫通穴70の内部に位置している。また、カバー22の加熱ガス噴出装置14側の側面にも、Y方向に延びるように貫通穴72が形成されている。
[0015]
 1対の電極24,26は、メインハウジング30の反応室38の内部において、対向するように配設されている。その反応室38には、処理ガス供給装置(図4参照)74が接続されている。処理ガス供給装置74は、窒素等の不活性ガスと酸素等の活性ガスとの少なくとも一方を、処理ガスとして供給する装置である。これにより、反応室38に、処理ガスが供給される。
[0016]
 また、加熱ガス噴出装置14は、保護カバー80、ガス管82、ヒータ83、連結ブロック84を含む。保護カバー80は、プラズマガス噴出装置12の放熱板31を覆うように配設されている。ガス管82は、保護カバー80の内部において、上下方向に延びるように配設されており、ガス管82には、加熱用ガス供給装置(図4参照)86が接続されている。加熱用ガス供給装置86は、酸素等の活性ガス、若しくは、窒素等の不活性ガスを供給する装置である。また、ガス管82の外周面には、概して円筒状のヒータ83が配設されており、ガス管82がヒータ83によって加熱される。これにより、加熱用ガス供給装置86からガス管82に供給されたガスが加熱される。
[0017]
 連結ブロック84は、ガス管82の下端に連結されるとともに、カバー22のY方向での加熱ガス噴出装置14側の側面に固定されている。連結ブロック84には、概してL字型に屈曲した連通路88が形成されており、連通路88の一端部は、連結ブロック84の上面に開口するとともに、連通路88の他端部は、Y方向でのプラズマガス噴出装置12側の側面に開口している。そして、連通路88の一端部がガス管82に連通し、連通路88の他端部が、カバー22の貫通穴72に連通している。
[0018]
 また、制御装置16は、図4に示すように、コントローラ100と複数の駆動回路102と制御回路104とを備えている。複数の駆動回路102は、上記電極24,26、処理ガス供給装置74、ヒータ83、加熱用ガス供給装置86に接続されている。コントローラ100は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路102に接続されている。これにより、プラズマガス噴出装置12、加熱ガス噴出装置14の作動が、コントローラ100によって制御される。また、コントローラ100は、制御回路104を介して、表示装置106に接続されている。これにより、コントローラ100の指令に従って、表示装置106に画像が表示される。さらに、コントローラ100は、入力装置107に接続されている。入力装置107は、操作ボタンなどにより構成されており、操作ボタンへの操作による操作情報を出力する。これにより、操作ボタンへの操作による操作情報が、コントローラ100に入力される。
[0019]
 なお、プラズマガス噴出装置12は、トランス(図示省略)を有しており、電源から供給される200ボルトの電力が、トランスにより15kボルトまで昇圧され、昇圧された電力が電極24,26に供給される。また、制御装置16は、電源からトランスに供給される電流、つまり、トランス一次電流を検出する検出センサ108を有しており、その検出センサ108はコントローラ100に接続されている。これにより、検出センサ108による検出値、つまり、電極24,26に供給されるトランス一時電流がコントローラ100に入力される。
[0020]
 さらに、コントローラ100には、PC110が接続されている。PC110は、表示装置112と記憶装置114とを含んでおり、コントローラ100から送信される情報に基づく画像を表示装置112に表示し、コントローラ100から送信される情報を記憶装置114に記憶する。
[0021]
 (b)大気圧プラズマ発生装置によるプラズマ処理
 大気圧プラズマ発生装置10において、プラズマガス噴出装置12では、上述した構成により、反応室38の内部で処理ガスがプラズマ化され、ノズルブロック36の第3ガス流路66の下端からプラズマガスが噴出される。また、加熱ガス噴出装置14により加熱されたガスがカバー22の内部に供給される。そして、カバー22の貫通穴70から、プラズマガスが、加熱されたガスとともに噴出され、被処理体がプラズマ処理される。
[0022]
 詳しくは、プラズマガス噴出装置12では、処理ガス供給装置74によって処理ガスが反応室38に供給される。その際、反応室38では、1対の電極24,26に電力が供給されており、1対の電極24,26間に電流が流れる。これにより、1対の電極24,26間に放電が生じ、その放電により、処理ガスがプラズマ化される。反応室38で発生したプラズマは、第1ガス流路50内を下方に向かって流れ、貫通穴56を介して、第2ガス流路62に流れ込む。そして、プラズマガスは、第2ガス流路62および、第3ガス流路66内を下方に向かって流れる。これにより、第3ガス流路66の下端から、プラズマガスが噴出される。
[0023]
 また、加熱ガス噴出装置14では、加熱用ガス供給装置86によってガスがガス管82に供給され、そのガス管82が、ヒータ83により加熱される。これにより、ガス管82に供給されているガスが600℃~800℃に加熱される。その加熱されたガスは、連結ブロック84の連通路88を介して、カバー22の貫通穴72からカバー22の内部に流入する。そして、カバー22内に流入した加熱ガスは、カバー22の貫通穴70から噴出される。この際、ノズルブロック36の第3ガス流路66の下端から噴出されるプラズマガスが、加熱ガスによって保護される。これにより、適切にプラズマ処理を行うことが可能となる。
[0024]
