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1. (WO2018180066) シート製造装置、及び、シート製造装置の制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 シート製造装置、及び、シート製造装置の制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243  

符号の説明

0244  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

明 細 書

発明の名称 : シート製造装置、及び、シート製造装置の制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、シート製造装置、及び、シート製造装置の制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、シート製造装置において、材料を加熱する加熱部を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のシート製造装置は、繊維と樹脂とを含む材料を加熱して、シートを形成する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2016-130009号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、シート製造装置を停止状態から起動させる際には、加熱部を適切な温度まで昇温させるための時間が必要であった。この時間を短縮するためには、シートを製造していない状態でも加熱部を適切な温度に維持することが考えられる。しかしながら、このような制御を行うとシートを製造していないにも関わらず大きなエネルギーを消費するので、エネルギー効率が低下してしまう。
 本発明は、シートを製造するシート製造装置において、エネルギー効率の低下を生じにくい方法により、装置が停止した状態からシートの製造を開始できるようになるまでの時間を短縮することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 上記課題を解決するため、本発明は、繊維を含む材料を加熱してシートを形成するシート製造装置であって、前記材料を加熱する加熱部と、前記加熱部が前記材料を加熱する温度を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記シート製造装置が前記シートを製造している状態で前記加熱部の温度を第1温度とし、前記シートを製造していない状態における所定のタイミング、或いは、前記シートを製造していない状態に移行するときの所定のタイミングで、前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い第2温度にする。
 本発明によれば、加熱部の温度を、シートを製造する状態における第1温度よりも低い第2温度に制御することができる。このため、例えば、シートを製造していない待機状態において加熱部を第2温度とし、シートの製造を開始するときに第1温度まで昇温させる構成とすれば、加熱部を完全に停止させる場合に比べて速やかに、シートの製造を開始できる。これにより、シートを製造するシート製造装置において、エネルギー効率の低下を生じにくい方法により、装置が停止した状態からシートの製造を開始できるようになるまでの時間を短縮できる。
[0006]
 また、上記構成において、外部からの入力を受け付ける受付部を備え、前記制御部は、前記受付部により受け付けた入力に応じて、前記加熱部の温度を、前記第1温度から前記第2温度へ変更、或いは、前記第2温度から前記第1温度へ変更する構成であってもよい。
 本発明によれば、外部からの入力に応じて加熱部の温度を変更する制御を行うことができる。
[0007]
 また、上記構成において、前記受付部は、製造する前記シートの種類の入力を受け付け可能であり、前記制御部は、前記受付部での入力による製造する前記シートの種類の変更に応じて、前記加熱部の温度を、前記第1温度から前記第2温度へ変更、或いは、前記第2温度から前記第1温度へ変更する、構成であってもよい。
 この構成によれば、シートの種類が入力された場合に、この入力に応じて加熱部の温度を変更する制御を行うことができる。このため、例えば、シートの種類によりシート製造時の加熱部の温度条件が異なる場合に、加熱部の温度を、シートの種類に適合する温度に速やかに変更できる。
[0008]
 また、上記構成において、それぞれ繊維を含む複数種類の原料を供給する供給部と、前記供給部により供給される前記原料を解繊する解繊部と、を有し、前記制御部は、前記供給部により供給される前記原料の種類の変更に応じて、前記加熱部の温度を、前記第1温度から前記第2温度へ変更、或いは、前記第2温度から前記第1温度へ変更する構成であってもよい。
 この構成によれば、シートを製造する原料に適した温度で加熱部により加熱を行い、高品質のシートを製造できる。
[0009]
 また、上記構成において、複数種類の前記原料を種類毎に収容する複数の収容部を有し、前記供給部は前記収容部に収容された複数種類の前記原料のいずれかを選択して供給する構成であってもよい。
 この構成によれば、種類が異なる原料を容易に供給することが可能であり、この原料からシートを製造する工程において、原料に適した温度で加熱を行うことにより、高品質のシートを製造できる。
[0010]
 また、上記構成において、結合材を収容したカートリッジを有し、前記制御部は、前記カートリッジから温度情報を取得し、取得した前記温度情報に基づいて前記第1温度を決定する構成であってもよい。
 この構成によれば、加熱部の第1温度を、カートリッジから取得する温度情報に基づく温度に設定できる。このため、カートリッジから、結合材に適した加熱部の温度に係る温度情報を取得することにより、予めシート製造装置が特別な情報を用意することなく、結合材に適した温度でシートを製造できる。
[0011]
 また、上記構成において、結合材を収容したカートリッジを有し、前記制御部は、前記カートリッジから温度情報を取得し、取得した温度情報に基づいて前記第2温度を決定する構成であってもよい。
 この構成によれば、加熱部の第2温度を、カートリッジから取得する温度情報に基づく温度に設定できる。このため、カートリッジからの、結合材に適した加熱部の温度に係る温度情報に基づいて、第2温度を適宜に設定することにより、加熱部を第1温度に昇温させる際には速やかに昇温させることができ、待機時間の短縮を図ることができる。
[0012]
 また、上記構成において、前記加熱部に前記材料を搬送する搬送部を備え、前記シートを製造している状態では、少なくとも前記搬送部により前記材料を前記加熱部に搬送する動作を実行し、前記シートを製造していない状態では少なくとも前記搬送部が停止する構成であってもよい。
 この構成によれば、材料を搬送する動作を行っている間には加熱部を第1温度に制御し、材料の搬送を停止している状態では加熱部の温度を第2温度とする。これにより、材料を搬送しない間のエネルギー効率の低下を抑制し、次に材料の搬送を開始するときには加熱部を速やかに昇温することができ、待機時間の短縮を図ることができる。
[0013]
 また、上記構成において、熱源を有し前記材料を加湿する加湿部を備え、前記シートを製造していない状態において前記加湿部の前記熱源を動作させる構成であってもよい。
 この構成によれば、シートを製造していない状態で加湿部の熱源を停止させないので、その後にシートの製造を再開するときに、速やかに、適切な加湿を開始できる。このため、シートの製造を速やかに開始できる。また、シートの製造を再開するときに、材料の適切な加湿状態が速やかに実現されるため、高品質のシートを製造できる。
[0014]
 また、上記構成において、前記制御部は、前記シートを製造していない状態が継続する時間に基づき、前記加熱部の温度を前記第1温度から前記第2温度に変更する構成であってもよい。
 この構成によれば、シート製造装置の稼働状態に対応して加熱部の温度を低下させることができ、シートの製造を速やかに開始可能な状態を維持し、エネルギー効率の低下を抑制できる。
[0015]
 また、上記構成において、前記制御部は、前記シートを製造していない状態が継続する時間に基づき、前記加熱部の温度の制御を停止する構成であってもよい。
 この構成によれば、シート製造装置の稼働状態に対応して加熱部の加熱を停止することで、エネルギー効率のより一層の向上を図ることができる。
[0016]
 また、上記構成において、前記制御部は、前記シートを製造していない状態が継続する時間に基づき、前記加熱部の温度を、前記第2温度から前記第2温度よりも低い第3温度に変更する構成であってもよい。
 この構成によれば、シート製造装置の稼働状態に対応して加熱部の温度を低下させることができ、シートの製造を速やかに開始可能な状態を維持し、エネルギー効率のより一層の向上を図ることができる。
[0017]
 また、上記構成において、少なくとも前記シートの製造の開始及び終了の指示または製造量の指定を含むジョブに基づき前記シートを製造するよう構成され、前記制御部は、前記ジョブに基づき前記シートを製造する動作の間に、前記シートを製造していない中断状態に移行し、前記中断状態で前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い前記第2温度にする構成であってもよい。
 この構成によれば、ジョブに基づきシートを製造している間に加熱部の温度を低温の第2温度に変更して中断状態とすることができる。これにより、例えば材料の変更や、シートの種類の変更など、シートを製造する動作の実行中は難しい処理を、ジョブの実行中に行うことができる。また、中断状態においては加熱部の温度が第2温度に制御されるため、エネルギー効率の低下を抑制できる。さらに、中断状態からシートの製造を再開する場合に、加熱部が第2温度に制御されているので、速やかにシートの製造を開始できる。
[0018]
 また、上記構成において、少なくとも前記シートの製造の開始及び終了の指示または製造量の指定を含むジョブに基づき前記シートを製造するよう構成され、前記制御部は、前記ジョブに基づき前記シートを製造する動作が終了した後に、前記シートを製造していない待機状態に移行し、前記待機状態が継続する時間に基づき前記加熱部の温度を前記第1温度から前記第2温度に変更する構成であってもよい。
 この構成によれば、ジョブに基づくシートの製造が終了した後に、加熱部の温度が第2温度に制御されるため、シートの製造を再び行う場合に、速やかにシートの製造を開始できる。また、加熱部の温度を第2温度とすることで、エネルギー効率の低下を抑制できる。
[0019]
 また、上記構成において、前記制御部は、外部からの入力に応じて、前記加熱部の温度を前記第2温度から前記第1温度に変更する構成であってもよい。
 この構成によれば、外部からの入力に応じて加熱部の温度を第2温度から第1温度に上昇させることができる。これにより、例えば、シートの製造を開始する制御とは別に、加熱部を昇温させ、シートの製造開始に備えることができ、シートの製造を速やかに開始可能な状態を任意のタイミングで実現できる。
[0020]
 また、上記構成において、前記加熱部は、前記材料を挟持して加熱する加熱ローラー対を含み、前記加熱ローラー対は、前記材料を挟持する第1位置と、前記材料を挟持しない第2位置とに変位可能であり、前記制御部は、前記加熱部の温度を前記第1温度から前記第2温度に変更する場合に、前記加熱ローラー対を前記第2位置に変位させる構成であってもよい。
 この構成によれば、加熱部の温度を第2温度とする場合に加熱ローラー対を変位させるので、加熱部を、第1温度より低い温度で待機するのに適した状態とすることができる。これにより、加熱部が第2温度となる状態で加熱部に位置する材料に対する影響を抑制し、材料のロスを減らすことができる。
[0021]
 また、上記課題を解決するため、本発明は、繊維を含む材料を加熱してシートを形成するシート製造装置の制御方法であって、前記材料を加熱する加熱部の温度を制御し、前記シート製造装置が前記シートを製造している状態で前記加熱部の温度を第1温度とし、前記シートを製造していない状態における所定のタイミング、或いは、前記シートを製造していない状態に移行するときの所定のタイミングで、前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い第2温度にする。
 本発明によれば、加熱部の温度を、シートを製造する状態における第1温度よりも低い第2温度に制御することができる。このため、例えば、シートを製造していない待機状態において加熱部を第2温度とし、シートの製造を開始するときに第1温度まで昇温する構成とすれば、加熱部を完全に停止させる場合に比べて速やかに、シートの製造を開始できる。これにより、シートを製造するシート製造装置において、エネルギー効率の低下を生じにくい方法により、装置が停止した状態からシートの製造を開始できるようになるまでの時間を短縮できる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 第1実施形態に係るシート製造装置の構成を示す模式図。
[図2] 第1位置における加熱部の構成を示す模式図。
[図3] 第2位置における加熱部の構成を示す模式図。
[図4] 変位機構の一例を示す模式図。
[図5] 変位機構の一例を示す模式図。
[図6] 添加物供給部の構成を示す模式図。
[図7] シート製造装置の制御系の構成を示すブロック図。
[図8] 制御部及び記憶部の機能的構成を示すブロック図。
[図9] 表示画面の例を示す図。
[図10] シート製造装置の動作状態の例を示す説明図。
[図11] ICから読み取られるデータの例を示す模式図。
[図12] 第1実施形態のシート製造装置の動作例を示すタイミングチャート。
[図13] 第1実施形態のシート製造装置の動作を示すフローチャート。
[図14] 第1実施形態のシート製造装置の動作を示すフローチャート。
[図15] 第1実施形態のシート製造装置の動作を示すフローチャート。
[図16] 第1実施形態のシート製造装置の動作を示すフローチャート。
[図17] 第1実施形態のシート製造装置の動作を示すフローチャート。
[図18] 第1実施形態のシート製造装置の動作例を示すタイミングチャート。
[図19] 第2実施形態のシート製造装置の動作を示すフローチャート。
[図20] 第2実施形態のシート製造装置の動作例を示すタイミングチャート。

発明を実施するための形態

[0023]
 以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
[0024]
 [第1実施形態]
 1.全体構成
 図1は本発明を適用した第1実施形態に係るシート製造装置100の構成を示す模式図である。
 本実施形態に記載のシート製造装置100は、例えば、原料としての機密紙などの使用済みの古紙を乾式で解繊して繊維化した後、加圧、加熱、切断することによって、新しい紙を製造するのに好適な装置である。繊維化された原料に、さまざまな添加物を混合することによって、用途に合わせて、紙製品の結合強度や白色度を向上したり、色、香り、難燃などの機能を付加したりしてもよい。また、紙の密度や厚さ、形状をコントロールして成形することで、A4やA3等の定型サイズのオフィス用紙、名刺用紙など、用途に合わせて、さまざまな厚さ・サイズの紙を製造することができる。
[0025]
 シート製造装置100は、製造部102、及び、制御装置110を備える。102は、シートを製造する。製造部102は、供給部10、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、混合部50、堆積部60、第2ウェブ形成部70、搬送部79、シート形成部80、及び、切断部90を備える。
[0026]
 また、シート製造装置100は、原料に対する加湿、及び/または、原料が移動する空間を加湿する目的で、加湿部202、204、206、208、210、212を備える。これら加湿部202、204、206、208、210、212の具体的な構成は任意であり、スチーム式、気化式、温風気化式、超音波式等が挙げられる。
[0027]
 本実施形態では、加湿部202、204、206、208を、気化式または温風気化式の加湿器で構成する。すなわち、加湿部202、204、206、208は、水を湿潤させるフィルター(図示略)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を供給する。また、加湿部202、204、206、208は、加湿空気の湿度を効果的に高めるヒーター(図示略)を備えてもよい。
[0028]
 また、本実施形態では、加湿部210及び加湿部212を、超音波式加湿器で構成する。すなわち、加湿部210、212は、水を霧化する振動部(図示略)を有し、振動部により発生するミストを供給する。
[0029]
 供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。シート製造装置100がシートを製造する原料は繊維を含むものであればよく、例えば、紙、パルプ、パルプシート、不織布を含む布、或いは織物等が挙げられる。本実施形態ではシート製造装置100が古紙を原料とする構成を例示する。
[0030]
 供給部10は、例えば、古紙(原料)を収容する複数のスタッカー11(収容部)を備える。各々のスタッカー11には、古紙が重ねて蓄積される。例えば、供給部10において、古紙を種類毎に異なるスタッカー11に収容できる。供給部10は、複数のスタッカー11のいずれかを選択し、選択したスタッカー11から古紙を粗砕部12に送り出す自動投入装置を備える。供給部10が選択するスタッカー11は、制御装置110の制御により指定される。
[0031]
 粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を粗砕刃14によって裁断(粗砕)して、粗砕片にする。粗砕刃14は、大気中(空気中)等の気中で原料を裁断する。粗砕部12は、例えば、原料を挟んで裁断する一対の粗砕刃14と、粗砕刃14を回転させる駆動部とを備え、いわゆるシュレッダーと同様の構成とすることができる。粗砕片の形状や大きさは任意であり、解繊部20における解繊処理に適していればよい。例えば、粗砕部12は、原料を、1~数cm四方またはそれ以下のサイズの紙片に裁断する。
[0032]
 粗砕部12は、粗砕刃14により裁断されて落下する粗砕片を受けるシュート(ホッパー)9を有する。シュート9は、例えば、粗砕片が流れる方向(進行する方向)において、徐々に幅が狭くなるテーパー形状を有する。そのため、シュート9は、多くの粗砕片を受けとめることができる。シュート9には、解繊部20に連通する管2が連結され、管2は粗砕刃14によって裁断された原料(粗砕片)を、解繊部20に搬送させるための搬送路を形成する。粗砕片はシュート9により集められ、管2を通って解繊部20に移送(搬送)される。
[0033]
 粗砕部12が有するシュート9、或いはシュート9の近傍には、加湿部202により加湿空気が供給される。これにより、粗砕刃14により裁断された粗砕物が、静電気によってシュート9や管2の内面に吸着する現象を抑制できる。また、粗砕刃14が裁断した粗砕物は、加湿された(高湿度の)空気とともに解繊部20に移送されるので、解繊部20の内部における解繊物の付着を抑制する効果も期待できる。また、加湿部202は、粗砕刃14に加湿空気を供給して、供給部10が供給する原料を除電する構成としてもよい。また、加湿部202とともにイオナイザーを用いて除電してもよい。
[0034]
 解繊部20は、粗砕部12で裁断された粗砕物を解繊する。より具体的には、解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料(粗砕片)を解繊処理し、解繊物を生成する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
[0035]
 解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止剤、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
[0036]
 解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。本実施形態では、解繊部20がインペラーミルを用いる構成とする。具体的には、解繊部20は、高速回転するローター(図示略)、及び、ローターの外周に位置するライナー(図示略)を備える。粗砕部12で裁断された原料の粗砕片は、解繊部20のローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。解繊部20は、ローターの回転により気流を発生させる。この気流により、解繊部20は、原料である粗砕片を管2から吸引し、解繊物を排出口24へと搬送できる。解繊物は排出口24から管3に送り出され、管3を介して選別部40に移送される。
[0037]
 このように、解繊部20で生成される解繊物は、解繊部20が発生する気流により解繊部20から選別部40に搬送される。さらに、本実施形態では、シート製造装置100が気流発生装置である解繊部ブロアー26を備え、解繊部ブロアー26が発生する気流により解繊物が選別部40に搬送される。解繊部ブロアー26は管3に取り付けられ、解繊部20から解繊物とともに空気を吸引し、選別部40に送風する。
[0038]
 選別部40は、管3から解繊部20により解繊された解繊物が気流とともに流入する導入口42を有する。選別部40は、導入口42に導入する解繊物を、繊維の長さによって選別する。詳細には、選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物のうち、予め定められたサイズ以下の解繊物を第1選別物とし、第1選別物より大きい解繊物を第2選別物として、選別する。第1選別物は繊維または粒子等を含み、第2選別物は、例えば、大きい繊維、未解繊片(十分に解繊されていない粗砕片)、解繊された繊維が凝集し、或いは絡まったダマ等を含む。
[0039]
 本実施形態で、選別部40は、ドラム部41(篩部)と、ドラム部41を収容するハウジング部(覆い部)43と、を有する。
 ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41は、網(フィルター、スクリーン)を有し、篩(ふるい)として機能する。この網の目により、ドラム部41は、網の目開き(開口)の大きさより小さい第1選別物と、網の目開きより大きい第2選別物とを選別する。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き伸ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いることができる。
[0040]
 導入口42に導入された解繊物は気流とともにドラム部41の内部に送り込まれ、ドラム部41の回転によって第1選別物がドラム部41の網の目から下方に落下する。ドラム部41の網の目を通過できない第2選別物は、導入口42からドラム部41に流入する気流により流されて排出口44に導かれ、管8に送り出される。
 管8は、ドラム部41の内部と管2とを連結する。管8を通って流される第2選別物は、粗砕部12により裁断された粗砕片とともに管2を流れ、解繊部20の導入口22に導かれる。これにより、第2選別物は解繊部20に戻されて、解繊処理される。
[0041]
 また、ドラム部41により選別される第1選別物は、ドラム部41の網の目を通って空気中に分散し、ドラム部41の下方に位置する第1ウェブ形成部45のメッシュベルト46に向けて降下する。
[0042]
 第1ウェブ形成部45(分離部)は、メッシュベルト46(分離ベルト)と、ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。メッシュベルト46は無端形状のベルトであって、3つのローラー47に懸架され、ローラー47の動きにより、図中矢印で示す方向に搬送される。メッシュベルト46の表面は所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。選別部40から降下する第1選別物のうち、網の目を通過するサイズの微粒子はメッシュベルト46の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト46に堆積し、メッシュベルト46とともに矢印V1方向に搬送される。メッシュベルト46から落下する微粒子は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色剤や添加剤など)を含み、シート製造装置100がシートSの製造に使用しない除去物である。
[0043]
 メッシュベルト46は、シートSを製造する運転動作中には、速度V1で移動する。メッシュベルト46の搬送速度V1、及び、メッシュベルト46による搬送の開始及び停止は、制御装置110により制御される。
[0044]
 ここで、運転動作中とは、後述するシート製造装置100の起動制御、及び、停止制御の実行中を除く動作中であり、より詳細には、シート製造装置100が望ましい品質のシートSを製造している間を指す。
 従って、解繊部20で解繊処理された解繊物は、選別部40で第1選別物と第2選別物とに選別され、第2選別物が解繊部20に戻される。また、第1選別物から、第1ウェブ形成部45によって除去物が除かれる。第1選別物から除去物を除いた残りは、シートSの製造に適した材料であり、この材料はメッシュベルト46に堆積して第1ウェブW1を形成する。
[0045]
 吸引部48は、メッシュベルト46の下方から空気を吸引する。吸引部48は、管23を介して集塵部27(集塵装置)に連結される。集塵部27は、微粒子を気流から分離する。集塵部27の下流には、捕集ブロアー28が設置され、捕集ブロアー28は、集塵部27から空気を吸引する集塵用吸引部として機能する。また、捕集ブロアー28が排出する空気は管29を経てシート製造装置100の外に排出される。
[0046]
 この構成では、捕集ブロアー28により、集塵部27を通じて吸引部48から空気が吸引される。吸引部48では、メッシュベルト46の網の目を通過する微粒子が、空気とともに吸引され、管23を通って集塵部27に送られる。集塵部27は、メッシュベルト46を通過した微粒子を気流から分離して蓄積する。
[0047]
 従って、メッシュベルト46の上には第1選別物から除去物を除去した繊維が堆積して第1ウェブW1が形成される。捕集ブロアー28が吸引を行うことで、メッシュベルト46上における第1ウェブW1の形成が促進され、かつ、除去物が速やかに除去される。
[0048]
 ドラム部41を含む空間には、加湿部204により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、選別部40の内部で第1選別物を加湿する。これにより、静電力による第1選別物のメッシュベルト46への付着を弱め、第1選別物をメッシュベルト46から剥離し易くすることができる。さらに、静電力により第1選別物が回転体49やハウジング部43の内壁に付着することを抑制することができる。また、吸引部48によって除去物を効率よく吸引できる。
[0049]
 なお、シート製造装置100において、第1解繊物と第2解繊物とを選別し、分離する構成は、ドラム部41を備える選別部40に限定されない。例えば、解繊部20で解繊処理された解繊物を、分級機によって分級する構成を採用してもよい。分級機としては、例えば、サイクロン分級機、エルボージェット分級機、エディクラシファイヤーを用いることができる。これらの分級機を用いれば、第1選別物と第2選別物とを選別し、分離することが可能である。さらに、上記の分級機により、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色剤や添加剤など)を含む除去物を、分離して除去する構成を実現できる。例えば、第1選別物に含まれる微粒子を、分級機によって、第1選別物から除去する構成としてもよい。この場合、第2選別物は、例えば解繊部20に戻され、除去物は集塵部27により集塵され、除去物を除く第1選別物が管54に送られる構成とすることができる。
[0050]
 メッシュベルト46の搬送経路において、選別部40の下流側には、加湿部210によって、ミストを含む空気が供給される。加湿部210が生成する水の微粒子であるミストは、第1ウェブW1に向けて降下し、第1ウェブW1に水分を供給する。これにより、第1ウェブW1が含む水分量が調整され、静電気によるメッシュベルト46への繊維の吸着等を抑制できる。
[0051]
 シート製造装置100は、メッシュベルト46に堆積した第1ウェブW1を分断する回転体49を備える。第1ウェブW1は、メッシュベルト46がローラー47により折り返す位置で、メッシュベルト46から剥離して、回転体49により分断される。
[0052]
 第1ウェブW1は繊維が堆積してウェブ形状となった柔らかい材料であり、回転体49は、第1ウェブW1の繊維をほぐして、混合部50で樹脂を混合しやすい状態に加工する。
[0053]
 回転体49の構成は任意であるが、本実施形態では、板状の羽根を有し回転する回転羽形状とすることができる。回転体49は、メッシュベルト46から剥離する第1ウェブW1と羽根とが接触する位置に配置される。回転体49の回転(例えば図中矢印Rで示す方向への回転)により、メッシュベルト46から剥離して搬送される第1ウェブW1に羽根が衝突して分断し、細分体Pを生成する。
 なお、回転体49は、回転体49の羽根がメッシュベルト46に衝突しない位置に設置されることが好ましい。例えば、回転体49の羽根の先端とメッシュベルト46との間隔を、0.05mm以上0.5mm以下とすることができ、この場合、回転体49によって、メッシュベルト46に損傷を与えることなく第1ウェブW1を効率よく分断できる。
[0054]
 回転体49によって分断された細分体Pは、管7の内部を下降して、管7の内部を流れる気流によって混合部50へ移送(搬送)される。
 また、回転体49を含む空間には、加湿部206により加湿空気が供給される。これにより、管7の内部や、回転体49の羽根に対し、静電気により繊維が吸着する現象を抑制できる。また、管7を通って、湿度の高い空気が混合部50に供給されるので、混合部50においても静電気による影響を抑制できる。
[0055]
 混合部50は、樹脂を含む添加物を供給する添加物供給部52、管7に連通し、細分体Pを含む気流が流れる管54、及び、混合ブロアー56を備える。細分体Pは、上述のように選別部40を通過した第1選別物から除去物を除去した繊維である。混合部50は、細分体Pを構成する繊維に、樹脂を含む添加物を混合する。添加物は、例えば、繊維を結合させる結合材として作用する。
 混合部50では、混合ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、細分体Pと添加物とを混合させながら、搬送する。また、細分体Pは、管7及び管54の内部を流れる過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
[0056]
 添加物供給部52には、図6に示すように、添加物を蓄積する添加物カートリッジ501(カートリッジ)が着脱可能に取り付けられる。添加物供給部52は、添加物カートリッジ501内部の添加物を管54に供給する。添加物供給部52に装着された添加物カートリッジ501に添加物を補充する構成を備えてもよい。添加物供給部52の構成については図6を参照して後述する。
[0057]
 添加物カートリッジ501に収容され、添加物供給部52が供給する添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。添加物に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。すなわち、添加物は、単一の物質を含んでもよいし、混合物であってもよく、それぞれ単一または複数の物質で構成される、複数種類の粒子を含んでもよい。また、添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
[0058]
 添加物に含まれる樹脂は、加熱により溶融して複数の繊維同士を結着させる。従って、樹脂を繊維と混合させた状態で、樹脂が溶融する温度まで加熱されていない状態では、繊維同士は結着されない。
 また、添加物供給部52が供給する添加物は、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤を含んでもよい。また、着色剤を含まない添加物は、無色、或いは無色と見なせる程度に薄い色であってもよいし、白色であってもよい。
[0059]
 混合ブロアー56が発生する気流により、管7を降下する細分体P、及び、添加物供給部52により供給される添加物は、管54の内部に吸引され、混合ブロアー56内部を通過する。混合ブロアー56が発生する気流、及び/または、混合ブロアー56が有する羽根等の回転部の作用により、細分体Pを構成した繊維と添加物とが混合され、この混合物(第1選別物と添加物との混合物)は管54を通って堆積部60に移送される。
[0060]
 なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよく、これらの機構を混合ブロアー56の前または後に設置してもよい。
[0061]
 堆積部60は、解繊部20で解繊された解繊物を堆積させる。より具合的には、堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
[0062]
 堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部(覆い部)63と、を有する。ドラム部61は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部61は、網(フィルター、スクリーン)を有し、篩(ふるい)として機能する。この網の目により、ドラム部61は、網の目開き(開口)のより小さい繊維や粒子を通過させ、ドラム部61から下降させる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
[0063]
 なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
[0064]
 ドラム部61の下方には第2ウェブ形成部70が配置される。第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、第2ウェブW2を形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、ローラー74と、サクション機構76と、を有する。堆積部60、及び、第2ウェブ形成部70は、ウェブ形成部に相当する。また、ドラム部61は、篩部に相当し、第2ウェブ形成部70(特に、メッシュベルト72)は、堆積部に相当する。
[0065]
 メッシュベルト72は無端形状のベルトであって、複数のローラー74に懸架され、ローラー74の動きにより、図中矢印V2で示す方向に搬送される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。メッシュベルト72の表面は所定サイズの開口が並ぶ網で構成される。ドラム部61から降下する繊維や粒子のうち、網の目を通過するサイズの微粒子はメッシュベルト72の下方に落下し、網の目を通過できないサイズの繊維がメッシュベルト72に堆積し、メッシュベルト72とともに矢印方向に搬送される。メッシュベルト72は、シートSを製造する運転動作中には、一定の速度V2で移動する。運転動作については上述した通りである。
[0066]
