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1. (WO2018181738) 分離材
Document

明 細 書

発明の名称 分離材

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011  

発明の効果

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101  

実施例

0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25  

明 細 書

発明の名称 : 分離材

技術分野

[0001]
 本発明は、分離材に関する。

背景技術

[0002]
 従来、タンパク質に代表される生体高分子を分離精製する場合、一般的には多孔質型の合成高分子を母体とするイオン交換体、親水性天然高分子の架橋ゲルを母体とするイオン交換体等が用いられている。多孔質型の合成高分子を母体とするイオン交換体の場合、塩濃度による体積変化が小さいため、カラムに充填してクロマトグラフィーで用いると、通液時の耐圧性に優れる傾向がある。しかし、このイオン交換体は、タンパク質等の分離に用いると、疎水的相互作用に基づく不可逆吸着等の非特異吸着が起こるため、ピークの非対称化が発生する、又は、該疎水的相互作用でイオン交換体に吸着されたタンパク質が吸着されたまま回収できないという問題点がある。
[0003]
 一方、デキストラン、アガロース等の多糖に代表される親水性天然高分子の架橋ゲルを母体とするイオン交換体の場合、タンパク質の非特異吸着がほとんどないという利点がある。ところが、このイオン交換体は、水溶液中で著しく膨潤し、溶液のイオン強度による体積変化、及び、遊離酸形と負荷形との体積変化が大きく、機械的強度も充分ではないという欠点を有する。特に、架橋ゲルをクロマトグラフィーで使用する場合、通液時の圧力損失が大きく、通液によりゲルが圧密化するといった欠点がある。
[0004]
 親水性天然高分子の架橋ゲルの欠点を克服するため、多孔性高分子の細孔内に天然高分子ゲル等のゲルを保持した複合体が、ペプチド合成の分野で知られている(例えば、特許文献1参照)。このような複合体を用いることにより、反応性物質の負荷係数を高め、高収率の合成が可能となる。また、硬質な合成高分子物質でゲルを包囲するため、カラムベッドの形態で使用しても、容積変化がなく、カラムを通過するフロースルーの圧力が変化しないという利点を有する。
[0005]
 マクロネットワーク構造のコポリマの細孔を、モノマから合成した架橋共重合体のゲルで埋めたハイブリッドコポリマのイオン交換体が知られている(例えば、特許文献2参照)。架橋共重合体ゲルは、架橋度が低い場合、圧力損失、体積変化等の問題があるが、ハイブリッドコポリマにすることで通液特性が改善され、圧力損失が少なく、イオン交換容量が向上し、リーク挙動が改善される。
[0006]
 また、有機合成ポリマ基体の細孔内に巨大網目構造を有する親水性天然高分子の架橋ゲルを充填した複合化充填材が提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。
[0007]
 アフィニティ担体として、シリカ等の無機系担体にアフィニティリガンドを結合したものがある(例えば、特許文献5及び特許文献6)。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 米国特許第4965289号明細書
特許文献2 : 米国特許第3966489号明細書
特許文献3 : 特開平1-254247号公報
特許文献4 : 米国特許第5114577号明細書
特許文献5 : 特開2009-31277号公報
特許文献6 : 米国特許4308254号明細書
特許文献7 : 特開昭60-169427号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 従来の分離材は、タンパク質の非特異吸着が多く、カラムとして用いたときの通液性等のカラム特性に劣るという問題がある。
[0010]
 そこで、本発明は、タンパク質の非特異吸着を低減し、カラムとして用いた時の通液性等のカラム特性に優れる分離材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明は、下記[1]~[25]に記載の分離材、カラム及び方法を提供する。
[1]疎水性高分子粒子と、該疎水性高分子粒子の表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を備え、上記被覆層が、水酸基を有する親水性高分子を含み、該親水性高分子が、-NH-R-L(Rは炭化水素基を示し、Lはカルボキシ基又はアミノ基を示す。)で表される基又はエポキシ基を有する、分離材。
[2]水中での5%圧縮変形弾性率が70MPa以上である、[1]に記載の分離材。
[3]当該分離材が充填されたカラムに、該カラムの圧力が0.3MPaとなるように水を通液させたときに、水の通液速度が500cm/h以上である、[1]又は[2]に記載の分離材。
[4]上記疎水性高分子粒子がスチレン系モノマに由来する構造単位を有するポリマを含む粒子である、[1]~[3]のいずれかに記載の分離材。
[5]上記水酸基を有する親水性高分子が、多糖類又はその変性体である、[1]~[4]のいずれかに記載の分離材。
[6]上記水酸基を有する親水性高分子が、デキストラン、アガロース、プルラン、これらの変性体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の分離材。
[7]上記水酸基を有する親水性高分子が架橋されている、[1]~[6]のいずれかに記載の分離材。
[8]平均粒径が10~500μmである、[1]~[7]のいずれかに記載の分離材。
[9]細孔径分布におけるモード径が0.05~0.6μmである、[1]~[8]のいずれかに記載の分離材。
[10]分離材の細孔容積が30~70体積%である、[1]~[9]のいずれかに記載の分離材。
[11]上記疎水性高分子粒子が多孔構造を有する、[1]~[10]のいずれかに記載の分離材。
[12]分離材の比表面積が20m /g以上である、[1]~[11]のいずれかに記載の分離材。
[13]上記疎水性高分子粒子の粒径の変動係数が3~15%である、[1]~[12]のいずれかに記載の分離材。
[14]上記被覆層の量が、上記疎水性高分子粒子1g当たり30~500mgである、[1]~[13]のいずれかに記載の分離材。
[15]上記被覆層が、上記-NH-R-Lで表される基に由来する構造又は上記エポキシ基に由来する構造を含むスペーサーを介して上記親水性高分子と結合しているリガンドを更に有する、[1]~[14]のいずれかに記載の分離材。
[16]上記リガンドが上記スペーサーと共有結合している、[15]に記載の分離材。
[17]上記スペーサーが直鎖状である、[15]又は[16]に記載の分離材。
[18]上記親水性高分子が多糖類又はその変性体であり、上記親水性高分子中の水酸基に由来する酸素原子から、上記リガンドに結合している原子までの原子の数で表される上記スペーサーの長さが4原子以上50原子未満である、[15]~[17]のいずれかに記載の分離材。
[19]上記リガンドが、免疫グロブリンの一部と特異的に結合可能である、[15]~[18]のいずれかに記載の分離材。
[20]上記リガンドが、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの機能性変異体からなる群から選ばれる1種以上である、[15]~[19]のいずれかに記載の分離材。
[21][1]~[20]のいずれかに記載の分離材を備えるカラム。
[22](a)標的分子を含む溶液を[1]~[20]のいずれかに記載の分離材に接触させて、該標的分子を該分離材に吸着させる工程、及び(b)上記標的分子を吸着した上記分離材から該標的分子を溶離する工程を含む、標的分子を分離する方法。
[23]上記標的分子が、免疫グロブリンの少なくとも一部又はその変性物である、[22]に記載の方法。
[24]上記免疫グロブリンが、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体からなる群から選ばれる1種以上である、[23]に記載の方法。
[25]上記標的分子が、免疫グロブリンのFc領域の少なくとも一部を含む融合タンパク質又はその変性物である、[22]~[24]のいずれかに記載の分離材。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、タンパク質の非特異吸着を低減しつつ、カラムとして用いた時の通液性等のカラム特性に優れる分離材を提供することが可能となる。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
[0014]
<分離材>
 本実施形態の分離材は、疎水性高分子粒子と、該疎水性高分子粒子の表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備え、該被覆層が、水酸基を有する親水性高分子を含み、親水性高分子が、-NH-R-L(Rは炭化水素基を示し、Lはカルボキシ基又はアミノ基を示す。)で表される基又はエポキシ基を有する。本実施形態の分離材によれば、タンパク質の非特異吸着が低減されるとともに、カラムに充填したときに優れた通液性を有する。また、本実施形態の分離材は、イオン交換容量、耐久性及び耐アルカリ性にも優れ、カラムに充填したときの吸着量(動的吸着量)も実用上充分に高いと考えられる。なお、本明細中、「疎水性高分子粒子の表面」とは、疎水性高分子粒子の外側の表面のみでなく、疎水性高分子粒子の内部における細孔の表面を含むものとする。
[0015]
[疎水性高分子粒子]
 本実施形態に係る疎水性高分子粒子は、疎水性を有する高分子を含む粒子である。疎水性高分子粒子の製造方法に特に制限はないが、例えば、疎水性を有する高分子を形成可能なモノマを重合させる方法が挙げられる。モノマとしては、疎水性を有する高分子を形成可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、スチレン系モノマが挙げられる。すなわち、上記疎水性高分子粒子は、例えば、スチレン系モノマに由来する構造単位を有する疎水性高分子を含んでいてもよい。
