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1. (WO2018181793) 酸素吸収性フィルム、これを用いた包装用積層体及び包装体、並びに包装体を用いた内容物処理方法
Document

明 細 書

発明の名称 酸素吸収性フィルム、これを用いた包装用積層体及び包装体、並びに包装体を用いた内容物処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087  

実施例

0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122  

符号の説明

0123  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 酸素吸収性フィルム、これを用いた包装用積層体及び包装体、並びに包装体を用いた内容物処理方法

技術分野

[0001]
 本発明は、酸素吸収性フィルム、これを用いた包装用積層体及び包装体、並びに包装体を用いた内容物処理方法に関する。

背景技術

[0002]
 食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等のための包装材料には、包装体内の酸素による酸化によって内容物の品質が低下しないよう、酸素吸収性フィルムが用いられることがある。この酸素吸収性フィルムとして、酸素欠損を有する酸化セリウムを用いたものが提案されている。
[0003]
 特許文献1には、酸素吸収層と、酸素吸収層の両面に設けられた樹脂層とから構成され、かつ酸素吸収層中に上記酸素欠損を有する酸化セリウムが50重量%を超え85重量%未満の範囲で含まれる、酸素吸収性フィルムが開示されている。
[0004]
 ところで、包装体の内容物によっては、包装後において、ガンマ線滅菌法等の放射線滅菌処理を施すことが必要とされることがある。特に、ガンマ線滅菌法は、酸素の存在下において優れた滅菌効果が得られる方法である。
[0005]
 一方、特定の分野、特に医療用具の分野においては、包材中の酸素が好ましくない場合がある。例えば、人工透析器で用いられるセルロースアセテート中空糸膜の包材中に酸素が存在する場合、膜を構成しているアセテートから酸化反応によってアセトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類が生成し、使用者である患者に悪影響を与える可能性がある。また、この場合、人工透析器の主材料であるプラスチックが、酸素によって経時的に酸化して、その強度が低下するおそれがある。
[0006]
 このような課題を解決するため、特許文献2では、医療用具と脱酸素剤を酸素不透過性の包材に収納して包装体とする工程;脱酸素剤によって包装体内の雰囲気を酸素濃度が幾らか低減された状態に維持しながら、包装体に放射線滅菌を行う工程;放射線滅菌後、包装体の滅菌状態を維持しながら、更に脱酸素剤によって酸素濃度を低減する工程;を含む、医療用具包装体を滅菌する方法が提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2012-158125号公報
特許文献2 : 国際公開第98/58842号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 特許文献2の方法によれば、放射線滅菌による滅菌の効率を維持しながら、滅菌中に酸素雰囲気がある程度低減されていること、さらにその後の貯蔵中に酸素濃度が更に低減されていることにより、有害な副生成物の生成を抑えることができるとしている。
[0009]
 しかしながら、脱酸素剤を包装体内に封入する場合、包装体の開封の際に脱酸素剤が脱落したり、脱酸素剤の入れ忘れが生じたりすることがある。また、脱酸素剤の周囲の空間と他の空間との間で酸素濃度にムラが生じ、その結果、滅菌作用のムラをもたらすことがある。
[0010]
 したがって、酸素吸収速度を適度に制御できる、酸素吸収性フィルムを提供する必要性が存在する。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
 〈1〉 酸素吸収層、及び上記酸素吸収層の少なくとも一方の面に積層されているスキン層を具備しており、
 上記酸素吸収層が、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有しており、かつ
 上記スキン層が、非環状オレフィン系ポリマー、及び環状オレフィン系ポリマーを含有している、
酸素吸収性フィルム。
 〈2〉 上記スキン層において、上記環状オレフィン系ポリマーの含有率が、上記スキン層全体の質量に対して10~90質量%である、上記〈1〉項に記載の酸素吸収性フィルム。
 〈3〉 上記スキン層において、上記環状オレフィン系ポリマーの含有率が、上記スキン層全体の質量に対して10~40質量%である、上記〈2〉項に記載の酸素吸収性フィルム。
 〈4〉 上記環状オレフィン系ポリマーが、α-オレフィン-環状オレフィンコポリマーである、上記〈1〉~〈3〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
 〈5〉 上記酸素吸収層上に、上記スキン層が直接積層されている、上記〈1〉~〈4〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
 〈6〉 上記スキン層を構成する熱可塑性樹脂の、JIS K 7126-2に準拠する酸素透過度が、1000~6500cc・20μm/m ・day・atmである、上記〈1〉~〈5〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
 〈7〉 基材層、及び
