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1. (WO2018179339) 除細動カテーテルシステム
Document

明 細 書

発明の名称 除細動カテーテルシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 除細動カテーテルシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、心腔内に挿入されて除細動を行う除細動カテーテルと、この除細動カテーテルに対して除細動の際の電力供給を行う電源装置とを備えた除細動カテーテルシステムに関する。

背景技術

[0002]
 例えば心臓カテーテル術中に生じた心房細動を除去する(電気的な除細動を行う)ための医療機器の1つとして、除細動カテーテルシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。この除細動カテーテルシステムは、心腔内に挿入されて除細動を行う除細動カテーテルと、この除細動カテーテルに対して除細動の際の電力供給を行う電源装置とを備えている。このような除細動カテーテルシステムを用いることで、心房細動を起こした心臓に対し、心腔内で直接的に電気的刺激(例えば直流電圧からなる電気的エネルギー)が付与される結果、効果的な除細動治療が実現されるようになっている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2010-220778号公報

発明の概要

[0004]
 ところで、このような除細動カテーテルシステムでは一般に、例えば、使用する際の利便性を向上することが求められている。したがって、利便性を向上させることが可能な除細動カテーテルシステムを提供することが望ましい。
[0005]
 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムは、心腔内に挿入されて除細動を行う除細動カテーテルと、この除細動カテーテルに対して除細動の際の電力供給を行う電源装置とを備えたものである。この電源装置は、除細動の際の電力供給を行う電源部と、心電計から出力される第1の心電位信号を入力するための第1の入力端子と、生体測定機構において測定された第2の心電位信号が心電計を介さずに直接入力される第2の入力端子とを有している。また、この電源装置では、上記第2の入力端子から上記第2の心電位信号が取得される第1の心電位測定モードと、上記第1の入力端子から上記第1の心電位信号が取得される第2の心電位測定モードと、上記除細動が行われる除細動モードとが、切り替え可能になっていると共に、上記第1または第2の心電位信号が、選択的に入力可能となっている。
[0006]
 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムでは、除細動カテーテルに対して除細動の際の電力供給を行う電源装置に、生体測定機構において測定された第2の心電位信号が心電計を介さずに直接入力される、第2の入力端子が設けられている。このようにして、第2の心電位信号が心電計を介さずに電源装置へ直接入力されることから、例えば心電計の装置構成等の影響を受けにくくなり、除細動カテーテルシステムを使用する際の環境条件に対応し易くなる。また、上記電源装置では、上記第1の心電位測定モードと上記第2の心電位測定モードと上記除細動モードとが、切り替え可能になっていると共に、上記第1または第2の心電位信号が選択的に入力可能となっている。このため、例えば用途や状況等に応じて、上記した複数種類のモードのうちの1つが択一的に利用可能になると共に、上記した2種類の心電位信号のうちの一方が択一的に利用可能となる。
[0007]
 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムでは、入力された第1または第2の心電位信号における波高値のゲイン調整を行う演算処理部を、上記電源装置に更に設けるようにしてもよい。このようにした場合、これらの第1または第2の心電位信号の波高値を、電源装置内で利用し易いように任意に調整できるようになる。
[0008]
 この場合において、上記ゲイン調整が行われた後の第1または第2の心電位信号に基づいて心電位波形を表示する表示部を、上記電源装置に更に設けるようにしてもよい。このようにした場合、例えば、この表示部において心電位波形を監視する際に、見易いようにゲイン調整がなされた後の第1または第2の心電位信号が利用されることから、利便性の更なる向上が図られる。
[0009]
 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムでは、上記生体測定機構において測定された筋電位信号が、心電計を介さずに、上記第2の入力端子に更に直接入力可能となっていてもよい。このようにした場合、生体測定機構において得られた第2の心電位信号に加え、この生体測定機構において得られた筋電位信号についても、電源装置内で利用できるようになる。その結果、利便性の更なる向上が図られる。なお、このような筋電位信号としては、例えば、患者の横隔膜付近の部位において得られた複合筋活動電位(CMAP:Compound Motor Action Potentials)を示す信号が挙げられる。
[0010]
 この場合において、上記第2の入力端子が、上記第2の心電位信号または上記筋電位信号を選択的に入力可能となっていてもよい。このようにした場合、例えば用途や状況等に応じて、これら2種類の生体信号(第2の心電位信号または筋電位信号)のうちの一方を、択一的に利用可能となる。したがって、利便性の更なる向上が図られる。
[0011]
 また、上記第2の入力端子に対して筋電位信号が入力されている期間では、上記電源部が、除細動のための電力供給を停止するようにしてもよい。このようにした場合、例えば、筋電位信号の測定処理を行っていて、除細動は必要とされていないような場合に、除細動のための電力供給が(誤操作等により)誤って実行されてしまうことが、防止される。その結果、利便性の更なる向上が図られる。
[0012]
 更に、入力された筋電位信号に基づいて筋電位波形を表示する表示部を、上記電源装置に更に設けるようにしてもよい。このようにした場合、上記生体測定機構において測定された筋電位信号を、電源装置内の表示部において、随時監視できるようになる。したがって、利便性の更なる向上が図られる。
[0013]
 加えて、入力された筋電位信号における波高値が閾値以下であると判定された場合、上記電源装置が外部への警告を行うようにしてもよい。このようにした場合、例えば、筋電位信号の過度の減衰状態が即座に把握できるようになるため、迅速な対応をとることが可能となる。その結果、利便性の更なる向上が可能となる。
[0014]
 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムでは、上記第1の心電位信号が、例えば、上記生体測定機構を用いて測定されたものである場合、以下のようにしてもよい。すなわち、この生体測定機構において得られた上記第1の心電位信号が、上記心電計を経由して、上記第1の入力端子に入力されるようにしてもよい。このようにした場合、上記生体測定機構において得られた上記第1の心電位信号を、上記心電計および上記電源装置内で利用することができるようになる。したがって、利便性の更なる向上が図られる。
[0015]
 なお、上記生体測定機構としては、例えば、少なくとも2つ(複数)の電極パッド、あるいは、上記除細動カテーテルとは異なる別の電極カテーテル(患者の心腔内に挿入されたもの)を用いる手法が挙げられる。
[0016]
 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムによれば、生体測定機構において測定された第2の心電位信号が心電計を介さずに直接入力される第2の入力端子を、電源装置に設けるようにしたので、除細動カテーテルシステムを使用する際の環境条件に対応し易くすることができる。また、電源装置において、第1の心電位測定モードと第2の心電位測定モードと除細動モードとが切り替え可能になっていると共に、第1または第2の心電位信号を選択的に入力可能としたので、例えば用途や状況等に応じて、複数種類のモードのうちの1つや、2種類の心電位信号のうちの一方を、択一的に利用することができる。よって、利便性を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステムの全体構成例を模式的に表すブロック図である。
[図2] 図1に示した除細動カテーテルの概略構成例を表す模式図である。
[図3] 図2に示したII-II線に沿ったシャフトの断面構成例を表す模式図である。
[図4] 図1に示した除細動カテーテルシステムにおける除細動処理の一例を表す流れ図である。
[図5] 図4に示した心電位測定の際の動作状態例を模式的に表すブロック図である。
[図6] 図4に示した抵抗測定の際の動作状態例を模式的に表すブロック図である。
[図7] 図4に示した除細動実行の際の動作状態例を模式的に表すブロック図である。
[図8] 図7に示した除細動実行の際に測定される心電位波形の一例を表す模式図である。
[図9] 比較例に係る除細動カテーテルシステムの構成および動作状態例を模式的に表すブロック図である。
[図10] 図1に示した除細動カテーテルシステムにおける筋電位測定の際の動作状態例を模式的に表すブロック図である。
[図11] 図10に示した筋電位測定の際の電極パッドの配置例を表す模式図である。
[図12] 図10に示した筋電位測定により得られる筋電位波形の一例を表す模式図である。
[図13] 図1に示した除細動カテーテルシステムにおける心電位測定の際の他の動作状態例を模式的に表すブロック図である。
[図14] 図13に示した場合における除細動実行の際の動作状態例を模式的に表すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
  構成(除細動カテーテル,電源装置,心電計,心電位表示装置,生体測定機構)
  動作および作用・効果(基本動作,除細動処理の詳細,比較例,筋電位測定処理等)
2.変形例
[0019]
<実施の形態>
[構成]
 図1は、本発明の一実施の形態に係る除細動カテーテルシステム(除細動カテーテルシステム3)の全体構成例を、模式的にブロック図で表したものである。この除細動カテーテルシステム3は、例えば心臓カテーテル術中において患者(この例では患者9)に生じた心房細動を除去する(電気的な除細動を行う)際などに用いられるシステムである。
