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1. (WO2018180131) 熱発電セル及び熱発電モジュール
Document

明 細 書

発明の名称 熱発電セル及び熱発電モジュール

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

非特許文献

0011  

発明が解決するための手段

発明が解決しようとする課題

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

発明の効果

0029  

図面の簡単な説明

0030  

発明を実施するための形態

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073  

産業上の利用可能性

0074  

符号の説明

0075  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 熱発電セル及び熱発電モジュール

技術分野

[0001]
 本発明は、金属の熱電材料を用いた熱電変換のデバイス構造に関するものである。

背景技術

[0002]
 利用されていない廃熱を電気に変換して環境負荷を軽減することは、時代の要請であり、熱エネルギーを電気に直接変換するゼーベック効果によって、2種類の異種金属または半導体の両端に温度差をつけると起電力が発生することはよく知られている。
[0003]
 例えば、半導体の熱電材料では、高温部で運動エネルギーの大きくなったキャリア(電子と正孔)が、温度の低い方に拡散して起電力が発生する。n型とp型半導体では電位差が逆になるため、金属電極を介してn型とp型半導体を交互に接続したp-n-pのπ型構造を直列接続して大きな起電力を得ることができる(例えば、特許文献1)。
[0004]
 電子は電気のキャリアであると同時に熱を運ぶキャリアなので、熱電材料には熱伝導度が小さく且つ電気伝導度が大きいという二つの特性がある。しかし、両者の特性はトレードオフ関係にある。そこで、両者の特性を有するビスマス・テルル合金(Bi Te )が、有害であるにも拘わらず、熱電材料として使われている。
[0005]
 金属の熱電材料では、キャリアは電子だけなので、半導体の熱電材料とはデバイス構造が異なる。しかし、高温部で電子の運動エネルギーが大きくなって低温側に拡散して起きるゼーベック効果によって発電することは、両者で同じである。
[0006]
 金属の熱電材料を用いた新技術として、特許文献2では、熱電材料と金属を交互に傾斜接合してチューブに加工し、熱流と電流の向きを直交させた熱発電モジュールが開示されている。この技術では、熱発電チューブ内と表面の間に温度差を与えると、熱電材料層よりも熱伝導性の高い金属層を熱が優先的に伝達するため、各熱電材料層の温度勾配にz軸方向成分が生じる。このため、各熱電材料層にはゼーベック効果によってz軸方向の起電力が発生し、起電力が積層体内で直列的に重畳される。積層の傾斜角度と寸法を最適化して積層間の熱流を安定させると、全体としてチューブ内側の電極とチューブ表面の電極の間に大きな電位差が発生する。熱発電チューブに使用する熱電材料には、ゼーベック係数が30μV/K以上で電気抵抗率が10mΩ・cm以下の金属であれば利用できると記載されている。
[0007]
 しかし、上記熱発電チューブの積層間は絶縁されておらず、電気的に一体構造であるので、熱流がミクロ的に変動すると積層間に無効電流が発生して熱電変換効率が低下する。そのため、熱発電チューブの実施例では、従来通り熱電特性に優れるBi Te が使われており、Bi Te 等のTe化合物は人体に有害であるため取扱いに注意が必要となる。
 一方、温度測定に使う熱電対には、安全性に全く問題のない熱電材料が使われているが、その熱電材料を用いた熱発電を行うには至っていない。
[0008]
 原理的には熱電対の熱電材料を用いて熱発電することは可能であるが、熱電対を直列に接続すると、電圧が増加すると同時に内部抵抗が増加する。そのため、非特許文献1に見られるように、熱電対の熱電材料を用いた実用的熱電変換デバイスを開発することは困難であるとされてきた。
[0009]
 熱電対に必要な特性は、温度に比例した電圧が発生すること、温度測定範囲が広いこと、耐久性が高いこと等であり、電流が少ないことは問題にならない。そのため、電流が少ない原因である熱電対の内部抵抗を小さくする研究開発は、今まで行われて来なかった。
 上記の状況下にあって、地球温暖化対策として環境に優しい熱発電を普及させるためには、Bi Te のような毒性のある材料ではなく、安全で安価な熱電材料を用いた熱発電を可能にする汎用性のある技術が必要である。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : 特開2013-016685公報
特許文献2 : 特開2016-63075公報

非特許文献

[0011]
非特許文献1 : 株式会社八光電機、熱の実験室-第3回、2004.11、インターネット<URL:http://www.hakko.co.jp>

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 汎用的に温度測定に使われる熱電対を直列に接続すると、電圧が増加するが、同時に内部抵抗が増加するため、熱電対の熱電材料は熱発電に利用できなかった。その課題を解決するため、熱発電の原理に遡ってデバイス構造を見直し、熱電対に使用されているような安全な熱電材料を用いた熱電変換デバイスを開発する。

