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1. (WO2018179478) 刺繍枠
Document

明 細 書

発明の名称 刺繍枠

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

符号の説明

0050  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 刺繍枠

技術分野

[0001]
 本発明は、刺繍縫製可能なミシンに装着される刺繍枠に関する。

背景技術

[0002]
 刺繍縫製可能なミシンに装着される刺繍枠が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の刺繍枠は、布枠と表枠とで第一縫製物を挟持した状態で、第一縫製物の表面に第二縫製物を重ね、表枠と内枠とで第二縫製物を更に挟持可能である。該刺繍枠が装着されたミシンでは、ぬいぐるみ等を縫製する場合に、第一縫製物に模様を刺繍した後、第二縫製物を第一縫製物の表面に保持させて、該模様の輪郭に沿って縫製可能である。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平5-269280号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 従来の刺繍枠では、第一縫製物と、第二縫製物との双方に模様を縫製した場合に、模様の配置を考慮して第一縫製物と第二縫製物とを重ね合わせる操作が煩雑である。
[0005]
 本発明の目的は、刺繍縫製可能なミシンに装着される刺繍枠であって、第一縫製物と、第二縫製物との双方に模様を縫製した場合にも、従来よりも容易な操作で、第一縫製物に対する第二縫製物の位置合わせが容易な刺繍枠を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一態様に係る刺繍枠は、刺繍縫製可能なミシンに装着される装着部と、第一縫製物と第二縫製物とを保持可能な枠部であって、前記装着部と接続され、前記第一縫製物を保持可能な枠状の第一枠と、前記第一枠の一端に連結するヒンジ部と、一端が前記第一枠に対して回動可能に前記ヒンジ部に連結され、前記第二縫製物を保持可能な枠状の第二枠と、前記第一枠に対して前記第二枠が開かれた状態で、前記第一枠と共に前記第一縫製物を挟持可能な第一挟持部と、前記第一枠に対して前記第二枠が開かれた状態で、前記第二枠と共に前記第二縫製物を挟持可能な第二挟持部とを有する枠部とを備える。
[0007]
 本態様の刺繍枠は、第一枠と第一挟持部とで第一縫製物を挟持でき、第二枠と第二挟持部とで第二縫製物を挟持できる。刺繍枠は、第一枠に対して第二枠が開かれた状態で、第一縫製物及び第二縫製物の少なくとも何れかに模様を縫製後、第一枠に対して第二枠が閉じられることで、第一枠に対する第一縫製物の位置及び第二枠に対する第二縫製物の位置の各々を維持したまま、第一縫製物と第二縫製物とを重ねることができる。故に刺繍枠は、第一縫製物と、第二縫製物との双方に模様を縫製した場合にも、従来よりも容易な操作で、第一縫製物に対する第二縫製物の位置合わせができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 移動機構40が装着されたミシン1の斜視図である。
[図2] ミシン1の電機的構成を示すブロック図である。
[図3] 第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態にあり、且つ、第一枠82及び第二枠83に対して第一挟持部85及び第二挟持部86が離間して配置された刺繍枠80の斜視図である。
[図4] 第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態にあり、且つ、第一枠82及び第二枠83に対して第一挟持部85及び第二挟持部86が挟持位置に配置された刺繍枠80の斜視図と、第一枠82及び第二枠83に対して第一挟持部85及び第二挟持部86が挟持位置に配置され、且つ、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にある刺繍枠80の斜視図である。
[図5] (A)は図4のA-A線における矢視方向断面図であり(B)は図4のB-B線における矢視方向断面図である。
[図6] ロック機構89を背面から見た場合の、ロック機構89をロック可能な状態から、ロック解除する状態に操作する過程の説明図である。
[図7] ロック機構89を上から見た場合の、ロック機構89をロック可能な状態から、ロック解除する状態に操作する過程の説明図、及びC-C線における矢視方向断面図である。
[図8] ミシン1で実行される縫製処理のフローチャートである。
[図9] 第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態で、刺繍枠80に挟持された第一縫製物C1に縫製される第一模様E1と、第二縫製物C2に縫製される第二模様E2との説明図である。
[図10] 模様E1、E2縫製後に、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態で、第一縫製物C1と、第二縫製物C2とが重ねられて縫製される輪郭Nと、縫製処理により作成されるぬいぐるみ100との説明図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1及び図2を参照して、刺繍枠移動機構(以下、単に「移動機構」と言う。)40が装着されたミシン1の物理的構成を説明する。図1の上下方向、右下側、左上側、左下側、及び右上側が、各々、移動機構40が装着されたミシン1の上下方向、前方、後方、左方、及び右方である。ベッド部11及びアーム部13の長手方向がミシン1の左右方向である。脚柱部12が配置されている側が右側である。脚柱部12の伸長方向がミシン1の上下方向である。
