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1. (WO2018123914) 高周波モジュール及び通信装置
Document

明 細 書

発明の名称 高周波モジュール及び通信装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

発明の効果

0029  

図面の簡単な説明

0030  

発明を実施するための形態

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119  

産業上の利用可能性

0120  

符号の説明

0121  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 高周波モジュール及び通信装置

技術分野

[0001]
 本発明は、増幅素子を備える高周波モジュール、及び、当該高周波モジュールを備える通信装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来、増幅素子を備える高周波モジュールとして、当該増幅素子の前段に、所定の動作をする能動回路を設ける構成が提案されている。例えば、特許文献1には、多段接続された増幅素子を備える高周波モジュールの構成が開示されており、後段の増幅素子(後段の増幅トランジスタ)の前段に、上記能動回路として初段の増幅素子(初段の増幅トランジスタ)が設けられている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2003-87059号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 このような高周波モジュールに関し、近年、通信装置に対する小型化の要求の高まりに伴って、通信装置に搭載される高周波モジュールに対しても小型化の要求が高まっている。しかしながら、上記従来の高周波モジュールでは、能動回路の後段に配置される増幅素子に対して直流バイアス供給用の端子を個別に設けることが必要なため、小型化が難しいという課題がある。
[0005]
 そこで、本発明は、能動回路とその後段に配置される増幅素子を備える小型の高周波モジュール及び通信装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る高周波モジュールは、増幅素子を備える高周波モジュールであって、入力された高周波信号をフィルタリングするハイパスフィルタ回路と、所定の動作をする能動回路であって、前記ハイパスフィルタ回路でフィルタリングされた高周波信号と直流バイアスとが重畳された信号を出力する能動回路と、前記能動回路と前記増幅素子との間に配置されたインピーダンス整合回路と、を備え、前記増幅素子は、キャパシタを介することなく前記能動回路と接続され、当該能動回路から前記インピーダンス整合回路を介して入力された信号を、当該信号に重畳されている前記直流バイアスによって定まる動作点で増幅する。
[0007]
 このように、能動回路から直流バイアスが重畳された信号が出力され、当該能動回路と接続された増幅素子が当該直流バイアスによって定まる動作点で増幅することにより、増幅素子に対する直流バイアス供給用の端子の削減が図られる。
[0008]
 ここで、増幅素子の前段には、増幅素子での歪みの抑制等のためにハイパスフィルタ回路を設ける必要がある。しかし、このようなハイパスフィルタ回路を能動回路と増幅素子との間に配置した場合、能動回路から増幅素子への直流バイアスの供給が妨げられてしまう。また、増幅素子の前段には、インピーダンス整合(マッチング)をとるために整合回路(インピーダンス整合回路)を設ける必要がある。しかし、このような整合回路によって能動回路と増幅素子との間にキャパシタが配置される場合にも、上記と同様に、能動回路から増幅素子への直流バイアスの供給が妨げられてしまう。
[0009]
 そこで、ハイパスフィルタ回路が能動回路の前段に配置され、増幅素子がキャパシタを介することなく能動回路と接続されることにより、能動回路から増幅素子へ直流バイアスを供給することができる。したがって、能動回路の後段に配置される増幅素子に対する直流バイアス供給用の端子を削減できるため、能動回路とその後段に配置される増幅素子を備える小型の高周波モジュールを実現することができる。
[0010]
 また、前記インピーダンス整合回路は、前記能動回路から前記増幅素子への信号経路とグランドとを結ぶ経路上で直列接続された第1インダクタ及び第1キャパシタからなる第1LC直列共振回路を有することにしてもよい。
[0011]
 このようにインピーダンス整合回路が第1LC直列共振回路を有することにより、高周波モジュール全体の通過特性において、当該第1LC直列共振回路の共振周波数によって周波数が規定される新たな減衰極を形成することができる。よって、第1インダクタ及び第1キャパシタの定数を適宜調整することにより、所望の周波数において十分な減衰量を確保することが可能となる。
[0012]
 また、前記第1LC直列共振回路は、前記ハイパスフィルタ回路の通過帯域外に共振周波数を有することにしてもよい。
[0013]
 これにより、高周波モジュール全体の通過特性において、ハイパスフィルタ回路の通過帯域外に上記の新たな減衰極を形成することができる。このため、ハイパスフィルタ回路の通過帯域外の所望の周波数において十分な減衰量を確保することが可能となる。
[0014]
 また、複数の絶縁体層が積層されることで構成された多層基板を備え、前記第1キャパシタは、前記多層基板の主面と略平行に配置され、かつ、互いに対向する1対以上のパターン導体により構成されていることにしてもよい。
[0015]
 このように第1キャパシタが多層基板のパターン導体により構成されることにより、高周波モジュール全体の小型化を図ることができる。
[0016]
 また、前記複数の絶縁体層は、1以上の第1絶縁体層が形成された第1領域、及び、当該第1絶縁体層より膜厚が厚い1以上の第2絶縁体層が形成された第2領域を含み、前記第1キャパシタは、前記第1絶縁体層及び前記第2絶縁体層のうち前記第1絶縁体層のみを介して対向して配置された1対のパターン導体により構成されていることにしてもよい。
[0017]
 これに関し、対向して配置された1対のパターン導体によって構成されるキャパシタのキャパシタンス値は、当該1対のパターン導体の距離が小さいほど大きくなる。このため、所望のキャパシタンス値を有するキャパシタを構成しようとすると、1対のパターン導体の距離が小さいほど小面積化できる。
[0018]
 よって、第1キャパシタが、第2絶縁体層に比べて膜厚が薄い第1絶縁体層のみを介して配置された1対のパターン導体によって構成されることにより、第1キャパシタのレイアウト面積を小さくすることができる。したがって、高周波モジュールのさらなる小型化を図ることができる。
[0019]
 また、前記第1キャパシタは、グランドに直接接続され、前記多層基板は、さらに、前記第1領域と前記第2領域とを仕切るように配置されたパターン導体である内層グランド電極を有し、前記第1キャパシタを構成する1対のパターン導体の一方は、前記内層グランド電極であることにしてもよい。
[0020]
 このように第1キャパシタを構成する1対のパターン導体の一方が内層グランド電極であることにより、多層基板を構成する複数の絶縁体層の層数を抑えることができるため、多層基板を薄型化できる。よって、高周波モジュール全体を低背化することができる。
[0021]
 また、前記第1キャパシタは、表面実装部品であることにしてもよい。
[0022]
 このように構成された第1キャパシタによれば定数(すなわち容量値)のばらつきを抑えることができるため、第1LC直列共振回路によって形成される減衰極の周波数のばらつきを抑えることができる。
[0023]
 また、前記ハイパスフィルタ回路は、高周波信号の伝達経路とグランドとを結ぶ経路上で直列接続された第2インダクタ及び第2キャパシタからなる第2LC直列共振回路を有することにしてもよい。
[0024]
 このようにハイパスフィルタ回路が第2LC直列共振回路を有することにより、ハイパスフィルタ回路のフィルタ特性(通過特性)において、当該第2LC直列共振回路の共振周波数によって周波数が規定される減衰極を形成することができる。よって、第2インダクタ及び第2キャパシタの定数を適宜調整することにより、ハイパスフィルタ回路の通過帯域低域側の所望の周波数において十分な減衰量を確保することが可能となる。
[0025]
 また、前記能動回路は、前記ハイパスフィルタ回路と前記インピーダンス整合回路との導通及び非導通を切り替えるスイッチ回路を有し、前記ハイパスフィルタ回路と前記インピーダンス整合回路とが導通の場合、前記ハイパスフィルタ回路でフィルタリングされた高周波信号と前記直流バイアスとが重畳された信号を出力することにしてもよい。
[0026]
 これにより、スイッチ回路が導通の場合、増幅素子は能動回路から出力された信号に重畳された直流バイアスによって定まる動作点で増幅動作をすることができる。
[0027]
 また、本発明の一態様に係る通信装置は、アンテナ素子で送受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路と、前記アンテナ素子と前記RF信号処理回路との間で当該高周波信号を伝達する上記記載の高周波モジュールと、を備える。
[0028]
 これにより、増幅素子及び能動回路を備える小型の通信装置を実現することができる。

