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1. (WO2018131309) 空気調和機
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明 細 書

発明の名称 空気調和機

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

符号の説明

0047  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 空気調和機

技術分野

[0001]
 本発明は、熱交換器を備える空気調和機に関する。

背景技術

[0002]
 従来から空気調和機を構成する熱交換器の熱交換効率を高めるために、様々なことが提案されている。
 たとえば、特許文献1には、水平方向に沿った複数の伝熱管を垂直方向に所定の間隔を空けて配置し、これら伝熱管の両端に上下方向に沿ったヘッダパイプを設置する形態の熱交換器に関することが提案されている。ヘッダパイプは、その内部が、仕切板によって複数の区画に分割されている。このため、熱交換器内を循環する冷媒は、伝熱管を通じて、ヘッダチューブ間の往復を繰返しつつ、ヘッダチューブ内を下降していく。また、伝熱管間には、波板形状のコルゲートフィンが配置されており、冷媒は、伝熱管内を通過する間に、コルゲートフィンを通過する空気流との間で、熱の授受(熱交換)を行う。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-53812号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、前述のような熱交換器を凝縮器として使用する場合、ガス状の冷媒(ガス冷媒)が、空気流に放熱し(冷却され)、液状の冷媒(液冷媒)に凝縮する。
 液冷媒は、冷却しても、それ以上は体積が小さくはならないため、伝熱管内に液状冷媒の液溜まりが生じることで、相対的にガス冷媒が放熱し、凝縮する領域が狭くなり、熱交換効率が低下してしまう。そこで、液冷媒の液溜まりを抑制することが望まれる。
[0005]
 また、封入される冷媒の量について、量が足りなければ、所望する熱交換性能を得ることができないが、量が多すぎれば、製造コストの高騰を招いてしまう。
 さらに、使用される冷媒の温暖化係数GWP(Global Warming Potential)を考慮すると、冷媒の封入量を不必要に増やすことは避けることが望ましい。
[0006]
 本発明は上記に鑑みてなされたものであり、熱交換器内部での液溜まりを抑制して、熱交換効率を改善しつつ、適正量の冷媒を封入することができる空気調和機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 前記の目的を達成するために、本発明に係る空気調和機は、水平方向に沿って配置されつつ、上下方向に所定の間隔を空けて配置され、内部を熱媒体が流通する複数の伝熱管と、該熱媒体が外部から流入する該伝熱管で構成される流入パスの出口側と、該熱媒体が外部へ流出する該伝熱管で構成される流出パスの入口側とを連通し、管内の水力直径が4mm以上に設定された接続配管と、を有し、該熱媒体の循環量Gr[kg/s]と、該接続配管の数N[本]との関係が、0.003≦Gr/N≦0.035を満たす熱交換器を備えることを特徴とする。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、熱交換器内部での液溜まりを抑制して、熱交換効率を改善しつつ、適正量の冷媒を封入することができる空気調和機を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本実施形態の空気調和機における冷凍サイクル系統図である。
[図2] 本実施形態の空気調和機を構成する熱交換器を示す斜視図である。
[図3] 熱交換器が熱交換部とヘッダに分かれた状態を示す分解斜視図である。
[図4] 熱交換器を構成する伝熱管を示す斜視図である。
[図5] 本実施形態の熱交換器の構成を示す概略図である。
[図6] 本実施形態の熱交換器の折返しヘッダと熱交換部との接続部分を示す断面図である。
[図7] パス1本あたりの冷媒循環量と圧力損失の関係を示す図である。
[図8] パス1本あたりの冷媒循環量とフルード数の関係を示す図である。
[図9] 接続配管内部の水力直径と圧力損失の関係を示す図である。
[図10] 接続配管内部の水力直径とパス1本あたりの冷媒保有量との関係を示す図である。
