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1. (WO2018131142) トランジションピース
Document

明 細 書

発明の名称 トランジションピース

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073  

符号の説明

0074  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : トランジションピース

技術分野

[0001]
 本発明の実施の形態は、トランジションピースに関する。

背景技術

[0002]
 発電プラントの高効率化は、排出される二酸化炭素の削減や省資源などの要求から進められている。具体的には、ガスタービンや蒸気タービンの作動流体の高温化、コンバインドサイクル化などが進められている。
[0003]
 例えば、ガスタービンでは、燃焼器ライナ内で燃料を燃焼させて生成した燃焼ガスが作動流体となる。そして、この作動流体は、燃焼器ライナと連結しているトランジションピースを介して、タービンに供給される。タービンに供給された燃焼ガスは膨張仕事をして、膨張仕事を行った際に発生するタービンの回動によって、発電機が駆動される。
[0004]
 ガスタービンでは、燃焼ガスの高温化に伴い、燃焼器ライナおよびトランジションピースを備える燃焼器も高温化される。燃焼器は、内筒および外筒からなる二重管構造を有しており、燃焼器の内筒は、燃焼ガスによって高温に加熱される。そして、内筒の高温化を抑制するために、内筒と外筒との間に形成される空間には、内筒を冷却するための空気が流れている。さらに、空間を流れる空気の流路を区画する突出部が内筒の外周面に設けられている。このような突出部は、内筒と外筒との間に形成される空間を流れる空気の流れを規定することによって、内筒を全体的に冷却させる。
[0005]
 また、近年では、さらなるガスタービンの効率化から、燃焼ガスの高圧化が進められている。このような燃焼ガスの高圧化によって、燃焼器の内部と外部との間の差圧により燃焼器に加わる力は増加する。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2015-178830号公報
特許文献2 : 特開2010-169093号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 このように、燃焼ガスの高圧化が進むにつれて、燃焼器の内外差圧が増加するので、より強い力が燃焼器にかかる。しかしながら、現状の燃焼器では、このような差圧に起因した力に対して、その構造を維持することが困難になることがある。特に、トランジションピースは複雑な構造を有するので、トランジションピースの剛性は低い。トランジションピースが変形した場合には、トランジションピースの交換が必要になる。そのため、トランジションピースには、燃焼ガスの高圧化に耐えることのできる強度が求められている。
[0008]
 本発明が解決しようとする課題は、変形を抑制することができると共に、燃焼ガスに曝されても効率的に冷却されることができるトランジションピースを提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 実施の形態のトランジションピースは、ライナ内筒およびライナ外筒で構成される二重管構造を有する燃焼器ライナの前記ライナ内筒内で生成した燃焼ガスをタービンに導く。前記トランジションピースは、前記ライナ内筒の出口側端部に接続され、前記ライナ内筒から排出された前記燃焼ガスを前記タービンに導く内筒と、前記ライナ外筒の出口側端部に接続され、間隙空間を介して前記内筒の外周を覆うように設けられる外筒と、前記内筒の外周面から前記外筒側に突出すると共に、その外面側の表面が前記外筒の内周面に当接し、前記燃焼器ライナ側から排出されて前記間隙空間を流れる冷却媒体を流通させる貫通孔を有するリブとを備える。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 第1の実施の形態のトランジションピースを備える燃焼器の断面を模式的に示す概略図である。
[図2] 第1の実施の形態のトランジションピースを模式的に示す概略図である。
