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1. (WO2018179837) 情報処理装置及び情報処理装置の制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 情報処理装置及び情報処理装置の制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014   0015   0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134  

産業上の利用可能性

0135   0136   0137   0138  

符号の説明

0139  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25  

明 細 書

発明の名称 : 情報処理装置及び情報処理装置の制御方法

技術分野

[0001]
 本明細書で開示する技術は、近接無線通信を利用した情報処理装置及び情報処理装置の制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 かつては、独楽やメンコ、剣玉、ビー玉、ベーゴマといった遊戯具すなわち物を使った遊びが盛んであった。情報技術が発達した昨今においては、物を使って遊ぶ機会は少なくなり、これに代わって、老若男女を問わず、スマートフォンやタブレットなどの情報端末を利用してゲームを楽しむ機会が多くなってきている。
[0003]
 その一方において、情報端末上で実行されるデジタルのゲームと、物を使った遊戯とを融合しようとする試み(プロジェクト)も行なわれている。具体的には、デジタル化されたゲーム内で使用されるキャラクターや武器、戦利品など本来は仮想的なデジタル情報を、カードやフィギュアなどの実在する有形物として扱えるようにする。
[0004]
 例えば、カードやフィギュアなどの物体の中にRFID(Radio Frequency IDentifier)タグを内蔵若しくは埋設するとともに、スマートフォンやタブレットなどの情報端末(若しくは、ゲーム機本体)にタグ用のリーダ/ライタを無線又は有線で外部接続する。ゲームのプレイヤーであるユーザは、ゲーム中に適宜、カードやフィギュアをリーダ/ライタ上に載せる。そして、情報端末は、実行中のゲームの進行(キャラクターの成長、武器の消耗、戦利品の獲得など)に従って、リーダ/ライタを介して、カードやフィギュア内のRFIDタグから情報を読み取り、あるいはRFIDタグの情報を書き換える(例えば、特許文献1を参照のこと)。
[0005]
 なお、RFIDタグに対して情報の読み出し及び書込みの双方が可能なリーダ/ライタではなく、読み出し機能のみを持つリーダを上記のようなゲームに利用するケースも想定される。但し、以下では便宜上、リーダ/ライタ及びリーダを合わせて「リーダ/ライタ」と呼ぶことにする。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2016-177814号公報
特許文献2 : 特開2016-66153号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本明細書で開示する技術の目的は、近接無線通信を利用した情報処理装置及び情報処理装置の制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本明細書で開示する技術は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、
 操作面に沿って2次元アレイ状に配置した複数の静電容量センサを有する検出部と、
 前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、前記操作面上に載せられた物体を認識する認識部と、
を具備する情報処理装置である。
[0009]
 前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てた前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、物体の第1の位置を認識することができる。具体的には、前記認識部は、物体に含まれる金属部分と同程度の面積からなる静電容量センサのマトリックスのうち、静電容量センサの検出値の合計が最大又は所定の閾値を上回るマトリックスの位置を物体の第1の位置として認識する。
[0010]
 また、前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てた前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、第1の位置における物体の第1の向きをさらに認識することができる。具体的には、前記認識部は、第1の位置にて物体が載せられていると認識される静電容量センサのマトリックスの行毎の検出値の合計値と列毎の検出値の比較結果に基づいて、物体が縦置き又は横置きのいずれの状態であるかを第1の向きとして認識する。
[0011]
 また、前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てない前記のすべての静電容量センサの検出値の分布に基づいて、物体の第1の位置からの静電容量センサ間の間隔内の偏りを含む第2の位置を認識することができる。具体的は、前記認識部は、第1の位置で物体が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出して、領域間での合計値を比較した結果に基づいて、物体の第2の位置を認識する。
[0012]
 また、前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てない前記のすべての静電容量センサの検出値の分布に基づいて、第2の位置における物体の第2の向きをさらに認識することができる。具体的には、前記認識部は、第1の位置で物体が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出し、各特徴点を含む領域を左右に分けて左側の領域間で合計値の差分と右側の領域間で合計値の差分を大小比較した結果に基づいて、物体の第2の向きを認識する。
[0013]
 また、本明細書で開示する技術の第2の側面は、操作面に沿って2次元アレイ状に配置した複数の静電容量センサを有する検出部を備えた情報処理装置の制御方法であって、
 前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、前記操作面上に載せられた物体を認識する認識ステップを有する情報処理装置の制御方法である。