[図11] 本実施形態の熱交換器の折返しヘッダと熱交換部との接続部分の別態様を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[0011]
<空気調和機の構成>
 本願発明の熱交換器101が採用される空気調和機1の冷凍サイクルを図1に示す。
 空気調和機1は、室外機10と室内機30とを備えている。
 室外機10は、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、室外送風機14、室外膨張弁15、アキュムレータ20を備えている。
 室内機30は、室内熱交換器31、室内送風機32、および室内膨張弁33を備えている。
 室外機10の各機器と、室内機30の各機器とは、冷媒配管2によって接続され、冷凍サイクルが形成されている。冷媒配管2には、熱媒体としての冷媒が封入されており、冷媒が、冷媒配管2を通じて、室外機10と室内機30との間で循環する。
[0012]
 次に、室外機10を構成する各機器について説明する。
 圧縮機11は、吸入した気体の冷媒(ガス冷媒)を圧縮して、吐出する。
 四方弁12は、圧縮機11への冷媒の流れの向きは変えずに、室外機10と室内機30との間の冷媒の流れの向きを変える。そして、四方弁12は、冷媒の流れの向きを変えることで、冷房運転と暖房運転の切換えを行う。
 室外熱交換器13は、本願発明の熱交換器101で構成され、冷媒と屋外の外気との間で熱交換を行う。
 室外送風機14は、室外熱交換器13に対して、外気を供給する。
 室外膨張弁15は、液体の冷媒(液冷媒)を断熱膨張させ、気化させる絞り弁である。
 アキュムレータ20は、過渡時の液戻りを貯留するために設けられており、圧縮機11に供給されるガス冷媒に混在する液冷媒を分離して、冷媒を適度な乾き度に調整する。
[0013]
 次に、室内機30を構成する各機器について説明する。
 室内熱交換器31は、本願発明の熱交換器101で構成され、冷媒と室内の空気との間で熱交換を行う。
 室内送風機32は、室内熱交換器31に対して、室内空気を供給する。
 室内膨張弁33は、液体の冷媒(液冷媒)を断熱膨張させ、気化させる絞り弁である。また、室内膨張弁33は、その絞り量を変化させることにより室内熱交換器31を流れる冷媒の流量を変化させることが可能である。
[0014]
<空気調和機の働き>
 次に、室内に冷風が供給される冷房運転を行う際の空気調和機1の働きについて説明する。
 図1における実線の矢印が、冷房運転時における冷媒の流れを示し、四方弁12は、実線で示すように切り替わる。
 圧縮機11で圧縮され、高温高圧となったガス冷媒は、四方弁12を経由して、室外熱交換器13に流入する。
 室外熱交換器13に流入したガス冷媒は、室外熱交換器13内を通過する間に、室外送風機14によって供給される外気に放熱して凝縮し、低温高圧の液冷媒となる。
 つまり、室外熱交換器13は、冷房運転時に、凝縮器として機能する。
[0015]
 ガス冷媒から凝縮した液冷媒は、室外膨張弁15を経由して、室内機30へ送られる。なお、このとき、室外膨張弁15は、膨張弁としては機能しないため、冷媒は断熱膨張せずに、液冷媒のまま通過する。
 室内機30に流入した液冷媒は、室内膨張弁33で断熱膨張しつつ、室内熱交換器31に流入する。
 液冷媒は、室内送風機32によって供給される室内空気から蒸発潜熱を奪って気化し、低温低圧のガス冷媒となる。
 つまり、室内熱交換器31は、冷房運転時に、蒸発器として機能する。
 そして、蒸発潜熱を奪われた室内空気は、相対的に冷却されたことになり、冷風が室内に送風される。
[0016]
 液冷媒から気化したガス冷媒は、室外機10に送られる。
 室外機10に戻ったガス冷媒は、四方弁12を通過して、アキュムレータ20に流入する。
 アキュムレータ20に流入したガス冷媒は、混在する液冷媒がアキュムレータ20で分離され、所定のかわき度に調整されて、圧縮機11へ供給され、再度圧縮される。
 以上のように、冷凍サイクルを実線の矢印の方向へ冷媒が循環することで、室内に冷風を供給する冷房運転が実現する。
 つまり、冷房運転時には、室外熱交換器13が、凝縮器として機能し、室内熱交換器31が、蒸発器として機能する。
[0017]
 次に、室内に温風が供給される暖房運転を行う際の空気調和機1の働きについて説明する。
 図1における破線の矢印が、暖房運転時における冷媒の流れを示し、四方弁12は、破線で示すように切り替わる。
 圧縮機11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、四方弁12を経由して、室内機30に流入する。
