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1. (WO2018180884) 覚醒維持装置
Document

明 細 書

発明の名称 覚醒維持装置 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 覚醒維持装置

関連出願の相互参照

[0001]
 本国際出願は、2017年3月27日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2017-61332号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017-61332号の全内容を参照により本国際出願に援用する。

技術分野

[0002]
 本開示は覚醒維持装置に関する。

背景技術

[0003]
 特許文献1には、ゆらぎ音、芳香、車室内の加飾の色を用いて運転環境を調整し、ドライバの精神状態を、運転支援装置の作動状態に見合ったものにする技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2007-21019号公報

発明の概要

[0005]
 音等の感覚刺激を用いてドライバの覚醒を維持することが考えられる。しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、ドライバは感覚刺激に次第に慣れてしまうため、従来の感覚刺激によってドライバの覚醒を維持することは困難であるという課題が見出された。本開示の一局面では、ドライバの覚醒を維持することができる覚醒維持装置を提供することが好ましい。
[0006]
 本開示の一局面は、(a)情景と、(b)前記情景に関連付けられた聴覚刺激と、(c)前記情景に関連付けられた、視覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激から成る群から選択される1以上と、を含む車内演出内容を記録した演出記録ユニットと、前記演出記録ユニットに記録された前記車内演出内容に基づき、前記(b)及び前記(c)の提供を含む車内演出を実行する演出実行ユニットと、を備える覚醒維持装置である。
[0007]
 本開示の一局面である覚醒維持装置は車内演出を実行することができる。車内演出は、前記(b)及び前記(c)の提供を含むので、ドライバに対し、情景を連想させることができる。そのため、ドライバの認知活動が増加し、記憶が想起されることで感情が変化する。すなわち、ドライバの脳の高次機能活性化を促すことができる。その結果、ドライバが車内演出に慣れ難く、ドライバの覚醒を維持することができる。
[0008]
 なお、請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 覚醒維持装置の構成を表すブロック図である。
[図2] 制御部の機能的構成を表すブロック図である。
[図3] 記録部に記録された車内演出内容の例を表す説明図である。
[図4] 記録部に記録された車内演出内容の例を表す説明図である。
[図5] 覚醒維持装置が実行する処理の全体を表すフローチャートである。
[図6] 覚醒維持装置が実行する覚醒度推定処理を表すフローチャートである。
[図7] 覚醒維持装置が実行する車内演出構成処理を表すフローチャートである。
[図8] 外部機器又は記録部から取得した画像の例を表す説明図である。
[図9] 外部機器又は記録部から取得した画像の例を表す説明図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 本開示の例示的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
 1.覚醒維持装置1の構成
 覚醒維持装置1の構成を図1~図4に基づき説明する。覚醒維持装置1は車両に搭載される車載装置である。覚醒維持装置1を搭載する車両を以下では自車両とする。図1に示すように、覚醒維持装置1は、制御部3と、記録部5と、入力スイッチ6と、を備える。なお、記録部5は演出記録ユニット及び記録装置に対応する。
[0011]