 上記基材層に積層されている、上記〈1〉~〈6〉項のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム
を具備しており、かつ
 上記酸素吸収性フィルムの上記スキン層が、上記基材層の反対側に配置されている、
包装用積層体。
 〈8〉 上記〈7〉項に記載の包装用積層体、及び上記包装用積層体で封入されている内容物を具備しており、かつ
 上記包装用積層体の上記スキン層が、上記内容物の側に配置されている、
包装体。
 〈9〉 基材層、酸素吸収層、及びスキン層をこの順で具備している、包装用積層体、並びに上記包装用積層体で封入されている内容物を具備しており、
 上記包装用積層体の上記スキン層が、上記内容物の側に配置されており、
 上記酸素吸収層が、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有しており、かつ
 上記スキン層を構成する熱可塑性樹脂の、JIS K 7126-2に準拠する酸素透過度が、1000~6500cc・20μm/m ・day・atmである、
包装体。
 〈10〉 基材層、酸素吸収層、及びスキン層をこの順で具備している、包装用積層体、並びに上記包装用積層体で封入されている内容物を具備しており、
 上記包装用積層体の上記スキン層が、上記内容物の側に配置されており、
 上記酸素吸収層が、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有しており、かつ
 上記スキン層が、非環状オレフィン系ポリマー及びバリア性樹脂を含有しており、それによって、25℃において、包装体内部の酸素濃度が、上記内容物を封入した後7日以内のうちの少なくとも24時間にわたって、0.7~5.0vol%であり、かつ7日後には0.2vol%以下である、
包装体。
 〈11〉 基材層、吸湿層、及び吸湿積層体用スキン層をこの順で具備している、吸湿積層体を更に具備しており、
 上記包装用積層体の周縁部と、上記吸湿積層体の周縁部とが互いに対向して融着されており、それによって、上記内容物が封入されている、
上記〈8〉~〈10〉項のいずれか一項に記載の包装体。
 〈12〉 上記包装用積層体及び上記吸湿積層体の少なくとも一方が、その上記内容物側にシーラント層を更に具備している、上記〈11〉項に記載の包装体。
 〈13〉 上記内容物が、医療器具である、上記〈8〉~〈12〉項のいずれか一項に記載の包装体。
 〈14〉 上記〈8〉~〈13〉項のいずれか一項に記載の包装体に、放射線滅菌処理を施すことを含む、内容物処理方法。
 〈15〉 上記放射線滅菌処理を、密封後1~7日の期間内に施す、上記〈14〉項に記載の内容物処理方法。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、酸素吸収速度を適度に制御できる、酸素吸収性フィルムを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、本発明の酸素吸収性フィルムの層構成を示す図である。
[図2] 図2は、本発明の包装用積層体の層構成を示す図である。
[図3] 図3は、本発明の包装体、及びこれを用いた内容物処理方法の概略図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 《酸素吸収性フィルム》
 図1(a)及び(b)に示すように、本発明の酸素吸収性フィルム(10a、10b)は、酸素吸収層(2)、及び酸素吸収層(2)の少なくとも一方の面に積層されているスキン層(4)を具備している。酸素吸収層は、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有している。
[0015]
 本発明の酸素吸収性フィルムにおけるスキン層の、JIS K 7126-2に準拠する酸素透過度は、1000~6500cc・20μm/m ・day・atmであることができる。
[0016]
 上記の酸素透過度を満足するスキン層は、非環状オレフィン系ポリマー、及びバリア性樹脂を含有していることができる。また、バリア性樹脂としては、特に、環状オレフィン系ポリマーを用いることが、非環状オレフィン系ポリマーとの相溶性を良好にし、その結果、酸素吸収領域を局在化させない観点から好ましい。
[0017]
 特に、本発明の酸素吸収性フィルムを包装体の構成として用いた場合には、端面失活、すなわち酸素欠損を有する酸化セリウムが酸素吸収性フィルムの端面から酸素を吸収することによる失活を、上記のスキン層の存在により抑制することができる。
[0018]
 スキン層は、酸素吸収層上に直接積層されていることが、酸素吸収性フィルムの酸素吸収性を良好に制御する観点、及び端面失活を抑制する観点から好ましい。
[0019]
 以下では、本発明の各構成要素について説明する。
[0020]
 〈酸素吸収層〉
 酸素吸収層は、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有している。酸素欠損を有する酸化セリウムは、ポリオレフィン中に分散していてよい。
[0021]
 酸素吸収層中の酸素欠損を有する酸化セリウムの含有率は、酸素吸収層の質量を基準として、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、又は20質量%以上であることができ、また70質量%以下、65質量%以下、57質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、又は40質量%以下であることができる。
[0022]
 酸素吸収層の厚さは、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることができ、また300μm以下、200μm以下、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下であることができる。