 室内熱交換器31に流入したガス冷媒は、室内熱交換器31内を通過する間に、室内送風機32によって供給される室内空気に放熱して凝縮し、低温高圧の液冷媒となる。
 つまり、室内熱交換器31は、暖房運転時に、凝縮器として機能する。
 そして、受熱した室内空気は、相対的に加熱されたことになり、温風が室内に送風される。
[0018]
 ガス冷媒から凝縮した液冷媒は、室内膨張弁33を通過して、室外機10へ送られる。なお、このとき、室内膨張弁33は、膨張弁としては機能しないため、冷媒は断熱膨張せずに、液冷媒のまま通過する。
 室外機10に流入した液冷媒は、室外膨張弁15で断熱膨張しつつ、室外熱交換器13に流入する。
 液冷媒は、室外送風機14によって供給される外気から蒸発潜熱を奪って気化し、低温低圧のガス冷媒となる。
 つまり、室外熱交換器13は、暖房運転時に、蒸発器として機能する。
[0019]
 室外熱交換器13から流出した冷媒は、四方弁12を通過して、アキュムレータ20に流入する。
 アキュムレータ20に流入した冷媒は、混在する液冷媒がアキュムレータ20で分離され、所定のかわき度に調整されて、圧縮機11へ供給され、再度圧縮される。
 以上のように、冷凍サイクルを破線の矢印の方向へ冷媒が循環することで、室内に温風を供給する暖房運転が実現する。
 つまり、暖房運転時には、室内熱交換器31が、凝縮器として機能し、室外熱交換器13が、蒸発器として機能する。
[0020]
 次に、前述の室外熱交換器13、および室内熱交換器31を構成する本実施形態の熱交換器101について説明する。
 なお、前述の空気調和機1では、本願発明の熱交換器101が室外熱交換器13と室内熱交換器31の両方を構成しているが、どちらか一方のみを構成する場合であっても、構成された熱交換器は本願発明の効果を発揮する。
 図2、図3に示すように、本実施形態の熱交換器101は、フィンチューブ型の熱交換器からなり、熱交換部110とヘッダ130とを備えている。
[0021]
 熱交換部110は、空気と冷媒との間で熱の授受を行う部位で、複数の伝熱フィン111と、複数の伝熱管112とで構成されている(図3参照)。
 伝熱フィン111は、長方形形状の板状部材で構成されている。また、伝熱フィン111は、板状部材の長手方向が上下方向に沿いつつ、板面が対向した状態で、水平方向に所定の間隔を空けつつ、積層配置されている。そして、積層された伝熱フィン111の間の隙間を、屋外の外気、または室内の空気が通過する。
[0022]
 伝熱管112は、図4に示すように、断面が略長円状の扁平管形状を備え、内部が仕切壁113によって、長手方向に沿った複数の流路114に分割された管状部材で構成されている。また、伝熱管112は、長円形状の平坦部が上下方向に面しつつ、水平方向に沿った状態で、上下方向に所定の間隔を空けつつ、配置されている。そして、伝熱管112は、積層された各伝熱フィン111を貫通しつつ、各伝熱フィン111に接合されている。
 また、各伝熱管112の両端部には、ヘッダ130が連通されている。
 各伝熱管112の中で、熱交換器101を凝縮器として使用する際に、外部から冷媒(ガス冷媒)が流入する伝熱管112は、流入パス121に設定され、外部へ冷媒(液冷媒)が流出する伝熱管112は、流出パス122に設定されている。
[0023]
 本実施形態の熱交換器101では、図5に示すように、流入パス121と流出パス122とは、上下方向に交互に設定される。但し流入パス121、および流出パス122の配置は、重力の影響を受けにくくする配置であれば必ずしも上下方向に交互である必要はない。
 凝縮器では、熱交換部110の上流側ではガス冷媒の比率が高く、下流側へ行くに従って液冷媒の比率が高くなる。つまり、流出パス122側の冷媒の体積は、流入パス121側の冷媒の体積よりも小さい。また、図6では図を簡略化するため各流入パス121と各流出パス122とは、それぞれが同じ数の伝熱管112で構成するように示している。しかしながら、各パスを流れる冷媒の凝縮ないし蒸発の状態から必要な流速となるように、伝熱管の本数を選択されるのが望ましい。
 流入パスを出た冷媒は、まだ完全に凝縮しきっていない気液2相状態の冷媒である。流入パスを出た冷媒を接続配管151に流入させ、下降ないし上昇させることにより、各パス間での重力の影響を低減し、下部のパスでの液溜まりを抑制することができる。
[0024]
 ヘッダ130は、図5、図6に示すように、各伝熱管112をその両端部で束ねるとともに、伝熱管112に対して、冷媒を分配、集約する分集ヘッダ131と、折返しヘッダ132とを備えている。
