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1. (WO2018180606) 車載電源装置およびその車載電源装置が搭載される車両
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明 細 書

発明の名称 車載電源装置およびその車載電源装置が搭載される車両

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099  

産業上の利用可能性

0100  

符号の説明

0101  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3A   3B   3C   3D   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 車載電源装置およびその車載電源装置が搭載される車両

技術分野

[0001]
 本開示は、車載電源装置およびその車載電源装置車両に関する。

背景技術

[0002]
 以下、従来の車載電源装置について図面を用いて説明する。図9は従来の車載電源装置の構成を示す回路ブロック図であり、車載電源装置1の出力部30は負荷2に接続されている。車載電源装置1は、蓄電素子3と補助蓄電素子4と切換部5とを有している。蓄電素子3は切換部5を介して出力部30に接続されており、補助蓄電素子4は切換部5の出力に接続されている。つまり、補助蓄電素子4は出力部30に接続されている。蓄電素子3の電圧が正常なとき、切換部5は、蓄電素子3から負荷2へ電力を供給させる。同時に、切換部5は、蓄電素子3が補助蓄電素子4を充電するように動作する。
[0003]
 一方、蓄電素子3の電圧が低下したとき、切換部5は、補助蓄電素子4の電力を放電させるとともに、補助蓄電素子4の電圧を蓄電素子3の電圧に重畳させる。蓄電素子3と補助蓄電素子4との両方から負荷2へ電力が供給される。この構成により、蓄電素子3の電圧が低下したときでも車載電源装置1は負荷2へ安定した電圧で電力を供給することができる。
[0004]
 なお、この出願に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2013/125170号

発明の概要

[0006]
 本開示の一態様の車載電源装置は、蓄電部と、前記蓄電部の充電経路に設けられ、前記蓄電部へ電力を充電する充電回路と、前記蓄電部の出力経路に設けられ、前記蓄電部の電力を放電する放電回路と、前記充電回路に接続された入力部と、前記放電回路に接続された出力部と、前記入力部の入力電圧と、前記出力部の出力電流と、前記出力部の出力電圧と、を検出し、前記充電回路および前記放電回路を制御する、制御部と、を備え、前記制御部が、非常動作条件が満たされていると判断したとき、前記制御部は、前記充電回路から前記蓄電部への充電を停止させた後、前記放電回路の出力の目標電圧値である出力指示電圧を第1電圧値に設定し、更に、前記制御部は前記放電回路が前記蓄電部に充電されている電力を放電するように制御し、前記放電回路から出力される電力が電力閾値より高くなると、前記制御部は前記出力指示電圧を前記第1電圧値から第2電圧値へと低下させる。
[0007]
 また、本開示の車両は、上述した一態様の車載電源装置と、前記車載電源装置が搭載される車体と、前記車体に搭載され、前記車載電源装置に電力を供給する車両バッテリーと、を備える。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本開示の実施の形態1における車載電源装置の構成を示す回路ブロック図
[図2] 本開示の実施の形態1における車載電源装置を搭載した車両の構成を示すブロック図
[図3A] 本開示の実施の形態1における車載電源装置の動作を説明するフローチャート
[図3B] 本開示の実施の形態2における車載電源装置の動作を説明するフローチャート
[図3C] 本開示の実施の形態における車載電源装置の動作を説明するフローチャート
[図3D] 本開示の実施の形態における車載電源装置の動作を説明するフローチャート
[図4] 本開示の実施の形態1における車載電源装置の動作を説明するタイミングチャート
[図5] 本開示の実施の形態2における車載電源装置を搭載した車両の構成を示すブロック図
[図6] 本開示の実施の形態2における車載電源装置の動作を説明するタイミングチャート
[図7] 本開示の実施の形態3における車載電源装置の動作を示すタイミングチャート
[図8] 本開示の実施の形態4における車載電源装置を搭載した車両の構成を示すブロック図
[図9] 従来の車載電源装置の構成を示す回路ブロック図

