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1. (WO2018163888) 非可逆回路素子およびその製造方法
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明 細 書

発明の名称 非可逆回路素子およびその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097  

符号の説明

0098  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

明 細 書

発明の名称 : 非可逆回路素子およびその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は非可逆回路素子およびその製造方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 一般に、マイクロ波増幅器およびマイクロ波発振器などのマイクロ波装置の回路基板には、アイソレータまたはサーキュレータなどの非可逆回路素子が実装されている。この種の非可逆回路素子の素子本体部は、マイクロ波装置の回路基板の小型化および軽量化に伴い、従来よりも簡易な構造で、組立性に優れ、かつ高信頼性であることが必要とされている。
[0003]
 従来より存在する組立性に優れた非可逆回路素子は、たとえば特開2007-306634号公報(特許文献1)に開示されている。特開2007-306634号公報の非可逆回路素子においては、磁性板の上に誘電体部品と永久磁石とを積み重ねたものが、その上方から保持具で押圧される。特開2007-306634号公報においては誘電体部品はその主表面に交差する方向に貫通する貫通孔を有し、その貫通孔の内部に磁性板が格納される。また同公報においては、打ち抜き加工された保持具の底面に永久磁石が格納される。このように同公報においては各部品が格納されることにより、各部品の配置される位置のずれを抑制できる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2007-306634号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特開2007-306634号公報の非可逆回路素子は、各部品が所望の位置に搭載できれば、高い位置精度を得ることができる構造である。しかし特開2007-306634号公報の非可逆回路素子においては、各部品を搭載する工程の最中に磁力の影響で各部品同士が反発力を及ぼしあい位置ずれすることがあるため、これを抑制するために各部品を保持する機構を備えた治具および設備を用いて搭載工程を行なう必要がある。すなわち特開2007-306634号公報においては、保持具(蓋)が、永久磁石の磁力線の経路を制御する磁気ヨークとしての役割を有しており、強磁性体の材料からなる。そして保持具を永久磁石の上に搭載する際には、両者の間に作用する磁力に打ち勝つことが可能な保持力を有する保持機構が必要となる。このため特開2007-306634号公報の非可逆回路素子を自動機で組み立てる際には工程が煩雑となり、設備構成が複雑となる課題がある。
[0006]
 本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各部品を固定する接着部位の品質が向上された非可逆回路素子、および複雑な構成を有さない自動機での組立が可能な非可逆回路素子の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明の非可逆回路素子は、磁性板と、誘電体部品と、永久磁石と、磁気ヨークと、回路基板とを備える。磁性板は一方および他方の主表面を有し、複数の入出力端子を有する。誘電体部品は磁性板の一方の主表面上に接続される。永久磁石は誘電体部品の磁性板と反対側に接続される。磁気ヨークは永久磁石の磁性板と反対側に接続される。回路基板は磁性板の他方の主表面側に接続され、複数の信号導体を有する。永久磁石は、複数の信号導体のそれぞれから複数の入出力端子のそれぞれへの電気信号の伝達を制御可能である。誘電体部品の永久磁石側の表面には、一方の主表面に沿う方向に延びる底面および底面に交差する厚み方向に延びる側面を有するキャビティが形成されている。永久磁石の少なくとも一部はキャビティ内に配置される。キャビティ内に配置される永久磁石の少なくとも一部の表面は、底面および側面の双方と、接着剤を介して固定されている。
[0008]
 本発明の非可逆回路素子の製造方法は、まず一方および他方の主表面を有し、複数の入出力端子を有する磁性板が形成される。磁性板の一方の主表面上に誘電体部品が接続される。誘電体部品の磁性板と反対側に永久磁石が接続される。永久磁石の磁性板と反対側に磁気ヨークが接続される。磁性板の他方の主表面側に、複数の信号導体を有する回路基板が接続される。誘電体部品の永久磁石が接続される側の表面には、一方の主表面に沿う方向に延びる底面および底面に交差する厚み方向に延びる側面を有するキャビティが形成される。永久磁石を接続する工程においては、永久磁石の少なくとも一部がキャビティ内に配置された状態で、キャビティ内に配置される永久磁石の少なくとも一部の表面が、底面および側面の双方と、接着剤を介して固定される。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、単純な構成および単純な低コストの工程により、永久磁石上への磁気ヨーク搭載時の反発力による位置ずれを抑制することができ、信頼性の高い単純構成の非可逆回路素子を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施の形態1の非可逆回路素子の構成を示す概略斜視図である。
[図2] 図1の実施の形態1の非可逆回路素子を上方から見た概略平面図である。
[図3] 実施の形態1の非可逆回路素子の構成を示す概略断面図である。
[図4] 図3中の磁性板の一方の主表面側を平面視した状態を示す概略平面図である。
[図5] 図3中の磁性板の他方の主表面側を平面視した状態を示す概略平面図である。
[図6] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第1工程を示す概略断面図である。
[図7] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第2工程を示す概略断面図である。
[図8] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第3工程を示す概略断面図である。
[図9] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第4工程を示す概略断面図である。
[図10] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第5工程を示す概略断面図である。
[図11] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第6工程を示す概略断面図である。
[図12] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第7工程を示す概略断面図である。
[図13] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第8工程を示す概略断面図である。
[図14] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第9工程を示す概略断面図である。
[図15] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第10工程を示す概略断面図である。
[図16] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第11工程を示す概略断面図である。
[図17] 実施の形態1の非可逆回路素子の製造方法の第12工程を示す概略断面図である。
[図18] 実施の形態2の非可逆回路素子の構成を示す概略断面図である。
[図19] 実施の形態1の誘電体部品(A)と、実施の形態2の誘電体部品(B)との外観態様を比較するための概略斜視図である。
[図20] 実施の形態3の非可逆回路素子の構成を示す概略断面図である。
[図21] 実施の形態1の非可逆回路素子に生じ得る不具合の態様を示す概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
 実施の形態1.
