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1. (WO2018180596) 車両用表示装置
Document

明 細 書

発明の名称 車両用表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

符号の説明

0081  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1A   1B   1C   2   3   4   5A   5B   5C   6  

明 細 書

発明の名称 : 車両用表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用表示装置に関する。本発明は、特に、ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、ユーザーに適切な情報を提供可能な車両用表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 車両用表示装置として、車両のフロントウィンドウシールド(ウィンドウシールド又はフロントガラスとも呼ばれる)等の透光部材に表示画像を投影することによって、フロントウィンドウシールドで反射される表示画像の光を用いて運転席に座ったユーザーに、虚像を視認させる、いわゆるヘッドアップディスプレイがある。このような車両用表示装置では、虚像は、運転席に座ったユーザーによって、車両のフロントウィンドウシールドより車両進行方向前側(車両前方側)に虚像が結像されるように視認される。このような車両用表示装置の一般的な構成として、例えば、表示画像を表示する画像表示部と、この表示画像を車両のフロントウィンドウシールドに投影する凹面鏡を含む光学系から構成される投影部と、を含む。
[0003]
 このような車両用表示装置が備えられている車両の運転席に座るユーザーは、例えば車両前方の道路に他の車両、障害物等が存在する情報を与える虚像を、フロントウィンドウシールド越しに見える風景と重畳された状態で、視認することができる。虚像が視認される位置がフロントウィンドウシールドの鉛直方向上側になるにつれて、虚像は、フロントウィンドウシールド越しに見える風景のうち距離が遠い側の景色と重畳されて視認される。その一方で、虚像が視認される位置がフロントウィンドウシールドの鉛直方向下側になるにつれて、虚像は、フロントウィンドウシールド越しに見える風景のうち距離が近い側の風景と重畳される。
[0004]
 ここで、ユーザーの座高、ユーザーが調整した運転席の位置、ユーザーの着席姿勢等によって、運転席に座るユーザーの視点の位置は一定ではない。例えば、表示画像が投影される位置が固定されているときは、運転席に座るユーザーの視点の位置が高くなるにつれて、虚像は、フロントウィンドウシールド越しに見える風景のうち距離が近い側の風景と重畳される。このように、運転席に座るユーザーの視点の位置が変化することによって、虚像が重畳される風景内の対象がずれるため、ユーザーに違和感を与える可能性がある。
[0005]
 そこで、例えば、特許文献1には、車両の運転席に座るユーザーの視点の位置に応じて、投影部の凹面鏡を含む光学系の投影方向を調整するヘッドアップディスプレイ装置(車両用表示装置)が示されている。特許文献1に示されている車両用表示装置は、投影部の凹面鏡の投影角度を調整する凹面鏡アクチュエータと、車両の運転席に座るユーザーの視点の位置を取得する視点検知カメラと、を備える。
[0006]
 特許文献1に示されている車両用表示装置は、視点検知カメラで取得した車両の運転席に座るユーザーの視点の位置が高いときに、表示画像がフロントウィンドウシールドの鉛直方向上側に投影されるように、凹面鏡アクチュエータを制御する。その一方で、特許文献1に示されている車両用表示装置は、視点検知カメラで取得した車両の運転席に座るユーザーの視点の位置が低いときに、表示画像がフロントウィンドウシールドの鉛直方向下側に投影されるように、凹面鏡アクチュエータを制御する。したがって、特許文献1に示される車両用表示装置は、車両の運転席に座るユーザーの視点の位置が変化したときであっても、フロントウィンドウシールド越しに見える風景のうち虚像が重畳される対象が大きくずれることが防止されるように構成されている。その結果、ユーザーに与える違和感を軽減することができる。
[0007]
 また、特許文献1に記載されている車両用表示装置では、フロントウィンドウシールド越しに見える風景のうち虚像が重畳される対象がずれることの解消が不十分であることに鑑み、特許文献2に示されている車両用表示装置は、ユーザーの視点の位置に応じて、画像表示部の表示面のうちの一部である画像の表示に使用する使用領域を決定することができる。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2014-210537号公報
特許文献2 : 特開2016-155446号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 しかしながら、特許文献2に記載されている車両用表示装置では、ユーザーによって認識される虚像の歪みを本発明者らは認識し、さらに、その虚像の歪みに起因してユーザーが違和感を覚えてしまうことを、本発明者らは認識した。
[0010]
 本発明の1つの目的は、ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、ユーザーに適切な情報を提供可能な車両用表示装置を提供することにある。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び好ましい実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明に従う第1の態様は、画像を表示可能な表示面を有する画像表示部と、
 前記画像表示部が表示する前記画像を生成する画像生成部と、
 前記車両の透光部材で前記画像が反射されることによって、前記車両の運転席に座る前記ユーザーが虚像を視認できるように、前記画像を前記車両の前記透光部材に向けて投影する投影部と、
