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1. (WO2018180074) 挿入装置、挿入装置の動作方法
Document

明 細 書

発明の名称 挿入装置、挿入装置の動作方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の開示

課題を解決するための手段

0016   0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための最良の形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 挿入装置、挿入装置の動作方法

技術分野

[0001]
 本発明は、被検体内に挿入される挿入部を有する内視鏡を具備する挿入装置、挿入装置の動作方法に関する。

背景技術

[0002]
医療分野において用いられる内視鏡を具備する挿入装置において、内視鏡の挿入部を被検体となる生体内に挿入し、内視鏡観察下において生体内の生体組織における処置対象組織を観察した状態において、内視鏡の操作部に設けられた処置具挿通口を介して処置具挿通管路内に挿通した焼灼装置を挿入部に設けられた開口から突出させ、該突出させた焼灼装置から処置対象組織にエネルギを与えることにより、生体組織から処置対象組織を剥離、切除する手技が周知である。
[0003]
 一例を挙げると、内視鏡観察下において生体内の癌組織等の病変部位を除去するための内視鏡的処置における、例えば、ESD((Endoscopic Sub mucosal Dissection)手技が周知である。
[0004]
具体的には、ESD手技は、例えば、内視鏡の挿入部を生体内に挿入し、生体内に存在する癌組織を内視鏡の観察視野に入れた状態において、当該内視鏡の処置具挿通管路内に挿通した焼灼装置、例えば高周波ナイフを挿入部の先端から前方に突出させ、その後、当該挿入部を前後に移動させることにより、事前に専用の液体の注入によって浮かされた癌組織を、高周波ナイフを用いて除去する処置として知られている。
[0005]
ここで、ESD手技のような生体組織を切開するとともに出血を凝固させる手技の最中においては、例えば、高周波ナイフから癌組織へ高周波電流が印加されることによって行われる切開、凝固に伴って、生体内の粘液や脂肪が蒸発し、粘膜や脂肪は、固体粒子成分を含む流体、具体的には、生体組織に由来する成分を含む気体としてミスト状になってしまう。
[0006]
その結果、特にESD手技のような長時間に亘る手技においては、狭い空間内にミストが充満しやすく、内視鏡の観察視野が遮られてしまうというような状況が発生し得る。
[0007]
そのため、ESD手技中において観察視野を確保するため、吸気管路を用いて吸気口から生体組織に由来する成分を含む気体を吸気する手法を用いることが望ましい。尚、吸気管路が処置具挿通用管路を兼ねている構成も周知である。
[0008]
しかしながら、生体内の吸気を行うと、生体内の圧力が負圧になってしまい、生体内の観察空間が縮んでしまうといった問題があった。
[0009]
このような問題に鑑み、日本国特開2015-198821号公報には、生体内の圧力を圧力センサで測定し、第1の圧力よりも生体内が負圧の場合は送気を行い、正圧の場合は吸気を行う。
[0010]
このことにより、生体内の圧力を第1の圧力として一定に保つ送気システム及び送気装置の構成が開示されている。
[0011]
 ここで、例えばESD手技においては、観察視野の確保や処置のため内視鏡の先端と、切開対象組織との距離を適切にする目的から、術者が意図的に吸気を行うことにより切開対象組織を移動させたり、意図的に送気を行うことにより切開対象組織を膨張させて切開性を向上させたりする操作を行う場合がある。
[0012]
 しかしながら、日本国特開2015-198821号公報に開示された送気システム及び送気装置の構成においては、生体内の圧力が第1の圧力を常に維持するよう構成されているため、術者が意図的に吸気を行うと、生体内を第1の圧力に戻すよう自動的に送気が行われ、術者が意図的に送気を行うと、生体内を第1の圧力に戻すよう自動的に吸気が行われてしまう。
[0013]
 よって、術者が意図的に送気または吸引の操作を行うことによって、生体内の圧力を第1の圧力とは異なる圧力であって内視鏡的処置または視野確保を行いやすい第2の圧力に維持することができないといった問題があった。
[0014]
 尚、以上の問題は、ESD手技に限定されず、焼灼装置から処置対象組織にエネルギを与えることにより、生体組織から処置対象組織を剥離、切除する他の手法及び構成においても同様である。
[0015]
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被検体内に発生した観察視野を遮る成分を含む気体を、観察性及び処置性を低下させることなく除去しつつ、観察性及び処置性向上のため術者が意図的に圧力を変動させた後の被検体内の状態から急激な圧力変動を抑えることができる構成を具備する挿入装置、挿入装置の動作方法を提供することを目的とする。

