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1. (WO2018179658) 電子写真感光体及び画像形成装置
Document

明 細 書

発明の名称 電子写真感光体及び画像形成装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138  

実施例

0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172  

産業上の利用可能性

0173  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 電子写真感光体及び画像形成装置

技術分野

[0001]
 本発明は、電子写真感光体及び画像形成装置に関する。

背景技術

[0002]
 電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター及び複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体、及び積層型電子写真感光体が挙げられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する感光層を備える。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。
[0003]
 特許文献1には、下記化学式(R-A)で表されるポリアリレート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。
[0004]
[化1]


先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平10-288845号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、特許文献1に記載の電子写真感光体は、耐摩耗性が十分ではなかった。
[0007]
 また、電子写真感光体を繰り返し使用すると、感光層の摩耗により感光層の厚みが減少し、電子写真感光体の電気特性が低下する場合があった。
[0008]
 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性に優れる上、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できる電子写真感光体を提供することである。また、本発明の別の目的は、ランニングコストを低減できる画像形成装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に直接的又は間接的に設けられた感光層とを備える。前記感光層は、前記導電性基体側から順次設けられた電荷発生層及び電荷輸送層を有する。前記電荷発生層は、電荷発生剤を含む。前記電荷輸送層は、電荷輸送剤と、バインダー樹脂と、露光波長の光を吸収する色素とを含む。前記バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂を含む。前記色素は、下記一般式(2)又は一般式(3)で表されるナフタロシアニン化合物である。
[0010]
[化2]


[0011]
 前記一般式(1)中、v及びwは、各々独立に、2又は3を表す。r、s、t及びuは、各々独立に、0以上の数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.00以上0.90以下である。s/(s+u)は、0.00以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、下記化学式(1-1)、化学式(1-2)、化学式(1-3)、又は化学式(1-4)で表される二価の基である。
[0012]
[化3]


[0013]
[化4]


[0014]
 前記一般式(2)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、又は置換基を有してもよいチオフェニル基を表す。ただし、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6の全てが水素原子である場合を除く。Mは、配位子を有してもよい金属原子を表す。
[0015]
[化5]


[0016]
 前記一般式(3)中、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、又は置換基を有してもよいチオフェニル基を表す。ただし、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12の全てが水素原子である場合を除く。
[0017]
 本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記像担持体は、上述の電子写真感光体である。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電させる。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する。

発明の効果

[0018]
 本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れる上、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できる。また、本発明の画像形成装置は、ランニングコストを低減できる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。
[図2] 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。
[図3] 本発明の第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。
[図4] 化学式(R-1)で表されるポリアリレート樹脂の 1H-NMRスペクトルである。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。なお、本明細書において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
[0021]
 以下、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、及びハロゲン原子は、各々、次の意味である。
[0022]
 炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びヘキシル基が挙げられる。
[0023]
 炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、及びt-ブチル基が挙げられる。
[0024]
 炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基、及び炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基が挙げられる。より具体的な炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。
[0025]
 炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、及びヘキシルオキシ基が挙げられる。
[0026]
 炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、及びt-ブトキシ基が挙げられる。
[0027]
 炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基としては、例えば、チオメチル基、チオエチル基、チオプロピル基、チオブチル基、チオペンチル基、及びチオヘキシル基が挙げられる。
[0028]
 炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基の結合手側の末端に酸素原子が結合した基である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、及びフェナントリルオキシ基が挙げられる。
[0029]
 ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
[0030]
 また、以下の説明において、ナフタロシアニン環内で錯形成する金属原子は、ケイ素原子等の半金属原子も含む。このような金属原子としては、例えば、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、錫原子、銅原子、亜鉛原子、マグネシウム原子、チタン原子、バナジウム原子、アルミニウム原子、インジウム原子、及び鉛原子が挙げられる。
[0031]
 また、以下の説明において、「置換基を有してもよい」とは、官能基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていてもよいことを意味する。「配位子を有してもよい」とは、配位子と配位結合していてもよいことを意味する。「露光波長」とは、像担持体(電子写真感光体)と露光部とを備える画像形成装置を用いて画像を形成する場合に、露光部が像担持体の表面を露光する際の照射光の波長を意味する。
[0032]
<第一実施形態:電子写真感光体>
 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある。)の構造を説明する。図1及び図2は、第一実施形態の一例である感光体1の構造を示す部分断面図である。図1に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、図1に示すように導電性基体2上に直接的に設けられてもよい。また、図2に示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(例えば下引き層)と、感光層3とを備えてもよい。図2に示す例では、感光層3は、導電性基体2上に中間層4を介して間接的に設けられている。また、感光層3は、導電性基体2側から順次設けられた電荷発生層3a及び電荷輸送層3bを有する。
[0033]
 電荷発生層3aの厚さは、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層3bの厚さは、電荷輸送層として十分に機能することができれば、特に限定されない。電荷輸送層3bの厚さは、例えば2μm以上100μm以下程度であり、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
[0034]
 以下、本実施形態に係る感光体の要素(導電性基体、感光層、及び中間層)を説明する。更に感光体の製造方法も説明する。
[0035]
[1.導電性基体]
 導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料(導電性材料)で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、及びインジウムが挙げられる。これらの導電性材料のうち、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、真鍮等)が挙げられる。これらの導電性材料の中でも、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
[0036]
 導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体の形状としては、例えば、シート状及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
[0037]
[2.感光層]
〔電荷発生層〕
 電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生層は、必要に応じて、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある。)及び各種添加剤を含有してもよい。
[0038]
(電荷発生剤)
 電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(より具体的には、セレン、セレン-テルル、セレン-ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等)の粉末、ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料及びキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0039]
 フタロシアニン系顔料としては、例えば、下記化学式(C-1)で表される無金属フタロシアニン、及び金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、下記化学式(C-2)で表されるチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン及びクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、X型、Y型、V型及びII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。
[0040]
[化6]


