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1. (WO2018180045) レジストパターン形成方法
Document

明 細 書

発明の名称 レジストパターン形成方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

実施例

0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

産業上の利用可能性

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : レジストパターン形成方法

技術分野

[0001]
 本発明は、レジストパターンを形成する方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来から、フォトリソグラフィの分野において、活性放射線(紫外線、遠紫外線、エキシマレーザー光、X線、電子線、極端紫外線など)の照射により露光領域の樹脂を架橋し、現像液に対する露光領域と未露光領域の溶解度差を利用して未露光領域を除去することで、所望のレジストパターンを形成する方法が用いられている。
[0003]
 このようなレジストパターンの形成方法としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂と、架橋成分と、有機溶剤とを含む樹脂液を準備し、当該樹脂液から得られる感放射線性樹脂膜に活性放射線を照射して硬化膜を形成し、次いで硬化膜をアルカリ現像液により現像する手法が採用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
 特許文献1および2では、アルカリ可溶性樹脂を含む樹脂液中の成分を検討して、耐熱性に優れると共に、断面が良好な逆テーパー形状を有するレジストパターンを形成する技術が提案されている。
 そして、断面が逆テーパー形状を有するレジストパターンは、リフトオフ法による金属の配線パターン形成や、有機EL表示素子に用いる電気絶縁性隔壁の形成に好適に使用することができる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際公開第01/61410号
特許文献2 : 特開第2005-316412号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、上述した従来の手法でレジストパターンを形成すると、レジストパターン中に、樹脂の吸着水および分解物並びにアルカリ現像液等に由来する水分や、樹脂液中の有機溶剤等に由来する有機分が多く残留することがあった。
 このような水分および有機分が多く残留するレジストパターンをリフトオフ法による金属の配線パターン形成に使用すると、レジストパターン上に金属蒸着を行う際の熱でガスが発生して良好な配線パターンを得ることができず、また、当該レジストパターンを電気絶縁性隔壁の形成に用いると、有機EL表示素子の動作時にガスが発生して当該素子の性能に悪影響を及ぼしうる。
[0006]
 そこで、本発明は、断面が良好な逆テーパー形状を有する共に、残留水分および残留有機分が低減されたレジストパターンを形成可能なレジストパターンの形成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、ポリビニルフェノール樹脂を所定の範囲内の割合で含むアルカリ可溶性樹脂を使用しつつ、現像後に得られるパターンに所定の温度以上の条件で加熱処理を施すことで、残留水分および残留有機分の双方が少なく、かつ断面が良好な逆テーパー形状を有するレジストパターンを形成できることを見出し、本発明を完成させた。
[0008]
 即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のレジストパターン形成方法は、アルカリ可溶性樹脂、架橋成分、および有機溶剤を含む樹脂液を用いて感放射線性樹脂膜を形成する工程と、前記感放射線性樹脂膜を露光して硬化膜を形成する工程と、前記硬化膜を現像して現像パターンを形成する工程と、前記現像パターンにポスト現像ベークを施してレジストパターンを得る工程と、を含み、前記アルカリ可溶性樹脂が、ポリビニルフェノール樹脂を35質量%以上90質量%以下含み、前記ポスト現像ベークの温度が200℃以上である、ことを特徴とする。このように、アルカリ可溶性樹脂を用いたレジストパターンの形成において、ポリビニルフェノール樹脂を35質量%以上90質量%以下含むアルカリ可溶性樹脂を使用しつつ、現像パターンに200℃以上の雰囲気下でポスト現像ベークを施すことで、断面が良好な逆テーパー形状を有するレジストパターンを形成することができ、且つ当該レジストパターンの残留水分および残留有機分を低減することができる。
 なお、本発明において、樹脂が「アルカリ可溶性」とは、当該樹脂をpH8以上の溶液に溶解したときに、不溶分率が0.1質量%未満であることをいう。
 また、本発明において、「架橋成分」とは、活性放射線の照射(露光)と、必要によって露光後且つ現像前に行われる加熱処理(ポスト露光ベーク)によってアルカリ可溶性樹脂を架橋することができる成分である。
 そして、本発明において、「逆テーパー形状」とは、テーパー頂点に向かって傾斜する面により構成される標準的なテーパー形状に加えて、レジスト表面における開放面積がレジスト底部における開放面積よりも小さい、オーバーハング形状の構造も含むものとする。
[0009]
 ここで、本発明のレジストパターン形成方法において、前記ポスト現像ベークの温度が400℃以下であることが好ましい。ポスト現像ベークの温度が400℃以下であれば、得られるレジストパターンの残留水分を十分低減すると共に、当該レジストパターンの熱収縮を抑制して、その断面に良好な逆テーパー形状を保持させることができる。
[0010]
 また、本発明のレジストパターン形成方法において、前記ポスト現像ベークの温度が220℃以上であることが好ましい。ポスト現像ベークの温度が220℃以上であれば、得られるレジストパターンの残留水分および残留有機分を一層低減することができる。
[0011]
 そして、本発明のレジストパターン形成方法において、前記ポスト現像ベークを不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。ポスト現像ベークを不活性ガス雰囲気下で行えば、得られるレジストパターンの残留水分を一層低減することができる。
[0012]