[0023]
 {ポリオレフィン}
 ポリオレフィンとしては、環状オレフィン系ポリマー、及び非環状オレフィン系ポリマーが挙げられる。
[0024]
 環状オレフィン系ポリマーは、環状オレフィン部分を有するポリマーである。より具体的には、スキン層に関して下記に言及する。
[0025]
 非環状オレフィン系ポリマーは、環状オレフィン部分を有しないポリマーである。非環状オレフィン系ポリマーとしては、環状オレフィン部分を有しないポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
[0026]
 なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
[0027]
 本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
[0028]
 {酸素欠損を有する酸化セリウム}
 酸素欠損を有する酸化セリウムは、ポリオレフィンに分散されていてよい。
[0029]
 ここで、酸化セリウムの酸素欠損は、強還元雰囲気下での還元処理によって、以下の式(1)で表されるように、酸化セリウムの結晶格子中から酸素が強制的に引き抜かれて酸素欠損状態(CeO 2-x、0<x<2)となることによりもたらされる。還元処理は、例えば水素ガスなどの還元性雰囲気下、1000℃などの高温で熱処理すること等により行うことができる。
 CeO +xH →CeO 2-x+xH O  ・・・(1)
[0030]
 そして、以下の式(2)に示すように、酸素が欠損した部分が、酸素と反応することにより、無機系酸素吸収剤としての効果が発揮される。
 CeO 2-x+(x/2)O →CeO   ・・・(2)
[0031]
 上記のxの値は、1.0以下の正の数であることができ、中でも0.7以下の正の数であることが好ましい。上記の式(2)に示すように、酸化セリウムは酸素との反応において雰囲気中に水が存在することは必要とされない。したがって、無機系酸素吸収剤として酸素欠損を有する酸化セリウムを用いることは、水分を嫌う内容物に特に有効である。
[0032]
 〈スキン層〉
 スキン層は、酸素吸収層の少なくとも一方の面に積層されている層である。特に、本発明におけるスキン層は、熱可塑性樹脂で構成されていてよい。
[0033]
 本発明の酸素吸収性フィルムにおけるスキン層を構成する熱可塑性樹脂の、JIS K 7126-2に準拠する酸素透過度は、1000~6500cc・20μm/m ・day・atmであることができる。この酸素透過度は、1500cc・20μm/m ・day・atm以上、1800cc・20μm/m ・day・atm以上、2000cc・20μm/m ・day・atm以上、2500cc・20μm/m ・day・atm以上、又は3000cc・20μm/m ・day・atm以上であることができ、また6300cc・20μm/m ・day・atm以下、6000cc・20μm/m ・day・atm以下、5500cc・20μm/m ・day・atm以下、5000cc・20μm/m ・day・atm以下、又は4500cc・20μm/m ・day・atm以下であることができる。
[0034]
 上記の酸素透過度を満足するスキン層を構成する熱可塑性樹脂は、非環状オレフィン系ポリマー、及びバリア性樹脂を含むことができる。バリア性樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)、環状オレフィン系ポリマー等のエチレン系不飽和ポリマーが挙げられる。
[0035]
 バリア性樹脂としては、特に、環状オレフィン系ポリマーを用いることが、非環状オレフィン系ポリマーとの相溶性を良好にし、その結果、酸素吸収領域を局在化させない観点から好ましい。
[0036]
 バリア性樹脂の含有量は、スキン層の質量を基準として、10質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であることが、酸素透過度を確保する観点から好ましく、また90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であることが、スキン層の製膜性を良好にする観点から好ましい。
[0037]
 スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、7μm以上、又は10μm以上であることができ、また300μm以下、200μm以下、100μm以下、80μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。酸素吸収層の両側にスキン層を積層させた場合、これらのスキン層の厚さは同一であっても異なっていてもよい。
[0038]
 {非環状オレフィン系ポリマー}
 非環状オレフィン系ポリマーとしては、酸素吸収層に関して挙げた非環状オレフィン系ポリマーを用いることができる。
[0039]
 {環状オレフィン系ポリマー}
 環状オレフィン系ポリマーは、環状オレフィン部分を有するポリマーであり、環状オレフィンポリマー、及び/又はα-オレフィン-環状オレフィンコポリマーであることができる。
[0040]
 (環状オレフィンポリマー)