発明が解決するための手段

[0013]
[1] 本発明の熱発電セルは、金属材料の有するゼーベック効果による熱発電を用いた熱発電セルであって、当該金属材料の導電性と熱伝導性の良好性を生かす構造として、当該金属材料の高温部と低温部の温度差を維持する温度差保持部と、発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造を有する金属材料の部材とを備えることを特徴とする。
[0014]
 また、発明者らは、熱電対の熱電材料を用いて熱発電が困難な原因を解決する手段として、熱発電に必要な機能を熱電材料だけが担うのではなく、熱発電デバイスを構成する各構成要素に機能分離し、「熱の流れる方向には電気が流れなく、電気の流れる方向には熱が流れ難くいデバイス構造」にすることによって、「熱電材料に必要な熱伝導度が小さく且つ電気伝導度が大きいトレードオフ関係にある材料特性」の一部を代替する構造を想到した。
 つまり、以下の[2]~[6]の熱発電セルとして、熱伝導率の小さい絶縁膜と金属薄板を複合積層することで全体として見掛け熱伝導率を小さくし、金属の細線又は延長導体部を用いて複合積層体を迂回させて接続することで全体として見掛け電気伝導率を大きくする以下の創意工夫を行った。
[0015]
[2] 本発明の熱発電セルは、例えば図1(A)、(B)に示すように、熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、複数積層体の加熱部11側に設けられた集熱板8と、複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板9とを備える熱発電セルである。熱発電単位ユニットは、第1の金属薄板1と、第1の金属薄板1に接合された第2の金属薄板2と、第1と第2の金属薄板の接合面6と対向する第2の金属薄板2の対向面に重ねた絶縁膜3と、第1の金属薄板1に接続される第1の素線4であって、第1の金属薄板1と同じ材質の第1の素線4と、第2の金属薄板2に接続される第2の素線5であって、第2の金属薄板2と同じ材質の第2の素線5と、第1と第2の素線の、第1及び第2の金属薄板に接続された端部に対して、他端となる端部を接合した冷接点7とを備える。
[0016]
 このように構成された本発明の熱発電セルにおいて、熱流は複合積層の接合面を貫通して高温側から低温側へ流れ、電流は単位ユニット毎に金属薄板1、素線4、冷接点、素線5、金属薄板2の順に流れ、且つ、熱流と電流がクロスフローするので、熱流と電流の干渉が少なくて済む。
 また、素線4、5は温度差保持部として作用させるべく、素線4、5の断面積と長さを適切に選択する。発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造とするために、素線4、5の断面積と長さを適切に選択すると共に、素線4、5を金属薄板1、2に機械的に接続して複合積層から引き出す構造として、金属の細線を用いて複合積層を迂回させて接続することで全体として見掛け電気伝導率を大きくして、内部抵抗を極小化している。
[0017]
[3] 本発明の熱発電セルは、例えば図8(A)、(B)に示すように、熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、複数積層体の加熱部111側に設けられた集熱板108と、複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板109とを備える熱発電セルである。熱発電単位ユニットは、第1の金属薄板101と、第1の金属薄板に接合された第2の金属薄板102と、第1と第2の金属薄板の接合面106と対向する第2の金属薄板102の対向面に重ねた絶縁膜103と、第1の金属薄板101に接続される第1の延長導体部104であって、第1の金属薄板と同じ材質の第1の延長導体部104と、第2の金属薄板102に接続される第2の延長導体部105であって、第2の金属薄板と同じ材質の第2の延長導体部105と、第1と第2の延長導体部の、第1及び第2の金属薄板に接続された端部に対して、他端となる端部を接合した冷接点107とを備える。
[0018]
 このように構成された本発明の熱発電セルにおいて、[2]の第2の素線に代えて、[3]では延長導体部が用いられる。延長導体部の形状は、例えば帯状やテープ状であり、素線と比較して断面積を大きく取りやすくなり、温度差保持部として作用させることも、金属の延長導体部を用いて複合積層を迂回させて接続することで全体として見掛け電気伝導率を大きくして、内部抵抗を極小化することもできる。
[0019]
[4] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、上記の熱発電セルの各冷接点を、幾つかのグループまたは一括して冷却することにより、各冷接点における逆熱起電力の発生を防ぐとよい。
[5] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、上記の熱発電セルの絶縁膜として、積層間を絶縁することに加えて、積層間の熱変位を吸収する可塑性を有する絶縁材料を用いるとよい。
[0020]
[6] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、上記の金属薄板1として、電気抵抗が70μΩ・cm 以下で且つ熱伝導率が60W/m・K以上の金属、及び金属薄板2として、電気抵抗率が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が40W/m・K以下の金属を用いるとよい。熱電材料として使われるテルルの電気抵抗率は400mΩ・cmであり、[6]の電気抵抗率の上限値70μΩ・cmを超えており、この発明特定事項としては有毒なテルルを使用してない。
[0021]
[7] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、第1と第2の金属薄板(101、102)は、耐火材製枠(10、110)の内部で、前記絶縁層を挟んだ構造を有するとよい。
[8] 本発明の熱発電モジュールは、上記の単位ユニットからなる熱発電セルを用いた熱発電モジュールであって、熱発電セルの積層方向を加熱面に対し垂直に配置することを特徴とする。前記の加熱面は平面または曲面であっても良い。
[0022]
 さらに、発明者らは、熱電対の熱電材料を用いて熱発電が困難な原因を解決する他の態様[9]~[16]として、熱発電単位ユニットの複数積層体の加熱部と、熱発電単位ユニットの冷却部側に設けられた冷却絶縁油部を設ける構造の熱発電セルを基本構造としている。熱発電セルにおいて、加熱部と冷却絶縁油部との間で生ずる高温部と低温部の温度差を維持する温度差保持部として、熱発電単位ユニットの形状を工夫している。さらに、発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造として、熱発電単位ユニットの金属導体の形状を工夫している。
[0023]
[9] 本発明の熱発電セルは、例えば図9(A)、(B)に示すように、熱発電単位ユニットを、隣接した熱発電単位ユニット相互で絶縁・分離した状態で、複数積層した状態で保持する耐火材製枠210と、耐火材製枠210に設けられた、熱発電単位ユニットの複数積層体の加熱部211と、熱発電単位ユニットの冷却部側に設けられた冷却絶縁油部212とを備え、熱発電単位ユニットは耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に架け渡される構造を有する熱発電セルであって、熱発電単位ユニットは、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に架け渡される構造の第1の帯状金属薄板201と、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に架け渡される構造であって、耐火材製枠210で第1の帯状金属薄板に接合された第2の帯状金属薄板202と、第1と第2の帯状金属薄板の接合面206と反対側面に位置する第1及び第2の帯状金属薄板の接合反対側面に形成された絶縁層203と、第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置する冷接点207であって、当該冷接点は冷却絶縁油部212で冷却される構造を有する。
[0024]
[10] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、第1の帯状金属薄板は、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に位置する第1の延長導体部204を有し、第2の帯状金属薄板は、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に位置する第2の延長導体部205を有するとよい。
[11] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、前記接合面206は、拡散接合またはレーザービーム溶接により接合されるとよい。
[12] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、第1と第2の帯状金属薄板の接合面206は、耐火材製枠210の内部で、前記絶縁層を挟んで折畳まれた構造を有するとよい。
[0025]
[13] 本発明の熱発電セルは、例えば図10(A)、(B)に示すように、熱発電単位ユニットを、隣接した熱発電単位ユニット相互で絶縁・分離した状態で、複数積層した状態で保持する耐火材製枠310と、耐火材製枠310に設けられた、熱発電単位ユニットの複数積層体の加熱部311と、耐火材製枠310の両側に設けられた第1及び第2の冷却絶縁油部312a、312bであって、熱発電単位ユニットの第1及び第2の冷却部側に設けられた第1及び第2の冷却絶縁油部312a、312bとを備え、熱発電単位ユニットは、第1の冷却絶縁油部312a、耐火材製枠310、及び第2の冷却絶縁油部312bの間に伸長した状態で架け渡される構造とする。
[0026]
[14] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、熱発電単位ユニットは、第1の冷却絶縁油部312aと耐火材製枠310との間に架け渡される構造の第1の帯状金属薄板301と、耐火材製枠310と第2の冷却絶縁油部312bとの間に架け渡される構造であって、耐火材製枠310で第1の帯状金属薄板に接合された第2の帯状金属薄板302と、第1と第2の帯状金属薄板の接合面306と反対側面に位置する第1及び第2の帯状金属薄板の接合反対側面に形成された絶縁層303と、第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置する第1の冷接点307aであって、当該第1の冷接点は第1の冷却絶縁油部312aで冷却される構造を有し、第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置する第2の冷接点307bであって、当該第2の冷接点は第2の冷却絶縁油部312bで冷却される構造を有するとよい。
[0027]
[15] 本発明の熱発電セルにおいて、好ましくは、第1の帯状金属薄板は、第1の冷却絶縁油部312aと耐火材製枠310との間に位置する第1の延長導体部304を有し、第2の帯状金属薄板は、耐火材製枠310と第2の冷却絶縁油部312bとの間に位置する第2の延長導体部305を有するとよい。
[16] [14]に記載の熱発電単位ユニットは、さらに、第2の冷却絶縁油部312bと耐火材製枠310との間に架け渡される構造の第3の帯状金属薄板321と、耐火材製枠310と第1の冷却絶縁油部312aとの間に架け渡される構造であって、耐火材製枠310で第3の帯状金属薄板に接合された第4の帯状金属薄板322と、第3と第4の帯状金属薄板の接合面326と反対側面に位置する第3と第4の帯状金属薄板の接合反対側面に形成された第2の絶縁層323とを備え、第2の冷却絶縁油部312bで冷却される第2の冷接点307bには、第2の帯状金属薄板の冷接点側端部と第3の帯状金属薄板の冷接点側端部とを接合する構造を有し、第1の冷却絶縁油部312aで冷却される第1の冷接点307aには、第4の帯状金属薄板の冷接点側端部と第1の帯状金属薄板の冷接点側端部とを接合する構造を有するとよい。
[0028]
[17] 第3の帯状金属薄板は、第2の冷却絶縁油部312bと耐火材製枠310との間に位置する第3の延長導体部324を有し、第4の帯状金属薄板は、耐火材製枠310と第1の冷却絶縁油部312aとの間に位置する第4の延長導体部325を有するとよい。

