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1. (WO2018179704) パターン形成方法
Document

明 細 書

発明の名称 パターン形成方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151  

実施例

0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181  

産業上の利用可能性

0182  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : パターン形成方法

技術分野

[0001]
 本発明は、パターン形成方法に関する。

背景技術

[0002]
 リソグラフィーによる微細加工に用いられる一般的なパターン形成方法では、レジスト膜形成用感放射線性組成物により形成したレジスト膜を、遠紫外線(例えばArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等)、極端紫外線(EUV)等の電磁波や、電子線等の荷電粒子線などで露光して露光部で酸を発生させる。そして、この酸を触媒とする化学反応により露光部及び未露光部で現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にパターンを形成する。形成されたパターンは、基板加工におけるマスク等として用いることができる。
[0003]
 かかるパターン形成方法には、加工技術の微細化に伴ってレジスト性能を向上させることが要求されている。この要求に対し、レジスト膜形成用感放射線性組成物に用いられる有機重合体、酸発生剤、その他の成分の種類、分子構造等が検討され、さらにその組み合わせについても詳細に検討されている(特開平11-125907号公報、特開平8-146610号公報及び特開2000-298347号公報参照)。また、有機重合体の代わりに金属含有化合物を含有するレジスト膜形成用感放射線性組成物を用いることも検討されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平11-125907号公報
特許文献2 : 特開平8-146610号公報
特許文献3 : 特開2000-298347号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、上述の金属含有化合物を用いたパターン形成方法により形成されるパターンには、パターンの裾引きや、広範囲においてスペース部にスカムが発生する広エリアダメージ等のレジスト形状の異常(ポイゾニング)が生じることがある。このポイゾニングは、ポーラスシリカ等により形成される低誘電率絶縁膜を備える基板上にパターンを形成する際に特に顕著となる。このポイゾニングの原因としては、例えば基板を洗浄する際に用いるアンモニア等のアミンが上記低誘電率絶縁膜等に吸着し、このアミンがパターン形成時に基板から遊離してレジスト膜を汚染するためであると考えられている。
[0006]
 本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、ポイゾニング抑制性に優れるパターン形成方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記課題を解決するためになされた発明は、基板に下層膜形成用組成物を塗工する工程と、上記下層膜形成用組成物塗工工程により形成された下層膜上に直接又は間接にレジスト膜形成用感放射線性組成物を塗工する工程と、上記レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程とを備え、上記下層膜形成用組成物が、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、リン酸基、硫酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、-CR F1F2OH(R F1は、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。R F2は、水素原子、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。)又はこれらの組み合わせである酸基を有する成分を熱の作用により発生する第1成分と、上記第1成分以外の成分であって上記酸基を有する第2成分とのうち少なくとも1種を含有し、上記レジスト膜形成用感放射線性組成物が、金属含有化合物を固形分換算で50質量%以上含有するパターン形成方法である。
[0008]
 ここで「酸基」とは、プロトンとして解離しうる水素原子を含む基をいう。

発明の効果

[0009]
 本発明のパターン形成方法によれば、パターンの裾引きや広エリアダメージ等のポイゾニングを抑制できる。従って、このパターン形成方法は、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスの加工プロセス等に好適に用いることができる。

