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1. (WO2018123924) 組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、組成物膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器
Document

明 細 書

発明の名称 組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、組成物膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229  

実施例

0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264   0265   0266   0267   0268   0269   0270   0271   0272  

符号の説明

0273  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、組成物膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器

技術分野

[0001]
 本発明は、組成物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、組成物膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1及び特許文献2には、第一ホストとしてシアノ基を有する特定構造のビスカルバゾール誘導体を用い、第二ホストとしてカルバゾリル基誘導体構造及び窒素含有へテロ芳香族環の両方を有する化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。この有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、長寿命であることが特許文献1及び特許文献2に記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2013/084885号
特許文献2 : 国際公開第2013/145923号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1及び特許文献2のように、2つの材料(例えば、第一ホスト及び第二ホスト)を、互いに異なる蒸着源から蒸着させる場合、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造プロセスが複雑化する課題がある。一方で、1つの材料(例えば、第一ホストまたは第二ホストのいずれかのみ)を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子では寿命が短くなる。そのため、1つの蒸着源から2つ(又は複数)の材料を安定的に蒸着させる技術が要望されている。
 特許文献1及び特許文献2に記載された第一ホスト及び第二ホストの組み合わせでは、1つの蒸着源から蒸着すると、形成された層に含まれる第一ホスト及び第二ホストの比率が安定しないため、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能が安定しないという課題がある。
[0005]
 本発明の目的は、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を維持しながら、1つの蒸着源から材料の比率を安定的に蒸着させることのできる組成物を提供すること、当該組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供すること、当該組成物を含む組成物膜を提供すること、当該組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一態様によれば、2種以上の化合物が混合された組成物であって、少なくとも下記一般式(1)で表される第一の化合物及び下記一般式(2)で表される第二の化合物が含有される組成物が提供される。
[0007]
[化1]


[0008]
(前記一般式(1)中、
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA は、それぞれ独立して、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数6~30の複素環基を示す。
 ただし、R ~R 、A 及びA 中に、下記一般式(1a)で表される環構造は、合計で6つ含まれている。)
[0009]
[化2]


[0010]
(前記一般式(1a)中、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。6つの前記一般式(1a)で表される環構造のうち少なくともいずれかの環構造において、X 、X 及びX のうち少なくともいずれかが、Nを示す。前記一般式(1a)で表される環構造同士が結合して縮合環を形成する場合と、形成しない場合とがある。
 R 、R X1、R X2及びR X3は、それぞれ独立して、
  単結合、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 R が複数存在する場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R X1、R X2、R X3及び1つ又は複数のR のうち少なくともいずれかは、単結合である。)
[0011]
[化3]


[0012]
(前記一般式(2)中、R 21~R 24は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~30のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 eは、0、1、2、3、又は4である。
 fは、0、1、2、又は3である。
 gは、0、1、2、又は3である。
 hは、0、1、2、3、又は4である。
 eが2以上の場合、複数のR 21は、互いに同一であるか、又は異なる。
 fが2以上の場合、複数のR 22は、互いに同一であるか、又は異なる。
 gが2以上の場合、複数のR 23は、互いに同一であるか、又は異なる。
 hが2以上の場合、複数のR 24は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA のうち少なくとも一方が、下記一般式(2a)で表される置換基であり、他方が下記一般式(2b)で表される置換基である。)
[0013]
[化4]


[0014]
(前記一般式(2a)中、Arは、置換もしくは無置換のトリフェニレニレン基を示す。)
[0015]
[化5]


[0016]
(前記一般式(2b)中、X 、X 、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[0017]
 本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る組成物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提供される。
[0018]
 本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る組成物を含む組成物膜が提供される。
[0019]
 本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に含まれた有機層と、を備え、前記有機層は、前述の本発明の一態様に係る組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
[0020]
 本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器が提供される。
[0021]
 本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を維持しながら、1つの蒸着源から材料の比率を安定的に蒸着させることのできる組成物を提供すること、当該組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供すること、当該組成物を含む組成物膜を提供すること、当該組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。

発明を実施するための形態

[0023]
(組成物)
 本実施形態に係る組成物は、2種以上の化合物が混合された組成物である。
 本実施形態に係る組成物は、少なくとも下記一般式(1)で表される第一の化合物及び下記一般式(2)で表される第二の化合物を含有する。
[0024]
 本実施形態に係る組成物の形態は特に限定されない。本実施形態に係る組成物の形態としては、例えば、固体、粉末、溶液、及び膜などが挙げられる。本実施形態に係る組成物が固体である場合、ペレット状に成形されていてもよい。
[0025]
(第一の化合物)
 第一の化合物は、下記一般式(1)で表される。
[0026]
[化6]


[0027]
(前記一般式(1)中、
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA は、それぞれ独立して、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数6~30の複素環基を示す。
 ただし、R ~R 、A 及びA 中に、下記一般式(1a)で表される環構造は、合計で6つ含まれている。)
[0028]
[化7]


[0029]
(前記一般式(1a)中、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。6つの前記一般式(1a)で表される環構造のうち少なくともいずれかの環構造において、X 、X 及びX のうち少なくともいずれかが、Nを示す。前記一般式(1a)で表される環構造同士が結合して縮合環を形成する場合と、形成しない場合とがある。
 R 、R X1、R X2及びR X3は、それぞれ独立して、
  単結合、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 R が複数存在する場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R X1、R X2、R X3及び1つ又は複数のR のうち少なくともいずれかは、単結合である。)
[0030]
 本明細書において、「R ~R 、A 及びA 中に、一般式(1a)で表される環構造は、合計で6つ含まれている」とは、R ~R 、A 及びA 中に前記一般式(1a)で表される6員環が6つ含まれていることを意味する。6つの前記一般式(1a)で表される6員環は、互いに同一であるか、又は異なる。
 また、前記一般式(1a)で表される環構造同士が結合して縮合環を形成した場合には、当該縮合環を構成する6員環の数を含めて、R ~R 、A 及びA 中に6員環が6つ含まれていることを意味する。この場合、例えば、一般式(1a)で表される環構造同士が結合して、下記一般式(1b)で表される縮合環を形成した場合、当該縮合環は6員環を2つ含んでいることになる。
[0031]
[化8]


[0032]
(前記一般式(1b)中、
 X は、CR 101102、NR 103、酸素原子、又は硫黄原子である。
 R 101~R 103は、それぞれ独立して、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、又は
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基を示す。
 Y ~Y は、それぞれ独立して、CR 又はNを示し、
 R は、
  単結合、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 R が複数存在する場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なり、
 複数のR のうち少なくともいずれかは、単結合である。)
[0033]
 第一の化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
[0034]
[化9]


[0035]
(前記一般式(3)中、
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 iは、0、1、2、3、又は4である。
 jは、0、1、2、3、4、又は5である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 iが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 jが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 B は、下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表される置換基を示す。)
[0036]
[化10]


[0037]
[化11]


[0038]
(前記一般式(4)及び前記一般式(5)中、
 X ~X は、CR または窒素原子を示す。
 R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  シアノ基を示す。
 kは、0、1、2、3、4、又は5である。
 lは、0、1、2、3、4、又は5である。
 mは、0、1、2、3、又は4である。
 kが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 lが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 mが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[0039]
 第一の化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
[0040]
[化12]


[0041]
(前記一般式(6)中、
 R ~R 、及びR 10は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 iは、0、1、2、又は3である。
 jは、0、1、2、3、4、又は5である。
 nは、0、1、2、3、4、又は5である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 iが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 jが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 nが2以上の場合、複数のR 10は、互いに同一であるか、又は異なる。
 B は、下記一般式(7)で表される置換基を示す。)
[0042]
[化13]


