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1. (WO2018181500) 生分解性ポリエステルフィルムの製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 生分解性ポリエステルフィルムの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045  

実施例

0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

符号の説明

0062  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 生分解性ポリエステルフィルムの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、生分解性ポリエステルフィルムの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、プラスチック廃棄物が、生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷を与えることが問題となっており、前記問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。中でも生分解性プラスチックが植物由来の原料から製造される場合、前記生分解性プラスチックを燃焼させた際に出る二酸化炭素は、もともと空気中にあったもので、大気中の二酸化炭素は増加しない。このことをカーボンニュートラルと称し、二酸化炭素削減目標値を課した京都議定書の下、重要視され、積極的な使用が望まれている。
[0003]
 最近、生分解性およびやカーボンニュートラルの観点から、植物由来のプラスチックとして生分解性脂肪族ポリエステル系樹脂が注目されており、特にポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと称する場合がある)系樹脂、さらにはPHA系樹脂の中でもポリ(3-ヒドロキシブチレート)単独重合樹脂(以下、P3HBと称する場合がある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)共重合樹脂(以下、P3HB3HVと称する場合がある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)共重合樹脂(以下、P3HB3HHと称する場合がある)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)共重合樹脂(以下、P3HB4HBと称する場合がある)およびポリ乳酸(以下、PLAと称する場合がある)等が注目されている。
[0004]
 例えば、特許文献1には、2種類のポリエステル系の生分解性ポリマーのポリマーアロイが開示されている。当該生分解性ポリマーとして具体的には、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2004-244507号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、生分解性脂肪族ポリエステル系樹脂として上述のPHA(特に、後述のP3HA)を使用した場合には、当該使用量が少ない場合であっても、フィルムをインフレーション成形する際の加工可能温度幅が、汎用樹脂(例えば、特許文献1で使用されるポリエステル系の生分解性ポリマー等)に比べて著しく狭くなり、成形性および生産性が悪化するという問題があった。
[0007]
 したがって、本発明の目的は、ポリヒドロキシアルカノエートを含む生分解性ポリエステルフィルムをインフレーション成形により実用的な加工条件で安定的に生産できる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の工程を必須の工程として含む方法によると、ポリヒドロキシアルカノエートを含む生分解性ポリエステルフィルムをインフレーション成形により実用的な加工条件で安定的に生産できることを見出し、本発明を完成させた。
[0009]
 すなわち、本発明は、下記発明を提供する。
[1]生分解性脂肪族ポリエステル(A)と脂肪酸アミド(B)とを含有する生分解性ポリエステルフィルムをインフレーション成形により製造する方法であって、
 前記生分解性脂肪族ポリエステル(A)は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、
 脂肪酸アミド(B)と基材樹脂を含むマスターバッチと、生分解性脂肪族ポリエステル(A)をドライブレンドする工程(I)と、