[0041]
[化7]


[0042]
 無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある。)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型及びY型結晶(以下、それぞれα型、β型及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある。)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。
[0043]
 例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター及びファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。この場合の電荷発生剤としては、700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンがより好ましく、X型無金属フタロシアニン及びY型チタニルフタロシアニンが更に好ましい。
[0044]
 Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、例えば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。
[0045]
 CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
[0046]
 電荷発生剤の含有量は、例えば電荷発生層に含有されるベース樹脂100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
[0047]
(ベース樹脂)
 ベース樹脂は、電荷発生層用の樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びその他の架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ-アクリル酸系樹脂(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)、及びウレタン-アクリル酸系共重合体(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。ベース樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が好適に使用される。ベース樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0048]
 また、ベース樹脂としては、後述するバインダー樹脂とは異なる樹脂が好ましい。感光体を製造する際、例えば、電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液が塗布されることから、電荷発生層が電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいためである。
[0049]
〔電荷輸送層〕
 電荷輸送層は、電荷輸送剤と、バインダー樹脂と、露光波長の光を吸収する色素とを含む。電荷輸送剤としては、例えば正孔輸送剤が挙げられる。電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物及び各種添加剤を含有してもよい。
[0050]
(正孔輸送剤)
 電荷輸送剤が正孔輸送剤である場合、正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物、及び縮合多環式化合物が挙げられる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体;ジアミン誘導体(より具体的には、N,N,N’,N’-テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’-テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’-テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、ジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体、N,N,N’,N’-テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等);オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5-ジ(4-メチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール等);スチリル系化合物(より具体的には、9-(4-ジエチルアミノスチリル)アントラセン等);カルバゾール系化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(より具体的には、1-フェニル-3-(p-ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0051]
 正孔輸送剤の含有量は、正孔を効率よく輸送する観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[0052]
(バインダー樹脂)
 バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(1)と記載することがある。)を含む。電荷輸送層は、ポリアリレート樹脂(1)の一種又は二種以上を含むことができる。
[0053]
[化8]


[0054]
 一般式(1)中、v及びwは、各々独立に、2又は3を表す。r、s、t及びuは、各々独立に、0以上の数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.00以上0.90以下である。s/(s+u)は、0.00以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、下記化学式(1-1)、化学式(1-2)、化学式(1-3)、又は化学式(1-4)で表される二価の基である。
[0055]
[化9]


[0056]
 一般式(1)中、v及びwは、耐摩耗性をより向上させる観点から、3を表すことが好ましい。同様の観点から、r/(r+t)は、0.30以上0.70以下であることが好ましい。同様の観点から、s/(s+u)は、0.30以上0.70以下であることが好ましい。
[0057]
 また、一般式(1)中、X及びYは、耐摩耗性をより向上させる観点から、互いに異なることが好ましい。この場合、耐摩耗性を更に向上させる観点から、X及びYは、各々独立に、化学式(1-1)、化学式(1-2)、又は化学式(1-4)で表される二価の基であることがより好ましい。中でも、耐摩耗性を更に向上させる観点から、Xが化学式(1-4)で表される二価の基であり、かつYが化学式(1-1)又は化学式(1-2)で表される二価の基であることが、特に好ましい。
[0058]
 ポリアリレート樹脂(1)は、例えば下記一般式(1-5)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1-5)と記載することがある。)、下記一般式(1-6)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1-6)と記載することがある。)、下記一般式(1-7)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1-7)と記載することがある。)、及び下記一般式(1-8)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1-8)と記載することがある。)を有する。
[0059]
[化10]