[0020]
 除細動カテーテルシステム3は、図1に示したように、除細動カテーテル1および電源装置2を備えている。また、この除細動カテーテルシステム3を用いた除細動等の際には、例えば図1に示したように、心電計4、心電図表示装置5(波形表示装置)および生体測定機構6についても、適宜、用いられるようになっている。
[0021]
(A.除細動カテーテル1)
 除細動カテーテル1は、血管を通して患者9の体内(心腔内)に挿入されて、電気的な除細動を行うための電極カテーテルである。図2は、この除細動カテーテル1の概略構成例を、模式的に表したものである。この除細動カテーテル1は、カテーテル本体としてのシャフト11(カテーテルシャフト)と、このシャフト11の基端に装着されたハンドル12とを有している。
[0022]
(シャフト11)
 シャフト11は、可撓性を有する絶縁性の管状構造(管状部材,チューブ部材)からなり、自身の軸方向(Z軸方向)に沿って延伸する形状となっている。また、シャフト11は、自身の軸方向に沿って延在するように内部に複数のルーメン(細孔,貫通孔)が形成された、いわゆるマルチルーメン構造を有している。各ルーメンには、詳細は後述するが、各種の細線(導線や操作用ワイヤ等)がそれぞれ、互いに電気的に絶縁された状態で挿通されている。なお、このシャフト11の外径は、例えば1.2mm~3.3mm程度である。
[0023]
 このようなシャフト11の先端領域P1には、例えば図2に示したように、複数の電極(先端電極110およびリング状電極111,112,113)が設けられている。具体的には、シャフト11の軸方向に沿って、1つの先端電極110および複数のリング状電極111,112,113がそれぞれ、シャフト11の先端側から基端側へ向けて、この順で所定の間隔をおいて配置されている。リング状電極111,112,113はそれぞれ、シャフト11の外周面上に固定配置される一方、先端電極110は、シャフト11の最先端に固定配置されている。また、図2に示したように、互いに間隔をおいて配置された複数のリング状電極111によって、電極群111Gが構成されている。同様に、互いに間隔をおいて配置された複数のリング状電極112によって、電極群112Gが構成され、互いに間隔をおいて配置された複数のリング状電極113によって、電極群113Gが構成されている。
[0024]
 なお、ここで言う「電極群」とは、同一の極を構成し(同一の極性を有し)、または、同一の目的を持って、狭い間隔(例えば5mm以下)で装着された複数の電極の集合体を意味しており、以下同様である。また、電極群111G(基端側のリング状電極111)と、電極群112G(先端側のリング状電極112)との離間距離は、例えば40~100mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、66mmである。
[0025]
 リング状電極111,112,113はそれぞれ、詳細は後述するが、シャフト11のルーメン内に挿通された複数の導線(リード線)を介して、ハンドル12と電気的に接続されている。一方、この例では先端電極110には、導線が接続されていないようになっている。ただし、この先端電極110にも導線が接続されているようにしてもよい。
[0026]
 このような先端電極110およびリング状電極111,112,113はそれぞれ、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)、金(Au)、白金(Pt)等の、電気伝導性の良好な金属材料、あるいは、各種の樹脂材料により構成されている。なお、除細動カテーテル1の使用時におけるX線に対する造影性を良好にするためには、これらの先端電極110およびリング状電極111,112,113がそれぞれ、白金またはその合金により構成されていることが好ましい。
[0027]
 ここで、上記した電極群111Gは、同一の極(-極または+極)を構成することになる、複数のリング状電極111からなる。この電極群111Gを構成するリング状電極111の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4~13個であり、好ましくは8~10個である。また、リング状電極111の幅(軸方向の長さ)は、例えば2~5mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、4mmである。リング状電極111の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、例えば1~5mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、2mmである。なお、除細動カテーテル1の使用時(心腔内に配置されるとき)において、この電極群111Gは、例えば冠状静脈内に位置するようになっている。
[0028]
 電極群112Gは、上記した電極群111Gとは逆の極(+極または-極)を構成することになる、複数のリング状電極112からなる。この電極群112Gを構成するリング状電極112の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4~13個であり、好ましくは8~10個である。また、リング状電極112の幅(軸方向の長さ)は、例えば2~5mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、4mmである。リング状電極112の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、例えば1~5mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、2mmである。なお、除細動カテーテル1の使用時(心腔内に配置されるとき)において、この電極群112Gは、例えば右心房に位置するようになっている。
[0029]
 電極群113Gは、この例では、4個のリング状電極113から構成されている。このリング状電極113の幅(軸方向の長さ)は、例えば0.5~2.0mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、1.2mmである。リング状電極113の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、例えば1.0~10.0mm程度であることが好ましく、好適な一例を示せば、5mmである。なお、除細動カテーテル1の使用時(心腔内に配置されるとき)において、この電極群113Gは、例えば、異常電位が発生しやすい上大静脈に位置するようになっている。
[0030]
 図3は、図2中のII-II線に沿ったシャフト11の断面構成例(X-Y断面構成例)を、模式的に表したものである。この例では図3に示したように、シャフト11は、アウター部70(シェル部)、素線71、インナー部72(コア部)および樹脂層73を有するマルチルーメン構造となっている。具体的には、このシャフト11には、互いに分離した4つのルーメンL1~L4が形成されている。
[0031]
 アウター部70は、図3に示したように、シャフト11の最外周に位置するチューブ状の部材である。このアウター部70は、例えば、高硬度のナイロンエラストマーにより構成されている。このアウター部70を構成するナイロンエラストマーとしては、例えば、軸方向(Z軸方向)に沿って異なる硬度のものが用いられている。これによりシャフト11は、その先端側から基端側に向けて、段階的に硬度が高くなるように構成されている。
[0032]
 素線71は、図3に示したように、アウター部70とインナー部72との層間に配置されており、編組ブレードを形成するようになっている。また、この編組ブレードは、例えば、シャフト11における軸方向に沿った一部の領域にのみ形成されている。このような素線71は、例えばステンレスにより構成されており、ステンレス素線となっている。
[0033]
 インナー部72は、図3に示したように、アウター部70および素線71の内周側に位置する、コア部材である。このインナー部72は、例えば、低硬度のナイロンエラストマーにより構成されている。なお、このインナー部72内に、上記した4つのルーメンL1~L4がそれぞれ形成されるようになっている。
[0034]
 樹脂層73は、図3に示したように、4つのルーメンL1~L4を区画する層であり、例えばフッ素樹脂により構成されている。このフッ素樹脂としては、例えば、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の、絶縁性の高い材料が挙げられる。
[0035]
 ルーメンL1(第1ルーメン)は、この例では図3に示したように、シャフト11内におけるX軸の正方向側に配置されている。このルーメンL1には、複数の導線81からなる導線群81Gが挿通されている。これらの導線81はそれぞれ、前述した電極群111Gにおける複数のリング状電極111に対して、個別に電気的接続されている。なお、このようにしてリング状電極111に電気的接続された導線81は、後述する心電位信号Sc0aの信号線を構成している(図2参照)。
[0036]
 ルーメンL2(第2ルーメン)は、この例では図3に示したように、シャフト11内におけるX軸の負方向側に配置されている。このルーメンL2には、複数の導線82からなる導線群82Gが挿通されている。これらの導線82はそれぞれ、前述した電極群112Gにおける複数のリング状電極112に対して、個別に電気的接続されている。なお、このようにしてリング状電極112に電気的接続された導線82もまた、後述する心電位信号Sc0aの信号線を構成している(図2参照)。
[0037]
 ルーメンL3(第3ルーメン)は、この例では図3に示したように、シャフト11内におけるY軸の負方向側に配置されている。このルーメンL3には、複数の導線83からなる導線群83Gが挿通されている。これらの導線83はそれぞれ、前述した電極群113Gにおける複数のリング状電極113に対して、個別に電気的接続されている。なお、このようにしてリング状電極113に電気的接続された導線83は、後述する心電位信号Sc0bの信号線を構成している(図2参照)。
[0038]
