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1. (WO2018179724) 表示装置、及び表示装置を有する移動体
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明 細 書

発明の名称 表示装置、及び表示装置を有する移動体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109  

産業上の利用可能性

0110  

符号の説明

0111  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4A   4B   5A   5B   6A   6B   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 表示装置、及び表示装置を有する移動体

技術分野

[0001]
 本開示は、一般に表示装置、及び表示装置を有する移動体に関し、より詳細には、対象空間に虚像を投影する表示装置、及び表示装置を有する移動体に関する。

背景技術

[0002]
 従来、車両用の表示装置として、画像形成部(画像表示器)からの情報画像を運転者の視野内に重畳して表示するヘッドアップディスプレイ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
 特許文献1に記載の表示装置は、画像形成部の表示面より発せられる光を、投影レンズを通してウインドシールド(窓部材)に入射し、ウインドシールドで反射させることで、表示面からの光を反射して運転者に導くように構成されている。特許文献1に記載の表示装置は、車両の振動状態を検出する手段と、投影レンズを駆動する駆動装置とを有し、振動変位の方向に応じて投影レンズを変位させることによって、運転者の視野内での画像(虚像)を重畳する位置を変化させる。これにより、表示装置を搭載した車両の振動による虚像の振動を低減することが、特許文献1に開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平1-293239号公報

発明の概要

[0005]
 本開示は、表示装置に加わる様々な振動に対応して虚像の表示位置を調整可能な表示装置、及び表示装置を有する移動体を提供する。
[0006]
 第1の態様に係る表示装置は、画像形成部と、投影部と、本体部と、位置補正部と、を有する。画像形成部は、表示面を有し、表示面に画像を形成する。投影部は、画像形成部の出力光により、画像に対応する虚像を対象空間に投影する。本体部は、画像形成部及び投影部が実装される。位置補正部は、本体部の姿勢を表す姿勢信号に基づいて、本体部に対する相対的な虚像の表示位置を変化させる。位置補正部は、互いに異なる手段で虚像の表示位置を変化させる複数の補正部を有する。位置補正部は、姿勢信号の周波数成分に応じて、複数の補正部の中から、少なくとも1つの補正部を選択し、選択した補正部にて虚像の表示位置を変化させるように構成されている。
[0007]
 第2の態様に係る表示装置は、第1の態様において、複数の補正部は、表示面における画像の位置を変更することで虚像の表示位置を変化させる画像補正部を含む。
[0008]
 第3の態様に係る表示装置は、第2の態様において、位置補正部は、所定の下限周波数以上の姿勢信号の周波数成分については、少なくとも画像補正部を選択するように構成されている。
[0009]
 第4の態様に係る表示装置は、第1~3のいずれかの態様において、投影部は、画像形成部の出力光を反射又は透過することにより虚像を対象空間に投影する光学素子を有する。複数の補正部は、光学素子の向き又は位置を変更することで虚像の表示位置を変化させる素子補正部を含む。
[0010]
 第5の態様に係る表示装置は、第4の態様において、位置補正部は、所定の上限周波数以下の姿勢信号の周波数成分については、少なくとも素子補正部を選択するように構成されている。
[0011]
 第6の態様に係る表示装置は、第1~5のいずれかの態様において、複数の補正部は、表示面の位置を変更することで虚像の表示位置を変化させる表示面補正部を含む。
[0012]
 第7の態様に係る表示装置は、第6の態様において、位置補正部は、所定の上限周波数以下の姿勢信号の周波数成分については、少なくとも表示面補正部を選択するように構成されている。
[0013]
 第8の態様に係る表示装置は、第1~7のいずれかの態様において、複数の補正部は、第1補正部と、第2補正部と、を含む。位置補正部は、第1フィルタ及び第2フィルタを更に有する。第1補正部には、第1フィルタを通して姿勢信号が入力される。第2補正部には、第2フィルタを通して姿勢信号が入力されるように構成されている。
[0014]
 第9の態様に係る移動体は、第1~8のいずれかの態様に係る表示装置と、投影部からの光を反射する反射部材と、を有する。
[0015]
 本開示は、表示装置に加わる様々な振動に対応して虚像の表示位置を調整可能である、という利点がある。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 図1は、実施の形態1に係る表示装置の構成を示す概念図である。
[図2] 図2は、同上の表示装置を有する自動車の概念図である。
[図3] 図3は、同上の表示装置を用いた場合のユーザの視野を示す概念図である。
[図4A] 図4Aは、基準姿勢にある自動車を側方から見た概略図である。
[図4B] 図4Bは、基準姿勢にある自動車を運転するユーザの視野を示す概念図である。
[図5A] 図5Aは、後傾姿勢にある自動車を側方から見た概略図である。
[図5B] 図5Bは、後傾姿勢にある自動車を運転するユーザの視野を示す概念図である。
[図6A] 図6Aは、前傾姿勢にある自動車を側方から見た概略図である。
[図6B] 図6Bは、前傾姿勢にある自動車を運転するユーザの視野を示す概念図である。
[図7] 図7は、同上の表示装置における第1補正部の動作を示す概念図である。
[図8] 図8は、同上の表示装置における第2補正部の動作を示す概念図である。
[図9] 図9は、同上の表示装置における第2補正部の動作を示す概念図である。
[図10] 図10は、実施の形態2に係る表示装置の構成を示す概念図である。
[図11] 図11は、実施の形態1に係る表示装置を有する自動車の概念図である。