[0060]
 一般式(1-5)中のv、一般式(1-6)中のX、一般式(1-7)中のw、及び一般式(1-8)中のYは、それぞれ一般式(1)中のv、X、w、及びYと同義である。
[0061]
 ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1-5)~(1-8)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリアリレート樹脂(1)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(1-5)~(1-8)の物質量の合計の比率(モル分率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
[0062]
 ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1-5)~(1-8)の配列は、芳香族ジオール由来の繰返し単位と芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位とが互いに隣接する限り、特に限定されない。例えば、繰返し単位(1-5)は、繰返し単位(1-6)又は繰返し単位(1-8)と隣接して互いに結合している。同様に、繰返し単位(1-7)は、繰返し単位(1-6)又は繰返し単位(1-8)と隣接して互いに結合している。
[0063]
 なお、一般式(1)において、rは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる、繰返し単位(1-5)の数、繰返し単位(1-6)の数、繰返し単位(1-7)の数及び繰返し単位(1-8)の数の合計に対する、繰返し単位(1-5)の数の百分率を表す。sは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる、繰返し単位(1-5)の数、繰返し単位(1-6)の数、繰返し単位(1-7)の数及び繰返し単位(1-8)数の合計に対する、繰返し単位(1-6)の数の百分率を表す。tは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる、繰返し単位(1-5)の数、繰返し単位(1-6)の数、繰返し単位(1-7)の数及び繰返し単位(1-8)の数の合計に対する、繰返し単位(1-7)の数の百分率を表す。uは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる、繰返し単位(1-5)の数、繰返し単位(1-6)の数、繰返し単位(1-7)の数及び繰返し単位(1-8)の数の合計に対する、繰返し単位(1-8)の数の百分率を表す。なお、r、s、t及びuは、各々、1本の樹脂鎖から得られる値ではなく、電荷輸送層に含有されるポリアリレート樹脂(1)全体(複数の樹脂鎖)から得られる数平均値である。
[0064]
 バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂(1)のみを単独で用いてもよいし、ポリアリレート樹脂(1)と、ポリアリレート樹脂(1)以外の樹脂(その他の樹脂)とを併用してもよい。その他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリアリレート樹脂(1)以外のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等)、熱硬化性樹脂(シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、これら以外の架橋性熱硬化性樹脂等)、及び光硬化性樹脂(エポキシ-アクリル酸系樹脂、ウレタン-アクリル酸系共重合体等)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。ポリアリレート樹脂(1)の含有量は、バインダー樹脂の総量に対し、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
[0065]
 バインダー樹脂の粘度平均分子量は、耐摩耗性をより向上させる観点から10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましく、40,000以上であることが特に好ましい。一方、バインダー樹脂の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、55,000以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が80,000以下である場合、電荷輸送層の形成時に、バインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、電荷輸送層の形成が容易になる傾向がある。
[0066]
 バインダー樹脂の製造方法は、ポリアリレート樹脂(1)を製造できれば、特に限定されない。バインダー樹脂の製造方法としては、例えば、ポリアリレート樹脂(1)の繰返し単位を構成するための芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法が挙げられる。芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法は特に限定されず、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合、溶融重合、界面重合等)を採用することができる。
[0067]
 ポリアリレート樹脂(1)を製造するための芳香族ジカルボン酸は、2つのカルボキシル基を有し、下記一般式(1-9)又は一般式(1-10)で表される。一般式(1-9)中のX、及び一般式(1-10)中のYは、それぞれ一般式(1)中のX及びYと同義である。
[0068]
[化11]


[0069]
 芳香族ジカルボン酸としては、例えば、芳香環に結合する2つのカルボキシル基を有する芳香族ジカルボン酸(より具体的には、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジカルボキシビフェニル等)が挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸は、ジ酸クロライド、ジメチルエステル、ジエチルエステル等のような誘導体として用いることもできる。また、縮重合に用いる芳香族ジカルボン酸は、一般式(1-9)及び一般式(1-10)で表される芳香族ジカルボン酸以外に、他の芳香族ジカルボン酸を含んでもよい。
[0070]
 芳香族ジオールは、2つのフェノール性水酸基を有し、下記一般式(1-11)又は一般式(1-12)で表される。一般式(1-11)中のv及び一般式(1-12)中のwは、各々一般式(1)中のv及びwと同義である。
[0071]
[化12]


[0072]
 ポリアリレート樹脂(1)を合成する際、芳香族ジオールは、ジアセテート等のような誘導体として用いることもできる。また、縮重合に用いる芳香族ジオールは、一般式(1-11)及び一般式(1-12)で表される芳香族ジオール以外に、他の芳香族ジオールを含んでもよい。
[0073]
 ポリアリレート樹脂(1)としては、例えば、下記化学式(R-1)~(R-6)で表されるポリアリレート樹脂(以下、それぞれポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)と記載することがある。)が挙げられる。
[0074]
[化13]


[0075]
[化14]


[0076]
 ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)の中では、耐摩耗性をより向上させる観点から、ポリアリレート樹脂(R-1)、(R-2)及び(R-3)が好ましく、ポリアリレート樹脂(R-1)及び(R-2)がより好ましい。
[0077]
(色素A)
 電荷輸送層は、露光波長の光を吸収する色素として、下記一般式(2)又は一般式(3)で表される色素(以下、色素Aと記載することがある。)を含む。露光波長は、用いる画像形成装置に応じて適宜選択されるが、例えば700nm以上850nm以下の範囲である。
[0078]
 色素Aは、下記一般式(2)で表されるナフタロシアニン化合物(以下、ナフタロシアニン化合物(2)と記載することがある。)、又は下記一般式(3)で表されるナフタロシアニン化合物(以下、ナフタロシアニン化合物(3)と記載することがある。)である。電荷輸送層には、ナフタロシアニン化合物(2)及びナフタロシアニン化合物(3)のうちの一種又は二種以上が含まれる。
[0079]
[化15]


[0080]
 一般式(2)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、又は置換基を有してもよいチオフェニル基を表す。ただし、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6の全てが水素原子である場合を除く。Mは、配位子を有してもよい金属原子を表す。
[0081]
[化16]