 まず本実施の形態の非可逆回路素子の構成について図1~図5を用いて説明する。図1は、本実施の形態の非可逆回路素子の斜視図である。図2は図1の非可逆回路素子を図1の上方から見た概略平面図である。図3は図2中に折れ線で示すIII-III線に沿う部分の概略断面図である。図4は図3の磁性板のみを図1および図3の上方から見た構成を示す概略平面図である。図5は図3の磁性板のみを図1および図3の下方から見た構成を示す概略平面図である。図1~図5を参照して、本実施の形態の非可逆回路素子100は、素子本体部100Aと、実装基板100Bとを有している。素子本体部100Aは、磁性板1と、誘電体部品3と、マグネット5と、磁気ヨーク7と、はんだバンプ9とを主に有しており、これらと後述の各部材とを有する構成となっている。実装基板100Bとしては、回路基板11が設けられており、この回路基板11に後述の各部材が設けられている。
[0012]
 次に素子本体部100Aの各部材および構成について説明する。磁性板1は、一方の主表面1Aおよび他方の主表面1Bを有している。一方の主表面1Aは図3の上側の主表面であり、他方の主表面1Bは一方の主表面1Aと反対側すなわち図3の下側の主表面である。磁性板1はたとえば、鉄を主成分とする金属材料、フェライト、または磁性粉と樹脂材料とを混合した複合磁性材料のいずれかによって形成されている。ただし上記の各材料の中でも磁性板1は特にフェライト系の材料により形成されることが好ましい。本実施の形態における磁性板1としては、高周波領域での磁気損失が小さい材料として知られる希土類ガーネット型フェライトが用いられる。
[0013]
 磁性板1は、たとえば平面視において矩形状または正方形状を有する平板形状すなわち直方体状であることが好ましい。たとえば本実施の形態の磁性板1は、平面視において縦5.0mm、横5.0mmの正方形状であり、厚みすなわち一方の主表面1Aと他方の主表面1Bとの距離が0.5mmである。
[0014]
 磁性板1の一方の主表面1A上には中心電極21が形成されている。中心電極21はたとえば平面視において円形状を有するように形成されており、中心電極21の円周から外側に延びるように配線23が形成されている。配線23は、中心電極21の平面視における中心から中心電極21の円形状の円周方向に関して120°ずつ離れた位置に合計3カ所設けられている。言い換えれば、中心電極21と3つの配線23のそれぞれとを結んでなる3本の中心電極21の径方向の直線同士のなす中心角が120°となるように、3つの配線23が配置されている。
[0015]
 磁性板1の他方の主表面1B上には、複数の入出力端子31と、接地用電極33とが形成されている。入出力端子31はたとえば概ね平面視において配線23と重なる位置にたとえば3つ形成されている。これにより複数の配線23のそれぞれは、複数の入出力端子31に接続されている。接地用電極33はたとえば概ね平面視において中心電極21と重なる位置に形成されている。接地用電極33はたとえば他方の主表面1B上の全面を覆うように形成されてもよいが、図3および以降の各断面図においては図を見やすくする観点からその一部にのみ接地用電極33が配置されるように図示されている。
[0016]
 また他方の主表面1B上には、入出力端子31および接地用電極33の表面を覆うように、ソルダレジスト35が形成される。ソルダレジスト35は、クロムなどの金属材料、またはエポキシ樹脂系の材料により形成されている。ただし本実施の形態においてはエポキシ樹脂系のソルダレジスト35が用いられる。
[0017]
 入出力端子31および接地用電極33がソルダレジスト35から露出した領域、すなわちソルダレジスト35に形成された開口部により露出した入出力端子31および接地用電極33は、パッド電極として形成される。
[0018]
 磁性板1に形成される中心電極21、配線23、入出力端子31および接地用電極33は、たとえば厚みが40μm以上70μm以下の銅箔により形成されることが好ましい。
[0019]
 磁性板1には、一方の主表面1Aから他方の主表面1bに達するスルーホール25が複数形成されている。スルーホール25は、たとえば一方の主表面1A上における配線23の一部と平面的に重なる領域から(図4参照)、他方の主表面1B上の入出力端子31に達するように延びている。スルーホール25の内壁面上には導電膜27が形成されている。導電膜27も配線23と同じ銅箔により形成されていてもよい。このため複数のスルーホール25は、磁性板1の一方の主表面1Aおよび他方の主表面1Bを接続する。ここでの接続とは電気的な接続を意味するが、導電膜27を介して一方の主表面1Aと他方の主表面1Bとが機械的に接続されているともいえる。これにより一方の主表面1A上の中心電極21、配線23と、他方の主表面1B上の入出力端子31、接地用電極33とを電気的に接続することができる。
[0020]
 以上の構成を有する磁性板1は、その内部においてマイクロ波を磁気共鳴させるための部材である。
[0021]
 誘電体部品3は、磁性板1の一方の主表面1Aの上、すなわち中心電極21および配線23よりも図3の上側に、シート接着剤13を介して接続されている。誘電体部品3を構成する材料としては、誘電損失の小さい材料が用いられることが好ましい。すなわち誘電体部品3は、たとえば、ポリイミドもしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような樹脂材料、またはアルミナのようなセラミックス材料のいずれかによって形成されている。本実施の形態においては、アルミナにより誘電体部品3が形成されている。
[0022]
 誘電体部品3はたとえば平面視において円形状を有するように形成されており、たとえばその最外部の直径は3.0mm以上であり、本実施の形態においては3.8mmとなっている。誘電体部品3は一方の主表面3Aおよび他方の主表面3Bを有している。一方の主表面3Aは図3の上側の主表面であり、他方の主表面3Bは一方の主表面3Aと反対側すなわち図3の下側の主表面である。誘電体部品3は基本的に柱状であるため、上記最外部の直径は、一方の主表面3Aから他方の主表面3Bまでほぼ一定の値となっている。
[0023]
 誘電体部品3には、一方の主表面3A、すなわち後述するマグネット5側の表面の一部、特に平面視における中央の部分に、他方の主表面3B側に凹んだキャビティ3Cが形成されている。キャビティ3Cは、一方の主表面3Aに沿う図3の左右方向に延びる内壁面としての底面3C1と、底面3C1に交差する厚み方向すなわち図3の上下方向に延びる内壁面としての側面3C2とを有している。誘電体部品3が平面視において円形状を有する場合、キャビティ3Cの底面3C1も平面視において円形状を有しており、底面3C1と側面3C2とからなるキャビティ3Cの全体は円柱状を有している。
[0024]
 キャビティ3Cの平面視における円形状の直径はたとえば3.0mmよりも大きく、本実施の形態においては3.2mmとなっている。またキャビティ3Cの底面3C1から他方の主表面3Bまでの、底面部分の厚みは、たとえば0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましく、本実施の形態においては0.3mmとしている。この部分の厚みにより、磁性板1と、キャビティ3Cの上のマグネット5との距離が決定され、磁性板1とマグネット5との距離は非可逆回路素子100の電気特性に影響する。この意味で上記のキャビティ3Cの底面部分の厚みは重要である。
[0025]
 次に、キャビティ3Cの側面3C2が図3の上下方向に延びる寸法、すなわち誘電体部品3全体の図3の上下方向の高さから上記の底面部分の厚みを差し引いた側面部分の高さ寸法は、後述のようにマグネット5がキャビティ3C内に収納可能な部分の高さ部分寸法に相当する。キャビティ3C内に収納されるマグネット5がその角部の面取り加工により上方に突出すること、およびシート接着剤13の貼り付け位置が図3の高さ方向にずれることなどを考慮すれば、キャビティ3Cの上記側面部分の高さは0.1mm以上とすることが好ましい。このようにすれば、キャビティ3C内においてマグネット5を安定に収納することができる。このキャビティ3Cの側面部分の高さは、マグネット5がキャビティ3C内に収納される姿勢の安定性に影響する。この意味で上記のキャビティ3Cの側面部分の高さは重要である。
