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1. (WO2018179750) 環境制御システム、及び、環境制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 環境制御システム、及び、環境制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083  

符号の説明

0084  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4   5   6  *   7  *   8  *   9  *  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 環境制御システム、及び、環境制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、環境制御システム、及び、環境制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、空間における温度などの分布をシミュレーションする方法が提案されている。特許文献1には、吹出気流分布のシミュレーション方法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2009-281626号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、空間内の任意の位置を、目標の環境状態にすることは難しい。例えば、空調機器によって空間内が空調される場合、当該空調は、空調機器が備えるセンサが検知した温度または湿度に基づいて行われる。このため、空間内のセンサが配置されていない位置を目標温度または目標湿度にすることは難しい。
[0005]
 本発明は、空間内の任意の位置を目標の環境状態に近づけることができる環境制御システム、及び、環境制御方法を提供する。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一態様に係る環境制御システムは、空間内の流体モデルが記憶された記憶部と、前記空間内の流体パラメータ情報、及び、前記空間内に配置された1以上の機器の動作状態を取得する取得部と、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元環境分布を推定する推定部と、推定された前記三次元環境分布に基づいて、前記1以上の機器を制御する制御部とを備える。
[0007]
 本発明の一態様に係る環境制御方法は、空間内の流体モデルが記憶された記憶部を備える環境制御システムによって実行される環境制御方法であって、前記空間内の流体パラメータ情報、及び、前記空間内に配置された1以上の機器の動作状態を取得し、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元環境分布を推定し、推定された前記三次元環境分布に基づいて、前記1以上の機器を制御する。

発明の効果

[0008]
 本発明の一態様に係る環境制御システム、及び、環境制御方法は、空間内の任意の位置を目標の環境状態に近づけることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 図1は、実施の形態に係る環境制御システムの概要を示す図である。
[図2] 図2は、実施の形態に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
[図3] 図3は、実施の形態に係る環境制御システムの動作のフローチャートである。
[図4] 図4は、ユーザの操作の対象となる画像の一例を示す図である。
[図5] 図5は、三次元温度分布の補正を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
[0011]
 なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
[0012]
 (実施の形態)
 [環境制御システムの概要]
 まず、実施の形態に係る環境制御システムの全体構成について説明する。図1は、実施の形態に係る環境制御システムの概要を示す図である。図2は、実施の形態に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
[0013]
 図1及び図2に示されるように、環境制御システム100は、ユーザ60が制御装置30を操作することにより、空調機器10を制御し、空間50内の任意の位置を目標の温度にすることができるシステムである。環境制御システム100は、空調機器10と、外気温計測装置20と、制御装置30とを備える。以下、各装置について説明する。
[0014]
 [空調機器]
 空調機器10は、冷房及び暖房の少なくとも一方を行うことにより、建物40に囲まれた空間50内の温度を調整する装置である。空調機器10は、空間50内に配置される。空調機器10は、具体的には、第一温度計測部11と、第二温度計測部12と、空調処理部13と、第一通信部14と、第一記憶部15とを備える。
[0015]
 第一温度計測部11は、空間50内の空気を吸い込む吸い込み口等に取り付けられ、空間50内の温度を計測する。第一温度計測部11は、言い換えれば、図1の点(a)における温度を計測する。第一温度計測部11は、具体的には、サーミスタまたは熱電対などの温度計測用の素子を備える装置である。