発明の効果

[0014]
 本明細書で開示する技術によれば、近接無線通信を利用するカードの位置や向きを好適に認識することができる情報処理装置及び情報処理装置の制御方法を提供することができる。
[0015]
 なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本発明の効果はこれに限定されるものではない。また、本発明が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
[0016]
 本明細書で開示する技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 図1は、近接無線通信技術を利用して、ゲームなどのアプリケーションを実施可能な情報処理システム100の外観構成を例示した図である。
[図2] 図2は、1人のユーザが情報処理システム100を用いてゲームを行なっている様子を例示した図である。
[図3] 図3は、2人のユーザが情報処理システム100を用いてゲームを行なっている様子を例示した図である。
[図4] 図4は、パッド300上でのカード400の操作例(パッド300上にカード400を載せる)を示した図である。
[図5] 図5は、パッド300上でのカード400の操作例(パッド300上からカード400を外す)を示した図である。
[図6] 図6は、パッド300上でのカード400の操作例(パッド300上でカード400の位置を変更する)を示した図である。
[図7] 図7は、パッド300上でのカード400の操作例(パッド300上でカード400を上下左右又は斜め方向に動かす)を示した図である。
[図8] 図8は、パッド300上でのカード400の操作例(パッド300上でカード400を横にする)を示した図である。
[図9] 図9は、ゲーム機本体200側でのカード400に対応したインタラクションを例示した図である。
[図10] 図10は、情報処理システム100の機能的構成を模式的に示した図である。
[図11] 図11は、パッド300内のリーダ/ライタ部302と、カード400内のRFIDタグ401間で近接無線通信を行なうための機能的構成を示した図である。
[図12] 図12は、パッド300の断面構造を模式的に示した図である。
[図13] 図13は、カード検出部303の内部を上面から眺めた様子を示した図である。
[図14] 図14は、カード検出部303上にカード400が載せられた様子を示した図である。
[図15] 図15は、カード400の設計を説明するための図である。
[図16] 図16は、カード400の設計を説明するための図である。
[図17] 図17は、カード400の設計を説明するための図である。
[図18] 図18は、カード400の設計を説明するための図である。
[図19] 図19は、パッド300内の制御部301の機能的構成を模式的に示した図である。
[図20] 図20は、カード400の大まかな位置を認識するための処理方法を説明するための図である。
[図21] 図21は、カード400の大まかな位置を認識するための処理方法を説明するための図である。
[図22] 図22は、カード400の大まかな位置を認識するための処理方法を説明するための図である。
[図23] 図23は、カード400の大まかな向きを認識するための処理方法を説明するための図である。
[図24] 図24は、カード400の詳細な位置を認識するための処理方法を説明するための図である。
[図25] 図25は、カード400の詳細な向きを認識するための処理方法を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
[0019]
A.物と融合したゲーム
 デジタル化されたゲーム内で使用されるキャラクターや武器、戦利品など本来は仮想的なデジタル情報を、カードやフィギュアなどの実在する有形物として扱えるようにして、情報端末上で実行されるデジタルのゲームと、物を使った遊戯とを融合しようとする試みが進められている。
[0020]
 例えば、カードやフィギュアなどの実在化した物体の中にRFIDタグを内蔵若しくは埋設するとともに、スマートフォンやタブレットなどの情報端末(若しくは、ゲーム機本体)にリーダ/ライタを無線又は有線で外部接続する。ゲームのプレイヤーであるユーザは、ゲーム中に適宜、カードやフィギュアなどをリーダ/ライタ上に載せる。そして、情報端末は、実行中のゲームの進行(キャラクターの成長、武器の消耗、戦利品の獲得など)に従って、リーダ/ライタを介して、カードやフィギュア内のRFIDタグから情報を読み取り、あるいはRFIDタグの情報を書き換える。
[0021]
 以下では、便宜上、主にカードを利用したゲームを想定して説明する。カードの表面には、該当するキャラクターや武器、戦利品などを表す絵柄が券面印刷などにより描かれていることを想定している。また、1枚のカードを裏返して使用するというアプリケーションを想定して、両面に絵柄が描かれていてもよい。なお、カードは、紙製であることを想定しているが、勿論、樹脂製やラミネート加工されたカードであってもよい。
[0022]
B.システム構成
 図1には、近接無線通信技術を利用して、ゲームなどのアプリケーションを実施可能な情報処理システム100の外観構成を例示している。また、図2には、1人のユーザが情報処理システム100を用いてゲームを行なっている様子を例示している。
[0023]
 図示の情報処理システム100は、ゲーム機本体200と、パッド300で構成される。ゲーム機本体200は、例えば、スマートフォンやタブレットなどといった汎用の情報端末などからなり、ゲーム・アプリケーションを実行している。ゲーム機本体200の上面は、ゲームの映像を表示する画面201となっている。画面201は、タッチパネル式のディスプレイでもよく、ゲームのプレイヤーであるユーザは画面201に対して直接指先で入力操作することができる。
[0024]
 一方、パッド300は、ゲームのプレイヤーであるユーザが、キャラクターや武器、戦利品に相当するカード400-1、400-2、…を載せるなどの操作を行なう、プレート状の装置である。後述するように、パッド300内では、各カード400-1、400-2、…に埋設されたRFIDタグと通信するためのアンテナ・コイルを2次元アレイ状に配置されている。
[0025]
 パッド300を、情報端末の外付け装置として捉えることもできる。ゲーム機本体200とパッド300間は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を介して相互接続されている。勿論、USB(Universal Serial Bus)などのケーブルを使ってゲーム機本体200とパッド300間を有線接続するという形態も考えられる。また、ゲーム機本体200は、Wi-Fi(Wireless Fidelity)やイーサネット(登録商標)ケーブルを介して、インターネットなどの広域ネットワークに接続されていることを想定している。
[0026]
 図3には、情報処理システム100の変形例を示している。図1に示した例では、1人のユーザがパッド300上でカードを操作しながら、ゲーム機本体200で実行されるゲームを楽しんでいる。これに対し、図2に示す例では、2人のユーザが各自に専用のパッド300-1、300-2をそれぞれ使ってカードを操作しながら、ゲーム機本体200で実行されるゲームに参加している。言い換えれば、図3は、ゲームの参加者毎にパッド300を増設する利用形態を示している。各パッド300-1、300-2は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を介してゲーム機本体200と相互接続されている(同上)。
[0027]
 なお、図示を省略するが、ゲームに参加するプレイヤーの人数に応じて、ゲーム機本体200に接続するパッド300を増設していってもよい。あるいは、ゲームに参加するプレイヤーの人数に拘わらずパッド300を増設せず、複数のプレイヤーが1台のパッド300を共用してゲームを行なうという利用形態も想定される。
[0028]
 図4~図8には、パッド300上でのカード400の操作例をそれぞれ示している。ゲームのプレイヤーであるユーザは、パッド300上にカード400を載せる(図4を参照のこと)、パッド300上からカード400を外す(図5を参照のこと)、パッド300上でカード400の位置を変更する(図6を参照のこと)、パッド300上でカード400を上下左右又は斜め方向に動かす(図7を参照のこと)、パッド300上でカード400を縦置きから横置きに変える(若しくは、回転させる)(図8を参照のこと)、パッド300上でカード400を裏返す(図示しない)、といったカード400の操作を行なうことができる。
[0029]
 ゲーム機本体200側では、パッド300上に載せられたカード400内のRFIDタグから読み取った情報に基づいて、画面201上の映像や音声出力を制御して、カード400に対応したゲームの映像や音声によるインタラクションを実現することができる。例えば、ゲーム機本体200側では、カード400の表面に描かれた絵柄に対応するキャラクターの映像を画面201に出現させる(図9を参照のこと)。
[0030]
 また、ゲーム機本体200は、パッド300上からカード400を外す、カード400の位置を変更する、カード400を上下左右又は斜め方向に動かす、カード400を横にする、カード400を裏返す(図4~図8を参照のこと)、といったパッド300上でのカード400のユーザ操作に応答して、ゲームの映像や音声によるインタラクションを実現することができる。例えば、ユーザがパッド300上に載せたカード400の種類や、パッド300上にカード400を載せた位置や向き、パッド300上でのカード400の動きに応じて、ゲーム機本体200は、ゲームの画面や進行を切り替えるなど、映像や音声の出力を制御する。
[0031]
 また、ゲーム機本体200は、ゲームの進行に伴って、キャラクターの状態(成長の度合い、感情、疲労度など)やゲームの得点などの情報を、パッド300を介してカード400内のRFIDタグに記録することができる。
[0032]
 図10には、情報処理システム100の機能的構成を模式的に示している。同図に示す情報処理システム100は、図1に示したゲーム機本体200、パッド300及びカード400の他に、サーバ500をさらに含んでいる。サーバ500は、例えばインターネットなどの広域ネットワーク上に設置されている。ゲーム機本体200は、Wi-Fiやイーサネット(登録商標)ケーブルを通じて外部ネットワークに接続され、サーバ500と相互通信することができる。
[0033]
 情報処理システム100を構成する各装置の機能的構成について、以下で詳細に説明する。
[0034]
 ゲーム機本体200は、例えばスマートフォンやタブレットなどの情報端末としても構成されるが、制御部211と、表示部212と、音声出力部213と、入力部214と、ネットワーク接続部215と、接続制御部216を備えている。
[0035]
 制御部211は、ゲーム・アプリケーションを実行するとともに、ゲーム機本体200内の各部の動作を統括的にコントロールする。ゲーム・アプリケーションは、例えば、インターネット上の所定のサイトからネットワーク接続部215を介してダウンロードすることができる。あるいは、ゲーム機本体200がゲーム・アプリケーション用のカートリッジを装填するスロット(図示しない)を装備し、このスロットに装填されたカートリッジから読み出したゲーム・アプリケーションを制御部211が実行するように構成することもできる。
[0036]
 表示部212は、画面201(前述)を備え、ゲームの映像など制御部211による処理結果を表示出力する。また、音声出力部213は、ゲームの音声などゲームの映像など制御部211による処理結果を音声出力する。また、図示しないが、ゲーム機本体200は、ハブティクスを利用した出力デバイスをさらに装備していてもよい。