[0082]
 一般式(3)中、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、又は置換基を有してもよいチオフェニル基を表す。ただし、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12の全てが水素原子である場合を除く。
[0083]
 本実施形態の感光体は、電荷輸送層に、色素Aと上述したポリアリレート樹脂(1)とを含むことにより、耐摩耗性に優れる。その理由は以下のように推測される。
[0084]
 電荷輸送層を形成する際、電荷輸送層用塗布液中においてポリアリレート樹脂(1)と色素Aとが相互作用することにより、電荷輸送層の層密度が高くなる傾向がある。そのため、本実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れると考えられる。
[0085]
 また、本実施形態の感光体は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できる。その理由は以下のように推測される。
[0086]
 感光体が露光されると、電荷発生層で電荷(正孔及び電子)が発生する。発生した電荷のうち、正孔は電荷発生層から電荷輸送層に移動する。また、感光体が露光されると、電荷輸送層中の色素Aからも電荷(正孔及び電子)が発生する。この色素Aから発生した電荷(正孔及び電子)により、電荷発生層で発生した正孔の電荷輸送層への移動が促進される。そのため、繰り返し使用することによって感光層の厚みが減少しても、感光体の電気特性を維持できるものと考えられる。また、感光層の厚みが減少した場合は、電荷輸送層中の色素Aの量も減少するため、電荷輸送層を透過する露光光が増大し、電荷発生層において効率よく電荷を発生させることができる。そのため、本実施形態に係る感光体は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できるものと考えられる。
[0087]
 一般式(2)及び(3)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12で表される炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、及びチオフェニル基が挙げられる。
[0088]
 一般式(2)及び(3)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12で表される炭素原子数6以上14以下のアリール基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、及びチオフェニル基が挙げられる。
[0089]
 一般式(2)及び(3)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12で表される炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、及びチオフェニル基が挙げられる。
[0090]
 一般式(2)及び(3)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12で表されるフェノキシ基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、及びチオフェニル基が挙げられる。
[0091]
 一般式(2)及び(3)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12で表される炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、及びチオフェニル基が挙げられる。
[0092]
 一般式(2)及び(3)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12で表されるチオフェニル基は、置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、フェノキシ基、炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、及びチオフェニル基が挙げられる。
[0093]
 一般式(2)中、Mで表される金属原子は、配位子を有してもよい。このような配位子としては、例えば、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、及びオキソ基(=O)が挙げられる。これらのうち、オキソ基以外の配位子が配位する場合、金属原子に2つの配位子が配位結合してもよい。なお、配位子が有してもよい置換基としては、例えば、上述したR 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12が有してもよい置換基と同様である。
[0094]
 一般式(2)中、R 1及びR 6は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことがより好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基を表すことが更に好ましく、水素原子、又はn-ブトキシ基を表すことが特に好ましい。
[0095]
 一般式(2)中、R 2、R 3及びR 5は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
[0096]
 一般式(2)中、R 4は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことがより好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが更に好ましく、水素原子、又はt-ブチル基を表すことが特に好ましい。
[0097]
 一般式(2)中、Mは、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、配位子を有してもよい銅原子、配位子を有してもよい亜鉛原子、又は配位子を有してもよいバナジウム原子を表すことが好ましく、配位子を有しない銅原子、配位子を有しない亜鉛原子、又は配位子としてオキソ基を有するバナジウム原子を表すことがより好ましい。
[0098]
 一般式(3)中、R 7及びR 12は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことがより好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基を表すことが更に好ましく、水素原子、又はn-ブトキシ基を表すことが更に好ましく、水素原子を表すことが特に好ましい。
[0099]
 一般式(3)中、R 8、R 9及びR 11は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
[0100]
 一般式(3)中、R 10は、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことがより好ましく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが更に好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表すことが更に好ましく、t-ブチル基を表すことが特に好ましい。
[0101]
 色素Aとしては、例えば、下記化学式(D-1)~(D-5)で表される色素(以下、それぞれ色素(D-1)~(D-5)と記載することがある。)が挙げられる。
[0102]
[化17]


[0103]
 また、色素Aとしては、電荷輸送層の形成時に溶剤への溶解性を高める観点から、結晶化していない色素が好ましい。
[0104]
 色素Aの含有量は、耐摩耗性をより向上させる観点、及び感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制する観点から、バインダー樹脂100.00質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.10質量部以上がより好ましい。同様の観点から、色素Aの含有量は、バインダー樹脂100.00質量部に対して、3.00質量部以下が好ましく、1.00質量部以下がより好ましく、0.60質量部以下が更に好ましい。
[0105]
(電子アクセプター化合物)
 電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を含有してもよい。これにより、電荷輸送剤の電荷輸送能が向上する傾向がある。
[0106]
 電子アクセプター化合物の例としては、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8-トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。電子アクセプター化合物は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0107]
(添加剤)
 電荷輸送層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤が挙げられる。
[0108]
 酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、チオエーテル化合物、及びホスファイト化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物が好ましい。
[0109]
 電荷輸送層の露光波長の光に対する透過率は、5%以上80%未満であることが好ましく、10%以上75%以下であることがより好ましい。透過率を5%以上とすることにより、電荷発生層において電荷の発生量が低減することを抑制できる。一方、透過率を80%未満とすることにより、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制できる。透過率の測定方法は実施例において詳述する。なお、透過率は、上述した色素Aの種類及び含有量を調整することによって制御できる。
[0110]
(材料の組合せ)
 耐摩耗性をより向上させつつ、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下をより抑制するためには、バインダー樹脂と色素とが、以下の表1に示す組合せ例1~10の何れかであることが好ましい。同様の理由から、バインダー樹脂と色素とが、以下の表1に示す組合せ例1~10の何れかであり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM-1)であることがより好ましい。同様の理由から、バインダー樹脂と色素とが、以下の表1に示す組合せ例1~10の何れかであり、電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることがより好ましい。同様の理由から、バインダー樹脂と色素とが、以下の表1に示す組合せ例1~10の何れかであり、正孔輸送剤が正孔輸送剤(HTM-1)であり、電荷発生剤がY型チタニルフタロシアニンであることが更に好ましい。なお、正孔輸送剤(HTM-1)については、実施例で後述する。
[0111]
[表1]