[0010]
 図1に示すように、ミシン1は、ベッド部11、脚柱部12、アーム部13、及び頭部14を備える。ベッド部11は、左右方向に延びるミシン1の土台部である。脚柱部12は、ベッド部11の右端部から上方へ立設されている。アーム部13は、ベッド部11に対向して脚柱部12の上端から左方へ延びる。頭部14は、アーム部13の左先端部に連結する部位である。
[0011]
 ミシン1は、ベッド部11内に、図示しない送り歯、送り機構、及び釜機構等を備える。送り歯は、刺繍縫製ではない通常の縫製時に、送り機構によって駆動され、被縫製物を所定の移動量で移動させる。釜機構は、ベッド部11の上面に設けられた針板(図示略)の下方において上糸(図示略)を下糸(図示略)に絡ませる。脚柱部12は、内部にミシンモータ31(図2参照)を備える。アーム部13の上部には、開閉可能なカバー16が設けられている。図1は、カバー16が開かれた状態を示す。カバー16が閉じられた場合のカバー16の下方(つまり、アーム部13の内部)には、糸収容部18が設けられている。糸収容部18は、上糸が巻回された糸駒20を収容可能である。アーム部13内部には、左右方向に延びる主軸(図示略)が設けられている。主軸は、ミシンモータ31により回転駆動される。頭部14には、針棒6、及び押え棒8等が設けられる。針棒6の下端には、縫針7が着脱可能に装着される。押え棒8の下端部には、押え足9が着脱可能に取り付けられる。針棒6は、主軸の回転により上下方向に駆動される。
[0012]
 移動機構40は、ミシン1のベッド部11に対して着脱可能に装着される。移動機構40は、被縫製物Cを保持可能な刺繍枠50を針棒6に対して相対的に移動可能に構成されている。移動機構40は、刺繍枠50及び後述の刺繍枠80を含む複数の刺繍枠の内から選択された1つを装着可能である。移動機構40は、本体部41及びキャリッジ42を備える。キャリッジ42は、ホルダ43、Y軸移動機構(図示略)、及びY軸モータ33(図2参照)を備える。ホルダ43は、キャリッジ42の右側面に設けられている。キャリッジ42が有するホルダ43は、刺繍枠50を着脱可能に装着する。Y軸移動機構は、ホルダ43を前後方向(Y軸方向)に移動させる。Y軸モータ33は、Y軸移動機構を駆動する。
[0013]
 本体部41は、X軸移動機構(図示略)及びX軸モータ32(図2参照)を内部に備える。X軸移動機構は、キャリッジ42を左右方向(X軸方向)に移動させる。X軸モータ32は、X軸移動機構を駆動する。刺繍枠を用いた刺繍縫製時には、移動機構40は、キャリッジ42のホルダ43に装着された刺繍枠を、固有のXY座標系(刺繍座標系)で示される位置に移動可能である。
[0014]
 図2を参照して、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1は、CPU61、ROM62、RAM63、フラッシュメモリ64、及び入出力インターフェイス(I/O)66を備えている。CPU61はバス65を介して、ROM62、RAM63、フラッシュメモリ64、及び入出力I/O66と接続されている。
[0015]
 CPU61は、ミシン1の主制御を司り、ROM62に記憶された各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算及び処理を実行する。ROM62は、図示しないが、プログラム記憶エリアを含む複数の記憶エリアを備える。プログラム記憶エリアには、ミシン1を動作させるための各種プログラム(例えば、後述の縫製処理を実行させるためのプログラム)が記憶されている。
[0016]
 RAM63には、CPU61が演算処理した演算結果等を収容する記憶エリアが設けられる。フラッシュメモリ64には、ミシン1が各種処理を実行するための各種パラメータ等が記憶されている。フラッシュメモリ64は、ミシン1で縫製可能な模様を縫製するための刺繍データを、複数の模様の各々について記憶する。刺繍データは、色替データ毎にステッチデータを含む。色替データは、縫目を形成する糸の色を示すデータである。ステッチデータは、模様に含まれる縫目の形成位置(針落ち位置)を刺繍座標系の座標で示すデータである。つまりステッチデータは針落ち点毎の複数の座標を表すデータ群を含む。フラッシュメモリ64は、更に、ホルダ43に装着可能な刺繍枠の種類と、縫製領域との対応を記憶する。縫製領域は、ミシン1のホルダ43に装着された刺繍枠の内側に設定される縫製可能な領域である。入出力I/O66には、駆動回路71から74、タッチパネル26、スタート/ストップスイッチ29、及び検出器36が接続されている。検出器36は、刺繍枠が移動機構40に装着されたことを検出し、刺繍枠の種類に応じた検出結果を出力するよう構成されている。本例の検出器36は、複数の機械スイッチのONとOFFの組合せに応じて、刺繍枠の種類を検出する(例えば、特開2015-147008号公報参照)。更に本例の検出器36は、ホルダ43に刺繍枠80が装着された場合に、刺繍枠80の開閉状態を検知可能である。刺繍枠の種類を検出するための検出器と、刺繍枠の状態を検出するための検出器は別体であってもよいし、必要に応じて検出器は省略されてもよい。
[0017]
 駆動回路71には、ミシンモータ31が接続されている。駆動回路71は、CPU61からの制御信号に従って、ミシンモータ31を駆動する。ミシンモータ31の駆動に伴い、ミシン1の主軸(図示略)を介して針棒上下動機構が駆動され、針棒6が上下動する。駆動回路72には、X軸モータ32が接続されている。駆動回路73には、Y軸モータ33が接続されている。駆動回路72及び73は、各々、CPU61からの制御信号に従って、X軸モータ32及びY軸モータ33を駆動する。X軸モータ32及びY軸モータ33の駆動に伴い、制御信号に応じた移動量だけ、移動機構40に装着されている刺繍枠50が左右方向(X軸方向)及び前後方向(Y軸方向)に移動する。駆動回路74は、CPU61からの制御信号に従って液晶ディスプレイ(LCD)15を駆動することで、LCD15に画像を表示する。