[0037]
 入力部214は、例えば画面201の表面に重畳されたタッチパネルからなり、ゲームのプレイヤーであるユーザはタッチパネルを介してゲームのコマンドなどの入力操作を行なうことができる。また、入力部214は、スピーカーなどを備え、ユーザから音声コマンドを入力するように構成することもできる。ゲーム機本体200は、入力部214として、さらに、ジョイスティックやゲーム用のコントローラーを装備していてもよい。
[0038]
 ネットワーク接続部215は、Wi-Fiやイーサネット(登録商標)といった、無線若しくは有線のLAN(Local Area Network)規格に対応しており、ゲーム機本体200が設置された場所(家庭内など)に敷設されたLANに接続することができ、さらにLAN経由でインターネットなどの広域ネットワークに接続することができる。
[0039]
 接続制御部216は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信、あるいはUSBなどのケーブルを使ってパッド300と相互接続し、パッド300との間で情報交換を行なう。例えば接続制御216は、パッド300上に載せられたカード400から読み取った情報をパッド300から受信したり、カード400に記録すべき情報をパッド300に送信したりする。
[0040]
 パッド300は、制御部301と、リーダ/ライタ部302と、カード検出部303と、接続制御部304を備えている。
[0041]
 パッド300は、図1からも分かるように、プレート状の筐体構造からなり、ユーザがカード400を載せたりカード400を動かしたりする操作を行なう操作面が上を向くように筐体を床や机の上に設置して、利用に供される。
[0042]
 リーダ/ライタ部302は、面内方向に2次元アレイ状に配置された複数のアンテナ・コイル(図10では図示しない)を備えており、いずれかのアンテナ・コイルを選択的に使って、操作面上の任意の場所に載せられたカード400内のRFIDタグからの情報の読み取り並びにRFIDタグへの情報の書き込みを行なうことができる。
[0043]
 カード検出部303は、操作面上にカード400が載せられた位置や向きを検出する。カード検出部303の構成や、カード400が載せられた位置や向きを検出するための処理の詳細については、後述に譲る。
[0044]
 接続制御部304は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信、あるいはUSBなどのケーブルを使ってゲーム機本体200と相互接続し、ゲーム機本体200との間で情報交換を行なう。例えば接続制御部304は、パッド300上に載せられたカード400からリーダ/ライタ部302が読み取った情報をゲーム機本体200に送信したり、カード400に記録すべき情報をゲーム機本体200から受信してリーダ/ライタ部302に出力したりする。
[0045]
 制御部301は、パッド300内の各部の動作を統括にコントロールする。制御部301は、接続制御部304を介したゲーム機本体200との情報の送受信処理を制御する。また、制御部301は、リーダ/ライタ部302を介したカード400内のRFIDタグに対する情報の読み取り並びに書き込み動作を制御する。
[0046]
 また、制御部301は、カード検出部303の検出結果に基づいて、操作面上に載せられたカード400へのアクセスに使用するアンテナ・コイルの切り替え制御を行なう。
[0047]
 さらに、制御部301は、カード検出部303の検出結果に基づいて、パッド300上からカード400を外す、カード400の位置を変更する、カード400を上下左右又は斜め方向に動かす、カード400を横にする、カード400を裏返す、といった操作面上でのカード400のユーザ操作を検知することができ、接続制御部304を介してゲーム機本体200にユーザ操作の検知結果を通知する。
[0048]
 カード400は、紙又は樹脂などの非金属製のシート内にRFIDタグ401が埋設された、いわゆる「ICカード」である。RFIDタグ401は、パッド300のリーダ/ライタ部302との間で所定規格に基づく近接無線通信を行なうことが可能な通信機能モジュールと、この近接無線通信を利用してリーダ/ライタ部302が情報を読み取り若しくは書き込むことが可能な記憶機能(メモリ)モジュールを含んでいる。図10では図示を省略するが、カード400内には、近接無線通信用のアンテナ・コイル(図10には図示しない)が、印刷やエッチングなどの技術を用いて形成されている。また、カード400の一方の面又は両面には、券面印刷などによりゲームのキャラクターや武器、戦利品などを表す絵柄が描かれている。
[0049]
 サーバ500は、ゲームのプレイヤーであるユーザや、各ユーザに配布したカード400に関する情報を管理するサーバである。サーバ500は、物理的に一台のサーバ装置で構成されてもよいし、複数台のサーバ装置で構成されてもよい。サーバ500は、例えば、ゲーム機本体200で実行されるゲーム・アプリケーションやカード400などのパブリッシャー(あるいは、パブリッシャーから委託された業者)によって運営される。サーバ500は、例えばインターネットなどの広域ネットワーク上に設置されている。ゲーム機本体200は、Wi-Fiやイーサネット(登録商標)ケーブルを通じて外部ネットワークに接続され、サーバ500と相互通信することができる。
[0050]
 図10に示す例では、サーバ500は、サーバ機能として、ユーザ認証部501、商品登録部502、決済処理部503、取引管理部504、カード認証部505、カード書込み部506などを備えている。
[0051]
 ユーザ認証部501は、ゲーム機本体200の使用者でありゲームのプレイヤーでもあるユーザの認証処理を行なう。認証処理には、ユーザがパッド300上に載せたカード400から読み取られた認証情報を用いてもよい。
[0052]
 商品登録部502は、ゲーム機本体200にダウンロードするゲーム・アプリケーションや、ゲーム・アプリケーションで使用されるカード400など、ユーザに販売する商品の登録や、販売した後の管理などを行なう。
[0053]
 決済処理部503は、ゲームのプレイヤーであるユーザに対して、ゲーム・アプリケーションのダウンロードや、カード400の配布など、商品の販売に伴う代金の支払いなどの決済処理を行なう。
[0054]
 取引管理部504は、ゲーム機本体200へのゲーム・アプリケーションのダウンロードや、ダウンロードしたゲーム・アプリケーションで使用するカード400の配布など、ユーザとの間で実施した取引に関する情報を集中管理する。
[0055]
 カード認証部505は、パッド300上に載せられたカード400から読み取られた情報などに基づいて、カード400の認証処理を行なう。カード400の認証処理には、使用されるカード400自体の真正性や、カード400を使用するユーザの真正性の検証などが含まれる。
[0056]
 カード書込み部506は、ゲーム機本体200及びパッド300を介して、パッド300上に載せられたカード400に対する情報の書き込み処理を行なう。カード400の書き込み処理には、通常のデータ書き込み処理の他に、初期状態(出荷時)のカード400の活性化処理や、活性状態のカード400の初期化や無効化処理も含まれる。
[0057]
 パッド300内のリーダ/ライタ部302と、カード400内のRFIDタグ401間では、例えば、ソニーとフィリップス社が開発したNFC(Near Field Communication)などの近接無線通信規格に従って、近距離での無線通信が実施される。図11には、パッド300内のリーダ/ライタ部302と、カード400内のRFIDタグ401間で近接無線通信を行なうための機能的構成を図解している。リーダ/ライタ部302及びカード400がそれぞれ備えるアンテナ共振回路1102、1112が電磁結合して、情報信号の授受が行なわれる。具体的には、RFIDタグ401は、リーダ/ライタ部302から送出された無変調搬送波に対して変調を掛けて返信し、リーダ/ライタ部302は変調搬送波を復調してRFIDタグ401に記録されている情報を読み取ることができる。
[0058]
 リーダ/ライタ部302のアンテナ共振回路1102は、抵抗R 1と、コンデンサC 1と、コイルL 1から成り、処理部1101により生成された情報信号を、RFIDタグ401側に送信する。また、アンテナ共振回路12は、RFIDタグ401から情報信号を受信し、処理部1101に供給する。なお、アンテナ共振回路1102の固有の共振周波数は、コンデンサC 1のキャパシタンスとコイルL 1のインダクタンスにより、あらかじめ所定の値に設定される。
[0059]
 一方、RFIDタグ401のアンテナ共振回路1112は、抵抗R 2と、コンデンサC 2と、コイルL 2から成り、処理部1111により生成され、負荷切り替え変調回路部1113により変調された情報信号を、リーダ/ライタ部302側のアンテナ(コイルL 2)に送信する。また、アンテナ共振回路1112は、リーダ/ライタ部302側から情報信号を受信し、処理部1111に供給する。なお、アンテナ共振回路1112の共振周波数は、コンデンサC 2のキャパシタンスとコイルL 2のインダクタンスにより、あらかじめ所定の値に設定される。
[0060]
 RFIDタグ401側の処理部1111は、データ系列などを記憶するメモリー(図示しない)を備えている。リーダ/ライタ部302側の処理部1101は、近接無線通信を通して、処理部1111内のメモリに対してデータの読み出しや書き込みなどのアクセスを行なう。リーダ/ライタ部302とRFIDタグ401間では、NFCで規定されている所定の認証処理手続きを経て、データ伝送動作を行なうことが可能になる。
[0061]
 なお、NFCなどの近接無線通信は、通信機能や情報は耐タンパ性のある回路チップ内で保護され、また、わずかな距離で通信が行なわせるので傍受が難しいことから、不正アクセスやデータの改ざんを好適に防止して、セキュアな通信が可能であるという特徴がある。近接無線通信技術は、例えば、店舗での決済や、駅の自動改札、建物の入退出管理や施錠、認証技術などでも既に広く利用されている。
[0062]
C.カードの位置及び向きの検出
 上述したように、ユーザは、パッド300上からカード400を外す、カード400の位置を変更する、カード400を上下左右又は斜め方向に動かす、カード400を横にする、カード400を裏返す、といったパッド300上でのカード400の操作を行なうことが可能である(図4~図8を参照のこと)。また、ゲーム機本体200は、ユーザがパッド300上にカード400を置いた位置や向き、パッド300上でのカード400の動きに応じてゲームの画面や進行を切り替えるインタラクションなど、パッド300上でのカード400の操作をさまざまなアプリケーションに利用することが可能である。
[0063]
 パッド300上でのカード400の操作を利用したアプリケーションを実現する前提として、パッド300上にカード400が載せられた位置や向き(若しくは、傾き)をある程度詳細に検出する必要がある。また、パッド300上に複数枚のカード400-1、400-2、…を同時に載せることもある(図1、図2を参照のこと)。この場合、パッド300は、各カードを分離して検出して、各々のカード400-1、400-2、…に対して個別に読み出し又は書込み処理を行なう必要がある。
[0064]
