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1. (WO2018179416) エンジン試験装置
Document

明 細 書

発明の名称 エンジン試験装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018   0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

産業上の利用可能性

0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : エンジン試験装置

技術分野

[0001]
 本発明は、エンジン試験装置に関する。更に詳しくは、多機種のエンジンに対応することができるエンジン試験装置に関する。

背景技術

[0002]
 吸気ポート及び排気ポートを含む複数のポートを備える多気筒エンジンを、燃料の燃焼を伴わず、電動モータにより疑似的な駆動状態で運転させてエンジンの性能を試験するエンジンモータリング試験装置が提案されている(例えば、特許文献1)。かかるエンジンモータリング試験装置は、コールドテストにてエンジンの性能を試験する装置である。この装置は、エンジンをモータリングにより試験する際に、種々の運転状態を同時に測定することができ、エンジンの自動組付けラインにおいて、自動的にしかも、高精度にエンジンの性能を試験することができる。
[0003]
 上記エンジンモータリング試験装置の構成によれば、試験位置に搬入され固定されたエンジンのクランクシャフトに直結されたリングギアに、複数の連結フィンガを噛合させることで、電動モータと同一の回転速度で確実にエンジンを回転させることができると共に、モータリング試験のための段取りに要する時間を短縮できる。
[0004]
 また、エンジンモータリング試験装置において、特に、エンジンの圧力検査を行う圧力検査ユニットのバルブ開閉の自動化を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2)。かかる試験装置は、複数の圧力検査ユニットと、少なくとも一つの開閉機構を備え、上記複数の圧力検査ユニットはそれぞれ、複数のポートのうちの一つに接続される配管と、この配管内の圧力を検出するセンサと、この配管を開閉するバルブとを備え、上記開閉機構は一つのアクチュエータと、上記アクチュエータに接続され、上記アクチュエータの駆動力を複数の上記バルブの各操作部に伝達して、上記複数のバルブを開閉する伝達機構を備えている。かかる試験装置の構成によれば、バルブの開閉の自動化を可能とし、かつ配管長をより短くすることができることから、圧力変動の計測精度を向上させることができる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : WO2005/057159 A1
特許文献2 : 特開2015-190797号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、特許文献1等に記載された従来のエンジン試験装置(以下、「コールドテスタ」ともいう。)は、特定の仕様を有するエンジンを試験対象としており、多機種エンジンへの対応が考慮されていなかった。
[0007]
 エンジン試験装置の試験対象となるエンジンは、それぞれ機種ごとに、吸気ポート・排気ポートの開口位置、吸気ポート・排気ポート間のピッチ、吸気ポート・排気ポートの開口の向き(傾斜角度)、気筒数等の設計上の特定の仕様を有している。
[0008]
 図13は、試験対象となる多機種のエンジンの構造を示した概念図である。図13(A)及び図13(C)は、エンジン試験装置によって、試験対象となる多機種のエンジンの構造を示した平面図である。また、図13(B)は、エンジン試験装置によって、試験対象となる多機種のエンジンの断面を示した部分断面図である。
[0009]
 図13(A)に示されるように、試験対象となる多機種のエンジン130は、同じ4気筒であっても、吸気ポート130aおよび排気ポート130bの開口位置、吸気ポート130aおよび排気ポート130bにおける各ポート間の離間ピッチpがそれぞれ異なっている。また、図13(B)に示されるように、試験対象となる多機種のエンジン130において、当該エンジン130の排気ポート130bが当該エンジン130の内部に延設されている方向は、それぞれ、下向き、横向き、上向きとまちまちである。さらに、試験対象となる多機種のエンジンにおいて、当該エンジン130の排気ポート130bにおける開口の向き(傾斜角度)もそれぞれ異なっている。さらに、図13(C)に示されるように、試験対象となる多機種のエンジン130は、3気筒エンジン、4気筒エンジン、6気筒エンジン等と気筒数が異なる種々のものがある。
[0010]
 このように、従来のエンジン試験装置は、試験対象となる一機種のエンジンの設計上の仕様に合わせた装置となっている。このため、従来のエンジン試験装置は、試験対象となる一機種のエンジンにしか対応できず、エンジンの機種ごとに試験装置を準備する必要があった。
[0011]
 そこで、本発明の目的は、試験対象となるエンジンの、吸気ポート及び排気ポートの開口位置、吸気ポート及び排気ポート間の離間ピッチ等が異なっていても対応することができるエンジン試験装置を提供することにある。また、本発明の目的は、試験対象となるエンジンの、吸気ポート・排気ポートの開口の向き(傾斜角度)や気筒数等が異なっていても対応することができるエンジン試験装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0012]
 本件発明者等は、鋭意検討を行った結果、吸気ポート及び排気ポートに向かって前進及び後退自在で、吸気ポート及び排気ポートの各ポートに接続自在な複数のシールヘッドユニットと、当該シールヘッドユニットは並設された複数のシールヘッド部を有し、シールヘッドユニットのシールヘッド部の離間ピッチを変えるピッチ可変ユニットとを備え、ピッチ可変ユニットは、シールヘッド部に接続され、シールヘッド部が並設される方向に移動自在な複数の第一の移動機構と、第一の移動機構を駆動させる複数の駆動部とを設けることによって、シールヘッド部の離間ピッチを変更することができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には本発明は以下の技術的事項から構成される。
[0013]
(1) 吸気ポート及び排気ポートを含む複数のポートを備えたエンジンを、疑似的な駆動状態で試験することができるエンジン試験装置であって、
 前記エンジンの前記吸気ポート及び前記排気ポートに向かって前進及び後退自在で、前記吸気ポート及び前記排気ポートの各ポートに接続自在な複数のシールヘッド部が並設された、複数のシールヘッドユニットと、
 前記シールヘッドユニットの、それぞれの前記シールヘッド部の離間ピッチを変える少なくとも一つのピッチ可変ユニットと、を備え、
 少なくとも一つの前記ピッチ可変ユニットは、それぞれの前記シールヘッド部に接続され、シールヘッド部が並設される方向に移動自在な複数の第一の移動機構と、
 それぞれの前記第一の移動機構を駆動させる複数の駆動部と、を有していることを特徴とするエンジン試験装置。
[0014]
(2) 複数の前記シールヘッドユニットの前進及び後退、及び少なくとも一つの前記ピッチ可変ユニットにおけるそれぞれの前記駆動部の駆動を制御する制御ユニットを、更に備えることを特徴とする(1)に記載のエンジン試験装置。
[0015]
(3) 前記シールヘッドユニットをチルト自在に支持する少なくとも一つのチルトユニットを、更に備え、 前記チルトユニットは、 前記シールヘッドユニットを揺動自在に支持するフレーム体と、前記フレーム体に設けられ、当該フレーム体に対して前記シールヘッドユニットをチルト駆動させるチルトアクチュエータと、を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のエンジン試験装置。
[0016]
(4) 前記シールヘッドユニットにおける各シールヘッド部に設けられ、それぞれのシールヘッド部を前進又は後退自在に支持する第二の移動機構を、更に備えることを特徴とする(1)~(3)いずれか1に記載のエンジン試験装置。
[0017]
(5) 前記第一の移動機構は、
 それぞれの前記シールヘッド部に接続されるボールナットと、
 それぞれの前記ボールナットに係合されるねじ軸と、を有し、
 前記ねじ軸と前記駆動部とが接続され、当該駆動部がねじ軸を回転駆動することを特徴とする(1)~(4)いずれか1に記載のエンジン試験装置。