[0043]
(前記一般式(7)中、
 X ~X は、CR または窒素原子を示す。
 R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R 11及びR 12は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 oは、0、1、2、3、4、又は5である。
 pは、0、1、2、3、4、又は5である。
 oが2以上の場合、複数のR 11は、互いに同一であるか、又は異なる。
 pが2以上の場合、複数のR 12は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[0044]
 6つの前記一般式(1a)で表される環構造のうち少なくともいずれかの環構造におけるX 、X 、及びX が、窒素原子であることが好ましい。
[0045]
 6つの前記一般式(1a)で表される環構造のうち、1つの環構造において、X 、X 、及びX が、窒素原子であり、5つの環構造において、X 、X 、及びX が、CR であることが好ましく、R は、前述と同義である。
[0046]
 第一の化合物において、A 及びA の一方に、前記一般式(1a)で表される6員環が5つ含まれ、他方に前記一般式(1a)で表される6員環が1つ含まれていることも好ましい。
 また、第一の化合物において、A 及びA の一方に、前記一般式(1a)で表される6員環が4つ含まれ、他方に前記一般式(1a)で表される6員環が2つ含まれていることも好ましい。
[0047]
 第一の化合物において、a,b,c及びdが、0であることが好ましい。
 第一の化合物において、i及びjが、0であることが好ましい。
 第一の化合物において、k,l及びmが、0であることが好ましい。
 第一の化合物において、n,o及びpが、0であることが好ましい。
[0048]
 第一の化合物において、a,b,c,d,k,l,m,n,o及びpが、0であることが好ましい。
[0049]
 本実施形態に係る第一の化合物の例を以下に示す。本発明における第一の化合物は、これらの具体例に限定されない。
[0050]
[化14]


[0051]
[化15]


[0052]
[化16]


[0053]
[化17]


[0054]
[化18]


[0055]
[化19]


[0056]
[化20]


[0057]
[化21]


[0058]
[化22]


[0059]
[化23]


[0060]
[化24]


[0061]
[化25]


[0062]
[化26]


[0063]
[化27]


[0064]
[化28]


[0065]
[化29]


[0066]
[化30]


[0067]
[化31]


[0068]
[化32]


[0069]
[化33]


[0070]
(第二の化合物)
 第二の化合物は、下記一般式(2)で表される。
[0071]
[化34]


[0072]
(前記一般式(2)中、R 21~R 24は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~30のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 eは、0、1、2、3、又は4である。
 fは、0、1、2、又は3である。
 gは、0、1、2、又は3である。
 hは、0、1、2、3、又は4である。
 eが2以上の場合、複数のR 21は、互いに同一であるか、又は異なる。
 fが2以上の場合、複数のR 22は、互いに同一であるか、又は異なる。
 gが2以上の場合、複数のR 23は、互いに同一であるか、又は異なる。
 hが2以上の場合、複数のR 24は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA のうち少なくとも一方が、下記一般式(2a)で表される置換基であり、他方が下記一般式(2b)で表される置換基である。)
[0073]
[化35]


[0074]
(前記一般式(2a)中、Arは、置換もしくは無置換のトリフェニレニレン基を示す。)
[0075]
[化36]


[0076]
(前記一般式(2b)中、X 、X 、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[0077]
 第二の化合物が、下記一般式(8)で表される化合物であることが好ましい。
[0078]
[化37]


[0079]
(前記一般式(8)中、R 21~R 24は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 eは、0、1、2、3、又は4である。
 fは、0、1、2、又は3である。
 gは、0、1、2、又は3である。
 hは、0、1、2、3、又は4である。
 eが2以上の場合、複数のR 21は、互いに同一であるか、又は異なる。
 fが2以上の場合、複数のR 22は、互いに同一であるか、又は異なる。
 gが2以上の場合、複数のR 23は、互いに同一であるか、又は異なる。
 hが2以上の場合、複数のR 24は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA のうち少なくとも一方が、下記一般式(2a)で表される置換基であり、他方が(2b)で表される置換基である。)
[0080]
[化38]


[0081]
(前記一般式(2a)中、Arは、置換もしくは無置換のトリフェニレニレン基を示す。)
[0082]
[化39]


[0083]
(前記一般式(2b)中、X 、X 、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[0084]
 第二の化合物において、X 、X 、X 、X 及びX が、CR であり、R は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又はシアノ基を示し、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なることが好ましい。
[0085]
 第二の化合物において、X 、X 、X 、X 及びX が、CR であり、R は、水素原子であることも好ましい。
[0086]
 第二の化合物において、Arが、無置換の2価のトリフェニレニレン基であることが好ましい。
[0087]
 第二の化合物において、e,f,g及びhが、0であることが好ましい。
[0088]
 本実施形態に係る第二の化合物の例を以下に示す。本発明における第二の化合物は、これらの具体例に限定されない。
[0089]
[化40]


[0090]
[化41]


[0091]
[化42]


[0092]
[化43]


[0093]
[化44]


[0094]
[化45]


[0095]
[化46]


[0096]
[化47]


[0097]
[化48]


[0098]
[化49]


[0099]
[化50]


[0100]
[化51]


[0101]
[化52]


[0102]
[化53]


[0103]
[化54]


[0104]
[化55]


[0105]
[化56]


[0106]
[化57]