 詳しくは、プラズマ処理時には、プラズマガスを噴出する噴出口から所定の距離、離れた位置に被処理体が載置され、その被処理体に噴出口からプラズマガスが噴出される。つまり、プラズマ処理時において、プラズマガスは空気中に噴出され、空気中に噴出されたプラズマガスが被処理体に照射される。この際、プラズマガスは、空気中において、酸素等の活性ガスと反応し、オゾンが発生する。このため、プラズマガスは失活し、適切にプラズマ処理を行うことができない虞がある。
[0025]
 そこで、大気圧プラズマ発生装置10では、加熱ガス噴出装置14により加熱されたガスが、カバー22の内部に噴出され、カバー22の貫通穴70から噴出される。この際、ノズルブロック36の下端から噴出されるプラズマガスが、加熱ガスによって保護される。加熱ガスは、ガス管82において600℃~800℃まで加熱されているため、貫通穴70から噴出される加熱ガスは、250℃以上となっている。オゾンは、200℃以上で分解されるため、加熱ガスに覆われたプラズマガスのオゾン化が防止される。これにより、プラズマガスの失活が防止され、適切にプラズマ処理を行うことが可能となる。
[0026]
 また、200℃以上の加熱ガスが、プラズマガスとともに、被処理体に向かって噴出されるため、加熱ガスによって被処理体が加熱され、その加熱された被処理体にプラズマ処理が行われる。これにより、被処理体の反応性が向上し、効果的にプラズマ処理を行うことが可能となる。
[0027]
 (c)大気圧プラズマ発生装置によるプラズマ処理能力の低下を報知
 上述したように、大気圧プラズマ発生装置10では、1対の電極24,26の間に電流が流れ、放電が生じることでプラズマガスが発生し、そのプラズマガスが、加熱ガスとともに、カバー22の貫通穴70から噴出されることで、プラズマ処理が実行される。ただし、1対の電極24,26の間に電流が流され、放電が生じることで、電極24,26は劣化する。また、1対の電極24,26の間だけでなく、反応室38を区画する内壁面に沿って放電が生じる場合もある。このため、反応室38を区画する内壁面も劣化する。そして、電極24,26などが劣化すると、プラズマ処理能力が低下する虞があり、電極24,26などの劣化が進むと、放電すら生じなくなる虞がある。このため、従来の大気圧プラズマ発生装置では、装置の稼働時間をタイマで管理し、所定の時間毎に、電極24,26などのメンテナンス,交換等を行っていた。
[0028]
 しかしながら、稼働時間をタイマで管理し、所定の時間毎に行われる電極24,26などのメンテナンス,交換等は、無駄が多い。詳しくは、ユーザの使用頻度,プラズマ処理の被処理体の材質,プラズマ処理時の温度等に応じて、電極24,26などの劣化速度は異なる。一方で、交換などの目安となる所定の時間は、一般的に、短めに設定される。このため、劣化があまり進んでおらず、プラズマ処理能力があまり低下していないにも拘らず、電極24,26のメンテナンス,交換等が行われる場合があり、無駄である。
[0029]
 このため、プラズマ処理能力が実際に低下しているか否かを検知することが考えられる。具体的には、1対の電極24,26に供給される電力を指標する指標値、例えば、検出センサ108により検出される電流値に基づいて、1対の電極24,26に0.1秒連続して、電流が流れない状態が発生するか否かを検出する。電極24,26に、0.1秒連続して、電極24,26に電流が流れない場合には、0.1秒間連続して、放電が生じず、プラズマは発生しない。また、0.1秒連続して電流が流れない場合には、その0.1秒以外の間に、0.1秒未満の電流が流れない状態が何回も発生する。つまり、1秒のうちの0.1秒、つまり、1割に相当する時間、連続して放電が生じない場合には、その0.1秒以外の間に、0.1秒未満の放電が生じない状態が多く発生する。
[0030]
 このため、通常のプラズマ処理能力が発揮される際において、1秒間に何千回もの放電が生じるが、0.1秒連続して電流が流れない場合には、通常のプラズマ処理能力の1割減でなく、3~5割減のプラズマ処理能力しか発揮されない。このことから、電極24,26に0.1秒連続して電流が流れない場合には、プラズマ処理能力が実際に相当低下していると推定される。そこで、電極24,26に0.1秒連続して、電流が流れない状態が発生した場合に、エラー表示等が行われ、作業者により電極24,26の交換等が行われる。
[0031]
 しかしながら、このようにプラズマ処理能力が大幅に低下したタイミングで、エラー表示された場合には、以降の作業を一旦停止し、電極24,26の交換などを行う必要があり、以降の作業予定が大幅にズレてしまう。このため、このようにプラズマ処理能力が大幅に低下する前に、低下の予兆を知ることが望ましく、低下の予兆を知ることで、作業予定等を調整することが可能となる。
[0032]
 そこで、大気圧プラズマ発生装置10では、プラズマ処理能力が大幅に低下する前に、低下の予兆が報知される。具体的には、電極24,26に供給される電流が、検出センサ108によって検出され、その電流のうちの1周期毎の極大値、つまり、振幅が検出される。この際、電極24,26などに劣化が生じていない場合に、電極24,26に供給される電流は、図5に示すように変化し、電流波形は周期的に変化し、電流の振幅はおおむね一定となる。一方で、何らかの要因により、図6に示すように、電流波形に欠けが生じ、振幅が瞬間的に極端に低下する場合がある。このように振幅が瞬間的に低下した場合に、放電が瞬間的に発生しなくなるが、放電の停止は瞬間的であるため、プラズマ処理能力に殆ど影響しない。
[0033]