[図3] 図2のA-A線に沿った断面図である。
[図4] 図3のC領域の拡大図である。
[図5] 図2のB-B線に沿った断面図である。
[図6] 図2のD-D線に沿った断面の一例を示す概略図である。
[図7] 図2のD-D線に沿った断面の一例を示す概略図である。
[図8] 図2のD-D線に沿った断面の一例を示す概略図である。
[図9] 第2の実施の形態のトランジションピースを模式的に示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
[0012]
 (第1の実施の形態)
 図1は、第1の実施の形態のトランジションピース30を備える燃焼器1の断面を模式的に示す概略図である。図2は、第1の実施の形態のトランジションピース30を模式的に示す概略図である。図3は、図2のA-A線に沿った断面図である。図4は、図3のC領域の拡大図である。図5は、図2のB-B線に沿った断面図である。なお、図1は、燃焼器1の長手方向(図1では左右方向)に沿った燃焼器1の断面図である。また、図2は、外筒32を取り外したトランジションピース30を外側から見た斜視図である。
[0013]
 図1に示すように、燃焼器1は、燃料ノズル部2、燃焼器ライナ3、およびトランジションピース30(尾筒)を備える。また、燃焼器1は、燃焼器ケーシング9の内部に収容されている。
[0014]
 図1に示すように、燃料ノズル部2は、配管4から供給された燃料4aと配管5から供給された酸化剤5aとを、燃焼器ライナ3内の燃焼領域に噴出する。燃料ノズル部2は、例えば、中央から燃料を噴出し、その周囲から酸化剤を噴出する。
[0015]
 燃料としては、例えば、メタン、天然ガスなどの炭化水素、一酸化炭素および水素などを含む石炭ガス化ガス燃料を使用することができる。また、酸化剤としては、例えば、
不図示の空気分離装置によって大気から分離された酸素、不図示の圧縮機によって圧縮された空気を使用することができる。
[0016]
 図1に示すように、燃焼器ライナ3は、燃焼ガスの上流側の端部である入口側端部が閉塞されると共に下流側の端部である出口側端部が開口されたライナ内筒6およびライナ外筒7を備えており、ライナ内筒6とライナ外筒7とで構成される二重管構造を有する。また、燃焼器ライナ3の入口側端部の中央には、燃料ノズル部2の噴射口2aと連結する開口3aが形成されている。
[0017]
 ライナ内筒6およびライナ外筒7は、燃焼器1の長手方向に延設される。ライナ外筒7は、間隙空間8を介して、ライナ内筒6の外周を覆うように設けられている。例えば、ライナ内筒6およびライナ外筒7は円筒であり、間隙空間8は、ライナ内筒6とライナ外筒7との間に形成され、円環状である。
[0018]
 また、図1に示すように、燃焼器ケーシング9は、燃焼器1の全体を囲むように、燃焼器1の長手方向に沿って設けられている。燃焼器ケーシング9は、例えば円筒などの筒体で構成されている。
[0019]
 燃焼器ケーシング9の上流側端部の中央には、燃料ノズル部2を挿入する開口9aが形成されている。また、燃焼器ケーシング9の上流側には、配管12を挿入する開口9bおよび配管13を挿入する開口9cが形成されている。配管12は、例えば、配管13よりも上流側で、燃焼器ケーシング9に連結される。なお、開口9bおよび開口9cはそれぞれ1つであってもよく、配管12および配管13が複数設けられる場合、開口9bおよび開口9cは燃焼器1の周方向に沿ってそれぞれ複数あってもよい。
[0020]
 燃焼器ケーシング9の下流側には、開口9dが形成されている。そして、燃焼器ケーシング9の下流側の一部は、開口9dを介して、タービン17のインナーサイドウォール18およびアウターサイドウォール19に接続されている。
[0021]
 図1に示すように、配管12は、開口9bを介して、燃焼器ケーシング9の上流側に接続されている。そして、配管12は、燃焼器1と燃焼器ケーシング9との間であって、燃焼器1の長手方向に沿って形成された環状の空間15と連通している。配管12内には、第1の冷却媒体14が流れており、配管12を排出した第1の冷却媒体14は、空間15に導入される。
[0022]
 配管12から空間15に導入された第1の冷却媒体14は、燃焼器1および燃焼器ケーシング9を冷却しながら、空間15の下流側に流れる。配管12が燃焼器ケーシング9の上流側に接続されると、第1の冷却媒体14は燃焼器1および燃焼器ケーシング9の上流側から下流側に亘って全体的に冷却することができる。