 更に、本発明のレジストパターン形成方法において、前記不活性ガスが窒素であることが好ましい。ポスト現像ベークを窒素雰囲気下で行えば、得られるレジストパターンの残留水分をより一層低減することができる。
[0013]
 ここで、本発明のレジストパターン形成方法において、前記樹脂液が活性放射線吸収化合物を更に含むことが好ましい。活性放射線吸収化合物を含む樹脂液を用いれば、断面が逆テーパー形状のレジストパターンを一層容易に形成することができる。
 なお、本発明において、「活性放射線吸収化合物」とは、波長13.5nm以上500nm以下の範囲の何れかの波長域において、少なくとも一つの極大吸収波長λmaxをもつ化合物をいう。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、断面が良好な逆テーパー形状を有する共に、残留水分および残留有機分が低減されたレジストパターンを形成可能なレジストパターンの形成方法を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明のレジストパターン形成方法は、断面が逆テーパー形状のレジストパターンを良好に製造しうるものであり、例えば、半導体デバイスの製造プロセスや、有機EL表示素子の電気絶縁性隔壁を形成する際に用いることができる。
[0016]
 ここで、本発明のレジストパターン形成方法は、ポリビニルフェノール樹脂の割合が35質量%以上90質量%以下であるアルカリ可溶性樹脂を含む樹脂液を用いて、感放射線性樹脂膜を形成する工程(感放射線性樹脂膜形成工程)と、感放射線性樹脂膜を露光して硬化膜を形成する工程(硬化膜形成工程)と、硬化膜を現像して現像パターンを形成する工程(現像工程)と、現像パターンにポスト現像ベークを施す工程(ポスト現像ベーク工程)と、を少なくとも含む。
 そして、本発明のレジストパターン形成方法によれば、ポリビニルフェノール樹脂を35質量%以上90質量%以下の割合で含むアルカリ可溶性樹脂を使用しつつ、現像パターンに200℃以上でポスト現像ベークを施しているので、残留水分および残留有機分が低減され、且つ断面が良好な逆テーパー形状を有するレジストパターンを形成することができる。
[0017]
(感放射線性樹脂膜形成工程)
 感放射線性樹脂膜形成工程では、アルカリ可溶性樹脂、架橋成分、および有機溶剤を含有し、任意に、活性放射線吸収化合物および既知の添加剤を含有する樹脂液を用いて、感放射線性樹脂膜を形成する。
[0018]
<アルカリ可溶性樹脂>
 本発明のレジストパターン形成方法では、樹脂液が、アルカリ可溶性樹脂として、ポリビニルフェノール樹脂を含むことが必要である。そして、樹脂液は、ポリビニルフェノール樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂(その他のアルカリ可溶性樹脂)を含んでいてもよい。
[0019]
[ポリビニルフェノール樹脂]
 ポリビニルフェノール樹脂としては、例えば、ビニルフェノールの単独重合体、および、ビニルフェノールと、ビニルフェノールと共重合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。ビニルフェノール樹脂と共重合可能な単量体としては、例えば、イソプロペニルフェノール、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、無水マレイン酸、マレイン酸イミド、酢酸ビニルが挙げられる。そして、ポリビニルフェノール樹脂としては、ビニルフェノールの単独重合体が好ましく、p-ビニルフェノールの単独重合体がより好ましい。
[0020]
 ここで、ポリビニルフェノール樹脂の平均分子量は、GPCにより測定した単分散ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、1000以上であることが好ましく、1500以上であることがより好ましく、2000以上であることが更に好ましく、20000以下であることが好ましく、15000以下であることがより好ましく、10000以下であることが更に好ましい。ポリビニルフェノール樹脂の重量平均分子量が1000以上であれば、露光(および任意に行われるポスト露光ベーク)により露光領域を構成する樹脂の分子量が十分に増大し、露光領域のアルカリ現像液に対する溶解性を十分に低下させることができる。また得られるレジストパターンの熱収縮を抑制して、当該レジストパターンの断面に良好な逆テーパー形状を保持させることができる。一方、ポリビニルフェノール樹脂の重量平均分子量が20000以下であれば、露光領域と未露光領域とのアルカリ現像液に対する溶解度差を確保して、良好なレジストパターンを得ることができる。
 なお、ポリビニルフェノール樹脂の重量平均分子量は、合成条件(例えば、重合開始剤の量や合成時の反応時間)を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。
[0021]
 そして、アルカリ可溶性樹脂中に占めるポリビニルフェノール樹脂の割合は、35質量%以上90質量%以下であることが必要であり、40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、55質量%以上であることが特に好ましく、85質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。アルカリ可溶性樹脂中に占めるポリビニルフェノール樹脂の割合が35質量%未満であると、レジストパターンの残留水分を十分に低減することができない。また残留有機分量が上昇する場合があり、そして、ポスト現像ベークにより、レジストパターンの線幅が大幅に収縮する、および/または、レジストパターンが逆テーパー形状を保持できない等の不都合が生じる虞がある。一方、アルカリ可溶性樹脂中に占めるポリビニルフェノール樹脂の割合が90質量%を超えると、レジストパターンの側壁に異常な突起が生じ、断面が逆テーパー形状のレジストパターンを良好に製造することができない。
[0022]
[その他のアルカリ可溶性樹脂]
 ポリビニルフェノール樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂としては、特に限定されないが、ノボラック樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、レゾール樹脂、アクリル樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体樹脂、ヒドロキシスチレン重合体樹脂、およびポリビニルヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、レジストパターンの側壁に異常な突起が生じるのを防ぐ観点から、ノボラック樹脂が好ましい。
