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1. (WO2018181577) 全固体電池
Document

明 細 書

発明の名称 全固体電池

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

実施例

0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235  

産業上の利用可能性

0236  

符号の説明

0237  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 全固体電池

技術分野

[0001]
本発明は、高い放電容量を有するとともに安全性が高く、低コストで製造可能な全固体電池に関する。

背景技術

[0002]
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が大幅に拡大している。このような用途に用いられる電池においては、イオンを移動させる媒体として、有機溶媒等の液体の電解質(電解液)が従来使用されている。このような電解液を用いた電池においては、電解液の漏液等の問題を生ずる可能性がある。
[0003]
このような問題を解消すべく、液体の電解質に代えて固体電解質を使用するとともに、その他の要素の全てを固体で構成した全固体電池の開発が進められている。かかる全固体電池は、電解質が固体であるために、液漏れ、液の枯渇等の心配がなく、また、腐食による電池性能の劣化等の問題も生じ難いものである。なかでも、全固体電池は、容易に高い充放電容量とエネルギー密度が可能な二次電池として各方面で盛んに研究が行われている。
[0004]
しかしながら、未だ固体電解質を電解質として用いた全固体電池は、液状の電解質を用いた電池に比べれば一般的に放容量が小さいという問題があった。複数の酸化還元電位(3.8V、1.8V)を持ったポリリン酸系電極活物質であるLi (PO を正極、負極に用いて対称電極電池を作製することで、充放電サイクル特性が向上することは開示されているが、放電容量の向上については開示されてはいない(特許文献1)。さらにストイキオ組成のLi (PO を焼結体活物質として正極または負極に用いた場合、焼結時に形成される結晶粒界の組成が不均一になり、リチウムイオン伝導が阻害されるため、高い放電容量が得られないという課題を有していた。
[0005]
したがって、特許文献1において開示された全固体電池であっても、放容量に関しては未だ改善の余地がある。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特表2002-530835

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高い放容量を有する全固体電池を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、正極活物質層及び負極活物質層が、リン酸バナジウムリチウムを含み、前記リン酸バナジウムリチウムが、LiとVとを含むポリリン酸化合物において、含有するLi PO の量が容量に起因していることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0009]
即ち、本発明によれば、以下に示す全固体電池が提供される。
[0010]
本発明にかかる全固体電池は、一対の電極層間に固体電解質層を有する全固体電池であって、前記一対の電極層を構成する正極活物質層及び負極活物質層は、リン酸バナジウムリチウムを含み、前記リン酸バナジウムリチウムは、LiとVとを含むポリリン酸化合物を含み、主相としてリン酸バナジウムリチウムがLi (PO を含み、Li (PO に対してLi PO が1.0重量%以上15.0重量%以下含むことを特徴とする。
[0011]
かかる構成によれば、正極活物質層または負極活物質層の粒界部分に存在するLi PO が粒界界面に生じる構造の乱れを緩和し、均一な粒界を形成できるため、結晶粒間のリチウムイオン伝導の低下を抑制し、高いイオン伝導が可能になり、高容量化が実現できる。
[0012]
本発明にかかる全固体電池は、前記固体電解質層はリン酸チタンアルミニウムリチウムを含むことを特徴とする。
[0013]
かかる構成によれば、固体電解質層にリン酸チタンアルミニウムリチウム固体電解質を用いた場合、正極活物質と固体電解質、または負極活物質と固体電解質の粒界をポリリン酸系セラミックス同士で均一に接合することで、それらの界面においてリチウムイオン移動を妨げるような不均一な粒界の形成を抑制し、イオン伝導の低下を抑制できるため、高いイオン伝導が可能になり、高容量化を実現することが出来る。
[0014]
本発明にかかる全固体電池は、リン酸化合物からなる前記固体電解質材料がLi Al Ti であることを特徴とする。[但し、f、g、h、iおよびjは、それぞれ0.5≦f≦3.0、0.0<g≦1.0、1.0≦h≦2.0、2.8≦i≦3.2、9.25<j≦15.0を満たす数である。]
[0015]
かかる構成によれば、リン酸チタンアルミニウムリチウムとしてリチウムイオン伝導度が高いLi Al Ti (但し、f、g、h、iおよびjは、それぞれ0.5≦f≦3.0、0.0<g≦1.0、1.0≦h≦2.0、2.8≦i≦3.2、9.25<j≦15.0を満たす数である。)を用いることにより、より高容量化が得られる。
[0016]
本発明にかかる全固体電池は、前記一対の電極層と、前記一対の電極層間に設けられた前記固体電解質層とが、相対密度80%以上であることを特徴とする。