[0112]
[3.中間層]
 第一実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
[0113]
 無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化亜鉛等)の粒子、及び非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、無機粒子は、表面処理を施してもよい。
[0114]
 中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができれば、特に限定されない。
[0115]
[4.感光体の製造方法]
 本実施形態の感光体の製造方法は、感光層形成工程を備える方法であれば特に限定されない。感光層形成工程は、例えば、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを備える。
[0116]
 電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層用塗布液を調製する。次いで、電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、ベース樹脂とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷発生層用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
[0117]
 電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層用塗布液を調製する。次いで、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、例えば、電荷輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)と、色素Aと、溶剤とを含む。このような電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤と、ポリアリレート樹脂(1)と、色素Aとを溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層用塗布液には、必要に応じて電子アクセプター化合物及び各種添加剤を加えてもよい。
[0118]
 以下、感光層形成工程の詳細を説明する。電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液(以下、これらをまとめて塗布液と記載することがある。)に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n-ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤を用いることが好ましい。
[0119]
 塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
[0120]
 塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
[0121]
 塗布液を塗布する方法としては、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。
[0122]
 塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、塗布液中の溶剤の少なくとも一部を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、及び加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
[0123]
 なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程等を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
[0124]
 以上説明した本実施形態の感光体は、耐摩耗性に優れる上、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
[0125]
<第二実施形態:画像形成装置>
 以下、第二実施形態に係る画像形成装置について説明する。第二実施形態に係る画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記像担持体は、上述の第一実施形態に係る感光体である。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電させる。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する。
[0126]
 第二実施形態に係る画像形成装置は、ランニングコストを低減できる。その理由は、以下のように推測される。第二実施形態に係る画像形成装置は、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れる上、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できる。これにより、第二実施形態に係る画像形成装置は、感光体の交換頻度を低減できるため、ランニングコストを低減できる。
[0127]
 以下、第二実施形態に係る画像形成装置の一態様として、タンデム方式のカラー画像形成装置を例に図3を参照しながら説明する。
[0128]
 図3に示す画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部52とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。
[0129]
 画像形成ユニット40は、像担持体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。画像形成ユニット40の中央位置に、像担持体30が設けられる。像担持体30は、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。像担持体30の周囲には、帯電部42を基準として像担持体30の回転方向の上流側から順に、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とが設けられる。なお、画像形成ユニット40には、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。
[0130]
 画像形成ユニット40a~40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体P(被転写体)に、複数色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。
[0131]
 帯電部42は、帯電ローラーである。帯電ローラーは、像担持体30の表面と接触しながら像担持体30の表面を帯電する。通常、帯電ローラーを備える画像形成装置では、繰り返し使用することによって像担持体が摩耗するため、ランニングコストが高くなる傾向がある。しかし、画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れる上、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できる。よって、帯電部42として帯電ローラーを備えた画像形成装置100であっても、ランニングコストを低減できる。このように第二実施形態の一例である画像形成装置100は、接触帯電方式を採用している。他の接触帯電方式の帯電部としては、例えば、帯電ブラシが挙げられる。なお、帯電部は非接触方式であってもよい。非接触方式の帯電部としては、例えば、コロトロン帯電部、及びスコロトロン帯電部が挙げられる。
[0132]
 帯電部42が印加する電圧は、特に限定されない。帯電部42が印加する電圧としては、例えば、直流電圧、交流電圧、及び重畳電圧(直流電圧に交流電圧が重畳した電圧)が挙げられ、このうち直流電圧が好ましい。直流電圧は交流電圧及び重畳電圧に比べ、以下に示す優位性がある。帯電部42が直流電圧のみを印加すると、像担持体30に印加される電圧値が一定であるため、像担持体30の表面を一様に一定電位まで帯電させ易い。また、帯電部42が直流電圧のみを印加すると、感光層の磨耗量が減少する傾向がある。その結果、好適な画像を形成することができる。
[0133]
 露光部44は、帯電された像担持体30の表面を露光する。これにより、像担持体30の表面に静電潜像が形成される。また、露光部44が像担持体30の表面を露光する際の照射光(露光光)の一部は、上述した第一実施形態に係る感光体の色素Aに吸収される。なお、静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。
[0134]
 現像部46は、像担持体30の表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。現像部46は、像担持体30の表面を清掃するクリーニング部として機能してもよい。
[0135]
 転写ベルト50は、像担持体30と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。
[0136]
 転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、像担持体30の表面から記録媒体Pへ転写する。転写部48としては、例えば、転写ローラーが挙げられる。
[0137]
 定着部52は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部52は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。
[0138]
 以上、第二実施形態に係る画像形成装置の一例について説明したが、第二実施形態に係る画像形成装置は、上述した画像形成装置100に限定されない。例えば、上述した画像形成装置100はタンデム方式の画像形成装置であったが、第二実施形態に係る画像形成装置はこれに限定されず、ロータリー方式等を採用してもよい。また、第二実施形態に係る画像形成装置は、モノクロ画像形成装置であってもよい。この場合、画像形成装置は、例えば画像形成ユニットを1つだけ備えていればよい。また、第二実施形態に係る画像形成装置は、中間転写方式を採用してもよい。第二実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式を採用する場合、被転写体は中間転写ベルトに相当する。
実施例
[0139]
 以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
[0140]
<感光体の材料>
 感光体を製造するための材料として、以下の正孔輸送剤、バインダー樹脂、及び色素を準備した。
[0141]
[正孔輸送剤]
 下記化学式(HTM-1)で表される正孔輸送剤(HTM-1)を準備した。
[0142]
[化18]