[0026]
 またキャビティ3Cの側面3C2から誘電体部品3の最外部の側面(表面)までの、側面部分の厚みに対して、上記の側面部分の高さ寸法は2倍以下であることが好ましい。ここで上記側面部分の厚みとは、図3の左右方向に関する寸法、すなわち誘電体部品3の平面視における最外部の直径とキャビティ3Cの直径との差の半分を意味する。このようにすれば誘電体部品3の機械的強度を確保することができる。またキャビティ3Cの内壁面である側面3C2の表面積は、キャビティ3C内に収納される後述のマグネット5を平面視したときの面積すなわち底面積の1/20以上であることが好ましい。このようにすれば、シート接着剤13によるマグネット5の側面3C2への十分な接着強度を確保することができる。以上を踏まえて、本実施の形態においては、キャビティ3Cの上記側面部分の高さを0.3mmとしている。
[0027]
 次に、マグネット5はたとえば平面視において円形状を有するように形成されている。マグネット5の直径は、これをキャビティ3C内に挿入可能とする観点から、キャビティ3Cの平面視における円形状の直径よりも小さいたとえば3.0mmであり、その厚み(高さ方向の寸法)は1.0mmである。マグネット5も磁性板1と同様に、一方の主表面5A(図3の上側)とその反対側の他方の主表面5B(図3の下側)とを有している。またマグネット5の一方の主表面5Aと他方の主表面5Bとの間の領域はマグネット側面5Cとして形成されている。マグネット5は素子本体部100Aにおいて直流磁場を利用するために配置される、永久磁石としての部材である。マグネット5はたとえば、フェライト系の材料、サマリウム-コバルト系の材料、またはネオジウム-鉄-ボロン系の材料のいずれかによって形成されている。本実施の形態においては、キュリー温度が高く、かつ腐食耐性の高いサマリウム-コバルト系の材料によりマグネット5が形成されている。
[0028]
 マグネット5は誘電体部品3の磁性板1と反対側、すなわち図3の上側に、シート接着剤13を介して接続されている。より具体的には、マグネット5は誘電体部品3のキャビティ3C内にその少なくとも一部が収容されるように配置されている。すなわちマグネット5の少なくとも一部はキャビティ3C内に配置されている。マグネット5の他方の主表面5Bは、シート接着剤13を介して、キャビティ3C内の底面3C1に接続されている。またマグネット5の側面の少なくとも一部は、シート接着剤13を介して、キャビティ3C内の側面3C2に接続されている。したがってキャビティ3C内に配置されるマグネット5の少なくとも一部の表面は、キャビティ3Cの底面3C1および側面3C2の双方と、接着剤すなわちシート接着剤13を介して固定されている。したがってマグネット5は、シート接着剤13を介して、キャビティ3Cに嵌め込まれた状態となっている。
[0029]
 以上のようにキャビティ3Cの側面部分の高さが0.1mm以上であることが好ましく、マグネット5の高さ方向の寸法がたとえば1.0mmである。このためキャビティ3Cの側面部分の高さ寸法は、マグネット5の高さ方向の寸法の10%以上であることが好ましく、キャビティ3Cの側面部分の高さ寸法はマグネット5の高さ方向の寸法に等しくてもよい。つまりキャビティ3Cの側面部分の高さ寸法は、マグネット5の高さ方向の寸法の10%以上100%以下であることが好ましい。
[0030]
 マグネット5は、バイアス磁界を印加することにより、その下方に配置される、後述の回路基板11に形成された複数の信号導体のそれぞれから磁性板1の3つの入出力端子31のそれぞれへの電気信号の伝達を制御可能とする部材である。具体的には、たとえば3つの信号導体のうちの第1の信号導体から3つの入出力端子31のうちの第1の入出力端子31に入力された信号は、ほとんど減衰することなく、他の入出力端子31の1つである第2の入出力端子31に伝送されて、そこから第2の信号導体に出力される。一方、上記と異なる他の入出力端子31の1つである第3の入出力端子31には大きく減衰された信号が伝送され、大きく減衰された信号が第3の信号導体に出力される。このような動作をすることにより、マグネット5は、磁性板1の内部に1方向のみの磁界を与えたり、入出力端子から入力されたマイクロ波の伝達路を特定方向の入出力端子31へと回転変更させたりする機能を有している。
[0031]
 図1および図3に示すように、誘電体部品3は、平面視において複数のスルーホール25より内側において、たとえばシート接着剤13により磁性板1に接続されている。具体的には、平面視において複数(図2において3つ)のスルーホール25を滑らかに結ぶ曲線である、3つのスルーホール25を通る円形を考える。このとき誘電体部品3は、3つのスルーホール25を通る円形の内側に収まる位置に配置されている。同様にマグネット5も、平面視において複数のスルーホール25より内側に配置される。このようにすれば、中心電極21の全体にバイアス磁界を均一に印加することができる。なお本実施の形態においては、平面視におけるマグネット5の円形の中心と中心電極21の円形の中心とはほぼ同一の位置に配置される。しかしこのような態様に限らず、非可逆回路素子100の性能によっては平面視におけるマグネット5の円形の中心と中心電極21の円形の中心との位置がずれていてもよい。
[0032]
 磁気ヨーク7は、マグネット5の磁性板1と反対側、すなわち図3の上側に、シート接着剤13を介して接続されている。磁気ヨーク7は、磁力線の経路を制御する役割を有しており、電磁シールド効果のほかに、チップマウンタなどを用いて表面実装する際に、磁気の影響を抑制する効果を奏するための部材である。磁気ヨーク7も他の部材と同様に、一方の主表面7A(図3の上側)とその反対側の他方の主表面7B(図3の下側)とを有している。本実施の形態においては磁気ヨーク7は、基本的には強磁性体により構成されることが好ましく、たとえば円板形状のSUS430からなる部材が用いられている。また本実施の形態の磁気ヨーク7はたとえばその直径が4.0mmであり、その厚みは0.2mmである。なお磁気ヨーク7の形状は上記の円板形状に限らず、たとえば平面視において多角形状を有するものであってもよい。また磁気ヨーク7はマグネット5に接続されるものに限らず、たとえばマグネット5の一方の主表面5Aを覆い被せるキャップ形状のものであってもよい。
[0033]
 以上の磁性板1、誘電体部品3、マグネット5、磁気ヨーク7のそれぞれを互いに一体となるように接着する接着剤としてのシート接着剤13は、平板形状の部材である。シート接着剤13は、磁性板1、誘電体部品3、マグネット5および磁気ヨーク7の一方または他方の主表面と接合することにより、上記各部材同士を接着している。すなわちシート接着剤13は、磁性板1の一方の主表面1A(中心電極21)とその直上の誘電体部品3の他方の主表面3Bとに接着することにより、磁性板1と誘電体部品3とを接着している。ここではシート接着剤13の一方の主表面13Aが誘電体部品3の他方の主表面3Bに接着され、シート接着剤13の他方の主表面13Bが磁性板1の一方の主表面1A(中心電極21)に接着されている。
[0034]
 またシート接着剤13は、誘電体部品3の一方の主表面3A(キャビティ3Cの底面3C1)とその直上のマグネット5の他方の主表面5Bとに接着することにより、誘電体部品3とマグネット5とを接着している。ここではシート接着剤13の一方の主表面13Aがマグネット5の他方の主表面5Bに接着され、シート接着剤13の他方の主表面13Bが誘電体部品3の一方の主表面3A(キャビティ3Cの底面3C1および側面3C2)に接着されている。さらにシート接着剤13は、マグネット5の一方の主表面5Aとその直上の磁気ヨーク7の他方の主表面7Bとに接着することにより、マグネット5と磁気ヨーク7とを接着している。ここではシート接着剤13の一方の主表面13Aが磁気ヨーク7の他方の主表面7Bに接着され、シート接着剤13の他方の主表面13Bがマグネット5の一方の主表面5Aに接着されている。