 本発明において、環状オレフィンポリマー(COP)を構成するモノマーとしては、例えば、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン等のビニルシクロアルカン及びこれらの誘導体、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクテン等のモノシクロアルケン及びこれらの誘導体、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.1 2,5]デカ-3-エン、テトラシクロ[4.4.0.1 2,5.1 7,10]ドデカ-3-エン、ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6.0 2,7.0 9,13]ペンタデカ-4-エン、ペンタシクロ[7.4.0.1 2,5.1 9,12.0 8,13]ペンタデカ-3-エン、ペンタシクロ[8.4.0.1 2,5.1 9,12.0 8,13]ヘキサデカ-3-エン、ペンタシクロ[6.6.1.1 3,6.0 2,7.0 9,14]ヘキサデカ-4-エン等の多環式アルカン及びこれらの誘導体、並びにこれらの組合せが挙げられる。
[0041]
 (α-オレフィン-環状オレフィンコポリマー)
 本発明において、α-オレフィン-環状オレフィンコポリマー(COC)とは、α-オレフィン部分と環状オレフィン部分とを共重合させたものを意味する。
[0042]
 ここで、本発明において、コポリマーとは、2種以上のモノマーから成るコポリマーを意味する。
[0043]
 α-オレフィン部分としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーペンテン、4-メチル-ペンテン、3-メチル-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、及び1-デセン等、並びにこれらの組合せが挙げられる。
[0044]
 環状オレフィン部分としては、環状オレフィンポリマーについて挙げたモノマーが挙げられる。
[0045]
 オレフィン-環状オレフィンコポリマーのうち、α-オレフィン部分に由来する構造単位は、10mol%以上、20mol%以上、30mol%以上、40mol%以上、又は50mol%以上であることができ、また95mol%以下、90mol%以下、80mol%以下、70mol%以下、又は60mol%以下であることができる。
[0046]
 《包装用積層体》
 図2(a)及び(b)に示すように、本発明の包装用積層体(100a、100b)は、基材層(20)、及び基材層(20)に積層されている本発明の酸素吸収性フィルム(10a、10b)を具備している。酸素吸収性フィルムのスキン層は、基材層の反対側に配置されている。
[0047]
 基材層と本発明の酸素吸収性フィルムとの積層は、ヒートシールにより行ってもよく、又は接着層を介して行ってもよい。接着層としては、例えば、ドライラミネート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
[0048]
 〈基材層〉
 基材層は、包装体において本発明の酸素吸収性フィルムを積層させる基材層である。この基材層は、酸素吸収性フィルムに適度なコシ及び外部からの水分や酸素等の浸入を防止するバリア性を付与できることが好ましい。基材層は、例えば樹脂層、バリア層、又はこれらの積層体であってよい。
[0049]
 {樹脂層}
 樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。
[0050]
 ポリオレフィンとしては、酸素吸収層に関して挙げたポリオレフィンを用いることができる。
[0051]
 ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等を用いることができる。
[0052]
 ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
[0053]
 ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
[0054]
 樹脂層の厚さは、3μm以上、5μm以上、7μm以上、10μm以上、又は12μm以上であることができ、また120μm以下、100μm以下、80μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、又は20μm以下であることができる。
[0055]
 {バリア層}
 バリア層としては、外部からの酸素が酸素吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。樹脂層が十分な水蒸気バリア性及びガスバリア性を有する場合には、バリア層は必要ないが、樹脂層が十分なバリア性を有しない場合には、バリア層を設ける方が好ましい。例えば、これに限られないが、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム合金等の金属箔、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を使用することができる。
[0056]
 バリア層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下であることができる。
[0057]
 《包装体》
 図3(a)に示すように、本発明の包装体(200a)は、本発明の包装用積層体(100a、100a’)、及び包装用積層体(100a、100a’)で封入されている内容物(30)を具備しており、かつ包装用積層体のスキン層が、内容物の側に配置されている。
[0058]
 また、内容物(30)は、図3(b)に示すように、本発明の包装用積層体(100a)及び他のフィルム(150)で封入されていてもよい。この他のフィルム(150)は、例えば基材層を構成する各層で構成されていてよい。
[0059]