 そして、熱交換器101を凝縮器として使用する際に、外部から流入する冷媒を各流入パス121に分配する分集ヘッダ131の部位を分配部133と称する。また、熱交換器101を凝縮器として使用する際に、各流出パス122からの冷媒を集約し、外部へ排出する分集ヘッダ131の部位を集約部134と称する。
[0025]
 図6に示すように、折返しヘッダ132は、それぞれの内部が、仕切板135によって、各流入パス121毎、および各流出パス122毎の区画に分割されている。また、折返しヘッダ132には、接続配管151が配置されている。なお、分配部133、および集約部134も折返しヘッダ132と同様に、それぞれの内部が、仕切板135によって、各流入パス121毎、および各流出パス122毎の区画に分割されている。
 接続配管151は、図5、図6に示すように、下降管152と上昇管153とで構成され、下降管152と上昇管153とは、同一の断面形状を備えている。なお、図2、図3では、作図の都合上、接続配管151が省略されている。
 下降管152は、折返しヘッダ132内の区画における流入パス121出口側(流入パス121の出口側区画AR1)と、この流入パス121よりも下方に位置する流出パス122の入口側(流出パス122の入口側区画AR2)とを連通する。
 上昇管153は、流入パス121の出口側区画AR1と、この流入パス121よりも上方に位置する流出パス122の入口側区画AR2とを連通する。
[0026]
 そして、本実施形態では、最も上方に位置する流入パス121は、下降管152を通じて、最も下方に位置する流出パス122に連通されている。また、最も下方に位置する流入パス121は、上昇管153を通じて、最も上方に位置する流出パス122に連通されている。
 上から2番目に位置する流入パス121は、下降管152を通じて、下から2番目に位置する流出パス122に連通されている。また、下から2番目に位置する流入パス121は、上昇管153を通じて、上から2番目に位置する流出パス122に連通されている。
[0027]
 そして、熱交換器101を凝縮器として使用する場合、分集ヘッダ131の分配部133に導入された高温高圧のガス冷媒は、流入パス121を通過する際に、空気との熱交換によって凝縮し、ガス冷媒と液冷媒が混在する気液2相冷媒となる。また、気液2相冷媒は、折返しヘッダ132内の流入パス121の出口側区画AR1から、下降管152、および上昇管153を通じて、折返しヘッダ132内の流出パス122の入口側区画AR2へ導入される。さらに、流出パス122の入口側区画AR2内の気液2相冷媒は、流出パス122を通過する際に、空気との熱交換によって再度凝縮し、液冷媒が主体の気液2相冷媒となる。
 なお、冷媒が、流入パス121の出口側区画AR1から、流出パス122の入口側区画AR2へ移動する過程で、下降管152を下降する冷媒の圧力は上昇する。このため、上昇管153を上昇する冷媒の圧力低下の少なくとも一部が打ち消され、重力の影響による圧力差Δpが小さくなる。
 これによって、熱交換部110における上下方向の圧力差Δpが低減され、下方の伝熱管112での冷媒の液溜まりを抑制して、熱交換を高効率で行うことが可能となる。
[0028]
 次に、空気調和機1内を循環する冷媒の冷媒循環量について説明する。
 冷媒の時間当たりの循環量を冷媒循環量Gr[kg/s]、分集ヘッダ131が分配する流入パス121の数、すなわち分配部133の分岐する数をパス数Nとする。なお、パス数Nは、流出パス122の数、および接続配管151の数でもある。
 図7は、パス1本(1流路)当たりの冷媒循環量Gr/N[kg/s]と接続配管151での圧力損失ΔP[kPa]との関係を示している。
 そして、図7から、パス1本当たりの冷媒循環量Gr/N[kg/s]を増加すると、これに伴い、圧力損失ΔP[kPa]が増大することが読み取れる。
 また、熱交換器101の圧力損失ΔP[kPa]は、伝熱管112での圧力損失と、接続配管151での圧力損失から導出される。
[0029]
 接続配管151での圧力損失は、空気調和機1の消費電力の増加につながらない程度に収めることが求められる。これは、接続配管151が、冷媒と空気とが積極的に熱交換を行う部位ではないためである。
 パス1本当たりの冷媒循環量であり、パス1本当たりの冷媒循環量Gr/N[kg/s]は、0.035以下であることが望ましいことが、計算から導き出されている。
 つまり、空気調和機の冷媒循環量Grに対し、パス数Nが、式1の範囲に収まるように設定することで、接続配管151による圧力損失の影響を抑制することができる。