発明の開示

課題を解決するための手段

[0016]
 本発明の一態様における挿入装置は、被検体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡を操作する操作者の操作に基づき、前記内視鏡に設けられた第1の送気管路を介して、前記被検体内に所定量の気体を供給する第1の送気部と、前記操作者の操作に基づき、前記内視鏡に設けられた第1の吸気管路を介して、前記被検体内から所定量の気体を前記被検体外に送る第1の吸気部と、前記操作者の操作とは独立して、第2の送気管路を介して前記被検体内に気体を連続的に供給する第2の送気部と、前記操作者の操作とは独立して、第2の吸気管路を介して、前記被検体内から気体を連続的に前記被検体外に送る第2の吸気部と、前記被検体内の圧力を検出する圧力検出部と、前記操作者による前記第1の送気部または前記第1の吸気部の操作を検出する操作検出部と、前記第2の送気部に対し前記被検体内に供給する気体の送気量を制御するとともに、前記第2の吸気部に対して前記被検体内から前記被検体外へと送る気体の吸気量を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、所定時間あたりにおける前記第2の送気部からの前記送気量と、前記第2の吸気部による前記吸気量が等しくなるよう、前記第2の送気部及び前記第2の吸気部に対し第1の制御を行い、前記操作検出部が前記第1の送気部または前記第1の吸気部に対する前記操作者の操作を検出し、前記圧力検出部が第1の圧力から第2の圧力に前記被検体内の圧力が変動したことを検出したとき、前記制御部は、前記第2の圧力になった前記被検体内に前記送気および前記吸気を行うよう前記第1の制御を維持する。
[0017]
 また、本発明の一態様における挿入装置の動作方法は、被検体内に内視鏡の挿入部を挿入し圧力検出部により前記被検体内の圧力を検出し、前記内視鏡を操作する操作者の操作とは独立して、第2の送気部により前記被検体内に気体を第2の送気管路を介して連続的に供給するとともに、前記操作者の操作とは独立して、第2の吸気部により前記被検体内の気体を第2の吸気管路を介して連続的に前記被検体外へと送り、前記制御部は、所定時間あたりにおける前記第2の送気部からの前記送気量と、前記第2の吸気部による前記吸気量が等しくなるよう、前記第2の送気部及び前記第2の吸気部に対し第1の制御を行い、前記操作検出部が前記第1の送気部または前記第1の吸気部に対する前記操作者の操作を検出し、前記圧力検出部が第1の圧力から第2の圧力に前記被検体内の圧力が変動したことを検出したとき、前記制御部は、前記第2の圧力になった前記被検体内に前記送気および前記吸気を行うよう前記第1の制御を維持する。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本実施の形態の挿入装置の構成を概略的に示す図
[図2] 図1の第2の送気部と第2の吸気部とが一体的に形成された変形例を示す図
[図3] 被検体内における所定時間あたりの圧力変動例を示す図表
[図4] 図1の制御部による被検体内の圧力変動に応じた環流制御を示すフローチャート
[図5] 被検体の例として消化管内に図1の内視鏡の挿入部を挿入して、消化管内の病変に対して焼灼装置の高周波処置具を用いて処置を行う様子を示す図
[図6] 図5の消化管が頻繁に膨張収縮することで振動してしまう様子を示す図
[図7] 被検体内に図1の内視鏡の挿入部が内装された状態で挿入されるオーバーチューブを、第2の送気部及び第2の吸気部とともに示す図
[図8] 図7のオーバーチューブに図1の挿入部が内装された状態で、消化管内に挿入された状態を示す図
[図9] 図8のオーバーチューブの先端を、図8中のIX方向からみた正面図
[図10] 図7のオーバーチューブにメッシュ状の吸気口が設けられた変形例を示す図
[図11] 図10中のXI-XI線に沿うオーバーチューブの断面図
[図12] 図10中のXII-XII線に沿うオーバーチューブの断面図