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、多機種のエンジンを試験対象とすることができるエンジン試験装置が提供される。すなわち、本発明のエンジン試験装置は、試験対象となるエンジンが備えている吸気ポート・排気ポートにそれぞれに接続される複数のシールヘッド部を設けて、さらに各シールヘッド部の離間ピッチを変えるピッチ可変ユニットを備えているので、試験対象となるエンジンの吸気ポート・排気ポートの離間ピッチに制限されることなく、多機種のエンジンに柔軟に対応することができる。
[0019]
 さらに、本発明のエンジン試験装置は、上記各シールヘッド部全体をチルト自在に支持するチルトユニットを備えているので、試験対象となるエンジンが備えている吸気ポート・排気ポートの開口の向き(傾斜角度)に制限されることなく、多機種のエンジンに対応することができる。また、本発明のエンジン試験装置は、上記シールヘッドユニットの高さを変更する昇降ユニットを備えているので、試験対象となるエンジンの吸気ポート・排気ポートの高さに制限されることなく、多機種のエンジンに対応することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] エンジン試験装置における吸気用試験装置の構成を示した斜視図である。
[図2] 図1におけるピッチ可変ユニットの構成を示した斜視図である。
[図3] ピッチ可変ユニットの構成を示した上面図である。
[図4] 第二の移動機構が搭載されたピッチ可変ユニットの構成を示した側面図である。
[図5] 図4におけるV方向矢視図である。
[図6] 図1におけるチルトユニットの構成を示した斜視図である。
[図7] 図6の左側面図である。図7A(上向き)、図7B(水平)、図7C(下向き)に駆動した場合の左側面図である。
[図8] 図8A、図8Bおよび図8Cは、エンジンEの吸気ポート・排気ポートの開口の向き(傾斜角度)を示した部分断面模式図である。
[図9] 図1の上面図である。
[図10] チルトユニットの構成を示した左側面図である。
[図11] 昇降ユニットの構成を示した斜視図である。
[図12] 昇降ユニットの構成を示した左側面図である。
[図13] 図13Aおよび図13Cは、試験対象となる多機種のエンジンの構造を示した平面模式図である。図13Bは試験対象となる多機種のエンジンの構造を示した部分断面模式図である。
[図14] エンジン試験装置(コールドテスタ)全体を示した平面図である。