 制御部3は、CPU7と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ9とする)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部3の各種機能は、CPU7が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ9が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部3を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
[0012]
 制御部3は、CPU7がプログラムを実行することで実現される機能の構成として、図2に示すように、演出実行ユニット11と、画像取得ユニット13と、演出選択ユニット15と、覚醒度推定ユニット17と、効果推定ユニット19と、効果上書きユニット21と、情報取得ユニット25と、難度推定ユニット27と、運転支援判断ユニット29と、運転支援ユニット31と、IG判断ユニット33と、を備える。
[0013]
 制御部3を構成するこれらの要素を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。
[0014]
 記録部5は、車内演出内容を記録している。車内演出内容は、後述する車内演出の内容を特定する。車内演出内容は、図3、図4に示すように、情景と、画像と、基本情報と、視覚刺激情報と、聴覚刺激情報と、触覚刺激情報と、臭覚刺激情報と、を相互に関連付けた情報である。記録部5は、複数の車内演出内容を記録している。図3、図4において、1行が1つの車内演出内容を表す。
[0015]
 情景とは、場所、時刻、季節、天候、周囲に存在する物体、人の行為等により規定される状況を意味する。情景として、例えば、「ハワイビーチ」、「沖縄夕暮れ」、「日本海釣り船」、「熱海花火大会」、「縁側手持ち花火」、「遊園地」等が挙げられる。
[0016]
 画像とは、関連付けられた情景を表す画像である。基本情報とは、情景の日時、情景の場所、車内演出の再生時間等を含む情報である。
 視覚刺激情報は、車内演出において提供される視覚刺激を特定する。視覚刺激とは、自車両のドライバに加えられる、光による刺激である。視覚刺激は、例えば、光の色、光の強さ、それらの時系列的な変化のパターン、視覚刺激の提供開始タイミング等により特定される。また、例えば、光を発生させる装置が車内に複数設置されている場合には、光を発生させる装置の位置等も、視覚刺激を特定する要素となる。視覚刺激情報により特定される視覚刺激は、関連付けられた情景において生じる視覚刺激である。
[0017]
 聴覚刺激情報は、車内演出において提供される聴覚刺激を特定する。聴覚刺激とは、自車両のドライバに加えられる、音による刺激である。聴覚刺激は、例えば、音の大きさ、音の周波数、それらの時系列的な変化のパターン、聴覚刺激の提供開始タイミング等により特定される。また、例えば、音を発生させる装置が車内に複数設置されている場合には、音を発生させる装置の位置等も、聴覚刺激を特定する要素となる。聴覚刺激として、例えば、波音、野鳥や昆虫の鳴き声、音楽、エンジン音等が挙げられる。聴覚刺激情報により特定される聴覚刺激は、関連付けられた情景において生じる聴覚刺激である。
[0018]
 触覚刺激情報は、車内演出において提供される触覚刺激を特定する。触覚刺激とは、自車両のドライバに加えられる、風による刺激である。触覚刺激は、例えば、風の強さ、風の向き、それらの時系列的な変化のパターン、触覚刺激の提供開始タイミング等により特定される。また、例えば、風を発生させる装置が車内に複数設置されている場合には、風を発生させる装置の位置等も、触覚刺激を特定する要素となる。触覚刺激として、例えば、そよ風、強風等が挙げられる。また、触覚刺激は、振動、圧力、温度等による刺激であってもよい。触覚刺激情報が特定する触覚刺激は、関連付けられた情景において生じる触覚刺激である。
[0019]
 臭覚刺激情報は、車内演出において提供される臭覚刺激を特定する。臭覚刺激とは、自車両のドライバに加えられる、香りによる刺激である。臭覚刺激は、例えば、香りの種類、香りの強さ、それらの時系列的な変化のパターン、臭覚刺激の提供開始タイミング等により特定される。また、例えば、香りを発生させる装置が車内に複数設置されている場合には、香りを発生させる装置の位置等も、臭覚刺激を特定する要素となる。臭覚刺激として、例えば、日焼け止めの香り、ココナッツの香り、潮風の香り、磯の香り等が挙げられる。臭覚刺激情報により特定される臭覚刺激は、関連付けられた情景において生じる臭覚刺激である。