 工程(I)で得られた混合物をインフレーション成形に付す工程(II)とを有する、生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[2]前記生分解性ポリエステルフィルムが、さらに脂肪族芳香族ポリエステル(C)を含む、[1]に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[3]前記マスターバッチに含まれる前記基材樹脂が、生分解性脂肪族ポリエステル(A)及び脂肪族芳香族ポリエステル(C)からなる群より選択される少なくとも一種である、[1]又は[2]に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[4]脂肪酸アミド(B)がエルカ酸アミドである、[1]~[3]のいずれか1つに記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[5]前記マスターバッチにおける脂肪酸アミド(B)の含有量が5~20重量%である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[6]前記生分解性ポリエステルフィルムにおける脂肪酸アミド(B)の含有量が、生分解性脂肪族ポリエステル(A)及び脂肪族芳香族ポリエステル(C)の全量100重量部に対して0.1~3重量部である、[2]~[5]のいずれか1つに記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[7]脂肪族芳香族ポリエステル(C)が、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフタレート)(PBAT)及びポリ(ブチレンサクシネート-co-ブチレンテレフタレート)(PBST)からなる群より選択される少なくとも1種である、[2]~[6]のいずれか1つに記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[8]前記生分解性ポリエステルフィルムにおける生分解性脂肪族ポリエステル(A)と脂肪族芳香族ポリエステル(C)の割合(重量比)[生分解性脂肪族ポリエステル(A)/脂肪族芳香族ポリエステル(C)]が、100/0~30/70である[1]~[7]のいずれか1つに記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[9]前記生分解性ポリエステルフィルムにおけるポリヒドロキシアルカノエートの含有量が20~99重量%である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、汎用樹脂に比べて加工可能温度幅が狭く、生産性も低く、インフレーション成形性も劣るポリヒドロキシアルカノエートを含む生分解性ポリエステルフィルムを、インフレーション成形により実用的な加工条件で安定的に生産できる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 各実施例で実施したインフレーション成形を示す概略図

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法(「本発明の製造方法」と称する場合がある)は、生分解性脂肪族ポリエステル(A)と脂肪酸アミド(B)とを必須成分として含有する生分解性ポリエステルフィルムをインフレーション成形により製造する方法であって、前記生分解性脂肪族ポリエステル(A)はポリヒドロキシアルカノエートを必須成分として含み、下記工程(I)及び工程(II)を必須の工程として含む製造方法である。
[0013]
 工程(I):脂肪酸アミド(B)と基材樹脂を含むマスターバッチと、生分解性脂肪族ポリエステル(A)をドライブレンドする工程
 工程(II):工程(I)で得られた混合物をインフレーション成形に付す工程
 本発明の製造方法により製造される生分解性ポリエステルフィルムを「本発明のフィルム」と称する場合がある。
[生分解性脂肪族ポリエステル(A)]
 本発明の製造方法における生分解性脂肪族ポリエステル(A)は、生分解性を有する脂肪族ポリエステル(芳香環を含まないポリエステル)であり、例えば、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が重縮合した構造からなるポリエステル、脂肪族ジオール及び脂肪族ジカルボン酸が重縮合した構造からなるポリエステル等が挙げられる。前者の例としては、ポリ(α-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)(P3HA)等のポリヒドロキシアルカノエートが挙げられ、後者の例としては、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート等が挙げられる。中でも、生分解性脂肪族ポリエステル(A)としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が重合した構造からなるポリエステルが好ましく、特にP3HAが好ましい。
[0014]
 中でも、生分解性脂肪族ポリエステル(A)は、ポリヒドロキシアルカノエートを含む。ポリヒドロキシアルカノエートとは、ヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)を単量体成分として含むポリマーであり、上述のように、例えば、ポリ(α-ヒドロキシアルカノエート)やP3HA等が挙げられる。
[0015]
 ポリ(α-ヒドロキシアルカノエート)としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等が挙げられる。ポリ乳酸は、L-乳酸の単独重合体、D-乳酸の単独重合体、L-乳酸とD-乳酸の共重合体、ポリ(L-乳酸)とポリ(D-乳酸)のステレオコンプレックス等のいずれであってもよい。