発明を実施するための形態

[0009]
 図9を参照しながら説明した車載電源装置1では、蓄電素子3の電圧が低下したときに、その低下分を補うための補助蓄電素子4を構成する必要がある。そのため、車載電源装置1を構成する素子数が増加してしまう。その結果、車載電源装置1が大型化してしまう。
[0010]
 以下で説明する本開示の車載電源装置6は、安定して動作し、かつ、小型化を実現できる。
[0011]
 (実施の形態1)
 本開示の実施の形態1について図面を用いて説明する。
[0012]
 図1は本開示の実施の形態1における車載電源装置6の構成を示す回路ブロック図である。車載電源装置6は、蓄電部7と充電回路8と放電回路9と入力部10と出力部11と制御部12とを含む。
[0013]
 充電回路8は蓄電部7の充電経路に設けられており、蓄電部7へ電力を充電することができる。放電回路9は、蓄電部7の出力経路に設けられており、蓄電部7の電力を放電する。入力部10は充電回路8に接続され、出力部11は放電回路9に接続されている。制御部12は、入力部10における入力電圧、出力部11おける出力電流、出力部11における出力電圧と、を検出し、充電回路8および放電回路9の動作を制御する。
[0014]
 図1では、電力供給経路を太いラインで示し、信号伝送経路を細いラインで示している。例えば、入力部10と充電回路8とを接続する電力供給経路は太いラインで示され、入力部10と制御部12とを接続する信号伝送経路は細いラインで示されている。しかしながら、電力供給経路や信号伝送経路で伝送する電力の大小はあくまで目安であり、太いラインおよび細いラインの何れも電気的に接続されているという点で同様である。
[0015]
 制御部12は、入力部10における入力電圧が入力下限電圧以上であることを検出すると、制御部12は通常動作条件が満たされていると判断する。さらに制御部12は、出力部11が所定蓄電電圧になるまで充電回路8から蓄電部7に連続的にあるいは間欠的に充電するように充電回路8を制御する。以下、入力電圧が入力下限電圧以上である状態を『通常モード』と表す。
[0016]
 一方、制御部12は、入力電圧が入力下限電圧よりも低いことを検出すると、制御部12は非常動作条件が満たされていると判断する。さらに制御部12は、充電回路8から蓄電部7への充電を停止させた後に、蓄電部7から放電回路9に放電するよう制御する。この時、制御部12は、放電回路9の出力の目標電圧値である出力指示電圧を放電回路9へ指示し、蓄電部7から放電回路9へ電力の放電が開始する。この時の出力指示電圧は『第1電圧値』である。以下、入力電圧が入力下限電圧よりも低い状態を『非常電源モード』表す。その後、非常電源モードにおいて、出力電流と出力電圧とによる出力電力が電力閾値以上となると、制御部12は、放電回路9に対して出力指示電圧を第1電圧値から第2電圧値へと低下させるよう指示する。電圧の変化の詳細については、図4などを参照しながら後述する。
[0017]
 以上の説明の通り、車載電源装置6は非常電源モードにおいて、大きな出力電力が必要となったときに、出力指示電圧を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる。この構成により、出力電力が供給限界に接近することに伴って生じる一時的な電圧の脈動、言い換えると出力部11に接続された負荷13からの影響によって生じる一時的な電圧の脈動が抑制される。よって、大きな出力電圧の変動が緩和される。車載電源装置6は補助的な蓄電素子(例えば図9に示す蓄電素子3)を増設することなく安定した電圧を出力することができる。この結果、車載電源装置6は安定的に動作することができ、同時に小型化が可能となる。
[0018]
 次に、車載電源装置6の構成および動作の詳細について図面を用いて説明する。図2は本開示の実施の形態1における車載電源装置6を搭載した車両14の構成を示すブロック図である。図3Aは、本開示の実施の形態1における車載電源装置6の動作を説明するフローチャート、図4は、本開示の実施の形態1における車載電源装置6の動作を説明するタイミングチャートである。
[0019]
 図2に示すように車載電源装置6は車両14を構成する車体15に配置されていている。入力部10は、スイッチ16を介して車両バッテリー17に接続されている。また出力部11は負荷13に接続されている。さらに車両バッテリー17は送電路18を介して負荷13に接続されている。なお、車載電源装置6については図1を用いて既に説明しているので、ここでは説明を省略する。
[0020]
 搭乗者が車両14へ乗り車両14を起動させるための起動スイッチ(図示せず)をオンあるいはオフさせることに連動して、スイッチ16はオンあるいはオフされる。そしてスイッチ16が搭乗者によってオフからオンへと切り換えられると車両14が起動するとともに、スイッチ16が接続状態となる。そして、車載電源装置6の制御部12も起動する。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップAに相当する。
[0021]
 つぎに、制御部12は、入力部10に接続されており、入力部10の入力電圧を常時において検出する。なお、制御部12を充電回路8と接続させ、充電回路8の入力電圧を検出することで、入力部10の入力電圧を検出してもよい。制御部12が入力部10の入力電圧を検出するということは、制御部12が車両バッテリー17の電圧を検出することになる。また、制御部12は車両バッテリー17の電圧を検出すると、制御部12は充電回路8を起動さる。そして、充電回路8は蓄電部7を連続的、または間欠的に所定の蓄電電圧へと充電させる。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップBおよびステップCに相当する。
[0022]
 なお、本実施の形態では、充電回路8と入力部10とは個別の要素として説明しているが、充電回路8が入力部10を含んでいてもよい。
[0023]
 なお、本実施の形態では、制御部12が車両バッテリー17の電圧を検出してから、充電回路8が蓄電部7を充電しているが、これらの動作の順序は、逆であってもよい。
[0024]
 また、仮に車両バッテリー17が車両14の起動時に異常状態である場合には、車両14は正常に起動しない。このため、車両14が正常に起動しない場合には、車載電源装置6も起動しない。以下で説明する車載電源装置6の動作は、車両14が起動する時点で車両バッテリー17が正常な状態であるときに行われる動作である。さらに、以下で説明する車載電源装置6の動作は、車両14が正常に起動した後、車両14が正常に走行あるいは走行可能な状態であるときに行われる。
[0025]