発明を実施するための形態

[0021]
<実施形態1>
 以下、本発明の実施形態について説明する。図14は、エンジン試験装置(コールドテスタ)全体を示した平面図(上面図)である。図14に示されるように、エンジン試験装置1は、ローラコンベア等の搬送装置2によって、搬送された試験対象となるエンジンEを取り込み、当該エンジンEの試験を行う。取り込まれたエンジンEのクランク軸に駆動ユニット3が連結されることによって、エンジンEと駆動ユニット3とが連結される。
[0022]
 エンジン試験装置1は、エンジンEの試験を実行する。エンジン試験装置1がエンジンEに対して行う試験は、燃料の燃焼を伴うことなく、疑似的な駆動状態において、試験対象となるエンジンEの性能を試験する、いわゆるコールドテストである。エンジン試験装置1は、エンジンEの吸気ポートの圧力変動及びエンジンEの排気ポートの圧力変動を測定することによって、エンジンEの性能を試験する。エンジン試験装置1は、取り込んだエンジンEの試験を完了後、当該エンジンEを再び搬送装置2に戻す。その後、当該エンジンEは、搬送装置2により次工程へと搬送される。
[0023]
 エンジン試験装置1は、エンジンEの吸気ポート及び排気ポートの圧力変動を測定する。図14において、エンジンEの吸気ポートの圧力変動は、吸気用試験装置4によって測定され、エンジンEの排気ポートの圧力変動は、排気用試験装置5によって測定される。ここで、本発明のエンジン試験装置の技術的特徴は、吸気用試験装置4及び排気用試験装置5にある。吸気用試験装置4と排気用試験装置5とは、ほぼ同様の構造を採用することができる。このため、実施形態1のエンジン試験装置1においては、吸気用試験装置4の構造を中心に説明する。
[0024]
(シールヘッドユニット10)
 図1は、実施形態1のエンジン試験装置1が備えている吸気用試験装置4の構成を示した斜視図である。吸気用試験装置4は、シールヘッドユニット10を備えている。シールヘッドユニット10は、吸気ポートを含む複数のポートを備えているエンジンEの吸気ポートに向かって、前進及び後退自在なユニットである。シールヘッドユニット10は、上記吸気ポートを含む各ポートに接続自在なシールヘッド部11を有している。シールヘッドユニット10は、複数のシールヘッド部11(11a~11d)を備える。複数のシールヘッド部11は、X軸方向(水平方向)に並設されていてもよいし、Z軸方向(鉛直方向)に並設されていてもよい。図1において、吸気用試験装置4は、並設されたシールヘッド部11a、11b、11c及び11dの4個のシールヘッド部11を備えているが、これに限定されない。シールヘッド部11の個数は、試験対象となるエンジンEの吸気ポートの数によって適宜設定することができる。
[0025]
 シールヘッドユニット10を構成するシールヘッド部11a、11b、11c及び11dは、X軸方向(水平方向)に並設されている。シールヘッド部11a、11b、11c及び11dの構造は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。さらに、シールヘッド部11は、試験対象となるエンジンEの吸気ポートと確実に接続されるように、かつ、吸気ポートの圧力変動を正確に測定することができるようにするために、シールヘッド部11の開口周縁にゴム等のシール部材を設けてもよい。
[0026]
 シールヘッド部11は、配管12、圧力センサ14、バルブ15を含む吸気用圧力測定ユニットを備えている。すなわち、吸気用圧力測定ユニットは、各シールヘッド部11a、11b、11c及び11dにそれぞれ設けられている。シールヘッド部11a、11b、11c及び11dは、それぞれ配管12a、12b、12c及び12d(図1中では12aのみを図示)と連通している。各配管12の周壁には、試験対象となるエンジンEの吸気ポート側から順に、圧力センサ14、バルブ15が設けられている。配管12a、12b、12c及び12dは、それぞれ、圧力センサ14a、14b、14c及び14d、バルブ15a、15b、15c及び15dに対応している。圧力センサ14aは、配管12aの周壁に形成された取り付け部142aに設けられていてもよい。同様に、圧力センサ14b、14c及び14dは、配管12b、12c及び12dの周壁に形成された取り付け部142b~142dに設けられている。