 ルーメンL4(第4ルーメン)は、この例では図3に示したように、シャフト11内におけるY軸の正方向側に配置されている。このルーメンL4には、この例では1本の操作用ワイヤ80が挿通されている。つまり、操作用ワイヤ80は、シャフト11の中心軸に対して偏心した状態で配置されている。この操作用ワイヤ80は、詳細は後述するが、シャフト11の先端付近を偏向させる(湾曲させる)際の操作である、偏向移動操作(首振り操作)を行うための部材である。このような操作用ワイヤ80の先端部分は、例えばハンダによって、先端電極110に固定されている。なお、操作用ワイヤ80の先端に、抜け止め用の大径部(抜け止め部)が形成されていてもよい。一方、操作用ワイヤ80の基端部分は、後述するハンドル12内(回転板122)に接続されるようになっている。
[0039]
 なお、上記した導線81,82,83はそれぞれ、例えば、ポリイミドなどの樹脂によって金属導線の外周面が被覆された、樹脂被覆線により構成されている。また、操作用ワイヤ80は、例えば、ステンレスやNi(ニッケル)-Ti(チタン)系超弾性合金により構成されている。ただし、この操作用ワイヤ80は、必ずしも金属により構成されている必要はなく、例えば、高強度の非導電性ワイヤなどにより構成されていてもよい。
[0040]
(ハンドル12)
 ハンドル12は、シャフト11の基端に装着されており、ハンドル本体121(把持部)および回転板122を有している。
[0041]
 ハンドル本体121は、除細動カテーテル1の使用時に操作者(医師)が掴む(握る)部分である。このハンドル本体121の内部には、シャフト11の内部から前述した各種の細線(導線81,82,83および操作用ワイヤ80等)がそれぞれ、互いに電気的に絶縁された状態で延伸している。
[0042]
 回転板122は、詳細は後述するが、シャフト11の先端付近を偏向させる際の操作である、偏向移動操作を行うための部材である。具体的には、例えば図2中の破線の矢印で示した回転方向d1に沿って、回転板122を回転させる操作が可能となっている。このような回転操作によって、前述した操作用ワイヤ80が基端側に引っ張られることで、シャフト11の先端付近を偏向させる操作(偏向移動操作)が可能となっている。
[0043]
(B.電源装置2)
 電源装置2は、除細動カテーテル1に対して、除細動の際の電力供給を行う装置である。具体的には図1~図3に示したように、この電源装置2は、除細動の際に印加される直流電圧Vdcを、除細動カテーテル1のシャフト11における電極群111G,112G(リング状電極111,112)に対し、導線群81G,82G(導線81,82)を介して供給するようになっている。
[0044]
 電源装置2は、図1に示したように、入力部21、電源部22、切替部23、演算処理部24(制御部)、表示部25および音声出力部26を有している。この電源装置2はまた、図1に示したように、3つ(3種類)の入力端子Tin1,Tin2,Tin3と、2つ(2種類)の出力端子Tout1,Tout2とを有している。また、この電源装置2では、詳細は後述するが、心電位測定が行われる心電位測定モード(後述する「心電位測定モードA(図5参照)」または「心電位測定モードB(図13参照)」)と、除細動が行われる「除細動モード(図7,図14参照)」とが、切り替え可能となっている。すなわち、電源装置2では、これら複数種類(例えば3種類)のモード間での切り替えが可能となっている。なお、上記した「心電位測定モードA」は、本発明における「第1の心電位測定モード」の一具体例に対応していると共に、上記した「心電位測定モードB」は、本発明における「第2の心電位測定モード」の一具体例に対応している。また、上記した「除細動モード」(後述する「除細動モードA(図7参照)」または「除細動モードB(図14参照)」)は、本発明における「除細動モード」の一具体例に対応している。
[0045]
 入力部21は、各種の設定値や、所定の動作を指示するための入力信号Sin(操作入力信号)を入力する部分であり、例えば所定のダイヤルやスイッチ、タッチパネル等を用いて構成されている。これらの設定値や指示(入力信号Sin)は、電源装置2の操作者(例えば技師等)によって入力されるようになっている。ただし、一部の設定値等については、操作者によって入力されるのではなく、製品の出荷時等に予め電源装置2内で設定されているようにしてもよい。また、上記したスイッチとしては、詳細は後述するが、例えば、上記した複数種類のモード(「心電位測定モードA」,「心電位測定モードB」,「除細動モード(除細動モードAまたは除細動モードB)」)間での切り替えを行うためのモード切替スイッチ、除細動の際に印加する電気エネルギー(直流電圧Vdc)を設定する印加エネルギー設定スイッチ、電源部22を充電するための充電スイッチ、電気エネルギーを印加して除細動を実行するためのエネルギー印加スイッチ(放電スイッチ)等が挙げられる。なお、この入力部21において入力された入力信号Sinは、図1に示したように、演算処理部24へ供給されるようになっている。
[0046]
 電源部22は、上記した直流電圧Vdcを、除細動カテーテル1における電極群111G,112G(リング状電極111,112)へ向けて出力する部分である。このような電源部22における電力供給動作は、例えば、入力部21からの入力信号Sinに基づいて、演算処理部24によって制御されるようになっている。また、この電源部22は、所定の電源回路(例えばスイッチングレギュレータ等)、および、電気エネルギーを充電するためのコンデンサ(容量素子)等を用いて構成されている。
[0047]
 切替部23は、図1に示したように、直流電圧Vdcや、後述する抵抗値Rおよび心電位信号Sc0a,Sc1の供給経路を切り替える動作(切替動作)を行う部分である。このような切替部23における切替動作は、例えば、入力部21からの入力信号Sinに基づいて、演算処理部24によって制御されるようになっている。なお、この切替部23における切替動作の詳細については、後述する。
[0048]
 演算処理部24は、電源装置2全体を制御すると共に所定の演算処理を行う部分であり、例えばマイクロコンピュータ等を含んで構成されている。具体的には、演算処理部24は、入力部21からの入力信号Sinに基づいて、電源部22、切替部23、表示部25および音声出力部26の動作をそれぞれ制御するようになっている。なお、このような演算処理部24での動作例の詳細については、後述する。
[0049]
 また、この演算処理部24は、図1に示したように、出力回路241およびゲイン調整部242を有している。
[0050]
 出力回路241は、電源部22から出力された直流電圧Vdcを、切替部23および後述する出力端子Tout1を介して、除細動カテーテル1の電極群111G,112G(リング状電極111,112)へ出力するための回路である。具体的には、詳細は後述するが、この出力回路241は、電極群111G,112Gが互いに異なる極性となる(一方の電極群が-極のときには、他方の電極群は+極となる)ように、直流電圧Vdcを出力するようになっている。
[0051]
 ゲイン調整部242は、入力された各種信号(後述する心電位信号Sc1,Sc2および筋電位信号Sm等)における、波高値のゲイン調整(増幅処理等)を行う部分である。なお、このようなゲイン調整後の各種信号(ゲイン調整後の心電位信号Sc1’,Sc2’および筋電位信号Sm’等)はそれぞれ、図1に示したように、表示部25へと供給されるようになっている。
[0052]
 表示部25は、演算処理部24から供給された各種信号に基づいて各種情報を表示し、外部へと出力する部分(モニター)である。具体的には、表示部25は、例えば図1に示したように、上記したゲイン調整後の心電位信号Sc1’,Sc2’に基づいて、心電位波形を表示する機能を有している。また、表示部25は、入力された筋電位信号(例えば、上記したゲイン調整後の筋電位信号Sm’)に基づいて、筋電位波形を表示する機能も有している。ただし、表示対象の情報としては、これらの信号情報には限られず、他の情報も加えて表示するようにしてもよい。このような各種情報が表示部25に表示されることで、電源装置2の操作者(例えば技師等)は、例えば上記した心電位波形や筋電位波形等を監視しながら、除細動治療(入力部21への入力操作等)を行うことが可能となっている。なお、このような表示部25は、各種の方式によるディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど)を用いて構成されている。
[0053]
 音声出力部26は、図1に示したように、演算処理部24から供給された音声信号Ssに基づいて、各種の音声を外部へと出力する部分である。なお、このような音声出力部26は、例えばスピーカ等を用いて構成されている。
[0054]
 入力端子Tin1は、図1に示したように、後述する心電計4から出力される心電位信号Sc1を入力するための端子である。なお、詳細は後述するが、この心電位信号Sc1は、後述する生体測定機構6(後述する複数の電極パッド61)における測定により得られて心電計4へと供給された生体信号である。このようにして入力端子Tin1へ入力された心電位信号Sc1(例えばアナログ信号)は、演算処理部24へと供給されるようになっている。なお、この入力端子Tin1は、本発明における「第1の入力端子」の一具体例に対応すると共に、心電位信号Sc1は、本発明における「第1の心電位信号」の一具体例に対応している。
[0055]
 入力端子Tin2は、図1に示したように、後述する生体測定機構6において測定された生体信号(心電位信号Sc2または筋電位信号Sm)を入力するための端子である。具体的には、この例では図1に示したように、これらの心電位信号Sc2および筋電位信号Sm(例えばアナログ信号)はいずれも、心電計4等の他の機器を介さずに、電源装置2の入力端子Tin2へと直接入力されるようになっている。また、この入力端子Tin2には、上記した心電位信号Sc2または筋電位信号Sm(いずれか一方)が、選択的に入力されるようになっている。このようにして入力端子Tin2へ入力された心電位信号Sc2または筋電位信号Smはそれぞれ、演算処理部24へと供給されるようになっている。更に、詳細は後述するが、電源装置2では、この入力端子Tin2を介した心電位信号Sc2と、上記した入力端子Tin1を介した心電位信号Sc1とのうちのいずれか一方が、選択的に入力されるようになっている。なお、このような入力端子Tin2は、本発明における「第2の入力端子」の一具体例に対応すると共に、心電位信号Sc2は、本発明における「第2の心電位信号」の一具体例に対応している。
[0056]