発明を実施するための形態

[0017]
 本開示の実施の形態の説明に先立ち、従来の技術における問題点を簡単に説明する。特許文献1に記載の表示装置では、表示装置に加わる振動(車両の振動)がどのような周波数成分の振動であっても、単一の手段(例えば投影レンズを駆動)により、運転者の視野内で虚像の表示位置を調整することになる。そのため、例えば、路面状況、及び車両の加減速等により、表示装置に様々な振動が加わった場合に、振動の種類によっては、虚像の表示位置の調整だけでは虚像の振動を低減できない可能性がある。一例として、虚像の表示位置を調整する手段が、振幅が比較的小さくかつ比較的高周波の振動に対応している場合には、振幅が比較的大きくかつ比較的低周波の振動については、虚像の振動を低減できないことがある。
[0018]
 (実施の形態1)
 (1)概要
 実施の形態1に係る表示装置10は、図1、図2及び図11に示すように、例えば、移動体としての自動車100に用いられるヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)である。
[0019]
 図11に示すように、自動車100は、自動車本体部109と、自動車本体部109を移動させる自動車駆動部104と、自動車本体部109に固定されたウインドシールド101と、自動車本体部109のダッシュボード102内に配置された表示装置10とを有する。自動車駆動部104は、エンジンやモータ等の駆動源105と、駆動源105に駆動される駆動輪106とを含む。
[0020]
 図1に示すように、表示装置10は、自動車100のウインドシールド101に下方から画像を投影するように、自動車100の車室内に設置されている。図2の例では、ウインドシールド101の下方のダッシュボード102内に、表示装置10が配置されている。表示装置10からウインドシールド101に画像が投影されると、反射部材としてのウインドシールド101で反射された画像が、ユーザ200(運転者)に視認される。
[0021]
 表示装置10によれば、ユーザ200は、自動車100の前方(車外)に設定された対象空間400に投影された虚像300を、ウインドシールド101越しに視認する。ここでいう「虚像」は、表示装置10から出射される光がウインドシールド101等の反射物にて発散するとき、その発散光線によって、実際に物体があるように結ばれる像を意味する。そのため、自動車100を運転しているユーザ200は、図3に示すように、自動車100の前方に広がる実空間に重ねて、表示装置10にて投影される虚像300を見ることができる。したがって、表示装置10によれば、例えば、車速情報、ナビゲーション情報、歩行者情報、前方車両情報、車線逸脱情報、及び車両コンディション情報等の、種々の運転支援情報を、虚像300として表示し、ユーザ200に視認させることができる。これにより、ユーザ200は、ウインドシールド101の前方に視線を向けた状態から僅かな視線移動だけで、運転支援情報を視覚的に取得することができる。
[0022]
 実施の形態1に係る表示装置10では、対象空間400に形成される虚像300は、少なくとも第1虚像301と第2虚像302との2種類の虚像を含んでいる。ここでいう「第1虚像」は、例えば、ナビゲーション情報として自動車100の進行方向を示す情報であり、路面600上に右折又は左折を示す矢印を提示すること等が可能である。この種の第1虚像301は、拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を用いて表示される画像であって、ユーザ200から見た現実の風景(路面600、建物、周辺車両、及び歩行者等)における特定の位置に重畳して表示される。第2虚像302は、例えば、車速情報であり、現在の自動車100の走行速度(車速)を提示すること等が可能である。図3の例では、第1虚像301は、一例として、自動車100の前方の丁字路上に「左折」を指示する矢印を表している。第2虚像302は、一例として、「50km/h」という情報を表示している。
[0023]
 表示装置10では、対象空間400に形成される虚像300は、表示装置10の光軸500に交差する仮想面501上に形成される。実施の形態1では、光軸500は、自動車100の前方の対象空間400において、自動車100の前方の路面600に沿っている。そして、虚像300が形成される仮想面501は、路面600に対して略垂直である。例えば、路面600が水平面である場合には、虚像300は鉛直面に沿って表示されることになる。
[0024]
 ここにおいて、実施の形態1に係る表示装置10は、画像形成部2と、投影部3と、本体部1と、を有している。画像形成部2は、表示面20を有し、表示面20に画像700(図7参照)を形成する。投影部3は、画像形成部2の出力光により、画像700に対応する虚像300を対象空間400に投影する。本体部1には、これら画像形成部2及び投影部3が実装される。本体部1が自動車100に搭載された状態では、例えば、路面600の状況、及び自動車100の加減速等に起因して、本体部1の姿勢が自動車100の姿勢と共に変化する。具体的には、例えば、自動車100が減速等により前傾姿勢になれば本体部1も前傾姿勢となり、自動車100が加速等により後傾姿勢になれば本体部1も後傾姿勢になる。表示装置10の本体部1の姿勢が変化すると、表示装置10にて投影される虚像300の対象空間400内での位置も変化する。そのため、例えば、自動車100が前傾姿勢又は後傾姿勢になった場合に、第1虚像301であれば、ユーザ200から見た現実の風景において本来重畳すべき特定の位置からずれた位置に重畳して表示されることがある。
[0025]
 そこで、実施の形態1に係る表示装置10は、虚像300の表示位置を補正するための位置補正部4を、更に有している。位置補正部4は、本体部1の姿勢を表す姿勢信号Si1に基づいて、本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を変化させる。ここで、位置補正部4は、複数(図1の例では2つ)の補正部(41,42)を有している。複数の補正部(41,42)は、互いに異なる手段で虚像300の表示位置を変化させる。位置補正部4は、姿勢信号Si1の周波数成分に応じて、複数の補正部(41,42)の中から、少なくとも1つの補正部を選択し、選択した補正部にて虚像300の表示位置を変化させる。
[0026]
 これにより、本体部1の姿勢に従って、虚像300の表示位置が調整される。そのため、例えば、自動車100が前傾姿勢又は後傾姿勢になったとしても、表示装置10は、第1虚像301であれば、ユーザ200から見た現実の風景において本来重畳すべき特定の位置に重畳して表示することが可能である。しかも、実施の形態1に係る表示装置10では、互いに異なる手段で虚像300の表示位置を変化させる複数の補正部(41,42)が、姿勢信号Si1の周波数成分に応じて、使い分けられる。したがって、例えば、路面600の状況、及び自動車100の加減速等により、表示装置10の本体部1に様々な振動が加わった場合でも、振動の種類(周波数成分)に適した補正部(41,42)にて虚像300の表示位置を変化させることができる。その結果、表示装置10に加わる様々な振動に対応して虚像300の表示位置を調整可能である、という利点がある。
[0027]
 (2)構成
 実施の形態1に係る表示装置10は、図1に示すように、本体部1と、画像形成部2と、投影部3と、位置補正部4と、を有している。また、表示装置10は、表示制御部51と、ミラー駆動部52と、モジュール駆動部53と、を更に有している。
[0028]
 本体部1は、例えば、1つの筐体にて構成されている。本体部1内に画像形成部2及び投影部3が収容されることにより、画像形成部2及び投影部3が本体部1に実装される。実施の形態1では、画像形成部2及び投影部3以外の構成要素(位置補正部4、表示制御部51、ミラー駆動部52、及びモジュール駆動部53)についても、本体部1に実装(収容)されている。本体部1は、自動車100のダッシュボード102内に固定される。ただし、画像形成部2及び投影部3以外の構成要素(位置補正部4、表示制御部51、ミラー駆動部52、及びモジュール駆動部53)については、本体部1に実装されていなくてもよい。また、本体部1は、複数の筐体で構成されていてもよいし、そもそも筐体でなく、例えば、フレーム又は板材等であってもよい。
[0029]
 画像形成部2は、表示面20を有し、表示面20に画像700(図7参照)を形成する。実施の形態1では一例として、画像形成部2は、図1に示すように、液晶パネル21(LCD:Liquid Crystal Display)、及び光源装置22を有している。液晶パネル21は、光源装置22の前方に配置されている。液晶パネル21の前面(光源装置22とは反対側の表面)が、表示面20を構成する。光源装置22は、液晶パネル21のバックライトとして用いられる。光源装置22からの光は液晶パネル21を透過して画像形成部2から出力される。光源装置22は、発光ダイオード又はレーザダイオード等の固体発光素子を用いて、液晶パネル21の背面の略全域に光を照射する面光源である。
[0030]
 画像形成部2では、液晶パネル21に画像が表示された状態で、光源装置22が発光することにより、光源装置22から前方に出力される光が、液晶パネル21を透過して、液晶パネル21の前面(表示面20)から前方に出力される。このとき表示面20から前方に出力される光は、液晶パネル21に表示された画像を反映した光である。したがって、表示面20を前方から見ると、表示面20に画像700が表示されているように見えることとなり、表示面20に画像700が形成される。