 つぎに、ステップDについて説明する。制御部12はステップBで検出した入力電圧を用い、入力下限電圧と入力電圧とを比較する。入力下限電圧には車両14が正常に動作しているときには起こり得ない値が設定されている。例えば車両14が衝突事故などを起こして、車両バッテリー17を失陥した状態を想定して、入力下限電圧が設定されるとよい。言い換えると、入力下限電圧は、車両14の全体の制御を担う制御ユニット19や負荷13が動作できない0Vから数Vのような低い値に近い値に設定することができる。
[0026]
 入力電圧が入力下限電圧よりも大きい値であると、車両14や車両バッテリー17は事故などに遭遇していない正常な状態であると制御部12は判定し、ステップBに戻る。制御部12は入力電圧の検出と、入力電圧と入力下限電圧との比較判定を車両14が起動している間は常時において実施する。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップDの『No』に相当する。
[0027]
 なお、制御部12が車両14や車両バッテリー17が正常であると判定しているとき、基本的に放電回路9は負荷13動作していない。放電回路9は制御部12に接続されていて、制御部12は放電回路9の動作を制御する。制御部12が車両14や車両バッテリー17が正常であると判定しているとき、放電回路9は一時的に蓄電部7の蓄電量を調節するために動作する場合があるものの、そのときに放電回路9は蓄電部7の蓄電可能な容量に比較して微弱電力を出力するだけであり、この微弱電力が負荷13の動作に影響を与えることはない。また、制御部12が車両14や車両バッテリー17が正常であると判定しているとき、制御ユニット19や負荷13へは車両バッテリー17から送電路18を通じて電力が供給されている。本実施の形態では負荷13へは車両バッテリー17から常時において電力供給が可能な接続となっているが、実際には負荷13は複数の様々な負荷から構成されている。したがって、車両バッテリー17と負荷13との間へスイッチ16に連動する負荷スイッチ(図示せず)が設けられていてもよい。
[0028]
 ここまで説明した図3AにおけるステップB、ステップC、ステップDの繰り返しは通常モードであり、先にも述べたように、車両14や車両バッテリー17が正常であるときの動作である。
[0029]
 つぎに、ステップDからステップEに進む場合の動作について説明する。ステップEに動作が進む場合を本実施の形態では、『非常電源モード』と表す。
[0030]
 制御部12はステップBで検出した入力電圧を用い、入力下限電圧と入力電圧とを比較する。入力電圧が入力下限電圧以下の値であると、制御部12は、車両14や車両バッテリー17は事故などに遭遇して異常な状態(『非常電源モード』)であると判定する。図3AのフローチャートにおけるステップDの『Yes』に相当する。
[0031]
 スイッチ16が接続状態であるにもかかわらず(車両14が起動状態であるにもかかわらず)、入力電圧が入力下限電圧以下の値であると制御部12が判定すると、制御部12は非常電源モードとして以下の制御を行う。
[0032]
 まず、ステップDで、制御部12は、入力電圧が入力下限電圧以下の値であると判定すると、充電回路8から蓄電部7への充電を停止させる。そのご制御部12は、放電回路9を放電可能状態にし、放電回路9が負荷13を駆動させるために放電動作をするように制御する。入力電圧が入力下限電圧以下の値であると制御部12が判定すると、放電回路9の放電動作は直ちに行われる。
[0033]
 なお、放電回路9の放電動作は、本実施の形態では、入力電圧が入力下限電圧以下の値であると判定すると開始するが、図3BのステップDに示すように制御部12が放電回路9を動作させるための信号を外部から受信したことに応じて行われてもよい。図3Bでは外部からの受信信号の一例として、衝突信号が用いられている。
[0034]
 ここで、放電回路9が負荷13を駆動させるために出力する電圧の目標電圧値を『出力指示電圧』と表すものとする。制御部12は出力指示電圧を第1電圧値に設定する。そして放電回路9は、出力指示電圧が第1電圧値となるように蓄電部7に蓄えられた電力を放電する。非常電源モードでは、図1や図2には図示していないが、制御部12が動作するための電力は、蓄電部7もしくは放電回路9から供給されている。
[0035]
 また、制御部12や制御ユニット19の機能を維持するために、入力電圧が入力下限電圧以下の値であると制御部12が判定すると、放電回路9は直ちに負荷13へ供給する電力と比較して小さい電力での所定電圧を制御部12や制御ユニット19に供給する。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップEに相当する。
[0036]
 つぎに、制御部12は放電回路9の出力電圧と出力電流を検出する。なお、放電回路9の出力の代わりに、出力部11における出力電圧と出力電流とを検出してもよい。言い換えると、制御部12は負荷13へ供給する電力(以下、『出力電力』と表す)を検出する。ここで、負荷13へ供給する電力は、放電回路9の出力電圧と出力電流との積(または、出力部11における出力電圧と出力電流の積)によって制御部12で求められてもよい。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップFに相当する。ここで、放電回路9と出力部11とは別の構成要素として説明しているが、放電回路9が出力部11を含んでいてもよい。
[0037]
 つぎに、ステップFで検出した出力電圧と出力電流を用い、制御部12は電力閾値と出力電力とを比較する。電力閾値は、蓄電部7の最大蓄電容量と、放電回路9から負荷13へ電力を供給するにあたって費やす放電時間と、などに基づいて決定される。なお、電力閾値の決定方法はこれに限定されるものではない。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップFに相当する。ステップGにおいて、出力電力が電力閾値以下のとき、制御部12によって放電回路9は、継続して出力指示電圧を第1電圧値として動作するよう指示される(ステップGの『No』)。
[0038]
 この一方で、出力電力が電力閾値よりも大きくなったときは、制御部12が放電回路9に対して出力指示電圧を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる。これは、図3AのフローチャートにおけるGおよびステップHに相当する。
[0039]
 ここで図4を用いて、制御部12が、放電回路9に対して出力指示電圧V1を第1電圧値に維持するよう指示する場合と、出力指示電圧V3を第1電圧値から出力電圧V2に変化させる場合とを比較する。
[0040]