発明を実施するための形態

[0010]
<パターン形成方法>
 当該パターン形成方法は、基板に下層膜形成用組成物を塗工する工程(下層膜形成用組成物塗工工程)と、上記下層膜形成用組成物塗工工程により形成された下層膜上に直接又は間接にレジスト膜形成用感放射線性組成物を塗工する工程(レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程)と、上記レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する工程(露光工程)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(現像工程)とを備える。上記下層膜形成用組成物は、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、リン酸基、硫酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、-CR F1F2OH(R F1は、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。R F2は、水素原子、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。)又はこれらの組み合わせである酸基(以下、「酸基(a)」ともいう)を有する成分を熱の作用により発生する第1成分(以下、「[A]熱酸発生成分」ともいう)と、[A]熱酸発生成分以外の成分であって酸基(a)を有する第2成分(以下、「[B]酸基含有成分」ともいう)とのうち少なくとも1種を含有する。また、上記レジスト膜形成用感放射線性組成物は、金属含有化合物(以下、「[P]金属含有化合物」ともいう)を固形分換算で50質量%以上含有する。
[0011]
 当該パターン形成方法は、上述の各工程を備え、下層膜形成用組成物が[A]熱酸発生成分と[B]酸基含有成分とのうち少なくとも1種を含有し、レジスト膜形成用感放射線性組成物が[P]金属含有化合物を固形分換算で50質量%以上含有することで、ポイゾニングを抑制できる。当該パターン形成方法が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察できる。すなわち、当該パターン形成方法では、レジスト膜の露光部において[P]金属含有化合物等が露光光を吸収して二次電子を放出し、この二次電子によって[P]金属含有化合物の構造等が変化することで現像液に対する溶解性が増減するため、パターンを形成できると考えられる。ここで、当該パターン形成方法における下層膜には、成膜時に[A]熱酸発生成分から生じた酸基(a)を有する成分、及び/又は[B]酸基含有成分が含まれるため、これらの成分によって基板から遊離したアミンを下層膜でトラップし、レジスト膜の汚染を抑制できる。その結果、当該パターン形成方法では、アミンによる[P]金属含有化合物の構造変化等への影響が生じ難いため、ポイゾニング抑制性に優れると考えられる。
[0012]
 以下、当該パターン形成方法について、下層膜形成用組成物塗工工程に用いる下層膜形成用組成物と、レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程に用いるレジスト膜形成用感放射線性組成物とを説明した後、各工程の詳細について説明する。
[0013]
[下層膜形成用組成物]
 下層膜形成用組成物は、[A]熱酸発生成分と[B]酸基含有成分とのうち少なくとも1種を含有する。下層膜形成用組成物は、保存安定性の観点から、[A]熱酸発生成分、及び[B]酸基含有成分のうち[A]熱酸発生成分のみを含有することが好ましい。[A]熱酸発生成分及び[B]酸基含有成分は、それぞれ低分子化合物であっても有機重合体であってもよい。以下、[A]熱酸発生成分及び[B]酸基含有成分のうち、低分子化合物をそれぞれ[A1]熱酸発生剤及び[B1]酸基含有化合物といい、有機重合体をそれぞれ[A2]熱酸発生重合体及び[B2]酸基含有重合体という。ここで、低分子化合物とは、分子量1,500以下の化合物をいう。「有機重合体」とは、主鎖中に炭素原子が含まれる重合体をいい、「無機重合体」とは、主鎖中に炭素原子が含まれない重合体をいう。
[0014]
 下層膜形成用組成物は、[A2]熱酸発生重合体、[B2]酸基含有重合体、並びに[A]熱酸発生成分及び[B]酸基含有成分以外の第3有機重合体(以下、「[C1]有機重合体」ともいう)のうち少なくとも1種の有機重合体成分を含有することが好ましい。また、下層膜形成用組成物は、[C2]無機重合体、[C3]芳香環含有化合物、[D]添加剤、[E]溶媒等をさらに含有してもよい。なお、下層膜形成用組成物における[A]~[E]成分は、それぞれ1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0015]
 上記有機重合体成分の重量平均分子量の上限としては、100,000が好ましく、30,000がより好ましい。ここで、本明細書におけるMwと、後述する数平均分子量(Mn)とは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
 GPCカラム:例えば東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、及び「G4000HXL」1本
 カラム温度:40℃
 溶出溶媒:テトラヒドロフラン
 流速:1.0mL/分
 試料濃度:1.0質量%
 試料注入量:100μL
 検出器:示差屈折計
 標準物質:単分散ポリスチレン
[0016]
 上記有機重合体成分としては、耐熱性及びエッチング耐性を向上する観点から、芳香環を有する有機重合体成分が好ましく、主鎖に芳香環を有する有機重合体成分がより好ましく、重縮合により得られ、主鎖に芳香環を有する有機重合体成分がさらに好ましい。
[0017]
 芳香環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、インデン環、ピレン環、フルオレニリデンビフェニル環、フルオレニリデンビナフタレン環等の芳香族炭素環や、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ホスホール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環等の芳香族複素環などが挙げられる。
[0018]
 酸基(a)においてR F1及びR F2で表されるフッ素化アルキル基としては、例えば炭素数1~20のフッ素化アルキル基等が挙げられ、これらの中で、パーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
[0019]
 酸基(a)としては、スルホ基が好ましい。このように、酸基(a)としてプロトンが比較的解離し易いスルホ基を用いることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。
[0020]
 [A]熱酸発生成分から発生する成分、及び[B]酸基含有成分の酸解離指数(pKa)の上限としては、3が好ましく、2がより好ましい。一方、上記Kaの下限としては、-15が好ましく、-10がより好ましい。このように、上記pKaを上記範囲とすること、すなわち[A]熱酸発生成分から発生する成分の酸性度、及び[B]酸基含有成分の酸性度を比較的高くすることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。ここで、本明細書におけるpKaとは、ACD/ChemSketch(ACD/Labs 8.00 Release Product Version:8.08)により測定される値であり、多価の酸においては第一段階の酸解離における値を意味する。
[0021]
([A]熱酸発生成分)
 [A]熱酸発生成分は、酸基(a)を有する成分を熱の作用により発生する。当該パターン形成方法では、下層膜形成用組成物が[A]熱酸発生成分を含有することで、後述する下層膜形成用組成物塗工工程におけるプレベーク時等に下層膜に酸基(a)を有する成分が発生する。その結果、基板からアミンが遊離したとしても、下層膜中の酸基(a)を有する成分によって上記アミンをトラップできるため、ポイゾニングを抑制できる。[A]熱酸発生成分としては、[A1]熱酸発生剤が好ましい。
[0022]
〔[A1]熱酸発生剤〕
 [A1]熱酸発生剤は、熱の作用により酸基(a)を有する成分を発生する低分子化合物である。
[0023]
 [A1]熱酸発生剤から発生する成分としては、スルホン酸が好ましく、炭素数1~10のフッ素化アルキルスルホン酸及び脂環構造を有するスルホン酸がより好ましく、パーフルオロアルキルスルホン酸及び10-カンファースルホン酸がさらに好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸及び10-カンファースルホン酸が特に好ましい。
[0024]
 [A1]熱酸発生剤としては、例えばヨードニウム塩化合物等のオニウム塩化合物、有機スルホン酸アルキルエステル、2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシラート、2-ニトロベンジルトシラートなどが挙げられる。
[0025]
 ヨードニウム塩化合物としては、例えばトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、10-カンファースルホネート、ピレンスルホネート、n-ドデシルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート等のアニオンと、ジフェニルヨードニウム、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウム等のヨードニウムカチオンとの塩化合物などが挙げられる。
[0026]
 [A1]熱酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、ヨードニウム塩化合物がより好ましく、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロ-n-ブタンスルホネート及びビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウム10-カンファースルホネートがさらに好ましい。
[0027]
 下層膜形成用組成物が[A1]熱酸発生剤を含有する場合、下層膜形成用組成物における[A1]熱酸発生剤の固形分換算での含有量の下限としては、0.5質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、7質量%がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、40質量%が好ましく、25質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましい。[A1]熱酸発生剤の固形分換算での含有量を上記範囲とすることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。ここで下層膜形成用組成物における「固形分」とは、後述する[E]溶媒以外の成分をいう。
[0028]
〔[A2]熱酸発生重合体〕
 [A2]熱酸発生重合体は、熱の作用により酸基(a)を有する成分を発生する有機重合体である。[A2]熱酸発生重合体から発生する成分は、酸基(a)を有する低分子化合物であっても、酸基(a)を有する有機重合体であってもよいが、酸基(a)を有する有機重合体が好ましい。
[0029]
 [A2]熱酸発生重合体のMwの下限としては、1,600が好ましく、2,000がより好ましく、2,500がさらに好ましい。一方、上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、15,000がさらに好ましい。
[0030]
 [A2]熱酸発生重合体としては、例えば1又は複数の[A1]熱酸発生剤が組み込まれた構造単位を有する重合体等が挙げられ、アルコキシスルホニル基を有する構造単位が好ましい。アルコキシスルホニル基としては、例えば炭素数1~20のアルコキシスルホニル基等が挙げられ、エトキシスルホニル基が好ましい。アルコキシスルホニル基を含む構造単位としては、アルコキシスルホニル基で置換された芳香環を含むスチレン系構造単位が好ましく、下記式で表される構造単位がより好ましい。なお、[A2]熱酸発生重合体は、[A1]熱酸発生剤が組み込まれた構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。
[0031]
[化1]


[0032]
 上記式中、R は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数4~20のシクロアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基、又はこれらの組み合わせからなる2価の炭化水素基である。R は、炭素数1~20のアルキル基である。
[0033]
 [A2]熱酸発生重合体を構成する全構造単位における[A1]熱酸発生剤が組み込まれた構造単位の含有割合の下限としては、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましい。一方、上記構造単位の含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、60モル%がより好ましい。上記構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。
[0034]
 [A2]熱酸発生重合体は、[A1]熱酸発生剤が組み込まれた構造単位以外の他の構造単位を有していてもよい。上記構造単位としては、特に限定されず、例えば後述する[C1]有機重合体における各樹脂を構成する構造単位と同様のもの等が挙げられるが、これらの中で、アセナフチレン骨格を有する化合物に由来する構造単位が好ましく、アセナフチレンに由来する構造単位及びヒドロキシメチルアセナフチレンに由来する構造単位がより好ましい。
[0035]
 [A2]熱酸発生重合体を構成する全構造単位における上記他の構造単位の含有割合の下限としては、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。一方、上記構造単位の含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、50モル%がより好ましい。
[0036]
 下層膜形成用組成物が[A2]熱酸発生重合体を含有する場合、下層膜形成用組成物における[A2]熱酸発生重合体の固形分換算での含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。また、[A2]熱酸発生重合体の固形分換算での含有量は、100質量%であってもよい。[A2]熱酸発生重合体の固形分換算での含有量を上記下限以上とすることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。
[0037]
([B]酸基含有成分)
 [B]酸基含有成分は、酸基(a)を有する成分である。当該パターン形成方法では、下層膜形成用組成物が[B]酸基含有成分を含有することで、基板からアミンが遊離したとしても、下層膜中の[B]酸基含有成分によって上記アミンをトラップできるため、ポイゾニングを抑制できる。[B]酸基含有成分としては、[B2]酸基含有重合体が好ましい。
[0038]
〔[B1]酸基含有化合物〕
 [B1]酸基含有化合物は、酸基(a)を有する低分子化合物である。[B1]酸基含有化合物の具体例としては、例えば上述した[A1]熱酸発生剤から発生する酸基(a)を有する成分と同様のもの等が挙げられる。
[0039]
 下層膜形成用組成物が[B1]酸基含有化合物を含有する場合、下層膜形成用組成物における[B1]酸基含有化合物の含有量としては、例えば上述した[A1]熱酸発生剤の好適な含有量と同様とすることができる。
[0040]
〔[B2]酸基含有重合体〕
 [B2]酸基含有重合体は、酸基(a)を有する有機重合体である。[B2]酸基含有重合体としては、例えば酸基(a)を含む構造単位を有するイオン交換樹脂等が挙げられる。
[0041]
 [B2]酸基含有重合体のMwの下限としては、1,600が好ましく、2,000がより好ましく、2,500がさらに好ましい。一方、上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、15,000がさらに好ましい。
[0042]
 イオン交換樹脂としては、例えばスチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ポリエステル系重合体、セルロース、ポリテトラフルオロエチレン等の有機重合体に酸基(a)を導入した重合体などが挙げられる。より具体的には、ノボラック系樹脂をスルホン化した重合体、レゾール系樹脂をスルホン化した重合体、ジビニルベンゼンで架橋したスチレン系重合体をスルホン化した重合体、ジビニルベンゼンで架橋した(メタ)アクリル系重合体をカルボキシル化した重合体などが挙げられる。イオン交換樹脂においてスルホン化されるノボラック系樹脂及びレゾール系樹脂としては、例えば後述する[C1]有機重合体におけるノボラック系樹脂及びレゾール系樹脂と同様のもの等が挙げられる。
[0043]
 酸基(a)を含む構造単位としては、ノボラック系樹脂の構造単位にスルホ基を導入したものが好ましい。このような構造単位としては、下記式で表される構造単位が挙げられる。
[0044]
[化2]


