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1. (WO2018180843) 表示装置
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明 細 書

発明の名称 表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108  

符号の説明

0109  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、表示装置に関し、特にHDR(High Dynamic Range)の表示を行う表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 一般に、人間の視覚特性、特に明るさに対する目の順応特性(眼の順応レベル)により、液晶表示装置等の表示装置の表示領域内に高輝度の領域と低輝度の領域とが混在する場合、低輝度の領域における輝度差を認識し難くなる。
[0003]
 例えば特許文献1には、高輝度領域と低輝度領域が混在した表示領域において、ユーザが低輝度領域を注目している場合に、当該低輝度領域の階調値を調整することで、低輝度領域を見やすくする技術が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国公開特許公報「特開2016-24772号公報(2016年2月8日公開)」

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、HDR(High Dynamic Range)の表示装置のように、最大輝度が1000nits以上ある表示装置の場合、特許文献1に開示された技術のように、低輝度領域の階調値を調整したとしても、高輝度領域の輝度に影響を受けて、低輝度領域における輝度差を認識するのが難しいという問題が生じる。
[0006]
 しかも、特許文献1に開示された技術では、注目エリア内の画像補正のみ行うため、画面全体に対する注目エリアの表示階調値が不自然となり、特に、HDR対応のディスプレイのような最大輝度が高い場合、低輝度の領域を注目すると注目エリアの表示のコントラスト感がなくなる。つまり、表示される画像が不自然となるという問題が生じる。
[0007]
 特に、HDR(High Dynamic Range)の表示装置のように、最大輝度が1000nits以上ある表示装置の場合、ユーザが注目している注目エリアに表示される画像が当該注目エリアの周囲のエリアの輝度よりも低い場合に、周囲の輝度に影響され、注目エリアに表示されている画像の輝度差が認識し難いという問題が生じる。
[0008]
 本発明の一態様は、注目エリアの周囲の輝度に影響されず、当該注目エリアに表示された画像の輝度差を容易に認識できると共に、表示される画像に不自然さのない表示装置を実現することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、上記表示パネルの表示画面全体の表示領域のうち、ユーザが注目している注目エリアを特定する注目エリア特定部と、上記注目エリア特定部によって特定された注目エリアの輝度分布の輝度中心値と、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値との差の桁数が所定の桁数以上であるとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を変換する表示制御部とを備えていることを特徴としている。ここで、注目エリアの輝度分布の輝度中心値は、注目エリア内のすべての画素の輝度値の平均値を示し、表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値とは、画面全体のすべての画素の輝度値の平均値を示す。

発明の効果

[0010]
 本発明の一態様によれば、注目エリアの周囲の輝度に影響されず、当該注目エリアに表示された画像の輝度差を容易に認識できると共に、不自然さのない画像を表示できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本実施形態に係るHDRディスプレイの概略部ロック図である。
[図2] 図1に示すHDRディスプレイをユーザが視聴している状態を示す図である。
[図3] HDR方式の規格を示す表である。
[図4] HDR方式の一つの規格であるHLG方式における映像信号と輝度との関係を光電変換関数で示したグラフである。
[図5] HDR方式の一つの規格であるHLG方式における映像信号と輝度との関係を電光変換関数で示したグラフである。
[図6] 図1に示すHDRディスプレイにおける画像補正処理の流れを示すフローチャートである。
[図7] 注目エリアの平均輝度が、表示画面全体の表示領域の平均輝度よりも小さい場合の輝度分布における輝度値変換を示すグラブであり、(a)は輝度値変換前のグラフ、(b)は輝度値変換後のグラフである。
[図8] 注目エリアの平均輝度が、表示画面全体の表示領域の平均輝度よりも大きい場合の輝度分布における輝度値変換を示すグラブであり、(a)は輝度値変換前のグラフ、(b)は輝度値変換後のグラフである。
[図9] 本実施形態に係るHDRディスプレイによる効果を説明するための図である。
[図10] 本発明の実施形態2にかかるHDRディスプレイをユーザが視聴している状態を示す図である。
[図11] 本発明の実施形態3にかかるHDRディスプレイをユーザが視聴している状態を示す図である。
[図12] 図10に示すHDRディスプレイの概略部ロック図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 〔実施形態1〕