[0018]
 ミシン1の動作を簡単に説明する。刺繍枠を用いた刺繍縫製時には、刺繍枠が移動機構40によってX軸方向及びY軸方向に移動される処理と併せて、針棒上下動機構(図示略)及び釜機構(図示略)が駆動される。これにより、針棒6に装着された縫針7によって、刺繍枠に保持された被縫製物Cに対して刺繍模様が縫製される。
[0019]
 図3から図7を参照して、刺繍枠80の説明をする。刺繍枠80は、例えば、刺繍模様が縫製されたぬいぐるみを作成する場合、及び刺繍模様が縫製された袋物を作成する場合等に使用される。刺繍枠80は、装着部81と、枠部45とを備える。装着部81は、刺繍縫製可能なミシン1に装着される部位である。枠部45は、図9に例示する第一縫製物C1と第二縫製物C2とを保持可能な部位である。枠部45は、第一枠82、一対のヒンジ部84、第二枠83、第一挟持部85、及び第二挟持部86を備える。第一縫製物C1と、第二縫製物C2とは、一枚の被縫製物でもよいし、別体の被縫製物でもよい。以下の説明では、図4上に示す第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態を基準に、刺繍枠80の構成を説明する。図4の上下方向、右下側、左上側、左下側、右上側が、各々、移動機構40が装着されたミシン1の上下方向、右方、左方、前方、後方である。装着部81の長手方向が刺繍枠80の前後方向である。装着部81が配置されている側が左側である。
[0020]
 装着部81は、前後方向を長手方向とし、ミシン1のホルダ43に着脱可能に装着される部位である。装着部81は、装着部81の長手方向の一端側に第一枠82と連結する連結部92を有し、長手方向の他端側に規制部78を有する。本例の装着部81は、後端部に右方に突出する連結部92を有し、前端側に規制部78を有する。規制部78は、第一枠82に対して第二枠83が所定角度より多く回動することを規制する。所定角度は、ミシン1の構成に応じて適宜設定され、本例の所定角度は、ベッド部11の上面と略平行に延びる180度である。つまり、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態において、第一枠82と第二枠83とは同一平面上に配置される。所定角度は、一定の範囲(例えば、178度から182度)をもつ角度であってもよい。本例の規制部78は、第二枠83が第一枠82に対して開かれた状態において、装着部81から第二枠83に向かう方向(右方)に突出した部位である。図9に示すように、装着部81は、左部には刺繍枠80の種類を示す前後方向に配列された左方に突出する4つの凸部59がある。刺繍枠80が装着されたミシン1は、4つ凸部59及び後述の検知部97の配置を複数の機械スイッチで検出し、刺繍枠80の種類及び開閉状態を検出可能である。
[0021]
 第一枠82は、装着部81と連結され、第一縫製物C1を保持可能な枠状の部材である。本例の第一枠82は平面視矩形状の枠状であり、左端部が装着部81の連結部92に3つの螺子38で固定されている。3つの螺子38は上下方向に延び、前後方向に略等間隔で配置される。第一枠82は第一磁性体2を備える。本例の第一枠82は、第一枠82全体がステンレス等の第一磁性体2で構成されている。第一枠82の内周76は、左側部と、右側部との各々に、内周76で囲まれる領域から離れる側に凹む凹部44を2つずつ有する。刺繍枠80は、第一枠82の後端に第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態で、第一枠82に対して第二枠83を固定するロック機構89を有する。ロック機構89については後述する。
[0022]
 一対のヒンジ部84は、第一枠82の一端に連結する。一対のヒンジ部84は各々、第一枠82の前端のうちの、左端部と右端部とに連結される。ヒンジ部84の回動中心Mは、装着部81の長手方向に交差する方向に延びる。本例の装着部81の長手方向は前後方向であり、ヒンジ部84の回動軸は左右方向に延びる。つまり、本例のヒンジ部84の回動軸は、刺繍枠80がミシン1に装着された状態において、ミシン1のベッド部11の上面と略平行な水平面において装着部81の長手方向に直交する方向に延びる。
[0023]
 第二枠83は、一端が第一枠82に対して回動可能に一対のヒンジ部84に連結され、第二縫製物C2を保持可能な枠状の部材である。つまり、第一枠82と第二枠83とは、第一枠82に対して第二枠83が回動可能に、一対のヒンジ部84によって連結されている。第二枠83は第二磁性体3を備える。本例の第二枠83は、第二枠83全体がステンレス等の第二磁性体3で構成されている。第二枠83は平面視矩形状の枠状であり、内周77で囲まれる領域の形状は、平面視矩形状である。第二枠83は、外周4の左側部と、右側部とに、内周77で囲まれる領域側に向けて凹む凹部49を1つずつ有する。
[0024]
