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1. (WO2018181948) 空気供給システム
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明 細 書

発明の名称 空気供給システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 空気供給システム

技術分野

[0001]
 本発明は、車両のサービスブレーキを作動及び解除するブレーキ機構に対して空気の供給及び空気の排出を行う空気供給システムに関する。

背景技術

[0002]
 トラック等の車両には、圧縮空気を動力源とする空気圧ブレーキシステムが設けられている。空気圧ブレーキシステムは、サービスブレーキ(フットブレーキ)を作動及び解除するブレーキ機構と、パーキングブレーキを作動及び解除するブレーキ機構と、コンプレッサに貯留された圧縮空気を各ブレーキ機構に供給する空気供給システムとを備えている。最近では、電子制御ユニットによって制御される空気供給システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
 また、空気供給システムに異常が生じた場合に、その異常が生じた空気供給システムに替わってブレーキ機構に空気を供給する保安用の空気供給システムも提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2007-326516号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかし、上記のように空気供給システムを2重化したとしても、それらの空気供給システムの両方に異常が発生したときのブレーキ制御までは考慮されておらず、空気圧ブレーキシステムの保安機能としてはなお改善の余地を残すものとなっている。
[0006]
 本発明の目的は、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることのできる空気供給システムを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 一態様では、空気供給システムは、車両のサービスブレーキを空気圧で作動及び解除するブレーキ機構を備える空気供給システムであって、前記ブレーキ機構に空気圧の供給及び排出を行う空気供給部と、前記空気供給部に替わって、前記ブレーキ機構に強制的に空気圧を供給する強制ブレーキ部であって、前記空気供給システムに異常があることを条件に連通状態になる電磁弁である第1弁と、パーキングブレーキの解除に応じて連通状態になる第2弁とが直列していて、前記異常があること及び前記パーキングブレーキの解除を条件に前記空気供給部に替わる強制ブレーキ部とを備え、前記強制ブレーキ部は、前記第1弁の動作状態を検出する検出器と、前記パーキングブレーキが解除されていないため前記第2弁が遮断されているとき、前記第1弁を操作して前記検出器に検出された動作状態を取得する取得部とを備える。
[0008]
 空気供給システムに強制ブレーキ部を設けたとしても、この強制ブレーキ部は、空気供給システムに何らかの異常が発生しないと作動しない。また、強制ブレーキ部を作動させるためにはパーキングブレーキが解除されている必要もある。一方、パーキングブレーキを解除した状態ではいつでも運転が可能であるため、当該状態において自動の故障診断等で強制ブレーキ部を作動させて強制ブレーキをかけることは適切とは言えない。この点、このような構成によれば、パーキングブレーキが解除されていない状態で、強制ブレーキ用の空気圧を供給する第1弁を作動させて、そのときの第1弁の動作状態を検出器によって取得する。これにより、第1弁の動作を検証することができるようになり、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることができる。
[0009]
 一実施形態では、前記検出器は、前記第1弁及び前記第2弁との間の空気圧を前記第1弁の動作状態として検出し、前記取得部は、前記検出器に検出される空気圧が所定範囲内の値であれば前記第1弁が正常であると判断し、前記検出器に検出される空気圧が前記所定範囲外の値であれば前記第1弁が異常であると判断してもよい。
[0010]
 このような構成によれば、第1弁の動作異常を検出器から取得した空気圧と所定範囲との比較に基づき判断することができる。具体的には、パーキングブレーキが解除されていない状態で、強制ブレーキ用の空気圧を供給する第1弁を作動させ、第2弁の手前の空気圧の変化を検出器で検出する。これにより、第1弁の動作を検証することができるようになり、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることができる。
[0011]
 一実施形態では、前記検出器は、前記第1弁及び前記第2弁との間の空気圧を前記第1弁の動作状態として検出してもよく、前記取得部は、前記検出器に検出される圧力の時間当たり変化量が所定の範囲内の変化量であれば前記第1弁が正常であると判断し、前記検出器に検出される圧力の時間当たり変化量が前記所定の範囲外の変化量であれば前記第1弁が異常であると判断してもよい。
[0012]
 このような構成によれば、第1弁の動作異常を圧力検出部から取得した値の単位時間当たりの変化量に基づいて判断することができる。
 一実施形態では、前記強制ブレーキ部と空気タンクとの間には開閉弁が設けられていてもよい。
[0013]
 このような構成によれば、異常時、すなわち、パーキングブレーキが解除されれば強制ブレーキが作動する時であっても、パーキングブレーキを作動させた後に開閉弁を閉鎖してから再びパーキングブレーキを解除することで、再度の強制ブレーキの作動を抑制することができる。これにより、強制ブレーキが作動する条件下の車両であっても牽引等によって移動させることが可能になる。
[0014]
 一実施形態では、前記強制ブレーキ部は、前記強制ブレーキ部に異常があるとき、又は、前記空気供給部に異常があるときに、前記空気供給システムに異常があるものとしてもよい。
[0015]
 このような構成によれば、強制ブレーキ部は、自身に異常があるとき、又は、空気供給部に異常があることを条件に動作する。つまり、必要とされたときに確実に作動する。