 以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本実施形態では、本発明の表示装置をHDR(High Dynamic Range)ディスプレイに適用した例について説明する。
[0013]
 (HDRディスプレイの概略)
 図1は、本実施形態に係るHDRディスプレイ100の概略構成を示すブロック図である。
[0014]
 図2は、図1に示すHDRディスプレイ100をユーザが視聴している状態を示す図である。
[0015]
 HDRディスプレイ100は、高輝度表示可能な高ダイナミックレンジ(高輝度)ディスプレイであって、図1に示すように、制御部10(画像処理装置)、表示部20、カメラ30、および記憶部40を備えている。制御部10については後述する。
[0016]
 HDRディスプレイ100としては、例えば、PC(Personal Computer)、多機能型携帯電話機(スマートフォン)、タブレット等の携帯型情報端末、または、テレビ等が挙げられる。
[0017]
 表示部20は、制御部10による制御によって画像を表示するものであり、例えば液晶パネル等で構成される。
[0018]
 カメラ30は、CCD(charge coupled device)カメラ等の撮像素子からなり、図2に示すように、HDRディスプレイ100の上端の中央部に設けられている。カメラ30は、HDRディスプレイ100を視聴しているユーザ1の少なくとも顔の目元を撮像できる画角であることが好ましい。
[0019]
 記憶部40は、例えば、制御部10が実行する各種の制御プログラム等を記憶するものであり、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置によって構成される。記憶部40には、例えば、表示部20に表示させる画像を示す画像データ等が格納されている。
[0020]
 なお、本実施形態では、記憶部40から格納された、静止画としての画像を示す画像データを制御部10が読み出すものとして説明する。しかし、これに限らず、記憶部40には、動画を示す動画像データが格納されており、制御部10によって当該動画データが読み出されてもよい。
[0021]
 また、画像データまたは動画像データは、記憶部40にあらかじめ格納されている必要は必ずしもなく、放送波を受信することにより取得されてもよいし、HDRディスプレイ100に接続された、画像データまたは動画像データを格納または生成する外部装置(例えば録画装置)から取得されてもよい。
[0022]
 (制御部10の詳細)
 制御部10は、HDRディスプレイ100を統括的に制御するものである。本実施形態では特に、制御部10は、図2に示すように、HDRディスプレイ100の表示部20の表示領域20aのうち、ユーザ1が注目しているポイントPを特定として、特定したポイントPからユーザ1が注目しているエリア(注目エリア)Aを特定し、特定した注目エリアに表示される画像の輝度分布に合わせて表示ガンマを補正する機能を有する。すなわち、制御部10は、図1に示すように、注目ポイント特定部11、注目エリア特定部12、輝度分布情報取得部13、画像処理部(表示制御部)14を備えている。なお、これらの部材による制御部10の処理は、鑑賞者が1人である場合に行われる。すなわち、HDRディスプレイ100は、鑑賞者の顔を検出する顔検出機能によって複数の観賞者が表示部20を見ていると判定した場合には、上記処理を行わない。
[0023]
 注目ポイント特定部11は、カメラ30によって撮像された画像データ(ユーザの少なくとも顔の目元を撮像した画像データ)により、表示部20を視聴しているユーザ1を認識し、認識したユーザ1の眼球の位置を識別し、眼球の位置より、ユーザ1の視線を追従し、当該表示部20の表示領域20aにおける注目しているポイント(注目ポイントP)を特定する。ここで、ユーザ1の視線の追従は、カメラ30によってユーザ1の目を撮像し、撮像した目の画像において基準点を、目頭にし、動点を、虹彩とし、当該目頭に対する虹彩の位置に基づいて、視線を検出する。例えば、左目の虹彩が目頭から離れていれば、ユーザ1は左側を見ていることが分かり、左目の目頭と虹彩が近ければ、ユーザ1は右側を見ていることが分かる。このように、ユーザ1の視線の追従によって特定した注目ポイントPの座標を後段の注目エリア特定部12に送る。
[0024]
 注目エリア特定部12は、カメラ30から得られる画像データから、視聴距離(ユーザとHDRディスプレイ100との距離)をあらかじめ見積もる機能を有している。例えば表示部20の表示領域20aの四隅および中央にマーカーを表示させ、ユーザにそれを目で追わせて、その眼球(黒眼)の移動を画像データとして取得し、画像データから視聴距離を見積もる。注目エリア特定部12は、見積もった視聴距離と、注目ポイント特定部11によって特定された注目ポイントPの座標とから所定の視野角(ここでは、5°)以内の表示領域20a上のエリアを注目エリアAとして特定する。視野角を5°にしていることの説明は後述する。ここで、注目ポイントとは、ユーザが注目する画面上の視線中心を意味し、視野角とは、ユーザの眼球上での眼球と注目ポイントを結ぶ視線からの角度を意味する。
[0025]
 輝度分布情報取得部13は、表示部20に表示する画像の画面全体の輝度分布情報と、注目エリアAの輝度分布情報とを記憶部40から取得し、取得した輝度分布情報を画像処理部14に送る。ここで、輝度分布情報は、画面全体の場合は、画面全体のすべての画素の輝度値の分布を表し、注目エリアAの輝度分布は、注目エリアA内のすべての画素の輝度値の分布を表すものとする。
[0026]