 また、電極24,26に供給される電流波形が、図7に示すように、全体的に増減し、ゆらぐ場合がある。つまり、電極24,26に供給される電流の極大値が増減し、極大値にバラツキが生じる場合がある。このような場合には、放電状態にバラツキが生じるが、プラズマは発生するため、プラズマ処理能力に然程、影響しない。
[0034]
 しかしながら、電流の極大値の瞬間的な低下,バラツキが複数回、発生し、それら複数回発生した電流の極大値の瞬間的な低下が連続することで、上述したように、0.1秒の連続して電力が流れない状態となる。つまり、電流の極大値の瞬間的な低下,バラツキが、プラズマ処理能力の低下の予兆と考えられる。そこで、大気圧プラズマ発生装置10では、検出センサ108により検出される電流の1周期毎の極大値が監視されている。この際、通常時の電流の1周期毎の極大値(以下、「平均極大値」と記載する)Xが特定される。平均極大値Xは、電極24,26に劣化等が発生していない場合の通常時の電流の1周期毎の極大値の平均値とされる。
[0035]
 そして、平均極大値Xが特定されると、電流の1周期毎の極大値が検出される毎に、検出された極大値(以下、「検出極大値」記載する)と平均極大値Xとが比較され、検出極大値が、平均極大値Xを中心値とする所定の範囲(例えば、X±0.3X)(以下、「平均極大値範囲」と記載する)内であるか否かが判定される。そして、検出極大値が平均極大値範囲外であると判定されると、波形不良回数が1カウントアップされる。
[0036]
 なお、波形不良回数は、1分間、累積的にカウントアップされ、単位時間(1分)当たりに、検出極大値が平均極大値範囲外であると判定された回数となる。そして、累積的に1分間カウントアップされる波形不良回数は、検出極大値と平均極大値範囲とが比較される毎に、シフトする。つまり、波形不良回数が1分間カウントアップされた後に、検出極大値と平均極大値範囲とが比較されると、その検出極大値と平均極大値範囲との比較結果が波形不良回数に加えられ、1分前の検出極大値と平均極大値範囲との比較結果が波形不良回数から削除される。これにより、検出極大値と平均極大値範囲とが比較された際の波形不良回数は、その比較のタイミングから1分遡った間に、検出極大値が平均極大値範囲外であると判定された回数となる。
[0037]
 そして、検出極大値と平均極大値範囲とが比較される毎に、波形不良回数が設定数未満であるか否かが判定される。そして、波形不良回数が設定数以上となった場合に、プラズマ処理能力の低下の予兆があると判断され、プラズマ処理能力の低下の予兆を示す画面(以下、「予兆告知画面」と記載する)が表示装置106に表示される。なお、設定数は、入力装置107への操作により作業者によって設定される。ただし、作業者は、設定数を何回に設定すれば、プラズマ処理能力の低下の予兆を見極められるかを、知らない。このため、適切な設定数を見つけるべく、作業者は、設定数の設定と、実際のプラズマ処理能力の測定とを繰り返して行う。
[0038]
 具体的には、作業者が設定数として、まず、少なめの数、例えば、50回を設定する。つまり、設定数を50回に設定した場合には、1分間に50回、電流波形に欠け等が発生すると、予兆告知画面が表示装置106に表示される。そして、表示装置106に予兆告知画面が表示されると、作業者は、その予兆告知画面が表示された際に実行されていたプラズマ処理による被処理物を、接触角計等を用いて測定する。
[0039]
 詳しくは、プラズマ処理による被処理物では、プラズマの照射によって濡れ性等の物性が変化する。被処理体の濡れ性は、被処理体表面の接触角に応じて変化する物性であり、接触角計により被処理体の接触角を測定することで、被処理体の濡れ性を評価することができる。このため、接触角計により被処理体の接触角を測定することで、プラズマ処理が適切に実行されているか否かを判断することができる。つまり、プラズマ処理能力の低下の有無を判断することができる。
[0040]
 また、作業者は、被処理体の接触角を、ダインペンを用いて測定することも可能である。このため、ダインペンにより被処理体の接触角を測定することで、プラズマ処理能力の低下の有無を判断することもできる。
[0041]
 さらに言えば、近年、プラズマの照射により光学的特性が変化するインジケータが開発されており、そのインジケータを用いることで、プラズマ処理が適切に実行されているか否かを判断することができる。インジケータは、プラズマの照射により色が変化するものであり、公知のものであるため、以下に簡略的に説明する。
[0042]
 プラズマの照射により色が変化するインジケータでは、例えば、窒素酸化物によって得られる水素イオンと反応することにより変化する組成物を含む粘性流体、アゾ系等の染料と窒素含有高分子とカチオン系界面活性剤とにより構成される組成物を含む粘性流体等によって、シートの表面に薄膜層が形成されている。これにより、プラズマの照射により変色する薄膜層を含むインジケータが形成される。なお、プラズマの照射により色が変化するインジケータの詳細は、特開2013-178922号公報、特開2013-95765号公報、特開2013-98196号公報、特開2013-95764号公報、特開2015-13982号公報、特開2015-205995号公報等に記載されている。
[0043]
