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1. (WO2018180055) シール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラムおよびシール施工管理システム
Document

明 細 書

発明の名称 シール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラムおよびシール施工管理システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018   0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

実施例

0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

産業上の利用可能性

0101  

符号の説明

0102  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : シール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラムおよびシール施工管理システム

技術分野

[0001]
 本発明は、配管、弁、ポンプなどを連結するフランジ締付けに用いられるシール施工の管理技術に関する。

背景技術

[0002]
 配管連結や配管に対するポンプなどの接続にはフランジ継手が用いられる。このフランジ継手のフランジ間にはガスケットを挟み込み、フランジの複数箇所に配置したボルトおよびナットで締付けが行われる。この締付けにはトルクレンチなどの締付け工具が使用される。
[0003]
 この締付け工具に関し、回転駆動源に電動式のモーターが用いられる工具では、モーターに電流パルスを間欠的に加え、検出トルクに応じて電流値を制御し、目標トルクに到達した際に電流パルスを停止させることが知られている(たとえば、特許文献1)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2002-1676号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、フランジ継手の締め付けには複数箇所に配置されたボルトおよびナットに対し締付け工具から締付けトルクを付与する。この締付けにトルク管理が可能な工具を用いれば、所望の締付けトルクをボルトおよびナットに付与すればよく、画一的かつ均一な締付けが可能となる。
[0006]
 しかしながら、フランジやガスケットは多種多様であり、適合するガスケットの選定には相当な経験が必要である。しかも、フランジに配置された複数のボルトの締付け手順も画一的ではないし、トルク管理が可能な締付け工具を用いてもそれだけで施工管理が軽減されるものではない。依然として、施工の信頼性を高めるには習熟した作業者によることが望ましく、習熟のための訓練や経験を必要とし、作業者の負担は過大で、シール施工の管理は極めて重要である。
[0007]
 斯かるシール施工において、片締めや圧壊などの回避のため、対角締め、周回締めなど、締付け方法の選択や組み合わせの他、施工者の技量、能力や経験などが施工精度に影響し、施工にばらつきが生じる。
[0008]
 そこで、本発明の目的は斯かる課題に鑑み、締付け箇所の巡回数や締付け箇所に応じて出力トルクの設定を自動化し、シールの施工管理の容易化、施工精度の向上を図ることにある。
 また、本発明の他の目的は、斯かる課題に鑑み、出力トルクの自動設定が可能な締付け工具を使用し、シールの施工管理の容易化および施工精度の向上を図ることにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理方法の一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて締め付けるシール施工管理方法であって、前記締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じて前記ボルトまたは前記ナットに付与するトルク値を算出しまたは選定する工程と、前記トルク値を締付け工具に設定する工程と、前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更する工程とが含まれる。
[0010]
 上記シール施工管理方法において、さらに、前記締付け工具の前記巡回数または前記締付け箇所を検出する工程を含んでよい。
[0011]
 上記シール施工管理方法において、さらに、前記締付け工具に前記締付け箇所の前記巡回数または前記締付け箇所を設定する工程を含んでよい。
 上記シール施工管理方法において、前記ボルトの軸力を検出する工程と、検出した軸力の変化情報および前記ボルトを識別する情報を利用して、前記締付け工具の前記巡回数または前記締付け箇所を検出する工程とを含んでよい。
[0012]
 上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理装置の一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて締め付けるシール施工管理装置であって、前記締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じて前記ボルトまたは前記ナットに付与するトルク値を算出しまたは選定し、前記トルク値を締付け工具に設定し、前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更する制御手段を備える。
[0013]
 上記シール施工管理装置において、前記締付け工具の前記締付け箇所の前記巡回数または前記締付け箇所を検出する検出手段を備えてよい。
[0014]
 上記シール施工管理装置において、前記締付け工具に前記締付け箇所の前記巡回数または前記締付け箇所を設定する設定手段を備えてよい。
[0015]
 上記シール施工管理装置において、前記制御手段は、前記締付け工具内に設置され、または前記締付け工具と別個に設置されて有線または無線で接続されてよい。
 上記シール施工管理装置において、前記検出手段は、前記ボルトの軸力を検出する軸力センサーを備え、前記軸力センサーで検出した軸力の変化情報および前記ボルトを識別する情報を利用して、前記締付け工具の前記巡回数または前記締付け箇所を検出してよい。
[0016]
 上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理プログラムの一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジに設定された複数の締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じてボルトまたはナットに付与するトルク値を算出しまたは選定する機能と、前記トルク値を締付け工具に設定する機能と、前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更する機能とを前記コンピュータにより実現する。
[0017]
 上記目的を達成するため、本発明のシール施工管理システムの一側面によれば、ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて締め付けるシール施工管理システムであって、前記ボルトまたは前記ナットに加えられる出力トルクを段階的または連続的に制御可能な締付け工具と、前記締付け工具に有線または無線により接続され、前記締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じて前記ボルトまたは前記ナットに付与するトルク値を算出しまたは選定し、前記トルク値を締付け工具に設定し、前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更するコントローラーを備える。