 第二枠83は、第一枠82に対して所定角度開かれた場合に装着部81の規制部78に当接する当接部91を備える。当接部91は、第二枠83の内、ヒンジ部84と連結する側(後ろ側)とは反対側(前側)、且つ、規制部78と対向する側(左側)、つまり、左前側に設けられる。刺繍枠80は更に、当接部91が規制部78に当接した状態、つまり、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態で、第一枠82に対する第二枠83の位置を固定する固定部90を備える。固定部90は、規制部78と交差する方向に延びる軸87を中心に回動可能な棒状のレバーである。固定部90は、固定部90を図3に示す前後方向に延びる姿勢にされた場合、規制部78と共に第二枠83の当接部91を上下方向に挟持し、第一枠82に対する第二枠83の位置を固定可能である。固定部90は、固定部90を図4下に示す左右方向に延びる姿勢とされた場合、第一枠82に対する第二枠83の位置の固定を解除する。第二枠83は前端に把持部98を有する。把持部98は、右側面視前端が上方に突出するL字状であり、平面視後方が開放するU字状の板状の部位である。第二枠83は更に、左辺部の前後方向中心部に上方に突出する凸部39を有する。第二枠83の当接部91は、第二枠83が第一枠82に対して閉じられた場合に装着部81の連結部92の内の当接部34の上面に当接する。当接部34は、連結部92の前後方向略中央部の、第一枠82側となる略水平に延びる部位である。
[0025]
 第一挟持部85は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態で、第一枠82と共に第一縫製物C1を挟持可能な部材である。第一挟持部85は、第一枠82との間で第一縫製物C1を磁力によって挟持可能な枠状であり、挟持位置において第一磁性体2と対向する位置に第一磁石93を備える。本例の第一挟持部85は、平面視前後方向及び左右方向に延びる辺を有する矩形状の枠状である。本例の挟持位置は、図4上及び図9に示すように、第一縫製物C1を介して第一枠82と、第一挟持部85とが重なる部分が最も多くなる位置である。挟持位置では、第一枠82の内周76の内の前辺及び後辺と第一挟持部85の内周46の内の前辺及び後辺とが、平面視で略一致する。挟持位置では、第一挟持部85はヒンジ部84と重ならない。第一挟持部85は、プラスチック樹脂等の樹脂製である。本例の第一挟持部85は、第一挟持部85の左辺部、及び右辺部の各々に、円柱状の第一磁石93を2つ配置し、後辺部に第一磁石93を3つ配置する。第一磁石93は、第一挟持部85の前辺部(ヒンジ部84側の部分)には配置されない。図7の最も下の図に示すように、各第一磁石93は、第一挟持部85の上面に設けられた下方に向けて凹む穴部68に保持される。第一磁石93及び穴部68は各々、平面視矩形状のヨーク94で上側から覆われる。ヨーク94は、第一磁石93による磁束を導く磁性体(例えば、鉄板)である。ヨーク94は、第一挟持部85の辺に沿って延び、長手方向の両端部が一対の螺子35によって下側から第一挟持部85に固定される。第一磁石93は、ヨーク94を第一挟持部85に固定する一対の螺子35の間に配置される。
[0026]
 第二挟持部86は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態で、第二枠83と共に第二縫製物C2を挟持可能な部材である。第二挟持部86は、第二枠83との間で第二縫製物C2を磁力によって挟持可能な枠状であり、挟持位置において第二磁性体3と対向する位置に第二磁石95を備える。本例の第二挟持部86は、平面視前後方向及び左右方向に延びる辺を有する矩形状の枠状である。本例の挟持位置は、図4上及び図9に示すように、第二縫製物C2を介して第二枠83と、第二挟持部86とが重なる部分が最も多くなる位置である。挟持位置では、第二枠83の内周77と第一挟持部85の内周47とが、平面視で略一致する。挟持位置では、第二挟持部86はヒンジ部84と重ならない。第二挟持部86は、プラスチック樹脂等の樹脂製である。本例の第二挟持部86は、第二挟持部86の左辺部、及び右辺部の各々に、円柱状の第二磁石95を2つ配置し、前辺部に第二磁石95を3つ配置する。第二磁石95は、第二挟持部86の後辺部(ヒンジ部84側の部分)には配置されない。各第二磁石95は、第一磁石93と同様に、第二挟持部86の上面に設けられた下方に向けて凹む穴部(図示略)に保持される。第二磁石95の上面は各々、平面視矩形状のヨーク96によって上側から覆われる。ヨーク96は、第二磁石95による磁束を導く磁性体(例えば、鉄板)である。ヨーク96は、長手方向の両端部が一対の螺子37で第二挟持部86に固定される。第二磁石95は、ヨーク96を第二挟持部86に固定する一対の螺子37の間に配置される。
[0027]
 図4下に示すように、第一挟持部85及び第二挟持部86が各々挟持位置に設けられ、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるとき、内周77の内、左辺と右辺とは各々、第一枠82の内周76の内凹部44が設けられていない部分と重なる。第一挟持部85及び第二挟持部86が各々挟持位置に設けられ、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるとき、各第一磁石93と対向する位置には第二挟持部86は存在せず、各第二磁石95と対向する位置には第一挟持部85は存在しない。より具体的には、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるとき、刺繍枠80の各部材は以下の位置関係にある。第一挟持部85の内周46の内、第一磁石93が設けられた左辺部、後辺部、及び右辺部の各々は、第二挟持部86の左辺部、後辺部、及び右辺部の各々の外周4よりも外側にある。第一挟持部85の左辺部、後辺部、及び右辺部の各々は、第二挟持部86の内周47の内、左辺部、後辺部、及び右辺部の各々と上下方向において重ならない。第一挟持部85の左辺部、右辺部の各々の2つの第一磁石93の内前方の第一磁石93は第二枠83の凹部49に配置され、後方の第一磁石93は、第二枠83及び第二挟持部86よりも後方に配置される。第二挟持部86の前後方向においてヒンジ部84側とは反対側の辺部に配置された3つの第二磁石95は、第一枠82の後辺部及び第一挟持部85の後辺部よりも前側に配置される。第二挟持部86の左辺部及び右辺部の各々に配置された2つの第二磁石95は、第一枠82の対応する凹部44に配置される。上下方向において、いずれの第一磁石93もいずれの第二磁石95とは重複して配置されない。