 上記インジケータは、プラズマの照射により色が変化するため、プラズマ照射後のインジケータと、プラズマが照射されていないインジケータとの色差に基づいて、プラズマ処理が適切に実行されているか否かが判断される。具体的には、色差計において、プラズマが照射されていないインジケータ、つまり、未処理のインジケータの色に関する指標値が色見本として設定されている。色に関する指標値は、Lab色空間における明度L*、色相と彩度を示す色度a*、b*が採用されている。そして、被処理体にプラズマ処理が実行される際に、インジケータが被処理体の近傍に設置され、被処理体とともに、インジケータにもプラズマが照射される。プラズマの照射が完了すると、被処理体とともにプラズマ照射されたインジケータが色差計により測定され、プラズマ照射されたインジケータと、未処理のインジケータとの色差ΔE*abが演算される。
[0044]
 プラズマ照射条件1~6でプラズマ照射されたインジケータの色差ΔE*abと、未処理のインジケータの色差ΔE*abとを示すグラフを、図8に示す。ここで、未処理のインジケータの色差ΔE*abは、当然、0となる。また、プラズマの照射条件において、条件を示す数字が大きいほど、プラズマの照射量は多くされている。つまり、条件を示す数字が大きいほど、プラズマの照射距離は短く、プラズマの照射時間は長くされている。
[0045]
 そして、プラズマの照射条件1~6のうちの照射条件2及び3が、最適のプラズマ照射条件とされている。つまり、色差ΔE*abは、4~6程度が最適な値とされている。このため、色差ΔE*abが4未満である場合は、プラズマ照射が足らず、色差ΔE*abが6以上である場合には、プラズマ照射が多すぎると判定される。プラズマ照射が足らない場合には、当然、プラズマ処理が適切に実行されておらず、プラズマ処理能力が低下していると判断される。
[0046]
 また、プラズマ照射が多すぎる場合にも、プラズマ処理が適切に実行されていないと判断される。これは、被処理体が樹脂素材である場合に被処理体がプラズマ照射により脆弱となるためである。詳しくは、プラズマ処理時において、過剰にプラズマが照射されると、被処理体の接触角は低くなり、適切にプラズマ処理が実行されたと判断される場合がある。ただし、被処理体が樹脂素材であると、過剰なプラズマ照射により、被処理体中の高分子樹脂が分断され、低分子化するため、被処理体が脆弱となる。このように脆弱となった被処理体では、接触角が低くても、製品として好ましくないため、プラズマ照射が多すぎる場合にも、プラズマ処理が適切に実行されていないと判断される。このように、インジケータを用いることで、過剰なプラズマ照射による被処理体の脆弱化を抑制することが可能となり、適切なプラズマ処理を担保することが可能となる。
[0047]
 そして、上述する手順によって、被処理体に対して適切なプラズマ処理が行われていると判断された場合には、ユーザにより設定された設定数(50回)は、少なすぎると想定される。そこで、ユーザは、先に設定された設定数(50回)より多い数、例えば、100回を設定数として再設定する。これにより、1分間に100回、電流波形に欠け等が発生すると、プラズマ処理能力の低下の予兆が旨の画像が表示装置106に表示される。そして、表示装置106に予兆告知画面が表示されると、作業者は、その予兆告知画面が表示された際に実行されていたプラズマ処理による被処理物を、上記手順に従ってプラズマ処理の適否を判断する。
[0048]
 この際、再度、被処理体に対して適切なプラズマ処理が行われていると判断された場合には、作業者は、先に設定された設定数(100回)より多い数を、設定数として再設定する。このように、設定数の設定と、プラズマ処理能力の測定とが繰り返し実行されると、プラズマの処理能力を示す測定値は徐々に低下する。つまり、例えば、被処理体の接触角が、徐々に高くなり、色差ΔE*abが徐々に5から離れた数値となる。なお、作業者が、設定数を再設定する際に、先に設定されていた設定数より相当多い設定数を再設定すると、プラズマの処理能力を示す測定値が極端に低下する虞がある。このため、作業者が、設定数を再設定する際に、先に設定されていた設定数より、ある程度多い設定数を再設定することが好ましい。
[0049]
 そして、設定数の設定と、プラズマ処理能力の測定とが繰り返し実行され、プラズマの処理能力を示す測定値が徐々に低下した際の設定数が、プラズマ処理能力の低下の予兆を見極めることが可能な設定数(以下、「第1設定数」と記載する)として特定される。なお、第1設定数が特定される際のプラズマの処理能力を示す測定値(以下、「第1測定値」と記載する)は、適切にプラズマ処理を行うことができないと判断される際の測定値に至っておらず、プラズマ処理を適切に行うことが可能な許容範囲内の値とされている。このように、第1設定数を設定することで、プラズマ処理能力が通常時より著しく低下する前に、予兆告知画面を表示装置106に表示することが可能となる。これにより、作業者は、プラズマ処理能力の低下の予兆を適切に認識することが可能となり、作業予定等を調整することが可能となる。
[0050]
 なお、第1測定値を、適切にプラズマ処理を行うことができないと判断される際の測定値に近い値とすることで、適切なプラズマ処理を実行可能な範囲での最終的な段階で、プラズマ処理能力の低下の予兆を知ることが可能となる。また、第1測定値を、適切にプラズマ処理を行うことができないと判断される際の測定値から大きく離れた値とすることで、プラズマ処理能力の低下の初期段階で、プラズマ処理能力の低下の予兆を知ることが可能となる。このように、大気圧プラズマ発生装置10では、作業者が第1測定値を任意に特定することで、プラズマ処理能力の低下の種々の段階の予兆を認識することが可能となる。
[0051]