[0031]
 ここで、表示面20の縦方向が画像700の縦方向となり、表示面20の横方向が画像700の横方向となる。投影される画像700の縦方向は、対象空間400(図2参照)に投影される虚像300(図2参照)の縦方向、つまりユーザ200(図2参照)の視野内において鉛直方向に沿った方向である。投影される画像700の横方向は、対象空間400に投影される虚像300の横方向、つまりユーザ200の視野内において水平方向に沿った方向である。
[0032]
 投影部3は、画像形成部2の出力光により、画像700に対応する虚像300を対象空間400に投影する。実施の形態1では、表示装置10は上述したようにヘッドアップディスプレイであって、ウインドシールド101(図2参照)に画像を投影するので、投影部3は、ウインドシールド101からなる対象物に対して画像を投影する。
[0033]
 実施の形態1では一例として、投影部3は、図1に示すように、第1ミラー31と、第2ミラー32と、を有している。第1ミラー31及び第2ミラー32は、画像形成部2から出力される光の光路上に、第1ミラー31、第2ミラー32の順で配置されている。これら第1ミラー31及び第2ミラー32は光学素子であって、投影部3は、これらの光学素子にて画像形成部2の出力光を反射することにより虚像300を対象空間400に投影する。実施の形態1では、画像形成部2、第1ミラー31、及び第2ミラー32は、鉛直面内に形成される三角形の頂点位置に配置されている。ここでいう「鉛直面」は、画像形成部2が形成する画像の縦方向(鉛直方向)及び出力光の進行方向(光軸)を含む平面である。投影部3は、画像形成部2の出力光を、まずは第1ミラー31で反射し、更に第2ミラー32で反射して、対象物(ウインドシールド101)に向けて出射する。
[0034]
 すなわち、第1ミラー31は、画像形成部2の出力光が入射するように、液晶パネル21から見て光源装置22とは反対側、つまり液晶パネル21の前方に配置されている。第1ミラー31は、画像形成部2の出力光を、第2ミラー32に向けて反射する。第2ミラー32は、第1ミラー31で反射された画像形成部2の出力光が入射するような位置に配置されている。第2ミラー32は、第1ミラー31で反射された画像形成部2の出力光を、対象物(ウインドシールド101)に向けて反射する。実施の形態1では、第1ミラー31は凸面鏡であって、第2ミラー32は凹面鏡である。
[0035]
 上記より、投影部3は、画像形成部2の表示面20に形成される画像700(図7参照)を、適当な大きさにして、投影画像として対象物(ウインドシールド101)に投影することで、対象空間400(図2参照)に虚像300(図2参照)を投影する。つまり、自動車100を運転しているユーザ200の視野内では、自動車100の前方に広がる実空間に重ねて、表示装置10にて投影される虚像300を見ることができる。
[0036]
 表示制御部51は、画像形成部2(液晶パネル21及び光源装置22)を制御する。表示制御部51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、表示制御部51は、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータが表示制御部51として機能する。プログラムは、ここでは表示制御部51のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
[0037]
 表示制御部51は、画像形成部2を制御することで、表示面20に任意の画像700を形成する。すなわち、表示制御部51は、ソフトウェア処理により、液晶パネル21に任意の映像コンテンツを表示(描画)させることができ、これにより、表示面20に任意の画像700が形成される。例えば、図3のような虚像300(第1虚像301及び第2虚像302)を対象空間400に投影する場合、第1虚像301の内容(矢印の向き、位置等)、及び第2虚像302の内容(車速等)については、表示制御部51にて決定される。さらに、表示制御部51は、液晶パネル21の前面、つまり表示面20における画像700の位置についても決定する。要するに、表示制御部51は、例えば、第1虚像301に対応する画像700を、表示面20の上半分に表示させたり、表示面20の下半分に表示させたりすることができる。表示面20における画像の位置が変化すれば、本体部1に対する虚像300の相対的な表示位置も変化する。
[0038]
 ミラー駆動部52は、投影部3に含まれている光学素子を移動させる。つまり、ミラー駆動部52は光学素子の向き又は位置を変更する。実施の形態1では、ミラー駆動部52での駆動の対象は、第2ミラー32である。ミラー駆動部52は、第2ミラー32を回転させることによって、第2ミラー32の向きを変更する。そのため、第2ミラー32の回転角度(振れ角)に応じて、第2ミラー32にて反射された光の向きが変化し、本体部1に対する虚像300の相対的な表示位置が変化する。ここで、ミラー駆動部52は、少なくとも表示面20の横方向に沿った回転軸321を中心にして、図1中の矢印A1の方向に第2ミラー32を回転させることにより、対象空間400に投影される虚像300の縦方向の表示位置を変化させる。ミラー駆動部52は、例えば、モータ等の電気駆動型のアクチュエータからなる。
[0039]
 モジュール駆動部53は、画像形成部2を移動させる。つまり、モジュール駆動部53は表示面20の位置又は向きを物理的に変更する。実施の形態1では、モジュール駆動部53での駆動の対象は、液晶パネル21及び光源装置22である。モジュール駆動部53は、画像形成部2を直進移動させることによって、表示面20の位置を変更する。そのため、表示面20の移動量に応じて、本体部1に対する画像700の相対的な位置が変化し、本体部1に対する虚像300の相対的な表示位置が変化する。ここで、モジュール駆動部53は、少なくとも表示面20の縦方向に沿って、図1中の矢印A2の方向に画像形成部2を直進移動させることにより、対象空間400に投影される虚像300の縦方向の表示位置を変化させる。モジュール駆動部53は、例えば、ボイスコイルモータ等の電気駆動型のアクチュエータからなる。
[0040]
 位置補正部4は、複数の補正部(第1補正部41及び第2補正部42)と、姿勢検知部43と、ハイパスフィルタ44(図1では「HPF」と表記)と、ローパスフィルタ45(図1では「LPF」と表記)と、を有している。位置補正部4は、本体部1の姿勢を表す姿勢信号Si1に基づいて、本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を変化させる。これにより、表示装置10は、本体部1の姿勢が変化した場合に、虚像300の表示位置を補正することができ、例えば、第1虚像301について、ユーザ200から見た現実の風景において本来重畳すべき特定の位置に重畳して表示することができる。
[0041]
 位置補正部4は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。この場合、ハイパスフィルタ44及びローパスフィルタ45は、デジタルフィルタにて構成されるが、ハイパスフィルタ44及びローパスフィルタ45は、アナログフィルタであってもよい。位置補正部4の少なくとも一部の機能(例えば第1補正部41及び第2補正部42)は、表示制御部51と、1つのマイクロコンピュータを共用してもよい。
[0042]
 姿勢検知部43は、例えば、自動車100に搭載されているECU(Electronic Control Unit)等から、自動車100(車体)の姿勢を表す姿勢情報を取得することにより、本体部1の姿勢を検知する。つまり、本体部1はダッシュボード102に固定されているので、本体部1の姿勢は自動車100(車体)の姿勢と連動することになり、自動車100の姿勢情報から本体部1の姿勢を検知することが可能である。姿勢検知部43は、本体部1の姿勢を検知すると、本体部1の姿勢を表す姿勢信号Si1を出力する。姿勢信号Si1は、その瞬時値が、少なくとも自動車100のピッチング方向の水平面に対する傾き量(例えば角度)を表す信号である。ここでいう「ピッチング」は、自動車100の重心を中心に自動車100を左右方向に貫通する軸まわりの回転、つまり自動車100が前傾姿勢又は後傾姿勢となる回転を意味する。
[0043]
 例えば、自動車100の加速時に自動車100が後傾姿勢になって水平面に対し自動車100が5度傾いた場合(仰角5度)には、姿勢信号Si1の瞬時値は「5」に相当する値となる。一方、自動車100の減速時に自動車100が前傾姿勢になって水平面に対し自動車100が5度傾いた場合(俯角5度)には、姿勢信号Si1の瞬時値は「-5」に相当する値となる。水平面に対しピッチング方向に傾いていないときの自動車100の姿勢を「基準姿勢」と呼び、このときの姿勢信号Si1の瞬時値は「0」に相当する値となる。したがって、例えば、自動車100にピッチング方向の振動が加わっている状態では、姿勢信号Si1の振幅は自動車100の振動の振幅に相当し、姿勢信号Si1の周波数は自動車100の振動の周波数(振動数)に相当する。
[0044]
 ハイパスフィルタ44は、姿勢検知部43から姿勢信号Si1が入力され、姿勢信号Si1の高周波成分のみを通過させるように構成されている。ここでいう「高周波成分」は、ハイパスフィルタ44の所定の下限周波数(カットオフ周波数)以上の周波数成分である。すなわち、姿勢信号Si1のうち下限周波数以上の周波数成分(高周波成分)はハイパスフィルタ44を通過し、下限周波数未満の周波数成分はハイパスフィルタ44にて低減される。