式1 N≦Gr/0.035
[0030]
 接続配管151は、前述のように、上昇管153と下降管152とで構成されている。また、接続配管151を流通する冷媒は、凝縮途中のため、ガス冷媒と液冷媒が混在する気液2相冷媒となっている。混在する液冷媒を含め、気液2相冷媒が上昇管153内を上昇して、上方の流出パス122に入口側区画AR2へ移動するには、ある程度の流量が必要である。そこで、次に冷媒の流量を規定する。
 液体の上昇限界を評価する指標としてフルード数Frがある。フルード数Frは、液冷媒密度ρL、ガス冷媒密度ρG、ガス冷媒流速uG、重力加速度g、配管内部直径をdとした場合、以下の式2により算出される。

式2 Fr=(ρG・uG2+ρL・uG2)/(ρL・g・d)
[0031]
 つまり、フルード数Frが所定値(=1)以上となるように、気液2相冷媒の流速を設定することで、気液2相冷媒が、混在する液冷媒を含め、上昇管153内を上昇することができる。
 また、フルード数Frが所定値(=1)よりも小さい場合には、混在する液冷媒が上昇管153の管壁に付着して、それ以上の上昇ができず、結果として、下側の流入パス121の出口側区画AR1に液溜まりが生じる。
 このようなフルード数Frが所定値(=1)以上となるには、パス1本当たりの冷媒循環量Gr/N[kg/s]が、0.003[kg/s]以上であることが必要となる(図8参照)。
 したがって、前述の条件と合わせて、パス1本当たりの冷媒循環量Gr/N[kg/s]が、式3の範囲に収まるように、冷媒循環量Grに対してパス数Nを調整することが求められる。
 これによって、接続配管151を配置することによる圧力損失ΔP[kPa]を抑制しつつ、接続配管151内での液溜まりを抑制することができる。

式3 0.003≦Gr/N≦0.035 [kg/s]
[0032]
 次に、接続配管151の構成について説明する。
 接続配管151は、その断面形状に規定はないが、その水力直径D[mm]が、式4の範囲に収まるように設定されている。

式4 4≦D≦11 [mm]