発明の効果

[0029]
 本発明によれば、増幅素子及び能動回路を備える小型の高周波モジュール及び通信装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0030]
[図1] 図1は、実施の形態に係る高周波モジュールの構成の概要を示すブロック図である。
[図2] 図2は、実施の形態に係る高周波モジュールの回路構成を示す回路図である。
[図3] 図3は、実施の形態に係る高周波モジュールの通過特性を示すグラフである。
[図4] 図4は、実施の形態に係る高周波モジュールの断面構造を概念的に示す図である。
[図5] 図5は、変形例に係る高周波モジュール及びその周辺回路の構成図である。

発明を実施するための形態

[0031]
 以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
[0032]
 (実施の形態)
 [1. 回路構成]
 図1は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の構成の概要を示すブロック図である。図2は、当該高周波モジュール1の回路構成を示す回路図である。なお、これらの図では、高周波モジュール1を流れる信号について、当該信号が高周波信号のみの場合には「RF」と表記し、当該信号が高周波信号と直流バイアス(DCbias:直流バイアス電流または直流バイアス電圧)とが重畳された信号の場合には「DC+RF」と表記して、模式的に示している。
[0033]
 これらの図に示す高周波モジュール1は、携帯電話等の通信装置のフロントエンド部に配置され、アンテナ(アンテナ素子、図示せず)とRFIC(RF信号処理回路、図示せず)との間で高周波信号を伝達する高周波フロントエンド回路である。本実施の形態では、高周波モジュール1は、受信系の高周波モジュールであって、アンテナで受信された高周波受信信号をRFICに伝達する。
[0034]
 具体的には、図1に示すように、高周波モジュール1は、HPF(High Pass Filter:ハイパスフィルタ)回路10と、スイッチIC(Integrated Circuit)20と、整合回路30(インピーダンス整合回路)と、増幅素子であるLNA(Low Noise Amplifier:低雑音増幅器)40と、を備え、RFin端子(入力端子)から入力された高周波信号をフィルタリング及び増幅し、RFout端子(出力端子)から出力する。
[0035]
 HPF回路10は、入力された高周波信号をフィルタリングする回路であり、具体的には、RFin端子に入力された高周波信号の低域の周波数成分を減衰させ、かつ、当該高周波信号の高域の周波数成分を通過させる。例えば、HPF回路10は、LNA40の動作周波数の高周波信号を通過させ、当該動作周波数より低域の高周波信号を減衰させる。また、HPF回路10は、LNA40に供給される直流バイアスのRFin端子への回り込みを抑制する、いわゆるRFカット用の回路としても作用する。
[0036]
 具体的には、図2に示すように、HPF回路10は、RFin端子からRFout端子への高周波信号の伝達経路上に直列に配置されたキャパシタC11及びキャパシタC12を備える。また、本実施の形態では、HPF回路10は、さらに、高周波信号の伝達経路とグランドとを結ぶ経路上で直列接続されたインダクタL13(第2インダクタ)及びキャパシタC13(第2キャパシタ)からなるLC直列共振回路res1(第2LC直列共振回路)を有し、T型の回路構成を形成している。このLC直列共振回路res1は、本実施の形態では、キャパシタC11とキャパシタC12との接続ノードに接続されている。ここで、本実施の形態では、直列接続されたインダクタL13とキャパシタC13との接続順序は、キャパシタC13がグランド側となるように接続されている。なお、これらの接続順序は、特に限定されず、インダクタL13がグランド側となるように接続されていてもかまわない。
[0037]
 これらHPF回路10を構成する各素子の定数は、カットオフ周波数等の要求仕様に応じて適宜決定され得る。
[0038]
 なお、HPF回路10の回路構成は、要求仕様に応じて適宜決定されればよく、上記説明した構成に限らない。このため、HPF回路10は、T型の回路構成に限らず、例えば、π型の回路構成であってもかまわないし、さらには、RFin端子からRFout端子への高周波信号の伝達経路(主経路)上に直列に配置された1つのキャパシタのみで構成されていてもかまわない。
[0039]
 スイッチIC20は、所定の動作をする能動回路であって、HPF回路10でフィルタリングされた高周波信号と直流バイアスとが重畳された信号を出力する能動回路であり、例えば1チップで構成されている。本実施の形態では、スイッチIC20は、HPF回路10と整合回路30との導通及び非導通を切り替えるスイッチ回路21を有し、HPF回路10と整合回路30とが導通の場合、HPF回路10でフィルタリングされた高周波信号と直流バイアスとが重畳された信号を出力する。これに関し、スイッチIC20は、例えば、直流バイアスを生成するバイアス生成回路22を有する。
[0040]
 スイッチ回路21は、電源(図示せず)から供給される電源電圧VCCを用いてHPF回路10と整合回路30との導通及び非導通を切り替える回路であり、例えば、RFIC等の制御部からの制御信号に応じて上記の導通及び非導通を切り替えるSPST(Single-Pole,Single-Throw)型のスイッチである。このようなスイッチは、例えば、FET(Field Effect Transistor)スイッチまたはダイオードスイッチ等、半導体基板に形成された半導体スイッチを用いることができる。
[0041]
 なお、スイッチ回路21の構成は、これに限らず、例えば、SPnT(Single-Pole,n-Throw:ここでnは2以上の整数)型のスイッチであってもかまわない。また、スイッチは、半導体スイッチに限らず、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で構成された機械式スイッチであってもかまわない。
[0042]
 バイアス生成回路22は、例えばスイッチ回路21と同一の電源電圧VCCを用いて直流バイアスを生成し、生成した直流バイアスをRFin端子からRFout端子への主経路に供給する。つまり、高周波モジュール1において、直流バイアス供給用の端子(外部端子)は他の端子(本実施の形態では電源電圧VCC用の外部端子)と共通化(兼用)されている。本実施の形態では、バイアス生成回路22は、直流バイアス電流を生成し、例えば、電源電圧VCCからの電流を分流する複数の抵抗で構成される。