 画像処理部14は、注目エリア特定部12によって特定された注目エリアAの輝度分布の輝度中心値と、表示部20の表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値との差の桁数が所定の桁数以上であるとき、上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアAの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を変換する。ここで、注目エリアAの輝度分布の輝度中心値は、注目エリアA内のすべての画素の輝度値の平均値を示し、表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値とは、画面全体のすべての画素の輝度値の平均値を示す。
[0027]
 具体的には、画像処理部14は、注目エリアAの輝度分布の輝度中心値と、表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値との差が2桁以上であるときに、表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値を、注目エリアAの輝度分布の輝度中心値に近づくように変換する。
[0028]
 なお、上記の所定の桁数以上は、2桁以上が好ましいが、2桁よりも小さくてもよい。また、画像処理部14における変換処理の詳細については後述する。
[0029]
 画像処理部14は、変換した表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値に応じた表示ガンマの画像データを表示部20に送る。
[0030]
 表示部20は、画像処理部14からの画像データを表示する。このとき、ユーザが注目している注目エリアAには、表示画面全体の表示領域20aの輝度に影響されない輝度差が明確な画像が表示されることになる。また、輝度差が明確であることは、表示される画像に不自然さがないということになる。
[0031]
 (HDRについて)
 図3は、HDR方式の規格を示す表である。
[0032]
 図4は、HDR方式の一つの規格であるHLG方式における映像信号と輝度との関係を光電変換関数で示したグラフである。
[0033]
 図5は、HDR方式の一つの規格であるHLG方式における映像信号と輝度との関係を電光変換関数で示したグラフである。
[0034]
 TV向けのHDRは、図3に示すように、HLG(Hybrid Log-Gamma)方式とPQ(Perceptual Quantizer)方式がある。従来のTVの方式(SDR)からの主な違いは、暗部から明部までの表現レンジの範囲の拡大である。従来は、モニタ出力を100nitsであるとみなして、出力ガンマを設定していたのに対して、HDRでは1000nitsから10000nitsまでの輝度を出力できるような規格になっている。そのため、HDR方式の液晶表示装置では、
最大輝度:1000nits以上かつ、黒輝度:0.05nits以下
コントラスト比:2万:1
また、OLED表示装置では、
最大輝度:540nits以上かつ、黒輝度:0.0005nits以下
コントラスト比:108万:1
となっている。
[0035]
 本実施形態に係るHDRディスプレイ100は、上記仕様を満たした液晶表示装置およびOLED表示装置である。なお、HDRディスプレイ100として液晶表示装置を用いる場合には、上記仕様を満たすための手法としてバックライトをローカルディミングするエリアアクティブバックライトとする。
[0036]
 このようにTV向けとして、最近、規格化および普及しているHDRという技術であるが、PC向けのディスプレイにおいてもHDRに対応するものが出てきており、個人ユースのディスプレイ、すなわち、PC(ノートPC、タブレットPCも含む)のディスプレイなどにも普及してきている。
[0037]
 TV向けとして、高輝度表示を行う場合、ダイナミックレンジを上げて、表示させると、映像に奥行き感が生まれ、表示品位が向上する。PC向けのディスプレイにおいても同様なことが言えるが、PC向けの表示は一面に映像を表示させるTVとは異なり、様々なウインドウを立上げたり、映像とWeb情報を並べて表示させたりするなど、表示画面がTVと比べて、多様である。
[0038]
 一方、人間の視覚特性において、明るいところと、暗いところではその視覚特性が異なることが知られている。明るいところでは、暗い部分の視認性が十分でなくなる。したがって、上記HDRのような高輝度のディスプレイにおいて、その平均輝度および輝度分布に大きな差異がある2つ以上の映像を表示させる場合において、低輝度側の映像(画像)に注目しているにも関わらず、高輝度側の輝度の影響により、最適な視覚特性で、低輝度側の映像を視覚することができない。
[0039]
 (注目エリアA)
 人間の明るさの変化に対する視覚特性は、ダイナミックレンジで2桁をカバーし、網膜などの順応で4桁、瞳孔の順応で1桁程度と言われている。したがって、網膜や瞳孔が順応したある画面においては、ダイナミックレンジは2桁程度であるため、注目エリアAの輝度分布の輝度中心値と表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値に2桁以上の差がある場合、注目エリアAにおいてその詳細を認識することができなくなる。
[0040]
 また注目エリアAに関しては、人間の視覚の視野角特性を示唆する情報として、錐体の密度分布を測定したデータがある(視覚情報処理ハンドブックP237参照;日本視覚学会編)。このデータによれば、視野中心0°で、その密度は、およそ200x10 /mm であるのに対して、5°付近ではその10分の1程度のおよそ20x10 /mm となっている。
[0041]
 従って、中心5°よりもそとのエリアに関して、ほとんど(10分の1以下)、その詳細を認識していないと考えられる。
[0042]
 上記、理由により、注目しているエリア(注目エリアA)をより詳細に表現することが、個人ユースのディスプレイ(PCディスプレイなど)では、有効であると考えられる。
[0043]
 (HDRの階調輝度特性)