 メッシュベルト72の移動速度V2は、第2ウェブW2を搬送する速度と見なすことができ、速度V2は、メッシュベルト72における第2ウェブW2の搬送速度ということができる。
[0067]
 メッシュベルト72の網の目は微細であり、ドラム部61から降下する繊維や粒子の大半を通過させないサイズとすることができる。
 サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられる。サクション機構76は、サクションブロアー77を備え、サクションブロアー77の吸引力によって、サクション機構76に下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。
[0068]
 サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引する。これにより、メッシュベルト72上における第2ウェブW2の形成を促進し、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
 サクションブロアー77(堆積吸引部)は、サクション機構76から吸引した空気を、図示しない捕集フィルターを通じて、シート製造装置100の外に排出してもよい。或いは、サクションブロアー77が吸引した空気を集塵部27に送り込み、サクション機構76が吸引した空気に含まれる除去物を捕集してもよい。
[0069]
 ドラム部61を含む空間には、加湿部208により加湿空気が供給される。この加湿空気によって、堆積部60の内部を加湿することができ、静電力によるハウジング部63への繊維や粒子の付着を抑え、繊維や粒子をメッシュベルト72に速やかに降下させ、好ましい形状の第2ウェブW2を形成させることができる。
[0070]
 以上のように、堆積部60及び第2ウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態の第2ウェブW2が形成される。メッシュベルト72に堆積された第2ウェブW2は、シート形成部80へと搬送される。
[0071]
 メッシュベルト72の搬送経路において、堆積部60の下流側には、加湿部212によって、ミストを含む空気が供給される。これにより、加湿部212が生成するミストが第2ウェブW2に供給され、第2ウェブW2が含む水分量が調整される。これにより、静電気によるメッシュベルト72への繊維の吸着等を抑制できる。
[0072]
 シート製造装置100には、メッシュベルト72上の第2ウェブW2を、シート形成部80に搬送する搬送部79が設けられる。搬送部79は、例えば、メッシュベルト79aと、ローラー79bと、サクション機構79cと、を有する。
[0073]
 サクション機構79cは、中間ブロアー318(図7)を備え、中間ブロアー318の吸引力によってメッシュベルト79aに上向きの気流を発生させる。この気流は第2ウェブW2を吸引し、第2ウェブW2は、メッシュベルト72から離れてメッシュベルト79aに吸着される。メッシュベルト79aは、ローラー79bの自転により移動し、第2ウェブW2をシート形成部80に搬送する。
 このように、搬送部79は、メッシュベルト72に形成された第2ウェブW2を、メッシュベルト72から剥がして搬送する。
[0074]
 シート形成部80は、堆積部60で堆積させた堆積物からシートSを形成する。より具体的には、シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積し搬送部79により搬送された第2ウェブW2(堆積物)を、加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、第2ウェブW2が含む解繊物の繊維、及び添加物に対して熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着させる。シート形成部80は、シート成形部、及び、最大荷重搬送部に相当する。
[0075]
 シート形成部80は、第2ウェブW2を加圧する加圧部82、及び、加圧部82により加圧された第2ウェブW2を加熱する加熱部84を備える。
 加圧部82は、一対のカレンダーローラー85(加圧ローラー)で構成され、第2ウェブW2を所定のニップ圧で挟んで加圧する。第2ウェブW2は、加圧されることによりその厚さが小さくなり、第2ウェブW2の密度が高められる。一対のカレンダーローラー85の一方は、加圧部駆動ローラー335(図7)により駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。カレンダーローラー85は、加圧部駆動ローラー335の駆動力により回転して、加圧により高密度になった第2ウェブW2を、加熱部84に向けて搬送する。
[0076]
 加熱部84は、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロアー、赤外線加熱器、フラッシュ加熱器を用いて構成できる。本実施形態では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備える。加熱ローラー86は、内部または外部に設置されるヒーターによって、予め設定された温度に加温される。一対の加熱ローラー86の一方は加熱部駆動モーター337(図7)により駆動される駆動ローラーであり、他方は従動ローラーである。加熱ローラー86は、カレンダーローラー85によって加圧されたシートSを挟んで熱を与え、シートSを形成する。加熱ローラー86は、加熱部駆動モーター337の駆動力により回転して、シートSを切断部90に向けて搬送する。
[0077]
 なお、加圧部82が備えるカレンダーローラー85の数、及び、加熱部84が備える加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
[0078]
 また、シート製造装置100がシートSを製造する工程において、第2ウェブW2とシートSとの境界は任意である。本実施形態では、第2ウェブW2を処理してシートSに形成するシート形成部80において、加圧部82により第2ウェブW2を加圧し、加圧部82により加圧された第2ウェブを、さらに加熱部84により加熱したものをシートSと呼ぶ。すなわち、繊維同士が添加剤により結着したものをシートSと呼ぶ。シートSは、切断部90に搬送される。
[0079]
 切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。本実施形態では、切断部90は、シートSの搬送方向(図中F)と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向Fに平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有する。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
[0080]
 以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。排出部96は、所定サイズのシートSを載せるトレイ或いはスタッカーを備える。
[0081]
 上記構成において、加湿部202、204、206、208を1台の気化式加湿器で構成してもよい。この場合、1台の加湿器が生成する加湿空気が、粗砕部12、ハウジング部43、管7、及びハウジング部63に分岐して供給される構成とすればよい。この構成は、加湿空気を供給するダクト(図示略)を分岐して設置することにより、容易に実現できる。また、2台、或いは3台の気化式加湿器によって加湿部202、204、206、208を構成することも勿論可能である。
[0082]
 また、上記構成において、加湿部210、212を1台の超音波式加湿器で構成してもよいし、2台の超音波式加湿器で構成してもよい。例えば、1台の加湿器が生成するミストを含む空気が、加湿部210、及び加湿部212に分岐して供給される構成とすることができる。
[0083]
 また、上述したシート製造装置100が備えるブロアーは、解繊部ブロアー26、捕集ブロアー28、混合ブロアー56、サクションブロアー77、及び、中間ブロアー318に限定されない。例えば、上述した各ブロアーを補助する送風機をダクトに設けることも、勿論可能である。
[0084]
 また、上記構成では、最初に粗砕部12が原料を粗砕し、粗砕された原料からシートSを製造するものとしたが、例えば、原料として繊維を用いてシートSを製造する構成とすることも可能である。
 例えば、解繊部20が解繊処理した解繊物と同等の繊維を原料として、ドラム部41に投入可能な構成であってもよい。また、解繊物から分離された第1選別物と同等の繊維を原料として、管54に投入可能な構成とすればよい。この場合、古紙やパルプ等を加工した繊維をシート製造装置100に供給することで、シートSを製造できる。
[0085]
 2.加熱部の構成
 シート製造装置100は、上述のシート形成部80(加熱部84)において、第2ウェブW2(堆積部60により形成された堆積物)を加熱加圧してシートSを形成する。図1の例では、加熱部84は一対の加熱ローラー86として簡略化して描かれている。以下、本実施形態のシート製造装置100の加熱部84について詳細に説明する。
[0086]
 図2、図3は、本実施形態の加熱部84の一例を模式的に示す図である。加熱部84は、回転可能な第1回転体181と、回転可能な第2回転体182と、加熱体183とを有する。第1回転体181及び第2回転体182は、いずれも回転に伴って移動する外周面を有するローラー形状であり、第1回転体181と第2回転体182により第2ウェブW2を挟持して加熱加圧してシートSを形成するように構成される。また、加熱体183は、第2回転体182の外周面を加熱できるように配置される。第1回転体181と加熱体183は、いずれも内部に熱源H(例えば、ハロゲンヒーター)を有する加熱ローラーとなっている。なお、加熱体183により第2回転体182を加熱することに代えて、非接触ヒーター(例えば、赤外線ヒーターやカーボンヒーター)により第2回転体182を加熱してもよい。加熱部84の各熱源Hは、制御装置110の制御により発熱して、第1回転体181及び第2回転体182を加熱する。また、加熱部84は、第1回転体181と第2回転体182の温度(例えば、外周面の温度)を検出する温度センサー309(図7)を有する。制御装置110は、温度センサー309の検出値を取得可能である。
[0087]
 第2回転体182は、回転中心部の芯金184と、その周囲を取り巻くように配置された軟質体185により構成されている。芯金184は、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属で構成され、軟質体185は、シリコンゴム、ウレタンゴム等のゴムで構成されている。また、第1回転体181及び加熱体183は、金属製の中空の芯金187で構成され、その表面には、フッ素コーティングの離型層188が設けられている。
[0088]
 本実施形態の加熱部84は、第1回転体181と第2回転体182がウェブWを挟持して加熱加圧するための第1位置(図2参照)と、第1回転体181と第2回転体182が互いに離間する第2位置(図3参照)とに変位可能に構成されている。第1位置は、第1回転体181及び第2回転体182が第2ウェブW2を挟むことが可能なニップ位置といえる。これに対し、第2位置は、第1回転体181と第2回転体182とが離間してニップが解除された位置ということができる。
[0089]
 本実施形態のシート製造装置100は、加熱部84の位置を変位させるための変位機構を備える。変位機構は、第1回転体181と第2回転体182のいずれか一方を変位させてもよいし、第1回転体181と第2回転体182の両方を変位させてもよい。なお、図2、図3に示すように、第2ウェブW2を支持する支持部186(ガイド)を第1回転体181と第2回転体182の近傍に設けることで、第2位置において第1回転体181と第2回転体182が第2ウェブW2に接触しないようにしてもよい。支持部186は、第1回転体181と第2回転体182の挟持部(ニップ部)に対して第2ウェブW2の搬送方向上流側の位置と搬送方向下流側の位置のそれぞれに設けられる。
[0090]
 図4、図5は、本実施形態の変位機構の一例を模式的に示す図である。
 変位機構190は、第1回転体181の回転軸191を回転可能に支持する第1軸受部193と、第2回転体182の回転軸192を回転可能に支持する第2軸受部194と、第1ロッド195aと、第2ロッド195bとを有する。第1軸受部193と第2軸受部194とは、回転軸196周りに回転可能(相対移動可能)に互いに接続されている。第1ロッド195aの一端側は回転軸197a周りに回転可能に第2軸受部194に設けられ、第2ロッド195bの一端側は回転軸197b周りに回転可能に第1軸受部193に設けられている。第1ロッド195aには付勢部材198(バネ)が設けられている。付勢部材198の一端側は回転軸197aに接続され、付勢部材198の他端側は第2ロッド195bの他端側199に接続されている。変位機構190は、第2ロッド195bを回転軸197b周りに回転駆動する駆動部を有する。
[0091]
 図4は、加熱部84が第2位置にあるときの状態を示し、図5は、加熱部84が第1位置にあるときの状態を示している。図4に示す状態(第2位置)において、第2ロッド195bを時計周りに回転させると、図5に示すように、第1回転体181と第2回転体182が互いに接触する第1位置に変位する。このとき、付勢部材198によって、第1軸受部193(第1回転体181)は第2軸受部194(第2回転体182)側に付勢され、第2軸受部194は第1軸受部193側に付勢される。なお、第1位置において、第1回転体181と第2回転体182とは、第2ウェブW2を挟持して加熱加圧することができればよく、互いに接触しなくてもよい。
 また、図5に示す状態(第1位置)において、第2ロッド195bを反時計周りに回転させると、第1回転体181と第2回転体182が互いに離間する第2位置に変位する。
[0092]
 図4、図5に示す変位機構190は、シート製造装置100が備えるローラー移動部341(図7)により駆動され、図4の第1位置、及び、図5の第2位置に変位可能である。ローラー移動部341は、例えば、モーターやアクチュエーター等で構成され、制御装置110の制御に従って動作し、上述した駆動部として機能する。つまり、本実施形態では、ローラー移動部341が、第2ロッド195bを回転軸197b周りに回転させ、加熱部84を第1位置と第2位置とに切り替える。
[0093]
 本実施形態の加熱部84は、第2位置において第1回転体181及び第2回転体182がそれぞれ回転駆動可能に構成されている。本実施形態のシート製造装置100は、第1回転体181を回転駆動させる駆動部と、第1位置において当該駆動部による駆動力を第2回転体182に伝達することなく、第2位置において当該駆動部による駆動力を第2回転体182に伝達する伝達機構とを備える。駆動部は、例えば、加熱部駆動モーター337(図7)である。また、伝達機構は、加熱部駆動モーター337の駆動力を第1回転体181または第2回転体182に伝達するリンクやギヤを用いることができる。
[0094]
 3.添加物供給部の構成
 図6は、添加物供給部52の構成を示す模式図である。
 添加物供給部52は、樹脂を含む添加物を収容する添加物収容部としての添加物カートリッジ501を備える。添加物カートリッジ501は、内部が中空とされた箱型に形成され、添加物供給部52の排出部52aの上部に装着される。添加物カートリッジ501が装着された状態で、排出部52aは、添加物カートリッジ501の内部空間に連通し、添加物カートリッジ501内部の添加物が排出部52aに流下する。
[0095]
 排出部52aは、供給管52cを介して管54に接続され、排出部52aから管54に、添加物が流れる構成となっている。排出部52aと供給管52cとの間には、供給調整部52bが配設される。供給調整部52bは、排出部52aから供給管52cへ流入する添加物の量を調整する機構である。例えば、供給調整部52bは、排出部52aから供給管52cへの添加物の流入を止めるシャッター(図示略)、シャッターが開いた状態で排出部52aから添加物を供給管52cへ送り出すスクリューフィーダー(図示略)等を備える構成とすることができる。また、供給調整部52bはシャッターの開度を調整する機構を備えてもよい。
[0096]
 添加物供給部52には、複数の添加物カートリッジ501を装着可能であり、排出部52a、供給調整部52b、及び供給管52cは、各々の添加物カートリッジ501に対応して設けられる。本実施形態では、7個の添加物カートリッジ501を添加物供給部52に装着できる。各々の添加物カートリッジ501に収容される添加物の種類は任意である。例えば、異なる色の添加物をそれぞれ収容した添加物カートリッジ501を装着することで、添加物供給部52から、イエローの添加物、マゼンタの添加物、シアンの添加物をそれぞれ管54に供給できる。また、白色の添加物、無色(プレーン)の添加物等を収容した添加物カートリッジ501を装着してもよいし、他の色の添加物を収容した添加物カートリッジ501を装着してもよい。
[0097]
 添加物供給部52は、添加物供給部52に装着される複数の添加物カートリッジ501のうち、いずれか1以上の添加物カートリッジ501から添加物を供給できる。例えば、制御装置110が添加物供給部52を制御して、イエローの添加物を収容した添加物カートリッジ501、及び、シアンの添加物を収容した添加物カートリッジ501から添加物を供給することで、緑色のシートSを製造できる。
[0098]
 4.制御系の構成
 図7は、シート製造装置100の制御系の構成を示すブロック図である。
 シート製造装置100が備える制御装置110は、シート製造装置100の各部を制御するメインプロセッサー111を有する。制御装置110は、メインプロセッサー111に接続されるROM(Read Only Memory)112、及びRAM(Random Access Memory)113を備える。メインプロセッサー111は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、ROM112が記憶する基本制御プログラムを実行することにより、シート製造装置100の各部を制御する。メインプロセッサー111は、ROM112、RAM113等の周辺回路や他のIPコアを含むシステムチップとして構成されてもよい。