 図4には、制御部12が、放電回路9に対して出力指示電圧V1を第1電圧値に維持した場合の出力電圧V2の変化を示す。また、制御部12が、放電回路9に対して出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させるよう指示する場合の出力電圧V4の変化を示している。更に、出力部11からの出力電力W1の変化も示している。
[0041]
 ここで、負荷13が電動機である例で説明する。図4のW1に示すように、負荷13(電動機)を起動させるためにt0のタイミングで負荷13へ放電回路9が電力を供給し始める。t0からt2のタイミングまで、負荷13の動作は定常状態にはなっていない。つまり、t0からt2までの間、つまり、電動機に電力が供給されてから定速での回転を始めるまでの間、一時的に負荷13へは大きな電流が流れる。そしてこのとき、蓄電部7と放電回路9とによって負荷13へ供給可能な電力には限界が存在する。
[0042]
 そのため、図4に示す通り、放電回路9に対する出力指示電圧V1が第1電圧値で維持される制御の場合、瞬間的に負荷13へ大きな電力を供給するために大きな電流が流れるときには、放電回路9の出力電流の値が大きくなり過ぎても放電回路9は放電電力を維持する状態で動作を続ける。よって放電電力を維持するがために、一時的に放電回路9の出力電圧V2が大幅に低下してしまう場合がある。つまり、放電回路9から出力されて出力部11で検出される出力電圧V2と、制御部12が放電回路9に対して指示する出力指示電圧V1とは異なった値となり、出力電圧V2が出力指示電圧V1よりも低くなる。
[0043]
 放電回路9の出力電圧V2が低下しても、これは一時的な現象である。出力電力W1が一時的に増加しても、いずれ減少し、出力電力W1の減少に合わせて出力電圧V2は第1電圧値に一致するように戻る。
[0044]
 しかしながら、車載電源装置6が起動する非常電源モードでは、放電回路9は制御ユニット19や制御部12へ安定した電圧を供給する必要となる場合もある。よって、非常電源モードにおける放電回路9の出力電圧は制御ユニット駆動限界電圧VLo(以下、限界電圧VLoと表す)よりも、常時において高い電圧を維持する必要がある。このような制約が存在するにも関わらず、制御部12が放電回路9に対して出力指示電圧V1を第1電圧値で維持するよう制御する場合、放電電力を維持するがために、一時的に放電回路9の出力電圧V2が大幅に低下してしまい、出力電圧V2は限界電圧VLoより低い値へ低下してしまう可能性がある。
[0045]
 ここで、出力電力が電力閾値Wtよりも大きくなったタイミングであるt1で、制御部12が放電回路9に対して出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させるよう制御する場合について説明する。この時も、負荷13へ大きな電力を供給するために出力部11からは大きな電流が流れる。そして、放電回路9の出力電流の値が大きくなり過ぎても放電回路9は放電電力を維持する状態で動作を続ける。よって、ここでも放電電力を維持するがために、一時的に放電回路9の出力電圧V4が低下してしまうおそれが生じる。しかしながら、出力指示電圧V3が第2電圧値へと低下させられているので、放電回路9における出力電流の許容量が大きくなる。このため、瞬間的に負荷13へ大きな電流が流れても、これに伴う放電回路9の出力電圧V4の低下量は大幅に抑制される。これにより、放電回路9の出力電圧V4は限界電圧VLoよりも高い電圧を維持することが容易となる。この結果として、車載電源装置6が起動する非常電源モードにおいても、放電回路9は制御ユニット19および制御部12に安定した電圧を供給することができる。当然ながらここで、第2電圧値は限界電圧VLoよりも高い電圧値である。
[0046]
 図4のタイミングチャートにおいて、放電回路9の出力指示電圧V1が第1電圧値で維持される制御で一時的に放電回路9の出力電圧が大幅に低下してしまう領域を出力電圧V2に網掛けで示している。放電回路9の出力指示電圧V3が第1電圧値から第2電圧値へと低下させられる制御で一時的に放電回路9の出力電圧V4が大幅に低下してしまう領域を出力電圧V4に網掛けで示している。これらの網掛けの面積は概ね放電回路9における出力電力W1の電力の不足分に相当することになる。したがって、負荷13に応じて変化することとなる出力電圧V2に示す網掛け領域の面積と、出力指示電圧V3の水準を変化させることで設定される出力電圧V4に示す網掛け領域の面積とを概ね一致させる。言い換えると、不足電圧を積分した値と、出力指示電圧の水準を低下させた値を積分した値とを概ね一致させるとよい。これにより、瞬間的に負荷13へ大きな電流が流れても、これに伴う放電回路9の出力電圧V4の低下は大幅に抑制することができる。あるいは、瞬間的に負荷13へ大きな電流が流れても、放電回路9の出力電圧V4が第2電圧値以下へ低下することを防止することができる。図4のタイミングチャートでは、第2電圧値は一定値として図示されているが、負荷13からの影響を受ける場合もあるため、脈動する場合もある。
[0047]
 以上のように、制御部12が図3AのフローチャートにおけるステップGおよびステップHにおいて図4のタイミングチャートに準じた制御を行うことにより、車載電源装置6は安定して動作することができる。つまり、蓄電部7に補助的な蓄電素子(例えば図9の補助蓄電素子4)が設けられることなく、蓄電部7と放電回路9とによって安定した出力電圧V4が出力される。したがって、車載電源装置6は小型化が可能となる。
[0048]
 以上の説明では、制御部12が出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させるための、制御部12からの放電回路9への指示に関する動作の側面から説明している。これに対して、放電回路9の動作の側面から説明しても、動作の順序は同様である。
[0049]
 例えば、上述した通り、非常電源モードにおいて出力電力W1が電力閾値Wtよりも大きくなったとき、「制御部12が出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる」と説明したが、これらの制御および動作ではなくてもよい。例えば、「制御部12からの制御によって、放電回路9の出力電圧V4が第1電圧から第2電圧に低下する」と説明してもよい。ここで述べた制御および動作に関する説明の置き換えについては、同様の動作および同様の制御において適用できる。
[0050]
 また、「制御部12は出力指示電圧を第1電圧値とする」と説明したが、「制御部12は放電回路9に対して第1電圧値を出力するように制御する」に置き換えても構わない。さらに他の例として、「制御部12は出力指示電圧V3を第2電圧値とする」と説明したが、「制御部12は放電回路9に第2電圧値を出力させる」に置き換えても構わない。