[0045]
 [B2]酸基含有重合体を構成する全構造単位における酸基(a)を含む構造単位の含有割合の下限としては、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。一方、上記構造単位の含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、50モル%がより好ましい。上記構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。
[0046]
 [B2]酸基含有重合体を構成する全構造単位における酸基(a)を含まない構造単位の含有割合の下限としては、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。一方、上記構造単位の含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、50モル%がより好ましい。
[0047]
 下層膜形成用組成物が[B2]酸基含有重合体を含有する場合、下層膜形成用組成物における[B2]酸基含有重合体の固形分換算での含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。また、[B2]酸基含有重合体の固形分換算での含有量は、100質量%であってもよい。[B2]酸基含有重合体の固形分換算での含有量を上記下限以上とすることで、下層膜によるアミンのトラップをより効果的に行うことができる。
[0048]
([C1]有機重合体)
 [C1]有機重合体は、[A]熱酸発生成分及び[B]酸基含有成分以外の有機重合体である。[C1]有機重合体としては、例えば特開2016-206676号公報の段落[0040]~[0116]に記載のもの等を用いることができるが、下層膜のエッチング耐性をより向上する観点から、ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂、芳香環含有ビニル系樹脂、アセナフチレン系樹脂、インデン系樹脂、ポリアリーレン系樹脂、トリアジン系樹脂、カリックスアレーン系樹脂、フラーレン系樹脂及びピレン系樹脂が好ましく、ノボラック系樹脂及びアセナフチレン系樹脂がより好ましい。
[0049]
 ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂、芳香環含有ビニル系樹脂、アセナフチレン系樹脂、インデン系樹脂、ポリアリーレン系樹脂、トリアジン系樹脂、フラーレン系樹脂又はピレン系樹脂のMwの下限としては、500が好ましく、1,000がより好ましく、2,000がさらに好ましい。一方、上記Mwの上限としては、10,000が好ましい。また、これらの樹脂のMnに対するMwの比(Mw/Mn)の下限としては、1.1が好ましい。一方、上記Mw/Mnの上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。上記Mwと、Mw/Mnとを上記範囲とすることで、下層膜の平坦性及び表面塗布性を向上することができる。
[0050]
 カリックスアレーン系樹脂の分子量の下限としては、レジスト下層膜の平坦性を向上する観点から、500が好ましく、700がより好ましく、1,000がさらに好ましい。上記分子量の上限としては、5,000が好ましく、3,000がより好ましく、1,500がさらに好ましい。カリックスアレーン系樹脂が分子量分布を有する場合、カリックスアレーン系樹脂の分子量とは、GPCによるポリスチレン換算のMwを意味する。
[0051]
([C2]無機重合体)
 [C2]無機重合体としては、例えば[C2-1]ポリシロキサンや、複数の金属原子と、この金属原子間を架橋する酸素原子(以下、「架橋酸素原子」ともいう)と、上記金属原子に配位する多座配位子とを含む[C2-2]錯体(複核錯体)等が挙げられる。
[0052]
〔[C2-1]ポリシロキサン〕
 [C2-1]ポリシロキサンとしては、例えば下記式(I)で表される構造単位(I)、及び/又は下記式(II)で表される構造単位(II)を有するもの等が挙げられる。[C2-1]ポリシロキサンにおける各構造単位は、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0053]
[化3]


[0054]
 上記式(I)中、R X1は、炭素数1~20の1価の有機基である。
[0055]
 ここで「有機基」とは、少なくとも1つの炭素原子を有する基をいう。
[0056]
 R X1で表される1価の有機基としては、1価の炭化水素基、1価のフッ素化炭化水素基、及び1価の炭化水素基の炭素-炭素間に2価のヘテロ原子含有基を有する1価の基(α)が好ましく、1価の鎖状炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、1価のフッ素化芳香族炭化水素基、及び複素環を含む基がより好ましく、アルキル基、アリール基、フルオロアリール基及び含窒素複素環を含む基がより好ましい。上記含窒素複素環としては、例えばアゾシクロアルカン環、イソシアヌル環等が挙げられる。
[0057]
 構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
[0058]
[化4]