[0020]
 それぞれの車内演出内容は、視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激の提供開始の順番(以下では刺激順番とする)を含んでいる。刺激順番としては、例えば、視覚刺激と聴覚刺激の提供を先に開始し、その後、触覚刺激と臭覚刺激の提供を開始するという順番等がある。
[0021]
 また、刺激順番は、例えば、各感覚刺激と情景との結びつきの強さに基づく順番であってもよい。各感覚刺激と情景との結びつきの強さは、例えば、単一の刺激によって情景を特定することができる確率等を指標とする。
[0022]
 記録部5には、車内演出内容と関連付けて、覚醒効果の高さが記録されている。覚醒効果の高さとは、車内演出を実行することでドライバを覚醒させる効果の高さを意味する。覚醒効果の高さは数値で表される。数値が大きいほど、覚醒効果が高い。
[0023]
 記録部5は、画像を記録可能である。ドライバは、記録部5へ画像を記録することができる。記録部5に記録する画像として、例えば、ドライバが撮影したカメラ画像が挙げられる。記録部5は、画像と関連付けて画像タグを記録することができる。画像タグには、画像を記録した日時、画像を記録した場所、画像を作成した人名等が含まれる。
[0024]
 また、画像タグには、撮影後にドライバ自身が嗜好に基づいてタグ付けをした情報(以下ではドライバ嗜好情報とする)が含まれる。ドライバ嗜好情報は、画像に対するドライバの嗜好度の高さを表す。ドライバ嗜好情報は、例えば、画像を分類する格納フォルダの種類、画像そのものに対する評価の指標等を含む。特定の格納フォルダに格納された画像は、他の格納フォルダに格納された画像よりも、ドライバの嗜好度が高い。また、画像そのものに対する評価の指標が高いほど、ドライバの嗜好度が高い。
[0025]
 入力スイッチ6は、自車両の車室内に設けられており、乗員の入力操作を受け付ける。入力スイッチ6を操作する乗員は、ドライバであってもよいし、ドライバ以外の乗員であってもよい。入力スイッチ6は入力ユニットに対応する。
[0026]
 図1に示すように、自車両は、覚醒維持装置1に加えて、カメラ35、外部機器39、物標センサ41、ナビゲーションシステム43、車両挙動センサ44、表示機45、スピーカ47、エアコン49、ディフューザー51、及び運転支援装置53を備える。
[0027]
 カメラ35は、ドライバの顔を含む範囲を撮影して画像(以下では顔画像とする)を生成する。カメラ35は、自車両のステアリングコラム、ダッシュボード、車室の天井等のうちのいずれかに取り付けられている。
[0028]
 外部機器39は、画像を記録可能な機器である。ドライバは、外部機器39へ画像を記録することができる。外部機器39に記録する画像として、例えば、ドライバが撮影したカメラ画像が挙げられる。外部機器39として、例えば、携帯端末等が挙げられる。携帯端末として、例えば、スマートフォン等が挙げられる。外部機器39は、画像と関連付けて画像タグを記録することができる。画像タグには、画像を記録した日時、画像を記録した場所、画像を作成した人名、上記のドライバ嗜好情報等が含まれる。なお、外部機器39は記録装置に対応する。
[0029]
 物標センサ41は、自車両の周辺に存在する物標を検出する。物標として、例えば、他の車両、歩行者、地物等が挙げられる。物標センサ41として、例えば、車載カメラ、レーザレーダ等が挙げられる。
[0030]
 ナビゲーションシステム43は、自車両の位置、道路の環境、渋滞情報等を取得することができる。
 車両挙動センサ44は、自車両の挙動を検出する。自車両の挙動として、例えば、速度、加速度、ヨーレート、自車両の進行方向と白線とが成す角度、車線に対する自車両の相対的な位置等が挙げられる。
[0031]
 表示機45は自車両の車室内に設けられている。表示機45は光を照射することで、自車両のドライバに視覚刺激を提供することができる。表示機45は、光の色、光の強さ、光の照射方向、光の点滅の有無、光の照射範囲等を変化させることができる。
[0032]
 スピーカ47は自車両の車室内に設けられている。スピーカ47は音を出力することで、自車両のドライバに聴覚刺激を提供することができる。スピーカ47は、音の大きさ、音の周波数等を変化させることができる。