[0107]
 本実施形態の組成物は、前記第一の化合物、及び前記第二の化合物を組み合わせて含有しているため、本実施形態の組成物は、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を維持しながら、1つの蒸着源から材料の比率を安定的に蒸着させることができる。
[0108]
(配合比)
 本発明の一実施形態では、第一の化合物と第二の化合物との配合比は特に限定されない。組成物に求める効果に応じて、第一の化合物と第二の化合物との配合比を適宜決定すればよい。第一の化合物:第二の化合物で表される化合物の配合比(質量比)は、通常、1:99~99:1の範囲内であり、10:90~90:10の範囲内が好ましく、40:60~60:40の範囲内がより好ましい。
[0109]
(有機エレクトロルミネッセンス素子用材料)
 本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、本実施形態に係る組成物を含む。すなわち、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、前記第一の化合物、及び前記第二の化合物を含有する。
 本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、さらにその他の化合物を含有していてもよい。本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が、さらにその他の化合物を含んでいる場合、該その他の化合物は、固体であっても液体であってもよい。
[0110]
(組成物膜)
 本実施形態に係る組成物膜は、本実施形態に係る組成物を含む。すなわち、本実施形態に係る組成物を含む膜(組成物膜)は、前記第一の化合物、及び前記第二の化合物を含有する膜を意味する。
 本実施形態に係る組成物膜は、さらにその他の化合物を含有していてもよい。
 本実施形態に係る組成物膜の形成方法は、本明細書において特に限定される旨を言及した場合を除いて、形成方法は特に制限されない。組成物膜の形成方法としては、乾式成膜法、及び湿式成膜法等の公知の方法を採用できる。乾式成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、及びイオンプレーティング法等が挙げられる。湿式成膜法としては、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、及びインクジェット法等が挙げられる。
[0111]
(有機EL素子の素子構成)
 本実施形態に係る有機EL素子は、一対の電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される層を少なくとも一つ含む。あるいは、この有機層は、有機化合物で構成される複数の層が積層されてなる。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。本実施形態の有機EL素子において、有機層のうち少なくとも一層は、発光層である。ゆえに、有機層は、例えば、一つの発光層で構成されていてもよいし、有機EL素子に採用され得る層を含んでいてもよい。有機EL素子に採用され得る層としては、特に限定されないが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、及び障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
[0112]
 本実施形態において、有機層は、複数の層で構成され、本実施形態に係る組成物は、前記複数の層のうちの1層以上に含まれていることが好ましい。
[0113]
 本実施形態に係る有機EL素子のいずれか1層以上に本実施形態に係る組成物を使用することにより、高い有機EL性能(例えば、駆動電圧、発光効率、及び寿命の少なくともいずれかの発光性能)を得ることができる。さらに、本実施形態に係る組成物が本実施形態に係る方法(例えば真空蒸着法)を用いて成膜されている場合、蒸着初期から蒸着終期まで、発光層中の第一の化合物と第二の化合物との材料比が安定する。その結果、有機EL素子も、蒸着時間によらず、安定して高い発光性能を維持することができる。
 本実施形態に係る有機EL素子において、発光層が本実施形態に係る組成物を含有することが好ましい。
[0114]
 本実施形態において、前記陽極と前記発光層との間に、さらに正孔輸送層を有することが好ましい。
 本実施形態において、前記陰極と前記発光層との間に、さらに電子輸送層を有することが好ましい。
 別の実施形態として、本発明の一実施形態に係る組成物が電子輸送帯域に使用されることも好ましい。
[0115]
 有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)~(f)等の構成を挙げることができる。
  (a)陽極/発光層/陰極
  (b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
  (c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
  (d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
  (e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
  (f)陽極/正孔注入・輸送層/障壁層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
 上記の中で(d)の構成が好ましく用いられる。ただし、本発明は、これらの構成に限定されない。なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。前記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層、及び正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。前記「電子注入・輸送層」は「電子注入層、及び電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。有機EL素子が、正孔注入層、及び正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が電子注入層、及び電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層のそれぞれは、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
[0116]
 図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
 有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。有機層10は、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9が、この順番で積層されている。
[0117]
(発光層)
 有機EL素子1の発光層5は、本実施形態に係る組成物を含有する。すなわち、発光層5は、前記第一の化合物、及び前記第二の化合物を含む。
[0118]
 本実施形態の有機EL素子によれば、前記第一の化合物、及び前記第二の化合物を組み合わせて有機層に用いたことにより、有機EL素子が低電圧で駆動する。有機EL素子を低電圧で駆動させるという観点から、前記第一の化合物、及び前記第二の化合物が1つの発光層に含まれている態様が好ましい。
[0119]
 本実施形態の有機EL素子において、有機層に含有される前記第一の化合物、及び前記第二の化合物の合計質量の割合は、1質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
[0120]
(配合比)
 本発明の一実施形態では、第一の化合物と第二の化合物との配合比は特に限定されない。有機EL素子に求める効果に応じて、第一の化合物と第二の化合物との配合比を適宜決定すればよい。第一の化合物:第二の化合物で表される化合物の配合比(質量比)は、通常、1:99~99:1の範囲内であり、10:90~90:10の範囲内が好ましく、40:60~60:40の範囲内がより好ましい。
[0121]
(発光材料)
 本発明の一態様である有機EL素子は、前記発光層が、さらに発光材料を含有することが好ましい。
 本発明の一実施形態では、前記発光層が発光材料として燐光発光材料を含有することが好ましい。前記燐光発光材料がイリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、及び白金(Pt)からなる群から選択されるいずれかの金属原子のオルトメタル化錯体であることが好ましい。好適な燐光発光材料については後述する。
[0122]
 前記発光層が、第一の化合物と第二の化合物と発光材料とを含む場合、発光層における発光材料の含有率は、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
[0123]
(層形成方法)
 本発明の一態様である有機EL素子の各層の形成方法は、本明細書において特に限定される旨を言及した場合を除いて、形成方法は特に制限されない。各層の形成方法としては、乾式成膜法、及び湿式成膜法等の公知の方法を採用できる。乾式成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法等が挙げられる。湿式成膜法としては、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法等が挙げられる。
[0124]
(膜厚)
 本発明の一態様である有機EL素子の各層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されない。各層の膜厚は、適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり効率が悪くなるおそれがある。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な発光輝度が得られないおそれがある。通常、膜厚は、5nm~10μmの範囲が適しており、10nm~0.2μmの範囲がさらに好ましい。
[0125]
 以下、有機EL素子の構成要素の材料等について説明する。
(基板)
 基板は、発光素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルからなるプラスチック基板等が挙げられる。
[0126]
(陽極)
 基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン、及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
[0127]
(正孔注入層)
 正孔注入層は、陽極から有機層に効率よく正孔を注入するために設けられる層である。正孔注入層に使用される物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、芳香族アミン化合物、アクセプター性の化合物、又は高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)等も使用できる。
 正孔注入層に使用される物質としては、中でも、芳香族アミン誘導体、又はアクセプター性の化合物であることが好ましく、アクセプター性の化合物であることが更に好ましい。アクセプター性の化合物として、電子吸引基が置換された複素環誘導体、電子吸引基が置換されたキノン誘導体、アリールボラン誘導体、またはヘテロアリールボラン誘導体等が好適に用いられ、中でも、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン、F TCNQ(2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、又は1,2,3-トリス[(シアノ)(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパン等が好ましく用いられる。
 アクセプター性の化合物を含む層は、更にマトリクス材料を含有する形態であっても好ましい。マトリクス材料としては、有機EL用の材料を幅広く使用することができる。アクセプター性の化合物と共に使用するマトリクス材料として、ドナー性化合物を用いることが好ましく、芳香族アミン化合物を用いることが更に好ましい。
[0128]
(正孔輸送層)
 正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。尚、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。正孔輸送材料は、好ましくは、下記一般式(H)で表される化合物である。
[0129]
[化58]


[0130]
 前記一般式(H)中、Ar ~Ar は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基または、置換もしくは無置換のアリール基と置換もしくは無置換の複素環基との組合せで構成される基を示す。アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、インデノフルオレニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、トリフェニレニル基等の置換基が好ましく、複素環基としては、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が好ましい。アリール基と複素環基との組合せで構成される基としては、ジベンゾフラン置換のアリール基、ジベンゾチオフェン置換のアリール基、カルバゾール置換のアリール基等が好ましい。これら置換基はさらに置換基を有していてもよく、好ましい置換基は後述の通りである。
 好ましい1つの態様として、前記一般式(H)のAr ~Ar の少なくとも1つが、アリールアミノ基によって更に置換されている化合物であることが好ましく、ジアミン誘導体、トリアミン誘導体、又はテトラアミン誘導体であることも好ましい。ジアミン誘導体として、テトラアリール置換ベンジジン誘導体、及びTPTE(4,4’-ビス[N-フェニル-N-[4’-ジフェニルアミノ-1,1’-ビフェニル-4-イル]アミノ]-1,1’-ビフェニル]等が好ましく用いられる。
 燐光発光層に接する層に使用する正孔輸送材料は、三重項準位が高いことが好ましく、前記一般式(H)におけるAr ~Ar が、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、フェニル基、ビフェニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基等の置換基、及びそれらの組合せで形成される基であることが好ましい。
[0131]
(発光層)
 発光層は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。発光層は通常、発光性の高い発光材料(ドーパント材料)とそれを効率よく発光させるためのホスト材料とが含有されている。例えば、発光性の高い物質としては、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。蛍光性化合物は一重項励起状態から発光可能な化合物であり、燐光性化合物は三重項励起状態から発光可能な化合物である。蛍光性化合物を含む発光層は蛍光発光層と呼ばれ、燐光性化合物を含む発光層は燐光発光層と呼ばれている。
[0132]
 蛍光発光層のドーパント材料として、蛍光発光性の化合物を幅広く用いることができる。蛍光発光層のドーパント材料としては、中でも、縮合多環芳香族誘導体、スチリルアミン誘導体、縮合環アミン誘導体、ホウ素含有化合物、ピロール誘導体、インドール誘導体、及びカルバゾール誘導体等が好ましい。蛍光発光層のドーパント材料としては、さらに好ましくは、縮合環アミン誘導体、及びホウ素含有化合物が挙げられる。縮合環アミン誘導体としては、例えば、ジアミノピレン誘導体、ジアミノクリセン誘導体、ジアミノアントラセン誘導体、ジアミノフルオレン誘導体、及びベンゾフロ骨格が1つ以上縮環したジアミノフルオレン誘導体などが挙げられる。ホウ素含有化合物としては、例えば、ピロメテン誘導体、及びトリフェニルボラン誘導体等が挙げられる。ここで誘導体とは、当該骨格を部分構造として含む化合物を示す言葉であり、更なる縮合環を形成する化合物、及び置換基同士で環を形成する化合物も含有する。例えば、縮合多環芳香族誘導体の場合は、縮合多環芳香族骨格を部分構造として含む化合物であり、当該縮合多環芳香族骨格にさらに縮合環を形成する化合物、及び当該縮合多環芳香族骨格の置換基同士で環を形成する化合物も含有する。
[0133]
 蛍光発光層に用いるホスト材料としては、一般的な蛍光材料を使用することができる。蛍光発光層に用いるホスト材料としては、中でも、縮合多環芳香族誘導体を主骨格に持つ化合物であることが好ましく、特に好ましくは、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、及びナフタセン誘導体等が挙げられる。青色ホスト材料(青色蛍光発光性のドーパント材料と共に用いられるホスト材料)、及び緑色ホスト材料(緑色蛍光発光性のドーパント材料と共に用いられるホスト材料)として特に好適なホストは、下記一般式(X)で表されるアントラセン誘導体である。
[0134]
[化59]


[0135]
 前記一般式(X)において、Ar X1、及びAr X2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数3~50の複素環基を示す。Ar X1、及びAr X2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は環形成原子数5~30の複素環基を示すことが好ましい。
[0136]
 燐光発光層に用いることができる燐光発光材料(ドーパント材料)として、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等の金属錯体が使用される。
 イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、及び白金(Pt)からなる群から選択される金属原子のオルトメタル化錯体である燐光発光材料は、下記式(α)で表される錯体であることが好ましい。
[0137]
[化60]


