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1. (WO2018181328) レーザー光検知具
Document

明 細 書

発明の名称 レーザー光検知具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

発明の効果

0053  

発明を実施するための形態

0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

産業上の利用可能性

0066  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : レーザー光検知具

技術分野

[0001]
本発明は、レーザー光が照射されたときに、簡便に照射を検知することができるレーザー光検知具に関する。

背景技術

[0002]
プレゼンテーションや教育の場で、印刷ないし書き示された図表やプロジェクタで表示した映像等の一点を指し示すための器具としてレーザーポインタが用いられている。近年、半導体レーザーの発達に伴い、極めて高出力のレーザーポインタが安価に供給されるようになり、広い分野に用いられるようになってきている(例えば、特許文献1)。
[0003]
しかしながら、レーザーポインタが普及するに伴い、車やバイク、飛行機等の車両のドライバーに対して、レーザーポインタを用いてレーザー光が照射される事件が多発するようになってきた。レーザー光が目に入ると運転ミスにより事故が誘発されて極めて危険であるばかりでなく、失明につながる恐れもある。
[0004]
レーザーポインタは、赤色や緑色等の可視光線のものが中心であるが、人の目に見えない紫外線又は赤外線のレーザーポインタも市販されている。このような非可視光線のレーザー光が照射された場合、照射されていることにも気がつかないまま、事故や失明につながってしまう。また、可視光線のレーザー光であっても、目に直接光線が入らない限り、なかなか照射されていることに気付けない。
特許文献2には、レーザー誘導弾に対して有効な防御手段が可能なレーザー照射検出装置が開示されているが、軍事目的の極めて高価かつ大がかりな装置であり、到底一般の用途に適用できるものではなかった。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2015-079141号公報
特許文献2 : 特開平5-226728号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
本発明は、上記現状に鑑み、レーザー光が照射されたときに、簡便に照射を検知することができるレーザー光検知具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
本発明は、レーザー光が照射されたときに、照射を検知することができるレーザー光検知具であって、熱可塑性樹脂と、レーザー光によって励起され可視光を発光する発光材料を含有する発光シートを含むレーザー光検知具である。
以下に本発明を詳述する。
[0008]
本発明者らは、鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂と、レーザー光によって励起され可視光を発光する発光材料を含有する発光シートにレーザー光を照射すると、該発光材料が可視光を発光により、たとえレーザー光が紫外線又は赤外線の非可視光線のレーザー光であっても容易に検知できることを見出し、本発明を完成した。
[0009]
本発明のレーザー光検知具は、熱可塑性樹脂と発光材料を含有する発光シートを含む。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン-アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。なかでも、ガラス等の透明板と積層したときに、可塑剤と併用して透明板に対して優れた接着性を発揮できることからポリビニルアセタール樹脂が好適である。
[0010]
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラールが好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタール樹脂を併用してもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
[0011]
上記ポリビニルアセタール樹脂は、水酸基量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が35モル%である。水酸基量が15モル%以上であると、発光シートの成形が容易になる。水酸基量が35モル%以下であると、得られる発光シートの取り扱いが容易になる。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
[0012]
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度70~99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が500以上であると、得られる発光シートを透明板との積層体としたときに耐貫通性が高くなる。上記ポリビニルアルコールの重合度が4000以下であると、発光シートの成形が容易になる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
[0013]
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n-ブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-バレルアルデヒドが好ましく、n-ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0014]
上記発光材料は、レーザー光によって励起され可視光を発光する発光材料である。このような発光材料を含有する発光シートを用いることにより、レーザー光が照射されたときに、該発光材料が可視光を発光により、たとえレーザー光が紫外線又は赤外線の非可視光線のレーザー光であっても容易に検知できることができる。更に、レーザー光のエネルギーの一部が発光材料の発光に消費されることから、レーザー光のエネルギーが減衰して、目に与えるダメージを軽減できることも期待される。
[0015]
上記発光材料としては、検出するレーザー光の種類により、波長380~750nmの可視レーザー光によって発光する発光材料、波長380nm以下の紫外線レーザー光によって発光する発光材料、波長750nm以上の赤外線レーザー光によって発光する発光材料を用いることができる。これらの発光材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の発光材料を併用することにより、広い波長域のレーザー光の検出が可能となる。
[0016]
上記発光材料としては、例えば、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体が挙げられる。
ランタノイド錯体のなかでも、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体はレーザー光を照射することにより高い発光強度で発光する。上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体としては、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む四座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む五座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む六座配位子を有するランタノイド錯体等が挙げられる。
[0017]
なかでも、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、300~410nmの波長の光を照射することにより、580~780nmの波長の光を極めて高い発光強度で発光する。この発光は極めて高強度であることから、これを含有する発光シートは、極めて高感度にレーザー光の照射を検出することができる。しかも、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、耐熱性にも優れる。波長750nm以上の赤外線レーザー光が照射された場合には、高温に発熱することにより発光材料が劣化してしまう恐れもあるが、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体を用いることにより、劣化することなく確実にレーザー光を検出することができる。
[0018]
本明細書においてランタノイドとは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテチウムを含む。より一層高い発光強度が得られることから、ランタノイドは、ネオジム、ユーロピウム又はテルビウムが好ましく、ユーロピウム又はテルビウムがより好ましく、ユーロピウムが更に好ましい。
[0019]
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)フェナントロリンユーロピウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ビス(トリフェニルホスフィン)ユーロピウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)2,2’-ビピリジンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)2,2’-ビピリジンユーロピウム等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、ターピリジントリフルオロアセチルアセトンユーロピウム、ターピリジンヘキサフルオロアセチルアセトンユーロピウム等が挙げられる。
[0020]
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。なかでも、配位子の構造を安定化させることから、フッ素原子が好適である。
[0021]
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体のなかでも、特に初期発光性に優れることから、ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体が好適である。
上記ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、Eu(TFA) phen、Eu(TFA) dpphen、Eu(HFA) phen、[Eu(FOD) ]bpy、[Eu(TFA) ]tmphen、[Eu(FOD) ]phen等が挙げられる。これらのハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体の構造を示す。
[0022]
[化1]