発明を実施するための最良の形態

[0019]
 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、図面は模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、それぞれの部材の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[0020]
図1は、本実施の形態の挿入装置の構成を概略的に示す図、図2は、図1の第2の送気部と第2の吸気部とが一体的に形成された変形例を示す図、図3は、被検体内における所定時間あたりの圧力変動例を示す図表である。
[0021]
図1に示すように、挿入装置100は、内視鏡1を具備している。内視鏡1は、生体である被検体B内に挿入される挿入部2と、該挿入部2の基端に連設された操作部3と、該操作部3から延出されたユニバーサルコード4と、該ユニバーサルコード4の延出端に設けられるとともに外部装置に対して着脱自在なコネクタ5とを具備して主要部が構成されている。
[0022]
内視鏡1内に、先端が送気口13kとして挿入部2の先端に開口され、基端がコネクタ5に開口された第1の送気管路13が設けられている。
[0023]
尚、第1の送気管路13は、コネクタ5において、第1の送気部11に接続されている。また、第1の送気部11としては、ポンプが挙げられる。さらに、送気口13kは、挿入部2の先端に限らず、挿入部2の中途位置に開口されていても構わない。
[0024]
第1の送気部11は、操作部3に設けられ第1の送気管路13への送気の有無を切り替える送気スイッチ3aが操作者によってスイッチ操作されることにより、被検体B内に所定量の気体を供給するものである。
[0025]
また、内視鏡1内に、先端が吸気口14kとして挿入部2の先端に開口され、基端がコネクタ5に開口され、操作部3において一部が鉗子口3cに開口された第1の吸気管路14が設けられている。
[0026]
尚、第1の吸気管路14は、コネクタ5において、第1の吸気部12に接続されている。また、第1の吸気部12としては、ポンプが挙げられる。さらに、吸気口14kは、挿入部2の先端に限らず、挿入部2の中途位置に開口されていても構わない。
[0027]
尚、第1の吸気管路14には、鉗子口3cを介して、挿入部2とともに被検体B内に挿入される焼灼装置30の高周波処置具31が装脱自在となっている。
[0028]
高周波処置具31の先端側は、吸気口14kを介して被検体B内に突出され、被検体B内の生体組織である病変Sに対する処置に用いられる。
[0029]
第1の吸気部12は、操作部3において第1の吸気管路14に設けられ第1の吸気管路14による吸気の有無を切り替える吸気スイッチ3bが操作者によってスイッチ操作されることにより、被検体B内から所定量の気体を被検体外に送るものである。
[0030]
さらに、内視鏡1内に、先端が第1の送気管路13における送気スイッチ3aよりも送気口13k側に接続され、基端がコネクタ5に開口された第2の送気管路23が設けられている。
[0031]
即ち、第2の送気管路23は、第1の送気管路13から分岐するとともに、少なくとも挿入部2内において第1の送気管路13と共用となっている。尚、勿論、第2の送気管路23は、第1の送気管路13と、別個に設けられていても構わない。
[0032]
また、第2の送気管路23は、コネクタ5において、第2の送気部21に接続されている。尚、第2の送気部21としてポンプが挙げられる。
[0033]