[0023]
 また、図1に示すように、開口9cを貫通している配管13は、燃焼器ライナ3のライナ外筒7の上流側に接続されている。そして、配管13は、間隙空間8と連通している。配管13内には、第2の冷却媒体16が流れており、配管13を排出した第2の冷却媒体16は、間隙空間8に導入される。
[0024]
 配管13から間隙空間8に導入された第2の冷却媒体16は、燃焼器ライナ3のライナ内筒6とライナ外筒7とを冷却しながら、間隙空間8の下流側に流れる。配管13がライナ外筒7の上流側に接続されると、第2の冷却媒体16はライナ内筒6およびライナ外筒7の上流側から下流側に亘って全体的に冷却することができる。
[0025]
 第2の冷却媒体16として、例えば、CO タービンであれば燃料および酸化剤から生成した燃焼ガスに含まれる二酸化炭素、一般的なガスタービンであれば空気などが挙げられる。
[0026]
 CO タービンや一般的なガスタービンにおいて、配管13を介して間隙空間8に導入される第2の冷却媒体16は、燃焼ガス10によって加熱された燃焼器ライナ3のライナ内筒6や後述するトランジションピース30の内筒31を冷却する。そのため、間隙空間8に導入される第2の冷却媒体16の温度T は、ライナ内筒6によって生成される燃焼ガス10の温度Tよりも低い。
[0027]
 また、CO タービンにおいて、配管12を介して空間15に導入される第1の冷却媒体14の温度T は、第2の冷却媒体16の温度T よりも低い。第1の冷却媒体14として、例えば、CO タービンであれば燃料および酸化剤から生成した燃焼ガスに含まれる二酸化炭素が挙げられる。また、第1の冷却媒体14の成分と第2の冷却媒体16の成分とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[0028]
 図1に示すように、トランジションピース30は、燃焼器ライナ3とタービン17とを接続する。そして、トランジションピース30は、ライナ内筒6内で生成した燃焼ガスをタービン17に導く。
[0029]
 トランジションピース30は、図1に示すように、入口側端部および出口側端部が開口された内筒31と入口側端部が開口されると共に出口側端部が閉塞された外筒32とを備えており、内筒31と外筒32とで構成される二重管構造を有する。さらに、トランジションピース30は、図1~図4に示すように、内筒31の外周面に設けられるリブ33を備える。
[0030]
 図1に示すように、トランジションピース30の内筒31は、燃焼器ライナ3からタービン17の方向に向かって延設される。内筒31の入口側端部は、ライナ内筒6の出口側端部に接続される。また、トランジションピース30の出口側端部は、タービン17のインナーサイドウォール18およびアウターサイドウォール19に接続される。そして、内筒31は、ライナ内筒6から排出された燃焼ガスをタービン17に導く。
[0031]
 外筒32は、間隙空間34を介して、内筒31の外周を覆うように設けられている。外筒32の入口側端部は、ライナ外筒7の出口側端部に接続される。間隙空間34は、内筒31と外筒32との間に形成され、環状である。また、間隙空間34は、燃焼器ライナ3の間隙空間8と連通している。そして、間隙空間34には、間隙空間8を流れた第2の冷却媒体16が排出される。
[0032]
 ここで、トランジションピース30の内筒31の上流端は、円形に開口している。また、内筒31の下流端は、図5に示すように、弧形に開口している。このように、トランジションピース30の中心線30aに沿った方向に垂直なトランジションピース30の断面の形状は、上流側の円形から下流側の弧形に遷移する。
[0033]
 また、図2および図3に示すように、トランジションピース30の内筒31には、複数の冷却孔35が形成されている。冷却孔35は、内筒31を貫通しており、間隙空間34と内筒31の内部空間とは、冷却孔35を介して連通する。間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16は、冷却孔35を通過して、内筒31内に導入される。そして、第2の冷却媒体16は、内筒31の内周面を冷却しながら、内筒31の内部空間をタービン17に向かって流れる。