 また、図3(b)に示す他のフィルム(150)の代わりに、吸湿積層体を用いてもよい。すなわち、図3(c)に示すように、本発明の包装体(200c)は、基材層(320)、吸湿層(312)、及び吸湿積層体用スキン層(314)をこの順で具備している、吸湿積層体を更に具備していてよい。この包装体(200c)においては、包装用積層体(100a)の周縁部と、吸湿積層体(300a)の周縁部とが互いに対向して融着されており、それによって、内容物(30)が封入されていてよい。
[0060]
 また、この態様においては、包装用積層体及び吸湿積層体の少なくとも一方が、その内容物側にシーラント層を更に具備していてもよい。
[0061]
 本発明の包装体によれば、25℃において、包装体内部の酸素濃度が、内容物を封入した後7日以内のうちの少なくとも24時間にわたって、0.7vol%以上、1.0vol%以上又は1.5vol%以上であり、かつ5.0vol%以下、4.0vol%以下、3.0vol%以下、又は2.5vol%以下であることができる。この酸素濃度は、内容物を封入した7日後には0.20vol%以下、0.15vol%以下、又は0.10vol%以下であることができる。
[0062]
 また、本発明の図3(c)に示す態様の包装体は、酸素吸収層及び吸湿層の端面からの失活を抑制することができることを、本発明者らは更に見出した。理論に拘束されることを望まないが、これは、本発明の包装用積層体のスキン層に含有されているバリア性樹脂の存在により、酸素吸収性層への酸素の通過が抑制されることに加え、このスキン層への水蒸気の通過が抑制され、それによって、スキン層から吸湿積層体用スキン層への水蒸気の透過が抑制されることとなるため、結果的に、吸湿経路が狭められることによると考えられる。
[0063]
 〈内容物〉
 内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療器具、医療機器、電子部品、精密機械、記録材料等を挙げることができる。
[0064]
 特に、内容物が、密封後に放射線滅菌処理を施すことが想定される内容物、例えば医療器具等である場合に、放射線滅菌処理を施す時点においては適度な酸素濃度を維持しつつ、7日後においては酸素濃度を大きく低減させることができる本発明の包装体がより有益となる。医療器具としては、例えばメス、ピンセット、注射器、体温計、人工透析器等が挙げられる。
[0065]
 〈吸湿積層体〉
 吸湿積層体は、基材層、吸湿層、及び吸湿積層体用スキン層をこの順で具備していてよい。
[0066]
 (吸湿層)
 吸湿層は、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有していてよい。吸湿剤は、熱可塑性樹脂中に分散していてよい。
[0067]
 (吸湿層:吸湿剤)
 吸湿剤としては、例えば物理吸湿剤、及び化学吸湿剤が挙げられる。
[0068]
 物理吸湿剤としては、天然ゼオライト、人工ゼオライト、合成ゼオライトといったゼオライト、合成ゼオライトとしては、親水性ゼオライト、疎水性ゼオライトが用いられ、親水性ゼオライトとしては、例えばモレキュラーシーブ3A、4A、5A、13Xがそれぞれ好ましく用いられる。
[0069]
 化学吸湿剤としては、例えば酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、シリカゲル、塩化カルシウム、生石灰、酸化アルミニウムが好ましく用いられる。
[0070]
 (吸湿層:熱可塑性樹脂)
 熱可塑性樹脂としては、例えば酸素吸収層に関して挙げたポリオレフィンを用いることができる。
[0071]
 (吸湿積層体用スキン層)
 吸湿積層体用スキン層は、吸湿層の少なくとも一方の面に積層されている層である。吸湿積層体用スキン層は、非環状オレフィンポリマー、及びバリア性樹脂のうちの少なくとも一種を含む熱可塑性樹脂で構成されていてよい。非環状オレフィンポリマー及びバリア性樹脂としては、酸素吸収性フィルムに関して挙げたものを用いることができる。
[0072]
 また、吸湿積層体用スキン層は、酸素吸収性フィルムに関して挙げたスキン層、すなわち非環状オレフィン系ポリマー、及びバリア性樹脂を含有しているスキン層を用いてもよい。この場合には、吸湿剤の端面からの吸湿を更に抑制することができる。
[0073]
 40℃相対湿度90%RHにおける、厚さ25μmの吸湿積層体用スキン層のJIS K 7129:2008に準拠する水蒸気透過度は、5g/m ・day以上、10g/m ・day以上、12g/m ・day以上、15g/m ・day以上、又は20g/m ・day以上であってよく、また300g/m ・day以下、200g/m ・day以下、150g/m ・day以下、100g/m ・day以下、又は80g/m ・day以下であってよい。
[0074]
 (基材層)
 基材層としては、包装用積層体に関して挙げた基材層を用いることができる。吸湿積層体の基材層は、包装用積層体の基材層と同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
[0075]
 〈シーラント層〉
 シーラント層は、ヒートシールにより他のフィルムと接合させるための随意の層である。
[0076]
 シーラント層としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、アイオノマー樹脂などを用いることができる。また、シーラント層として、イージーピール性を有するフィルムを用いることもできる。
[0077]
 市販のイージーピール性を有するフィルムとしては、CMPS(登録商標)、T.A.F.(登録商標)(いずれも東セロ株式会社)、アシストAEシリーズ、アシストMシリーズ、アシストPシリーズ(住化プラステック株式会社)、アロマーフィルム(オカモト株式会社)、VMXフィルム(ジェイフィルム株式会社)、サントックス-CP(サン・トックス株式会社)などが挙げられる。
[0078]