発明の効果

[0029]
 本発明は、熱発電に必要な材料特性の一部をデバイス構造の機能で代替し、安全で安価な熱電材料を用いた熱発電を可能にするという効果がある。

図面の簡単な説明

[0030]
[図1] 本発明の一実施例を示す複合積層型熱発電セルの構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。
[図2] 従来の熱電対の構造を説明する要部構成図である。
[図3] 本発明の一実施例を示す熱発電セル内部の電圧と電流の分布状態を説明する図で、(A)は測定端子番号毎の電圧積算値、(B)は測定対象の複合積層型熱発電セルの構造図である。
[図4] 従来の熱電対と実施例1の発電特性の比較図で、温度差:120℃の場合を示している。
[図5] 実施例1の無負荷電圧の温度特性を示す図である。
[図6] 本発明の他の実施例を示す複数の積層型熱発電セルを平面配列した熱発電モジュールの要部断面図である。
[図7] 本発明の他の実施例を示す複数の積層型熱発電セルをチューブ状に配列した熱発電モジュールの要部断面図である。
[図8] 本発明の他の実施例を示す複合積層型熱発電セルの構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。
[図9] 本発明の他の実施例を示す熱発電モジュールの加熱・冷却方式として、帯状の熱発電セルを複数配列した構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。
[図10] 本発明の他の実施例を示す熱発電モジュールの構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。発電量増加に必要なスケールアップに適している。