発明の効果

[0017]
本発明によれば、高い放電容量を有する全固体電池を提供することが出来る。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本実施形態の全固体電池を説明する図である。

発明を実施するための形態

[0019]
以下、図面を参照にしつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一または相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[0020]
[全固体電池]
図1は、本実施形態の全固体電池1の概念的構造を示す図である。図1に示すように、本実施形態の全固体電池1は、正極層2と負極層3が全固体電解質層4を介して積層されており、正極層2は、外装層5、正極集電体層6、正極活物質層7からなり、負極層3は、負極活物質層8、負極集電体層9、外装層5からなる。
[0021]
本実施形態にかかる全固体電池は、一対の電極層間に固体電解質層を有する全固体電池で、前記一対の電極層を構成する正極活物質層及び負極活物質層は、リン酸バナジウムリチウムを含み、前記リン酸バナジウムリチウムは、LiとVとを含むポリリン酸化合物を含み、主相としてLi (PO を含み、前記Li (PO に対してLi PO が1.0重量%以上15.0重量%以下存在することが好ましい。
[0022]
かかる構成によれば、上記の正極活物質層及び負極活物質層を用いることで、双方の活物質層中の粒界部分に存在するLi PO が粒界界面に生じる構造の乱れを緩和し、均一な粒界を形成できるため、結晶粒間のリチウムイオン伝導の低下を抑制し、高いイオン伝導が可能になり、高容量化が実現できる。
[0023]
なお、本実施形態のリン酸バナジウムリチウムであるLi (PO とLi PO さらに、リン酸鉄リチウムは、材料に対しX線回折法を用いることにより判別が出来る。リン酸バナジウムリチウムはICDDカード番号の01-072-7074を用い、Li PO は、01-071-5981を用い、リン酸鉄リチウムは、01-070-6684を用いた。また、それらの割合はICDDカードに記載のReference Intensity Ratioを用いて算出出来る。
[0024]
本実施形態にかかる全固体電池は、また、固体電解質層はリン酸チタンアルミニウムリチウムを含むことが好ましい。
[0025]
かかる構成によれば、リン酸チタンアルミニウムリチウムを含む固体電解質を固体電解質層に用いた場合は、その固体電解質の高いイオン伝導性のために、正極と負極間においてもリチウムイオンの移動も容易になるため、より高い容量化が実現できる。さらに、本実施形態のリン酸バナジウムリチウム活物質とリン酸チタンアルミニウムリチウムを含む固体電解質が同質のポリリン酸系セラミックスであることで、それらの界面においてリチウムイオン移動を妨げるような不均一な粒界を形成しにくくなり充放電容量を向上できる。
[0026]
本発明にかかる全固体電池は、上記のリン酸チタンアルミニウムリチウムとしては、リチウムイオン伝導度が高いLi Al Ti を用いることが好ましい。(但し、f、g、h、iおよびjは、それぞれ0.5≦f≦3.0、0.0<g≦1.0、1.0≦h≦2.0、2.8≦i≦3.2、9.25<j≦15.0を満たす数である。
[0027]
かかる構成によれば、リン酸チタンアルミニウムリチウムとしてリチウムイオン伝導度が高いLi Al Ti (但し、f、g、h、iおよびjは、それぞれ0.5≦f≦3.0、0.0<g≦1.0、1.0≦h≦2.0、2.8≦i≦3.2、9.25<j≦15.0を満たす数である。)を用いることにより、より高い充放電特性が得られる。
[0028]
(セラミックス材料の製造方法)
本実施形態のリン酸バナジウムリチウム材料はLi化合物と、V化合物と、リン酸化合物またはリン酸Li化合物とを混合した混合原料を熱処理することにより得ることができる。また、混合原料を熱処理した後にLi PO を添加、混合することでも得ることができる。さらに、リン酸チタンアルミニウムリチウム材料は、Li化合物と、Al化合物、Ti化合物、リン酸化合物、またはリン酸Ti化合物とを混合した混合原料を熱処理することにより得ることができる。
[0029]
前記Li化合物としては、例えば、LiOH又はその水和物、Li CO 、LiNO 、CH COOLi等を挙げることができる。前記V化合物としては、V 、V 等を挙げることができる。前記リン化合物としては、H PO 、NH PO 、(NH HPO 等を挙げることができる。また、前記リン酸Li化合物としては、LiPO 、Li PO 、Li 、Li 10、Li 14等を挙げることができる。
[0030]
また、前記Al化合物としては、Al 、Al(OH) 、Al (SO 等を挙げることができる。前記Ti化合物としては、TiO 、Ti 、TiC l4、Ti(OR) 等を挙げることができる。前記リン酸Ti化合物としては、TiP 、Ti 16等を挙げることができる。
[0031]
本実施形態にかかるリン酸バナジウムリチウムの製造方法の一例について説明する。この酸化物の製造方法は、(a)原料混合工程を行い、次に(b)熱処理工程を行い、最後に(c)粉砕工程を行う。以下に、これらの工程について順に説明する。
[0032]
(a)原料混合工程
