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1. (WO2018179781) 車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法
Document

明 細 書

発明の名称 車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098  

産業上の利用可能性

0099  

符号の説明

0100  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3A   3B   4A   4B   5   6   7   8   9   10A   10B  

明 細 書

発明の名称 : 車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法

技術分野

[0001]
 本開示は、車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 鉄道の駅に停車した列車(鉄道車両)において、乗客が乗降するドアに、乗客の荷物、例えば傘や鞄などが挟み込まれることがあり、このような異物の挟み込みを駅員や列車の乗務員が発見した場合には、異物を取り除く処置を行えばよいが、近年、ドアに異物が挟み込まれたままで列車が発車してしまう事故が多発している。このため、ドアにおける異物の挟み込みを検知して、異物の挟み込みが発生したことを駅員や列車の乗務員に報知する技術が望まれる。
[0003]
 このような列車のドアにおける異物の挟み込みを検知して報知する技術として、従来、列車の車体におけるドアの上部にカメラを設けて、このカメラで撮影されたカメラ画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、異物の挟み込みが発生している場合に、乗務員室に設けられたモニタにカメラ画像を表示して、異物の挟み込みの状況を乗務員が目視で確認できるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第4163428号公報

発明の概要

[0005]
 さて、前記従来の技術では、全ての列車にカメラを設ける必要があり、カメラが設けられていない列車では、ドアにおける異物の挟み込みを検知することができないという問題があった。
[0006]
 このような問題を解決するには、カメラを、列車の車体ではなくホーム側に設置することが考えられる。しかしながら、全ての列車が同じ位置に停止することはなく、列車の停止位置がずれる場合がある。このため、ホーム側に設置されたカメラでは、列車の停止位置がずれるのに応じて、カメラ画像内でのドアの位置もずれることで、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができないという問題が生じる。
[0007]
 そこで、本開示は、車両のドアを外部カメラで撮影する場合でも、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができる車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法を提供することを主な目的とする。
[0008]
 本開示の車両ドア監視システムは、車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う処理を、プロセッサにより実行する車両ドア監視システムであって、プロセッサは、カメラ画像からドアを検出し、検出されたドアの位置に基づいて、判定エリアを設定し、カメラ画像から判定エリアの画像を取得し、判定エリアの画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定し、その判定結果に応じて報知出力を行う構成とする。
[0009]
 また、本開示の車両ドア監視方法は、車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う処理を、プロセッサにより実行する車両ドア監視方法であって、カメラ画像からドアを検出し、検出されたドアの位置に基づいて、判定エリアを設定し、カメラ画像から判定エリアの画像を取得し、判定エリアの画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定し、その判定結果に応じて報知出力を行う構成とする。
[0010]