 また、第1設定数が特定された後も、設定数の設定と、プラズマ処理能力の測定とを繰り返し実行することで、プラズマ処理能力の低下の程度を知ることが可能となる。詳しくは、第1設定数が特定された後に、設定数の設定と、プラズマ処理能力の測定とが繰り返し実行されることで、プラズマの処理能力を示す測定値が更に低下する。そこで、プラズマの処理能力を示す測定値が、適切なプラズマ処理が実行されていないと判断される際の測定値に至るまで、設定数の設定と、プラズマ処理能力の測定とが繰り返し実行される。そして、設定数と、プラズマの処理能力を示す測定値との関係に基づいて、単位時間当たりの波形不良回数と、プラズマの処理能力を示す測定値との関係を数式化する。これにより、単位時間当たりの波形不良回数に応じたプラズマ処理能力の低下の程度を適切に推定することが可能となり、プラズマ処理能力の低下の予兆を適切に認識することが可能となる。
[0052]
 なお、大気圧プラズマ発生装置10では、検出センサ108により電流の極大値が検出される毎に、その電流の極大値と、単位時間当たりの波形不良回数とが表示装置106に表示される。これにより、作業者は、その電流の極大値と、単位時間当たりの波形不良回数とを認識することで、表示装置106に予兆告知画面が表示される前においても、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理能力をある程度、推定することが可能となる。
[0053]
 また、大気圧プラズマ発生装置10において、検出センサ108により電流の極大値が検出される毎に、その電流の極大値と、単位時間当たりの波形不良回数とが、大気圧プラズマ発生装置10からPC110に送信される。そして、PC110では、受信した電流の極大値と、単位時間当たりの波形不良回数とが表示装置112に表示される。これにより、例えば、工場の管理者なども、大気圧プラズマ発生装置10の電流の極大値と、単位時間当たりの波形不良回数とを認識することで、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理能力をある程度、推定することが可能となる。また、PC110では、受信した電流の極大値と、単位時間当たりの波形不良回数とが記憶装置114に記憶される。これにより、大気圧プラズマ発生装置10における電極24,26への供給電流の変化と、単位時間当たりの波形不良回数との関係を分析し、プラズマ処理能力の低下の予兆に役立てることが可能となる。
[0054]
 なお、大気圧プラズマ発生装置10のコントローラ100は、図4に示すように、取得部120と、判断部122と、カウント部124と、表示部126と、出力部128とを有している。取得部120は、電極24,26に供給される電流を指標する指標値として、電流の1周期毎の極大値、つまり、振幅を継時的に取得するための機能部である。判断部122は、電流の極大値が設定条件を満たすか否かを判断するための機能部、つまり、検出極大値が平均極大値範囲内であるか否かを判断するための機能部である。カウント部124は、電流の極大値が設定条件を満たさないと判断された回数をカウントするための機能部、つまり、検出極大値が平均極大値範囲外であると判定された回数をカウントするための機能部である。表示部126は、カウント部124によりカウントされたカウント数、つまり、波形不良回数が設定数以上となった場合に、予兆告知画面を表示装置106に表示するための機能部である。出力部128は、電流の極大値と波形不良回数とをPC110に出力するための機能部である。
[0055]
 ちなみに、上記第1実施例において、大気圧プラズマ発生装置10は、プラズマ発生装置の一例である。制御装置16は、制御装置及び情報処理装置の一例である。電極24,26は、電極の一例である。入力装置107は、操作受付部の一例である。PC110は、外部装置の一例である。取得部120は、取得部の一例である。判断部122は、判断部の一例である。カウント部124は、カウント部の一例である。表示部126は、報知部の一例である。出力部128は、出力部の一例である。
[0056]
 (B)第2実施例
 第1実施例の大気圧プラズマ発生装置10では、作業者が、設定数の設定と、プラズマ処理能力の測定とを繰り返し実行し、第1設定数を特定した後に、その第1設定数を入力装置107により設定することで、予兆告知画面が適切なタイミングで表示装置106に表示される。一方、第2実施例の大気圧プラズマ発生装置10では、制御装置16の作動により第1設定数が設定されることで、予兆告知画面が適切なタイミングで表示装置106に表示される。なお、第2実施例の大気圧プラズマ発生装置10は、記憶装置およびインターフェースを除いて、第1実施例の大気圧プラズマ発生装置10と同じである。このため、記憶装置およびインターフェースについて説明し、他の構成要素について説明を省略し、第1実施例の構成要素の符号を用いる。
[0057]
 第2実施例の大気圧プラズマ発生装置10では、図9に示すように、制御装置16が、インターフェース150と記憶装置151とを備えている。インターフェース150は、プラズマ照射により変化する物性を測定する測定装置を接続するためのものであり、接触角計152と色差計154とが接続されている。なお、接触角計152及び色差計154は、第1実施例で説明したものと同じである。そして、インターフェース150は、コントローラ100に接続されており、接触角計152及び色差計154による測定値が、コントローラ100に入力される。また、記憶装置151は、第1設定数の特定に用いられる各種情報を記憶するものであり、コントローラ100に接続されている。これにより、第1設定数の特定に用いられる各種情報が、コントローラ100に入力され、コントローラ100において、第1設定数が特定される。
[0058]