[0043]
 なお、バイアス生成回路22は、上記構成に限らず、LNA40として選択された回路素子等に応じて、適宜設計されていればよく、例えば、電源電圧VCCを分圧することにより直流バイアス電圧を生成してもかまわない。また、バイアス生成回路22は、スイッチIC20の電源電圧VCCとは異なる電圧を用いて直流バイアスを供給してもかまわない。また、バイアス生成回路22によって生成される直流バイアスは、一定に限らず、可変可能であってもかまわない。
[0044]
 整合回路30は、スイッチIC20(能動回路)とLNA40(増幅素子)との間に配置されたインピーダンス整合回路であり、LNA40の入力インピーダンスと高周波モジュール1の基準化インピーダンス(すなわちLNA40の入力端子に接続される配線の特性インピーダンス(例えば50Ω))とのインピーダンス整合をとる回路である。なお、整合回路30は、上記のインピーダンス整合に限らず、例えば、LNA40の入力インピーダンスとスイッチIC20の出力インピーダンスとのインピーダンス整合をとる回路であってもかまわない。
[0045]
 本実施の形態では、整合回路30は、スイッチIC20からLNA40への信号経路とグランドとを結ぶ経路上で直列接続されたインダクタL31(第1インダクタ)及びキャパシタC31(第1キャパシタ)からなるLC直列共振回路res3(第1LC直列共振回路)を有する。ここで、本実施の形態では、LC直列共振回路res3は、HPF回路10の通過帯域外に共振周波数を有する。また、インダクタL31とキャパシタC31との接続順序は、キャパシタC31がグランド側となるように接続されている。つまり、キャパシタC31は、グランドに直接接続されている。なお、これらの接続順序は、特に限定されず、インダクタL31がグランド側となるように接続されていてもかまわない。
[0046]
 なお、整合回路30は、上記の構成に限らず、例えば、さらに他のインピーダンス素子を有してもかまわないし、あるいは、RFin端子からRFout端子への主経路に直列に設けられたインダクタのみで構成されていてもかまわない。
[0047]
 LNA40は、キャパシタを介することなくスイッチIC20(能動回路)と接続され、当該スイッチIC20から整合回路30(インピーダンス整合回路)を介して入力された信号を、当該信号に重畳されている直流バイアスによって定まる動作点で増幅する増幅素子であり、例えば1チップで構成されている。本実施の形態では、LNA40は、npn型のバイポーラトランジスタQによって構成されている。
[0048]
 バイポーラトランジスタQは、エミッタが接地されており、ベースが整合回路30を介してスイッチIC20に接続されており、コレクタが電源(ここでは電流源)に接続されている。この構成により、バイポーラトランジスタQは、ベースに入力された信号を、当該信号に重畳されている直流バイアス電流によって定まる動作点で増幅し、コレクタから出力する。つまり、コレクタからは、ベースに入力された信号に重畳されている高周波信号の増幅後の信号が出力されることになる。
[0049]
 ここで、本実施の形態では、バイポーラトランジスタQのコレクタは、キャパシタC41を介してRFout端子と接続されている。これにより、バイポーラトランジスタQの電源(すなわちコレクタ電流)のRFout端子への回り込みが抑制されるため、RFout端子からは増幅後の高周波信号が出力されることになる。
[0050]
 なお、バイポーラトランジスタQは、上記構成に限らず、例えば、pnp型のバイポーラトランジスタであってもかまわない。また、バイポーラトランジスタQの接地方式は、上記方式に限定されず、コレクタ接地またはベース接地であってもかまわない。また、LNA40は、上記構成に限らず、例えば、n型またはp型のジャンクションFETによって構成されてもかまわない。このため、直流バイアスは、電流(直流バイアス電流)に限らず、電圧(直流バイアス電圧)の場合もあり得る。
[0051]
 また、キャパシタC41は設けられていなくてもよく、LNA40の出力端子(本実施の形態ではバイポーラトランジスタQのコレクタ)はRFout端子と直接接続されていてもかまわない。この場合、LNA40の電源(本実施の形態ではバイポーラトランジスタQのコレクタ電流)はRFout端子から供給されていればよい。
[0052]
 [2. 動作]
 以上のように構成された高周波モジュール1は、次のように動作する。
[0053]
 まず、HPF回路10は、RFin端子(入力端子)に入力された高周波信号をフィルタリングして出力する。
[0054]
 次に、スイッチIC20は、スイッチ回路21が導通である場合、HPF回路10から出力された高周波信号に対してバイアス生成回路22で生成された直流バイアスを重畳する。これにより、当該場合、スイッチIC20は、HPF回路10でフィルタリングされた高周波信号と直流バイアスとが重畳された信号を出力する。一方、スイッチ回路21が非導通である場合、スイッチIC20は、直流バイアスのみを出力する。なお、当該場合には、例えば、スイッチIC20は直流バイアスを出力しなくてもかまわないし、バイアス生成回路22は直流バイアスを生成しなくてもかまわない。
[0055]
 次に、LNA40は、スイッチIC20から出力されて整合回路30を介して入力された信号を増幅して出力する。ここで、当該信号には、スイッチIC20によって直流バイアスが重畳されている。このため、LNA40は、直流バイアス用の端子を設けることなく、入力された信号を増幅することができる。
[0056]
 最後に、LNA40から出力された信号に含まれる直流成分がキャパシタC41によりカット(フィルタリング)され、当該信号に含まれる高周波成分(すなわち増幅後の高周波信号)がRFout端子から出力される。
[0057]
 図3は、高周波モジュール1の通過特性を示すグラフである。具体的には、同図には、RFin端子に入力された高周波信号に対するRFout端子から出力された高周波信号の強度比(すなわち利得)の周波数特性が示されている。
[0058]
 同図に示すように、高周波モジュール1は、HPF回路10を有することにより、低域側が抑圧された通過特性を示す。
[0059]
 ここで、同図から明らかなように、高周波モジュール1は、HPF回路10の通過帯域の低域側に2つの減衰極Pole1、Pole2を形成する。これらの減衰極Pole1、Pole2のうち一方の減衰極は整合回路30のLC直列共振回路res3によって形成され、他方の減衰極はHPF回路10のLC直列共振回路res1によって形成されている。