[0033]
 エアコン49は自車両の車室内に設けられている。エアコン49は風を噴き出すことで、自車両のドライバに触覚刺激を提供することができる。エアコン49は、風の強さ、風の方向、風の温度、風の湿度等を変化させることができる。
[0034]
 ディフューザー51は自車両の車室内に設けられている。ディフューザー51は香りを放出することで、自車両のドライバに臭覚刺激を提供することができる。ディフューザー51は多数の香料を備えている。ディフューザー51は、多数の香料のうち、1又は複数の香料を選択し、選択した香料の香りを放出することができる。すなわち、ディフューザー51は香りの種類を変化させることができる。また、ディフューザー51は香りの強さも変化させることができる。
[0035]
 運転支援装置53は運転支援を行うことができる。運転支援として、例えば、自車両に接近する他の車両が存在する場合に、音、振動、映像等によりドライバに警告する処理がある。また、運転支援として、例えば、蛇行や不適切な速度変動等が自車両に生じた場合に、それらを抑制するために自動操舵、自動速度調整を行う処理がある。
[0036]
 2.覚醒維持装置1が実行する処理
 覚醒維持装置1が実行する処理を図5~図9に基づき説明する。この処理は、例えば、入力スイッチ6に所定の操作がなされたときに開始される。
[0037]
 図5のステップ1では、覚醒度推定ユニット17が、カメラ35を用いて、顔画像を取得する。
 ステップ2では、覚醒度推定ユニット17が、前記ステップ1で取得した顔画像を用いてドライバの覚醒度を推定する。この処理を図6に基づき説明する。図6のステップ21では、覚醒度推定ユニット17が、顔画像のうち、ドライバの顔が占める領域(以下では顔領域とする)を抽出する。
[0038]
 ステップ22では、覚醒度推定ユニット17が、画像解析の手法により、顔領域において、顔の特徴量を抽出する。顔の特徴量とは、例えば、眉の動き、瞼の動き、口の動き等である。
[0039]
 ステップ23では、覚醒度推定ユニット17が、前記ステップ22で抽出した顔の特徴量を、予め記録部5に記録しているデータベースと照合することにより、ドライバの覚醒度を推定する。覚醒度は数値で表される。覚醒度の数値が大きいほど、ドライバが覚醒している程度が高い。ここで推定する覚醒度は、車内演出の実行前における覚醒度に対応する。
[0040]
 図5に戻り、ステップ3では、前記ステップ2で推定した覚醒度が、予め設定された閾値以上であるか否かを覚醒度推定ユニット17が判断する。覚醒度が閾値以上である場合はステップ4に進み、覚醒度が閾値未満である場合はステップ14に進む。
[0041]
 ステップ4では、情報取得ユニット25が、物標センサ41、及びナビゲーションシステム43を用いて周辺情報を取得する。周辺情報として、例えば、自車両の周辺の道路環境、自車両の周辺における渋滞状況、自車両の周辺に存在する他の車両や歩行者の情報等が挙げられる。
[0042]
 ステップ5では、難度推定ユニット27が、前記ステップ4で取得した周辺情報を、予め記録部5に記録しているデータベースと照合することにより、運転の難度を推定する。運転の難度は数値で表される。難度の数値が大きいほど、運転が困難である。
[0043]
 ステップ6では、前記ステップ5で推定した運転の難度が、予め設定された閾値以下であるか否かを難度推定ユニット27が判断する。運転の難度が閾値以下である場合はステップ7に進み、運転の難度が閾値を超える場合はステップ14に進む。
[0044]
 ステップ7では、演出選択ユニット15及び画像取得ユニット13が車内演出構成処理を実行する。この処理を図7に基づき説明する。
 図7のステップ31では、入力スイッチ6に対し、車内演出内容を指定する入力操作(以下では指定操作とする)があったか否かを演出選択ユニット15が判断する。指定操作があった場合はステップ32に進み、指定操作がなかった場合はステップ33に進む。
[0045]
 ステップ32では、演出選択ユニット15が、記録部5に記録されている車内演出内容の中から、指定操作により指定された車内演出内容を選択する。なお、指定操作により指定した車内演出内容は、入力内容に対応する。
[0046]