 このような構造において、第2実施例の大気圧プラズマ発生装置10では、接触角計152及び色差計154による測定値,作業者による入力装置107への入力情報に基づいて、プラズマ処理能力の低下の予兆が推定され、第1設定数が設定される。そして、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、予兆告知画面が表示装置106に表示される。
[0059]
 具体的には、第2実施例においても、第1実施例と同様に、電極24,26に流れる電流が検出センサ108により検出されており、検出センサ108により電流の極大値が検出される毎に、検出極大値が平均極大値範囲内であるか否かが判定される。そして、検出極大値が平均極大値範囲外であると判定されると、波形不良回数が1カウントアップされる。つまり、第2実施例においても、第1実施例と同様に、単位時間(1分)当たりの波形不良回数がカウントされている。なお、カウントされた波形不良回数は、カウントされた日時とともに、大気圧プラズマ発生装置10の動作履歴として記憶装置151に記憶される。また、検出極大値も、検出センサ108により検出される毎に、検出された日時とともに、大気圧プラズマ発生装置10の動作履歴として記憶装置151に記憶される。
[0060]
 また、第2実施例では、作業者が、任意のタイミングで被処理体のプラズマ処理能力の測定を行う。つまり、大気圧プラズマ発生装置10によってプラズマ照射された被処理体の接触角を、接触角計152によって測定する。また、大気圧プラズマ発生装置10によって被処理体とともにプラズマ照射されたインジケータの色差ΔE*abを、色差計154によって測定する。ちなみに、接触角計152による被処理体の接触角の測定および、色差計154によるインジケータの色差ΔE*abの測定手法は、第1実施例と同じであるため、説明を省略する。
[0061]
 なお、第1実施例では、接触角計152等の測定値に基づいて、作業者が、プラズマ処理能力の低下を推定しているが、第2実施例では、接触角計152および色差計154が、制御装置16のインターフェース150に接続されている。このため、接触角計152および色差計154の測定値が、制御装置16のコントローラ100に入力される。そして、接触角計152および色差計154の測定値(以下、「入力測定値」と記載する)が、測定日時とともに、記憶装置151に記憶される。この際、入力測定値は、先に記憶されている大気圧プラズマ発生装置10の動作履歴に含まれる日時と入力測定値に含まれる日時とが所定の範囲内で一致するように、動作履歴と関連付けて、記憶装置151に記憶される。
[0062]
 また、入力測定値がコントローラ100に入力されると、コントローラ100は、その入力測定値に基づいて、プラズマ処理能力が推定される。詳しくは、接触角計152と色差計154との各々の測定値に応じた閾値が、記憶装置151に記憶されている。各測定値の閾値は、適切にプラズマ処理を行うことができないと判断される際の測定値に至っておらず、プラズマ処理を適切に行うことが可能な許容範囲内の値に設定されている。そして、コントローラ100は、入力測定値が閾値に至っているか否かを判断する。
[0063]
 この際、入力測定値が閾値に至っていない場合は、大気圧プラズマ発生装置10の処理能力は適切であると推定される。一方、入力測定値が閾値に至っている場合は、大気圧プラズマ発生装置10の処理能力は許容範囲内であるが、低下していると推定される。このため、入力測定値が閾値に至っている場合に、その入力測定値と関連付けて記憶されている動作履歴の波形不良回数が、第1設定数として登録される。つまり、大気圧プラズマ発生装置10の処理能力が低下していると推定されるプラズマ処理時の波形不良回数が、第1設定数として記憶装置151に記憶される。そして、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、表示装置106に予兆告知画面が表示される。
[0064]
 このように、大気圧プラズマ発生装置10では、波形不良回数が、処理能力が低下していると想定される際の第1設定数以上となった場合に、表示装置106に予兆告知画面が表示される。つまり、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、電極24,26への電力供給状態が、処理能力が低下していると想定される際の電力供給状態になっていると判断され、予兆告知画面が表示される。これにより、作業者は、プラズマ処理能力の低下の予兆を適切に認識することが可能となり、作業予定等を調整することが可能となる。
[0065]
 なお、第1測定値の特定時に用いられる閾値を、適切にプラズマ処理を行うことができないと判断される際の測定値に近い値とすることで、適切なプラズマ処理を実行可能な範囲での最終的な段階で、プラズマ処理能力の低下の予兆を知ることが可能となる。また、第1測定値の特定時に用いられる閾値を、適切にプラズマ処理を行うことができないと判断される際の測定値から大きく離れた値とすることで、プラズマ処理能力の低下の初期段階で、プラズマ処理能力の低下の予兆を知ることが可能となる。このように、第2実施例においても、閾値を調整することで、プラズマ処理能力の低下の種々の段階の予兆を認識することが可能となる。
[0066]
 また、第2実施例では、入力測定値に基づいて第1測定値が登録されるだけでなく、作業者の入力装置107への入力情報に基づいて第1測定値が登録される。詳しくは、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理は、一般的に、被処理体の表面処理の前処理として行われる。被処理体の表面処理としては、被処理体の表面への接着処理,塗装処理,コーティング処理などである。つまり、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理の完了した被処理体に対して、後処理として、被処理体の表面への接着処理,塗装処理,コーティング処理等が行われる。