 入力端子Tin3は、図1に示したように、除細動カテーテル1において測定された心電位信号Sc0a,Sc0bおよび抵抗値Rを入力するための端子である。ここで、心電位信号Sc0aは、前述した電極群111G,112G(リング状電極111,112)において測定され、前述した導線81,82を介して伝送された心電位信号である(図2,図3参照)。一方、心電位信号Sc0bは、前述した電極群113G(リング状電極113)において測定され、前述した導線83を介して伝送された心電位信号である(図2,図3参照)。また、抵抗値Rは、電極群111G,112G間の抵抗値である。このようにして入力端子Tin3へ入力された各信号のうち、心電位信号Sc0aについては、図1に示したように、切替部23および後述する出力端子Tout2をこの順に経由して、後述する心電計4へと供給されるようになっている。一方、心電位信号Sc0bについては、図1に示したように、切替部23を介さずに後述する出力端子Tout2のみを介して、心電計4へと供給されるようになっている。また、抵抗値Rについては、図1に示したように、切替部23を介して演算処理部24へと供給されるようになっている。
[0057]
 出力端子Tout1は、図1に示したように、前述した出力回路241から出力されて切替部23を経由して供給されてきた直流電圧Vdcを、除細動カテーテル1の電極群111G,112G(リング状電極111,112)へと出力するための端子である。
[0058]
 出力端子Tout2は、図1に示したように、前述した入力端子Tin3を介して除細動カテーテル1から供給されてきた心電位信号Sc0bと、入力端子Tin3および切替部23をこの順に経由して除細動カテーテル1から供給されてきた心電位信号Sc0aとを、心電計4へと出力するための端子である。
[0059]
(C.心電計4)
 心電計4は、心電位信号(この例では、心電位信号Sc0a,Sc0b,Sc1)等の情報を記録する機能を有する機器である。具体的には、この例では図1に示したように、心電計4は、電源装置2の前述した出力端子Tout2から出力された心電位信号Sc0a,Sc0bと、後述する生体測定機構6(後述する複数の電極パッド61)から出力された心電位信号Sc1とを、入力して記録するようになっている。また、この例では心電計4は、入力して記録した心電位信号を外部へ出力する機能も有している。具体的には、詳細は後述するが、この例では図1に示したように、心電計4は、上記した心電位信号Sc1を、電源装置2の入力端子Tin1へと出力するようになっている。また、この例では図1に示したように、心電計4は、上記した心電位信号Sc1,Sc0a,Sc0bをそれぞれ、後述する心電図表示装置5へと出力するようになっている。
[0060]
(D.心電図表示装置5)
 心電図表示装置5は、上記した心電計4から出力される心電位信号Sc1,Sc0a,Sc0bに基づいて、心電位波形(心電図)等を表示する装置である。なお、これらの心電計4および心電図表示装置5を総称して、ポリグラフ、生体情報モニタ、心臓カテーテル用検査装置、またはEPレコーディングシステムと呼ばれることもある。このようにして心電図表示装置5に表示される心電位波形等は、例えば除細動カテーテル1の操作者(医師)によって、随時監視されるようになっている。
[0061]
(E.生体測定機構6)
 生体測定機構6は、除細動治療等の際に、患者9の体表面に装着(貼付)された状態で用いられるものであり、前述した生体信号(心電位信号Sc1,Sc2および筋電位信号Sm)を患者9から測定するための機器である。図1に示したように、この例では生体測定機構6は、複数(例えば6個または8個)の電極パッド(電極パッド61,62)を用いて構成されている。すなわち、この生体測定機構6は、2個の電極パッド62と、それ以外の電極パッドである複数(例えば4個または6個)の電極パッド61とを用いて構成されている。
[0062]
 ここで、複数の電極パッド61のうちの6つの組み合わせからは、一般的な測定手法を用いることで、図1に示したように、前述した心電位信号Sc1が測定されるようになっている。このようにして電極パッド61から得られた心電位信号Sc1は、心電計4へと供給されるようになっている。なお、上記した一般的な測定手法(6つの電極パッド間での組み合わせを用いた測定手法)により得られる心電位信号Sc1の心電波形は、「12誘導心電図」と呼ばれるものに対応している。
[0063]
 一方、2個の電極パッド62からは、後述する除細動処理や筋電位の測定処理の際に、図1に示したように、前述した心電位信号Sc2および筋電位信号Smのうちの一方が測定されるようになっている。このようにして電極パッド62から得られた心電位信号Sc2または筋電位信号Smはそれぞれ、図1に示したように、心電計4等の他の機器を介さずに、電源装置2の前述した入力端子Tin2のみを介して、電源装置2内の演算処理部24へと供給されるようになっている。
[0064]
[動作および作用・効果]
(A.基本動作)
 この除細動カテーテルシステム3では、例えば心臓カテーテル術中における除細動治療(除細動処理)の際などに、除細動カテーテル1におけるシャフト11の先端側が、血管を通して患者9の体内に挿入される(図1参照)。このとき、除細動カテーテル1の操作者(医師)によるハンドル12での操作に応じて、患者9の体内に挿入されたシャフト11の先端領域P1付近の形状が偏向する。具体的には、操作者の指によって、例えば図2中の矢印で示した回転方向d1に沿って回転板122が回転操作されると、シャフト11内で操作用ワイヤ80が、基端側へ引っ張られる。その結果、シャフト11の先端領域P1付近が、例えば図2中の矢印で示した方向d2に沿って湾曲する。
[0065]
(A-1.除細動処理)
 ここで、上記した除細動処理を行う際には、電源装置2(電源部22)から除細動カテーテル1の電極群111G,112G(リング状電極111,112)に対し、除細動のための電気エネルギーとしての直流電圧Vdcが供給される。具体的には、これらの電極群111G,112Gが互いに異なる極性となる(一方の電極群が-極のときには、他方の電極群は+極となる)ように、電源装置2内の出力回路241から直流電圧Vdcが出力される。このようにして、電極群111G,112Gが互いに異なる極性となる直流電圧Vdcが、患者9の体内に挿入された除細動カテーテル1の先端領域P1からこの患者9の心臓に対し、直接的な電気エネルギーとして付与されることで、電気的な除細動処理がなされる。
[0066]
 このような除細動カテーテルシステム3(除細動カテーテル1)を用いた除細動処理では、例えば、電気エネルギーを患者の体外から供給する機器である、AED(Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器)等と比べ、例えば以下の利点がある。すなわち、まず、心腔内に配置された除細動カテーテル1の電極群111G,112Gによって、細動を起こした心臓に対して直接的に電気エネルギーが付与されることで、除細動治療に必要かつ十分な電気的刺激(電気ショック)が、心臓のみに確実に供給できるようになる。その結果、例えば上記したAED等を用いた場合と比べ、より効果的(効率的)な除細動処理を行うことが可能となる。また、心臓に対して直接的に電気エネルギーを付与することから、例えば上記したAED等を用いた場合とは異なり、患者の体表面に火傷を生じさせることがなくなるため、除細動処理の際の患者への侵襲性を低減することも可能となる。
[0067]
(A-2.心電位等の測定処理)
 一方、患者9の心電位等を測定する際には、患者9の体表面に装着された生体測定機構6(電極パッド61,62)、または、患者9の体内に挿入された除細動カテーテル1の電極(リング状電極111,112,113)等を用いて、心電位が測定される(図1参照)。あるいは、除細動カテーテル1とは異なる別の電極カテーテル(患者9の心腔内に挿入されたもの)を用いて、患者9の心電位が測定されるようにしてもよい。このようにして得られた心電位の情報のうち、心電位信号Sc1,Sc2については、電源装置2の入力端子Tin1,Tin2等を介してこの電源装置2内へ供給される(図1参照)。また、得られた心電位の情報のうち、心電位信号Sc1,Sc0a,Sc0bについては、心電図表示装置5へと供給される(図1参照)。そして、これらの心電位信号に基づく心電位波形が、電源装置2内の表示部25や心電図表示装置5に表示されることで、電源装置2の操作者(技師等)や除細動カテーテル1の操作者(医師)によって、適宜監視されることになる。
[0068]
(B.除細動処理の詳細)
 次に、図4~図9を参照して、上記した除細動処理(除細動治療)の詳細について、比較例(図9)と比較しつつ説明する。
[0069]
(B-1.本実施の形態の除細動処理)
 図4は、本実施の形態の除細動カテーテルシステム3における除細動処理の一例を、流れ図で表したものである。また、図5~図7はそれぞれ、この除細動処理の際における、後述する各種の動作状態例を、模式的にブロック図で表したものである。
[0070]
 図4に示した本実施の形態の除細動処理では、まず、後述する心電位の測定処理(ステップS13,S23)の際に設定される、心電位測定モードが選択される。すなわち、後述する「心電位測定モードA」(図5参照)および「心電位測定モードB」(図13参照)のうちの一方が、電源装置2の操作者(技師等)による入力部21への操作(例えばモード切替スイッチへの入力操作)に応じて行われる(ステップS11)。これは、言い換えると、心電位の測定処理の際の入力端子の選択(入力端子Tin1,Tin2のうちの一方の選択)、および、心電位信号の選択(心電位信号Sc1,Sc2のうちの一方の選択)に相当する。このような心電位測定モードの選択が入力部21において行われると、電源装置2内では、入力端子Tin1から入力される心電位信号Sc1と、入力端子Tin2から入力される心電位信号Sc2とのうちの一方が選択的に演算処理部24へと供給されるように、心電位信号の切り替え処理(切り替え動作)がなされることになる。なお、電源装置2内に、このような心電位信号の切り替え動作(入力端子Tin1から入力される心電位信号Sc1と、入力端子Tin2から入力される心電位信号Sc2と、のうちの一方を選択的に演算処理部24へと供給する動作)を行う切替部を、別途設けるようにしてもよい。その場合、この切替部における切替動作は、例えば、入力部21から供給される入力信号Sinに基づいて、演算処理部24によって制御されるようになっている。
[0071]