 2次元アレイ状に配置された複数のアンテナ・コイルの受信信号強度分布に応じて、カードが載せられたおおよその位置が分かり、カード内のRFIDタグと通信するのに適したアンテナ・コイルを特定することができる。例えば、RFIDタグが送信する搬送波を複数のアンテナ・コイルのいずれかで選択的に受信した場合に、その選択されたアンテナ・コイルの通信範囲内におけるRFIDタグの存在を特定するシステムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。しかしながら、このシステムでは、カードの位置を認識する分解能はアンテナ・コイルのサイズやアンテナ・コイル間の間隔などに依存するため、カードのより詳細な位置や向きを検出することは困難であり、利用可能なアプリケーションは限定的であると思料される。
[0065]
 例えば、タッチセンサを2次元アレイ状に配置したセンサ・モジュールを用いるとともに、RFIFタグを内蔵する検出対象物(カードやフィギュアなど)に導体を内蔵させて、パッドの操作面に検出対象物が接触したことを認識するシステムについて提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。また、表面にタッチパネルを重畳したパッドを用いるとともに、RFIDタグを埋設したフィギュアの台座の底面に複数の突起部を形設して、フィギュアをパッド上に載せたときに検出される突起部の位置情報に基づいてフィギュアの向きを検出する情報処理システムについて提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。しかしながら、これらのシステムにおける検出対象物の位置を認識できる分解能はセンサ間の間隔程度にとどまるものと思料される。また、検出対象物の底面の突起部を利用するシステムにおいては、フィギュアのような重量物ならともかく、軽量な紙製のカードを利用する場合、タッチパネルが突起部にうまく反応しないことや、使用を重ねて突起部が摩耗していくことや、カードを裏返して突起部がない面がタッチパネルと接触する場合は突起部の位置を検出できなくなる、といったことが懸念される。
[0066]
 本実施形態に係る情報処理システム100では、図10にも示したように、パッド300が操作面上にカード400が載せられた位置や向きを検出するカード検出部303を装備している。以下では、パッド300上に載せられたカード400の位置や向きを好適に検出することができるカード検出部303並びにパッド300の構成と、このようなカード検出部303を利用したカード400の位置や向きを好適に検出するための処理方法について、詳細に説明する。
[0067]
 図12には、パッド300の断面構造を模式的に示している。但し、同図中、パッド300の筐体や回路基板の図示を省略している。パッド300は、基本的には、ユーザがカード400を載せたりカード400を動かしたりする操作を行なう操作面が上を向くように筐体を床や机の上に設置して、利用に供される。カード検出部303は、操作面側に配設される。また、リーダ/ライタ部302は、面内方向に2次元アレイ状に配置された複数のアンテナ・コイルを備えるが、操作面とは反対の底面側に配設されている。
[0068]
 なお、図12では、パッド300は、上側(すなわち、操作面側)からカード検出部303、リーダ/ライタ部302の順番に配置する構成となっているが、カード検出部303とリーダ/ライタ部302の各々に必要な検出感度などに応じてリーダ/ライタ部302、カード検出部303という逆の順番に配置する構成や、リーダ/ライタ部302のアンテナ・コイル内に静電容量センサを配置してカード検出機能とリーダ/ライタ機能を1層に多重化した構成なども考えられる。
[0069]
 図13には、カード検出部303の内部を上面(若しくは、操作面側)から眺めた様子を示している。同図中、グレーで塗り潰された円は、それぞれ静電容量センサである。図示のように、カード検出部303は、操作面の面内方向にN×Mの静電容量センサを2次元アレイ状に配置して構成される。
[0070]
 静電容量センサは、基本的には、物体が接近したことに伴い電極に蓄積される電荷Qが変化し、その結果として静電容量Cが変化する現象を利用した近接センサである。例えば、静電容量Cの変化を、CR発振回路の発振状態として計測することができる。以下の説明では、カード検出部303は、N×Mのマトリックス状に配置された各静電容量センサの検出結果をそれぞれ0~255の1バイトで検出レベルを表した検出値として出力するものとして説明する。パッド300の操作面上に物体が載せられると、物体から距離が近い静電容量センサほど静電容量が変化して、高い検出値を出力する。また、金属製の物体が接近すると、静電容量が大きく変化するので、より高い検出値を出力する。他方、紙や樹脂など非金属製の物体が接近したときには、静電容量の変化が小さいため、低い検出値を出力する。
[0071]
 なお、カード検出部303における静電容量センサのN×Mの配置は、図13に示した例では6×10である。例えば小型の静電容量センサを短い間隔で多数配置すれば、カード400を検出する分解能は高まるが、使用するセンサの個数が多くなり、カード検出部303(若しくは、パッド300)の製造コストも増大する。したがって、必要とするカード400の検出精度とコストの双方を考慮して、所望の分解能を得るための最小限の数の静電容量センサの配置を決定すべきである。
[0072]
 図14には、静電容量センサが2次元アレイ状に配置されたカード検出部303(パッド300の操作面)の上にカード400が載せられた様子を示している。
[0073]
 カード400は、アルミ製のアンテナ・コイルなどの金属部品を含んだRFIDタグ401の部分と、紙や樹脂など非金属製のカード本体402の部分からなる。金属部品を含んだRFIDタグ401の部分が載せられた静電容量センサ(同図中、斜線で塗り潰して示す)は、静電容量が大きく変化するので、高い検出値を出力する。本実施形態では、RFIDタグ401などのカード400の金属部分は3×3の静電容量センサと同程度の面積であることを想定しているが、これに限定される訳ではない。一方、RFIDタグ401以外の非金属製のカード本体402の部分が載せられた静電容量センサ(同図中、ドットで塗り潰して示す)は静電容量が小さく変化するので、低い検出値を出力する。
[0074]
 ここで、カード400の設計について付言しておく。
[0075]
 リーダ/ライタ部302との近接無線通信の性能を向上させるという観点からは、RFIDタグ401のアンテナ・コイルは、図15に示すように、カード本体402の表面積で可能な限り大きく形成することが好ましい。しかしながら、図16に示すように、最大限に大きく形成したアンテナ・コイルを持つ2枚のカードを隣接してパッド300上に載せると、カード検出部303が、2枚のカードのアンテナ・コイルが結合した像を捕捉して、1枚のカードとして検出するおそれがある。
[0076]
 したがって、カード検出の観点からは、図17に示すように、RFIDタグ401アンテナ・コイルをカード本体402の表面積よりも小さく形成することが好ましい。図18には、アンテナ・コイルを小さく形成した2枚のカードを隣接してパッド300上に載せた様子を示している。この場合、カード本体同士は接触していても、各々のアンテナ・コイルは非金属であるカード本体(紙)を介して離間しているので、カード検出部303は、各々のカードのアンテナ・コイルの像を分離して捕捉することができる。
[0077]
 図19には、パッド300内で、制御部301が、カード検出部303の検出結果に基づいてリーダ/ライタ部302によるRFIDタグ401との通信を制御するための機能的構成を模式的に示している。
[0078]
 カード位置・向き認識部1901は、2次元配置された各静電容量センサの1バイトの検出値をカード検出部303から入力して、検出値の2次元的な分布に基づいて、パッド300の操作面上に載せられたカード400の位置及び向き、さらには傾きを認識処理する。そして、カード位置・向き認識部1901は、認識結果を、アンテナ切り替え制御部1902に出力する。カード位置・向き認識部1901がカード400の位置及び向き、傾きを認識するための詳細な手順については、後述に譲る。
[0079]
 リーダ/ライタ部302は、2次元アレイ状に配置された複数のアンテナ・コイルを備えている(前述)。アンテナ切り替え制御部1902は、リーダ/ライタ部302が備える複数のアンテナ・コイルのうち、パッド300の操作面上に載せられたカード400との通信に用いるアンテナ・コイルの切り替えを、カード位置・向き認識部1901の認識結果に基づいて制御する。リーダ/ライタ部302は、アンテナ切り替え制御部1902からの制御信号に応じて、RFIDタグ401との近接無線通信に使用するアンテナ・コイルを切り替える。ユーザがパッド300の操作面上でカード400を動かしている場合には、アンテナ切り替え制御部1902は、時々刻々とアンテナ・コイルの切り替えることになる。
[0080]
 また、カード位置・向き認識部1901は、パッド300の操作面上に載せられたカード400の位置及び向きの認識結果を、接続制御部304を介してゲーム機本体200にも出力する。
[0081]
 ゲーム機本体200側では、制御部211は、カード400の位置及び向きの認識結果を時系列的に処理して、パッド300上からカード400を外す、カード400の位置を変更する、カード400を上下左右又は斜め方向に動かす、カード400を横にする、カード400を裏返す(図4~図8を参照のこと)、といったパッド300上でユーザが行なったカード400の操作を特定する。そして、制御部211は、ゲームの映像や音声などを用いて、特定したカード400の操作に応じたインタラクションを行なう。
[0082]
 続いて、制御部301内のカード位置・向き認識部1901において、カード検出部303の検出結果を利用して、パッド300の操作面上に載せられたカード400の位置及び向き、傾きを認識処理する方法について説明する。
[0083]
 本実施形態では、カード位置・向き認識部1901は、大まかな位置と向きの認識、詳細な位置認識、傾き認識という3つのステップで、カード400の認識処理を実施する。ここで、大まかな位置認識は、カード検出部303の静電容量センサ間の間隔に相当する分解能でカード400の位置を認識することを意味する。また、詳細な位置認識は、静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の位置を認識することを意味する。以下、ステップ毎の処理について詳細に説明する。
[0084]
(1)ステップ1
 ステップ1では、パッド300上に載せられたカード400の大まかな位置認識を行なう。「大まかな」とは、2次元アレイ状に配置された静電容量センサ間の間隔程度の分解能での位置認識を意味する。また、ステップ1では、カード検出部303による検出値のうち、RFIDタグ401のアンテナ・コイルなどの金属部分の検出成分を用いて位置認識を行ない、紙製のカード本体402などの非金属部分の検出成分を用いない。すなわち、ステップ1では、カード位置・向き認識部1901は、カード検出部303から入力した各静電容量センサの検出値から、ノイズ成分と峻別が難しい非金属部分の検出成分を所定の閾値を用いて切り捨ててから、カード400の位置認識処理を実施する。
[0085]
 図20には、低い検出値の切り捨て処理を行なった後の、カード検出部303の各静電容量センサの検出値を例示している。カード検出部303からは0~255の1バイトで検出レベルを表した検出値が出力されるが(前述)、図20に示す例では、20未満の検出値をノイズ成分とみなして切り捨て処理している。
[0086]
 以下では、カード400の金属部分がn×m(図示の例では、3×3)のマトリックスの静電容量センサと同程度の面積である場合を想定して、大まかな位置を認識する処理について説明する。但し、金属部分の面積が3×3以外であっても、以下と同様の処理手順に従って大まかな位置認識が可能であることを理解されたい。
[0087]