[0027]
 取り付け部142aは、シールヘッド部11aとバルブ15aとの間に位置して設けられている。取り付け部142aは、圧力センサ14aがネジ等で締結されるボス部に配管12aの内部空間と連通する貫通孔を形成したものである。圧力センサ14aは、エンジンEの吸気ポート内の圧力変動を測定するためのセンサであり、配管12aの内部空間の圧力を測定する。配管12aの内部空間の圧力は、圧力センサ14aの検知部によって測定される。
[0028]
 バルブ15a~15dは、操作部を有している。バルブ15a~15dの当該操作部を回転やスライド移動等により駆動させることによって、配管12a~dの断面開口が開放又は閉塞される。バルブ15a~15dが開放されたときには、試験対象となるエンジンEの吸気ポートは開放系となり、当該吸気ポートは外気と連通される。バルブ15a~15dが閉塞されたときには、試験対象となるエンジンEの吸気ポートは閉塞系となり、当該吸気ポートは外気から隔絶される。エンジン試験装置1によるエンジンEの吸気ポート内の圧力変動を測定する場合には、バルブ15a~15dを閉塞させ、かつ、排気用試験装置5のバルブ(図示せず)を開放させ、駆動ユニット3を駆動させることによりエンジンEを疑似的な駆動状態とする。そして、圧力センサ14a~14dによって、エンジンEの吸気ポートの圧力変動が測定される。
[0029]
(ピッチ可変ユニット)
 本実施形態のエンジン試験装置1が備えている吸気用試験装置4は、シールヘッドユニット10を構成している各シールヘッド部11の離間ピッチを変えることができるピッチ可変ユニット20を備えている。ここで、各シールヘッド部11の離間ピッチとは、Y軸方向に向けて並設されたシールヘッド部11のX軸方向(水平方向)における間隔であり、例えば、シールヘッド部11a~11dにおけるそれぞれの間隔をいう。図2は、ピッチ可変ユニット20の構成を示した斜視図である。図3は、ピッチ可変ユニット20の構成を示した上面図である。
[0030]
(第一の移動機構)
 図2及び図3に示されるように、ピッチ可変ユニット20は、シールヘッドユニット10を構成する各シールヘッド部11に対応している。例えば、ピッチ可変ユニット20は、4個のシールヘッド部11に対応しており、フレーム体42上に、二組の第一の移動機構21がX軸方向に向けて、かつ、向かい合わせに設けられる。また、フレーム体42上には、二組の第一の移動機構21を挟んで、X軸方向に延設される一組のガイドレール26、26が設けられる。各ガイドレール26上には、レール上を摺動するレール係合部材27が少なくとも4つ設けられる。それぞれの第一の移動機21(21a~21d)は、試験対象となるエンジンEの吸気ポート側に位置しており、駆動部23(23a~23d)と、駆動部23にカップリング22(22a~22d)を介して接続されるねじ軸211(211a~211d)と、ねじ軸211に係合されるボールナット24(24a~24d)と、ねじ軸211の先端を回転自在に枢支するベアリングと、を備えている。各駆動部23は、後述する底板部46a上に設けられた支持ユニット28(28a~28d)に固定されている。
[0031]
 ピッチ可変ユニット20を構成する第一の移動機構21には、制御ユニット30が接続される。この制御ユニット30が、第一の移動機構21の各駆動部23をそれぞれ独立して駆動させる。各駆動部23を駆動させることによって、ねじ軸211が回転され、ボールナット24がX軸方向に移動される。各ボールナット24の上面には、Y軸方向に延びるスライダ201(201a~201d)が設けられる。各スライダ201の下面に、両ガイドレール26における対応するレール係合部材27がそれぞれ接続される。そして、このスライダ201上に、後述する第二の移動機構31における各駆動部311(311a~311d)が載置される。各駆動部23を駆動させることによって、フレーム体42に対して、ボールナット24、ひいてはスライダ201がそれぞれX軸方向に個別にスライド移動される。
[0032]
 このように、本実施形態のエンジン試験装置1は、ピッチ可変ユニット20を備えているので、試験対象となるエンジンEの吸気ポート及び/又は排気ポートの離間ピッチに対応させて、各シールヘッド部11の離間ピッチを合わせることができる。そして、各シールヘッド部11の離間ピッチは、ピッチ可変ユニット20における各駆動部23を個別に制御することにより、全て同じ長さにもできるし、全て異なる長さにもできる。