 ステップ33では、画像取得ユニット13が、外部機器39又は記録部5から画像を取得する処理を行う。このとき、画像取得ユニット13は、最初に、外部機器39において画像を取得する処理を行う。外部機器39に取得すべき画像が存在しない場合に、画像取得ユニット13は、記録部5において画像を取得する処理を行う。外部機器39又は記録部5に複数の画像が記録されている場合、画像取得ユニット13は、ドライバ嗜好情報により表されるドライバの嗜好度が高い画像であるほど、優先して取得する。
[0047]
 ドライバ嗜好情報が存在しない画像については、画像取得ユニット13は、画像を記録した日時が新しい画像であるほど、優先して取得する。ドライバ嗜好度が同一である画像が複数存在する場合、画像取得ユニット13は、それらの画像の中で、画像を記録した日時が新しい画像であるほど、優先して取得する。
[0048]
 ステップ34では、前記ステップ33において画像を取得できたか否かを画像取得ユニット13が判断する。画像を取得できた場合はステップ35に進み、画像を取得できなかった場合はステップ38に進む。
[0049]
 ステップ35では、演出選択ユニット15が、前記ステップ33において取得した画像と類似度が高い情景を、記録部5において探索する。
 類似度は、例えば、前記ステップ33において取得した画像を自動画像分析した結果と、記録部5に記録された情景とを対比して判断することができる。また、前記ステップ33において取得した画像に付された画像タグと、記録部5に記録された情景や基本情報とを対比して判断することができる。
[0050]
 例えば、前記ステップ33において図8に示す画像を取得したとする。この画像を演出選択ユニット15が自動画像分析した結果、「海」、「バナナボート」という単語が得られた。この場合、演出選択ユニット15は、記録部5に記録された情景の中で、最も類似度が高い情景として「ハワイビーチ」の情景を発見し、次に類似度が高い情景として、「船デッキ」の情景を発見することができる。
[0051]
 また、例えば、前記ステップ33において図9に示す画像を取得したとする。演出選択ユニット15がこの画像を自動画像分析した結果、「山林」、「雨」という単語が得られた。探索の結果、図9に示す画像全体に類似する情景は存在しなかった。その場合、演出選択ユニット15は、「山林」、「雨」に類似する情景をさらに探索する。探索の範囲は、記録部5であってもよいし、インターネット回線等を通じて外部の記憶媒体を探索してもよい。
[0052]
 ステップ36では、演出選択ユニット15が、前記ステップ35での探索結果に基づき、記録部5に記録された情景のうち、前記ステップ33において取得した画像との類似度が相対的に高い情景を選択する。選択する情景は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
[0053]
 ステップ37では、演出選択ユニット15が、記録部5に記録された車内演出内容の中から、前記ステップ36で選択した情景を含む車内演出内容を選択する。
 前記ステップ34で否定判断した場合はステップ38に進む。ステップ38では、演出選択ユニット15が、記録部5に記録された車内演出内容の中から、前記ステップ2で推定した覚醒度が低いほど、関連付けられた覚醒効果が高い演出内容を選択する。
[0054]
 ステップ39では、前記ステップ2で推定した覚醒度が所定の閾値以下であるか否かを演出選択ユニット15が判断する。覚醒度が閾値以下である場合はステップ40に進み、覚醒度が閾値を超える場合はステップ41に進む。
[0055]
 ステップ40では、演出選択ユニット15が、前記ステップ32、37、38のいずれかで選択した車内演出内容における刺激順番を、記録部5に記録された刺激順番とは異ならせる。変更後の刺激順番は、ランダムに決定してもよいし、何らかのルールに従って決定してもよい。
[0056]
 ステップ41では、演出選択ユニット15が、後述するステップ8で使用する車内演出内容を、前記ステップ32、37、38のいずれかで選択した車内演出内容に決定する。前記ステップ40の処理を実行した場合は、変更後の刺激順番をステップ8で用いる。
[0057]
 図5に戻り、ステップ7では、演出実行ユニット11が、前記ステップ7で決定した車内演出内容に基づき、車内演出を実行する。車内演出とは、視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激の提供である。前記ステップ7で1つの車内演出内容を決定した場合は、その車内演出内容に含まれる視覚刺激情報、聴覚刺激情報、触覚刺激情報、及び臭覚刺激情報に従って、視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激を演出選択ユニット15が提供する。