[0023]
 ノボラック樹脂は、例えば、フェノール類と、アルデヒド類またはケトン類とを、酸性触媒(例えば、シュウ酸)の存在下で反応させて得ることができる。
[0024]
 ノボラック樹脂の調製に使用し得るフェノール類としては、例えば、フェノール、オルトクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3-ジメチルフェノール、2,5-ジメチルフェノール、3,4-ジメチルフェノール、3,5-ジメチルフェノール、2,4-ジメチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,3,5-トリメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェノール、2-t-ブチルフェノール、3-t-ブチルフェノール、4-t-ブチルフェノール、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、5-メチルレゾルシノール、4-t-ブチルカテコール、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、2-プロピルフェノール、3-プロピルフェノール、4-プロピルフェノール、2-イソプロピルフェノール、2-メトキシ-5-メチルフェノール、2-t-ブチル-5-メチルフェノール、チモール、イソチモールなどが挙げられる。これらのフェノール類は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0025]
 ノボラック樹脂の調製に使用し得るアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α-フェニルプロピルアルデヒド、β-フェニルプロピルアルデヒド、o-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、o-クロロベンズアルデヒド、m-クロロベンズアルデヒド、p-クロロベンズアルデヒド、o-メチルベンズアルデヒド、m-メチルベンズアルデヒド、p-メチルベンズアルデヒド、p-エチルベンズアルデヒド、p-n-ブチルベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。
 また、ノボラック樹脂の調製に使用し得るケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジフェニルケトンなどが挙げられる。
 これらのアルデヒド類およびケトン類は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0026]
 そして、ノボラック樹脂としては、フェノール類としてのメタクレゾールとパラクレゾールとを併用し、これらとホルムアルデヒド、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られるノボラック樹脂が好ましい。このようなノボラック樹脂は、構成するポリマーの分子量分布の制御が容易であるため、ノボラック樹脂を含む樹脂液から形成される感放射線性樹脂膜の活性放射線に対する感度を容易に制御することができる。なお、メタクレゾールとパラクレゾールとの仕込み比は、質量基準で、好ましくは80:20~20:80、より好ましくは70:30~40:60である。
[0027]
 ここで、ノボラック樹脂の平均分子量は、GPCにより測定した単分散ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、1000以上であることが好ましく、2500以上であることがより好ましく、3000以上であることが更に好ましく、10000以下であることが好ましく、7000以下であることがより好ましく、6000以下であることが更に好ましい。ノボラック樹脂の重量平均分子量が1000以上であれば、露光(および任意に行われるポスト露光ベーク)により露光領域を構成する樹脂の分子量が十分に増大し、露光領域のアルカリ現像液に対する溶解性を十分に低下させることができる。一方、ノボラック樹脂の重量平均分子量が10000以下であれば、露光領域と未露光領域とのアルカリ現像液に対する溶解度差を確保して、良好なレジストパターンを得ることができる。
 なお、ノボラック樹脂の重量平均分子量(Mw)は、合成条件(例えば、アルデヒド類またはケトン類の量や合成時の反応時間)を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。
[0028]
 そして、アルカリ可溶性樹脂中に占めるノボラック樹脂の割合は、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、65質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましく、45質量%以下であることが特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂中に占めるノボラック樹脂の割合が10質量%以上であると、レジストパターンの側壁に異常な突起が生じるのを防ぐことができる。一方、アルカリ可溶性樹脂中に占めるノボラック樹脂の割合が65質量%以下であると、ポリビニルフェノール樹脂の割合が十分に確保されてレジストパターンの残留水分および残留有機分を十分に低減することができる。またポスト現像ベークによりレジストパターンの線幅が大幅に収縮する、および/またはレジストパターンが逆テーパー形状を保持できない等の不都合が生じることもない。
[0029]
<架橋成分>
 架橋成分は、上述したように、露光、および任意に行われるポスト露光ベークによって、アルカリ可溶性樹脂を架橋することができる成分である。架橋成分の作用により、樹脂液から形成される感放射線性樹脂膜の露光領域において、アルカリ可溶性樹脂の架橋構造が形成される。そして、露光領域のアルカリ可溶性樹脂の分子量が増大することで、露光領域は、未露光領域に比して、アルカリ現像液に対する溶解速度が著しく低下する。
[0030]
 ここで、架橋成分としては、例えば、以下の(1)または(2)ような、複数成分の組み合わせよりなる架橋成分を使用することができる。