 本開示によれば、カメラ画像からドアを検出して、検出されたドアの位置に基づいて判定エリアを設定する。このため、車両のドアを外部カメラで撮影することで、列車の停止位置がずれるのに応じて、カメラ画像におけるドアの位置がずれた場合でも、判定エリアを適切に設定して、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 図1は、本実施形態に係る車両ドア監視システムの全体構成図である。
[図2] 図2は、カメラ1の設置状況を示す説明図である。
[図3A] 図3Aは、通常位置のドアのカメラ画像に設定される判定エリアの状況を示す説明図である。
[図3B] 図3Bは、位置ずれのドアのカメラ画像に設定される判定エリアの状況を示す説明図である。
[図4A] 図4Aは、通常位置のドアのカメラ画像に設定される判定エリアの状況を示す説明図である。
[図4B] 図4Bは、位置ずれのドアのカメラ画像に設定される判定エリアの状況を示す説明図である。
[図5] 図5は、監視装置2の概略構成を示すブロック図である。
[図6] 図6は、監視装置2で行われる処理の手順を示すフロー図である。
[図7] 図7は、監視装置2で行われる処理の手順の別例を示すフロー図である。
[図8] 図8は、監視装置2で行われる処理の手順の別例を示すフロー図である。
[図9] 図9は、モニタ21に表示される監視画面を示す説明図である。
[図10A] 図10Aは、報知装置3で行われる正常状態での報知動作の概要を示す説明図である。
[図10B] 図10Bは、報知装置3で行われる異常状態での報知動作の概要を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 前記課題を解決するためになされた第1の発明は、車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う処理を、プロセッサにより実行する車両ドア監視システムであって、プロセッサは、カメラ画像からドアを検出し、検出されたドアの位置に基づいて、判定エリアを設定し、カメラ画像から判定エリアの画像を取得し、判定エリアの画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定し、その判定結果に応じて報知出力を行う構成とする。
[0013]
 これによると、カメラ画像からドアを検出して、検出されたドアの位置に基づいて判定エリアを設定する。このため、車両のドアを外部カメラで撮影することで、列車の停止位置がずれるのに応じて、カメラ画像におけるドアの位置がずれた場合でも、判定エリアを適切に設定して、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができる。
[0014]
 また、第2の発明は、プロセッサは、異物の挟み込みがない正常状態と異物の挟み込みがある異常状態との2クラスを予め学習した識別器を用いて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定する構成とする。
[0015]
 これによると、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができる。
[0016]
 また、第3の発明は、プロセッサは、カメラ画像に写るドアの開口部を検出して、その開口部の位置に基づいて、判定エリアを設定する構成とする。
[0017]
 これによると、判定エリアを適切に設定することができる。
[0018]
 また、第4の発明は、プロセッサは、カメラ画像に写るドアの戸先部を検出して、その戸先部の位置に基づいて、判定エリアを設定する構成とする。
[0019]
 これによると、判定エリアを適切に設定することができる。
[0020]
 また、第5の発明は、プロセッサは、カメラ画像からドアを検出した状態が所定時間継続したタイミングで、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定する構成とする。
[0021]
 これによると、ドアを検出する際の誤検出を抑制することができる。
[0022]
 また、第6の発明は、プロセッサは、カメラ画像からドアを検出する処理が所定数以上のドアで完了したタイミングで、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定する構成とする。
[0023]
 これによると、ドアを検出する際の誤検出を抑制することができる。
[0024]
 また、第7の発明は、プロセッサは、報知出力として、報知装置に所定の報知動作を行わせる制御信号を送信する構成とする。
[0025]
 これによると、ドアにおける異物の挟み込みの有無の判定結果に応じた報知動作が報知装置で行われるため、異物の挟み込みの状況を従業員が即座に把握することができる。