第2の送気部21は、制御部50に接続されており、制御部50の動作制御により、操作者の操作とは独立して、第2の送気管路23を介して被検体B内に気体を連続的に供給するものである。
[0034]
また、先端が鉗子口3cに接続され、基端が第2の吸気部22に接続された第2の吸気管路24を、挿入装置100は有している。
[0035]
即ち、第2の吸気管路24は、第1の吸気管路14から分岐するとともに、少なくとも挿入部2内において第1の吸気管路14と共用となっている。尚、勿論、第2の吸気管路24は、第1の吸気管路14と、別個に設けられていても構わない。
[0036]
また、第2の吸気部22としてポンプが挙げられる。尚、図2に示すように、第2の送気部21と第2の吸気部22とは、被検体内から送られた気体を濾過して再び被検体内に供給する送気機構と吸気機構とが一体になったポンプ120から構成されていても構わない。
[0037]
第2の吸気部22は、制御部50に接続されており、制御部50の動作制御により、操作者の操作とは独立して、第2の吸気管路24を介して被検体B内から気体を連続的に被検体B外に送るものである。
[0038]
 また、第2の吸気部22は、焼灼装置30の高周波処置具31が生体にエネルギを与えることにより発生する内視鏡1の視野を妨げる粒子を含む気体を吸引する。
[0039]
また、挿入部2の先端内に、被検体内の圧力を検出する圧力検出部60が設けられている。尚、圧力検出部60としては、例えば圧力センサが挙げられる。また、圧力検出部60は、制御部50に接続されている。
[0040]
尚、圧力検出部60は、送気スイッチ3a、吸気スイッチ3b、鉗子口3c、挿入部2の先端部の外表面、挿入部2内の管路を通過して挿入部2の先端から突出した圧力検出器具等に設けられていても構わない。
[0041]
圧力検出部60は、被検体B内における所定時間あたりの圧力の変動値、または被検体B内における圧力が変動している時間や第1の送気部11または第1の吸気部12の動作に基づく、被検体B内における圧力の変動が継続する時間等、被検体B内の圧力の変動度合いを検出する。
[0042]
制御部50内に、操作者による第1の送気部11または第1の吸気部12の操作を検出する操作検出部51が設けられている。
[0043]
操作検出部51は、図3に示すように、圧力検出部60が検出した圧力P1から圧力P2に変動する変動時間Tが、t1~t2のように、予め決められた時間以上継続したとき、操作者による第1の送気部11または第1の吸気部12の操作を検出する。
[0044]
また、操作検出部51は、圧力検出部60が検出した圧力P1から圧力P0までの変動時間T’が、t3~t4のように、予め決められた時間未満の場合においては、操作者によって第1の送気部11または第1の吸気部12が操作されたのではなく、被検者の体内からゲップ(あい気)等で気体が漏れたことにより被検体B内の圧力が変動したとして、第1の送気部11または第1の吸気部12の操作を検出しない。
[0045]
尚、操作検出部51は、送気スイッチ3aのスイッチ操作または吸気スイッチ3bのスイッチ操作を検出することにより、操作者による第1の送気部11または第1の吸気部12の操作を検出しても構わない。
[0046]
制御部50は、第2の送気部21に対し被検体B内に供給する気体の送気量を制御するととともに、第2の吸気部22に対して被検体B内から被検体B外へと送る気体の吸気量を制御する。
[0047]
具体的には、制御部50は、所定時間あたりにおける第2の送気部21からの送気量と、第2の吸気部22による吸気量が等しくなるよう、第2の送気部21及び第2の吸気部22に対し第1の制御を行う。
[0048]