 2次元アレイ状に配置された静電容量センサを、カード検出部303の左上から右下に向かって、1つずつスキャンして、各静電容量センサの位置にカード400の一角が載せられている可能性を示すスコアを逐次求めていく。図21には、参照番号2100で示すスキャン位置の静電容量センサのスコアの算出方法を図解している。スキャン位置2100の静電容量センサを左上とする3×3のマトリックス2101内の各静電容量センサの検出値の合計値を算出し、その合計値をそのスキャン位置の静電容量センサ2100上にカード400の一角が載せられている可能性を示すスコアとする。
[0088]
 図22には、図20に示した検出例に対して、図21で図解した算出方法を適用してスキャン位置毎のスコアを求めた結果を示している。参照番号2201で示す3×3のマトリックス内の静電容量センサの検出値の合計値は90である。したがって、このスキャン位置2201の右上の静電容量センサの位置にアンテナ・コイルの一角が載せられている可能性を示すスコアは90である。同様に、参照番号2202で示す3×3のマトリックス内の静電容量センサの検出値の合計値は973であり、このマトリックス2202の右上の静電容量センサの位置にアンテナ・コイルの一角が載せられている可能性を示すスコアは973となる。また、参照番号2203で示す3×3のマトリックス内の静電容量センサの検出値の合計値は852であり、このマトリックス2203の右上の静電容量センサの位置にアンテナ・コイルの一角が載せられている可能性を示すスコアは852ということになる。
[0089]
 すべての各スキャン位置のスコアの算出結果についての説明は省略するが、参照番号2202で示した3×3のマトリックス内の静電容量センサの検出値の合計値973がすべてのスキャン位置のうちスコアが最大となる。したがって、このマトリックス2202の右上、すなわち静電容量センサの2次元アレイの左上から右に2個目で且つ下に3個目の静電容量センサの位置に、アンテナ・コイルの一角があるカード400が載せられていることを認識することができる。
[0090]
 ちなみに、次にスコアが高いスキャン位置は、参照番号2203で示す、左上から右に3個目で且つ下に3個目の静電容量センサにおけるスコア852である。参照番号2202で示すスキャン位置で先に見つかったカードが存在する場合、この位置2203にも別のカードがあると仮定すると、カードが一部重なるように載せられていることになる。上記の位置認識方法では、カードの重なりはないと仮定して、このスキャン位置にカードはないものとする。
[0091]
 上記の位置認識方法で、スコアの高いスキャン位置から順に、スコアが閾値を下回るまで、パッド300上に載せられたすべてのカード400を発見していく。但し、パッド300の操作面上に2枚以上のカードが同時に載せられていることを想定するが、各カードは重ならないように置かれていると仮定する。
[0092]
 パッド300上に載せられたカード400の大まかな位置を認識した後、低い検出値の切り捨て処理を行なったカード検出部303の検出結果(図20を参照のこと)を用いて、さらにそのカード400の大まかな向きも求める。
[0093]
 ここでは、RFIDタグ401のアンテナ・コイルは、正方形ではなく、カード400の長辺の方向に長い長方形であることを想定する。また、カード400の長辺が縦向きに置かれた状態を縦置きとし、カード400の長辺が横向きに置かれた状態を横置きとする。そして、カード400の大まかな向きとして、縦置き又は横置きのいずれの向きで置かれているかを認識する方法について、以下で説明する。
[0094]
 パッド300上に載せられたカード400の大まかな位置の認識結果として、カード400が置かれている可能性が高い3×3個の静電容量センサのマトリックスが抽出される。図22に示した例では、参照番号2202で示した3×3のマトリックスが抽出される(図23を参照のこと)。
[0095]
 カード400の大まかな向きを認識する処理では、図23に示すように、行毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出して、それぞれL1、L2、L3とする。次いで、L1、L2、L3のうち値が大きい2つを加算してこれを横のスコアHSとする。図23に示す例では、L1=0+90+112=202、L2=0+255+89=344、L3=142+30+255=427となり、大きい方の2つL2とL3を加算して、横のスコアHS=L2+L3=771が求まる。
[0096]
 また、列毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出して、それぞれC1、C2、C3として、C1、C2、C3のうち値が大きい2つを加算してこれを縦のスコアVSとする。図23に示す例では、C1=0+0+142=142、C2=90+255+30=375、C3=112+89+255=456となり、大きい方の2つC2とC3を加算して、縦のスコアVS=C2+C3=831が求まる。
[0097]
 そして、縦のスコアVSの方が横のスコアHSよりも大きければカード400は縦置きと判定し、HSの方がVSよりも大きければカード400は横置きと判定する。図23に示した例では、縦のスコアVS(=831)の方が横のスコアHS(=771)よりも大きいので、カード400は縦置きに載せられていると判定する。
[0098]
 縦のスコアVSと横のスコアHSの大小比較に基づいてカード400が縦置き又は横置きのいずれであるかを判定できることは、カード400及びアンテナ・コイルの形状から自明である。
[0099]
 またさらに、縦のスコアVSと横のスコアHSの差を所定の閾値と比較することによって、カード400の大まかな傾きを認識することができる。例えばカード400がパッド300上に斜め方向に載せられている場合には、縦のスコアVSと横のスコアHSの差は小さくなるので、所定の閾値以下となるときにはカード400が斜めに載せられていると認識するようにしてもよい。
[0100]
(2)ステップ2
 ステップ2では、パッド300上に載せられたカード400の詳細な位置認識を行なう。但し、ステップ2は、ステップ1においてカード400の大まかな位置と向きが既に認識されていることを前提として実施される。ここで、「詳細な」とは、2次元アレイ状に配置された静電容量センサ間の間隔未満の分解能での位置認識を意味する。すなわち、ステップ2では、ステップ1において静電容量センサ間の間隔に相当する分解能で認識された大まかな位置からの静電容量センサ間の間隔内の偏りを含む、静電容量センサ間の間隔未満の分解能で位置認識を行なう。
[0101]
 また、ステップ2では、カード位置・向き認識部1901は、詳細な位置認識のために、カード検出部303から入力した各静電容量センサの検出値から所定の閾値未満の非金属部分の検出成分を切り捨てることなく、カード400の位置認識処理を実施する。切り捨て処理を行なっていない検出値は、紙などの非金属からなるカード本体402に反応した検出値を含んでいる。したがって、ステップ2では、アンテナ・コイルなどカード400の金属部分だけでなく、紙などカード本体402の非金属部分の検出値を利用して、カード400の詳細な位置認識を行なうことになる。
[0102]
 図24には、所定の閾値未満の検出値の切り捨て処理を行なっていない、カード検出部303の各静電容量センサの検出値を例示している。カード検出部303からは0~255の1バイトで検出レベルを表した検出値が出力されるが(前述)、図24に示す例では、20未満の検出値を切り捨てることなくカード本体402の非金属部分の成分とみなして、詳細な位置認識処理に活用する。
[0103]
 以下では、カード400の金属部分が3×3の静電容量センサと同程度の面積である場合を想定して(同上)、詳細な位置を認識する処理について説明する。但し、金属部分の面積が3×3以外であっても、以下と同様の処理手順に従って詳細な位置認識が可能であることを理解されたい。
[0104]
 ステップ1では、カード400の位置として、図24中の参照番号2400で示す3×3のマトリックスが既に認識されている。マトリックス2400は、静電容量センサ間の間隔程度の単位で認識される大まかな位置である。続くステップ2では、大まかに認識された位置からの静電容量センサ間の間隔内の偏りを含む、カード400の詳細な位置を認識する。
[0105]
 ステップ2では、大まかに認識された位置でカード400が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出する。そして、縦方向並びに横方向の領域間での合計値を比較した結果に基づいて、静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の詳細な位置認識を行なう。
[0106]
 具体的には、ステップ1で認識されたマトリックス2400のうち、左上、右上、左下、及び右下の4箇所を特徴点として抽出する。そして、参照番号2401~2404でそれぞれ示す、左上、右上、左下、及び右下の4箇所の各特徴点付近の領域における静電容量センサの検出値の合計値を利用して、静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の詳細な位置認識を行なう。
[0107]
 図24に示す例では、参照番号2401~2404で示す各領域は、大まかに認識されたカード400の位置2400の四隅の各特徴点付近に存在する2個の静電容量センサをそれぞれ含んでいる。領域2401~2404に含まれる各静電容量センサの、切り捨て処理を行なっていない検出値は、カード400が載っていない、若しくは紙などの非金属からなるカード本体402に反応した検出値を含んでいる。
[0108]
 但し、特徴点を含む各領域2401~2404の位置やサイズを定義する方法は、それぞれ大まかに認識されたカード400の位置2400のいずれかの一角の静電容量センサを特徴点として含む以外は任意である。大まかに認識されたカード400の位置2400の一角など特徴点に相当する1個の静電容量センサだけ、あるいは特徴点に相当する静電容量センサを含む3個以上の静電容量センサで各領域2401~2404を定義するようにしてもよい。
[0109]
 まず、左上、右上、左下、及び右下の特徴点を含む領域2401~2404毎に、静電容量センサの検出値の合計値SUL、SUR、SLL、SLRを算出して、各領域2401~2404にカード400の一角が載せられている可能性を示すスコアとする。図示の例では、SUL=2、SUR=202、SLL=142、SLR=285である。
[0110]
 検出値が大きい領域は、そのセンサ上にカード400が多く面していると推定することができる。また、検出値が小さい領域は、そのセンサ上にカード400が小さく面していると推定することができる。したがって、検出値が多い領域の方にカード400が寄って載せられていると推定することができる。
[0111]
 例えば、SUL>SLL、又は、SUR>SLRであれば、カード400は大まかに認識された位置2400よりも上に寄っていると推定され、逆にSUL<SLL、又は、SUR<SLRであれば、カード400は大まかに認識された位置2400よりも下に寄っていると推定される。同様に、SUL>SUR、又は、SLL>SLRであれば、カード400は大まかに認識された位置2400よりも左に寄っていると推定され、逆にSUL<SUR、又は、SLL<SLRであれば、カード400は大まかに認識された位置2400よりも右に寄っていると推定される。
[0112]
 したがって、カード400の上下方向(縦方向)、及び左右方向(横方向)の静電容量センサ間の間隔未満の偏りを、それぞれ以下の式(1)、(2)に基づいて算出することができる。但し、下式(1)において、正の値は上方向への偏りを意味し、負の値は下方向への偏りを意味する。また、下式(2)において、正の値は左方向への偏りを意味し、負の値は右方向への偏りを意味する。
[0113]
[数1]