 一実施形態では、前記空気供給部は、第1空気供給部と、前記第1空気供給部に替わって、前記ブレーキ機構に空気圧の供給及び排出を行うことができる第2空気供給部とで構成されてよく、前記第1空気供給部の異常にはそれを制御する第1制御装置の異常が含まれ、前記第2空気供給部の異常にはそれを制御する第2制御装置の異常が含まれ、前記強制ブレーキ部の異常にはそれを制御する第3制御装置の異常が含まれていてもよい。
[0016]
 このような構成によれば、各空気供給部を制御する制御装置に異常が生じるようなときであっても、それらの異常に基づいて強制ブレーキ部への動作切り替えが行われる。各制御装置は自己診断で異常を検出してもよいし、相互監視によって他の制御装置の異常を検出するようにしてもよい。
[0017]
 一実施形態では、前記取得部は、前記第3制御装置に設けられていてもよい。
 このような構成によれば、第3制御装置に取得部が設けられることによって取得結果の第3制御装置等での利用が容易になる。
[0018]
 一実施形態では、前記空気供給部では、空気圧がブレーキペダルの操作量に応じて調整され、前記強制ブレーキ部では、空気圧が所定の強制ブレーキ圧に設定されていてもよい。
[0019]
 このような構成によれば、強制ブレーキ部は適切な減速度で車両を強制停止させることができる。

発明の効果

[0020]
 本発明によれば、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 空気供給システムの一実施形態について、当該空気供給システムが各々搭載された車両が形成する隊列を示す模式図。
[図2] 同実施形態の空気圧ブレーキシステムのブロック図。
[図3] 同実施形態の空気供給システムの概略構成であって、制御装置が通常状態、かつ、パーキングブレーキが作動した状態を示す回路図。
[図4] 同実施形態の空気供給システムの概略構成であって、制御装置が通常状態、かつ、パーキングブレーキが解除された状態を示す回路図。
[図5] 同実施形態の空気供給システムの概略構成であって、強制ブレーキモジュールで強制ブレーキが作動した状態を示す回路図。
[図6] 同実施形態の空気供給システムの概略構成であって、強制ブレーキモジュールで強制ブレーキを解除させるときの状態を示す回路図。
[図7] 同実施形態の空気供給システムの概略構成であって、強制ブレーキモジュールで強制ブレーキを解除したときの状態を示す回路図。

発明を実施するための形態

[0022]
 以下、図1~図7を参照して、空気供給システムを、隊列走行を行う車両の空気圧ブレーキシステムに適用した一実施形態について説明する。空気圧ブレーキシステムは、パーキングブレーキとサービスブレーキとを作動及び解除する。
[0023]
 図1を参照して、隊列走行について説明する。隊列走行においては、荷台が一体に設けられたトラック(カーゴ車両)等の車両100によって隊列が形成される。隊列を形成する車両100には、運転者により運転される先頭車両100aと、無人の後続車両100bとが含まれる。車両100は、隊列走行を制御する第3制御装置としてのマスタECU(電子制御装置:Electronic Control Unit)10をそれぞれ備える。先頭車両100aのマスタECU10と、各後続車両100bのマスタECU10とは、無線通信によって各種情報を互いに送受信し、一定の車間距離を維持しながら走行する。先頭車両100aは、運転者のブレーキ操作に基づきブレーキを作動し、後続車両100bは、直前を走行中の車両100が減速したときに当該車両100に追従してブレーキを作動させる。なお、先頭車両100aは運転者により運転操作される車両であるため、先頭車両100aの空気圧ブレーキシステムと後続車両100bの空気圧ブレーキシステムとは同じ構成である必要は無いが、同一の構成であってもよい。本実施形態では、先頭車両100aの空気圧ブレーキシステム及び後続車両100bの空気圧ブレーキシステムは同一の構成とする。また、図1では、3台の車両100によって隊列を形成したが、隊列を形成する車両100の数は複数であればよい。
[0024]
 次に、図2を参照して、車両100のブレーキシステムの概略構成について説明する。車両100は、ブレーキ機構としてのブレーキチャンバ50と、第1空気供給部としての第1ブレーキモジュール11と、第2空気供給部としての第2ブレーキモジュール12と、強制ブレーキ部を構成する強制ブレーキモジュール13とを備えている。本実施形態では、空気供給部は、第1ブレーキモジュール11と第2ブレーキモジュール12とから構成されている。ブレーキチャンバ50は、車両100の車輪毎に設けられる。また、第1ブレーキモジュール11は、車両100の1又は複数の車輪毎に設けられる。また、第2ブレーキモジュール12は、車両100の1又は複数の車輪毎に設けられる。また、強制ブレーキモジュール13は、第2ブレーキモジュール12に接続するかたちで車両100の1又は複数の車輪毎に設けられる。図2では、車両100の車輪のうち、1つの車輪に対して設けられたブレーキチャンバ50、第1ブレーキモジュール11、第2ブレーキモジュール12及び強制ブレーキモジュール13を示している。一方、図2では、車両100のそれ以外の車輪に対して設けられたブレーキチャンバ50、第1ブレーキモジュール11、第2ブレーキモジュール12及び強制ブレーキモジュール13の図示を省略している。
[0025]
 第1ブレーキモジュール11は、通常状態であるときに動作するブレーキモジュールである。車両100は、第1ブレーキモジュール11が通常状態であれば、第2ブレーキモジュール12よりも優先して第1ブレーキモジュール11を使用する。一方、車両100は、第1ブレーキモジュール11が通常状態ではない場合、第2ブレーキモジュール12を使用する。第1ブレーキモジュール11が通常状態ではない場合とは、第1ブレーキモジュール11が使用できない非常状態等である。
[0026]
 第1ブレーキモジュール11の入力ポート14は、第1タンク通路17を介してブレーキ用エアタンク16に接続されている。第1ブレーキモジュール11の出力ポート15は、第1ブレーキ通路76、第2シャトル弁66及びチャンバ接続路77を介してブレーキチャンバ50に接続されている。
[0027]
 ブレーキチャンバ50は、サービスブレーキを制御する第1制御室51と、パーキングブレーキを制御する第2制御室52とを備えている。また、ブレーキチャンバ50は、スプリング55と、先端に楔53を備えるプッシュロッド54とを有している。プッシュロッド54は、楔53がブレーキチャンバ50から伸長する方向に移動するように、スプリング55の付勢力によって付勢されている。伸長する方向とはすなわち、楔53が車輪に設けられたブレーキライニング(図示略)に向けて移動する方向である。通常状態では、第1制御室51には、ブレーキ用エアタンク16に貯留されていた空気が、第1ブレーキモジュール11から運転者のブレーキペダルの操作量に応じた量だけ供給される。また、通常状態ではないとき、第1制御室51には、サスペンション用エアタンク25に貯留されていた空気が、第2ブレーキモジュール12を介して供給される。