原料混合工程では、リン酸バナジウムリチウムにおいて、その化学量論組成よりもLiとPの量が過剰になるように出発原料をそれぞれ秤量し、混合する方法や、化学量論組成のリン酸バナジウムリチウムにLi PO を添加し、混合する方法がある。さらに出発原料としては、各元素の炭酸塩や硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、塩化物、水酸化物、酸化物、リン酸塩などを用いることができる。このうち、すでにリン酸リチウムとして得られている原料や酸化物が熱処理に対して不要なガスの発生が無く好ましいが、さらに炭酸ガスを生じる炭酸塩や熱分解して水蒸気を生じる水酸化物が好ましい。混合方法は、溶媒に入れずに乾式で混合粉砕してもよいし、溶媒に入れて湿式で混合粉砕するものとしてもよいが、溶媒に入れて湿式の混合粉砕を行うことが混合性の向上の面からは好ましい。この混合方法は、例えば、遊星ミル、アトライター、ボールミルなどを用いることができる。溶媒としては、Liが溶解しにくいものが好ましく、例えばエタノールなどの有機溶媒がより好ましい。混合時間は、混合量にもよるが、例えば1時間~32時間とすることができる。また、リン酸チタンアルミニウムリチウムにおいても、所望の組成になるように出発原料をそれぞれ秤量し、いずれかの方法で混合する。
[0033]
(b)仮焼工程
仮焼工程では、リン酸バナジウムリチウムにおいては、混合工程で得られた混合粉末を仮焼する。このときの仮焼温度は、出発原料の状態変化(例えば相変化など)が起きる温度以上が好ましい。例えば、出発原料の一つとしてLi CO を用いた場合には、この炭酸塩が分解し所望のリン酸バナジウムリチウム相が生成する温度以上が好ましい。具体的には、仮焼温度は、600℃~1000℃とすることが好ましい。また、仮焼時の雰囲気は不活性ガス雰囲気ないしは還元ガス雰囲気が好ましい。また、リン酸チタンアルミニウムリチウムにおいても混合工程で得られた混合粉末を仮焼する。具体的には、仮焼温度は、800℃~1000℃とすることが好ましい。また、仮焼時の雰囲気は、チタンが還元を受けない雰囲気が好ましく、具体的は大気雰囲気が好ましい。
[0034]
(c)粉砕工程
粉砕では、仮焼工程で反応凝集した材料を適切な粒子径と分布を有する粉体にする工程になる。粉砕方法は、溶媒に入れずに乾式で粉砕してもよいし、溶媒に入れて湿式で粉砕してもよい。この粉砕方法は、例えば、遊星ミル、アトライター、ボールミルなどを用いることができる。溶媒としては、リン酸バナジウムリチウムがより安定に粉砕できるために、例えばエタノールなどの有機溶媒がより好ましい。粉砕時間は、粉砕量にもよるが、例えば0.5時間~32時間とすることができる。
さらに、仮焼工程で得られた仮焼物にLi PO を添加し粉砕を行ってもよい。
[0035]
以上詳述した製法によれば、出発原料の混合粉末を比較的低温で仮焼を行うため、組成のずれを精度よく抑制することができる。なお、本発明のリン酸バナジウムリチウムの製法は、これに限定されるものではなく、他の製法を採用しても構わない。
[0036]
本実施形態の全固体電池は正極層2と負極層3が全固体電解質層4を介して積層されており、正極層2は、外装層5、正極集電体層6、正極活物質層7からなり、負極層3は、負極活物質層8、負極集電体層9、外装層5からなる。それらの正極集電体層6及び負極集電体層9は、リチウム二次電池に使用されている従来公知の集電体を含むことができ、常法により製造される。
[0037]
(集電体)
本実施形態の全固体電池の集電体層を構成する材料は、導電率が大きい材料を用いるのが好ましく、例えば、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケルなどを用いるのが好ましい。特に、銅はリン酸チタンアルミニウムリチウムと反応し難く、さらに全固体電池の内部抵抗の低減に効果があるため好ましい。集電体層を構成する材料は、正極層と負極層で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[0038]
また、本実施形態における全固体電池の正極集電体層及び負極集電体層は、それぞれ正極活物質及び負極活物質を含むことが好ましい。
[0039]
正極集電体層及び負極集電体層がそれぞれ正極活物質及び負極活物質を含むことにより、正極集電体層と正極活物質層及び負極集電体層と負極活物質層との密着性が向上するため望ましい。
[0040]
(全固体電池の製造方法)
本実施形態の全固体電池は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び、負極集電体層の各材料をペースト化し、塗布乾燥してグリーンシートを作製し、係るグリーンシートを積層し、作製した積層体を同時に焼成することにより製造する。
[0041]
ペースト化の方法は、特に限定されないが、例えば、ビヒクルに上記各材料の粉末を混合してペーストを得ることができる。ここで、ビヒクルとは、液相における媒質の総称である。ビヒクルには、溶媒、バインダーが含まれる。係る方法により、正極集電体層用のペースト、正極活物質層用のペースト、固体電解質層用のペースト、負極活物質層用のペースト、及び、負極集電体層用のペーストを作製する。
[0042]
作製したペーストをPETなどの基材上に所望の順序で塗布し、必要に応じ乾燥させた後、基材を剥離し、グリーンシートを作製する。ペーストの塗布方法は、特に限定されず、スクリーン印刷、塗布、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。
[0043]
作製したグリーンシートを所望の順序、積層数で積み重ね、必要に応じアライメント、切断等を行い、積層ブロックを作製する。並列型又は直並列型の電池を作製する場合は、正極層の端面と負極層の端面が一致しないようにアライメントを行い積み重ねるのが好ましい。
[0044]
積層ブロックを作製するに際し、以下に説明する活物質ユニットを準備し、積層ブロックを作製してもよい。
[0045]
