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1. (WO2018180081) 劣化地物特定装置、劣化地物特定システム、劣化地物特定方法、劣化地物特定プログラム及び劣化地物特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
Document

明 細 書

発明の名称 劣化地物特定装置、劣化地物特定システム、劣化地物特定方法、劣化地物特定プログラム及び劣化地物特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019  

実施例

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 劣化地物特定装置、劣化地物特定システム、劣化地物特定方法、劣化地物特定プログラム及び劣化地物特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

[0001]
 本願は、劣化している地物を特定する劣化地物特定装置の技術分野に関する。

背景技術

[0002]
 自動運転車両では、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)などのセンサで計測した地物位置と、自動運転用の地図データに記述された地物位置をマッチングして高精度に自車位置を推定する必要がある。利用する地物として標識や看板、道路に描かれた白線などがあり、これらの地物位置を含む自動運転用の地図データは安定した自動運転を行うために、現実に即して整備・更新を行う必要がある。例えば、白線が経年劣化等によりその一部が消えてしまっている場合には、地図データにおける当該白線を表すデータに対して、劣化情報を反映させておく必要がある。
[0003]
 そのため、従来は地図整備車両を走行させて、劣化した地物がないか実地調査を行う必要があった。そうした中、レーザー計測技術の発達により、地表面を計測した点群データを用いて地図データの利用・更新等に活かす技術の開発が進められている。例えば、特許文献1には、点群データに建物や街路樹等、道路面以外のデータも多く含まれているところ、この中から道路面を計測しているデータを抽出する技術が開示されている。当該技術は道路に描かれた白線を抽出するための前処理として利用することができる。
[0004]
特許文献1 : 特開2017-9378号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1の技術を用いることにより、地表面を計測した点群データから道路領域を判定することができたが、地物の劣化状態まで判定することはできなかった。しかしながら、自動運転技術において、自車位置推定、レーンキープ、走行可能領域の認識などで地物の情報を用いた処理の重要性は非常に高く、地物の劣化状態がその処理に与える影響も大きい。そのため、実際の地物の劣化状態を把握し、劣化している地物については地図データに反映させておくことが重要である。
[0006]
 本願発明は、こうした事情に鑑み、多数の地物の中から、劣化している地物を特定することができる劣化地物特定装置等を提供することを課題の一例とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 請求項1に記載の発明は、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部と、前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部と、を備えることを特徴とする。
[0008]
 請求項11に記載の発明は、1又は複数の移動体に設けられた出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部と、前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記劣化している地物に対応する地図データを更新する更新部と、を備えることを特徴とする。
[0009]
 請求項12に記載の発明は、1又は複数の移動体に設けられた出射部が出射した光の地物からの反射光に基づいて前記移動体に設けられた移動体装置が特定した劣化している地物に関する劣化地物情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記劣化地物情報が示す前記地物に対応する地図データを更新する更新部と、を備えることを特徴とする。
[0010]
 請求項13に記載の発明は、移動体に設けられた移動体装置と、劣化地物特定装置とを含む劣化地物特定システムであって、前記移動体装置は、前記移動体に設けられた出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを前記劣化地物特定装置に送信する送信部を備え、前記劣化地物特定装置は、前記移動体装置から前記反射強度データを取得する取得部と、前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部と、を備えることを特徴とする。
[0011]
 請求項14に記載の発明は、劣化地物特定装置による劣化地物特定方法であって、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得工程と、前記取得工程により取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定工程と、を含むことを特徴とする。
[0012]
 請求項15に記載の発明は、コンピュータを、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部、前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部、として機能させることを特徴とする。
[0013]
 請求項16に記載の発明は、コンピュータを、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部、前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部、として機能させることを特徴とする劣化地物特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 実施形態に係る劣化地物特定装置の構成を示すブロック図である。
[図2] 実施例に係る地図データ管理システムの概要構成を示すブロック図である。
[図3] (A)は実施例に係るLidarが白線(劣化無し)での光の反射強度を測定する様子を示す図であり、(B)は当該反射強度を統計処理した場合のグラフの一例を示す図である。
[図4] (A)は実施例に係るLidarが白線(劣化有り)での光の反射強度を測定する様子を示す図であり、(B)は当該反射強度を統計処理した場合のグラフの一例を示す図である。
[図5] 実施例に係る白線予測範囲の算出方法を説明するための図である。
[図6] 実施例に係る地図データ管理システムによる反射強度データ処理の動作例を示すフローチャートである。
[図7] 実施例に係るサーバ装置による劣化判定処理の動作例を示すフローチャートである。
[図8] (A)は第4変形例に係るLidarが垂直方向に複数の光を出射する様子を示す側面図であり、(B)は当該Lidarが白線での光の反射強度を測定する様子を示す図である。
[図9] (A)は第4変形例に係る車両の進行方向に沿って破線の白線について測定された反射強度の一例を示す図であり、(B)は当該反射強度の分布に基づいて劣化判定に用いる反射強度を切り分ける有効エリア及び無効エリアを示す例図である。
[図10] 路面ペイント部における反射強度を示すペイント部反射強度データ501を取得する方法を説明するための図である。
[図11] 複数のペイント部反射強度データ501を合成して反射強度地図データ510を生成する場合の概念図である。
[図12] (A)、(B)は、路面に描かれたペイント部の一例である。