[0058]
 前記ステップ7で2以上の車内演出内容を確定した場合は、演出実行ユニット11が、その2以上の車内演出内容に含まれる視覚刺激情報、聴覚刺激情報、触覚刺激情報、及び臭覚刺激情報を組み合わせて、視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激を提供する。例えば、前記ステップ7で車内演出内容Aと車内演出内容Bとを決定した場合、演出実行ユニット11は、例えば、車内演出内容Aの車内演出を主たる車内演出として提供することができる。ただし、車内演出内容Aに含まれる視覚刺激情報に基づく視覚刺激のみを、車内演出内容Bに含まれる視覚刺激情報に基づく視覚刺激と入れ替えて提供することができる。
[0059]
 また、演出実行ユニット11は、車内演出内容Aに含まれる視覚刺激情報に基づく視覚刺激と、車内演出内容Bに含まれる視覚刺激情報に基づく視覚刺激とを同時に提供することができる。あるいは、演出実行ユニット11は、車内演出内容Aに含まれる視覚刺激情報に基づく視覚刺激を最初に提供し、その後、車内演出内容Bに含まれる視覚刺激情報に基づく視覚刺激を提供することができる。
[0060]
 また、外部機器39又は記録部5に記録されている画像が動画である場合には、演出実行ユニット11は、動画に収録されている音を聴覚刺激として提供してもよい。また、演出実行ユニット11は、動画の色彩変化と同様の光の変化を視覚刺激として提供してもよい。
[0061]
 ステップ9では、覚醒度推定ユニット17が、前記ステップ2と同様に、ドライバの覚醒度を推定する。本ステップ9で推定する覚醒度は、車内演出の実行後における覚醒度に対応する。
[0062]
 ステップ10では、効果推定ユニット19が、前記ステップ2で推定した覚醒度と、前記ステップ9で推定した覚醒度とから、覚醒効果の高さを推定する。前記ステップ2で推定した覚醒度に対する、前記ステップ9で推定した覚醒度の増加量が大きいほど、覚醒効果は高く推定される。
[0063]
 ステップ11では、効果上書きユニット21が、記録部5に記録された覚醒効果の高さを、前記ステップ10で推定した覚醒効果の高さで上書きする。
 ステップ12では、運転支援判断ユニット29が、車両挙動センサ44を用いて自車両の挙動を取得する。
[0064]
 ステップ13では、運転支援判断ユニット29が、前記ステップ9で推定した覚醒度と、前記ステップ12で取得した自車両の挙動とに基づき、運転支援が必要であるか否かを判断する。前記ステップ9で推定した覚醒度が低いほど、運転支援が必要であると判断し易くなる。前記ステップ12で取得した自車両の挙動が正常範囲から外れるほど、運転支援が必要であると判断し易くなる。運転支援が必要であると判断した場合はステップ14に進み、運転支援は不要であると判断した場合はステップ15に進む。
[0065]
 ステップ14では、運転支援ユニット31が、運転支援装置53に対し、運転支援の実行を指示する。
 ステップ15では、自車両のイグニッションがオンであるか否かをIG判断ユニット33が判断する。イグニッションがオンである場合はステップ1に進み、イグニッションがオフである場合は本処理を終了する。
[0066]
 3.覚醒維持装置1が奏する効果
 (1A)覚醒維持装置1は車内演出を実行することができる。車内演出は、情景に関連付けられた視覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激の提供を含むので、ドライバに対し、情景を連想させることができる。そのため、ドライバの認知活動が増加し、記憶が想起されることで感情が変化する。すなわち、ドライバの脳の高次機能活性化を促すことができる。その結果、ドライバが車内演出に慣れ難く、ドライバの覚醒を維持することができる。
[0067]
 (1B)覚醒維持装置1は、外部機器39又は記録部5から画像を取得する。そして、記録部5に記録された車内演出内容のうち、情景と、取得した画像との類似度が相対的に高い車内演出内容を選択する。覚醒維持装置1は、選択した車内演出内容に基づき、車内演出を実行する。そのため、ドライバに対し、情景を一層強く連想させることができる。その結果、ドライバが車内演出に一層慣れ難く、ドライバの覚醒を一層維持することができる。