その方法は、まずPETフィルム上に固体電解質ペーストをドクターブレード法でシート状に形成し、固体電解質シートを得た後、その固体電解質シート上に、スクリーン印刷により正極活物質層ペーストを印刷し乾燥する。次に、その上に、スクリーン印刷により正極集電体層ペーストを印刷し乾燥する。更にその上に、スクリーン印刷により正極活物質ペーストを再度印刷し、乾燥し、次いでPETフィルムを剥離することで正極層ユニットを得る。このようにして、固体電解質シート上に、正極活物質層ペースト、正極集電体層ペースト、正極活物質ペーストがこの順に形成された正極層ユニットを得る。同様の手順にて固体電解質シート上に、負極活物質層ペースト、負極集電体層ペースト、負極活物質ペーストがこの順に形成された負極層ユニットを得る。
[0046]
正極層ユニット一枚と負極層ユニット一枚を、固体電解質シートを介するようにして積み重ねる。このとき、正極層ユニットの正極集電体層が一の端面にのみ延出し、負極層ユニットの負極集電体層が他の面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねる。この積み重ねられたユニットの両面に所定厚みの固体電解質シートをさらに積み重ね積層ブロックを作製する。
[0047]
作製した積層ブロックを一括して圧着する。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は、例えば、40~95℃とする。
[0048]
圧着した積層ブロックを、例えば、窒素、水素および水蒸気雰囲気下で500℃~750℃に加熱し脱バインダーを行う。その後、窒素雰囲気下で600℃~1100℃に加熱し焼成を行う。焼成時間は、例えば、0.1~3時間とする。この焼成により積層体が完成する。
[0049]
焼結された前記積層体の、一対の電極層と、この一対の電極層間に設けられた固体電解質層の相対密度が80%以上であってもよい。相対密度が高い方が結晶内の可動イオンの拡散パスがつながりやすくなり、イオン伝導性が向上する。
実施例
[0050]
[実施例1]
本発明の内容を実施例及び比較例を参照してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[0051]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用いた。はじめに、出発原料を秤量後、エタノール中にてボールミル(120rpm/ジルコニアボール)で16時間、混合・粉砕を行った。出発原料の混合粉末をボールとエタノールから分離した乾燥した後、マグネシア製坩堝を用いて仮焼を行った。仮焼は還元雰囲気中で、850℃、2時間で行った。その後仮焼粉末を、粉砕のためエタノール中にてボールミル(120rpm/ジルコニアボール)で16時間処理を行った。粉砕粉末をボールとエタノールから分離し乾燥した後、リン酸バナジウムリチウム粉末を得た。Li (PO とLi PO の割合はパナリティカル製X‘Pert PRO MPDを用いてX線回折を用いICDDカードに記載のReference Intensity Ratioを用いて算出した。その結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0052]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0053]
(正極活物質層用ペースト及び負極活物質層用ペーストの作製)
正極及び負極活物質層用ペーストは、リン酸バナジウムリチウム粉末100部に、バインダーとしてエチルセルロース15部と、溶媒としてジヒドロターピネオール65部とを加えて、三本ロールで混練・分散して正極及び負極となる活物質層用ペーストを作製した。
[0054]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質として、以下の方法で作製したLi Al Ti (但し、f=1.3、g=0.3、h=1.7、i=3.0、j=12.0)を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、エタノール中を溶媒としてボールミルで16時間湿式混合を行った。出発原料の混合粉末をボールとエタノールから分離し乾燥した後、アルミナ製坩堝中にて、850℃、2時間大気中で仮焼を行った。その後仮焼粉末を、粉砕のためエタノール中にてボールミル(120rpm/ジルコニアボール)で16時間処理を行った。粉砕粉末をボールとエタノールから分離、乾燥し粉末を得た。
[0055]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0056]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0057]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0058]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0059]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0060]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0061]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表1に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[実施例2]