[0028]
 第1制御室51に空気が供給されると、第1制御室51の空気圧によってプッシュロッド54が車輪側に移動する。そして、プッシュロッド54の先に設けられた楔53がブレーキライニングに差し込まれ、ブレーキライニングを押し広げると、ブレーキシューとブレーキライニングとの摩擦によりサービスブレーキが作動する。逆に、第1制御室51から第1ブレーキモジュール11に空気が排出されると、楔53がブレーキライニングから退出して、サービスブレーキが解除される。
[0029]
 また、第2制御室52から別の空気供給システムに空気が排出されると、スプリング55が伸張してプッシュロッド54を車輪側に移動させる。そして、楔53が車輪に設けられたブレーキライニングを押し広げることで、パーキングブレーキが作動する。逆に、この別の空気供給システムから第2制御室52に空気が供給されると、スプリング55が圧縮されて、楔53がブレーキライニングから退出し、パーキングブレーキが解除される。この別の空気供給システムは、パーキングブレーキ用の空気供給システムであって、上述した第1ブレーキモジュール11、第2ブレーキモジュール12又は強制ブレーキモジュール13とは別に設けられている。
[0030]
 なお、第2制御室52を有するブレーキチャンバ50は、車両100の後輪に設けられるものであり、車両100の前輪には、第1制御室51、プッシュロッド54及び楔53を備えるブレーキチャンバ(図示略)が設けられている。このブレーキチャンバは、サービスブレーキを作動及び解除させるものであることから、このブレーキチャンバにも、第1ブレーキモジュール11又は第2ブレーキモジュール12によって空気が供給及び排出される。
[0031]
 第2ブレーキモジュール12の入力ポート20は、第1通路71、開閉弁28及び第2タンク通路26を介して、車両100のエアサスペンション(懸架装置)に備えられるサスペンション用エアタンク25に接続されている。第2タンク通路26には、サスペンション用エアタンク25に貯留された圧縮空気の流れる該通路を開閉する開閉弁28が設けられている。第2ブレーキモジュール12の出力ポート21は、第2ブレーキ通路73及びチャンバ接続路77を介して、ブレーキチャンバ50の第1制御室51に接続されている。
[0032]
 強制ブレーキモジュール13の入力ポート22は、第1通路71、開閉弁28及び第2タンク通路26を介して、サスペンション用エアタンク25に接続されている。強制ブレーキモジュール13の出力ポート23は、第4通路71Bを介して、第2ブレーキモジュール12に接続されている。第4通路71Bは、第2ブレーキモジュール12に空気圧信号(パイロット圧)を出力するための通路である。
[0033]
 開閉弁28は、通常時には開かれており、第2ブレーキモジュール12の出力ポート21に圧縮空気を供給している。一方、開閉弁28は、強制ブレーキモジュール13による強制ブレーキ作動後、この強制ブレーキを解除したいときに閉じられる。詳述すると、開閉弁28が閉じられると、第2ブレーキモジュール12や強制ブレーキモジュール13に圧縮空気が供給されなくなる。よって、第2ブレーキモジュール12は、ブレーキチャンバ50の第1制御室51に圧縮空気を供給できなくなる。そのため、第2ブレーキモジュール12や強制ブレーキモジュール13の動作状態にかかわらず、強制ブレーキモジュール13が強制的に作動させたサービスブレーキ(強制ブレーキ)も解除可能となる。
[0034]
 第1ブレーキモジュール11は、第1制御装置31によって制御される。第2ブレーキモジュール12は、第2制御装置32によって制御される。強制ブレーキモジュール13は、マスタECU10によって制御される。マスタECU10、第1制御装置31、及び第2制御装置32は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク34に接続され、各種情報を送受信可能に構成されている。マスタECU10には、車速センサ33や、その他のセンサから車両情報が入力され、マスタECU10は、第1制御装置31及び第2制御装置32に対して指令を送信する。第1制御装置31及び第2制御装置32は、マスタECU10からの指令に基づき各種処理を実行する。また、後述するように、マスタECU10には、検出器としての圧力センサ(P/U)41Pにより検出された空気圧を取得する取得部101が設けられている。圧力センサ41Pは、パーキングブレーキが解除されていないため第2弁としての空気圧制御弁43が排気位置にある(遮断されている)状態において、第1弁としての第1電磁制御弁41が連通状態(連通位置)にされたときの空気圧を検出する。本実施形態では、強制ブレーキ部は強制ブレーキモジュール13と取得部101とから構成される。
[0035]
 次に、図3~図7を参照して、強制ブレーキモジュール13及び第2ブレーキモジュール12の概略構成について説明する。図3~図7では、実線は空気配管を示し、破線は電気信号線を示す。また、太い実線は、空気配管に空気が充填されている状態を示す。また、図3~図7では、1つの車輪に対して設けられた第2ブレーキモジュール12と、その第2ブレーキモジュール12に接続する強制ブレーキモジュール13を示している。また、図3~図7では、第2ブレーキモジュール12は、第2制御装置32からの制御によってブレーキ力を調整することができる。一方、強制ブレーキモジュール13では空気圧が所定の強制ブレーキ圧に設定されている。強制ブレーキ圧は、所定の低速(例えば20km/h)走行から、隊列を形成する他の車両100に衝突することなく車両100を適切に停止できる制動力を付与することができる圧力に設定される。強制ブレーキ圧には、適切に停止できれば実験や論理値として得られる任意の値を設定することができる。なお、第2ブレーキモジュール12や強制ブレーキモジュール13では、空気の流れる方向にかかわらず、流路においてサスペンション用エアタンク25に近い側を上流側とし、ブレーキチャンバ50に近い側を下流側として説明する。つまり、供給の場合、空気は上流側から下流側へ順方向に流れるが、排気の場合、空気は下流側から上流側へ逆方向に流れる。
[0036]