[0060]
 本実施の形態では、LC直列共振回路res3の共振周波数とLC直列共振回路res1の共振周波数とが近傍に位置する。このため、2つの減衰極Pole1、Pole2を近傍に位置させることができるため、2つの減衰極Pole1、Pole2付近の減衰量が大きく確保されている。
[0061]
 なお、LC直列共振回路res3の共振周波数とLC直列共振回路res1の共振周波数との関係は、上記の関係に限定されず、例えば、近傍に位置していなくてもかまわないし、略一致していてもかまない。ここで、「略一致」とは、完全に等しいことだけでなく、実質的に等しいことも含む。すなわち、「略」とは数パーセント程度の誤差も含む。
[0062]
 [3. 構造]
 本実施の形態に係る高周波モジュール1は、例えば、多層基板を用いて構成される。
[0063]
 図4は、本実施の形態に係る高周波モジュール1の断面構造を概念的に示す図である。なお、同図では、簡明のため、厳密には別断面にある構成要素を同一図面内に示して説明している場合がある。また、同図では、多層基板上の実装部品(チップ部品)については、側面視で示している。また、同図では、便宜上、後述する基材層の境界を破線で示している。
[0064]
 同図に示すように、高周波モジュール1は、キャパシタC31等を内蔵する多層基板MLBと、多層基板MLB上に実施された実装部品と、で構成されている。具体的には、本実施の形態では、多層基板MLBは、キャパシタC11~C13、C31及びインダクタL13を内蔵し、SMD(Surface Mount Device:表面実装部品)として構成されたインダクタL31、スイッチIC20及びLNA40が実装されている。なお、図4では、キャパシタC11~C13及びインダクタL13が位置する断面とは別断面が図示されている。このため、これらの素子(キャパシタC11~C13及びインダクタL13)については、図4中には表れていない。
[0065]
 多層基板MLBは、複数の基材層121a、121b(複数の絶縁体層)が積層されることで構成されている。複数の基材層には、1以上(ここでは5つ)の基材層121a(第1絶縁体層)、及び、1以上(ここでは5つ)の基材層121b(第2絶縁体層)が含まれる。
[0066]
 具体的には、多層基板MLBは、複数の基材層121a、121bからなる積層素体121と、多層基板MLBに実装されるSMDとともに高周波モジュール1の回路構成を実現するための各種導体と、で構成される。各種導体には、例えば、多層基板MLBの主面と略平行に(多層基板MLBの積層方向に直交して)多層基板内に設けられた面内導体であるパターン導体122a、122bと、当該主面に垂直な方向(多層基板の積層方向)に設けられた層間接続導体であるビア導体123と、多層基板MLBの主面に沿って多層基板内の絶縁体層の略全体に設けられた内層グランド電極124と、が含まれる。また、多層基板MLBは、例えば底面に、多層基板MLBをマザー基板等に実装するための表面電極(図示せず)を有し、例えば天面に、SMDを実装するため等の表面電極126を有する。
[0067]
 例えば、基材層121a、121bとしては、非磁性フェライトセラミックやアルミナ及びガラスを主成分とする絶縁性ガラスセラミックが用いられる。なお、基材層121a、121bとしては、磁性フェライトセラミックが用いられてもよい。例えば、フェライトとしては、酸化鉄を主成分とし、亜鉛、ニッケル及び銅のうち少なくとも1以上が含まれる。また、例えば、セラミックとしては、焼成温度が銀の融点以下であるLTCCセラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics)を用いてもよい。これにより、銀を主成分とする金属または合金が用いて各種導体を構成することが可能になる。よって、例えば大気等の酸化性雰囲気下で多層基板MLBを焼成できる。また、例えば、各種導体としては、銀を主成分とする金属または合金が用いられる。
[0068]
 なお、基材層121a、121bとしては、上記材料に限らず、例えばポリイミド等の熱可塑性樹脂が用いられてもかまわない。また、各種導体としては、上記材料に限らず、例えば銅を主成分とする金属または合金が用いられてもかまわない。
[0069]
 ここで、高周波信号の伝送配線は、低周波信号の伝送配線に比べて、配線インピーダンス等を考慮する必要があることから、配線幅、配線の膜厚、基材層の膜厚等の設計自由度が厳しい。低周波信号とは、例えば、電源から供給される電圧または電流、あるいは、直流バイアス等である。このため、多層基板MLBを構成する全ての基材層の膜厚を高周波信号の伝送配線への要求仕様に応じて設計すると、多層基板MLB全体が厚くなってしまう。また、高周波信号の伝送配線と低周波信号の伝送配線とは、アイソレーション確保等の観点から、配置される領域を分けることが好ましい。
[0070]
 そこで、本実施の形態では、多層基板MLBは、主として低周波信号の伝送配線が配置されるDC領域(DC area)と、主として高周波信号の伝送配線が配置されるRF領域(RF area)と、を有する。つまり、積層素体121をなす複数の絶縁体層は、1以上の第1絶縁体層(本実施の形態では5層の基材層121a)が形成された第1領域であるDC領域、及び、当該第1絶縁体層より膜厚が厚い1以上の第2絶縁体層(本実施の形態では5層の基材層121b)が形成された第2領域であるRF領域を含む。すなわち、DC領域の基材層121aの膜厚をTdcとし、RF領域の基材層121bの膜厚をTrfとすると、Tdc<Trfを満たす。
[0071]
 これにより、多層基板MLB全体の厚みを抑えることができるとともに、高周波信号の伝送配線と低周波信号の伝送配線とのアイソレーションが向上し、これらの間の不要な電磁気的な結合を抑制することができる。
[0072]
 また、本実施の形態では、内層グランド電極124は、DC領域(第1領域)とRF領域(第2領域)とを仕切るように配置されている。このような内層グランド電極124は、DC領域とRF領域とをシールドするシールド導体として作用するため、高周波信号の伝送配線と低周波信号の伝送配線とのアイソレーションをさらに改善することができる。
[0073]
 本実施の形態では、パターン導体122a、122b及びビア導体123によって、キャパシタC11~C13、C31及びインダクタL13と、これらを接続する配線と、が形成されている。例えば、キャパシタC11~C13、C31は矩形状の対向する一対のパターン導体によって構成され、インダクタL13は、コイル状の複数のパターン導体122a、122bの端部がビア導体123によって接続されることで構成されている。なお、キャパシタC11~C13、C31を構成するパターン導体の形状は、矩形状に限らない。