 を備え、
 前記画像生成部は、前記ユーザーの視点の位置に応じて、前記画像表示部の前記表示面のうちの一部として前記画像の表示に使用する使用領域内の表示コンテンツの、水平方向に対応する方向における長さを決定する車両用表示装置に関する。
[0012]
 車両用表示装置において、ユーザーが視認する虚像は、画像表示部の表示面のうち使用領域に表示された画像がフロントウィンドウシールド等の透光部材によって反射されたものである。そのため、虚像が結像される領域は、表示面の一部である使用領域に対応する。ここで、画像生成部は、ユーザーの視点の位置(メーカ又はユーザーによって設定又は調整された視点の位置、又は例えば視点位置取得部が取得する視点の位置)に応じて、画像表示部の表示面の一部である使用領域内の表示コンテンツの、水平方向に対応する方向における長さを決定する。その結果、第1の態様の車両用表示装置は、ユーザーによって認識される虚像の歪みに対処することができる。したがって、第1の態様の車両用表示装置は、ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、ユーザーに適切な情報を提供することができる。
[0013]
 本発明に従う第2の態様では、第1の態様において、前記画像生成部は、前記ユーザーの前記視点の位置が鉛直方向上側にいくにつれて、前記使用領域内の前記表示コンテンツの、前記水平方向に対応する方向における上側の長さを下側の長さよりも短く決定する一方で、
 前記画像生成部は、前記ユーザーの前記視点の位置が鉛直方向下側にいくにつれて、前記使用領域内の前記表示コンテンツの、前記水平方向に対応する方向における上側の長さを下側の長さよりも長く決定してもよい。
[0014]
 第2の態様において、画像生成部は、鉛直方向におけるユーザーの視点の位置に応じて、表示面の使用領域内の表示コンテンツの、水平方向に対応する方向における上側の長さ及び/又は下側の長さを適切に決定することができる。
[0015]
 本発明に従う第3の態様では、第1又は第2の態様において、前記画像生成部は、前記ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、前記ユーザーが認識する前記表示コンテンツの前記虚像の形状が一定となるように、前記使用領域内の前記表示コンテンツの、前記水平方向に対応する方向における前記上側の長さ及び前記下側の長さを決定してもよい。
[0016]
 ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、ユーザーが認識する表示コンテンツの虚像の形状が一定になることによって、ユーザーに適切な情報を提供することができる。
[0017]
 本発明に従う第4の態様では、第3の態様において、前記画像生成部は、前記ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、前記ユーザーが認識する前記表示コンテンツの前記虚像の形状が長方形又は正方形となるように、前記使用領域を決定してもよい。
[0018]
 ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、ユーザーが認識する表示コンテンツの虚像の形状が長方形又は正方形になることによって、ユーザーに適切な情報を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1A] 本発明の車両用表示装置の構成の例を示すブロック図である。
[図1B] 図1Aに示される画像表示部の構成の例を示す図である。
[図1C] 図1Aに示される投影部の断面図である。
[図2] 図1Aに示される車両用表示装置を備える車両の運転席に座るユーザーから見える風景及び虚像の例を示す図である。
[図3] 図1Aに示される車両用表示装置の動作の例を示すフローチャート図である。
[図4] 図4(A)、図4(B)及び図4(C)の各々は、ユーザーの視点の位置とユーザーが認識する表示コンテンツの虚像の形状(比較例)との関係を示す図である。
[図5A] ユーザーの視点の位置と図1Aに示される車両用表示装置の画像表示部によって表示される画像との関係を示す図である。
[図5B] ユーザーの視点の位置と図1Aに示される車両用表示装置の画像表示部によって表示される画像との関係を示す図である。
[図5C] ユーザーの視点の位置と図1Aに示される車両用表示装置の画像表示部によって表示される画像との関係を示す図である。
[図6] 本発明の車両用表示装置において、ユーザーの視点位置と、ユーザーが虚像を視認可能な領域と、ユーザーが虚像を視認可能な領域内が重畳する風景の路面における距離の範囲との関係を説明するための模式的な図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
[0021]
 図1A、図1B及び図1Cを参照して、本発明の車両用表示装置10の全体の構成の例を説明する。以下の説明を容易にするために、図1Aに示されるように、実空間において、例えば、車両1の進行方向を車両前方向とした車両前後方向にz軸を規定し、鉛直方向にy軸を規定し、車両前方向を向いて左右方向(車両左右方向)にx軸を規定する。このとき、x軸方向は車両左方向を表し、y軸正方向は鉛直方向上側を表し、z軸正方向は車両前方向を表す。
[0022]
 図1Aに示されるように、車両用表示装置10は、画像表示部20と画像生成部30と視点位置取得部40と投影部50とを備える。車両用表示装置10は、例えば、前方画像取得部61と前方画像解析部62とを含む前方情報取得部60を更に備えてもよい。
[0023]
 画像表示部20は、画像を表示可能な表示面21を有する。表示面21のうち、画像を表示可能な領域210を、例えば表示領域210という。表示面21の一例は、図1Bに示されるように、例えば、複数の画素22を有する液晶パネル21である。液晶パネル21において、表示領域210は、例えば、液晶パネル21全体の画素22である。画像表示部20の一例は、例えば液晶パネル21と液晶パネル21の駆動回路26とを有する液晶パネルモジュール20である。
[0024]