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
 (1) フランジの締付け箇所のボルトまたはナットに締付け工具から付与する出力トルクを締付け箇所の巡回数または締付け箇所に応じて段階的または連続的に変更させることにより、各ボルトの軸力を目標軸力に到達させることができる。
 (2) フランジの締付け箇所のボルトまたはナットに締付け工具から付与する出力トルクは、締付け箇所の巡回数または締付け箇所に応じて自動的に段階的または連続的に最適値に変更できるので、施工者の技量や勘に影響を受けることがなく、精度の高いシール施工を実現できる。
 (3) 複数の締付け箇所の各ボルトの軸力を目標軸力に到達させる巡回数を設定できるので、シール施工の画一化や迅速化を図ることができる。
 (4) 施工者の過誤を低減でき、シール施工の信頼性を高めることができる。
[0019]
 そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 第1の実施の形態に係るシール施工管理装置を示す図である。
[図2] 締付け箇所の巡回形態を示す図である。
[図3] シール施工管理の工程順を示すフローチャートである。
[図4] Aは第2の実施の形態に係るシール施工管理システムを示す図、Bは制御部の機能を示す図である。
[図5] シール施工管理の処理シーケンスを示す図である。
[図6] 第3の実施の形態に係るシール施工管理装置を示す図である。
[図7] 実施例に係るシール施工管理システムを示す図である。
[図8] Aは締付け工具の一例を示す図、Bは軸力センサーの一例を示す図である。
[図9] Aはコントローラーのハードウェアを示す図、Bは記憶部を示す図である。
[図10] サーバーを示す図である。
[図11] 締付け条件テーブルを示す図である。
[図12] トルク値テーブルを示す図である。
[図13] トルク値テーブルの変形例を示す図である。
[図14] シール施工管理システムの処理シーケンスを示す図である。
[図15] 締付け管理を用いた検出軸力の推移を示す図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 〔第1の実施の形態〕
 図1は、第1の実施の形態に係るシール施工管理装置を示している。図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
[0022]
 このシール施工管理装置2-1は配管、弁、ポンプなどを連結するシール施工部4の複数のボルト6およびナット8の締付けおよびその管理に用いられる。シール施工部4は締付け対象の一例であって、フランジ10-1、10-2間にガスケット12が挟み込まれ、複数の締付け箇所にボルト6およびナット8が配置されている。この例ではフランジ10-1、10-2の締付け箇所が周縁上の8箇所、つまり、角度θ=45°の間隔で設定され、8本のボルト6およびナット8が配置されている。
[0023]
 このシール施工管理装置2-1には締付け工具14およびその制御部16-1が備えられる。締付け工具14にはボルト6またはナット8に付与する出力トルクTの発生手段であって、出力トルクの加減変更を管理できる工具であればよい。つまり、この締付け工具14にはナットランナーなど、一般的な電動工具を用いることができる。
[0024]
 この締付け工具14では、作業者がグリップ18を把持して装置本体20を維持し、締付け箇所のナット8にソケット22を嵌合させた後、トリガースイッチ24を押下すれば、出力トルクTを締付け箇所のナット8に付与することができる。
[0025]
 制御部16-1は締付け工具14の制御手段の一例であり、たとえば、コンピュータで構成される。この制御部16-1の機能には、
 a.締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値τを算出しまたは選定する機能
 b.締付け工具14にトルク値τを設定する機能
 c.巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて段階的または連続的に締付け工具14の出力トルクTを変更する機能
などが含まれる。
[0026]
 これら機能a、bおよびcにおいて、締付け箇所は、フランジ10-1、10-2間に締付け力を付与する場所であり、既述の例ではボルト6またはナット8の配置位置である。締付け箇所Pの巡回数Nとは、ボルト6およびナット8の位置P1、P2・・・Pnを周回する単位数である。
[0027]
 トルク値τは、締付け箇所の目標軸力Feに到達させるために設定されるトルクであり、締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与すべき値である。このトルク値τは、ガスケット12を含む締付け条件により、目標軸力Feに到達させるに必要なレベル値として算出される。このトルク値τの算出に代え、予め算出されたトルク値τのデータベースから締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて選定してもよい。
[0028]
 bにおいて、トルク値τは制御部16-1が締付け工具14に出力する制御情報であり、この制御情報を以てトルク値τが締付け工具14に設定される。
[0029]
 cにおいて、締付け工具14の出力トルクTは、制御部16-1により、巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて段階的または連続的に変更される。これにより、各締付け箇所のボルト6またはナット8の軸力を目標軸力Feに到達させる。
[0030]
 締付け箇所の巡回には、図2のAの矢印aに示すように、位置P1、P2・・・Pnを順番に巡回してもよいし、図2のBの矢印bに示すように、位置P1、P2・・・Pnをフランジ10-1、10-2の直径方向に締付け箇所を変更して巡回してもよい。つまり、位置P1、P2・・・Pnを番号順に連続して締付け箇所を変更してもよいし、締付け箇所を所定数だけ規則的にスキップして巡回してもよい。したがって、巡回数Nは、位置P1、P2・・・Pnを順番に連続した巡回の計数値に限定されず、所定位置をスキップした巡回を単位として計数した計数値でもよい。