[0016]
 本実施形態に係る疎水性高分子粒子は、多孔構造を有していてもよい。すなわち、本実施形態に係る疎水性高分子粒子は、例えば、疎水性の多孔質高分子粒子(多孔質ポリマ粒子)であってもよい。多孔質高分子粒子は、例えば、多孔質化剤の存在下でモノマを重合させて得られるポリマを含む粒子であり、従来の懸濁重合、乳化重合等により合成することができる。具体的なモノマとしては、以下のような多官能性モノマ、単官能性モノマ等が挙げられる。
[0017]
 多官能性モノマとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフェナントレン等のジビニル化合物が挙げられる。これらの多官能性モノマは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記の中でも、耐久性、耐酸性及び耐アルカリ性の観点より、モノマがジビニルベンゼンを含有することが好ましい。
[0018]
 単官能性モノマとしては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロロスチレン、3,4-ジクロロスチレン等のスチレン及びその誘導体が挙げられる。これらの単官能性モノマは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記の中でも、耐酸性及び耐アルカリ性に優れるという観点から、スチレンを使用することが好ましい。また、カルボキシ基、アミノ基、水酸基、アルデヒド基等の官能基を有するスチレン誘導体も使用することができる。
[0019]
 多孔質化剤としては、重合時に相分離を促し、粒子の多孔質化を促進する有機溶媒である脂肪族又は芳香族の炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類等が挙げられる。多孔質化剤として、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、オクタン、酢酸ブチル、フタル酸ジブチル、メチルエチルケトン、ジブチルエーテル、1-ヘキサノール、2-オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール及びシクロヘキサノールが挙げられる。これらの多孔質化材は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
[0020]
 上記多孔質化剤は、モノマ全質量に対して0~200質量%使用できる。多孔質化剤の量によって、疎水性高分子粒子の空隙率をコントロールできる。さらに、多孔質化剤の種類によって、疎水性高分子粒子の細孔の大きさ及び形状をコントロールすることができる。
[0021]
 溶媒として使用する水を多孔質化剤とすることもできる。水を多孔質化剤とする場合は、モノマに油溶性界面活性剤を溶解させ、水を吸収することによって、粒子を多孔質化することが可能となる。
[0022]
 多孔質化に使用される油溶性界面活性剤としては、分岐C16~C24脂肪酸、鎖状不飽和C16~C22脂肪酸又は鎖状飽和C12~C14脂肪酸のソルビタンモノエステル、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノミリステート又はヤシ脂肪酸から誘導されるソルビタンモノエステル;分岐C16~C24脂肪酸、鎖状不飽和C16~C22脂肪酸又は鎖状飽和C12~C14脂肪酸のジグリセロールモノエステル、例えば、ジグリセロールモノオレエート(例えば、C18:1(炭素数18個、二重結合数1個)脂肪酸のジグリセロールモノエステル)、ジグリセロールモノミリステート、ジグリセロールモノイソステアレート又はヤシ脂肪酸のジグリセロールモノエステル;分岐C16~C24アルコール(例えば、ゲルベアルコール)、鎖状不飽和C16~C22アルコール又は鎖状飽和C12~C14アルコール(例えば、ヤシ脂肪アルコール)のジグリセロールモノ脂肪族エーテル;及びこれらの混合物が挙げられる。
[0023]
 これらのうち、ソルビタンモノラウレート(例えば、SPAN(スパン、登録商標)20、純度が好ましくは約40%を超える、より好ましくは約50%を超える、更に好ましくは約70%を超えるソルビタンモノラウレート)、ソルビタンモノオレエート(例えば、SPAN(スパン、登録商標)80、純度が好ましくは約40%を超える、より好ましくは約50%を超える、更に好ましくは約70%を超えるソルビタンモノオレエート)、ジグリセロールモノオレエート(例えば、純度が好ましくは約40%を超える、より好ましくは約50%を超える、更に好ましくは約70%を超えるジグリセロールモノオレエート)、ジグリセロールモノイソステアレート(例えば、純度が好ましくは約40%を超える、より好ましくは約50%を超える、更に好ましくは約70%を超えるジグリセロールモノイソステアレート)、ジグリセロールモノミリステート(純度が好ましくは約40%を超える、より好ましくは約50%を超える、更に好ましくは約70%を超えるソルビタンモノミリステート)、ジグリセロールのココイル(例えば、ラウリル基、ミリストイル基等)エーテル、又はこれらの混合物が好ましい。
[0024]
 これらの油溶性界面活性剤は、モノマ全質量に対して、5~80質量%の範囲で用いることが好ましい。油溶性界面活性剤の含有量が5質量%以上であると、水滴の安定性が充分となることから、大きな単一孔を形成しにくくなる。また、油溶性界面活性剤の含有量が80質量%以下であると、重合後に疎水性高分子粒子が形状をより保持し易くなる。
[0025]
 重合反応に用いられる水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、低級アルコール)との混合媒体等が挙げられる。水性媒体には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性イオン系の界面活性剤のうち、いずれも用いることができる。
[0026]
 アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、アルケルニルコハク酸塩(ジカリウム塩)、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が挙げられる。
[0027]
 カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。
[0028]
 ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド類等の炭化水素系ノニオン界面活性剤、シリコンのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリプロピレンオキサイド付加物類等のポリエーテル変性シリコン系ノニオン界面活性剤、パーフルオロアルキルグリコール類等のフッ素系ノニオン界面活性剤が挙げられる。
[0029]
 両性イオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の炭化水素界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
[0030]
 界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記界面活性剤の中でも、モノマ重合時の分散安定性の観点から、アニオン系界面活性剤が好ましい。
[0031]
 必要に応じて添加される重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-tert-ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。重合開始剤は、モノマ100質量部に対して、0.1~7.0質量部の範囲で使用することができる。
[0032]
 重合温度は、モノマ及び重合開始剤の種類に応じて、適宜選択することができる。重合温度は、25~110℃が好ましく、50~100℃がより好ましい。
[0033]
 疎水性高分子粒子の合成において、粒子の分散安定性を向上させるために、高分子分散安定剤を用いてもよい。
[0034]
 高分子分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、セルロース類(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等)、ポリビニルピロリドンが挙げられ、トリポリリン酸ナトリウム等の無機系水溶性高分子化合物も併用することができる。これらのうち、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンが好ましい。高分子分散安定剤の添加量は、モノマ100質量部に対して1~10質量部が好ましい。
[0035]
 モノマが単独で重合することを抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を用いてもよい。
[0036]
 疎水性高分子粒子及び分離材の平均粒径は、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは150μm以下、より更に好ましくは100μm以下である。また、疎水性高分子粒子及び分離材の平均粒径は、通液性の向上の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。疎水性高分子粒子及び分離材の平均粒径は、10~500μmであることが好ましく、30~300μmであることがより好ましく、50~150μmであることが更に好ましい。
[0037]
 疎水性高分子粒子及び分離材の粒径の変動係数(C.V.)は、通液性の向上の観点から、3~15%であることが好ましく、5~15%であることがより好ましく、5~10%であることが更に好ましい。粒径のC.V.を低減する方法としては、マイクロプロセスサーバー(日立製作所)等の乳化装置により単分散化することが挙げられる。
[0038]
 疎水性高分子粒子又は分離材の平均粒径及び粒径のC.V.(変動係数)は、以下の測定法により求めることができる。