 画像表示部20は、例えば、画像生成部30によって生成される画像を表す信号を入力したときに、表示面21の表示領域210のうち、入力した信号に応じて表示面21の少なくとも一部の画素22を用いて画像を表示する。なお、以下の説明において、適宜、画像表示部20の例として液晶パネルモジュール20を用いて説明するが、画像表示部20は他の表示機器であってもよい。例えば、画像表示部20は、有機EL(Electro Luminescence)素子等の自発光表示パネルモジュールであってもよく、DMD(Digital Micromirror Device)、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)(登録商標)等の反射型表示パネルモジュールであってもよく、レーザー光を走査する走査型表示装置等であってもよい。
[0025]
 以下の説明を容易にするために、図1Bに示されるように、画像表示部20の表示面21を正面から見た視点において、例えば、表示面21の横方向にIx軸を規定し、表示面21の縦方向にIy軸を規定する。このとき、Ix軸正方向は表示面21の左方向を表し、Iy軸正方向は表示面21の上方向を表す。
[0026]
 視点位置取得部40は、例えば、車室内画像取得部41と車室内画像解析部42とを含む。視点位置取得部40は、車両1の運転席に座るユーザーの視点の位置100を取得する。以下、車両1の運転席に座るユーザーの視点の位置100を、ユーザー視点位置100とも呼ぶ。視点位置取得部40は、y軸方向及びz軸方向の少なくとも1方向におけるユーザー視点位置100を取得可能に構成される。視点位置取得部40は、y軸方向及びz軸方向の双方向におけるユーザー視点位置100を取得可能に構成されてもよい。
[0027]
 車室内画像取得部41は、例えば、車室内の画像を撮像する車内カメラである。車室内画像取得部41は、例えば、車両盗難等を防止する目的で取り付けられる共用の車内カメラ等であってもよく、車両用表示装置10専用の車内カメラ等であってもよい。車室内画像取得部41は、ユーザー視点位置100をユーザー視点位置100よりも鉛直方向下側から撮像することが好ましく、例えばステアリングハンドル3等に取り付けられていてもよい。また、車室内画像取得部41は、車室内が暗いときであってもユーザー視点位置100を取得できるように赤外線撮像が可能であることが好ましい。さらに、視点位置取得部40を少なくともz軸方向におけるユーザー視点位置100を取得可能に構成するために、視点位置取得部40は、例えばステレオカメラ等であってもよい。車室内画像取得部41は、例えば、取得した車室内の画像を車室内画像解析部42に出力する。
[0028]
 車室内画像解析部42は、例えば、公知の画像処理、パターンマッチング手法等を用いて、入力した車室内の画像を解析する。車室内画像解析部42は、入力した車両前方の画像を解析した結果、入力した車室内の画像に運転席に座るユーザーの顔が含まれているときは、ユーザー視点位置100の例えば実空間における座標(y,z)を特定することによって、ユーザー視点位置100を取得する。車室内画像解析部42は、例えば、取得したユーザー視点位置100を、CAN(Controller Area Network)バス通信等のバス5を介して、画像生成部30に出力する。ここで、車室内画像解析部42は、例えば、車内カメラの中に含まれて設けられていてもよく、画像生成部30が車室内画像解析部42の機能を含んでもよい。また、視点位置取得部40は、車内カメラによって鉛直方向におけるユーザー視点位置100を取得し、シート位置を検出する図示されていないセンサから信号を入力することによって車両前後方向におけるユーザー視点位置100を取得してもよい。さらに、画像生成部30は、バス5を介さずに車室内画像解析部42からユーザー視点位置100を直接入力してもよい。
[0029]
 前方情報取得部60は、例えば、前方画像取得部61と前方画像解析部62とを含む。前方情報取得部60は、例えば、車両前方向の道路の車線の位置情報、車両前方向に存在する他の車両及び障害物等の位置情報、車両前方向の道路標識の情報等の車両前方の情報を取得する。
[0030]
 前方画像取得部61は、例えば、車両前方の画像を撮像する車外カメラである。前方画像取得部61は、例えば、ドライブレコーダー等に用いられている共用の車外カメラ等であってもよく、車両用表示装置10専用の車外カメラ等であってもよい。また、車外カメラは、単眼カメラであってもよいが、車両前方に存在する物体と自車両1との距離を正確に取得するために、車外カメラはステレオカメラであることが好ましい。また、車外カメラは、車両前方が暗いときであっても車両前方の画像を撮像できるように、赤外線撮像が可能であってもよい。前方画像取得部61は、例えば、取得した車両前方の画像を前方画像解析部62に出力する。
[0031]
 前方画像解析部62は、例えば、公知の画像処理、パターンマッチング手法等を用いて、入力した車両前方の画像を解析する。前方画像解析部62は、入力した車両前方の画像を解析することによって、車両前方の道路形状に関する前方情報(車線、白線、停止線、横断歩道、道路の幅員、車線数、交差点、カーブ、分岐路等)を取得する。また、前方画像解析部62は、入力した車両前方の画像を解析することによって、車両前方に存在する他の車両、障害物等の位置、大きさ、自車両1との距離、自車両1との相対速度等の前方情報を取得する。前方画像解析部62は、例えば、取得した前方情報をバス5を介して、画像生成部30に出力する。ここで、前方画像解析部62は、例えば、車外カメラの中に含まれて設けられていてもよく、画像生成部30が前方画像解析部62の機能を含んでもよい。また、画像生成部30は、バス5を介さずに前方画像解析部62から前方情報を直接入力してもよい。
[0032]
 また、前方情報取得部60は、前方画像取得部61の代わりに、又は前方画像取得部61と併せて、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波センサ、又は他の公知のセンサ等を有してもよい。このとき、前方画像解析部62は、車両前方の画像の代わりに、又は車両前方の画像と併せて、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波センサ、または公知のセンサ等が出力するデータを入力して解析することによって、上述したような前方情報を取得してもよい。