[0031]
 図3は、この制御部16-1を用いたシール施工管理の工程を示している。
 この施工管理はシール施工管理方法の一例であり、ガスケット12を挟んだフランジ10-1、10-2に複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルト6およびナット8を備えて締め付ける工程(S101、S102、S103、S104、S105、S106)が含まれる。
[0032]
 このシール施工管理では、シール施工に当たり(施工前または施工中)、締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値τが算出されまたは選定される(S101)。
 算出または選定したトルク値τが制御部16-1により締付け工具14に設定される(S102)。
[0033]
 締付け箇所の締付け施工において、締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pの変更かが判定される(S103)。締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに変更があれば(S103のYES)、締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて段階的または連続的に締付け工具14の出力トルクTが変更される(S104)。締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに変更がなければ(S103のNO)、現在の出力トルクTが維持される(S105)。
[0034]
 そして、各締付け箇所の軸力Fが目標軸力Feに到達したかを判定する(S106)。各締付け箇所の軸力Fが目標軸力Feに到達していなければ(S106のNO)、S103~S106の各工程を繰り返し、締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pの変更に応じたトルク値τの設定が繰り返され、出力トルクTが変更される。
[0035]
 各締付け箇所の軸力Fが目標軸力Feに到達すれば(S106のYES)、シール施工が完了する。
[0036]
 各締付け箇所の軸力Fは各ボルト6から軸力センサーにより検出してもよいし、締付け工具14側にあるトルクセンサーの検出値を用いて算定してもよい。
[0037]
<第1の実施の形態の効果>
 (1) 施工者の技量や勘に頼ることなく、精度の高い信頼性のあるシール施工を実現できる。
 (2) トルク値τの算定、設定および出力トルクTの検出を一貫して行うことができ、信頼性の高いシール施工を迅速化できる。
 (3) 施工者のシール施工の過誤の低減や、施工者の安全性を高めることができる。
[0038]
 〔第2の実施の形態〕
 図4のAは、第2の実施の形態に係るシール施工管理システムを示している。図4のAにおいて、図1のAと同一部分には同一符号を付してある。図4のAに示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
[0039]
 このシール施工管理システム2-2には締付け工具14、制御部16-2および軸力センサー26-1、26-2・・・26-nが備えられる。締付け工具14は既述した構成と同様であるので、その説明を割愛する。
[0040]
 制御部16-2は、締付け工具14の制御手段の一例であり、たとえば、コンピュータで構成される。この制御部16-2は、制御部16-1(図1のA)と同様に締付け工具14を制御するが、その制御に軸力センサー26-1、26-2・・・26-nの検出軸力を用いる点で制御部16-1と相違する。軸力センサー26-1、26-2・・・26-nは、シール施工部4にある各ボルト6の軸力を検出する軸力検出手段の一例である。この例では、軸力センサー26-1、26-2・・・26-8が8本のボルト6に個別に備えられ、各検出軸力が制御部16-2に取り込まれる。制御部16-2では各検出軸力Fが目標軸力Feに到達したか否かの比較情報、締付け箇所の特定情報、締付け箇所の巡回情報などに用いられる。
[0041]
 この制御部16-2では図4のBに示すように、第1、第2および第3の機能28、30、32を実現する。機能28では、締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値τの算出または選定を行う。機能30では、締付け工具14にトルク値τの設定を行う。そして、機能32では、巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて段階的または連続的に締付け工具14の出力トルクTを変更しまたは維持する。
[0042]
 図5は、シール施工管理システム2-2のシール施工管理の処理シーケンスを示している。
[0043]
 シール施工に際し、締付け工具14の初期設定を行い(S201)、制御部16-2の初期設定を行う(S202)。各軸力センサー26-1、26-2・・・26-nが各ボルト6の軸力を検出し(S203)、制御部16-2が各検出軸力の取込みを行う(S204)。制御部16-2では、締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pの判定を行う(S205)。この場合、締付け箇所P1~P8の8箇所にある8本のボルト6の番号と検出軸力の変化で各締付け箇所Pを特定でき、巡回数Nはたとえば、8箇所のボルト6の締付けを単位とし、同一のボルト6の締付けが一巡する回数で巡回数Nが特定される。
[0044]
 制御部16-2は締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値τを算出する(S206)。この算出には選定されているガスケット12の締付け条件などを参照し、巡回数N=0に対してトルク値τ0、巡回数N=1に対してトルク値τ1、巡回数N=2に対してトルク値τ2・・・を算出する。この場合、予め算出したトルク値τ0、τ1、τ2・・・から巡回数Nに応じたトルク値τを選定してもよい。