 画像処理部14において行われるガンマ変換(階調輝度特性変換)方法の説明の前に、HDRの階調(ビデオ信号)輝度特性の定義を記載する。HDRの規格では、先に説明したようにHLG方式とPQ方式が有り、それぞれ異なった特性を定義しているが、基本的な考え方は同じであり、ここでは、HLG方式の特性について説明する。
[0044]
 HLG方式の伝達関数は、下の様に定義されている。
E’=r√L             (0≦L≦1)
E’=aln(L-b)+c      ( 1<L)
 ただし、r は基準白レベルに対する映像信号レベルで、r=0.5とする。また、Lは正規化したカメラ30の入力光に比例した電圧とし、E’は、映像信号のカメラ出力に比例した電圧とする。a、b、cは定数で、以下の通りである。
a=0.17883277
b=0.28466892
c=0.55991073
この関数のグラフは、図4および図5に示すようになる。
[0045]
 図4に示すに示すグラフ中のSDRはStandard Dynamic Range で、従来の規格を表している。従来の基準白は100nitsであり、つまり、“基準白の1”= “100nits”のことである。このように、HDRの場合は輝度が0から1200nitsの範囲の映像信号が送られてくる。
[0046]
 次に、本実施例での階調輝度変換を用いた画像補正処理に関して説明する。
[0047]
 (画像補正処理)
 図6は、画像補正処理の流れを示すフローチャートである。
[0048]
 図7は、注目エリアの平均輝度が、表示画面全体の表示領域の平均輝度よりも小さい場合の輝度分布の輝度値変換を示しており、(a)は輝度値変換前の画面全体の輝度分布のグラフ、(b)は輝度値変換後の画面全体の輝度分布のグラフである。
[0049]
 図8は、注目エリアの平均輝度が、表示画面全体の表示領域の平均輝度よりも大きい場合の輝度分布の輝度値変換を示しており、(a)は輝度値変換前の画面全体の輝度分布のグラフ、(b)は輝度値変換後の画面全体の輝度分布のグラフである。
[0050]
 ここで、図7、8は、表示画面全体の表示領域の輝度分布を測定したグラフであり、画面全体の全ての画素の輝度値を集計した分布図となる。このグラフにおいて、横軸は輝度値、縦軸は画素数を示す。図7に記載の「画面全体の輝度中心:ac」は、上記集計された輝度値の平均値を示す。また、図7に記載の「注目エリアの輝度中心:tc」は、注目エリアA内の全ての画素の輝度値の平均値を示す。
[0051]
 まず、画像入力が行われる(ステップS11)と、表示部20に画像が表示される。このタイミングで、制御部10は、注目ポイントを特定する(ステップS12)。具体的には、カメラ30により視聴しているユーザ1の眼球を撮像、眼球の位置を識別し、眼球の位置より、ユーザ1が画面上の注目している注目ポイントPを特定する。
[0052]
 次に、制御部10は、注目エリアを特定する(ステップS13)。具体的には、画面四隅および中央にマーカーを表示させ、それを視線で追わせて、その眼球(黒眼)の移動を画像認識することにより、視聴距離を見積もる。見積もった視聴距離と、S12で特定した注目ポイントの座標から、ユーザの視線に対して視野角5°以内のエリアを注目エリアと特定する。
[0053]
 その後、制御部10は、ステップS11にて入力された画像入力信号の輝度値への変換を行う(ステップS14)。これにより、制御部10は、輝度分布情報(ac,tc)の情報を取得する(ステップS15)。ここで、acは、表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値、tcは、注目エリアの輝度分布の輝度中心値とする。
[0054]
 以下では、注目エリアの輝度中心値が画面全体の輝度中心値に比べて1/100より低く(表示が暗く)なっている場合を想定して説明する。
[0055]
 次に、ステップS15において取得したacがtcの100倍よりも大きいか否かを判断する(ステップS16)。ここで、先述のように、人間の視覚特性は、網膜および瞳孔の順応を除いたダイナミックレンジは、およそ2桁であるため、画面全体の輝度平均が、注目エリア(注目ポイントを中心に視野角5°の範囲)の輝度平均と比べて、2桁以上離れている場合は、注目エリアの表示内容の視認性が悪くなってしまうと考えられる。
[0056]
 従って、ステップS16において、YESの場合、すなわちacがtcの100倍よりも大きい場合、注目エリアの表示内容の視認性は悪くなっていると判断し、入力された画像データに対して画像補正を行って(ステップS17)、補正後の画像データに基づいた画像表示を行う(ステップS18)。ここでは、注目エリアの輝度平均に合わせて、画面全体の輝度を変化させる。具体的には、図7の(a)に示すように、ac>tc×100の場合、画面全体の輝度の中心値がtc×100になるように変換する。また、輝度変換は、注目エリアの輝度中心値近傍で高い側の輝度値より高い輝度の輝度値を、図7の(b)に示すように、画面全体の画素の輝度値が全体的に低くなるように輝度変換が行われる。
[0057]
 一方、ステップS16において、NOの場合、すなわちacがtcの100倍よりも大きくない場合、注目エリアの表示内容の視認性は悪くなっていないと判断し、画像補正を行わずに、画像表示を行う(ステップS18)。
[0058]
 また、複数の視線が検知された場合や視線が定まらず(一定時間注目していない場合など)注目エリアが無いと判断された場合は、入力された画像データに対して画像補正を行わず、入力された画像データに基づいた画像表示を行う。
[0059]
 また、注目エリアの輝度中心値が画面全体の輝度中心値に比べて100倍より高く(表示が明るく)なっている場合には、図6に示すステップS11~S15までの処理が同じで、上記ステップS16において、acがtcの1/100よりも小さいか否かを判定し、小さいと判定した場合に、画像補正を行って(ステップS17)、画像表示を行い(ステップS18)、小さくないと判定した場合に、画像補正を行わなで、画像表示を行う(ステップS18)。