[0016]
 P3HAとは、一般式:[-CHR-CH -CO-O-]で示される3-ヒドロキシアルカン酸繰り返し単位(式中、RはC H2 n+1で表されるアルキル基で、nは1以上15以下の整数である。)を含むポリヒドロキシアルカノエートである。中でも、当該繰り返し単位を、全モノマー繰り返し単位(100モル%)に対して50モル%以上含むものが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。より詳しくは、P3HAとしては、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P3HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)(P3HB3HV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HB3HH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HB3HV3HH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシデカノエート)等が挙げられる。
[0017]
 P3HAとしては、化学合成されるもの(例えば、対応するラクトンの開環重合により得られるもの)や微生物により産生されるもののいずれであってもよいが、微生物により産生されるP3HAが好ましい。なお、微生物により産生されるP3HA(微生物産生P3HA)は、通常、D体(R体)のポリヒドロキシアルカン酸モノマー単位のみから構成されるP3HAである。微生物産生P3HAの中でも、工業的生産が容易である点から、P3HB、P3HB3HH、P3HB3HV、P3HB3HV3HH、P3HB4HBが好ましい。
[0018]
 P3HA(特に、微生物産生P3HA)が3-ヒドロキシブタン酸(3HB)繰り返し単位を必須のモノマー単位として含むものである場合、そのモノマー組成比は、柔軟性と強度のバランスの観点から、全繰り返し単位(100モル%)中、3-ヒドロキシブタン酸(3HB)繰り返し単位の組成比が80~99モル%であることが好ましく、より好ましくは85~97モル%である。3HB繰り返し単位の組成比が80モル%以上であることにより、P3HAの剛性がより向上し、また、結晶化度が低くなり過ぎず精製が容易となる傾向がある。一方、3HB繰り返し単位の組成比が99モル%以下であることにより、柔軟性がより向上する傾向がある。なお、P3HAのモノマー組成比は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる(例えば、国際公開第2014/020838号参照)。
[0019]
 微生物産生PHAを生産する微生物としては、PHA類の生産能を有する微生物であれば特に限定されない。例えば、P3HB生産菌としては、1925年に発見されたBacillus megateriumが最初で、他にもカプリアビダス・ネケイター(Cupriavidus necator)(旧分類:アルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)、ラルストニア・ユートロフア(Ralstonia eutropha))、アルカリゲネス・ラタス(Alcaligenes latus)などの天然微生物が知られており、これらの微生物ではPHBが菌体内に蓄積される。
[0020]
 また、ヒドロキシブチレートとその他のヒドロキシアルカノエートとの共重合体の生産菌としては、P3HB3HVおよびP3HB3HH生産菌であるアエロモナス・キヤビエ(Aeromonas caviae)、P3HB4HB生産菌であるアルカリゲネス・ユートロファス(Alcaligenes eutrophus)などが知られている。特に、P3HB3HHに関し、P3HB3HHの生産性を上げるために、PHA合成酵素群の遺伝子を導入したアルカリゲネス・ユートロファス AC32株(Alcaligenes eutrophus AC32, FERM BP-6038)(T.Fukui,Y.Doi,J.Bateriol.,179,p4821-4830(1997))などがより好ましく、これらの微生物を適切な条件で培養して菌体内にP3HB3HHを蓄積させた微生物菌体が用いられる。また上記以外にも、生産したいPHAに合わせて、各種PHA合成関連遺伝子を導入した遺伝子組換え微生物を用いても良いし、基質の種類を含む培養条件の最適化をすればよい。
[0021]
 生分解性脂肪族ポリエステル(A)の分子量は、目的とする用途で実質的に十分な物性を示すものであればよく、特に限定されないが、その重量平均分子量は、50,000~3,000,000が好ましく、より好ましくは100,000~1,000,000である。重量平均分子量を50,000以上とすることにより、生分解性ポリエステルフィルムの強度がより向上する傾向がある。一方、重量平均分子量を3,000,000以下とすることにより、加工性がより向上し、成形がより容易となる傾向がある。
[0022]