発明を実施するための形態

[0031]
 本明細書における技術用語の定義
 ・金属薄板とは、表1に示す材質で、厚さ0.1~3mm、5~100mm角サイズの薄板をいう。数値限定の理由は、厚さ0.1mm以下では接合加工が困難になり、3mm以上では積層数が少なくなるために有効な熱電流が得られないからである。5mm角以下のサイズでは接合面積が小さく有効な熱電流が得られず、100mm角以上では熱変形が大きくなり耐久性が低下するからである。
 ・素線とは、表1に示す材質で、直径0.1~3mm、50~200mmの長さの細線をいう。数値限定の理由は、直径0.1mm以下では電気抵抗が過大になり、直径3mm以上では熱伝導が過大になり、有効な熱電流が得られないからである。
 ・絶縁膜とは、マグネシア、ジルコニア、アルミナ等の無機材料で、3kV/mm程度の絶縁性に加え、積層間の熱変位を吸収する可塑性を有する耐熱接着剤で形成された膜状をいう。
 ・延長導体部とは、表1に示す材質で、厚さ0.1~3mm、50~200mmの長さ、幅2~30mmの帯状の金属テープをいう。
 ・接続とは、例えば1000℃程度の高温における電気的な接続と機械的な接続が確保できるものが望ましく、例えばレーザービーム溶接を用いるとよい。
 ・接合とは、例えば0~50℃程度の冷接点における電気的な接続と機械的な接続が確保できるものが望ましく、例えばロウ付けやはんだ付けを用いるとよい。
[0032]
 本実施の形態に係る熱発電セルは、金属材料の有するゼーベック効果による熱発電を用いた熱発電セルである。この熱発電セルは、当該金属材料の導電性と熱伝導性の良好性を生かす構造として、当該金属材料の高温部と低温部の温度差を維持する温度差保持部と、熱発電セルにおける電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造を有する前記金属材料の部材と、を備える。
[0033]
 以下図を用いて本発明に係る熱発電セルのデバイス構造を以下に説明する。本実施形態では、同じ作用を有する部材には、同じ名称を用い、必要に応じて、重複する説明は略す場合がある。
 図1(A)、(B)においては、本実施の形態に係る熱発電セルは、熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、複数積層体の加熱部11側に設けられた集熱板8と、複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板9とを備える。耐火材製枠10は、複数積層体の底面を集熱板8で被覆し、頂面を放熱板9で被覆した場合の、複数積層体の周面を覆う筒状の枠体で、第1の素線4と第2の素線5を引き出すためのスリットや開口窓が設けてあっても良い。耐火材製枠10で覆われる複数積層体には、第1の金属薄板1、第2の金属薄板2、及び絶縁膜3からなる積層体が複数積層されている。
[0034]
 集熱板8及び放熱板9には、構造材として適切な強度を有する金属製板材であれば適宜の金属材料を用いることができ、アルミ板のほか、マグネシウム合金板、スレンレス鋼板、銅板、鋼板など各種のものを用いることができる。また、集熱板8及び放熱板9には、接触する第1の金属薄板1や第2の金属薄板2との電気的な絶縁を確保する為、絶縁材料を貼付したり、絶縁性を確保できる表面処理をしたりするとよい。耐火材製枠10は、例えば耐火セメントや耐火セラミックスで製造される。
 熱発電単位ユニットは、第1の金属薄板1、第2の金属薄板2、絶縁膜3、第1の素線4、第2の素線5、接合面6、及び冷接点7を有している。
[0035]
 ここで、第1の金属薄板1は、例えばCu、Al、Ni、Fe、Snを材料とする金属板がよく、後述する表1に示すように、電気抵抗が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が60W/m・K以上の金属が好ましい。第2の金属薄板2は、第1の金属薄板1に接合されているもので、例えばアルメル、Ti、コンスタンタン、クロメルを材料とする金属板がよく、後述する表1に示すように、電気抵抗が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が40W/m・K以下の金属が好ましい。ここで、アルメルはニッケル(Ni)94wt%、マンガン(Mn)2.5wt%、アルミニウム(Al)2wt%、ケイ素(Si)1wt%、鉄(Fe)0.5wt%の組成をもつ。クロメルはニッケル(Ni)89wt%、クロム(Cr)9.8wt%、鉄(Fe)1wt%、マンガン(Mn)0.2wt%の組成をもつ。コンスタンタンは、銅(Cu)55wt%、ニッケル(Ni)45wt%の組成をもつ。
[0036]
 絶縁膜3は、第2の金属薄板2の対向面に重ねた状態で配置される。第2の金属薄板2の対向面は、第1と第2の金属薄板の接合面6と対向する面である。
 第1の素線4は、金属薄板1に接続されると共に、金属薄板1と同じ材質よりなる。第2の素線5は、金属薄板2に接続されると共に、金属薄板2と同じ材質よりなる。この接合は、例えば1000℃程度の高温状態においても、電気的な接続と機械的な接続が確保できるものが望ましく、例えばレーザービーム溶接を用いるとよい。
 接合面6は、上述したように、第1と第2の金属薄板の接合面である。冷接点7は、第1と第2の素線の他端となる端部を接合したものである。ここで、第1と第2の素線の他端となる端部は、第1及び第2の金属薄板に接続された端部に対して、第1と第2の素線の反対側の端部である。
 冷却部12は、熱発電単位ユニットの各々に設けられた冷接点7を幾つかのグループまたは一括して冷却する。
[0037]
 このように構成された装置の動作を次に説明する。
 図1(A)に示す集熱板8で受熱した熱は、金属薄板1と金属薄板2を拡散接合した接合面6で熱起電力を発生し、絶縁膜3を貫通して上の層に伝わり、繰り返し熱起電力を発生しながら、熱流になって、放熱板9から大気放散される。一方、接合面6で発生した熱電流は、第1の素線4によって一旦、積層の外に出て、冷却部(12)にある冷接点7を経て、第2の素線5によって次の積層に戻る。上記のメカニズムが積層数と同じ数だけ繰り返し、増加した熱電流が正極から外部の負荷回路に流れる。
[0038]
 本発明の特徴を具体的に示すために、熱発電セル内部で起電力が発生する状況を図3(a)、(b)にまとめる。図3(a)に示すように、熱発電セルの正極と各単位ユニットの測定端子との間の電圧と電流は、偶数の測定端子番号で階段的に増加する。つまり、熱起電力は接合面6で発生し、冷接点7では発生しない。
[0039]
 図3(a)に示す電圧と電流の微細な変化は、測定端子番号11では電圧と電流が僅かに低下しており、この部分では逆起電力が僅かに発生している。しかし、その他の測定端子番号では逆起電力は発生していない。
 以上説明したように、各冷接点を一様に冷却すれば、接合面と冷接点の接続数に比例して電圧と電流が一様に増加し、熱発電セルの起電力は単位ユニットの積層数に比例する設計指針が得られる。
[0040]
 以下に本発明の特徴を具体的に説明する。熱伝導率の異なる2種類の金属薄板を接合し、絶縁膜を重ねて複合積層にすると、例えば、接合面積は、12mm角の金属薄板では、図2に示す直径0.3mmの熱電対に比べて3桁以上大きくなる。
 上記複合積層した金属薄板に接続した素線は、複合積層体の熱が伝わり難い直径と長さ、例えば、直径0.3mm、長さ70mmとし、素線の他端を接合して冷接点を形成する。
[0041]
 原理的には2種類の金属を接合して複数の接合部を直列に接続すると、2種類の金属の並び順が接合部の一つ置きに逆向きになり、逆向きの接合部では逆向きの起電力が発生して全体の起電力が低下する。しかし、接合部の温度差をゼロにすれば、その接合部での起電力はゼロになる。本実施の形態では、2種類の金属の接合が逆向きになる冷接点を冷却することによって、逆向きの起電力を実質的にゼロにする。
[0042]
 複合積層と素線の冷接点の組み合わせを単位ユニットとし、複数の単位ユニットを積み重ねて熱発電セルを形成する。熱発電セルの接合面積は、図2に示す直径0.3mmの熱電対に比べて5桁以上大きくなる。熱発電セルに与えた熱は、繰り返し接合面を貫通して熱発電に使われ、熱発電セルの上面から放散する熱が減少して起電力が増える。
 熱発電セルの底面を加熱し、素線の各冷接点を冷却すると、熱流は複合積層を貫通して低温側へ流れて熱発電セルの上面から放散される。一方、発生した熱電流は、素線の各冷接点を経由して複合積層に戻る迂回を繰り返して増加する。
[0043]
 熱発電セルのデバイス構造をより詳しく以下に説明する。2種類の金属薄板1、2を接合した接合体に絶縁膜を重ねて金属薄板1/金属薄板2/絶縁膜の積層構造を形成し、金属薄板1、2と同じ材質の素線4、5を金属薄板1、2に接続して積層構造体の横方向に引き出し、素線4、5の端を接合して冷接点を形成して単位ユニットにする。
[0044]
 単位ユニットを複数積層し、金属薄板1/金属薄板2/絶縁膜3/金属薄板1/金属薄板2/絶縁膜3が繰り返す複合積層の熱発電セルを形成する。熱発電セルの熱流は、複合積層の接合面を貫通して高温側から低温側へ流れ、発生した電流は、接合面-冷接点-接合面-冷接点を繰り返す電気的に接続した素線の迂回路を流れる。
[0045]
 上記の結果、熱流は複合積層を貫通して流れるが電流は遮断され、電流は前記迂回路を流れるが熱流は殆ど流れない状態になる。つまり、熱流と電流がクロスフローする状態になって、熱流と電流の干渉がなくなり、安定した熱起電力が得られる。
[0046]
 温度の高い接合面と冷却した冷接点の間の熱流を少なくするために、素線で接続する。素線の材質は金属薄板1、2と同じ材質とし、素線の直径は、内部抵抗が増加しないように、例えば、直径0.3mm程度にする。素線の長さは70mm程度にして金属薄板1、2の熱が冷接点に伝わり難くする。
[0047]
 比較例として、本発明の技術的ルーツである直径0.3mm、長さ10cmの銅/コンスタンタンの熱電対の発電特性(温度差120℃)は、図4(a)のように、無負荷電圧:3.7mV、内部抵抗:3.1Ω、最大出力は僅か1μWであった。
[0048]
 <実施例1>
 12mm角で0.3mm厚の銅とコンスタンタンを、接合温度:約840℃、加熱時間:30分、加圧:約1.7MPa、接合雰囲気:約1.8×10 -3Paで接合した。ここで、12mm角で0.3mm厚の銅は、第1の金属薄板1に相当する。また、12mm角で0.3mm厚のコンスタンタンは、第2の金属薄板2に相当する。銅とコンスタンタンの接合部位は、第1と第2の金属薄板の接合面6に相当する。