[0060]
 ここで、ステップS17の画像補正は、以下のように行う。図8の(a)に示すように、ac<tc×0.01の場合、画面全体の輝度の中心値がtc×0.01になるように変換する。また、その輝度変換は、図8の(b)に示すように、注目エリアの輝度中心値近傍で低い側の輝度値より低い輝度の輝度値を、表示品位を損なわないように増加させるような輝度変換を行う。
[0061]
 (輝度変換の具体例)
 ここで、上記輝度変換の具体例について説明する。
[0062]
 まず、輝度値は、人間の視覚特性では線形でないため、輝度値を視覚特性に合った値(人間の視覚特性で、その値がほぼ線形と考えられる値)に変換する。例えば、この変換は、図4,図5に示すHLGの変換関数とすることもできる。ここでは、輝度―線形視覚特性値変換関数とし、一般化した関数として、
 E‘=f(L)
と表すことにする。ここで、E’は視覚特性線形レベルに相当する値で、人間の視覚特性に対して線形な特性をもつ値に相当し、Lは表示輝度値を表す。
上述の説明と同様に、acは、表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値、tcは、注目エリアの輝度分布の輝度中心値とする。
[0063]
 まず、(1)(ac>tc×100)の場合の輝度変換について説明する。変換前の輝度をL、輝度(圧縮)変換後の輝度をL’とすると、
 L’=L            (L≦f -1(f(tc)+0.1))
 L’=f -1(αf(L))    (L>f -1(f(tc)+0.1))
 と表せる。ここで、αは、圧縮倍率、f -1()は、f()の逆変換を表す。
[0064]
 更に、αも輝度の関数となり、下記の様になる。
[0065]
 α=pf(L)+q
 ここで、p、qは、下記のように、f(tc)とf(ac)、f(tc×100)から算出される値になる。
[0066]
 p=(1-f(tc×100)/f(ac))
/(f(tc)+0.1―f(ac))
 q=(f(ac)-f(tc)+0.1)
× f(tc×100)/f(ac)
/ (f(ac)-(f(tc)+0.1))
 次に、(2)(ac<tc×0.01)の場合の輝度変換について説明する。変換前の輝度をL、輝度(圧縮)変換後の輝度をL’とすると、
 L’=f -1(αf(L))         (L≦f -1(f(tc)―0.1))
 L’=L                 (L>f -1(f(tc)―0.1))
 と表せる。ここで、αは、圧縮倍率、f -1()は、f()の逆変換を表す。
[0067]
 更に、αも輝度の関数となり、下記の様になる。
[0068]
 α=pf(L)+q
 ここで、p、qは、下記のように、f(tc)とf(ac)、f(tc×0.01)から算出される値になる。
[0069]
 p=(1-f(tc×0.01)/f(ac))
/(f(tc)―0.1―f(ac))
 q=(f(ac)―(f(tc×0.01)×(f(tc)―0.1)))
/(f(ac)-(f(tc)―0.1))
 上記のような、L→L’輝度変換を画面全体の各画素で行うことにより、注目エリアの視認性を向上させることができるようになる。
[0070]
 (効果)
 図9の(a)は、本実施形態のHDRディスプレイと比較するHDRディスプレイを示し、(b)は、本実施形態のHDRディスプレイを示す。なお、注目エリアAは、ユーザの視線中心から5°の円であるが、モニタなどに表示される表示では、ウインドウ画面の様に矩形状の領域に分けられた場合が多く、このような場合を想定し、図9では、説明の便宜上、注目エリアAを矩形状としている。つまり、注目エリアAとして特定されるのは、あくまでもユーザの視線中心から5°の円であるが、画像処理の対象は、その円を中心に含む矩形状の領域となる。
[0071]
 また、
 HDRディスプレイ100では、図9の(a)(b)に示すように、画面全体のダイナミックレンジが大きく、コントラストや輝度は高い場合、比較例のHDRディスプレイ100では、図9の(a)に示すように、ユーザが注目している注目エリアAの画像が暗いとき、注目エリアAの周囲の表示領域20aが明るすぎるため、当該注目エリアAの画像の輝度差が認識し難い表示となっている。この場合、輝度分布は、図7の(a)に示すようになる。これに対して、本実施形態のHDRディスプレイ100では、図9の(b)に示すように、ユーザが注目している注目エリアAの画像が暗いとき、注目エリアAの輝度分布に合わせて、表示領域20aの輝度を下げるようにしているため、当該注目エリアAの画像の輝度差が認識し易い表示となっている。この場合、輝度分布は、図7の(b)に示すようになる。つまり、本実施形態のHDRディスプレイ100では、表示領域20a全体のダイナミックレンジが低くなり、コントラスト、輝度が低くなってはいるため、注目エリアAが多少暗い画像であっても、当該注目エリアAに表示されている画像は詳細に認識できるような表示となっている。
[0072]
 なお、本実施形態では、ユーザとHDRディスプレイ100までの距離、すなわち視聴距離を、画面四隅および中央にマーカーを表示させ、それを視線で追わせて、その眼球(黒眼)の移動を画像認識することにより見積もっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の視聴距離の見積もり方法を用いてもよい。以下の実施形態2は、他の視聴距離の見積もり方法の一例について説明する。
[0073]
 〔実施形態2〕
 本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
[0074]
 図10は、本実施形態に係るHDRディスプレイ200をユーザが視聴している状態を示す図である。
[0075]
 HDRディスプレイ200は、図10に示すように、前記実施形態1のHDRディスプレイ100と異なり、表示部20の上部に2台のカメラ30が所定距離隔てられて設けられている。