[0068]
 (1C)覚醒維持装置1は、前記ステップ33において、ドライバ嗜好情報により表されるドライバの嗜好度が高い画像であるほど、優先して取得する。また、画像を記録した日時が新しい画像であるほど、優先して取得する。そのため、ドライバに対し、情景を一層強く連想させ、記憶を鮮明に想起させることができる。その結果、ドライバが車内演出に一層慣れ難く、ドライバの覚醒を一層維持することができる。
[0069]
 (1D)記録部5は、車内演出内容と、覚醒効果の高さとを関連付けて記録している。覚醒維持装置1は、記録部5に記録された車内演出内容の中から、推定した覚醒度が低いほど、関連付けられた覚醒効果が高い演出内容を選択する。そのため、ドライバの覚醒度が低い場合でも、覚醒効果が高い車内演出を実行することにより、ドライバの覚醒度を高めることができる。
[0070]
 (1E)覚醒維持装置1は、車内演出の実行前と実行後にそれぞれ覚醒度を推定する。覚醒維持装置1は、車内演出の実行前における覚醒度と、車内演出の実行後における覚醒度とから、車内演出による覚醒効果の高さを推定する。覚醒維持装置1は、記録部5に記録された覚醒効果の高さを、推定した覚醒効果の高さで上書きする。そのため、正確な覚醒効果の高さを記録部5に記録することができる。
[0071]
 (1F)覚醒維持装置1は、覚醒度が予め設定された閾値以下である場合、刺激順番を、記録部5に記録された刺激順番とは異ならせる。そのため、ドライバにとって意外性が高い車内演出を実行できる。その結果、ドライバの覚醒を一層維持することができる。
[0072]
 (1G)覚醒維持装置1は、入力スイッチ6における入力内容に応じて、記録部5に記録された車内演出内容の中から、車内演出内容を選択する。そのため、ドライバは、自らの好みに応じて車内演出内容を選択できる。
<他の実施形態>
 以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
[0073]
 (1)車内演出は、複数の演出単位が結合したものであってもよい。それぞれの演出単位は、1つの情景に関連付けられた聴覚刺激と、前記1つの情景に関連付けられた、視覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激から成る群から選択される1以上と、の提供を含む演出である。なお、車内演出が1つの演出単位から成る場合は、その1つの演出単位が車内演出である。複数の演出単位が結合した車内演出は、例えば、前記ステップ7の処理を演出単位の数だけ繰り返して作成できる。複数の演出単位は、予め決められた順番で提供される。
[0074]
 1つの演出単位における情景と、他の演出単位における情景とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。2番目以降の演出単位における情景と、その直前の演出単位における情景とは、異なることが好ましく、非類似であることがさらに好ましい。この場合、感覚器の慣れや心理的な飽きの発生を低減し、記憶想起を継続することができる。
[0075]
 情景が非類似であるとは、演出単位の提供によって想起される記憶が異なることを意味する。情景が非類似である例として、例えば、情景の日時、情景の場所等から選択される1以上が異なることが挙げられる。また、情景が非類似である例として、例えば、演出単位の提供において表示される画像の平均彩度、明度等が異なることが挙げられる。また、情景が非類似である例として、例えば、情景に対して予め設定された視覚刺激、聴覚刺激、触角刺激、臭覚刺激等の種類、強度等が異なることが挙げられる。
[0076]
 覚醒維持装置1は、日時、場所、タグ、自動画像分析した結果等に基づき、情景が非類似である演出単位を選択し、それらを結合して車内演出を作成することができる。
 (2)車内演出は、視覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激のうちの1又は2を提供しないものであってもよい。
[0077]
 (3)前記ステップ31で否定判断した場合、常に前記ステップ38に進むようにしてもよい。また、前記ステップ31の判断を行わず、常に前記ステップ33に進むようにしてもよい。
[0078]
 (4)前記ステップ37の後、常に前記ステップ41に進むようにしてもよい。