1)粒子を、超音波分散装置を使用して水(界面活性剤等の分散剤を含む)に分散させ、1質量%の粒子を含む分散液を調製する。
2)粒度分布計(シスメックスフロー、シスメックス株式会社製)を用いて、上記分散液中の粒子約1万個の画像により平均粒径及び粒径のC.V.(変動係数)を測定する。
[0039]
 疎水性高分子粒子及び分離材の細孔容積(空隙率)は、疎水性高分子粒子又は分離材の全体積(細孔容積を含む)基準で30体積%以上70体積%以下であることが好ましく、40体積%以上70体積%以下であることがより好ましい。
[0040]
 疎水性高分子粒子及び分離材は、細孔径が0.1μm以上0.5μm未満である細孔、すなわちマクロポアー(マクロ孔)を有することが好ましい。疎水性高分子粒子及び分離材の平均細孔径又はモード細孔径(細孔径分布におけるモード径)は、好ましくは0.05μm以上0.6μm以下であり、より好ましくは、0.1μm以上0.5μm未満であり、更に好ましくは0.2μm以上0.5μm未満である。平均細孔径又はモード細孔径が0.05μm以上であると、細孔内に物質が入り易くなる傾向にあり、平均細孔径又はモード細孔径が0.6μm未満であると、比表面積が充分なものになる。細孔容積及び細孔径は上述の多孔質化剤により調整可能である。
[0041]
 疎水性高分子粒子及び分離材の比表面積は、20m /g以上であることが好ましく、30m /g以上であることがより好ましい。より高い実用性の観点から、比表面積は35m /g以上であることが更に好ましく、40m /g以上であることがより更に好ましい。比表面積が20m /g以上であると、分離する物質の吸着量が大きくなる傾向にある。
[0042]
[被覆層]
 本実施形態に係る被覆層は、水酸基を有する親水性高分子を含み、親水性高分子は、-NH-R-L(Rは炭化水素基を示し、Lはカルボキシ基又はアミノ基を示す。)で表される基又はエポキシ基を有している。水酸基を有する親水性高分子で疎水性高分子粒子を被覆することにより、タンパク質の非特異吸着を抑制することが可能となり、タンパク質吸着量を、向上させることができる。また、水酸基を有する親水性高分子が架橋されていると、カラム圧の上昇をより抑制することが可能となる。さらに、被覆層に特定の官能基を導入することによって、リガンドを固定化することが可能となる。-NH-R-Lで表される基又はエポキシ基は、例えば、親水性高分子中の水酸基を介して親水性高分子と結合していてよい。
[0043]
(親水性高分子)
 水酸基を有する親水性高分子は、1分子中に2個以上の水酸基を有することが好ましい。水酸基を有する親水性高分子としては、例えば、多糖類又はその変性体、及び、ポリビニルアルコール又はその変性体高分子が挙げられる。多糖類としては、例えば、アガロース、デキストラン、セルロース、プルラン、及びキトサンが挙げられる。水酸基を有する親水性高分子として、例えば、平均分子量1万~20万程度などの平均分子量1万以上のものを使用できる。水酸基を有する親水性高分子は、デキストラン、アガロース、プルラン、これらの変性体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上であってよい。
[0044]
 水酸基を有する親水性高分子は、界面吸着能を向上させる観点から、疎水基を導入した変性体であることが好ましい。疎水基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基及び炭素数6~10のアリール基が挙げられる。炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。炭素数6~10のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。疎水性基は、水酸基と反応する官能基(例えば、エポキシ基)及び疎水基を有する化合物(例えば、グリシジルフェニルエーテル)を、水酸基を有する親水性高分子と従来公知の方法で反応させることにより、導入することができる。
[0045]
 疎水性基を導入した親水性高分子の変性体における疎水性基の含有量は、粒子表面に吸着するための疎水的相互作用力の保持と、タンパク質の非特異吸着の抑制のバランスとから、5~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましく、12~17質量%であることが更に好ましい。
[0046]
(被覆層の形成方法)
 本実施形態に係る被覆層は、例えば、以下に示す方法により形成することができる。
[0047]
 まず、水酸基を有する親水性高分子の溶液を疎水性高分子粒子表面に吸着させる。水酸基を有する親水性高分子の溶液の溶媒としては、水酸基を有する親水性高分子を溶解することのできるものであれば、特に限定されないが、水が最も一般的である。溶媒に溶解させる高分子の濃度は、5~20(mg/mL)が好ましい。
[0048]
 この溶液を、疎水性高分子粒子に含浸させる。含浸方法は、水酸基を有する親水性高分子の溶液に疎水性高分子粒子を加えて一定時間放置する。含浸時間は疎水性高分子粒子の表面状態によっても変わるが、通常一昼夜含浸すれば高分子濃度が疎水性高分子粒子の内部と外部とで平衡状態となる。その後、水、アルコール等の溶媒で洗浄し、未吸着分の水酸基を有する親水性高分子を除去する。
[0049]
(架橋処理)
 次いで、架橋剤を加えて疎水性高分子粒子表面に吸着された水酸基を有する親水性高分子を架橋反応させて、架橋体を形成する。このとき、架橋体は、水酸基を有する3次元架橋網目構造を有する。
[0050]
 架橋剤としては、例えば、エピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物、メチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物などのような水酸基に活性な官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。また、水酸基を有する親水性高分子としてキトサンのようなアミノ基を有する化合物を使用する場合には、ジクロロオクタンのようなジハライド化合物も架橋剤として使用できる。
[0051]
 この架橋反応には通常触媒が用いられる。該触媒は架橋剤の種類に合わせて適宜従来公知のものを用いることができるが、例えば、架橋剤がエピクロルヒドリン等の場合には水酸化ナトリウム等のアルカリが有効であり、ジアルデヒド化合物の場合には塩酸等の鉱酸が有効である。
[0052]
 架橋剤による架橋反応は、通常、分離材を適当な媒体中に分散、懸濁させた系に架橋剤を添加することによって行われる。架橋剤の添加量は、水酸基を有する親水性高分子として多糖類を使用した場合、単糖類の1単位を1モルとすると、それに対して0.1~100モル倍の範囲内で、分離材の性能に応じて選定することができる。一般に、架橋剤の添加量を少なくすると、被覆層が疎水性高分子粒子から剥離し易くなる傾向にある。また、架橋剤の添加量が過剰で、かつ水酸基を有する親水性高分子との反応率が高い場合、原料の水酸基を有する親水性高分子の特性が損なわれる傾向にある。
[0053]
 触媒の使用量としては、架橋剤の種類により異なるが、通常、水酸基を有する親水性高分子として多糖類を使用する場合に、多糖類を形成する単糖類の1単位を1モルとすると、これに対して0.01~10モル倍の範囲、好ましくは0.1~5モル倍で使用される。
[0054]
 例えば、該架橋反応条件を温度条件とした場合、反応系の温度を上げ、その温度が反応温度に達すれば架橋反応が生起する。
[0055]
 水酸基を有する親水性高分子の溶液等を含浸させた疎水性高分子粒子を分散、懸濁させる媒体としては含浸させた高分子溶液から高分子、架橋剤等を抽出してしまうことなく、かつ架橋反応に不活性なものである必要がある。媒体の具体例としては水、アルコール等が挙げられる。
[0056]
 架橋反応は、通常、5~90℃の範囲の温度で、1~10時間かけて行う。好ましくは、30~90℃の範囲の温度である。
[0057]
 架橋の進行度を調整する際は、該架橋反応を段階的に行ってもよい。例えば、一度架橋反応させた粒子を再度架橋反応させることでも架橋の進行度を調整できる。架橋の進行度は、熱分解の5%重量減少時の温度で評価する。架橋の進行度が高い場合、重量減少開始温度は高くなり、架橋の進行度が低い場合、重量減少開始温度も低くなる。
[0058]
 5%熱重量減少量時の温度は、水酸基を有する親水性高分子の特性を保つ点で200~350℃であることが好ましく、220~330℃であるとより好ましく、230~320℃であると更に好ましい。架橋度が低過ぎると水酸基を有する親水性高分子が粒子から脱落し易く、架橋度が高過ぎると水酸基を有する親水性高分子の粒子からの脱落は防げるが、高分子の膨潤性又は官能基量の低下により動的吸着量が低下する。
[0059]
 架橋反応終了後、生成した粒子をろ別し、次いで、メタノール、エタノール等の親水性有機溶媒で洗浄し、未反応の高分子、懸濁用媒体等を除去すれば、疎水性高分子粒子の表面の少なくとも一部が、水酸基を有する親水性高分子を含む被覆層により被覆された粒子(以下、場合により「被覆粒子」という。)が得られる。
[0060]
(官能基の導入)
 上記被覆粒子には、水酸基を介してカルボキシ基、アミノ基、エポキシ基等の官能基を導入することができる。カルボキシ基及びアミノ基は、-NH-R-Lで表される基として導入されてもよい。Rは炭化水素基を示し、Lはカルボキシ基又はアミノ基を示す。炭化水素基としては、例えば、炭素数1~10のアルキレン基が挙げられる。本実施形態に係る分離材における被覆層には、親水性高分子が有する水酸基を介して-NH-R-Lで表される基又はエポキシ基が導入されていてよい。被覆粒子がカルボキシ基、アミノ基、エポキシ基等の官能基を有することにより、被覆粒子にリガンドを導入することができる。
[0061]
 水酸基を介した官能基の導入手法としては、例えば、ハロゲン化アルキル化合物を用いる方法が挙げられる。ハロゲン化アルキル化合物としては、例えば、モノハロゲノ酢酸、モノハロゲノプロピオン酸等のモノハロゲノカルボン酸及びそのナトリウム塩、ジエチルアミノエチルクロライド等のハロゲン化アルキル基を少なくとも1つ有する1級、2級又は3級アミンが挙げられる。ハロゲン化アキル化合物は、硫黄化合物、臭化物又は塩化物であることが好ましい。