[0034]
 なお、トランジションピース30の内筒31と同様に、燃焼器ライナ3のライナ内筒6にも、不図示の冷却孔が形成されてもよい。ライナ内筒6が不図示の冷却孔を備える場合、燃焼器ライナ3の間隙空間8を流れる第2の冷却媒体16の一部は、不図示の冷却孔を通過して、ライナ内筒6内に導入され、ライナ内筒6および内筒31の内周面を冷却しながら、ライナ内筒6および内筒31の内部空間をタービン17に向かって流れる。
[0035]
 図1~図4に示すように、リブ33は、内筒31の外周面から外筒32側に突出している。リブ33の外面側の表面33aは、外筒32の内周面に当接しており、リブ33は、外筒32を内側から支持する。リブ33の高さは、間隙空間34の高さ、換言すると、内筒31と外筒32とを最短で結ぶ直線の長さに相当する。リブ33は内筒31と一体化されており、例えばリブ33および内筒31は鋳造によって製造される。
[0036]
 図1および図2に示すように、リブ33は、トランジションピース30の中心線30aに沿った方向に延設される複数の第1のリブ部36、および第1のリブ部36に交わる方向に延設される複数の第2のリブ部37を有する。第1のリブ部36は、トランジションピース30の周方向に複数設けられる。第2のリブ部37は、トランジションピース30の中心線30aの方向に複数設けられる。例えば、リブ33は、格子状である。
[0037]
 図2に示すように、第1のリブ部36は、間隙空間34を上流から下流に流れる第2の冷却媒体16の主流の流れ方向に沿って延設される。また、第2のリブ部37は、トランジションピース30の周方向に亘って環状に形成されている。第1のリブ部36と第2のリブ部37とは、互いに、交差しており、交差部において連結している。例えば、第1のリブ部36は第2のリブ部37と直交する。
[0038]
 ここで、第1のリブ部36および第2のリブ部37の形状、設置位置、設置数などは、限定されるものではなく、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流れ方向および流量に応じて適宜設定される。ここでは、第1のリブ部36および第2のリブ部37が角柱状である一例を示している。
[0039]
 また、図2に示すように、リブ33には、燃焼器ライナ3側の間隙空間8から排出されて間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の一部を流通させる複数の貫通孔38,39が形成されている。複数の貫通孔38,39は、リブ33の延設方向に対して垂直な方向に、リブ33を貫通している。具体的には、貫通孔38は、トランジションピース30の中心線30aに対して垂直な方向に沿って第1のリブ部36を貫通し、貫通孔39は、トランジションピース30の中心線30aに沿って第2のリブ部37を貫通している。
[0040]
 貫通孔39の高さh 39は、図4に示すように、貫通孔39の内面39aと貫通孔39の外面39bとを最短で結ぶ直線の長さである。同様に、貫通孔38の高さh 38は、貫通孔38の内面と貫通孔38の外面とを最短で結ぶ直線の長さである。なお、ここでは、貫通孔38の内面および貫通孔39の内面39aは、内筒31の外周面に相当する。また、貫通孔39の高さh 39および貫通孔38の高さh 38は、後述する貫通孔38,39および冷却孔35の流路断面積や、比(L /L)などに応じて適宜設定され、図2に示すように全て同じであってもよいし、一部異なっていてもよい。
[0041]
 また、貫通孔38,39および冷却孔35の流路断面積について、各貫通孔38,39の下流側に形成されている複数の冷却孔35の合計の流路断面積よりも各貫通孔38,39の流路断面積が大きくなるように、貫通孔38,39の断面形状における各貫通孔38,39の高さおよび幅が適宜設定されると、十分な流量の第2の冷却媒体16が間隙空間34の下流端まで到達する。
[0042]
 なお、貫通孔38,39がリブ33に設けられないと、リブは、間隙空間34における隔壁として働き、第2の冷却媒体16の流れを遮る。そのため、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流動損失が増加し、十分な流量の第2の冷却媒体16が間隙空間34の下流端まで到達しないことがある。