[0099]
 ROM112は、メインプロセッサー111が実行するプログラムを不揮発的に記憶する。RAM113は、メインプロセッサー111が使用するワークエリアを形成して、メインプロセッサー111が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶する。
[0100]
 不揮発性記憶部120はメインプロセッサー111が実行するプログラムや、メインプロセッサー111が処理するデータを記憶する。不揮発性記憶部120は、例えば、設定データ121、及び、表示データ122を記憶する。設定データ121は、シート製造装置100の動作を設定するデータを含む。例えば、設定データ121は、シート製造装置100が備える各種センサーの特性や、各種センサーの検出値に基づきメインプロセッサー111が異常を検出する処理で使用される閾値等のデータを含む。表示データ122は、メインプロセッサー111が表示パネル116に表示させる画面のデータである。表示データ122は、固定的な画像データであってもよいし、メインプロセッサー111が生成或いは取得するデータを表示する画面表示を設定するデータであってもよい。
[0101]
 表示パネル116は、液晶ディスプレイ等の表示用のパネルであり、例えば、シート製造装置100の図示しない筐体(本体)の正面に設置される。表示パネル116は、メインプロセッサー111の制御に従って、シート製造装置100の動作状態、各種設定値、警告表示等を表示する。
[0102]
 タッチセンサー117は、タッチ(接触)操作や押圧操作を検出する。タッチセンサー117は、例えば、透明電極を有する圧力感知式あるいは静電容量式のセンサーで構成され、表示パネル116の表示面に重ねて配置される。タッチセンサー117は、操作を検出した場合、操作位置や操作位置の数を含む操作データをメインプロセッサー111に出力する。メインプロセッサー111は、タッチセンサー117の出力により、表示パネル116に対する操作を検出し、操作位置を取得する。メインプロセッサー111は、タッチセンサー117により検出した操作位置と、表示パネル116に表示中の表示データ122とに基づき、GUI(Graphical User Interface)操作を実現する。
[0103]
 制御装置110はセンサーI/F(Interface)114を介して、シート製造装置100の各部に設置されたセンサーに接続される。センサーI/F114は、センサーが出力する検出値を取得してメインプロセッサー111に入力するインターフェイスである。センサーI/F114は、センサーが出力するアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D(Analog/Digital)コンバーターを備えてもよい。また、センサーI/F114は、各センサーに駆動電流を供給してもよい。また、センサーI/F114は、各々のセンサーの出力値を、メインプロセッサー111が指定するサンプリング周波数に従って取得し、メインプロセッサー111に出力する回路を備えてもよい。
[0104]
 センサーI/F114には、古紙残量センサー301、添加物残量センサー302、排紙センサー303、水量センサー304、風量センサー306、風速センサー307、及び、温度センサー309が接続される。
[0105]
 古紙残量センサー301は、供給部10の各スタッカー11に蓄積される古紙(原料)の残量を検出するセンサーである。制御装置110は、古紙残量センサー301の検出値に基づいて、各スタッカー11に収容される古紙の有無、或いは残量を検出できる。
 添加物残量センサー302は、添加物供給部52から供給可能な添加物の残量を検出するセンサーであり、複数の添加物カートリッジ501の各々に収容された添加物の残量を検出可能な構成であってもよい。制御装置110は、添加物残量センサー302の検出値に基づき、各々の添加物カートリッジ501における添加物の残量を求めることができ、或いは、添加物の残量が閾値以上か否かを判定することができる。
[0106]
 排紙センサー303は、排出部96が有するトレイ或いはスタッカーに蓄積されたシートSの量を検出する。制御装置110は、例えば、排紙センサー303の検出値に基づいて、排出部96に蓄積されたシートSの量が設定値以上となったと判定した場合に、報知を行うことができる。
[0107]
 水量センサー304は、シート製造装置100が内蔵する給水用タンク(図示略)の水量を検出するセンサーである。制御装置110は、水量センサー304が検出する水量が設定値を下回った場合に、報知を行う。また、水量センサー304は、気化式加湿器343及び/又はミスト式加湿器347のタンク(図示略)の残量を検出可能な構成としてもよい。
[0108]
 風量センサー306は、シート製造装置100の内部を流れる空気の風量を検出する。また、風速センサー307は、シート製造装置100の内部を流れる空気の風速を検出する。制御装置110は、風量センサー306及び風速センサー307の検出値に基づいて、シート製造装置100内部におけるエアーフロー(材料搬送気流)の状態を判定できる。この判定結果に基づき、制御装置110は、解繊部ブロアー26や混合ブロアー56等の回転数を制御して、シート製造装置100内部のエアーフローの状態を適正に保持することができる。
[0109]
 温度センサー309は、加熱部84が備える加熱ローラー86の温度を検出するセンサーである。制御装置110は、温度センサー309の検出値に基づき、加熱ローラー86の温度、すなわち加熱ローラー86により第2ウェブW2を加熱する加熱温度を検出する。
[0110]
 制御装置110は、駆動部I/F(Interface)115を介して、シート製造装置100が備える各駆動部に接続される。駆動部I/F115には、シート製造装置100が備えるモーター、ポンプ、ヒーター等が接続される。これらを総称して駆動部と呼ぶが、特に、モーター等の物理的変位をもたらすものを駆動部とし、その他のヒーター等を動作部と呼ぶこともできる。なお、以下の説明において、駆動部とは、駆動部I/F115に接続され制御装置110の制御に従って機能を発揮する駆動部と動作部とを含む。
[0111]
 駆動部I/F115は、上述した各駆動部に、駆動IC(Integrated Circuit)を介して接続されてもよい。駆動ICは、例えば、メインプロセッサー111の制御に従って駆動部に駆動電流を供給する回路であり、電力用半導体素子等で構成される。例えば、駆動ICは、インバーター回路や、ステッピングモーターを駆動する駆動回路とすることができ、その具体的構成及び仕様は、接続される駆動部に合わせて適宜に選択すればよい。
[0112]
 粗砕部駆動モーター311は、駆動部I/F115に接続され、制御装置110の制御に従って、原料である古紙を裁断する裁断刃(図示略)を回転させる。
 解繊部駆動モーター313は、駆動部I/F115に接続され、制御装置110の制御に従って、解繊部20が備えるローター(図示略)を回転させる。
[0113]
 給紙モーター315は、供給部10に取り付けられ、制御装置110の制御に従って、いずれかのスタッカー11から古紙を粗砕部12に供給する。例えば、給紙モーター315は、各々のスタッカー11に設けられて古紙をスタッカー11から送り出すローラー(図示略)に対し、選択的に結合して、ローラーを駆動する。制御部150の制御により、給紙モーター315は、いずれかのスタッカー11のローラーに係合して、ローラーを駆動して古紙を粗砕部12に供給する。
[0114]
 添加物供給モーター317は、駆動部I/F115に接続され、制御装置110の制御に従って、供給調整部52bにおいて添加物を送り出すスクリューフィーダー(図示略)を駆動する。添加物供給モーター317は、供給調整部52bのシャッターを開閉させるものであってもよい。
[0115]
 駆動部I/F115には、解繊部ブロアー26が接続される。同様に、駆動部I/F115には、混合ブロアー56、サクションブロアー77、中間ブロアー318、捕集ブロアー28が駆動部I/F115に接続される。この構成により、解繊部ブロアー26、混合ブロアー56、サクションブロアー77、中間ブロアー318、及び、捕集ブロアー28の始動及び停止を制御装置110が制御できる。中間ブロアー318は、搬送部79のサクション機構79cから吸引を行うブロアーである。制御装置110は、これらの各ブロアーによる吸引の開始/停止を制御でき、各ブロアーの回転数を制御可能な構成であってもよい。
[0116]
 また、駆動部I/F115には、ドラム駆動モーター325、ベルト駆動モーター327、分断部駆動モーター329、ドラム駆動モーター331、ベルト駆動モーター333、加圧部駆動モーター335、及び、加熱部駆動モーター337が接続される。
[0117]
 ドラム駆動モーター325は、ドラム部41を回転させるモーターである。ベルト駆動モーター327は、第1ウェブ形成部45のメッシュベルト46を動作させモーターである。分断部駆動モーター329は、回転体49を回転させるモーターである。ドラム駆動モーター331は、ドラム部61を回転させるモーターである。ベルト駆動モーター333は、メッシュベルト72を駆動するモーターである。また、加圧部駆動モーター335は、加圧部82のカレンダーローラー85を駆動するモーターである。加熱部駆動モーター337は、加熱部84の加熱ローラー86を駆動するモーターである。
 制御装置110は、これら各モーターのON/OFFを制御する。また、制御装置110は、上記各モーターの回転数を制御可能な構成であってもよい。
[0118]
 ヒーター339は、加熱ローラー86を加熱するヒーターであり、図2に示した熱源Hに相当する。ヒーター339は駆動部I/F115に接続され、制御装置110は、ヒーター339のON/OFFを制御する。また、ヒーター339が、出力を切替可能な構成であって、制御装置110がヒーター339の出力を制御することが可能な構成であってもよい。
[0119]
 ローラー移動部341は、加熱部84が備える変位機構190(図4、図5)を動作させて、図4の第1位置、及び、図5の第2位置に変位させる。ローラー移動部341は、駆動部I/F115を介して制御装置110に接続され、制御装置110は、ローラー移動部341を制御し、加熱部84の第1位置と、第2位置とを切り替える。
[0120]
 気化式加湿器343は、水を貯留するタンク(図示略)、及び、タンクの水に浸潤されるフィルター(図示略)を備え、このフィルターに送風して加湿する装置である。気化式加湿器343は、駆動部I/F115に接続されるファン(図示略)を有し、制御装置110の制御に従ってフィルターへの送風をON/OFFする。本実施形態では、気化式加湿器343から加湿部202、204、206、208に対し、加湿空気を供給する。従って、加湿部202、204、206、208は、気化式加湿器343が供給する加湿空気を、粗砕部12、選別部40、管54、及び、堆積部60に供給する。なお、気化式加湿器343は、複数の気化式加湿器で構成されてもよい。この場合、それぞれの気化式加湿器の設置場所を、粗砕部12、選別部40、管54、及び、堆積部60のいずれかとしてもよい。
[0121]
 また、気化式加湿器343は、ファンによりフィルターに送風される風を加熱する加湿ヒーター345を備える。加湿ヒーター345は、気化式加湿器343が備えるファン(図示略)とは別に駆動部I/F115に接続される。制御装置110は、気化式加湿器343が備えるファンのON/OFFを制御し、気化式加湿器343の制御とは独立して、加湿ヒーター345のON/OFFを制御する。気化式加湿器343は本発明の加湿器に相当し、加湿ヒーター345は熱源に相当する。
[0122]
 ミスト式加湿器347は、水を貯留するタンク(図示略)、及び、タンクの水に対し振動を与えて霧状の水滴(ミスト)を発生させる振動部(図示略)を備える。ミスト式加湿器347は、駆動部I/F115に接続され、制御部150の制御に従って振動部をON/OFFする。本実施形態では、ミスト式加湿器347から加湿部210、212に対し、ミストを含む空気を供給する。従って、加湿部210、212は、ミスト式加湿器347が供給するミストを含む空気を第1ウェブW1、及び第2ウェブW2のそれぞれに供給する。
[0123]
 給水ポンプ349は、シート製造装置100の外部から水を吸引し、シート製造装置100の内部に備えるタンク(図示略)に水を取り込むポンプである。例えば、シート製造装置100を始動する際に、シート製造装置100を操作するオペレーターが給水用タンクに水を入れてセットする。シート製造装置100は、給水ポンプ349を動作させ、給水用タンクからシート製造装置100内部のタンクに水を取り込む。また、給水ポンプ349は、シート製造装置100のタンクから気化式加湿器343及びミスト式加湿器347に水を供給してもよい。
[0124]
 切断部駆動モーター351は、切断部90の第1切断部92、及び第2切断部94を駆動するモーターである。切断部駆動モーター351は、駆動部I/F115に接続される。
[0125]
 また、制御装置110には、IC読取部119が接続される。IC読取部119は、添加物供給部52に装着される添加物カートリッジ501(図6)の各々に設けられるIC521からデータを読み取る。
[0126]
 添加物カートリッジ501の各々には、IC521が取り付けられている。IC521は、データを記憶する記憶領域を備えたICチップであり、添加物カートリッジ501に収容された添加物に関するデータを記憶する。IC521は、接触式のICチップであってもよいし、非接触式のICチップ(例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)を用いてもよい。IC521が記憶するデータは、例えば、添加物カートリッジ501に収容された添加物の色、性質、好適な加熱温度等を含み、これらのデータに相当するコードを含んでもよい。本実施形態では、IC521は、少なくとも、添加物の加熱温度を示す温度データ(温度情報)を記憶する。
[0127]
 IC読取部119は、IC521が記憶するデータを読み取る装置であって、たとえば、接触式または非接触のICリーダー/ライターとすることができる。IC読取部119は、例えば、添加物供給部52において装着可能な添加物カートリッジ501の数に対応して、複数設置されてもよい。IC読取部119は、制御装置110の制御に従って、各々の添加物カートリッジ501に装着された複数のIC521のそれぞれから、データを読み取り、読み取ったデータを制御装置110に出力する。
[0128]
 図8は、シート製造装置100の機能ブロック図であり、記憶部140及び制御部150の機能的構成を示す。記憶部140は、不揮発性記憶部120(図7)により構成される論理的な記憶部である。
[0129]
 制御部150、及び、制御部150が有する各種の機能部は、メインプロセッサー111がプログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により形成される。これらの機能部を構成するハードウェアは、例えば、メインプロセッサー111、及び不揮発性記憶部120が挙げられる。
[0130]
 記憶部140は、上述した設定データ121、及び、表示データ122を記憶する。
 制御部150は、オペレーティングシステム(OS)151、表示制御部152、操作検出部153、検出制御部154、データ取得部155、駆動制御部156、及び、加熱制御部157の機能を有する。
[0131]
 オペレーティングシステム151の機能は、記憶部140が記憶する制御プログラムの機能であり、その他の制御部150の各部は、オペレーティングシステム151上で実行されるアプリケーションプログラムの機能である。
[0132]
 表示制御部152は、表示データ122に基づいて表示パネル116に画像を表示させる。
 操作検出部153は、タッチセンサー117に対する操作が検出された場合に、検出された操作位置に対応するGUI操作の内容を判定する。
[0133]
 検出制御部154は、センサーI/F114に接続される各種センサーの検出値を取得する。また、検出制御部154は、センサーI/F114に接続されるセンサーの検出値について、予め設定された閾値(設定値)と比較して判定を行う。検出制御部154は、判定結果が、報知を行う条件に該当する場合には、表示制御部152に報知内容を出力して、表示制御部152によって画像やテキストによる報知を行わせる。
[0134]
 データ取得部155は、IC読取部119によりIC521からデータの読取りを行う。
[0135]
 駆動制御部156は、駆動部I/F115を介して接続される各駆動部の始動(起動)及び停止を制御する。また、駆動制御部156は、解繊部ブロアー26や混合ブロアー56等に対して、回転数の制御を行う構成であってもよい。
[0136]
 加熱制御部157は、加熱部84の加熱ローラー86により第2ウェブW2を加熱する温度を制御する。加熱制御部157は、加熱部84による加熱温度を設定する。ここで、加熱制御部157が設定する温度は、制御の目標となる目標温度ということができる。加熱制御部157は、温度センサー309の検出値を取得し、加熱部84の加熱温度が設定した目標温度となるように、ヒーター339を制御する。
 加熱制御部157が行う温度制御の精度についてはシートSの品質を満足できる程度であればよい。具体的には、加熱制御部157は、ヒーター339のON/OFFの切り替え、及び/または、ヒーター339の出力制御により、加熱ローラー86の温度を、設定した目標温度を含む所定の温度範囲内に維持する。この所定の温度範囲の大きさ、及び、目標温度からの差は、適宜に設定される。例えば、目標温度に対する上記所定の温度範囲の設定方法や条件を、設定データ121に含めて記憶部140に記憶し、この設定に従って加熱制御部157が制御を行う構成とすることができる。また、加熱制御部157は、加湿ヒーター345のON/OFFを制御してもよい。