[0016]
 第二温度計測部12は、建物40の天井41の表面、及び、壁42の表面等の温度を計測する。第二温度計測部12は、言い換えれば、図1の点(b)、及び、図1の点(c)における温度を計測する。また、第二温度計測部12は、ユーザ60の近傍の温度を計測する。第二温度計測部12は、言い換えれば、図1の点(d)における温度を計測する。第二温度計測部12は、具体的には、複数の赤外線検出素子を有する熱画像センサである。
[0017]
 空調処理部13は、第一通信部14が受信した制御信号に基づいて室内の空調(冷房及び暖房)を行う。また、空調処理部13は、第一温度計測部11によって計測された温度を示す温度情報、及び、第二温度計測部12によって計測された温度を示す温度情報を第一通信部14に送信させる。空調処理部13は、現在の動作状態を示す動作状態情報(以下、単に動作状態とも記載される)を第一通信部14に送信させる。動作状態には、具体的には、運転モード、設定温度、風向き、及び、風量等が含まれる。
[0018]
 空調処理部13は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路によって実現される。空調処理部13は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、および専用回路の2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。
[0019]
 第一通信部14は、空調機器10が制御装置30と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部14は、例えば、制御装置30から制御信号を受信する。また、第一通信部14は、温度情報または動作状態情報を制御装置30に送信する。なお、空調機器10及び制御装置30の間で行われる通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
[0020]
 第一記憶部15は、空調処理部13が実行する制御プログラム等が記憶される記憶装置である。第一記憶部15は、具体的には、半導体メモリなどにより実現される。
[0021]
 [外気温計測装置]
 外気温計測装置20は、建物40の外壁などに取り付けられ当該建物40の周辺における外気温を計測する装置である。外気温計測装置20は、言い換えれば、図1の点(e)における温度を計測する。外気温計測装置20は、具体的には、サーミスタまたは熱電対などの温度計測用の素子を備える装置である。
[0022]
 また、外気温計測装置20は、制御装置30と通信を行うための通信モジュール(通信回路)を有し、外気温を示す温度情報を制御装置30に送信する。
[0023]
 [制御装置]
 制御装置30は、ユーザ60が空調機器10を制御するために操作する装置である。制御装置30は、例えば、タブレット端末であるが、スマートフォンなどのその他の携帯型情報端末であってもよい。また、制御装置30は、パーソナルコンピュータ等の据え置き型の情報端末であってもよい。また、制御装置30は、空調機器10に対応する専用の制御装置であってもよい。制御装置30は、具体的には、操作受付部31と、表示部32と、第二通信部33と、情報処理部34と、第二記憶部35とを備える。
[0024]
 操作受付部31は、ユーザ60の操作を受け付けるユーザインタフェースである。制御装置30がタブレット端末である場合、操作受付部31は、タッチパネルを含むGUI(Graphical User Interface)である。操作受付部31の具体的態様は特に限定されず、制御装置30がパーソナルコンピュータである場合には、操作受付部31は、キーボード及びマウスなどである。
[0025]
 表示部32は、表示処理部34aの制御に基づいてユーザの操作の対象となる画像等を表示する。表示部32は、具体的には、液晶パネル、または、有機ELパネルなどによって実現される。
[0026]
 第二通信部33は、制御装置30が空調機器10及び外気温計測装置20と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第二通信部33は、取得部の一例である。第二通信部33は、例えば、空調機器10が備える第一温度計測部11及び第二温度計測部12によって計測された温度を示す、空間50内の温度情報を取得する。また、第二通信部33は、空間50内に配置された空調機器10の動作状態を取得する。第二通信部33は、外気温計測装置20によって計測された温度を示す、空間50外の温度情報(外気温情報)を取得する。
[0027]
 また、第二通信部33は、操作受付部31がユーザ60の操作を受け付けると、制御部34cの制御に基づいて制御信号を空調機器10に送信する。なお、制御装置30及び空調機器10の間で行われる通信、並びに、制御装置30及び外気温計測装置20の間で行われる通信のそれぞれは、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
[0028]