[0045]
 ローパスフィルタ45は、姿勢検知部43から姿勢信号Si1が入力され、姿勢信号Si1の低周波成分のみを通過させるように構成されている。ここでいう「低周波成分」は、ローパスフィルタ45の所定の上限周波数(カットオフ周波数)以下の周波数成分である。すなわち、姿勢信号Si1のうち上限周波数以下の周波数成分(低周波成分)はローパスフィルタ45を通過し、上限周波数を超える周波数成分はローパスフィルタ45にて低減される。
[0046]
 ここで、位置補正部4は、第1補正部41には、第1フィルタとしてのハイパスフィルタ44を通して姿勢信号Si1が入力され、第2補正部42には、第2フィルタとしてのローパスフィルタ45を通して姿勢信号Si1が入力されるように構成されている。つまり、ハイパスフィルタ44の出力には第1補正部41が接続され、ローパスフィルタ45の出力には第2補正部42が接続されている。
[0047]
 これにより、位置補正部4は、姿勢信号Si1の周波数成分に応じて、複数の補正部(第1補正部41及び第2補正部42)の中から、少なくとも1つの補正部を選択し、選択した補正部にて虚像300の表示位置を変化させることになる。そして、位置補正部4は、所定の下限周波数以上の姿勢信号Si1の周波数成分については、少なくとも第1補正部41(画像補正部)を選択する。また、位置補正部4は、所定の上限周波数以下の姿勢信号Si1の周波数成分については、少なくとも第2補正部42(素子補正部又は表示面補正部)を選択する。
[0048]
 実施の形態1では一例として、ハイパスフィルタ44のカットオフ周波数(下限周波数)と、ローパスフィルタ45のカットオフ周波数(上限周波数)とは、略同値である。ただし、この例に限らず、ハイパスフィルタ44のカットオフ周波数(下限周波数)と、ローパスフィルタ45のカットオフ周波数(上限周波数)とは、異なる値であってもよい。
[0049]
 複数の補正部(第1補正部41及び第2補正部42)は、互いに異なる手段で虚像300の表示位置を変化させる。すなわち、第1補正部41及び第2補正部42は、いずれも虚像300の表示位置を変化させる機能を有するものの、虚像300の表示位置を変化させるための手段(方法)は、第1補正部41と第2補正部42とで異なっている。
[0050]
 実施の形態1では、第1補正部41は、表示制御部51を制御する。つまり、第1補正部41は、表示面20における画像700の位置を変更することで虚像300の表示位置を変化させる、画像補正部として機能する。具体的には、第1補正部41は、ハイパスフィルタ44の出力、つまり姿勢信号Si1の高周波成分に従って、表示制御部51を制御する。ここで、第1補正部41は、少なくとも第1虚像301については、本体部1の姿勢の変化による虚像300の対象空間400内での位置の変化を吸収(低減)するように、表示制御部51を制御し、表示面20における画像700の位置を変更する。したがって、自動車100の振動のうち高周波成分の振動については、第1補正部41にて本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を調整することで対応可能である。
[0051]
 第2補正部42は、ミラー駆動部52及びモジュール駆動部53を制御する。つまり、第2補正部42は、ミラー駆動部52を制御することにより、光学素子(第2ミラー32)の向き又は位置を変更することで虚像300の表示位置を変化させる、素子補正部として機能する。また、第2補正部42は、モジュール駆動部53を制御することにより、表示面20の位置を変更することで虚像300の表示位置を変化させる、表示面補正部として機能する。具体的には、第2補正部42は、ローパスフィルタ45の出力、つまり姿勢信号Si1の低周波成分に従って、ミラー駆動部52とモジュール駆動部53との少なくとも一方を制御する。ここで、第2補正部42は、第1虚像301及び第2虚像302の両方について、本体部1の姿勢の変化による虚像300の対象空間400内での位置の変化を吸収(低減)するように、ミラー駆動部52を制御し、第2ミラー32の向きを変更する。又は、第2補正部42は、第1虚像301及び第2虚像302の両方について、本体部1の姿勢の変化による虚像300の対象空間400内での位置の変化を吸収(低減)するように、モジュール駆動部53を制御し、表示面20の位置を変更する。したがって、自動車100の振動のうち低周波成分の振動については、第2補正部42にて本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を調整することで対応可能である。
[0052]
 (3)動作
 次に、上述した表示装置10の動作について説明する。
[0053]
 (3.1)位置補正部の基本動作
 まず、図4A~図6Bを参照して、位置補正部4の基本動作について説明する。以下では、自動車100に対して振幅が比較的小さくかつ比較的高周波の振動が加わっている場合を想定する。
[0054]
 図4A、図5A、及び図6Aは、走行中の自動車100を側方から見た概略図である。図4B、図5B、及び図6Bは、それぞれ図4A、図5A、及び図6Aに対応する、ユーザ200の視野を示す概念図である。ここで、図5A及び図5Bでは、図4A及び図4Bの基準姿勢に比較して、自動車100がピッチング方向において後傾姿勢となるように、つまり自動車100の前部の路面600からの高さが高くなった状態を想定している。図6A及び図6Bでは、図4A及び図4Bの基準姿勢に比較して、自動車100がピッチング方向において前傾姿勢となるように、つまり自動車100の前部の路面600からの高さが低くなった状態を想定している。
[0055]
 また、図4A~図6Bでは、対象空間400中において、表示面20に形成された画像700に対応する虚像300を投影可能な領域を、表示領域401として表している。また、図4A、図5A、及び図6Aでは、対象空間400に投影される虚像300のうち、第1虚像301のみを図示しており、第2虚像302の図示を省略している。また、図5A~図6Bでは、表示領域401及び第1虚像301について移動が生じているため、移動前の表示領域401及び第1虚像301は参照符号に「X」を付し、移動後の表示領域401及び第1虚像301は参照符号に「Y」を付して、両者を区別する。さらに、図5A及び図6Aでは、移動前の第1虚像301(X)と移動後の第1虚像301(Y)とを、区別しやすいように、光軸500に沿った奥行方向にずらして表記している。ただし、実際には、第1虚像301(X)と第1虚像301(Y)とで奥行方向の位置は変化しない。
[0056]
 図4A及び図4Bに示すように、自動車100が基準姿勢にある状態においては、位置補正部4は、本体部1に対する相対的な虚像300(第1虚像301)の表示位置を変化させず、デフォルトの表示位置に虚像300を表示させる。ここでは第1虚像301のデフォルトの表示位置は表示領域401の略中央部、つまり光軸500(図4A参照)が通る位置である。ここで、第1虚像301は、自動車100の前方の丁字路での「左折」を指示する矢印を表している。つまり、ユーザ200の視野内においては、表示領域401内の、現実の風景における丁字路に重畳して第1虚像301が表示される。また、表示領域401の左下隅となる位置には、第2虚像302が表示される(図4B参照)。
[0057]
 一方、図5A及び図5Bに示すように、自動車100が後傾姿勢にある状態においては、位置補正部4は、本体部1に対する相対的な虚像300(第1虚像301)の表示位置を、デフォルトの表示位置から変化させる。すなわち、この状態では、図5Bに示すように、ユーザ200の視野内においては、表示領域401(X)が上方に移動し、表示領域401から上方にシフトした位置に表示領域401(Y)が形成される。これにより、デフォルトの表示位置では、第1虚像301(X)は、表示領域401(Y)の略中央部に表示されることとなるため、ユーザ200の視野内においては、現実の風景における丁字路から前方にずれた位置に重畳して第1虚像301(X)が表示される。
[0058]
 そこで、位置補正部4は、第1補正部41にて、表示面20における画像700の位置を変更することで虚像300の表示位置を変化させる。第1補正部41での補正の詳細については、「(3.2)第1補正部の動作」の欄で説明する。したがって、図5Aに示すように、本体部1に対する相対的な第1虚像301(X)の表示位置が下方に移動し、表示領域401(Y)内には、第1虚像301(X)から下方にシフトした位置に第1虚像301(Y)が表示される。その結果、ユーザ200の視野内においては、図5Bに示すように、表示領域401(Y)内の、現実の風景における丁字路に重畳して第1虚像301(Y)が表示される。また、表示領域401(Y)の左下隅となる位置には、第2虚像302が表示される(図5B参照)。
[0059]
 また、図6A及び図6Bに示すように、自動車100が前傾姿勢にある状態においては、位置補正部4は、本体部1に対する相対的な虚像300(第1虚像301)の表示位置を、デフォルトの表示位置から変化させる。すなわち、この状態では、図6Bに示すように、ユーザ200の視野内においては、表示領域401(X)が下方に移動し、表示領域401から下方にシフトした位置に表示領域401(Y)が形成される。これにより、デフォルトの表示位置では、第1虚像301(X)は、表示領域401(Y)の略中央部に表示されることとなるため、ユーザ200の視野内においては、現実の風景における丁字路から後方にずれた位置に重畳して第1虚像301(X)が表示される。