 前記重量平均分子量の測定方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(昭和電工社製「Shodex GPC-101」)を用い、カラムにポリスチレンゲル(昭和電工社製「Shodex K-804」)を用い、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算した場合の分子量として求めることができる。この際、検量線は重量平均分子量31,400、197,000、668,000、1,920,000のポリスチレンを使用して作成する。当該GPCにおけるカラムとしては、前記分子量を測定するのに適切なカラムを使用すればよい。
[0023]
 本発明の製造方法において生分解性脂肪族ポリエステル(A)としては、PHA一種を単独で使用することもできるし、PHAの二種以上を組み合わせて使用することもできるし、PHAの一種以上と、PHA以外の生分解性脂肪族ポリエステルの一種以上を組み合わせて使用することもできる。
[0024]
 本発明の製造方法における生分解性脂肪族ポリエステル(A)の使用量(本発明のフィルムにおける生分解性脂肪族ポリエステル(A)の含有量)は、フィルムの全量(100重量%)に対して、20~99重量%が好ましく、より好ましくは30~80重量%、さらに好ましくは40~60重量%である。上記使用量(含有量)を20重量%以上とすることにより、フィルムが効果的に生分解性を発現するものとなる傾向にある。
[0025]
 本発明の製造方法におけるポリヒドロキシアルカノエートの使用量(本発明のフィルムにおけるポリヒドロキシアルカノエートの含有量)は、フィルムの全量(100重量%)に対して、20~99重量%が好ましく、より好ましくは35~80重量%、さらに好ましくは40~60重量%である。
[0026]
 一般に、インフレーション成形により生分解性ポリエステルフィルムを製造するにあたっては、特に、上述のP3HAを上記フィルム原料として使用するとインフレーション成形性が著しく悪化する傾向がある。本発明の製造方法によると、生分解性脂肪族ポリエステル(A)としてP3HAを用いた場合にも、良好な成形性でインフレーション成形を実施することができ、実用的な加工条件でフィルムを製造することが可能となる。即ち、本発明においては、生分解性脂肪族ポリエステル(A)としてP3HAを用いた場合に、特に本発明の効果のメリットを享受できる。
[脂肪酸アミド(B)]
 本発明の製造方法において用いられる脂肪酸アミド(B)としては、脂肪酸のモノアミド、脂肪酸のビスアミド等が挙げられる。脂肪酸アミド(B)を構成する脂肪酸(脂肪酸部分)は、融点が適度に高いものとなり、溶融加工時の加工性低下を抑止する観点から、炭素数12~30の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数18~22の脂肪酸であり、例えば、エルカ酸、パルミチン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸アミド(B)としては、具体的には、エルカ酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。このうち、エルカ酸アミドが好ましい。
[0027]
 本発明の製造方法において脂肪酸アミド(B)は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
[0028]
 本発明の製造方法における脂肪酸アミド(B)の使用量(本発明のフィルムにおける脂肪酸アミド(B)の含有量)は、本発明において配合する生分解性脂肪族ポリエステル(A)及び脂肪族芳香族ポリエステル(C)の全量100重量部に対して、好ましくは0.1~3重量部であり、より好ましくは0.2~2.5重量部である。上記含有量は、本発明の製造方法における脂肪酸アミド(B)の総配合量と読み替えることもできる。上記含有量を0.1重量部以上とすることにより、インフレーション成形時のバルーンが安定して生産できる加工可能温度幅がより広くなる傾向がある。また、生分解性ポリエステルフィルムの口開き性も良好となる傾向がある。一方、上記含有量を3重量部以下とすることにより、脂肪酸アミド(B)のフィルム表面へのブリードアウトが抑制され、フィルム巻き取り時の不具合(例えば、フィルムを巻き取る際に、滑って適切に巻き取ることができず皺になったり、端部が揃わなかったり、生産ライン中のロール上でも滑って適切に巻き取ることができないこと等)がいっそう抑制される傾向がある。
[脂肪族芳香族ポリエステル(C)]
 本発明の製造方法においては、上述の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(A)と脂肪酸アミド(B)に加えて、脂肪族芳香族ポリエステル(C)を使用することもできる。すなわち、本発明のフィルムは、脂肪族芳香族ポリエステル(C)をさらに含んでいてもよい。脂肪族芳香族ポリエステル(C)を使用することにより、インフレーション成形性がより向上し、また、フィルムの機械特性がいっそう向上する傾向がある。脂肪族芳香族ポリエステル(C)とは、脂肪族化合物と芳香族化合物の両方をモノマーとするポリエステルであり、例えば、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフタレート)(PBAT)、ポリ(ブチレンセバケート-co-ブチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンアゼレート-co-ブチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート-co-ブチレンテレフタレート)(PBST)等が挙げられる。このうち、PBAT、PBSTが好ましい。