 接合した12mm角の銅/コンスタンタンの薄板を図1(A)に示すように、絶縁膜を間に挟んで6層を重ねて積層した。
[0049]
 その結果、実施例1では、図4(b)に示すように、無負荷電圧:45.9mV、内部抵抗:2.95Ωになり、前記の比較例に比べ、電圧は12倍(3.7→45.9mV)に増加、内部抵抗は変わらず(3.1≒2.95Ω)、最大出力は1μW から176μWに増加し、本発明の効果を実証した。なお、図5には、実施例1の無負荷電圧の温度特性を示した。無電荷電圧は、温度差の増加と共に、二次曲線で増加しており、高温では熱起電力が低下する半導体材料とは異なる様相を示す。すなわち、図5の結果は、金属の熱電材料の特長が高温になるほど熱起電力が増加して優れていることを示している。
 実施例1では、図3(b)に示すように、熱発電セル底面を250℃に加熱した場合、熱発電セルの上面温度は110℃と高く、未利用の熱量が多いことが判った。
[0050]
 <実施例2>
 そのため、実施例2では、積層数を実施例1の6層から50層に増やし、上面温度を室温近くに下げる。更にスケールアップとして、接合面を12mm角から50mm角に拡大し、300個の熱発電セルを平面配列(15×20)することにより、1.2kW/m の太陽光発電と同等レベルの発電能力を有する熱発電モジュールになる。
[0051]
 図6に6個の熱発電セルを平面配置した熱発電モジュールを例示する。
 図においては、本実施の形態に係る熱発電セルは、熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、複数積層体の加熱部31側に設けられた集熱板28と、複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板29とを備える。冷却部32には、冷接点が熱的に接続されている。
 熱発電単位ユニットは、第1の素線(24)、第2の素線(25)を有すると共に、図1(A)に示す熱発電単位ユニットと同様に、第1の金属薄板、第2の金属薄板、絶縁膜、接合面、及び冷接点を有している。
[0052]
 <実施例3>
 熱発電モジュールの加熱・冷却方式として、熱発電セルをチューブ状に配列したパイプ構造の熱発電モジュールの実施例3を図7に示す。
 図においては、本実施の形態に係る熱発電セルは、熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体を、放射状に複数配置してある。チューブ状の中心空洞部には燃焼排ガスのような高温ガスや高温流体が流されるので、複数積層体の加熱部51側として集熱板48が設けられる。チューブ状の円筒外縁部には、複数積層体の放熱部側として放熱板49が設けられる。冷却部52は、例えば放熱板49に放熱フィンとして設けられるもので、好ましくは冷接点が熱的に接続されているとよい。
[0053]
 耐火材製枠50は、放射状に複数配置された複数積層体の楔状の隙間に設けられる略三画柱状の枠体である。略三画柱状の先端部は、チューブ状の中心空洞部側に位置する集熱板48と接している。略三画柱状の底辺部は、チューブ状の円筒外縁部側に位置する放熱板49と接している。耐火材製枠50で隔てられる各積層体には、第1の金属薄板、第2の金属薄板、及び絶縁膜が積層されている。
[0054]
 このように構成された装置においては、パイプ内に温水を流し、集熱板48を介して複数積層体の加熱部51側として作用させる。また、パイプを、例えば冷水等の冷媒と接触させることで、パイプ表面の放熱板49とパイプ表面に出した冷却部52を冷却する。また、加熱面が円柱以外の曲面であっても、熱発電セルの積層方向を加熱面に垂直に配列して耐火材製枠を充填して固定することによって、加熱面が任意な曲面形状の熱発電モジュールにすることができる。
[0055]
 <実施例4>
 実施例1の第2の素線に代えて、この実施の形態では延長導体部が用いられる。延長導体部の形状は、例えば帯状やテープ状であり、素線と比較して断面積を大きく取りやすくなり、温度差保持部として作用させることも、金属の延長導体部を用いて複合積層を迂回させて接続することで全体として見掛け電気伝導率を大きくして、内部抵抗を極小化することもできる。
[0056]
 図8は、実施例4を示す複合積層型熱発電セルの構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。なお、図8(A)、(B)において、図1(A)、(B)と同一の作用をするものには、対応する名称を付して説明を援用し、詳細な説明を省略する。
 図においては、本実施の形態に係る熱発電セルは、熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、複数積層体の加熱部111側に設けられた集熱板108と、複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板109とを備える。複数積層体は、各熱発電単位ユニットが電気的に直列に接続されている。ここで放熱板109側の熱発電単位ユニットが負極端子133と接続されており、集熱板108側の熱発電単位ユニットが正極端子134と接続されている。
[0057]
 熱発電単位ユニットは、第1の金属薄板101、第1の金属薄板に接合された第2の金属薄板102、接合面106、絶縁膜103、第1の延長導体部104、第2の延長導体部105、冷接点107を備える。
 絶縁膜103は、第1と第2の金属薄板の接合面106と対向する第2の金属薄板102の対向面に重ねて形成されたものである。第1の延長導体部104は、第1の金属薄板101に接続されると共に、第1の金属薄板101と同じ材質の帯状の金属薄板である。第2の延長導体部105は、第2の金属薄板102に接続されると共に、第2の金属薄板102と同じ材質の帯状の金属薄板である。冷接点107は、第1と第2の延長導体部104、105の、第1及び第2の金属薄板101、102に接続された端部に対して、他端となる端部を接合した冷接点である。
[0058]
 このように構成された装置の動作を次に説明する。
 図8(A)に示す集熱板108で受熱した熱は、金属薄板101と金属薄板102を拡散接合した接合面106で熱起電力を発生し、絶縁膜103を貫通して上の層に伝わり、繰り返し熱起電力を発生しながら、熱流になって、放熱板109から大気放散される。一方、接合面106で発生した熱電流は、第1の延長導体部104によって一旦、積層の外に出て、冷却部112にある冷接点107を経て、第2の延長導体部105によって次の積層に戻る。上記の熱発電メカニズムが積層数と同じ数だけ繰り返し、増加した熱電流が、正極端子134と負極端子133に接続された外部の負荷回路に流れる。
[0059]
 上記の実施例1~4の複合積層型熱発電セルにおいては、熱の流れる方向には電気が流れなく、電気の流れる方向には熱が流れ難くいデバイス構造として、熱流と電流の経路を分離してクロスフローさせることにより、熱流と電流の干渉をなくして熱起電力を安定化するものである。
 しかし、本発明の課題を解決するためには、熱発電の原理に遡ってデバイス構造を見直し、熱電対に使用されているような安全な熱電材料を用いた熱電変換デバイスを開発するものであれば足りる。従って、上記の実施例1~4の複合積層型熱発電セルのように熱流と電流の経路を分離してクロスフローする構造に限定する必要はなく、要は、本発明の熱発電セルは、金属材料の有するゼーベック効果による熱発電を用いた熱発電セルであって、当該金属材料の導電性と熱伝導性の良好性を生かす構造として、当該金属材料の高温部と低温部の温度差を維持する温度差保持部と、発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造を有する金属材料の部材とを備えるものであればよい。
[0060]
<実施例5>
 図9は、本発明の実施例5を示す熱発電モジュールの加熱・冷却方式として、帯状の熱発電セルを複数配列した構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。なお、図9(A)、(B)において、図1(A)、(B)、図8(A)、(B)と同一の作用をするものには、対応する名称を付して説明を援用し、詳細な説明を省略する。
 図においては、本実施の形態に係る熱発電セルは、耐火材製枠210、複数積層体の加熱部211、冷却絶縁油部212を備えると共に、熱発電単位ユニットは耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に架け渡される構造を有する。
[0061]
 耐火材製枠210は、熱発電単位ユニットを、隣接した熱発電単位ユニット相互で絶縁・分離した状態で、複数積層するために用いられるもので、例えば耐火性のセラミックにより電気的絶縁も確保している。複数積層体の加熱部211は、耐火材製枠210の内部に設けられた、熱発電単位ユニットの複数積層体の加熱部で、例えば燃焼ガス等の高温ガスと接触する。耐火材製枠210には上部開口部214、下部開口部215が設けられており、加熱部211で加熱されたガス媒体が吹き抜ける構造となっている。冷却絶縁油部212は、熱発電単位ユニットの冷却部側に設けられている。冷却絶縁油部212の上部は、放熱フィン213が設けられている。放熱フィン213には、放熱板209が接続されている。放熱板209は、冷却絶縁油部212内に位置する。
 複数積層体は、各熱発電単位ユニットが電気的に直列に接続されている。ここで耐火材製枠210の最も上側に位置する熱発電単位ユニットが負極端子233と接続されており、耐火材製枠210の最も下側に位置する熱発電単位ユニットが正極端子234と接続されている。
[0062]
 熱発電単位ユニットは、第1の帯状金属薄板201、第2の帯状金属薄板202、絶縁層203、第1の延長導体部204、第2の延長導体部205、及び冷接点207を備えている。