[0023]
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体を発光シート中に微分散させることがより容易となる。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体が粒子状である場合、ランタノイド錯体の平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は10μmであり、より好ましい下限は0.03μm、より好ましい上限は1μmである。
[0024]
上記発光材料としては、テレフタル酸エステル構造を有する発光材料も用いることができる。上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料は、光線が照射されることにより発光する。
[0025]
上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料は、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物や下記一般式(2)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[0026]
[化2]


[0027]
上記一般式(1)中、R は有機基を表し、xは1、2、3又は4である。
上記発光シートの透明性がより一層高くなることから、xは1又は2であることが好ましく、ベンゼン環の2位又は5位に水酸基を有することがより好ましく、ベンゼン環の2位及び5位に水酸基を有することが更に好ましい。
上記R の有機基は炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1~10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1~5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1~3の炭化水素基であることが特に好ましい。
上記炭化水素基の炭素数が10以下であると、上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料を発光シート中に容易に分散させることができる。
上記炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
[0028]
上記一般式(1)で表される構造を有する化合物として、例えば、ジエチル-2,5-ジヒドロキシテレフタレート、ジメチル-2,5-ジヒドロキシテレフタレート等が挙げられる。
なかでも、コントラストがより一層高い画像を表示できることから、上記一般式(1)で表される構造を有する化合物はジエチル-2,5-ジヒドロキシルテレフタレート(Aldrich社製「2,5-ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル」)であることが好ましい。
[0029]
上記一般式(2)中、R は有機基を表し、R 及びR は水素原子又は有機基を表し、yは1、2、3又は4である。
上記R の有機基は炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1~10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1~5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1~3の炭化水素基であることが特に好ましい。
上記炭化水素基の炭素数が上記上限以下であると、上記テレフタル酸エステル構造を有する発光材料を発光シート中に容易に分散させることができる。
上記炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(2)中、NR はアミノ基である。
及びR は、水素原子であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される構造を有する化合物のベンゼン環の水素原子のうち、一つの水素原子が上記アミノ基であってもよく、二つの水素原子が上記アミノ基であってもよく、三つの水素原子が上記アミノ基であってもよく、四つの水素原子が上記アミノ基であってもよい。
[0030]
上記一般式(2)で表される構造を有する化合物として、コントラストがより一層高い画像を表示できることから、ジエチル-2,5-ジアミノテレフタレート(Aldrich社製)が好ましい。
[0031]
上記発光シートにおける上記発光材料の含有量は、発光材料の種類に応じて適宜調整すればよいが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限は0.001重量部、好ましい上限は10重量部である。上記発光材料の含有量が0.001重量部以上であると、レーザー光が照射されたときにその照射強度を低減させながら確実に照射を検知することができる。上記発光材料の含有量が10重量部以下であると、発光シートの透明性がより一層高くなる。上記発光材料の含有量のより好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は8重量部、更に好ましい下限は0.1重量部、更に好ましい上限は5重量部である。
[0032]
上記発光シートは、更に、可塑剤を含有してもよい。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
[0033]
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n-ノニル酸)、デシル酸等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ-2-エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ-n-オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキシル酸エステル等が好適である。
[0034]
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4~8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
[0035]
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4~9のアルキルアルコール及び炭素数4~9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6~8のアジピン酸エステル等が挙げられる。
[0036]
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
[0037]
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0038]
更に、上記可塑剤として、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)を含有することが好ましい。テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)を含有することがより好ましい。トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエートを含有することが更に好ましい。
[0039]
上記発光シートにおける上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限が30重量部、好ましい上限が100重量部である。上記可塑剤の含有量が30重量部以上であると、溶融粘度が低くなるために発光シートの成形が容易になる。上記可塑剤の含有量が100重量部以下であると、発光シートの透明性が高くなる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は80重量部、更に好ましい下限は45重量部、更に好ましい上限は70重量部、特に好ましい下限は50重量部、特に好ましい上限は63重量部である。