[0028]
 刺繍枠80は第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあることを検知する検知部97を更に備える。図4及び図5に示すように、本例の検知部97は、装着部81の前後方向の中心よりもやや後ろ側に設けられた、左右方向に延び、下方に凹む凹部に配置される。検知部97は、左右方向に延びるレバー状である。検知部97は装着部81の左右方向の中心よりも右側において、前後方向に延びる軸48によって、装着部81に回動可能に支持されている。図5(A)に示すように、第一枠82に対して第二枠83が開かれている場合、検知部97の左端部は装着部81と当接する。図5(B)に示すように、第一枠82に対して第二枠83が閉じられている場合、検知部97の右端が第二枠83の凸部39によって下方に押下され、軸48を中心に正面視時計回りに回動し、検知部97の左端部は装着部81から離間する。刺繍枠80がミシン1に装着された場合、検知部97の左端部の上下方向の位置に基づき、ミシン1の検出器36は刺繍枠80の第二枠83が第一枠82に対して閉じられているかを検知可能である。より詳細には、刺繍枠80の第二枠83が第一枠82に対して開かれている場合、検知部97の左端部は、装着部81の4つの凸部59と同じ高さにあり、検出器36の複数の機械スイッチの内の、検知部97に対向する位置にある機械スイッチに当接してONにする。刺繍枠80の第二枠83が第一枠82に対して閉じられている場合、検知部97の左端部は、装着部81の4つの凸部59の上端よりも上方にあり、検出器36の複数の機械スイッチの内のいずれもONにしない。ミシン1の検出器36は、刺繍枠80が開かれている場合と閉じられている場合とで、複数の機械スイッチのONとOFFとの組合せが異なることに基づき、ミシン1の検出器36は刺繍枠80の第二枠83が第一枠82に対して閉じられているかを検知可能である。
[0029]
 図6及び図7に示すように、ロック機構89は、左右方向に長いレバー99及び前後方向に延びる軸79、75を備える。レバー99は、前後方向に貫通する孔88を右端に有する。軸79はレバー99の左端に挿通され、レバー99を回動可能に支持する。軸75は孔88に挿通可能である。軸75を孔88に挿通せず、レバー99の右端部を軸75の前端より前方に配置した場合、レバー99は軸79周りに回動可能である。上下方向において、レバー99を軸75から離間させた状態で、第一枠82に対して第二枠83が閉じられると、把持部98は軸75、79よりも下方に配置される。その状態で、図6及び図7の最も上の図に示すように、上下方向において、レバー99の孔88を軸75に挿通された場合、レバー99は把持部98が上方に移動することを規制し、第一枠82に対して第二枠83を固定する。
[0030]
 図8から図10を参照して、刺繍枠80を利用して縫製を行う場合に実行される縫製処理を説明する。具体例として、図10の下方に示す星型のぬいぐるみ100を作成する場合について説明する。ぬいぐるみ100を作成する場合、ミシン1は、刺繍データに従って、第一縫製物C1に第一色の糸で星型の第一模様E1を縫製し、第二縫製物C2に第二色の糸で星型の第二模様E2を縫製する。ミシン1は、刺繍データに従って、第一縫製物C1と、第二縫製物C2とを重ねて、模様E1及びE2の周りの輪郭Nを縫製する。模様E1、E2及び輪郭Nを縫製するための刺繍データは、ミシン1で生成されてもよいし、予めフラッシュメモリ64等に記憶されていてもよい。第一模様E1と、第二模様E2とは、ヒンジ部84の回動中心Mを対象軸として線対称に配置される。CPU61は、縫製処理を開始する開始指示を取得すると、フラッシュメモリ64から縫製処理を実行するためのプログラムをRAM63に読み出し、プログラムに含まれる指示に従って縫製処理を実行する。開始指示は、例えば、刺繍データを指定する指示と共に、タッチパネル26を介して入力される。
[0031]
 図8に示すように、CPU61は、まず刺繍データを取得する(S1)。具体例では、模様E1、E2及び輪郭Nを縫製するための刺繍データが取得される。CPU61は、検出器36からの信号に基づき、刺繍枠80の種類を特定し、刺繍枠80の第二枠83が第一枠82に対して閉じられた閉状態にあるかを判断する(S2)。閉状態である場合(S2:YES)、CPU61は、刺繍枠80を第二枠83が第一枠82に対して開かれた開状態にすることを促すメッセージをLCD15に表示することで、刺繍枠80の状態を報知し(S3)、処理をS2に戻す。開状態である場合(S2:NO)、CPU61は、縫製開始の指示が入力されたかを判断する(S4)。ユーザは、例えば、図9に示すように、第一縫製物C1を第一枠82と第一挟持部85とで挟持させ、第二縫製物C2を第二枠83と第二挟持部86とで挟持させる。ユーザは、固定部90と規制部78とで第一枠82に対する第二枠83の位置が固定されていることを確認した後、スタート/ストップスイッチ29を押下し、縫製開始の指示を入力する。縫製開始の指示が入力されていない場合(S4:NO)、CPU61は処理をS4に戻す。縫製開始の指示が入力された場合(S4:YES)、図9に示すように、CPU61は、刺繍データに従って、第一枠82の内周76の内側の縫製領域において第一模様E1を第一縫製物C1に縫製する(S5)。CPU61は、第一模様E1を縫製後、第二枠83の内周77の内側の縫製領域において第二模様E2を第二縫製物C2に縫製する(S6)。S5及びS6において、糸切れ及び糸色の変更により、第一模様E1及び第二模様E2の縫製中に糸替えが必要な場合には、CPU61は、適宜縫製を中断し、糸替え後に処理を再開する。第一模様E1及び第二模様E2の縫製順序は入れ替えられてもよい。