発明を実施するための形態

[0015]
 本願発明を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお、図1は、本実施形態に係る劣化地物特定装置の概要構成を示すブロック図である。
[0016]
 図1に示すように、本実施形態に係る劣化地物特定装置1は取得部1Aと特定部1Bを備えて構成されている。
[0017]
 取得部1Aは、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する。
[0018]
 特定部1Bは、取得部1Aが取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する。
[0019]
 以上説明したように、本実施形態に係る劣化地物特定装置1によれば、取得部1Aが、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得し、特定部1Bが、取得部1Aが取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する。よって、出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データに基づいて、劣化している地物を特定することができる。また、劣化していると判定した地物に関して地図データに劣化情報を反映することで、実際の地物の整備を早急に、効率よく行うことが可能となり、安定した自動運転が可能となる。
実施例
[0020]
 図2-図7を用いて実施例について説明する。なお以下に説明する実施例は、本願発明を、地図データ管理システムSに適用した場合の実施例である。
[0021]
 [1.地図データ管理システムSの構成及び概要]
 図2に示すように、本実施例の地図データ管理システムSは、地図データを管理するサーバ装置100と、複数の車両のそれぞれに搭載される車載端末200とを含んで構成され、サーバ装置100と各車載端末200はネットワークNWを介して接続されている。なお、図2では車載端末200を一台示しているが、地図データ管理システムSは複数の車載端末200を含んで構成してもよい。また、サーバ装置100についても複数の装置で構成してもよい。
[0022]
 車載端末200は、図3(A)、図4(A)に示すように、車載端末200と共にLidar205が搭載された車両Vにおいて、Lidar205が自ら出射した光Lの白線W1、白線W2(「地物」の一例)からの反射光を受光することにより測定した反射強度を示す反射強度データDをサーバ装置100に送信する。なお、図3(A)、図4(A)において反射強度データDとして示している棒線は、その長さによってその地点における反射強度の大きさを表している(長いほど反射強度が大きい)。反射強度データDは、Lidar205が出射した光Lが照射された各地点における反射強度を含むデータである。図3(A)、図4(A)では、白線W1、白線W2それぞれについて5地点での反射強度が測定されていることを示している。
[0023]
 サーバ装置100は、複数の車載端末200それぞれから受信した複数の反射強度データDに基づいて、劣化している地物を特定する。具体的には、複数の反射強度データDを統計処理することにより劣化している地物を特定する。例えば、図3(A)に示すように、劣化していない白線については、白線内の各地点での反射強度は高い値且つ均一的な値となるため、図3(B)に示すように、複数の反射強度に基づいて算出した平均値μが高くなり、且つ、標準偏差σが小さくなる。一方、図4(A)に示すように、劣化した白線については、白線内の各地点での反射強度は低い値又は不均一的な値となることから、図4(B)に示すように、複数の反射強度に基づいて算出した平均値μが低くなるか、又は、標準偏差σが大きくなる。そこで、サーバ装置100は、複数の反射強度に基づいて算出した平均値μや標準偏差σを閾値と比較することにより、地物が劣化していないか判定し、劣化している地物を特定する。そして、サーバ装置100は、劣化している地物に対応する地図データを更新する。なお、地図データの更新は、サーバ装置100から指示を受けた装置が行うこととしてもよい。
[0024]
 [2.車載端末200の構成]
 次に、本実施例に係る車載端末200の構成について説明する。図2に示すように、車載端末200は、大別して、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、インターフェース部204を含んで構成されている。
[0025]
 記憶部202は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等により構成されており、OS(Operating System)、反射強度データ処理プログラム、地図データ、反射強度データD及び各種データ等を記憶する。地図データには、劣化判定の対象となる地物(本実施例では、白線)について、その位置を示す地図位置情報と、他の地物と識別するための地物IDが記述されている(地図位置情報と地物IDは一の地物に紐付く情報であるため、地物IDは当該一の地物の位置を示す位置情報の一つということができる)。図3(A)の例では、白線W1と白線W2にはそれぞれ別の地物IDが割り当てられる。なお、白線が数百メートルに及ぶなど長く、一の地物として取り扱うことが不適当な場合には、一定の長さ(例えば、5m)で区切りそれぞれを別個の地物として地物IDを付与して取り扱うこととする。また、記憶部202が記憶する地図データと同様の地図データ(地物毎に、地図位置情報と地物IDが記述された地図データ)が、サーバ装置100の記憶部102にも記憶されており、車載装置200とサーバ装置100それぞれにおいて地物IDにより同一の地物を特定することができる。更に、記憶部202が記憶する地図データは、例えば全国の地図データを記憶しておくこととしてもよいし、車両の現在位置を含む一定地域に対応する地図データをサーバ装置100等から予め受信して記憶しておくこととしてもよい。
[0026]
 通信部203は、車載端末200とサーバ装置100との通信状態を制御する。
[0027]
 インターフェース部204は、外部機器であるLidar205や内界センサ206と車載端末200の間でデータをやりとりする際のインターフェース機能を実現する。
[0028]
 Lidar205は、車両のルーフ部分等に取り付けられ、一機能として、常時、車両の周囲に円を描くように赤外線レーザー光を出射し(ルーフ部分から下向きに一定の角度で出射する)、車両の周囲にある地物の表面上の点で反射した光を受光し、各点における反射強度を示す反射強度データDを生成する機器である。反射強度データDは、レーザー光を水平に出射し、地面や地物で反射した強度を示すデータであるため、反射強度が低い部分(地物が存在しない地面部分)と反射強度が高い部分(地物が存在する部分)が含まれる。また、Lidar205は、車両フロント部やリア部などに複数取り付け、それぞれが取得した視野範囲の反射強度データを合成して、車両の周囲の反射強度データDを生成してもよい。
[0029]
 Lidar205は、反射強度を測定すると即時に反射強度データD(反射強度が低い部分と高い部分を含む)を、インターフェース部204を介して車載端末200に送信する。制御部201は、Lidar205から反射強度データDを受信すると、受信した反射強度データDを、反射強度データDの受信時の車両(Lidar205)の位置を示す測定位置情報と、反射強度データDの受信時の日時を示す測定日時情報と対応付けて記憶部202に記憶させる。なお、制御部201は、記憶部202に記憶させた反射強度データD、測定位置情報及び測定日時情報のうち、測定から所定時間が経過したもの、或いは、サーバ装置100に送信したものについては、記憶部202から削除してもよい。
[0030]
 内界センサ206は、車両に搭載される、衛星測位センサ(GNSS(Global Navigation Satellite System))、ジャイロセンサ、車速センサ等の総称である。
[0031]
 制御部201は、制御部201全体を制御するCPU(Central Processing Unit)と、制御部201を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM(Read Only Memory)と、各種データを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)と、により構成されている。そして、CPUが、ROMや記憶部202に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
[0032]
 制御部201は、推定自車位置情報を取得する。推定自車位置情報は、車載端末200外の装置が生成したものであってもよいし、制御部201が生成したものであってもよい。推定自車位置情報は、例えば、Lidar205で計測した地物位置と、自動運転用の地図データの地物位置をマッチングして生成したり、内界センサ206で検出した情報と地図データに基づいて生成したり、これらの組み合わせにより生成することができる。
[0033]
 また、制御部201は、推定自車位置情報と、地図データで示される白線の地図位置情報に基づいて、自車両(Lidar205)から見た実際の白線位置を予測する。このとき、制御部201は、ある程度の余裕を持って、白線が含まれる白線予測範囲を算出・設定する。
[0034]
 ここで、図5を用いて、白線予測範囲の設定方法について具体的に説明する。図5における座標系等は次の通りである。
 地図座標系:


 車両座標系:


 地図座標系における白線地図位置:


 車両座標系における白線予測位置:


 地図座標系における推定自車位置:


 地図座標系における推定自車方位角:


[0035]
 制御部201は、推定自車位置情報の示す推定自車位置に基づき、車両の進行方向(例えば、10m先)にある白線の地図位置情報の示す白線地図位置から、白線予測範囲を算出する。このとき、図5に示すように、車両Vが走行するレーンが左側の白線1と右側の白線2により区切られている場合であれば、白線1及び2それぞれについて白線予測範囲を算出する。
[0036]
 白線1と白線2とで白線予測範囲の算出方法は同様であるので、ここでは、白線1について白線予測範囲を算出する場合について説明する。まず、制御部201は、白線1地図位置と推定自車位置に基づいて白線1予測位置301(白線1についての白線予測位置)を算出する。白線予測位置は、次の(1)式で求められる。
[数1]


[0037]
 次に、制御部201は、白線1予測位置301を基準に白線1予測範囲311を設定する。具体的には、白線1予測位置301を含む一定の範囲を白線1予測範囲311とする。そして、制御部201は、複数の点における反射強度を含む反射強度データDから、白線1予測範囲311内の反射強度を示す白線1反射強度データ321を抽出する。
[0038]
 制御部201は、こうして抽出した反射強度データ321、322を、白線1地図位置及び白線2地図位置にそれぞれ対応する地物IDと、反射強度データ321、322の抽出元である反射強度データDと対応する測定日時情報と対応付けてサーバ装置100に送信する。なお、以下では、Lidar205が測定し、車載端末200が記憶部202に記憶させた反射強度データD(Lidar205が測定した生データ又は生データを加工したデータであってもよい)を抽出前反射強度データDと呼び、そのうち、白線予測範囲内で抽出した反射強度を示す反射強度データDを抽出後反射強度データDと呼ぶ場合がある。
[0039]
 [3.サーバ装置100の構成]
 次に、サーバ装置100の構成について説明する。図2に示すように、サーバ装置100は、大別して、制御部101、記憶部102、通信部103、表示部104及び操作部105を含んで構成されている。
[0040]
 記憶部102は、例えばHDDやSSD等により構成されており、OS、白線劣化判定プログラム、車載端末200から受信した反射強度データD及びその他各種データ等を記憶する。
[0041]
 通信部103は、車載端末200との通信状態を制御する。
[0042]
 表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成されており、文字や画像等の情報を表示する。
[0043]
 操作部105は、例えば、キーボード、マウス等により構成されており、オペレータからの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号として制御部101に出力する。
[0044]
 制御部101は、制御部101全体を制御するCPUと、制御部101を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROMと、各種データを一時的に格納するRAMと、により構成されている。そして、CPUが、ROMや記憶部102に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
[0045]
 制御部101は、一又は複数の車載端末200それぞれから受信した複数の反射強度データDに基づいて、白線の劣化状態を判定する。そして、制御部101は、劣化している地物が劣化していることを識別できるように、当該地物に対応する地図データを更新する。
[0046]
 [4.地図データ管理システムSの動作例]
 [4.1.反射強度データ処理時の動作例]
 次に、図6のフローチャートを用いて、地図データ管理システムSによる反射強度データ処理の動作例について説明する。なお、図6のフローチャートでは、一の車載端末200が反射強度データDを測定してサーバ装置100に送信する流れについて説明しているが、地図データ管理システムSに含まれる各車載端末200について同様の処理が実行される。また、図6の車載端末200のステップS101~ステップS105の処理は、定期的に(例えば、所定時間毎に、及び/又は、車載端末200が搭載された車両が所定距離移動する毎に)実行され、車載端末200によるステップS105の処理を受けて、サーバ装置100はステップS201~ステップS202の処理を実行する。
[0047]
 まず、車載端末200の制御部201は、推定自車位置情報を取得する(ステップS101)。
[0048]
 次に、制御部201は、ステップS101の処理で取得した推定自車位置情報の示す推定自車位置に対応する地図データから、白線の地図位置情報を取得する(ステップS102)。このとき、制御部201は、上述したように、車両の進行方向にある白線の地図位置情報と地物IDを取得する。
[0049]
 次に、制御部201は、推定自車位置情報の示す推定自車位置と白線の地図位置情報の示す白線地図位置から、白線予測範囲を算出・設定する(ステップS103)。
[0050]