 第1の帯状金属薄板201は、耐火材製枠210の内部に位置する部分と、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に架け渡される部分とからなる構造で、金属薄板と同様の金属材料が用いられる。第2の帯状金属薄板202は、耐火材製枠210の内部に位置する部分と、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に架け渡される部分とからなる構造であって、耐火材製枠210で第1の帯状金属薄板に接合される。絶縁層203は、第1と第2の帯状金属薄板の接合面206と反対側面に位置する第1及び第2の帯状金属薄板の接合反対側面に形成される。絶縁層203は、耐火材製枠210の内側の高温部に設けられる場合もあるため、耐熱性を有していることが好ましい。冷接点207は、第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置すると共に、冷却絶縁油部212で冷却される構造を有する。
 第1の帯状金属薄板201は、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に位置する第1の延長導体部204を有し、第2の帯状金属薄板202は、耐火材製枠210と冷却絶縁油部212との間に位置する第2の延長導体部205を有するとよい。第1の延長導体部204と第2の延長導体部205は、高温部である耐火材製枠210と低温部である冷却絶縁油部212の温度差を維持する温度差保持部として作用する。また、第1の帯状金属薄板201と第2の帯状金属薄板202、第1の延長導体部204と第2の延長導体部205は、発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造としても作用する。
[0063]
 このように構成された装置の組立状態と動作を次に説明する。
 まず、装置の組立状態に関しては、帯状に切断した第1及び第2の帯状金属薄板201,202の中央部を面接合して、接合面206を形成する。次に、接合面206を含む第1及び第2の帯状金属薄板201,202の中央部を折り曲げて、熱発電セルの単位ユニットを製造する。次に、熱発電セルの単位ユニットの複数対(図9(B)では6対)を、耐火材製枠210に固定して、火格子状に重ねる。冷却絶縁油部212には、第1の帯状金属薄板201の第1の延長導体部204は、隣りの熱発電セルの第2の帯状金属薄板202の第2の延長導体部205の端とを接合して、冷接点207を形成する。
[0064]
 このように構成された装置の動作に関しては、図9(A)に示す加熱部211によって供給された熱は、第1及び第2の帯状金属薄板201,202を拡散接合した接合面206で熱起電力を発生し、隣りの熱発電セルの間を吹き抜けて上の熱発電セルに伝わり、繰り返し熱起電力を発生しながら、熱流になって、冷却絶縁油部212から放熱フィン213を介して大気放散される。一方、接合面206で発生した熱電流は、第1の延長導体部204によって一旦、積層の外に出て、冷却絶縁油部212にある冷接点207を経て、第2の延長導体部205によって次の積層に戻る。上記の熱発電メカニズムが積層数と同じ数だけ繰り返し、増加した熱電流が、正極端子234と負極端子233に接続された外部の負荷回路に流れる。
[0065]
<実施例6>
 図10は、本発明の実施例6を示す熱発電モジュールの構造図で、(A)は断面図、(B)は(A)のB-B方向の平面図である。実施例6は、発電量増加に必要なスケールアップに適している。なお、図10(A)、(B)において、図1(A)、(B)、図8(A)、(B)、図9(A)、(B)と同一の作用をするものには、対応する名称を付して説明を援用し、詳細な説明を省略する。
 図においては、本実施の形態に係る熱発電セルは、耐火材製枠310、複数積層体の加熱部311、第1及び第2の冷却絶縁油部312a、312bを備えると共に、熱発電単位ユニットは第1の冷却絶縁油部312a、耐火材製枠310及び第2の冷却絶縁油部312bの間に伸長した状態で架け渡される構造を有する。
[0066]
 耐火材製枠310は、熱発電単位ユニットを、隣接した熱発電単位ユニット相互で絶縁した状態で、複数積層する為に用いられるもので、例えば耐火性のセラミックにより電気的絶縁も確保している。複数積層体の加熱部311は、耐火材製枠310の内側に設けられた、熱発電単位ユニットの積層体の加熱部で、例えば燃焼ガス等の高温ガスと接触する。耐火材製枠310には上部開口部314、下部開口部315が設けられており、加熱部311で加熱されたガス媒体が吹き抜ける構造となっている。第1及び第2の冷却絶縁油部312a、312bは、耐火材製枠310の両側に所定の間隔を置いて設けられるもので、熱発電単位ユニットの第1及び第2の冷却部側に設けられている。冷却絶縁油部312a、312bの上部には、放熱フィン313a、313bが設けられている。放熱フィン313a、313bには、それぞれ放熱板309a、309bが接続されている。放熱板309a、309bは、冷却絶縁油部312a、312b内に位置する。
 複数積層体は、各熱発電単位ユニットが電気的に直列に接続されている。ここで耐火材製枠310の最も上側に位置する熱発電単位ユニットが負極端子333と接続されており、耐火材製枠310の最も下側に位置する熱発電単位ユニットが正極端子334と接続されている。
[0067]
 熱発電単位ユニットは、第1の帯状金属薄板301、第2の帯状金属薄板302、絶縁層303、接合面306、第1の冷接点307a、第2の冷接点307b、第3の帯状金属薄板321、第4の帯状金属薄板322、接合面326、及び第2の絶縁層323を備える。
 第1の帯状金属薄板301は、耐火材製枠310の内部に位置する部分と、第1の冷却絶縁油部312aと耐火材製枠310との間に架け渡される部分とからなる構造を有するもので、金属薄板と同様の金属材料が用いられる。第2の帯状金属薄板302は、耐火材製枠310の内部に位置する部分と、耐火材製枠310と第2の冷却絶縁油部312bとの間に架け渡される部分とからなる構造であって、耐火材製枠310の内側で第1の帯状金属薄板301と接合されている。絶縁層303は、第1と第2の帯状金属薄板の接合面306と反対側面に位置する第1及び第2の帯状金属薄板の接合反対側面に形成されるもので、電気的絶縁を確保する。絶縁層303は、耐火材製枠310の内側の高温部に設けられる場合もあるため、耐熱性を有していることが好ましい。第1の冷接点307aは、第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置するものであって、第1の冷却絶縁油部312aで冷却される構造を有する。第2の冷接点307bは、第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置するものであって、第2の冷却絶縁油部312bで冷却される構造を有する。
[0068]
 第3の帯状金属薄板321は、耐火材製枠310の内部に位置する部分と、第2の冷却絶縁油部312bと耐火材製枠310との間に架け渡される部分とからなる構造を有するもので、金属薄板と同様の金属材料が用いられる。第4の帯状金属薄板322は、耐火材製枠310の内部に位置する部分と、耐火材製枠310と第1の冷却絶縁油部312aとの間に架け渡される部分とからなる構造であって、耐火材製枠310の内側で第3の帯状金属薄板に接合される。第2の絶縁層323は、第3と第4の帯状金属薄板の接合面326と反対側面に位置する第3と第4の帯状金属薄板の接合反対側面に形成される。
 第2の冷却絶縁油部312bで冷却される第2の冷接点307bには、第2の帯状金属薄板の冷接点側端部と第3の帯状金属薄板の冷接点側端部とを接合する構造を有する。第1の冷却絶縁油部312aで冷却される第1の冷接点307aには、第4の帯状金属薄板の冷接点側端部と第1の帯状金属薄板の冷接点側端部とを接合する構造を有する。
[0069]
 第1の帯状金属薄板301は、第1の冷却絶縁油部312aと耐火材製枠310との間に位置する第1の延長導体部304を有する。第2の帯状金属薄板302は、耐火材製枠310と第2の冷却絶縁油部312bとの間に位置する第2の延長導体部305を有する。第1の延長導体部304と第2の延長導体部305は、高温部である耐火材製枠310と低温部である冷却絶縁油部312a、312bの温度差を維持する温度差保持部として作用する。また、第1の帯状金属薄板301と第2の帯状金属薄板302、第1の延長導体部304と第2の延長導体部305は、発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造としても作用する。
 第3の帯状金属薄板321は、第2の冷却絶縁油部312bと耐火材製枠310との間に位置する第3の延長導体部324を有する。第4の帯状金属薄板322は、耐火材製枠310と第1の冷却絶縁油部312aとの間に位置する第4の延長導体部325を有する。第3の延長導体部324と第4の延長導体部325は、高温部である耐火材製枠310と低温部である冷却絶縁油部312a、312bの温度差を維持する温度差保持部として作用する。また、第1の帯状金属薄板321と第2の帯状金属薄板322、第3の延長導体部324と第4の延長導体部325は、発電素子における電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造としても作用する。
[0070]
 このように構成された装置の動作を次に説明する。
 実施例6の動作は、実施例5の動作と基本的に同様である。さらに、実施例6の構造によると、帯状金属薄板相互の接合面306、326を折り曲げずに、伸長した形状にすることによって、熱変形を吸収し易くなって耐久性が増す。同時に冷却絶縁油部312a、312bとしての絶縁オイルバスが2槽になり、冷接点間隙が広がって冷却効果が向上する。
[0071]
 なお、上述の実施の形態においては、熱発電セルに用いる熱電材として、Cu/コンスタンタンの実施例を示したが、本発明で用いる熱電材料は上記に限らない。表1に示す電気抵抗が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が60W/m・K以上の金属(Cu、Al、Ni、Fe、Sn)と、電気抵抗が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が40W/m・K以下の金属(アルメル、Ti、コンスタンタン、クロメル)とを組み合わせ、熱伝導率が2倍以上違う2種類の金属、例えば、Al/Ti、Al/クロメル、Al/コンスタンタン、Ni/Ti、Fe/コンスタンタン、Sn/Ti等を接合して用いることができる。
[0072]
[表1]