 シーラント層の厚さは、良好なヒートシール性を確保する観点から、5μm以上、7μm以上、又は10μm以上であり、かつ30μm以下、25μm以下、又は20μm以下であることが好ましい。
[0079]
 《酸素吸収性フィルム及び吸湿フィルムの製造方法》
 本発明の酸素吸収性フィルムは、酸素吸収層用樹脂組成物の作製工程、スキン層用樹脂組成物の作製工程、製膜工程、及び積層工程を含む方法により製造することができる。
[0080]
 酸素吸収層用樹脂組成物の作製は、上記の酸素欠損を有する酸化セリウム及びポリオレフィンを混練して行うことができる。また、スキン層用樹脂組成物の作製は、スキン層を構成する熱可塑性樹脂を混練して行うことができる。
[0081]
 混練は、例えば、ニーダー、ミキシングロール、コニカルミキサー等のバッチ式混練機、2軸混練機等の連続混練機、単軸押出機、二本ロール混練機、三本ロール混練機等が用いられる。この際には、使用する材料に応じて、80℃以上、100℃以上、120℃以上、又は140℃以上で、かつ220℃以下、200℃以下、又は180℃以下の温度で混練することができる。
[0082]
 上記の混練した酸素吸収層用樹脂組成物及びスキン層用樹脂組成物を、それぞれ酸素吸収層、及びスキン層に成形して、これを積層させて本発明の酸素吸収性フィルムを得ることができる。上記の混練した酸素吸収層用樹脂組成物及びスキン層用樹脂組成物を、インフレーション法、Tダイ法、キャスト法等の押出成型等によりそれぞれ単層のフィルム状にすることによって、専ら製膜工程を行ってもよく、又は多層インフレーション法、若しくはTダイ法等の共押出法により、酸素吸収層とスキン層の製膜工程及び積層工程を同時に行ってもよい。
[0083]
 特に、スキン層を酸素吸収層に直接積層させ、それによって、酸素吸収性フィルムの酸素吸収性を良好に制御する観点から、多層インフレーション法、又はTダイ法等の共押出法により、酸素吸収層とスキン層の製膜工程及び積層工程を同時に行うことが好ましい。
[0084]
 吸湿層に関して挙げた熱可塑性樹脂及び吸湿剤を混練して、吸湿層用樹脂組成物を作製し、吸湿積層体用スキン層に関して挙げた熱可塑性樹脂を混錬して、吸湿積層体用スキン層用樹脂組成物を作製し、吸湿層用樹脂組成物及び吸湿積層体用スキン層用樹脂組成物を用いて、上記と同様の方法により、吸湿層及び吸湿積層体用スキン層を有する吸湿フィルムを製造することもできる。
[0085]
 《内容物処理方法》
 内容物処理方法は、本発明の包装体に、放射線滅菌処理を施すことを含む。
[0086]
 上記に言及したように、本発明の包装体を用いた場合、25℃において、包装体内部の酸素濃度が、内容物を封入した後7日以内のうちの少なくとも24時間にわたって、0.7~5.0vol%であることができる。この酸素濃度は、放射線滅菌処理の作用を大きく生じさせること、及び放射線滅菌処理後の酸素濃度を低減させることを両立させる観点から好ましい。したがって、本発明の包装体を用いる場合、この放射線滅菌処理は、密封後1~7日の期間内に施すことが好ましい。
[0087]
 〈放射線滅菌処理〉
 放射線滅菌処理は、例えば、図3に示すように、包装体(200a、200b)の外部から放射線(A)を照射することにより行うことができる。放射線としては、例えばガンマ線、電子線を用いることができる。
実施例
[0088]
 実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[0089]
 まず、包装用積層体としての評価を以下で示す。
[0090]
 《包装用積層体の作製》
 〈実施例1-1〉
 酸素欠損を有する酸化セリウムCeO 2-x(x=0.5)55質量部と、低密度ポリエチレン45質量部とを、窒素雰囲気下で二軸押出機を用いて混練して、ペレット状に押出して酸素吸収層用マスターバッチを作製した。
[0091]
 スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレン90質量部と、環状オレフィンコポリマー(TOPAS(登録商標)8007F-600、ポリプラスチックス社)10質量部とをドライブレンドしたスキン層用組成物を用いた。
[0092]
 上記の材料を、2種3層フィルムのインフレーション成形機による共押出成形で、樹脂温度180℃の条件で、スキン層20μm/酸素吸収層35μm/スキン層20μmとなるようにして製膜した。
[0093]
 製膜したフィルムに、ドライラミネート接着剤を用いて、樹脂層(ポリエチレンテレフタレート、厚さ12μm)及びバリア層(アルミニウム箔、厚さ20μm)を具備している基材層のバリア層側を貼合させ、実施例1-1の包装用積層体を作製した。
[0094]
 〈比較例1〉
 スキン層用組成物に、環状オレフィンコポリマーを含有させなかったことを除き、実施例1-1と同様にして、比較例1-1の包装用積層体を作製した。
[0095]
 〈実施例2~6〉
 スキン層用組成物中の、直鎖状低密度ポリエチレン及び環状オレフィンコポリマーの含有量を、表1に示す含有量に変更したことを除き、実施例1-1と同様にして、実施例1-2~1-6の包装用積層体を作製した。
[0096]
 《酸素透過度の測定》
 実施例1-1~1-6及び比較例1-1の包装用積層体における20μmのスキン層について、酸素透過率測定装置(OX-TRAN、MOCON社)を用いて、JIS K7126-2に準拠する酸素透過度を測定した。
[0097]
 《評価》
 〈酸素吸収速度〉
 作製した包装用積層体を、それぞれ低酸素濃度(約3vol%)下で、体積15mlとしたアルミニウム袋に封入し、封入直後、封入から1日後、及び封入から7日後の袋内酸素濃度を測定した。測定は、隔膜型ガルバニ電池式酸素センサ(パックマスターRO-103、飯島電子工業社)の測定針をアルミニウム袋に刺して行った。
[0098]
 結果を表1に示す。
[0099]
[表1]