[0032]
 CPU61は、第一模様E1及び第二模様E2の縫製完了後、ユーザに第二枠83を第一枠82に対して閉じることを促すメッセージをLCD15に表示して、報知する(S7)。CPU61は必要に応じて、刺繍枠80を、開状態から閉状態に変更可能な位置に移動させる。ユーザはLCD15のメッセージを確認し、固定部90を操作して第一枠82に対する第二枠83の位置の固定を解除する。ユーザは、図10に示すように、第一枠82に対して第二枠83を閉じ、ロック機構89で第一枠82に対して第二枠83を固定した後、縫製開始の指示を入力する。CPU61は、検出器36からの信号に基づき刺繍枠80が閉状態にあるかを判断する(S8)。刺繍枠80は閉状態ではない場合(S8:NO)、CPU61は処理をS8に戻す。
[0033]
 刺繍枠80が閉状態である場合(S8:YES)、CPU61はS4の処理と同様に縫製開始の指示が入力されたかを判断する(S9)。縫製開始の指示が入力されていない場合(S9:NO)、CPU61は処理をS9に戻す。縫製開始の指示が入力された場合(S9:YES)、CPU61は、図10に示すように、刺繍データに従って、第一枠82に対して閉じられた第二枠83の内周77の内側の縫製領域に輪郭Nを縫製する(S10)。本例の輪郭Nは、第一模様E1及び第二模様E2の輪郭よりも所定距離外側に形成される縫目であり、後述の返し口として一部未縫製の部分が設けられる。つまり、輪郭Nは、第一模様E1及び第二模様E2の外側を一周しない。輪郭Nは、第一模様E1及び第二模様E2の輪郭と重なる部分があってもよい。CPU61は輪郭Nが縫製後、縫製処理を終了する。ユーザは、第一縫製物C1と第二縫製物C2とを刺繍枠80から取り外し、輪郭Nの外側を裁断する。ユーザは輪郭Nの返し口から、第一縫製物C1と、第二縫製物C2とをひっくり返し、返し口から縫製物に綿等を詰めた後、返し口を手縫い又はミシン1で縫製する。以上で、図10の左下に示すように、第一縫製物C1に第一模様E1が縫製され、図10の右下に示すように、第一縫製物C1の反対側の第二縫製物C2に第二模様E2が縫製されたぬいぐるみ100が作成される。
[0034]
 上記実施形態において、刺繍枠80、装着部81、枠部45、第一枠82、ヒンジ部84、第二枠83、第一挟持部85、及び第二挟持部86は各々、本発明の刺繍枠、装着部、枠部、第一枠、ヒンジ部、第二枠、第一挟持部、及び第二挟持部の一例である。規制部78、当接部91、固定部90、検知部97、及びロック機構89は各々、本発明の規制部、当接部、固定部、検知部、及びロック機構の一例である。第一磁性体2、第二磁性体3、第一磁石93、及び第二磁石95は各々、本発明の第一磁性体、第二磁性体、第一磁石、及び第二磁石の一例である。
[0035]
 刺繍枠80は、第一枠82で第一縫製物C1を挟持でき、第二枠83に第二縫製物C2を挟持できる。刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態で、第一縫製物C1に第一模様E1を縫製し、第二縫製物C2に第二模様E2を縫製するのに利用できる。その後、刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられることで、第一枠82に対する第一縫製物C1の位置及び第二枠83に対する第二縫製物C2の位置を維持したまま、第一縫製物C1と第二縫製物C2とを重ねることができる。刺繍枠80が装着されたミシン1では、刺繍枠80を閉状態にして模様E1、E2の双方の配置に合わせて輪郭Nの縫目を形成可能である。刺繍枠80は、第一縫製物C1と、第二縫製物C2との双方に模様を縫製した場合にも、従来よりも容易な操作で、第一縫製物C1に対する第二縫製物C2の位置合わせができる。
[0036]
 刺繍枠80は第一枠82に対して第二枠83が所定角度より多く回動することを規制する規制部78を備える。第二枠83は、第一枠82に対して所定角度開かれた場合に規制部78に当接する当接部91を備える。故に刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が所定角度より多く回動することを確実に規制できる。
[0037]
 ヒンジ部84の回動中心Mは、装着部81の長手方向に交差する方向に延びる。故に刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態において、第二枠83が第一枠82に対して装着部81側とは反対側となる刺繍枠に比べ、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態における刺繍枠80全体のバランスを取りやすい。刺繍枠80が装着されたミシン1は、第二枠83が第一枠82に対して装着部81側とは反対側となる刺繍枠が装着された場合に比べ、安定して模様を縫製できる。
[0038]
 刺繍枠80の装着部81は、ヒンジ部84の回動中心Mの延長線上に設けられる。故に刺繍枠80は、装着部81がヒンジ部84の回動中心Mの延長線上にない刺繍枠に比べ、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態において、ホルダ43への装着時のバランスが良い。刺繍枠80が装着されたミシン1は、装着部81がヒンジ部84の回動中心Mの延長線上にない刺繍枠が装着された場合に比べ、安定して模様を縫製できる。
[0039]
 刺繍枠80の装着部81は、長手方向の一端側に第一枠82と連結する連結部92を有し、長手方向の他端側に規制部78を有する。故に刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態において、刺繍枠80全体のバランスを取りやすい。