 図4に示した除細動処理では、続いて、X線画像等を用いることで、患者9の体内における、除細動カテーテル1の各電極(リング状電極111,112,113)の位置が確認される(ステップS12)。
[0072]
 次に、例えば図5に示したようにして、患者9の心電位の測定処理が行われる(ステップS13)。すなわち、この例では、除細動カテーテルシステム3が「心電位測定モードA」に設定されることで、以下のようにして心電位の測定処理がなされる。また、ゲイン調整部242におけるゲイン調整の際のゲイン設定が、電源装置2の操作者(技師等)による入力部21への操作に応じて行われる(ステップS14)。
[0073]
 この図5に示した「心電位測定モードA」では、まず、患者9の体表面に装着されている生体測定機構6(電極パッド62)にて測定された心電位信号Sc2が、心電計4等を介さずに電源装置2の入力端子Tin2に直接入力され、この電源装置2内の演算処理部24へと供給される。そして、この心電位信号Sc2は、演算処理部24内のゲイン調整部242においてゲイン調整がなされ、ゲイン調整後の心電位信号Sc2’に基づく心電位波形が、表示部25にて表示される。一方、生体測定機構6(電極パッド61)にて測定された心電位信号Sc1は、心電計4を介して心電図表示装置5へと出力される。そして、この心電位信号Sc1に基づく心電位波形が、この心電図表示装置5にて表示される。
[0074]
 また、この際に図5に示したように、除細動カテーテル1の電極群111G,112G(リング状電極111,112)にて測定された心電位信号Sc0aは、電源装置2の入力端子Tin3、切替部23および出力端子Tout2をこの順に経由して、心電計4へと供給される。一方、除細動カテーテル1の電極群113G(リング状電極113)にて測定された心電位信号Sc0bは、電源装置2の入力端子Tin3および出力端子Tout2をこの順に経由して(切替部23を経由せずに)、心電計4へと供給される。このようにして心電計4へ供給された心電位信号Sc0a,Sc0bはそれぞれ、心電図表示装置5へと出力され、これらの心電位信号Sc0a,Sc0bに基づく心電位波形が、この心電図表示装置5にて表示される。
[0075]
 続いて、電源装置2の操作者(技師等)による入力部21への操作(例えばモード切替スイッチへの入力操作)によって、入力信号Sinが演算処理部24へと供給されることで、除細動を実行するための「除細動モード」の設定がなされる(ステップS15)。
[0076]
 すると、例えば図6に示したようにして、除細動カテーテル1における電極群111G,112G間の抵抗値Rの測定処理が行われる(ステップS16)。すなわち、この除細動カテーテルシステム3が「抵抗測定モード」に設定されることで、以下のようにして抵抗値Rの測定処理がなされる。
[0077]
 具体的には、まず、図6に示したように、除細動カテーテル1の電極群111G,112G(リング状電極111,112)にて測定された抵抗値Rは、電源装置2の入力端子Tin3および切替部23をこの順に経由して、演算処理部24へと供給される。そして、このようにして得られた抵抗値Rの情報は、表示部25にて表示される。
[0078]
 また、この際に図6に示したように、生体測定機構6(電極パッド62)にて測定された心電位信号Sc2が、引き続き、心電計4等を介さずに電源装置2の入力端子Tin2に直接入力され、演算処理部24へと供給される。そして、この心電位信号Sc2は、演算処理部24内のゲイン調整部242においてゲイン調整がなされ、ゲイン調整後の心電位信号Sc2’に基づく心電位波形が、引き続き、表示部25にて表示される。一方、生体測定機構6(電極パッド61)にて測定された心電位信号Sc1についても、引き続き、心電計4を介して心電図表示装置5へと出力される。そして、この心電位信号Sc1に基づく心電位波形が、引き続き、この心電図表示装置5にて表示される。
[0079]
 なお、この際に図6に示したように、除細動カテーテル1の電極群113G(リング状電極113)にて測定された心電位信号Sc0bもまた、引き続き、電源装置2の入力端子Tin3および出力端子Tout2をこの順に経由して(切替部23を経由せずに)、心電計4へと供給される。そして、この心電位信号Sc0bは心電計4から心電図表示装置5へと出力され、心電位信号Sc0bに基づく心電位波形が、この心電図表示装置5にて表示される。
[0080]
 次いで、電源装置2内の演算処理部24は、このようにして得られた抵抗値Rが、所定の閾値Rth1,Rth2により規定される所定の範囲内に収まっているのか否か(Rth2>R>Rth1を満たすのか否か)について、判定を行う(ステップS17)。ここで、抵抗値Rが所定の範囲内に収まっていない(R≧Rth2またはRth1≧Rに該当する)と判定された場合(ステップS17:N)、除細動カテーテル1の電極群111G,112Gが、患者9の体内の所定の部位(例えば、冠状静脈の管壁や、右心房の内壁など)に、確実に当接されていないことを意味する。したがって、この場合には、前述したステップS12へと戻り、再び、X線画像等を用いて各電極(リング状電極111,112,113)の位置が確認されることになる。このようにして、除細動カテーテル1の電極群111G,112Gが、患者9の体内の所定の部位に確実に当接されている場合にのみ、これ以降の除細動が実行されるようになっているため、効果的な除細動治療を行うことが可能である。
[0081]
 一方、抵抗値Rが所定の範囲内に収まっている(Rth2>R>Rth1を満たす)と判定された場合(ステップS17:Y)、上記したように、除細動カテーテル1の電極群111G,112Gが、患者9の体内の所定の部位に確実に当接されていることを意味している。したがって、この場合には次に、電源装置2の操作者(技師等)による入力部21への操作(例えば印加エネルギー設定スイッチへの入力操作)によって、入力信号Sinが演算処理部24へと供給されることで、除細動の際の印加エネルギーの設定がなされる(ステップS18)。具体的には、印加エネルギーとして、例えば1J(ジュール)から30Jまでの範囲内で、1J刻みで設定する。
[0082]
 続いて、電源装置2の操作者(技師等)による入力部21への操作(例えば充電スイッチへの入力操作)によって、入力信号Sinが演算処理部24へと供給されることで、電源部22内のコンデンサに、除細動のためのエネルギー(電荷)が充電される(ステップS19)。
[0083]
 そして、このようなエネルギー充電の完了後、除細動の実行が開始される(ステップS20)。具体的には、電源装置2の操作者(技師等)による入力部21への操作(例えばエネルギー印加スイッチへの入力操作)によって、入力信号Sinが演算処理部24へと供給されることで、以下説明する「除細動モード」が実行される。なお、以下の図7にて説明する「除細動モード(除細動モードA)」は、前述した「心電位測定モードA」が設定(選択)されている場合に行われる除細動モードに対応している。
[0084]
 この「除細動モード(除細動モードA)」では、例えば図7に示したようにして、除細動カテーテル1における電極群111G,112G間に、電気エネルギーとしての直流電圧Vdcが印加されることで、患者9の体内での除細動が行われる。
[0085]
 具体的には、図7に示したように、電源装置2内の電源部22から出力された直流電圧Vdcが、演算処理部24内の出力回路241、切替部23および出力端子Tout1をこの順に経由して、除細動カテーテル1における電極群111G,112G間に印加される。このとき、前述したように、これらの電極群111G,112Gが互いに異なる極性となる(一方の電極群が-極のときには、他方の電極群は+極となる)ように、電源装置2内の出力回路241から直流電圧Vdcが出力される。
[0086]
 また、この際に図7に示したように、生体測定機構6(電極パッド62)にて測定された心電位信号Sc2が、引き続き、心電計4等を介さずに電源装置2の入力端子Tin2に直接入力され、演算処理部24へと供給される。そして、この心電位信号Sc2は、演算処理部24内のゲイン調整部242においてゲイン調整がなされ、ゲイン調整後の心電位信号Sc2’に基づく心電位波形が、引き続き、表示部25にて表示される。一方、生体測定機構6(電極パッド61)にて測定された心電位信号Sc1についても、引き続き、心電計4を介して心電図表示装置5へと出力される。そして、この心電位信号Sc1に基づく心電位波形が、引き続き、この心電図表示装置5にて表示される。
[0087]
 なお、この際に図7に示したように、除細動カテーテル1の電極群113G(リング状電極113)にて測定された心電位信号Sc0bもまた、引き続き、電源装置2の入力端子Tin3および出力端子Tout2をこの順に経由して(切替部23を経由せずに)、心電計4へと供給される。そして、この心電位信号Sc0bは心電計4から心電図表示装置5へと出力され、心電位信号Sc0bに基づく心電位波形が、この心電図表示装置5にて表示される。
[0088]
 また、この際に演算処理部24は、上記した経路にて供給された心電位信号Sc2に同期して直流電圧Vdcが印加されるように、電源部22に対して動作制御を行う。具体的には、演算処理部24は、まず、逐次入力される心電位信号Sc2の心電位波形において、1つのR波(最大ピーク)を検知して、そのピーク高さを求める。そして、演算処理部24は、求められたピーク高さに対して80%の高さ(トリガーレベル)に電位差が到達した時点(次のR波が立ち上がり時)から、所定時間(例えば、R波のピーク幅の1/10程度の極めて短い時間)の経過後に、直流電圧Vdcの印加を開始させる。このようにして、演算処理部24に入力された心電位波形(最大ピークであるR波)に同期をとって直流電圧Vdcが印加されることで、効果的な除細動治療を行うことが可能となる。
[0089]
 ここで、図8は、図7に示した除細動実行の際に測定される心電位波形の一例(例えば、エネルギーの設定出力=10Jの場合)を、模式的に表したものである。具体的には、除細動実行の際の測定電位のタイミング波形の一例を示している。
[0090]
 この例では、まず、心電位信号Sc2の心電位波形における電位差が上記したトリガーレベルに到達した時点(タイミングt0)から、所定時間の経過後(タイミングt1)、電極群111Gが-極(負極)、電極群112Gが+極(正極)となるように、直流電圧Vdcが印加される。すると、このような電気エネルギーが供給されることで、測定電位が立ち上がる(図8中のタイミングt1時点での破線の矢印を参照)。そして、このタイミングt1から所定時間の経過後(タイミングt2)、電極群111Gが+極、電極群112Gが-極となるよう、極性が反転した直流電圧Vdcが印加される。すると、このような電気エネルギーが供給されることで、測定電位が逆方向に立ち上がる(図8中のタイミングt3時点での破線の矢印を参照)。