[0040]
本発明のレーザー光検知具が後述する合わせガラス構造を有する場合には、上記発光シートは接着力調整剤を含有することが好ましい。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記接着力調整剤として、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
上記塩を構成する酸としては、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、2-エチル酪酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
[0041]
なお、上記発光シートには、上記接着力調整剤の他に、熱可塑性樹脂製造時に用いた中和剤等の原料に由来するカリウム、ナトリウム、マグネシウムが含まれ得る。これらの金属の含有量が多い場合には、発光材料の発光性が低下することがある。このような発光性の低下は、発光材料が上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体である場合に特に顕著である。
そこで、上記発光シートに含まれるカリウム、ナトリウム及びマグネシウムの合計の含有量は50ppm以下であることが好ましい。カリウム、ナトリウム及びマグネシウムの合計の含有量を50ppm以下とすることにより、発光材料の発光性が低下するのを防止することができる。
[0042]
上記発光シートは、更に分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、上記発光材料の凝集を抑制できる。
上記分散剤は、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸構造を有する化合物や、ジエステル化合物、リシノール酸アルキルエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸エステル等のエステル構造を有する化合物や、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールやアルキルフェニル-ポリオキシエチレン-エーテル等のエーテル構造を有する化合物や、ポリカルボン酸等のカルボン酸構造を有する化合物や、ラウリルアミン、ジメチルラウリルアミン、オレイルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンの2級アミン、ポリオキシエチレンの3級アミン、ポリオキシエチレンのジアミン等のアミン構造を有する化合物や、ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド等のポリアミン構造を有する化合物や、オレイン酸ジエタノールアミド、アルカノール脂肪酸アミド等のアミド構造を有する化合物や、ポリビニルピロリドン、ポリエステル酸アマイドアミン塩等の高分子量型アミド構造を有する化合物等の分散剤を用いることができる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(塩)や高分子ポリカルボン酸、縮合リシノール酸エステル等の高分子量分散剤を用いてもよい。なお、高分子量分散剤とは、その分子量が1万以上である分散剤と定義される。
[0043]
上記発光材料が上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体である場合、上記発光シート中における発光材料100重量部に対する上記分散剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記分散剤の含有量がこの範囲内であると、上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体を発光シート中に均一に分散させることができる。上記分散剤の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部であり、更に好ましい下限は5重量部、更に好ましい上限は25重量部である。
[0044]
上記発光シートは、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、青色顔料、青色染料、緑色顔料、緑色染料等の添加剤を含有してもよい。
[0045]
上記発光シートは、可視光線透過率が70%以上であることが好ましい。可視光線透過率が70%以上であると、車両用窓ガラス等の種々の用途に用いることができる。上記可視光線透過率は80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
[0046]
上記発光シートは、レーザー光を照射した時の発光輝度の好ましい下限が1cd/m 、好ましい上限が15000cd/m である。上記発光輝度がこの範囲内であると、レーザー光が照射されたときに、より確実に照射を検知することができる。
[0047]
本発明のレーザー光検知具は、上記発光シートを含むことにより、レーザー光が照射されたときに、簡便かつ確実に照射を検知することができる。
本発明のレーザー光検知具の態様は特に限定されないが、透明板と発光シートとの積層体構造を有することが好ましい。上記積層体構造とすることにより取り扱い性が向上し、種々の用途への適用が可能となる。なかでも、一対の透明板の間に上記発光シートが積層されている構造(合わせガラス構造)を有することが好ましい。
[0048]
上記透明板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができるが、特定の波長の光線を照射する側とは反対のガラス板として用いることが好ましい。更に、上記透明板としてポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記透明板として、2種類以上の透明板を用いてもよい。また、上記透明板として、2種以上の厚さの異なる透明板を用いてもよい。
[0049]
本発明のレーザー光検知具を積層体構造や合わせガラス構造とすることにより、例えば、車やバイク、飛行機等の車両用窓ガラスとすることにより、ドライバーに対してレーザー光が照射されたときにその照射強度を低減させながら照射を検知することができる。また、ゴーグルや眼鏡のレンズに採用することも可能である。
[0050]
本発明のレーザー光検知具は、更に、レーザー光が照射されたことを検知する検知部を含むことが好ましい。このような検知部を含むことにより、より簡便かつ確実にレーザー光の照射を検知することができる。
上記検知部としては特に限定されず、例えば、上記発光シートの全面の画像を撮影し、得られた画像上で発光シートに発光が認められた場合に、シグナルを発信する装置等が挙げられる。
この際、レーザー光検知具の一方の側から照射されたレーザー光のみを検知し、他方の側から照射されたレーザー光は検知しない装置とすることが好ましい。このような装置とすることにより、例えば、本発明のレーザー光検知具を合わせガラス構造として、車やバイク、飛行機等の車両用窓ガラスとして用いた場合に、外部から照射されたレーザー光を検知できる一方、ヘッドアップディスプレイ等の表示のために内側から照射されたレーザー光を検知してしまうのを防止することができる。
[0051]
本発明のレーザー光検知具は、更に、上記検知部がレーザーを検知したときに報知を行う報知部を含むことが好ましい。このような報知部を含むことにより、検知されたレーザー光の照射を、より簡便かつ確実に認識することができる。
[0052]
上記報知部は、上記検知部がレーザーを検知したときに、そのシグナルを受けて報知を行うものである。上記報知の方法としては特に限定されないが、音、振動、画像、映像等が挙げられる。
上記報知部は、検知部がレーザー光を検出しなくなったときに報知を停止することが好ましい。これにより、レーザー光の照射が持続している間はそれを検知することができ、照射が止んだときにはそれを検知することができる。