[0076]
 この2台のカメラ30を用いて、ユーザ1とHDRディスプレイ200までの距離、すなわち視聴距離を見積もる。具体的には、2台のカメラ30を用いた、三角測量の原理を利用して視聴距離を見積もる。例えば、視聴距離D=B×f/Sで求める。Bは、カメラ30・30の間の距離を示し、fはカメラ30の焦点距離を示し、Sは、撮像位置のずれ(視差)を示す。視差Sは、2台のカメラ30でユーザ1を撮像した画像をステレオマッチングすることで求める。ステレオマッチングについて、一般的な技術であるため、詳細な説明は省略する。
[0077]
 以上のように、本実施形態のHDRディスプレイ200によれば、視聴距離を見積もるために、ユーザ1に表示部20に表示したマーカーを目で追わせる必要がないので、ユーザ1にとっての負担を軽減することが可能となる。
[0078]
 なお、前記実施形態1、2では、ユーザ1の視線の追従は、可視光を用いてカメラ30で撮像した画像を解析して行っていたが、以下の実施形態3では、ユーザ1の視線の追従を、赤外線を用いてカメラ30で撮像した画像を解析して行う例について説明する。
[0079]
 〔実施形態3〕
 本発明の他の実施形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
[0080]
 図11は、本実施形態に係るHDRディスプレイ300をユーザが視聴している状態を示す図である。
[0081]
 図12は、図11に示すHDRディスプレイ300の概略構成を示すブロック図である。
[0082]
 HDRディスプレイ300は、図11に示すように、前記実施形態1のHDRディスプレイ100と異なり、表示部20の上部にカメラ30の他に、赤外線を発光する赤外線発光部50が設けられている。
[0083]
 赤外線発光部50は、赤外線LEDからなり、ユーザ1に向けて赤外線を発光する。特に、ユーザ1の目に向けて赤外線を発光する。これにより、発光された赤外線は、ユーザ1の目の角膜で反射される。従って、赤外線発光部50が発光した赤外線がユーザ1の角膜で反射された状態の当該ユーザ1の目がカメラ30によって撮像される。この撮像画像を用いてユーザ1の視線の追従を行う。
[0084]
 具体的には、赤外線発光部50によってユーザ1の顔を照らしながら、カメラ30によって当該ユーザ1の顔を撮像する。撮像した画像には、ユーザ1の目において、角膜で反射された角膜反射点と、瞳孔とが映し出されており、当該角膜反射点を基準点とし、瞳孔の位置が基準点よりも左側、右側、上側、下側などにあることがわかれば、ユーザ1の視線の方向が分かる。すなわち、例えば、ユーザ1の左目の角膜反射点よりも瞳孔が目じり側にあれば、ユーザ1は表示部20の左側を見ていることが分かり、角膜反射点よりも瞳孔が目頭側にあれば、ユーザ1は表示部20の右側を見ていることが分かる。
[0085]
 このように、基準点とする角膜反射点は、画像処理で正確に検出し易いため、視線の追従の精度を高めることができる。これにより、ユーザ1が注目している注目エリアAをより適切に特定することができる。
[0086]
 〔変形例〕
 前記実施形態3では、図11に示すように、カメラ30が1台のHDRディスプレイ300に赤外線発光部50を設けた例について説明したが、前記実施形態2のように、2台のカメラ30のHDRディスプレイ200に赤外線発光部50を設けてもよい。
[0087]
 この場合、ユーザ1の視聴距離を簡単に且つ精度よく求めることができるため、ユーザ1の視線追従の精度もさらに高めることができる。
[0088]
 〔まとめ〕
 本発明の態様1に係る表示装置は、表示パネル(表示部20)と、上記表示パネル(表示部20)の表示画面全体の表示領域20aのうち、ユーザ1が注目している注目エリアAを特定する注目エリア特定部12と、上記注目エリア特定部12によって特定された注目エリアAの輝度分布の輝度中心値と、上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値との差の桁数が所定の桁数以上であるとき、上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアAの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を変換する表示制御部(画像処理部14)と、を備えていることを特徴としている。
[0089]
 上記構成によれば、表示画面の表示領域における、ユーザの注目エリアの輝度分布の輝度中心値と、当該表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値との差の桁数が所定の桁数以上であるとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を変換することで、ユーザの注目エリアと表示画面全体の表示領域との明るさの差を小さくすることができる。これにより、ユーザの注目エリアは、表示画面全体の表示領域の輝度の影響を受けにくくなるため、当該注目エリアに表示された画像の輝度差が認識し易くなる。特に、ユーザの注目エリアが、表示画面全体の表示領域よりも暗い場合に、上記の処理は有効である。
[0090]
 なお、所定の桁数以上は、2桁以上が好ましい。これは、人間の視覚特性を考慮して得られた桁数である。しかしながら、所定の桁数以上については、2桁以上が好ましいが、2桁よりも小さくてもよい。
[0091]
 本発明の態様2に係る表示装置は、上記態様1において、上記表示制御部(画像処理部14)は、上記注目エリアAの輝度分布の輝度中心値が上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値よりも小さいとき、上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアAの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を下げる変換を行ってもよい。