[0033]
 ここで、前方情報取得部60は、例えば地図データを記憶する地図データ記憶部(具体的には、例えばSSD、HDD、DVD等のドライブ装置)であってもよく、又は車両の外部のサーバー、パーソナルコンピューター、車両の室内又は室外のスマートフォン等の情報機器であって地図データを記憶する情報機器からその地図データを受信可能な通信部(具体的には、例えばWi-Fi(登録商標)(wireless fidelity)モジュール、電話通信網モジュール等の通信モジュール)であってもよい。地図データは、2D地図データであってもよいが、好ましくは、3D地図データ、より好ましくは、高精度3D地図データであり、例えば、地図を構成する道路に関する情報である道路リンク情報を含み、前述の前方画像解析部62によって解析可能な道路形状に関する前方情報を含むことができる。
[0034]
 さらに、図1Aでは、車室内画像取得部41及び前方画像取得部61が、車両1の別の場所に取り付けられているように表されているが、必ずしもこの限りではなく、車室内画像取得部41及び前方画像取得部61が車両1の同じ場所に取り付けられていてもよい。また、車室内画像取得部41及び前方画像取得部61は1つの同じ筐体に設けられていてもよい。
[0035]
 画像生成部30は、処理部31と記憶部32とを含む。処理部31は、例えば、1又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、任意の他のIC(Integrated Circuit)等を有する。記憶部32は、例えば、書き換え可能なRAM(Random Access Memory)、読み出し専用のROM(Read Only Memory)、消去可能なプログラム読み出し専用のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ等のプログラム及び/又はデータを記憶可能な1または複数のメモリを有する。
[0036]
 画像生成部30は、例えば、記憶部32に記憶されているプログラムを処理部31が実行することによって、画像表示部20が表示する画像を生成する。画像生成部30は、前方情報取得部60から入力する前方情報に応じて、例えば車両前方の道路に他の車両、障害物等の報知対象物が存在することをユーザーに対して報知可能な報知マークを、生成する画像に含ませることができる。また、画像生成部30は、図示されていないナビゲーション装置からバス5を介して又は直接入力する信号に応じて、例えばルート情報をユーザーに対して提供可能なナビゲーションマークを、生成する画像に含ませることができる。加えて、画像生成部30は、図示されていない他のECU(Electronic Control Unit)等からバス5を介して又は直接入力する情報に応じて、例えば、燃料残量、現在の車速、燃費、バッテリの残量等の車両情報等の他の情報を、生成した画像に更に含ませることができる。なお、画像生成部30は、この他の情報のみを含んだ画像を生成してもよい。
[0037]
 また、画像生成部30は、視点位置取得部40から入力するユーザー視点位置100に応じて、画像表示部20の表示面21の表示領域210のうち画像の表示に使用する部分である使用領域220を決定する。使用領域220は、例えば、図1Bに示される画像表示部20の例において、液晶パネル21の画素22全体である表示領域210のうち画像の表示に使用する画素22の範囲220である。
[0038]
 例えば、画像生成部30の記憶部32には、ユーザー視点位置100と、そのユーザー視点位置100に対応した使用領域220を決定するためのパラメータとが対応付けられたテーブルが記憶されている。画像生成部30は、例えば、処理部31がテーブルを参照することによって、入力するユーザー視点位置100に対応した使用領域220を決定する。
[0039]
 また、例えば、画像生成部30の記憶部32には、ユーザー視点位置100に対応した使用領域220を決定するための演算式が記憶されている。画像生成部30は、例えば、処理部31が演算式を演算することによって、入力するユーザー視点位置100に対応した使用領域220を決定する。ユーザー視点位置100とユーザー視点位置100に対応した使用領域220との関係については、後述する。
[0040]
 投影部50は、画像表示部20が表示する画像を、車両1のフロントウィンドウシールド2等の透光部材2に向けて投影する。投影された画像を構成する光80は、フロントウィンドウシールド2によって車室内に反射される。以下、画像を構成する光80を画像光80とも呼ぶ。投影部50は、フロントウィンドウシールド2によって反射される画像光80が、ユーザー視点位置100に向かって入射するように、画像を投影する。また、車両1の透光部材2は、車両1に設けられるコンバイナであってもよい。
[0041]
 運転席に座るユーザーは、画像光80がユーザー視点位置100に入射することによって、フロントウィンドウシールド2より車両前方側に結像される虚像310を視認することができる。ユーザーは、例えば、フロントウィンドウシールド2越しに見える景色の少なくとも一部と、虚像310とが、重畳した状態で虚像310を視認することができる。この虚像310には、例えば、上述した報知マークの虚像である虚像報知マーク320、上述したナビゲーションマークの虚像である虚像ナビゲーションマーク340及び上述した他のマーク等の虚像マーク等が含まれる。
[0042]
 特に、図2において、虚像報知マーク320は、典型的には、例えば前方車両90等の報知対象物(風景)の外周を囲むマークであって、具体的には、四角形、より具体的には、正方形又は長方形である。もちろん、特許文献2の図2のように、虚像報知マーク320は、例えば、三角形であってもよい。
[0043]