[0033]
 本実施形態のエンジン試験装置1は、ピッチ可変ユニット20の第一の移動機構21a、21b、21c及び21dによって、それぞれのシールヘッド部11a、11b、11c及び11dをX軸方向において位置決めすることができる。シールヘッド部11a、11b、11c及び11dが位置決めされることにより、並設するシールヘッド部11の離間ピッチを、試験対象となるエンジンEのポートピッチに合わせて調整することができる。
[0034]
<実施形態2>
 本実施形態のエンジン試験装置1における吸気用試験装置4は、図1に示すように、シールヘッドユニット10における各シールヘッド部11の前進及び後退を制御する第二の移動機構(ヘッド進退ユニット)31を備えている。
[0035]
(制御ユニット30)
 吸気用試験装置4において、制御ユニット30は、スライドユニット60におけるサーボモータ61に接続され、シールヘッドユニット10を試験対象となるエンジンEに対して前進移動または後退移動させる。また、制御ユニット30は、シールヘッドユニット10におけるピッチ可変ユニット20の各駆動部23に接続され、各シールヘッド部11の離間ピッチを制御する。さらに、制御ユニット30は、第二の移動機構31における後述する各駆動部310に接続され、各シールヘッド部11の前進移動または後退移動を制御する。
[0036]
 図4及び図5に示されるように、ピッチ可変ユニット20における各ボールナット24の上面に各スライダ201(201a~201d)が載置されており、各スライダ201上に各駆動部310(310a~310d)が載置される。各スライダ201は、平板部2011と、平板部2011におけるエンジンEの反対側(図4中では左側)の端部に設けられる突起部2012とを備える。この突起部2012に、各駆動部310における本体部3101が固定される。各駆動部310は、シールヘッドユニット10を構成する各シールヘッド部11に対応する第二の移動機構31を構成する。
[0037]
 第二の移動機構31における各駆動部310は、本体部3101と、本体部3101に対して前進移動または後退移動自在に設けられるシリンダロッド311(311a~311d)とを備える。駆動部310a~310dは交互に段違いに配置されており、Z軸方向(鉛直方向)において、駆動部310aと駆動部310cとが同じ高さの上段に位置しており、また、駆動部310bと駆動部310dとが同じ高さの下段に位置している。図5に示したように、各駆動部310を交互に、段違いに設けることで、各駆動部310の配置ピッチX1は、同じ段で隣接させて配置させる場合に比べて小さくすることができる。言い換えると、各駆動部310を近接させて配置させることができるため、X軸方向における第二の移動機構31の幅をコンパクトにすることができる。
各シリンダロッド311の先端には、スライダ301(301a~301d)が接続されている。各スライダ301は、各スライダ201と同様にL字形に屈曲されたものであり、平板部と突起部とを備える。それぞれの平板部の上に、各シールヘッド部11が載置される。また、各スライダ201の上面に、Y軸方向に延設される少なくとも1つのガイドレール3026が設けられる。一方、各スライダ301の下面に、各ガイドレール3026上を摺動するレール係合部材3027が少なくとも2つ設けられる。
 これらの構成により、各シリンダロッド311を前進移動または後退移動させることで、各ガイドレール3026に沿って各スライダ301が前進または後退される。その結果、シールヘッドユニット10を構成する各シールヘッド部11を個別に前進移動または後退移動させることができる。したがって、試験対象となるエンジンEの気筒数が、3、4、5、…と変わっても、気筒数に応じて駆動させる駆動部310を調整することで、マルチ気筒のエンジンEに対応することができる。なお、本実施の形態においては、各駆動部310を個別に駆動させる場合を例に挙げて説明を行ったが、これに限定するものではない。例えば、単一のエンジンEを対象とする場合、気筒数は一定であるので、駆動部310ごとにアクチュエータを設ける必要はなく、全てのスライダ301を同時に駆動させるアクチュエータを一つだけ設けるようにしてもよい。