[0026]
 また、第8の発明は、プロセッサは、報知出力として、表示装置に、ドアにおける異物の挟み込みの有無に対応した状態画像をカメラ画像に重畳して表示する構成とする。
[0027]
 これによると、ドアにおける異物の挟み込みの有無に対応した状態画像がカメラ画像に重畳して表示されるため、異物の挟み込みの状況を従業員が即座にかつ詳細に把握することができる。
[0028]
 また、第9の発明は、プロセッサは、報知出力として、従業員が所持する携帯端末に所定の報知動作を行わせる通知信号を送信する構成とする。
[0029]
 これによると、ドアにおける異物の挟み込みが発生したことを、駅のホームに滞在する従業員(駅員や監視員など)に報知することができるため、異物を取り除く処置に迅速に着手することができる。
[0030]
 また、第10の発明は、車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う処理を、プロセッサにより実行する車両ドア監視方法であって、カメラ画像からドアを検出し、検出されたドアの位置に基づいて、判定エリアを設定し、カメラ画像から判定エリアの画像を取得し、判定エリアの画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定し、その判定結果に応じて報知出力を行う構成とする。
[0031]
 これによると、第1の発明と同様に、車両のドアを外部カメラで撮影する場合でも、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができる。
[0032]
 以下、実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[0033]
 図1は、本実施形態に係る車両ドア監視システムの全体構成図である。
[0034]
 この車両ドア監視システムは、鉄道の駅に停車している列車(鉄道車両)において、乗客が乗降するドアにおける異物の挟み込みを検知して、ドアにおける異物の挟み込みの状態を従業員(駅員、車掌などの乗務員など)に報知するものであり、複数のカメラ1と、監視装置2と、報知装置3と、携帯端末4と、を備えている。
[0035]
 カメラ1、監視装置2および報知装置3は、有線LAN(構内ネットワーク)を介して相互に接続されている。また、携帯端末4は、無線LANを介して監視装置2と接続されている。なお、このような有線LANおよび無線LANに限定されるものではなく、適宜な通信方式を採用すればよい。
[0036]
 カメラ1は、駅に停車している列車のドアの周辺を撮影する。このカメラ1は、撮影により生成したカメラ画像を、有線LANを介して監視装置2に送信する。
[0037]
 監視装置2は、PCなどの情報処理装置で構成され、車両ドア監視用のアプリケーションプログラムがインストールされている。この監視装置2では、カメラ1から送信されるカメラ画像を受信し、カメラ画像からドアを検出して、ドアにおける異物の挟み込みの状態を検知する処理が行われる。この監視装置2は、駅の監視室などに設置される。
[0038]
 また、監視装置2は、モニタ21(表示装置)を備えている。このモニタ21の監視画面には、カメラ画像が表示され、監視エリアの実際の状況を従業員(駅員など)が確認することができる。また、モニタ21の監視画面には、ドアにおける異物の挟み込みの状態が表示され、異物の挟み込みの状態を従業員に報知する。
[0039]
 なお、このモニタ21は、従業員が監視画面を閲覧できるように、監視室に設置すればよいが、ホームに設置して、従業員(駅員、乗務員、監視員など)が閲覧できるようにしてもよい。また、モニタを、列車の乗務員室(車掌室など)に設置して、適宜な無線通信を介して監視装置2から画面情報を送信することで、列車の乗務員(車掌など)が監視画面を閲覧することができるようにしてもよい。また、駅のホームに設置されたデジタルサイネージに、モニタと同様に、ドアにおける異物の挟み込みの状態を表示するようにしてもよい。
[0040]
 報知装置3は、ランプ31およびブザー32を備えており、このランプ31の点灯およびブザー32の鳴動により、ドアにおける異物の挟み込みの状態を従業員に報知する。この報知装置3では、監視装置2から送信される制御情報を受信し、その制御情報に基づいてランプ31およびブザー32が所定の報知動作を行う。なお、この報知装置3は、駅の監視室などに設置されるようにすればよいが、列車の乗務員室(車掌室など)に設置して、適宜な無線通信を介して監視装置2から制御情報を送信することで、列車の乗務員(車掌など)に報知するようにしてもよい。