[0035]
 シート接着剤13としては、熱硬化性接着剤または熱可塑性接着剤が用いられることが好ましい。被着体への濡れ性および熱膨張係数の差などを考慮して、上記の複数のシート接着剤13のそれぞれとして異なる品番のものが用いられてもよい。しかし本実施の形態ではすべてのシート接着剤13は同じ熱硬化性を有するエポキシ樹脂系の接着剤が用いられている。
[0036]
 各部材を接続する組立工程時のシート接着剤13の良好な接着性を確保する観点から、シート接着剤13は、粘着剤を主な構成成分とする熱可塑性樹脂により形成されることが好ましい。しかし熱可塑性樹脂は、表面実装用に用いるとなれば耐熱性が不足しているという問題点を有する。そこで本実施の形態においては、良好な接着性と耐熱性との双方を確保する観点から、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との双方を配合した材料よりなるシート接着剤13が用いられることが好ましい。
[0037]
 シート接着剤13の形状および寸法については、誘電体部品3のキャビティ3C内にマグネット5の少なくとも一部を収納するように配置し接着する際に、シート接着剤13を介してキャビティ3Cの内壁面である底面3C1および側面3C2とマグネット5とを接着固定可能とすることが要求される。この観点から、本実施の形態においては、たとえば上記の各部分のシート接着剤13は同一の形状すなわち円形の平面形状を有するものとし、その平面視における寸法は直径が3.6mmであり、厚みが0.1mmであるものを用いることができる。
[0038]
 なおシート接着剤13の厚みは誘電損失に影響するため、誘電体部品3の厚みを考慮して上記の厚みとしている。またシート接着剤13としては、各部材間を接着固定することが可能でありかつ接着固定された部材間の電気的な絶縁性を確保することが可能な任意の絶縁材料を用いることができる。たとえばシート接着剤13として、一液性接着剤または二液性接着剤が用いられてもよい。
[0039]
 このシート接着剤13により、磁性板1、誘電体部品3、マグネット5および磁気ヨーク7が一体となったものの図3における最下部、すなわち磁性板1の他方の主表面1B上に、複数のはんだバンプ9が接続されている。はんだバンプ9は、素子本体部100Aと実装基板100Bとを電気的に接続するために用いられる。はんだバンプ9は、図5に示すように、磁性板1の他方の主表面1B側(他方の主表面1B上)において、入出力端子31および接地用電極33がソルダレジスト35から露出したパッド電極の部分に接合される。これにより、磁性板1の端子および電極とはんだバンプ9とが電気的に接続される。
[0040]
 はんだバンプ9はたとえばスズと銀と銅との合金からなるはんだにより形成されることが好ましく、たとえばSn3.0Ag0.5Cuにより形成されることが好ましいが、この限りではない。またはんだバンプ9はたとえば球形状であり、その寸法は磁性板1と回路基板11との間の隙間を決定する重要な項目である。このためはんだバンプ9の寸法は磁性板1と回路基板11との間の電気特性、接続信頼性、およびはんだバンプ9を回路基板11上に搭載する作業の効率等を考慮して、たとえば直径を0.65mmとすることが好ましいが、これに限られない。
[0041]
 次に実装基板100Bとしての回路基板11は、たとえば平面視において矩形状を有する平板部材であり、他の部材と同様に、一方の主表面11A(図3の上側)とその反対側の他方の主表面11B(図3の下側)とを有している。回路基板11は、セラミック材料または樹脂材料からなることが好ましい。しかし本実施の形態においては、回路基板11としてはセラミック材料よりも誘電損失の低い樹脂製のプリント基板が用いられている。これにより回路基板11の高周波特性の向上と製造コストの低減とを両立させることができる。なお回路基板11の外形寸法は、たとえば平面視において縦50mm、横50mmの正方形状であり、厚みすなわち一方の主表面11Aと他方の主表面11Bとの距離が1.7mmである。
[0042]
 回路基板11には、複数の信号導体としてのパッド電極41と、回路基板中央電極43とが形成されている。すなわち回路基板11の一方の主表面11A上には、複数の信号導体としてのパッド電極41と、回路基板中央電極43とが形成されている。このうちパッド電極41は、図示されないが、一方の主表面11Aの平面視において、その中央部を中心に一方の主表面11A上に描いた仮想の円形の円周方向に関して120°ずつ離れた位置に合計3カ所設けられている。言い換えれば、パッド電極41は磁性板1の配線23と平面的に重なる方向に、3つ配置されている。また回路基板中央電極43は、磁性板1の接地用電極33と平面的に重なる位置の一部に、互いに間隔をあけて複数設けられている。
[0043]
 一方の主表面11A上においては、磁性板1の他方の主表面1B上と同様に、パッド電極41と回路基板中央電極43との表面を覆うようにソルダレジスト35が形成される。ただしソルダレジスト35は、パッド電極41と回路基板中央電極43と重なる部分に開口部が形成されているためパッド電極41および回路基板中央電極43はソルダレジスト35から露出している。
[0044]
 この露出したパッド電極41および回路基板中央電極43がはんだバンプ9と接合されている。これにより、磁性板1と回路基板11とが電気的に接続される。具体的には、回路基板11のパッド電極41と、磁性板1の複数の入出力端子31および接地用電極33とは電気的に接続されている。ここでパッド電極41と複数の入出力端子31および接地用電極33との電気的な接続は、はんだバンプ9またはシート接着剤13などによりなされるが、他の接続手段が用いられてもよい。このようにはんだバンプ9を用いた素子本体部100Aと実装基板100Bとの接続形式はBGA(Ball Grid Array)と呼ばれる。互いに接続される磁性板1と回路基板11との間の熱膨張係数の差が大きいため、BGAを用いることにより、磁性板1と回路基板11との間の熱応力を低減することができる。
[0045]
 なおソルダレジスト35の上記開口部であるパッド電極41および回路基板中央電極43の表面上には、厚みが3μm以上5μm以下のニッケルのめっき膜と、厚みが0.02μm以上0.05μm以下の金のめっき膜とが積層されたものが形成されている。このめっき膜は、パッド電極41などの酸化防止およびその上へのはんだバンプ9の濡れ性を向上させるためのものである。磁性板1の入出力端子31および接地用電極33の表面上にもこのようなニッケルと金とのめっき膜が形成されていてもよい。
[0046]
 その他、回路基板11の他方の主表面5B上には、たとえばその全面を覆うように裏面電極51が形成されている。回路基板11には一方の主表面5A上の回路基板中央電極43から他方の主表面5B上の裏面電極51に達するスルーホール53が形成されており、スルーホール53を充填するように導電膜55が形成されている。
[0047]
 回路基板11に形成されるパッド電極41、回路基板中央電極43および裏面電極51は、たとえば厚みが40μm以上70μm以下の銅箔により形成されることが好ましい。また導電膜55についても回路基板中央電極43と同じ銅箔により形成されていてもよい。
[0048]
 以上のように、はんだバンプ9により、素子本体部100Aが、実装基板100Bとしての回路基板11の一方の主表面5A上に実装され、非可逆回路素子100が形成される。逆に言えば、磁性板1の他方の主表面1B上(他方の主表面1B側)に、はんだバンプ9を介して、回路基板11が接続されている。
[0049]
 次に図6~図17を用いて、本実施の形態の非可逆回路素子100の製造方法について説明する。
[0050]
 図6を参照して、一方の主表面1Aおよびこれと反対側の他方の主表面1Bを有する磁性板1が準備される。この磁性板1に、一方の主表面1Aから他方の主表面1Bに達するスルーホール25が形成される。スルーホール25の形成においては、一般公知のサンドブラスト加工またはレーザ加工などが用いられる。本実施の形態においては、加工コストを低減する観点から、サンドブラスト加工が用いられることが好ましい。