[0143]
[バインダー樹脂]
 第一実施形態で説明したポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)に加えて、ポリカーボネート樹脂(R-7)を準備した。ポリカーボネート樹脂(R-7)は、下記化学式(R-7)で表される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂である。
[0144]
[化19]


[0145]
〔ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)の合成方法〕
 以下に、ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)の合成方法を説明する。
[0146]
(ポリアリレート樹脂(R-1)の合成方法)
 温度計、三方コック、及び滴下ロートを備えた容量1Lの三口フラスコを反応容器として用いた。反応容器に1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン12.2g(41.3ミリモル)と、t-ブチルフェノール0.06g(0.41ミリモル)と、水酸化ナトリウム3.9g(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.12g(0.38ミリモル)とを投入した。次いで、反応容器内をアルゴン置換した。その後、水600mLを更に反応容器に投入した。反応容器の内温を20℃に維持し、反応容器の内容物を1時間攪拌した。次いで、反応容器の内容物を冷却し、反応容器の内温を10℃まで降温させた。このようにしてアルカリ性水溶液を調製した。
[0147]
 一方、4,4’-ビフェニルジカルボン酸ジクロリド4.5g(16.2ミリモル)と2,6-ナフタレンジカルボン酸ジクロリド4.1g(16.2ミリモル)とをクロロホルム300gに溶解させて、クロロホルム溶液を調製した。
[0148]
 次いで、上記アルカリ性水溶液の温度を10℃に維持し、反応容器の内容物を攪拌させながら、上記クロロホルム溶液を上記アルカリ性水溶液へ投入し、重合反応を開始させた。重合反応は、反応容器の内容物を攪拌させて反応容器の内温を13±3℃に維持しつつ、3時間進行させた。その後、デカントを用いて上層(水層)を除去し、有機層を得た。
[0149]
 次いで、容量2Lの三口フラスコにイオン交換水500mLを投入した後に、得られた有機層を投入した。更にクロロホルム300gと、酢酸6mLとを投入した。三口フラスコの内容物を室温(25℃)で30分攪拌した。その後、デカントを用いて三口フラスコの内容物における上層(水層)を除去し、有機層を得た。分液ロートを用いて、得られた有機層をイオン交換水500mLで洗浄した。イオン交換水による洗浄を8回繰り返し、水洗した有機層を得た。
[0150]
 次に、水洗した有機層をろ過し、ろ液を得た。容量3Lの三角フラスコにメタノール1.5Lを投入した。得られたろ液を上記三角フラスコにゆっくり滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過によりろ別した。得られた沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥した。その結果、粘度平均分子量46,000のポリアリレート樹脂(R-1)を得た。
[0151]
(ポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)の合成方法)
 4,4’-ビフェニルジカルボン酸ジクロリド及び2,6-ナフタレンジカルボン酸ジクロリドをポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)の出発物質であるハロゲン化アリーロイルに変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R-1)と同様にして、それぞれポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)を合成した。ポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)の合成におけるハロゲン化アリーロイルの合計物質量は、ポリアリレート樹脂(R-1)の合成におけるハロゲン化アリーロイルの合計物質量と同様であった。なお、ポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)の粘度平均分子量は、それぞれ45,500、51,200、50,100、46,800及び49,500であった。
[0152]
 次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、共鳴周波数:300MHz)を用いて、合成したポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)の 1H-NMRスペクトルを測定した。溶媒として重クロロホルムを用いた。内部標準試料としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。ポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)のうちの代表例として、図4にポリアリレート樹脂(R-1)の 1H-NMRスペクトルを示す。図4中、横軸は化学シフト(単位:ppm)を示し、縦軸は信号強度(単位:任意単位)を示す。図4に示す 1H-NMRスペクトルにより、ポリアリレート樹脂(R-1)が得られていることを確認した。他のポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)も同様にして、 1H-NMRスペクトルにより、それぞれポリアリレート樹脂(R-2)~(R-6)が得られていることを確認した。
[0153]
[色素]
 第一実施形態で説明した色素(D-1)~(D-5)に加えて、色素(D-6)を準備した。色素(D-6)は、下記化学式(D-6)で表される色素である。
[0154]
[化20]