[0092]
 上記構成によれば、注目エリアの輝度分布の輝度中心値が上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値よりも小さいとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を下げる変換を行うことで、ユーザの注目エリアが、表示画面全体の表示領域よりも暗い場合であっても、当該ユーザの注目エリアの輝度差を容易に認識することができる。具体的には以下のような変換を行う。
[0093]
 本発明の態様3に係る表示装置は、上記態様2において、上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値付近の輝度が高い側の輝度値より高い輝度を持った各画素の輝度値に対して、各輝度値に応じて、それぞれの値より低い輝度値へ輝度値を低減する各画像の輝度値の変換であってもよい。
[0094]
 本発明の態様4に係る表示装置は、上記態様3において、上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、変換前の輝度をL、輝度(圧縮)変換後の輝度をL’とすると、
 L’=L            (L≦f -1(f(tc)+0.1))
 L’=f -1(αf(L))    (L>f -1(f(tc)+0.1))
 と示される。ここで、αは、圧縮倍率、f -1()は、f()の逆変換を表す。
[0095]
 本発明の態様5に係る表示装置は、上記態様1において、上記表示制御部(画像処理部14)は、上記注目エリアAの輝度分布の輝度中心値が上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値よりも大きいとき、上記表示画面全体の表示領域20aの輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアAの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を上げる変換を行なってもよい。
[0096]
 上記構成によれば、注目エリアの輝度分布の輝度中心値が上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値よりも大きいとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように上げる変換を行うことで、ユーザの注目エリアが、表示画面全体の表示領域よりも明るい場合であっても、当該ユーザの注目エリアの輝度差を容易に認識することができる。
[0097]
 本発明の態様6に係る表示装置は、上記態様5において、上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値付近の輝度が高い側の輝度値より低い輝度を持った各画素の輝度値に対して、各輝度値に応じて、それぞれの値より高い輝度値へ輝度値を増加する各画像の輝度値の変換であってもよい。
[0098]
 本発明の態様7に係る表示装置は、上記態様6において、上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、変換前の輝度をL、輝度(圧縮)変換後の輝度をL’とすると、
 L’=L            (L≦f -1(f(tc)-0.1))
 L’=f -1(αf(L))    (L>f -1(f(tc)-0.1))
 と示される。ここで、αは、圧縮倍率、f -1()は、f()の逆変換を表す。
[0099]
 本発明の態様8に係る表示装置は、上記態様1~7の何れか1態様において、上記ユーザ1の少なくとも顔の目元を撮像する撮像装置(カメラ30)をさらに含み、上記注目エリア特定部12は、上記撮像装置(カメラ30)によって得られた撮像画像から、当該ユーザ1が注目している注目エリアAを特定してもよい。
[0100]
 上記構成によれば、ユーザの少なくとも顔の目元を撮像する撮像装置を備えるだけで、容易にユーザが注目している注目エリアを特定することができる。
[0101]
 本発明の態様9に係る表示装置は、上記態様8において、上記撮像装置(カメラ30)は、2台であり、2台とも上記ユーザ1の少なくとも顔の目元を撮像してもよい。
[0102]
 上記構成によれば、2台の撮像装置によりユーザを撮像することで、撮像して得られた画像からユーザと表示パネルまでの距離(視聴距離)を測定することができる。
[0103]
 本発明の態様10に係る表示装置は、上記態様8または9において、上記ユーザ1に対して赤外線を発光する赤外線発光部50をさらに含み、上記撮像装置(カメラ30)は、上記赤外線発光部50から発光された赤外線が照射されたユーザ1の少なくとも顔の目元を撮像してもよい。
[0104]
 上記構成によれば、撮像した画像には、ユーザの目において、赤外線が角膜で反射された角膜反射点と、瞳孔とが映し出されており、当該角膜反射点を基準点とし、瞳孔の位置が基準点よりも瞳孔が目じり側にあれば、ユーザは表示パネルの左側を見ていることが分かり、角膜反射点よりも瞳孔が目頭側にあれば、ユーザは表示パネルの右側を見ていることが分かる。
[0105]
 このように、基準点とする角膜反射点は、画像処理で正確に検出し易いため、視線の追従の精度を高めることができる。
[0106]
 本発明の態様11に係る表示装置は、上記態様1~10の何れか1態様において、上記表示装置は、HDR(High Dynamic Range)の表示装置であることが好ましい。
[0107]
 このように、本発明は、HDR(High Dynamic Range)の表示装置のように、最大輝度が1000nits以上ある表示装置の場合に特に有効な発明である。