[0137]
 5.シート製造装置の動作
 続いて、シート製造装置100の動作について説明する。
 図9は、表示パネル116により表示される画面の例を示す図であり、シート製造装置100を操作するユーザー(オペレーター)が操作を行うための操作画面160を示す。
[0138]
 図9の操作画面160は、シート製造装置100の電源が投入された後、表示パネル116によって表示され、シート製造装置100がシートSの製造を行う間や、後述する待機状態においても継続して表示されてもよい。
[0139]
 操作画面160には、動作指示部161、カートリッジ情報表示部162、シート設定部163、及び、報知部164が配置される。動作指示部161及びシート設定部163はユーザーが操作を行うためのGUIを構成する。表示パネル116に操作画面160を表示することにより、タッチセンサー117は、操作検出部153(図8)とともに受付部を構成する。
[0140]
 動作指示部161は、シート製造装置100の動作を指示するためのボタン(操作部)として機能する開始指示ボタン161a、停止指示ボタン161b、中断指示ボタン161c、及び、待機指示ボタン161dを含む。
[0141]
 シート設定部163は、シート製造装置100が製造するシートSの条件を指示するためのボタン(操作部)として機能する色設定部163a、厚さ設定部163b、及び、原料設定部163cを有する。
[0142]
 動作指示部161及びシート設定部163に配置された各操作部は、物理ボタンとしてシート製造装置100の筐体に設置されてもよい。本実施形態では一例として、上記の各操作部を表示パネル116及びタッチセンサー117によりGUI(アイコン)として設けた例を説明する。
[0143]
 色設定部163aは、シートSの色を指定するための操作部である。図9の例では、ユーザーが色設定部163aを操作することにより、プルダウンメニューによって、シートSの色を、予め設定された複数の色から選択できる。制御部150は、操作検出部153により、色設定部163aの操作により選択された色を取得する。駆動制御部156は、選択された色に対応して、添加物供給部52に装着された添加物カートリッジ501の添加物のうち、使用する添加物の種類、及び、複数種類の添加物を使用する場合の各添加物の割合を決定する。駆動制御部156は、使用する添加物の種類、及び、複数種類の添加物を使用する場合の各添加物の割合に基づいて、各々の添加物カートリッジ501から供給する添加物の量を決定し、決定した量に基づき添加物供給モーター317を制御する。
[0144]
 厚さ設定部163bは、シートSの厚さを指定するための操作部である。図9の例では、ユーザーが厚さ設定部163bを操作することにより、プルダウンメニューによって、シートSの厚さ、予め設定された複数段階の厚さから選択できる。制御部150は、操作検出部153により、厚さ設定部163bの操作により選択された厚さを取得する。駆動制御部156は、選択された厚さに対応して、堆積部60においてメッシュベルト72に堆積させる第2ウェブW2の厚み、及び/または、加圧部82で第2ウェブW2に与える荷重等の条件を決定する。駆動制御部156は、決定した条件に対応して、ドラム駆動モーター331の回転速度及びベルト駆動モーター333の回転速度、加圧部駆動モーター335の動作条件等を制御する。
[0145]
 原料設定部163cは、シートSの製造に用いる原料を指定するための操作部である。図9の例では、ユーザーが原料設定部163cを操作することにより、プルダウンメニューによって、原料の種類を、予め設定された複数の種類から選択できる。原料設定部163cで選択可能な原料は、供給部10がスタッカー11に収容する原料である。すなわち、原料設定部163cにおける選択は、供給部10において原料を送り出すスタッカー11の選択に対応する。制御部150は、操作検出部153により、原料設定部163cの操作により選択された原料を取得する。駆動制御部156は、選択された原料を収容するスタッカー11を選択し、選択したスタッカー11から原料が供給されるように給紙モーター315を制御する。
[0146]
 また、シート設定部163には、上述した各ボタンの他に、製造するシートSの枚数を指定するボタンやシートSのサイズ(大きさ)を指定するボタンを配置してもよく、その他のシートSに係る条件を指定するためのボタンを配置してもよい。
[0147]
 開始指示ボタン161aは、シートSの製造の開始を指示するボタンである。開始指示ボタン161aは、例えば、シート設定部163の操作によってシートSに係る条件が指定された後に操作され、指定された条件に基づくシートSの製造の開始を指示する。なお、シート設定部163において、デフォルトの指定値が予め設けられ、シート設定部163の操作が行われない状態で開始指示ボタン161aが操作された場合、シート製造装置100が、デフォルトの指定値に基づきシートSの製造を開始してもよい。
[0148]
 停止指示ボタン161bは、シート製造装置100の動作の停止を指示するボタンである。なお、シート製造装置100の筐体には、表示パネル116とは別にシート製造装置100の電源をON/OFFする電源スイッチ(図示略)を備えてもよい。この場合、停止指示ボタン161bは、シート製造装置100の停止を指示するボタンとして機能するが、停止指示ボタン161bによりシート製造装置100の電源オフを指示できる構成であってもよい。停止指示ボタン161bの操作によりシート製造装置100がシートSの製造を停止した場合、シート設定部163で設定されたシートSに係る条件はクリアされ、デフォルトの指定値(初期値)に戻る。
[0149]
 中断指示ボタン161cは、シート製造装置100がシートSの製造を実行している間に、シートSの製造を一時的に停止させる。中断指示ボタン161cが操作され、シート製造装置100がシートSの製造を停止した場合、シート設定部163で設定されたシートSに係る条件は保持される。この状態で、開始指示ボタン161aが操作されると、制御部150は、シート製造装置100により中断指示ボタン161cが操作される前と同じ条件に従ってシートSの製造を開始(再開)する。
[0150]
 待機指示ボタン161dは、シート製造装置100がシートSの製造をしていない状態、すなわち停止した状態で、後述する待機状態への移行を指示するボタンである。
[0151]
 シート製造装置100によりシートSを製造する一連の動作を「ジョブ」と呼ぶ。ジョブは、シート設定部163の操作またはデフォルト値により指定された条件のシートSを製造する動作を指す。具体的には、開始指示ボタン161aの操作に応じて動作を開始してから、シート設定部163の操作で指定された枚数のシートSの製造を完了するまで、或いは、停止指示ボタン161bの操作により停止するまでの動作を、ジョブと呼ぶ。製造するシートSの枚数が指定された場合、ジョブの終端が明らかに特定される。シートSの枚数が指定されず停止指示ボタン161bが操作された場合、あるいは、指定された枚数のシートSの製造を完了する前に停止指示ボタン161bが操作された場合、事前の設定はないが、ジョブが終了する。中断指示ボタン161cが操作された場合、シート製造装置100はジョブを中断するが、終了しない。このため、中断指示ボタン161cの操作に応じてシートSの製造を止めた後、開始指示ボタン161aが操作されると、シート製造装置100は、シートSの製造を再開し、具体的には中断指示ボタン161cの操作の前と同じ条件でシートSを製造する。つまり、中断指示ボタン161cはジョブを一時的に停止させるが、その後に開始指示ボタン161aが操作されればジョブは継続する。
[0152]
 カートリッジ情報表示部162は、添加物供給部52に装着(セット)された添加物カートリッジ501に関する情報を表示する表示部である。カートリッジ情報表示部162には、添加物供給部52に装着可能な添加物カートリッジ501の数に対応して、添加物カートリッジ501を模した画像が表示される。カートリッジ情報表示部162では、各々の添加物カートリッジ501の画像に対応して、添加物の色や添加物カートリッジ501に収容された添加物の残量を示す情報が、テキストや画像により表示される。また、添加物供給部52に装着された添加物カートリッジ501の数が装着可能な数より少ない場合、装着されていない添加物カートリッジ501に対応する画像はブランク表示される。
[0153]
 報知部164は、ユーザーに報知する内容がテキストや画像により表示される表示領域である。報知部164には、例えば、添加物カートリッジ501の交換を要求するメッセ-ジ等が表示される。
[0154]
 図10は、シート製造装置100の動作状態の例を示す図である。
 図中、供給部は供給部10を指し、例えば給紙モーター315の状態を指す。粗砕部は粗砕部12を指し、例えば粗砕部駆動モーター311の状態を指す。解繊部は解繊部20を指し、具体的には解繊部駆動モーター313の状態を指すが、解繊部ブロアー26の状態を含めて解繊部20の動作状態としてもよい。選別部は選別部40を指し、具体的にはドラム駆動モーターの状態を指す。第1ウェブ形成部は第1ウェブ形成部45を指し、具体的にベルト駆動モーター327の状態を指すが、捕集ブロアー28の状態を含めて第1ウェブ形成部45の動作状態としてもよい。回転体は回転体49を駆動する分断部駆動モーター329の回転状態を指す。
[0155]
 混合部は混合部50の状態を指し、具体的には添加物供給部52を駆動する添加物供給モーター317及び混合ブロアー56の動作状態を指す。堆積部は堆積部60を指し、具体的にはドラム部61を動かすドラム駆動モーター331の動作状態を指す。第2ウェブ形成部は第2ウェブ形成部70を指し、具体的にはベルト駆動モーター333の動作状態を指すが、サクションブロアー77の状態を含めて第2ウェブ形成部70の動作状態としてもよい。加圧部は加圧部82を指し、具体的には加圧部駆動モーター335の動作状態を指すが、加圧部82による荷重の状態を含んでもよい。加熱部は加熱部84を指し、具体的には、それぞれ加熱部駆動モーター337の動作状態、及び、ヒーター339の状態を指す。また、切断部は切断部90を指し、具体的には切断部駆動モーター351の動作状態を指すが、切断部90においてシートSを搬送する搬送部(図示略)の動作状態を含んでもよい。排出部は排出部96にシートSを搬送する搬送部(図示略)の動作状態を指す。また、加湿ヒーターは加湿ヒーター345の状態を指す。
[0156]
 また、図10は、各駆動部の通電状態に限定されず、制御部150が各部を駆動させる制御の状態を示している。例えば、加熱部84の加熱についてのON、OFFは、ヒーター339への通電のON、OFFではなく、制御部150がヒーター339による加熱を行うための制御を行っているか否かを示す。このため、実際にヒーター339に通電されていない瞬間があったとしても、制御部150がヒーター339による加熱を行うための制御を行う間、動作状態はONである。他の駆動部についても同様である。
[0157]
 本実施形態のシート製造装置100の動作状態は、第1状態、第2状態、及び第3状態の3通りである。第1状態は、シート製造装置100がシートSを製造している状態であり、運転状態に相当する。また、第1状態を、通常状態と呼ぶこともできる。第1状態では、図10に示すように、シート製造装置100の各部がONとなっていて、駆動される。
[0158]
 これに対し、第2状態(中断状態)は、上述した待機状態に相当し、後述する制御部150の制御によって実行される。制御部150は、例えば、操作画面160(図9)の待機指示ボタン161dが操作された場合や、後述する制御により、シート製造装置100を、第1状態から第2状態に遷移させる。第2状態では、少なくとも原料、材料およびシートSの搬送に係る駆動部がOFFである。また、第2状態では、少なくともヒーター339がONであり、より好ましくは加湿ヒーター345がONである。原料はスタッカー11に収容された古紙を指し、材料は、解繊部20で解繊された解繊物、第1ウェブW1、細分体P、混合部50で混合された混合物、及び、第2ウェブW2を含む。
 停止状態では、図10に示すように、駆動部I/F115に接続された各駆動部がOFFである。
[0159]
 図11は、IC読取部119によりICから読み取られるデータの例を示す図であり、特に、添加物の温度データの例を示す。図11に示す例では、添加物カートリッジ501を、添加物カートリッジ501に収容された添加物の色により区別する。この例では、イエロー(図中YELLOW)の添加物カートリッジ501のIC521から、温度データ「Th11」が取得される。また、マゼンタ(MAGENTA)の添加物カートリッジ501のIC521から「Th12」が取得され、シアン(CYAN)の添加物カートリッジ501のIC521から「Th13」が取得される。また、白(WHITE)の添加物カートリッジ501のIC521から「Th14」が取得され、プレーン(PLAIN)の添加物カートリッジ501のIC521から「Th15」が取得される。Th11、Th12、Th13、Th14、Th15はそれぞれ具体的な温度、或いは温度の範囲を示す数値やコードである。これらの温度は、加熱部84において、各々の添加物に含まれる樹脂を適切な状態で溶融させ、繊維を好ましい強度で接着し、良好な発色を得られるように設定された温度である。制御部150は、シートSを製造する場合に、シートSの製造に使用する添加物を特定した後、特定した添加物を収容した添加物カートリッジ501のIC521から読み取った温度データに基づき、加熱部84の加熱温度を設定する。これにより、加熱部84において第2ウェブW2を適切な温度で加熱することができ、高品質のシートSを製造できる。Th11~Th15の具体的な温度は添加物の具体的性質により異なるが、室温に近い温度で添加物が溶融することは実用上あまりないので、いわゆる室温とされる温度よりも高い。例えば、摂氏100度を超える温度となることは珍しくない。
[0160]
 シート製造装置100は、シートSの製造を開始していない状態、例えば図10に示した停止状態から、シートSの製造を開始する場合、各駆動部がシートSの製造を可能な状態になるまでに時間がかかる。例えば、図11に示したように、添加物カートリッジ501に収容された添加物に合わせて、加熱部84の加熱温度を適切な温度にする必要がある。停止状態では、加熱ローラー86の温度はシート製造装置100の周囲温度の影響を受けているため、周囲温度に近い温度であることが多い。このような温度から、図11に示したTh11~Th15まで加熱ローラー86を昇温させるためには時間がかかる。シートSを速やかに連続して製造し、製造されるシートSの品質を保つためには、加熱ローラー86の熱容量が大きい方が好適であるが、加熱ローラー86の熱容量が大きいほど、昇温には時間がかかる。ヒーター339の発熱量を大きくすれば速やかに昇温することが可能であるが、このような場合も、極めて短時間で昇温することは容易ではない。また、ヒーター339が、発熱量が大きく温度が速やかに立ち上がる特性を有する場合、加熱ローラー86の温度を高精度で制御することが難しくなる可能性があり、シート製造装置100の消費電力量が増大する可能性もある。従って、シート製造装置100の停止状態からシートSの製造を開始するまでの待ち時間を短縮することは容易ではない。
[0161]
 シート製造装置100では、動作状態として第2状態を実行可能であり、この第2状態ではヒーター339をONに維持できるので、例えば加熱ローラー86の温度を、周囲温度より高温に維持できる。このため、第2状態からシートSの製造を開始すると、停止状態からシートSの製造を開始する場合に比べ、より短時間でシートSの製造が可能となり、待ち時間を短縮できる。
[0162]
 図12は、シート製造装置100の動作例を示すタイミングチャートであり、特に、加熱ローラー86の温度の変化を示す。図12の縦軸は加熱ローラー86の温度を示す。この温度は、例えば温度センサー309により検出される温度である。横軸は時間の経過を示す。
[0163]
 縦軸における温度T1は、シートSの製造に適した温度であり、加熱制御部157が、製造するシートSの条件に合わせて設定する目標温度である。温度T2は、第2状態において加熱ローラー86の温度を維持する目標温度として、加熱制御部157が設定する温度である。一方、T0はシート製造装置100が設置される場所の周囲温度である。
[0164]
 図12のタイミングチャートにおいて、温度パターンG1は、シート製造装置100が第1状態から第2状態に移行し、その後、第1状態に移行する場合の加熱ローラー86の温度変化を示す。第1状態において、時刻t1で制御部150が第2状態への移行を開始し、その後、時刻t2で第1状態への移行を開始する場合の例を示す。時刻t1は、例えば、中断指示ボタン161cが操作されたタイミングであり、時刻t2は、例えば開始指示ボタン161aが操作されたタイミングである。つまり、時刻t1から時刻t2までの期間TE1が、第2状態を継続した時間である。これに対し、温度パターンG2は、停止状態において、時刻t2で第1状態への移行を開始する場合の例を示す。
[0165]
 温度パターンG1に示すように、加熱ローラー86の温度は、第1状態ではT1に維持され、時刻t1で第2状態への移行が開始されると低下する。加熱制御部157は、第2状態で加熱ローラー86の温度をT2に維持する。時刻t2で第1状態への移行が開始されると、加熱ローラー86の昇温が開始される。加熱ローラー86の温度がT1に達したタイミング(時刻t3)で、駆動制御部156は、原料、材料およびシートSの搬送に係る駆動部の動作を開始させて、シート製造装置100が第1状態に移行し、シートSの製造が開始される。従って、シートSの製造の開始、或いは再開が指示されてから、シートSの製造を開始するまでの待ち時間は、時刻t2から時刻t3までの期間TE2に相当する。