[0060]
 そこで、位置補正部4は、第1補正部41にて、表示面20における画像700の位置を変更することで虚像300の表示位置を変化させる。その結果、図6Aに示すように、本体部1に対する相対的な第1虚像301(X)の表示位置が上方に移動し、表示領域401(Y)内には、第1虚像301(X)から上方にシフトした位置に第1虚像301(Y)が表示される。その結果、ユーザ200の視野内においては、図6Bに示すように、表示領域401(Y)内の、現実の風景における丁字路に重畳して第1虚像301(Y)が表示される。また、表示領域401(Y)の左下隅となる位置には、第2虚像302が表示される(図6B参照)。
[0061]
 このように、例えば、自動車100の高周波成分の振動については、位置補正部4は、第1補正部41にて表示面20における画像700の位置を変更することで、本体部1の姿勢の変化による虚像300の対象空間400内での位置の変化を低減する。実施の形態1では、第1補正部41は、第1虚像301及び第2虚像302のうち、第1虚像301についてのみ、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させるので、第2虚像302については本体部1の姿勢の変化により対象空間400内での位置が変化する。
[0062]
 ここでは、自動車100に対して振幅が比較的小さくかつ比較的高周波の振動が加わっている場合を想定しているが、他の種類の振動が自動車100に加わることもある。例えば、自動車100に対して振幅が比較的大きくかつ比較的低周波の振動が加わっている場合、位置補正部4は、第2補正部42にて、虚像300の表示位置を変化させる。また、自動車100に対して高周波成分と低周波成分との両方を含む振動が加わっている場合、位置補正部4は、第1補正部41及び第2補正部42を組み合わせて、虚像300の表示位置を変化させる。
[0063]
 (3.2)第1補正部の動作
 次に、図7を参照して、第1補正部41の動作について説明する。図7では、画像700及び第1虚像301について移動が生じているため、移動前の画像700及び第1虚像301は参照符号に「X」を付し、移動後の画像700及び第1虚像301は参照符号に「Y」を付して、両者を区別する。さらに、図7では、移動前の画像700(X)と移動後の画像700(Y)とを、区別しやすいように、表示面20に直交する奥行方向にずらして表記している。同様に、図7では、移動前の第1虚像301(X)と移動後の第1虚像301(Y)とを、区別しやすいように、光軸500(図2参照)に沿った奥行方向にずらして表記している。ただし、実際には、画像700(X)と画像700(Y)とで、また第1虚像301(X)と第1虚像301(Y)とで、奥行方向の位置は変化しない。
[0064]
 図7に示すように、表示面20に画像700(X)が形成された状態では、対象空間400には、画像700(X)に対応して第1虚像301(X)が投影される。第1補正部41は、表示制御部51を制御することにより、表示面20における画像700(X)の位置を移動させ、表示面20における画像700(X)から表示面20の縦方向にシフトした位置に、画像700(Y)を形成する。これにより、対象空間400には、画像700(Y)に対応して第1虚像301(Y)が投影される。その結果、本体部1に対する相対的な第1虚像301(X)の表示位置が上方に移動し、対象空間400には、第1虚像301(X)から上方にシフトした位置に第1虚像301(Y)が表示されることになる。
[0065]
 また、第1補正部41は、表示面20における画像700(X)の位置を、図7の例とは反対向きに移動させることで、第1虚像301(X)の表示位置を、図7の例とは反対向き(つまり下方)に移動させることができる。
[0066]
 以上説明したように、第1補正部41は、表示制御部51にて表示面20における画像700の位置を変更するので、本体部1の姿勢変化に対して比較的高速な応答が可能であり、高周波成分の振動を追従するように虚像300の表示位置を調整可能である。つまり、第1補正部41によれば、振幅が比較的小さくかつ比較的高周波の振動の影響を低減するように、虚像300の表示位置を調整可能である。
[0067]
 ところで、第1補正部41は、表示面20における画像700の位置を変更することで、本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を変化させる。そのため、第1補正部41は、上述したように、第1虚像301及び第2虚像302のうち、第1虚像301についてのみ、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させることが可能である。ただし、第1補正部41は、第1虚像301及び第2虚像302の少なくとも一方について、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させればよい。例えば、第1補正部41は、第1虚像301及び第2虚像302の両方について、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させてもよく、この場合、本体部1の姿勢の変化による第1虚像301及び第2虚像302の対象空間400内での位置の変化を低減できる。
[0068]
 (3.3)第2補正部の動作
 次に、図8及び図9を参照して、第2補正部42の動作について説明する。図8及び図9では、第1虚像301について移動が生じているため、移動前の第1虚像301は参照符号に「X」を付し、移動後の第1虚像301は参照符号に「Y」を付して、両者を区別する。さらに、図8及び図9では、移動前の第1虚像301(X)と移動後の第1虚像301(Y)とを、区別しやすいように、光軸500(図2参照)に沿った奥行方向にずらして表記している。ただし、実際には、第1虚像301(X)と第1虚像301(Y)とで奥行方向の位置は変化しない。
[0069]
 まず、第2補正部42が、ミラー駆動部52を制御し、第2ミラー32の向きを変更する場合について、図8を参照して説明する。図8に示すように、第2ミラー32の向きがデフォルトの状態では、対象空間400には、第1虚像301(X)が投影される。図8では、デフォルトの状態にある第2ミラー32を想像線(2点鎖線)で示している。第2補正部42は、ミラー駆動部52を制御することにより、第2ミラー32を駆動し、第1ミラー31からの光を反射する向きを変更する。これにより、本体部1に対する相対的な第1虚像301(X)の表示位置が上方に移動し、対象空間400には、第1虚像301(X)から上方にシフトした位置に第1虚像301(Y)が表示されることになる。
[0070]
 また、第2補正部42は、第2ミラー32を、図8の例とは反対向きに移動させることで、第1虚像301(X)の表示位置を、図8の例とは反対向き(つまり下方)に移動させることができる。
[0071]
 次に、第2補正部42が、モジュール駆動部53を制御し、表示面20の位置を変更する場合について、図9を参照して説明する。図9に示すように、画像形成部2の位置がデフォルトの状態では、対象空間400には、第1虚像301(X)が投影される。図9では、デフォルトの状態にある画像形成部2を想像線(2点鎖線)で示している。第2補正部42は、モジュール駆動部53を制御することにより、画像形成部2を駆動し、表示面20の位置を表示面20の縦方向に沿って移動させる。これにより、本体部1に対する相対的な第1虚像301(X)の表示位置が上方に移動し、対象空間400には、第1虚像301(X)から上方にシフトした位置に第1虚像301(Y)が表示されることになる。
[0072]
 また、第2補正部42は、画像形成部2を、図9の例とは反対向きに移動させることで、第1虚像301(X)の表示位置を、図9の例とは反対向き(つまり下方)に移動させることができる。さらに、図9では、移動前の画像形成部2(想像線)と移動後の画像形成部2とを、区別しやすいように、表示面20に直交する奥行方向にずらして表記している。ただし、実際には、画像形成部2の奥行方向の位置は変化しない。
[0073]
 以上説明したように、第2補正部42は、光学素子又は表示面20を物理的に移動させるので、本体部1の姿勢変化に応じて、対象空間400における画像形成部2の出力光の投影範囲を変更することができる。つまり、第2補正部42は、虚像300を投影可能な表示領域401(図4A~図6B参照)ごと、虚像300の表示位置を変化させることができる。したがって、第2補正部42によれば、比較的大きな姿勢変化があっても、表示領域401からはみ出すことなく虚像300を投影可能であり、ユーザ200の視野内において虚像300が見切れてしまうことを低減できる。そのため、第2補正部42は、振幅が比較的大きくかつ比較的低周波の振動の影響を低減するように、虚像300の表示位置を調整可能である。
[0074]