[0051]
 また図4には、便宜上、非常電源モードにおいて出力指示電圧V3が第2電圧値に低下したときに、出力電圧V4は出力指示電圧に相似した波形として示している。しかしながら、出力電圧V4はt1からt3までの期間において小さな変動が生じていてもよい。出力電圧V4はt1からt3の期間において限界電圧VLoよりも高い電圧を維持する。
[0052]
 ここでさらに、図3Aのフローチャートに示すステップIおよびステップJの動作が行われてもよい。先にも例に挙げたように負荷13が電動機であったとすると、出力電力W1の変動の軌跡は概ね負荷13である電動機のトルク変動の軌跡に相当する。そして、出力電力W1の軌跡は時間の経過とともに極大値を過ぎて低下を始め、t2のタイミングでは電力閾値Wtよりも低くなる。後で述べるように、t2のタイミングよりも後のt3のタイミングでは、負荷13は定常動作状態に近くなることでトルクはさらに低下し、t3のタイミングにおいても出力電力W1は電力閾値Wtよりも低くなる。
[0053]
 出力電力W1の低下は、負荷13である電動機の動作(主に回転)が定常状態になったこと、または定常状態に近づいたことによるものであり、負荷13の動作が定常状態となった後では、大きな出力電力は要求されない。したがって、負荷13が定常状態となったと見なすことが可能なタイミングで、放電回路9への出力指示電圧V3は第2電圧値から第1電圧値へと戻されるとよい。これにより、放電回路9からの出力電圧V4は、限界電圧VLoに対して余裕をもって常に高くなる。よって、放電回路9は制御ユニット19および制御部12に安定して駆動電圧を供給することができる。
[0054]
 放電回路9への出力指示電圧V3が第2電圧値から第1電圧値へと戻されるタイミングは、先に用いた電力閾値Wtよりも出力電力W1が再び小さくなったタイミングのt2であってもよい。放電回路9への出力指示電圧V3が第2電圧値から第1電圧値へと戻されるタイミングは、t2のタイミングから所望の期間を経過したt3であってもよい。図4に示す例では、t3のタイミングで放電回路9への出力指示電圧V3は第2電圧値から第1電圧値へと戻されている。以上は、図3AのフローチャートにおけるステップIおよびステップJの動作に相当する。
[0055]
 先にも述べたように、ここの説明では、制御部12が出力指示電圧V3を第2電圧値から第1電圧値へと戻している。つまり、制御部12による指示に関する側面から動作を説明している。これに対して、放電回路9の動作に関する側面から動作を説明してもよい。「制御部12が出力指示電圧を第2電圧値から第1電圧値へと戻す」と説明している制御および動作は、「制御部12からの制御によって放電回路9の出力電圧は第2電圧から第1電圧に戻る」との置き換えても構わない。
[0056]
 図4のタイミングチャートでは、負荷13の定常状態での動作はt4のタイミングまで継続する。そしてt4のタイミングで、負荷13である電動機の動作が動作範囲の限界に達する。言い換えると電動機が回転していた状態から回転限界に達することによって、再び負荷13へは大きな電流が流れ、大きな電力が供給される。このタイミングであるt4およびt4以降では、車載電源装置6の主な動作は完了している。したがって、t4のタイミング以後では、出力指示電圧V3を別の水準へと変化させる必要はない。
[0057]
 本実施の形態の車載電源装置6は、車両14における異常状態の発生の有無に対して一層正確な判定が可能となる。この結果、車載電源装置6は必要なタイミングで非常電源モードとして動作することができる。
[0058]
 (実施の形態2)
 次に実施の形態2について図3B、図5、図6を参照しながら説明する。
[0059]
 図5は、実施の形態2における車載電源装置6を搭載した車両14の構成を示すブロック図である。なお、図2に示す車両14の構成と、図5に示す車両14の構成とで、同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する場合がある。
[0060]
 図3Bは、本実施の形態2における車載電源装置の動作を説明するフローチャートである。図3Aに示すフローチャートと、図3Bに示すフローチャートで異なるステップはステップDだけである。
[0061]
 図5に示すように、車載電源装置6には、制御部12に接続された衝突信号受信部20が設けられている。制御部12は入力部10の入力電圧を常時において検出する。なお、制御部12は入力電圧を充電回路8から検出してもよい。そして制御部12は、(1)入力電圧が入力下限電圧よりも低くなったと検出する、(2)衝突信号受信部20を介しての衝突信号を受信検出する、(1)、(2)の少なくともいずれか一方を検出すると、ステップDでは『YES』に進み、実施の形態1と同様に、車載電源装置6は非常電源モードとして動作する(ステップE~ステップH)。また、実施の形態1と同様に実施の形態2でもステップIおよびステップJが実施されても良い。
[0062]
 なお、本実施の形態においても、非常電源モードでは、図5には図示していないが、制御部12が動作するための電力は、蓄電部7もしくは放電回路9から供給されている。
[0063]
 車載電源装置6の非常電源モードは、上述した実施の形態1と同様である。制御部12は充電回路8による蓄電部7への充電を停止させたあと、放電回路9に対する出力指示電圧を第1電圧値とし(ステップE)、放電回路9に蓄電部7の電力の放電を始めさせる。そして、出力電力W1が電力閾値Wtよりも大きくなったとき、制御部12が放電回路9への出力指示電圧を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる(ステップH)。
[0064]
 本実施の形態の車載電源装置6は実施の形態1と同様に、車両14における異常状態の発生の有無に対して一層正確な判定が可能となる。この結果、車載電源装置6は必要なタイミングで非常電源モードとして動作することができる。
[0065]
 図5に示す通り、衝突信号受信部20は車体15に配置された衝突検出部21に接続されているので、車両14が事故に遭遇した場合に、衝突検出部21から衝突信号受信部20を介して制御部12へ衝突信号が送信される。なお、衝突信号受信部20と制御部12とは説明の便宜上で個別の構成要素として示しているが、衝突信号受信部20は制御部12に含まれていても構わない。
[0066]
 本実施の形態では、車載電源装置6の通常モードについて特に説明は無いが、制御部12が、入力電圧が入力下限電圧より高いことを検出し、かつ、制御部12が、衝突信号受信部20を介しての衝突信号の受信を検出していない場合、車載電源装置6は通常モードとして動作する。