[0138]
 式(α)において、Mは、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を示し、nは、該金属の価数を示す。
 環A は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基又は環形成原子数5~30のヘテロアリール基を表し、環A は、窒素をヘテロ環形成原子として含有する置換もしくは無置換の環形成原子数5~30のヘテロアリール基を表す。
[0139]
 式(α)の環A における環形成炭素数6~24のアリール基としては、前述した一般式(1)におけるアリール基が挙げられる。
 式(α)の環A 及び環A における環形成原子数5~30のヘテロアリール基としては、前述した一般式(1)におけるヘテロアリール基が挙げられる。
 式(α)の環A 及び環A が有し得る置換基は、前述した一般式(1)における置換基と同じである。
 さらに、式(α)で表される錯体は、下記式(T)又は(U)で表される錯体であることが好ましい。
[0140]
[化61]


[0141]
 式(T)において、Mは金属を表し、環B及び環Cは、各々独立に環形成原子数5若しくは6のアリール基又はヘテロアリール基を表す。
 環A-環Bは、アリール基又はヘテロアリール基の結合対を表し、環Aの窒素原子及び環Bのsp 混成原子を介して金属Mに配位する。
 環A-環Cは、アリール基又はヘテロアリール基の結合対を表す。
 R 、R 及びR は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30のヘテロアリール基からなる群より選択されるいずれかを表し、R は、1つ以上4つ以下であり、R は、1つ以上4つ以下であり、R は、1つ以上4つ以下であり、R 、R 及びR の数は、各々独立である。
 X ~X は、各々独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。
 R 及びR は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30のヘテロアリール基からなる群より選択されるいずれかを表し、環Cに結合するR 、R 及びR の少なくとも1つは、水素原子ではない。
 mは、金属Mの酸化状態を表し、nは1以上である。L’は、モノアニオン性の二座配位子を表す。
[0142]
 式(T)において、Mは、オスミウム、イリジウム、及び白金等が挙げられ、中でもイリジウムが好ましい。
 環B及び環Cで表される環形成原子数5若しくは6のアリール基としては、前述した一般式(1)におけるアリール基が挙げられる。
 環B及び環Cで表される環形成原子数5若しくは6のヘテロアリール基としては、前述した一般式(1)におけるヘテロアリール基が挙げられる。
 R 、R 、R 、R 及びR で表される置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30のヘテロアリール基としては、それぞれ、前述したものと同様の基が挙げられる。
 R 、R 、R 、R 及びR で表される置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルケニル基、及び置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルキニル基としては、それぞれ、前述したものと同様の基が挙げられる。
 L’で表されるモノアニオン性の二座配位子としては、下記式(L’)で表わされる配位子が挙げられる。
[0143]
[化62]


[0144]
 式(L’)において、X ~X 、R 、及びR は、式(T)におけるX ~X 、R 、及びR と同義であり、好ましい態様も同様である。
 X から環Bより外側に伸びる実線と、環Aの窒素原子から環Aより外側に伸びる破線を介して、式(L’)で表わされる配位子は、式(T)で表される金属Mに配位する。
[0145]
[化63]


[0146]
 式(U)において、Xは、NR、酸素原子、硫黄原子、BR、及びセレン原子からなる群より選択されるいずれかを表し、Rは、水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基である。
 R 、R 、R 及びR は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基からなる群より選択されるいずれかを表し、R は、1つ以上4つ以下であり、R は、1つ以上4つ以下であり、R は、1つ以上4つ以下であり、R は、1つ以上4つ以下であり、R 、R 、R 及びR の数は、各々独立である。
[0147]
 式(U)において、R、R 、R 、R 及びR で表される炭素数1~25のアルキル基としては、前述した基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
 また、R 、R 、R 及びR で表される環形成炭素数6~24のアリール基としては、前述した基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
[0148]
 式(T)又は(U)で表される錯体としては、以下の化合物が好適であるが、特にこれらに限定されるものではない。
[0149]
[化64]


[0150]
[化65]


[0151]
[化66]


[0152]
[化67]


[0153]
 また、燐光発光材料として、下記式(β)で表されるイリジウム錯体も好ましい。
[0154]
[化68]


[0155]
 式(β)において、A ~A は炭素原子又は窒素原子を含み、A ~A の少なくとも1つは窒素原子であり、環BはC-C結合により環Aに結合し、イリジウム(Ir)はIr-C結合により環Aに結合する。
 式(β)において、A ~A の内、1つのみが窒素原子であることが好ましく、A ~A の内、1つのみが窒素原子であることがさらに好ましく、A が窒素原子であることが好ましい。式(β)において、A ~A の内、A 及びA が炭素原子であることが好ましい。式(β)において、A が窒素原子であり、A ~A 、並びにA ~A が炭素原子であることが好ましい。
 A が、CR(Rが結合する炭素原子)であることが好ましく、Rは、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。Rは、好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキルである。
 式(β)において、XはO,S又はSeであり、Oが好ましい。
 式(β)において、R ~R は、各々独立して、モノ-置換、ジ-置換、トリ-置換もしくはテトラ-置換、又は無置換であり、隣接するR ~R は互いに結合して環を形成してもよく、R ~R は、各々独立して、
  水素、
  重水素、
  ハロゲン、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル、
  置換もしくは無置換の原子数2~25のヘテロアルキル、
  置換もしくは無置換の炭素数7~50のアリールアルキル、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルコキシ、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリールオキシ、
  置換もしくは無置換のアミノ、
  置換シリル、
  置換もしくは無置換の炭素数2~25のアルケニル、
  環形成炭素数3~25のシクロアルケニル、
  原子数3~25のヘテロアルケニル、
  炭素数2~25のアルキニル、
  環形成炭素数6~24のアリール、
  環形成原子数5~30のヘテロアリール、
  アシル、
  置換カルボニル、
  カルボン酸、
  エステル、
  ニトリル、
  イソニトリル、
  スルファニル、
  スルフィニル、
  スルホニル、
  ホスフィノ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、置換シリルは、炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリルであり、置換カルボニルは、炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたカルボニルである。式(β)において、R ~R は、各々独立して水素、重水素、炭素数1~25のアルキル及びこれらの組み合わせからなる群から選択することが好ましい。R 及びR の少なくともいずれかが炭素数1~25のアルキル基であることが好ましく、当該アルキル基が重水素化されているか、もしくは部分的に重水素化されていることがさらに好ましい。
 式(β)において、nは1~3の整数であり、1であることが好ましい。
[0156]
 式(β)で表されるイリジウム錯体の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
[0157]
[化69]


[0158]
[化70]


[0159]
[化71]


[0160]
[化72]


[0161]
[化73]


[0162]
[化74]


[0163]
 式(α)で表される錯体として、式(T)又は(U)で表される錯体以外に、下記式(V)、(X)、(Y)又は(Z)で表される錯体を用いることもできる。
[0164]
[化75]


[0165]
 式(V)、(X)、(Y)又は(Z)において、R 50~R 54は、各々独立に、水素原子又は置換基であり、kは1~4の整数であり、lは1~4の整数であり、mは1~2の整数である。Mは、Ir、Os、又はPtである。
 R 50~R 54の示す置換基としては、前述した置換基と同様のものが挙げられる。
 式(V)は下記式(V-1)で表されることが好ましく、式(X)は下記式(X-1)又は式(X-2)で表されることが好ましい。下記式(V-1)、(X-1)、及び(X-2)において、R 50、k及びMは、上記の、R 50、k及びMと同じである。
[0166]
[化76]


[0167]
 式(V)、(X)、(Y)又は(Z)で表される錯体の具体例を、以下に示すが、特にこれらに限定されるものではない。
[0168]
[化77]


[0169]
[化78]


[0170]
[化79]


[0171]
[化80]


[0172]
[化81]


[0173]
[化82]


[0174]
[化83]