 ところで、第2補正部42は、光学素子(第2ミラー32)の向き若しくは位置を変更することで、又は表示面20の位置を変更することで、本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を変化させる。そのため、第2補正部42は、第1虚像301及び第2虚像302の両方について、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させることになる。すなわち、第2補正部42によれば、対象空間400中において、虚像300を投影可能な表示領域401(図4A~図6B参照)ごと移動することになるので、第1虚像301及び第2虚像302の表示位置がまとめて変化する。
[0075]
 (4)変形例
 実施の形態1は、本開示の様々な実施の形態の一つに過ぎない。実施の形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。さらに、実施の形態1に係る態様は、単体の表示装置で具現化されることに限らない。例えば、システム、表示装置の制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記憶した記憶媒体等で、実施の形態1に係る態様が具現化されてもよい。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
[0076]
 姿勢検知部43は、自動車100のECU(Electronic Control Unit)等から姿勢情報を取得する構成に限らず、例えば、加速度センサ及びジャイロセンサ等のセンサを有し、これらのセンサの出力に基づいて本体部1の姿勢を検知する構成であってもよい。
[0077]
 また、位置補正部4は、互いに異なる手段で虚像300の表示位置を変化させる複数の補正部(第1補正部41及び第2補正部42)を有していればよく、3つ以上の補正部を有してもよい。
[0078]
 また、位置補正部4に含まれるフィルタは、ハイパスフィルタ44及びローパスフィルタ45に限らず、例えば、バンドパスフィルタ、又は振幅を制限するクリッピングフィルタ等であってもよい。
[0079]
 また、対象空間400に、第1虚像301及び第2虚像302のように2種類の虚像300が投影されることは表示装置10に必須の構成ではなく、対象空間400には、1種類の虚像300のみが投影されてもよい。さらに、虚像300が第1虚像301のように拡張現実技術を用いて表示される画像を含むことは、表示装置10に必須の構成ではない。
[0080]
 また、虚像300の内容(例えば第1虚像301か第2虚像302か)によって、位置補正部4による補正の内容が異なってもよい。例えば、第1虚像301と第2虚像302とでは、補正を実行する姿勢信号Si1の周波数成分が異なっていてもよい。一例として、位置補正部4は、高周波成分に対しては、第1虚像301及び第2虚像302の両方について表示位置の調整を実行し、低周波成分に対しては、第1虚像301についてのみ表示位置の調整を実行する。
[0081]
 また、表示面20は光軸500に対して傾斜していてもよい。この場合、表示装置10では、路面600に対して垂直な虚像300だけでなく、路面600に沿って表示される虚像300を投影可能となる。すなわち、表示装置10によれば、路面600に沿って奥行きをもって視認される虚像300を表示可能である。
[0082]
 また、位置補正部4は、自動車100のピッチング方向の姿勢変化に限らず、例えばローリング方向、又はヨーイング方向の姿勢変化に応じて、本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を変化させてもよい。ここでいう「ローリング」は、自動車100の重心を中心に自動車100を前後方向に貫通する軸まわりの回転、つまり自動車100の横方向への傾きを意味する。ここでいう「ヨーイング」は、自動車100の重心を中心に自動車100を上下方向に貫通する軸まわりの回転を意味する。
[0083]
 また、投影部3は、少なくとも光学素子を有していればよく、第1ミラー31及び第2ミラー32の2つのミラーを有することは必須でなく、ミラーを1つのみ、又は3つ以上有していてもよい。さらに、投影部3は、例えばレンズ等、ミラー以外の光学部品を有していてもよい。この場合、第2補正部42(素子補正部)は、画像形成部2の出射光を透過するレンズ(光学素子)の向き又は位置を変更することで、虚像300の表示位置を変化させてもよい。また、投影部3は、中間像を形成するためのリレー光学系を含んでいてもよいし、リレー光学系を含んでいなくてもよい。
[0084]
 また、表示装置10は、自動車100の進行方向の前方に設定された対象空間400に虚像300を投影する構成に限らず、例えば、自動車100の進行方向の側方、後方、又は上方等に虚像300を投影してもよい。
[0085]
 また、表示装置10は、自動車100に用いられるヘッドアップディスプレイに限らず、例えば、二輪車、電車、航空機、建設機械、及び船舶等、自動車100以外の移動体にも適用可能である。さらに、表示装置10は、移動体に限らず、例えば、アミューズメント施設で用いられてもよいし、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)等のウェアラブル端末、医療設備、又は据置型の装置として用いられてもよい。また、表示装置10は、例えば、電子ビューファインダ等として、デジタルカメラ等の機器に組み込まれて使用されてもよい。
[0086]
 (実施の形態2)
 実施の形態2に係る表示装置10Aは、図10に示すように、画像形成部2Aの構成が、実施の形態1に係る表示装置10とは相違する。以下、実施の形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。図10では、画像700及び第1虚像301について移動が生じているため、移動前の画像700及び第1虚像301は参照符号に「X」を付し、移動後の画像700及び第1虚像301は参照符号に「Y」を付して、両者を区別する。さらに、図10では、移動前の画像700(X)と移動後の画像700(Y)とを、区別しやすいように、表示面20Aに直交する奥行方向にずらして表記している。同様に、図10では、移動前の第1虚像301(X)と移動後の第1虚像301(Y)とを、区別しやすいように、光軸500(図2参照)に沿った奥行方向にずらして表記している。ただし、実際には、画像700(X)と画像700(Y)とで、また第1虚像301(X)と第1虚像301(Y)とで、奥行方向の位置は変化しない。
[0087]
 すなわち、実施の形態2では、画像形成部2Aは、拡散透過型のスクリーン23と、スクリーン23に対してスクリーン23の背後から光を照射する照射部24と、を有している。照射部24は、走査型の光照射部であって、スクリーン23に対して光を照射する。これにより、スクリーン23の前面又は背面(ここでは前面)からなる表示面20Aには、照射部24からの光によって画像700が描画され、スクリーン23を透過する光により、対象空間400に虚像300(図2参照)が形成される。
[0088]
 照射部24は、レーザ光を出力する光源241と、光源241からの光を走査する走査部242と、レンズ243と、を有している。光源241は、レーザ光を出力するレーザモジュールからなる。走査部242は、光源241からの光を走査することにより、表示面20Aを走査する光をスクリーン23に照射する。ここで、走査部242は、表示面20Aの縦方向及び横方向に対し、二次元的に光を走査する、ラスタスキャン(Raster scan)を行う。つまり、走査部242は、表示面20Aに形成される輝点を走査することで、二次元の画像を形成する。走査部242は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた微小な走査ミラーを有している。つまり、走査部242は、レーザ光を反射する光学素子(ミラー部)を含み、光学素子を回転させることによって、光源241からの光を、光学素子の回転角度(振れ角)に応じた向きに反射する。これにより、走査部242は、光源241からの光を走査する。走査部242は、光学素子を、互いに直交する2軸を中心に回転させることにより、二次元的に光を走査するラスタスキャンを実現する。
[0089]
 実施の形態2に係る表示装置10Aにおいては、第1補正部41(図1参照)は、走査部242を制御することにより、表示面20Aにおける画像700の位置、つまり照射部24からの光による画像700の描画位置を変更する。これにより、第1補正部41は、表示面20Aにおける画像700の位置を変更することで虚像300の表示位置を変化させる、画像補正部として機能する。この構成では、第1補正部41は、画像形成部2Aを物理的に移動させることなく、表示面20Aにおける画像700の位置を変更可能である。
[0090]
 次に、実施の形態2に係る表示装置10Aの動作について説明する。
[0091]
 図10に示すように、表示面20Aに画像700(X)が形成された状態では、対象空間400には、画像700(X)に対応して第1虚像301(X)が投影される。第1補正部41は、走査部242を制御することにより、表示面20Aにおける画像700(X)の位置を移動させ、表示面20Aにおける画像700(X)から表示面20Aの縦方向にシフトした位置に、画像700(Y)を形成する。これにより、対象空間400には、画像700(Y)に対応して第1虚像301(Y)が投影される。その結果、本体部1に対する相対的な第1虚像301(X)の表示位置が上方に移動し、対象空間400には、第1虚像301(X)から上方にシフトした位置に第1虚像301(Y)が表示されることになる。
[0092]
 また、第1補正部41は、表示面20Aにおける画像700(X)の位置を、図10の例とは反対向きに移動させることで、第1虚像301(X)の表示位置を、図10の例とは反対向き(つまり下方)に移動させることができる。