[0041]
 携帯端末4は、スマートフォンやタブレット端末などであり、従業員(駅員、乗務員、監視員など)が所持するものであり、報知装置3での報知動作に同期して、監視装置2から通知信号を送信するプッシュ通知を行うことにより、所定のアラート画面の表示やバイブレーションにより、ドアにおける異物の挟み込みの状態を従業員に報知する。また、監視装置2にアクセスすることで、モニタ21と同様の監視画面を表示させることができる。
[0042]
 これにより、従業員が任意の場所で、ドアにおける異物の挟み込みが発生した旨の報知を携帯端末4で受け取ることができるため、従業員が異物の挟み込みを解消する作業に迅速に着手することができる。
[0043]
 次に、カメラ1の設置状況について説明する。図2は、カメラ1の設置状況を示す説明図である。
[0044]
 カメラ1は、駅のプラットホーム側、例えばプラットホームの屋根や柱に設置され、列車のドアの周辺部を斜め上方から撮影する。また、カメラ1は、列車が停止した状態で、列車の各ドアに対応する位置に設置され、各ドアを個別に撮影する。また、複数のドアがカメラ1の撮影範囲に収まるようにして、カメラ1を設置するようにしても良い。その場合、撮影画像中に写る複数のドアに対する異物の挟み込みの判定がそれぞれ実行される。
[0045]
 次に、カメラ画像に設定される判定エリアについて説明する。図3A,図3Bおよび図4A,図4Bは、カメラ画像に設定される判定エリアの状況を示す説明図である。
[0046]
 図3A,図3Bおよび図4A,図4Bに示すように、カメラ1は、駅に停車している1本の列車の各ドアを個別に撮影し、カメラ画像には、1つのドアの周辺部が写る。ここで、列車の停止位置が通常位置からずれると、図3A,図3Bおよび図4A,図4Bに示すように、カメラ画像内でのドアの位置もずれる。
[0047]
 そこで、本実施形態では、カメラ画像からドアの領域を検出して、その領域の位置情報を取得して、その位置情報に基づいて、異物の挟み込みを判定する際の判定エリアを設定する。
[0048]
 特に、図3A,図3Bに示す例では、カメラ画像からドアの開口部(開放エリア)、すなわち、車体とドアパネルとの境界で区画された領域を検出して、この開口部の位置情報に基づいて判定エリアを設定する。この場合、開口部の検出領域の左右方向の中心から所定の幅の範囲に判定エリアを設定する。
[0049]
 一方、図4A,図4Bに示す例では、ドアの戸先部(戸先ゴム)、すなわち、左右のドアが接する部分の領域を検出して、この戸先部の位置情報に基づいて判定エリアを設定する。この場合、戸先部の検出領域の左右方向の中心から所定の幅の範囲に判定エリアを設定する。
[0050]
 なお、図3A,図3Bおよび図4A,図4Bに示す例では、ドアを斜め上方から撮影したカメラ画像に判定エリアを設定するようにしたが、ドアを正面から見たような状態となるようにカメラ画像の歪みを補正した上で、判定エリアを設定するようにしてもよい。
[0051]
 また、図3A,図3Bおよび図4A,図4Bに示す例では、両開き式のドアとしたが、片開き式のドアでも同様に異物の挟み込みの状態を検知することができる。また、判定エリアは、方形の他、台形や平行四辺形など、種々の形状で設定することができる。
[0052]
 次に、監視装置2について説明する。図5は、監視装置2の概略構成を示すブロック図である。
[0053]
 監視装置2は、モニタ21と、通信部22と、プロセッサ23と、記憶部24と、を備えている。
[0054]
 通信部22は、ネットワークを介してカメラ1および報知装置3との間で通信を行う。本実施形態では、各カメラ1から送信されるカメラ画像を受信する。また、報知装置3に所要の報知動作を行わせるための制御情報を報知装置3に送信する。
[0055]
 記憶部24は、通信部22で受信したカメラ画像や、各種の設定情報や、プロセッサ23で実行されるプログラムを記憶する。
[0056]
 プロセッサ23は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することで、各種の処理を行う。本実施形態では、ドア検出、判定エリア設定、判定エリア画像抽出、挟み込み判定、および報知出力の処理を行う。
[0057]
 ドア検出処理では、カメラ画像からドアの領域を検出して、その領域の位置情報を取得する。本実施形態では、ドアの開口部(図3A,図3B参照)、または、ドアの戸先部(図4A,図4B参照)を検出して、その開口部または戸先部の位置情報を取得する。
[0058]