[0166]
 これに対し、温度パターンG2では、時刻t2までは停止状態であるため、加熱ローラー86の温度は周囲温度T0に近い温度である。図12では加熱ローラー86の温度をT0として示している。時刻t2で第1状態への移行が開始されると、加熱ローラー86の昇温が開始される。ここで、温度パターンG1、G2において、ヒーター339を含む加熱部84の構成は共通であるから、昇温パターン、すなわち温度上昇の傾斜はほぼ同一である。従って、温度パターンG2において、加熱ローラー86の温度は、温度パターンG1の時刻t2-t3間と同じ傾きで上昇するので、加熱ローラー86の温度が目標温度T1に達するのは時刻t3より後の時刻t4となる。この場合、シートSの製造の開始、或いは再開が指示されてから、シートSの製造を開始するまでの待ち時間は、時刻t2から時刻t4までの期間TE3に相当する。
[0167]
 このように、シート製造装置100は、制御部150の制御によって駆動部I/F115に接続された各駆動部が動作する第1状態と、各駆動部が停止する停止状態とに加え、第2状態を実行できる。第2状態では、シート製造装置100の一部、例えばヒーター339、及び、加湿ヒーター345の動作状態がONに維持される。このため、その後にシートSの製造を開始するときに、実際に原料、材料およびシートSの搬送が開始されて製造を開始されるまでの待ち時間を短縮できるという利点がある。
[0168]
 第2状態では、加湿ヒーター345をONに維持することにより、気化式加湿器343の温度を、シート製造装置100の設置場所の気温(周囲温度)よりも高温に維持できる。加湿ヒーター345の温度の変化は、図12と同様である。このため、気化式加湿器343の温度が好ましい温度に上昇するまでシートSの製造を開始しない構成であれば、ヒーター339について説明した内容と同様に、シートSの製造開始までの待ち時間を短縮できる。
[0169]
 また、駆動制御部156は、後述するように、第2状態から第1状態に移行する場合に、加熱部84を第2位置から第1位置へ変位させる。具体的には、シート製造装置100が第2状態に移行するタイミング(図12の時刻t2)で加熱部84は第2位置に移動して一対の加熱ローラー86は互いに離隔する。加熱ローラー86の温度が目標温度であるT1に達したタイミング(図12の時刻t3)で、駆動制御部156は、加熱部84を第1位置に変位させる。
[0170]
 一対の加熱ローラー86がニップされ、第2ウェブW2に接触する際に、温度の低下が生じることが知られている。温度低下の要因は、例えば、加熱ローラー86が第2ウェブW2に接触することで、第2ウェブW2に熱を奪われることである。このため、加熱制御部157は、第2状態においてヒーター339により加熱ローラー86を昇温させる過程で、加熱ローラー86の温度を、目標温度である温度T1よりも高温まで昇温してもよい。より具体的には、加熱制御部157は、第2状態から第1状態に移行する際に、目標温度を、添加物カートリッジ501のIC521から取得され目標温度に設定されるべき温度T1よりも高温の温度T1´を、目標温度に設定する。そして、加熱ローラー86の温度が目標温度である温度T1´に達したタイミングで、駆動制御部156が加熱部84を第1位置に変位させるとともに、加熱制御部157が目標温度を、シートSに係る条件(製造条件)に対応する温度T1に設定する。温度T1´は、温度T1が決定された後、予め設定された温度差ΔTを温度T1に加算することで求めることができる。温度差ΔTは、ニップによる温度低下を加味して決定され、予め、例えば設定データ121に含まれて記憶しておけばよい。
[0171]
 これにより、加熱部84が第1位置に変位したタイミングでシート製造装置100を第1状態に移行させ、速やかにシートSの製造を開始しても、製造開始直後から、加熱部84において確実に第2ウェブW2を加熱できる。このため、加熱不良のシートSの量を減らすことができる。
 停止状態からシートSの製造を開始する場合にも、同様に、加熱制御部157は、シート製造装置100が第1状態に移行するまでの間、一時的に、シートSに係る条件に対応する目標温度よりも高温に設定することで、同様の効果が得られる。
[0172]
 図13は、シート製造装置100の動作を示すフローチャートである。図14、図15及び図16は、シート製造装置100の動作を示すフローチャートであり、特に、図13の処理を詳細に示す。
[0173]
 シート製造装置100の電源がオンにされると(ステップST11)、表示制御部152は、表示パネル116に操作画面160を表示させる(ステップST12)。操作検出部153は、ユーザーによる操作画面160に対する操作を検出して、この操作による入力を受け付ける処理を行い、操作内容を取得する(ステップST13)。
[0174]
 制御部150は、駆動制御部156及び加熱制御部157の機能により、ステップST13で操作検出部153が取得した操作内容に基づいて、シート製造装置100の動作条件を設定する(ステップST14)。
[0175]
 ステップST14で実行される処理を図14に詳細に示す。
 制御部150は、ステップST13で取得した操作内容に基づき、添加物供給部52に装着された添加物カートリッジ501のうち、使用する添加物カートリッジ501を特定する(ステップST41)。例えば、シート設定部163の色設定部163aの操作により指定された色や、原料設定部163cの操作により指定された原料の種類に基づき、使用する添加物の種類(例えば、色)を特定し、特定した種類の添加物を収容した添加物カートリッジ501を特定する。さらに、制御部150は、特定した添加物カートリッジ501から供給する単位時間当たりの添加物の量を求め、添加物供給モーター317を動作させる条件を設定する。
[0176]
 制御部150は、ステップST41で特定した添加物カートリッジ501に装着されているIC521からIC読取部119が読み取った温度データを取得する(ステップST42)。制御部150は、添加物カートリッジ501が装着された際、或いは、シート製造装置100の電源がONにされたときに、IC読取部119によりIC521の有無を検出し、検出したIC521からデータを読み取る。制御部150は、読み取ったデータを、IC521を識別する識別情報に対応付けて、記憶部140(あるいはRAM113)等に一時的に記憶する。IC521の識別情報は、例えばIC521に固有のIDであり、IC521の記憶領域に記憶される情報であり、温度データ等の各種データとともにIC読取部119により読取り可能である。ステップST42で、制御部150は、一時的に記憶されたデータから、ステップST41で特定した添加物カートリッジ501に対応する温度データを取得する。また、制御部150は、ステップST42においてIC読取部119によりIC521からデータを読み取ることにより、温度データを取得してもよい。
[0177]
 制御部150は、ステップST42で取得した温度データに基づき、第1温度、及び、第2温度を決定する(ステップST43)。第1温度は、シートSを製造する第1状態における加熱ローラー86の目標温度であり、例えば図12に示した温度T1に相当する。第2温度は、第2状態で維持される加熱ローラー86の目標温度であり、例えば図12に示した温度T2に相当する。制御部150は、第1温度、及び、第2温度を、記憶部140(あるいはRAM113)等に一時的に記憶する。
[0178]
 ステップST43で、制御部150は、複数種類の添加物を使用する場合は、各々の添加物に対応する温度データを取得し、取得した複数の温度データをもとに第1温度を決定する。例えば、制御部150は、取得した複数の温度データのうち最も高い温度を第1温度に決定する。
 一例として、図11に示した各添加物の温度データにおいて、下記式(1)に示す関係が成立する場合を想定する。
 Th11<Th12<Th13<Th14<Th15 …(1)
[0179]
 例えば、制御部150は、ステップST41で、イエローの添加物、及び、シアンの添加物を使用すると特定した場合、ステップST42で、温度データTh11と温度データTh13とを取得する。制御部150は、ステップST43で、温度データTh11と温度データTh13のうち、より高い温度を示す温度データTh13に基づき第1温度を決定する。この方法では、複数種類の添加物を使用する場合に、より高い温度の加熱を要する添加物に合わせて加熱を行うので、全ての添加物が必要な温度以上に加熱される。このため、加熱不足によるシートSの品質低下を防止できる。
 また、制御部150は、使用する複数種類の添加物の使用量の割合を反映して、複数の温度データに基づき第1温度を決定してもよい。
[0180]
 なお、ステップST43では、使用する添加物を収容する添加物カートリッジ501のIC521から読み取った温度データに基づき、第1温度を決定する例を説明したが、原料設定部163cで指定された原料に対応する第1温度を設定してもよい。例えば、原料の種類ごとに、原料に適した加熱部84の加熱温度を設定データ121に含めて予め記憶しておけばよい。この場合、制御部150は、原料設定部163cで指定された原料に対応する加熱温度を設定データ121から取得する。制御部150は、使用する添加物に対応する温度データのうち最も高い温度と、原料に対応する加熱温度とのうち、高い側の温度を、第1温度に設定すればよい。
 また、第2温度T2は第1温度T1より低温の温度である。例えば、第1温度Th11~Th15の中で最も低い温度のTh11より、予め設定された温度差(例えば10℃)だけ低い温度を第2温度T2とする。温度差あるいは第2温度は、例えば設定データ121に含めて記憶部140に記憶される。
[0181]
 図13に戻り、制御部150は、起動シーケンスを実行する(ステップST15)。起動シーケンスで、制御部150は、センサーI/F114に接続された各種センサーの初期化、及び、検出開始のための処理を実行する。また、起動シーケンスは、駆動部I/F115に接続された各駆動部の動作の初期化、及び、シートSの製造を開始することが可能な状態に各駆動部を移行させる制御を含む。この起動シーケンスにおいて、制御部150は、ヒーター339の電源をONに切り替えて昇温を開始する。また、制御部150は、加湿ヒーター345の電源をONに切り替えて昇温を開始する。
[0182]
 制御部150は、ヒーター339の温度が、ステップST14で設定した第1温度に達したか否かを判定し(ステップST15)、第1温度に達していない間は(ステップST15;No)、待機する。この待機中、制御部150は、他の駆動部の制御を行うことは勿論可能である。また、ステップST15では、ヒーター339を停止状態から昇温する場合に相当するので、ステップST14で設定した第1温度に温度差ΔTを加えた温度を、目標温度として、ステップST15の判定の基準としてもよい。
[0183]
 ヒーター339の温度が目標温度に達したと判定した場合(ステップST15;Yes)、制御部150は、シート製造装置100の動作状態を第1状態に移行してシートSの製造すなわちジョブを開始する(ステップST17)。
 ここで、加熱ローラー86の目標温度が、第1温度に温度差ΔTを加えた温度に設定されている場合、制御部150は、目標温度を第1温度に変更する処理を行う。
[0184]
 シートSの製造開始後、制御部150は、中断指示ボタン161cの操作による中断の指示の入力を検出する(ステップST18)。なお、中断指示ボタン161cの操作の検出は、実際には割り込み制御として実行することが可能であるが、ここでは説明の便宜のためフロー制御の一部として説明する。
[0185]
 中断の指示が入力された場合(ステップST18;Yes)、制御部150は、シート製造装置100を第2状態に移行させる(ステップST19)。
 ステップST19で実行される処理を図15に詳細に示す。
 制御部150は、加熱ローラー86の目標温度を第2温度に変更する(ステップST51)。このときの第2温度は、ステップST14で設定した温度としてもよいし、移行前の第1状態における第1温度より、予め設定された温度差(例えば10℃)だけ低い温度としてもよい。制御部150は、ローラー移動部341を動作させて加熱部84のニップを解除し(ステップST52)、その他の各駆動部を停止させる(ステップST53)。ステップST53で停止される駆動部は、例えば、図10において第2状態でOFFされる駆動部として説明したものである。従って、制御部150は、第2状態において、ヒーター339及び加湿ヒーター345の温度制御を継続して行い、加熱ローラー86の温度を、目標温度である第2温度にする。ステップST51~ST53の処理順は、適宜に変更可能である。
[0186]
 図13に戻り、制御部150は、第2状態に移行した後は開始指示ボタン161aの操作を検出(ステップST20)、開始指示ボタン161aの操作がされない間は(ステップST20;No)、待機する。開始指示ボタン161aの操作が行われたことを検出した場合(ステップST20;Yes)、制御部150は、再開シーケンスを実行する(ステップST21)。
[0187]
 ステップST21で実行される処理を図16に詳細に示す。
 制御部150は、ヒーター339を制御するためのパラメーターである加熱ローラー86の目標温度を、ステップST14で設定した第1温度に変更する(ステップST61)。ここで、上述したように、制御部150は、第1温度に温度差ΔTを加えた温度を目標温度に設定してもよい。
[0188]
 続いて、制御部150は、加熱ローラー86の温度が目標温度に達したか否かを判定し(ステップST62)、目標温度に達しない間は(ステップST62;No)、待機する。加熱ローラー86の温度が目標温度に達した場合(ステップST62;Yes)、制御部150は、第2状態でOFFにしていた各駆動部を起動させる(ステップST64)。各駆動部の起動は、ステップST61~ST63の処理と同時又は前後に適宜に開始すればよい。
[0189]
 図13に戻り、制御部150は、第1状態に移行してジョブを再開し(ステップST22)、ステップST18に戻る。
[0190]
 中断指示ボタン161cの操作がないと判定した場合(ステップST18;No)、制御部150は、ジョブが完了したか否かを判定する(ステップST23)。例えば、ステップST13で製造するシートSの枚数が指定され、指定された枚数のシートSの製造が完了した場合には、ジョブが完了する。停止指示ボタン161bが操作された場合もジョブが完了する。
[0191]
 ジョブが完了していない場合(ステップST23;No)、制御部150はステップST18に戻る。ジョブが完了した場合(ステップST23;Yes)、制御部150は、シート製造装置100の動作状態を第2状態に移行させる(ステップST24)。ステップST24で実行する処理の詳細は、ステップST19と同様である。
[0192]
 制御部150は、シート製造装置100を第2状態に移行させてからの経過時間である待機時間のカウントを開始する(ステップST25)。
 制御部150は、操作画面160の操作により新たなジョブに関する入力がされたか否かを判定する(ステップST26)。新たなジョブに関する入力がされた場合(ステップST26;Yes)、制御部150は、待機時間のカウントを停止してカウント値をリセットし(ステップST27)、再開シーケンスを実行し(ステップST28)、ステップST13に戻る。ステップST28で実行する処理の詳細は、ステップST21と同様である。
[0193]
 制御部150は、第2状態に移行した後、新たなジョブに関する入力がない場合(ステップST26;No)、待機時間のカウント値を参照し、第2状態に移行してから第1設定時間が経過したか否かを判定する(ステップST29)。第1設定時間は、第2状態における加熱ローラー86の目標温度を変更する時間の閾値であり、予め設定され、例えば設定データ121に含めて記憶部140に記憶される。
[0194]
 待機時間が第1設定時間に達した場合(ステップST29;Yes)、制御部150は、加熱ローラー86の目標温度を第3温度に変更する(ステップST30)。第3温度は、第2温度より低温の温度である。例えば、ステップST14で第2温度を決定する際に、第2温度に基づき第3温度が決定されてもよいし、予め設定された温度差だけ第2温度より低い温度を、第3温度としてもよい。また、第3温度は、予め設定された値であってもよい。温度差あるいは第3温度は、例えば設定データ121に含めて記憶部140に記憶される。
[0195]
 目標温度を第3温度に変更した後(ステップST30)、及び、第1設定時間が経過していないと判定した場合(ステップST29;No)、制御部150は、新たなジョブに関する入力がされたか否かを判定する(ステップST31)。ここで、新たなジョブに関する入力がされた場合(ステップST31;Yes)、制御部150はステップST27に移行する。
[0196]
 新たなジョブに関する入力がない場合(ステップST31;No)、制御部150は、待機時間のカウント値を参照し、第2状態に移行してから第2設定時間が経過したか否かを判定する(ステップST32)。第2設定時間は、予め設定された時間の閾値であり、例えば設定データ121に含めて記憶部140に記憶される。待機時間が第2設定時間に達した場合(ステップST32;Yes)、制御部150は、停止シーケンスを実行して、シート製造装置100を停止状態に移行させる(ステップST33)。停止シーケンスでは、例えば図10に示したように、ヒーター339及び加湿ヒーター345を含む各駆動部を停止させる。また、待機時間が第2設定時間に達していない場合(ステップST32;No)、制御部150は、ステップST29に戻る。
[0197]
 図13の動作において、第2設定時間が経過した後、制御部150は、目標温度を、第3温度よりもさらに低い温度に変更してもよい。つまり、制御部150が、待機時間の経過に応じて段階的に目標温度を低く変更する動作において、目標温度を変更する回数は限定されず、3回以上であってもよい。第1設定時間、第2設定時間、及びそれ以後の時間の閾値は任意であり、短い時間で区切ることも可能である。
