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1. (WO2018179201) 吸着装置、運搬装置、ELデバイス製造装置
Document

明 細 書

発明の名称 吸着装置、運搬装置、ELデバイス製造装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

符号の説明

0065  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 吸着装置、運搬装置、ELデバイス製造装置

技術分野

[0001]
 本発明は、対象物を吸着する吸着装置などに関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、被加工物(対象物)を真空吸引するための、平均細孔径が2.5~15μm、厚み幅が0.1~1.0mmの通気性を備えた多孔質樹脂層を被着した真空吸着盤が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国公開特許公報「特開平11-243135号公報(1999年9月7日公開)」

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 対象物が可撓性を有する場合、吸着された箇所が変形し、対象物にダメージを与える虞がある。このため、吸着による対象物の変形を抑制できる吸着装置が望まれる。

課題を解決するための手段

[0005]
 上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る吸着装置は、1つ以上の吸着パッドを備え、対象物を、前記吸着パッドを介して吸着する吸着装置であって、前記吸着パッドは、平均孔径が1.0μm以下である多孔質材料で形成されている。

発明の効果

[0006]
 本発明の一態様によれば、吸着による対象物の変形を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] (a)は、ELデバイスの製造方法の一例を示すフローチャートであり、(b)は、フレキシブルなELデバイスの製造方法において追加される工程の一例を示すフローチャートである。
[図2] (a)は、実施形態1のELデバイスの構成例を示す断面図であり、(b)は、実施形態1のELデバイスの製造途中の構成例を示す断面図である。
[図3] 実施形態1に係る吸着装置、および吸着装置に吸着された状態の下面フィルムの上面図である。
[図4] 吸着装置が備える吸着部の構造を示す断面図である。
[図5] 吸着装置を備える運搬装置を備えるELデバイス製造装置の構成を示すブロック図である。
[図6] 吸着部ごとの吸着力の設定の例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 図1の(a)は、ELデバイスの製造方法の一例を示すフローチャートであり、(b)は、フレキシブルなELデバイスの製造方法において追加される工程の一例を示すフローチャートである。図2の(a)は、実施形態1のELデバイスの構成例を示す断面図であり、図2の(b)は、実施形態1のELデバイスの製造途中の構成例を示す断面図である。
[0009]
 図1の(a)および図2の(a)に示すように、まず、基材10上に樹脂層12を形成する(ステップS1)。次いで、バリア層3を形成する(ステップS2)。次いで、ゲート絶縁膜16およびパッシベーション膜18・20および有機層間膜21を含むTFT層4を形成する(ステップS3)。次いで、発光素子層(例えば、OLED素子層)5を形成する(ステップS4)。次いで、無機封止膜26・28および有機封止膜27を含む封止層6を形成し、積層体7とする(ステップS5)。次いで、基材10とともに積層体7を分断し、個片化する(ステップS7)。次いで、接着層38を介して機能フィルム39を貼り付ける(ステップS8)。次いで、TFT層4の端部に電子回路基板を実装する(ステップS9)。これにより、図2の(a)に示すELデバイス2を得る。なお、前記各ステップはELデバイスの製造装置が行う。
[0010]
 なお、フレキシブルなELデバイス2を製造する場合には、図1の(b)および図2の(b)に示すように、例えばガラス基板50上に積層体7(樹脂層12、バリア層3、TFT層4、発光素子層5および封止層6)を形成しておき(ステップS1~S5)、積層体7上に接着層8を介して上面フィルム9を貼り付ける(ステップS6a)。次いで、ガラス基板50越しに樹脂層12の下面にレーザ光を照射する(ステップS6b)。ここでは、樹脂層12の下面(ガラス基板50との界面)がアブレーションによって変質し、樹脂層12およびガラス基板50間の結合力が低下する。次いで、ガラス基板50を樹脂層12から剥離する(ステップS6c)。次いで、樹脂層12の下面に、接着層を介して基材10(例えば、PET等で構成された下面フィルム)を貼り付ける(ステップS6d)。その後上記ステップS7に移行する。