[0067]
 なお、図4を用いて説明した実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、非常電源モードで車載電源装置6を動作させるとき、制御部12は、出力電力W1が電力閾値Wtより高くなったとき(ステップG)、放電回路9に対して出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる。
[0068]
 図6の車載電源装置の動作を示すタイミングチャートで示すように、放電回路9への出力指示電圧が第1電圧値から第2電圧値へと低下させるタイミングは、図3Aおよび図3BのステップGに示す通り、出力電力と電力閾値とを比較して判断している。しかしながら図3Cおよび図3DのステップGに示すように出力電流I1と電流閾値Itとを比較して判断してもよい。いいかえると、後述する実施の形態3を含め、本開示の実施の形態全てにおいて、出力電力には出力電流が、電力閾値には電流閾値が用いられてもよい。
[0069]
 上述した図4と同様に、図6に示す負荷13が電動機であったとして説明する。この場合、負荷13を起動させるためにt0のタイミングで負荷13へ放電回路9が電力を供給し始めたとする。t0のタイミングから負荷13へ電流が流れ始める。t0からt2までの間、負荷13の動作が定常状態となる前まで(電動機に電力が供給されてから定速での回転を始めるまで)は、一時的に負荷13へは大きな電流(図6に出力電流I1として示す)が流れるが、出力電圧の低下はt0のタイミングでは始まらない。
[0070]
 言い換えると、出力電圧V4の低下は、蓄電部7と放電回路9とによって負荷13へ供給可能な電力の限界に接近した時に始まる。つまり、出力電圧V4の低下は、出力電流I1が流れると直ちに始まるのではなく、出力電流I1が電流閾値It以上となったタイミングのt1のタイミングで始まる。したがって、制御部12が放電回路9へ出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させるかどうかの判断は、出力電流I1と電流閾値Itとにもとづいて実施されることで、正確な判断が可能となる。
[0071]
 (実施の形態3)
 次に、図7を参照しながら、制御部12による出力指示電圧V3の別の制御方法について説明する。
[0072]
 実施の形態1または実施の形態2では、車載電源装置6の非常電源モードの動作については、出力電力W1が電力閾値Wtより大きくなったとき、または、出力電流I1が電流閾値Itより大きくなったとき(ステップGの『Yes』)、制御部12は放電回路9に対する出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させていた(ステップH)。
[0073]
 この一方、本実施の形態では、図7に示す通り、非常電源モードにおいて、出力電流I1が、電流閾値Itより大きくなったとき、制御部12は放電回路9に出力指示電圧を第1電圧値から第2電圧値へと出力電流の値に応じて連続的または段階的に順次低下させる制御を実施している。
[0074]
 なお、ここでは、出力電流I1および電流閾値Itを用いて説明したが、ステップGにおける判断において、出力電流I1および電流閾値Itの代わりに、図3Aと同様に、出力電力W1および電力閾値Wtを用いてもよい。
[0075]
 図7のタイミングチャートに示すように、制御部12は放電回路9に対して、出力電流I1が最大になるタイミングのt11で出力指示電圧が第2電圧値となるように漸減させる制御を行っている。これにより、実際に検出される出力電圧V4は、出力指示電圧V3に概ね同期して漸減するものの、検出される出力電圧が限界電圧VLoに近接する期間を短くすることができる。この結果、放電回路9からの出力電圧V4は、限界電圧VLoより高くなる。よって、放電回路9は制御ユニット19や制御部12に安定して駆動電圧を供給することができる。
[0076]
 (実施の形態4)
 次に図8を参照しながら、本開示の実施の形態4における車載電源装置6を搭載した車両14について説明する。
[0077]
 図8に示す車両14と図3に示す車両14との構成の違いは、図8に示す車載電源装置6が蓄電部7の残留蓄電量を検出する残留検出部23をさらに備えている点である。その他の構成については同様であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
[0078]
 残留検出部23は蓄電部7の残留蓄電量を検出することができ、その検出結果が制御部12に入力される。そして制御部12では、残留検出部23から入力された残留蓄電量にもとづいて、電力閾値Wtの値が決定される。
[0079]
 この構成により、蓄電部7の残留蓄電量が低下すると、放電回路9から負荷13へ供給可能な電力もまた低下する。しかしながら、放電回路9は蓄電部7の残留蓄電量に応じた電力が出力されるように制御部12によって制御されているので、車載電源装置6は安定した電力供給が可能となる。
[0080]
 上述した実施の形態では、制御部12は非常電源モードで車載電源装置6を動作させるにあたって、出力電流I1と出力電圧V4とによる出力電力W1が電力閾値Wtより大きくとなったとき、制御部12は放電回路9に対して出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる制御を行う。なお、出力電流I1が電流閾値Itより大きくなったとき、制御部12は放電回路9に出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる制御を行ってもよい。
[0081]
 なお、上述した実施の形態では制御部12が出力指示電圧V3を低下させるタイミングは、図4に示したt1などとして、電力閾値Wtや電流閾値Itに関連して決定されている。
[0082]
 なお、制御部12は出力指示電圧V3を低下させたうえで、出力電流I1に上限値を設けたうえで、車載電源装置6を非常電源モードで動作させてもよい。当然ながら、出力電流I1に設定された上限値は、負荷13が電動機である場合には上記の出力指示電圧V3において、電動機が回転を始めることが可能な値、つまり負荷13が動作可能な値よりも大きな値とする。
[0083]
 一例として、具体的な値を用いて説明する。制御部12が車載電源装置6を非常電源モードで動作させるときに、車載電源装置6が蓄電部7の満充電時に200Wの電力を20Aの電流と10Vの電圧によって出力可能な能力を有すると仮定する。ここで、蓄電部7が満充電であるか否かにかかわらず、出力電力W1が電力閾値Wt以上となったときには、車載電源装置6の出力電力が80Wへと低下させられる。つまり、10Aの電流と8Vの電圧とによって出力するように充電回路8は制御部12に制御されてもよい。出力電圧の8Vは、制御部12による出力指示電圧であればよい。つまり、図4に示した出力電力W1が電力閾値Wt以上となったt1のタイミングで、制御部12は出力指示電圧V3を低下させ、さらに制御部12は出力電流I1を上限値以下に抑制する。