(1)露光によってラジカルを発生する光重合開始剤(例えば、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体など)と、該ラジカルによって重合する不飽和炭化水素基を有する化合物(例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど)と、必要に応じて、光反応の効率を高めるための増感剤との組み合わせ;および
(2)露光によって酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」という。)と、発生した酸を触媒としてアルカリ可溶性樹脂を架橋する化合物(以下、「酸架橋剤」という。)との組み合わせ。
 これらの中でも、アルカリ可溶性樹脂との相溶性に優れ、かつアルカリ可溶性樹脂と組み合わせることにより活性放射線に対する感度が良好な感放射線性樹脂膜を形成可能である点から、(2)の光酸発生剤と酸架橋剤との組み合わせからなる架橋成分が好ましい。
[0031]
[光酸発生剤]
 光酸発生剤としては、後述する硬化膜形成工程における露光の際に、酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)を発生する物質であれば特に制限はなく、オニウム塩化合物、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物、および、これら以外のその他の光酸発生剤を用いることができる。これらの光酸発生剤は、パターンを露光する光源の波長に応じて、分光感度の面から適宜選択することができる。
[0032]
―オニウム塩化合物―
 オニウム塩化合物としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩(ジフェニルヨードニウムトリフレートなど)、スルホニウム塩(トリフェニルスルホニウムトリフレートなど)、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩が挙げられる。
[0033]
―ハロゲン化有機化合物―
 ハロゲン化有機化合物としては、例えば、ハロゲン含有オキサジアゾール系化合物、ハロゲン含有トリアジン系化合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物、ハロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン含有スルホキサイド系化合物、ハロゲン含有スルホン系化合物、ハロゲン含有チアゾール系化合物、ハロゲン含有オキサゾール系化合物、ハロゲン含有トリアゾール系化合物、ハロゲン含有2-ピロン系化合物、その他のハロゲン含有ヘテロ環状化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素化合物、ハロゲン含有芳香族炭化水素化合物、スルフェニルハライド化合物が挙げられる。
[0034]
 そして、ハロゲン化有機化合物の具体例としては、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ジブロモ-3-クロロプロピル)ホスフェート、テトラブロモクロロブタン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-S-トリアジン、2-[2-(4-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-S-トリアジン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモシクロドデセン、ヘキサブロモビフェニル、アリルトリブロモフェニルエーテル、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールAのビス(クロロエチル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス(ブロモエチル)エーテル、ビスフェノールAのビス(2,3-ジクロロプロピル)エーテル、ビスフェノールAのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル、テトラクロロビスフェノールAのビス(2,3-ジクロロプロピル)エーテル、テトラブロモビスフェノールAのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル、テトラクロロビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールSのビス(クロロエチル)エーテル、テトラブロモビスフェノールSのビス(ブロモエチル)エーテル、ビスフェノールSのビス(2,3-ジクロロプロピル)エーテル、ビスフェノールSのビス(2,3-ジブロモプロピル)エーテル、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンが挙げられる。
[0035]
―キノンジアジド化合物―
 キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル、2,1-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、2,1-ベンゾキノンジアジド-5-スルホン酸エステル等のキノンジアジド誘導体のスルホン酸エステル;1,2-ベンゾキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-5-スルホン酸クロライド、1,2-ナフトキノン-1-ジアジド-6-スルホン酸クロライド、1,2-ベンゾキノン-1-ジアジド-5-スルホン酸クロライド等のキノンジアジド誘導体のスルホン酸クロライド;が挙げられる。
[0036]
―スルホン化合物―
 スルホン化合物としては、例えば、未置換、対称的もしくは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、またはヘテロ環状基を有するスルホン化合物、ジスルホン化合物が挙げられる。
[0037]
―有機酸エステル化合物―
 有機酸エステル化合物としては、例えば、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステルが挙げられる。
[0038]
―有機酸アミド化合物―
 有機酸アミド化合物としては、例えば、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド、リン酸アミドが挙げられる。