[0074]
 具体的には、キャパシタC31(第1キャパシタ)を構成する1対のパターン導体は、基材層121a(第1絶縁体層)及び基材層121b(第2絶縁体層)のうち基材層121aのみ(ここでは1層の基材層121aのみ)を介して対向して配置されている。より具体的には、当該1対のパターン導体の一方は、内層グランド電極124である。つまり、キャパシタC31は、一方の電極が内層グランド電極124で構成され、他方の電極がDC領域に配置されたパターン導体122aで構成されている。
[0075]
 ここまで多層基板MLBの構成について説明したが、多層基板MLBの構成は上記構成に限定されず、高周波モジュール1への電気的な要求仕様、及び、要求されるサイズ等に応じて適宜決定され得る。
[0076]
 例えば、基材層121aの層数及び基材層121bの層数は、上記の層数に限らず、それぞれ1以上であればよい。
[0077]
 また、アイソレーション及び小型化の観点からはDC領域とRF領域とが分かれていることが好ましいが、これらが分かれていなくてもかまわない。つまり、積層素体121を構成する複数の基材層の膜厚は、互いに略等しくてもかまわない。
[0078]
 また、アイソレーションの観点からは、DC領域とRF領域とを仕切るように内層グランド電極124が配置されていることが好ましいが、内層グランド電極124の配置位置はこれに限らず、DC領域内またはRF領域内であってもかまわない。つまり、キャパシタC31は、DC領域に配置された内層グランド電極及びパターン導体122aによって構成されていてもかまわないし、RF領域に配置された内層グランド電極及びパターン導体122bによって構成されていてもかまわない。また、内層グランド電極124が設けられていなくてもかまわない。
[0079]
 また、キャパシタC11~C13、C31は、互いに対向する1対以上のパターン導体により構成されていればよく、上記の構成に限らない。例えば、キャパシタC13、C31の少なくとも1つは、高周波モジュール1のグランドを形成する多層基板MLBの底面に設けられた表面電極(すなわち裏面電極)、及び、多層基板MLB内のパターン導体によって構成されていてもかまわない。また、例えば、キャパシタC11~C13、C31の少なくとも1つは、多層基板MLBの断面視において、1組のビア導体123から一部が互いに重なるように櫛歯状に設けられた2対以上のパターン導体により構成されていてもかまわない。
[0080]
 また、多層基板MLBに内蔵できる素子値には、多層基板MLBを構成する材料等によって上限がある。このため、本実施の形態では、インダクタL31は、SMDで形成されていたが、インダクタL31のインダクタンス値を有するインダクタを多層基板MLBに内蔵可能な場合には、インダクタ31は多層基板MLBに内蔵されてもかまわない。つまり、インダクタL31はパターン導体122a、122b及びビア導体123等により形成されてもかまわない。
[0081]
 また、小型化の観点からはキャパシタC11~C13、C31及びインダクタL13は多層基板MLBに内蔵されていることが好ましいが、キャパシタC11~C13、C31及びインダクタL13の少なくとも1つがSMD等の実装部品により形成されていてもかまわない。例えば、キャパシタC31(第1キャパシタ)は、SMD(表面実装部品)であってもよい。このように構成されたキャパシタC31によれば定数(すなわち容量値)のばらつきを抑えることができるため、LC直列共振回路res3(第1LC直列共振回路)によって形成される減衰極の周波数のばらつきを抑えることができる。
[0082]
 [4. まとめ]
 以上説明した本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、スイッチIC20(能動回路)から直流バイアスが重畳された信号が出力され、当該スイッチIC20と接続されたLNA40(増幅素子)が当該直流バイアスによって定まる動作点で増幅することにより、LNA40に対する直流バイアス供給用の端子の削減が図られる。
[0083]
 ここで、LNA40の前段には、LNA40での歪みの抑制等のためにHPF回路10を設ける必要がある。しかし、このようなHPF回路10をスイッチIC20とLNA40との間に配置した場合、スイッチIC20からLNA40への直流バイアスの供給が妨げられてしまう。また、LNA40の前段には、インピーダンス整合(マッチング)をとるためにインピーダンス整合回路を設ける必要がある。しかし、このようなインピーダンス整合回路によってスイッチIC20とLNA40との間にキャパシタが配置される場合にも、上記と同様に、スイッチIC20からLNA40への直流バイアスの供給が妨げられてしまう。
[0084]
 そこで、HPF回路10がスイッチIC20の前段に配置され、LNA40がキャパシタを介することなくスイッチIC20と接続されることにより、スイッチIC20からLNA40へ直流バイアスを供給することができる。したがって、スイッチIC20の後段に配置されるLNA40に対する直流バイアス供給用の端子を削減できるため、スイッチIC20とその後段に配置されるLNA40を備える小型の高周波モジュール1を実現することができる。
[0085]
 また、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、整合回路30(インピーダンス整合回路)がLC直列共振回路res3(第1LC直列共振回路)を有することにより、高周波モジュール全体の通過特性において、当該LC直列共振回路res3の共振周波数によって周波数が規定される新たな減衰極を形成することができる。よって、インダクタL31(第1インダクタ)及びキャパシタC31(第1キャパシタ)の定数を適宜調整することにより、所望の周波数において十分な減衰量を確保することが可能となる。
[0086]
 また、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、LC直列共振回路res3がHPF回路10の通過帯域外に共振周波数を有することにより、高周波モジュール1全体の通過特性において、HPF回路10の通過帯域外に上記の新たな減衰極を形成することができる。このため、HPF回路10の通過帯域外の所望の周波数において十分な減衰量を確保することが可能となる。
[0087]