[0062]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.202.00(PO 3.07になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が2.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[実施例3]
[0063]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[実施例4]
[0064]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.802.00(PO 3.30になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が8.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品の放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[実施例5]
[0065]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.602.00(PO 3.53になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が13.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対して放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[実施例6]
[0066]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対して放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[比較例1]
[0067]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 2.902.00(PO 2.97になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。
その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.0重量%であることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[比較例2]
[0068]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[比較例3]
[0069]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[比較例4]
[0070]
 さらに本比較例として、リン酸バナジウムリチウムではないポリリン酸化合物であるリン酸鉄リチウムを用いた場合を示した。
[0071]
 リン酸鉄リチウムにおいてLi 1.04Fe 1.001.014.05になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、FeO、NH PO を用いた。はじめに、出発原料を秤量後、エタノール中にてボールミル(120rpm/ジルコニアボール)で16時間、混合・粉砕を行った。出発原料の混合粉末をボールとエタノールから分離した乾燥した後、マグネシア製坩堝を用いて仮焼を行った。仮焼は還元雰囲気中で、800℃、2時間で行った。その後仮焼粉末を、粉砕のためエタノール中にてボールミル(120rpm/ジルコニアボール)で16時間処理を行った。粉砕粉末をボールとエタノールから分離し乾燥した後、リン酸鉄リチウム粉末を得た。LiFePO とLi PO の割合はパナリティカル製X‘Pert PRO MPDを用いてX線回折を用いICDDカードに記載のReference Intensity Ratioを用いて算出した。その結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[比較例5]
[0072]
 リン酸鉄リチウムにおいてLi 1.30Fe 1.001.114.40になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、FeO、NH PO を用い、比較例4と同様の方法を用いてリン酸鉄リチウム粉末を得た。LiFePO とLi PO の割合はパナリティカル製X‘Pert PRO MPDを用いてX線回折を用いICDDカードに記載のReference Intensity Ratioを用いて算出した。その結果、Li PO が7.5重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[比較例6]
[0073]
 リン酸鉄リチウムにおいてLi 1.65Fe 1.001.164.90になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、FeO、NH PO を用い、比較例4と同様の方法を用いてリン酸鉄リチウム粉末を得た。LiFePO とLi PO の割合はパナリティカル製X‘Pert PRO MPDを用いてX線回折を用いICDDカードに記載のReference Intensity Ratioを用いて算出した。その結果、Li PO が14.3重量%含んでいることを確認した。さらに実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例1と同様の方法で評価した。表1に測定した放電容量を示した。
[0074]
表1からもわかるように、本発明に係る範囲のLi PO を含むリン酸バナジウムリチウムを活物質層に用いた全固体電池は明らかに高い放電容量が得られていることが分かる。
[0075]
[表1]