 強制ブレーキモジュール13では、第1電磁制御弁41及び空気圧制御弁43は直列に接続されている。また、第1電磁制御弁41は、サスペンション用エアタンク25に第2タンク通路26を介して接続する第1通路71に接続されている。第1通路71は、第2タンク通路26のポートP1を介してサスペンション用エアタンク25に接続されている。
[0037]
 第1電磁制御弁41は、3ポート2位置弁であって、上流側に第1通路71と回路の空気を排出する排出口60に接続する排気路47とが接続され、下流側に第3通路71Aが接続される。第1電磁制御弁41は、マスタECU10によって制御され、第1通路71を第3通路71Aに連通する接続位置と、第1通路71を遮断するとともに、第3通路71Aを排気路47に接続する排気位置とのいずれかに位置を変更可能に構成されている。第1電磁制御弁41は、バルブスプリング46の付勢力により接続位置を取るように構成され、非通電状態で接続位置を取り、通電状態で排気位置を取る。
[0038]
 空気圧制御弁43は、3ポート2位置弁の空気圧信号によって制御される弁であって、上流側が第1電磁制御弁41側の第3通路71Aと排気路47とに接続され、下流側が第4通路71Bに接続される。空気圧制御弁43は、上流側の第3通路71Aを遮断して空気圧制御弁43の下流側の第4通路71Bを排気路47に接続する排気位置、第3通路71Aを第4通路71Bに連通する接続位置とのいずれかに位置を変更可能に構成されている。空気圧制御弁43の信号入力ポート43Pは、ポートP2を介して、ブレーキチャンバ50の第2制御室52に接続されている。よって、第2制御室52から空気が排出されることでパーキングブレーキが作動したとき、信号入力ポート43Pには空気圧信号が入力されない。逆に、第2制御室52に空気が供給されることでパーキングブレーキが解除されたとき、信号入力ポート43Pには空気圧信号が入力される。空気圧制御弁43は、バルブスプリング49の付勢力により排気位置を取るように構成され、信号入力ポート43Pに空気圧信号が入力されない場合には排気位置を取り、空気圧信号が入力される場合には接続位置を取る。
[0039]
 第3通路71Aには圧力センサ41Pが設けられている。圧力センサ41Pは、第3通路71Aの圧力に応じた信号をマスタECU10に出力する。マスタECU10の取得部101は、第1電磁制御弁41が、ブレーキチャンバ50に空気を供給する接続位置を取ったとき、圧力センサ41Pの圧力検出信号を検出する。マスタECU10は、イグニッションがオン(ON)した後、強制ブレーキモジュールを作動させる条件が成立しない限り、第1電磁制御弁41を排気位置に維持してブレーキチャンバ50に空気を供給しない。そのため、第1電磁制御弁41の動作を検証すること、いわゆる故障の診断を行うことが容易ではない。また、強制ブレーキモジュール13では、パーキングブレーキが作動すると、空気圧制御弁43が排気位置を取ってしまうため、強制ブレーキの作動を確認できない。また、パーキングブレーキが解除された後であれば空気圧制御弁43は接続位置を取るが、車両100がいつでも動き出せる状態であるため、こういった状態で強制ブレーキを作動させて故障診断を行うことは適切でないおそれがある。
[0040]
 そこで、本実施形態では、マスタECU10の取得部101が、パーキングブレーキが作動した状態のまま、第1電磁制御弁41を排気位置から接続位置に切り替え、この切り替えたときに第3通路71Aの圧力センサ41Pが検出する空気圧に基づいて、第1電磁制御弁41について故障診断を行うようにした。ここで、故障診断では、第1電磁制御弁41が開閉するか否か、開閉速度が適正であるか否かが診断される。
[0041]
 例えば、故障診断として、圧力センサ41Pに検出される圧力に基づき、第1電磁制御弁41が正常であるか異常であるかを判断する。詳細には、圧力センサ41Pに検出される圧力が所定範囲内の値であれば第1電磁制御弁41が正常であると判断し、所定範囲外の値であれば第1電磁制御弁41が異常であると判断する。これに加えて、圧力センサ41Pに検出される圧力の時間当たり変化量にさらに基づき、第1電磁制御弁41が正常であるか異常であるかを判断してもよい。詳細には、圧力センサ41Pに検出される圧力の時間当たり変化量が所定の範囲内の変化量であれば第1電磁制御弁41が正常であると判断し、所定の範囲外の変化量であれば第1電磁制御弁41が異常であることを判断に加えてもよい。これに代えて、第1電磁制御弁41の正常又は異常を、圧力の時間当たり変化量のみに基づいて判断してもよい。
[0042]
 次に、第2ブレーキモジュール12について説明する。第2ブレーキモジュール12は、第2電磁制御弁62、第3電磁制御弁63、第1シャトル弁64、及び、リレーバルブ65を備えている。また、第2ブレーキモジュール12では、リレーバルブ65の下流側が第2シャトル弁66に接続されている。
[0043]
 第2電磁制御弁62及び第3電磁制御弁63は、直列接続されている。第2電磁制御弁62では、上流側に第1通路71が接続され、下流側に第2通路72を介して第3電磁制御弁63が接続されている。第3電磁制御弁63では、上流側に第2電磁制御弁62からの第2通路72が接続され、下流側に排気路47が接続される。
[0044]
 第2電磁制御弁62は、第2制御装置32によって制御され、第1通路71と第2通路72とを遮断する遮断位置と、第1通路71と第2通路72とを連通する接続位置とのいずれかに位置を変更可能に構成されている。第2電磁制御弁62は、非通電状態でバルブスプリング67の付勢力により遮断位置を取り、通電状態で接続位置を取る。
[0045]
 第3電磁制御弁63は、第2制御装置32によって制御され、第2通路72を排気路47に連通する接続位置と、第2通路72を排気路47から遮断する遮断位置とのいずれかに位置を変更可能に構成されている。第3電磁制御弁63は、非通電状態でバルブスプリング68の付勢力により接続位置を取り、通電状態で遮断位置を取る。
[0046]
 強制ブレーキモジュール13の下流に接続されている第4通路71Bは、第2ブレーキモジュール12に接続されている。第2ブレーキモジュール12の第1シャトル弁64は、2入力1出力の弁であって、一方の入力に第2通路72が接続され、他方の入力に第4通路71Bが接続され、出力に空気圧信号通路74が接続されている。第1シャトル弁64は、第2通路72、第4通路71B及び空気圧信号通路74に接続され、第2通路72及び第4通路71Bのうち圧力が高い方から空気圧信号通路74への空気の流れを許容する。
[0047]