[0038]
<実施形態3>
 本実施形態のエンジン試験装置1における吸気用試験装置4は、図6に示すように、シールヘッドユニット10をチルト自在に支持する少なくとも一つのチルトユニット40を備えている。言い換えると、チルトユニット40は、シールヘッドユニット10、前述したピッチ可変ユニット20および第二の移動機構(ヘッド進退ユニット)31をチルト移動させる。チルトユニット40は、シールヘッドユニット10、ピッチ可変ユニット20および第二の移動機構31を揺動自在に支持するフレーム体42と、後述する可動部材をチルト駆動させるチルトアクチュエータ41とを有する。このチルトアクチュエータ41に、前述した制御ユニット30が接続される。
[0039]
(チルトユニット40)
 図6に示されるように、チルトユニット40を構成するフレーム体42は、逆U字形の固定部材45、固定部材45に設けられ、開口44cを備えた一対のブラケット44a、44b、一対のブラケット44a、44bに対して揺動自在に取り付けられる可動部材46(底板部46a、左側柱部46b、右側柱部46c)を基本構造とする。この底板部46aの上面に、ピッチ可変ユニット20および第二の移動機構(ヘッド進退ユニット)31が設けられる。チルトアクチュエータ41は、ブラケット44a(又は44b)に固定される。固定部材45およびブラケット44a、44bが固定系、可動部材46が可動系となる。
[0040]
 左側柱部46b及び右側柱部46cは、それぞれ外方に向かって延びる軸部材49d、軸部材49eを有する。軸部材49d及び軸部材49eは、それぞれブラケット44a、44bの開口44cに挿通されている。一対のブラケット44a、44bの外側にリング部材47、47(ブラケット44a側のリング部材は不図示)が設けられ、各リング部材47は、その中央部に孔472を有しており、その孔内にベアリング474が設けられる。これらのベアリング474により、軸部材49d、49e、すなわち回動部材46が回動自在に軸支される。軸部材49d(又は49e)には、減速機43を介してチルトアクチュエータ41が接続されている。
[0041]
 チルトアクチュエータ41を駆動させることで軸部材49dが回転され、軸部材49d、49eを回転軸として可動部材46が所定範囲の角度において上下に揺動する。これによって、チルトユニット40がチルト駆動される。
[0042]
 チルトユニット40が揺動することができる角度は、チルト駆動時に、可動部材46、ピッチ可変ユニット20および第二の移動機構31と固定部材45とが干渉しない範囲であれば特に限定するものではない。例えば、図7に示されるように、チルトユニット40の底板部46aが水平状態にある位置を基準(0°)として(図7(B))、Z軸方向上向きに+30°(図7(A))、Z軸方向下向きに-30°とされる(図7(C))。
[0043]
 図8に示されるようにエンジンEの吸気ポート・排気ポートの開口の向き(傾斜角度)は、エンジンEの仕様によって、すべて異なっている。図8(A)に示す上段のエンジンEは、エンジンEの下部に、下向きの吸気ポート・排気ポートの開口部80を有する。このエンジンEの場合、チルトユニット40はZ軸方向上向きにチルト駆動される。また、図8(B)に示す中段のエンジンEは、エンジンEの側面に、横向きの吸気ポート・排気ポートの開口部80を有する。このエンジンEの場合、チルトユニット40はチルト駆動させることなく、水平姿勢のままとされる。さらに、図8(C)に示す下段のエンジンEは、エンジンEの上部に、上向きの吸気ポート又は排気ポートの開口部80を有する。このエンジンEの場合、チルトユニット40はZ軸方向下向きにチルト駆動される。このように、エンジン試験装置の試験対象となるエンジンEは、様々な機種のものがあり、様々な吸気ポート・排気ポートの位置、向き(傾斜角度)を有している。さらに、エンジンEの吸気ポート・排気ポートのエンジンの内部に延設している長さも異なる場合がある。
[0044]