[0045]
 このトルク値τは、制御部16-2から締付け工具14に提供され、設定される(S207)。締付け工具14はこのトルク値τに応じて出力トルクTτを生じる。これにより、締付けの巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて出力トルクTτが段階的または連続的に変更されまたは維持される(S208)。
[0046]
 そして、施工者が締付け工具14により、締付け箇所P1~P8のボルト6またはナット8に出力トルクTを付与し、締付けを行う(S209)。軸力センサー26-1、26-2・・・26-8は各締付け箇所P1~P8のボルト6の軸力の検出を行い(S210)、検出軸力が制御部16-2に取り込まれる(S211)。
[0047]
 制御部16-2は、各検出軸力が目標軸力に到達したかを判定する(S212)。各検出軸力Fが目標軸力Feに到達していなければ(S212のNO)、S205に戻り、S205~S212の処理を繰り返す。
[0048]
 各検出軸力Fが目標軸力Feに到達すれば(S212のYES)、締付け終了となり(S213)、締付け工具14に通告し、締付けを完了する。この締付け完了は表示装置を用いて告知すればよい。
[0049]
<第2の実施の形態の効果>
 (1) 締付け箇所の巡回数Nや締付け箇所Pに応じたトルク値τの算出、締付け箇所の巡回数や締付け箇所に対応するトルク値τの設定、出力トルクTの締付け箇所の巡回数や締付け箇所に応じて連続的または段階的に変更し、ボルト6の軸力Fを目標軸力Feに迅速に到達させることができる。
 (2) 締付け工具14からボルト6に加えられる出力トルクTを各ボルト6から検出軸力Fで捉えて監視できるので、信頼性のあるシール施工を実現できる。
 (3) 軸力不足や過剰軸力を生じることなく、目標軸力として適正な軸力を得ることができる。
 (4) 締付け箇所の巡回はボルト番号順だけでなく、ボルト番号をスキップした種々の形態での締付けを行うことができ、いずれの締付け巡回を用いても適正なシール施工を迅速に行うことができる。
[0050]
 〔第3の実施の形態〕
 図6は、第3の実施の形態に係るシール施工管理装置を示している。図6において、図1のAと同一部分には同一符号を付してある。図6に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
[0051]
 このシール施工管理装置2-3には締付け工具14、制御部16-3および締付け条件設定部34が備えられる。締付け工具14はシール施工管理装置2-1と同様の構成であるので、その説明を割愛する。
[0052]
 締付け条件設定部34は締付け条件の一例である、締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pを設定する。制御部16-3では、締付け条件設定部34で設定される締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pによりトルク値τの算出または選定、締付け工具14の出力トルクTを制御する。このように、第1の実施の形態の制御部16-1の機能を制御部16-3および締付け条件設定部34で実現してもよい。
[0053]
 この第3の実施の形態のように、締付け条件設定部34を用いて締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pを設定する構成であっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
実施例
[0054]
 図7は、実施例に係るシール施工管理システムを示している。図7に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
 このシール施工管理システム2-4には締付け工具14、コントローラー16-4およびサーバーコンピュータ(以下単に「サーバー」と称する)16-5が備えられる。締付け工具14は既述した構成と同様であるので、その説明を割愛する。
[0055]
 コントローラー16-4は締付け工具14と有線または無線で接続され、この例ではケーブル36を以て接続されている。このコントローラー16-4は単独でまたはサーバー16-5と連係されるたとえば、コンピュータで構成されている。ケーブル36の接続に代え、無線接続の一例としてWi-Fi接続などでもよい。このコントローラー16-4の前面パネル部38には複数の入力操作部40や表示部42が備えられる。
[0056]
 このコントローラー16-4は、コンピュータ処理により、
 a.締付け箇所の巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値τを算出しまたは選定
 b.締付け工具14にトルク値τの設定
 c.巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて段階的または連続的に締付け工具14の出力トルクTの変更
 d.サーバー16-5から締付け管理情報の取得
 e.フランジ10-1、10-2のフランジ情報の取得
 f.ガスケット12のガスケット情報の取得
 g.ガスケット情報の照合
 h.締付け条件情報から締付け条件の選定、締付け工具14への入力
 i.締付け結果情報の提示
 j.締付け結果の評価情報の提示
 などの処理や機能を実現する。
[0057]
 このコントローラー16-4は破線で示す通信媒体44として有線または無線でサーバー16-5と連係される。サーバー16-5はコントローラー16-4の情報処理を支援し、またはその情報処理を管理するコンピュータであり、たとえば、パーソナルコンピューターを用いればよい。このサーバー16-5には一例として処理部46、入力操作部48およびモニター50が備えられる。
[0058]