発明の効果

[0053]
本発明によれば、レーザー光が照射されたときに、簡便に照射を検知することができるレーザー光検知具を提供できる。

発明を実施するための形態

[0054]
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
[0055]
(実施例1)
(1)Eu(TFA) phenの調製
酢酸ユーロピウム(Eu(CH COO) )12.5mmolを50mLの蒸留水へ溶かし、トリフルオロアセチルアセトン(TFA、CH COCH COCF )33.6mmolを加え、室温で3時間撹拌した。沈殿した固体を濾過、水洗後、メタノールと蒸留水で再結晶を行なってEu(TFA) (H O) を得た。得られた錯体Eu(TFA) (H O) 5.77gと1,10-フェナントロリン(phen)2.5gを100mLのメタノールに溶かし、12時間加熱還流を行なった。12時間後、メタノールを減圧留去により取り除き、白色生成物を得た。この粉末をトルエンで洗浄し、未反応の原料を吸引濾過により取り除いた後、トルエンを減圧留去し、紛体を得た。トルエン、ヘキサンの混合溶媒により再結晶を行なうことにより、Eu(TFA) phenを得た。
[0056]
(2)発光シートの調製
可塑剤であるトリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)40重量部に、発光材料としてEu(TFA) phen0.2重量部と、接着力調整剤として最終的な濃度が0.036phrとなるようにアセチルアセトンマグネシウムを加え、発光性の可塑剤溶液を調製した。得られた可塑剤溶液の全量と、ポリビニルブチラール(PVB、重合度1700)100重量部とをミキシングロールで充分に混練して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、押出機を用いて押出し、厚み760μmの発光シートを得た。
[0057]
(3)レーザー光検知具の製造
得られた発光シートを、縦30cm×横30cmの一対のクリアガラス(厚み2.5mm)の間に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、真空ラミネーターにて90℃下、30分保持しつつ真空プレスを行い圧着した。圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラス構造のレーザー光検知具を得た。
[0058]
(実施例2)
酢酸テリビウム(Tb(CH COO) )12.5mmolを50mLの蒸留水へ溶かし、トリフルオロアセチルアセトン(TFA、CH COCH COCF )33.6mmolを加え、室温で3時間撹拌した。沈殿した固体を濾過、水洗後、メタノールと蒸留水で再結晶を行なってTb(TFA) (H O) を得た。得られた錯体Tb(TFA) (H O) 5.77gと1,10-フェナントロリン(phen)2.5gを100mLのメタノールに溶かし、12時間加熱還流を行なった。12時間後、メタノールを減圧留去により取り除き、白色生成物を得た。この粉末をトルエンで洗浄し、未反応の原料を吸引濾過により取り除いた後、トルエンを減圧留去し、紛体を得た。トルエン、ヘキサンの混合溶媒により再結晶を行なうことにより、Tb(TFA) phenを得た。