[0175]
(発光層のホスト材料)
 燐光発光層に用いるホスト材料としては、燐光ドーパントよりも高い三重項準位を持つ材料であることが好ましく、一般的な芳香族誘導体、複素環誘導体、金属錯体等の燐光ホスト材料を使用することができる。燐光発光層に用いるホスト材料としては、中でも芳香族誘導体、及び複素環誘導体が好ましく、芳香族誘導体としては、例えば、ナフタレン誘導体、トリフェニレン誘導体、フェナントレン誘導体、及びフルオランテン誘導体等が挙げられ、複素環誘導体としては、例えば、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、キナゾリン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、及びジベンゾチエニル誘導体等が挙げられる。ここで、誘導体とは前述した通りの定義である。
 燐光発光層に用いるホスト材料の好ましい一つの形態として、本発明の一実施形態に係る組成物が挙げられる。
[0176]
(電子輸送層)
 電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。
 有機EL素子の性能向上のために、電子輸送層と発光層との間に1つ以上の層を設けることもできる。この層は第2電子輸送層、正孔障壁層、又は三重項ブロック層などと呼ばれる。正孔障壁性を高めるためには、HOMO準位が深い材料を用いることが好ましい。三重項ブロック性を高めるためには、三重項準位が高い材料を用いることが好ましい。
 電子輸送層には、アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、及び亜鉛錯体等の金属錯体、イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、及びフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、縮合芳香族炭化水素誘導体、並びに高分子化合物を使用することができる。好ましくは、イミダゾール誘導体(例えばベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、ベンズイミダゾフェナントリジン誘導体)、アジン誘導体(例えば、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、フェナントロリン誘導体が挙げられ、これら複素環はホスフィンオキサイド系の置換基で置換されていてもよい。)、及び芳香族炭化水素誘導体(例えば、アントラセン誘導体、フルオランテン誘導体が挙げられる)である。
 電子輸送層、正孔障壁層、又は三重項ブロック層に含まれる材料の好ましい一つの形態として、本発明の一実施形態に係る組成物を用いることができる。
 好ましい一つの形態として、電子輸送層は、アルカリ金属(LiやCs等)、アルカリ土類金属(Mg等)、および、これらを含む合金等、アルカリ金属の誘導体(例えば、リチウムキノリネート錯体)、並びにアルカリ土類金属の誘導体からなる群から選択される少なくとも一種を含有していてもよい。電子輸送層がアルカリ金属、アルカリ土類金属およびそれら合金の少なくともいずれかを含有する場合、電子輸送層中の含有比率は、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは0.1~20質量%、更に好ましくは1~10質量%であり、電子輸送層がアルカリ金属の誘導体及びアルカリ土類金属の誘導体の少なくともいずれかを含有する場合、電子輸送層中の含有比率は、好ましくは、1~99質量%、より好ましくは10~90質量%である。
[0177]
(電子注入層)
 電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF )、リチウム酸化物(LiO )等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はこれらを含む合金等、アルカリ金属の誘導体(例えば、リチウムキノリネート錯体)、並びにアルカリ土類金属の誘導体を用いることができる。
[0178]
(陰極)
 陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、即ちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、及びマグネシウム(Mg)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)等の希土類金属及びこれらを含む合金等が挙げられる。
[0179]
 本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)、を包含する。
[0180]
 本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記載される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数が5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
[0181]
 本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記載される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は環形成原子数が6であり、キナゾリン環は環形成原子数が10であり、フラン環の環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
[0182]
 本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
[0183]
 本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。
[0184]
 本明細書において、「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
[0185]
 本明細書における式中の各基、及び前記「置換もしくは無置換」という記載における置換基の具体例について説明する。
[0186]
 アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基(異性体基を含む)、ヘキシル基(異性体基を含む)、ヘプチル基(異性体基を含む)、オクチル基(異性体基を含む)、ノニル基(異性体基を含む)、デシル基(異性体基を含む)、ウンデシル基(異性体基を含む)、及びドデシル基(異性体基を含む)などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基及びペンチル基(いずれも異性体基を含む)が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基及びt-ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びt-ブチル基が特に好ましい。
[0187]
 アルキル基の炭素数は、1~25であり、好ましくは1~10である。
[0188]
 アルキル基がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基としては、例えば、上記炭素数1~25のアルキル基が1以上のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子で置換された基が挙げられる。
 本明細書における炭素数1~25のハロゲン化アルキル基としては、具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
[0189]
 アルケニル基は、上記アルキル基中に二重結合を有する基であり、アルケニル基の炭素数は、2~25であり、好ましくは2~10である。より好ましくはビニル基である。
[0190]
 アルキニル基は、上記アルキル基中に三重結合を有する基であり、アルキニル基の炭素数は、2~25であり、好ましくは2~10である。より好ましくはエチニル基である。
[0191]
 シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基などが挙げられる。これらの中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
 シクロアルキル基の環形成炭素数は、3~25であり、好ましくは3~10であり、より好ましくは3~8であり、さらに好ましくは3~6である。
[0192]
 アルコキシ基は、-OY 10で表される基であり、Y 10の例としては、前記アルキル基及び前記シクロアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1~25であり、より好ましくは1~10である。
[0193]
 アルキルチオ基は、-SY 10で表される基であり、Y 10の例としては、前記アルキル基及び前記シクロアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
 アルキルチオ基の炭素数は、1~25であり、好ましくは1~10である。
[0194]
 ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
[0195]
 アリール基の例としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、s-インダセニル基、as-インダセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基及びペリレニル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、フルオランテニル基、フルオレニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
 アリール基の環形成炭素数は、6~30であり、好ましくは6~24であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~18である。
[0196]
 アリーレン基は、前記アリール基からさらに1つの水素原子又は置換基が除去された2価の基Y 21である。
[0197]
 アラルキル基は、-Y 11-Y 20と表される。Y 11の例としては、前記アルキル基及び前記シクロアルキル基として挙げたものからさらに1つの水素原子又は置換基が除去された2価の基(アルキレン基又はシクロアルキレン基)である。Y 20の例としては、前記アリール基が挙げられる。
[0198]
 アリールオキシ基は、-OY 20と表され、Y 20の例としては前記アリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
 ヘテロアリールオキシ基は、-OY 30と表され、Y 30の例としては後記ヘテロアリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
[0199]
 アリールチオ基は、-SY 20と表され、Y 20の例としては前記アリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
 ヘテロアリールチオ基は、-SY 30と表され、Y 30の例としては後記ヘテロアリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
[0200]
 アリールカルボニルオキシ基は、-O-(C=O)-Y 20と表され、Y 20の例としては前記アリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
[0201]
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有する置換カルボニル基は、-(C=O)-Y 10又は-(C=O)-Y 20と表され、Y 10の例としては、前記アルキル基及び前記シクロアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられ、Y 20の例としては前記アリール基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
[0202]
 複素環基は、芳香族性を有しない複素環基と、芳香族性を有する芳香族複素環基(1価であればヘテロアリール基、2価であればヘテロアリーレン基という)とを含む。
[0203]
 芳香族性を有しない複素環基としては、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を含む、環形成原子数3~30、好ましくは3~20の環基が挙げられる。芳香族性を有しない複素環の具体例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、トリメチレンスルフィド、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等が挙げられる。
[0204]
 複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含む環状基が挙げられ、環形成原子として、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子からなる群から選ばれる原子を含有することが好ましい。複素環基としては、芳香族性を有するヘテロアリール基が好ましい。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、イミダゾピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチオフェニル基、インドリジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、9-フェニルカルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基及びキサンテニル基などが挙げられる。これらの中でも、ピリジル基、イミダゾピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンズイミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、9位にアリール基又は複素環基が置換したカルバゾリル基、フェナントロリニル基、キナゾリニル基が好ましい。
[0205]
 複素環基の環形成原子数は、3~30であり、好ましくは5~24であり、より好ましくは5~18である。
 ヘテロアリール基の環形成原子数は、5~30であり、好ましくは5~24であり、より好ましくは5~18である。
 ヘテロアリール基の炭素原子以外の環形成原子としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。
[0206]
 ヘテロアリーレン基は、前記ヘテロアリール基からさらに1つの水素原子又は置換基が除去された2価の基Y 31である。
[0207]
 また、本明細書において、複素環基は、例えば、下記一般式(XY-1)~(XY-18)で表される部分構造から誘導される基であってもよい。
[0208]
[化84]


[0209]
[化85]


[0210]
[化86]