 なお、直列共振回路res3は、HPF回路10の通過帯域内に共振周波数を有してもかまわない。このような構成によれば、高周波モジュール1全体の通過特性において、HPF回路10の通過帯域内に新たな減衰極を形成することができる。このため、このような構成は、他の通信帯域(他バンド)との周波数関係により自身の通信帯域(自バンド)内において局所的に減衰量を確保することが要求される場合に好適である。
[0088]
 また、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、キャパシタC31が多層基板MLBのパターン導体(本実施の形態では、パターン導体122a及び内層グランド電極124)により構成されることにより、高周波モジュール1全体の小型化を図ることができる。
[0089]
 ここで、対向して配置された1対のパターン導体によって構成されるキャパシタのキャパシタンス値は、当該1対のパターン導体の距離が小さいほど大きくなる。このため、所望のキャパシタンス値を有するキャパシタを構成しようとすると1対のパターン導体の距離が小さいほど小面積化できる。
[0090]
 そこで、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、キャパシタC31が、基材層121b(第2絶縁体層)に比べて膜厚が薄い基材層121a(第1絶縁体層)のみを介して配置された1対のパターン導体(すなわちパターン導体122a及び内層グランド電極124)によって構成されることにより、キャパシタC31のレイアウト面積を小さくすることができる。したがって、高周波モジュール1のさらなる小型化を図ることができる。
[0091]
 なお、キャパシタC31を構成する1対のパターン導体は、基材層121a及び基材層121bのうち基材層121aのみを介して対向して配置されていればよく、さらに他の層を介して対向して配置されていてもかまわない。例えば、隣り合う基材層の間に拘束層または密着層等の他の層が設けられている場合、キャパシタC31を構成する1対のパターン導体は、基材層121aと当該他の層とを介して配置されていてもかまわない。
[0092]
 また、当該一対のパターン導体の配置は、上記の配置に限らず、基材層121a及び基材層121bのうち基材層121bのみを介して対向して配置されていてもかまわないし、基材層121a及び基材層121bの双方を介して対向して配置されていてもかまわない。
[0093]
 また、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、キャパシタC31を構成する1対のパターン導体の一方が内層グランド電極124であることにより、多層基板MLBを構成する複数の絶縁体層(本実施の形態では基材層121a、121b)の層数を抑えることができるため、多層基板MLBを薄型化できる。よって、高周波モジュール1全体を低背化することができる。
[0094]
 なお、キャパシタC31を構成する1対のパターン導体のいずれも、内層グランド電極124とは異なるパターン導体(すなわちパターン導体122a、122b)であってもかまわない。
[0095]
 また、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、HPF回路10がLC直列共振回路res1(第2LC直列共振回路)を有することにより、HPF回路10のフィルタ特性(通過特性)において、当該LC直列共振回路res1の共振周波数によって周波数が規定される減衰極を形成することができる。よって、インダクタL13(第2インダクタ)及びキャパシタC13(第2キャパシタ)の定数を適宜調整することにより、HPF回路10の通過帯域低域側の所望の周波数において十分な減衰量を確保することが可能となる。
[0096]
 また、本実施の形態に係る高周波モジュール1によれば、スイッチ回路21が導通の場合、LNA40はスイッチIC20から出力された信号に重畳された直流バイアスによって定まる動作点で増幅動作をすることができる。
[0097]
 (変形例)
 上記実施の形態1に係る高周波モジュール1の構成は、複数の通信帯域(バンド)に対応する高周波モジュール、すなわちマルチバンド対応の高周波モジュールに適用することができる。そこで、本変形例では、このようなマルチバンド対応の高周波モジュールについて説明する。
[0098]
 図5は、本変形例に係る高周波モジュール1A及びその周辺回路の構成図である。同図には、高周波モジュール1Aと、アンテナ素子2と、RF信号処理回路(RFIC)3とが示されている。高周波モジュール1A及びRFIC3は、通信装置4を構成している。アンテナ素子2、高周波モジュール1A及びRFIC3は、例えば、マルチバンド対応の携帯電話のフロントエンド部に配置される。
[0099]
 なお、通信装置4は、さらにベースバンド信号処理回路(BBIC:Baseband Integrated Circuit)を備えてもかまわない。ベースバンド信号処理回路は、高周波モジュール1Aにおける高周波信号よりも周波数が低い低周波信号(例えば、ベースバンド信号、IF(Intermediate Frequency)信号等)を用いて信号処理する回路である。例えば、ベースバンド信号処理回路は、RFIC3から入力された低周波信号(ここでは低周波受信信号)を信号処理することにより、音声信号または画像信号等を生成する。また、例えば、ベースバンド信号処理回路は、入力された音声信号または画像信号等を信号処理し、当該信号処理によって生成された低周波信号(ここでは低周波送信信号)をRFIC3に出力する。
[0100]
 アンテナ素子2は、高周波信号を送信または受信する、本変形例ではマルチバンド対応のアンテナである。なお、アンテナ素子2は、通信装置4に内蔵されていてもかまわない。
[0101]
 RFIC3は、アンテナ素子2で送受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路である。具体的には、RFIC3は、アンテナ素子2から高周波モジュール1Aの受信側信号経路を介して入力された高周波信号(ここでは高周波受信信号)を、ダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理によって生成された低周波信号(ここでは低周波受信信号)をベースバンド信号処理回路(図示せず)へ出力する。また、RFIC3は、ベースバンド信号処理回路(図示せず)から入力された低周波信号(ここでは低周波送信信号)をアップコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理によって生成された高周波信号(ここでは高周波送信信号)を高周波モジュール1Aの送信側信号経路(図示せず)に出力する。