 情報処理部34は、制御装置30の動作に関連する各種情報処理を行う。情報処理部34は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または専用回路によって実現される。情報処理部34は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、および専用回路の2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。情報処理部34は、具体的には、表示処理部34aと、推定部34bと、制御部34cと、更新部34dとを備える。
[0029]
 表示処理部34aは、ユーザ60の操作の対象となる画像を表示するための映像信号を生成し、生成した映像信号を表示部32に出力する。この結果、表示部32に画像が表示される。
[0030]
 推定部34bは、第二記憶部35に記憶された流体モデル、第二通信部33によって取得された温度情報、及び、第二通信部33によって取得された空調機器10の動作状態に基づいて、空間50内の三次元温度分布(三次元的な温度のムラ)を推定する。
[0031]
 制御部34cは、推定された三次元温度分布に基づいて、空調機器10を制御する。制御部34cは、具体的には、第二通信部33に制御信号を送信させることにより、空調機器10を制御する。
[0032]
 更新部34dは、第二記憶部35に記憶された流体モデルを更新する。
[0033]
 第二記憶部35は、流体モデルが記憶される記憶装置である。第二記憶部35には、温度の計測位置(図1の点(a)~点(e)の位置)を示す情報が記憶されていてもよい。第二記憶部35は、具体的には、半導体メモリなどによって実現される。
[0034]
 実施の形態では、第二記憶部35に記憶される流体モデルは、推定部34bによって読み出され、三次元温度分布の推定に用いられる数値流体力学モデル(熱流体力学モデル)である。第二記憶部35に記憶される流体モデルは、言い換えれば、第二通信部33によって取得された温度情報を入力パラメータとして空間50内の三次元温度分布を出力するアルゴリズムである。この流体モデルは、建物40、つまり、空間50に対してカスタマイズされた流体モデルであり、空間50の大きさ及び形状などを考慮して、予め経験的または実験的に調整されている。
[0035]
 [動作]
 次に、環境制御システム100の動作について説明する。図3は、環境制御システム100の動作のフローチャートである。なお、以下の説明で用いられる温度の計測位置などは一例である。
[0036]
 まず、表示処理部34aは、表示部32にユーザ60の操作の対象となる画像を表示させる(S11)。図4は、ユーザ60の操作の対象となる画像の一例を示す図である。ユーザ60は、例えば、図4に示される画像に含まれる、空間50を示す模式図のうち任意の点をタップ操作する。また、ユーザ60は、上記画像を通じて、タップ操作した点の目標温度を指定する。
[0037]
 このようなユーザ60の操作は、操作受付部31によって受け付けられる。つまり、操作受付部31は、空間50内の任意の位置における目標温度の指定を受け付ける(S12)。操作受付部31によって目標温度の指定が受け付けられると、推定部34bは、三次元温度分布の推定を開始する。
[0038]
 推定部34bは、例えば、空調機器10に対する温度情報の要求を第二通信部33に送信させる。このような要求が空調機器10の第一通信部14によって受信されると、空調処理部13は、第一温度計測部11及び第二温度計測部12によって計測された現在の温度を示す温度情報(図1の点(a)~点(d)における温度を示す、空間50内の温度情報)を第一通信部14に送信させる。この結果、第二通信部33は、第一通信部14によって送信された、空間50内の温度情報を取得する(S13)。
[0039]
 また、推定部34bは、例えば、空調機器10に対する動作状態の要求を第二通信部33に送信させる。このような要求が空調機器10の第一通信部14によって受信されると、空調処理部13は、現在の動作状態を第一通信部14に送信させる。この結果、第二通信部33は、第一通信部14によって送信された、空調機器10の動作状態を取得する(S14)。
[0040]
 また、推定部34bは、例えば、外気温計測装置20に対する温度情報の要求を第二通信部33に送信させる。このような要求が外気温計測装置20によって受信されると、外気温計測装置20は、現在の外気温を示す温度情報(図1の点(e)における温度を示す、空間50外の温度情報)を送信する。この結果、第二通信部33は、外気温計測装置20によって送信された、空間50外の温度情報を取得する(S15)。なお、第二通信部33が空間50外の温度情報を取得することは必須ではなく、ステップS15は省略されてもよい。
[0041]
 一方、推定部34bは、第二記憶部35に記憶された流体モデルを読み出す。推定部34bは、読み出した流体モデル、ステップS13において取得された空間50内の温度情報、ステップS14において取得された空調機器10の動作状態、及び、ステップS15において取得された空間50外の温度情報に基づいて、空間50内の三次元温度分布を推定する(S16)。
[0042]
 ステップS16において、推定部34bは、流体モデル、空間50内の温度情報、空間50外の温度情報に基づいて推定された三次元温度分布を、空調機器10の動作状態を用いて補正する。図5は、三次元温度分布の補正を説明するための図である。
[0043]