[0076]
[実施例7]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0077]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0078]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=1.02、g=0.13、h=1.91、i=3.0、j=12.03の組成を用いた。Li CO 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0079]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0080]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0081]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0082]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0083]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0084]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0085]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0086]
[実施例8]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例7と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例7と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0087]
[実施例9]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例7と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例7と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0088]
[比較例7]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例7と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例7と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0089]
[比較例8]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例7と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例7と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0090]
[実施例10]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0091]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0092]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=1.5、g=0.5、h=1.5、i=3.0、j=12.0組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0093]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0094]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0095]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0096]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0097]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0098]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0099]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0100]
[実施例11]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例10と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例10と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0101]
[実施例12]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例10と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例10と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0102]
[比較例9]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例10と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例10と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0103]
[比較例10]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例10と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例10と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0104]
[実施例13]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0105]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0106]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=2.0、g=1.0、h=1.0、i=3.0、j=12.0組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0107]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0108]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0109]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0110]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0111]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0112]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0113]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0114]
[実施例14]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例13と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例13と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0115]
[実施例15]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例13と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例13と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0116]
[比較例11]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例13と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例13と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0117]
[比較例12]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例13と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例13と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0118]
[実施例16]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0119]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0120]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=2.1、g=1.1、h=0.9、i=3.0、j=12.0組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0121]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0122]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0123]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0124]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0125]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0126]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0127]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0128]
[実施例17]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例16と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例16と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0129]
[実施例18]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例16と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例16と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0130]
[実施例19]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0131]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0132]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=0.5、g=0.02、h=1.0、i=2.8、j=9.28組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0133]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0134]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0135]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0136]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0137]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0138]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0139]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0140]
[実施例20]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例19と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例19と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0141]
[実施例21]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例19と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例19と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0142]
[比較例13]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例19と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例19と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0143]
[比較例14]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例19と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例19と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0144]
[実施例22]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0145]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0146]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=0.5、g=0.02、h=2.0、i=3.2、j=12.28組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0147]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0148]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0149]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0150]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0151]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0152]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0153]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0154]
[実施例23]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例22と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例22と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0155]
[実施例24]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例22と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例22と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0156]
[実施例25]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0157]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0158]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=0.5、g=1.0、h=1.0、i=2.8、j=10.75組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0159]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0160]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0161]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0162]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0163]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0164]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0165]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0166]