[0011]
 樹脂層12の材料としては、例えば、ポリイミド、エポキシ、ポリアミド等が挙げられる。基材10の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。以下の説明では、基材10を指して下面フィルム10と称することがある。
[0012]
 バリア層3は、ELデバイス2の使用時に、水分や不純物が、TFT層4や発光素子層5に到達することを防ぐ層である。バリア層3は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。
[0013]
 TFT層4は、半導体膜15と、ゲート絶縁膜16と、ゲート電極Gと、パッシベーション膜18・20と、容量電極Cおよび端子TMと、ソース電極Sおよびドレイン電極Dと、有機層間膜(平坦化膜)21とを含む。ゲート絶縁膜16は、半導体膜15よりも上層に形成される。ゲート電極Gは、ゲート絶縁膜16よりも上層に形成される。パッシベーション膜18・20は、ゲート電極Gよりも上層に形成される。容量電極Cおよび端子TMは、パッシベーション膜18よりも上層に形成される。ソース電極Sおよびドレイン電極Dは、パッシベーション膜20よりも上層に形成される有機層間膜21は、ソース電極Sおよびドレイン電極Dよりも上層に形成される。半導体膜15、ゲート絶縁膜16、およびゲート電極Gを含むように薄層トランジスタ(TFT)が構成される。TFT層4の非アクティブ領域には、電子回路基板との接続に用いられる複数の端子TMが形成される。
[0014]
 半導体膜15は、例えば低温ポリシリコン(LTPS)あるいは酸化物半導体で構成される。ゲート絶縁膜16は、例えば、CVD法によって形成された、酸化シリコン(SiOx)膜あるいは窒化シリコン(SiNx)膜またはこれらの積層膜によって構成することができる。ゲート電極G、ソース電極S、ドレイン電極D、および端子は、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、銅(Cu)の少なくとも1つを含む金属の単層膜あるいは積層膜によって構成される。なお、図2の(a)および(b)では、半導体膜15をチャネルとするTFTがトップゲート構造で示されているが、ボトムゲート構造でもよい(例えば、TFTのチャネルが酸化物半導体の場合)。
[0015]
 ゲート絶縁膜16およびパッシベーション膜18・20は、例えば、CVD法によって形成された、酸化シリコン(SiOx)膜あるいは窒化シリコン(SiNx)膜またはこれらの積層膜によって構成することができる。有機層間膜21は、例えば、ポリイミド、アクリル等の塗布可能な感光性有機材料によって構成することができる。端子TMのエッジは有機層間膜21で覆われている。
[0016]
 発光素子層5(例えば、有機発光ダイオード層)は、有機層間膜21よりも上層に形成される第1電極22(例えば、アノード電極)と、第1電極22のエッジを覆う有機絶縁膜23と、第1電極22よりも上層に形成されるEL(electroluminescence)層24と、EL層24よりも上層に形成される第2電極25とを含む。第1電極22、EL層24、および第2電極25によって発光素子(例えば、有機発光ダイオード)が構成される。アクティブ領域DAの有機絶縁膜23は、サブピクセルを規定するバンク(画素隔壁)として機能する。
[0017]
 有機絶縁膜23は、例えば、ポリイミド、アクリル等の塗布可能な感光性有機材料によって構成することができる。有機絶縁膜23は、例えば、アクティブ領域DAおよび非アクティブ領域NAに対してインクジェット方式で塗布することができる。
[0018]
 非アクティブ領域NAには、アクティブ領域を取り囲むバンク状の凸体TKが設けられる。凸体TKは有機封止膜27(例えば、インクジェット方式で形成される膜)のエッジを規定する。凸体TKは、例えば、有機層間膜21および有機絶縁膜23の少なくとも一方を含むように構成される。
[0019]
 EL層24は、隔壁23cによって囲まれた領域(サブピクセル領域)に、蒸着法あるいはインクジェット法によって形成される。発光素子層5が有機発光ダイオード(OLED)層である場合、EL層24は、例えば、下層側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を積層することで構成される。なお、EL層24の1以上の層を(複数の画素で共有する)共通層とすることもできる。
[0020]
 第1電極(陽極)22は、例えばITO(Indium Tin Oxide)とAgを含む合金との積層によって構成され、光反射性を有する。第2電極(例えば、カソード電極)25は、共通電極であり、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zincum Oxide)等の透明金属で構成することができる。
[0021]
 発光素子層5がOLED層である場合、第1電極22および第2電極25間の駆動電流によって正孔と電子がEL層24内で再結合し、これによって生じたエキシトンが基底状態に落ちることによって、光が放出される。