[0051]
 一方の主表面1A上には中心電極21および配線23が、他方の主表面1B上には複数の入出力端子31および接地用電極33が形成される。これらは一般公知のスクリーン印刷法、スパッタリング法、蒸着法およびめっき法から選択されるいずれかの方法により形成されることが好ましい。本実施の形態においては、たとえばまず磁性板1の母材の一方の主表面1Aおよび他方の主表面1B上に、電解めっき法により、3μm以上5μm以下の銅の薄膜が形成され、その表面上には厚みが1μm以上2μm以下のニッケルのめっき膜と、厚みが0.02μm以上0.05μm以下の金のめっき膜とが積層されたものが形成される。ニッケルおよび金のめっき膜は、銅の薄膜の酸化防止およびはんだの濡れ性向上のために形成される。これらの膜を形成することにより、スルーホール25の内壁面に導電膜27が形成されてもよい。
[0052]
 形成された膜が一般公知の写真製版技術等の手法によりパターニングされる。その後、他方の主表面1B上には、入出力端子31および接地用電極33を覆うように、ソルダレジスト35が形成される。ただし入出力端子31および接地用電極33を露出させたい領域におけるソルダレジスト35は、開口部が形成されるように形成される。ソルダレジスト35は、クロムなどのはんだが濡れにくい金属材料を形成する場合には、スパッタリング法または蒸着法により形成され、エポキシ樹脂系の材料を形成する場合にはスクリーン印刷法により形成されることが好ましい。なお本実施の形態においてはエポキシ樹脂系のソルダレジスト35がスクリーン印刷法により形成される。
[0053]
 このようにして形成された磁性板1が、ホットプレート101の一方の主表面上に載置される。たとえば他方の主表面1B側のソルダレジスト35がホットプレート101に接触するように、磁性板1がホットプレート101の上に載置される。
[0054]
 図7を参照して、ホットプレート101の上に載置された磁性板1を加温し、磁性板1の表面温度が高い状態で安定した後、シート接着剤13が磁性板1のたとえば中心電極21上に貼り付けられる。シート接着剤13は、あらかじめ材料メーカからロール形状で供給されたものが、金型などにより個片化されたものが用いられる。
[0055]
 一般的なシート接着剤13は、接着剤の初期接着性であるタック性がその温度に依存している。これにより、シート接着剤13は優れたハンドリング性と接着性との双方を有している。具体的には、本実施の形態のシート接着剤13は、室温においてはタック性が低くハンドリング性に優れている。しかし室温下でのシート接着剤13は、シワが生じないように磁性板1上に接着させるためには柔軟性が不十分である。そこでシート接着剤13を磁性板1上に貼り付ける際には、シート接着剤13が40℃以上80℃以下に加温されることにより軟化されることが好ましい。このようにすれば、シート接着剤13の被着体に対する濡れ性が向上して、高い接着強度を得ることができる。
[0056]
 なおシート接着剤13を磁性板1上にしわが生じないように接着させる観点から、ゴム製のローラ113を用いてシート接着剤13を磁性板1上で加圧させることが好ましい。このようにすれば、ローラ103の加圧力によりシート接着剤13の磁性板1上での濡れ性がさらに向上するとともに、シート接着剤13と磁性板1(中心電極21)との間の領域への気泡の介入を抑制することができる。本実施の形態においては、シリコーン系であり硬度が60のゴム製のローラ103を用いて、0.3MPa以上1.0MPa以下の圧力を加えながら、図の左右方向に沿って10mm/s以上100mm/s以下の速度でこれを回転移動させることが好ましい。
[0057]
 また、シート接着剤13上にローラ113を転がす際にローラ113がシート接着剤13に接着する不具合を排除する観点から、シート接着剤13には剥離フィルム112が貼り付けられていることが好ましい。つまりシート接着剤13は中心電極21に密着するように貼り付けられ、そのシート接着剤13と一体の剥離フィルム112は図7におけるシート接着剤13の上側に配置される。ローラ113は剥離フィルム112と接触するようにシート接着剤13上を転がりこれを加圧するため、その加圧によりシート接着剤13と密着しない。
[0058]
 なおヒータが付属されたローラ113を用いれば、シート接着剤13の図7の上側と下側との領域の温度差を小さくできるため、より好ましい。
[0059]
 図示されないが、上記のローラ113によるシート接着剤13の磁性板1上への加圧接着が終了した後、剥離フィルム112は剥がされシート接着剤13が露出する状態とされ、磁性板1はホットプレート101の上から除去され保管される。
[0060]
 次に、図8を参照して、ホットプレート101の上にマグネット5が載置される。ここでは最終的に形成される非可逆回路素子100において上側に配置される一方の主表面5Aが下側に配置されホットプレート101に接触するように、マグネット5がホットプレート101の上に載置される。そして図7と同様にマグネット5が加温された後、他方の主表面5B上にシート接着剤13が貼り付けられ、付属の剥離フィルム112上からローラ113により加圧される。なおこのとき、マグネット5が磁力の影響で動かないように、強磁性体などの支持板にマグネット5を固定した状態で上記処理がなされてもよい。図示されないが、上記加圧工程の終了後、剥離フィルム112は剥がされマグネット5はホットプレート101の上から除去され保管される。
[0061]
 次に、図9を参照して、ホットプレート101の上に磁気ヨーク7が載置される。ここでも図8と同様に、一方の主表面7Aが下側に配置されホットプレート101に接触するように載置される。そして図7,6と同様のローラ113を用いた手順により、他方の主表面7B上にシート接着剤13が貼り付けられる。
[0062]
 次の図10~図13の各図においては、(A)が専用トレイ114に部材が設置される工程を示し、(B)が当該部材が実際に組立ステージ116に組み上げられる工程を示している。図10~図13を参照して、専用トレイ114と吸着ノズル115と組立ステージ116とを有するチップマウンタを用いて、磁性板1と誘電体部品3とマグネット5と磁気ヨーク7とが組み立てられる。すなわち図10(A)に示すように磁性板1が専用トレイ114に収容される。他の部材も同様に、図11(A)に示すように誘電体部品3が、図12(A)に示すようにマグネット5が、図13(A)に示すように磁気ヨーク7が、それぞれ専用トレイ114に収容される。ここではすべて、最終的に形成される非可逆回路素子100において上側に配置される一方の主表面1A,3A,5A,7Aが上側となるように配置される。このためマグネット5と磁気ヨーク7とにおいては、シート接着剤13が専用トレイ114に接触するように載置されることとなる。
[0063]
 このとき、マグネット5と磁気ヨーク7とに貼り付けられたシート接着剤13が専用トレイ114と固着すると、マグネット5などの部品をピックアップすることが困難となる。このような不具合を抑制する観点から、専用トレイ114にはシート接着剤13と接触する箇所に逃がし用の掘り込み構造が設けられるか、表面処理によりシート接着剤13との固着を抑制する処理がなされていることが好ましい。ここでの表面処理として、たとえばサンドブラスト加工のように表面を物理的に粗くする処理が施されてもよい。あるいは表面処理として、当該表面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのように離形作用のある材質が使用されてもよい。なお図12(A)のマグネット5に関しては、磁力の影響で専用トレイ114に収容された複数のマグネット5同士が磁力を及ぼしあうことを抑制する観点から、十分に部品間ピッチを設けることが可能な専用トレイ114が用いられることが好ましい。
[0064]