[0040]
 刺繍枠80の当接部91は、第二枠83の内、ヒンジ部84と連結する側とは反対側、且つ、規制部78と対向する側に設けられる。規制部78は、第二枠83が開かれた状態において、装着部81から第二枠83に向かう方向に突出した部位である。故に刺繍枠80は、比較的簡単な構成によって、当接部91において第二枠83が所定角度よりも多く回動することを効果的に規制できる。
[0041]
 刺繍枠80は、当接部91が規制部78に当接した状態で、第一枠82に対する第二枠83の位置を固定する固定部90を備える。刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態を確実に維持できる。刺繍枠80は、縫製時に震動等で、第二枠83が上下方向にがたつくことを抑制できる。刺繍枠80が装着されたミシン1は、第一枠82に対して第二枠83が開かれた状態で、第一枠82と第一挟持部85とで挟持された第一縫製物C1と、第二枠83と第二挟持部86とで挟持された第二縫製物C2との各々に安定して模様を縫製できる。
[0042]
 第一枠82は第一磁性体2を備え、第二枠83は第二磁性体3を備える。第一挟持部85は、第一枠82との間で第一縫製物C1を磁力によって挟持可能な枠状であり、挟持位置において第一磁性体2と対向する位置に第一磁石93を備える。第二挟持部86は、第二枠83との間で第二縫製物C2を磁力によって挟持可能な枠状であり、挟持位置において第二磁性体3と対向する位置に第二磁石95を備える。故に刺繍枠80は、第一枠82と第一挟持部85とは磁力で第一縫製物C1を挟持し、第二枠83と第二挟持部86とは磁力で第二縫製物C2を挟持できる。刺繍枠80は、第一挟持部85及び第二挟持部86が別体であるため、第一枠82と第一挟持部85とで第一縫製物C1を挟持する操作と、第二枠83と第二挟持部86とで第二縫製物C2を挟持する操作が容易である。刺繍枠80は、第一挟持部85及び第二挟持部86が枠状であるため、第一縫製物C1及び第二縫製物C2を均一な張力で挟持しやすい。
[0043]
 図4の下図に示すように、第一挟持部85及び第二挟持部86が各々挟持位置に設けられ、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるとき、第一磁石93と対向する位置には第二挟持部86は存在せず、第二磁石95と対向する位置には第一挟持部85は存在しない。故に、刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるとき、磁石と対向する位置に挟持部がある刺繍枠に比べ、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態における刺繍枠80全体の厚みを薄くできる。
[0044]
 刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態で、第一枠82に対して第二枠83を固定するロック機構89を有する。刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態を確実に維持できる。刺繍枠80が装着されたミシン1は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態で、刺繍枠80に挟持された第一縫製物C1及び第二縫製物C2を安定して縫製できる。
[0045]
 刺繍枠80は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあることを検知する検知部97を更に備える。刺繍枠80が装着されたミシン1は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるかを検知部97により把握できる。ミシン1は、検知部97の状態を検出器36で検出することで、刺繍枠80の開閉状態に応じて、縫製を実行するか否かを決定できる。故にミシン1が、刺繍枠80の状態が誤った状態で縫目が形成されることを確実に回避できる。
[0046]
 本発明の刺繍枠は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
[0047]
 刺繍枠を装着可能なミシン1の構成は適宜変更してよい。ミシン1は、工業用ミシン及び多針ミシンであってもよい。移動機構は、針棒6に対してホルダ43を相対的に第一方向と、第一方向に交差する方向に移動できればよい。移動機構40は、ミシン1と一体に形成されてもよい。規制部、当接部、固定部、検知部、ロック機構、第一磁石、及び第二磁石は各々、適宜省略されてもよいし、形状及び配置等の構成が変更されてもよい。第一枠82及び第二枠83は、磁性体で構成されなくてもよい。第一枠82及び第二枠83は各々、第一挟持部85及び第二挟持部86の磁石と対向する部分のみ磁性体で構成されてもよい。第一枠82と第二枠83とは、ヒンジ部84の回転中心について対称であってもよいし、非対称であってもよい。第一枠82と、第一挟持部85とが磁力で第一縫製物を保持しない場合、例えば、第一挟持部85はクリップ等であってもよい。同様に、第二挟持部86はクリップ等であってもよい。第一挟持部85と、第二挟持部86とは、一体の部材であってもよいし、別体の部材であってもよい。第一挟持部85及び第二挟持部86の少なくとも何れかは、枠状でなくてもよい。第一挟持部85に対する第一磁石93の個数、配置、及び形状等は適宜変更されてよい。同様に、第二挟持部86に対する第二磁石95の個数、配置、及び形状等は適宜変更されてよい。挟持部85、86の内、ヒンジ部84側の部位に磁石が配置されてもよい。第一挟持部85と、第二挟持部86との少なくとも何れかは、マグネットシートであってもよい。第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあるとき、磁石と対向する位置に挟持部が存在してもよい。