これにより、被検体B内の圧力が第1の圧力P1から多少変動したとしても、被検体B内の圧力をすぐに第1の圧力P1に戻そうとする操作者の意図しない送気や吸気の制御がなされないため、被検体B内の圧力が頻繁に変動しにくくなる。
[0049]
ここで、図5は、被検体の例として消化管内に図1の内視鏡の挿入部を挿入して、消化管内の病変に対して焼灼装置の高周波処置具を用いて処置を行う様子を示す図、図6は、図5の消化管が頻繁に膨張収縮することで振動してしまう様子を示す図である。
[0050]
尚、第2の送気部21からの送気量と、第2の吸気部22による吸気量が等しくなるよう第1の制御を行う理由は、消化管D内を第1の圧力P1にしようと頻繁に操作者の意図しない圧力調整が行われていると、圧力調整による細かい圧力変動で消化管Dが頻繁に膨張収縮し、図6に示すように消化管Dの内壁や病変S’が振動することから、観察性及び処置性が低下してしまうためである。
[0051]
そのため、図5に示すように消化管Dが頻繁な膨張収縮をしないで沈静(ほぼ静止した状態を保つ)よう、消化管D内の圧力ではなく、送気量と吸気量とが等しくなるように制御する必要があるためである。
[0052]
また、制御部50は、操作検出部51が第1の送気部11または第1の吸気部12に対する操作者の操作を検出し、圧力検出部60が被検体B内の圧力が例えば第1の圧力P1から第2の圧力P2に変動したことを検出したとき、図3に示すように、第1の制御を維持する。
[0053]
これにより、被検体B内の圧力を操作検出終了後における圧力変動後の第2の圧力P2からすぐに第1の圧力P1に戻そうとするような、操作者の意図しない送気や吸気の制御がなされないため、被検体B内の圧力が頻繁に変動しにくくなる。
[0054]
尚、図3は、第2の圧力P2が、第1の圧力P1よりも高い場合を例に挙げて示しているが、これに限らず、第1の圧力P1よりも低い場合においても同様である。
[0055]
さらに、制御部50は、例えば前述のように被検者内の体内からゲップ(あい気)等で気体が漏れたこと等が原因で、操作検出部51の検出によらず、圧力検出部60が圧力の変動を検出したとき、図3に示すように、変動前の第1の圧力P1に戻すよう、第2の送気部21からの送気量と、第2の吸気部22による吸気量とを異ならせる第2の制御を行う。
[0056]
尚、図3は、変動後の圧力P0が、第1の圧力P1よりも低い場合を例に挙げて示しているが、これに限らず、第1の圧力P1よりも高い場合においても同様である。
[0057]
即ち、制御部50は、被検体B内に対して気体の環流制御を行う。尚、環流とは、気体が被検体内と被検体外との間を巡り流れることである。
[0058]
尚、その他の挿入装置100の構成は、従来と同じであるため、その説明は省略する。
[0059]
次に、本実施の形態の作用、具体的には挿入装置100の動作方法について、図4を用いて説明する。図4は、図1の制御部による被検体内の圧力変動に応じた環流制御を示すフローチャートである。
[0060]
先ず、制御部50は、被検体B内に挿入部2が挿入された後、ステップS1において、被検体B内の圧力を、圧力検出部60を介して検出する。
[0061]
次いで、ステップS2において、所定時間あたりにおける第2の送気部21からの送気量と、所定時間あたりにおける第2の吸気部22による吸気量とが等しくなるよう、第2の送気部21及び第2の吸気部22に対し第1の制御を行う。
[0062]
具体的には、内視鏡1を操作する操作者の操作とは独立して、第2の送気部21により被検体内の気体を第2の送気管路23を介して連続的に供給するとともに、操作者の操作とは独立して、第2の吸気部22により被検体B内の気体を第2の吸気管路24を介して連続的に被検体B外へと送る制御を行う。