[0062]
 官能基として、エポキシ基を導入する方法としては、例えば、被覆粒子に、エピハロヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル又は1,2,3,4-ジエポキシブタンを反応させる方法が挙げられる。エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、β-メチルエピクロロヒドリン、α-メチルエピクロロヒドリン及びγ-メチルエピクロロヒドリンが挙げられる。これらのハロゲン化アルキル化合物の使用量は、被覆粒子の全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましい。反応条件は、40~90℃で0.5~12時間であることが好ましい。
[0063]
 官能基として、カルボキシ基を導入する方法としては、例えば、上記エポキシ基が導入された被覆粒子に、アミノ基を有するカルボン酸化合物を反応させる方法が挙げられる。アミノ基を有するカルボン酸化合物として、例えば、3-アミノプロパン酸、4-アミノブタン酸、5-アミノペンタン酸、6-アミノヘキサン酸及び7-アミノヘプタン酸が挙げられる。アミノ基を有するカルボン酸化合物の使用量は、エポキシ基が導入された被覆粒子の全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましい。
[0064]
 官能基として、アミノ基を導入する方法としては、例えば、上記エポキシ基が導入された被覆粒子に、ジアミン化合物を反応させる方法が挙げられる。ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン及び1,8-ジアミノオクタンが挙げられる。ジアミン化合物の使用量は、エポキシ基が導入された被覆粒子の全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましい。
[0065]
 本実施形態における被覆層中の親水性高分子は、-NH-R-Lで表される基に由来する構造及び/又はエポキシ基に由来する構造を、リガンドを結合するためのスペーサーとして有していてよい。すなわち本実施形態に係る分離材は、-NH-R-Lで表される基に由来する構造及び/又はエポキシ基に由来する構造を含むスペーサーを介して、リガンドと親水性高分子とが結合されていてよい。スペーサーは、被覆層中の親水性高分子及びリガンドと共有結合していてよい。これにより、リガンドを分離材に固定化することができる。スペーサーは、被覆層中の親水性高分子の有する官能基、及びリガンドの有する官能基とそれぞれ反応することができる官能基を、分子内にそれぞれ1個以上有する低分子又は高分子化合物であってよい。
[0066]
 例えばプロテインA等のアミノ基を有するリガンドを用いる場合、リガンドを固定化する方法としては、親水性高分子にエポキシ基、カルボキシ基等のアミノ基と共有結合を形成する官能基を含有させておき、これとリガンドを直接反応させて固定化する方法が例示できる。
[0067]
 また、その他の固定化方法としては、スペーサーとしてアミノ酸(アミンカルボン酸)類を用い、そのアミノ基部位と親水性高分子のエポキシ基とを反応させた上で、他の末端のカルボキシ基によってリガンド中のアミノ基と反応させる方法、スペーサーとしてジアミン又はジオールと(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル等のジグリシジル化合物を逐次的に用いて、分離材のエポキシ基にジアミン又はジオールの一方の末端を結合させ、他の末端にジグリシジル化合物の一方のエポキシ基を結合させて、残る末端のエポキシ基をリガンドと結合させる方法等が挙げられる。
[0068]
 上記方法でスペーサーの一部の成分として用いられるジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類などが挙げられる。ジオールとしては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール類などが挙げられる。
[0069]
 スペーサーは、リガンドとの反応性、及び固定化時の疎水性高分子粒子との立体障害の関係を考慮すると、直鎖状の構造を有していることが好ましい。分岐鎖状ではなく直鎖状の構造のスペーサーを用いると、立体障害を小さくし、リガンドと抗体とのアフィニティ結合の形成を妨げないため、吸着量が増加する傾向となる。
[0070]
 隣接するリガンドとの立体障害を避ける観点から、スペーサー長さは3原子以上50原子未満であることが好ましく、4原子以上50原子未満であることがより好ましく、4原子以上30原子未満であることが更に好ましく、4原子以上20原子未満であることがより更に好ましい。スペーサー長さは4原子以上10原子以下であってもよい。スペーサーの長さは、例えば上記親水性高分子が多糖類又はその変性体である場合には、親水性高分子中の水酸基に由来する酸素原子から、リガンドに結合している原子までの原子の数で表される。
[0071]
 リガンドの固定化を行う官能基(例えばエポキシ基、カルボキシ基及びアミノ基)の含有量は、疎水性高分子粒子1mL当たり0.01~500μmolであることが好ましい。含有量が0.01μ当量以上であると、リガンドの固定量を増加させることができ、リガンドの固定を強めることができる。含有量が500μ当量以下であると、リガンドの易動性が高まり、抗体吸着量が増加する傾向となる。
[0072]
 本実施形態において用いられるリガンドはアフィニティ吸着性を有するものである。このようなリガンドとしては、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの機能性変異体、各種抗体、レクチン類、又はこれらの疑似ペプチドリガンド類が挙げられる。リガンドは、タンパク質に親和性のある生化学活性を有する物質で固定化可能なものであれば特に限定されない。
[0073]
 リガンドの中でも、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの機能性変異体から選択される1種以上が、抗体の分離に用いる際の選択率が高く好ましい。なお、抗体の分離を主目的とする場合、リガンドとしては免疫グロブリンの一部と特異的に結合可能であるものが好ましい。
[0074]
 リガンドの固定化反応は、例えば、リガンドを含む水溶液を、上記反応性官能基を有する被覆粒子上に供給し、反応させることによって行うことができる。固定化反応の温度は4~30℃程度が好ましい。固定化反応温度を30℃以下とすることによって、リガンドの活性を維持しやすくなる。
[0075]
 分離材1L当たりのリガンドの固定化密度は、1gより大きいことが好ましい。またその上限は特に限定されないが、通常50g/L以下である。リガンドの固定化密度が1g/L以上であると、抗体の吸着量が増加し、分離材の効率を上げることができる。固定化密度が50g/L以下であると、リガンドの利用効率を上げることができる。
[0076]
 本実施形態に係る分離材の抗体吸着量は、例えば、分離材1mL当たり5mg以上であってよい。より好ましい抗体吸着量は分離材1mL当たり10mg以上、更に好ましくは20mg以上、より更に好ましくは40mg以上である。このような高い吸着量を達成するためには、例えば、リガンドの固定化密度を調整する、細孔直径を調整する、平均粒子径を調整する、アフィニティ吸着性を有するリガンドの種類を選択する等の方法があり、必要に応じてこれらの方法を2つ以上組み合わせてもよい。これらの物性の好適範囲は上述のとおりである。
[0077]
 製造される分離材を無菌プロセス向けの分離材として無菌状態で製出するためには、リガンドを共有結合で固定化する前に、親水性高分子が被覆された疎水性高分子粒子を、40体積%以上98体積%以下のエタノール水溶液で洗浄滅菌し、滅菌状態を維持した容器内でリガンドの固定化工程を実施することが好ましい。
[0078]
 洗浄滅菌のための薬剤としては、エタノール以外に各種有機溶媒も使用することができる。エタノール以外の薬剤としては、例えば、メタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、ホルマリン水溶液、アセトン、ギ酸、酢酸等が挙げられる。また、過酸化水素水、次亜塩素酸塩水溶液、重曹水、炭酸ナトリウム水溶液、食塩水又はアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化カルシウム)のように、一般に用いられる洗浄滅菌剤を用いることができる。上記の薬剤はそれぞれ任意の割合で混合して使用可能である。
[0079]
 洗浄温度は、任意の温度で実施可能であり、2℃~50℃が好ましい。洗浄温度が上記範囲であると、分離材の凍結による破砕及び高温による分解を防ぐことができる。洗浄滅菌工程は、リガンドを固定化した後に実施してもよいが、エタノール又は薬剤によるリガンド活性への影響を排除するために、リガンド固定化前に洗浄滅菌工程を行うことが好ましい。その後は滅菌状態を維持した環境下で後工程を行うことが好ましい。
[0080]
 親水性高分子が被覆された疎水性高分子粒子にリガンドを共有結合で固定化する前に滅菌する方法としては、リガンドを固定化する以前の反応工程で滅菌状態にし、滅菌状態を維持したままリガンドの固定化工程へ移る方法が好ましく用いられる。リガンドを固定化する以前の反応工程としては、スペーサー導入の工程が挙げられる。スペーサー導入工程においてアルカリ触媒を使用する場合、その反応液中のアルカリ濃度は0.1モル/Lから10モル/Lになることがあり、その反応液中で分離材が滅菌される。その際に添加するアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、又は重曹が挙げられる。
[0081]