[0048]
 刺繍枠80の形状及び大きさは適宜変更されてよい。刺繍枠80は円状、楕円状等であってもよい。第一枠、第二枠及び装着部の配置は適宜変更されてよい。ヒンジ部84の回動中心Mは、装着部81の長手方向と交差する方向に延びてもよいし、平行に延びてもよい。装着部81は、ヒンジ部84の回動中心Mの延長線上に設けられなくてもよい。ヒンジ部84の回動中心Mが装着部81の長手方向と平行に延びる場合、装着部は、装着部の長手方向に沿って第一枠と連結する連結部を有し、且つ、装着部の長手方向の一端部に連結する腕部であって、装着部の長手方向に交差する方向に延びる腕部に規制部を設けてもよい。この場合、当接部は、第二枠の内、ヒンジ部と連結する側とは反対側、且つ、規制部と対向する側に設けられ、ロック機構及び検知部は、装着部に設けられてもよい。ヒンジ部84の回動中心Mが装着部81の長手方向と平行に延びる場合も、規制部、当接部、固定部、検知部、ロック機構、第一磁石、及び第二磁石は各々、適宜省略されてもよい。
[0049]
 検知部は、第一枠82に対して第二枠83が閉じられた状態にあることを検知可能であればよく、公知の機械スイッチ等であってもよい。第一枠は、連結部と溶接等、螺子以外の方法で連結してもよいし、装着部と一体に形成されてもよい。ヒンジ部84は、第一枠82に対して第二枠83を回動可能に、第一枠82と、第二枠83とを連結可能であればよく、ヒンジ部84の個数、配置は適宜変更されてよい。刺繍枠80は、図8の縫製処理で利用される場合の他、通常の模様縫製、フリーモーション縫い及びボビンワークの縫製等の他の処理で適宜利用されてもよい。

符号の説明

[0050]
 2:第一磁性体、3:第二磁性体、45:枠部、78:規制部、80:刺繍枠、81:装着部、82:第一枠、83:第二枠、84:ヒンジ部、85:第一挟持部、86:第二挟持部、89:ロック機構、90:固定部、91:当接部、93:第一磁石、95、第二磁石、97:検知部

請求の範囲

[請求項1]
 刺繍縫製可能なミシンに装着される装着部と、
 第一縫製物と第二縫製物とを保持可能な枠部であって、
  前記装着部と接続され、前記第一縫製物を保持可能な枠状の第一枠と、
  前記第一枠の一端に連結するヒンジ部と、
  一端が前記第一枠に対して回動可能に前記ヒンジ部に連結され、前記第二縫製物を保持可能な枠状の第二枠と、
  前記第一枠に対して前記第二枠が開かれた状態で、前記第一枠と共に前記第一縫製物を挟持可能な第一挟持部と、
  前記第一枠に対して前記第二枠が開かれた状態で、前記第二枠と共に前記第二縫製物を挟持可能な第二挟持部と
 を有する枠部と
を備えることを特徴とする刺繍枠。
[請求項2]
 前記第一枠に対して前記第二枠が所定角度より多く回動することを規制する規制部を更に備え、
 前記第二枠は、前記第一枠に対して前記所定角度開かれた場合に前記規制部に当接する当接部を備えることを特徴とする請求項1に記載の刺繍枠。
[請求項3]
 前記ヒンジ部の回動中心は、前記装着部の長手方向に交差する方向に延びることを特徴とする請求項1又は2に記載の刺繍枠。
[請求項4]
 前記装着部は、前記ヒンジ部の前記回動中心の延長線上に設けられることを特徴とする請求項3に記載の刺繍枠。
[請求項5]
 前記装着部は、長手方向の一端側に前記第一枠と連結する連結部を有し、前記長手方向の他端側に前記規制部を有することを特徴とする請求項2に記載の刺繍枠。
[請求項6]
 前記当接部は、前記第二枠の内、前記ヒンジ部と連結する側とは反対側、且つ、前記規制部と対向する側に設けられ、
 前記規制部は、前記第二枠が開かれた状態において、前記装着部から前記第二枠に向かう方向に突出した部位であることを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の刺繍枠。
[請求項7]
 前記当接部が前記規制部に当接した状態で、前記第一枠に対する前記第二枠の位置を固定する固定部を更に備えることを特徴とする請求項2、5及び6の何れかに記載の刺繍枠。
[請求項8]
 前記第一枠は第一磁性体を備え、
 前記第二枠は第二磁性体を備え、
 前記第一挟持部は、前記第一枠との間で前記第一縫製物を磁力によって挟持可能な枠状であり、挟持位置において前記第一磁性体と対向する位置に第一磁石を備え、
 前記第二挟持部は、前記第二枠との間で前記第二縫製物を磁力によって挟持可能な枠状であり、挟持位置において前記第二磁性体と対向する位置に第二磁石を備えることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の刺繍枠。
[請求項9]
 前記第一挟持部及び前記第二挟持部が各々挟持位置に設けられ、前記第一枠に対して前記第二枠が閉じられた状態にあるとき、
  前記第一磁石と対向する位置には前記第二挟持部は存在せず、
  前記第二磁石と対向する位置には前記第一挟持部は存在しないことを特徴とする請求項8に記載の刺繍枠。
[請求項10]
 前記第一枠に対して前記第二枠が閉じられた状態で、前記第一枠に対して前記第二枠を固定するロック機構を有することを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の刺繍枠。
[請求項11]
 前記第一枠に対して前記第二枠が閉じられた状態にあることを検知する検知部を更に備えることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の刺繍枠。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]