 次に、制御部201は、Lidar205が測定した抽出前反射強度データDのうち白線予測範囲内のものを抽出して、抽出後反射強度データDを得る(ステップS104)。具体的には、制御部201は、まず、抽出前反射強度データDと対応付けて記憶されている測定位置情報の測定位置と、Lidar205がレーザー光を出射する際の出射角(下向きの一定の角度)に基づいて、白線予測範囲を含む範囲にレーザー光を出射して測定した抽出前反射強度データDを特定する。次いで、制御部201は、当該特定した抽出前反射強度データDにおける白線予測範囲内の部分を抽出して抽出後反射強度データD2を得る。例えば、制御部201は、車両方向を基準とする白線予測範囲の方位角(θ1、θ2(図5参照))に対応する部分を抽出する。
[0051]
 次に、制御部201は、ステップS104の処理で抽出した抽出後反射強度データDを、当該抽出後反射強度データDの抽出元である抽出前反射強度データDと対応付けて記憶されている測定日時情報及びステップS102の処理で取得した地物IDとともにサーバ装置100に送信し(ステップS105)、反射強度データ送信時処理を終了する。
[0052]
 これに対して、サーバ装置100の制御部101は、車載端末200から抽出後反射強度データD、測定日時情報及び地物IDを受信すると(ステップS201)、これらを記憶部102にそれぞれ対応付けて記憶させ(ステップS202)、反射強度データ送信時処理を終了する。これにより、サーバ装置100の記憶部102には、複数の車載端末200それぞれから送信された複数の抽出後反射強度データDが蓄積されることとなる。
[0053]
 [4.2.劣化判定処理時の動作例]
 次に、図7のフローチャートを用いて、サーバ装置100による劣化判定処理の動作例について説明する。劣化判定処理は、例えば、オペレータ等から白線について劣化判定することの指示とともに、劣化判定すべき白線の地物IDが指定された場合に実行される。
[0054]
 まず、サーバ装置100の制御部101は、指定された地物IDを取得する(ステップS211)。次いで、制御部101は、当該地物IDと対応付けて記憶されており、且つ、測定日時が所定期間内(例えば、直近3ヶ月)である抽出後反射強度データDを記憶部102から取得する(ステップS212)。取得対象を測定日時が所定期間内の反射強度データDに限定している理由は、あまりに古い反射強度データDでは、現在の劣化状態を判定するのに適切でないからである。
[0055]
 次に、制御部101は、ステップS212の処理で抽出した抽出後反射強度データDの平均を算出し(ステップS213)、次いで、標準偏差を算出する(ステップS214)。なお、制御部101は、平均及び標準偏差を算出する場合、地物ID毎(図3(A)、図4(A)の例では、白線W1と白線W2毎)に抽出後反射強度データDを処理する。また、図3(A)、図4(A)の例では、白線W1について5つの地点での反射強度が測定されているので、制御部101はそれぞれの地点での反射強度の平均及び標準偏差を算出する。また、制御部101は、当該5つの地点それぞれでの反射強度の平均及び標準偏差を求めることに代えて、当該5つの地点又は抽出後反射強度データDに含まれる所定の領域(一部又は全部の領域)の地点における反射強度の平均及び標準偏差を算出してもよい。
[0056]
 次に、制御部101は、ステップS213の処理で算出した平均が第1の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS215)。このとき、制御部101は、平均が第1の閾値以下であると判定した場合には(ステップS215:YES)、指定された白線について「劣化あり」と判定し(ステップS217)、当該白線に対応する地図データについて「劣化あり」であることを示す情報を付加する更新を行い(ステップS218)、劣化判定処理を終了する。なお、制御部101は、ステップS217の処理で、指定された白線について「劣化あり」と判定することは、劣化した白線を特定することの一例である。一方、制御部101は、平均が第1の閾値以下ではないと判定した場合には(ステップS215:NO)、次いで、ステップS214の処理で算出した標準偏差が第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS216)。
[0057]
 このとき、制御部101は、標準偏差が第2の閾値以上であると判定した場合には(ステップS216:YES)、指定された白線について「劣化あり」と判定し(ステップS217)、当該白線に対応する地図データについて「劣化あり」であることを示す情報を付加する更新を行い(ステップS218)、劣化判定処理を終了する。一方、制御部101は、標準偏差が第2の閾値以上ではないと判定した場合には(ステップS216:NO)、指定された白線について「劣化なし」と判定し(ステップS219)、劣化判定処理を終了する。なお、劣化判定処理はサーバ装置100の制御部101が行うことに代えて、車載端末200の制御部201が劣化判定の処理を行ってもよい。この場合、制御部201は、劣化していると判定された当該白線に対応する地物に対して、「劣化あり」であることを示す情報を、サーバ装置100に送信する。
[0058]
 以上説明したように、本実施例における地図データ管理システムSは、サーバ装置100の制御部101(「取得部」、「特定部」の一例)が、車両(「移動体」の一例)が出射した光の白線(「地物」の一例)からの反射光を受光して、当該車両において測定された反射強度データDを取得し、当該取得した反射強度データDに基づいて劣化している白線を特定する。
[0059]