 空気圧信号通路74は、リレーバルブ65の信号入力ポート65Pに接続されている。リレーバルブ65は、上流側が第1通路71と排気路47とに接続され、下流側が第2ブレーキ通路73に接続されている。第2ブレーキ通路73では、上流側の端部がリレーバルブ65を介してサスペンション用エアタンク25につながる第1通路71に接続されているとともに、下流側の端部が第2シャトル弁66に接続されている。
[0048]
 リレーバルブ65は、空気圧信号によって制御され、第1通路71と第2ブレーキ通路73とを接続する接続位置と、第1通路71と第2ブレーキ通路73とを遮断するとともに、排気路47と第2ブレーキ通路73とを連通する排気位置とのいずれかに位置を変更可能に構成されている。リレーバルブ65は、空気圧信号が入力されない場合には、バルブスプリング69の付勢力により排気位置を取り、第2ブレーキ通路73と、その下流側の通路との空気を排出する。また、リレーバルブ65は、信号入力ポート65Pに空気圧信号が入力される場合には、第1通路71を第2ブレーキ通路73に連通する接続位置を取る。
[0049]
 第2ブレーキ通路73の下流側の端部には第2シャトル弁66が設けられている。
 第2シャトル弁66は、2入力1出力の弁である。第2シャトル弁66では、一方の入力に第2ブレーキモジュール12からの第2ブレーキ通路73が接続され、他方の入力に第1ブレーキモジュール11からの第1ブレーキ通路76が接続され、出力にブレーキチャンバ50へのチャンバ接続路77が接続されている。第2シャトル弁66は、第2ブレーキ通路73及び第1ブレーキ通路76のうち圧力が高い方の通路を開くとともに、他方の通路を閉じて同圧力が高い方の通路からチャンバ接続路77への空気の流れを許容する。なお、第2シャトル弁66は、第2ブレーキ通路73及び第1ブレーキ通路76から圧力がかからない場合、一旦開いた通路への流通を維持する。よって、チャンバ接続路77から第2ブレーキ通路73又は第1ブレーキ通路76への排気が可能になっている。
[0050]
 チャンバ接続路77には圧力センサ(P/U)79が設けられている。圧力センサ79は、チャンバ接続路77の圧力に応じた信号を第2制御装置32に出力する。第2制御装置32は、第1ブレーキモジュール11が、第1ブレーキ通路76、第2シャトル弁66、及びチャンバ接続路77を介してブレーキチャンバ50に空気を供給するときに、圧力センサ79の圧力検出信号に基づき、圧力と減速度との間の関係を学習する。減速度は、マスタECU10から車載ネットワーク34を介して取得される。マスタECU10は、車速センサ33から入力される車速信号や、加速度センサ等の他のセンサから入力される信号に基づき、減速度を演算する。なお、第2制御装置32は、減速度と圧力との間の関係以外に、速度と圧力との間の関係を学習してもよい。
[0051]
 また、第2制御装置32は、第2ブレーキモジュール12でブレーキ圧を調整するとき、マスタECU10から入力される減速度と、学習した圧力と減速度との関係と、圧力センサ79から入力される圧力とに基づいて、第2電磁制御弁62及び第3電磁制御弁63の通電状態と非通電状態とを制御する。また、第2制御装置32は、マスタECU10から入力される減速度に対応する圧力を学習結果から取得して、圧力センサ79から入力される圧力が学習結果で取得した圧力になるように、第2電磁制御弁62及び第3電磁制御弁63の通電状態と非通電状態とを切り替える。つまり、第2制御装置32は、圧力センサ79からの圧力信号に基づいてブレーキ圧のフィードバック制御を行う。
[0052]
 次に、図3~図7を参照して、第2ブレーキモジュール12、及び、強制ブレーキモジュール13を含む空気供給システムの動作について説明する。
 図3は、「駐車状態」又は「故障診断」のときの態様を示す。「駐車状態」は、イグニッションスイッチ(IG)がオフ(OFF)状態であってパーキングブレーキが作動した状態である。「故障診断」は、IGがオン状態であってパーキングブレーキが作動した状態である。図4は、「走行可能」であるときの態様を示す。「走行可能」は、IGがオン状態であってパーキングブレーキが解除された状態である。図5は、「強制ブレーキ状態」のときの態様を示す。「強制ブレーキ状態」は、IGがオン状態であってパーキングブレーキが解除された状態である。図6は、「強制ブレーキ解除」の状態について示す。「強制ブレーキ解除」の状態は、強制ブレーキで停車後、パーキングブレーキを作動させるとともに、開閉弁28を閉じた状態である。
[0053]
 まず、図3に示すように、「駐車状態」であるとき、第2ブレーキモジュール12の第2電磁制御弁62及び第3電磁制御弁63と、強制ブレーキモジュール13の第1電磁制御弁41とは非通電状態とされる。空気圧制御弁43は排気位置を取るため、第4通路71Bの空気は排出され、上流側の第1通路71は遮断される。第2電磁制御弁62は遮断位置であるため、第2通路72は第1通路71から遮断されるとともに、第3電磁制御弁63が排気位置を取り第2通路72は大気開放される。これにより空気圧信号通路74には空気が供給されないため、リレーバルブ65は排気位置を取る。したがって第2ブレーキモジュール12はブレーキチャンバ50に空気を供給しない。また、第1ブレーキモジュール11もブレーキチャンバ50に空気を供給しない。
[0054]
 次に、図4を参照して、「走行可能」である場合について説明する。第1電磁制御弁41は、マスタECU10の制御により通電状態とされ、排気位置を取る。これにより、第3通路71A及びその下流側の通路の空気が排出され、第3通路71Aは上流側の第1通路71から遮断される。また、パーキングブレーキが解除されることによって、空気圧制御弁43の信号入力ポート43Pに空気圧信号が入力され、空気圧制御弁43は接続位置に配置される。また、マスタECU10や第1ブレーキモジュール11に異常がなければ、第2電磁制御弁62及び第3電磁制御弁63は非通電状態とされる。このため、第2電磁制御弁62は遮断位置を取るので、第2通路72は第1通路71から遮断される。これにより、空気圧信号通路74には空気が供給されないため、リレーバルブ65は第2ブレーキ通路73を第1通路71から遮断する。その結果、第2ブレーキモジュール12からブレーキチャンバ50に空気が供給されず、第2シャトル弁66が第1ブレーキ通路76からの圧力によって第1ブレーキ通路76をチャンバ接続路77に連通させる。そのため、第2ブレーキモジュール12は、第1ブレーキモジュール11の制御を阻害しない状態となる。車両100が減速する場合には、第1ブレーキモジュール11から供給された空気が、第2シャトル弁66を介してブレーキチャンバ50の第1制御室51に供給される。
[0055]