[0029]
 PBATとは、上述のように、1,4-ブタンジオールとアジピン酸とテレフタル酸のランダム共重合体のことをいい、なかでも、特表平10-508640号公報等に記載されているような、(a)主としてアジピン酸もしくはそのエステル形成性誘導体またはこれらの混合物35~95モル%、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体またはこれらの混合物5~65モル%(個々のモル%の合計は100モル%である)よりなる混合物に、(b)ブタンジオールが含まれている混合物(ただし(a)と(b)とのモル比が0.4:1~1.5:1)の反応により得られるPBATが好ましい。PBATの市販品としてはBASF社製「エコフレックス F blend C1200」(登録商標)などが挙げられる。また、PBSTとは、前記PBATのアジピン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の部分がセバシン酸もしくはそのエステル形成性誘導体に置き換わったものであり、PBSTの市販品としてはBASF社製「エコフレックス FS blend B1100」(登録商標)などが挙げられる。
[0030]
 本発明の製造方法において脂肪族芳香族ポリエステル(C)は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を併用することもできる。
[0031]
 本発明の製造方法における脂肪族芳香族ポリエステル(C)の使用量は、生分解性脂肪族ポリエステル(A)100重量部に対して、0~900重量部が好ましく、より好ましくは10~500重量部、さらに好ましくは40~250重量部である。上記使用量を900重量部以下とすることにより、生分解性脂肪族ポリエステルの利点である効率的な生分解性が発現する傾向がある。一方、上記使用量を10重量部以上とすることにより、インフレーション成形性と得られるフィルムの機械特性がいっそう向上する傾向がある。
[0032]
 本発明のフィルムにおける生分解性脂肪族ポリエステル(A)と脂肪族芳香族ポリエステル(C)の割合(重量比)[生分解性脂肪族ポリエステル(A)/脂肪族芳香族ポリエステル(C)]は、特に限定されないが、100/0~20/80が好ましく、より好ましくは100/0~30/70、さらに好ましくは80/20~50/50である。当該割合を上記範囲とすることにより、インフレーション成形時のバルーン安定性がいっそう良好となる傾向がある。
[その他の成分]
 本発明の製造方法においては、生分解性ポリエステルフィルムの原料として、その他の成分を使用することもできる。例えば、本発明の効果を阻害しない範囲で、有機系又は無機系フィラー等を使用することができる。中でも、得られるフィルムの生分解性及びカーボンニュートラルの観点から、例えば、木屑、木粉、オガ屑などの木質系材料、米殻、米粉、澱粉、コーンスターチ、稲わら、麦わら、天然ゴム等の天然由来の材料が好ましい。当該有機系又は無機系フィラーの配合量は、適宜設定することができる。有機系又は無機系フィラーは、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
[0033]
 また、上述の有機系又は無機系フィラーの他にも、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常の添加剤として使用される充填剤、顔料、染料などの着色剤、活性炭、ゼオライト等の臭気吸収剤、バニリン、デキストリン等の香料、酸化防止剤、抗酸化剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、撥水剤、抗菌剤、摺動性改良剤、その他の副次的添加剤の一種又は二種以上を使用することもできる。当該添加剤の配合量も、適宜設定することができる。
[0034]
 本発明の製造方法は、上述のように工程(I)と工程(II)を必須の工程として含む生分解性ポリエステルフィルムの製造方法である。
[工程(I)]
 工程(I)は、脂肪酸アミド(B)と基材樹脂を含むマスターバッチと、生分解性脂肪族ポリエステル(A)をドライブレンドする工程である。該マスターバッチを生分解性脂肪族ポリエステル(A)と一緒に成形機に投入することで、生分解性脂肪族ポリエステル(A)の熱劣化(特にダイリップでのせん断発熱による熱劣化)が抑制され、インフレーション成形における安定したバルーンを維持することができ、高い生産性を実現することが出来る。また、せん断による分子鎖の配向が抑制されるためと推測されるが、機械的強度、例えば引張特性や引裂特性に優れたフィルムが得られる傾向にある。
[0035]
 脂肪酸アミド(B)のバスターバッチは、脂肪酸アミド(B)と基材樹脂より構成される。当該基材樹脂としては、上述の生分解性脂肪族ポリエステル(A)やその他のフィルムの構成樹脂(例えば、脂肪族芳香族ポリエステル(C))との相溶性が良好で、成形体の外観や機械特性を損なわない樹脂であれば限定されない。当該観点から、上記基材樹脂としては、生分解性脂肪族ポリエステル(A)及び脂肪族芳香族ポリエステル(C)からなる群より選択される一種又は二種以上が好ましい。