[0043]
 貫通孔38,39の流路断面積、設置位置、設置数などは、冷却孔35の流路断面積、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流れ方向および流量に応じて適宜設定される。また、貫通孔38,39の流路断面積は、全て同じであってもよいし、一部異なっていてもよい。ここでは、貫通孔38,39の断面形状について、図2に示すように、外面側の角部分が曲線状の略矩形である一例を示している。
[0044]
 ここで、燃焼器1の作動時には、内筒31の内部には高圧の燃焼ガスが流れており、間隙空間8,34および空間15は高圧環境下となる。図2に示すように、リブ33が内筒31の外周面に設けられることによって、内筒31の強度が増加する。そのため、内筒31の内部と間隙空間8,34との間の差圧に起因する内筒31の変形量は抑制される。また、図3および図4に示すように、リブ33の外面側の表面33aが外筒32の内周面に当接することによって、リブ33は外筒32を支持しているので、間隙空間8,34と空間15との間の差圧に起因する外筒32の変形量は抑制される。ここで、内筒31の内部と間隙空間8,34との間の差圧によって生じる力は、内筒6,31を外側から内側に押す力であり、間隙空間8,34と空間15との間の差圧によって生じる力は、外筒7,32を外側から内側に押す力である。
[0045]
 また、図3および図4に示すように、トランジションピース30の外筒32は、リブ33に一箇所で固定されることが好ましい。つまり、外筒32の内周面の一点は、リブ33の外面側の表面33aの一点に固定されることが好ましい。外筒32とリブ33とが一箇所で固定されている場合、リブ33の表面33aの一部分が外筒32の内周面の一部分と連結されており、当該一部分以外の表面33aの部分は外筒32の内周面に当接しながら支持している。すなわち、外筒32の一部分は表面33aによって拘束され、当該一部分以外の外筒32の部分は表面33aによって拘束されていない。
[0046]
 このような、外筒32とリブ33とが一箇所で固定されている構成、すなわち、外筒32とリブ33とが結合されていない構成は、トランジションピースの外筒における内周面の全面がリブにおける外面側の表面の全面に固定される場合、換言すると、トランジションピースの外筒がリブと結合されている場合と比較すると、燃焼器1の作動時における内筒31および外筒32の温度や熱膨張の違いによる内筒31と外筒32との熱伸び差に起因した熱応力を逃がすことができる。さらには、外筒32をリブ33から容易に取り外すことができるので、メンテナンス性に優れている。
[0047]
 例えば、図2および図4に示すように、ボルト用のボルト穴40がリブ33の表面33aに設けられている。また、ボルト用の貫通孔32aが外筒32に設けられている。そして、外筒32の内周面が内筒31の外周面に対向すると共に、外筒32に形成される貫通孔32aの位置がリブ33の表面33aに形成されるボルト穴40の位置に合うように、外筒32をリブ33の表面33a上に設置する。続いて、ボルト41を、外筒32の外側から貫通孔32aに貫通させて、リブ33のボルト穴40にねじ込むことによって、外筒32がリブ33に固定される。なお、外筒32とリブ33との固定箇所は、限定されるものではない。
[0048]
 次に、第1の実施の形態のトランジションピース30を備える燃焼器1で生成される燃焼ガス、燃焼器1に導入される第1の冷却媒体14および第2の冷却媒体16の流れについて説明する。
[0049]
 図1に示すように、燃焼器1の作動時には、燃料ノズル部2から燃焼器ライナ3の内部に噴射された燃料4aおよび酸化剤5aは、燃焼反応して燃焼ガス10を生成する。燃焼器ライナ3のライナ内筒6内で生成した燃焼ガス10は、トランジションピース30の内筒31内に導入される。内筒31に導入された燃焼ガスは、タービン17に向かって流れる。
[0050]
 一方、燃焼ガスの温度Tよりも低い温度T を有する第2の冷却媒体16は、配管13を介して、燃焼器ライナ3の間隙空間8に導入される。第2の冷却媒体16は、燃焼ガスによって加熱された燃焼器ライナ3のライナ内筒6およびライナ外筒7を冷却しながら、間隙空間8を流れる。そして、第2の冷却媒体16は、トランジションピース30の間隙空間34に排出される。