[0084]
 これにより、制御部12によって出力指示電圧V3が下げられているときには、蓄電部7から放電回路9へ供給される電力も、抑制されることになる。図1に示すように、蓄電部7の内部には内部抵抗Rが存在する。したがって蓄電部7から放電回路9へ供給される電力が低下することに伴って蓄電部7に流れる電流も低下し、必然的に内部抵抗Rによって生じる電圧降下も低下する。この結果として、車載電源装置6からの出力電力W1を低下させたときには、蓄電部7での内部損失も小さくなる。このため、図4に示すt1のタイミングからt3のタイミングにかけて、蓄電部7の電圧は変動し易い状況におかれるものの、内部損失が抑制されるので、蓄電部7から放電回路9へ供給される電圧および電流は安定する。
[0085]
 当然ながら、制御部12によって出力指示電圧V3が下げられているときに、放電回路9からの出力電圧V4は出力指示電圧V3に忠実に追従しやすくなる。そして、放電回路9の出力電圧V4は限界電圧VLoよりも高い電圧を維持することが容易となる。
[0086]
 上記では、蓄電部7が満充電であるか否かにかかわらず、出力電力W1が電力閾値Wt以上となったとき、または、出力電流I1が電流閾値It以上となったときには、車載電源装置6が出力電力W1または出力電流I1を上限値以下に抑制している。この一方で、特に蓄電部7の残留蓄電量が低下した場合に、制御部12は蓄電部7の残留蓄電量に応じて出力電力W1を設定し、残留蓄電量に応じて設定された電力を出力するように放電回路9が制御部12に制御されてもよい。これにより、車載電源装置6は非常電源モードにおいて変動が少なく安定した電力供給が可能となる。
[0087]
 ここでも非常電源モードでは、図8には図示していないが、制御部12が動作するための電力は、蓄電部7または放電回路9から供給されている。
[0088]
 なお、上述した実施の形態における負荷13としては、起動時に一時的に大きな電流が必要となるモータなどが挙げられる。例えばドアロック解除のために動作するモータや、ドアラッチを解除するために動作するモータなどである。
[0089]
 以上の実施の形態に関する説明では便宜上、制御部12は独立した要素として図示しているが、制御部12が有する機能は、蓄電部7、放電回路9、充電回路8、入力部10、出力部11などに分散されて配置されても構わない。
[0090]
 (まとめ)
 本開示の車載電源装置6は、蓄電部7と、蓄電部7の充電経路に設けられ、蓄電部7へ電力を充電する充電回路8と、蓄電部7の出力経路に設けられ、蓄電部7の電力を放電する放電回路9と、充電回路8に接続された入力部10と、放電回路9に接続された出力部11と、入力部10の入力電圧と、出力部11の出力電流と、出力部11の出力電圧と、を検出し、充電回路8および放電回路9を制御する、制御部12と、を備え、制御部12が、非常動作条件が満たされていると判断したとき、制御部12は、充電回路8から蓄電部7への充電を停止させた後、放電回路9の出力の目標電圧値である出力指示電圧V3を第1電圧値に設定し、更に、制御部12は放電回路9が蓄電部7に充電されている電力を放電するように制御し、放電回路9から出力される電力が電力閾値Wtより高くなると、制御部は出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させる。
[0091]
 上述した本開示の車載電源装置6は、入力電圧が入力下限電圧より低くなったことを制御部12が検出することによって非常動作条件は満たされても良い。
[0092]
 上述した本開示の本開示の車載電源装置6は、制御部12に接続され、衝突信号を受信する衝突信号受信部20をさらに備え、衝突信号受信部20が衝突信号を受信することによって非常動作条件が満たされてもよい。
[0093]
 上述した本開示の車載電源装置6は、更に、放電回路9から出力される電力が電力閾値Wtより高くなったのち、電力閾値Wtよりも再び低くなると、出力指示電圧V3を第2電圧値から第1電圧値へと上昇させてもよい。
[0094]
 上述した本開示の車載電源装置6は、図6を参照しながら説明した通り、放電回路9から出力される電力と電力閾値Wtとの比較を、電流値を用いて行ってもよい。
[0095]
 上述した本開示の車載電源装置6は、図7を参照しながら説明した通り、制御部12が出力指示電圧V3を第1電圧値から第2電圧値へと低下させるとき、第1電圧値から第2電圧値へ連続的または段階的に低下させてもよい。
[0096]
 上述した本開示の車載電源装置6は、図8を参照しながら説明した通り、蓄電部7の残留蓄電量を検出する残留検出部23をさらに備え、残留検出部23によって検出された蓄電部7の残留蓄電量にもとづいて、電力閾値Wtが決定されてもよい。
[0097]
 また、本開示の車載電源装置6は、蓄電部7と、蓄電部7の充電経路に設けられ、蓄電部7へ電力を充電する充電回路8と、蓄電部7の出力経路に設けられ、蓄電部7の電力を放電する放電回路9と、充電回路8に接続された入力部10と、放電回路9に接続された出力部11と、入力部10の入力電圧と、出力部11の出力電流と、出力部11の出力電圧と、を検出し、充電回路8および放電回路9を制御する、制御部12と、を備え、制御部12が非常動作条件を満たしたと判断するとき、充電回路8は蓄電部7への充電を停止した後、放電回路9は第1電圧で放電し、更に、制御部12は放電回路9が蓄電部7に充電されている電力を放電するように制御し、放電回路9から出力される電力が電力閾値Wtより高くなると、放電回路9は、第1電圧値より低い第2電圧値で放電する。
[0098]
 本開示の車両14は、上述したいずれかの車載電源装置6と、車載電源装置6が搭載される車体15と、車体15に搭載され、車載電源装置6に電力を供給する車両バッテリー17とを備える。
[0099]
 本開示によれば、車載電源装置は特に例えば非常電源モードなどの大きな出力電力が必要となったときに、出力指示電圧を所定値相当で低下させる。これにより、出力電力が供給限界に接近することに伴って生じる一時的な出力電圧の脈動、言い換えると負荷からの影響によって生じる一時的な出力電圧の脈動が抑制される。このため、出力電圧の大きな変動が緩和される。したがって、車載電源装置は補助的な蓄電素子を増設することなく安定した電圧を出力することができる。この結果、車載電源装置は安定的に動作することができ、同時に小型化が可能となる。