 本実施形態のエンジン試験装置1は、チルトユニット40を駆動させて可動部材46をチルトさせることで、シールヘッドユニット10を揺動させることができる。可動部材46を構成する底板部46aにシールヘッドユニット10が搭載されているので、底板部46aのチルト角度を制御することで、シールヘッドユニット10のシールヘッド部11の傾斜角度を任意の角度に制御することができ、試験対象となるエンジンEの仕様に追従させることができる。
[0045]
<実施形態4>
 本実施形態のエンジン試験装置1は、チルトユニット40をZ軸方向(上下方向)に昇降させる昇降ユニット50を備えている。チルトユニット40には、シールヘッドユニット10ピッチ可変ユニット20および第二の移動機構31が搭載されているので、昇降ユニット50をZ軸方向(上下方向)に昇降させることによって、これらのユニットがZ軸方向(上下方向)に昇降される。
[0046]
 図9、図11に示されるように、昇降ユニット50は、基体上面部51、L字型を有する基体側面部52L、52R、基体側面部52L、52Rの脚部に固定された基体底面部53、およびサーボモータ55を備える。サーボモータ55は、基体側面部52L(又は52R)に固定される。
[0047]
 図10に示されるように、サーボモータ55に、カップリング58を介してねじ軸56が接続される。Z軸方向に延設されるねじ軸56には、ボールナット57が係合される。ボールナット57には、連結部材570が接続されている。この連結部材570がチルトユニット40における固定部材45の裏面に固定される。サーボモータ55を回転させることで、ねじ軸56が回転され、ボールナット57がZ軸方向(上下方向)に昇降される。その結果、ボールナット57と共に連結部材570が昇降され、チルトユニット40(固定部材45)も連動してZ軸方向(上下方向)に昇降される。
[0048]
 基体側面部52L及び基体側面図52Rにおける前面(エンジン側の面)には、それぞれZ軸方向(上下方向)に延びるガイドレール59(59L、59R)が設置されている。各ガイドレール59には、レール係合部材591がそれぞれ2つ係合される。図12に示すように、各レール係合部材は、固定部材45の裏面に固定される。サーボモータ55の回転に伴って連結部材570、ひいては固定部材45bが昇降される際、各ガイドレール59と各レール係合部材591により昇降がガイドされる。
[0049]
 本実施形態のエンジン試験装置1は、昇降ユニット50により、エンジンEに対するシールヘッドユニット10の上下方向高さを自在に制御することができる。昇降ユニット50は、試験対象となるエンジンEの吸気ポート・排気ポートの高さに合わせて、シールヘッドユニット10の高さ位置を制御することができる。
[0050]
 以上に述べたように、本発明のエンジン試験装置は、ピッチ可変ユニット20を備えているので、試験対象となるエンジンEの仕様に合わせて、並設する各シールヘッド部11の離間ピッチを制御することができる。また、本発明のエンジン試験装置は、第二の移動機構31を備えているので、各シールヘッド部11を個別に前進または後退させることができる。さらに、本発明のエンジン試験装置は、チルトユニット40を備えているので、試験対象となるエンジンEの吸気ポート・排気ポートの開口部の傾斜角度、吸気ポート・排気ポートの開口部の位置に合わせて、シールヘッドユニット10のチルト角度を制御することができる。また、本発明のエンジン試験装置は、昇降ユニット50を備えているので、試験対象となるエンジンEの吸気ポート・排気ポートの開口部の位置に合わせて、シールヘッドユニット10の高さを制御することができる。
[0051]
 本発明のエンジン試験装置は、多機種のエンジンに対応可能である。本発明において、試験対象となるエンジンは、気筒数、気筒配置等に特に限定されない。試験対象となるエンジンは、3気筒エンジン、4気筒エンジン、6気筒エンジン、8気筒エンジン等、またガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の多機種のエンジンである。また、試験対象となるエンジンの吸気ポート・排気ポートの開口位置、吸気ポート・排気ポート間のピッチ、吸気ポート・排気ポート開口の向き(傾斜角度)等の設計上の仕様も特に限定されない。
[0052]
 以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は、全て本発明の適用範囲である。