[実施例26]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例25と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例25と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0167]
[実施例27]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例25と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例25と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0168]
[実施例28]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0169]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0170]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=0.5、g=1.0、h=2.0、i=3.2、j=13.75組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0171]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0172]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0173]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0174]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0175]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0176]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0177]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0178]
[実施例29]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例28と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例28と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0179]
[実施例30]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例28と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例28と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0180]
[比較例15]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例28と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例28と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0181]
[比較例16]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例28と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例28と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0182]
[実施例31]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0183]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0184]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=3.0、g=0.1、h=1.0、i=2.8、j=10.65組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0185]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0186]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0187]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0188]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0189]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0190]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0191]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0192]
[実施例32]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例31と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例31と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0193]
[実施例33]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例31と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例31と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0194]
[比較例17]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例31と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例31と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0195]
[比較例18]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例31と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例31と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0196]
[実施例34]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0197]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0198]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=3.0、g=0.1、h=2.0、i=3.2、j=13.65組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0199]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0200]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0201]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0202]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0203]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0204]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0205]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0206]
[実施例35]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例34と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例34と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0207]
[実施例36]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例34と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例34と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0208]
[実施例37]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0209]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0210]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=3.0、g=1.0、h=1.0、i=2.8、j=12.0組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0211]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0212]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0213]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0214]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0215]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0216]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0217]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0218]
[実施例38]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例37と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例37と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0219]
[実施例39]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例37と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例37と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0220]
[実施例40]
(正極活物質の作製)
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.102.00(PO 3.03になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が1.0重量%含んでいることを確認した。
[0221]
(負極活物質の作製)
 負極活物質としては、前記正極活物質と同様の粉末を用いた。
[0222]
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質としては、Li Al Ti において、f=3.0、g=1.0、h=2.0、i=3.2、j=15.0組成を用いた。Li CO 、Al 、TiO 、NH PO を出発材料とし、実施例1と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た。
[0223]
次いで、この粉末100部に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調合した。
[0224]
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
[0225]
(正極集電体用ペースト及び負極集電体層ペーストの作製)
Cu粉とリン酸バナジウムリチウム粉末を重量比で100:9となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて三本ロール混合・分散して集電体層用ペーストを作製した。
[0226]
(活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで電極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し正極層ユニットとした。一方、固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥し、次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負電極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で、10分間乾燥し、負極層ユニットとした。次いでPETフィルムを剥離した。
[0227]
(積層体の作製)
正極層ユニット、負極層ユニットおよび固体電解質層用シートを用いて、固体電解質層、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、負極集電体層、固体電解質層の順に形成されるように積み重ね積層品を得た。このとき、正極質ユニットの正極集電体層が一方の端面にのみ延出し、負極質ユニットの負極集電体層が他方の端面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層体を作製した。
[0228]
(焼結体の作製)
得られた積層体に脱バインダーを行った後、同時焼成して焼結体を得た。脱バインダーは窒素中50℃/時間で焼成温度700℃まで昇温して、その温度に10時間保持し、同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度850℃まで昇温して、その温度に1時間保持し、焼成後は自然冷却した。同時焼成後の電池外観サイズは、3.2mm×2.5mm×0.4mmであった。
[0229]
(充放電特性の評価)
得られた積層体は充放電試験器を用い、バネ付けピンで固定するタイプの治具に取り付け充放電容量を測定した。測定条件として、充放電時の電流は、いずれも2μAで行い、電圧は0Vから1.8Vで行った。表2に測定した放電容量を示した。使用に十分な放電特性の閾値は2.5μAhである。
[0230]
[実施例41]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.402.00(PO 3.13になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が5.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例40と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例40と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0231]
[実施例42]
本実施形態の効果を実証するために、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 4.902.00(PO 3.63になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が15.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例40と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例40と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0232]
[比較例19]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 3.022.00(PO 3.00になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が0.8重量%含んでいることを確認した。さらに実施例40と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例40と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0233]
[比較例20]
本比較例においては、リン酸バナジウムリチウムにおいてLi 5.002.00(PO 3.67になるように原料の秤量を行った。出発原料にはLi CO 、LiPO 、V 、NH PO を用い、実施例1と同様の方法を用いてリン酸バナジウムリチウム粉末を得た。その後、実施例1と同様のX線回折方法を用いて評価した結果、Li PO が16.0重量%含んでいることを確認した。さらに実施例40と同様の方法を用いてリン酸チタンアルミニウムリチウム粉末を得た後、同様の方法で積層品を作製した。さらに同様の方法で脱バイ、焼結を行い、全固体電池を得た。その積層品に対し放電特性を実施例40と同様の方法で評価した。表2に測定した放電容量を示した。
[0234]
表2からもわかるように、本発明に係る範囲のLi PO を含むリン酸バナジウムリチウムを活物質層に用いた全固体電池において、明らかに高い放電容量が得られていることが分かる。
[0235]
[表2]