 図1Cを用いて、投影部50の構造の例を説明する。投影部50は、例えば、筐体51の内部に、平面鏡54及び凹面鏡55等の光学系と、アクチュエータ56とを収納する。筐体51は、例えば、車両1のダッシュボード4の中に配置され、黒色の遮光性合成樹脂等で形成される上ケース52及び下ケース53を含む。上ケース52のz軸方向略中間には、上ケース開口部52aが設けられている。上ケース開口部52aは、例えば、透明の透光性合成樹脂等で形成される透明カバー57によって覆われている。下ケース53の車両後方側には、例えば、下ケース開口部53aが設けられている。下ケース開口部53aは、例えば、筐体51の外部に取り付けられる画像表示部20の表示面21から発せられる画像光80が入射可能に、下ケース53に設けられている。
[0044]
 平面鏡54は、例えば、図示されていない取り付け部材を介して下ケース53の車両後方側に取り付けられている。平面鏡54は、例えば、下ケース開口部53aから入射する表示面21から発せられる画像光80を車両前方向に向けて反射するように、その取り付け位置及びその取り付け角度が固定されている。
[0045]
 凹面鏡55は、例えば、アクチュエータ56を介して下ケース53の平面鏡54より車両前方側に取り付けられている。凹面鏡55は、アクチュエータ56によって、例えばx軸を回転軸として取り付け角度が回転させられ得る。凹面鏡55は、例えば、平面鏡54によって反射される画像光80を入射するように位置が固定され、入射する画像光80をフロントウィンドウシールド2に向かって反射するように、取り付け角度が微調整される。なお、取り付け角度に応じて、例えば、画像生成部30の記憶部32が記憶するユーザー視点位置100と、そのユーザー視点位置100に対応した使用領域220を決定するためのテーブル又は演算式が補正される。
[0046]
 特に、ユーザー視点位置100に対応した使用領域220内の虚像報知マーク320(広義には、表示コンテンツ)の、水平方向に対応する方向における長さを決定するためのテーブル又は演算式は、取り付け角度に応じて、補正されてもよい。
[0047]
 アクチュエータ56は、例えば、いずれも図示されていないモータ、減速機構、凹面鏡回転部材及び凹面鏡55の支持部材を含む。アクチュエータ56は、例えば、図示されていない取り付け部材を介して凹面鏡55の鉛直方向下側に下ケース53に取り付けられている。アクチュエータ56は、図示されていないアクチュエータ制御部から入力する信号に応じてモータを回転させ、減速機構によってモータの回転を減速して、凹面鏡回転部材に伝達し、凹面鏡55を回転させる。なお、アクチュエータ56は、必ずしも設けられている必要はない。
[0048]
 また、図1Cの筐体51の上ケース52において、上ケース開口部52aと平面鏡54との間には、遮光部52bが設けられている。遮光部52bは、例えば、上ケース開口部52aから入射する筐体51外部からの光が画像表示部20へ進行することを防止するために設けられる。図1Cを参照して説明した投影部50の構造の例は、一例に過ぎず、車両用表示装置10の投影部50の構造を何ら制限するものではない。
[0049]
 図2には、車両1の運転席に座るユーザーが、フロントウィンドウシールド2越しに見える風景及び虚像310の例が示されている。図2に示される例において、フロントウィンドウシールド2越しに見える風景の例として、車両前方に延びる3車線道路等及び車両前方に存在する他の車両(前方車両)90が示されている。図2に示されるフロントウィンドウシールド2越しに見える風景の例において、報知対象物は、前方車両90である。図2に示される例において、虚像310に、虚像報知マーク320が含まれている。図2に示される例において、虚像報知マーク320は、前方車両1と重畳されてユーザーに視認される。また、図2に示される例において、虚像310に、虚像ナビゲーションマーク340が含まれている。
[0050]
 また、図2に示される例において、領域300は、画像表示部20の表示面21における使用領域220に対応する領域300である。以下、画像表示部20の表示面21における使用領域220に対応する領域300を虚像領域300とも呼ぶ。すなわち、虚像領域300は、ユーザーが虚像310を視認可能な領域である。
[0051]
 また、図1Bの画像表示部20の表示面21におけるIx軸正方向は、例えば、虚像領域300においてx軸正方向、すなわち車両左方向に対応する。同様に、図1Bの画像表示部20の表示面21におけるIy軸正方向は、例えば、虚像領域300においてy軸正方向、すなわち鉛直方向上側に対応する。
[0052]
 図3を参照して、車両用表示装置10の動作の例を説明する。車両用表示装置10の動作は、例えば、車両1の電源がONされたとき、図示されていないエンジンが駆動されたとき、又は、車両1の電源がONもしくはエンジンが駆動されたときから所定待機時間が経過した後等に開始される。
[0053]
 ステップS01では、前方情報取得部60が前方情報を取得する。ステップS02では、視点位置取得部40がユーザー視点位置100を取得する。なお、ステップS01及びステップS02は、必ずしもこの順番である必要はなく、順番が入れ替わってもよい。
[0054]
 ステップS03では、画像生成部30は、ステップS01で前方情報取得部60によって取得された前方情報に応じて、例えば、報知マーク、ナビゲーションマーク及び他のマーク等(表示コンテンツ)を含ませた画像を生成する。なお、画像生成部30は、ユーザー視点位置100に応じた画像を生成する必要はないが、好ましくは、ユーザー視点位置100に応じた画像を生成する。
[0055]
 ステップS04では、画像生成部30は、ステップS02で視点位置取得部40によって取得されたユーザー視点位置100に応じて、画像表示部20の表示面21の表示領域210のうち使用領域を決定することが好ましいが、ユーザー視点位置100に応じた使用領域を決定しなくてもよい。なお、ステップS03及びステップS04は、必ずしもこの順番である必要はなく、順番が入れ替わってもよい。
[0056]