[0022]
 発光素子層5は、OLED素子を構成する場合に限られず、無機発光ダイオードあるいは量子ドット発光ダイオードを構成してもよい。
[0023]
 封止層6は発光素子層5を覆い、水、酸素等の異物の発光素子層5への浸透を防ぐ。封止層6は、有機絶縁膜23および第2電極25を覆う第1無機封止膜26と、第1無機封止膜26よりも上層に形成され、バッファ膜として機能する有機封止膜27と、第1無機封止膜26および有機封止膜27を覆う第2無機封止膜28とを含む。
[0024]
 第1無機封止膜26および第2無機封止膜28はそれぞれ、例えば、マスクを用いたCVD法により形成される、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸窒化シリコン膜、またはこれらの積層膜で構成することができる。有機封止膜27は、第1無機封止膜26および第2無機封止膜28よりも厚い、透光性の有機絶縁膜であり、ポリイミド、アクリル等の塗布可能な感光性有機材料によって構成することができる。例えば、このような有機材料を含むインクを第1無機封止膜26上にインクジェット塗布した後、UV(Ultra Violet)照射により硬化させる。
[0025]
 機能フィルム39は、例えば、光学補償機能、タッチセンサ機能、保護機能等を有する。これらの1以上の機能を有する層が発光素子層5よりも上層に積層されている場合には、機能フィルム39を薄くしたり、除いたりすることもできる。電子回路基板は、例えば、複数の端子TM上に実装されるICチップあるいはフレキシブルプリント基板(FPC)である。
[0026]
 〔実施形態1〕
 図3は、本実施形態に係る吸着装置100、および吸着装置100に吸着された状態の下面フィルム10(対象物、基板)の上面図である。吸着装置100は、例えば後述する運搬装置90(図5参照)に備えられる。なお、吸着装置100は、下面フィルム10の他、例えば樹脂層12またはガラス基板50、あるいはそれらの組み合わせなどを対象物として吸着してもよい。
[0027]
 図3に示すように、吸着装置100は、16個の吸着部110、および4本の腕部120を備える。4本の腕部120は、平行かつ等間隔に配置されている。16個の吸着部110は、4本の腕部120のそれぞれに4個ずつ、等間隔に配置されている。したがって、吸着装置100において、吸着部110は、行方向および列方向のそれぞれに4つずつ配されている。ただし、吸着装置100における吸着部110および腕部120の数は、上記の例に限定されない。
[0028]
 また、それぞれの腕部120における吸着部110の間隔は、腕部120の間隔と等しい。したがって、吸着部110は、行方向および列方向のそれぞれにおいて、互いに等間隔に配されている。
[0029]
 本実施形態では、吸着部110は、直径40mmの円形である。ただし、吸着部110の形状は特に制限されない。例えば楕円形であってもよく、L字形状またはX字形状であってもよい。また、全ての吸着部110が同じ形状である必要はなく、場所によって異なる形状を有していてもよい。
[0030]
 吸着装置100は、後述するELデバイス製造装置70(図5参照)が備える、ELデバイス2を製造するための装置のステージ上に配された下面フィルム10を、鉛直方向における下方向から吸着する。具体的には、ステージには、予め吸着装置100の腕部120の数(図3では4本)に対応する数の溝が設けられている。下面フィルム10を吸着装置100により吸着する場合には、4本の腕部を溝に挿入し、下面フィルム10に吸着部110を接触させた状態で、吸着部110に接続されている吸着ポンプ(不図示)を駆動させる。その結果、下面フィルム10は、鉛直方向における下方向に吸着される。
[0031]
 図4は、吸着装置100が備える吸着部110の構造を示す断面図である。また、図4には、吸着装置100に吸着された下面フィルム10も示されている。図4に示すように、吸着部110は、吸着パッド111、および吸着パッド111を支持する枠体112を備える。枠体112の材料は特に限定されないが、例えば樹脂などであってよい。吸着装置100は、吸着パッド111を介して下面フィルム10を吸着する。
[0032]
 吸着パッド111は、多数の細孔111aを有する多孔質材料により形成されている。本実施形態では、多孔質材料はポリイミドを素材に含む。このため、吸着パッド111と下面フィルム10との密着性が向上する。
[0033]
 本実施形態では、細孔111aの平均孔径は、0.3μmである。ただし、細孔111aの平均孔径は0.3μmに限定されず、例えば100μm以下であればよく、1.0μm以下であることが好ましく、また0.1μm以上かつ0.5μm以下であることがさらに好ましい。また、吸着パッド111の気孔率は、例えば40%であってよい。また、吸着パッド111の開口率が30%以上かつ50%以下、例えば40%であれば、下面フィルム10を適切な吸着力で吸着することができるため好ましい。このような多孔質材料は市販されているため、本明細書では多孔質材料の製造方法については説明を省略する。