 なお、このドア検出処理では、ドアの閉状態のタイミングでカメラ画像を取得して、そのドアの閉状態でのカメラ画像から抽出される特徴情報からドアの領域(開口部または戸先部)を検出すればよい。また、ドアの開状態のタイミングでもカメラ画像を取得して、ドアの開状態での特徴情報と閉状態での特徴情報との両方に基づいてドアの領域を検出するようにしてもよい。
[0059]
 判定エリア設定処理では、ドア検出処理で取得したドアの領域(開口部または戸先部)の位置情報に基づいて、挟み込み判定の対象となる判定エリアを設定する。
[0060]
 判定エリア画像抽出処理では、判定エリア設定処理で取得した判定エリアの位置情報に基づいて、カメラ画像から判定エリアの画像を切り出す。
[0061]
 挟み込み判定処理では、判定エリア画像取得処理で取得した判定エリアの画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無、すなわち、異物の挟み込みがない正常状態と、異物の挟み込みがある異常状態とのいずれであるかを判定する。
[0062]
 報知出力処理では、挟み込み判定処理での判定結果に応じた報知動作を行うための情報を出力する。本実施形態では、モニタ21および報知装置3に報知動作を行わせる。すなわち、表示情報をモニタ21に出力して、このモニタ21の画面上で、異物の挟み込みの状態(正常状態および異常状態)をユーザに報知する。また、報知装置3に所定の報知動作を行わせる制御情報を報知装置3に出力して、この報知装置3において、ランプ31の点灯およびブザー32の鳴動により、異物の挟み込みの状態をユーザに報知する。
[0063]
 なお、列車には、ドアの先端に設けられた戸先ゴムの変形により異物の挟み込みを検知するセンサ(図示せず)が設けられているが、このセンサによる異物の挟み込みの検知と、本実施形態による異物の挟み込みの検知とは併用することができる。戸先ゴムの変形によるセンサでは、細い異物や薄い異物、例えばバックのベルトや、傘の先や、衣服などの異物を精度よく検知することができないが、本実施形態では、このような異物も精度よく検知することができる。
[0064]
 ところで、挟み込み判定処理では、ディープラーニングにより、異物の挟み込みがない正常状態と異物の挟み込みがある異常状態との2クラスを予め学習させた識別器が用いられる。挟み込み判定の際には、識別器により、判定エリアの画像に関して正常状態としての尤度(確からしさ)と異常状態としての尤度とを求めて、2つの尤度を比較することで、正常状態と異常状態とのいずれであるかを判定する。
[0065]
 また、ドア検出処理でも、ディープラーニングにより、対象となる各種の列車のドアの領域(開口部または戸先部)を予め学習させた識別器が用いられる。ドア検知の際には、識別器により、カメラ画像内の各領域に関してドア(開口部または戸先部)の領域としての尤度を求めて、その尤度が所定のしきい値を超える領域が存在すれば、その領域をドアの領域と判定する。
[0066]
 このようにディープラーニングの手法を採用することで、種々の型式の列車やラッピングが施された列車を対象にして、挟み込み判定やドア検出を精度よく行うことができる。また、日照変動による影響を受けにくい挟み込み判定やドア検出を行うことができる。また、挟み込み判定で、多様な異物が挟まった状態を検知することができる。
[0067]
 次に、監視装置2で行われる処理の手順について説明する。図6は、監視装置2で行われる処理の手順を示すフロー図である。
[0068]
 本実施形態では、列車のドアが閉じたタイミングで、判定エリアの画像を取得して、異物の挟み込みの有無を判定する。
[0069]
 具体的には、監視装置2のプロセッサ23において、まず、列車の乗務員がドアの開閉スイッチを操作するのに応じて出力されるドア閉信号の受信を検知すると(ST101)、カメラ1からカメラ画像を取得する(ST102)。次に、カメラ画像からドアを検出して、ドアの位置情報を取得する(ST103)。次に、ドアの位置情報に基づいて、判定エリアを設定する(ST104)。次に、カメラ画像から判定エリアの画像を抽出する(ST105)。次に、判定エリアの画像に基づいて、異物の挟み込みの有無を判定する(ST106)。
[0070]
 そして、挟み込み判定で、異物の挟み込みがあると判定された場合には(ST107でYes)、モニタ21や報知装置3に所定の報知動作を行わせるための報知出力を行う(ST108)。一方、異物の挟み込みがないと判定された場合には(ST107でNo)、特別な動作は行わない。
[0071]
 なお、図6に示す例では、列車のドアが閉じたことを検知するために、ドア閉信号を受信するようにしたが、ドア閉信号に限定されるものではなく、例えば発車ベルの操作信号など、ドアを閉鎖したタイミングや列車を発車させるタイミングで、列車の乗務員室や駅の監視室やホームに設置された操作機器から送信される何らかの通知信号を受信するようにすればよい。