<締付け工具14>
 図8のAは、締付け工具14のハードウェアの一例を示している。この締付け工具14には一般的な電動工具と同様に制御部52、モーター54、トルクセンサー56が含まれる。
[0059]
 制御部52にはコンピュータおよびモーター駆動部が備えられ、コントローラー16-4からトルク値τなどの制御情報が提供される。モーター54は、トルク値τなどの締付け情報に応じて駆動し、トリガースイッチ24の導通時、駆動電流がモーター54に供給される。
[0060]
 モーター54の回転が回転軸58に取り付けられたソケット22に伝達され、このソケット22に嵌合させたナット8に出力トルクTが加えられる。回転軸58にギア機構を備え、モーター54の回転力を所望のギア比でソケット22に伝達させてよい。
[0061]
 トルクセンサー56はモーター54または回転軸58から出力トルクTを検出し、その検出トルクが制御部52に取り込まれる。このトルクセンサー56は、ボルト6およびナット8の締付けトルクを検出すればよく、締付け工具14の外部に備えてよい。
[0062]
 図8のBは、軸力センサー26を備えたボルト6の一例を示している。各ボルト6に軸力センサー26を備え、各ボルト6に加えられる軸力Fを検出すれば、締付け工具14の出力トルクTの値、その増加または減少を測定することができる。軸力センサー26は、たとえば、歪みセンサーを用いればよい。
[0063]
 <コントローラー16-4>
 図9のAは、コントローラー16-4の一例を示している。コントローラー16-4は、締付け工具14の制御手段であるとともに、シール締付けのシール施工管理装置の一例である。
[0064]
 このコントローラー16-4はたとえば、コンピュータで構成され、プロセッサ60、記憶部62、入出力部(I/O)64、入力操作部40、通信部68および表示部42が備えられる。
[0065]
 プロセッサ60は処理手段の一例であって、記憶部62にあるOSやシール施工管理プログラムなどの情報処理を行う。この情報処理には、サーバー16-5から締付け条件情報の取得、締付け工具14へのトルク値τを含む締付け条件の入力、締付け工具14から出力トルクTの取得、締付け状態の監視および評価、評価結果の表示、締付け結果情報の出力などの制御が含まれる。
[0066]
 記憶部62はOS、シール施工管理プログラム、締付け条件情報、検出情報などの記憶に用いられ、ROMおよびRAMが備えられる。この記憶部62には記憶内容を保持可能な記憶素子を用いればよい。
[0067]
 I/O64はプロセッサ60により制御されて制御情報の入出力に用いられる。このI/O64には外部機器としてたとえば、バーコードリーダー72や着脱可能な外部メモリ74が接続される。バーコードリーダー72は情報取得部の一例である。外部メモリ74はログ情報の取出しメモリであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)メモリを用いればよい。
[0068]
 入力操作部40はキースイッチやタッチセンサーなどを備え、入力情報の入力契機、出力情報の取出し契機、モード切替えなどに用いられる。
[0069]
 通信部68はプロセッサ60により制御され、サーバー16-5などの外部機器との無線接続やインターネット接続に用いられる。
[0070]
 表示部42はプロセッサ60により制御され、入力情報や出力情報の提示手段の一例である。この表示部42には状態情報の表示手段としてたとえば、グリーンランプ76-1、レッドランプ76-2などが備えられる。正常時、グリーンランプ76-1を点灯させ、異常時、レッドランプ76-2を点灯させる。
[0071]
 図9のBは、記憶部62の記憶内容の一例を示している。この記憶部62には一時記憶領域78-1、記憶領域78-2が備えられる。一時記憶領域78-1にはフランジ情報80、ガスケット情報82、作業者情報84、締付け工具14から取得した締付け結果情報86などが一時的に格納される。
[0072]
 記憶領域78-2には締付け条件テーブル88、トルク値テーブル90-1、90-2などのデータベースが構築される。締付け条件テーブル88にはフランジ10-1、10-2に関係付けられた締付け条件情報が記録される。トルク値テーブル90-1、90-2には巡回形態の異なる巡回数Nやトルク値τなどのトルク値情報が格納される。
[0073]
 <サーバー16-5>
 図10は、サーバー16-5の一例を示している。サーバー16-5は、コントローラー16-4の支援装置であるとともに、ログ情報の提示手段の一例である。
[0074]
 サーバー16-5には処理部46にプロセッサ92、記憶部94、入出力部(I/O)96、通信部98が備えられ、既述の入力操作部48およびモニター50が備えられる。
[0075]
 プロセッサ92は、記憶部94にあるOSやシール施工管理プログラムなどの情報処理を行う。この情報処理には、コントローラー16-4に対して締付け条件情報の提供、コントローラー16-4から締付け結果を表す情報の取得、その締付け結果情報の提示などの処理が含まれる。
[0076]
 記憶部94はOS、シール施工管理プログラム、締付け条件情報、ログ情報などの記憶に用いられ、ROMおよびRAMが備えられる。この記憶部94には記憶内容を保持可能なハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置を用いればよい。
[0077]
 I/O96はプロセッサ92により制御されて制御情報の入出力に用いられる。通信部98はたとえば、無線によるコントローラー16-4などの接続に用いられる。このI/O96には外部機器としてたとえば、外部メモリ100が接続される。
 通信部98はプロセッサ92により制御され、締付け工具14、コントローラー16-4などの外部機器との無線接続や、インターネット接続に用いられる。
 入力操作部48は入力情報の入力、出力情報の取出し契機、モード切替えなどに用いられる。