 したがって、本実施例の地図データ管理システムSによれば、車両から取得する反射強度データDを用いることで、劣化している白線を特定することができる。なお、白線の劣化判定を、車両に搭載したカメラで撮影した画像に基づいて行うことも考えられるが、夜間、逆光など明るさの変化、カメラ解像度などの制約があり、適切に劣化判定を行うことは困難であり、本実施例のように反射強度データDを用いた劣化判定の方が優位である。
[0060]
 また、制御部101は、反射強度データDの測定日時を示す測定日時情報を更に取得し、測定日時情報に基づいて所定の期間に測定された反射強度データDを選択し、当該選択した反射強度データDに基づいて劣化している白線を特定する。したがって、所定の期間(例えば直近の数ヶ月間)を適切に設定することにより、白線の劣化判定に不適切な反射強度データDを除いた反射強度データに基づいて劣化している白線を適切に特定することができる。
[0061]
 更に、制御部101は、光を反射した白線の位置を特定するための地物ID(「位置情報」の一例)を更に取得し、反射強度データD及び地物IDに基づいて、劣化している白線を特定する。これにより、劣化している白線の位置も特定することができる。
[0062]
 更にまた、制御部101は、地図位置情報(「位置情報」の一例)に基づいて、設定された白線予測範囲内で測定された抽出後反射強度データDに基づいて、劣化している白線を特定する。これにより、白線以外で反射された光を示す反射強度データDを除外して劣化判定を行うことができ、より高精度に白線について劣化判定を行うことができる。
[0063]
 更にまた、制御部101(「更新部」の一例)は、図7のステップS217の処理で「劣化あり」と判定した白線に対応する地図データを更新する(「劣化あり」であることを示す情報を付加する更新を行う)。これにより、劣化している白線を表す地図データに対して、劣化情報を反映させることができる。
[0064]
 更にまた、制御部101は、一又は複数の車両のそれぞれが出射した光の白線からの反射光を受光して、当該一又は複数の車両のそれぞれにおいて測定された反射強度データDを取得し、当該取得した複数の反射強度データDに基づいて劣化している白線を特定する。したがって、本実施例の地図データ管理システムSによれば、一又は複数の車両から取得する反射強度データDを用いて、高精度に劣化している白線を特定することができる。
[0065]
 なお、本実施例では、劣化判定の対象の地物を白線として説明したが、反射強度に基づいて劣化判定を行うことが可能な全ての地物を劣化判定の対象とすることができる。
[0066]
 [5.変形例]
 次に、本実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は適宜組み合わせることができる。
[0067]
 [5.1.第1変形例]
 上記実施例では、劣化判定の対象である白線が実線である場合について説明したが、白線が破線である場合もある。また、白線はレーンを区切るためだけではなく、導流体、文字、横断歩道等にも用いられている。更に、劣化判定の対象は白線のみならず、標識や看板等の地物も含めることができる。つまり、劣化判定の対象とする地物は様々な種別に分類することができる。そこで、地物の種類を示す地物種類情報を更に地物IDと紐付けておくこととし、地物の種類によって反射強度データを用いて劣化判定をする際の閾値を変更することとしてもよい。
[0068]
 また、白線が破線である場合、白線がペイントされている部分毎に地物IDを設定して、白線がペイントされていない部分については地物IDを設定せずに劣化判定の対象から除外することとしてもよい。なお、導流体、文字、横断歩道等は、白線の向きが車両の進行方向と平行でない場合もあるので、白線の種類毎に白線予測範囲の設定方法を定めておき(例えば、白線予測範囲の四隅の点の位置情報を地図データに記述しておき、車載装置200の制御部201はそれに基づいて白線予測範囲を設定する)、劣化判定の対象となる白線の種類に応じて白線予測範囲を設定することとしてもよい。
[0069]
 [5.2.第2変形例]
 Lidar205により測定する反射強度は、日光の影響を受けるため測定日時や測定時の天候により異なる。例えば、同一の白線における反射強度であっても、明け方や夕暮れ時での反射強度と日中での反射強度は異なる。また、晴天時の反射強度と、曇りや雨、雪等の時の反射強度も異なる。そこで、第2変形例では、車載装置200の制御部201は、Lidar205から反射強度データDを受信した際に、測定時の天候を示す天候情報を更に対応付けて記憶部202に記憶させることとし、図6のステップS105の処理で、天候情報を更に対応付けてサーバ装置100に送信し、サーバ装置100も天候情報を更に対応付けて記憶部102に記憶させることとする。そして、サーバ装置100の制御部101は、測定日時情報又は天候情報の少なくとも何れか一方の情報(「付随情報」の一例)に応じて反射強度データDを補正した上で、劣化している地物を特定することとしてもよい。これにより、測定時の時刻や天候による反射強度データ間の差を相殺して、適切に劣化判定を行うことができる。
[0070]
 [5.3.第3変形例]
 上記実施例では、車載端末200の制御部201は定期的に反射強度データDをサーバ装置100に送信することとしたが、これに加えて、制御部201は車載端末200(自車両)が所定のエリア(例えば、サーバ装置100から指定された測定エリア)内で測定した反射強度データDのみを送信するという条件を加えることとしてもよい。これにより、例えば、サーバ装置100が白線の劣化判定を行う必要のあるエリアを測定エリアとして指定することにより、白線の劣化判定を行う必要のないエリアで測定された反射強度データDを受信しなくてすむ。これにより、車載端末200とサーバ装置100間の通信データ量の削減や、反射強度データDを記憶するサーバ装置100の記憶部102の記憶容量の節約、劣化判定に係る処理負荷の軽減を実現することができる。