[0072]
 次に、監視装置2で行われる処理の手順の別例について説明する。図7および図8は、監視装置2で行われる処理の手順の別例を示すフロー図である。
[0073]
 図7に示す例では、カメラ画像から閉状態のドア(開口部または戸先部)が検出される状態が所定時間継続したタイミングで、異物の挟み込みの判定を行う。なお、監視装置2では、カメラ1から送信されるカメラ画像を所定の時間間隔で定期的に受信する。
[0074]
 具体的には、監視装置2のプロセッサ23において、まず、列車の乗務員がドアの開閉スイッチを操作するのに応じて出力されるドア閉信号の受信を検知すると(ST101)、カメラ1からカメラ画像を取得する(ST102)。次に、カメラ画像からドアを検出して、ドアの位置情報を取得する(ST103)。次に、カメラ画像から閉状態のドアが検出される状態が所定時間継続したか否かを判定する(ST201)。
[0075]
 ここで、カメラ画像から閉状態のドアが検出される状態が所定時間継続していない場合には(ST201でNo)、次のカメラ画像の処理に進み、カメラ画像の取得(ST102)以降の処理が繰り返される。
[0076]
 一方、カメラ画像から閉状態のドアが検出される状態が所定時間継続した場合には(ST201でYes)、次に、ドアの検出(ST103)で取得したドアの位置情報に基づいて、判定エリアを設定する(ST104)。以降は、図6に示した例と同様である。
[0077]
 なお、図7に示す例では、図6に示した例と同様に、ドア閉信号を受信したタイミングで、カメラ画像の取得(ST101)を開始するようにしたが、カメラ1から受信したカメラ画像からドアを検出する処理を常時行うようにしてもよい。
[0078]
 図8に示す例では、カメラ画像から閉状態のドアを検出する処理が所定数以上のドアで完了したタイミングで、異物の挟み込みの判定を行う。
[0079]
 具体的には、監視装置2のプロセッサ23において、まず、列車の乗務員がドアの開閉スイッチを操作するのに応じて出力されるドア閉信号の受信を検知すると(ST101)、カメラ1からカメラ画像を取得する(ST102)。次に、カメラ画像からドアを検出して、ドアの位置情報を取得する(ST103)。次に、カメラ画像から閉状態のドアを検出する処理が所定数以上のドアで完了したか否かを判定する(ST211)。
[0080]
 ここで、カメラ画像から閉状態のドアを検出する処理が所定数以上のドアで完了していない場合には(ST211でNo)、次のカメラ画像の処理に進み、カメラ画像の取得(ST102)以降の処理が繰り返される。
[0081]
 一方、カメラ画像から閉状態のドアを検出する処理が所定数以上のドアで完了した場合には(ST211でYes)、次に、ドアの検出(ST103)で取得したドアの位置情報に基づいて、判定エリアを設定する(ST104)。以降は、図6に示した例と同様である。
[0082]
 なお、図7および図8に示した例では、図6に示した例と同様に、ドア閉信号を受信したタイミングで、カメラ画像の取得(ST101)を開始するようにしたが、カメラ1から受信したカメラ画像からドアを検出する処理を常時行うようにしてもよい。
[0083]
 また、図7に示したドア検出状態継続の判定(ST201)と、図8に示したドア検出数の判定(ST211)とを組み合わせるようにしてもよい。すなわち、カメラ画像から閉状態のドアが検出される状態が所定時間継続したことが、所定数以上のドアで確認された場合に、判定エリアの設定(ST104)に進むようにする。
[0084]
 また、本実施形態では、ドア閉信号の受信に応じて、監視動作(ドア検出、判定エリア設定、挟み込み判定)を開始するようにしたが、カメラ画像からドアの閉状態を検知して監視動作を開始するようにしてもよい。
[0085]
 次に、モニタ21で行われる報知動作について説明する。図9は、モニタ21に表示される監視画面を示す説明図である。
[0086]
 この監視画面は、列車のドアの状況を監視者が監視するものである。この監視画面には、カメラ画像表示部41が設けられており、このカメラ画像表示部41に、1つの列車の各ドアの周辺を撮影した複数のカメラ画像42が並べて表示され、各ドアの実際の状況を従業員(駅員など)が確認することができる。また、複数の車両が連結されて、他の車両の各ドアの状況を表示させる場合には、画像送りボタン47を用いて、他の車両のカメラ画像42を読み込むようにする。また、監視画面の一部に列車の編成を表わす列車アイコン(図示せず)を表示しておき、表示したい車両を指定する操作にしたがって、指定の車両のカメラ画像42を読み込むようにしても良い。なお、列車アイコンを用いる場合には、異物挟みのある車両が一目で分かるように、異物挟みのない車両と異なる表示態様にすると良い。