[0063]
このようにして、被検体B内の圧力が概ね第1の圧力P1となり、該第1の圧力P1を維持する。
[0064]
次いで、ステップS3において、第1の制御の最中に、被検体B内の圧力を、圧力検出部60を介して検出する。
[0065]
その後、ステップS4において、被検体B内の圧力変動があったかを判定する。圧力変動がなければ、ステップS3における圧力検出を繰り返し、圧力変動があれば、ステップS5に移行し、操作検出部51により操作者による送気スイッチ3aまたは吸気スイッチ3bの操作が検出されたか判定する。
[0066]
一方、操作検出がなければ、ステップS7に分岐し、第2の送気部21及び第2の吸気部22に対し第2の制御を行う。
[0067]
具体的には、操作検出部51の検出によらず、圧力検出部60が圧力の変動を検出したとき、例えば、被検者のゲップ(あい気)等により、被検体B内の圧力の変動が検出されたとき、第2の制御として、第2の送気部21からの送気量と、第2の吸気部22による吸気量とを異ならせる制御を行う。
[0068]
このようにすることにより、被検体B内の圧力が概ね圧力変動前の第1の圧力P1に戻っていく。その後、ステップS8へと移行する。
[0069]
他方、操作検出があれば、ステップS6に移行し、第2の送気部21及び第2の吸気部22に対し第1の制御を維持する。
[0070]
具体的には、操作検出部51により操作者による第1の送気部11の操作が検出され第1の送気管路13を介して被検体B内に所定の気体が供給され、または操作者による第1の吸気部12の操作が検出され第1の吸気管路14を介して被検体B内から所定量の気体が被検体B外に送られることにより、圧力検出部60が被検体B内の圧力の変動を検出したとき、第1の制御として、第2の送気部21からの送気量と、第2の吸気部22による吸気量とが等しくなるようにする制御を維持する。
[0071]
このようにすることにより、被検体B内の圧力が圧力変動後の状態(概ね第2の圧力P2)から大きく変動しない状態で推移する。その後、ステップS8へと移行する。
[0072]
最後に、ステップS8においては、内視鏡1の電源オフが判定される。一方、電源オフが検出されない限りは、ステップS3に戻って、ステップS3~ステップS8を繰り返し実行する。他方、電源オフが検出されれば、環流制御を終了する。
[0073]
このように、本実施の形態においては、制御部50は、操作検出部51により送気スイッチ3aまたは吸気スイッチ3bの操作が検出され、被検体B内の圧力の変動が検出された場合には、第2の送気部21からの送気量と、第2の吸気部22からの吸気量を一定とする第1の制御を維持すると示した。
[0074]
このことによれば、操作者が意図的に、被検体B内に気体を供給するまたは吸気したとしても、送気または吸気後の被検体B内の圧力は大きく変動することがないため、圧力変動に起因して被検体内や病変Sが振動や不意な動作を起こす可能性を大幅に低下させ、被検体内や病変Sを沈静つまりほぼ静止させた状態を保つことができるので、観察性及び処置性を阻害することなく、被検体B内に発生した被検体内に発生した内視鏡1の観察視野を遮る成分(病変Sやその周囲の組織に由来する成分を含む気体を除去し続けることができる。
[0075]
尚、以上の事は、被検体が、狭い空間つまり容積が小さい空間を有する胃や大腸等の消化管の場合において特に有効である。
[0076]
これは、狭い空間内ほど、適切な吸気を行わないと、焼灼装置30を用いた焼灼処置において発生するミスト(病変Sやその周囲の組織に由来する成分を含む気体)が早く空間内に充たされて、観察視野が確保できなくなってしまうためである。