[0051]
 間隙空間34に導入された第2の冷却媒体16は、図2および図3に示すように、その一部がトランジションピース30の内筒31に形成される冷却孔35に導入されながら、間隙空間34を流れる。間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16は、リブ33の貫通孔38,39を通過し、間隙空間34の全体に亘って均一に流れながら、燃焼ガスによって加熱されたトランジションピースの内筒31および外筒32の全体を冷却する。このとき、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流量は、間隙空間34の上流から下流にかけて減少する。そして、最終的には、第2の冷却媒体16の全てが、冷却孔35を介して、内筒31の内部に導入される。第2の冷却媒体16が冷却孔35を介して内筒31内に導入されるとき、第2の冷却媒体16は冷却孔35を通過しながら内筒31を冷却する。
[0052]
 内筒31の内部に導入された第2の冷却媒体16は、例えば内筒31の内周面に冷却膜を形成する。この冷却膜は、高温の燃焼ガスからトランジションピース30を熱的に保護する。内筒31に導入された第2の冷却媒体16は、燃焼ガスと共に、タービン17に導入される。
[0053]
 また、図1に示すように、第2の冷却媒体16の温度T よりも低い温度T を有する第1の冷却媒体14は、配管12を介して、燃焼器ケーシング9の空間15に導入される。空間15に導入された第1の冷却媒体14は、燃焼器ライナ3のライナ外筒7やトランジションピース30の外筒32を冷却しながら、空間15の上流から下流に向かって流れる。そして、第1の冷却媒体14は、燃焼器ケーシング9の下流側に設けられている不図示の開口から排出し、タービン17の静翼や動翼の冷却に用いられる。
[0054]
 図6~図8は、図2のD-D線に沿った断面の一例を示す概略図である。なお、図6~図8は、トランジションピース30の中心線30aに垂直な第2のリブ部37の断面図であり、第2のリブ部37に形成される貫通孔39の配置位置の違いを示す。また、貫通孔39の断面形状が矩形である一例について示す。
[0055]
 図6に示す貫通孔39については、貫通孔39の内面39aは、第2のリブ部37における内筒31と外筒32との間の任意の位置であり、貫通孔39の外面39bは、外筒32の内周面である。図7に示す貫通孔39については、貫通孔39の内面39aおよび外面39bは、第2のリブ部37における内筒31と外筒32との間の任意の位置である。図8に示す貫通孔39については、貫通孔39の内面39aは、内筒31の外周面であり、貫通孔39の外面39bは、第2のリブ部37における内筒31と外筒32との間の任意の位置である。
[0056]
 図6に示す第2のリブ部37では、貫通孔39は、第2のリブ部37の外面と外筒32の内周面との間に設けられている。そして、第2の冷却媒体16は、外筒32の内周面と接触しながら、貫通孔39を流れる。そのため、図7および図8に示すリブの構成に比べて、外筒32の冷却効率は優れている。
[0057]
 図7に示す第2のリブ部37では、貫通孔39は、第2のリブ部37の内部を貫通している。そして、第2の冷却媒体16は、内筒31および外筒32と接触せずに、貫通孔39を流れる。
[0058]
 図8に示す第2のリブ部37では、貫通孔39は、内筒31の外周面と第2のリブ部37の内面との間に設けられている。そして、第2の冷却媒体16は、内筒31の外周面と接触しながら、貫通孔39を流れる。このように、第2の冷却媒体16は、内筒31の外周面に沿って、間隙空間34を流れる。そのため、図6および図7に示すリブの構成に比べて、内筒31の冷却効率は優れている。さらに、第2のリブ部37の内面側に設けられた貫通孔39を有する第2のリブ部37は、図6および図7に示すリブの構成に比べて、断面係数が最も高いので、剛性が最も高い。
[0059]
 このように、図8に示すような第2のリブ部37の内面側に設けられた貫通孔39を有する第2のリブ部37は、内筒31に対して優れた冷却性能を有すると共に高い剛性を有する。このような第2のリブ部37に形成される貫通孔39について、貫通孔39の内面39aは、内筒31の外周面であり、貫通孔39の内面39aおよび外面39bの距離L と内筒31の外周面および外筒32の内周面の距離Lとの比(L /L)は、0.25以上0.75以下であることが好ましい。なお、距離L は、貫通孔39の内面39aと外面39bとを最短で結ぶ直線の長さに相当し、距離Lは、内筒31の外周面と外筒32の内周面とを最短で結ぶ直線の長さに相当する。