 (5)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[0079]
 (6)上述した覚醒維持装置1の他、当該覚醒維持装置1を構成要素とするシステム、当該覚醒維持装置1の制御部3としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、覚醒維持方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。

請求の範囲

[請求項1]
 (a)情景と、(b)前記情景に関連付けられた聴覚刺激と、(c)前記情景に関連付けられた、視覚刺激、触覚刺激、及び臭覚刺激から成る群から選択される1以上と、を含む車内演出内容を記録した演出記録ユニット(5)と、
 前記演出記録ユニットに記録された前記車内演出内容に基づき、前記(b)及び前記(c)の提供を含む車内演出を実行する演出実行ユニット(11)と、
 を備える覚醒維持装置(1)。
[請求項2]
 請求項1に記載の覚醒維持装置であって、
 画像を記録可能な記録装置から前記画像を取得する画像取得ユニット(13)と、
 前記演出記録ユニットに記録された前記車内演出内容のうち、前記情景と、前記画像取得ユニットが取得した前記画像との類似度が相対的に高い前記車内演出内容を選択する演出選択ユニット(15)と、
 をさらに備え、
 前記演出実行ユニットは、前記演出選択ユニットが選択した前記車内演出内容に基づき、前記車内演出を実行するように構成された覚醒維持装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の覚醒維持装置であって、
 前記画像取得ユニットは、(A)前記画像を記録した日時が新しい画像であるほど、又は、(B)前記画像に対するドライバの嗜好度が高いほど、優先して取得するように構成された覚醒維持装置。
[請求項4]
 請求項1に記載の覚醒維持装置であって、
 前記演出記録ユニットは、前記車内演出内容と、ドライバを覚醒させる覚醒効果の高さとを関連付けて記録するように構成され、
 ドライバの覚醒度を推定する覚醒度推定ユニット(17)と、
 前記演出記録ユニットに記録された前記車内演出内容の中から、前記覚醒度推定ユニットが推定した前記覚醒度が低いほど、関連付けられた前記覚醒効果が高い前記演出内容を選択する演出選択ユニット(15)と、
 をさらに備え、
 前記演出実行ユニットは、前記演出選択ユニットが選択した前記車内演出内容に基づき、前記車内演出を実行するように構成された覚醒維持装置。
[請求項5]
 請求項4に記載の覚醒維持装置であって、
 前記覚醒度推定ユニットは、前記車内演出の実行後にも前記覚醒度を推定するように構成され、
 前記車内演出の実行前における前記覚醒度と、前記車内演出の実行後における前記覚醒度とから、前記覚醒効果の高さを推定する効果推定ユニット(19)と、
 前記演出記録ユニットに記録された前記覚醒効果の高さを、前記効果推定ユニットで推定した前記覚醒効果の高さで上書きする効果上書きユニット(21)と、
 をさらに備える覚醒維持装置。
[請求項6]
 請求項4又は5に記載の覚醒維持装置であって、
 前記覚醒度推定ユニットが推定した前記覚醒度が予め設定された閾値以下である場合、前記演出実行ユニットは、前記(b)又は前記(c)における提供開始の順番を、前記演出記録ユニットに記録された順番とは異ならせるように構成された覚醒維持装置。
[請求項7]
 請求項1に記載の覚醒維持装置であって、
 乗員の入力を受け付ける入力ユニット(6)と、
 前記入力ユニットにおける入力内容に応じて、前記演出記録ユニットに記録された前記車内演出内容の中から、前記車内演出内容を選択する演出選択ユニット(15)と、
 をさらに備え、
 前記演出実行ユニットは、前記演出選択ユニットが選択した前記車内演出内容に基づき、前記車内演出を実行するように構成された覚醒維持装置。
[請求項8]
 請求項1~7のいずれか1項に記載の覚醒維持装置であって、
 前記車内演出は、1つの前記情景に対応する演出単位が複数連続するものであり、
 2番目以降の前記演出単位における前記情景と、その直前の前記演出単位における前記情景とは、非類似である覚醒維持装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]