[0059]
 [C2-1]ポリシロキサンにおける構造単位(I)の含有割合の下限としては、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましい。一方、構造単位(I)の含有割合の上限としては、60モル%が好ましく、40モル%がより好ましい。
[0060]
 [C2-1]ポリシロキサンにおける構造単位(II)の含有割合の下限としては、40モル%が好ましく、60モル%がより好ましい。一方、構造単位(II)の含有割合の上限としては、99モル%が好ましく、95モル%がより好ましい。
[0061]
 [C2-1]ポリシロキサンのMwの下限としては、500が好ましく、800がより好ましく、1,200がさらに好ましい。一方、上記Mwの上限としては、100,000が好ましく、30,000がより好ましく、10,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。
[0062]
〔[C2-2]錯体〕
 [C2-2]錯体における金属原子としては、チタン、タンタル、ジルコニウム及びタングステン(以下、これらを「特定金属原子」ともいう)が好ましく、チタン及びジルコニウムがより好ましい。これらの金属原子を用いることで、当該パターン形成方法におけるパターン形成性と、レジスト膜及び下層膜のエッチング選択性とを向上することができる。これらの金属原子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、エッチングの際に下層膜のエッチング速度の面内均一性をナノメートルオーダーで確保するため、1種単独で用いることが好ましい。
[0063]
 [C2-2]錯体は、架橋酸素原子を含むことで、安定な複核錯体となることができ、その結果、当該パターン形成方法におけるパターン形成性と、エッチング選択性とを向上する。架橋酸素原子は、1個の金属原子に対して複数個結合しているとよいが、一部の金属原子については1個の金属原子に対して1個のみ結合していてもよい。[C2-2]錯体は、1個の金属原子に2個の架橋酸素原子が結合している構造を主に含んでいることが好ましい。[C2-2]錯体がこのような構造を主に含むことで、-M -O-M -O-(M は、特定金属原子等の金属原子である)で表される直鎖状に近い構造を取ることが可能となり、溶解性が向上する。その結果、洗浄溶剤を用いて下層膜を除去する際の除去性(以下、「下層膜の除去性」ともいう)が向上する。ここで、上記構造を「主に含む」とは、[C2-2]錯体を構成する全金属原子の50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上の金属原子について、それぞれ2個の架橋酸素原子が結合していることをいう。
[0064]
 [C2-2]錯体は、架橋酸素原子以外に、例えばパーオキサイド配位子(-O-O-)等の他の架橋配位子を有していてもよい。
[0065]
 [C2-2]錯体における多座配位子は、[C2-2]錯体の溶解性を向上し、これにより下層膜の除去性を向上する。多座配位子としては、ヒドロキシ酸エステル、β-ジケトン、β-ケトエステル、α位の炭素原子が置換されていてもよいマロン酸ジエステル(以下、「マロン酸ジエステル類」ともいう)、及びπ結合を有する炭化水素、又はこれらの化合物に由来する配位子が好ましい。多座配位子を上記配位子とすることで、下層膜の除去性をより向上させることができる。これらの化合物は、通常、1個の電子を得てなるアニオンとして多座配位子を形成するか、プロトンが脱離したアニオンとして多座配位子を形成するか、又はそのままの構造で多座配位子を形成する。
[0066]
 [C2-2]錯体における金属原子に対する多座配位子のモル比(多座配位子/金属原子)の下限としては、1が好ましく、1.5がより好ましく、1.8がさらに好ましい。一方、上記比の上限としては、3が好ましく、2.5がより好ましく、2.2がさらに好ましい。
[0067]
 [C2-2]錯体は、上述の架橋配位子及び多座配位子以外にも、その他の配位子を含んでいてもよい。
[0068]
 静的光散乱法によって測定される[C2-2]錯体の絶対分子量の下限としては、400が好ましく、1,200がより好ましく、2,000がさらに好ましい。上記絶対分子量の上限としては、50,000が好ましく、20,000がより好ましく、10,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。上記絶対分子量を上記範囲とすることにより、下層膜の除去性をより向上すると共に、下層膜形成時の[C2-2]錯体の揮発を抑制することができる。
[0069]
 静的光散乱法による[C2-2]錯体の絶対分子量は、下記条件により測定される値である。
 装置:光散乱測定装置(例えばドイツALV社の「ALV-5000」)
 測定濃度:2.5質量%、5.0質量%、7.5質量%、10.0質量%の4点
 標準液体:トルエン
 測定温度:23℃
 絶対分子量の算出に必要な溶液の屈折率及び溶液の密度は、下記装置により測定される値である。
 溶液の屈折率の測定装置:屈折計(例えば京都電子工業社の「RA-500」)
 溶液の密度の測定装置:密度比重計(例えば京都電子工業社の「DA-100」)
 なお、上述のメーカー及び型番の装置を用いた絶対分子量の測定では、石英セルに試料溶液をセットする方式が用いられるが、この他に、フローセルに試料溶液を注入する多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)を用いた方式等を用いてもよい。
[0070]
([C3]芳香環含有化合物)
 [C3]芳香環含有化合物は、芳香環を有し、かつ分子量が600以上3,000以下の化合物である。[C3]芳香環含有化合物が分子量分布を有する場合、[C3]芳香環含有化合物の分子量とは、例えばGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を意味する。下層膜形成用組成物が[C3]芳香環含有化合物を含有することで、芳香環を有する[C1]有機重合体を含有する場合と同様に、下層膜の耐熱性及びエッチング耐性を向上できる。[C3]芳香環含有化合物の具体例としては、例えば特開2016-206676号公報の段落[0117]~[0179]に記載の化合物等が挙げられる。
[0071]
([D]添加剤)
 [D]添加剤は、下層膜形成用組成物の各種性能を向上する。[D]添加剤としては、[D1]架橋剤、[D2]架橋促進剤、界面活性剤、密着助剤等が挙げられる。下層膜形成用組成物は、[D1]架橋剤及び/又は[D2]架橋促進剤をさらに含有することが好ましい。
[0072]
〔[D1]架橋剤〕
 [D1]架橋剤は、熱の作用等により[C1]有機重合体同士等に架橋結合を形成する成分である。下層膜形成用組成物が[D1]架橋剤を含有することで、下層膜の硬度を向上することができる。
[0073]
 [D1]架橋剤としては、例えばアルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物等が挙げられる。
[0074]
 ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物としては、例えば2-ヒドロキシメチル-4,6-ジメチルフェノール、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、3,5-ジヒドロキシメチル-4-メトキシトルエン[2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール]、4,4’-(1-(4-(1-(4-ヒドロキシ-3,5-ビス(メトキシメチル)フェニル)-1-メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビス(2,6-ビス(メトキシメチル)フェノール)、5,5’-(1-メチルエチリデン)ビス(2-ヒドロキシ-1,3-ベンゼンジメタノール)等が挙げられる。
[0075]
 アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の一分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒素化合物について、そのメチロール基におけるヒドロキシ基の水素原子の少なくとも一部をメチル基、ブチル基等のアルキル基で置換した化合物などが挙げられる。なお、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物は、複数の置換化合物を混合した混合物でもよく、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含むものであってもよい。
[0076]
 [D1]架橋剤としては、上述した化合物以外にも、例えば多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物等を用いることもできる。これらの化合物の具体例としては、例えば特開2016-206676号公報の段落[0203]~[0207]に記載の化合物等が挙げられる。
[0077]
 [D1]架橋剤としては、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物及びアルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物が好ましく、5,5’-(1-メチルエチリデン)ビス(2-ヒドロキシ-1,3-ベンゼンジメタノール)及び2,4,6-トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]-1,3,5-トリアジンがより好ましい。
[0078]
 下層膜形成用組成物が[D1]架橋剤を含有する場合、下層膜形成用組成物における[D1]架橋剤の固形分換算での含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1.5質量%がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。上記含有量を上記範囲とすることで、下層膜の硬度をより向上することができる。
[0079]
〔[D2]架橋促進剤〕
 [D2]架橋促進剤は、[D1]架橋剤による架橋結合の形成や、[C2-1]ポリシロキサンや[C2-2]錯体等に残存する加水分解性基による加水分解縮合などを促進する。[D2]架橋促進剤としては、例えば塩基性化合物や、酸解離性基を有する窒素含有化合物等を用いることができる。
[0080]
 塩基性化合物としては、例えばスルホニウム塩化合物等の熱の作用により分解しないオニウム塩化合物等が挙げられる。スルホニウム塩化合物としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
[0081]
[化5]