[0067]
 このため、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理の完了した被処理体に対して、コーティング処理などの後処理が実行される。そして、コーティング処理などの後処理が実行された後に、被処理体の品質が確認される。この際、被処理体の品質に問題が無ければ、前処理としてのプラズマ処理が適切に実行されていると推定される。一方、被処理体の品質に問題がある場合には、前処理としてのプラズマ処理が適切に実行されていないと推定される。
[0068]
 そこで、コーティング処理などの後処理が実行された後の被処理体の品質に問題がある場合に、作業者は、その被処理体へのプラズマ処理が実行された日時を、入力情報として入力装置107に入力する。これにより、入力情報がコントローラ100に入力され、コントローラ100は、入力情報に含まれるプラズマ処理の実行日時を特定する。さらに、コントローラ100は、記憶装置151に記憶されている動作履歴を参照し、特定した日時と所定の範囲内の日時を含む動作履歴を抽出する。そして、その動作履歴に含まれる波形不良回数が、第1設定数として登録される。つまり、プラズマ処理の後処理の結果が良好でない場合に、前処理として実行されたプラズマ処理能力が低下していると推定され、そのプラズマ処理時の波形不良回数が、第1設定数として登録される。そして、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、表示装置106に予兆告知画面が表示される。
[0069]
 このように、大気圧プラズマ発生装置10では、プラズマ処理後に後処理が実行された被処理体の品質が良好でない場合の波形不良回数が、第1設定数として登録される。そして、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、表示装置106に予兆告知画面が表示される。つまり、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、電極24,26への電力供給状態が、プラズマ処理能力の低下により後処理を適切に実行できない場合の電力供給状態になっていると判断され、予兆告知画面が表示される。これにより、作業者は、プラズマ処理の後処理をも考慮して、プラズマ処理能力の低下の予兆を認識することが可能となる。
[0070]
 なお、作業者は、プラズマ処理の後処理の結果だけでなく、別の手法によりプラズマ処理の能力低下を予想し、プラズマ処理の能力低下が予想された場合に、入力情報を入力装置107に入力することが可能である。具体的には、例えば、作業者が、ダインペンを用いて、プラズマ処理の完了した被処理体の接触角を測定する。この際、接触角が予め想定されている角度より高い場合に、プラズマ処理能力が低下していると推定される。このため、作業者は、その被処理体へのプラズマ処理が実行された日時を、入力情報として入力装置107に入力する。これにより、第1設定数が登録され、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、表示装置106に予兆告知画面が表示される。
[0071]
 なお、大気圧プラズマ発生装置10では、入力測定値が動作履歴と関連付けて記憶装置151に記憶される毎に、それら入力測定値と動作履歴とが表示装置106に表示される。これにより、作業者は、接触角計152等の測定値と、動作履歴に含まれる電流の極大値および単位時間当たりの波形不良回数とを認識することで、表示装置106に予兆告知画面が表示される前においても、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理能力をある程度、推定することが可能となる。
[0072]
 また、大気圧プラズマ発生装置10において、入力測定値が動作履歴と関連付けて記憶装置151に記憶される毎に、それら入力測定値と動作履歴とが、大気圧プラズマ発生装置10からPC110に送信される。そして、PC110では、受信した入力測定値と動作履歴とが表示装置112に表示される。これにより、例えば、工場の管理者なども、接触角計152等の測定値と、動作履歴に含まれる電流の極大値および単位時間当たりの波形不良回数とを認識することで、大気圧プラズマ発生装置10によるプラズマ処理能力をある程度、推定することが可能となる。
[0073]
 また、PC110では、受信した入力測定値と動作履歴とが記憶装置114に記憶される。これにより、大気圧プラズマ発生装置10における電極24,26への供給電流の変化と、単位時間当たりの波形不良回数と、接触角計152等の測定値との関係を分析し、プラズマ処理能力の低下の予兆に役立てることが可能となる。具体的には、例えば、PC110において、接触角計152等の測定値、つまり、プラズマの処理能力を示す測定値と、波形不良回数との関係を数式化することが可能である。このように数式化されたプラズマの処理能力を示す測定値と、波形不良回数との関係用いることで、波形不良回数に応じたプラズマ処理能力の低下の程度を適切に推定し、プラズマ処理能力の低下の予兆を適切に認識することが可能となる。
[0074]