[0091]
 次に、上記したタイミングt0から所定時間の経過後(タイミングt4)、演算処理部24が電源部22からの直流電圧Vdcの出力を停止させることで、患者9の体内での除細動の実行が停止される(ステップS21)。
[0092]
 続いて、除細動時の印加記録(例えば図8に示したような心電位波形の記録)が、電源装置2の表示部25にて、一時的(例えば5秒間)に表示される(ステップS22)。
[0093]
 次いで、この例では、前述した「心電位測定モードA」(ステップS13,図5参照)に再び設定される。これにより、ゲイン調整後の心電位信号Sc2’に基づく心電位波形が、電源装置2の表示部25に再び表示されると共に、心電位信号Sc1,Sc0a,Sc0bに基づく心電位波形が、心電図表示装置5に再び表示される。つまり、上記した除細動が実行された後の心電位波形が表示される(ステップS23)。
[0094]
 そして、このような除細動後の心電位波形が観察され、正常であるのか否かが判定される(ステップS24)。正常ではない(心房細動が治まっていない)と判定された場合(ステップS24:N)には、前述したステップS15へと戻り、再度の除細動へと進むことになる。一方、正常であると判定された場合(ステップS24:Y)には、図4に示した一連の除細動処理が終了となる。
[0095]
(B-2.比較例の除細動処理)
 ここで、図9は、比較例に係る除細動カテーテルシステム(除細動カテーテルシステム103)の構成および動作状態例を、模式的にブロック図で表したものである。
[0096]
 この比較例の除細動カテーテルシステム103は、図9に示したように、除細動カテーテル1および電源装置102を備えている。すなわち、この除細動カテーテルシステム103は、図1に示した本実施の形態の除細動カテーテルシステム3において、実施の形態に係る電源装置2の代わりに、比較例に係る電源装置102を設けたものに対応している。また、この除細動カテーテルシステム103を用いた除細動の際には、本実施の形態の除細動カテーテルシステム3と同様に、心電計4、心電図表示装置5および生体測定機構106についても、適宜、用いられるようになっている。ただし、この比較例に係る生体測定機構106は、実施の形態の生体測定機構6とは異なり、1種類の電極パッド(複数の電極パッド61)のみを用いて構成されており、複数(例えば2個)の電極パッド62は設けられていないようになっている。
[0097]
 比較例の電源装置102は、図9に示したように、本実施の形態の電源装置2において、入力端子Tin2を設けないようにした(省いた)と共に、演算処理部24の代わりに、比較例に係る演算処理部204を設けたものに対応している。また、この比較例の演算処理部204は、実施の形態の演算処理部24において、ゲイン調整部242を設けないようにしたものに対応している。
[0098]
 このような比較例の除細動カテーテルシステム103では、例えば図9に示したように、心電位の測定処理の際に、以下の経路にて、心電位信号Sc1が電源装置102内の演算処理部204へと供給されるようになっている。
[0099]
 すなわち、まず、生体測定機構6(電極パッド61)にて測定された心電位信号Sc1が、心電計4を介して心電図表示装置5へと供給されると共に、心電計4および電源装置102の入力端子Tin1を介して演算処理部204へと供給される。そして、心電図表示装置5において、この心電位信号Sc1に基づく心電位波形が表示されると共に、電源装置102の表示部25において、この心電位信号Sc1に基づく心電位波形が表示される。
[0100]
 また、除細動カテーテル1の電極群111G,112G(リング状電極111,112)にて測定された心電位信号Sc0aは、電源装置102の入力端子Tin3、切替部23および出力端子Tout2をこの順に経由して、心電計4へと供給される。一方、除細動カテーテル1の電極群113G(リング状電極113)にて測定された心電位信号Sc0bは、電源装置102の入力端子Tin3および出力端子Tout2をこの順に経由して(切替部23を経由せずに)、心電計4へと供給される。そして、このようにして心電計4へ供給された心電位信号Sc0a,Sc0bはそれぞれ、心電図表示装置5へと出力され、これらの心電位信号Sc0a,Sc0bに基づく心電位波形が、この心電図表示装置5にて表示される。
[0101]
 ところが、このような比較例の除細動カテーテルシステム103では、例えば以下説明するように、使用する際の環境条件に対応しにくくなるおそれがある。
[0102]
 すなわち、まず、この比較例では上記したように、測定により得られた心電位信号Sc1が、心電計4を介して表示部25および心電図表示装置5へと供給されることで、心電位波形の表示がなされている。このため、心電計4の装置構成の影響を受け易くなっており、例えば心電計4に心電位信号の出力機能が無い(心電位信号の出力端子が設けられていない)ようなケースでは、除細動に必要な波形情報(心電位信号Sc1)を、電源装置102へ供給できないことになってしまう。
[0103]
 また、この比較例では、心電位信号Sc1が心電計4へ入力されるため、この心電計4内においてフィルタ処理(ゲイン調整)が適宜なされるようになっている。すなわち、本実施の形態とは異なり、演算処理部204内では、ゲイン調整はなされない(ゲイン調整部242が設けられていない)。ところが、この心電計4内での心電位信号Sc1に対する共通のゲイン調整では、例えば、電源装置102の表示部25において観察するには(除細動を実行するには)適さない心電位波形が生成されるケースが生じ得る。具体的には、心電図表示装置5では、観察者(医師)にとっては、できるだけ波高値の大きな心電位波形の表示が望まれる。一方で、電源装置102の表示部25では、観察者(技師等)にとっては、心電位波形の波高値が大きすぎると、除細動実行のタイミング調整等がしにくくなるケースがある。
[0104]
 更に、この比較例では、上記した心電計4内におけるフィルタ処理(ゲイン調整)に起因して、心電位信号Sc1が電源装置102の表示部25に表示されるまでに、多少のタイムラグ(時間的な遅延)が生じるおそれがある。
[0105]
 このようにして比較例では、除細動カテーテルシステム103を使用する際の環境条件に対応しにくくなるケースが生じる結果、使用する際の利便性が損なわれるおそれがあると言える。
[0106]
(B-3.作用・効果)
 そこで本実施の形態の除細動カテーテルシステム3では、上記比較例の除細動カテーテルシステム103とは異なり、以下のようになっている。すなわち、図1等に示したように、生体測定機構6(電極パッド62)にて測定された心電位信号Sc2が、心電計4等の他の機器を介さずに、電源装置2の入力端子Tin2へと直接入力されるようになっている。換言すると、除細動カテーテルシステム3における電源装置2では、除細動カテーテルシステム103における電源装置102とは異なり、このような心電位信号Sc2を(心電計4等を介さずに)直接入力するための、入力端子Tin2が設けられている。
[0107]
 これにより本実施の形態では、上記比較例と比べ、例えば心電計4の装置構成等の影響を受けにくくなり、除細動カテーテルシステム3を使用する際の環境条件に対応し易くなる。具体的には、例えば前述したように、心電計4に心電位信号の出力機能が無い(心電位信号の出力端子が設けられていない)ようなケースであっても、例えば図5~図7等に示したように、除細動に必要な波形情報(心電位信号Sc2)を、入力端子Tin2を介して電源装置2へ供給できることになる。
[0108]
 また、本実施の形態では、上記比較例とは異なり、心電計4内でのゲイン調整と、電源装置2内でのゲイン調整(ゲイン調整部242によるゲイン調整)とが、別個に実施できるようになっているため、これらのゲイン調整同士で、波高値を個別に設定可能となっている。
[0109]
 具体的には、例えば心電図表示装置5において、前述したようにできるだけ波高値の大きな心電位波形が表示されるように、心電計4内でゲイン調整が行われる。一方、電源装置2の表示部25において、電源装置2内で利用し易くなる(前述したように除細動実行のタイミング調整がし易くなる)ように、ゲイン調整部242による任意のゲイン調整がなされる。つまり、表示部25において心電位波形を監視する際に、見易くなって利便性の更なる向上が図られるようにゲイン調整がなされた後の心電位信号Sc2’等が利用される。
[0110]
 更に、本実施の形態では、上記比較例とは異なり、心電位信号Sc2が心電計4を経由せずに電源装置2へ入力されることから、以下のことも言える。すなわち、前述した比較例の場合とは異なり、心電位信号Sc2が表示部25に表示されるまでの間の、心電計4内におけるフィルタ処理(ゲイン調整)に起因したタイムラグの発生が、回避される。
[0111]
 このようにして本実施の形態では、上記比較例の場合と比べ、除細動カテーテルシステム3を使用する際の環境条件に対応し易くなる結果、使用する際の利便性が向上することになる。
[0112]
 また、本実施の形態の電源装置2では、前述した「心電位測定モードA(図5参照)」と、後述する「心電位測定モードB(図13参照)」)と、前述した「除細動モード(図7,図14参照)」との複数種類のモードが、切り替え可能となっている。加えて、本実施の形態では、入力端子Tin2を介した心電位信号Sc2(図5~図7等参照)と、入力端子Tin1を介した心電位信号Sc1(後述する図13参照)とのうちのいずれか一方が、選択的に入力されるようになっている。具体的には、このような複数種類のモード間での切り替え処理、および、入力端子Tin1(心電位信号Sc1)と入力端子Tin2(心電位信号Sc2)とのうちの一方の選択処理はそれぞれ、例えば、電源装置2の操作者(技師等)による操作に応じて入力部21を介して行われる。このようなモードや心電位信号の選択処理がなされることで、本実施の形態では、例えば用途や状況等に応じて、上記した複数種類のモードのうちの1つを択一的に利用可能になると共に、上記した2種類の心電位信号Sc1,Sc2のうちの一方を択一的に利用可能となる。したがって、利便性の更なる向上が図られる。
[0113]