[0082]
 酸解離性基を有する窒素含有化合物としては、例えばN-t-ブトキシカルボニルピペリジン、N-t-ブトキシカルボニルイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニル-2-フェニルベンズイミダゾール、N-(t-ブトキシカルボニル)ジ-n-オクチルアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン、N-t-アミルオキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
[0083]
 [D2]架橋促進剤としては、スルホニウム塩化合物及び酸解離性基を有する窒素含有化合物が好ましく、トリフェニルスルホニウムアセテート及びN-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジンがより好ましい。
[0084]
 下層膜形成用組成物が[D2]架橋促進剤を含有する場合、下層膜形成用組成物における[D2]架橋促進剤の固形分換算での含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1.5質量%がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。上記含有量を上記範囲とすることで、下層膜の硬度をより向上することができる。
[0085]
 界面活性剤は、形成される下層膜の塗布面均一性を向上すると共に塗布斑の発生を抑制する。界面活性剤の具体例としては、例えば特開2016-206676号公報の段落[0216]に記載のもの等を用いることができる。
[0086]
 密着助剤は、下層膜と、下地である基板との密着性を向上する。密着助剤としては、例えば公知の密着助剤を用いることができる。
[0087]
([E]溶媒)
 [E]溶媒としては、[A]熱酸発生成分及び/又は[B]酸基含有成分と、必要に応じて含有される[C]有機重合体等の任意成分とを溶解又は分散することができれば特に限定されないが、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が挙げられる。
[0088]
 上記アルコール系溶媒としては、例えば
 メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、iso-ペンタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、2-メチルペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール等のモノアルコール系溶媒などが挙げられる。
[0089]
 上記エーテル系溶媒としては、例えば
 エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒などが挙げられる。
[0090]
 [E]溶媒としては、上述した溶媒以外に、特開2016-206676号の段落[0185]~[0189]に記載の溶媒等を用いることもできる。
[0091]
 [E]溶媒としては、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、エーテル系溶媒がより好ましい。エーテル系溶媒としては、多価アルコール部分エーテル系溶媒及び多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテル系溶媒及びプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートがより好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びPGMEAがさらに好ましい。
[0092]
 [E]溶媒としては、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、エーテル系溶媒がより好ましい。エーテル系溶媒としては、多価アルコール部分エーテル系溶媒、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒及びジ脂肪族エーテル系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテル系溶媒及び多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分エーテル系溶媒及びプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートがさらに好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル及びPGMEAが特に好ましい。ケトン系溶媒としては、環状ケトン系溶媒が好ましく、シクロヘキサノン及びシクロペンタノンがより好ましい。エステル系溶媒としては、カルボン酸エステル系溶媒及びラクトン系溶媒が好ましく、カルボン酸エステル系溶媒がより好ましく、乳酸エチルがさらに好ましい。
[0093]
 [E]溶媒は、下層膜形成用組成物のシリコンウエハ等の基板への塗布性を向上する観点から、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒、その中でもプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、特にPGMEAを含有することが好ましい。下層膜形成用組成物に含有される[C]有機重合体等の各成分はPGMEA等に溶解し易い傾向にあるため、[E]溶媒が多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒を含有することで、下層膜形成用組成物の塗布性を向上し、その結果、下層膜の埋め込み性を向上することができる。[E]溶媒における多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒の含有割合の下限としては、20質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。また、上記含有割合としては、100質量%が最も好ましい。
[0094]
(下層膜形成用組成物の調製方法)
 下層膜形成用組成物は、[A]熱酸発生成分及び/又は[B]酸基含有成分と、必要に応じて用いられる[C1]有機重合体等の任意成分とを所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を0.45μm程度のメンブランフィルター等でろ過することにより調製できる。下層膜形成用組成物における固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましい。一方、上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましい。
[0095]
[レジスト膜形成用感放射線性組成物]
 レジスト膜形成用感放射線性組成物は、[P]金属含有化合物を固形分換算で50質量%以上含有する。当該レジスト膜形成用感放射線性組成物は、[Q]溶媒をさらに含有することが好ましく、その他の成分をさらに含有してもよい。レジスト膜形成用感放射線性組成物は、[P]金属含有化合物を固形分換算で50質量%以上含有するため、エッチング耐性に優れるレジスト膜を形成できる。
[0096]
([P]金属含有化合物)
 [P]金属含有化合物は、金属原子を含有する化合物である。[P]金属含有化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、[P]金属含有化合物を構成する金属原子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで「金属原子」とは、半金属、すなわちホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン及びテルルを含む概念である。
[0097]
 [P]金属含有化合物を構成する金属原子としては、特に限定されず、例えば第3族~第16族の金属原子等が挙げられる。上記金属原子の具体例としては、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム等の第4族の金属原子、タンタル等の第5族の金属原子、クロム、タングステン等の第6族の金属原子、鉄、ルテニウム等の第8族の金属原子、コバルト等の第9族の金属原子、ニッケル等の第10族の金属原子、銅等の第11族の金属原子、亜鉛、カドミウム、水銀等の第12族の金属原子、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等の第13族の金属原子、ゲルマニウム、スズ、鉛等の第14族の金属原子、アンチモン、ビスマス等の第15族の金属原子、テルル等の第16族の金属原子などが挙げられる。
[0098]
 [P]金属含有化合物を構成する金属原子は、周期表において第4族、第12族又は第14族に属し、かつ第4周期、第5周期又は第6周期に属する第1金属原子を含むとよい。すなわち、上記金属原子は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、カドミウム、水銀、ゲルマニウム、スズ及び鉛のうち少なくとも1種を含むとよい。このように、[P]金属含有化合物が第1金属原子を含むことで、レジスト膜の露光部における二次電子の放出や、この二次電子等による[P]金属含有化合物の現像液に対する溶解性の変化がより促進される。その結果、当該パターン形成方法の感度をより向上することができると共にパターン倒れをより確実に抑制することができる。第1金属原子としては、スズが好ましい。
[0099]
 [P]金属含有化合物は、金属原子以外の他の原子をさらに有することが好ましい。上記他の原子としては、例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられ、これらの中で炭素原子、水素原子及び酸素原子が好ましい。[P]金属含有化合物における他の原子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0100]
 レジスト膜形成用感放射線性組成物における[P]金属含有化合物の固形分換算での含有量の下限としては、70質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。また、上記含有量は、100質量%であってもよい。ここで、レジスト膜形成用感放射線性組成物における固形分とは、後述する[Q]溶媒以外の成分をいう。
[0101]
([P]金属含有化合物の合成方法)
 [P]金属含有化合物は、例えば金属原子及び加水分解性基を有する金属化合物、この金属化合物の加水分解物、上記金属化合物の加水分解縮合物又はこれらの組み合わせに対し、加水分解縮合反応、配位子交換反応等を行う方法により得ることができる。上記金属化合物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
[0102]
 [P]金属含有化合物としては、下記式(1)で表される金属原子及び加水分解性基を有する金属化合物(以下、「金属化合物(1)」ともいう)に由来するものが好ましい。このような金属化合物(1)を用いることで、安定な[P]金属含有化合物を得ることができる。
[0103]
[化6]