[0114]
 そして、ステップ1で求められた、静電容量センサ間の間隔に相当する単位で大まかに認識されたカード400の位置に、上式(1)及び(2)で算出された、静電容量センサ間の間隔未満のカード400の上下及び作用方向の偏りを加算することで、カード400の詳細な位置を認識することができる。
[0115]
 図24に示した例では、上式(1)の計算結果は、(2-142)/142=-0.986であり、カード400は、大まかに認識された位置2400よりも下方向に0.986だけ偏っていることになる。但し、偏りを示す値は、静電容量センサ間の縦方向の間隔を1単位とし、計算結果が小数値であることは縦方向の静電容量センサ間の間隔未満の偏りであることを意味する。
[0116]
 また、上式(2)の計算結果は、(2-202)/202=-0.99であり、カード400は、大まかに認識された位置2400よりも右方向に0.99だけ偏っていることになる。但し、偏りを示す値は、静電容量センサ間の横方向の間隔を1単位とし、計算結果が小数値であることは横方向の静電容量センサ間の間隔未満の偏りであることを意味する。
[0117]
(3)ステップ3
 ステップ1では、パッド300上に載せられたカード400の、静電容量センサ間の間隔に相当する分解能での大まかな位置と、カード400の向き(縦置き又は横置きのいずれであるか)を認識した。続くステップS2では、ステップ1において認識された大まかな位置に対するカード400の上下及び左右方向の偏り、すなわち、静電容量センサ間の間隔未満の分解能での詳細に位置を認識した。そして、ステップ3では、パッド300上に載せられたカード400の詳細な傾きを認識する。
[0118]
 但し、以下では、縦置き状態のカード400の傾きを0度とし、時計回りのカード400の回転を正方向の傾きθと定義して、説明することにする。
[0119]
 ステップ3では、2次元アレイ状に配置された静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の傾きを認識処理することから、ステップ2と同様に、カード位置・向き認識部1901は、カード検出部303から入力した各静電容量センサの検出値から所定の閾値未満の非金属部分の検出成分を切り捨てることなく、カード400の位置認識処理を実施する。切り捨て処理を行なっていない検出値は、紙などの非金属からなるカード本体402に反応した検出値を含んでいる。したがって、ステップ3では、アンテナ・コイルなどカード400の金属部分だけでなく、紙などカード本体402の非金属部分の検出値を利用して、カード400の詳細な向きを認識することになる。
[0120]
 図25には、所定の閾値未満の検出値の切り捨て処理を行なっていない、カード検出部303の各静電容量センサの検出値を例示している(図24と同様)。カード検出部303からは0~255の1バイトで検出レベルを表した検出値が出力されるが(前述)、図25に示す例では、20未満の検出値を切り捨てることなくカード本体402の非金属部分の成分とみなして、カード400の詳細な向き認識処理に活用する。
[0121]
 ステップ1では、カード400の位置として、図25中の参照番号2500で示す3×3のマトリックスが既に認識されている。マトリックス2500は、静電容量センサ間の間隔程度の単位で認識される大まかな位置である。ステップ3では、ステップ1で認識されたマトリックス2500のうち、参照番号2501~2504でそれぞれ示す、左上、右上、左下、及び右下の4箇所付近の領域における静電容量センサの検出値を利用して、静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の詳細な向き認識を行なう。
[0122]
 ステップ3では、大まかに認識された位置でカード400が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出する。そして、各特徴点を含む領域を左右に分けて、左側の領域間で合計値の差分と右側の領域間で合計値の差分をそれぞれ求め、左側の領域と右側の領域とで差分を大小比較した結果に基づいて、静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の詳細な向き認識を行なう。
[0123]
 具体的には、ステップ1で認識されたマトリックス2500のうち、左上、右上、左下、及び右下の4箇所を特徴点として抽出する。そして、参照番号2501~2504でそれぞれ示す、左上、右上、左下、及び右下の4箇所の各特徴点付近の領域における静電容量センサの検出値の合計値を算出し、さらに左側の領域間で合計値の差分と右側の領域間で合計値の差分をそれぞれ求めて、静電容量センサ間の間隔未満の分解能でカード400の詳細な向き認識を行なう。
[0124]
 図25に示す例では、参照番号2501~2504で示す各領域は、大まかに認識されたカード400の位置2500の四隅の各特徴点付近に存在する4個の静電容量センサをそれぞれ含んでいる。領域2501~2504に含まれる各静電容量センサの、切り捨て処理を行なっていない検出値は、カード400が載っていない、若しくは紙などの非金属からなるカード本体402に反応した検出値を含んでいる。
[0125]
 但し、各領域2501~2504を定義する方法は、それぞれ大まかに認識されたカード400の位置2500のいずれかの一角の静電容量センサを含む以外は任意である。大まかに認識されたカード400の位置2500の一角に相当する静電容量センサを含む3個以下の静電容量センサだけ、あるいは一角に相当する静電容量センサを含む5個以上の静電容量センサで各領域2501~2504を定義するようにしてもよい。
[0126]
 まず、左上、右上、左下、及び右下の領域2501~2504毎に、静電容量センサの検出値の合計値SUL、SUR、SLL、SLRを算出して、各領域2501~2504にカード400の一角が載せられている可能性を示すスコアとする。図示の例では、SUL=2、SUR=203、SLL=151、SLR=325である。
[0127]
 検出値が大きい領域は、そのセンサ上にカード400が多く面していると推定することができる。また、検出値が小さい領域は、そのセンサ上にカード400が小さく面していると推定することができる。したがって、検出値が多い領域の方にカード400が傾いているために、重なる面積が大きくなっていると推定することができる。
[0128]
 例えば、カード400がステップ1で認識された大まかな位置2500に対して時計回りに角度θだけ傾いている場合には、カード400は大まかに認識された位置2500よりも領域2502と2503に寄る一方、領域2501と2504から外れていく。但し、この傾きθによる位置2500からのカード400の変位は、静電容量センサ間の間隔未満であるとする。その結果、領域2502と2503のスコアSURとSLLは大きくなる一方、領域2501と2504のスコアSULとSLRは小さくなる。
[0129]
 したがって、カード400の静電容量センサ間の間隔未満の傾きを、以下の式(3)に基づいて算出することができる。但し、下式(3)において、正の値は時計回りの傾きを意味し、負の値は反時計回りの傾きを意味する。
[0130]
[数2]