[0034]
 特許文献1に記載されているような、径の大きい孔部を有する多孔質材料を吸着パッドとして用いて、下面フィルム10のような可撓性を有する対象物を吸着した場合、吸着によって下面フィルム10が変形してダメージを受ける虞がある。下面フィルム10がダメージを受けることで、ELデバイス2の歩留まりが低下する。
[0035]
 本実施形態の吸着装置100では、吸着パッド111は平均孔径が0.3μmである多孔質材料で形成されている。このため、吸着パッド111は、下面フィルム10を、細孔111aという「点」ではなく、吸着パッド111全体という「面」で吸着することとなる。したがって、吸着装置100によれば、吸着による下面フィルム10の変形、および当該変形に起因する下面フィルム10へのダメージが抑制される。
[0036]
 また、本実施形態の吸着装置100は、複数の吸着パッド111を備え、複数の吸着パッド111によって下面フィルム10の複数の箇所を吸着する。具体的には、このため、ステージ上に配された下面フィルム10を下側から吸着する場合など、下面フィルム10の少なくとも一部に吸着パッド111を接触させられない場合においても下面フィルム10を吸着できる。
[0037]
 また、上述したとおり、吸着部110はELデバイス2の行方向および列方向に複数(上述した例では各4つ)配されているため、吸着パッド111もELデバイス2の行方向および列方向に複数配されている。したがって、下面フィルム10に複数のELデバイス2が行方向および列方向に複数形成される場合に、ELデバイス2との位置関係を考慮して(例えばアクティブ領域を避けるように)、吸着パッド111により下面フィルム10を吸着できる。
[0038]
 また、上述したとおり、吸着部110は等間隔に配されているため、吸着パッド111も等間隔に配されている。したがって、吸着装置100による下面フィルム10の吸着力が均等になり、下面フィルム10が吸着装置100から剥がれ落ちにくくなる。
[0039]
 また、吸着パッド111が下面フィルム10を吸着する吸着面は、鉛直方向において上方向を向いている。このため、上述したとおり、吸着装置100は、ステージ上に配された下面フィルム10を、鉛直方向における下方向から吸着することができる。
[0040]
 図5は、吸着装置100を備える運搬装置90を備えるELデバイス製造装置70の構成を示すブロック図である。図5に示すように、ELデバイス製造装置70は、運搬装置90と、コントローラ72とを含んでいる。コントローラ72は、運搬装置90、およびELデバイス2の製造に用いられる複数の装置(不図示)を制御する。
[0041]
 コントローラ72の制御を受けた複数の装置が、図1の(a)および(b)に示したステップS1~S5、S6a~S6d、S7~S9の処理を行うことで、ELデバイス製造装置70は、フレキシブルなELデバイス2を製造する。運搬装置90は、複数の装置の間で、下面フィルム10を含む運搬対象を吸着装置100により吸着して運搬する。したがって、ELデバイス製造装置70においては、ELデバイス2の製造工程での下面フィルム10などの運搬時に、当該下面フィルム10などの変形を抑制できる。
[0042]
 なお、吸着装置100は、ELデバイス以外の、柔軟性を有し、屈曲可能な発光素子を備えた表示パネルの製造装置に設けられてもよい。上記発光素子は、電流によって輝度および透過率が制御される発光素子である。電流制御の発光素子としては、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)を備えた有機EL(Electro Luminescence:エレクトロルミネッセンス)ディスプレイの他、無機発光ダイオードを備えた無機ELディスプレイ等のELディスプレイ、またはQLED(Quantum dot Light Emitting Diode:量子ドット発光ダイオード)を備えたQLEDディスプレイ等がある。
[0043]
 〔実施形態2〕
 上述したとおり、吸着装置100によれば、吸着による下面フィルム10の変形、および当該変形による下面フィルム10へのダメージが抑制される。しかし、吸着装置100が吸着する下面フィルム10の領域によっては、そのような抑制されたダメージであっても、ELデバイス2の歩留まりの低下をもたらす虞がある。
[0044]
 そこで、本実施形態の吸着装置100は、吸着部110のそれぞれについて、下面フィルム10を吸着する吸着力を個別に設定可能である。具体的には、例えば吸着部110のそれぞれと吸着ポンプとの間に、開度を調節可能なバルブが設けられてよい。または、吸着部110のそれぞれに、別個の吸着ポンプが接続されていてもよい。
[0045]