[0093]
 以上説明したように、第1補正部41は、走査部242にて表示面20Aにおける画像700の位置を変更するので、本体部1の姿勢変化に対して比較的高速な応答が可能であり、高周波成分の振動を追従するように虚像300の表示位置を調整可能である。つまり、第1補正部41によれば、振幅が比較的小さくかつ比較的高周波の振動の影響を低減するように、虚像300の表示位置を調整可能である。
[0094]
 ところで、第1補正部41は、表示面20Aにおける画像700の位置を変更することで、本体部1に対する相対的な虚像300の表示位置を変化させる。そのため、第1補正部41は、第1虚像301及び第2虚像302のうち、第1虚像301についてのみ、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させることが可能である。ただし、第1補正部41は、第1虚像301及び第2虚像302の少なくとも一方について、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させればよい。例えば、第1補正部41は、第1虚像301及び第2虚像302の両方について、本体部1に対する相対的な表示位置を変化させてもよく、この場合、本体部1の姿勢の変化による第1虚像301及び第2虚像302の対象空間400内での位置の変化を低減できる。
[0095]
 また、実施の形態2において、画像形成部2Aは、例えば、拡散透過型のスクリーン23に対し、スクリーン23の背後からプロジェクタで画像700を投影する構成であってもよい。この場合、第1補正部41は、プロジェクタを制御することで、表示面20Aにおける画像700の位置を変更することが可能である。
[0096]
 実施の形態2に係る表示装置10Aの構成(変形例を含む)は、実施の形態1(変形例を含む)の構成と適宜組み合わせ可能である。
[0097]
 上記各実施の形態で示した図面は、表示装置10(又は10A)の一例を説明するための概念図に過ぎず、実際の表示装置10(又は10A)とは、各部の形状、サイズ、及び位置関係等が適宜異なる。
[0098]
 (まとめ)
 以上説明したように、第1の態様に係る表示装置(10,10A)は、画像形成部(2,2A)と、投影部(3)と、本体部(1)と、位置補正部(4)と、を有する。画像形成部(2,2A)は、表示面(20,20A)を有し、表示面(20,20A)に画像(700)を形成する。投影部(3)は、画像形成部(2,2A)の出力光により、画像(700)に対応する虚像(300)を対象空間(400)に投影する。本体部(1)は、画像形成部(2,2A)及び投影部(3)が実装される。位置補正部(4)は、本体部(1)の姿勢を表す姿勢信号(Si1)に基づいて、本体部(1)に対する相対的な虚像(300)の表示位置を変化させる。位置補正部(4)は、互いに異なる手段で虚像(300)の表示位置を変化させる複数の補正部(41,42)を有する。位置補正部(4)は、姿勢信号(Si1)の周波数成分に応じて、複数の補正部(41,42)の中から、少なくとも1つの補正部を選択し、選択した補正部にて虚像(300)の表示位置を変化させるように構成されている。
[0099]
 この構成によれば、本体部(1)の姿勢に従って、本体部(1)に対する相対的な虚像(300)の表示位置が調整される。そのため、本体部(1)の姿勢が変化しても、表示装置(10,10A)は、例えば、ユーザ(200)から見た現実の風景において本来重畳すべき特定の位置に重畳して虚像(300)を表示することが可能である。しかも、表示装置(10,10A)では、互いに異なる手段で虚像(300)の表示位置を変化させる複数の補正部(41,42)が、姿勢信号(Si1)の周波数成分に応じて、使い分けられる。したがって、例えば、本体部(1)に様々な振動が加わった場合でも、振動の種類(周波数成分)に適した補正部(41,42)にて虚像(300)の表示位置を変化させることができる。その結果、表示装置(10,10A)に加わる様々な振動に対応して虚像(300)の表示位置を調整可能である、という利点がある。
[0100]
 第2の態様に係る表示装置(10,10A)は、第1の態様において、複数の補正部(41,42)は、表示面(20,20A)における画像(700)の位置を変更することで虚像(300)の表示位置を変化させる画像補正部(例えば第1補正部41)を含む。この構成によれば、画像補正部は、表示面(20,20A)における画像(700)の位置を変更するので、本体部(1)の姿勢変化に対して比較的高速な応答が可能である。
[0101]
 第3の態様に係る表示装置(10,10A)は、第2の態様において、位置補正部(4)は、所定の下限周波数以上の姿勢信号(Si1)の周波数成分については、少なくとも画像補正部を選択するように構成されている。この構成によれば、位置補正部(4)は、高周波成分の振動については、画像補正部にて虚像(300)の表示位置を変化させることができ、高周波成分の振動に対する虚像(300)の表示位置の変化の応答性が向上する。
[0102]
 第4の態様に係る表示装置(10,10A)は、第1~3のいずれかの態様において、投影部(3)は、画像形成部(2,2A)の出力光を反射又は透過することにより虚像(300)を対象空間(400)に投影する光学素子(例えば第2ミラー32)を有する。複数の補正部(41,42)は、光学素子の向き又は位置を変更することで虚像(300)の表示位置を変化させる素子補正部(例えば第2補正部42)を含む。この構成によれば、画像補正部は、対象空間(400)における画像形成部(2,2A)の出力光の投影範囲を変更するので、本体部(1)の姿勢が比較的大きく変化しても、虚像(300)が見切れてしまうことを低減できる。
[0103]
 第5の態様に係る表示装置(10,10A)は、第4の態様において、位置補正部(4)は、所定の上限周波数以下の姿勢信号(Si1)の周波数成分については、少なくとも素子補正部を選択するように構成されている。この構成によれば、位置補正部(4)は、低周波成分の振動については、素子補正部にて虚像(300)の表示位置を変化させることができ、比較的振幅の大きな低周波成分の振動に対する虚像(300)の表示位置の変化の応答性が向上する。
[0104]
 第6の態様に係る表示装置(10,10A)は、第1~5のいずれかの態様において、複数の補正部(41,42)は、表示面(20,20A)の位置を変更することで虚像(300)の表示位置を変化させる表示面補正部(例えば第2補正部42)を含む。この構成によれば、表示面補正部は、対象空間(400)における画像形成部(2,2A)の出力光の投影範囲を変更するので、本体部(1)の姿勢が比較的大きく変化しても、虚像(300)が見切れてしまうことを低減できる。
[0105]
 第7の態様に係る表示装置(10,10A)は、第6の態様において、位置補正部(4)は、所定の上限周波数以下の姿勢信号(Si1)の周波数成分については、少なくとも表示面補正部を選択するように構成されている。この構成によれば、位置補正部(4)は、低周波成分の振動については、表示面補正部にて虚像(300)の表示位置を変化させることができ、比較的振幅の大きな低周波成分の振動に対する虚像(300)の表示位置の変化の応答性が向上する。
[0106]
 第8の態様に係る表示装置(10,10A)は、第1~7のいずれかの態様において、複数の補正部(41,42)は、第1補正部(41)と、第2補正部(42)と、を含む。位置補正部(4)は、第1フィルタ(例えばハイパスフィルタ44)及び第2フィルタ(例えばローパスフィルタ45)を更に有する。第1補正部(41)には、第1フィルタを通して姿勢信号(Si1)が入力される。第2補正部(42)には、第2フィルタを通して姿勢信号(Si1)が入力されるように構成されている。この構成によれば、位置補正部(4)は、第1フィルタ及び第2フィルタにて、姿勢信号(Si1)の周波数成分に応じて、複数の補正部(41,42)の中から、受動的に、少なくとも1つの補正部を選択することができる。したがって、位置補正部(4)の構成を簡略化できる。
[0107]
 第9の態様に係る移動体(例えば自動車100)は、第1~8のいずれかの態様に係る表示装置(10,10A)と、投影部(3)からの光を反射する反射部材(例えばウインドシールド101)と、を有する。
[0108]
 この構成によれば、移動体の姿勢に従って、本体部(1)に対する相対的な虚像(300)の表示位置が調整される。そのため、移動体の姿勢が変化しても、表示装置(10,10A)は、例えば、ユーザ(200)から見た現実の風景において本来重畳すべき特定の位置に重畳して虚像(300)を表示することが可能である。しかも、表示装置(10,10A)では、互いに異なる手段で虚像(300)の表示位置を変化させる複数の補正部(41,42)が、姿勢信号(Si1)の周波数成分に応じて、使い分けられる。したがって、例えば、移動体に様々な振動が加わった場合でも、振動の種類(周波数成分)に適した補正部(41,42)にて虚像(300)の表示位置を変化させることができる。その結果、表示装置(10,10A)に加わる様々な振動に対応して虚像(300)の表示位置を調整可能である、という利点がある。
[0109]
 第2~第8の態様に係る構成については、表示装置(10,10A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。