 ステップS05では、画像表示部20は、ステップS04で画像生成部30によって決定された使用領域220内の画素22の総数を用いて、ステップS03で生成された画像を表示する。ステップS05の処理を実行すると、フローはStartに戻る。ここで、図3に示されるフローチャートが、予め設定された所定間隔毎に繰り返して実行されるように、ステップS05の処理の実行が終了した後フローがStartに戻るまでの間に、所定の待機時間が挿入されていてもよい。
[0057]
 図4(A)~図4(C)を参照して、ユーザーの視点の位置100とユーザーが認識する表示コンテンツの虚像(典型的には、虚像報知マーク320)の形状(比較例)(具体的には、外周形状)との関係について説明する。図4(A)~図4(C)の右側は、実空間上のy軸におけるユーザー視点位置100を表すとともに、y軸に沿って上下に移動するユーザー視点位置100と虚像領域300(虚像表示面)との位置関係を表す。図4(A)~図4(C)の左側は、y軸に沿って上下に移動するユーザー視点位置100からユーザーが認識する虚像表示面上の虚像報知マーク320の形状(比較例)を表す。
[0058]
 なお、図4(A)~図4(C)の寸法は、必ずしも図面通りの寸法を表すものではなく、言い換えれば、ユーザー視点位置100に応じて変化する、虚像報知マーク320の形状(比較例)を当業者が容易に理解できるために、図4(A)~図4(C)の寸法は、誇張して表現されている、或いは、簡略化又は模式化されている。
[0059]
 図4(A)~図4(C)の虚像報知マーク320は、前方車両90を囲む枠を表現することでユーザーに対して注意喚起を行うことができる。図4(B)の左側に表示される使用領域220rは、図1Bの使用領域220に対応し、1例として、使用領域220を固定することができ、この場合には、図4(A)及び図4(C)の左側に表示される使用領域220u及び220dも、図1Bの使用領域220に対応する。もちろん、後述するように、ユーザー視点位置100に応じて、使用領域220の位置を決定する又は変化させることが好ましい。図4(B)を参照すれば、虚像領域300(虚像表示面)の中心とユーザー視点位置100rとを結ぶ線(図示せず)が虚像表示面に垂直であるときには、虚像領域300の上辺とユーザー視点位置100rとの距離aは、虚像領域300の下辺とユーザー視点位置100rとの距離aと等しく、したがって、虚像報知マーク320rに歪みが生じないで、虚像報知マーク320rの形状(具体的には、外周形状)は、長方形である。
[0060]
 しかしながら、ユーザー視点位置100uがユーザー視点位置100r(基準視点位置)よりも鉛直方向上側になるときには、言い換えれば、虚像領域300の上辺とユーザー視点位置100uとの距離bが虚像領域300の下辺とユーザー視点位置100uとの距離bよりも短くなるときには、ユーザーによって認識される虚像報知マーク320uに歪みが生じ、虚像報知マーク320uの外周形状は、上辺が下辺よりも長い台形である(図4(A)参照)。
[0061]
 なお、ユーザー視点位置100に応じて、前方車両90の見え方が異なるために、言い換えれば、前方車両90に重畳するように、図4(A)の虚像報知マーク320uは、使用領域220u内の位置が上側に移動していることが好ましい。このことを当業者が容易に理解できるように、使用領域220uは、グリッド(虚像表示面を均等に分割した補助線)を有しているが、そのグリッドは、実際には表示されず、言い換えれば、表示コンテンツではなく、したがって、ユーザーには視認されないものである。報知対象物である前方車両90が遠くにあるほどユーザー視点位置100uの影響を受けにくいので、虚像報知マーク320r(表示コンテンツ)の上側の移動量は、ユーザー視点位置100u又は自車両1との距離に応じて決定されることが好ましい。
[0062]
 同様に、ユーザー視点位置100dがユーザー視点位置100r(基準視点位置)よりも鉛直方向下側になるときには、言い換えれば、虚像領域300の上辺とユーザー視点位置100dとの距離dが虚像領域300の下辺とユーザー視点位置100dとの距離eよりも長くなるときには、ユーザーによって認識される虚像報知マーク320dに歪みが生じ、虚像報知マーク320dの外周形状は、上辺が下辺よりも短い台形である(図4(C)参照)。ここで、前方車両90に重畳するように、図4(C)の虚像報知マーク320dは、使用領域220d内の位置が下側に移動していることが好ましく、加えて、虚像報知マーク320d(表示コンテンツ)の下側の移動量は、ユーザー視点位置100d又は自車両1との距離に応じて決定されることが更に好ましい。
[0063]
 図4(A)及び図4(C)虚像報知マーク320の外周形状(比較例)の問題(歪み)に鑑み、本発明に従う画像生成部30は、例えば図3のステップS03で、ユーザー視点位置100に応じた表示コンテンツを含ませた画像を生成することができる。
[0064]
 具体的には、画像生成部30は、ユーザー視点位置100uがユーザー視点位置100rよりも鉛直方向上側にいくにつれて、虚像報知マーク320uの、水平方向に対応する方向における上側の長さ(図4(A)の台形の上辺)を下側の長さ(図4(A)の台形の下辺)よりも短く決定する、言い換えれば、図4(A)の台形に台形補正を施して、ユーザーに認識されるときには、長方形にする。これにより、ユーザー視点位置100uの変化に影響されることなく、ユーザーが認識する虚像報知マーク320uの外周形状が一定となり、ユーザーが違和感を覚えなくなる。
[0065]
 同様に、画像生成部30は、ユーザー視点位置100dがユーザー視点位置100dよりも鉛直方向下側にいくにつれて、虚像報知マーク320dの、水平方向に対応する方向における上側の長さ(図4(C)の台形の上辺)を下側の長さ(図4(C)の台形の下辺)よりも長く決定する、言い換えれば、図4(C)の台形に台形補正を施して、ユーザーに認識されるときには、長方形にする。これにより、ユーザー視点位置100dの変化に影響されることなく、ユーザーが認識する虚像報知マーク320dの外周形状が一定となり、ユーザーが違和感を覚えなくなる。なお、図4(B)の虚像報知マーク320rの外周形状が例えば正方形であるときには、ユーザーに認識される図4(A)及び図4(C)の虚像報知マーク320u及び320dの外周形状も正方形になるように、画像生成部30は、虚像報知マーク320u及び320dを生成することができる。