[0087]
 カメラ画像表示部41では、判定エリアが設定されると、その判定エリアを表す枠画像43(状態画像)が、カメラ画像42上に重畳して表示される。この枠画像43は、異物の挟み込みの状態(正常状態および異常状態)に応じて表示形態が変化する。具体的には、異物の挟み込みが検知されると、枠画像43の色が変化する。例えば、異物の挟み込みがない正常状態では、枠画像43が緑色で表示され、異物の挟み込みが発生した異常状態では、枠画像43が赤色に変化する。これにより、各ドアにおける異物の挟み込みの有無を監視者に報知することができる。
[0088]
 また、この監視画面には、状態表示アイコン45が表示される。この状態表示アイコン45は、異物の挟み込みの状態(正常状態および異常状態)に応じて表示形態が変化する(図10A,図10B参照)。例えば、異物の挟み込みがない正常状態では、状態表示アイコン45が緑色で表示されるとともに、状態表示アイコン45に「異物挟みなし」の文字が表示される。異物の挟み込みが発生した異常状態では、状態表示アイコン45が赤色で表示されるとともに、状態表示アイコン45に「異物挟みあり」の文字が表示される。
[0089]
 この状態表示アイコン45は、1つの列車の全てのドアを対象としており、1つの列車の全てのドアの中で、異物の挟み込みが1つでも発生していれば、状態表示アイコン45が異常状態の表示形態に変化する。これにより、1つの列車における異物の挟み込みの有無を監視者に報知することができる。
[0090]
 また、監視画面には設定ボタン46が設けられている。この設定ボタン46を操作すると、図示しない設定画面に遷移する。この設定画面では、各種の処理条件(判定のしきい値など)などをユーザが指定することができる。
[0091]
 なお、本実施形態では、異物の挟み込みが検知されると、判定エリアを表す枠画像43の色が変化するようにしたが、枠画像43の表示形態の変化はこれに限定されるものではない。例えば、正常時には枠画像43が表示されず、異物の挟み込みが検知されると、枠画像43が表示されようにしてもよい。また、正常時に枠画像43が表示され、異物の挟み込みが検知されると、枠画像43が点滅表示されるようにしてもよい。また、異物の挟み込みが検知されると、枠画像43が強調表示される、例えば、枠画像の線(枠線)の太さが変化するようにしてもよい。
[0092]
 次に、報知装置3で行われる報知動作について説明する。図10A,図10Bは、報知装置3で行われる報知動作の概要を示す説明図である。
[0093]
 報知装置3には、緑色および赤色のランプ31a,31bが設けられており、このランプ31a,31bの点灯状態を変化させることで、状態表示アイコン45と同様に、異物の挟み込みがない正常状態と、異物の挟み込みが発生した異常状態とのいずれであるかを監視者に報知する。具体的には、例えば正常状態では緑色のランプ31aを点灯させ、異常状態では赤色のランプ31bを点滅させる。
[0094]
 また、報知装置3では、ランプ31の点灯の他に、ブザー32の鳴動により、正常状態から異常状態に変化したことを監視者に報知する。
[0095]
 なお、報知装置3を、緑色、黄色および赤色のランプを備えたものとして、異物の挟み込みの判定において、判定の確度が低い場合に、黄色のランプを点灯させるようにしてもよい。また、報知装置3を、1つのランプを備えたものとして、異常状態となるとランプが点灯したり点滅したりするようにしてもよい。
[0096]
 なお、異物の挟み込みが発生した異常状態の報知を監視者が手動で解除するようにしてもよいが、異常状態の報知の解除を、監視装置2が自動で行うようにしてもよい。すなわち、監視装置2で行われる監視動作を列車が発車するまで継続するようにすると、ドアにおける異物の挟み込みが解消されて、異物の挟み込みがない正常状態に変化したことも検知することができる。このため、モニタ21の監視画面に表示される状態表示アイコン45や報知装置3を正常状態に復帰させて、ドアにおける異物の挟み込みが解消されたことを監視者に報知することができる。
[0097]
 以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
[0098]
 例えば、前記の実施形態では、列車(鉄道車両)のドアを対象にして異物の挟み込みを検知するようにとしたが、異物の挟み込みの検知対象は列車のドアに限定されるものではなく、バスなどの他の車両のドアを対象にして異物の挟み込みを検知するようにしてもよい。