 スペーサー導入工程の反応時間は、通常0.1~100時間であり、好ましくは0.1~5時間である。温度は凍結しない温度が好ましく、4℃~200℃、好ましくは10℃~50℃である。該工程で水酸化ナトリウム等の水酸化物を用いる場合、水溶液又はアルコール溶液の形態で用いることが好ましく、該水酸化物の溶解する液体を用いることが好ましい。該水酸化物を水溶液の形態で用いる場合のアルカリ濃度の範囲は、好ましくは0.1モル/L~10モル/Lであり、より好ましくは0.5モル/Lから5モル/Lである。上記範囲内であると、疎水性高分子粒子の加水分解を防ぎ、性質を向上させることができる。
[0082]
 上記のように固定化反応を行った後、親水性高分子上に残存する反応性官能基は、後処理により不活性化しておくことが好ましい。残った反応性官能基を不活性化しておくことによって、その後プロテインA等のリガンドの活性基と反応することを防ぎ、分離材の吸着容量を向上させ、選択率を向上させることができる。
[0083]
 反応性官能基としてエポキシ基を有する場合、後処理としては例えば、エタノールアミン等のアミン類の水溶液と反応させて不活性化する方法が例示できる。不活性化の際のエタノールアミンの濃度、pH等の処理条件は、特に制限されるものではないが、通常、濃度0.1~5モル/L、pH7~14の条件で実施することができる。この範囲の条件とすることで、エタノールアミンの反応速度が実用的な範囲となり、またプロテインA等のリガンドの失活も抑えられるので好ましい。更に好ましい処理条件は濃度1~2モル/L、pH8~9の条件である。
[0084]
 リガンド固定化反応後の分離材、又は更に後処理を行った分離材は、未反応物を除去するために水で洗浄されることが好ましい。洗浄に際しては、酸性の洗浄水と塩基性の洗浄水とを交互に用いて洗浄することがより好ましい。このとき、pH0~5の緩衝液とpH8~15の緩衝液との2種類を交互に用いて洗浄すると、過剰のリガンドの除去と、固定化されたリガンドの活性化を行うことができて更に好ましい。
[0085]
 洗浄に使用することができる緩衝液としては、酸性緩衝液及び塩基性緩衝液が挙げられる。酸性緩衝液としては、塩酸/塩化カリウム、酒石酸、クエン酸、グリシン、ギ酸、酢酸、コハク酸、リン酸、又はそれらの塩を含む液が挙げられる。塩基性緩衝液としては、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ジエタノールアミン、ホウ酸、アンモニア、炭酸、又はそれらの塩を含む液が挙げられる。
[0086]
 使用する緩衝液のイオン強度は、0.001M~10Mであることが好ましく、0.01M~2Mであることがより好ましい。この範囲のイオン強度の緩衝液を使用すると、固定化されたリガンドの失活を少なくすることができるので好ましい。用いる緩衝液は、塩化ナトリウム又は塩化カリウム等の塩を含有していてもよい。これらの塩が存在すると、過剰のリガンドの除去と、固定化されたリガンドの活性化を効果的に行うことができて好ましい。塩の濃度は例えば0.1~2Mであってよく、好ましくは0.5~1Mである。
[0087]
 リガンド固定化密度は、上記反応性官能基を有する被覆粒子上に、リガンドを含む水溶液を供給して反応を行わせる際に、反応前後の上澄み液のリガンドの濃度をHPLC又は吸光度法で定量することにより、測定することができる。
[0088]
 得られた分離材は、そのまま使用する場合を除いて一時的に保管されてもよい。保管時の媒体としては、濃度1~50質量%のエタノール水溶液を用いることが好ましい。エタノールの濃度をこの範囲とすることで、固定化されたリガンドの失活を抑制することができる。また、本実施形態に係る分離材を上記媒体中で保管すると、該分離材の膨潤度が適切になり、かつ該分離材に対する保管媒体への親和性が良好であるため好ましい。上記媒体を用いると、細菌類の繁殖を抑制する効果があり、また、細孔内に固定されたリガンドの保存安定性が向上するため好ましい。より好ましいエタノールの濃度は10~30質量%、更に好ましい濃度は15~25質量%である。
[0089]
 上述の分離材を用いた標的分子の分離処理は、以下の工程(a)及び工程(b)を含むように行うのが好ましい。すなわち、本実施形態に係る標的分子の分離方法は、以下の工程(a)及び工程(b)を含む。
 (a)標的分子を含む溶液を上記分離材に接触させて、標的分子を分離材に吸着させる工程
 (b)上記標的分子を吸着した分離材から該標的分子を溶離する工程
 上記方法により、上記各種タンパク質を選択性良く分離することが可能である。
[0090]
 標的分子としては、例えば、免疫グロブリンの少なくとも一部又はその変性物(例えば化学変性物)が挙げられる。免疫グロブリンは、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。標的分子は、免疫グロブリンのFc領域の少なくとも一部を含む融合タンパク質又はその変性物(例えば化学変性物)であることがより好ましい。
[0091]
 上記分離処理に際しては、上記分離材を充填材として含み、少なくとも1つの容器を備える液体クロマトグラフィー用カラムが好ましく用いられる。
[0092]
 本実施形態の分離材は、疎水性高分子粒子1g当たり30~500mgの被覆層を備えると好ましい。被覆層の量は熱分解の重量減少等で測定することができる。被覆層の量は、疎水性高分子粒子1g当たり30~400mgであることがより好ましい。
[0093]
 本明細書における通液速度とは、φ7.8×300mmのステンレスカラムに本実施形態の分離材を充填し、液を通した際の通液速度を表す。本実施形態の分離材は、カラムに充填した場合、カラムの圧力が0.3MPaとなるように水を通液させたときに、水の通液速度が500cm/h以上であることが好ましく、800cm/h以上であることがより好ましい。カラムクロマトグラフィーでタンパク質の分離を行う場合、タンパク質溶液等の通液速度としては、一般に400cm/h以下の範囲であるが、本実施形態の分離材を使用した場合は、通常のタンパク質分離用の分離材よりも速い通液速度500cm/h以上で使用することができる。
[0094]
 分離材の水中での5%圧縮変形弾性率(湿潤状態での5%圧縮変形弾性率)は、例えば、70MPa以上、75MPa以上、80MPa以上、100MPa以上、110MPa以上であってもよい。5%圧縮変形弾性率の上限値は、特に限定されない。5%圧縮変形弾性率が上記範囲であると、疎水性高分子粒子の柔軟性を下げて粒子の変形を抑制することができ、カラム内で用いた際の圧密化を防ぎ、カラム圧の上昇を防ぐことができる。そのため高流速時でも高吸着量の精製が可能である。また、分離材の弾性率が上記範囲であると、通液性及び耐久性にも優れる。
[0095]
 本実施形態の分離材の水中での5%圧縮変形弾性率は、以下のようにして算出することができる。
 微小圧縮試験機(Fisher製)を用いて、室温(25℃)条件にて荷重負荷速度1mN/秒で、四角柱の平滑な端面(50μm×50μm)により、予め水中に浸漬させた分離材を50mNまで圧縮したときの荷重及び圧縮変位を測定する。得られた測定値から、分離材が5%圧縮変形したときの圧縮弾性率(5%K値)を下記式により求めることができる。また、上記測定中の変位量が最も大きく変化する点の荷重を破壊強度(mN)とする。
 5%K値(MPa)=(3/2 1/2)・F・S -3/2・R -1/2
 F:分離材が5%圧縮変形したときの荷重(mN)
 S:分離材が5%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
 R:分離材の半径(mm)
[0096]
 分離材の平均細孔径、比表面積等は、疎水性高分子粒子の原料、多孔質化剤、水酸基を有する親水性高分子等を適宜選択することによって、調整することができる。
[0097]
 本実施形態の分離材又は疎水性高分子粒子の平均細孔径、モード細孔径、比表面積及び空隙率は、水銀圧入測定装置(オートポア:株式会社島津製作所製)にて測定した値であり、以下のようにして測定する。試料約0.05gを、標準5mL粉体用セル(ステム容積0.4mL)に加え、初期圧21kPa(約3psia、細孔直径約60μm相当)の条件で測定する。水銀パラメータは、装置デフォルトの水銀接触角130 degrees、水銀表面張力485dynes/cmに設定する。また、細孔径0.1~3μmの範囲に限定してそれぞれの値を算出する。
[0098]
 本実施形態の分離材には、上記官能基を介して又は上記官能基とは別に、例えば、イオン交換基を導入することもできる。
[0099]
 本実施形態の分離材は、イオン交換精製、アフィニティ精製、タンパク質を静電的相互作用による分離等に好適に使用することができる。例えば、タンパク質を含む混合溶液の中に本実施形態の分離材を添加し、静電的相互作用によりタンパク質だけを分離材に吸着させた後、該分離材を溶液からろ別し、塩濃度の高い水溶液中に添加すれば、分離材に吸着しているタンパク質を容易に脱離、回収できる。また、本実施形態の分離材は、液体クロマトグラフィー等のカラムクロマトグラフィーにおいて、使用することが可能である。
[0100]
 本実施形態の分離材を用いて分離できる生体高分子としては、水溶性物質が好ましい。具体的には、血清アルブミン、免疫グロブリン等の血液タンパク質などのタンパク質、生体中に存在する酵素、バイオテクノロジーにより生産されるタンパク質生理活性物質、DNA、生理活性をするペプチド等の生体高分子が挙げられる。生体高分子の分子量は、好ましくは200万以下、より好ましくは50万以下である。また、公知の方法に従い、タンパク質の等電点、イオン化状態等によって、分離材の性質、条件等を選ぶ必要がある。公知の方法としては、例えば、特許文献7等に記載の方法が挙げられる。
[0101]
 本実施形態の分離材は、タンパク質等の生体高分子の分離において、天然高分子からなる粒子及び合成高分子からなる粒子のそれぞれの利点を有する。本実施形態の分離材における疎水性高分子粒子は、耐久性及び耐アルカリ性を有する。また、本実施形態の分離材は、タンパク質の非特異吸着を低減し、タンパク質の吸脱着が起こり易い傾向にある。さらに、本実施形態の分離材は、同一流速下でのタンパク質等の吸着量(動的吸着量)が大きい傾向にある。
実施例
[0102]
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[0103]
<試験例1>
(疎水性高分子粒子)