 本実施形態の吸着装置100によれば、下面フィルム10の、特に変形が好ましくない箇所については吸着しないことで、吸着による変形を発生させることなく下面フィルム10を吸着できる。具体的には、本実施形態の吸着装置100を備える運搬装置90を用いたELデバイス製造装置70においては、吸着パッド111は、ELデバイス2のアクティブ領域(表示部)に対応する下面フィルム10の領域を吸着しない。一方、吸着パッド111は、ELデバイス2の非アクティブ領域(非表示部)に対応する下面フィルム10の領域の、複数の箇所を吸着する。したがって、本実施形態のELデバイス製造装置70によれば、ELデバイス2のアクティブ領域に対応する下面フィルム10の領域において、吸着による変形をなくすことができる。または、本実施形態の吸着装置100は、下面フィルム10の領域ごとの、許容される変形の度合いに応じて、吸着パッド111ごとの吸着力を設定してもよい。
[0046]
 図6は、吸着パッド111ごとの、換言すれば吸着部110ごとの吸着力の設定の例を示す図である。図6に示す例においては、吸着装置100は、腕部120として、両端に位置する腕部120aと、内側に位置する腕部120bとを備える。腕部120bには、腕部120aに設けられた吸着部110(すなわち吸着パッド111)よりも多くの数の吸着部110が設けられている。また、吸着装置100は、吸着部110のそれぞれに設けられたバルブ(不図示)の開度を調節可能なコントローラ(不図示)を備える。
[0047]
 腕部120bに設けられた吸着部110の一部は、下面フィルム10のアクティブ領域RA(表示部)と重畳する。図6においては、アクティブ領域RAと重畳しない吸着部110を吸着部110a、アクティブ領域RAと重畳する吸着部110を吸着部110b、と示している。
[0048]
 この場合、例えば上記コントローラは、予め下面フィルム10のアクティブ領域RAの位置の情報を取得し、吸着部110bにおいてはバルブを閉じ、吸着部110bにおいてはバルブを開く。これにより、吸着部110bはアクティブ領域RAを吸着できないため、アクティブ領域RAには変形が生じない。一方で、吸着部110aはアクティブ領域RA以外の領域を吸着できるため、吸着装置100は下面フィルム10を吸着できる。
[0049]
 なお、このような例において、吸着装置100が有する腕部120の数は上記の例に限定されない。両端に位置する腕部120aと、内側に位置する腕部120bとで異なる数の吸着部110を設けることから、腕部120の数は3以上であればよい。また、内側に位置する腕部120bが有する吸着部110は、両端に位置する腕部120aが有する吸着部110よりも小さくてもよい。
[0050]
 また、下面フィルム10は、吸着パッド111が吸着する面とは逆の面である第1面と、当該第1面とは逆の第2面(すなわち吸着パッド111が吸着する面)とのどちらを加工されてもよい。第2面を加工される場合には、第2面の、吸着パッド111が吸着している箇所以外の箇所が加工対象となる。逆に言えば、下面フィルム10が第2面を加工される場合には、吸着装置100においては、吸着パッド111は下面フィルム10の加工対象となる領域を避けて吸着するように配される。
[0051]
 〔まとめ〕
 態様1の吸着装置は、1つ以上の吸着パッドを備え、対象物を、前記吸着パッドを介して吸着する吸着装置であって、前記吸着パッドは、平均孔径が1.0μm以下である多孔質材料で形成されている。
[0052]
 態様2では、複数の吸着パッドを備え、前記複数の吸着パッドによって前記対象物の複数の箇所を吸着する。
[0053]
 態様3では、前記複数の吸着パッドのそれぞれについて、前記対象物を吸着する吸着力を個別に設定可能である。
[0054]
 態様4では、前記複数の吸着パッドが等間隔に配されている。
[0055]
 態様5では、前記複数の吸着パッドが設けられる、3以上の腕部を備え、前記3以上の腕部のうち、内側に位置する腕部には、両端に位置する腕部に設けられた吸着パッドよりも多くの数の吸着パッドが設けられている。
[0056]
 態様6では、前記複数の吸着パッドが前記対象物を吸着する吸着面は、鉛直方向において上方向を向いている。
[0057]
 態様7では、前記平均孔径は、0.1μm以上、かつ0.5μm以下である。
[0058]
 態様8では、上記多孔質材料はポリイミドを素材に含む。
[0059]
 態様9では、上記多孔質材料の気孔率は30%以上かつ50%以下である。
[0060]
 態様10の運搬装置は、態様1から8のいずれかの吸着装置を備え、前記吸着装置により吸着した前記対象物を運搬する。
[0061]
 態様11のELデバイスの製造装置は、態様9に記載の運搬装置を備え、前記対象物がELデバイスの基板である。
[0062]
 態様12では、前記吸着パッドが前記ELデバイスの行方向および列方向のそれぞれに複数配されている。
[0063]
 態様13では、前記吸着パッドが前記ELデバイスの表示部に対応する前記対象物の領域を吸着せず、前記ELデバイスの非表示部に対応する前記対象物の領域の、複数の箇所を吸着する。
[0064]
 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