[0071]
 また、サーバ装置100の制御部101は、記憶部102に反射強度データDとともに記憶させた地図位置情報(「位置情報」の一例)を参照して、指定されたエリア(例えば、オペレータ等により指定された、白線の劣化判定を行う必要のあるエリア)で測定された反射強度データに基づいて、劣化している白線を特定することとしてもよい。これにより、劣化判定を行う必要のあるエリアを指定することにより、当該エリア内の白線についてのみ劣化判定を行うことができ、劣化判定を行う必要のないエリアについて劣化判定を行う場合よりも処理負担を軽減できる。
[0072]
 [5.4.第4変形例]
 上記実施例では、Lidar205が車両のルーフ部分等に取り付けられ、一定の角度で下向きに車両の周囲に円を描くように一本の赤外線レーザー光Lを出射することとしたが、例えば、図8(A)に示すように、Lidar205が車両の周囲に円を描くように複数本(図8(A)では5本)の赤外線レーザー光Lをそれぞれ下向き方向の出射角度を異ならせて出射することとしてもよい。これにより、図8(B)に示すように、一度に、車両の進行方向に沿って反射強度データDを測定することができる。また、上記実施例のように、一本の赤外線レーザー光Lを出射して反射強度データDを測定するということを車両Vが所定の距離移動する度に行い、それらを組み合わせることにより、図8で示した例と同様に、車両の進行方向に沿って反射強度データDを得ることができる。
[0073]
 また、第1変形例でも説明したが、図9(A)に示すように、白線が破線である場合に、白線がペイントされていない部分は、白線の劣化がそもそも発生しないことから劣化判定の対象から外すことが好ましい。そこで、サーバ装置100の制御部101は、上述したように車両Vの進行方向に沿って測定された反射強度データDに基づいて、白線がペイントされている部分(ペイントエリア)を有効エリア、白線がペイントされていない部分(非ペイントエリア)を無効エリアとして切り分け、有効エリアに対応する反射強度のみに基づいて劣化判定を行うこととしてもよい。具体的には、図9(A)、(B)に示すように、破線の白線について車両Vの進行方向に沿って測定された反射強度データDの示す反射強度は、大別して、ペイントエリアで高い値となり、非ペイントエリアで低い値となることから、閾値を設定して、反射強度が閾値以上であれば有効エリア、それ以外は無効エリアとして切り分ける。これにより、第1変形例で説明したように、破線である白線のペイントエリア毎に地物IDを設定することなく、実線である白線と同様に所定の距離毎に地物IDを設定することができ、且つ、非ペイントエリアについて劣化判定を行わないようにすることができる。なお、このペイントエリア(有効エリア)と非ペイントエリア(無効エリア)を切り分ける手法は、破線の白線以外にも、ペイントエリアと非ペイントエリアで構成される導流体、文字、横断歩道等の劣化判定に採用してもよい。
[0074]
 [5.5.第5変形例]
 上記実施例では、予め白線予測範囲を算出して、そこに含まれる反射強度データDは、白線で反射した光によるものとして処理を行っている。すなわち、車載端末200がサーバ装置100に送信する抽出後反射強度データDは、白線での反射強度を示すデータであることが保証されていた。第5変形例では、車載端末200は、Lidar205から受信した抽出前反射強度データDを、測定位置情報及び測定日時情報と対応付けてサーバ装置100に送信することとする。そして、サーバ装置100の制御部101は、当該抽出前反射強度データDの示す反射強度の分布と、車両が走行するレーンを区切る白線の位置関係から白線による反射に基づく反射強度を特定し、当該特定した反射強度に基づいて、劣化判定を行うこととする。そして、劣化判定により地物が劣化していると判定した場合には、反射強度データDと対応する測定位置情報と、Lidar205がレーザー光Lを出射する出射角度を示す情報との組み合わせにより、劣化している白線の位置を特定することとしてもよい。これにより、Lidar205が測定した抽出前反射強度データDから、白線の劣化判定に用いる部分を抽出する処理、白線の地図位置の取得処理に掛かる車載端末200の処理負担を軽減することができる。また、第5変形例では、記憶部202に記憶されている地図データに白線の位置情報を持たせなくても、サーバ装置100において白線の劣化判定を行うことが可能となる。
[0075]
 [5.6.第6変形例]
 図10、図11を用いて、路面にペイントされた矢印、導流体、文字、横断歩道等の図柄(「ペイント部」という場合がある)の劣化を判定する第6変形例について説明する。図10は、ペイント部における反射強度を示すペイント部反射強度データ501を取得する方法を説明するための図である。図11は、複数のペイント部反射強度データ501を合成して反射強度地図データ510を生成する場合の概念図である。
[0076]
 まず、図10を用いて、右折矢印500(ペイント部)について反射強度を示すペイント部反射強度データ501を取得する方法について具体的に説明する。図10における座標系等は次の通りである。
 地図座標系:


 車両座標系:


 地図座標系におけるペイント部位置(車両から見たペイントの位置):


 車両座標系におけるペイント部位置(地図から見たペイントの位置):


 地図座標系における推定自車位置:


 地図座標系における推定自車方位角:


[0077]
 また、地図座標系における路面ペイント位置は次の(2)式で求められる。
[数2]


[0078]
 車載端末200の制御部201は、車両Vの進行に伴い、右折矢印500上におけるペイント部反射強度データ501を複数取得する。例えば、図11に示すように、車両Vの進行に伴って、ペイント部反射強度データ501A、ペイント部反射強度データ501B、ペイント部反射強度データ501C、ペイント部反射強度データ501Dを順次取得する。各ペイント部反射強度データ501は、Lidar205による一回のレーザー光の出射により得られるペイント部上の複数の位置(点)における反射強度を含む。例えば、図11においてペイント部反射強度データ501Aが横長形状で示されているが、これは、一回のレーザー光の出射により得られたペイント部上の複数の位置における反射強度を示している。すなわち、ペイント部反射強度データ501Aは横方向に並ぶ複数の位置(点)のそれぞれにおける反射強度を含むデータである。そして、制御部201は、それぞれのペイント部反射強度データ501に含まれる複数の位置における各反射強度を示す情報を、上記(2)式に基づいて算出した地図座標系における路面ペイント位置を示す情報と対応付けてサーバ装置100に送信する。なお、制御部201は、サーバ装置200等から予め指定されたペイント部についてのみペイント部反射強度データ501をサーバ装置100に送信することとしてもよい。
[0079]
 図11に示すように、サーバ装置100の制御部101は、一又は複数の車載端末200から受信した複数のペイント部反射強度データ501A~501Dを、ペイント部反射強度データ501と対応付けられた地図座標系におけるペイント部位置を示す情報に基づいて合成することにより反射強度地図データ510(「反射強度分布」の一例)を生成する。反射強度地図データ510は、位置座標毎に反射強度を保持するデータであり、例えば、(X1、Y1、I1)、(X2、Y2、I2)、…(Xn、Yn、In)といったデータ構造となる(Iは反射強度を表し、X、Yは反射強度Iが得られた位置座標を表す)。そして、制御部101は、反射強度地図データ510における反射強度を解析することにより、ペイント部の劣化位置及び劣化状態を判定する。なお、サーバ装置100の制御部101の代わりに、車載端末200の制御部201が反射強度地図データ510を生成し、サーバ装置100に送信することとしてもよい。また、車載端末200の制御部201が反射強度地図データ510を生成し、更に、劣化位置及び劣化状態の判定を行い、劣化位置及び劣化状態を示す劣化情報をサーバ装置100に送信することとしてもよい。
[0080]
 第6変形例では、1又は複数の車両Vで得られたペイント部反射強度データ501を利用して反射強度地図データを生成することにより、反射強度について高密度の分布情報を取得することができるため、白線よりも複雑な形状(文字等)のペイント部であっても劣化を判定することができる。また、サーバ装置100が1又は複数の車両Vから取得したペイント部反射強度データ501を統計的に処理することにより、劣化位置及び劣化状態の判定精度を向上させることができる。
[0081]
 なお、ペイント部の劣化を判定するにあたり、例えばそれぞれのペイント部が示す内容に応じて優先度(重み付け)を設定し、劣化判定をする際に用いる閾値を優先度に応じて変化させてもよい。具体的には、重要な情報を提示するペイント部について優先度を高く設定し、劣化と判定され易いように閾値を低く設定する。例えば、図12(A)における「とまれ」を表すペイント部551と「自転車マーク」を表すペイント部552について優先度を高く設定し、「三角形マーク」を表すペイント部553について優先度を低く設定する。同様に、図12(B)における「止まれ」を表すペイント部561について優先度を高く設定し、「棒線」を表すペイント部562について優先度を低く設定する。これにより、ペイント部551及びペイント部552や、ペイント部561については劣化判定をする際に用いる閾値が低く設定され、軽度の劣化でも劣化と判定される。このようにペイント部が示す内容に応じて優先度を設定することにより、優先度が低い箇所について軽度の劣化であれば劣化していないと判定される。すなわち、優先度を用いることにより、ペイント部が示す内容に応じて柔軟に劣化の判定を行うことができる。
[0082]
 また、こうしたペイント部の劣化判定は、白色のペイント部に限らず黄色など他の色のペイント部についても行うことができる。このとき、ペイント部の色に応じて反射強度が異なる場合があることから、ペイント部の色に応じて劣化判定をする際に用いる閾値を変えてもよい。