[0039]
―有機酸イミド化合物―
有機酸イミド化合物としては、例えば、カルボン酸イミド、スルホン酸イミド、リン酸イミドが挙げられる。
[0040]
―その他の光酸化剤―
 上述したオニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物以外の光酸化剤としては、例えば、シクロヘキシルメチル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、2-オキソシクロヘキシル(2-ノルボルニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、2-シクロヘキシルスルホニルシクロヘキサノン、ジメチル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、N-ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホナート、フェニルパラトルエンスルホナートが挙げられる。
[0041]
 これらの光酸発生剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、ハロゲン化有機化合物が好ましく、ハロゲン含有トリアジン系化合物がより好ましい。
[0042]
 また、樹脂液は、光酸発生剤を、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.3質量部以上8質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以上5質量部以下の割合で含有する。光酸発生剤の含有量が、アルカリ可溶性樹脂100質量部当たり、0.1質量部以上であれば、露光によりアルカリ可溶性樹脂の架橋を良好に進行させることができ、一方、10質量部以下であれば、過剰な酸の生成により未露光部まで架橋されることに起因するレジストパターンの断面形状劣化を抑制することができる。
[0043]
[酸架橋剤]
 酸架橋剤は、露光によって上述した光酸発生剤から生じる酸により、アルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物(感酸物質)である。このような酸架橋剤としては、例えば、アルコキシメチル化尿素樹脂、アルコキシメチル化メラミン樹脂、アルコキシメチル化ウロン樹脂、アルコキシメチル化グリコールウリル樹脂、アルコキシメチル化アミノ樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アルキルエーテル化ユリア樹脂、ウレタン-ホルムアルデヒド樹脂、レゾール型フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルエーテル化レゾール型フェノールホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
[0044]
 これらの酸架橋剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。そしてこれらの中でも、アルコキシメチル化メラミン樹脂が好ましい。アルコキシメチル化メラミン樹脂の具体例としては、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、n-プロポキシメチル化メラミン樹脂、n-ブトキシメチル化メラミン樹脂を挙げることができる。これらの中でも、レジストパターンの解像度を高める観点から、ヘキサメトキシメチルメラミンなどのメトキシメチル化メラミン樹脂が特に好ましい。
[0045]
 また、樹脂液は、酸架橋剤を、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上60質量部以下、より好ましくは1質量部以上50質量部以下、更に好ましくは2質量部以上40質量部以下の割合で含有する。酸架橋剤の含有量が、アルカリ可溶性樹脂100質量部当たり0.5質量部以上であれば、露光によりアルカリ可溶性樹脂の架橋を良好に進行させることができる。そのため、アルカリ現像液を用いた現像によりレジストパターンの露光領域の残膜率が低下することを防ぎつつ、レジストパターンの変形(膨潤や蛇行など)を抑制することができる。一方、酸架橋剤の含有量が、アルカリ可溶性樹脂100質量部当たり60質量部以下であれば、レジストパターンの解像度を確保することができる。
[0046]
<活性放射線吸収化合物>
 活性放射線吸収化合物は、硬化膜形成工程において照射される活性放射線を吸収することができる成分である。樹脂液が活性放射線吸収化合物を含有することで、断面が良好な逆テーパー形状のレジストパターンを一層容易に形成することができる。
 ここで、レジストパターンの断面形状は、硬化膜形成工程において感放射線性樹脂膜に照射された活性放射線が、感放射線性樹脂膜を通過して基板等の表面で反射することによっても影響を受ける。そこで、活性放射線吸収化合物を樹脂液に配合すれば、感放射線性樹脂膜中の活性放射線吸収化合物が、基板等の表面で反射した活性放射線を吸収して、レジストパターンの断面形状を良好に制御することができる。特に架橋成分として上述した光酸発生剤と酸架橋剤との組み合わせを採用した場合は、活性放射線の照射により生成した酸が感放射線性樹脂膜内で拡散して、未露光領域にまで架橋反応が及ぶ場合があるが、上述した活性放射線吸収化合物が感放射線性樹脂膜中に存在すれば、過度な架橋反応を抑制して、レジストパターンの断面形状を良好に制御することができる。
[0047]
 活性放射線吸収化合物としては、例えば、ビスアジド化合物;アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、クルクミン、キサントンなどの天然化合物;シアノビニルスチレン系化合物;1-シアノ-2-(4-ジアルキルアミノフェニル)エチレン類;p-(ハロゲン置換フェニルアゾ)-ジアルキルアミノベンゼン類;1-アルコキシ-4-(4′-N,N-ジアルキルアミノフェニルアゾ)ベンゼン類;ジアルキルアミノ化合物;1,2-ジシアノエチレン;9-シアノアントラセン;9-アントリルメチレンマロノニトリル;N-エチル-3-カルバゾリルメチレンマロノニトリル;2-(3,3-ジシアノ-2-プロペニリデン)-3-メチル-1,3-チアゾリン;が挙げられる。