[0155]
<感光体の製造>
[実施例1]
 以下、実施例1に係る感光体の製造方法について説明する。
[0156]
(中間層の形成)
 まず、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT-A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。この表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(1質量部)とを、溶剤に添加した。アミランは、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂である。また、溶剤としては、メタノール(10質量部)と、ブタノール(1質量部)と、トルエン(1質量部)とを含む溶剤を用いた。ビーズミルを用いて、これらを5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。この分散液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。これにより、中間層用塗布液を調製した。
[0157]
 得られた中間層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、ディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体(ドラム状支持体)上に中間層(膜厚1.5μm)を形成した。
[0158]
(電荷発生層の形成)
 Y型チタニルフタロシアニン(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX-5」)(1質量部)とを、溶剤に添加した。溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)と、テトラヒドロフラン(40質量部)とを含む溶剤を用いた。ビーズミルを用いて、これらを12時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。この分散液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。これにより、電荷発生層用塗布液を調製した。得られた電荷発生層用塗布液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
[0159]
(電荷輸送層の形成)
 正孔輸送剤(HTM-1)50.00質量部と、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2.00質量部と、電子アクセプター化合物としての3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジフェノキノン2.00質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R-1)100.00質量部と、色素(D-1)0.20質量部とを、溶剤に添加した。溶剤としては、テトラヒドロフラン350.00質量部と、トルエン350.00質量部とを含む溶剤を用いた。超音波分散器を用いて、これらの材料を溶剤中に2分間分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
[0160]
 次いで、上述した電荷発生層用塗布液と同様の操作により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布した。その後、120℃で40分間乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚15μm)を形成し、実施例1に係る感光体を得た。また、電荷輸送層の膜厚を30μmにしたこと以外は上記と同様の方法により、実施例1に係る別の感光体を得た。これら2つの感光体は、何れも、導電性基体上に、中間層、電荷発生層及び電荷輸送層が、この順で積層された構成を有していた。なお、以下において、膜厚15μmの電荷輸送層を有する感光体をCT15感光体と記載することがある。また、膜厚30μmの電荷輸送層を有する感光体をCT30感光体と記載することがある。
[0161]
[実施例2~12及び比較例1~3]
 実施例2~12及び比較例1~3に係る感光体として、以下の点を変更した以外は実施例1と同様の方法で、CT15感光体及びCT30感光体をそれぞれ製造した。
[0162]
(変更点)
 実施例1に係る感光体の製造に用いたバインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R-1)を、表2に示す樹脂に変更した。実施例1に係る感光体の製造に用いた色素(D-1)及び含有量を、表2に示す色素及び含有量に変更した。なお、表2中、欄「樹脂」のR-1~R-7は、それぞれポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)、及びポリカーボネート樹脂(R-7)を示す。欄「色素」の「種類」のD-1~D-6は、それぞれ色素(D-1)~(D-6)を示す。欄「色素」の「含有量」は、それぞれ使用した樹脂100.00質量部に対する色素の質量部数を示す。
[0163]
<評価方法>
[電荷輸送層の透過率]
 各実施例1~12及び比較例1~3に係るCT30感光体の電荷輸送層について、以下の方法で露光波長(780nm)の光に対する透過率を測定した。各実施例1~12及び比較例1~3の感光体の電荷輸送層を形成する際に用いた電荷輸送層用塗布液を準備した。各電荷輸送層用塗布液をオーバーヘッドプロジェクターシート(OHPシート)に塗布した後、120℃で40分間乾燥させて膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。得られた電荷輸送層について、波長780nmの光の透過率を分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「C-3000」)により測定した。結果を表3に示す。
[0164]
[電気特性]
(露光後電位)
 各実施例1~12及び比較例1~3に係るCT30感光体に対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転速度31rpm及び帯電電位-600Vの条件で帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:1.0μJ/cm 2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光(露光光)を照射した後から66.7ミリ秒後に感光体の表面電位を測定した。表面電位の測定は、温度23℃及び相対湿度50%で行った。得られた表面電位を露光後電位(V L)とした。結果を表3に示す。
[0165]
(感光層の厚み減少に伴う電気特性の変化)
 各実施例1~12及び比較例1~3に係るCT30感光体に対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転速度31rpm及び帯電電位-600Vの条件で帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.05μJ/cm 2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了後、66.7ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。次いで、露光量を0.05μJ/cm 2から1.00μJ/cm 2まで0.05μJ/cm 2ずつ段階的に増加させて、露光量毎に同様の方法で表面電位を測定した。表面電位の測定は、何れも温度23℃及び相対湿度50%で行った。次いで、得られた表面電位を露光量に対して最小二乗法により線形近似し、一次関数を得た。この一次関数を用いて表面電位が-300Vとなるときの露光量を算出した。得られた露光量をCT30感光体のE1/2(単位:μJ/cm 2)とした。同様の方法で、各実施例1~12及び比較例1~3に係るCT15感光体について、表面電位が-300Vとなるときの露光量を算出し、得られた露光量をCT15感光体のE1/2(単位:μJ/cm 2)とした。次いで、CT15感光体のE1/2をCT30感光体のE1/2で除して、CT30感光体及びCT15感光体のE1/2の比(CT15/CT30)を算出した。結果を表3に示す。なお、E1/2の比(CT15/CT30)の値が小さいほど、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できていることを示す。
[0166]
[摩耗減量]
 各実施例1~12及び比較例1~3の感光体の電荷輸送層を形成する際に用いた電荷輸送層用塗布液を準備した。各電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、120℃で40分間乾燥し、膜厚30μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用シートを作製した。
[0167]
 次いで、摩耗評価試験用シートのポリプロピレンシートから電荷輸送層を剥離し、ウィール(テーバー社製「S-36」)に貼り付け、サンプルを作製した。作製したサンプルをロータリーアブレージョンテスター(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、摩耗輪(テーバー社製「H-10」)を用い、荷重1000gfかつ回転速度60rpmの条件で1000回転させて、摩耗評価試験を実施した。摩耗評価試験前後のサンプルの質量変化を測定し、得られた変化量を摩耗減量(単位:mg/1000回転)とした。結果を表3に示す。なお、摩耗減量の値が小さいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
[0168]
[表2]


[0169]
[表3]