産業上の利用可能性

[0099]
 本開示に係る車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法は、車両のドアを外部カメラで撮影する場合でも、ドアにおける異物の挟み込みの判定を精度よく行うことができる効果を有し、車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う車両ドア監視システムおよび車両ドア監視方法などとして有用である。

符号の説明

[0100]
1 カメラ(外部カメラ)
2 監視装置
3 報知装置
4 携帯端末
21 モニタ(表示装置)
22 通信部
23 プロセッサ
24 記憶部
42 カメラ画像
43 枠画像(状態画像)

請求の範囲

[請求項1]
 車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う処理を、プロセッサにより実行する車両ドア監視システムであって、
 前記プロセッサは、
 前記カメラ画像から前記ドアを検出し、
 検出された前記ドアの位置に基づいて、判定エリアを設定し、
 前記カメラ画像から前記判定エリアの画像を取得し、
 前記判定エリアの画像に基づいて、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定し、
 その判定結果に応じて報知出力を行うことを特徴とする車両ドア監視システム。
[請求項2]
 前記プロセッサは、
 異物の挟み込みがない正常状態と異物の挟み込みがある異常状態との2クラスを予め学習した識別器を用いて、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両ドア監視システム。
[請求項3]
 前記プロセッサは、
 前記カメラ画像に写る前記ドアの開口部を検出して、その開口部の位置に基づいて、前記判定エリアを設定することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項4]
 前記プロセッサは、
 前記カメラ画像に写る前記ドアの戸先部を検出して、その戸先部の位置に基づいて、前記判定エリアを設定することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項5]
 前記プロセッサは、
 前記カメラ画像から前記ドアを検出した状態が所定時間継続したタイミングで、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項6]
 前記プロセッサは、
 前記カメラ画像から前記ドアを検出する処理が所定数以上の前記ドアで完了したタイミングで、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項7]
 前記プロセッサは、
 前記報知出力として、報知装置に所定の報知動作を行わせる制御信号を送信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項8]
 前記プロセッサは、
 前記報知出力として、表示装置に、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無に対応した状態画像を前記カメラ画像に重畳して表示することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項9]
 前記プロセッサは、
 前記報知出力として、従業員が所持する携帯端末に所定の報知動作を行わせる通知信号を送信することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の車両ドア監視システム。
[請求項10]
 車両のドアの周辺を外部カメラで撮影したカメラ画像に基づいて、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定して、その判定結果に応じて報知を行う処理を、プロセッサにより実行する車両ドア監視方法であって、
 前記カメラ画像から前記ドアを検出し、
 検出された前記ドアの位置に基づいて、判定エリアを設定し、
 前記カメラ画像から前記判定エリアの画像を取得し、
 前記判定エリアの画像に基づいて、前記ドアにおける異物の挟み込みの有無を判定し、
 その判定結果に応じて報知出力を行うことを特徴とする車両ドア監視方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]