 500mLの三口フラスコに、純度96%のジビニルベンゼン(新日鉄住金化学株式会社製、商品名「DVB960」)16g、ヘキサノール16g、ジエチルベンゼン16g及び過酸化ベンゾイル0.64gを、0.5質量%のポリビニルアルコール水溶液に加え、マイクロプロセスサーバーを使用して乳化後、得られた乳化液をフラスコに移し、80℃のウォーターバスで加熱しながら、攪拌機を用いて約8時間撹拌した。得られた粒子をろ過後、アセトンで洗浄を行い、疎水性高分子粒子を得た。
[0104]
(変性アガロース)
 2質量%のアガロース水溶液480mLに、水酸化ナトリウム0.98g及びグリシジルフェニルエーテル4.90gを投入して60℃で6時間反応させ、アガロースにフェニル基を導入した。得られた変性アガロースをイソプロピルアルコールで再沈殿させ、洗浄した。変性アガロースの疎水性基含有量を下記方法により算出したところ、14.2%であった。
[0105]
 乾燥状態の粉末アガロース(変性されていないアガロース)と、揮発分0.1質量%未満まで乾燥させた疎水性基導入アガロースとを、それぞれ70℃の純水に溶解させ、0.05質量%の水溶液を調製した。分光光度計により各水溶液の269nmの吸光度を測定して濃度を求めることで、下記式より疎水性基含有量を算出した。
・疎水性基含有量(%)=(C AG/(C HAG+C AG))×100
・C AG:変性アガロース構成単位の濃度(mmol/L)=A/ε GPE×1000
・C HAG:変性されていないアガロース構成単位の濃度(mmol/l)=(変性されてないアガロース構成単位の濃度(g/L)/アガロース構成単位(306g/mol))×1000
・A:変性アガロースの真の吸光度=変性アガロースの吸光度-変性されていないアガロースの吸収
・ε GPE:グリシジルフェニルエーテルの吸光係数=1372(L/(mol・cm))
・変性されてないアガロース構成単位の濃度(g/L)=変性アガロースのサンプル濃度(質量%)×10-変性アガロース構成単位の濃度(g/l)
・変性されていないアガロースの吸収=変性されてないアガロースの吸光度×(変性アガロースのサンプル濃度(mmol/L)/変性されてないアガロースのサンプル濃度(mmol/L))
・変性アガロース構成単位の濃度(g/L)=(C AG×変性アガロース構成単位(456g/mol))/1000
[0106]
 なお、粒子に吸着した変性アガロースの疎水性基含有量は、粒子0.2gを1M硫酸10ml中にて、70℃、5時間処理し、処理液を分光光度計にて269nmの吸光度を測定して処理液濃度を求めることで、同様に算出できる。
[0107]
[実施例1]
<被覆層の形成>
 20mg/mLの変性アガロース水溶液に、疎水性高分子粒子を70mL/粒子gの濃度で投入し、55℃で24時間攪拌して、疎水性高分子粒子に変性アガロースを吸着させた後、ろ過を行い、熱水で洗浄した。
[0108]
(架橋処理)
 疎水性高分子粒子に吸着した変性アガロースは次のようにして架橋した。変性アガロースが吸着した粒子10gを0.4M水酸化ナトリウム水溶液に分散させ、0.02Mエピクロロヒドリンを添加し、24時間、室温にて攪拌した。その後、2質量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液の熱水で洗浄後、純水で洗浄して、変性アガロースの架橋体を被覆層として有する被覆粒子を得た。
[0109]
(タンパク質の非特異吸着能評価)
 得られた被覆粒子0.2gをBSA(Bovine Serum Albumin)濃度24mg/mLのTris-塩酸緩衝液(pH8.0)20mLに投入し、24時間室温で攪拌した。その後、遠心分離で上澄みをとった後、分光光度計で上澄みのBSA濃度を求めた。上澄みのBSA濃度に基づいて、粒子に吸着したBSA量を算出した。BSAの濃度は分光光度計により280nmの吸光度から確認した。非特異吸着量1mg/mL粒子以下を「非特異吸着なし」、5mg/mL以上を「非特異吸着あり」とした。結果を表1に示す。
[0110]
(エポキシ基の導入)
 被覆粒子を含む水懸濁液をろ過して得られた被覆粒子(乾燥質量1g)を0.4Mの水酸化ナトリウム水溶液10mLに投入し、エピクロロヒドリン0.6gを加え、室温で攪拌しながら3時間反応させた。反応終了後、ろ過し、水500mLで洗浄して、エポキシ基を有する粒子を得た。
[0111]
(カルボキシ基の導入)
 エポキシ基を有する粒子をpH10の0.1Mのホウ酸_KCl緩衝液中に分散させた分散液に、11.5gの6-アミノヘキサン酸を添加し、NaOH(50wt%溶液)でpH13に調整した後、50℃で5時間反応させた。反応後、水洗し、過剰な6-アミノヘキサン酸を除去して、カルボキシ基をする分離材を得た。分離材の粒径をフロー型粒径測定装置で測定し、平均粒径を算出した。結果を表2に示す。
[0112]
(カルボキシ基量の測定)
 得られた分離材の官能基量を以下のように測定した。湿潤状態の分離材0.2gに、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、室温で30分撹拌した。撹拌後静置し、上澄みを10gサンプリングして、超純水で30gに希釈した液(1)を得た。また、湿潤状態の分離材を含む分散液を超純水で30gに希釈して、液(2)を得た。次いで、液(1)及び液(2)に対して、0.1mol/Lの塩酸水溶液をpHが2になるまで滴下した。官能基導入量は以下の式から算出した。式中のfは塩酸水溶液のファクターを示す。結果を表1に示す。
官能基導入量(mmol/粒子g)=0.1×f×(液(2)に対する滴下量-液(1)に対する滴下量)/分離材の乾燥質量×1/2
[0113]
(5%圧縮変形弾性率)
 分離材の水中での5%圧縮変形弾性率は、上述の方法で測定した。結果を表2に示す。
[0114]
(カラム特性評価)
 得られた分離材を濃度30質量%のスラリー(溶媒:メタノール)としてφ7.8×300mmのステンレスカラムに15分かけて充填した。その後、カラムに流速を変えながら水を流し、流速とカラム圧との関係を測定し、0.3MPa時の通液速度(線流速)を測定した。結果を表2に示す。
[0115]
[実施例2]
 6-アミノヘキサン酸を3-アミノプロパン酸(β―アラニン)7.8gに変更した以外は実施例1と同様に行って、カルボキシ基を有する分離材を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
[0116]
[実施例3]
 6-アミノヘキサン酸を4-アミノブタン酸9.0gに変更した以外は実施例1と同様に行って、カルボキシ基を有する分離材を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
[0117]
[実施例4]
 6-アミノヘキサン酸を10.3gの5-アミノペンタン酸(吉草酸)に変更した以外は実施例1と同様に行って、カルボキシ基を有する分離材を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
[0118]
[実施例5]
 6-アミノヘキサン酸を12.7gの7-アミノヘプタン酸に変更した以外は実施例1と同様に行って、カルボキシ基を有する分離材を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
[0119]
[実施例6]
 実施例1で作製したエポキシ基を有する粒子を分離材として用いて、実施例1と同様に評価を行った。エポキシ基の導入量は、以下のように測定した。
[0120]
(エポキシ基量の測定)
 湿潤状態の粒子0.5gに水10g及び1Nの塩酸水溶液1gを加え、70℃で1時間攪拌し、反応させた。反応後、0.1N水酸化ナトリウムで中和滴定することによりエポキシ基の導入量(mmol/粒子g)を測定した。
[0121]
[実施例7]
 6-アミノヘキサン酸をエチレンジアミン(無水)5.3gに変更した以外は実施例1と同様に行って、アミノ基を有する分離材を作製した。なお、アミノ基の導入量の測定は、カルボキシ基の導入量の測定と同じ方法で行った。
[0122]
[実施例8]
 6-アミノヘキサン酸を1,3-ジアミノプロパン6.5gに変更した以外は実施例1と同様に行って、アミノ基を有する分離材を作製した。
[0123]
[実施例9]
 6-アミノヘキサン酸を1,4-ジアミノブタン7.7gに変更した以外は実施例1と同様に行って、アミノ基を有する分離材を作製した。
[0124]
[実施例10]
 6-アミノヘキサン酸を1,6-ジアミノヘキサン10.2gに変更した以外は実施例1と同様に行って、アミノ基が導入された分離材を作製した。
[0125]
[実施例11]
6-アミノヘキサン酸を1,7-ジアミノヘプタン11.4gに変更した以外は実施例1と同様に行って、アミノ基を有する分離材を作製した。
[0126]
[実施例12]
 6-アミノヘキサン酸を1,8-ジアミノオクタン12.6gに変更した以外は実施例1と同様に行って、アミノ基を有する分離材を作製した。
[0127]
[比較例1]
 市販されているCaptoDEAE(GEヘルスケア製)を分離材として用いた。
[0128]
[比較例2]
 実施例1で作製した疎水性高分子粒子を分離材として用いた。
[0129]
(リガンドの固定化)
 実施例1~5のカルボキシ基を有する分離材0.09gに、プロテインAを0.02g、WSC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を0.02g及びpH5.8に調整した50mMのPBSを2mL加え、室温で24時間撹拌した後、ろ別及び洗浄することによりリガンド固定化粒子をそれぞれ作製した。
[0130]
 実施例6のエポキシ基を有する分離材0.09gに、プロテインAを0.02g、pH10の0.5M炭酸緩衝液(和光純薬工業社製の炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムと、水で調製)2mLを加え、30℃で24時間攪拌した後、ろ過及び洗浄することによりリガンド固定化粒子を作製した。
[0131]
(リガンド固定化量の算出)
 24時間撹拌後の反応溶液から粒子をろ別した後、所定濃度のリガンド固定化粒子を含む試料を調製した。試料の吸光度(280nm)を測定し、予め作成した検量線により、リガンド固定化量を算出した。結果を表2に示す。
[0132]
[表1]