 モニター50は情報提示部、表示部の一例であり、たとえば、締付け条件テーブル88、トルク値テーブル90-1、90-2の表示に用いられる。このモニター50の画面表示部にはタッチパネル102を備え、入力操作部48に代え、表示情報に対応した入力情報を行うようにしてよい。
[0078]
 <締付け条件テーブル88>
 図11は、締付け条件テーブル88の一例を示している。この締付け条件テーブル88は締付け条件情報が格納され、サーバー16-5からコントローラー16-4に提供される。この締付け条件テーブル88には締付け条件情報の一例として、適用箇所情報、フランジ情報80、ガスケット情報82、締付け結果情報86などが含まれる。適用箇所情報は実施ラインなどの情報である。フランジ情報80はフランジ10-1、10-2の識別に用いる個別情報である。ガスケット情報82はガスケット12の識別に用いる個別情報である。締付け条件にはトルク値情報としてトルク値τ、巡回数Nなどが格納されるトルク値テーブル90-1、90-2とのリンク情報が含まれる。
[0079]
 この締付け条件テーブル88には図11に示すように、ライン情報部104、フランジ情報部106、ガスケット情報部108、ボルト情報部110、締付け条件情報部112、が含まれる。
[0080]
 ライン情報部104にはたとえば、LineA、LineB・・・など、配管ラインなどの締付け箇所の識別情報が格納される。フランジ情報部106には、フランジ10-1、10-2を識別するフランジナンバーおよびフランジ寸法などが格納される。ガスケット情報部108には、ガスケット12を識別するガスケット品番およびガスケット寸法などが格納される。ボルト情報部110には、ボルト本数などが格納される。締付け条件情報部112には締付け条件を識別するための締付け条件ナンバーなどが格納される。
[0081]
 サーバー16-5から締付け条件情報として締付け条件テーブル88が提供されるので、コントローラー16-4では、サーバー16-5と締付けに関する必要な締付け条件情報を把握でき、この締付け条件情報を独立して活用できる。
[0082]
 <トルク値テーブル90-1、90-2>
 図12に示すトルク値テーブル90-1は、既述の図2のAに示す巡回形態に対応する。このトルク値テーブル90-1には、締付け箇所Pの巡回数N(=0,2・・・n)および締付け箇所P(=P1,P2・・・Pn)のトルク値τ(=τ01,τ02・・・τnn)が格納される。これらトルク値τは、締め付け対象であるフランジ10-1、10-2、ガスケット12に応じて巡回数N(=0,2・・・n)に応じて算出されて格納される。各値はシール施工に際して算出してもよいし、予め算出された値を格納し、これを選択してもよい。
[0083]
 図13に示すトルク値テーブル90-2は、既述の図2のBに示す巡回形態を前置した場合のシール施工に対応する。このトルク値テーブル90-2には、締付け箇所Pの巡回数Nが1未満(N<1)の場合、締付け箇所Pの角度θによって特定された締付け箇所P(=P1,P2・・・Pn)のトルク値τ(=τ01,τ02・・・τnn)が格納される。締付けの一巡(N=1)した後のトルク値として、図12に示すトルク値テーブル90-1と同様のトルク値τについて、巡回数N(=2・・・n)に応じて算出されて格納される。各値はシール施工に際して算出してもよいし、予め算出された値を格納し、これを選択してもよいことはトルク値テーブル90-1の場合と同様である。
[0084]
 <シール施工管理の処理シーケンス>
 図14は、シール施工管理システム2-42によるシール施工管理の処理シーケンスを示している。
 シール施工に際し、締付け工具14の初期設定を行い(S301)、コントローラー16-4の初期設定を行う(S302)。この初期設定の後、コントローラー16-4とサーバー16-5を連係させ、サーバー16-5から提供される締付け条件情報をコントローラー16-4に取り込む(S303)。締付け条件情報の取込みは、締付け条件テーブル88、トルク値テーブル90-1、90-2の取得によって実現される。
[0085]
 この締付け条件情報を取得したコントローラー16-4では、予め選定されているフランジ10-1、10-2およびガスケット12に対応する締付け条件を選定する(S304)。この締付け条件の選定には、予めトルク値τを算出していれば、その値を選定する処理を含んでよい。このように、締付けの準備処理を経て、コントローラー16-4は各軸力センサー26-1、26-2・・・26-nと連係し、各軸力センサー26-1、26-2・・・26-nが各ボルト6の軸力を検出し(S305)、コントローラー16-4が各検出軸力の取込みを行う(S306)。
[0086]
 コントローラー16-4は、各検出軸力を用いて締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pの判定を行う(S307)。つまり、たとえば、締付け箇所P=8箇所から、8本のボルト6の番号と軸力の変化から締付け箇所P1~P8のいずれであるかを特定でき、巡回数Nは締付け箇所P1~P8から選択される複数のボルト6の締付けを単位として一巡する回数を1として巡回数NがN=0ないしnを特定することができることは既述した通りである。
[0087]
 コントローラー16-4は締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じてボルト6またはナット8に付与するトルク値τを算出する(S308)。この算出には選定されているガスケット12の締付け条件などを参照し、巡回数N=0に対してトルク値τ01、τ02・・・、巡回数N=1に対してトルク値τ11、τ12・・・、巡回数N=2に対してトルク値τ21、τ22・・・を算出する。この場合、予め算出したトルク値τ0、τ01、τ02・・・τnnから巡回数Nに応じたトルク値τを選定してもよい。
[0088]
 このトルク値τは、コントローラー16-4から締付け工具14に提供されて設定される(S309)。締付け工具14はこのトルク値τに応じて出力トルクTを生じる。これにより、締付け箇所Pの巡回数Nまたは締付け箇所Pに応じて出力トルクTが段階的または連続的に変更され、または維持される(S310)。