 なお、第2制御装置32に異常が発生した場合も、図4に示す状態と同様の状態となる。このため、第2ブレーキモジュール12は、第1ブレーキモジュール11の制御を阻害しない状態となる。
[0056]
 図5を参照して、「強制ブレーキ状態」について説明する。「強制ブレーキ状態」は以下の「異常A」~「異常E」のいずれかが検出された場合に実行される。なお、マスタECU10は第1制御装置31及び第2制御装置32の異常を検出可能である。
[0057]
 「異常A」:マスタECU10に異常が生じた場合
 「異常B」:マスタECU10及び第1制御装置31に異常が生じた場合
 「異常C」:マスタECU10及び第2制御装置32に異常が生じた場合
 「異常D」:第1制御装置31及び第2制御装置32に異常が生じた場合
 「異常E」:マスタECU、第1制御装置31及び第2制御装置32に異常が生じた場合
 「強制ブレーキ状態」では、IGがオン状態であり、パーキングブレーキが解除されている。「異常A」、「異常B」、「異常C」及び「異常E」のように、マスタECU10に異常が発生した場合、第1電磁制御弁41、第2電磁制御弁62、及び第3電磁制御弁63はいずれも非通電状態となる。また、「異常D」のように、マスタECU10に異常の発生が無く、第1制御装置31及び第2制御装置32に異常が生じた場合、マスタECU10が、第1電磁制御弁41を非通電状態とし、第2電磁制御弁62、及び第3電磁制御弁63は、第2制御装置32による通電が不可能となることにより、非通電状態となる。
[0058]
 空気圧制御弁43は、信号入力ポート43Pに空気圧信号が供給されることにより接続位置を取る。第1通路71、第3通路71A及び第4通路71Bにはサスペンション用エアタンク25から空気が供給される一方、第2電磁制御弁62が遮断位置を取ることにより第2通路72は第1通路71から遮断される。また、第3電磁制御弁63が排気位置を取ることにより第2通路72は排気路47に接続される。これにより、第4通路71Bの圧力は第2通路72の圧力よりも高くなるため、第1シャトル弁64は、第4通路71Bから空気圧信号通路74への空気の流れを許容する。リレーバルブ65は、信号入力ポート65Pに空気圧信号が入力されることにより、第2ブレーキ通路73を第1通路71に連通する。また、「強制ブレーキ状態」であるとき、第1ブレーキモジュール11からブレーキチャンバ50に空気が供給されないため、第2シャトル弁66では、第2ブレーキモジュール12からチャンバ接続路77への空気の流れが許容される。したがって、サスペンション用エアタンク25の空気が、第1通路71、リレーバルブ65、第2ブレーキ通路73及び第2シャトル弁66を介して、ブレーキチャンバ50の第1制御室51に供給される。その結果、強制ブレーキが作動して、先頭車両100a又は後続車両100bが減速する。
[0059]
 図6に示すように、「強制ブレーキ解除」であるとき、「故障診断」のときと同様に、第2電磁制御弁62及び第3電磁制御弁63と、第1電磁制御弁41とが非通電状態とされる。パーキングブレーキを作動させるため、空気圧制御弁43は排気位置を取り、第4通路71Bの空気は排出される。第2電磁制御弁62が遮断位置を取ることにより第2通路72は第1通路71から遮断される。第3電磁制御弁63が排気位置を取ることにより第2通路72は排気路47に接続される。よって、空気圧信号通路74には空気が供給されないため、第2ブレーキモジュール12はブレーキチャンバ50に空気を供給しない状態になる。
[0060]
 図7に示すように、上記状態において、まず開閉弁28を閉じてから、パーキングブレーキを解除すると、空気圧制御弁43が接続位置に移動し、第1通路71の残圧が空気圧信号として、リレーバルブ65の信号入力ポート65Pに入力される。このとき、第1通路71の残圧が低ければ、リレーバルブ65は排気位置から移動しない。一方、残圧が高ければ、リレーバルブ65が排気位置から接続位置に移動して、第2ブレーキ通路73を第1通路71に連通させるおそれがある。しかしながら、開閉弁28は閉じられているので、第1通路71からブレーキチャンバ50の第1制御室51にブレーキを作動させるだけの十分な圧縮空気が供給されない。よって、残圧が高い場合、低い場合のいずれにしても、サービスブレーキの解除が維持される、つまり強制ブレーキが解除される。このように、パーキングブレーキを解除した状態で、圧縮空気がブレーキチャンバ50の第1制御室51に供給されなくなることから強制ブレーキが解除された状態が維持されることになり、車両100を移動させること等が可能になる。
[0061]
 以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
 (1)空気供給システムに強制ブレーキモジュール13を設けたとしても、この強制ブレーキモジュール13は、空気供給システムに何らかの異常が発生しないと作動しない。また、強制ブレーキモジュール13を作動させるためにはパーキングブレーキが解除されている必要もある。一方、パーキングブレーキを解除した状態ではいつでも運転が可能であるため、当該状態において自動の故障診断等で強制ブレーキモジュール13を作動させて強制ブレーキをかけることは適切とは言えない。
[0062]
 この点、本実施形態では、パーキングブレーキが解除されていない状態で、強制ブレーキ用の空気圧を供給する第1電磁制御弁41を作動させて、そのときの第1電磁制御弁41の動作状態を圧力センサ41Pによって検出する。これにより、第1電磁制御弁41の動作を検証することができるので、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることができる。
[0063]
 (2)第1電磁制御弁41の動作異常を圧力センサ41Pから取得した空気圧と所定範囲との比較に基づき判断することができる。具体的には、パーキングブレーキが解除されていない状態で、強制ブレーキ用の空気圧を供給する第1電磁制御弁41を作動させ、空気圧制御弁43の手前の空気圧の変化を圧力センサ41Pで検出する。これにより、第1電磁制御弁41の動作を検証することができるようになり、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることができる。
[0064]
 (3)第1電磁制御弁41の動作異常を圧力センサ41Pから取得した値の単位時間当たりの変化量に基づいて判断できる。