[0104]
 上記式(1)中、Mは、金属原子である。Lは、配位子又は炭素数1~20の1価の有機基である。aは、0~6の整数である。aが2以上の場合、複数のLは同一でも異なっていてもよい。Yは、1価の加水分解性基である。bは、2~6の整数である。複数のYは同一でも異なっていてもよい。なお、LはYに該当しない配位子又は有機基である。
[0105]
 Mで表される金属原子としては、第1金属原子が好ましく、スズがより好ましい。
[0106]
 Yで表される加水分解性基としては、Mで表される金属原子にあわせて適宜変更可能であるが、例えば置換又は非置換のエチニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、置換又は非置換のアミノ基等が挙げられる。
[0107]
 Yで表される置換又は非置換のエチニル基、及び置換又は非置換のアミノ基における置換基としては、炭素数1~20の1価の炭化水素基が好ましく、鎖状炭化水素基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
[0108]
 Yで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、塩素原子が好ましい。
[0109]
 Yで表されるアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基等が挙げられる。これらの中で、エトキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基が好ましい。
[0110]
 Yで表されるアシロキシ基としては、例えばホルミル基、アセトキシ基、エチリルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n-ブチリルオキシ基、t-ブチリルオキシ基、t-アミリルオキシ基、n-ヘキサンカルボニロキシ基、n-オクタンカルボニロキシ基等が挙げられる。これらの中で、アセトキシ基が好ましい。
[0111]
 Yで表される置換又は非置換のアミノ基としては、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等が挙げられる。これらの中で、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基が好ましい。
[0112]
 以下、Mで表される金属原子と、Yで表される加水分解性基との好適な組み合わせを説明する。Mで表される金属原子がスズである場合、Yで表される加水分解性基としては、置換又は非置換のエチニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基及び置換又は非置換のアミノ基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましい。Mで表される金属原子がゲルマニウムである場合、Yで表される加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、及び置換又は非置換のアミノ基が好ましい。Mで表される金属原子がハフニウム、ジルコニウム及びチタンである場合、Yで表される加水分解性基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基及びアシロキシ基が好ましい。
[0113]
 Lで表される配位子としては、単座配位子及び多座配位子が挙げられる。
[0114]
 上記単座配位子としては、例えばヒドロキソ配位子、ニトロ配位子、アンモニア等が挙げられる。
[0115]
 上記多座配位子としては、例えば[C2-2]錯体において例示した多座配位子や、ジホスフィン等が挙げられる。
[0116]
 上記ジホスフィンとしては、例えば1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。
[0117]
 Lで表される1価の有機基としては、例えば上記式(I)においてR X1で表される1価の有機基として説明した基と同様のもの等が挙げられる。Lで表される1価の有機基の炭素数の下限としては、2が好ましく、3がより好ましい。一方、上記炭素数の上限としては、10が好ましく、5がより好ましい。Lで表される1価の有機基としては、置換又は非置換の炭化水素基が好ましく、置換又は非置換の鎖状炭化水素基がより好ましく、置換又は非置換のアルキル基がさらに好ましく、t-ブチル基が特に好ましい。
[0118]
 aとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
[0119]
 bとしては、2~4の整数が好ましい。bを上記数値とすることで、[P]金属含有化合物における金属原子の含有割合を高め、[P]金属含有化合物による二次電子の発生をより効果的に促進できる。その結果、当該パターン形成方法の感度をより向上することができると共にパターン倒れをより確実に抑制することができる。
[0120]
 金属化合物(1)としては、ハロゲン化金属化合物が好ましく、下記式で表される化合物がより好ましい。
[0121]
[化7]


[0122]
 金属化合物(1)に対して加水分解縮合反応を行う方法としては、例えば必要に応じて用いられる水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基存在下、水、又は水を含む溶媒中で金属化合物(1)を撹拌する方法等が挙げられる。この場合、必要に応じて加水分解性基を有する他の化合物を添加してもよい。この加水分解縮合反応に用いる水の量の下限としては、金属化合物(1)等が有する加水分解性基に対し、0.2倍モルが好ましく、1倍モルがより好ましく、3倍モルがさらに好ましい。加水分解縮合反応における水の量を上記範囲とすることで、容易かつ確実に[P]金属含有化合物を得ることができる。
[0123]
 [P]金属含有化合物の合成反応の際、金属化合物(1)以外にも、上記式(1)の化合物におけるLで表される多座配位子になり得る化合物や架橋配位子になり得る化合物等を添加してもよい。上記架橋配位子になり得る化合物としては、例えばヒドロキシ基、イソシアネート基、アミノ基、エステル基、アミド基等の配位可能な基を2以上有する化合物等が挙げられる。
[0124]
 [P]金属含有化合物の合成反応の温度の下限としては、0℃が好ましく、10℃がより好ましい。上記温度の上限としては、150℃が好ましく、100℃がより好ましく、50℃がさらに好ましい。
[0125]
 [P]金属含有化合物の合成反応の時間の下限としては、1分が好ましく、10分がより好ましく、1時間がさらに好ましい。上記時間の上限としては、100時間が好ましく、50時間がより好ましく、24時間がさらに好ましく、4時間が特に好ましい。
[0126]
([Q]溶媒)
 [Q]溶媒としては、有機溶媒が好ましい。この有機溶媒の具体例としては、例えば上記下層膜形成用組成物において[E]溶媒として例示したものと同様のもの等が挙げられる。
[0127]
 [Q]溶媒としては、アルコール系溶媒が好ましく、モノアルコール系溶媒がより好ましく、4-メチル-2-ペンタノールがさらに好ましい。
[0128]
[その他の任意成分]
 レジスト膜形成用感放射線性組成物は、[P]金属含有化合物及び[Q]溶媒以外にも、配位子となり得る化合物、界面活性剤等のその他の任意成分を含有してもよい。
[0129]
[配位子となり得る化合物]
 上記配位子となり得る化合物としては、例えば多座配位子又は架橋配位子となり得る化合物等が挙げられ、具体的には[P]金属含有化合物の合成方法において例示した多座配位子又は架橋配位子となり得る化合物と同様のもの等が挙げられる。
[0130]
[界面活性剤]
 界面活性剤は塗布性、ストリエーション等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn-オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn-ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名として、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、同SC-101、同SC-102、同SC-103、同SC-104、同SC-105、同SC-106(以上、旭硝子社)等が挙げられる。
[0131]
(レジスト膜形成用感放射線性組成物の調製方法)
 レジスト膜形成用感放射線性組成物は、例えば[P]金属含有化合物と、必要に応じて[Q]溶媒等のその他の任意成分とを所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合物を孔径0.2μm程度のメンブランフィルターでろ過することにより調製できる。レジスト膜形成用感放射線性組成物が[Q]溶媒を含有する場合、レジスト膜形成用感放射線性組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、2質量%が特に好ましい。一方、上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましく、4質量%が特に好ましい。ここでレジスト膜形成用感放射線性組成物における「固形分」とは、[Q]溶媒以外の成分をいう。
[0132]
 以下、上述の下層膜形成用組成物及びレジスト膜形成用感放射線性組成物を用いた当該パターン形成方法の各工程について説明する。
[0133]
[下層膜形成用組成物塗工工程]
 本工程では、基板に、上述の下層膜形成用組成物を塗工する。具体的には、得られる下層膜が所望の厚さとなるように下層膜形成用組成物を基板の一方の面側に塗工した後、必要に応じてプレベーク(PB)によって下層膜形成用組成物の[E]溶媒等を揮発させることで下層膜を形成する。下層膜形成用組成物を基板に塗工する方法としては、特に限定されないが、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段を採用できる。上記基板としては、例えばシリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたシリコンウエハ、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜を備える基板樹脂基板等が挙げられる。酸化シリコン絶縁膜としては、ポーラスシリカにより形成される低誘電率絶縁膜等が挙げられる。これらの中で、窒化シリコンの絶縁膜を備える基板、及び低誘電率絶縁膜を備える基板が好ましい。このような基板は、パターン形成時に絶縁膜からアミンが放出され易い傾向にあるが、当該パターン形成方法によれば、下層膜によって上記アミンをトラップできるため、ポイゾニングを効果的に抑制することができる。
[0134]
 本工程で形成する下層膜の平均厚さの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましい。一方、上記平均厚さの上限としては、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
[0135]
 本工程におけるPB温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましく、250℃がさらに好ましい。一方、PB温度の上限としては、400℃が好ましく、350℃がより好ましく、300℃以下がさらに好ましい。また、PB時間の下限としては、15秒が好ましく、30秒がより好ましく、45秒がさらに好ましい。一方、PB時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましく、300秒がさらに好ましい。PB温度及びPB温度を上記範囲とすることで、下層膜に必要な特性を確実に発揮させることができる。
[0136]
 本工程では、[A2]熱酸発生重合体、[B2]酸基含有重合体及び[C1]有機重合体のうち少なくとも1種の有機重合体成分を含有する下層膜形成用組成物を用い、有機下層膜を形成することが好ましい。これにより、下層膜及びレジスト膜のエッチング選択性を向上することができる。この場合、有機下層膜における炭素含有率の下限としては、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。一方、上記炭素含有率の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましい。上記炭素含有率を上記範囲とすることで、下層膜及びレジスト膜のエッチング選択性をより向上することができる。ここで上記炭素含有率は、燃焼法による元素分析により測定される値をいう。
[0137]
 本工程では、上述した下層膜形成用組成物の塗工及びプレベークを複数回繰り返し、複数層の下層膜を形成してもよい。この場合、形成する下層膜の層数としては、例えば2層以上5層以下とすることができる。また、各下層膜の形成には、同一の下層膜形成用組成物を用いてもよく、異なる下層膜形成用組成物を用いてもよい。
[0138]
[レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程]
 本工程では、下層膜形成用組成物塗工工程により形成した下層膜上に直接又は間接に上述のレジスト膜形成用感放射線性組成物を塗工する。具体的には、得られるレジスト膜が所望の厚さとなるようにレジスト膜形成用感放射線性組成物を下層膜における基板と反対側の面上に塗工した後、必要に応じてプレベーク(PB)によってレジスト膜形成用感放射線性組成物の[Q]溶媒等を揮発させることでレジスト膜を形成する。レジスト膜形成用感放射線性組成物を塗工する方法としては、特に限定されないが、例えば下層膜形成用組成物塗工工程において例示した塗工方法と同様の方法等が挙げられる。
[0139]
 本工程で形成するレジスト膜の平均厚さの下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましく、20nmが特に好ましい。一方、上記平均厚さの上限としては、1,000nmが好ましく、200nmがより好ましく、100nmがさらに好ましく、70nmが特に好ましい。
[0140]
 本工程におけるPB温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。一方、上記PB温度の上限としては、140℃が好ましく、100℃がより好ましい。また、上記PB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。一方、上記PB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[0141]
 本工程では、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば形成したレジスト膜上に保護膜を設けることもできる。また、後述するように露光工程で液浸露光を行う場合は、液浸媒体とレジスト膜との直接的な接触を避けるため、形成したレジスト膜上に液浸用保護膜を設けてもよい。
[0142]
[露光工程]
 本工程では、レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程により形成したレジスト膜を露光する。具体的には、例えば所定のパターンを有するマスク等を介してレジスト膜に放射線を照射する。本工程では、必要に応じ、水等の液浸媒体を介した放射線の照射、つまり液浸露光を採用してもよい。露光する放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、EUV(波長13.5nm)、X線、γ線等の電磁波や、電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中で、感度向上等の観点から、EUV及び電子線が好ましい。
[0143]
[現像工程]
 本工程では、露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のポジ型又はネガ型のパターンが形成される。現像液としては、例えばアルカリ水溶液、有機溶媒含有液等が挙げられ、現像性等の観点から、有機溶媒含有液が好ましい。
[0144]
 上記アルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン等のアルカリ性化合物のうち少なくとも1種を溶解させたアルカリ水溶液などが挙げられる。
[0145]
 上記アルカリ水溶液におけるアルカリ性化合物の含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。
[0146]
 上記アルカリ水溶液としては、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
[0147]
 上記有機溶媒含有液中の有機溶媒としては、例えばレジスト膜形成用感放射線性組成物における[Q]溶媒として例示した有機溶媒と同様のもの等が挙げられる。これらの中で、エーテル系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい。
[0148]
 上記有機溶媒含有液における有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。上記有機溶媒の含有量を上記範囲とすることで、露光部及び未露光部での現像液に対する溶解速度のコントラストをより向上できる。なお、上記有機溶媒含有液の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコーンオイル等が挙げられる。
[0149]
 上記現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加してもよい。上記界面活性剤としては、例えばイオン性又は非イオン性のフッ素系界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤等を用いることができる。
[0150]
 現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
[0151]
 上記現像後の基板は、水、アルコール等のリンス液を用いてリンスした後、乾燥させることが好ましい。上記リンスの方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
実施例
[0152]
 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[0153]
<金属含有化合物の合成>
(合成例1)
 tert-ブチルトリクロロスズ(下記式(p-1)で表される化合物)10.0mmolを0.3Mテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100g中に投入し、室温で90分激しく撹拌した。析出した沈殿物をろ過後、50gの水で2回水洗することにより、下記式(P-1)で表される金属含有化合物(P-1)を得た。
[0154]
[化8]