 図5では、空調機器10の動作状態が考慮されていない三次元温度分布がドットハッチングによって模式的に図示されている。ここで、例えば、空調機器10からの風が直接当たる領域Aは、空調機器10からの風の影響を大きく受ける。そこで、推定部34bは、空調機器10の動作状態(設定温度、風向き、及び、風量など)に基づいて、三次元温度分布を補正する。推定部34bは、具体的には、空調機器10からの風向きに基づいて風の影響を大きく受ける領域Aを特定し、領域Aの三次元温度分布を空調機器10の設定温度、及び、風量に基づいて補正する。また、推定部34bは、領域Aから遠い領域ほど、空調機器10の動作状態の影響度を小さくして補正を行う。これにより、推定部34bは、三次元温度分布の推定精度を向上させることができる。
[0044]
 なお、第二記憶部35に記憶された流体モデルは、空調機器10の動作状態を入力パラメータとして含む流体モデルであってもよい。この場合、空調機器10の動作状態が考慮された三次元温度分布が直接的に推定される。
[0045]
 その後、制御部34cは、ステップS16において推定された三次元温度分布に基づいて空調機器10を制御する(S17)。制御部34cは、具体的には、ステップS16において推定された三次元温度分布に基づいて空調機器10を制御することにより、ステップS12において指定された任意の位置を目標温度に近づける。
[0046]
 以上のように、環境制御システム100は、三次元温度分布を推定することにより、温度センサが配置されていない位置における温度を対象として、空調機器10を制御することができる。つまり、環境制御システム100は、空間50内の任意の位置を目標の環境状態に近づけることができる。
[0047]
 なお、ステップS16においては、空間50の気密性を示すC値が三次元温度分布の推定に用いられてもよい。この場合、C値は、ステップS16よりも前に、第二通信部33によって、C値を管理する管理装置(サーバ装置)などの外部装置から取得されてもよいし、操作受付部31が受け付ける操作によって入力されてもよい。C値が入力される場合、操作受付部31は、取得部として機能する。
[0048]
 [変形例1]
 上記実施の形態で用いられた温度情報は、流体パラメータ情報の一例であり、三次元温度分布は、三次元環境分布の一例である。環境制御システム100においては、例えば、流体パラメータ情報として、湿度、風速、浮遊粒子濃度、または、輻射熱などが用いられてもよい。三次元環境分布は、三次元湿度分布、三次元風速分布、三次元粒子濃度分布、または、三次元輻射熱分布などであってもよい。
[0049]
 例えば、流体パラメータ情報が湿度である場合、制御装置30は、空間50内(または空間50外)に配置された湿度センサから湿度情報を取得し、三次元湿度分布を算出するための流体モデルを用いて三次元湿度分布を推定する。
[0050]
 また、流体パラメータ情報が風速である場合、制御装置30は、空間50内(または空間50外)に配置された風速計から風速情報を取得し、三次元風速分布を算出するための流体モデルを用いて三次元風速分布を推定する。流体パラメータ情報が浮遊粒子濃度である場合、制御装置30は、空間50内(または空間50外)に配置された浮遊粒子濃度計から浮遊粒子濃度情報を取得し、三次元粒子濃度分布を算出するための流体モデルを用いて三次元粒子濃度分布を推定する。流体パラメータ情報が輻射熱である場合、空間50内(または空間50外)に配置された輻射計(熱流束センサ)から輻射熱情報を取得し、三次元輻射熱分布を算出するための流体モデルを用いて三次元輻射熱分布を推定する。
[0051]
 [変形例2]
 上記実施の形態では、流体モデルとして数値流体力学モデルが用いられたが、流体モデルは、数値流体力学モデルに限定されず、三次元環境分布を算出するためのどのようなモデルであってもよい。例えば、第二記憶部35に記憶された流体モデルは、空間50内で機械学習を行った結果定められた流体モデルであってもよいし、空間50内で実測された三次元環境分布の履歴に基づいて定められた流体モデルであってもよい。
[0052]
 また、第二記憶部35に記憶された流体モデルは、空間50とは異なる空間(例えば、空間50に環境がよく似た空間)内で実測された三次元環境分布の履歴に基づいて定められた流体モデルであってもよい。例えば、集合住宅などで、一の部屋(空間)の流体モデルを他の部屋(空間)にも適用することが考えられる。
[0053]
 また、第二記憶部35に記憶された流体モデルは、ビックデータとして実現されてもよい。この場合、推定部34bは、ビックデータを参照することにより、取得された流体パラメータ情報、及び、取得された動作状態に対応する三次元環境分布を特定する。
[0054]
 なお、この場合、環境制御システム100は、例えば、サーバクライアントシステムとして実現される。制御装置30は、上述の操作受付部31、表示部32、表示処理部34a、及び、制御部34cなどの構成要素を含む、クライアント装置として機能する。制御装置30は、空調機器10のリモートコントローラ(ユーザインタフェース)としての機能を有する。そして、環境制御システム100は、制御装置30とは別にサーバ装置を備え、当該サーバ装置は、上述の推定を行うための構成要素である、推定部34b、更新部34d、及び、第二記憶部35などを備える。第二記憶部35にはビックデータが記憶される。ビックデータは、どのように生成されてもよい。ビックデータは、例えば、空間50内で実測された三次元環境分布の履歴に基づくビックデータであってもよいし、空間50とは異なる空間(例えば、空間50に環境がよく似た空間)内で実測された三次元環境分布の履歴に基づいて定められたビックデータであってもよい。