 更に、本実施の形態では、電極群111G,112Gにおいて測定される心電位信号Sc0aに加え、電極群113Gにおいて測定される心電位信号Sc0bについても、利用可能となっている。これにより、例えば、電極群111G,112Gが心電位の測定処理以外の処理(例えば、図6に示した抵抗値Rの測定処理や、図7に示した直流電圧Vdcの印加処理など)に利用されている場合であっても、心電位信号(心電位信号Sc0b)を除細動カテーテル1から取得できるようになる。つまり、そのような場合であっても、心電位信号Sc0bを心電図表示装置5上に表示して監視しながら、除細動治療を行うことができるため、利便性の更なる向上が図られる。
[0114]
(C.筋電位の測定処理)
 ここで、本実施の形態の除細動カテーテルシステム3にはまた、例えば以下説明するような、筋電位の測定機能(筋電位信号の取得機能)が設けられている。なお、このような筋電位信号としては、例えば、患者9の横隔膜付近の部位において得られる、複合筋活動電位(CMAP)を示す信号が挙げられる。
[0115]
 図10は、このような除細動カテーテルシステム3における筋電位測定の際の動作状態例を、模式的にブロック図で表したものである。
[0116]
 この筋電位測定の際には、例えば図10に示したように、生体測定機構6(電極パッド62)において測定された筋電位信号Smが、前述した心電位信号Sc2と同様に、心電計4等の他の機器を介さずに、電源装置2の入力端子Tin2に直接入力されるようになっている。換言すると、本実施の形態の電源装置2には、心電位信号Sc2に加えてこのような筋電位信号Smを(心電計4等を介さずに)直接入力するための、入力端子Tin2が設けられている。なお、このようにして電源装置2へ入力された筋電位信号Smは、演算処理部24へと供給される。そして、この演算処理部24内のゲイン調整部242にて波高値のゲイン調整がなされることで、そのようなゲイン調整後の筋電位信号Sm’に基づく筋電位波形が、表示部25にて表示されるようになっている。
[0117]
 ここで、図11は、このような筋電位測定の際の電極パッドの配置例(前述したCMAPを示す筋電位信号Smの場合の例)を、模式図で表したものである。この図11に示した例では、生体測定機構6における2つの電極パッド62(電極パッド62a,62bと称する)がそれぞれ、患者9における横隔膜付近の部位(図11中の領域Ad参照)に装着されている。そして、これらの電極パッド62a,62bにおいて、CMAPを示す筋電位信号Smが得られるようになっている。ちなみに、電極パッド62aの装着位置としては、例えば図11に示したように、剣状突起から若干上方の位置が挙げられる。また、電極パッド62bの装着位置としては、例えば図11に示したように、右下肋骨付近の位置が挙げられる。
[0118]
 このようにして本実施の形態では、心電位の測定機能に加えて筋電位の測定機能が設けられている(電源装置2の入力端子Tin2に、心電位信号Sc2に加えて筋電位信号Smの取得機能が設けられている)ことにより、以下のようになる。すなわち、生体測定機構6(電極パッド62)において得られた心電位信号Sc2に加え、この生体測定機構6(電極パッド62)において得られた筋電位信号Smについても、電源装置2内で利用できるようになる。その結果、利便性の更なる向上が図られる。
[0119]
 ここで、心房細動に対するアブレーション治療(クライオバルーンアブレーションを用いた治療も含む)では、一般に、合併症が発生するおそれがある。その中でも重篤なものとして、例えば、横隔神経麻痺が含まれる。具体的には、呼吸筋の1つである横隔膜を動かす神経が横隔神経であり、右の横隔神経は、頚髄から下降し、ちょうど上大静脈のすぐ横に位置している。心房細動に対するアブレーション治療では、この横隔神経を傷つけるケースがあり、多くの場合では一時的で回復するが、まれに、横隔神経麻痺が持続する場合がある。そして、そのほとんどの場合は無症状であるが、呼吸困難感等が出現することもあり得る。
[0120]
 そこで、このような横隔神経麻痺を事前に予測するため、心房細動に対するアブレーション治療の際に、触診に加え、上記したCMAPを示す信号の観察が行われるケースがある。本実施の形態では、そのようなCMAPを示す信号の取得が、除細動治療の際に利用される生体測定機構6(電極パッド62)および電源装置2の入力端子Tin2を利用して、簡易に実現可能となる。
[0121]
 また、本実施の形態では、前述したように、このようにして得られた筋電位信号Smが、電源装置2内の演算処理部24へ供給され、表示部25において筋電位波形の表示が行われるようになっている。具体的には、図10に示したように、演算処理部24内のゲイン調整部242において、筋電位信号Smの波高値のゲイン調整が行われ、そのようなゲイン調整後の筋電位信号Sm’に基づく筋電位波形が、表示部25にて表示される。これにより本実施の形態では、生体測定機構6(電極パッド62)において測定された筋電位信号Smを、電源装置2内の表示部25において、随時監視できるようになる。その結果、利便性の更なる向上が図られる。
[0122]
 更に、本実施の形態では、心電位信号Sc2(図5~図7等参照)または筋電位信号Sm(図10参照)のいずれか一方が、電源装置2の入力端子Tin2に対して、選択的に入力されるようになっている。具体的には、このような心電位信号Sc2と筋電位信号Smとのうちの一方の選択処理は、例えば、電源装置2の操作者(技師等)による操作に応じて入力部21を介して行われる。なお、このようにして入力端子Tin2へ入力された心電位信号Sc2または筋電位信号Smはそれぞれ、演算処理部24へと供給されるようになっている。このような選択処理がなされることで本実施の形態では、例えば用途や状況等に応じて、これら2種類の生体信号(心電位信号Sc2および筋電位信号Sm)のうちの一方を、択一的に利用可能となる。したがって、利便性の更なる向上が図られる。
[0123]
 加えて、例えば図10中に「×(バツ)」印で示したように、この入力端子Tin2に対して筋電位信号Smが入力されている期間(筋電位測定の期間)においては、除細動カテーテルシステム3において、除細動の実行が停止される(実行不可とされる)ようになっている。具体的には、電源装置2内の演算処理部24は、このような筋電位測定の期間においては、電源部22からの除細動のための電力供給(直流電圧Vdcの出力)が停止されるように、動作制御を行う。このようにして、筋電位測定の期間では、電源部22からの直流電圧Vdcの出力が停止されることで、以下のようになる。すなわち、例えば、筋電位信号Smの測定処理を行っていて、除細動は必要とされていないような場合に、除細動のための電力供給が(操作者による誤操作等により)誤って実行されてしまうことが、防止される。その結果、利便性の更なる向上が図られる。
[0124]
 図12は、本実施の形態の筋電位測定により得られる筋電位波形の一例を、模式図で表したものある。具体的には、測定により得られた筋電位信号Sm(またはゲイン調整後の筋電位信号Sm’)に基づく筋電位波形例を、電源装置2内の表示部25に表示した場合で示している。なお、図12中に示した最大値Smaxは、この筋電位波形における波高値の最大値を示している。また、最小閾値Sminは、例えば最大値Smaxの70%の波高値(Smin=Smax×0.7)に対応しており、例えば以下説明する警告動作の際に利用されるようになっている。なお、これらの最大値Smaxおよび最小閾値Sminについては、図示の便宜上、縦軸の正(+)側にのみ示している。
[0125]
 ここで、本実施の形態の電源装置2では、例えば図12中の破線の矢印d3で示したように、筋電位波形において所定の限度以上の減衰が生じた場合には、外部への警告動作を行う機能が設けられている。具体的には、電源装置2における演算処理部24は、入力された筋電位信号Smにおける波高値が閾値(最小閾値Smin)以下であると判定された場合には、外部への警告を行うようになっている。このような警告動作としては、例えば、表示部25上に所定の警告表示を行ったり、音声出力部26を用いて所定の警告音を出力したりする動作等が挙げられる。このような警告動作が行われることで、本実施の形態では、例えば、筋電位信号Smの過度の減衰状態が即座に把握できるようになり、操作者(技師等)によって迅速な対応をとることが可能となる。その結果、利便性の更なる向上が図られる。
[0126]
 以上のように本実施の形態では、除細動カテーテル1に対して除細動の際の電力供給を行う電源装置2に、生体測定機構6において測定された心電位信号Sc2等が心電計4を介さずに直接入力される、入力端子Tin2が設けられている。このようにして、心電位信号Sc2が心電計4を介さずに電源装置2へ直接入力されることから、例えば心電計4の装置構成等の影響を受けにくくなり、除細動カテーテルシステム3を使用する際の環境条件に対応し易くなる。また、電源装置2において、前述した複数種類のモード(「心電位測定モードA」,「心電位測定モードB」,「除細動モード」)が切り替え可能になっていると共に、心電位信号Sc1または心電位信号Sc2を選択的に入力可能としたので、以下のようになる。すなわち、例えば用途や状況等に応じて、上記した複数種類のモードのうちの1つや、上記した2種類の心電位信号のうちの一方を、択一的に利用することができる。よって、本実施の形態では、利便性を向上させることが可能となる。
[0127]
 また、本実施の形態では、心電位の測定機能に加えて筋電位の測定機能が設けられている(電源装置2の入力端子Tin2に、心電位信号Sc2に加えて筋電位信号Smの取得機能が設けられている)ようにしたので、以下の効果も得られる。すなわち、生体測定機構6において得られた心電位信号Sc2に加え、この生体測定機構6において得られた筋電位信号Smについても、電源装置2内で利用できるようになる。その結果、利便性の更なる向上を図ることが可能となる。
[0128]
(D.その他の心電位測定処理,除細動処理:心電位測定モードB,除細動モードB)
 ここで、本実施の形態ではまた、例えば図13に示したような心電位の測定処理が利用可能となっている。すなわち、前述した「心電位測定モードA」による心電位の測定処理に加え、図13に示した「心電位測定モードB」による心電位の測定処理が利用可能となっている。これは、前述した図4のステップS11において、「心電位測定モードA」の代わりに、「心電位測定モードB」が選択された場合に対応している。
[0129]