[0155]
<レジスト膜形成用感放射線性組成物の調製>
(合成例2)
 金属含有化合物(P-1)3.0質量部と、[Q]溶媒としての4-メチル-2-ペンタノール97.0質量部とを混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過することにより、レジスト膜形成用感放射線性組成物(J-1)を調製した。
[0156]
<下層膜形成用組成物の調製>
 下層膜形成用組成物の調製に用いた[A]熱酸発生成分、[B]酸基含有成分、[C]有機重合体、[D]添加剤及び[E]溶媒を以下に示す。
[0157]
([A]熱酸発生成分)
 [A1]熱酸発生剤である化合物(A-1)~(A-3)と、[A2]熱酸発生重合体である樹脂(A-4)とを以下に示す。
 A-1:ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート(下記式(a-1)で表される化合物、熱の作用により発生する成分のpKa:-3.4)
 A-2:ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(下記式(a-2)で表される化合物、熱の作用により発生する成分のpKa:-3.4)
 A-3:ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウム-10-カンファースルホネート(下記式(a-3)で表される化合物、熱の作用により発生する成分のpKa:1.1)
 A-4:下記式(a-4)で表される樹脂(Mw:3,000)
[0158]
[化9]


[0159]
([B]酸基含有成分)
 [B2]酸基含有重合体である樹脂(B-1)を以下に示す。
 B-1:下記式(b-1)で表される樹脂(Mw:3,000)
[化10]


[0160]
([C1]有機重合体及び[C2]無機重合体)
 [C1]有機重合体である樹脂(C-1)~(C-6)と、[C2]無機重合体である樹脂(C-7)~(C-12)とを以下に示す。
 C-1:下記式(c-1)で表される樹脂(Mw:2,000)
 C-2:下記式(c-2)で表される樹脂(Mw:1,100)
 C-3:下記式(c-3)で表される樹脂(Mw:2,000)
 C-4:下記式(c-4)で表される樹脂(Mw:1,800)
 C-5:下記式(c-5)で表される樹脂(Mw:2,800)
 C-6:下記式(c-6)で表される樹脂(Mw:2,000)
 C-7:下記式(c-7)で表される樹脂(Mw:1,500)
 C-8:下記式(c-8)で表される樹脂(Mw:2,000)
 C-9:下記式(c-9)で表される樹脂(Mw:2,000)
 C-10:下記式(c-10)で表される樹脂(Mw:3,000)
 C-11:下記式(c-11)で表される樹脂(Mw:2,500)
 C-12:下記式(c-12)で表される樹脂(Mw:3,000)
[0161]
[化11]


[0162]
[化12]


[0163]
 なお、[A2]熱酸発生重合体である樹脂(A-4)と、[B2]酸基含有重合体である樹脂(B-1)と、[C1]有機重合体である樹脂(C-1)~(C-6)と、[C2]無機重合体である樹脂(C-7)~(C-12)とは従来公知の方法により合成した。
[0164]
([D]添加剤)
 [D1]架橋剤である化合物(D-1)~(D-3)と、[D2]架橋促進剤である化合物(D-4)~(D-5)とを以下に示す。
 D-1:1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(下記式(d-1)で表される化合物)
 D-2:5,5’-(1-メチルエチリデン)ビス(2-ヒドロキシ-1,3-ベンゼンジメタノール)(下記式(d-2)で表される化合物)
 D-3:2,4,6-トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン(下記式(d-3)で表される化合物)
 D-4:N-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン(下記式(d-4)で表される化合物)
 D-5:トリフェニルスルホニウムアセテート(下記式(d-5)で表される化合物)
[0165]
[化13]