[0060]
 距離L と距離Lとの比(L /L)が0.25以上であると、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流量が増加し、十分な流量の第2の冷却媒体16が間隙空間34の下流端まで到達するので、内筒31の冷却効率が向上する。一方、比(L /L)が0.75以下であると、第2のリブ部37の断面係数が増加するので、第2のリブ部37の剛性が向上する。
[0061]
 なお、上記では、第2のリブ部37に形成される貫通孔39について説明したが、第1のリブ部36に形成される貫通孔38についても同様である。すなわち、このような第1のリブ部36に形成される貫通孔38について、貫通孔38の内面は、内筒31の外周面であり、貫通孔38の内面および貫通孔38の外面の距離L と内筒31の外周面および外筒32の内周面の距離Lとの比(L /L)は、0.25以上0.75以下であることが好ましい。
[0062]
 上記したように、第1の実施の形態のトランジションピース30によれば、トランジションピース30の内筒31の外周面に設けられると共にトランジションピース30の外筒32を内側から支持するリブ33を備える。そのため、トランジションピース30に差圧が生じても、トランジションピース30の内筒31や外筒32の変形を抑制することができる。
[0063]
 また、トランジションピース30は、内筒31と外筒32との間に形成される間隙空間34内の第2の冷却媒体16を流通させる貫通孔38,39を備える。トランジションピース30が貫通孔38,39を備えることによって、第2の冷却媒体16は間隙空間34の全体に亘って流通する。そのため、燃焼ガスによって加熱したトランジションピース30を効果的に冷却することができる。
[0064]
 (第2の実施の形態)
 第2の実施の形態のトランジションピース130において、リブ133の構成が異なる以外は、第1の実施の形態のトランジションピース30の構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。なお、以下に示す実施の形態において、第1の実施の形態のトランジションピース30の構成と重複する説明を省略または簡略する。
[0065]
 図9は、第2の実施の形態のトランジションピース130を模式的に示す概略図である。なお、図9は、外筒32を取り外したトランジションピース130を外側から見た斜視図である。
[0066]
 図9に示すように、トランジションピース130はリブ133を備える。リブ133は、トランジションピースの中心線に沿った方向に延設される複数の第1のリブ部36を有する。すなわち、リブ133の構成は、リブ33から第2のリブ部37を除いた構成に相当する。
[0067]
 リブ133は、第1のリブ部36に交わる方向に延設される第2のリブ部37を具備しない。すなわち、第2のリブ部37は、内筒31の外周面に設けられない。複数の第1のリブ部36の間を流れる第2の冷却媒体16は、第2のリブ部37によって妨げられない。そのため、第1の実施の形態のトランジションピース30に比べて、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流量バランスの制御が容易になり、第2の冷却媒体16の流動損失が低下するので、内筒31の冷却効率はさらに向上する。
[0068]
 また、例えば、第1の実施の形態のトランジションピース30を備える燃焼器1に比べて、第2の実施の形態のトランジションピース130を備える燃焼器内に生じる差圧が低い場合、リブ33に比べて、内筒31および外筒32の強度低下を引き起こすリブ133がトランジションピース130に設置されても、差圧による内筒31および外筒32の変形は抑制される。
[0069]
 したがって、燃焼器内に生じる差圧の大きさに応じて、リブ133またはリブ33を適宜選択することが好ましい。例えば、通常のガスタービンを高圧化したガスタービンには、リブ133を備えるトランジションピース130を設置し、CO タービンのような超高圧のガスタービンには、リブ33を備えるトランジションピース30を設置する。