 次に、たとえば図10(A)に示すように、チップマウンタを構成する吸着ノズル115により、磁性板1が専用トレイ114から吸い上げられ、図10(B)に示すように組立ステージ116の上に搭載される。組立ステージ116は平板形状であり、その一方(上側)の主表面から他方(下側)の主表面に達する貫通孔状の真空吸着部116Cを有している。すなわち組立ステージ116は真空吸着部116Cの下方からの吸引力により、その真上に載置された物を組立ステージ116に吸着することが可能な構成を有している。したがって組立ステージ116上に載置された磁性板1は、その真下の真空吸着部116Cにより、組立ステージ116に吸着されることで固定される。
[0065]
 次に、図11(A)に示すように、吸着ノズル115により、誘電体部品3が専用トレイ114から吸い上げられ、図11(B)に示すように、組立ステージ116に固定された磁性板1のシート接着剤13の中心部の上に搭載される。これにより、磁性板1の一方の主表面1A上に誘電体部品3が接続される。
[0066]
 誘電体部品3は、上記のように、後述するマグネット5が接続される側(上側)の表面である一方の主表面3Aの一部に、底面3C1と側面3C2とを有するキャビティ3Cが形成されている。そして誘電体部品3の下側の他方の主表面3Bが、磁性板1のシート接着剤13に接触するように、誘電体部品3が搭載され磁性板1と接続される。
[0067]
 なおこのとき、シート接着剤13と誘電体部品3との濡れ性を向上させるため、吸着ノズル115の下降高さを適切な数値に設定して、たとえば誘電体部品3がシート接着剤13と接着する際の下方への加圧力が0.3MPa以上1.0MPa以下となるように制御されることが好ましい。また図11(B)において吸着ノズル115が下降可能な最下部に達したところで、すなわち誘電体部品3が最下部すなわち磁性板1のシート接着剤13上に達したところで、1秒以上10秒以下の停止時間が設けられることが好ましい。この停止時間は、シート接着剤13と誘電体部品3とが仮固定されるために十分な待機時間である。
[0068]
 次に、図12(A)に示す専用トレイ114からマグネット5およびシート接着剤13が吸い上げられ、図12(B)に示すように、組立ステージ116上の、磁性板1に接続された誘電体部品3のキャビティ3C内に収納されるように配置される。このとき、マグネット5の他方の主表面5Bに接着されたシート接着剤13が、キャビティ3Cの底面3C1に接着することにより、誘電体部品3は底面3C1に接続される。これにより、誘電体部品3の磁性板1と反対側すなわち図12の上側に、マグネット5が接続される。なお図示されないがこの工程においては、図10および図11と同様の吸着ノズル115により、マグネット5が専用トレイ114から吸い上げられ、誘電体部品3のキャビティ3C内に収納される。
[0069]
 より詳しくは、図12(B)の工程においては、マグネット5の少なくとも一部がキャビティ3C内に配置された状態で、当該キャビティ3C内に配置されるマグネット5の少なくとも一部の表面が、底面3C1および側面3C2の双方と、シート接着剤13を介して固定される。なお上記のマグネット5の少なくとも一部とは、たとえば図12(A)のマグネット5のうち特に他方の主表面5Bに比較的近い領域を意味する。つまりこのシート接着剤13は、キャビティ3Cの内壁面である底面3C1および側面3C2の双方に接着しながら、マグネット5の他方の主表面5B、およびマグネット側面5Cの特に比較的下方の領域と接着する態様とされる。これによりシート接着剤13は、マグネット5と誘電体部品3(キャビティ3C)とを接続している。
[0070]
 図12(B)の工程においては、マグネット5の他方の主表面5Bに貼り付けられるシート接着剤13が誘電体部品3のキャビティ3Cの内壁面に引っかかってシート接着剤13が損傷しないようにすることが好ましい。この観点から、マグネット5を誘電体部品3側へ搬送する図示されない吸着ノズル115の、キャビティ3C内へマグネット5を収納するための下降速度を十分に遅くする必要があり、特に0.1mm/s以上1mm/s以下とすることが好ましい。
[0071]
 ただし上記の下降速度とすれば、シート接着剤13の損傷を抑制することができる反面、マグネット5の設置に長時間を要するために生産性が低下する。このため生産性の低下を防ぐ観点からは、チップマウンタにおける吸着ノズル115の高さ方向の配置位置に応じた2段階制御モードなどを利用することが好ましい。すなわち、マグネット5が誘電体部品3から比較的離れた上方の領域にあるときにはこれをたとえば100mm/sの高速動作で下方へ移動させ、誘電体部品3にマグネット5が挿入される動作時にはこれを低速で動作させるようにその速度が切り換えられることが好ましい。
[0072]
 次に、図13(A)に示す専用トレイから、図12の工程と同様に、磁気ヨーク7およびシート接着剤13が吸い上げられ、図13(B)に示すように、これらが組立ステージ116上のマグネット5の一方の主表面5A上に載置される。つまりマグネット5の磁性板1と反対側すなわち図12の上側に、シート接着剤13を介して磁気ヨーク7が接続される。この工程の詳細な手順は図12の工程と基本的に同様である。この磁気ヨーク7の接続工程においては、マグネット5の少なくとも一部の表面がキャビティ3Cの底面3C1および側面3C2の双方とシート接着剤13を介して固定された状態が保たれながらなされる。すなわちキャビティ3Cの底面3C1にマグネット5の他方の主表面5Bが、側面3C2にマグネット5のマグネット側面5Cの少なくとも一部が、シート接着剤13を介して固定された状態で、磁気ヨーク7がマグネット5の一方の主表面5A上に接続される。
[0073]
 なお以上の各部品を組み立てる順序は上記の限りではない。たとえばマグネット5と誘電体部品3とを最初に組み立てた後に、それを磁性板1の上に接続し、その後にマグネット5の一方の主表面5A上に磁気ヨーク7を接続する順序であってもよい。
[0074]
 図14を参照して、図13の工程により磁性板1、誘電体部品3、マグネット5および磁気ヨーク7が一体となった後に、加圧クリップ117などを用いて、磁気ヨーク7の一方の主表面7A上から図の矢印のように下方に圧力を加える。この圧力は0.3MPa以上3.0MPa以下とすることが好ましい。このような圧力を加えた状態で、図14に示す系全体がオーブンの内部に投入され、たとえば200℃で15分間加熱される。これによりシート接着剤13が硬化される。
[0075]
 次の図15および図16においては、磁性板1、誘電体部品3、マグネット5、磁気ヨーク7およびシート接着剤13が上下反転されて図示されている。図15および図16を参照して、次に、磁性板1の他方の主表面1B上にはんだバンプ9が接続される。具体的には、図15を参照して、たとえば磁性板1の上下を反転させ、磁性板1の他方の主表面1B上の、特にソルダレジスト35の開口部においてソルダレジスト35から露出された入出力端子31および接地用電極33(パッド電極)の表面上に、フラックス118が供給される。
[0076]
 フラックス118は、メタルの薄膜が形成された印刷用のマスクを用いた一般公知のスクリーン印刷法により供給されることが好ましい。フラックス118としては、非活性ロジン系の無洗浄タイプのフラックスが用いられることが好ましい。ウレタン製のスキージなどで印刷用のマスクに供給されたフラックス118を刷きながら、入出力端子31および接地用電極33(パッド電極)の表面上に、フラックス118が供給される。
[0077]
 図16を参照して、次に図15の工程にてパッド電極上に供給されたフラックス118の上に、はんだバンプ9が載置される。はんだバンプ9を搭載する方法としては、たとえばはんだバンプ9をマウンタなどに吸着させてフラックス118の上まで運搬する方法が用いられる。あるいはメタルの薄膜が形成されたマスク上にセットされることによりそのマスク上からはみ出たはんだバンプ9の部分が、ウレタン製のスキージなどで掻き取られることにより、磁性板1の他方の主表面1B上のソルダレジスト35の開口部にそのはんだバンプ9を供給する方法が用いられてもよい。後者のようにすれば、簡易な治具を用いて容易に作業を行なうことができる。
[0078]