Eu(TFA) phenに代えてTb(TFA) phenを用いた以外は実施例1と同様にして発光シート、レーザー光検知具を製造した。
[0059]
(実施例3)
Eu(TFA) phenに代えてジエチル-2,5-ジヒドロキシテレフタレート(アルドリッチ社製、「2,5-ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル」)を用いた以外は実施例1と同様にして発光シート、レーザー光検知具を製造した。
[0060]
(比較例1)
発光材料を用いなかった以外は実施例1と同様にして発光シート、レーザー光検知具を製造した。
[0061]
(評価)
実施例及び比較例で得られたレーザー光検知具について、以下の方法でレーザー検知性を評価した。
結果を表1に示した。
[0062]
(レーザー検知性:直接観察)
レーザー光源、レーザー光検知具及び観察者の順にそれぞれの水平方向間隔が20m、1mとなるように一直線上に設置した。ここで、レーザー光源の高さ、レーザー光検知具の高さを観察者の目線の高さに合わせた。
この状態でレーザー光源よりレーザー光を観察者の目に直接入らないように照射した(額部分を目標とした)。そのとき観察者がレーザー光検知具上の発光によりレーザー光が照射されたことを検知できた場合を「○」と、検知できなかった場合を「×」と評価した。
なお、レーザー光源としては、日亜化学工業社製「NDV4B16」(波長405nm、出力300mW)を用いた。また、下記の間接観察、音による報知の評価に於いても同じ位置へレーザー光を照射するため、レーザー光の位置を記録した。
[0063]
(レーザー検知性:間接観察)
レーザー光検知具及び観察者の間隔が1m、且つ、レーザー光検知具のガラスの中央部に対して水平方向に45°の角度となる位置に観察者を設置したこと以外は、上記直接観察と同様に、レーザー光源、レーザー光検知具及び観察者を設置した。ここで、レーザー光源の高さ、レーザー光検知具の高さを観察者の目線の高さに合わせた。この状態でレーザー光源よりレーザー光を、先に行った直接観察と同じ位置に照射した。そのとき観察者がレーザー光検知具上の発光によりレーザー光が照射されたことを検知できた場合を「○」と、検知できなかった場合を「×」と評価した。
実施例1~3で得られたレーザー光検知具は、観察者がレーザー光の一直線上に位置しない場合であっても、レーザー光を検知することができた。
[0064]
(レーザー検知性:音によるレーザー光照射の報知)
レーザー光源、レーザー光検知具及び検知部の順にそれぞれの水平方向間隔が20m、1m、且つ、レーザー光検知具のガラスの中央部に対して水平方向に45°の角度となる位置に検知部を設置した。ここで、検知部は、レーザー光検知具(発光シート)の全面の画像を撮影し、得られた画像上でレーザー光検知具(発光シート)に発光が認められた場合に、報知部にシグナルを発信する装置とした。更に、上記検知部がレーザーを検知したときに、そのシグナルを受けて音による報知を行う報知部を設けた。
この状態でレーザー光源よりレーザー光を、先に行った直接観察と同じ位置に照射した。そのとき報知部の音によりレーザー光が照射されたことを検知できた場合を「○」と、検知できなかった場合を「×」と評価した。
実施例1~3で得られたレーザー光検知具は、報知部が音を発することにより、レーザー光を検知することができた。
[0065]
[表1]