[0170]
 表2に示すように、実施例1~12に係る感光体は、一般式(1)に包含される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂(R-1)~(R-6)の何れかを電荷輸送層に含有していた。実施例1~12に係る感光体は、一般式(2)又は一般式(3)に包含される色素(D-1)~(D-5)の何れかを電荷輸送層に含有していた。表3に示すように、実施例1~12に係る感光体は、E1/2の比(CT15/CT30)が0.94以上1.27以下であった。実施例1~12に係る感光体は、摩耗減量が5.8mg/1000回転以上6.9mg/1000回転以下であった。
[0171]
 表2に示すように、比較例3に係る感光体は、一般式(1)に包含されない繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(R-7)を電荷輸送層に含有していた。比較例2に係る感光体は、一般式(2)及び一般式(3)に包含されない色素(D-6)を電荷輸送層に含有していた。比較例1に係る感光体は、電荷輸送層に色素を含有していなかった。表3に示すように、比較例1及び2に係る感光体は、E1/2の比(CT15/CT30)が1.50を超えていた。比較例1~3に係る感光体は、摩耗減量が7.0mg/1000回転を超えていた。
[0172]
 以上の結果から明らかなように、実施例1~12に係る感光体は、比較例1~3に係る感光体に比べ、耐摩耗性に優れていた。また、実施例1~12に係る感光体は、比較例1及び2に係る感光体に比べ、感光層の厚み減少に伴う電気特性の低下を抑制できていた。

産業上の利用可能性

[0173]
 本発明に係る電子写真感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。

請求の範囲

[請求項1]
 導電性基体と、前記導電性基体上に直接的又は間接的に設けられた感光層とを備える電子写真感光体であって、
 前記感光層は、前記導電性基体側から順次設けられた電荷発生層及び電荷輸送層を有し、
 前記電荷発生層は、電荷発生剤を含み、
 前記電荷輸送層は、電荷輸送剤と、バインダー樹脂と、露光波長の光を吸収する色素とを含み、
 前記バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂を含み、
 前記色素は、下記一般式(2)又は一般式(3)で表されるナフタロシアニン化合物である、電子写真感光体。
[化1]


(前記一般式(1)中、
 v及びwは、各々独立に、2又は3を表し、
 r、s、t及びuは、各々独立に、0以上の数を表し、
 r+s+t+u=100であり、
 r+t=s+uであり、
 r/(r+t)は、0.00以上0.90以下であり、
 s/(s+u)は、0.00以上0.90以下であり、
 X及びYは、各々独立に、下記化学式(1-1)、化学式(1-2)、化学式(1-3)、又は化学式(1-4)で表される二価の基である。)
[化2]


[化3]


(前記一般式(2)中、
 R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、又は置換基を有してもよいチオフェニル基を表す。ただし、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6の全てが水素原子である場合を除く。
 Mは、配位子を有してもよい金属原子を表す。)
[化4]


(前記一般式(3)中、
 R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数6以上14以下のアリール基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のチオアルキル基、又は置換基を有してもよいチオフェニル基を表す。ただし、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12の全てが水素原子である場合を除く。)
[請求項2]
 前記一般式(1)中、v及びwは、3を表す、請求項1に記載の電子写真感光体。
[請求項3]
 前記一般式(1)中、
 r/(r+t)は、0.30以上0.70以下であり、
 s/(s+u)は、0.30以上0.70以下であり、
 X及びYは、互いに異なる、請求項1に記載の電子写真感光体。
[請求項4]
 前記一般式(1)中、X及びYは、各々独立に、前記化学式(1-1)、化学式(1-2)、又は化学式(1-4)で表される二価の基である、請求項3に記載の電子写真感光体。
[請求項5]
 前記一般式(1)中、
 Xは、前記化学式(1-4)で表される二価の基であり、
 Yは、前記化学式(1-1)又は化学式(1-2)で表される二価の基である、請求項4に記載の電子写真感光体。
[請求項6]
 前記ポリアリレート樹脂は、下記化学式(R-1)、化学式(R-2)、化学式(R-3)、化学式(R-4)、化学式(R-5)、又は化学式(R-6)で表される、請求項2に記載の電子写真感光体。
[化5]


[化6]


[請求項7]
 前記色素は、前記一般式(2)で表されるナフタロシアニン化合物であり、
 前記一般式(2)中、
 R 1、R 2、R 3、R 4、R 5及びR 6は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表し、
 Mは、配位子を有してもよい銅原子、配位子を有してもよい亜鉛原子、又は配位子を有してもよいバナジウム原子を表す、請求項1に記載の電子写真感光体。
[請求項8]
 前記一般式(2)中、
 R 1及びR 6は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表し、
 R 2、R 3及びR 5は、水素原子を表し、
 R 4は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す、請求項7に記載の電子写真感光体。
[請求項9]
 前記色素は、前記一般式(3)で表されるナフタロシアニン化合物であり、
 前記一般式(3)中、
 R 7、R 8、R 9、R 10、R 11及びR 12は、各々独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表す、請求項1に記載の電子写真感光体。
[請求項10]
 前記一般式(3)中、
 R 7及びR 12は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表し、
 R 8、R 9及びR 11は、水素原子を表し、
 R 10は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す、請求項9に記載の電子写真感光体。
[請求項11]
 前記一般式(3)中、
 R 7及びR 12は、水素原子を表し、
 R 10は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す、請求項10に記載の電子写真感光体。
[請求項12]
 前記色素は、下記化学式(D-1)、化学式(D-2)、化学式(D-3)、化学式(D-4)、又は化学式(D-5)で表されるナフタロシアニン化合物である、請求項1に記載の電子写真感光体。
[化7]


[請求項13]
 前記色素の含有量は、前記バインダー樹脂100.00質量部に対して、0.05質量部以上3.00質量部以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
[請求項14]
 前記電荷輸送層の前記露光波長の光に対する透過率は、5%以上80%未満である、請求項1に記載の電子写真感光体。
[請求項15]
 像担持体と、
 前記像担持体の表面を帯電させる帯電部と、
 帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、
 前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、
 前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写部と
を備える画像形成装置であって、
 前記像担持体は、請求項1に記載の電子写真感光体である、画像形成装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]