 その後、リフロー炉内にて加熱しはんだ付けすることにより、はんだバンプ9が、他方の主表面1B上のソルダレジスト35の開口部における入出力端子31および接地用電極33に接続される。以上により、素子本体部100Aが形成される。
[0079]
 図17を参照して、上記の素子本体部100Aを実装するための実装基板100Bとしての回路基板11が準備される。回路基板11は、一方の主表面11A上にパッド電極41および回路基板中央電極43が、他方の主表面11B上に裏面電極51が、基板内にスルーホール53および導電膜55が、それぞれ形成されている。また上記の他方の主表面1B上に形成されるソルダレジスト35およびフラックス118と同様に一般公知のスクリーン印刷法により、回路基板11の一方の主表面11A上にはソルダレジスト35のパターンが形成される。このソルダレジスト35は、はんだバンプ9の接続される部分において開口部を有し、パッド電極41および回路基板中央電極43が露出するように形成される。露出されたパッド電極41および回路基板中央電極43の表面上には、図示されないがソルダペーストの薄膜が印刷形成される。
[0080]
 図16にて形成された素子本体部100Aの全体の上下を再度反転させ、磁性板1に接続されたはんだバンプ9が、ソルダレジスト35が開口しパッド電極41および回路基板中央電極43が露出する領域に接触するように載置される。この状態で、リフロー炉内にて加熱しはんだ付けすることにより、はんだバンプ9が、回路基板11のパッド電極41および回路基板中央電極43に接続される。以上により、実装基板100B上に素子本体部100Aが接続すなわち実装される。
[0081]
 以上の図15~図17の工程により、磁性板1の他方の主表面1B側に、はんだバンプ9を介して、複数の信号導体としてのパッド電極41を有する回路基板11が接続される。
[0082]
 図17を再度参照して、上記のように、キャビティ3Cの側面部分の高さ寸法h1は、マグネット5の高さ方向の寸法Hの10%以上であることが好ましく、キャビティ3Cの側面部分の高さ寸法h1はマグネット5の高さ方向の寸法Hに等しくてもよい。つまりキャビティ3Cの側面部分の高さ寸法h1は、マグネット5の高さ方向の寸法Hの10%以上100%以下であることが好ましい。本実施の形態においては上記h1を0.3mmとし、上記Hを1.0mmとしている。またキャビティ3Cの側面3C2から誘電体部品3の最外部の側面(表面)までの、側面部分の厚みrに対して、上記の側面部分の高さ寸法h1は2倍以下であることが好ましく、本実施の形態においては上記rを0.3mmとしている。さらに、キャビティ3Cの底面3C1から他方の主表面3Bまでの、底面部分の厚みh2は、たとえば0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましく、本実施の形態においてはh2を0.3mmとしている。
[0083]
 以上の各工程により図3に示す態様の非可逆回路素子100を形成することができる。
 次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
[0084]
 本実施の形態の非可逆回路素子100の製造方法においては、誘電体部品3の上側表面に形成されたキャビティ3C内にマグネット5の少なくとも一部が配置された状態で、そのマグネット5の他方の主表面5Bおよびマグネット側面5Cの一部が、シート接着剤13を介してキャビティ3Cと固定される。このため、その後になされる磁気ヨーク7の接続工程時においては、磁気ヨーク7が接続されるマグネット5の他方の主表面5Bはキャビティ3Cの底面3C1に、マグネット側面5Cの一部はキャビティ3Cの側面3C2に、シート接着剤13を介して固定された状態が保たれている。その結果、本実施の形態の非可逆回路素子100においては、キャビティ3Cが形成されており、マグネット5の少なくとも一部がキャビティ3C内に収納され接続されるように配置されている。
[0085]
 すなわち本実施の形態の非可逆回路素子100の製造方法においては、キャビティ3C内へのマグネット5の接続工程により、マグネット5の誘電体部品3に対する保持姿勢が安定する。この保持姿勢が安定した状態で、マグネット5上に磁気ヨーク7が接続される。このため図13(A)から図13(B)に移行する、磁気ヨーク7をマグネット5の上に搭載する動作の最中に、磁力によってマグネット5が反発するように位置ずれすることを防止することができ、組立作業性を向上させることができる。すなわち複雑な設備構成を採用することなく、キャビティ3Cを誘電体部品3に設けただけの単純な設備構成により、自動機を用いて簡単に、安定に非可逆回路素子100の素子本体部100Aを組み立てることができる。
[0086]
 なお本実施の形態においては、キャビティ3Cを誘電体部品3に形成することにより、キャビティ3Cの底面3C1が対向する上下方向、および側面3C2が対向する左右方向の双方からマグネット5を固定することができる。このためにマグネット5の固定状態の信頼性をより高めることができる。キャビティ3Cの側面3C2でマグネット5を平面視にて1周するように接着固定することができるため、当該接着面に応力集中する可能性を低減することができ、当該接着面からの界面剥離の進行を抑制することができる。このことからも、当該接続部分の信頼性を向上させることができる。
[0087]
 実施の形態2.
 図18を参照して、本実施の形態の非可逆回路素子200は、基本的に実施の形態1の非可逆回路素子100と同様の構成を有している。このため非可逆回路素子200について、非可逆回路素子100と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。ただし本実施の形態の非可逆回路素子200においては、誘電体部品3に形成されるキャビティ3Cの側面3C2は、平面視におけるマグネット5の周囲の一部において欠損部を含んでいる。
[0088]
 すなわち図19(A)を参照して、たとえば実施の形態1の非可逆回路素子100を構成する誘電体部品3は、キャビティ3Cの側面3C2が、ここに収納されるマグネット5の平面視における周囲を全周(1周)分囲むように設けられている。これに対し、図19(B)を参照して、たとえば本実施の形態の非可逆回路素子200を構成する誘電体部品3は、キャビティ3Cの側面3C2が、ここに収納されるマグネット5の平面視における周囲の全周分囲むのではなく、その一部分のみを囲み、他の一部分においては欠損部3Dとしてマグネット側面5Cがそこから外部に向けて露出する態様となっている。この点において本実施の形態は、実施の形態1と異なっている。
[0089]
 次に本実施の形態の作用効果について説明する。たとえばキャビティ3C内にマグネット5を接続するために貼り付けられるシート接着剤13には、気泡が残存する場合がある。仮にこのように気泡が残存したシート接着剤13を用いて誘電体部品3とマグネット5とが接続されれば、誘電体部品3とマグネット5との間の領域に気泡が噛み込まれ、それによりマグネット5が、たとえば本来マグネット側面5Cが延在すべき鉛直方向に対して傾斜した状態で接続される可能性がある。このようなマグネット側面5Cの傾きは、非可逆回路素子の電気特性に影響を及ぼすため、可能な限りこれは鉛直方向に延びるように搭載されることが好ましい。そこで本実施の形態のようにキャビティ3Cの側面3C2が部分的に欠損部3Dを含む構成とすることにより、接着時に欠損部3Dから当該シート接着剤13内の気泡を外部に排出させることができる。その結果、非可逆回路素子200の電気特性を安定させ、その品質を向上させることができる。
[0090]
 なおキャビティ3Cの欠損部3Dは、その平面視における円形状の周方向(1周分)の寸法に対する寸法Lが、全周の10%以上70%以下であることが好ましい。欠損部3Dを全周の10%以上の寸法分形成することにより、上記のように当該欠損部3Dからのスムーズな気泡の排出が可能となる。また欠損部3Dを全周の70%以下の寸法分とすることにより、側面3C2とマグネット5との固着による位置ずれ防止の効果を奏するうえで最低限必要な、当該固着部の側面積を確保することができる。
[0091]
 実施の形態3.