[0166]
([E]溶媒)
 [E]溶媒である溶媒(E-1)~(E-2)を以下に示す。
 E-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
 E-2:プロピレングリコールモノエチルエーテル
[0167]
(合成例3)
 熱酸発生剤(A-1)0.3質量部と、[C]有機重合体である樹脂(C-1)2.7質量部とを溶媒(E-1)97.0質量部に溶解した。この溶液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、下層膜形成用組成物(U-1)を調製した。
[0168]
(合成例4~27)
 表1に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、合成例3と同様に操作し、下層膜形成用組成物(U-2)~(U-22)及び(u-1)~(u-3)を調製した。なお、表1中の「-」は該当する成分を使用しなかったことを示す。
[0169]
[表1]


[0170]
<パターン形成>
 以下に示す方法により、実施例1~22及び比較例1~3のパターン形成を行い、得られたパターンのパターン裾引き及び広エリアダメージ抑制性を測定することでポイゾニング抑制性を評価した。評価結果を表2に示す。
[0171]
(実施例1)
[低誘電率絶縁膜の形成]
 東京エレクトロン社の「クリーントラックACT-8」内で、特開2010-106100号の段落[0112]~[0113]に従ってシリコン基板上に低誘電率絶縁膜を形成した。
[0172]
[下層膜の形成]
 得られた低誘電率絶縁膜基板をトリエチルアミン溶液に浸し、80℃で10分間加熱することで、アミン成分を低誘電率絶縁膜に吸着させた。その後、東京エレクトロン社の「クリーントラックACT-8」内で、上記低誘電率絶縁基板上に下層膜形成用組成物(U-1)をスピンコートした後、270℃、180秒間の条件でPBを行い、平均厚さ50nmの下層膜を形成した。
[0173]
[レジスト膜の形成]
 東京エレクトロン社の「クリーントラックACT-8」内で、下層膜を形成した上記低誘電率絶縁基板上にレジスト膜形成用感放射線性組成物(J-1)をスピンコートした後、80℃、60秒間の条件でPBを行い、平均厚さ50nmのレジスト膜を形成した。
[0174]
[パターンの形成]
 上記レジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力;50KeV、電流密度;5.0アンペア/cm )を用いて電子線を照射した。電子線の照射は、ライン部と、隣り合うライン部間に形成されるスペース部とが1:1となるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)が形成されるように行った。電子線の照射後、上記クリーントラックACT-8内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用い、23℃で1分間、パドル法により上記レジスト膜を現像した後、乾燥させることでパターンを形成した。
[0175]
[パターン裾引き抑制性]
 線幅150nmのライン部と、隣り合うライン部によって形成される間隔が150nmのスペース部とからなるライン・アンド・スペースパターン(1L1S)において、ラインパターンが裾引きを起こしているかどうかを走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S-4800」)を用いて観察した。パターン裾引き抑制性は、パターン形状が矩形と認められ、裾を引いていない場合を「A」(良好)、裾を引いている場合を「B」(不良)と判断した。
[0176]
[広エリアダメージ抑制性]
 上述のパターン裾引き抑制性の評価において形成したパターンについて、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S-9380」)を用いて10μm×10μmの範囲を観察し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで剥離されずスペース部に残存しているレジスト膜の有無を確認した。広エリアダメージ抑制性は、レジスト膜の残存が認められない場合を「A」(良好)、認められる場合を「B」(不良)と判断した。
[0177]
(実施例2~22及び比較例1~3)
 表2に示す下層膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、実施例2~22及び比較例1~3のパターンの形成及びその評価を行った。
[0178]
(実施例23)
 下層膜の形成において、下層膜形成用組成物(U-7)により平均厚さ50nmの第1の下層膜を形成した後、この第1の下層膜の上に下層膜形成用組成物(U-1)により平均厚さ50nmの第2の下層膜を形成した以外は、実施例1と同様に操作し、実施例23のパターンの形成及びその評価を行った。第1の下層膜及び第2の下層膜は、いずれもスピンコートした後、270℃、180秒間の条件でPBを行うことで形成した。
[0179]
(実施例24)
 第1の下層膜を下層膜形成用組成物(U-11)により形成した以外は、実施例23と同様に操作し、実施例24のパターンの形成及びその評価を行った。
[0180]
[表2]


[0181]
 表2に示すように、実施例のパターン形成方法は、パターン裾引き抑制性及び広エリアダメージ抑制性がいずれも良好であり、ポイゾニング抑制性に優れると評価できる。一方、比較例のパターン形成方法は、パターン裾引き抑制性及び広エリアダメージ抑制性がいずれも不良であった。

産業上の利用可能性

[0182]
 本発明のパターン形成方法によれば、パターンの裾引きや広エリアダメージ等のポイゾニングを抑制できる。従って、これらは今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスの加工プロセス等に好適に用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 基板に下層膜形成用組成物を塗工する工程と、
 上記下層膜形成用組成物塗工工程により形成された下層膜上に直接又は間接にレジスト膜形成用感放射線性組成物を塗工する工程と、
 上記レジスト膜形成用感放射線性組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を露光する工程と、
 上記露光されたレジスト膜を現像する工程と
 を備え、
 上記下層膜形成用組成物が、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、リン酸基、硫酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、-CR F1F2OH(R F1は、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。R F2は、水素原子、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。)又はこれらの組み合わせである酸基を有する成分を熱の作用により発生する第1成分と、上記第1成分以外の成分であって上記酸基を有する第2成分とのうち少なくとも1種を含有し、
 上記レジスト膜形成用感放射線性組成物が、金属含有化合物を固形分換算で50質量%以上含有するパターン形成方法。
[請求項2]
 上記下層膜形成用組成物が、
 上記第1成分を含有し、この第1成分から熱の作用により発生する上記酸基を有する成分のpKaが3以下であるか、又は
 上記第2成分を含有し、この第2成分のpKaが3以下である請求項1に記載のパターン形成方法。
[請求項3]
 上記下層膜形成用組成物が、上記第1成分である第1有機重合体、上記第2成分である第2有機重合体、並びに上記第1成分及び第2成分以外の第3有機重合体のうち少なくとも1種の有機重合体成分を含有し、
 上記下層膜形成用組成物塗工工程で、有機下層膜を形成する請求項1又は請求項2に記載のパターン形成方法。
[請求項4]
 上記有機下層膜における炭素含有率が50質量%以上である請求項3に記載のパターン形成方法。
[請求項5]
 上記有機重合体成分の重量平均分子量が30,000以下である請求項3又は請求項4に記載のパターン形成方法。
[請求項6]
 上記有機重合体成分が芳香環を有する請求項3、請求項4又は請求項5に記載のパターン形成方法。
[請求項7]
 上記金属含有化合物が、下記式(1)で表される化合物に由来する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[化1]


(式(1)中、Mは、金属原子である。Lは、配位子又は炭素数1~20の1価の有機基である。aは、0~6の整数である。aが2以上の場合、複数のLは同一でも異なっていてもよい。Yは、1価の加水分解性基である。bは、2~6の整数である。複数のYは同一でも異なっていてもよい。なお、LはYに該当しない配位子である。)
[請求項8]
 上記金属含有化合物を構成する金属原子が、周期表において第4族、第12族又は第14族に属し、かつ第4周期、第5周期又は第6周期に属する第1金属原子を含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[請求項9]
 上記下層膜形成用組成物が架橋剤をさらに含有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[請求項10]
 上記下層膜形成用組成物が架橋促進剤をさらに含有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。