[0102]
 高周波モジュール1Aは、アンテナ素子2とRFIC3との間で高周波信号を伝達する回路である。具体的には、高周波モジュール1Aは、RFIC3から出力された高周波信号(ここでは高周波送信信号)を、送信側信号経路(図示せず)を介してアンテナ素子2に伝達する。また、高周波モジュール1Aは、アンテナ素子2で受信された高周波信号(ここでは高周波受信信号)を、受信側信号経路を介してRFIC3に伝達する。この高周波モジュール1Aは、上記実施の形態に係る高周波モジュール1に相当する構成を含む。
[0103]
 高周波モジュール1Aは、アンテナ素子2側から順に、スイッチ群100と、フィルタ群110と、スイッチ群120と、インピーダンス整合回路群130と、受信増幅回路群140と、を備える。フィルタ群110、スイッチ群120、インピーダンス整合回路群130及び受信増幅回路群140は、この順にそれぞれ、上記実施の形態で説明したHPF回路10、スイッチ回路21、整合回路30(インピーダンス整合回路)、LNA40を備える。
[0104]
 スイッチ群100は、制御部(図示せず)からの制御信号にしたがって、アンテナ素子2と所定のバンドに対応する信号経路とを接続する1以上のスイッチ(本変形例では5つのSPST型のスイッチ)によって構成される。なお、アンテナ素子2と接続される信号経路は1つに限らず、複数であってもかまわない。つまり、高周波モジュール1Aは、キャリアアグリゲーションに対応してもかまわない。
[0105]
 フィルタ群110は、通過帯域が互いに異なる複数のフィルタによって構成され、本変形例では、例えばBandA~BandEに対応する5つのフィルタによって構成される。
[0106]
 スイッチ群120は、1以上のスイッチ(本変形例では、2つのSPDT型のスイッチ及び1つのSPST型のスイッチ)によって構成され、制御部(図示せず)からの制御信号にしたがって、フィルタ群110と受信増幅回路群140とを接続する。なお、スイッチ群120によって受信増幅回路群140と接続されるフィルタは1つに限らない。
[0107]
 インピーダンス整合回路群130は、1以上のインピーダンス整合回路(M.N.:Matching Network)によって構成され、本変形例では3つのインピーダンス整合回路で構成される。
[0108]
 受信増幅回路群140は、スイッチ群120から入力された高周波受信信号を増幅する1以上のLNA(本変形例では3つのLNA)によって構成される。
[0109]
 本変形例では、フィルタ群110を構成する複数のフィルタと受信増幅回路群140を構成する複数のLNAのうちLNA40を除く他のLNAとは、能動回路であるLNA/スイッチIC150として1チップで構成されている。LNA/スイッチIC150は、上記実施の形態で説明したバイアス生成回路22を含む(図示せず)。
[0110]
 以上説明したように、本変形例に係る高周波モジュール1Aは、上記実施の形態で説明した高周波モジュール1の構成を備える。このため、本変形例によれば、LNA/スイッチIC150(能動回路)とその後段に配置されるLNA40(増幅素子)を備えるマルチバンド対応可能な小型の高周波モジュール1Aを実現することができる。
[0111]
 (その他の変形例)
 以上、本発明の実施の形態に係る高周波モジュールについて、実施の形態及び変形例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。上記実施の形態及び変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態及び変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係るフィルタ装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
[0112]
 例えば、上述した高周波モジュールとRFIC(RF信号処理回路)とを備える通信装置も本発明に含まれる。このような通信装置によれば、マルチバンド対応可能な小型の通信装置を実現することができる。
[0113]
 また、上記説明では、所定の動作をする能動回路であって、HPF回路10でフィルタリングされた高周波信号と直流バイアスとが重畳された信号を出力する能動回路として、スイッチIC20またはLNA/スイッチIC150を例に説明した。しかし、能動回路は、これらに限らず、直流バイアスの生成動作とは異なる所定の動作であって、電源を用いて何らかの動作をする能動素子を有する回路であればよい。このため、例えば、能動回路は、スイッチによって通過帯域等の周波数を可変するフィルタを有する回路であってもかまわないし、増幅素子(上記説明ではLNA40)の前段に配置された増幅素子を有する回路であってもかまわない。
[0114]
 また、上記説明では、能動回路と増幅素子とを別チップで構成する例を示したが、これらは同一チップで構成されていてもかまわない。
[0115]
 また、上記説明では、受信系の高周波モジュールを例に説明した。しかし、高周波モジュールは、これに限らず、送信系の高周波モジュールであってもよく、RFICから出力された高周波送信信号をアンテナに伝達してもかまわない。このため、増幅素子はPA(Power Amplifier:パワーアンプ)であってもかまわない。
[0116]
 また、上記説明では、ハイパスフィルタ回路として、ハイパスフィルタ機能のみを有するHPF回路10について説明した。しかし、当該回路は、さらに他のフィルタ機能を有する回路であってもよく、例えば、ハイパスフィルタ機能とローパスフィルタ機能とが組み合わされたバンドパスフィルタ機能を有する回路であってもかまわない。
[0117]
 また、ハイパスフィルタ回路は、インダクタ及びコンデンサで構成されたLCフィルタに限らず、誘電体フィルタあるいは弾性波フィルタであってもかまわない。
[0118]
 また、ハイパスフィルタ回路及び整合回路30(インピーダンス整合回路)は、半導体プロセスによって作製されたIPD(Integrated Passive Device)によって構成されていてもかまわない。
[0119]
 また、例えば、高周波モジュールまたは通信装置において、特に言及していない限り、各構成要素の間にインダクタやキャパシタが接続されていてもかまわない。また、インダクタには、各構成要素間を繋ぐ配線による配線インダクタが含まれていてもかまわない。