符号の説明

[0083]
1 劣化地物特定装置
1A 取得部
1B 特定部
S 地図データ管理システム
100 サーバ装置
101 制御部
102 記憶部
103 通信部
104 表示部
105 操作部
200 車載端末
201 制御部
202 記憶部
203 通信部
204 インターフェース部
205 Lidar
206 内界センサ

請求の範囲

[請求項1]
 出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部と、
 前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部と、
 を備えることを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記取得部は、前記反射強度データを測定した地物の種類を示す地物種類情報を更に取得し、
 前記特定部は、地物が劣化しているかの判定を閾値に基づいて行い、当該閾値を前記地物の種類に応じて変更することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項3]
 請求項1又は2の何れか一項に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記取得部は、前記反射強度データの測定日時を示す測定日時情報又は測定時の天候を示す天候情報の少なくとも何れか一方を含む付随情報を更に取得し、
 前記特定部は、前記付随情報に応じて前記反射強度データを補正した上で、前記劣化している地物を特定することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項4]
 請求項1又は2の何れか一項に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記取得部は、前記反射強度データの測定日時を示す測定日時情報を更に取得し、
 前記特定部は、前記測定日時情報に基づいて所定の期間に測定された前記反射強度データを選択し、当該選択した反射強度データに基づいて前記劣化している地物を特定することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項5]
 請求項1乃至4の何れか一項に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記取得部は、前記光を反射した地物の位置を特定するための位置情報を更に取得し、
 前記特定部は、前記位置情報に基づいて、前記劣化している地物を特定することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項6]
 請求項5に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記特定部は、前記位置情報を参照して、指定されたエリアで測定された反射強度データに基づいて、前記劣化している地物を特定することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項7]
 請求項5に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記出射部を搭載した移動体の移動に伴って、前記取得部で取得した前記反射強度データに基づいて、反射強度分布を作成する作成部を更に備え、
 前記特定部は、前記作成された反射強度分布に基づいて、前記劣化している地物を特定することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項8]
 請求項7に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記反射強度分布には、劣化している前記地物を特定する際の優先度を示す情報が含まれ、
 前記特定部は、前記優先度を示す情報に基づいて、前記劣化している地物を特定することを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項9]
 請求項1乃至8の何れか一項に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記特定部に特定された劣化している地物に対応する地図データを更新する更新部を更に備えることを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項10]
 請求項1乃至9の何れか一項に記載の劣化地物特定装置であって、
 前記特定部が特定した劣化している地物を示す情報を送信する送信部を更に備えることを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項11]
 1又は複数の移動体に設けられた出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部と、
 前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部と、
 前記特定部が特定した前記劣化している地物に対応する地図データを更新する更新部と、
 を備えることを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項12]
 1又は複数の移動体に設けられた出射部が出射した光の地物からの反射光に基づいて前記移動体に設けられた移動体装置が特定した劣化している地物に関する劣化地物情報を取得する取得部と、
 前記取得部が取得した前記劣化地物情報が示す前記地物に対応する地図データを更新する更新部と、
 を備えることを特徴とする劣化地物特定装置。
[請求項13]
 移動体に設けられた移動体装置と、劣化地物特定装置とを含む劣化地物特定システムであって、
 前記移動体装置は、
 前記移動体に設けられた出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを前記劣化地物特定装置に送信する送信部を備え、
 前記劣化地物特定装置は、
 前記移動体装置から前記反射強度データを取得する取得部と、
 前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部と、
 を備えることを特徴とする劣化地物特定システム。
[請求項14]
 劣化地物特定装置による劣化地物特定方法であって、
 出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得工程と、
 前記取得工程により取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定工程と、
 を含むことを特徴とする劣化地物特定方法。
[請求項15]
 コンピュータを、
 出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部、
 前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部、
 として機能させることを特徴とする劣化地物特定プログラム。
[請求項16]
 コンピュータを、
 出射部が出射した光の地物からの反射光に基づく反射強度データを取得する取得部、
 前記取得部が取得した反射強度データに基づいて劣化している地物を特定する特定部、
 として機能させることを特徴とする劣化地物特定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]