[0089]
 そして、施工者が締付け工具14により、締付け箇所のボルト6またはナット8に出力トルクTを付与し、締付けを行う(S311)。各軸力センサー26-1、26-2・・・26-nは各締付け箇所Pのボルト6の軸力の検出を行い(S312)、各検出軸力Fがコントローラー16-4に取り込まれる(S313)。
[0090]
 コントローラー16-4は、各検出軸力Fが目標軸力Feに到達したかを判定する(S314)。各検出軸力Fが目標軸力Feに到達していなければ(S314のNO)、S307に戻り、S307~S313の処理を繰り返す。
[0091]
 各検出軸力Fが目標軸力Feに到達すれば(S314のYES)、締付け終了となり(S315)、締付け工具14に入力し、締付けを完了する。この締付け完了は表示装置たとえば、モニター50を用いて提示すればよい。
[0092]
 この実施例では、締付け終了の後、締付け工具14からコントローラー16-4に対し、締付け結果情報の取込みが行われ(S316)、コントローラー16-4からその締付け結果情報がサーバー16-5に提供される。これを受け、サーバー16-5では、締付け結果情報の表示が行われる(S317)。この表示の中には、施工者情報や締付けの評価情報を含んでよい。
[0093]
 この処理手順において、以下の処理を含ませてもよい。
 a)フランジ10-1、10-2にフランジ情報をバーコードで明示したフランジタグを備え、そのフランジタグからバーコードリーダー72を用いてフランジ情報の取得や、ガスケット12にバーコードで明示されたガスケットタグからガスケット情報を取得し、これらを締付け条件情報に参照してもよい。
 b)取得したフランジ情報やガスケット情報が締付け情報に合致するか否かの判断を行い、その適否の表示を行ってよい。
 c)施工者の識別情報やスキル情報を施工者が所有するIDカードから取得し、この施工者情報を締付け結果情報に反映させてもよい。
[0094]
<締付け管理を用いたシール施工>
 図15は、既述の締付け管理による検出軸力の推移を示している。図15のA、B、Cにおいて、締付け箇所P(=P1~P8)に対応して放射状に中心Oから座標軸yを取り、中心Oから座標軸を遠ざかる方向に軸力を取る。Fは検出軸力であり、Feは目標軸力である。この例では、巡回数N=3で目標軸力Feに到達させる場合を示している。
[0095]
 締付け箇所Pの巡回数N=1、軸力Fを目標軸力Feの30(%)に設定した場合(F=0.3Fe)では、図15のAに示すように、一例として示した締付け箇所P(=P1~P8)の各検出軸力Fが得られる。同一軸力を設定しても、フランジ10-1、10-2による弾性相互作用による影響で検出軸力Fに変化が見られ、各検出軸力Fで形成される多角形は若干の歪みが生じる。
[0096]
 締付け箇所Pの巡回数N=2、軸力Fを目標軸力Feの70(%)に設定した場合(F=0.7Fe)では、図15のBに示すように、各締付け箇所P(=P1~P8)の各検出軸力Fが得られる。
[0097]
 締付け箇所Pの巡回数N=3、軸力Fを目標軸力Feの100(%)に設定した場合(F=Fe)では、図15のCに示すように、各締付け箇所P(=P1~P8)の各検出軸力Fが得られ、目標軸力Feに到達させることができる。
[0098]
<実施例の効果>
 (1) 締付け条件情報から適合する締付け条件が自動的に選択されるので、作業者に締付け条件の管理を強いる必要がなく、締付け条件設定から作業者の負担を軽減できる。作業者の経験や勘に頼る締付け条件の設定を回避して自動化でき、また、書面指示による煩瑣な作業や、書面指示による入力ミスや締付けミスを防止できる。
 (2) この締付け条件をサーバー16-5から個別的具体的にコントローラー16-4に提供できるので、たとえば、全ボルトを同トルクで締め付けるといった概括的作業を回避でき、精緻な締付け結果を実現できる。締付け条件情報で提供される精度の高いトルク管理を行うことができ、締付け対象である各ボルトに異なるトルクτによる締付けを確実かつ効率的に行うことができる。作業者の個性や勘に頼る管理を遙に超える精度の高いシール施工管理を実現できる。
 (3) 締付け管理が可能な締付け工具を用いてコンピュータを用いた情報処理によりシール施工の自動化、高精度化、簡略化、高効率化を実現でき、作業者の経験や勘に依存しない信頼性の高いシール施工ができる。
[0099]
〔他の実施の形態〕
 (1) 上記実施の形態において、締付け工具14から出力トルクTが付与されるボルト6の軸力を検出する各軸力センサー26-1、26-2・・・26-nの検出軸力を用いてトルク値τを増加させまたは減少させる構成としてもよい。つまり、シール施工管理方法において、締付け工具14から出力トルクTが付与されるボルト6の軸力を検出する工程、各検出軸力に応じてトルク値τまたは出力トルクTを増加させまたは減少させる工程を含む施工管理方法としてよい。
 (2) 上記実施の形態および実施例では、コントローラー16-4とサーバー16-5を独立した装置として記載しているが、コントローラー16-4にサーバー16-5の機能を備えてもよい。つまり、コントローラー16-4とサーバー16-5を一体に構成してもよい。
 (3) コントローラー16-4はスマートフォンなどの携帯情報端末を用いてもよい。
 (4) 上記実施の形態および実施例では、ひとつの締付け工具14にコントローラー16-4およびサーバー16-5を設定した例を示しているが、複数の締付け工具14にコントローラー16-4およびサーバー16-5を設定してもよく、複数のコントローラー16-4に単一のサーバー16-5を備えてもよい。
[0100]
 以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態や実施例について説明した。本発明は上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態または実施例に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。