[0077]
また、狭い空間内ほど吸気と送気とを適切なバランスで行わないと、被検体が急激に膨張したり収縮したりして、内視鏡1や高周波処置具31と病変Sとの適切な位置関係が、操作者が意図せず崩れ易いとともに、僅かな圧力変動に起因して被検体内や病変Sが振動や不意な動作を起こし易いためである。
[0078]
 よって、本実施の形態は、被検体内に気体を供給して被検体を膨張させて行うような、例えば腹腔鏡を用いた外科処置というよりは、内視鏡1の挿入部を消化管に挿入して行う軟性鏡を用いた処置において特に効果を有する。
[0079]
以上より、病変Sにエネルギを付与して処置する際、被検体B内に発生した内視鏡の観察視野を遮る成分を含む気体を除去しつつ、術者が意図的に被検体B内の圧力を変動させたときの被検体内の状態から急激な圧力変動を抑えることができる構成を具備する挿入装置100、挿入装置100の動作方法を提供することができる。
[0080]
以下、変形例を、図7~図9を用いて示す。図7は、被検体内に図1の内視鏡の挿入部が内装された状態で挿入されるオーバーチューブを、第2の送気部及び第2の吸気部とともに示す図、図8は、図7のオーバーチューブに図1の挿入部が内装された状態で、消化管内に挿入された状態を示す図、図9は、図8のオーバーチューブの先端を、図8中のIX方向からみた正面図である。
[0081]
図7~図9に示すように、制御部50の環流制御により、消化管D内において気体の供給吸気を行う第2の送気管路23、第2の吸気管路24は、内視鏡1の挿入部2が内装されるオーバーチューブ200に設けられていても構わない。
[0082]
この場合、送気口13k、吸気口14kは、オーバーチューブ200の先端に開口されている。
[0083]
このような構成によっても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[0084]
また、以下、別の変形例を、図10~図12を用いて示す。図10は、図7のオーバーチューブにメッシュ状の吸気口が設けられた変形例を示す図、図11は、図10中のXI-XI線に沿うオーバーチューブの断面図、図12は、図10中のXII-XII線に沿うオーバーチューブの断面図である。
[0085]
図10~図12に示すように、オーバーチューブ200の吸気口14k’は、図7に示す吸気口14kよりも大口径なメッシュ状に形成されていても構わない。
[0086]
このような構成によれば、吸気口14k’を介した被検体B内の吸引の際、吸気口14k’が、消化管Dの粘膜等により塞がれてしまうことを防止することができる。
[0087]
また、このような構成によっても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[0088]
また、上述した本実施の形態においては、圧力検出部60は、挿入部2の先端内に設けられていると示したが、これに限らず、上述したオーバーチューブ200や、高周波処置具31や、他の内視鏡1とともに被検体B内に挿入される処置具等に設けられていても良く、さらには、径管路的に被検体B内に挿入されるものであっても構わないことは勿論である。
[0089]
 さらに、内視鏡1の視野の先にある病変S等を操作者が意図せず動いてしまうこと等をさらに発生しにくくするために、第2の送気部21からの送気が、内視鏡1の長手方向ではなく、内視鏡1の長手方向から外れる(例えば視界の上向きに)方向に供給されるよう、送気口13kの形状を工夫してもよい。
[0090]