 式4に規定される水力直径Dの範囲は、図9、および図10から導出される。
 図9には、接続配管151内の水力直径D[mm]と、接続配管151での圧力損失ΔP[kPa]の関係について、式3の範囲内の3条件について示されている。
 図9から、水力直径Dが、或る値よりも小さい領域では、冷媒循環量Grの増加に伴い、圧力損失ΔP[kPa]が増大することが明らかである。このことから、どのような冷媒循環量Gr及びパス数Nであっても圧力損失ΔP[kPa]の影響を小さくするには、接続配管151内の水力直径Dを4mm以上とすることが望ましい。
[0033]
 ところで、接続配管151の水力直径Dが拡大することで、接続配管151を曲げ加工する際の曲げ半径の増大を招き、結果として熱交換器101を設置するために、より広いスペースが必要となる。ところが、熱交換器101を設置するための空間は限られているため、できる限り省スペースであることが望まれる。
[0034]
 また、図10から、接続配管151内の水力直径Dが拡大するほど、接続配管1本あたりの冷媒保有量が増大することが明らかである。そして、冷媒保有量が増大することで、空気調和機1全体の製造コストが増大してしまう。そこで、必要以上の冷媒を保有することは避けることが望まれる。
 そこで、室外機10の機械室(図示せず)等への熱交換器101の設置を考慮した場合、接続配管151の水力直径Dは11mm以下である接続配管151を選択することが望ましい。
 以上のことから、接続配管151は、その水力直径Dが、式4の範囲に収まるように設定されている。
[0035]
 次に、本実施形態に係る熱交換器101の作用効果について説明する。
 本実施形態の熱交換器101では、流入パス121の少なくとも1つを、自身よりも下方に位置する流出パス122に連通するとともに、流入パス121の残りの少なくとも1つを、自身よりも上方に位置する流出パス122に連通するように、接続配管151で接続している。
 このような構成とすることで、下降管152を下降する冷媒の圧力上昇によって、上昇管153を上昇する冷媒の圧力低下の少なくとも一部が打ち消され、重力の影響による圧力差Δpを小さくできる。
 これによって、熱交換部110における上下方向の圧力差Δpが低減され、下方の伝熱管112での冷媒の液溜まりを抑制して、熱交換を高効率で行うことができる。
[0036]
 また、本実施形態の熱交換器101では、パス1本当たりの冷媒循環量Gr/N[kg/s]が、式3の範囲内に収まるように調整されている。
 これによって、伝熱管112内での液溜まりを抑制しつつ、高効率で熱交換(熱媒体の凝縮)を行うことができる。
[0037]
 また、本実施形態の熱交換器101では、接続配管151の管内の水力直径Dが、式4の範囲内に収まるように設定されている。
 水力直径Dを4mm以上に設定することで、接続配管151内を流通する際の圧力損失の影響を小さくしている。
 また、水力直径Dを11mm以下に設定することで、装置全体の省スペース化が図れる。さらに、接続配管151の管内の水力直径Dを11mm以下に設定することで、接続配管151内での熱媒体の保有量を抑制することができるため、装置全体のコスト削減が図れる。
[0038]
 また、本実施形態の熱交換器101では、伝熱管112に断面略長円状の外形形状を備えた扁平管を採用している。
 これによって、同一表面積の円管よりも断面積を小さくすることができるため、表面積(熱交換面積)が円管と同じままで、熱媒体の保有量を円管の場合よりも削減することができる。
 また、伝熱管112の内部を、仕切壁113で複数の流路114に分割し、熱媒体と伝熱管112との接触面積を増やしている。
 これによって、熱媒体の保有量を増やすことなく、交換熱量を増大させることができる。
[0039]
 また、本実施形態の熱交換器101では、熱媒体として冷媒R410A、R404A、R32、R1234yf、R1234ze(E)、およびHFO1123のうち少なくとも1種類を採用することが望ましい。
 これら冷媒は、オゾン破壊係数が0(ゼロ)である。必要な冷凍能力と使用温度に応じてこれら冷媒から選択することでどのような蒸発圧力であっても冷却能力を確保し、実施形態により従来よりも冷媒の保有量を削減することができる。
[0040]
 なお、本実施形態では、本願発明の構成が、フィンチューブ型の熱交換器に適用されているが、これに限定されるものではない。コルゲートフィン型熱交換器等、水平方向に沿った複数の伝熱管が上下方向に所定の間隔を空けて配置され、ヘッダを介して伝熱管が複数のパスに設定される(割り当てられる)形態の熱交換器であれば、適用が可能であり、同様の作用効果が得られる。
[0041]
 また、本実施形態では、接続配管151が、折返しヘッダ132の外部に露出するようにレイアウトされているが、このような形態に限定されるものではない。
 たとえば、図11に示すように、接続配管151Aを折返しヘッダ132の内部に配置するようにレイアウトすることも可能である。
 このような構成では、折返しヘッダ132の外側に凹凸がないため、熱交換器101を室外機10、および室内機30の筐体内に設置する際のレイアウトを容易に行える。
[0042]
 また、本実施形態では、各流入パス121を構成する伝熱管112と、流出パス122を構成する伝熱管112とを、同一の本数に設定しているが、同一本数に限定されるものではなく、異なる本数とすることも可能である。
 たとえば、前述のように、凝縮器では、熱交換部110の上流側ではガス冷媒の比率が高く、下流側へ行くに従って液冷媒の比率が高くなるため、流出パス122側の冷媒の体積は、流入パス121側の冷媒の体積よりも小さい。
[0043]
 そこで、流入パス121を構成する伝熱管112の本数を、流出パス122の伝熱管112の本数よりも多くする構成とすることも可能である。
 このような構成とすることで、熱交換器101を凝縮器として使用する場合、ガス冷媒が放熱する面積が拡がり、熱交換効率を改善することができる。
 つまり、流入パス群及び流出パス群内で各流出パスの伝熱管使用段数や、折り返し回数などは熱風速分布や想定される冷媒の熱交換状態に応じて調整することが望ましく、必ずしも同数である必要はない。
[0044]
 次に、熱交換器101内を循環する冷媒流量の評価方法における別態様について説明する。
 熱交換器101の構成は、前述の実施形態と同一である。つまり、接続配管151の管内の水力直径D[mm]が、前述の式4の範囲内に収まるように設定されている。
 前述の実施形態と異なる点は、混在する液冷媒を含めて、気液2相冷媒が接続配管151を上昇する条件を、フルード数Frによる冷媒循環量Grではなく、定格冷房能力Qで評価している点である。
 なお、定格冷房能力Qとは、室外温度が35℃、相対湿度が約45%で、室内温度を27℃に冷房するときの空気調和機1の出力である。
[0045]
 フルード数Frを算出するために用いられる各物性は、使用する冷媒毎に異なるため、確保できるエンタルピ差、密度が変化する。このため、冷媒の種類によっては、フルード数Frから導出される冷媒循環量Grが、式3の範囲内にあっても、気液2相冷媒の状態で接続配管151を上がれないおそれがある。
[0046]
 そこで、本評価方法では、冷媒循環量Gr[kg/s]に代わる指標として、定格冷房能力Q[kW]を用いている。
 式3に相当する範囲は、式5で表すことができる。