産業上の利用可能性

[0101]
 本発明のシール施工管理方法、シール施工管理装置、シール施工管理プログラムおよびシール施工管理システムは、締付け管理が可能な締付け工具を用いてコンピュータを用いた情報処理によりシール施工の自動化、高精度化、簡略化、高効率化を実現でき、作業者の経験や勘に依存しない信頼性の高いシール施工ができ、有益である。

符号の説明

[0102]
 2-1 シール施工管理装置
 2-2 シール施工管理システム
 2-3 シール施工管理装置
 2-4 シール施工管理システム
 4 シール施工部
 6 ボルト
 8 ナット
 10-1、10-2 フランジ
 12 ガスケット
 14 締付け工具
 16-1、16-2、16-3 制御部
 16-4 コントローラー
 16-5 サーバー
 18 グリップ
 20 装置本体
 22 ソケット
 24 トリガースイッチ
 26-1、26-2・・・26-n 軸力センサー
 28 第1の機能
 30 第2の機能
 32 第3の機能
 34 締付け条件設定部
 36 ケーブル
 38 前面パネル部
 40 入力操作部
 42 表示部
 44 通信媒体
 46 処理部
 48 入力操作部
 50 モニター
 52 制御部
 54 モーター
 56 トルクセンサー
 58 回転軸
 60 プロセッサ
 62 記憶部
 64 入出力部
 68 通信部
 72 バーコードリーダー
 74 外部メモリ
 76-1 グリーンランプ
 76-2 レッドランプ
 78-1 一時記憶領域
 78-2 記憶領域
 80 フランジ情報
 82 ガスケット情報
 84 作業者情報
 86 締付け結果情報
 88 締付け条件テーブル
 90-1、90-2 トルク値テーブル
 92 プロセッサ
 94 記憶部
 96 入出力部(I/O)
 98 通信部
 100 外部メモリ
 102 タッチパネル
 104 ライン情報部
 106 フランジ情報部
 108 ガスケット情報部
 110 ボルト情報部
 112 締付け条件情報部

請求の範囲

[請求項1]
 ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて締め付けるシール施工管理方法であって、
 前記締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じて前記ボルトまたは前記ナットに付与するトルク値を算出しまたは選定する工程と、
 前記トルク値を締付け工具に設定する工程と、
 前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更する工程と、
 を含むシール施工管理方法。
[請求項2]
 さらに、前記締付け工具の前記巡回数または前記締付け箇所を検出する工程を含む請求項1に記載のシール施工管理方法。
[請求項3]
 さらに、前記締付け工具に前記締付け箇所の前記巡回数または前記締付け箇所を設定する工程を含む請求項1に記載のシール施工管理方法。
[請求項4]
 前記ボルトの軸力を検出する工程と、
 検出した軸力の変化情報および前記ボルトを識別する情報を利用して、前記締付け工具の前記巡回数または前記締付け箇所を検出する工程と、
 を含む請求項2に記載のシール施工管理方法。
[請求項5]
 ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて締め付けるシール施工管理装置であって、
 前記締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じて前記ボルトまたは前記ナットに付与するトルク値を算出しまたは選定し、前記トルク値を締付け工具に設定し、前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更する制御手段を備えるシール施工管理装置。
[請求項6]
 前記締付け工具の前記締付け箇所の前記巡回数または前記締付け箇所を検出する検出手段を備える請求項5に記載のシール施工管理装置。
[請求項7]
 前記締付け工具に前記締付け箇所の前記巡回数または前記締付け箇所を設定する設定手段を備える請求項5に記載のシール施工管理装置。
[請求項8]
 前記制御手段は、前記締付け工具内に設置され、または前記締付け工具と別個に設置されて有線または無線で接続される、請求項5ないし7のいずれかの請求項に記載のシール施工管理装置。
[請求項9]
 前記検出手段は、前記ボルトの軸力を検出する軸力センサーを備え、
 前記軸力センサーで検出した軸力の変化情報および前記ボルトを識別する情報を利用して、前記締付け工具の前記巡回数または前記締付け箇所を検出することを特徴とする請求項6に記載のシール施工管理装置。
[請求項10]
 コンピュータに実行させるためのシール施工管理プログラムであって、
 ガスケットを挟んだフランジに設定された複数の締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じてボルトまたはナットに付与するトルク値を算出しまたは選定する機能と、
 前記トルク値を締付け工具に設定する機能と、
 前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更する機能と、
 を前記コンピュータにより実現するためのシール施工管理プログラム。
[請求項11]
 ガスケットを挟んだフランジに複数の締付け箇所が設定され、各締付け箇所にボルトおよびナットを備えて締め付けるシール施工管理システムであって、
 前記ボルトまたは前記ナットに加えられる出力トルクを段階的または連続的に制御可能な締付け工具と、
 前記締付け工具に有線または無線により接続され、前記締付け箇所の巡回数または前記締付け箇所に応じて前記ボルトまたは前記ナットに付与するトルク値を算出しまたは選定し、前記トルク値を締付け工具に設定し、前記巡回数または前記締付け箇所に応じて段階的または連続的に前記締付け工具の出力トルクを変更するコントローラーと、
 を備えるシール施工管理システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]