[0211]
 前記一般式(XY-1)~(XY-18)中、X 及びY は、それぞれ独立に、ヘテロ原子であり、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、ケイ素原子、またはゲルマニウム原子であることが好ましい。前記一般式(XY-1)~(XY-18)で表される部分構造は、任意の位置で結合手を有して複素環基となり、この複素環基は、置換基を有していてもよい。
[0212]
 また、本明細書において、置換または無置換のカルバゾリル基としては、例えば、下記式で表されるような、カルバゾール環に対してさらに環が縮合した基も含み得る。このような基も置換基を有していてもよい。また、結合手の位置も適宜変更され得る。
[0213]
[化87]


[0214]
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換アミノ基は、-NH(Y 10)又は-NH(Y 20)で表され、Y 10及びY 20は上記の通りである。
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換アミノ基は、-N(Y 10、-N(Y 20又は-N(Y 10)(Y 20)で表され、Y 10及びY 20は上記の通りである。Y 10又はY 20が2つある場合は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
[0215]
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換シリル基は、-SiH (Y 10)又は-SiH (Y 20)で表される。
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換シリル基は、-SiH(Y 10、-SiH(Y 20又は-SiH(Y 10)(Y 20)で表される。
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有するトリ置換シリル基は、-Si(Y 10、-Si(Y 20、-Si(Y 10(Y 20)又は-Si(Y 10)(Y 20で表される。Y 10及びY 20は前記の通りであり、Y 10又はY 20がそれぞれ複数存在する場合は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
[0216]
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有する置換スルホニル基は、-S(=O) -Y 10又は-S(=O) -Y 20で表され、Y 10及びY 20は前記の通りである。
[0217]
 アルキル基及びアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基は、-O-P(=O)(Y 10、-O-P(=O)(Y 20又は-O-P(=O)(Y 10)(Y 20)で表される。Y 10及びY 20は前記の通りであり、Y 10又はY 20がそれぞれ2つ存在する場合は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
[0218]
 アルキル基を有するアルキルスルホニルオキシ基は、-O-S(=O) (Y 10)で表され、Y 10は前記の通りである。
[0219]
 アリール基から選ばれる置換基を有するアリールスルホニルオキシ基は、-O-S(=O) (Y 20)で表され、Y 20は前記の通りである。
[0220]
 本明細書において、「置換または無置換の」という場合における置換基としては、環形成炭素数6~30のアリール基、環形成原子数5~30のヘテロアリール基、炭素数1~25のアルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基)、環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、炭素数1~25のハロゲン化アルキル基、炭素数3~25のアルキルシリル基、環形成炭素数6~30のアリールシリル基、炭素数1~25のアルコキシ基、環形成炭素数6~30のアリールオキシ基、環形成原子数5~30のヘテロアリールオキシ基、置換アミノ基、炭素数1~25のアルキルチオ基、環形成炭素数6~30のアリールチオ基、環形成原子数5~30のヘテロアリールチオ基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数5~30のヘテロアリール基が置換されたアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、環形成炭素数6~30のアリール基または環形成原子数5~30の複素環基が置換されたホスホリル基、環形成炭素数6~30のアリール基または環形成原子数5~30の複素環基が置換されたボリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも一種の基が挙げられる。
[0221]
 本明細書において、「置換または無置換の」という場合における置換基としては、環形成炭素数6~30のアリール基、環形成原子数5~30のヘテロアリール基、炭素数1~25のアルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基)、炭素数3~25のアルキルシリル基、環形成炭素数6~30のアリールシリル基、及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
[0222]
 本明細書において、「置換または無置換の」という場合における置換基は、環形成炭素数6~30のアリール基、環形成原子数5~30のヘテロアリール基、炭素数1~25のアルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基)、環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、炭素数3~25のアルキルシリル基、環形成炭素数6~30のアリールシリル基、炭素数1~25のアルコキシ基、環形成炭素数5~30のアリールオキシ基、置換アミノ基、炭素数1~25のアルキルチオ基、環形成炭素数6~30のアリールチオ基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、及びカルボキシ基からなる群から選択される少なくとも一種の基によってさらに置換されてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成してもよい。
[0223]
 本明細書において、「置換または無置換の」という場合における置換基に、さらに置換する置換基としては、環形成炭素数6~30のアリール基、環形成原子数5~30のヘテロアリール基、炭素数1~25のアルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基)、ハロゲン原子、及びシアノ基からなる群から選択される少なくとも一種の基であることが好ましく、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基から選択される少なくとも一種の基であることがさらに好ましい。
[0224]
(電子機器)
 本発明の一態様である電子機器は、前記本発明の一態様である有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載している。
 本発明の一態様である有機エレクトロルミネッセンス素子は、様々な電子機器に使用できる。例えば本発明の一態様である有機エレクトロルミネッセンス素子は、平面発光体、バックライト、計器類等の光源、表示板、及び標識灯等に利用できる。平面発光体としては、壁掛けテレビのフラットパネルディスプレイ等が挙げられる。バックライトとしては、複写機、プリンター、及び液晶ディスプレイ等のバックライトが挙げられる。
 また、本発明の化合物は、有機EL素子だけでなく、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の分野においても使用できる。
[0225]
〔実施形態の変形〕
 なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
[0226]
 前記実施形態では、発光層に組成物が含まれている態様を例に挙げて説明した。他の態様としては、例えば、発光層以外の有機層のうちの1層に組成物が含まれている態様の有機EL素子が挙げられる。例えば、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に含まれた発光層と、前記発光層と前記陰極との間に含まれた電子輸送帯域を備え、前記電子輸送帯域は、前記実施形態に係る組成物を含む有機EL素子の態様が例示される。
[0227]
 例えば、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
 また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
[0228]
 また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
 例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
 また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
 また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層や正孔輸送層)に移動することを阻止する。
 発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
[0229]
 その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
実施例
[0230]
 以下、本発明に係る実施例を説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
[0231]
<化合物>
 有機EL素子の製造に用いた化合物を以下に示す。
[0232]
[化88]


[0233]
[化89]


[0234]
[化90]


[0235]
[化91]


[0236]
[化92]


[0237]
<合成実施例>
(合成実施例1)
 化合物PGH-N1の合成実施例を以下に示す。
[0238]
[化93]


[0239]
[化94]


[0240]
[化95]


[0241]
[化96]


[0242]
(1)3-ブロモ-5-クロロベンズアルデヒドの合成
 アルゴン雰囲気下、3,5-ジブロモクロロベンゼン692g、脱水ジエーテル1.75L、及び脱水トルエン5.25Lをフラスコに仕込み、-60℃まで冷却した。1.6Mのn-ブチルリチウムのヘキサン溶液1.6Lを滴下して加え、-60℃にて1時間攪拌した。攪拌後、N,N-ジメチルホルムアミド595gを滴下し、-60℃にて1時間攪拌を続けて反応させた。反応終了後、1N塩酸水溶液2Lを添加した。反応溶液をトルエンにて抽出し、有機層を水にて洗浄した後、硫酸マグネシウムにて脱水後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、3-ブロモ-5-クロロベンズアルデヒド745gを得た。DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドの略称である。
[0243]
(2)N-[(3-ブロモ-5-クロロフェニル)メチレン]ベンゼンアミンの合成
 アルゴン雰囲気下、3-ブロモ-5-クロロベンズアルデヒド745g、アニリン238g、及びトルエン5Lをフラスコに仕込み、110℃にて18時間加熱攪拌を続けた。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を濃縮乾固させ、N-[(3-ブロモ-5-クロロフェニル)メチレン]ベンゼンアミン702gを得た。
[0244]
(3)2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンの合成
 N-[(3-ブロモ-5-クロロフェニル)メチレン]ベンゼンアミン702g、ベンズアミジン塩酸塩746g、脱水エタノール10.5L、及び水酸化ナトリウム286gをフラスコに仕込み、80℃にて20時間攪拌をした。室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をトルエンにて再結晶し、2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン150gを得た。
[0245]
(4)2-(5-クロロビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンの合成
 アルゴン雰囲気下、2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.45g、フェニルボロン酸2.68g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.693g、2M炭酸ナトリウム水溶液30mL、及びトルエン60mLをフラスコに加えて、100℃にて24時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、水層を除去し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、2-(5-クロロビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン5.50gを得た。
[0246]
(5)化合物PGH-N1の合成
 アルゴン雰囲気下、2-(5-クロロビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン1.67g、9’-フェニル-9H,9’H-2,3-ビカルバゾール1.63g、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0) 0.073g、トリt-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート0.092g、t-ブトキシナトリウム1.15g、及びキシレン40mLをフラスコに仕込み、140℃で6時間加熱攪拌をした。室温まで冷却後、反応溶液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、1.92gの黄色固体を得た。この黄色固体は、マススペクトル分析の結果、目的物(化合物PGH-N1)であり、分子量791.30に対し、m/e=791であった。
[0247]
(合成実施例2)
 化合物PGH-N2の合成実施例を以下に示す。
[0248]
[化97]