産業上の利用可能性

[0120]
 本発明は、増幅素子及び能動回路を備える小型の高周波モジュール及び通信装置として、携帯電話等の通信機器に広く利用できる。

符号の説明

[0121]
  1、1A 高周波モジュール
  2 アンテナ素子
  3 RFIC(RF信号処理回路)
  4 通信装置
  10 HPF回路(ハイパスフィルタ回路)
  20 スイッチIC(能動回路)
  21 スイッチ回路
  22 バイアス生成回路
  30 整合回路(インピーダンス整合回路)
  40 LNA(増幅素子)
  100、120 スイッチ群
  110 フィルタ群
  121 積層素体
  121a 基材層(第1絶縁体層)
  121b 基材層(第2絶縁体層)
  122a、122b パターン導体
  123 ビア導体
  124 内層グランド電極
  126 表面電極
  130 インピーダンス整合回路群
  140 受信増幅回路群
  150 LNA/スイッチIC(能動回路)
  C11~C13、C31、C41  キャパシタ
  L13、L31 インダクタ
  MLB 多層基板
  Q バイポーラトランジスタ
  res1 LC直列共振回路(第2LC直列共振回路)
  res3 LC直列共振回路(第1LC直列共振回路)

請求の範囲

[請求項1]
 増幅素子を備える高周波モジュールであって、
 入力された高周波信号をフィルタリングするハイパスフィルタ回路と、
 所定の動作をする能動回路であって、前記ハイパスフィルタ回路でフィルタリングされた高周波信号と直流バイアスとが重畳された信号を出力する能動回路と、
 前記能動回路と前記増幅素子との間に配置されたインピーダンス整合回路と、を備え、
 前記増幅素子は、キャパシタを介することなく前記能動回路と接続され、当該能動回路から前記インピーダンス整合回路を介して入力された信号を、当該信号に重畳されている前記直流バイアスによって定まる動作点で増幅する、
 高周波モジュール。
[請求項2]
 前記インピーダンス整合回路は、前記能動回路から前記増幅素子への信号経路とグランドとを結ぶ経路上で直列接続された第1インダクタ及び第1キャパシタからなる第1LC直列共振回路を有する、
 請求項1に記載の高周波モジュール。
[請求項3]
 前記第1LC直列共振回路は、前記ハイパスフィルタ回路の通過帯域外に共振周波数を有する、
 請求項2に記載の高周波モジュール。
[請求項4]
 複数の絶縁体層が積層されることで構成された多層基板を備え、
 前記第1キャパシタは、前記多層基板の主面と略平行に配置され、かつ、互いに対向する1対以上のパターン導体により構成されている、
 請求項2または3に記載の高周波モジュール。
[請求項5]
 前記複数の絶縁体層は、1以上の第1絶縁体層が形成された第1領域、及び、当該第1絶縁体層より膜厚が厚い1以上の第2絶縁体層が形成された第2領域を含み、
 前記第1キャパシタは、前記第1絶縁体層及び前記第2絶縁体層のうち前記第1絶縁体層のみを介して対向して配置された1対のパターン導体により構成されている、
 請求項4に記載の高周波モジュール。
[請求項6]
 前記第1キャパシタは、グランドに直接接続され、
 前記多層基板は、さらに、前記第1領域と前記第2領域とを仕切るように配置されたパターン導体である内層グランド電極を有し、
 前記第1キャパシタを構成する1対のパターン導体の一方は、前記内層グランド電極である、
 請求項5に記載の高周波モジュール。
[請求項7]
 前記第1キャパシタは、表面実装部品である、
 請求項2~6のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
[請求項8]
 前記ハイパスフィルタ回路は、高周波信号の伝達経路とグランドとを結ぶ経路上で直列接続された第2インダクタ及び第2キャパシタからなる第2LC直列共振回路を有する、
 請求項1~7のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
[請求項9]
 前記能動回路は、
 前記ハイパスフィルタ回路と前記インピーダンス整合回路との導通及び非導通を切り替えるスイッチ回路を有し、
 前記ハイパスフィルタ回路と前記インピーダンス整合回路とが導通の場合、前記ハイパスフィルタ回路でフィルタリングされた高周波信号と前記直流バイアスとが重畳された信号を出力する、
 請求項1~8のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
[請求項10]
 アンテナ素子で送受信される高周波信号を処理するRF信号処理回路と、
 前記アンテナ素子と前記RF信号処理回路との間で当該高周波信号を伝達する請求項1~9のいずれか1項に記載の高周波モジュールと、を備える、
 通信装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]