産業上の利用可能性

[0053]
 以上述べたように、本発明のエンジン試験装置は、多機種のエンジンに対応することができ、特にエンジンの自動組み付けライン等において、試験対象となるエンジンの吸気ポート・排気ポート間の離間ピッチ等に制限されることなく、エンジンモータリング試験を行うことができるエンジン試験装置としての利用が期待できる。本発明のエンジン試験装置は、特に自動車関連産業において利用することができ、造船業、農業、建設業等の様々な産業にも利用することができる。

符号の説明

[0054]
1     エンジン試験装置
2     搬送装置
3     駆動ユニット
4     吸気用試験装置
5     排気用試験装置
10    シールヘッドユニット
11a~d シールヘッド部
20     ピッチ可変ユニット
21a~d  第一の移動機構
211a~d ねじ軸
23a~d  駆動部
24a~d  ボールナット
30     制御ユニット
31a~d  第二の移動機構
310a~d 駆動部
40     チルトユニット
41     チルトアクチュエータ
42     フレーム体
44     ブラケット
45     固定部材
46     可動部材
47     リング部材
50     昇降ユニット
51     基体上面部
52L、R  基体側面部
55     サーボモータ
58     カップリング
59L、R  ガイドレール

請求の範囲

[請求項1]
 吸気ポート及び排気ポートを含む複数のポートを備えたエンジンを、疑似的な駆動状態で試験することができるエンジン試験装置であって、
 前記エンジンの前記吸気ポート及び前記排気ポートに向かって前進及び後退自在で、前記吸気ポート及び前記排気ポートの各ポートに接続自在な複数のシールヘッド部が並設された、複数のシールヘッドユニットと、
 前記シールヘッドユニットの、それぞれの前記シールヘッド部の離間ピッチを変える少なくとも一つのピッチ可変ユニットと、を備え、
 少なくとも一つの前記ピッチ可変ユニットは、それぞれの前記シールヘッド部に接続され、シールヘッド部が並設される方向に移動自在な複数の第一の移動機構と、
 それぞれの前記第一の移動機構を駆動させる複数の駆動部と、を有していることを特徴とするエンジン試験装置。
[請求項2]
 複数の前記シールヘッドユニットの前進及び後退、及び少なくとも一つの前記ピッチ可変ユニットにおけるそれぞれの前記駆動部の駆動を制御する制御ユニットを、更に備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジン試験装置。
[請求項3]
 前記シールヘッドユニットをチルト自在に支持する少なくとも一つのチルトユニットを、更に備え、
 前記チルトユニットは、
 前記シールヘッドユニットを揺動自在に支持するフレーム体と、
 前記フレーム体に設けられ、当該フレーム体に対して前記シールヘッドユニットをチルト駆動させるチルトアクチュエータと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン試験装置。
[請求項4]
 前記シールヘッドユニットにおける各シールヘッド部に設けられ、それぞれのシールヘッド部を前進又は後退自在に支持する第二の移動機構を、更に備えることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載のエンジン試験装置。
[請求項5]
 前記第一の移動機構は、
 それぞれの前記シールヘッド部に接続されるボールナットと、
 それぞれの前記ボールナットに係合されるねじ軸と、を有し、
 前記ねじ軸と前記駆動部とが接続され、当該駆動部がねじ軸を回転駆動することを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載のエンジン試験装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]