[0055]
 [変形例3]
 第二記憶部35に記憶された流体モデルは、更新部34dによって更新されてもよい。例えば、更新部34dは、第二記憶部35に記憶された流体モデルを、空間50における環境状態分布の履歴に基づいて更新してもよい。また、上述のように、第二記憶部35に記憶された流体モデルが、空間50とは異なる空間における三次元環境分布の履歴に基づいて定められた流体モデルであるような場合、更新部34dは、流体モデルを空間50とは異なる空間における環境分布の履歴に基づいて更新してもよい。また、更新部34dは、機械学習によって流体モデルを更新してもよい。
[0056]
 [変形例4]
 上記実施の形態では、制御部34cは、1つの空調機器10を制御したが、制御部34cは、複数の空調機器10を制御してもよい。また、制御部34cは、空間50内に配置された、空間50内の環境を調和(調整)する1以上の機器を制御すればよい。空間50内の環境を調和(調整)する1以上の機器は、例えば、ハロゲンヒータ、加湿器、または、空気清浄機等である。また、制御部34cは、このような複数種類の機器を制御してもよい。
[0057]
 同様に、第二通信部33は、空間50内に配置された、空間50内の環境を調和する1以上の機器の動作状態を取得すればよい。機器の動作状態は、当該機器から取得されてもよいし、当該機器を制御する、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ等の制御装置から取得されてもよい。また、制御部34cは、複数種類の機器の動作状態を取得してもよい。
[0058]
 [効果等]
 以上説明したように、環境制御システム100は、空間50内の流体モデルが記憶された第二記憶部35と、空間50内の流体パラメータ情報、及び、空間50内に配置された1以上の機器の動作状態を取得する第二通信部33と、第二記憶部35に記憶された流体モデル、取得された流体パラメータ情報、及び、取得された動作状態に基づいて、空間50内の三次元環境分布を推定する推定部34bと、推定された三次元環境分布に基づいて、1以上の機器を制御する制御部34cとを備える。第二通信部33は、取得部の一例であり、1以上の機器は、例えば、空調機器10である。
[0059]
 これにより、環境制御システム100は、空間50内の任意の位置を目標の環境状態に近づけることができる。また、環境制御システム100は、機器の動作状態を反映して三次元環境分布を推定することができる。
[0060]
 環境制御システム100は、さらに、空間50内の任意の位置における目標環境状態の指定を受け付ける操作受付部31を備えてもよい。制御部34cは、推定された三次元環境分布に基づいて1以上の機器を制御することにより任意の位置を目標環境状態に近づけてもよい。操作受付部31は、受付部の一例である。
[0061]
 これにより、環境制御システム100は、空間50内の任意の位置を指定された環境状態に近づけることができる。
[0062]
 また、第二通信部33は、さらに、空間50外の環境状態を取得してもよい。推定部34bは、第二記憶部35に記憶された流体モデル、取得された流体パラメータ情報、取得された動作状態、及び、取得された空間50外の環境状態に基づいて、三次元環境分布を推定してもよい。
[0063]
 これにより、環境制御システム100は、空間50外の環境状態を反映して三次元環境分布を推定することができる。
[0064]
 また、第二通信部33は、さらに、空間50の気密性を示すC値を取得してもよい。推定部34bは、第二記憶部35に記憶された流体モデル、取得された流体パラメータ情報、取得された動作状態、及び、取得されたC値に基づいて、三次元環境分布を推定してもよい。
[0065]
 これにより、環境制御システム100は、空間50のC値を反映して三次元環境分布を推定することができる。
[0066]
 また、流体モデルは、熱流体力学モデルであり、流体パラメータ情報は、温度情報であり、1以上の機器には、空調機器10が含まれてもよい。推定部34bは、流体モデル、取得された温度情報、及び、取得された動作状態に基づいて、空間50内の三次元温度分布を三次元環境分布として推定してもよい。制御部34cは、推定された三次元温度分布に基づいて、空調機器10を制御してもよい。
[0067]
 これにより、環境制御システム100は、空間50内の任意の位置を目標の温度状態に近づけることができる。また、環境制御システム100は、機器の動作状態を反映して三次元温度分布を推定することができる。
[0068]
 また、環境制御システム100は、さらに、第二記憶部35に記憶された流体モデルを空間50における環境状態分布の履歴に基づいて更新する更新部34dを備えてもよい。
[0069]
 このように、空間50における環境分布の履歴に基づいて流体モデルが更新されることにより、三次元温度分布の推定精度を高めることができる。
[0070]
 また、環境制御システム100は、さらに、第二記憶部35に記憶された流体モデルを空間50とは異なる空間における環境分布の履歴に基づいて更新する更新部34dを備えてもよい。
[0071]
 このように、空間50とは異なる空間における環境分布の履歴に基づいて流体モデルが更新されることにより、三次元温度分布の推定精度を高めることができる。