 活性放射線吸収化合物は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、ビスアジド化合物が好ましく、両末端にアジド基を有するビスアジド化合物がより好ましい。また特に、ビスアジド化合物としては、波長200nm以上500nm以下の範囲の何れかの波長域において、少なくとも一つの極大吸収波長λmaxをもつものを使用することが好ましい。
[0048]
 ここで、活性放射線吸収化合物として好適に用いられるビスアジド化合物としては、例えば、4,4′-ジアジドカルコン、2,6-ビス(4′-アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6-ビス(4′-アジドベンザル)-4-メチルシクロヘキサノン、2,6-ビス(4′-アジドベンザル)-4-エチルシクロヘキサノン、4,4′-ジアジドスチルベン-2,2′-ジスルホン酸ナトリウム、4,4′-ジアジドジフェニルスルフィド、4,4′-ジアジドベンゾフェノン、4,4′-ジアジドジフェニル、2,7-ジアジドフルオレン、4,4′-ジアジドフェニルメタンが挙げられる。
[0049]
 また、樹脂液は、活性放射線吸収化合物を、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下の割合で含有する。活性放射線吸収化合物の含有量が上記範囲内であれば、断面が良好な逆テーパー形状であるレジストパターンを一層容易に製造することができる。
[0050]
<添加剤>
 樹脂液に任意に添加される既知の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2005-316412号公報に記載されたものが挙げられる。添加剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、樹脂液中の成分の分散性を確保すべく、界面活性剤を使用することが好ましい。またこれらの中でも、樹脂液の保存安定性を確保すべく、トリエタノールアミン等の含窒素塩基性化合物を使用することが好ましい。
[0051]
<有機溶剤>
 樹脂液に用いる有機溶剤としては、上述した成分を溶解および/または分散可能であれば、特に限定されない。有機溶剤としては、例えば、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコールエーテル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコール類;γ-ブチロラクトンなどのラクトン類;トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミドなどのその他の極性有機溶剤;が挙げられる。
 有機溶剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、プロピレングリコール類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
[0052]
<樹脂液の調製>
 上述したアルカリ可溶性樹脂、架橋成分、活性放射線吸収化合物、有機溶剤、および、任意に用いられる添加剤を混合することで、樹脂液を調製することができる。混合方法は特に限定されず、既知の混合方法を用いることができる。
[0053]
<感放射線性樹脂膜の形成>
 上述した樹脂液を用いて感放射線性樹脂膜を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂液を基板上に塗布し、塗膜を加熱して乾燥(プリ露光ベーク)することで、感放射線性樹脂膜を得ることができる。得られる感放射線性樹脂膜の厚みは、特に限定されないが、0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。
[0054]
[基板]
 基板は、半導体基板として使用されうる一般的な基板であれば特に限定されることなく、例えば、シリコン基板、ガラス基板、ITO膜形成基板、クロム膜形成基板、樹脂基板でありうる。
[0055]
[塗布]
 基板上に樹脂液を塗布する方法としては、スピンコーティング、スプレー、ハケ塗り等により塗布する方法、ディップコーティング等の一般的な塗布方法を採用することができる。
[0056]
[プリ露光ベーク]
 プリ露光ベークの温度は、例えば、80℃以上120℃以下とすることができ、プリ露光ベークの時間は、例えば、10秒以上200秒以下とすることができる。
[0057]
(硬化膜形成工程)
 硬化膜形成工程では、所望のパターンを描くように、上述の感放射線性樹脂膜形成工程で得られた感放射線性樹脂膜を露光し、必要に応じて、ポスト露光ベークを行うことで、硬化膜を得る。
[0058]
<露光>
 露光に用いる活性照射線は、例えば、紫外線、遠紫外線、エキシマレーザー光、X線、電子線、極端紫外線などであり、その波長は、好ましくは13.5nm以上450nm以下である。そして、露光光源としては、活性放射線を照射することが可能な光源であれば特に限定されることなく、例えば、半導体レーザー照射装置、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、エキシマレーザー(KrF,ArF,F )照射装置、X線露光装置、電子線露光装置、および極端紫外線露光装置等の既知の露光装置が挙げられる。
[0059]
<ポスト露光ベーク>
 特に架橋成分として光酸発生剤と酸架橋剤の組み合わせを使用する場合には、架橋反応を促進する目的で、上述した露光後の感放射線性樹脂膜に対して、ポスト露光ベークを行うことが好ましい。ポスト露光ベークの温度は、例えば、100℃以上130℃以下とすることができ、ポスト露光ベークの時間は、例えば、10秒以上200秒以下とすることができる。
[0060]
(現像工程)
 現像工程では、上述の硬化膜形成工程で得られた硬化膜と、アルカリ現像液とを接触させて硬化膜を現像し、基板などの被加工物上に現像パターンを形成する。
[0061]
<アルカリ現像液>
 現像工程で使用するアルカリ現像液は、特に限定されないが、pH8以上のアルカリ水溶液を好ましく用いることができる。