[0036]
 上記マスターバッチは、脂肪酸アミド(B)及び基材樹脂以外にも、例えば、上述のその他の成分等を含んでいてもよい。
[0037]
 上記マスターバッチにおける脂肪酸アミド(B)の含有量は、特に限定されないが、マスターバッチの全量(100重量%)に対して、5~20重量%が好ましく、さらに好ましくは7~12重量%である。含有量を5重量%以上とすることにより、インフレーション成形時のバルーン安定性がいっそう向上する傾向がある。一方、含有量を20重量%以下とすることにより、混練不良が抑制されたり、成形フィルム表面に過度に脂肪酸アミド(B)がブリードアウトすることによる印刷性低下や巻取不良が抑制される傾向がある。
[0038]
 脂肪酸アミド(B)のマスターバッチと生分解性脂肪族ポリエステル(A)とのドライブレンドは、通常、用いる樹脂が溶融する温度未満で実施され、すなわち、非溶融状態での混合を意味する。本発明の製造方法において生分解性脂肪族ポリエステル(A)以外の成分を使用する場合、工程(II)の前に、押出機等を用いた溶融混練によって生分解性脂肪族ポリエステル(A)と該(A)成分以外の成分を予め複合化してもよいし、本工程(I)において該(A)成分以外の成分を脂肪酸アミド(B)のマスターバッチ及び生分解性脂肪族ポリエステル(A)とドライブレンドしてもよい。後者の場合、生分解性脂肪族ポリエステル(A)以外の成分は、工程(II)におけるインフレーション成形機内で生分解性脂肪族ポリエステル(A)と複合化される。
[0039]
 上記マスターバッチの使用量は、前述したフィルムにおける脂肪酸アミド(B)の含有量や、マスターバッチにおける脂肪酸アミド(B)の含有量などを考慮して、適宜設定することができる。
[工程(II)]
 工程(II)は、工程(I)で得られた混合物をインフレーション成形に付す工程である。インフレーション成形とは、先端に円筒ダイが取り付けられた押出機から溶融樹脂をチューブ状に押し出し、直後に、該チューブのなかに気体を吹き込んでバルーン状にふくらませることでフィルムを成形する、フィルム成形方法のことをいう。当該インフレーション成形の方法は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂をフィルム成形する際に用いられる一般的なインフレーション成形機を用いて実施することが可能である。一般的なインフレーション成形機とは、単軸押出機に円筒ダイが取り付けられているものをいう。上記単軸押出機は、投入された原料樹脂を溶融混練し、所望の温度に保ちながら一定の吐出を得るものであればスクリュー形状等も特に限定されないが、ミキシングエレメントを備えるものが、混練性の観点から好ましい。また、円筒ダイの構造も特に限定されないが、中でも、ウエルドの発生が少なく、厚みの均一性も得やすいため、スパイラルマンドレルダイが好ましい。
[0040]
 インフレーション成形における成形温度としては、樹脂が適切に溶融できる温度であれば特に限定されるものではないが、135~200℃が好ましい。ここでいう成形温度とは、押出機以降からダイから吐出するまでの間の樹脂温度のことを指す。樹脂温度は、一般的には例えばアダプターに設置された温度計により測定することができる。135℃より低い場合は、未溶融樹脂が発生して成形フィルムの中でフィッシュアイが発生して外観不良をきたす場合がある。一方200℃より高い場合は、樹脂が熱劣化しやすくなり焼け樹脂として外観不良を発生したり、バルーンの安定性を低下させたり、成形フィルムの機械特性を低下させる場合がある。
[0041]
 インフレーション成形における引取速度としては、フィルム厚み、幅、樹脂吐出量により決定されるが、バルーン安定性を維持できる範囲で調整可能である。一般的に1~50m/分が好ましい。
[0042]
 インフレーション成形において、バルーンの外側から吹き付けるエアリングは、吐出した溶融樹脂を固化させてバルーンを安定させるために用いられる。好適に用いられるエアリングの吹き付け構造としては、エアの吹き出す環状のスリットが複数設けられ、各スリット間にあるチャンバーによりバルーンの安定化が促進されるスリットタイプのものである。
[0043]
 本発明の製造方法は、工程(I)及び工程(II)以外のその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、チューブ状成形フィルムをピンチロールで折り重ねた状態で巻き取りロールまで引き取る工程や、引き取りの途中で、用途に合わせてフィルムをカットする工程などが挙げられる。カット方式としては、折り重ねられたチューブ状成形フィルムの両端をカットして2枚のフィルムを形成する方式や、チューブ状成形フィルムの中央でホットカットすると同時に融着を行うことで2つの袋形状のフィルムを形成する方式などがある。また、カットしやすいように、カット直前で折り重なったフィルムの界面にエアを吹き込む工程を含んでもよい。また、袋用途の一つとして、折り重ねられた状態のチューブ状フィルムの両端を内側に折り込む、いわゆるガゼット折りをする工程を含む場合もある。
[0044]
 本発明の製造方法により、生分解性ポリエステルフィルムが得られる。当該フィルムの厚みは、特に限定されないが、5~100μmが好ましく、より好ましくは10~70μmである。