[0072]
 また、環境制御システム100は、さらに、第二記憶部35に記憶された流体モデルを機械学習によって更新する更新部34dを備えてもよい。
[0073]
 このように、流体モデルを機械学習によって更新することにより、三次元温度分布の推定精度を高めることができる。
[0074]
 また、空間50内の流体モデルが記憶された第二記憶部35を備える環境制御システム100によって実行される環境制御方法は、空間50内の流体パラメータ情報、及び、空間50内に配置された1以上の機器の動作状態を取得し、第二記憶部35に記憶された流体モデル、取得された流体パラメータ情報、及び、取得された動作状態に基づいて、空間50内の三次元環境分布を推定し、推定された三次元環境分布に基づいて、1以上の機器を制御する。
[0075]
 これにより、環境制御システム100は、空間50内の任意の位置を目標の環境状態に近づけることができる。また、環境制御システム100は、機器の動作状態を反映して三次元環境分布を推定することができる。
[0076]
 (その他の実施の形態)
 以上、実施の形態に係る環境制御システムについて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
[0077]
 例えば、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、920MHz帯の周波数を利用した特定小電力無線であるが、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)または、無線LAN(Local Area Network)などである。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)または有線LANを用いた通信などである。
[0078]
 また、例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
[0079]
 また、環境制御システムが備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、環境制御システムは、クライアントサーバシステムとして実現され、上記実施の形態において制御装置が備える構成要素がサーバ装置及びクライアント装置に振り分けられてもよい。具体的には、制御装置が備える構成要素のうち、三次元環境分布の推定に用いられる構成要素がサーバ装置に振り分けられ、それ以外の構成要素がクライアント装置に振り分けられてもよい。
[0080]
 また、上記実施の形態において、情報処理部などの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
[0081]
 また、情報処理部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
[0082]
 また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などの汎用の情報端末が制御装置として利用される場合、本発明は、情報端末(コンピュータ)を制御装置として機能させるためのアプリケーションプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、環境制御システム(コンピュータ)が実行する環境制御方法として実現されてもよい。また、本発明は、環境制御システムが備える制御装置として実現されてもよい。
[0083]
 その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。

符号の説明

[0084]
 10 空調機器
 31 操作受付部(受付部)
 32 表示部
 33 第二通信部(取得部)
 34b 推定部
 34c 制御部
 34d 更新部
 35 第二記憶部(記憶部)
 50 空間
 100 環境制御システム

請求の範囲

[請求項1]
 空間内の流体モデルが記憶された記憶部と、
 前記空間内の流体パラメータ情報、及び、前記空間内に配置された1以上の機器の動作状態を取得する取得部と、
 前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元環境分布を推定する推定部と、
 推定された前記三次元環境分布に基づいて、前記1以上の機器を制御する制御部とを備える
 環境制御システム。
[請求項2]
 さらに、前記空間内の任意の位置における目標環境状態の指定を受け付ける受付部を備え、
 前記制御部は、推定された前記三次元環境分布に基づいて前記1以上の機器を制御することにより前記任意の位置を目標環境状態に近づける
 請求項1に記載の環境制御システム。
[請求項3]
 前記取得部は、さらに、前記空間外の環境状態を取得し、
 前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、取得された前記動作状態、及び、取得された前記空間外の環境状態に基づいて、前記三次元環境分布を推定する
 請求項1または2に記載の環境制御システム。
[請求項4]
 前記取得部は、さらに、前記空間の気密性を示すC値を取得し、
 前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、取得された前記動作状態、及び、取得された前記C値に基づいて、前記三次元環境分布を推定する