[0131]
 図25にし示した例では、上式(3)の計算結果は、3.7[deg]であり、カード400は、大まかに認識されたい2500よりも時計回りに3.7degだけ傾いていることになる。なお、ステップ1で推定したカード400の向きが縦置きの場合には、上式(3)で算出した値がそのままカード400の傾きとなる。他方、ステップ1で推定したカードの向きが横置きの場合には、90[deg]から上式(3)で算出した値を減算した値がカード400の傾きとなる。
[0132]
 ステップ3の処理から、カード400の上下及び左右方向の詳細な位置認識に加えて、角度1度単位でのカード400の向きを認識することが可能となる、という点を十分理解されたい。
[0133]
 本明細書で開示する技術によれば、静電容量センサを2次元アレイ状に配置したカード検出部303を用いてカード400が載せられた位置並びに向きを検出するが、まず所定の閾値未満の検出値を切り捨ててカード400の位置と向きを静電容量センサ間の間隔に相当する分解能で大まかに認識した後に、所定の閾値未満の検出値も利用して、カード400の位置と向きを静電容量センサ間の間隔未満の分解能で詳細に認識することができる。
[0134]
 要するに、本明細書で開示する技術によれば、カード検出部303に配置する静電容量センサの個数を最小限にしてコストを抑制しながら、より高い分解能でカード400の位置並びに向きの認識することができる。