 (4)強制ブレーキが作動する異常時であっても、パーキングブレーキを作動させた後に開閉弁28を閉鎖してから再びパーキングブレーキを解除することで、再度の強制ブレーキの作動を抑制することができる。これにより、強制ブレーキが作動する条件下の車両であっても牽引等によって移動させることが可能になる。
[0065]
 (5)強制ブレーキモジュール13は、自身に異常があるとき、又は、第1ブレーキモジュール11及び第2ブレーキモジュール12に異常があることを条件に動作する。つまり、必要とされたときに確実に作動する。なお、第1ブレーキモジュール11に異常があるときには、第2ブレーキモジュール12に替わることで通常と同様のブレーキ操作が維持される。
[0066]
 (6)各ブレーキモジュールを制御する制御装置やECUに異常が生じるようなときであっても、それらの異常に基づいて強制ブレーキモジュール13への動作切り替えが行われる。なお、各制御装置等は自己診断で異常を検出してもよいし、相互監視によって他の制御装置等の異常を検出するようにしてもよい。
[0067]
 (7)マスタECU10に取得部101が設けられることによって取得結果のマスタECU10での利用が容易になる。
 (8)強制ブレーキモジュール13では、空気圧が所定の強制ブレーキ圧に設定されている。そのため、強制ブレーキモジュール13は、適切な減速度で車両を強制停止させることができる。
[0068]
 (他の実施形態)
 なお、上記実施形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
 ・強制ブレーキモジュール13では空気圧が所定の強制ブレーキ圧に設定されている場合について例示した。しかしこれに限らず、強制ブレーキモジュールに減圧弁を設けて空気圧を調整するようにしてもよい。
[0069]
 例えば、隊列走行では、車両は、車間距離を一定距離に維持しながら走行する。すなわち、隊列の順番で1台目である車両100が減速すれば、その直後の2台目の車両100も1台目の車両100に追従して減速し、3台目の車両100も2台目の車両100に追従して減速する。そのため、減圧弁は、隊列走行の後の車両になるほどブレーキ力が強くなるように後の車両ほどブレーキ用の空気圧が大きくなるように調整されており、後の車両が前の車両よりも先に速度を落とすことにより衝突しないようにしている。
[0070]
 この場合、減圧弁は、第2ブレーキ通路に設けられ、接続ポートP3に入力されたパイロット圧に応じて、第2ブレーキ通路からブレーキチャンバ50の第1制御室51に供給される空気圧を調整することができる。
[0071]
 この場合、荷重が最大積載量から減少するのに応じて接続ポートP3側の圧力が変化して減圧弁は第2ブレーキ通路73に供給される圧縮空気の圧力を変化させる。これにより、車両の積荷の荷重が大きい場合には大きいブレーキ力のサービスブレーキを作動させ、車両の積荷の荷重が小さい場合には小さいブレーキ力のサービスブレーキを作動させることによって、ブレーキ力を調整することができる。
[0072]
 上記構成では圧縮空気の圧力を調整することによりブレーキ力を調整したが、ブレーキをかける時間的なタイミングを調整することにより隊列走行時に車両が衝突しないように制動制御することもできる。
[0073]
 ・取得部がマスタECU10に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、取得部はマスタECUとは別に設けられていてもよい。取得部が検査に都合の良いタイミングで作動して、検査結果をマスタECUに通知するようにしてもよい。
[0074]
 ・第1空気供給部が第1ブレーキモジュールである場合について例示したが、第1空気供給部に第1制御装置の少なくとも一部が含まれてもよい。また、第2空気供給部が第2ブレーキモジュールである場合について例示したが、第2空気供給部に第2制御装置の少なくとも一部が含まれてもよい。
[0075]
 ・異常A~Eのとき、強制ブレーキが作動する場合について例示した。しかしこれに限らず、第1制御装置、第2制御装置及びマスタECUのいずれかが第1ブレーキモジュール、第2ブレーキモジュール又は強制ブレーキモジュールに生じた異常を検出したことに基づいて強制ブレーキが作動するようにしてもよい。
[0076]
 ・強制ブレーキモジュール13に失陥が生じた場合、第1ブレーキモジュール、第2ブレーキモジュール又は強制ブレーキモジュールの少なくとも1つを利用して強制的にブレーキがかかるようにしてもよい。
[0077]
 ・第2ブレーキモジュール12及び強制ブレーキモジュール13はサスペンション用エアタンク25から圧縮空気が供給される場合について例示した。しかしこれに限らず、第2ブレーキモジュール及び強制ブレーキモジュールの少なくとも1つは、ブレーキ用エアタンクやその他のエアタンクから圧縮空気が供給されてもよい。
[0078]
 ・強制ブレーキモジュール13とサスペンション用エアタンク25との間に開閉弁28が設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、強制ブレーキ解除弁を、第1電磁制御弁41及び空気圧制御弁43の間に設けてもよい。
[0079]
 このとき、強制ブレーキ解除弁を3ポート2位置弁とし、入力側に第3通路71A及び排気路47、出力側に空気圧制御弁43を接続させる。強制ブレーキ解除弁は、バルブスプリングの付勢力により第3通路71Aを空気圧制御弁43に連通する接続位置、及び第3通路71Aを遮断して空気圧制御弁43を排気路47に接続する排気位置とのいずれかに位置を変更可能に構成される。また、強制ブレーキ解除弁は、手動操作される操作部を有している。操作部が手動操作されない状態では接続位置を取り、操作部が手動操作されると排気位置を取る。
[0080]
 ・取得部101は、圧力センサ41Pに検出される圧力の時間当たり変化量が所定値以上であれば第1電磁制御弁41が正常であると判断し、所定値未満であれば第1電磁制御弁41が異常であると判断してもよい。これにより、第1電磁制御弁41の動きが遅くなったなどの動作異常が圧力検出部から取得した値の単位時間当たりの変化量に基づいて判断できる。
[0081]
 ・第1電磁制御弁の正常/異常の判断を、圧力センサ41Pで検出した圧力の抜け具合や、上昇具合に基づき判断してもよい。抜け具合や上昇具合とは、例えば、圧力の時間変化であって、圧力変化と経過時間との間の関係に基づいて設定される。具体的には、抜け具合は、第1電磁制御弁41が接続位置から排気位置に変化するときに検出するとよい。また、上昇具合は、第1電磁制御弁41が排気位置から接続位置に変化するときに検出するとよい。
[0082]