 請求項1または2に記載の環境制御システム。
[請求項5]
 前記流体モデルは、熱流体力学モデルであり、
 前記流体パラメータ情報は、温度情報であり、
 前記1以上の機器には、空調機器が含まれ、
 前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記温度情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元温度分布を前記三次元環境分布として推定し、
 前記制御部は、推定された前記三次元温度分布に基づいて、前記空調機器を制御する
 請求項1~4のいずれか1項に記載の環境制御システム。
[請求項6]
 さらに、前記記憶部に記憶された前記流体モデルを前記空間における環境状態分布の履歴に基づいて更新する更新部を備える
 請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
[請求項7]
 さらに、前記記憶部に記憶された前記流体モデルを前記空間とは異なる空間における環境分布の履歴に基づいて更新する更新部を備える
 請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
[請求項8]
 さらに、前記記憶部に記憶された前記流体モデルを機械学習によって更新する更新部を備える
 請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
[請求項9]
 空間内の流体モデルが記憶された記憶部を備える環境制御システムによって実行される環境制御方法であって、
 前記空間内の流体パラメータ情報、及び、前記空間内に配置された1以上の機器の動作状態を取得し、
 前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元環境分布を推定し、
 推定された前記三次元環境分布に基づいて、前記1以上の機器を制御する
 環境制御方法。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2018年7月13日 ( 13.07.2018 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 空間内の流体モデルが記憶された記憶部と、
 前記空間内の流体パラメータ情報、及び、前記空間内に配置された1以上の機器の動作状態を取得する取得部と、
 前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元環境分布を推定する推定部と、
 推定された前記三次元環境分布に基づいて、前記1以上の機器を制御する制御部と、
 前記記憶部に記憶された前記流体モデルを前記空間とは異なる空間における環境分布の履歴に基づいて更新する更新部とを備える
 環境制御システム。
[2]
 さらに、前記空間内の任意の位置における目標環境状態の指定を受け付ける受付部を備え、
 前記制御部は、推定された前記三次元環境分布に基づいて前記1以上の機器を制御することにより前記任意の位置を目標環境状態に近づける
 請求項1に記載の環境制御システム。
[3]
 前記取得部は、さらに、前記空間外の環境状態を取得し、
 前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、取得された前記動作状態、及び、取得された前記空間外の環境状態に基づいて、前記三次元環境分布を推定する
 請求項1または2に記載の環境制御システム。
[4]
 前記取得部は、さらに、前記空間の気密性を示すC値を取得し、
 前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、取得された前記動作状態、及び、取得された前記C値に基づいて、前記三次元環境分布を推定する
 請求項1または2に記載の環境制御システム。
[5]
 前記流体モデルは、熱流体力学モデルであり、
 前記流体パラメータ情報は、温度情報であり、
 前記1以上の機器には、空調機器が含まれ、
 前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記温度情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元温度分布を前記三次元環境分布として推定し、
 前記制御部は、推定された前記三次元温度分布に基づいて、前記空調機器を制御する
 請求項1~4のいずれか1項に記載の環境制御システム。
[6]
[削除]
[7]
[削除]
[8]
[削除]
[9]
[補正後] 空間内の流体モデルが記憶された記憶部を備える環境制御システムによって実行される環境制御方法であって、
 前記空間内の流体パラメータ情報、及び、前記空間内に配置された1以上の機器の動作状態を取得し、
 前記記憶部に記憶された前記流体モデル、取得された前記流体パラメータ情報、及び、取得された前記動作状態に基づいて、前記空間内の三次元環境分布を推定し、
 推定された前記三次元環境分布に基づいて、前記1以上の機器を制御し、
 前記記憶部に記憶された前記流体モデルを前記空間とは異なる空間における環境分布の履歴に基づいて更新する
 環境制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]