産業上の利用可能性

[0135]
 以上、特定の実施形態を参照しながら、本明細書で開示する技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書で開示する技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
[0136]
 本明細書では、本明細書で開示する技術をゲーム機本体(若しくは、ゲーム・アプリケーションを実行するスマートフォンやタブレットなどの情報端末)に接続されるパッドに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本明細書で開示する技術の要旨はこれに限定されるものではない。ゲーム以外の用途を実施する情報端末に接続されるパッドや、ゲーム以外の用途で使用されるカードを読み取るパッドに対しても、同様に本明細書で開示する技術を適用することができる。
[0137]
 要するに、例示という形態により本明細書で開示する技術について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本明細書で開示する技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
[0138]
 なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)操作面に沿って2次元アレイ状に配置した複数の静電容量センサを有する検出部と、
 前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、前記操作面上に載せられた物体を認識する認識部と、
を具備する情報処理装置。
(2)前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てた前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、物体の第1の位置を認識する、
上記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記認識部は、物体に含まれる金属部分と同程度の面積からなる静電容量センサのマトリックスのうち、静電容量センサの検出値の合計が最大又は所定の閾値を上回るマトリックスの位置を物体の第1の位置として認識する、
上記(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記認識部は、検出値の合計が所定の閾値を下回るまで、すべて物体の第1の位置の認識処理を行なう、
上記(3)に記載の情報処理装置。
(5)前記認証部は、2以上の物体が重ならないように載せられているものとして物体の第1の位置の認識処理を実行する、
上記(2)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6)前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てた前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、第1の位置における物体の第1の向きをさらに認識する、
上記(2)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)前記認識部は、第1の位置にて物体が載せられていると認識される静電容量センサのマトリックスの行毎の検出値の合計値と列毎の検出値の比較結果に基づいて、物体が縦置き又は横置きのいずれの状態であるかを第1の向きとして認識する、
上記(6)に記載の情報処理装置。
(8)前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てない前記のすべての静電容量センサの検出値の分布に基づいて、物体の第1の位置からの静電容量センサ間の間隔内の偏りを含む第2の位置を認識する、
上記(2)乃至(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)前記認識部は、第1の位置で物体が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出して、領域間での合計値を比較した結果に基づいて、物体の第2の位置を認識する、
上記(8)に記載の情報処理装置。
(10)前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てない前記のすべての静電容量センサの検出値の分布に基づいて、第2の位置における物体の第2の向きをさらに認識する、
上記(2)乃至(9)のいずれかに記載の情報処理装置。
(11)前記認識部は、第1の位置で物体が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出し、各特徴点を含む領域を左右に分けて左側の領域間で合計値の差分と右側の領域間で合計値の差分を大小比較した結果に基づいて、物体の第2の向きを認識する、
上記(10)に記載の情報処理装置。
(12)外部装置と接続する接続部をさらに備え、
 前記接続部を介して前記認識部による認識結果を前記外部装置に通知する、
上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13)複数のアンテナ・コイルを有するリーダ/ライタ部と、
 前記認識部による認識結果に基づいて、物体に含まれるRFIDタグとの近接無線通信に用いるアンテナ・コイルを切り替える制御部と、
をさらに備える上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)外部装置と接続する接続部をさらに備え、
 前記リーダ/ライタ部が前記RFIDタグから読み取った情報を前記接続部から前記外部装置に送信し、又は、前記接続部を介して前記外部装置から受信した情報を前記リーダ/ライタ部が前記RFIDタグに記録する、
上記(13)に記載の情報処理装置。
(15)操作面に沿って2次元アレイ状に配置した複数の静電容量センサを有する検出部を備えた情報処理装置の制御方法であって、
 前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、前記操作面上に載せられた物体を認識する認識ステップを有する情報処理装置の制御方法。

符号の説明

[0139]
 100…情報処理システム
 200…ゲーム機本体(スマートフォンやタブレットなどの情報端末)
 201…画面
 211…制御部、212…表示部、213…音声出力部
 214…入力部、215…ネットワーク接続部、216…接続制御部
 300…パッド
 301…制御部、302…リーダ/ライタ部
 303…カード検出部、304…接続制御部
 400…カード、401…RFIDタグ、402…カード本体
 500…サーバ
 501…ユーザ認証部、502…商品登録部
 503…決済処理部、504…取引管理部
 505…カード認証部、506…カード書込み部
 1101…処理部、1102…アンテナ共振回路
 1111…処理部、1112…アンテナ共振回路
 1113…負荷切替変調回路
 1901…カード位置・向き認識部
 1902…アンテナ切り替え制御部

請求の範囲

[請求項1]
 操作面に沿って2次元アレイ状に配置した複数の静電容量センサを有する検出部と、
 前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、前記操作面上に載せられた物体を認識する認識部と、
を具備する情報処理装置。
[請求項2]
 前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てた前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、物体の第1の位置を認識する、
請求項1に記載の情報処理装置。
[請求項3]
 前記認識部は、物体に含まれる金属部分と同程度の面積からなる静電容量センサのマトリックスのうち、静電容量センサの検出値の合計が最大又は所定の閾値を上回るマトリックスの位置を物体の第1の位置として認識する、
請求項2に記載の情報処理装置。
[請求項4]
 前記認識部は、検出値の合計が所定の閾値を下回るまで、すべて物体の第1の位置の認識処理を行なう、
請求項3に記載の情報処理装置。
[請求項5]
 前記認証部は、2以上の物体が重ならないように載せられているものとして物体の第1の位置の認識処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理装置。
[請求項6]
 前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てた前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、第1の位置における物体の第1の向きをさらに認識する、
請求項2に記載の情報処理装置。
[請求項7]
 前記認識部は、第1の位置にて物体が載せられていると認識される静電容量センサのマトリックスの行毎の検出値の合計値と列毎の検出値の比較結果に基づいて、物体が縦置き又は横置きのいずれの状態であるかを第1の向きとして認識する、
請求項6に記載の情報処理装置。
[請求項8]
 前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てない前記のすべての静電容量センサの検出値の分布に基づいて、物体の第1の位置からの静電容量センサ間の間隔内の偏りを含む第2の位置を認識する、
請求項2に記載の情報処理装置。
[請求項9]
 前記認識部は、第1の位置で物体が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出して、領域間での合計値を比較した結果に基づいて、物体の第2の位置を認識する、
請求項8に記載の情報処理装置。
[請求項10]
 前記認識部は、所定の閾値未満の検出値を切り捨てない前記のすべての静電容量センサの検出値の分布に基づいて、第2の位置における物体の第2の向きをさらに認識する、
請求項2に記載の情報処理装置。
[請求項11]
 前記認識部は、第1の位置で物体が載せられた複数の静電容量センサ群から、特徴点となる複数の静電容量センサを抽出し、各特徴点を含む領域毎に静電容量センサの検出値の合計値を算出し、各特徴点を含む領域を左右に分けて左側の領域間で合計値の差分と右側の領域間で合計値の差分を大小比較した結果に基づいて、物体の第2の向きを認識する、
請求項10に記載の情報処理装置。
[請求項12]
 外部装置と接続する接続部をさらに備え、
 前記接続部を介して前記認識部による認識結果を前記外部装置に通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
[請求項13]
 複数のアンテナ・コイルを有するリーダ/ライタ部と、
 前記認識部による認識結果に基づいて、物体に含まれるRFIDタグとの近接無線通信に用いるアンテナ・コイルを切り替える制御部と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
[請求項14]
 外部装置と接続する接続部をさらに備え、
 前記リーダ/ライタ部が前記RFIDタグから読み取った情報を前記接続部から前記外部装置に送信し、又は、前記接続部を介して前記外部装置から受信した情報を前記リーダ/ライタ部が前記RFIDタグに記録する、
請求項13に記載の情報処理装置。
[請求項15]
 操作面に沿って2次元アレイ状に配置した複数の静電容量センサを有する検出部を備えた情報処理装置の制御方法であって、
 前記の各静電容量センサの検出値の分布に基づいて、前記操作面上に載せられた物体を認識する認識ステップを有する情報処理装置の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]