 ・圧力センサ41Pで圧力を検出する場合について例示したが、これに限らず、圧力が所定圧以上になると作動する圧力スイッチで空気圧を検出してもよい。このとき、圧力スイッチが作動したことに基づいて第1電磁制御弁が正常であると判断すればよい。
[0083]
 ・圧力センサ41Pが検出する空気圧で第1電磁制御弁41の動作状態を検出する場合について例示した。しかしこれに限らず、第1電磁制御弁41のソレノイドの電流を検出する検出器を設け、検出器で検出した電流に基づいて第1電磁制御弁41の動作状態を検出するようにしてもよい。
[0084]
 ・第1電磁制御弁41、空気圧制御弁43、第2電磁制御弁62、第3電磁制御弁63、及びリレーバルブ65は、2位置弁としたが、中立位置を有する3位置弁としてもよい。
[0085]
 ・上記実施形態では、空気供給システムを、隊列走行を行う車両100のブレーキシステムを構成するものとして説明したが、隊列走行を行わず単独で走行する車両のブレーキシステムに搭載してもよい。
[0086]
 ・上記実施形態では、第1制御装置31と第2制御装置32とを個別の装置として記載したが、別の態様であってもよい。車載ネットワーク34に接続された一つの制御装置が、例えば2つのCPUを有する構成である等、第1制御装置31の機能と第2制御装置32との機能とを兼ね備えていてもよい。この場合、第1制御装置31及び第2制御装置32は、共通の信号入力部及び信号出力部を有していてもよい。この態様においても、空気圧ブレーキシステムの保安性を高めることができる。
[0087]
 ・空気供給部に第1ブレーキモジュール11が含まれていなくてもよい。例えば、空気供給部が第2ブレーキモジュール12のみから構成されていてもよい。
 ・ブレーキシステムに第1制御装置31と第1ブレーキモジュール11とが含まれていなくてもよい。例えば、ブレーキシステムが第2制御装置32と第2ブレーキモジュール12とマスタECU10と強制ブレーキモジュール13とから構成されていてもよい。
[0088]
 ・上記実施形態では、空気供給システムは、荷台を備えるカーゴ車両に搭載されるものとして説明した。これ以外の態様として、空気供給システムは、乗用車、トラクタにトレーラを連結した連結車両、鉄道車両等、他の車両に搭載されてもよい。

符号の説明

[0089]
 10…マスタECU、11…第1ブレーキモジュール、12…第2ブレーキモジュール、13…強制ブレーキモジュール、14…入力ポート、15…出力ポート、16…ブレーキ用エアタンク、17…第1タンク通路、20…入力ポート、21…出力ポート、22…入力ポート、23…出力ポート、25…サスペンション用エアタンク、26…第2タンク通路、28…開閉弁、31…第1制御装置、32…第2制御装置、33…車速センサ、34…車載ネットワーク、41…第1電磁制御弁、41P…圧力センサ、43…空気圧制御弁、43P…信号入力ポート、46…バルブスプリング、47…排気路、49…バルブスプリング、50…ブレーキチャンバ、51…第1制御室、52…第2制御室、53…楔、54…プッシュロッド、55…スプリング、60…排出口、62…第2電磁制御弁、63…第3電磁制御弁、64…第1シャトル弁、65…リレーバルブ、65P…信号入力ポート、66…第2シャトル弁、67,68,69…バルブスプリング、71…第1通路、71A…第3通路、71B…第4通路、72…第2通路、73…第2ブレーキ通路、74…空気圧信号通路、76…第1ブレーキ通路、77…チャンバ接続路、79…圧力センサ、100…車両、101…取得部。

請求の範囲

[請求項1]
 車両のサービスブレーキを空気圧で作動及び解除するブレーキ機構を備える空気供給システムであって、
 前記ブレーキ機構に空気圧の供給及び排出を行う空気供給部と、
 前記空気供給部に替わって、前記ブレーキ機構に強制的に空気圧を供給する強制ブレーキ部であって、前記空気供給システムに異常があることを条件に連通状態になる電磁弁である第1弁と、パーキングブレーキの解除に応じて連通状態になる第2弁とが直列していて、前記異常があること及び前記パーキングブレーキの解除を条件に前記空気供給部に替わる強制ブレーキ部とを備え、
 前記強制ブレーキ部は、前記第1弁の動作状態を検出する検出器と、前記パーキングブレーキが解除されていないため前記第2弁が遮断されているとき、前記第1弁を操作して前記検出器に検出された動作状態を取得する取得部とを備える
 空気供給システム。
[請求項2]
 前記検出器は、前記第1弁及び前記第2弁との間の空気圧を前記第1弁の動作状態として検出するものであり、
 前記取得部は、前記検出器に検出される空気圧が所定範囲内の値であれば前記第1弁が正常であると判断し、前記検出器に検出される空気圧が前記所定範囲外の値であれば前記第1弁が異常であると判断する
 請求項1に記載の空気供給システム。
[請求項3]
 前記検出器は、前記第1弁及び前記第2弁との間の空気圧を前記第1弁の動作状態として検出するものであり、
 前記取得部は、前記検出器に検出される圧力の時間当たり変化量が所定の範囲内の変化量であれば前記第1弁が正常であると判断し、前記検出器に検出される圧力の時間当たり変化量が前記所定の範囲外の変化量であれば前記第1弁が異常であると判断する
 請求項1に記載の空気供給システム。
[請求項4]
 前記強制ブレーキ部と空気タンクとの間には開閉弁が設けられている
 請求項1~3のいずれか一項に記載の空気供給システム。
[請求項5]
 前記強制ブレーキ部は、前記強制ブレーキ部に異常があるとき、又は、前記空気供給部に異常があるときに、前記空気供給システムに異常があるものとする
 請求項1~4のいずれか一項に記載の空気供給システム。
[請求項6]
 前記空気供給部は、第1空気供給部と、前記第1空気供給部に替わって、前記ブレーキ機構に空気圧の供給及び排出を行うことができる第2空気供給部とで構成され、
 前記第1空気供給部の異常にはそれを制御する第1制御装置の異常が含まれており、
 前記第2空気供給部の異常にはそれを制御する第2制御装置の異常が含まれており、
 前記強制ブレーキ部の異常にはそれを制御する第3制御装置の異常が含まれている
 請求項5に記載の空気供給システム。
[請求項7]
 前記取得部は、前記第3制御装置に設けられている
 請求項6に記載の空気供給システム。
[請求項8]
 前記空気供給部では、空気圧がブレーキペダルの操作量に応じて調整され、
 前記強制ブレーキ部では、空気圧が所定の強制ブレーキ圧に設定されている
 請求項1~7のいずれか一項に記載の空気供給システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]