[0133]
[表2]


[0134]
 実施例の分離材は、非特異吸着を抑制でき、5%圧縮変形弾性率は高く、0.3MPa時の通液速度が速く、カラムに充填したときの通液性に優れていた。また、実施例1~6の分離材は、官能基を導入することでプロテインAリガンドを固定化できた。実施例7~12の分離材は、カルボキシ基含有リガンドとの結合担体として使用可能である。
[0135]
<試験例2>
(実施例13)
(疎水性高分子粒子の合成)
 500mLの三口フラスコに、モノマとして純度96%のジビニルベンゼン(新日鉄住金化学株式会社製、商品名:DVB960)16g、多孔質化剤としてヘキサノール16g、ジエチルベンゼン16g、及び開始剤として過酸化ベンゾイル0.64gを、0.5質量%のポリビニルアルコール分散剤水溶液に加え、マイクロプロセスサーバーを使用して乳化後、得られた乳化液をフラスコに移し、80℃のウォーターバスで加熱しながら、攪拌機を用いて約8時間撹拌した。得られた粒子をろ過後、アセトンで洗浄を行い、疎水性高分子粒子を得た。得られた疎水性高分子粒子の粒径をフロー型粒径測定装置で測定し、粒径のC.V.値(変動係数)を算出した。結果を表3に示す。
[0136]
(水酸基を有する親水性高分子への疎水性基の導入)
 アガロース水溶液(2質量%)480mLに水酸化ナトリウム0.98g、グリシジルフェニルエーテル4.90gを投入して60℃で6時間反応させ、アガロースにフェニル基を導入した。得られた変性アガロースをイソプロピルアルコールで沈殿させ、洗浄した。変性アガロースの疎水性基含有量を試験例1と同様の方法により算出したところ、14.2%であった。
[0137]
(変性体高分子の、疎水性高分子粒子へのコーティング)
 20mg/mLの変性アガロース水溶液に、疎水性高分子粒子を70mL/粒子gの濃度で投入し、55℃で24時間攪拌して、疎水性高分子粒子に変性アガロースを吸着させた。吸着後、ろ過を行い、熱水で洗浄した。
[0138]
(変性体高分子の架橋)
 粒子表面に吸着した変性アガロースは次のようにして架橋した。変性アガロースが吸着した粒子10gを0.4M水酸化ナトリウム水溶液に分散させ、0.04Mエピクロロヒドリンを添加し、8時間室温にて攪拌した。その後、粒子を2質量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液の熱水で洗浄後、純水で洗浄した。得られた粒子を乾燥後、熱重量分析により親水性高分子の被覆量を以下の方法で測定した。結果を表3に示す。
[0139]
 疎水性高分子粒子1g当たりの被覆量(mg)は、示差熱熱重量測定装置(TG-DTA)を用いて測定される、粒子の5%重量減少温度におけるTGから算出した。測定は、40℃で30分保持した後、40~500℃の温度範囲で行い、昇温速度は10℃/minとした。被覆量は下記式より算出した。
被覆量(mg/粒子g)=R/(100-R)×1000
R(%)=95%-T
R(%):分離材に対する被覆量の割合
T(%):疎水性高分子粒子の5%重量減少温度における分離材のTG
[0140]
(タンパク質の非特異吸着能評価)
 得られた被覆粒子0.2gをBSA(Bovine Serum Albumin、Mw66,000)濃度24mg/mLのTris-塩酸緩衝液(pH8.0)20mLに投入し、24時間室温で攪拌した。その後、遠心分離で上澄みをとった後、分光光度計で上澄みのBSA濃度を求めた。上澄みのBSA濃度に基づいて、被覆粒子に吸着したBSA量を算出した。BSAの濃度は分光光度計により280nmの吸光度から確認した。非特異吸着量5mg/mL粒子以下をA、5mg/mL超をBとして評価した。結果を表5に示す。
[0141]
(エポキシ基の導入)
 被覆粒子を含む水懸濁液をろ過して得られた被覆粒子(乾燥質量1g)を0.4Mの水酸化ナトリウム水溶液10mLに投入し、エピクロロヒドリン0.6gを加え、室温で攪拌しながら3時間反応させた。反応終了後、粒子をろ過し、水500mlで洗浄し、エポキシ基を有する分離材を得た。
[0142]
(カルボキシ基の導入)
 エポキシ基を有する分離材をpH10の0.1M_ホウ酸_KCl緩衝液中に分散させ、11.5gの6-アミノヘキサン酸を添加し、NaOH(50wt%溶液)でpH13に調整した。その後、50℃で5時間反応させた後、水洗し、過剰な6-アミノヘキサン酸を除去し、カルボキシ基を有する分離材を得た。
[0143]
(リガンドの固定化)
 カルボキシ基を有する分離材1mlに、プロテインAを50mg/mlの濃度で溶解した水溶液を0.15ml、WSC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を0.02g、及びpH5.8に調整した50mMのPBS緩衝液を5ml加え、室温で24時間攪拌した。その後、粒子をろ過及び水洗し、未反応のプロテインA及びWSCを除去した。リガンドの固定化量は、撹拌後の上澄みの吸光度を測定し、別途作成した検量線から算出した。この分離材を、1Mエタノールアミン水溶液10mlに分散し、WSC0.1gを加えた後、室温で4時間撹拌した。その後、粒子をろ過及び水洗し、未反応のエタノールアミン及びWSCを除去し、未反応官能基をブロッキングしたリガンド固定化分離材を得た。得られた粒子の細孔径分布におけるモード径及び比表面積を水銀圧入法にて測定した。結果を表3に示す。
[0144]
(5%圧縮変形弾性率)
 分離材の水中での5%圧縮変形弾性率は、試験例1と同じ方法で測定した。結果を表5に示す。
[0145]
(カラム特性評価)
 得られた分離材をφ7.8×300mmのステンレスカラムにスラリー(溶媒:メタノール)濃度30質量%にて15分かけて充填した。その後、カラムに流速を変えながら水を流し、流速とカラム圧との関係を測定し、0.3MPa時のカラム流速(通液速度)を測定した。結果を表5に示す。
[0146]
(動的吸着量)
 動的吸着量は以下のようにして測定した。20mmol/L PBS緩衝液(pH7.2)をカラムに10カラム容量流した。その後IgG(免疫グロブリンG)濃度5mg/mLの20mmol/LのPBS緩衝液(pH7.2)を流し、UV測定によりカラム出口でのIgG濃度を測定した。カラム入口と出口のIgG濃度が一致するまで液を流し、5カラム容量分の20mmol/L PBS緩衝液(pH7.2)で未吸着分のIgGを溶出した後、100mmol/Lのクエン酸緩衝液(pH3.0)を10カラム容量流して、吸着したIgGを回収した。10%breakthroughにおける動的結合容量(10%Dynamic Binding Capacity:以下、10%DBC)は、以下の式を用いて算出した。流速はレジデンス(カラム内滞留時間)が1分となるように設定した。結果を表5に示す。
10=c F(t 10-t )/V
10:10%breakthroughにおける動的結合容量(mg/mL wet resin)
:注入しているIgG濃度
F:流速(mL/min)
:ベッド体積(mL)
10:10%breakthroughにおける時間(分)
:BSA注入開始時間(分)
[0147]
(耐アルカリ性評価)
 得られた分離材を0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液中で24時間攪拌し、PBS緩衝液(pH7.2)で洗浄後、カラムに上記条件にて充填した。IgGの10%breakthrough動的結合容量を測定し、アルカリ処理前の動的結合dx量と比較した。動的結合量の減少が3%以下である場合をA、3%超11%未満をB、11%以上をCとした。結果を表5に示す。
[0148]
(耐久性評価)
 800cm/hの流速で水をカラムに流し、カラム圧を測定後、3000cm/hに流速を上昇させ、1h通液させた。再度800cm/hにカラム圧を下げた際に、カラム圧が初期値(3000cm/hに流速を上げる前)より10%超向上した場合をB、10%以内である場合をAとした。結果を表5に示す。
[0149]
(実施例14)
 6-アミノヘキサン酸を4-アミノ酪酸9.0gに変更した以外は実施例13と同様にして分離材を作製し、評価を行った。
[0150]
(実施例15)
 6-アミノヘキサン酸を3-アミノプロパン酸7.8gに変更した以外は実施例13と同様にして分離材を作製し、評価を行った。
[0151]
(比較例3)
 アガロース粒子として市販のカルボキシ基導入粒子(Sepharose ECH、GEヘルスケア)を使用して上記方法でリガンドの固定を行い、比較例3として評価を行った。
[0152]
(比較例4)
 アクリル系ポリマ母体の樹脂粒子である東ソー社製TOYOPEARL AF-Carboxy-650を使用して上記方法でリガンドの固定を行い、比較例4として評価を行った。
[0153]
(比較例5)
 市販のアフィニティ精製用担体であるrProtein A Sepharose Fast Flow(GEヘルスケア(株))をそのまま使用して、比較例5として評価を行った。
[0154]
[表3]