 この「心電位測定モードB」による心電位の測定処理では、具体的には図13に示したように、生体測定機構6(電極パッド61)にて測定された心電位信号Sc1が、以下の経路で電源装置2へ入力されるようになっている。すなわち、このようにして得られた心電位信号Sc1が、心電計4を経由して、電源装置2の入力端子Tin1に入力されるようになっている。そして、電源装置2へ入力された心電位信号Sc1は、前述したゲイン調整がなされて心電位信号Sc1’となり、この心電位信号Sc1’に基づく心電位波形が表示部25にて表示される。また、心電計4に入力された心電位信号Sc1に基づく心電位波形が、心電図表示装置5にて表示されるようになっている。更に、この際に、除細動カテーテル1における電極群111G,112Gにて測定された心電位信号Sc0aについても、電源装置2(入力端子Tin3、切替部23、出力端子Tout2)および心電計4をこの順に経由して、心電図表示装置5にて表示されるようにしてもよい。また、同様に、除細動カテーテル1における電極群113Gにて測定された心電位信号Sc0bについても、電源装置2(入力端子Tin3、出力端子Tout2)および心電計4をこの順に経由して、心電図表示装置5にて表示されるようにしてもよい。
[0130]
 このような「心電位測定モードB」による心電位の測定処理では、生体測定機構6(電極パッド61)において得られた心電位信号Sc1を、心電計4および電源装置2内で利用することができるようになる。したがって、利便性の更なる向上を図ることが可能となる。
[0131]
 ここで、図14は、このような「心電位測定モードB」が設定(選択)されている場合に行われる、「除細動モード(除細動モードB)」の際の動作状態例を、模式的にブロック図で表したものである。この「除細動モードB」では、入力端子Tin2(心電位信号Sc2)の代わりに入力端子Tin1(心電位信号Sc1)が使用される点を除き、基本的には、前述した「除細動モードA」(図7参照)の場合と同様にして、除細動処理が行われる。
[0132]
 すなわち、具体的には図14に示したように、電源装置2内の電源部22から出力された直流電圧Vdcが、演算処理部24内の出力回路241、切替部23および出力端子Tout1をこの順に経由して、除細動カテーテル1における電極群111G,112G間に印加される。このとき、前述したように、これらの電極群111G,112Gが互いに異なる極性となるように、電源装置2内の出力回路241から直流電圧Vdcが出力される。
[0133]
 また、この際に図14に示したように、生体測定機構6(電極パッド61)にて測定された心電位信号Sc1が、上記した「心電位測定モードB」の際から引き続き、心電計4を介して電源装置2の入力端子Tin1に入力され、演算処理部24へと供給される。そして、この心電位信号Sc1は、演算処理部24内のゲイン調整部242においてゲイン調整がなされ、ゲイン調整後の心電位信号Sc1’に基づく心電位波形が、表示部25にて表示される。また、心電計4に入力された心電位信号Sc1に基づく心電位波形が、心電図表示装置5にて表示される。
[0134]
 なお、この際に図14に示したように、除細動カテーテル1の電極群113G(リング状電極113)にて測定された心電位信号Sc0bが、電源装置2の入力端子Tin3および出力端子Tout2をこの順に経由して(切替部23を経由せずに)、心電計4へと供給される。そして、この心電位信号Sc0bは心電計4から心電図表示装置5へと出力され、心電位信号Sc0bに基づく心電位波形が、この心電図表示装置5にて表示される。
[0135]
 また、この際に演算処理部24は、上記した経路にて供給された心電位信号Sc1に同期して直流電圧Vdcが印加されるように、電源部22に対して動作制御を行う。このようにして、「除細動モードB」による除細動処理が行われる。
[0136]
 このようにして図14に示した「除細動モードB」では、前述した比較例に係る除細動カテーテルシステム103(図9参照)の場合と同様にして、除細動処理が行われることになる。つまり、この「除細動モードB」(および上記した「心電位測定モードB」)の場合、前述した「除細動モードA(図7参照)」(および前述した「心電位測定モードA(図5参照)」)の場合とは異なり、仮に電極パッド62が患者9に貼られていたとしても、除細動処理や心電位の測定処理には利用されないことになる。したがって、例えば、従来の除細動カテーテルシステムと同様の条件が必要な場合や、電極パッド62を使用しないで処理(除細動処理や心電位の測定処理)を行いたい場合などに、これらの「除細動モードB」や「心電位測定モードB」が好適に利用可能であり、利便性の更なる向上が図られることになる。
[0137]
<変形例>
 以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
[0138]
 例えば、上記実施の形態において説明した各部材の材料等は限定されるものではなく、他の材料としてもよい。また、上記実施の形態では、除細動カテーテル1の構成を具体的に挙げて説明したが、必ずしも全ての部材を備える必要はなく、また、他の部材を更に備えていてもよい。具体的には、例えばシャフト11の内部に、首振り部材として、撓み方向に変形可能な板バネが設けられているようにしてもよい。また、シャフト11における電極の構成(リング状電極および先端電極の配置や形状、個数等)は、上記実施の形態で挙げたものには限られない。更に、除細動カテーテル1における各部材の構成(形状、配置、材料、個数等)については、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の形状や配置、材料、個数等であってもよい。加えて、上記実施の形態で説明した各種パラメータの値や範囲、大小関係等についても、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の値や範囲、大小関係等であってもよい。
[0139]
 また、上記実施の形態では、シャフト11における先端領域P1付近の形状が、ハンドル12での操作に応じて片方向に変化するタイプの除細動カテーテルを例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本発明は、例えば、シャフト11における先端領域P1付近の形状がハンドル12での操作に応じて両方向に変化するタイプの除細動カテーテルにも適用することが可能であり、この場合には操作用ワイヤを複数本用いることとなる。また、本発明は、シャフト11における先端領域P1付近の形状が固定となっているタイプの除細動カテーテルにも適用することが可能であり、この場合には、操作用ワイヤや回転板122等が不要となる。すなわち、ハンドル本体121のみでハンドルが構成されることになる。
[0140]
 更に、上記実施の形態では、生体測定機構6が複数の電極パッド(電極パッド61,62)を用いて構成されている場合の例を挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、除細動カテーテル1とは異なる別の電極カテーテル(患者9の心腔内に挿入されたもの)等を、生体測定機構として用いるようにしてもよい。
[0141]
 加えて、上記実施の形態では、電源装置2のブロック構成を具体的に挙げて説明したが、上記実施の形態で説明した各ブロックを必ずしも全て備える必要はなく、また、他のブロックを更に備えていてもよい。また、除細動カテーテルシステム3全体としても、上記実施の形態で説明した各装置に加えて、他の装置を更に備えていてもよい。具体的には、例えば、場合によっては、心電計4や生体測定機構6(電極パッド61,62)等を、除細動カテーテルシステムに含めて構成するようにしてもよい。
[0142]
 また、上記実施の形態で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
[0143]
 更に、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 心腔内に挿入されて除細動を行う除細動カテーテルと、
 前記除細動カテーテルに対して、前記除細動の際の電力供給を行う電源装置と
 を備え、
 前記電源装置は、
 前記除細動の際の前記電力供給を行う電源部と、
 心電計から出力される第1の心電位信号を入力するための第1の入力端子と、
 生体測定機構において測定された第2の心電位信号が、前記心電計を介さずに直接入力される第2の入力端子と
 を有しており、
 前記電源装置では、
 前記第2の入力端子から前記第2の心電位信号が取得される第1の心電位測定モードと、前記第1の入力端子から前記第1の心電位信号が取得される第2の心電位測定モードと、前記除細動が行われる除細動モードとが、切り替え可能になっていると共に、
 前記第1または第2の心電位信号が、選択的に入力可能となっている
 除細動カテーテルシステム。
[請求項2]
 前記電源装置は、
 入力された前記第1または第2の心電位信号における波高値のゲイン調整を行う演算処理部と、
 前記ゲイン調整が行われた後の前記第1または第2の心電位信号に基づいて心電位波形を表示する表示部と
 を更に有する
 請求項1に記載の除細動カテーテルシステム。
[請求項3]
 前記第2の入力端子には更に、前記生体測定機構において測定された筋電位信号が、前記心電計を介さずに直接入力可能となっている
 請求項1または請求項2に記載の除細動カテーテルシステム。
[請求項4]
 前記第2の入力端子は、前記第2の心電位信号または前記筋電位信号を選択的に入力可能に構成されており、
 前記電源装置は、入力された前記筋電位信号に基づいて筋電位波形を表示する表示部を更に有する
 請求項3に記載の除細動カテーテルシステム。
[請求項5]
 前記第2の入力端子に対して前記筋電位信号が入力されている期間においては、
 前記電源部は、前記除細動のための前記電力供給を停止する
 請求項3または請求項4に記載の除細動カテーテルシステム。
[請求項6]
 前記電源装置は、入力された前記筋電位信号における波高値が閾値以下であると判定された場合、外部への警告を行う
 請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の除細動カテーテルシステム。
[請求項7]
 前記生体測定機構が、少なくとも2つの電極パッドを用いて構成されている
 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の除細動カテーテルシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]