産業上の利用可能性

[0100]
 本開示の車載電源装置は、安定的に動作することができ、同時に小型化が可能となるという効果を有し、各種電子機器において有用である。

符号の説明

[0101]
 1、6 車載電源装置
 2、13 負荷
 3 蓄電素子
 4 補助蓄電素子
 5 切換部
 7 蓄電部
 8 充電回路
 9 放電回路
 10 入力部
 11 出力部
 12 制御部
 14 車両
 15 車体
 16 スイッチ
 17 車両バッテリー
 18 送電路
 19 制御ユニット
 20 衝突信号受信部
 21 衝突検出部
 23 残留検出部
 30 出力部
 I1 出力電流
 It 電流閾値
 V1、V3 出力指示電圧
 V2、V4 出力電圧
 VLo 限界電圧
 W1 出力電力
 Wt 電力閾値

請求の範囲

[請求項1]
 蓄電部と、
 前記蓄電部の充電経路に設けられ、前記蓄電部へ電力を充電する充電回路と、
 前記蓄電部の出力経路に設けられ、前記蓄電部の電力を放電する放電回路と、
 前記充電回路に接続された入力部と、
 前記放電回路に接続された出力部と、
 前記入力部の入力電圧と、前記出力部の出力電流と、前記出力部の出力電圧と、を検出し、前記充電回路および前記放電回路を制御する、制御部と、
を備え、
 前記制御部が、非常動作条件が満たされていると判断したとき、前記制御部は、前記充電回路から前記蓄電部への充電を停止させた後、前記放電回路の出力の目標電圧値である出力指示電圧を第1電圧値に設定し、
 更に、前記制御部は前記放電回路が前記蓄電部に充電されている電力を放電するように制御し、
 前記放電回路から出力される電力が電力閾値より高くなると、前記制御部は前記出力指示電圧を前記第1電圧値から第2電圧値へと低下させる、
車載電源装置。
[請求項2]
 前記入力電圧が入力下限電圧より低くなったことを前記制御部が検出することによって前記非常動作条件は満たされる、
請求項1に記載の車載電源装置。
[請求項3]
 前記制御部に接続され、衝突信号を受信する受信部をさらに備え、
 前記受信部が前記衝突信号を受信することによって前記非常動作条件が満たされる、
請求項1に記載の車載電源装置。
[請求項4]
 前記放電回路から出力される電力が前記電力閾値より高くなったのち、前記電力閾値よりも再び低くなると、前記出力指示電圧を前記第2電圧値から前記第1電圧値へと上昇させる、
請求項1に記載の車載電源装置。
[請求項5]
 前記放電回路から出力される電力と前記電力閾値との比較を、電流値を用いて行う、
請求項1に記載の車載電源装置。
[請求項6]
 前記制御部が前記出力指示電圧を前記第1電圧値から前記第2電圧値へと低下させるとき、前記第1電圧値から前記第2電圧値へ連続的または段階的に低下させる、
請求項1に記載の車載電源装置。
[請求項7]
 前記蓄電部の残留蓄電量を検出する残留検出部をさらに備え、
 前記残留検出部によって検出された前記蓄電部の前記残留蓄電量にもとづいて、前記電力閾値が決定される、
請求項1に記載の車載電源装置。
[請求項8]
 蓄電部と、
 前記蓄電部の充電経路に設けられ、前記蓄電部へ電力を充電する充電回路と、
 前記蓄電部の出力経路に設けられ、前記蓄電部の電力を放電する放電回路と、
 前記充電回路に接続された入力部と、
 前記放電回路に接続された出力部と、
 前記入力部の入力電圧と、前記出力部の出力電流と、前記出力部の出力電圧と、を検出し、前記充電回路および前記放電回路を制御する、制御部と、
を備え、
 前記制御部が非常動作条件を満たしたと判断するとき、前記充電回路は前記蓄電部への充電を停止した後、前記放電回路は第1電圧値で放電し、
 更に、前記制御部は前記放電回路が前記蓄電部に充電されている電力を放電するように制御し、
 前記放電回路から出力される電力が電力閾値より高くなると、前記放電回路は、前記第1電圧値より低い第2電圧値で放電する、
車載電源装置。
[請求項9]
 請求項1に記載の車載電源装置と、
 前記車載電源装置が搭載される車体と、
 前記車体に搭載され、前記車載電源装置に電力を供給する車両バッテリーと、
を備えた車両。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 3D]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]