[0066]
 図5A、図5B、図5C及び図6を参照して、ユーザー視点位置100とユーザー視点位置100に対応した使用領域220との関係について説明する。図5A、図5B、及び図5Cの左側には、実空間上のy軸及びz軸におけるユーザー視点位置100を表す座標軸が示される。また、図5A、図5B及び図5Cの右側には、実空間上のy軸及びz軸におけるユーザー視点位置100に対応して、画像表示部20の表示面21の表示領域210のうち、画像生成部30によって決定される、画像の表示に使用される使用領域220が示されている。
[0067]
 図6は、車両用表示装置10において、鉛直方向におけるユーザー視点位置100と、虚像領域300と、虚像領域300内が重畳する風景の路面70における距離の範囲との関係を説明するための模式的な図である。なお、図6は、鉛直方向におけるユーザー視点位置100と、虚像領域300と、虚像領域300内が重畳する風景の路面70における距離の範囲との関係を分かりやすく説明するために、ユーザー視点位置100の変化量を誇張して表現している。具体的に、図6に示される、ユーザー視点位置100rとユーザー視点位置100u、ユーザー視点位置100rとユーザー視点位置100dの鉛直方向における距離は、実際にはもっと近い。その結果、虚像領域300rと虚像領域300uと虚像領域300dとはいずれも重なっている部分がないように、図5に示されている。しかしながら、図5B及び図5Cに示されているように、実際は、少なくとも、虚像領域300r及び虚像領域300u、虚像領域300r及び虚像領域300dはその一部が重なる。虚像領域300内が重畳する風景の路面70における距離の範囲を、以下、重畳距離範囲400とも呼ぶ。
[0068]
 図6には、図5Aに示されるユーザー視点位置100rのときの虚像領域300rと、図5Bに示されるユーザー視点位置100uのときの虚像領域300uと、図5Cに示されるユーザー視点位置100dのときの虚像領域300dとが示されている。また、図6には、ユーザー視点位置100rのときにフロントウィンドウシールド2越しに見える風景のうち、虚像領域300r内と重畳する風景の路面70における距離の範囲である重畳距離範囲400rと、ユーザー視点位置100uのときにフロントウィンドウシールド2越しに見える風景のうち、虚像領域300u内と重畳する風景の路面70における距離の範囲である重畳距離範囲400uと、ユーザー視点位置100dのときにフロントウィンドウシールド2越しに見える風景のうち、虚像領域300d内と重畳する風景の路面70における距離の範囲である重畳距離範囲400dとが示されている。
[0069]
 まず、鉛直方向におけるユーザー視点位置100と鉛直方向におけるユーザー視点位置100に対応した使用領域220との関係について説明する。図5Aに示されるユーザー視点位置100rは、図5Aに示される座標軸において、y軸とz軸との交差点に表されている。以下、図5Aに示されるユーザー視点位置100rを基準ユーザー視点位置100rとも呼ぶ。例えば、図3に示されるステップS02で取得されるユーザー視点位置100が基準ユーザー視点位置100rであるとき、図3に示されるステップS04で、画像生成部30は、画像表示部20の表示面21の表示領域210のうち使用領域220を図5Aに示される使用領域220rに決定する。以下、図5Aに示される、基準ユーザー視点位置100rに対応する使用領域220rを基準使用領域220rとも呼ぶ。
[0070]
 図5Bに示されるユーザー視点位置100uは、基準ユーザー視点位置100rと比較して鉛直方向上側に位置するユーザー視点位置100の例である。例えば、図3に示されるステップS02で取得されるユーザー視点位置100がユーザー視点位置100uであるとき、図3に示されるステップS04で、画像生成部30は、画像表示部20の表示面21の表示領域210のうち使用領域220を図5Bに示される使用領域220u(二点鎖線の長方形)に決定する。
[0071]
 図5Bに示される使用領域220uは、基準使用領域220rと比較して、Iy軸正方向側に位置する。また、図5Bに示される使用領域220uにおけるIy軸方向の長さ221uは、基準使用領域220rにおけるIy軸方向の長さ221rと比較して、長くなっている。その結果、図6に示されるように、使用領域220uに対応する虚像領域300uは、基準使用領域220rに対応する虚像領域300rと比較して、実空間上の鉛直方向上側に位置し、且つ、実空間上の鉛直方向の長さが長くなる。なお、使用領域220uは、基準使用領域220rの一部と重なっている。
[0072]
 すなわち、視点位置取得部40によって検出されるユーザー視点位置100が鉛直方向上側にいくにつれて、表示面21の使用領域220の位置がIy軸正方向側に位置するように決定される。また、視点位置取得部40によって検出されるユーザー視点位置100が鉛直方向上側にいくにつれて、表示面21の使用領域220のIy軸方向の長さが長くなるように決定される。その結果、視点位置取得部40によって検出されるユーザー視点位置100が鉛直方向上側にいくにつれて、虚像領域300は、実空間上の鉛直方向上側に位置し、且つ、実空間上の鉛直方向の長さが長くなる。
[0073]
 但し、図4(A)で説明した歪みを解消するために、使用領域220u(二点鎖線の長方形)は、実線で示される台形(上辺222uuが下辺222udよりも短い台形)の使用領域220u’に変更されることが好ましい(図5B参照)。言い換えれば、台形の使用領域220u’の外周形状に応じて、図4(A)の虚像報知マーク320uの外周形状を生成することが好ましい。同様に、図4(C)で説明した歪みを解消するために、使用領域220d(二点鎖線の長方形)は、実線で示される台形(上辺222duが下辺222ddよりも長い台形)の使用領域220d’に変更されることが好ましい。言い換えれば、台形の使用領域220d’の外周形状に応じて、図4(C)の虚像報知マーク320dの外周形状を生成することが好ましい。これにより、ユーザー視点位置100uの変化に影響されることなく、ユーザーが認識する虚像報知マーク320u及び320u、並びに、使用領域220u及び220dの外周形状が一定又は例えば長方形となり、ユーザーが違和感を覚えなくなる。