[0070]
 上記したように、第2の実施の形態のトランジションピース130によれば、トランジションピースの中心線に沿った方向に延設される複数の第1のリブ部36を具備すると共に、第1のリブ部36に交わる方向に延設される第2のリブ部37を具備しないリブ133を備える。第2の冷却媒体16は、第2のリブ部37によって妨げられずに、複数の第1のリブ部36の間を流れる。そのため、間隙空間34を流れる第2の冷却媒体16の流量バランスの制御が容易になると共に、第2の冷却媒体16の流動損失が低下するので、燃焼ガスによって加熱したトランジションピース130をさらに効果的に冷却することができる。
[0071]
 なお、上記したCO タービンとは、天然ガスなどの燃料を酸素で燃焼させて発生する燃焼ガスおよびCO などから構成される作動流体によって駆動するタービンである。CO タービンを駆動させた作動流体に含まれるCO の一部は、抽気によって回収され、回収されなかったCO は燃焼器へ循環される。また、CO タービンの稼働時には、タービン内のCO は超臨界状態である。
[0072]
 以上説明した実施の形態によれば、変形を抑制することができると共に、燃焼ガスに曝されても効率的に冷却されることができるトランジションピースを提供することができる。
[0073]
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

符号の説明

[0074]
 1…燃焼器、2…燃料ノズル部、2a…噴射口、3…燃焼器ライナ、3a…開口、4,5…配管、4a…燃料、5a…酸化剤、6…ライナ内筒、7…ライナ外筒、8,34…間隙空間、9…燃焼器ケーシング、9a,9b,9c,9d…開口、10…燃焼ガス、12,13…配管、14…第1の冷却媒体、15…空間、16…第2の冷却媒体、17…タービン、18…インナーサイドウォール、19…アウターサイドウォール、30,130…トランジションピース、30a…中心線、31…内筒、32…外筒、32a…貫通孔、33,133…リブ、33a…表面、35…冷却孔、36…第1のリブ部、37…第2のリブ部、38,39…貫通孔、39a…内面、39b…外面、40…ボルト穴、41…ボルト。

請求の範囲

[請求項1]
 ライナ内筒およびライナ外筒で構成される二重管構造を有する燃焼器ライナの前記ライナ内筒内で生成した燃焼ガスをタービンに導くトランジションピースであって、
 前記ライナ内筒の出口側端部に接続され、前記ライナ内筒から排出された前記燃焼ガスを前記タービンに導く内筒と、
 前記ライナ外筒の出口側端部に接続され、間隙空間を介して前記内筒の外周を覆うように設けられる外筒と、
 前記内筒の外周面から前記外筒側に突出すると共に、その外面側の表面が前記外筒の内周面に当接し、前記燃焼器ライナ側から排出されて前記間隙空間を流れる冷却媒体を流通させる貫通孔を有するリブと
を備えることを特徴とするトランジションピース。
[請求項2]
 前記外筒は、前記リブに一箇所で固定されることを特徴とする請求項1に記載のトランジションピース。
[請求項3]
 前記貫通孔の内面は、前記内筒の外周面であり、
 前記貫通孔の内面および前記貫通孔の外面の距離(L )と、前記内筒の外周面および前記外筒の内周面の距離(L)との比(L /L)は、0.25以上0.75以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトランジションピース。
[請求項4]
 前記リブは、前記トランジションピースの中心線に沿った方向に延設される複数の第1のリブ部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトランジションピース。
[請求項5]
 前記リブは、前記トランジションピースの中心線に沿った方向に延設される複数の第1のリブ部、および前記第1のリブ部に交わる方向に延設される複数の第2のリブ部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトランジションピース。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]