[0198]
 ステップST33で実行する停止シーケンスは、停止指示ボタン161bの操作が行われたときに割り込み処理として実行できる。また、待機指示ボタン161dの操作が行われたとき、制御部150は、割り込み処理としてステップST19の動作を実行してもよい。
[0199]
 シート製造装置100は、ジョブの実行中に、シート設定部163の操作によってシートSの製造に係る条件を入力する操作が可能な構成とすることができる。シート設定部163の操作は、ジョブを開始する前、及び、ジョブが完了した後であって次のジョブを開始する前であれば勿論可能である。さらに、この操作を、ジョブの開始後であってシートSを製造している第1状態と、ジョブを一時的に中断している第2状態とのいずれであってもシート設定部163の操作を受け付ける構成とすることができる。具体的には、図13に示すステップST12の後、いつでもシート設定部163を操作できる。シート設定部163の操作によりシートSの製造に係る条件が指定され、開始指示ボタン161aが操作されると、割り込み制御として、制御部150が条件を変更する処理を行う。
[0200]
 図17は、シート製造装置100の動作を示すフローチャートであり、特に、操作画面160の操作によりシートSの条件が変更された場合に割り込み制御で実行される動作を示す。
 制御部150は、シート設定部163の入力及び開始指示ボタン161aの操作を検出すると(ステップST81)、この入力を受け付けて、シート設定部163で入力された内容を取得する(ステップST82)。
[0201]
 制御部150は、完了していないジョブをリセットし(ステップST83)、ステップST82で取得した内容に基づきシートSの製造に係る動作条件を設定する(ステップST84)。ステップST84で実行する処理の詳細は、ステップST14(図13)と同様である。
[0202]
 制御部150は、ステップST83でリセットしたジョブに関して設定された第1温度と、ステップST84で設定した第1温度を比較し、第1温度が高くなるか否かを判定する(ステップST85)。
 第1温度を高くする場合(ステップST85;Yes)、制御部150は、一時的にシート製造装置100の動作状態を第2状態とする(ステップST86)。すなわち、図10に示したように、シート製造装置100の駆動部のうち、原料、材料、及びシートSの搬送に係る各駆動部を停止させる。ヒーター339、及び、加湿ヒーター345をONに維持する。また、ヒーター339は、温度を昇温させるので第1状態の温度のままでもよい。
[0203]
 制御部150は、ローラー移動部341を動作させて加熱部84のニップを解除し(ステップST87)、加熱ローラー86の温度を、ステップST84で設定された目標温度である第1温度まで昇温する制御を開始する(ステップST88)。ここで、上述したように、制御部150は、加熱ローラー86の目標温度を、第1温度に温度差ΔTを加えた温度としてもよい。
[0204]
 制御部150は、加熱ローラー86の温度が目標温度に達したか否かを判定し(ステップST89)、目標温度に達しない間は(ステップST89;No)、待機する。加熱ローラー86の温度が目標温度に達した場合(ステップST89;Yes)、制御部150は、加熱部84をニップ位置に移動させ(ステップST90)、第2状態でOFFにしていた各駆動部を起動させる(ステップST91)。
 その後、制御部150は、変更された動作条件に従ってジョブを開始し(ステップST92)、ステップST18(図13)に移行する。
[0205]
 また、ステップST84で設定された動作条件において、第1温度が、ステップST83でリセットしたジョブの第1温度以下である場合(ステップST85;No)、制御部150はステップST92に移行してジョブを開始する(ステップST92)。
[0206]
 図18は、シート製造装置100の動作例を示すタイミングチャートであり、特に、加熱ローラー86の温度の変化を示す。図18の縦軸は加熱ローラー86の温度を示す。この温度は、例えば温度センサー309により検出される温度である。横軸は時間の経過を示す。
[0207]
 図18は、シート製造装置100がジョブ(第1ジョブ)を開始後、第1ジョブを終了する前に、シートSの製造に係る条件を変更して第2ジョブを開始する場合の、加熱ローラー86の温度変化を示す。
 温度T1は第1ジョブで決定された第1温度であり、温度T11は第2ジョブで決定された第1温度である。
[0208]
 第1温度T1に基づきジョブを実行する間、加熱ローラー86の温度は、温度T1に保たれる。ここで、ステップST84で第2ジョブの動作条件が設定され、第2ジョブの第1温度T11が、第1ジョブの第1温度T1よりも高い場合、制御部150は、時刻t11で、シート製造装置100を第2状態にする。
[0209]
 制御部150は、加熱ローラー86の昇温を開始し、加熱ローラー86の温度が、第2ジョブの目標温度である温度T11に達する時刻t12で、ジョブを開始する。
 この時刻t11~時刻t12間において、ヒーター339及び加湿ヒーター345以外の駆動部、より詳細には、原料、材料、及びシートSの搬送を行う駆動部を停止させる。このため、ステップST82で受け付けた内容に対応するシートSを製造する場合に、原料や材料の変更に対応して加熱ローラー86の温度が変わるまで、シートSの製造を行わない。これにより、加熱部84における加熱不良となる材料を減らすことができる。シート製造装置100では、シートSの製造開始(ジョブ開始)からシートSの品質が安定するまでに時間を要することがある。この間に製造されたシートSは望まれた品質に達していない可能性があるので、排出部96から供給部10に戻して原料とすることが推奨される。シートSの製造に係る条件が変更されたことで、加熱ローラー86の加熱不足が生じ得る場合に、制御部150はいったん駆動部を停止させて加熱ローラー86を昇温させる。このため、加熱不足となるシートSを減少させることができ、原料に戻されるシートSの量を減らすことができる。
[0210]
 また、シートSの製造に係る条件が変更されることにより、使用される添加物の種類、各添加物の量や割合が変化することがある。このような場合、添加物供給部52の動作条件が変更されるが、変更後の動作条件に基づき添加物が添加された原料がシートSとして排出部96に排出されるまでには、時間がかかる。このため、時刻t12でジョブを開始する時点で、添加物供給部52と加熱部84との間に存在する材料(細分体Pと添加物の混合物、及び第2ウェブW2を含み、これを残存材料という)は、動作条件が変更される前に添加物が混合されたものである。この残存材料は、変更後の動作条件に対応する第1温度T11で加熱されるため、材料に適した温度とは異なる温度で加熱されることになる。また、そもそも残存材量の色や厚さは、変更前の動作条件に基づき調整されたものである。そこで、制御部150は、残存材量を含むシートSは、排出部96において、好ましい状態(良品)のシートSとは異なる位置に排出するか、供給部10に戻す動作を行ってもよい。或いは、残存材量を含むシートSが全て排出部96に排出され、良品のシートSの排出が開始したタイミングで、報知部164により報知を行ってもよい。例えば、制御部150は、排出部96から排出されるシートSの長さをカウントし、時刻t12以後に排出されたシートSの長さが、添加物供給部52と排出部96との間の距離を超えたときに、残存材量を含むシートSの排出が完了したと判定してもよい。
[0211]
 以上、説明したように、第1実施形態のシート製造装置100は、繊維を含む材料を加熱してシートSを形成する装置であって、材料を加熱する加熱部84と、加熱部84が材料を加熱する温度を制御する制御部150と、を備える。制御部150は、シート製造装置100がシートSを製造している第1状態で加熱部84の温度を第1温度とする。制御部150は、シートSを製造していない第2状態における所定のタイミング、或いは、シートSを製造していない状態に移行するときの所定のタイミングで、加熱部84の温度を第1温度よりも低い第2温度にする。
[0212]
 本発明のシート製造装置、及び、シート製造装置の制御方法を適用したシート製造装置100によれば、加熱部84の温度を、シートSを製造する状態における第1温度よりも低い第2温度に制御できる。このため、例えば、シートSを製造していない待機状態において加熱部84を第2温度とし、シートSの製造を開始するときに第1温度まで昇温する構成とすれば、加熱部84を完全に停止させる場合に比べて速やかに、シートSの製造を開始できる。これにより、シート製造装置100において、エネルギー効率の低下を生じにくい方法により、装置が停止した状態からシートSの製造を開始できるようになるまでの時間を短縮できる。
[0213]
 また、シート製造装置100は、外部からの入力を受け付ける操作検出部153を備える。制御部150は、操作検出部153により受け付けた入力に応じて、加熱部84の温度を第1温度から第2温度に変更する。これにより、外部からの入力に応じて加熱部84の温度を変更する制御を行うことができる。例えば、外部からの入力をトリガーとして、加熱部の温度を下げて待機状態とし、エネルギー効率の低下を抑制できる。
[0214]
 また、操作検出部153は、シートSの種類の入力を受け付け可能であり、制御部150は、操作検出部153により受け付けたシートSの種類の入力に応じて、加熱部84の温度を第1温度から第2温度に変更する。これにより、シートSの種類が入力された場合に、この入力に応じて加熱部84の温度を変更する制御を行うことができる。このため、例えば、シートSの種類により製造時の加熱部84の温度条件が異なる場合に、加熱部84の温度を、シートSの種類に適合する温度に速やかに変更できる。
[0215]
 また、シート製造装置100は、それぞれ繊維を含む複数種類の原料として古紙を供給する供給部10と、供給部10により供給される原料を解繊する解繊部20と、を有する。制御部150は、供給部10により供給される原料の種類に応じて、加熱部84の温度を第1温度から第2温度に変更する。これにより、シートSを製造する原料に適した温度で加熱部84により加熱を行い、高品質のシートSを製造できる。
[0216]
 また、シート製造装置100は、複数種類の原料を種類毎に収容する複数のスタッカー11を有する。供給部10は、スタッカー11に収容された複数種類の原料のいずれかを選択して供給する。これにより、種類が異なる原料を容易に供給することが可能であり、この原料からシートSを製造する工程において、原料に適した温度で加熱を行うことにより、高品質のシートSを製造できる。
[0217]
 また、シート製造装置100は、結合材である添加物を収容した(複数の)添加物カートリッジ501を有する。制御部150は、添加物カートリッジ501に配設されたIC521から温度データを取得し、取得した温度データに基づいて第1温度を決定する。この構成によれば、加熱部84の第1温度を、添加物カートリッジ501から取得する温度データに基づく温度に設定できる。このため、添加物カートリッジ501から、結合材に適した加熱部84の加熱温度に係る温度データを取得することにより、予めシート製造装置100が特別な情報を用意することなく、結合材に適した温度でシートSを製造できる。
[0218]
 また、結合材を収容した(複数の)添加物カートリッジ501を有し、制御部150は、添加物カートリッジ501から温度データを取得し、取得した温度データに基づいて第2温度を決定する。この構成によれば、加熱部84の第2温度を、IC521から取得する温度データに基づく温度に設定できる。このため、IC521からの、結合材に適した加熱部84の加熱温度に係る温度データに基づいて、第2温度を適宜に設定することにより、加熱部を第1温度に昇温させる際には速やかに昇温させることができ、待機時間の短縮を図ることができる。
[0219]
 また、シート製造装置100は、加熱部84に材料を搬送する搬送部を備える。搬送部は、狭義にはシート形成部80を含む。広義には、より上流に位置する搬送部79を含み、メッシュベルト72を含んでもよく、ドラム部61を含んでもよく、混合ブロアー56を含んでもよい。また、より上流に位置する回転体49を搬送部に含んでもよく、メッシュベルト46を含んでもよく、ドラム部41を含んでもよく、解繊部ブロアー26を含んでもよい。また、解繊部20を含んでもよく、粗砕部12を含んでもよく、供給部10を含んでもよい。また、これらを動作させるモーター及びブロアーを含む駆動部を搬送部としてもよい。シート製造装置100は、シートSを製造している状態では、少なくとも搬送部により材料を加熱部84に搬送する動作を実行し、シートSを製造していない状態では少なくとも搬送部が停止する。
 この構成によれば、材料を搬送する動作を行っている間には加熱部84を第1温度に制御し、材料の搬送を停止している状態では加熱部84の加熱温度を第2温度とする。これにより、材料を搬送しない間のエネルギー効率の低下を抑制し、次に材料の搬送を開始するときには加熱部84を速やかに昇温することができ、待機時間の短縮を図ることができる。
[0220]
 また、加湿ヒーター345を有し材料を加湿する気化式加湿器343を備え、シートSを製造していない状態において気化式加湿器343の加湿ヒーター345を動作させる。この構成によれば、シートSを製造していない状態で気化式加湿器343の加湿ヒーター345を停止させないので、その後にシートSの製造を再開するときに、速やかに、適切な加湿を開始できる。このため、シートSの製造を速やかに開始できる。また、シートSの製造を再開するときに、材料の適切な加湿状態が速やかに実現されるため、高品質のシートSを製造できる。
[0221]
 また、制御部150は、シートSを製造していない状態が継続する時間に基づき、加熱部84の加熱温度を第1温度から第2温度に変更する。この構成によれば、シート製造装置100の動作状態に対応して加熱部84の加熱温度を低下させることができ、シートSの製造を速やかに開始可能な状態を維持し、エネルギー効率の低下を抑制できる。
[0222]
 また、制御部150は、シートSを製造していない状態が継続する時間に基づき、加熱部84の加熱温度の制御を停止する。この構成によれば、シート製造装置100の動作状態に対応して加熱部84の加熱を停止することで、エネルギー効率のより一層の向上を図ることができる。
[0223]
 また、制御部150は、シートSを製造していない状態が継続する時間に基づき、加熱部84の加熱温度を、第2温度から第2温度よりも低い第3温度に変更する。この構成によれば、シート製造装置100の動作状態に対応して加熱部84の加熱温度を低下させることができ、シートSの製造を速やかに開始可能な状態を維持し、エネルギー効率のより一層の向上を図ることができる。
[0224]
 また、少なくともシートSの製造の開始及び終了の指示または製造量の指定を含むジョブに基づきシートSを製造するよう構成される。制御部150は、ジョブに基づきシートSを製造する動作の間に、シートSを製造していない中断状態に移行し、中断状態で加熱部84の加熱温度を第1温度よりも低い第2温度にする。
 この構成によれば、ジョブに基づきシートSを製造している間に加熱部84の加熱温度をより低温の第2温度に変更して中断状態(第2状態)とすることができる。これにより、例えば材料の変更や、シートSの種類の変更など、シートSを製造する動作の実行中は難しい処理を、ジョブの実行中に行うことができる。また、中断状態においては加熱部84の加熱温度が第2温度に制御されるため、エネルギー効率の低下を抑制できる。さらに、中断状態からシートSの製造を再開する場合に、加熱部84が第2温度に制御されているので、速やかにシートSの製造を開始できる。
[0225]
 また、シート製造装置100は、少なくともシートSの製造の開始及び終了の指示、または、製造量の指定を含むジョブに基づきシートSを製造するよう構成される。制御部150は、ジョブに基づきシートSを製造する動作が終了した後に、シートSを製造していない待機状態に移行し、待機状態が継続する時間に基づき加熱部84の加熱温度を第1温度から第2温度に変更する。この構成によれば、ジョブに基づくシートSの製造が終了した後に、加熱部84の加熱温度が第2温度に制御されるため、シートSの製造を再び行う場合に、速やかにシートSの製造を開始できる。また、加熱部84の加熱温度を第2温度とすることで、エネルギー効率の低下を抑制できる。
[0226]
 また、制御部150は、外部からの入力に応じて、加熱部84の加熱温度を第2温度から第1温度に変更する。外部からの入力は、例えば、操作画面160を用いた入力操作に相当する。この構成によれば、外部からの入力に応じて加熱部84の加熱温度を第2温度から第1温度に上昇させることができる。これにより、例えば、シートSの製造を開始する制御とは別に、加熱部84を昇温させ、シートSの製造開始に備えることができ、シートSの製造を速やかに開始可能な状態を任意のタイミングで実現できる。
[0227]
 また、加熱部84は、材料を挟持して加熱する一対の加熱ローラー86を含み、加熱ローラー86は、材料を挟持する第1位置と、材料を挟持しない第2位置とに変位可能である。制御部150は、加熱部84の加熱温度を第1温度から第2温度に変更する場合に、加熱ローラー86対を第2位置に変位させる。この構成によれば、加熱部84の加熱温度を第2温度とする場合に加熱ローラー86対を変位させるので、加熱部84を、第1温度より低い温度で待機するのに適した状態とすることができる。これにより、加熱部84が第2温度となる状態で加熱部84に位置する材料に対する影響を抑制し、材料のロスを減らすことができる。
[0228]
 [第2実施形態]
 図19は、本発明を適用した第2実施形態に係るシート製造装置100の動作を示すフローチャートである。第2実施形態のシート製造装置100は、上記第1実施形態で説明したシート製造装置100と共通の構成を具備するので、その構成については図示及び説明を省略する。
[0229]