[0074]
 図5Cに示されるユーザー視点位置100dは、基準ユーザー視点位置100rと比較して鉛直方向下側に位置するユーザー視点位置100の例である。例えば、図3に示されるステップS02で取得されるユーザー視点位置100がユーザー視点位置100dであるとき、図3に示されるステップS04で、画像生成部30は、画像表示部20の表示面21の表示領域210のうち使用領域220を図5Cに示される使用領域220d(二点鎖線の長方形)に決定する。
[0075]
 図5Cに示される使用領域220dは、基準使用領域220rと比較して、Iy軸負方向側に位置する。また、図5Cに示される使用領域220dにおけるIy軸方向の長さ221dは、基準使用領域220rにおけるIy軸方向の長さ221rと比較して、短くなっている。その結果、図5に示されるように、図5Cに示される使用領域220dに対応する虚像領域300dは、基準使用領域220rに対応する虚像領域300rと比較して、実空間上の鉛直方向下側に位置し、実空間上の鉛直方向の長さが短い。なお、使用領域220dは、基準使用領域220rの一部と重なっている。
[0076]
 すなわち、視点位置取得部40によって検出されるユーザー視点位置100が鉛直方向下側にいくにつれて、表示面21の使用領域220の位置がIy軸負方向側に位置するように決定される。また、視点位置取得部40によって検出されるユーザー視点位置100が鉛直方向下側にいくにつれて、表示面21の使用領域220のIy軸方向の長さが短くなるように決定される。その結果、視点位置取得部40によって検出されるユーザー視点位置100が鉛直方向下側にいくにつれて、虚像領域300は、実空間上の鉛直方向下側に位置し、且つ、実空間上の鉛直方向の長さが短くなる。
[0077]
 ここで、図6を参照すると、重畳距離範囲400rと重畳距離範囲400uと重畳距離範囲400dとが一致している。図6に示される例のように、ユーザー視点位置100の鉛直方向における変化量に対して、虚像領域300の鉛直方向における変化量が小さくなる。そうすると、例えば、ユーザー視点位置100が鉛直方向上側にいくにつれて、ユーザーが虚像領域300を見る視線と水平面との角度が大きくなる。その一方で、例えば、ユーザー視点位置100が鉛直方向下側にいくにつれて、ユーザーが虚像領域300を見る視線と水平面との角度が小さくなる。
[0078]
 その結果、鉛直方向におけるユーザー視点位置100に影響されることなく重畳距離範囲400を一定にするためには、ユーザー視点位置100が鉛直方向上側にいくにつれて、虚像領域300の鉛直方向の位置を鉛直方向上側にするだけでなく、鉛直方向の長さを長くする必要がある。同様に、鉛直方向におけるユーザー視点位置100に影響されることなく重畳距離範囲400を一定にするためには、ユーザー視点位置100が鉛直方向下側にいくにつれて、虚像領域400の鉛直方向の位置を鉛直方向下側にするだけでなく、鉛直方向の長さを短くする必要がある。
[0079]
 すなわち、鉛直方向におけるユーザー視点位置100に応じて、使用領域220のIy軸における位置及びIy軸における長さを適切に決定することによって、鉛直方向におけるユーザー視点位置100に影響されることなく、重畳距離範囲400を一定にすることができる。重畳距離範囲400が一定になることによって、ユーザーが視認する虚像310が重畳される風景内の対象がずれることに対処することができる。
[0080]
 本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。

符号の説明

[0081]
 1・・・車両、2・・・フロントウィンドウシールド、10・・・車両用表示装置、20・・・画像表示部,液晶パネルモジュール、21・・・表示面,液晶パネル、30・・・画像生成部、40・・・視点位置取得部、41・・・車室内画像取得部、42・・・車室内画像解析部、50・・・投影部、80・・・画像光、100・・・ユーザー視点位置、210・・・表示領域、220・・・使用領域、300・・・虚像領域、310・・・虚像、400・・・重畳距離範囲。

請求の範囲

[請求項1]
 画像を表示可能な表示面を有する画像表示部と、
 前記画像表示部が表示する前記画像を生成する画像生成部と、
 車両の透光部材で前記画像が反射されることによって、前記車両の運転席に座るユーザーが虚像を視認できるように、前記画像を前記車両の前記透光部材に向けて投影する投影部と、
 を備え、
 前記画像生成部は、前記ユーザーの視点の位置に応じて、前記画像表示部の前記表示面のうちの一部である前記画像の表示に使用する使用領域内の表示コンテンツの、水平方向に対応する方向における長さを決定する車両用表示装置。
[請求項2]
 前記画像生成部は、前記ユーザーの前記視点の位置が鉛直方向上側にいくにつれて、前記使用領域内の前記表示コンテンツの、前記水平方向に対応する方向における上側の長さを下側の長さよりも短く決定する一方で、
 前記画像生成部は、前記ユーザーの前記視点の位置が鉛直方向下側にいくにつれて、前記使用領域内の前記表示コンテンツの、前記水平方向に対応する方向における上側の長さを下側の長さよりも長く決定する、請求項1に記載の車両用表示装置。
[請求項3]
 前記画像生成部は、前記ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、前記ユーザーが認識する前記表示コンテンツの前記虚像の形状が一定となるように、前記使用領域内の前記表示コンテンツの、前記水平方向に対応する方向における前記上側の長さ及び前記下側の長さを決定する、請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
[請求項4]
 前記画像生成部は、前記ユーザーの視点の位置の変化に影響されることなく、前記ユーザーが認識する前記表示コンテンツの前記虚像の形状が長方形又は正方形となるように、前記使用領域を決定する、請求項3に記載の車両用表示装置。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 6]