[0100]
 表1から、酸素濃度約3vol%環境で梱包した場合において、比較例1-1では1日経過後に酸素濃度が下がりすぎて0.7vol%未満になってしまうのに対し、実施例1~6では0.7vol%以上を維持できていることが理解できよう。また、実施例1-1~1-6では梱包から7日後に酸素濃度が0.2vol%以下に低減できていることが理解できよう。
[0101]
 次に、包装体としての評価を以下で示す。
[0102]
 《包装体の作製》
 〈実施例2-1〉
 (包装用積層体の作製)
 スキン層として、直鎖状低密度ポリエチレン70質量部と、環状オレフィンコポリマー(TOPAS(登録商標)8007F-600、ポリプラスチックス社)30質量部とをドライブレンドしたスキン層用組成物を用いたこと、並びに酸素吸収層及びスキン層の共押出成形において、樹脂温度を170℃としたこと、並びにドライラミネート接着剤の代わりに、サンドラミネートのための低密度ポリエチレン(LDPE)(サンテックLD(L1850K)、旭化成ケミカルズ株式会社)を用いたことを除き、実施例1-1と同様にして、包装用積層体を作製した。
[0103]
 包装用積層体の層構成は、以下のとおりであった(「//」は、ドライラミネートにより接着されている部分を意味する):
 スキン層/酸素吸収層/スキン層/LDPE/バリア層//樹脂層
[0104]
 (吸湿積層体の作製)
 親水性ゼオライト(モレキュラーシーブ3A、ユニオン昭和株式会社)55質量部と、エチレン-メタクリル酸共重合体(ニュクレル4214C、三井・デュポンポリケミカル株式会社)45質量部とを、窒素雰囲気下で二軸押出機を用いて混練して、ペレット状に押出して吸湿層用マスターバッチを作製した。
[0105]
 吸湿積層体用スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレン(SP2520、プライムポリマー株式会社)を用いた。
[0106]
 上記の材料を、2種3層フィルムのインフレーション成形機による共押出成形で、樹脂温度180℃の条件で、スキン層10μm/吸湿層30μm/スキン層10μmとなるようにして製膜した。
[0107]
 製膜したフィルムの一方のスキン層に、低密度ポリエチレン(サンテックLD(L1850K)、旭化成ケミカルズ株式会社)を用いて、樹脂層(ポリエチレンテレフタレート、厚さ12μm)及びバリア層(アルミニウム箔、厚さ20μm)を具備している基材層のバリア層側をサンドラミネートにより貼合させた。
[0108]
 製膜したフィルムのもう一方のスキン層に、低密度ポリエチレン(サンテックLD(L1850K)、旭化成ケミカルズ株式会社)を用いて、シーラント層としてのイージーピールフィルム(IMX-L、ジェイフィルム株式会社、厚さ30μm)をサンドラミネートにより貼合させ、吸湿積層体を作製した。
[0109]
 吸湿積層体の層構成は、以下のとおりであった:
 シーラント層/LDPE/スキン層/吸湿層/スキン層/LDPE/バリア層//樹脂層
[0110]
 (製袋)
 作製した包装用積層体及び吸湿積層体をそれぞれ所定の大きさにカットし、包装用積層体のスキン層と吸湿積層体のシーラント層とを対向させ、そしてインパルスシーラーでシール時間1.4秒、シール幅10mmの条件でヒートシールし、四面体状の実施例2-1の包装体を4個作製した。
[0111]
 4個の包装体のうち、吸湿層の端面失活の評価のために用いた1個は、包装用積層体及び吸湿積層体をそれぞれ90mm×90mmの大きさにカットしたものを用いて作製し、酸素吸収層の端面失活の評価のために用いた1個は、包装用積層体及び吸湿積層体をそれぞれ50mm×100mmの大きさにカットしたものを用いて作製し、それ以外の包装体は、包装用積層体及び吸湿積層体をそれぞれ65mm×65mmの大きさにカットしたものを、容積15mLとなるようにテトラパック型にシールして作製した。また、4個の包装体のうち、吸湿性の評価のために用いた1個には、小型湿度データロガーを封入した。
[0112]
 〈実施例2-2〉
 包装用積層体のスキン層として、直鎖状低密度ポリエチレン65質量部と、環状オレフィンコポリマー(TOPAS(登録商標)8007F-600、ポリプラスチックス社)35質量部とをドライブレンドしたスキン層用組成物を用いたことを除き、実施例2-1と同様にして、実施例2-2の包装体を4個作製した。
[0113]
 〈比較例2-1〉
 包装用積層体のスキン層として、直鎖状低密度ポリエチレンを用いたことを除き、実施例2-1と同様にして、比較例2-1の包装体を4個作製した。
[0114]
 〈比較例2-2〉
 吸湿積層体の吸湿フィルムの代わりに、直鎖状低密度ポリエチレンの層(厚さ40μm)を用いたことを除き、比較例2-1と同様にして、比較例2-2の包装体を4個作製した。
[0115]
 《酸素吸収層の端面失活の評価》
 作製した各包装体のうちの1個ずつを、温度40℃相対湿度75%RHの恒温恒湿漕に入れ、30日経過後にヒートシール部分を剥がし、酸素欠損を有する酸化セリウムの酸素吸収による変色(濃紺→クリーム色)を目視で確認し、そして失活距離を測定した。
[0116]
 《吸湿層の端面からの吸湿量の評価》
 作製した各包装体のうちの1個ずつの初期質量を測定し、これを温度40℃相対湿度75%RHの恒温恒湿漕に入れ、10日経過後にこの包装体の質量を測定し、質量変化を比較した。
[0117]
 《酸素吸収性の評価》
 作製した各包装体のうちの1個ずつを7日間放置し、測定は、隔膜型ガルバニ電池式酸素センサ(パックマスターRO-103、飯島電子工業社)の測定針を包装体に刺して行った。以下の表2では、測定時の酸素吸収量が、0.03mL/cm 以上であったものを〇、そうではないものを×としている。
[0118]
 《吸湿性の評価》
 吸湿性の評価は、上記の小型湿度データロガーを用い、湿度を経時的に測定することにより行った。以下の表2では、測定を開始してから3時間を経過した時点で絶乾状態、すなわち湿度が0%であった状態のものを〇、そうではないものを×としている。
[0119]
 結果を表2に示す。
[0120]
[表2]