 アルカリ水溶液の調製に用いるアルカリ成分としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ;エチルアミン、プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジプロピルアミンなどの第二級アミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの第三級アミン類;ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルヒドロキシメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウムヒドロキシド類;などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 なお、アルカリ水溶液には、必要に応じて、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、エチレングリコールなどの水溶性有機溶剤、界面活性剤、樹脂の溶解抑制剤などを添加することもできる。
[0062]
<アルカリ現像液との接触>
 ここで、感放射線性樹脂膜をアルカリ現像液と接触させて現像する方法は、特に限定されることなく、パドル現像、スプレー現像、およびディップ現像等の一般的な現像方法を採用することができ、その現像時間および現像温度も既知の条件を採用することができる。
[0063]
(ポスト現像ベーク工程)
 ポスト現像ベーク工程では、上述の現像工程で得られた現像パターンにポスト現像ベークを施して、レジストパターンを得る。
 ここで、ポスト現像ベークは、大気雰囲気下で行ってもよいが、レジストパターンの残留水分を一層低減する観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素雰囲気下で行うことがより好ましい。
[0064]
<ポスト現像ベークの温度>
 ポスト現像ベークの温度は、200℃以上であることが必要であり、210℃以上であることがより好ましく、220℃以上であることが更に好ましく、400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましく、280℃以下であることが更に好ましく、260℃以下であることが特に好ましく、250℃以下であることが最も好ましい。ポスト現像ベークの温度が200℃未満であると、レジストパターンの残留水分および残留有機分を十分に低減することができない。一方、ポスト現像ベークの温度が400℃以下であると、レジストパターンの熱収縮が抑制されて、当該レジストパターンの断面に良好な逆テーパー形状を保持させることができる。
[0065]
<ポスト現像ベークの時間>
 ポスト現像ベークの時間は、10分以上であることが好ましく、20分以上であることがより好ましく、30分以上であることが更に好ましく、240分以下であることが好ましく、180分以下であることがより好ましく、120分以下であることが更に好ましい。ポスト現像ベークの時間が10分以上であれば、レジストパターンの残留水分および残留有機分を一層低減することができる。一方、ポスト現像ベークの時間が240分以下であれば、レジストパターンの熱収縮が抑制されて、当該レジストパターンの断面に良好な逆テーパー形状を保持させることができる。
実施例
[0066]
 以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
 実施例および比較例において、レジストパターンの残留水分、残留有機分、側壁における異常な突起の有無、および、ポスト現像ベークの際の耐熱劣化は、以下のようにして評価した。評価の結果は何れも表1に示す。
[0067]
<残留水分>
 実施例、比較例に従って形成したレジストパターンについて、室温から350℃まで昇温後、350℃を維持して60分間加熱し、レジストパターンから発生したガス成分を、昇温脱離分析装置(電子科学社製、製品名「WA1000S/W」)により測定した。検出された水のピーク面積値から水の質量(μg)を求め、加熱前のレジストパターンの質量(g)で除することにより、単位質量あたりの水分量(μg/g)を算出し、以下の基準で評価した。
 A:単位質量あたりの水分量が3000μg/g未満
 B:単位質量あたりの水分量が3000μg/g以上8000μg/g未満
 C:単位質量あたりの水分量が8000μg/g以上9000μg/g未満
 D:単位質量あたりの水分量が9000μg/g以上
<残留有機分>
 実施例、比較例に従って形成したレジストパターンについて、加熱オーブン内で高純度窒素ガスを通気しながら室温から230℃まで昇温後60分間加熱し、レジストパターンから発生したガス成分を吸着管に捕集した。捕集した成分をガスクロマトグラフ-質量分析(GC-MS)計で測定した。デカン標準物質の検量線を用いて、検出された有機分のピーク面積値から有機分の質量(μg)を求め、加熱前のレジストパターンの質量(g)で除することにより、単位質量あたりの有機分量(μg/g)を算出し、以下の基準で評価した。
 A:単位質量あたりの有機分量が1000μg/g未満
 B:単位質量あたりの有機分量が1000μg/g以上3000μg/g未満
 C:単位質量あたりの有機分量が3000μg/g以上5000μg/g未満
 D:単位質量あたりの有機分量が5000μg/g以上
<側壁における異常な突起の有無>
 実施例、比較例に従って形成したレジストパターンを任意の箇所で切断し、その断面における任意の3箇所を、走査型電子顕微鏡(倍率:5000倍)を用いて観察した。そして、レジストパターン側壁から突出した異常な突起の有無を確認し、以下の基準で評価した。
 A:異常な突起有り
 B:異常な突起無し
<ポスト現像ベークの際の耐熱劣化>
 ポスト現像ベーク前の現像パターンを任意の箇所で切断し、その断面における任意の3箇所を、走査型電子顕微鏡(倍率:5000倍)を用いて観察し、ポスト現像ベーク前の現像パターンの線幅L0(任意の3箇所の平均値)を測定した。次いでポスト現像ベーク後のレジストパターンを任意の箇所で切断し、その断面における任意の3箇所を、走査型電子顕微鏡(倍率:5000倍)を用いて観察し、ポスト現像ベーク後のレジストパターンの線幅L1(任意の3箇所の平均値)を得た。上記L0とL1から、線幅の収縮率(=(L0-L1)/L0×100(%))を算出した。線幅の収縮率と、観察されたポスト現像ベーク後のレジストパターンの断面形状(逆テーパー形状を保持しているか否か)とを以って、以下の基準で評価した。
 A:線幅の収縮率が5%未満であって、逆テーパー形状を保持
 B:線幅の収縮率が5%以上10%未満であって、逆テーパー形状を保持
 C:線幅の収縮率が10%以上、および/または、逆テーパー形状が保持できていない
[0068]
(実施例1)
<樹脂液の調製>