符号の説明

[0065]
 10 下面フィルム(対象物、基板)
 70 ELデバイス製造装置
 90 運搬装置
 100 吸着装置
 111 吸着パッド
 120、120a、120b 腕部
 RA アクティブ領域(表示部)

請求の範囲

[請求項1]
 1つ以上の吸着パッドを備え、対象物を、前記吸着パッドを介して吸着する吸着装置であって、
 前記吸着パッドは、平均孔径が1.0μm以下である多孔質材料で形成されている吸着装置。
[請求項2]
 複数の吸着パッドを備え、前記複数の吸着パッドによって前記対象物の複数の箇所を吸着する請求項1に記載の吸着装置。
[請求項3]
 前記複数の吸着パッドのそれぞれについて、前記対象物を吸着する吸着力を個別に設定可能である請求項2に記載の吸着装置。
[請求項4]
 前記複数の吸着パッドが等間隔に配されている請求項2または3に記載の吸着装置。
[請求項5]
 前記複数の吸着パッドが設けられる、3以上の腕部を備え、
 前記3以上の腕部のうち、内側に位置する腕部には、両端に位置する腕部に設けられた吸着パッドよりも多くの数の吸着パッドが設けられている請求項2から4のいずれか1項に記載の吸着装置。
[請求項6]
 前記吸着パッドが前記対象物を吸着する吸着面は、鉛直方向において上方向を向いている請求項1から5のいずれか1項に記載の吸着装置。
[請求項7]
 前記平均孔径は、0.1μm以上、かつ0.5μm以下である請求項1から6のいずれか1項に記載の吸着装置。
[請求項8]
 上記多孔質材料はポリイミドを素材に含む請求項1から7のいずれか1項に記載の吸着装置。
[請求項9]
 上記多孔質材料の気孔率は30%以上かつ50%以下である請求項1から8のいずれか1項に記載の吸着装置。
[請求項10]
 対象物を、吸着パッドを介して吸着する吸着方法であって、
 前記吸着パッドは、平均孔径が1.0μm以下である多孔質材料で形成されている吸着方法。
[請求項11]
 請求項1から9のいずれか1項に記載の吸着装置を備え、前記吸着装置により吸着した前記対象物を運搬する運搬装置。
[請求項12]
 請求項11に記載の運搬装置を備え、前記対象物がELデバイスの基板であるELデバイス製造装置。
[請求項13]
 前記吸着パッドが前記ELデバイスの行方向および列方向のそれぞれに複数配されている請求項12に記載のELデバイス製造装置。
[請求項14]
 前記吸着パッドが前記ELデバイスの表示部に対応する前記対象物の領域を吸着せず、前記ELデバイスの非表示部に対応する前記対象物の領域の、複数の箇所を吸着する請求項12または13に記載のELデバイス製造装置。
[請求項15]
 請求項11に記載の運搬装置によりELデバイスの基板を運搬する運搬工程を含むELデバイスの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]