[0108]
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

符号の説明

[0109]
10 制御部
11 注目ポイント特定部
12 注目エリア特定部
13 輝度分布情報取得部
14 画像処理部(表示制御部)
20 表示部(表示パネル)
20a 表示領域
30 カメラ(撮像装置)
40 記憶部
50 赤外線発光部
100 HDRディスプレイ(表示装置)
200 HDRディスプレイ(表示装置)
300 HDRディスプレイ(表示装置)
A 注目エリア
D 視聴距離
P 注目ポイント

請求の範囲

[請求項1]
 表示パネルと、
 上記表示パネルの表示画面全体の表示領域のうち、ユーザが注目している注目エリアを特定する注目エリア特定部と、
 上記注目エリア特定部によって特定された注目エリアの輝度分布の輝度中心値と、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値との差の桁数が所定の桁数以上であるとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を変換する表示制御部とを備えていることを特徴とする表示装置。
[請求項2]
 上記表示制御部は、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値が上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値よりも小さいとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値が、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を下げる変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
[請求項3]
 上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値付近の輝度が高い側の輝度値より高い輝度を持った各画素の輝度値に対して、各輝度値に応じて、それぞれの値より低い輝度値へ輝度値を低減する各画像の輝度値の変換であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
[請求項4]
 上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、変換前の輝度をL、輝度(圧縮)変換後の輝度をL’とし、圧縮倍率をα、f()の逆変換をf -1()とすると、
 L’=L            (L≦f -1(f(tc)+0.1))
 L’=f -1(αf(L))    (L>f -1(f(tc)+0.1))
 と示されることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
[請求項5]
 上記表示制御部は、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値が上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値よりも大きいとき、上記表示画面全体の表示領域の輝度分布の輝度中心値を、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値に近づくように画面全体の各画素の輝度値を上げる変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
[請求項6]
 上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、上記注目エリアの輝度分布の輝度中心値付近の輝度が高い側の輝度値より低い輝度を持った各画素の輝度値に対して、各輝度値に応じて、それぞれの値より高い輝度値へ輝度値を増加する各画像の輝度値の変換であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
[請求項7]
 上記表示画面全体の表示領域の輝度変換は、変換前の輝度をL、輝度(圧縮)変換後の輝度をL’とし、圧縮倍率をα、f()の逆変換をf -1()とすると、
 L’=L            (L≦f -1(f(tc)-0.1))
 L’=f -1(αf(L))    (L>f -1(f(tc)-0.1))
 と示されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
[請求項8]
 上記ユーザの少なくとも顔の目元を撮像する撮像装置をさらに含み、
 上記注目エリア特定部は、
 上記撮像装置によって得られた撮像画像から、当該ユーザが注目している注目エリアを特定することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の表示装置。
[請求項9]
 上記撮像装置は、2台であり、2台とも上記ユーザの少なくとも顔の目元を撮像することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
[請求項10]
 上記ユーザに対して赤外線を発光する赤外線発光部をさらに含み、
 上記撮像装置は、上記赤外線発光部から発光された赤外線が照射されたユーザの少なくとも顔の目元を撮像することを特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
[請求項11]
 上記表示装置は、HDR(High Dynamic Range)の表示装置であることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の表示装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]