 なお、大気圧プラズマ発生装置10のコントローラ100は、図9に示すように、取得部160と、演算部162と、記憶部164と、状態判断部166と、表示部168と、出力部170とを備えている。また、演算部162は、条件判断部172を有している。取得部160は、電極24,26に供給される電流を指標する指標値として、電流の1周期毎の極大値、つまり、振幅を継時的に取得するための機能部である。条件判断部172は、電流の極大値が設定条件を満たすか否かを判断するための機能部、つまり、検出極大値が平均極大値範囲内であるか否かを判断するための機能部である。演算部162は、条件判断部172により判断された回数をカウントし、波形不良回数を演算するための機能部である。記憶部164は、所定のタイミング、つまり、入力測定値が閾値に至っていると判断された場合、若しくは、入力装置107に入力情報が入力された場合の波形不良回数を、第1設定数として記憶装置151に記憶するための機能部である。状態判断部166は、波形不良回数と第1設定数とに基づいて、電極24,26への電力供給状態が、プラズマ処理能力が低下している際の電力供給状態になっているか否かを判断するための機能部である。表示部168は、電極24,26への電力供給状態が、プラズマ処理能力が低下している際の電力供給状態になっている場合に、予兆告知画面を表示装置106に表示するための機能部である。出力部170は、入力測定値と動作履歴とをPC110に出力するための機能部である。
[0075]
 なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、検出センサ108により検出される電流の極大値、つまり、振幅に基づいて、波形不良回数がカウントされているが、供給電力量に基づいて、波形不良回数がカウントされてもよい。つまり、例えば、図10に示すように、検出センサ108により検出される電流が変化している場合に、その電流波形の積分値、つまり、面積(図での斜線部)が、供給電力量となる。このため、1周期毎の供給電力量が監視され、供給電力量が設定範囲を超えた場合、例えば、図10では、供給電力量が極端に低下した場合に、波形不良回数が1カウントアップされる。このように、電流の極大値の代わりに、供給電力量を採用しても、適切に波形不良回数をカウントすることが可能となる。なお、電極24,26に供給される電流だけでなく、電極24,26に供給される電圧に基づいて、波形不良回数をカウントしてもよい。
[0076]
 また、上記実施例では、大気圧プラズマ発生装置10のプラズマ処理能力の低下を推定するための処理が、制御装置16において実行されているが、PC110などの情報処理装置で実行してもよい。このような場合に、本発明の情報処理装置はPC110となる。
[0077]
 また、上記実施例では、プラズマ照射により変化する物性を測定する装置として、接触角計,色差計が採用されているが、プラズマ照射により変化する物性を測定可能な装置であれば、種々の測定装置を採用することが可能である。例えば、被処理体の表面自由エネルギーを測定可能な装置を採用することが可能である。
[0078]
 また、上記実施例では、第1設定数のみが設定され、波形不良回数が第1設定数以上となった場合に、予兆告知画面が表示されるが、複数の設定数を設定してもよい。このように、複数の設定数が設定される場合には、波形不良回数が各設定数以上となる毎に、異なる告知画面が表示される。これにより、プラズマ処理の低下を多段階的に報知することが可能となる。なお、報知の手法としては、画面の表示に限られず、音声,ランプの点灯,用紙への印刷等、種々の手法を採用することが可能である。

符号の説明

[0079]
 10:大気圧プラズマ発生装置(プラズマ発生装置)  16:制御装置(情報処理装置)  24:電極  26:電極  107:入力装置(操作受付部)  110:PC(外部装置)  120:取得部  122:判断部  124:カウント部  126:表示部  128:出力部

請求の範囲

[請求項1]
 複数の電極間での放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生装置の前記複数の電極に供給される電流を指標する指標値を継時的に取得する取得部と、
 前記取得部により取得された前記指標値が設定条件を満たすか否かを判断する判断部と、
 前記判断部により前記指標値が前記設定条件を満たさないと判断された回数に基づいて、所定の情報を報知する報知部と
 を有する制御装置を備える情報処理装置。
[請求項2]
 前記制御装置が、
 前記判断部により前記指標値が前記設定条件を満たさないと判断された回数をカウントするカウント部を有し、
 前記報知部は、
 前記カウント部によりカウントされたカウント数が設定数以上となった場合に、前記所定の情報を報知する請求項1に記載の情報処理装置。
[請求項3]
 前記カウント部が、
 前記判断部により前記指標値が前記設定条件を満たさないと判断された単位時間当たりの回数をカウントする請求項2に記載の情報処理装置。
[請求項4]
 前記情報処理装置が、
 ユーザ操作による前記設定数の入力を受け付ける操作受付部を有する請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
[請求項5]
 前記指標値が、前記複数の電極に供給される電流の振幅と供給電力量との少なくとも一方である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
[請求項6]
 前記制御装置が、
 前記指標値を外部装置に出力する出力部を有する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]