[0155]
[表4]


[0156]
[表5]


[0157]
 実施例の分離材では、非特異吸着が抑制され、5%圧縮変形弾性率が高く、0.3MPa時の通液速度が速かった。

請求の範囲

[請求項1]
 疎水性高分子粒子と、該疎水性高分子粒子の表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を備え、
 前記被覆層が、水酸基を有する親水性高分子を含み、前記親水性高分子が、-NH-R-L(Rは炭化水素基を示し、Lはカルボキシ基又はアミノ基を示す。)で表される基又はエポキシ基を有する、分離材。
[請求項2]
 水中での5%圧縮変形弾性率が70MPa以上である、請求項1に記載の分離材。
[請求項3]
 当該分離材が充填されたカラムに、該カラムの圧力が0.3MPaとなるように水を通液させたときに、水の通液速度が500cm/h以上である、請求項1又は2に記載の分離材。
[請求項4]
 前記疎水性高分子粒子が、スチレン系モノマに由来する構造単位を有するポリマを含む粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項5]
 前記水酸基を有する親水性高分子が、多糖類又はその変性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項6]
 前記水酸基を有する親水性高分子が、デキストラン、アガロース、プルラン、これらの変性体及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項7]
 前記水酸基を有する親水性高分子が架橋されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項8]
 平均粒径が10~500μmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項9]
 細孔径分布におけるモード径が0.05~0.6μmである、請求項1~8のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項10]
 分離材の細孔容積が30~70体積%である、請求項1~9のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項11]
 前記疎水性高分子粒子が多孔構造を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項12]
 分離材の比表面積が20m /g以上である、請求項1~11のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項13]
 前記疎水性高分子粒子の粒径の変動係数が3~15%である、請求項1~12のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項14]
 前記被覆層の量が、前記疎水性高分子粒子1g当たり30~500mgである、請求項1~13のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項15]
 前記被覆層が、前記-NH-R-Lで表される基に由来する構造又は前記エポキシ基に由来する構造を含むスペーサーを介して前記親水性高分子と結合しているリガンドを更に有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項16]
 前記リガンドが前記スペーサーと共有結合している、請求項15に記載の分離材。
[請求項17]
 前記スペーサーが直鎖状である、請求項15又は16に記載の分離材。
[請求項18]
 前記親水性高分子が多糖類又はその変性体であり、前記親水性高分子中の水酸基に由来する酸素原子から、前記リガンドに結合している原子までの原子の数で表される前記スペーサーの長さが4原子以上50原子未満である、請求項15~17のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項19]
 前記リガンドが、免疫グロブリンの一部と特異的に結合可能である、請求項15~18のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項20]
 前記リガンドが、プロテインA、プロテインG、プロテインL及びこれらの機能性変異体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項15~19のいずれか一項に記載の分離材。
[請求項21]
 請求項1~20のいずれか一項に記載の分離材を備えるカラム。
[請求項22]
 (a)標的分子を含む溶液を請求項1~20のいずれか1項に記載の分離材に接触させて、該標的分子を該分離材に吸着させる工程、及び
 (b)前記標的分子を吸着した前記分離材から該標的分子を溶離する工程
を含む、標的分子を分離する方法。
[請求項23]
 前記標的分子が、免疫グロブリンの少なくとも一部又はその変性物である、請求項22に記載の方法。
[請求項24]
 前記免疫グロブリンが、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項23に記載の方法。
[請求項25]
 前記標的分子が、免疫グロブリンのFc領域の少なくとも一部を含む融合タンパク質又はその変性物である、請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。