産業上の利用可能性

[0110]
 本開示は、対象空間に虚像を投影する表示装置、及び表示装置を有する移動体等として有用である。

符号の説明

[0111]
 1 本体部
 2,2A 画像形成部
 3 投影部
 4 位置補正部
 10,10A 表示装置
 20,20A 表示面
 21 液晶パネル
 22 光源装置
 23 スクリーン
 24 照射部
 31 第1ミラー
 32 第2ミラー(光学素子)
 321 回転軸
 41 第1補正部(画像補正部)
 42 第2補正部(素子補正部、表示面補正部)
 43 姿勢検知部
 44 ハイパスフィルタ(HPF)
 45 ローパスフィルタ(LPF)
 51 表示制御部
 52 ミラー駆動部
 53 モジュール駆動部
 100 自動車(移動体)
 101 ウインドシールド(反射部材)
 102 ダッシュボード
 104 自動車駆動部
 105 駆動源
 106 駆動輪
 109 自動車本体部
 200 ユーザ
 241 光源
 242 走査部
 243 レンズ
 300 虚像
 301 第1虚像
 302 第2虚像
 400 対象空間
 401 表示領域
 500 光軸
 501 仮想面
 600 路面
 700 画像
 Si1 姿勢信号

請求の範囲

[請求項1]
 表示面を有し、前記表示面に画像を形成する画像形成部と、
 前記画像形成部の出力光により、前記画像に対応する虚像を対象空間に投影する投影部と、
 前記画像形成部及び前記投影部が実装される本体部と、
 前記本体部の姿勢を表す姿勢信号に基づいて、前記本体部に対する相対的な前記虚像の表示位置を変化させる位置補正部と、を備え、
 前記位置補正部は、
  互いに異なる手段で前記虚像の前記表示位置を変化させる複数の補正部を有し、
  前記姿勢信号の周波数成分に応じて、前記複数の補正部の中から、少なくとも1つの補正部を選択し、選択した前記補正部にて前記虚像の前記表示位置を変化させるように構成されている、
 表示装置。
[請求項2]
 前記複数の補正部は、前記表示面における前記画像の位置を変更することで前記虚像の前記表示位置を変化させる画像補正部を含む、
 請求項1に記載の表示装置。
[請求項3]
 前記位置補正部は、所定の下限周波数以上の前記姿勢信号の周波数成分については、少なくとも前記画像補正部を選択するように構成されている、
 請求項2に記載の表示装置。
[請求項4]
 前記投影部は、前記画像形成部の出力光を反射又は透過することにより前記虚像を前記対象空間に投影する光学素子を有し、
 前記複数の補正部は、前記光学素子の向き又は位置を変更することで前記虚像の前記表示位置を変化させる素子補正部を含む、
 請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
[請求項5]
 前記位置補正部は、所定の上限周波数以下の前記姿勢信号の周波数成分については、少なくとも前記素子補正部を選択するように構成されている、
 請求項4に記載の表示装置。
[請求項6]
 前記複数の補正部は、前記表示面の位置を変更することで前記虚像の前記表示位置を変化させる表示面補正部を含む、
 請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
[請求項7]
 前記位置補正部は、所定の上限周波数以下の前記姿勢信号の周波数成分については、少なくとも前記表示面補正部を選択するように構成されている、
 請求項6に記載の表示装置。
[請求項8]
 前記複数の補正部は、第1補正部と、第2補正部と、を含み、
 前記位置補正部は、
  第1フィルタ及び第2フィルタを更に有し、
  前記第1補正部には、前記第1フィルタを通して前記姿勢信号が入力され、
  前記第2補正部には、前記第2フィルタを通して前記姿勢信号が入力されるように構成されている、
 請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
[請求項9]
 請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置と、
 前記投影部からの光を反射する反射部材と、を備える、
 移動体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]