 本出願は、2017年3月27日に日本国に出願された特願2017-061777号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものである。

請求の範囲

[請求項1]
被検体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、
前記内視鏡を操作する操作者の操作に基づき、前記内視鏡に設けられた第1の送気管路を介して、前記被検体内に所定量の気体を供給する第1の送気部と、
前記操作者の操作に基づき、前記内視鏡に設けられた第1の吸気管路を介して、前記被検体内から所定量の気体を前記被検体外に送る第1の吸気部と、
前記操作者の操作とは独立して、第2の送気管路を介して前記被検体内に気体を連続的に供給する第2の送気部と、
前記操作者の操作とは独立して、第2の吸気管路を介して、前記被検体内から気体を連続的に前記被検体外に送る第2の吸気部と、
前記被検体内の圧力を検出する圧力検出部と、
前記操作者による前記第1の送気部または前記第1の吸気部の操作を検出する操作検出部と、
前記第2の送気部に対し前記被検体内に供給する気体の送気量を制御するとともに、前記第2の吸気部に対して前記被検体内から前記被検体外へと送る気体の吸気量を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、所定時間あたりにおける前記第2の送気部からの前記送気量と、前記第2の吸気部による前記吸気量が等しくなるよう、前記第2の送気部及び前記第2の吸気部に対し第1の制御を行い、
前記操作検出部が前記第1の送気部または前記第1の吸気部に対する前記操作者の操作を検出し、前記圧力検出部が第1の圧力から第2の圧力に前記被検体内の圧力が変動したことを検出したとき、前記制御部は、前記第2の圧力になった前記被検体内に前記送気および前記吸気を行うよう前記第1の制御を維持することを特徴とする挿入装置。
[請求項2]
前記制御部は、前記操作検出部の検出によらず、前記圧力検出部が圧力の変動を検出したとき、変動前の前記第1の圧力に戻すよう、前記第2の送気部からの前記送気量と、前記第2の吸気部による前記吸気量とを異ならせる第2の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項3]
前記圧力検出部は、前記被検体内における所定時間あたりの圧力の変動値、または前記被検体内における圧力が変動している時間を検出することを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項4]
前記圧力検出部は、前記第1の送気部または前記第1の吸気部の動作に基づく前記被検体内における圧力の変動が継続する時間を検出し、
前記操作検出部は、前記圧力検出部が検出した前記圧力の変動が予め定めた時間以上継続したとき、前記操作者による前記第1の送気部または前記第1の吸気部の操作を検出することを特徴とする請求項3に記載の挿入装置。
[請求項5]
前記操作検出部は、前記操作者による前記第1の送気管路に設けられた送気スイッチのスイッチ操作、または前記操作者により前記第1の吸気管路に設けられた吸気スイッチのスイッチ操作を検出することにより、前記操作者による前記第1の送気部または前記第1の吸気部の操作を検出することを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項6]
前記第2の送気管路は、前記第1の送気管路から分岐するとともに、少なくとも前記挿入部内において前記第1の送気管路と共用することを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項7]
前記第2の吸気管路は、前記第1の吸気管路から分岐するとともに、少なくとも前記挿入部内において前記第1の吸気管路と共用することを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項8]
前記第2の送気管路と前記第2の吸気管路との少なくとも一方は、前記挿入部を内部に挿通して前記被検体内に挿入されるオーバーチューブに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項9]
前記第2の送気部及び前記第2の吸気部は、前記被検体内から送られた気体を濾過して再び前記被検体内に供給する送気機構と吸気機構とが一体となったポンプを含むことを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項10]
前記内視鏡の前記挿入部は、生体である前記被検体内に挿入され、
前記第2の吸気部は、前記挿入部とともに前記被検体内に挿入される焼灼装置が前記生体にエネルギを与えることにより発生する前記内視鏡の視野を妨げる粒子を含む気体を吸引することを特徴とする請求項1に記載の挿入装置。
[請求項11]
被検体内に内視鏡の挿入部を挿入し、
 圧力検出部により前記被検体内の圧力を検出し、
 前記内視鏡を操作する操作者の操作とは独立して、第2の送気部により前記被検体内に気体を第2の送気管路を介して連続的に供給するとともに、前記操作者の操作とは独立して、第2の吸気部により前記被検体内の気体を第2の吸気管路を介して連続的に前記被検体外へと送り、
前記制御部は、所定時間あたりにおける前記第2の送気部からの前記送気量と、前記第2の吸気部による前記吸気量が等しくなるよう、前記第2の送気部及び前記第2の吸気部に対し第1の制御を行い、
前記操作検出部が前記第1の送気部または前記第1の吸気部に対する前記操作者の操作を検出し、前記圧力検出部が第1の圧力から第2の圧力に前記被検体内の圧力が変動したことを検出したとき、前記制御部は、前記第2の圧力になった前記被検体内に前記送気および前記吸気を行うよう前記第1の制御を維持することを特徴とする挿入装置の動作方法。
[請求項12]
 前記制御部は、前記操作検出部の検出によらず、前記圧力検出部が圧力の変動を検出したとき、変動前の前記第1の圧力に戻すよう、前記第2の送気部からの前記送気量と、前記第2の吸気部による前記吸気量とを異ならせる第2の制御を行うことを特徴とする請求項11に記載の挿入装置の動作方法。
 
 
 

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]