式5 0.75≦Q/N≦3.5 [kW]

 つまり、パス1本当たりの定格冷房能力Q/Nが、式5の範囲となるように設定することにより、物性の異なる冷媒であっても、式3が意図するのと同等の効果が得られる。
 つまり、気液2相冷媒の状態で、冷媒が接続配管151を上ることができ、接続配管151での液溜まりを抑制することができる。
 したがって、熱交換器101内部での液溜まりを抑制して、熱交換効率を改善しつつ、適正量の冷媒を封入することができる。

符号の説明

[0047]
1 空気調和機
101 熱交換器
112 伝熱管
114 流路
121 流入パス
122 流出パス
151 接続配管

請求の範囲

[請求項1]
 水平方向に沿って配置されつつ、上下方向に所定の間隔を空けて配置され、内部を熱媒体が流通する複数の伝熱管と、
 該熱媒体が外部から流入する該伝熱管で構成される流入パスの出口側と、該熱媒体が外部へ流出する該伝熱管で構成される流出パスの入口側とを連通し、管内の水力直径が4mm以上に設定された接続配管と、
を有し、
 該熱媒体の循環量Gr[kg/s]と、パス数N[本]との関係が、
0.003≦Gr/N≦0.035
を満たす熱交換器を備える
ことを特徴とする空気調和機。
[請求項2]
 水平方向に沿って配置されつつ、上下方向に所定の間隔を空けて配置され、内部を熱媒体が流通する複数の伝熱管と、
 該熱媒体が外部から流入する該伝熱管で構成される流入パスの出口側と、該熱媒体が外部へ流出する該伝熱管で構成される流出パスの入口側とを連通し、管内の水力直径が4mm以上に設定された接続配管と、
を有し、
 定格冷房能力Q[kW]と、パス数N[本]との関係が
0.75≦Q/N≦3.5
を満たす熱交換器を備える
ことを特徴とする空気調和機。
[請求項3]
 前記流入パスの少なくとも1つが、自身よりも下方に位置する前記流出パスに前記接続配管を通じて連通され、
 該流入パスの残りの少なくとも1つが、自身よりも上方に位置する該流出パスに該接続配管を通じて連通される
ことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の空気調和機。
[請求項4]
 前記接続配管は、
 管内の水力直径が11mm以下に設定されている
ことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の空気調和機。
[請求項5]
 前記伝熱管は、
 断面略長円状の外形形状を備え、
 内部が長手方向に沿った複数の流路に分割された管状部材からなる
ことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の空気調和機。
[請求項6]
 前記熱媒体は、
 R410A、R404A、R32、R1234yf、R1234ze(E)、およびHFO1123のうち少なくとも1種類を使用している
ことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の空気調和機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]