[0045]
 本発明のフィルムの用途は、特に限定されないが、例えば、農業、漁業、林業、園芸、医学、衛生品、食品産業、衣料、非衣料、包装、自動車、建材、その他の分野に好ましく使用できる。より具体的には、例えば、農業用マルチフィルム、林業用燻蒸シート、フラットヤーン等を含む結束テープ、植木の根巻フィルム、おむつのバックシート、包装用シート、ショッピングバック、ゴミ袋、水切り袋、その他コンポストバック等の用途に用いられる。
実施例
[0046]
 以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[0047]
 実施例においては、以下の原料を使用した。
(脂肪族ポリエステル)
 A-1:国際公開第2013/147139号に記載の方法に準じて得た、3-ヒドロキシヘキサノエート(3HH)組成が11.2モル%、GPCで測定される重量平均分子量が57万であるポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HB3HH)を、以下の方法でペレット化したもの(円柱状ペレット;平均直径3mm、長さ3.3mm)。ペレット化は、同方向噛合型二軸押出機(東芝機械社製:TEM26ss)で、設定温度120~130℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬して、ストランドカットすることで実施した。
[0048]
 A-2:国際公開第2008/010296号に記載の方法に準じて得た、3HH組成が5.4モル%、GPCで測定される重量平均分子量が62万であるP3HB3HHを、脂肪族ポリエステルA-1作製時と同様の方法でペレット化したもの(円柱状ペレット)。
[0049]
 (脂肪酸アミド又はそのマスターバッチ)
 B-1:東洋インキ社製TEP BP SL1(エルカ酸アミドのマスターバッチ;PBAT/エルカ酸アミド=90/10(重量比))
 B-2:日本精化社製ニュートロン-S(エルカ酸アミド)
 B-3:脂肪族ポリエステルA-1を得る際のペレット化の段階でB-2(ニュートロン-S)を20重量%の濃度となるように添加して得たマスターバッチペレット(P3HB3HH/エルカ酸アミド=80/20(重量比))。
[0050]
 (脂肪族芳香族ポリエステル)
 C-1:BASF社製エコフレックス F blend C1200(PBAT)
 実施例1
(生分解性ポリエステルフィルムの製造)
 脂肪族ポリエステルA-1、脂肪酸アミドのマスターバッチB-1、及び脂肪族芳香族ポリエステルC-1を表1に示す配合比でドライブレンドした。得られた混合物を、L/D=32の単軸スクリューを有する押出機に直径100mmの円筒状ダイスリップを装着したダイが接続されたインフレーション成形機(北進産業株式会社製)に投入し、押出機設定温度125~135℃(C1:125℃、C2:130℃、C3:135℃)、アダプター及びダイス設定温度140℃、スクリュー回転数12rpm、ダイギャップ1mmの条件で押出し、ブローアップ比2.7(最終折幅420mm)に膨らませたバルーンを形成し、30℃に温調した冷却エアを該バルーンに当てながら40℃に温調した冷却ロール(ピンチロール)で8m/分の速度で該バルーンを引き取り、20μm厚のフィルムを得た。この際、アダプター部に設置された樹脂温計は140℃を示していた。
[0051]
 さらに、前記インフレーション成形条件を初期条件として、下記バルーン安定性評価においてバルーンが不安定(「×」評価)になる状態まで段階的に押出機、アダプター及びダイスそれぞれの設定温度を上げていき、バルーンの安定性が確保できる温度幅(加工可能温度幅)を評価した。その評価結果を表1に示す。
[0052]
 (バルーン安定性評価)
○:得られたフィルムの長さ20mの中で折り幅の変動が20mm未満
×:得られたフィルムの長さ20mの中で折り幅の変動が20mm以上、あるいはバルーンが破れたり極端な変形でフィルムを採取できない状態
 前記折り幅とは、図1で示すように、ダイ12から押し出されたバルーン状の成形フィルム21を冷却ロール(ピンチロール)14に通すことで折り畳んで二重のフィルム22とした時に、該二重フィルムの幅23のことをいう。
[0053]
 なお、折り幅の変動が大きくなるとそれだけ厚みの変動が大きくなり、円筒形状の維持が困難となる(つまり、安定にバルーンを形成することが困難となる)。
[0054]
 実施例2~6
 配合量及び配合材料を表1に示したように変更したこと以外は実施例1と同様にして、生分解性ポリエステルフィルムを製造した。また、実施例1と同様にしてバルーン安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
[0055]
 比較例1、2、4
 配合量及び配合材料を表1に示したように変更したこと以外は実施例1と同様にして、生分解性ポリエステルフィルムを製造した。また、実施例1と同様にしてバルーン安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
[0056]
 比較例3