[0249]
 アルゴン雰囲気下、2-(3-ブロモフェニル)-4-(3-ビフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン4.63g、9’-フェニル-9H,9’H-2,3-ビカルバゾール4.50g、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0) 0.183g、トリt-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート0.116g、t-ブトキシナトリウム1.35g、及びキシレン40mLをフラスコに仕込み、140℃で6時間加熱攪拌をした。室温まで冷却後、反応溶液を濃縮した。残渣を再結晶にて精製し、4.23gの黄色固体を得た。この黄色固体は、マススペクトル分析の結果、目的物(化合物PGH-N2)であり、分子量791.30に対し、m/e=791であった。
[0250]
(合成実施例3)
 化合物PGH-N3の合成実施例を以下に示す。
[0251]
[化98]


[0252]
 化合物PGH-N2の合成において、2-(3-ブロモフェニル)-4-(3-ビフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジンの代わりに2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを用いた他は、合成実施例2と同様に合成し、化合物PGH-N3を得た。この合成で得た化合物は、マススペクトル分析の結果、目的物(化合物PGH-N3)であり、分子量791.30に対し、m/e=791であった。
[0253]
<有機EL素子の作製>
 有機EL素子を以下のように作製した。
[0254]
(実施例1)
 化合物PGH-P1を1.1g測り取り、化合物PGH-N1を1.1g測り取り、これら2つの化合物を乳鉢で混合した。混合後、混合物2gを、真空蒸着装置用の石英製のるつぼに充填した。るつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との混合物の一部を採取し、採取物をテトラヒドロフランに溶解し、HPLC(High Performance Liquid Chromatography)で検出された各成分のピーク面積値から化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との比率を測定したところ、質量比(初期比率)は、化合物PGH-P1:化合物PGH-N1=5:5であった。
 この化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との混合物を充填したるつぼ、化合物HATを充填したるつぼ、化合物HT-1を充填したるつぼ、化合物HT-2を充填したるつぼ、化合物PGD-1を充填したるつぼ、化合物ET-1を充填したるつぼ、並びに8-キノリノラトリチウム(Liq)を充填したるつぼを真空蒸着装置にセットした。
[0255]
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITOの膜厚は、130nmとした。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、一方をマスクで保護した後、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして化合物HATを蒸着して膜厚10nmのHAT膜を成膜し、正孔注入層を形成した。
 次に、この正孔注入層の上に、化合物HT-1を蒸着して膜厚110nmのHT-1膜を成膜し、第一正孔輸送層を形成した。
 次に、この第一正孔輸送層の上に、化合物HT-2を蒸着して膜厚35nmのHT-2膜を成膜し、第二正孔輸送層を形成した。
 次に、この第二正孔輸送層の上に、化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との混合物、及び化合物PGD-1を共蒸着により成膜し、膜厚40nmの発光層を形成した。発光層に含まれる化合物PGD-1の濃度は、5質量%とした。
 この発光層の成膜に続けて、化合物ET-1と8-キノリノラトリチウム(Liq)とを50:50の質量比で共蒸着により成膜し、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
 この電子輸送層上にLiqを蒸着して、膜厚1nmの電子注入層を形成した。
 この電子注入層上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
 このようにして作製した有機EL素子を、蒸着初期の有機EL素子とした。
[0256]
 有機EL素子を作製した後、ITO基板をチャンバーの外に退避させ、化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との混合物の蒸着を、るつぼ内の材料の質量が0.4g(残量20質量%)になるまで連続して続けた。その後、ITO基板をチャンバーに戻し、既に作製済の有機EL素子部をマスクで保護した後、透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして化合物HATを蒸着して膜厚10nmのHAT膜を成膜し、正孔注入層を形成した。
 次に、この正孔注入層の上に、化合物HT-1を蒸着して膜厚110nmのHT-1膜を成膜し、第一正孔輸送層を形成した。
 次に、この第一正孔輸送層の上に、化合物HT-2を蒸着して膜厚35nmのHT-2膜を成膜し、第二正孔輸送層を形成した。
 次に、この第二正孔輸送層の上に、化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との混合物、及び化合物PGD-1を共蒸着により成膜し、膜厚40nmの発光層を形成した。発光層に含まれる化合物PGD-1の濃度は、5質量%とした。
 この発光層の成膜に続けて、化合物ET-1と8-キノリノラトリチウム(Liq)とを50:50の質量比で共蒸着により成膜し、膜厚30nmの電子輸送層を形成した。
 この電子輸送層上にLiqを蒸着して、膜厚1nmの電子注入層を形成した。
 この電子注入層上に金属Alを蒸着して、膜厚80nmの金属陰極を形成した。
このようにして作製した有機EL素子を、蒸着終期の有機EL素子とした。
 最後に蒸着装置からるつぼ中の残渣を取り出し、るつぼ中の残渣をテトラヒドロフランに溶解し、HPLCで検出された各成分のピーク面積値から化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との比率(残渣比率)を求めた。
[0257]
 表1に、初期(蒸着前)のるつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との比率(初期比率)、及び蒸着後のるつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との比率(残渣比率)とを示す。
[0258]
(実施例2)
 実施例2は、実施例1の発光層における化合物PGH-N1に代えて、化合物PGH-N2を用いたこと以外、実施例1と同様にして実施した。
 表1に、初期(蒸着前)のるつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N2との比率(初期比率)、及び蒸着後のるつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N2との比率(残渣比率)とを示す。
[0259]
(実施例3)
 実施例3は、実施例1の発光層における化合物PGH-N1に代えて、化合物PGH-N3を用いたこと以外、実施例1と同様にして実施した。
 表1に、初期(蒸着前)のるつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N3との比率(初期比率)、及び蒸着後のるつぼ中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N3との比率(残渣比率)とを示す。
[0260]
(比較例1)
 比較例1は、実施例1の発光層における化合物PGH-P1に代えて、化合物PGH-C1を用い、かつ、実施例1の発光層における化合物PGH-N1に代えて、化合物PGH-C2を用いたこと以外、実施例1と同様にして実施した。
 表1に、初期(蒸着前)のるつぼ中の化合物PGH-C1と化合物PGH-C2との比率(初期比率)、及び蒸着後のるつぼ中の化合物PGH-C1と化合物PGH-C2との比率(残渣比率)とを示す。
[0261]
[表1]


[0262]
 実施例1に係る蒸着初期の有機EL素子において、発光層中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N1との質量比(フィルム比率)をHPLCにて分析したところ、化合物PGH-P1:化合物PGH-N1=5:5であった。
[0263]
 実施例2に係る蒸着初期の有機EL素子において、発光層中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N2との質量比(フィルム比率)をHPLCにて分析したところ、化合物PGH-P1:化合物PGH-N2=5:5であった。
[0264]
 実施例3に係る蒸着初期の有機EL素子において、発光層中の化合物PGH-P1と化合物PGH-N3との質量比(フィルム比率)をHPLCにて分析したところ、化合物PGH-P1:化合物PGH-N3=5:5であった。
[0265]
 比較例1に係る蒸着初期の有機EL素子において、発光層中の化合物PGH-C1と化合物PGH-C2との質量比(フィルム比率)をHPLCにて分析したところ、化合物PGH-C1:化合物PGH-C2=8:2であった。
[0266]
 実施例1~3の有機EL素子(蒸着初期)に関して、発光層中の第一の化合物と第二の化合物との質量比(フィルム比率)は、初期(蒸着前)のるつぼ中の第一の化合物と第二の化合物との質量比(初期比率)と同様の比率であった。
 一方で、比較例1の有機EL素子(蒸着初期)に関して、発光層中の化合物PGH-C1と化合物PGH-C2との質量比(フィルム比率)は、初期(蒸着前)のるつぼ中の化合物PGH-C1と化合物PGH-C2との質量比(初期比率)と大きく異なっていた。比較例1では、るつぼ中には化合物PGH-C1と化合物PGH-C2とが5:5の質量比で混合されていたが、膜中の質量比は8:2であり、発光層中の比率は、材料の仕込み比率と同等に成膜されていないことが分かった。
[0267]
<有機EL素子の評価>
 実施例1~3及び比較例1において作製した蒸着初期の有機EL素子、及び蒸着終期の有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表2に示す。
[0268]
・駆動電圧V
 電流密度が10mA/cm となるようにITO透明電極と金属Al陰極との間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
[0269]
・外部量子効率EQE
 電流密度が10mA/cm となるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-1000(コニカミノルタ社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行なったと仮定し、外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
[0270]
・寿命LT97
 初期電流密度を10mA/cm に設定して直流の連続通電試験を行い、試験開始時の輝度に対して、輝度が97%まで減少する時間を測定し、その測定された時間を寿命LT97(単位:時間(hrs))とした。
[0271]
[表2]