 第2実施形態において、シート製造装置100は、図17に示した動作に代えて、図19の動作を実行する。すなわち、操作画面160の操作によりシートSの条件が変更された場合に割り込み制御で図19の動作を実行する。以下の説明で、図17の動作と共通するステップには同ステップ番号を付す。
[0230]
 制御部150は、シート設定部163の入力及び開始指示ボタン161aの操作を検出すると(ステップST81)、この入力を受け付けて、シート設定部163で入力された内容を取得する(ステップST82)。
[0231]
 ここで、制御部150は、添加物カートリッジ501の交換が必要か否かを判定する(ステップST101)。制御部150は、ステップST82で取得した入力内容が、添加物供給部52に既に装着されている添加物カートリッジ501が収容する添加物とは異なる添加物を必要とするか否かを判定する。シート製造装置100では様々な種類の添加物を使用でき、例えば、いわゆる特色と呼ばれる、使用頻度の低い色の添加物を使用することも可能である。また、色だけでなく、シートSの硬さや厚みへの影響が異なる添加物を使用することもできる。添加物カートリッジ501は添加物供給部52に着脱可能であるため、使用頻度の低い添加物を収容する添加物カートリッジ501は、必要に応じて装着すればよい。
[0232]
 ステップST101で、制御部150は、ステップST82で取得した内容に応じたシートSを製造するために、添加物カートリッジ501の交換、或いは、追加が必要であるか否かを判定する。制御部150は、添加物カートリッジ501の交換、或いは、追加が必要ないと判定した場合(ステップST101;No)、ステップST83に移行する。
 これに対し、添加物カートリッジ501の交換、或いは、追加が必要であると判定した場合(ステップST101;Yes)、制御部150は、シート製造装置100を第2状態に移行させる(ステップST102)。ステップST102で実行する処理の詳細は、ステップST19(図13)と同様である。ここで、制御部150は、報知部164(図9)にメッセージを表示する等の動作を行い、添加物カートリッジ501の交換を促す報知、或いは案内を行ってもよい。
[0233]
 制御部150は、添加物カートリッジ501の交換が完了したか否かを判定し(ステップST103)、交換が完了していない間は(ステップST103;No)、待機する。添加物カートリッジ501の交換が完了したと判定した場合(ステップST103;Yes)、制御部150はステップST83に移行する。ステップST83以後の動作は、第1実施形態で図17を参照して説明した通りである。
[0234]
 ステップST103で、制御部150が交換が完了したと判定する基準は、例えば、添加物カートリッジ501のIC521がIC読取部119により読み取り可能となることが挙げられる。また、制御部150は、IC読取部119によりIC521から読み取ったデータが、ステップST82で取得した入力内容に対応する添加物カートリッジ501のデータであるか否かを判定してもよい。この場合、制御部150は、入力内容に対応する添加物カートリッジ501であると判定した場合に、交換が完了したと判定すればよい。また、制御部150が、添加物カートリッジ501を覆うカバー(図示略)の開閉を検出可能な構成とし、カバーが閉じられたことを検出することで、交換が完了したと判定してもよい。また、操作画面160において、添加物カートリッジ501の交換が完了したことを入力可能な構成とし、この入力が行われた場合に、制御部150は、交換が完了したと判定してもよい。
[0235]
 図20は、シート製造装置100の動作例を示すタイミングチャートであり、特に、加熱ローラー86の温度の変化を示す。図20の縦軸は加熱ローラー86の温度を示す。この温度は、例えば温度センサー309により検出される温度である。横軸は時間の経過を示す。
[0236]
 図20の温度パターンG11は、シート製造装置100がジョブ(第1ジョブ)を開始後、第1ジョブを終了する前に、シートSの製造に係る条件を変更して第2ジョブを開始する場合の、加熱ローラー86の温度変化を示す。温度T1は第1ジョブで決定された第1温度であり、温度T11は第2ジョブで決定された第1温度である。また、温度パターンG12は、比較例として、シート製造装置100を停止させて添加物カートリッジ501を交換した場合の、加熱ローラー86の温度変化を示す。
[0237]
 制御部150は、添加物カートリッジ501の交換が必要であると判定した場合、時刻t22でシート製造装置100を第2状態に移行させる。その後、時刻t22で添加物カートリッジ501の交換が完了したと判定し、制御部150は、加熱ローラー86を昇温させる。その後、時刻t23で加熱ローラー86の温度が目標温度に達すると、制御部150はシートSの製造を開始する。
[0238]
 時刻t21-時刻t22に相当する期間TE21は添加物カートリッジ501の交換を待機する時間である。時刻t22-時刻t23間の期間TE22は、添加物カートリッジ501の交換完了後、昇温を待つための待ち時間である。
 比較例としての温度パターンG12では、加熱ローラー86が、周囲温度またはその近傍である温度T0に低下しており、この状態から、時刻t22で加熱ローラー86を昇温させる。このため、昇温が完了してシートSの製造を開始するのは、時刻t23より後の時刻t24である。温度パターンG2において、添加物カートリッジ501の交換完了後、昇温を待つための待ち時間は期間TE23であり、期間TE22よりも長い時間となることが明らかである。
[0239]
 このように、添加物カートリッジ501の交換を要する場合に、シート製造装置100を停止状態に移行させず、第2状態に移行させ、少なくともヒーター339をONにし、或いはヒーター339と加湿ヒーター345とをONにした状態を保つ。これにより、シートSの製造を開始するまでの待ち時間を短縮できる。また、第2状態では、少なくとも原料、材料およびシートSの搬送に係る駆動部を停止させるので、添加物カートリッジ501の着脱による悪影響を防止できる。悪影響とは、原料や材料が添加物供給部52から系外に飛散または漏出する、添加物供給部52から流入する外気等により細分体P、第2ウェブW2或いはシートSの状態が乱される、等がある。また、添加物カートリッジ501を交換する作業をするユーザーが、モーターなどの駆動部の動きにより不安を感じるおそれもない。
[0240]
 なお、上記各実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明を実施する具体的態様に過ぎず、本発明を限定するものではなく、上記実施形態で説明した構成の全てが本発明の必須構成要件であることも限定されない。また、この発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
[0241]
 例えば、上記各実施形態では、種類毎に原料を収容する収容部としてスタッカー11を備える構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、解繊部20により解繊された原料が外部から供給される構成であってもよい。この構成では、解繊された原料を収容したカートリッジ(図示略)を複数備え、これらのカートリッジから切り替えてドラム部41に原料としての解繊物を供給してもよい。また、原料として細分体Pを外部から管54に供給する構成としてもよい。
[0242]
 また、上記各実施形態のシート製造装置100は、原料を気中で解繊することにより材料を得て、この材料と樹脂とを用いてシートSを製造する乾式のシート製造装置100として説明した。本発明の適用対象はこれに限定されず、水等の溶媒中に繊維を含む原料を溶解または浮遊させ、この原料をシートに加工する、いわゆる湿式のシート製造装置にも適用できる。また、気中で解繊された繊維を含む材料をドラムの表面に静電気等により吸着させ、ドラムに吸着された原料をシートに加工する静電方式のシート製造装置にも適用できる。これらのシート製造装置では、シートに加工される前またはシート状の材料を搬送する工程において、上記実施形態の構成を適用可能である。これらのシート製造装置において、原料を加熱する加熱部を有する構成であれば、この加熱部の温度を制御する制御部に本発明を適用できる。
[0243]
 また、シート製造装置100は、シートSに限らず、硬質のシート或いは積層したシートで構成されるボード状、或いは、ウェブ状の製造物を製造する構成であってもよい。また、シートSは、紙は、パルプや古紙を原料とする紙であってもよく、天然繊維または合成樹脂製の繊維を含む不織布であってもよい。また、シートSの性状は特に限定されず、筆記や印刷を目的とした記録紙(例えば、いわゆるPPC用紙)として使用可能な紙であってもよいし、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙等であってもよい。また、シートSが不織布である場合、一般的な不織布のほか、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット等としてもよい。

符号の説明

[0244]
 9…シュート、10…供給部、11…スタッカー(収容部)、12…粗砕部、20…解繊部、26…解繊部ブロアー、27…集塵部、28…捕集ブロアー、40…選別部、41…ドラム部、45…第1ウェブ形成部、46…メッシュベルト、48…吸引部、49…回転体、50…混合部、52…添加物供給部、52a…排出部、52b…供給調整部、52c…供給管、54…管、56…混合ブロアー、60…堆積部、61…ドラム部、62…導入口、70…第2ウェブ形成部、72…メッシュベルト、76…サクション機構、77…サクションブロアー、79…搬送部、79a…メッシュベルト、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、102…製造部、110…制御装置、111…メインプロセッサー、114…センサーI/F、115…駆動部I/F、116…表示パネル、117…タッチセンサー(受付部)、119…IC読取部、120…不揮発性記憶部、121…設定データ、122…表示データ、140…記憶部、150…制御部、151…オペレーティングシステム、153…操作検出部(受付部)、154…検出制御部、155…データ取得部、156…駆動制御部、157…加熱制御部、160…操作画面、161…動作指示部、161a…開始指示ボタン、161b…停止指示ボタン、161c…中断指示ボタン、161d…待機指示ボタン、162…カートリッジ情報表示部、163…シート設定部、163a…色設定部、163b…厚さ設定部、163c…原料設定部、164…報知部、181…第1回転体、182…第2回転体、183…加熱体、190…変位機構、202、204、206、208、210、212…加湿部、301…古紙残量センサー、302…添加物残量センサー、303…排紙センサー、304…水量センサー、306…風量センサー、307…風速センサー、309…温度センサー、311…粗砕部駆動モーター、313…解繊部駆動モーター、315…給紙モーター、317…添加物供給モーター、318…中間ブロアー、325…ドラム駆動モーター、327…ベルト駆動モーター、329…分断部駆動モーター、331…ドラム駆動モーター、333…ベルト駆動モーター、335…加圧部駆動モーター、337…加熱部駆動モーター、339…ヒーター、341…ローラー移動部、343…気化式加湿器(加湿部)、345…ミスト式加湿器、345…加湿ヒーター(熱源)、349…給水ポンプ、351…切断部駆動モーター、501…添加物カートリッジ(カートリッジ)、521…IC、H…熱源、P…細分体、S…シート、W1…第1ウェブ、W2…第2ウェブ。

請求の範囲

[請求項1]
 繊維を含む材料を加熱してシートを形成するシート製造装置であって、
 前記材料を加熱する加熱部と、
 前記加熱部が前記材料を加熱する温度を制御する制御部と、を備え、
 前記制御部は、
 前記シート製造装置が前記シートを製造している状態で前記加熱部の温度を第1温度とし、
 前記シートを製造していない状態における所定のタイミング、或いは、前記シートを製造していない状態に移行するときの所定のタイミングで、前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い第2温度にする、シート製造装置。
[請求項2]
 外部からの入力を受け付ける受付部を備え、
 前記制御部は、前記受付部により受け付けた入力に応じて、前記加熱部の温度を、前記第1温度から前記第2温度へ変更、或いは、前記第2温度から前記第1温度へ変更する、請求項1に記載のシート製造装置。
[請求項3]
 前記受付部は、製造する前記シートの種類の入力を受け付け可能であり、
 前記制御部は、前記受付部での入力による製造する前記シートの種類の変更に応じて、前記加熱部の温度を、前記第1温度から前記第2温度へ変更、或いは、前記第2温度から前記第1温度へ変更する、請求項2に記載のシート製造装置。
[請求項4]
 それぞれ繊維を含む複数種類の原料を供給する供給部と、
 前記供給部により供給される前記原料を解繊する解繊部と、を有し、
 前記制御部は、前記供給部により供給される前記原料の種類の変更に応じて、前記加熱部の温度を、前記第1温度から前記第2温度へ変更、或いは、前記第2温度から前記第1温度へ変更する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項5]
 複数種類の前記原料を種類毎に収容する複数の収容部を有し、前記供給部は前記収容部に収容された複数種類の前記原料のいずれかを選択して供給する、請求項4記載のシート製造装置。
[請求項6]
 結合材を収容したカートリッジを有し、
 前記制御部は、前記カートリッジから温度情報を取得し、取得した前記温度情報に基づいて前記第1温度を決定する、請求項1から5のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項7]
 結合材を収容したカートリッジを有し、
 前記制御部は、前記カートリッジから温度情報を取得し、取得した温度情報に基づいて前記第2温度を決定する、請求項1から6のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項8]
 前記加熱部に前記材料を搬送する搬送部を備え、
 前記シートを製造している状態では、少なくとも前記搬送部により前記材料を前記加熱部に搬送する動作を実行し、前記シートを製造していない状態では少なくとも前記搬送部が停止する、請求項1から7のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項9]
 熱源を有し前記材料を加湿する加湿部を備え、
 前記シートを製造していない状態において前記加湿部の前記熱源を動作させる、請求項1から8のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項10]
 前記制御部は、前記シートを製造していない状態が継続する時間に基づき、前記加熱部の温度を前記第1温度から前記第2温度に変更する、請求項1から9のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項11]
 前記制御部は、前記シートを製造していない状態が継続する時間に基づき、前記加熱部の温度の制御を停止する、請求項1から10のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項12]
 前記制御部は、前記シートを製造していない状態が継続する時間に基づき、前記加熱部の温度を、前記第2温度から前記第2温度よりも低い第3温度に変更する、請求項10または11記載のシート製造装置。
[請求項13]
 少なくとも前記シートの製造の開始及び終了の指示または製造量の指定を含むジョブに基づき前記シートを製造するよう構成され、
 前記制御部は、前記ジョブに基づき前記シートを製造する動作の間に、前記シートを製造していない中断状態に移行し、前記中断状態で前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い前記第2温度にする、請求項1から12のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項14]
 少なくとも前記シートの製造の開始及び終了の指示または製造量の指定を含むジョブに基づき前記シートを製造するよう構成され、
 前記制御部は、前記ジョブに基づき前記シートを製造する動作が終了した後に、前記シートを製造していない待機状態に移行し、前記待機状態が継続する時間に基づき前記加熱部の温度を前記第1温度から前記第2温度に変更する、請求項1から13のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項15]
 前記制御部は、外部からの入力に応じて、前記加熱部の温度を前記第2温度から前記第1温度に変更する、請求項1から14のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項16]
 前記加熱部は、前記材料を挟持して加熱する加熱ローラー対を含み、
 前記加熱ローラー対は、前記材料を挟持する第1位置と、前記材料を挟持しない第2位置とに変位可能であり、
 前記制御部は、前記加熱部の温度を前記第1温度から前記第2温度に変更する場合に、前記加熱ローラー対を前記第2位置に変位させる、請求項1から15のいずれか1項に記載のシート製造装置。
[請求項17]
 繊維を含む材料を加熱してシートを形成するシート製造装置の制御方法であって、
 前記材料を加熱する加熱部の温度を制御し、
 前記シート製造装置が前記シートを製造している状態で前記加熱部の温度を第1温度とし、前記シートを製造していない状態における所定のタイミング、或いは、前記シートを製造していない状態に移行するときの所定のタイミングで、前記加熱部の温度を前記第1温度よりも低い第2温度にする、シート製造装置の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]