 比較例3では、いったん生分解性ポリエステルフィルムを構成する原料を溶融混練してペレットを得た後、得られたペレットを用いてインフレーション成形を実施した。すなわち、脂肪族ポリエステルA-1、粉末状の脂肪酸アミドB-2及び脂肪族芳香族ポリエステルC-1を、A-1とC-1をドライブレンドした混合物をフィーダー1から、B-2をフィーダー2(フィーダー1とは別のフィーダー)から同方向噛合型二軸押出機(東芝機械社製:TEM26ss)に投入し、設定温度140℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練して、ストランドカットすることでペレットを得た。
[0057]
 このようにして得られたペレットをインフレーション成形機に投入し、実施例1と同様の条件で生分解性ポリエステルフィルムを製造した。また、実施例1と同様にしてバルーン安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
[0058]
[表1]


[0059]
 表1の結果が示すように、脂肪酸アミド(B)のマスターバッチと生分解性脂肪族ポリエステル(A)をドライブレンドしてからインフレーション成形を実施した実施例1~6によると加工可能温度幅が広く、バルーン安定性が良好となることが確認された。一方、脂肪酸アミド(B)のマスターバッチを配合しなかった比較例1及び比較例4、脂肪酸アミド(B)のマスターバッチではなく粉末状の脂肪酸アミドそのものをドライブレンドしてからインフレーション成形を実施した比較例2、並びに、各原料を溶融混練してからインフレーション成形を実施した比較例3では、実施例1~6に比べて加工可能温度幅が非常に狭くバルーン安定性に劣る結果となった。
[0060]
 なお、実施例4は、加工可能温度幅は広いものであったが、巻取り時にフィルム同士が滑って端部ズレと皺発生が見られ、巻取り性の点で改善の余地があることが確認された。一方、実施例1~3、5及び6においては、上述の巻取り時の不具合は生じなかった。
[0061]
 表1に示されるように、生分解性脂肪族ポリエスエル(A)と脂肪族芳香族ポリエステル(C)の割合に関わらず、いずれの実施例でも本発明の効果が得られることが確認された。

符号の説明

[0062]
11 押出機
12 ダイ
13 冷却エア供給装置
14 冷却ロール(ピンチロール)
21 バルーン状の成形フィルム
22 二重のフィルム
23 二重フィルムの幅(折り幅)

請求の範囲

[請求項1]
 生分解性脂肪族ポリエステル(A)と脂肪酸アミド(B)とを含有する生分解性ポリエステルフィルムをインフレーション成形により製造する方法であって、
 前記生分解性脂肪族ポリエステル(A)は、ポリヒドロキシアルカノエートを含み、
 脂肪酸アミド(B)と基材樹脂を含むマスターバッチと、生分解性脂肪族ポリエステル(A)をドライブレンドする工程(I)と、
 工程(I)で得られた混合物をインフレーション成形に付す工程(II)とを有する、生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項2]
 前記生分解性ポリエステルフィルムが、さらに脂肪族芳香族ポリエステル(C)を含む、請求項1に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項3]
 前記マスターバッチに含まれる前記基材樹脂が、生分解性脂肪族ポリエステル(A)及び脂肪族芳香族ポリエステル(C)からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項4]
 脂肪酸アミド(B)がエルカ酸アミドである、請求項1~3のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項5]
 前記マスターバッチにおける脂肪酸アミド(B)の含有量が5~20重量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項6]
 前記生分解性ポリエステルフィルムにおける脂肪酸アミド(B)の含有量が、生分解性脂肪族ポリエステル(A)及び脂肪族芳香族ポリエステル(C)の全量100重量部に対して0.1~3重量部である、請求項2~5のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項7]
 脂肪族芳香族ポリエステル(C)が、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフタレート)(PBAT)及びポリ(ブチレンサクシネート-co-ブチレンテレフタレート)(PBST)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2~6のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項8]
 前記生分解性ポリエステルフィルムにおける生分解性脂肪族ポリエステル(A)と脂肪族芳香族ポリエステル(C)の割合(重量比)[生分解性脂肪族ポリエステル(A)/脂肪族芳香族ポリエステル(C)]が、100/0~20/80である請求項1~7のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。
[請求項9]
 前記生分解性ポリエステルフィルムにおけるポリヒドロキシアルカノエートの含有量が20~99重量%である、請求項1~8のいずれか1項に記載の生分解性ポリエステルフィルムの製造方法。

図面

[ 図 1]