産業上の利用可能性

[0066]
本発明によれば、レーザー光が照射されたときに、簡便に照射を検知することができるレーザー光検知具を提供できる。

請求の範囲

[請求項1]
レーザー光が照射されたときに、照射を検知することができるレーザー光検知具であって、
熱可塑性樹脂と、レーザー光によって励起され可視光を発光する発光材料を含有する発光シートを含む
ことを特徴とするレーザー光検知具。
[請求項2]
発光材料は、波長380~750nmの可視レーザー光によって発光するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザー光検知具。
[請求項3]
発光材料は、波長380nm以下の紫外線レーザー光によって発光するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザー光検知具。
[請求項4]
発光材料は、波長750nm以上の赤外線レーザー光によって発光するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザー光検知具。
[請求項5]
透明板と発光シートとの積層体構造を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のレーザー光検知具。
[請求項6]
一対の透明板の間に発光シートが積層されている構造を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のレーザー光検知具。
[請求項7]
更に、レーザー光が照射されたことを検知する検知部を含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のレーザー光検知具。
[請求項8]
更に、検知部がレーザーを検知したときに報知を行う報知部を含むことを特徴とする請求項7記載のレーザー光検知具。
[請求項9]
報知部は、検知部がレーザー光を検出しなくなったときに報知を停止することを特徴とする請求項8記載のレーザー光検知具。