 図20を参照して、本実施の形態の非可逆回路素子300は、基本的に実施の形態1の非可逆回路素子100と同様の構成を有している。このため非可逆回路素子300について、非可逆回路素子100と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。ただし本実施の形態の非可逆回路素子300においては、誘電体部品3が、マグネット5側すなわち図の上側の、磁性板1の一方の主表面1Aに沿う左右方向に関する寸法D1よりも、磁性板1側すなわち図の下側の、一方の主表面1Aに沿う左右方向に関する寸法D2の方が大きくなっている。つまり本実施の形態の非可逆回路素子300においては、誘電体部品3の一方の主表面3A側すなわち最上部の水平方向の幅D1よりも、誘電体部品3の他方の主表面3B側すなわち最下部の水平方向の幅D2の方が大きくなっている。
[0092]
 すなわちたとえば実施の形態1の非可逆回路素子100を構成する誘電体部品3は、一方の主表面3Aから他方の主表面3Bまでその水平方向の幅がほとんど変化しない円柱形状を有している。これに対し本実施の形態の非可逆回路素子300を構成する誘電体部品3は、一方の主表面3A側から他方の主表面3B側に向けてその水平方向の幅が漸次増加する円錐形状を有している。この点において本実施の形態は、実施の形態1と異なっている。
[0093]
 次に本実施の形態の作用効果について説明する。図21を参照して、たとえば実施の形態1の非可逆回路素子100のように誘電体部品3が円柱形状を有する場合には、マグネット5の一方の主表面5A上に磁気ヨーク7を搭載する工程(図13(B)参照)において、キャビティ3Cによりマグネット5の誘電体部品3からの脱落を抑制する効果を奏するのは上記のとおりである。しかし実施の形態1の非可逆回路素子100においては、図21に示すマグネット5が固定された誘電体部品3が、磁性板1の一方の主表面1Aから脱落する不具合を起こす可能性がある。この点では、実施の形態1の非可逆回路素子100は、誘電体部品3の磁性板1に対する接着力をより高める余地があるといえる。
[0094]
 そこで本実施の形態の非可逆回路素子300の構成とすることにより、非可逆回路素子100に比べて、誘電体部品3の磁性板1に対する接着力をより高めることができる。これは非可逆回路素子300においては図20の寸法D2が寸法D1より大きくなることにより、誘電体部品3と磁性板1との接着部分の面積が非可逆回路素子100よりも大きくなるためである。
[0095]
 なお図20における誘電体部品3の最下部の寸法D2は、誘電体部品3の最上部の寸法D1の2倍以上5倍以下であることが好ましい。マグネット5と磁性板1との寸法関係を考慮したうえで、上記の寸法の数値範囲が導かれる。マグネット5と磁性板1との寸法関係は、機械的要因よりも電気的要因により決定される。したがって電気的特性を考慮して設計すれば、上記のように寸法D2は寸法D1の2倍以上5倍以下とされる。
[0096]
 以上の各実施の形態(実施例)に記載の技術的特徴は、技術的に矛盾にない範囲で適宜組み合わせられてもよい。
[0097]
 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0098]
 1 磁性板、1A,3A,5A,7A,13A 一方の主表面、1B,3B,5B,7B,13B 他方の主表面、3 誘電体部品、3C キャビティ、3C1 底面、3C2 側面、5 マグネット、5C マグネット側面、7 磁気ヨーク、9 はんだバンプ、11 回路基板、13 シート接着剤、21 中心電極、23 配線、25,53 スルーホール、27,55 導電膜、31 入出力端子、33 接地用電極、35 ソルダレジスト、41 パッド電極、43 回路基板中央電極、51 裏面電極、100,200 非可逆回路素子、100A 素子本体部、100B 実装基板、101 ホットプレート、112 剥離フィルム、113 ローラ、114 専用トレイ、115 吸着ノズル、116 組立ステージ、116C 真空吸着部、117 加圧クリップ、118 フラックス。

請求の範囲

[請求項1]
 一方の主表面、および前記一方の主表面と反対側の他方の主表面を有し、複数の入出力端子を有する磁性板と、
 前記磁性板の前記一方の主表面上に接続された誘電体部品と、
 前記誘電体部品の前記磁性板と反対側に接続された永久磁石と、
 前記永久磁石の前記磁性板と反対側に接続された磁気ヨークと、
 前記磁性板の前記他方の主表面側に接続され、複数の信号導体を有する回路基板とを備え、
 前記誘電体部品の前記永久磁石側の表面には、前記一方の主表面に沿う方向に延びる底面および前記底面に交差する厚み方向に延びる側面を有するキャビティが形成されており、
 前記永久磁石の少なくとも一部は前記キャビティ内に配置され、
 前記キャビティ内に配置される前記永久磁石の少なくとも一部の表面は、前記底面および前記側面の双方と、接着剤を介して固定されている、非可逆回路素子。
[請求項2]
 前記キャビティの前記側面は、平面視における前記永久磁石の周囲の一部において欠損部を含む、請求項1に記載の非可逆回路素子。
[請求項3]
 前記誘電体部品は、前記マグネット側の前記一方の主表面に沿う方向の寸法よりも、前記磁性板側の前記一方の主表面に沿う方向の寸法の方が大きい、請求項1に記載の非可逆回路素子。
[請求項4]
 前記磁性板は、前記一方の主表面および前記他方の主表面を接続する複数のスルーホールを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の非可逆回路素子。
[請求項5]
 前記誘電体部品は、平面視において前記複数のスルーホールより内側において前記磁性板に接続される、請求項4に記載の非可逆回路素子。
[請求項6]
 前記回路基板はパッド電極を有し、
 前記磁性板は接地用電極を有し、
 前記パッド電極と、前記複数の入出力端子および前記接地用電極とは電気的に接続される、請求項1~5のいずれか1項に記載の非可逆回路素子。
[請求項7]
 一方の主表面、および前記一方の主表面と反対側の他方の主表面を有し、複数の入出力端子を有する磁性板を形成する工程と、
 前記磁性板の前記一方の主表面上に誘電体部品を接続する工程と、
 前記誘電体部品の前記磁性板と反対側に永久磁石を接続する工程と、
 前記永久磁石の前記磁性板と反対側に磁気ヨークを接続する工程と、
 前記磁性板の前記他方の主表面側に、複数の信号導体を有する回路基板を接続する工程とを備え、
 前記誘電体部品の前記永久磁石が接続される側の表面には、前記一方の主表面に沿う方向に延びる底面および前記底面に交差する厚み方向に延びる側面を有するキャビティが形成され、
 前記永久磁石を接続する工程においては、前記永久磁石の少なくとも一部が前記キャビティ内に配置された状態で、前記キャビティ内に配置される前記永久磁石の少なくとも一部の表面が、前記底面および前記側面の双方と、接着剤を介して固定される、非可逆回路素子の製造方法。
[請求項8]
 前記磁気ヨークを接続する工程は、前記永久磁石の少なくとも一部の表面が前記底面および前記側面の双方と前記接着剤を介して固定された状態が保たれながらなされる、請求項7に記載の非可逆回路素子の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]