[0073]
 金属薄板の接合方法として、実施例では拡散接合を採用したが、熱変形に対する耐久性があり、接合界面に形成される合金層の厚みが300nm以下になる方法であれば、真空蒸着法、下地処理したメッキ法、圧延クラッド法が利用できる。例えば、大面積の金属薄板を圧延クラッド法で接合し、接合界面にダメージを与えないレーザ加工等で切断することによって工業的生産が可能になる。

産業上の利用可能性

[0074]
 本発明の熱発電セルによれば、有害なビスマス・テルル(Bi Te )を用いることなく、安価で安全な汎用熱電材料を用いた熱電変換デバイスが可能になり、熱発電が広く普及する技術基盤ができる。
 本発明の熱発電セルによれば、従来の熱電材料の開発と競合するものではなく、汎用的な熱電材料の性能を最大限に発揮するデバイス構造によって、熱発電の発展と普及を図ることができる。

符号の説明

[0075]
1、101 第1の金属薄板
2、102 第2の金属薄板
3、103 絶縁膜
4、24 第1の素線
5、25 第2の素線
6、106、206、306、326 接合面(高温接点)
7、107、207、307a、307b 冷接点(低温接点)
8、28、48、108 集熱板
9、29、49、109、209、309a、309b 放熱板
10、50、110、210、310 耐火材製枠
11、31、51、111、211、311 加熱部
12、32、52、112 冷却部
133、233、333 負極端子
134、234、334 正極端子
104、204、304 第1の延長導体部
105、205、305 第2の延長導体部
201、301 第1の帯状金属薄板
202、302 第2の帯状金属薄板
203、303、323 絶縁層
212、312a、312b 冷却絶縁油部
213、313a、313b 放熱フィン
214、314 上部開口部
215、315 下部開口部
321 第3の帯状金属薄板
322 第4の帯状金属薄板
324 第3の延長導体部
325 第4の延長導体部