[0272]
 実施例1~3によれば、蒸着初期の有機EL素子及び蒸着終期の有機EL素子に関して、素子性能のばらつきが、比較例1に比べて少ないことが分かった。前記一般式(1)で表される第一の化合物と前記一般式(2)で表される第二の化合物とを含む組成物を用いることで、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能を維持しながら、1つの蒸着源から材料の比率を安定的に蒸着させることができることが分かった。

符号の説明

[0273]
 1…有機EL素子、3…陽極、4…陰極、5…発光層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層。

請求の範囲

[請求項1]
 2種以上の化合物が混合された組成物であって、
 少なくとも下記一般式(1)で表される第一の化合物及び下記一般式(2)で表される第二の化合物が含有される組成物。
[化1]




(前記一般式(1)中、
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA は、それぞれ独立して、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は
  置換もしくは無置換の環形成原子数6~30の複素環基を示す。
 ただし、R ~R 、A 及びA 中に、下記一般式(1a)で表される環構造は、合計で6つ含まれている。)
[化2]




(前記一般式(1a)中、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。6つの前記一般式(1a)で表される環構造のうち少なくともいずれかの環構造において、X 、X 及びX のうち少なくともいずれかが、Nを示す。前記一般式(1a)で表される環構造同士が結合して縮合環を形成する場合と、形成しない場合とがある。
 R 、R X1、R X2及びR X3は、それぞれ独立して、
  単結合、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 R が複数存在する場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R X1、R X2、R X3及び1つ又は複数のR のうち少なくともいずれかは、単結合である。)
[化3]




(前記一般式(2)中、R 21~R 24は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~30のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 eは、0、1、2、3、又は4である。
 fは、0、1、2、又は3である。
 gは、0、1、2、又は3である。
 hは、0、1、2、3、又は4である。
 eが2以上の場合、複数のR 21は、互いに同一であるか、又は異なる。
 fが2以上の場合、複数のR 22は、互いに同一であるか、又は異なる。
 gが2以上の場合、複数のR 23は、互いに同一であるか、又は異なる。
 hが2以上の場合、複数のR 24は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA のうち少なくとも一方が、下記一般式(2a)で表される置換基であり、他方が下記一般式(2b)で表される置換基である。
[化4]




(前記一般式(2a)中、Arは、置換もしくは無置換のトリフェニレニレン基を示す。)
[化5]




(前記一般式(2b)中、X 、X 、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[請求項2]
 請求項1に記載の組成物において、
 前記第一の化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である、組成物。
[化6]




(前記一般式(3)中、
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 iは、0、1、2、3、又は4である。
 jは、0、1、2、3、4、又は5である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 iが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 jが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 B は、下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表される置換基を示す。)
[化7]



[化8]



(前記一般式(4)及び前記一般式(5)中、
 X ~X は、CR または窒素原子を示す。
 R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R ~R は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  シアノ基を示す。
 kは、0、1、2、3、4、又は5である。
 lは、0、1、2、3、4、又は5である。
 mは、0、1、2、3、又は4である。
 kが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 lが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 mが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[請求項3]
 請求項1に記載の組成物において、
 前記第一の化合物が、下記一般式(6)で表される化合物である、組成物。
[化9]




(前記一般式(6)中、
 R ~R 、及びR 10は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 aは、0、1、2、3、又は4である。
 bは、0、1、2、又は3である。
 cは、0、1、2、又は3である。
 dは、0、1、2、3又は4である。
 iは、0、1、2、又は3である。
 jは、0、1、2、3、4、又は5である。
 nは、0、1、2、3、4、又は5である。
 aが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 bが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 cが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 dが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 iが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 jが2以上の場合、複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 nが2以上の場合、複数のR 10は、互いに同一であるか、又は異なる。
 B は、下記一般式(7)で表される置換基を示す。)
[化10]



(前記一般式(7)中、
 X ~X は、CR または窒素原子を示す。
 R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。
 R 11及びR 12は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 oは、0、1、2、3、4、又は5である。
 pは、0、1、2、3、4、又は5である。
 oが2以上の場合、複数のR 11は、互いに同一であるか、又は異なる。
 pが2以上の場合、複数のR 12は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[請求項4]
 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の組成物において、
 6つの前記一般式(1a)で表される環構造のうち少なくともいずれかの環構造におけるX 、X 、及びX が、窒素原子である、組成物。
[請求項5]
 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の組成物において、
 a,b,c,d,k,l,m,n,o及びpが、0である、組成物。
[請求項6]
 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の組成物において、
 前記第二の化合物が、下記一般式(8)で表される化合物である、組成物。
[化11]




(前記一般式(8)中、R 21~R 24は、それぞれ独立して、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数6~24のアリール基、
  置換もしくは無置換の環形成原子数3~30の複素環基、
  炭素数1~25のアルキル基及び環形成炭素数6~24のアリール基からなる群から選択される1以上の基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 eは、0、1、2、3、又は4である。
 fは、0、1、2、又は3である。
 gは、0、1、2、又は3である。
 hは、0、1、2、3、又は4である。
 eが2以上の場合、複数のR 21は、互いに同一であるか、又は異なる。
 fが2以上の場合、複数のR 22は、互いに同一であるか、又は異なる。
 gが2以上の場合、複数のR 23は、互いに同一であるか、又は異なる。
 hが2以上の場合、複数のR 24は、互いに同一であるか、又は異なる。
 A 及びA のうち少なくとも一方が、下記一般式(2a)で表される置換基であり、他方が(2b)で表される置換基である。
[化12]




(前記一般式(2a)中、Arは、置換もしくは無置換のトリフェニレニレン基を示す。)
[化13]




(前記一般式(2b)中、X 、X 、X 、X 及びX は、それぞれ独立して、CR 又はNを示す。R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示す。
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる。)
[請求項7]
 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の組成物において、
 X 、X 、X 、X 及びX が、CR であり、
 R は、
  水素原子、
  ハロゲン原子、
  置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基、
  置換もしくは無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
  炭素数1~25のアルキル基で置換されたシリル基、又は
  シアノ基を示し、
 複数のR は、互いに同一であるか、又は異なる、組成物。
[請求項8]
 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の組成物において、
 Arが、無置換の2価のトリフェニレニレン基である、組成物。
[請求項9]
 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の組成物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
[請求項10]
 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の組成物を含む、組成物膜。
[請求項11]
 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に含まれた有機層と、を備え、
 前記有機層は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の組成物を含む、
 有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項12]
 請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
 前記有機層は、複数の層で構成され、
 前記組成物は、前記複数の層のうちの1層に含まれている、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項13]
 請求項11又は請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
 前記有機層は、発光層を含み、
 前記発光層は、前記組成物を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項14]
 請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
 前記発光層が、さらに発光材料を含有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項15]
 請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
 前記発光層は、前記発光材料として燐光発光材料を含有し、
 前記燐光発光材料は、イリジウム、オスミウム、及び白金からなる群から選択されるいずれかの金属原子のオルトメタル化錯体である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項16]
 請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
 前記陽極と前記発光層との間に、さらに正孔輸送層を有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項17]
 請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
 前記陰極と前記発光層との間に、さらに電子輸送層を有する、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項18]
 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に含まれた発光層と、前記発光層と前記陰極との間に含まれた電子輸送帯域を備え、
 前記電子輸送帯域は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の組成物を含む、
 有機エレクトロルミネッセンス素子。
[請求項19]
 請求項11から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。

図面

[ 図 1]