[0121]
 表2において、比較例2-1及び2-2の包装体の酸素吸収層の端面失活距離と比較して、実施例2-1及び2-2の包装体の酸素吸収層の端面失活距離が小さいことから、実施例2-1及び2-2の包装体は、比較例2-1の包装体と比較して、酸素吸収層の端面失活が抑制されていることが理解できよう。
[0122]
 また、表2において、比較例2-1の包装体の質量増加と比較して、実施例2-1及び2-2の包装体の質量増加が小さいことが確認できよう。これらの包装体の酸素吸収性及び吸湿性に有意差がないことを考慮すれば、この質量増加の差分は、吸湿層の端面失活に起因すると考えられる。このことから、実施例2-1及び2-2の包装体は、比較例2-1の包装体と比較して、吸湿層の端面からの吸湿も抑制できていることが理解できよう。

符号の説明

[0123]
 2  酸素吸収層
 4  酸素吸収性フィルムのスキン層
 10a、10a’、10b  酸素吸収性フィルム
 20  基材層
 30  内容物
 100a、100a’、100b  包装用積層体
 150  他のフィルム
 200a、200b、200c  包装体
 300a  吸湿積層体
 312  吸湿層
 314  吸湿積層体用スキン層
 320  吸湿積層体の基材層
 A  放射線

請求の範囲

[請求項1]
 酸素吸収層、及び前記酸素吸収層の少なくとも一方の面に積層されているスキン層を具備しており、
 前記酸素吸収層が、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有しており、かつ
 前記スキン層が、非環状オレフィン系ポリマー、及び環状オレフィン系ポリマーを含有している、
酸素吸収性フィルム。
[請求項2]
 前記スキン層において、前記環状オレフィン系ポリマーの含有率が、前記スキン層全体の質量に対して10~90質量%である、請求項1に記載の酸素吸収性フィルム。
[請求項3]
 前記スキン層において、前記環状オレフィン系ポリマーの含有率が、前記スキン層全体の質量に対して10~40質量%である、請求項2に記載の酸素吸収性フィルム。
[請求項4]
 前記環状オレフィン系ポリマーが、α-オレフィン-環状オレフィンコポリマーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
[請求項5]
 前記酸素吸収層上に、前記スキン層が直接積層されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
[請求項6]
 前記スキン層を構成する熱可塑性樹脂の、JIS K 7126-2に準拠する酸素透過度が、1000~6500cc・20μm/m ・day・atmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム。
[請求項7]
 基材層、及び
 前記基材層に積層されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の酸素吸収性フィルム
を具備しており、かつ
 前記酸素吸収性フィルムの前記スキン層が、前記基材層の反対側に配置されている、
包装用積層体。
[請求項8]
 請求項7に記載の包装用積層体、及び前記包装用積層体で封入されている内容物を具備しており、かつ
 前記包装用積層体の前記スキン層が、前記内容物の側に配置されている、
包装体。
[請求項9]
 基材層、酸素吸収層、及びスキン層をこの順で具備している、包装用積層体、並びに前記包装用積層体で封入されている内容物を具備しており、
 前記包装用積層体の前記スキン層が、前記内容物の側に配置されており、
 前記酸素吸収層が、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有しており、かつ
 前記スキン層を構成する熱可塑性樹脂の、JIS K 7126-2に準拠する酸素透過度が、1000~6500cc・20μm/m ・day・atmである、
包装体。
[請求項10]
 基材層、酸素吸収層、及びスキン層をこの順で具備している、包装用積層体、並びに前記包装用積層体で封入されている内容物を具備しており、
 前記包装用積層体の前記スキン層が、前記内容物の側に配置されており、
 前記酸素吸収層が、ポリオレフィン、及び酸素欠損を有する酸化セリウムを含有しており、かつ
 前記スキン層が、非環状オレフィン系ポリマー及びバリア性樹脂を含有しており、それによって、25℃において、前記内容物を封入した後7日以内のうちの少なくとも24時間にわたって、0.7~5.0vol%の包装体内部の酸素濃度を維持し、かつ7日後には0.2vol%以下である、
包装体。
[請求項11]
 基材層、吸湿層、及び吸湿積層体用スキン層をこの順で具備している、吸湿積層体を更に具備しており、
 前記包装用積層体の周縁部と、前記吸湿積層体の周縁部とが互いに対向して融着されており、それによって、前記内容物が封入されている、
請求項8~10のいずれか一項に記載の包装体。
[請求項12]
 前記包装用積層体及び前記吸湿積層体の少なくとも一方が、その前記内容物側にシーラント層を更に具備している、請求項11に記載の包装体。
[請求項13]
 前記内容物が、医療器具である、請求項8~12のいずれか一項に記載の包装体。
[請求項14]
 請求項8~13のいずれか一項に記載の包装体に、放射線滅菌処理を施すことを含む、内容物処理方法。
[請求項15]
 前記放射線滅菌処理を、密封後1~7日の期間内に施す、請求項14に記載の内容物処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]