請求の範囲

[請求項1]
 金属材料の有するゼーベック効果による熱発電を用いた熱発電セルであって、
 当該金属材料の導電性と熱伝導性の良好性を生かす構造として、当該金属材料の高温部と低温部の温度差を維持する温度差保持部と、
 熱発電セルにおける電圧と電流の関係を表す内部抵抗を極小化する構造を有する前記金属材料の部材と、
 を備えることを特徴とする熱発電セル。
[請求項2]
 請求項1に記載の熱発電セルであって、
 熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、
 前記複数積層体の加熱部(11)側に設けられた集熱板(8)と、
 前記複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板(9)とを備える熱発電セルであって、
 前記熱発電単位ユニットは、
  第1の金属薄板(1)と、
  前記第1の金属薄板に接合された第2の金属薄板(2)と、
  前記第1と第2の金属薄板の接合面(6)と対向する前記第2の金属薄板の対向面に重ねた絶縁膜(3)と、
  前記第1の金属薄板に接続される第1の素線(4)であって、前記第1の金属薄板と同じ材質の第1の素線と、
  前記第2の金属薄板に接続される第2の素線(5)であって、前記第2の金属薄板と同じ材質の第2の素線と、
  第1と第2の素線の、前記第1及び第2の金属薄板に接続された端部に対して、他端となる端部を接合した冷接点(7)
 を備えることを特徴とする熱発電セル。
[請求項3]
 請求項1に記載の熱発電セルであって、
 熱発電単位ユニットを複数積層してなる複数積層体と、
 前記複数積層体の加熱部(111)側に設けられた集熱板(108)と、
 前記複数積層体の放熱部側に設けられた放熱板(109)とを備える熱発電セルであって、
 前記熱発電単位ユニットは、
  第1の金属薄板(101)と、
  前記第1の金属薄板に接合された第2の金属薄板(102)と、
  前記第1と第2の金属薄板の接合面(106)と対向する前記第2の金属薄板の対向面に重ねた絶縁膜(103)と、
  前記金属薄板に接続される第1の延長導体部(104)であって、前記金属薄板と同じ材質の第1の延長導体部と、
  前記金属薄板に接続される第2の延長導体部(105)であって、前記金属薄板と同じ材質の第2の延長導体部と、
  第1と第2の延長導体部の、前記第1及び第2の金属薄板に接続された端部に対して、他端となる端部を接合した冷接点(107)と、
 を備えることを特徴とする熱発電セル。
[請求項4]
 前記熱発電単位ユニットの各々に設けられた冷接点(7、107)を幾つかのグループまたは一括して冷却する冷却部(12、112)を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の熱発電セル。
[請求項5]
 請求項2又は3に記載の熱発電セルの絶縁膜に、積層間の熱変位を吸収する可塑性を有する絶縁材料を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の熱発電セル。
[請求項6]
 請求項2又は3に記載の第1の金属薄板(1、101)として、電気抵抗が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が60W/m・K以上の金属、及び第2の金属薄板(2、102)として、電気抵抗が70μΩ・cm以下で且つ熱伝導率が40W/m・K以下の金属を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の熱発電セル。
[請求項7]
 前記第1と第2の金属薄板(101、102)は、耐火材製枠(10、110)の内部で、前記絶縁層を挟んだ構造を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の熱発電セル。
[請求項8]
 請求項2乃至7の何れか1項に記載の熱発電セルの複数を熱発電セルの積層方向を加熱面に対して垂直に配置することを特徴とする熱発電モジュール。
[請求項9]
 請求項1に記載の熱発電セルであって、
 熱発電単位ユニットを、隣接した熱発電単位ユニット相互で絶縁した状態で、複数積層した状態で保持する耐火材製枠(210)と、
 前記耐火材製枠に設けられた、前記熱発電単位ユニットの複数積層体の加熱部(211)と、
 前記熱発電単位ユニットの冷却部側に設けられた冷却絶縁油部(212)とを備え、前記熱発電単位ユニットは前記耐火材製枠と前記冷却絶縁油部との間に架け渡される構造を有する熱発電セルであって、
 前記熱発電単位ユニットは、
  前記耐火材製枠と前記冷却絶縁油部との間に架け渡される構造の第1の帯状金属薄板(201)と、
  前記耐火材製枠と前記冷却絶縁油部との間に架け渡される構造であって、前記耐火材製枠で前記第1の帯状金属薄板に接合された第2の帯状金属薄板(202)と、
  前記第1と第2の帯状金属薄板の接合面(206)と反対側面に位置する前記第1及び第2の帯状金属薄板の接合反対側面に形成された絶縁層(203)と、
  第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置する冷接点(207)であって、当該冷接点は前記冷却絶縁油部で冷却される構造を有する、
 ことを特徴とする熱発電セル。
[請求項10]
 前記第1の帯状金属薄板は、前記耐火材製枠と前記冷却絶縁油部との間に位置する第1の延長導体部(204)を有し、
 前記第2の帯状金属薄板は、前記耐火材製枠と前記冷却絶縁油部との間に位置する第2の延長導体部(205)を有する、
 ことを特徴とする請求項9に記載の熱発電セル。
[請求項11]
 前記第1と第2の帯状金属薄板の接合面(206)は、拡散接合またはレーザービーム溶接により接合されたことを特徴とする請求項9に記載の熱発電セル。
[請求項12]
 前記第1と第2の帯状金属薄板の接合面(206)は、耐火材製枠(210)の内部で、前記絶縁層を挟んで折畳まれた構造を有することを特徴とする請求項9に記載の熱発電セル。
[請求項13]
 請求項1に記載の熱発電セルであって、
 熱発電単位ユニットを、隣接した熱発電単位ユニット相互で絶縁した状態で、複数積層した状態で保持する耐火材製枠(310)と、
 前記耐火材製枠に設けられた、前記熱発電単位ユニットの複数積層体の加熱部(311)と、
 前記耐火材製枠の両側に設けられた第1及び第2の冷却絶縁油部(312a、312b)であって、前記熱発電単位ユニットの第1及び第2の冷却部側に設けられた第1及び第2の冷却絶縁油部(312a、312b)とを備え、前記熱発電単位ユニットは、前記第1の冷却絶縁油部、前記耐火材製枠、及び前記第2の冷却絶縁油部の間に伸長した状態で架け渡される構造の熱発電セル。
[請求項14]
 前記熱発電単位ユニットは、
  前記第1の冷却絶縁油部と前記耐火材製枠との間に架け渡される構造の第1の帯状金属薄板(301)と、
  前記耐火材製枠と前記第2の冷却絶縁油部との間に架け渡される構造であって、前記耐火材製枠で前記第1の帯状金属薄板に接合された第2の帯状金属薄板(302)と、
  前記第1と第2の帯状金属薄板の接合面(306)と反対側面に位置する前記第1及び第2の帯状金属薄板の接合反対側面に形成された絶縁層(303)と、
  第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置する第1の冷接点(307a)であって、当該第1の冷接点は前記第1の冷却絶縁油部で冷却される構造を有し、
  第1と第2の帯状金属薄板の接合面と反対側の端部に位置する第2の冷接点(307b)であって、当該第2の冷接点は前記第2の冷却絶縁油部で冷却される構造を有する、
 ことを特徴とする請求項13に記載の熱発電セル。
[請求項15]
 前記第1の帯状金属薄板は、前記第1の冷却絶縁油部と前記耐火材製枠との間に位置する第1の延長導体部(304)を有し、
 前記第2の帯状金属薄板は、前記耐火材製枠と前記第2の冷却絶縁油部との間に位置する第2の延長導体部(305)を有する、
 ことを特徴とする請求項14に記載の熱発電セル。
[請求項16]
 請求項13に記載の前記熱発電単位ユニットは、さらに、
  前記第2の冷却絶縁油部と前記耐火材製枠との間に架け渡される構造の第3の帯状金属薄板(321)と、
  前記耐火材製枠と前記第1の冷却絶縁油部との間に架け渡される構造であって、前記耐火材製枠で前記第3の帯状金属薄板に接合された第4の帯状金属薄板(322)と、
  前記第3と第4の帯状金属薄板の接合面(326)と反対側面に位置する前記第3と第4の帯状金属薄板の接合反対側面に形成された第2の絶縁層(323)とを備え、
  前記第2の冷却絶縁油部で冷却される前記第2の冷接点(307b)には、第2の帯状金属薄板の冷接点側端部と第3の帯状金属薄板の冷接点側端部とを接合する構造を有し、
  前記第1の冷却絶縁油部で冷却される前記第1の冷接点(307a)には、第4の帯状金属薄板の冷接点側端部と第1の帯状金属薄板の冷接点側端部とを接合する構造を有する、
 ことを特徴とする請求項14に記載の熱発電セル。
[請求項17]
 前記第3の帯状金属薄板は、前記第2の冷却絶縁油部と前記耐火材製枠との間に位置する第3の延長導体部(324)を有し、
 前記第4の帯状金属薄板は、前記耐火材製枠と前記第1の冷却絶縁油部との間に位置する第4の延長導体部(325)を有し、
 ことを特徴とする請求項16に記載の熱発電セル。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]