産業上の利用可能性

[0236]
以上のように、本発明に係る全固体電池は放電容量の向上に効果がある。高容量な全固体電池を提供することにより、特に、エレクトロニクスの分野で大きく寄与する。

符号の説明

[0237]
 1  全固体型電池
 2  正極層
 3  負極層
 4  固体電解質層
 5  外装層
 6  正極集電体層
 7  正極活物質層
 8  負極活物質層
 9  負極集電体層

請求の範囲

[請求項1]
一対の電極層間に固体電解質層を有する全固体電池であって、前記一対の電極層を構成する正極活物質層及び負極活物質層は、リン酸バナジウムリチウムを含み、前記リン酸バナジウムリチウムは、LiとVとを含むポリリン酸化合物を含み、主相としてLi (PO を含み、前記Li (PO に対してLi PO を1.0重量%以上15.0重量%以下含むことを特徴とする全固体電池。
[請求項2]
前記固体電解質層はリン酸チタンアルミニウムリチウムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の全固体電池。
[請求項3]
請求項2記載の全固体電池において、前記固体電解質材料がLi Al Ti [但し、f、g、h、iおよびjは、それぞれ0.5≦f≦3.0、0.0<g≦1.0、1.0≦h≦2.0、2.8≦i≦3.2、9.25<j≦15.0を満たす数である。]であることを特徴とする全固体電池。
[請求項4]

前記一対の電極層と、前記一対の電極層間に設けられた前記固体電解質層とが、相対密度80%以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の全固体電池。

図面

[ 図 1]