 有機溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)290質量部に、アルカリ可溶性樹脂としてのポリビニルフェノール樹脂(ポリp-ビニルフェノール、丸善石化社製、商品名「マルカリンカーS-2P」、重量平均分子量:5000)60質量部およびノボラック樹脂(メタクレゾール/パラクレゾールを70/30(質量比)の仕込み比でホルムアルデヒドと脱水縮合して調製。重量平均分子量:4000)40質量部、光酸発生剤としてのハロゲン含有トリアジン系化合物(みどり化学社製、商品名「TAZ110」)2質量部、酸架橋剤としてのヘキサメトキシメチルメラミン(三井サイテック社製、商品名「サイメル303」)20質量部、活性放射線吸収化合物としてのビスアジド化合物(東洋合成工業社製、商品名「BAC-M」)1質量部、並びに、含窒素塩基性化合物としてのトリエタノールアミン(沸点:335℃)0.5質量部を加え、溶解させた。得られた溶液を、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターで濾過して、固形分濃度が30重量%の樹脂液を調製した。
<レジストパターンの形成>
 上述で得られた樹脂液を、スピンコーターを用いてシリコンウェハ上に塗布した。塗膜が形成されたシリコンウェハを、110℃で90秒間、ホットプレート上で加熱(プリ露光ベーク)し、厚みが3μmの感放射線性樹脂膜を得た。この感放射線性樹脂膜の上から、20μmのライン&スペース(L&S)パターンのマスクを用いて、露光装置(キャノン社製、商品名「PLA501F」、紫外線光源、照射波長:365nm~436nm)で露光した。露光量は、ラインとスペース部分が1:1となるエネルギー量とした。露光後、ホットプレート上で、110℃60秒間の条件でポスト露光ベークを施して、硬化膜を形成した。
 得られた硬化膜を、アルカリ現像液(濃度38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)で70秒間パドル現像し、シリコンウェハ上にL&Sの現像パターンを得た。
 得られたシリコンウェハ上の現像パターンに対し、オーブンを用いて大気雰囲気下230℃でポスト現像ベークを施し、レジストパターンを得た。得られたレジストパターンの断面形状は、良好な逆テーパー状であった。
[0069]
(実施例2)
 レジストパターンの形成時に、ポスト現像ベークを窒素雰囲気下で行った以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0070]
(実施例3、8、9)
 レジストパターンの形成時に、ポスト現像ベークの温度を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0071]
(実施例4、6)
 樹脂液の調製時に、ポリビニルフェノール樹脂およびノボラック樹脂の配合量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0072]
(実施例5、7)
 樹脂液の調製時に、ポリビニルフェノール樹脂およびノボラック樹脂の配合量を表1のように変更すると共に、レジストパターンの形成時に、ポスト現像ベークを窒素雰囲気下で行った以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0073]
(比較例1~3、5)
 樹脂液の調製時に、ポリビニルフェノール樹脂およびノボラック樹脂の配合量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0074]
(比較例4、6)
 樹脂液の調製時に、ポリビニルフェノール樹脂およびノボラック樹脂の配合量を表1のように変更すると共に、レジストパターンの形成時に、ポスト現像ベークを窒素雰囲気下で行った以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0075]
(比較例7)
 レジストパターンの形成時に、ポスト現像ベークの温度を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂液を調製し、レジストパターンを形成した。
[0076]
[表1]


[0077]
 表1より、ポリビニルフェノール樹脂の割合が35質量%以上90質量%以下であるアルカリ可溶性樹脂を含有する樹脂液を用いると共に、200℃以上の温度でポスト現像ベークを行った実施例1~9では、残留水分および残留有機分が十分に低減され、且つ断面が良好な逆テーパー形状を有するレジストパターンを形成できていることがわかる。
 一方、表1より、ポリビニルフェノール樹脂の割合が35質量%未満であるアルカリ可溶性樹脂を用いた比較例1~4では、レジストパターンの残留水分を十分に低減できていないことが分かる。
 また、表1より、ポリビニルフェノール樹脂の割合が100質量%である比較例5および6では、パターン側壁に突出部が確認され、良好な逆テーパー形状を有するレジストパターンを形成できていないことがわかる。
 そして、表1より、200℃未満でポスト現像ベークを行った比較例7では、レジストパターンの残留有機分を十分に低減できていないことが分かる。

産業上の利用可能性

[0078]
 本発明によれば、断面が良好な逆テーパー形状を有する共に、残留水分および残留有機分が低減されたレジストパターンを形成可能なレジストパターンの形成方法を提供することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 アルカリ可溶性樹脂、架橋成分、および有機溶剤を含む樹脂液を用いて感放射線性樹脂膜を形成する工程と、
 前記感放射線性樹脂膜を露光して硬化膜を形成する工程と、
 前記硬化膜を現像して現像パターンを形成する工程と、
 前記現像パターンにポスト現像ベークを施してレジストパターンを得る工程と、
 を含み、前記アルカリ可溶性樹脂が、ポリビニルフェノール樹脂を35質量%以上90質量%以下含み、前記ポスト現像ベークの温度が200℃以上である、レジストパターン形成方法。
[請求項2]
 前記ポスト現像ベークの温度が400℃以下である、請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
[請求項3]
 前記ポスト現像ベークの温度が220℃以上である、請求項1または2に記載のレジストパターン形成方法。
[請求項4]
 前記ポスト現像ベークを不活性ガス雰囲気下で行う、請求項1~3の何れかに記載のレジストパターン形成方法。
[請求項5]
 前記不活性ガスが窒素である、請求項4に記載のレジストパターン形成方法。
[請求項6]
 前記樹脂液が活性放射線吸収化合物を更に含む、請求項1~5の何れかに記載のレジストパターン形成方法。